JP4720040B2 - 負圧式倍力装置 - Google Patents

負圧式倍力装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4720040B2
JP4720040B2 JP2001230557A JP2001230557A JP4720040B2 JP 4720040 B2 JP4720040 B2 JP 4720040B2 JP 2001230557 A JP2001230557 A JP 2001230557A JP 2001230557 A JP2001230557 A JP 2001230557A JP 4720040 B2 JP4720040 B2 JP 4720040B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve seat
power piston
negative pressure
pressure chamber
plunger
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001230557A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003040101A (ja
Inventor
昭彦 三輪
坪内  薫
宣之 廣田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Advics Co Ltd
Original Assignee
Advics Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Advics Co Ltd filed Critical Advics Co Ltd
Priority to JP2001230557A priority Critical patent/JP4720040B2/ja
Publication of JP2003040101A publication Critical patent/JP2003040101A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4720040B2 publication Critical patent/JP4720040B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Braking Systems And Boosters (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用の負圧式倍力装置に関し、特に緊急ブレーキ時のブレーキペダル踏力の不足を補うことができるようにした負圧式倍力装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両の進路上に突然障害物が出現して運転者が慌ててブレーキペダルを踏み込んだ時、すなわち緊急ブレーキ時においては、運転者がブレーキペダルに加えられる踏力は、車輪ロックに至る大きさのブレーキ液圧を発生させる踏力に比べて相当に小さく、車両のブレーキ能力が十分発揮されない場合が多いという近年の解析結果がある。この解析結果に基き、ブレーキペダルの踏込み速度から、通常ブレーキであるのか緊急ブレーキであるのかを判定し、緊急ブレーキ時にはブレーキ液圧を車輪ロックに至る大きさまで自動的に上昇させる装置が提案され、実用化されつつある。
【0003】
このような装置として様々な構成のものが提案されており、例えばWO01/32488A1号公報に記載されたものがある。このものは、負圧弁座が後方端部に形成された弁座部材をスプリングによって後方へ付勢するとともに、パワーピストンと一体の係止部材に係合された保持部材が弁座部材の後方への移動を規制する構造となっている。そして、プランジャのパワーピストンに対する前方への相対移動量が所定値以上になった場合に、言い換えれば運転者が慌ててブレーキペダルを踏み込みパワーピストンの前進速度よりプランジャの前進速度が大きい場合に、保持部材と弁座部材との係合が解除されて弁座部材が後退し、リアクションディスクの後方端面と弁機構の弁シール部の前方端面との距離を拡大することで、いわゆるジャンピング量を増大させて緊急ブレーキ特性を得るものである。
【0004】
すなわち緊急ブレーキ時には負圧式倍力装置の入力−出力特性を通常ブレーキ用特性から緊急ブレーキ用特性に切り換えることにより、運転者がブレーキペダルを強く踏み込んだ時と同じ結果を得るものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この従来の負圧式倍力装置は、通常ブレーキ時及び緊急ブレーキ時に大気弁座が弁シール部から離間して隙間が形成されることにより、大気が変圧室に導入されて可動壁及びパワーピストンに前方への推進力が付与されるものである。しかしながら、弁座部材がパワーピストンと同軸に配置される構成をとらざるをえないため、大気の流入通路としてパワーピストンの内周面とプランジャの外周面との間に形成された僅かな隙間しかなく、緊急ブレーキ時のように急速かつ大量に大気が通過する際にはこの隙間が絞りとして作用し、変圧室への円滑な大気流入が阻害されて応答性の低い負圧式倍力装置となる虞がある。
【0006】
本発明は、変圧室への大気流入が円滑に行われ応答性の高い負圧式倍力装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載のように、内部に少なくとも一つの圧力室を形成するハウジングと、前記ハウジングの内部に前記ハウジングに対して前進及び後退可能に設置されるとともに前記圧力室を定圧室と変圧室とに分割する可動壁と、前記可動壁に結合されるパワーピストンと、前記パワーピストンの内部に前記パワーピストンに対して前進及び後退可能に設置される入力ロッドと、前記入力ロッドに連結されて前記パワーピストンに対して前後方向に摺動可能に前記パワーピストンに嵌挿されるとともに後方端部に大気弁座が形成されたプランジャと、前記可動壁の移動に伴う前記パワーピストンの推進力を装置外に出力する出力部材と、前記パワーピストンに配設されるとともに後方に向いている第1負圧弁座と、前記パワーピストンに対して前進及び後退可能で且つ第1負圧弁座と略同心の弁座部材に形成された第2負圧弁座と、前記第1負圧弁座に対向する可動部と前記パワーピストンに気密的に固定される固定部とを有する弁機構と、所定条件において前記弁座部材を前記可動部に向けて所定量移動させる駆動手段とを備えた負圧式倍力装置において、前記プランジャは、前記大気弁座が形成された後方フランジ部と、前記後方フランジ部の前方に形成された円筒状の本体部と、前記本体部の前方に形成されるとともに前記パワーピストンの内周面と摺動する中間フランジ部と、前記弁座部材が嵌挿される方フランジ部とを有し、前記中間フランジ部に前後方向の流体の流通を許容するとともに互いに対向する複数組の凹部が設けられていて、対向する前記凹部の底部間の距離が前記本体部の外径より小さいことを特徴とす負圧式倍力装置を構成した。
【0008】
請求項1の発明によれば、プランジャのパワーピストンとの摺動部である中間フランジ部に前後方向の流体の流通を許容する凹部が設けられているとともに、対向する凹部の底部間の距離が本体部の外径より小さいため、パワーピストンとプランジャとの間に十分な大きさの断面積をもつ通路が形成される。このため、ブレーキ操作がなされて大気弁座が弁機構の可動部から離間して変圧室に向けて大気が流入する際に、流入大気がほとんど絞られることがなく変圧室に流入し、応答性の高い負圧式倍力装置がえられる。特に、急速かつ大量に大気が通過する緊急ブレーキ時には、絞りとして作用する隙間がないため、変圧室への大気流入が円滑となり、応答性の高い緊急ブレーキが実現される。
【0009】
なお、後方とは負圧式倍力装置に対してブレーキペダル側あるいは車両後方側を意味し、前方とは負圧式倍力装置に対してマスタシリンダ側あるいは車両前方側を意味する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0011】
図1乃至図4は本発明の第1実施形態にかかる負圧式倍力装置の断面図であり、図2は図1のA−A断面図である。図3は図2のB−C−D−E断面図であり、図4は図3の一部詳細図である。
【0012】
図1において、負圧式倍力装置10は、前方シェル11と後方シェル12及び可動壁20とから構成され、内部が可動壁20によって定圧室23と変圧室24とに分割されるハウジング14を備える。ハウジング14内の可動壁20は、金属製のプレート18とゴム製のダイアフラム19とから成り、ハウジング14に対して前後方向移動可能に設置されている。
【0013】
ダイアフラム19の外周縁のビード部は、後方シェル12の外周縁に設けられた折り返し部と前方シェル11とにより気密的に挟持されている。また、ダイアフラム19の内周縁のビード部は、パワーピストン22の前方フランジ部外周に設けられた溝に、プレート18とともに気密的に固定されている。
【0014】
定圧室23は、負圧源であるエンジンインテークマニホールド(図示せず)に連通され、エンジン作動中は常に負圧に保たれる。変圧室24は、通路60及び弁機構36を介して定圧室23と連通・遮断されるとともに、弁機構36を介して大気とも連通・遮断される。
【0015】
図1乃至図4に示されるように、パワーピストン22は、その内部で前方(図1、図3及び図4中、左方)に位置して定圧室に連通する第1空間22aと、その内部で後方(図1、図2及び図4中、右方)に位置して大気に連通する第2空間22bと、第1空間22aと第2空間22bとの間に介在される中間部221を有している。中間部221は、中間部221の中心部で第1空間22aと第2空間22bとを連通する第3空間22cと、第3空間22cとは別に第1空間22aと第2空間22bとを連通する通路60とを有している。
【0016】
パワーピストン22の内部には、入力部材27を構成する入力ロッド28及びプランジャ37が第1空間22a、第2空間22b、第3空間22cを貫通し、パワーピストン22に対して前後方向に移動できるように設置されている。また、入力ロッド28及びプランジャ37は、結合部80で一体的に結合され、入力ロッド28は、その後方でブレーキペダル(図示せず)に連結される。
【0017】
パワーピストン22の前方端部には、出力部材55が嵌装され、パワーピストン22の前方端部と出力部材55との間には反力部材54が配設される。さらに反力部材54とプランジャ37の前方端部との間には、当接部材70が配設されるとともに、当接部材70は、前後方向移動が可能なように、パワーピストン22と一体的に配設される係止部材50の内部に設置されている。
【0018】
パワーピストン22に対するプランジャ37及び入力ロッド28の移動量を規定するために、パワーピストン22の中間部221に形成された半径方向孔33にキー部材32が挿通されている。キー部材32の前後方向(図1及び図3中、左右方向)の肉厚寸法は、半径方向孔33の前後方向寸法よりも小さく、キー部材32は、パワーピストン22に対して図2中に示した距離Cだけ前後方向に移動できる。
【0019】
キー部材32は、パワーピストン22の外周側に突出した両端部の後方面にて後方シェル12に当接可能であり、ハウジング14に対するパワーピストン22の後方への移動限界は、図3に示すように、半径方向孔33の前方壁がキー部材32の前方面に当接し且つキー部材32の両端部の後方面が後方シェル12に当接した位置である。キー部材32の中央部は、プランジャ37の中央部に形成された一対のフランジ面34、35間に配設されており、パワーピストン22に対するプランジャ37の後方への移動限界は、フランジ面34がキー部材32の前方面に当接し且つキー部材32の後方面が半径方向孔33の後方壁に当接した位置である。また、パワーピストン22に対するプランジャ37の前方への移動限界は、フランジ面35がキー部材32の後方面に当接し且つキー部材32の前方面が半径方向孔33の前方壁に当接した位置である。
【0020】
パワーピストン22の内部には、パワーピストン22に対するプランジャ37の前後方向移動に応じて、変圧室24が定圧室23に連通されつつ大気から遮断される出力減少作用状態と変圧室24が定圧室23及び大気から遮断される出力保持作用状態と変圧室24が定圧室23から遮断されて大気に連通される出力増加作用状態とに切り換える弁機構36が設置されている。
【0021】
上記弁機構36は、プランジャ37の後方フランジ部37fに一体的に形成された大気弁座37aと、パワーピストン22に一体的に形成された第1負圧弁座38と、弁座部材40の後方部に一体的に形成された第2負圧弁座39と、第1負圧弁座38と大気弁座37aにそれぞれ対向する弁シール部41a、41bを有する可動部41と、リテーナ42によりパワーピストン22に気密的に固定される固定部43とを有しており、且つ可動部41がスプリング44によって前方へ付勢されている筒状部材45を主たる構成部材としている。
【0022】
中間部221の第3空間22c内に配設された弁座部材40は、パワーピストン22に対して前後方向に移動可能である。
【0023】
図5に斜視図で示すように、弁座部材40は、プランジャ37の外周に半径方向に突出する摺動部37cが挿入されるスリット40bと、弁座部材40を前後方向に貫通する貫通穴40eを備える。また、スリット40bにはキー部材32が挿通される。
【0024】
弁座部材40の貫通穴40eにプランジャ37の前方フランジ部37iが挿入されることにより、摺動部37cがスリット40bを介して弁座部材40の外部に突出することになる。弁座部材40を備えたプランジャ37がパワーピストン22内に配設されると、摺動部37cが中間部221の内周面221aに当接することになり、プランジャ37は、摺動部37cを介して中間部221の内周面221aに摺動可能に支持されることになる。
【0025】
一方、弁座部材40は、プランジャ37の外周部とパワーピストン22の中間部221の内周部との間に位置し、第2負圧弁座39が形成されている後方端部において中間部221の内周面に前後方向に摺動可能に当接することになる。すなわち、パワーピストン22は、弁座部材40を後方に摺動可能に保持する保持部として中間部221を備えていることになる。
【0026】
中間部221に嵌挿された弁座部材40の後方端部の外周には、弁座部材40の後方端部と中間部221の内周面との間の気密を保つ環状シール部材46が装着されている。また、弁座部材40は、弁座部材40と中間部221の内周面に設けられたフランジ部との間に配設されたスプリング47により後方に付勢されている。
【0027】
プランジャ37と結合部80で一体的に連結された入力ロッド28に係止されるリテーナ58とパワーピストン22に係止されるリテーナ42との間に配設されるスプリング59は、入力ロッド28を後方へ付勢し、ブレーキペダルが踏まれていない場合には、大気弁座37aを弁機構36の可動部41に当接させ且つ可動部41を第1負圧弁座弁座38から距離Aだけ離間させた状態に保持する。
【0028】
中間部221に形成された通路60と第1空間22aとは、弁機構36と定圧室23とを連絡し、第3空間22cは、弁機構36と変圧室とを連絡する。
【0029】
パワーピストン22の前方部分の内部すなわち中間部221には、弁座部材40を後方に推進させる駆動手段が配設されている。この駆動手段は、弁座部材40を後方に付勢するスプリング47とキー部材32から構成されている。
【0030】
パワーピストン22の前方部分の内部すなわち第1空間22aには、保持手段48が配設されている。保持手段48は、弁座部材40の被係合部40cに係合する係合部52bを有する保持部材52と保持部材52を縮径させる方向に付勢するリング状弾性体53とからなり、保持部材52の係止部52cは、パワーピストン22の前方部分に固定された係止部材50の係止溝50aに嵌め込まれている。このため、保持部材52は、前後方向の移動はできないが、係止部52cを中心とする半径方向の移動が許容されている。なお、保持部材52は、図6に示すように、中空円錐台をその中心軸を通る3平面で切断したような3分割中空円錐台形状をしており、この3分割中空円錐台を3個対向させてパワーピストン22に組付けられる。
【0031】
本実施形態においては、パワーピストン22内の中間部221の内周面221aにスリット22e1、22e2が形成されているとともに、プランジャ37の摺動部37cにスリット22e1、22e2に対向する凹部37e1、37e2が形成されている。凹部37e1、37e2の底部間の距離Yは、プランジャ37の本体部37gの外径Xより小さく設定されていて、スリット22e1、22e2と凹部37e1、37e2とにより、第2空間22bと変圧室24とを連通する通路R1、R2が形成される。
【0032】
この通路R1、R2は、ブレーキ操作がなされて大気弁座37aが弁シール部41bから離間し、パワーピストン22の半径方向孔33を介して大気が変圧室24へ流入するための通路となるものであるが、スリット22e1、22e2と凹部37e1、37e2とによって形成された通路であり、前述したように凹部37e1、37e2の底部間の距離Yがプランジャ37の本体部37gの外径Xより小さいため、十分な大きさの通路断面積が得られ、大気の円滑な流通が可能となる。
【0033】
次に、本発明の負圧式倍力装置の作動を説明するが、通常作動状態での倍力装置としての作動は、一般的に知られるものであるため説明を省略し、主に緊急ブレーキ時の作動について説明する。
【0034】
本発明の負圧式倍力装置の緊急ブレーキ特性は、前述したジャンピング特性を変化させて、通常ブレーキ時より大きな推進力が出力部材に印加されることによって達成されるものである。ジャンピング特性を変化させるためには、図3において、当接部材70と反力部材54との間隙Dを大きくすればよい。間隙Dの拡大は、パワーピストン22の反力部材54への当接面22dと弁シール部41bとの距離を拡大することと同じである。すなわち、弁シール部41bを後方に移動させることにより間隙Dを拡大し、当接部材70が反力部材54から反力を受けるまでの出力大きくして、入力に対する出力の比率が無限大になるいわゆるジャンピング状態での出力を通常状態よりも大きくしたものである。
【0035】
以下に、実際の作動について説明する。
【0036】
運転者が慌ててブレーキペダルを踏み込む緊急ブレーキ時において、プランジャ37とパワーピストン22との相対移動量が所定値Bより大きくなると、プランジャ37の斜面37bが、保持部材52のテーパ部52aに当接するとともに、リング状弾性体53により縮径する方向に付勢されている保持部材52を半径方向に拡径させる。
【0037】
テーパ部52aの最小内径部52aaがプランジャ37の前方フランジ37iに乗り上げると、弁座部材40の被係合部40cと保持部材52の係合部52bとの係合が解徐される。弁座部材40は、スプリング47により後方に付勢されているため、被係合部40cの係合が解徐されると直ちにスプリング47の付勢力により後方に移動する。
【0038】
弁座部材40が後方に移動すると、弁座部材40の第2負圧弁座39は、弁機構36の可動部41を構成する弁シール部41aに当接し、定圧室23と変圧室24との連通を遮断する。このとき、プランジャ37は、入力ロッド28と一体で前方へ移動中であり、弁座部材40が弁機構36の可動部41を後方へ推し戻しているため、プランジャ37の大気弁座37aと弁機構36の可動部41を構成する弁シール部41bとが急速に離間し、変圧室24が大気と連通する。その結果、通常ブレーキ動作に比べ、定圧室23と変圧室24との連通遮断及び変圧室24が大気との連通が急速に行われるとともに、実質的に、パワーピストン22の反力部材54への当接面22dと弁シール部41bとの距離を拡大することになり、ジャンピング状態での出力を通常状態よりも大きくすることが可能となる。
【0039】
通常ブレーキ特性と上記緊急ブレーキ特性とを図7に示す。図7において、通常ブレーキにおけるジャンンピングは、F01の大きさの出力しか得られないが、緊急ブレーキ時のジャンピングは、F011にまで増大し、小さなペダル踏力で十分な大きさのブレーキ液圧を発生させることができる。
【0040】
なお、上記ブレーキ動作が終了してブレーキペダルが戻されると、プランジャ37は、そのフランジ面34がキー部材32と当接しつつ後方に移動する。キー部材32が後方シェル12に当接すると、キー部材32が弁座部材40の前方溝壁40fに当接し、パワーピストン22と一体的に後退してきた弁座部材40の後方への移動を規制する。このとき、なおもパワーピストン22が後退するため、パワーピストン22と一体的に後退する保持部材52の係合部は、キー部材32を介して後方シェル12に当接して静止している弁座部材40の被係合部40cと係合することになり、緊急ブレーキ動作によって係合が解除された保持部材52と弁座部材40とが再係合され、次の緊急ブレーキ動作に備えることになる。
【0041】
本実施形態においては、大気弁座37aが弁シール部41bから離間してパワーピストン22の半径方向孔33を介して大気が変圧室24へ流入する際に、スリット22e1、22e2と凹部37e1、37e2とによって形成された十分な大きさの通路断面積を有する通路R1、R2を通過するため、大気の円滑な流通が可能となり、通常ブレーキ時のみならず緊急ブレーキ時においても高いブレーキ応答性が得られる。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、変圧室への大気流入が円滑に行われ応答性の高い負圧式倍力装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかる負圧式倍力装置の断面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図2のB−C−D−E断面図である。
【図4】図3の一部詳細図である。
【図5】弁座部材40の組付け以前の斜視図である。
【図6】保持部材52の組付け以前の斜視図である。
【図7】入力ロッド28に印加される力(入力)と出力部材55の推進力(出力)との関係を示す図である。
【符号の説明】
10 負圧式倍力装置
14 ハウジング
20 可動壁
22 パワーピストン
23 定圧室
24 変圧室
28 入力ロッド
32 キー部材(駆動手段)
36 弁機構
37 プランジャ
37a 大気弁座
37f 後方フランジ部
37g 本体部
37h 摺動部(中間フランジ部)
37i 前方フランジ部
37e1、37e2 凹部
38 第1負圧弁座
39 第2負圧弁座
40 弁座部材
41 可動部
43 固定部
47 スプリング(駆動手段)
55 出力部材

Claims (1)

  1. 内部に少なくとも一つの圧力室を形成するハウジングと、前記ハウジングの内部に前記ハウジングに対して前進及び後退可能に設置されるとともに前記圧力室を定圧室と変圧室とに分割する可動壁と、前記可動壁に結合されるパワーピストンと、前記パワーピストンの内部に前記パワーピストンに対して前進及び後退可能に設置される入力ロッドと、前記入力ロッドに連結されて前記パワーピストンに対して前後方向に摺動可能に前記パワーピストンに嵌挿されるとともに後方端部に大気弁座が形成されたプランジャと、前記可動壁の移動に伴う前記パワーピストンの推進力を装置外に出力する出力部材と、前記パワーピストンに配設されるとともに後方に向いている第1負圧弁座と、前記パワーピストンに対して前進及び後退可能で且つ第1負圧弁座と略同心の弁座部材に形成された第2負圧弁座と、前記第1負圧弁座に対向する可動部と前記パワーピストンに気密的に固定される固定部とを有する弁機構と、所定条件において前記弁座部材を前記可動部に向けて所定量移動させる駆動手段とを備えた負圧式倍力装置において、前記プランジャは、前記大気弁座が形成された後方フランジ部と、前記後方フランジ部の前方に形成された円筒状の本体部と、前記本体部の前方に形成されるとともに前記パワーピストンの内周面と摺動する中間フランジ部と、前記弁座部材が嵌挿される方フランジ部とを有し、前記中間フランジ部に前後方向の流体の流通を許容するとともに互いに対向する複数組の凹部が設けられていて、対向する前記凹部の底部間の距離が前記本体部の外径より小さいことを特徴とす負圧式倍力装置。
JP2001230557A 2001-07-30 2001-07-30 負圧式倍力装置 Expired - Fee Related JP4720040B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001230557A JP4720040B2 (ja) 2001-07-30 2001-07-30 負圧式倍力装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001230557A JP4720040B2 (ja) 2001-07-30 2001-07-30 負圧式倍力装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003040101A JP2003040101A (ja) 2003-02-13
JP4720040B2 true JP4720040B2 (ja) 2011-07-13

Family

ID=19062741

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001230557A Expired - Fee Related JP4720040B2 (ja) 2001-07-30 2001-07-30 負圧式倍力装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4720040B2 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1148947A (ja) * 1997-08-06 1999-02-23 Aisin Seiki Co Ltd 負圧式倍力装置
WO2001032488A1 (fr) * 1999-10-29 2001-05-10 Aisin Seiki Kabushiki Kaisha Accelerateur a depression

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4929230B1 (ja) * 1970-09-22 1974-08-02

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1148947A (ja) * 1997-08-06 1999-02-23 Aisin Seiki Co Ltd 負圧式倍力装置
WO2001032488A1 (fr) * 1999-10-29 2001-05-10 Aisin Seiki Kabushiki Kaisha Accelerateur a depression

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003040101A (ja) 2003-02-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3671909B2 (ja) 負圧式倍力装置
JP2509719Y2 (ja) 負圧倍力装置
JP2962342B2 (ja) 倍力装置
JP3045027B2 (ja) 倍力装置における弁プランジャの抜止め構造
US20030052533A1 (en) Vacuum booster
US4366744A (en) Brake booster
JP3743967B2 (ja) 気圧式倍力装置
JP4720040B2 (ja) 負圧式倍力装置
JP3867725B2 (ja) 負圧式倍力装置
JP3350684B2 (ja) 倍力装置
JP4765231B2 (ja) 負圧式倍力装置
JP3829261B2 (ja) 気圧式倍力装置
JP3908822B2 (ja) 自動車のブレーキ装置
US5802950A (en) Brake booster for vehicles
JP2007161214A (ja) 負圧ブースタ
JP3937187B2 (ja) 気圧式倍力装置
JP3695553B2 (ja) 倍力装置
JP3704599B2 (ja) ブレーキ倍力装置の反力機構
JP4664529B2 (ja) ブレーキ用ブースタの反力機構
JP2007022435A (ja) 負圧式倍力装置
JP4848596B2 (ja) 負圧式倍力装置
JP3873453B2 (ja) 圧力発生装置
JPH0541105Y2 (ja)
JPH0539021Y2 (ja)
JPH0722366Y2 (ja) ブレ−キ倍力装置の消音装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080402

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20080618

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100715

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100810

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100909

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110308

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110321

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140415

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees