JP2000177578A - 負圧式倍力装置 - Google Patents

負圧式倍力装置

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JP2000177578A
JP2000177578A JP10357087A JP35708798A JP2000177578A JP 2000177578 A JP2000177578 A JP 2000177578A JP 10357087 A JP10357087 A JP 10357087A JP 35708798 A JP35708798 A JP 35708798A JP 2000177578 A JP2000177578 A JP 2000177578A
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JP
Japan
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negative pressure
plunger
seal
input member
valve
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JP10357087A
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English (en)
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Kaoru Tsubouchi
坪内  薫
Noriyuki Hirota
宣之 廣田
Akihiko Miwa
昭彦 三輪
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Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
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Publication date
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    • B60T13/10Transmitting braking action from initiating means to ultimate brake actuator with power assistance or drive; Brake systems incorporating such transmitting means, e.g. air-pressure brake systems with fluid assistance, drive, or release
    • B60T13/24Transmitting braking action from initiating means to ultimate brake actuator with power assistance or drive; Brake systems incorporating such transmitting means, e.g. air-pressure brake systems with fluid assistance, drive, or release the fluid being gaseous
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    • B60T13/52Vacuum systems indirect, i.e. vacuum booster units
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アクチュエータの小型化を可能とする負圧式
倍力装置を提供すること。 【解決手段】 ハウジングと、可動壁と、パワーピスト
ン22と、入力部材28と、プランジャ29と、弁機構
35と、出力ロッド51と、アクチュエータ42と、シ
ール部材32とを備えた負圧式倍力装置において、その
前方側と後方側とにおいて差圧が生じるシール部材32
に第1係合部32aと第2係合部32bとを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は負圧式倍力装置に関
し、特に、自動車に適用される負圧式倍力装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の負圧式倍力装置は、例えば特開平
9−2246号公報に開示されるように、少なくとも1
つの圧力空間を内部に形成するハウジングと、前記ハウ
ジング内に前記ハウジングに対して前進及び後退できる
ように設置されていて前記圧力空間を負圧源に連通され
る前室と前記前室および大気に選択的に連通される後室
とに分割する可動壁と、前記可動壁に結合されるパワー
ピストンと、前記パワーピストンの内部に設置され、ブ
レーキ操作によって前後方向に移動可能な入力部材と、
前記パワーピストン内で前記入力部材に対して同軸的か
つ前記前後方向に移動可能に配設され、前記入力部材の
移動によって前記前後方向に移動可能なプランジャと、
前記プランジャと前記入力部材との間に配設されるシー
ル部材と、前記プランジャの移動により前記後室と大気
とを連通及び遮断すると共に前記負圧源と前記後室とを
連通及び遮断する弁機構と、前記可動壁の移動に伴った
前記パワーピストンの前進により前進されて前記パワー
ピストンの前進力を装置外に出力する出力部材と、前記
プランジャを移動可能なアクチュエータと、を備え、少
なくとも前記前室と前記後室とが連通される際に前記シ
ール部材の前方側と後方側とにおいて差圧が生じ、前記
プランジャは前記シール部材上を摺動するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の負圧式倍力装置は、少なくとも前室と後室とが
連通される際にシール部材の前方側と後方側とにおいて
差圧が生じることから、この差圧によってシール部材の
プランジャが摺動する摺動部分がプランジャに貼り付く
という固着現象を起こす虞があるものであった。
【0004】シール部材においてこのような固着現象が
起こると、アクチュエータの駆動力を増大させる必要が
生じ、ひいてはアクチュエータの大型化を招く虞を有し
ているものであった。
【0005】本発明は、アクチュエータの小型化を可能
とする負圧式倍力装置を提供することを、その技術的課
題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記技術的課題を解決す
るために、第1の手段として、少なくとも1つの圧力空
間を内部に形成するハウジングと、前記ハウジング内に
前記ハウジングに対して前進及び後退できるように設置
されていて前記圧力空間を負圧源に連通される前室と前
記前室および大気に選択的に連通される後室とに分割す
る可動壁と、前記可動壁に結合されるパワーピストン
と、前記パワーピストンの内部に設置され、ブレーキ操
作によって前後方向に移動可能な入力部材と、前記パワ
ーピストン内で前記入力部材に対して同軸的かつ前記前
後方向に移動可能に配設され、前記入力部材の移動によ
って前記前後方向に移動可能なプランジャと、前記プラ
ンジャと前記入力部材との間に配設されるシール部材
と、前記プランジャの移動により前記後室と大気とを連
通及び遮断すると共に前記負圧源と前記後室とを連通及
び遮断する弁機構と、前記可動壁の移動に伴った前記パ
ワーピストンの前進により前進されて前記パワーピスト
ンの前進力を装置外に出力する出力部材と、前記プラン
ジャを移動可能なアクチュエータとを備えた負圧式倍力
装置において、前記シール部材は、前記入力部材と一体
的に移動可能となるように前記入力部材に係合される第
1係合部と、前記プランジャと一体的に移動可能となる
ように前記プランジャに係合される第2係合部とを有す
ることを特徴とする負圧式倍力装置を構成した。
【0007】好ましくは、第2の手段として、前記弁機
構は、前記プランジャの移動に応じて前記後室と大気と
を連通及び遮断する大気弁と、前記プランジャの移動に
応じて前記負圧源と前記後室とを連通及び遮断する負圧
弁とを有し、前記大気弁は、前記プランジャ部材に配設
される大気弁座と、前記大気弁座に接触及び離脱可能な
大気シール部とを有し、前記負圧弁は、前記パワーピス
トンに配設される負圧弁座と、前記負圧弁座に接触及び
離脱可能な負圧シール部とを有し、前記大気弁座と前記
大気シール部とが当接することにより前記後室と大気と
の連通が遮断されると共に前記大気弁座と前記大気シー
ル部とが離間することにより前記後室と大気とが連通さ
れ、前記負圧弁座と前記負圧シール部とが当接すること
により前記後室と前記前室との連通が遮断されると共に
前記負圧弁座と前記負圧シール部とが離間することによ
り前記後室と前記前室とが連通されることを特徴とする
第1の手段の負圧式倍力装置が望ましい。
【0008】好ましくは、第3の手段として、前記プラ
ンジャ部材は、前方部分と、前記前方部分の後方に配設
されるとともに前記大気弁座が配設される後方部とに分
割可能とされ、前記シール部材の前記第2係合部は前記
プランジャの前記前方部と前記後方部とにより挟持され
ていることを特徴とする第2の手段の負圧式倍力装置が
望ましい。
【0009】好ましくは、第4の手段として、前記大気
弁と前記負圧弁とは前記前後方向に離間されて配設され
ると共に前記大気弁は前記負圧弁の後方に配設され、前
記第2係合部は前記前後方向において前記大気弁と前記
負圧弁との間に配設されることを特徴とする第2の手段
又は第3の手段の負圧式倍力装置が望ましい。
【0010】好ましくは、第5の手段として、前記シー
ル部材の前記第1係合部と前記第2係合部とは前記前後
方向に離間されて配設されると共に前記第2係合部は前
記第1係合部の後方に配設されることを特徴とする第4
の手段の負圧式倍力装置が望ましい。
【0011】好ましくは、第6の手段として、前記第1
係合部と前記第2係合部との間に配設されると共に弾性
変形可能な中間部とを有することを特徴とする第1の手
段〜第5の手段の何れか一に記載の負圧式倍力装置が望
ましい。
【0012】好ましくは、第7の手段として、前記シー
ル部材は前記第1係合部と前記第2係合部との間に配設
されると共に弾性変形可能な中間部を備え、前記中間部
は、前記第1係合部から前記前後方向で後方に延在され
る第1延在部と、前記第1延在部から前記第2係合部に
向けて延在される第2延在部とを備えることを特徴とす
る第5の手段の負圧式倍力装置が望ましい。
【0013】好ましくは、第8の手段として、前記第2
延在部は前記前後方向において後方に湾曲する湾曲部を
有していることを特徴とする第7の手段の負圧式倍力装
置が望ましい。
【0014】好ましくは、第9の手段として、前記中間
部は前記前後方向において後方に開口する湾曲部を有し
ていることを特徴とする第1の手段〜第8の手段の何れ
か一に記載の負圧式倍力装置が望ましい。
【0015】好ましくは、第10の手段として、前記入
力部材と前記プランジャとの間に配設されるとともに前
記プランジャを後方へ付勢する付勢部材を備え、前記付
勢部材の前記第1係合部の前記入力部材への組付け以前
において、前記付勢部材により前記シール部材と前記プ
ランジャとは係合されることを特徴とする第1の手段〜
第9の手段の何れか一に記載の負圧式倍力装置が望まし
い。
【0016】好ましくは、第11の手段として、前記シ
ール部材のシール径或いはシール有効径は、前記大気弁
の径に近似されていることを特徴とする第1の手段〜第
10の手段の何れか一に記載の負圧式倍力装置が望まし
い。
【0017】好ましくは、第12の手段として、前記シ
ール部材のシール径或いはシール有効径は前記負圧弁座
の径に近似されていることを特徴とする第11の手段の
負圧式倍力装置が望ましい。
【0018】好ましくは、第13の手段として、少なく
とも前記前室と前記後室とが連通される際に前記シール
部材の前方側と後方側とにおいて差圧が生じることを特
徴とする第1の手段〜第12の手段の何れか一に記載の
負圧式倍力装置が望ましい。
【0019】第1の手段の負圧式倍力装置は、アクチュ
エータによりプランジャが移動されると、第2係合部が
プランジャと一体的に移動する。
【0020】第2の手段の負圧式倍力装置は、第1の手
段の作用に加えて、大気弁座と大気シール部とが当接す
ることにより後室と大気との連通が遮断されると共に大
気弁座と大気シール部とが離間することにより後室と大
気とが連通され、負圧弁座と負圧シール部とが当接する
ことにより後室と前室との連通が遮断されると共に負圧
弁座と負圧シール部とが離間することにより後室と前室
とが連通される。
【0021】第3の手段の負圧式倍力装置は、第2の手
段の作用に加えて、シール部材の第2係合部はプランジ
ャの前方部と後方部とにより挟持される。
【0022】第4の手段の負圧式倍力装置は、第2の手
段又は第3の手段の作用に加えて、大気弁と負圧弁とは
前後方向に離間されて配設されると共に大気弁は負圧弁
の後方に配設される。シール部材の第2係合部は前後方
向において大気弁と負圧弁との間に配設される。
【0023】第5の手段の負圧式倍力装置は、第4の手
段の作用に加えて、シール部材の第1係合部と第2係合
部とは前後方向に離間されて配設されると共に第2係合
部は第1係合部の後方に配設される。
【0024】第6の手段の負圧式倍力装置は、第1の手
段〜第5の手段の何れか一に記載の作用に加えて、中間
部が弾性変形されることにより、プランジャの移動に伴
って第2係合部が一体的に移動される。
【0025】第7の手段の負圧式倍力装置は、第5の手
段の作用に加えて、シール部材の第1及び第2係合部
は、第1係合部から前後方向で後方に延在される第1延
在部と、第1延在部から第2係合部に向けて延在される
第2延在部とを備える弾性変形可能な中間部により接続
される。
【0026】第8の手段の負圧式倍力装置は、第7の手
段の作用に加えて、プランジャの移動に際して湾曲部の
外周部が内周部へと移動することにより、第1係合部に
対して第2係合部が移動可能とされる。
【0027】第9の負圧式倍力装置は、第1の手段〜第
7の手段の何れか一に記載の作用に加えて、プランジャ
の移動に際して湾曲部の外周部が内周部へと移動するこ
とにより、第1係合部に対して第2係合部が移動可能と
される。
【0028】第10の手段の負圧式倍力装置は、第1の
手段〜第9の手段の何れか一に記載の作用に加えて、付
勢部材の第1係合部の入力部材への組付け以前におい
て、付勢部材によりシール部材とプランジャとは係合さ
れる第11の手段の負圧式倍力装置は、第1の手段〜第
10の手段の何れか一に記載の作用に加えて、シール部
材のシール径或いはシール有効径は、大気弁の径に近似
されている。
【0029】第12の手段の負圧式倍力装置は、第12
の手段の作用に加えて、シール部材のシール径或いはシ
ール有効径は負圧弁座の径に近似されている。
【0030】第13の手段の負圧式倍力装置は、第1〜
第12の何れか一に記載の作用に加えて、少なくとも前
記前室と前記後室とが連通される際に前記シール部材の
前方側と後方側とにおいて差圧が生じることを特徴とす
る請求項1〜請求項12の何れか一に記載の負圧式倍力
装置。
【0031】
【実施の形態】以下、本発明を実施の形態により具体的
に説明する。
【0032】(実施の形態1)図1は本発明の一実施の
形態である負圧式倍力装置の10の断面図であり、図2
は図1の弁機構35部分の拡大図である。図1及び図2
に示すように、負圧式倍力装置10は、フロントシェル
11とリアシェル12及び両シェル間の隔壁部材13と
から構成されるとともにその内部に前側圧力室及び後側
圧力室を形成するハウジング14を備える。
【0033】ハウジング14内の前側圧力室には、金属
製の前側プレート15とゴム製の前側ダイアフラム16
からなる前側可動壁17が前進および後退可能に設置さ
れ、また後側圧力室には金属製の後側プレート18とゴ
ム製の後側ダイアフラム19からなる後側可動壁20が
前進および後退可能に設置されている。
【0034】前側プレート15は、その中心部に、隔壁
部材13の中心部を気密的に且つ摺動可能に貫通されて
いる円筒部21を一体に有している。前側ダイアフラム
16の内周縁のビード部は前側プレート15の円筒部2
1の前端部の外周面に気密的に固定されており、前側ダ
イアフラム16の外周縁のビード部は隔壁部材13の外
周縁部と一緒にシェル11、12の外周部により気密的
に挟持されている。
【0035】後側ダイアフラム19の外周縁のビード部
は隔壁部材13の外周縁の内径側に設けられた折り返し
部とリアシェル12とにより気密的に挟持されている。
リアシェル12の後方開口部を気密的に且つ摺動可能に
貫通されているパワーピストン22の前方寄り部分の外
周には、前側プレート15の円筒部21の後端と後側プ
レート18の内周縁部が固定されると共に後側ダイアフ
ラム19の内周縁のビード部が気密的に固定されてい
る。
【0036】これにより、ハウジング14内の前側圧力
室が第1前室23と第1後室24とに分割され、またハ
ウジング14内の後側圧力室が第2前室25と第2後室
26とに分割される。第1前室23は負圧源であるエン
ジンのインテークマニホールド(図示省略)に連通さ
れ、常時、負圧に保たれる。第2前室25は前側プレー
ト15の円筒部21に形成された孔21aとパワーピス
トン22の前端部の外周に形成された溝221とによっ
て第1前室23に連通され、従って第2前室25も、常
時、負圧に保たれる。
【0037】第1後室24は前側ダイヤフラム16の外
周縁のビード部の内周面に形成された溝16aと隔壁部
材13に形成された孔13a及び後側ダイアフラム19
の外周縁のビード部の外周面に形成された溝19aによ
って第2後室26に連通されている。
【0038】パワーピストン22の内部には、入力ロッ
ド27がパワーピストン22に対して前進及び後退でき
るように設置されている。この入力ロッド27はその前
端のボール継手により、パワーピストン22により前後
方向(図1中左右方向)に摺動自在に案内されている入
力部材28に連結されており、その後端でブレーキペダ
ル80に連結されている。
【0039】パワーピストン22内の後方開口部分に
は、フィルター30及び消音部材31が配設されてい
る。パワーピストン22の内部空間は、消音部材31及
びフィルター30を介して負圧式倍力装置10の外部空
間と連通されている。
【0040】入力部材28は、パワーピストン22内で
前方(図2中左方)に配設され、リアクションディスク
50の後面にその前面で当接する第1入力部材281
と、第1入力部材281の後方(図2中右方)に第1入
力部材281と同軸的に配置されるとともに入力ロッド
27が連結される第2入力部材282とを有している。
【0041】入力部材28の周面側で且つ入力部材28
と同軸的にプランジャ29が配設されている。プランジ
ャ29は入力部材28に対して前後方向に移動可能に配
設されており、その後端部に大気弁座29aを有してい
る。
【0042】プランジャ29は、前方に配設されると共
に略段付き筒状を呈する前方部291と、前方部291
の後方に配設されると共にその後端部に形成された内向
フランジ部の後面に大気弁座29aが配設される後方部
292とを有している。前方部291と後方部292と
は、分割部293において前後方向に分割可能とされて
いる。
【0043】入力部材28の外周部とプランジャ29の
内周部との間にはシール部材32が配設されている。シ
ール部材32は入力部材28の外周部とプランジャ29
の内周部との間を気密的にシールしている。
【0044】第1入力部材281はその後部において後
方に開口する凹部を備え、第2入力部材282の前端部
は第1入力部材281の凹部に前後方向に摺動可能に挿
入されている。従って、第1入力部材281は第2入力
部材282に対して前後方向に移動可能とされている。
図2に示す初期状態においては、第1入力部材281の
凹部281dの底面と第2入力部材282の前端面とが
当接されている。
【0045】パワーピストン22には、パワーピストン
22に対する入力部材28の前進限位置及び後退限位置
を規定するためのキー部材33が設置されている。この
キー部材33はパワーピストン22に形成された半径方
向孔34に挿通されており、パワーピストン22から脱
落しないようにパワーピストン22に係止されている。
【0046】パワーピストン22の内部には、パワーピ
ストン22に対する入力部材28の前後方向位置に応じ
て、第2後室26を第1前室23に連通すると共に大気
から遮断する出力減少作用状態と第2後室26を第1前
室23及び大気から遮断する出力保持作用状態及び第2
後室26を第1前室23から遮断すると共に大気に連通
する出力増加作用状態に切り換える弁機構35が設置さ
れている。
【0047】この弁機構35は、プランジャ29に一体
的に形成されており且つ後方に向いている略環状の大気
弁座29aと、パワーピストン22に一体に形成されて
おり且つ後方に向いている略環状の負圧弁座22bと、
大気弁座29aに対向すると共に当接及び離脱可能な略
環状の大気シール部36aと負圧弁座22bに対向する
と共に当接及び離脱可能な略環状の負圧シール部36b
とを一体的に備えたコントロールバルブ36とから構成
されている。
【0048】コントロールバルブ36は、大気シール部
36aと負圧シール部36bとを一体的に備える可動部
36cと、リテーナ37によりパワーピストン22に気
密的に固定される固定部36dと、可動部35cと固定
部35dとを接続すると共に前後方向に伸縮自在とされ
る段付き筒状の伸縮部36eと、可動部36cを前方へ
付勢するバルブスプリング36fとを主たる構成部材と
している。
【0049】可動部36cは略筒状を呈する本体部を有
しており、この本体部の前方に配設された前方内向フラ
ンジ部に負圧シール部36bを有し、本体部の後方に配
設された後方内向フランジ部に大気シール部を有してい
る。即ち、コントロールバルブ36において、大気シー
ル部36aと負圧シール部36bとは前後方向において
離間されており、大気シール部36aは負圧シール部3
6bの後方に位置している。
【0050】弁機構35において、大気シール部36a
と大気弁座29aとは大気弁V1を形成しており、負圧
シール部36bと負圧弁座22bとは負圧弁V2を形成
している。図2から明らかなように、大気弁V1と負圧
弁V2とは前後方向において離間されており、大気弁V
1は負圧弁V2の後方に位置している。
【0051】プランジャ29の前方部291の後方側大
径部と、後方部292と、分割部293とはコントロー
ルバルブ36の可動部36c内、即ち、大気シール部3
6aと負圧シール部36bとの間に配置されている。
【0052】シール部材32は、入力部材28に係合さ
れると共に入力部材28と一体的に移動可能な第1係合
部32aと、プランジャ29に係合されると共にプラン
ジャ29と一体的に移動可能な第2係合部32bと、第
1係合部32aと第2係合部32bとの間に配設される
とともに第1係合部32aと第2係合部32bとを接続
する中間部32cとを有している。
【0053】第1係合部32aと第2係合部32bとは
前後方向において離間されており、第1係合部32aの
後方に第2係合部32bが配置されている。第1係合部
32aは環状を呈すると共にゴム材から形成されて入力
部材28の第2入力部材282の外周部に嵌合され、第
2係合部32bは金属材から成るとともに環状を呈し、
プランジャ29の分割部293において前方部291と
後方部292とにより挟持されている。
【0054】中間部32cは、その前端部で第1係合部
32aに係合し、第1係合部32aから前後方向で後方
に延在される第1延在部としての段付き筒状体32ca
と、筒状体32caの後端部から第2係合部32bに向
けて延在される第2延在部及び湾曲部としてのローリン
グ膜32cbとを有している。
【0055】ローリング膜32cbはゴム材から成ると
ともに、内周筒状部と、外周筒状部と、内周筒状部と外
周筒状部との前端部とを接続する接続部とを備え、後方
に開口する湾曲状を呈している。ローリング膜32cb
の内周筒状部の後端部は段付き筒状体32caの後端部
に形成された外向フランジ部に焼き付けにより固定され
ており、外周筒状部の後端部は第2係合部32bの内周
部に焼き付けにより固定されるとともにプランジャ29
の分割部293において前方部291と後方部292と
により挟持固定されている。
【0056】プランジャ29の前方部291と後方部2
92とは、後方部292の前端部が前方部291の段差
部の前面にかしめられることにより一体化されている。
【0057】パワーピストン22には、弁機構35の負
圧弁V2と第1前室23とを連絡するバキューム通路3
8と、弁機構35の大気弁と第2後室26とを連絡する
エア通路39とが形成されている。パワーピストン22
内でコントロールバルブ36の固定部36dの内周側空
間部は、消音部材31、フィルター30、及びパワーピ
ストン22の後方開口部を介して大気に連通されてい
る。
【0058】弁機構35においては、大気弁V1の大気
弁座29aが大気シール部36aに当接することによっ
て第2後室26が大気から遮断され、大気弁座29aが
大気シール部36aから離間することによって第2後室
26が大気と連通され、負圧弁V2の負圧弁座22bが
負圧シール部36bに当接することによって第1前室2
3と第2後室26との連通が遮断され、負圧弁座22b
が負圧シール部36bから離間することによって第1前
室23と第2後室26とが連通される。
【0059】大気弁V1のバルブ径、即ち、大気弁座2
9aと大気シール部36aとの当接部分の径と、負圧弁
V2のバルブ径、即ち、負圧弁座22bと負圧シール部
36bとの当接部分の径と、シール部材32のシール径
或いはシール部材32のシール有効径であるローリング
膜32cbの接続部の径と、コントロールバルブ36の
伸縮部36eの有効径、即ち、伸縮部36eの段差部の
径とは、それぞれ近似されている。
【0060】入力ロッド27に係止されたリテーナ40
とリテーナ37との間に設置されたスプリング41は、
入力ロッド27ひいては入力部材28を後方へ付勢し、
ブレーキペダル80が踏まれていない場合、即ち、図2
に示す初期状態においては、大気弁座29aを大気シー
ル部36aに当接させ且つ負圧シール部36bを負圧弁
座22bから離間させた状態に保持する。初期状態にお
いて負圧弁座22bと負圧シール部36bとの間には所
定のクリアランスが存在している。
【0061】図3は図1のアクチュエータ42部分の拡
大図である。図3に示すように、パワーピストン22の
前方部分の内部にはアクチュエータ42が設置されてい
る。このアクチュエータ42は、ソレノイドコイル43
と、磁性体よりなるヨーク44と、磁性体よりなる固定
コア45と、磁性体よりなる可動コア46とによって構
成されている。
【0062】可動コア46は、プランジャ29の前方
(図3中左方)で第1入力部材281の後方部及び第2
入力部材282の前方部の外周にパワーピストン22及
び入力部材28に対して前後方向(図3中左右方向)に
移動可能に配設されている。可動コア46は略円筒状を
呈しており、その中間部において径方向内方に突出する
内向フランジ部46aと、その後端部において径方向外
方に突出する外向フランジ部46bとを有している。
【0063】第1入力部材281はその後部に可動コア
46の内向フランジ部46aに当接する当接部281a
を備えている。当接部281aは、凹部の後方開口部か
ら径方向外方に突出する外向フランジ部と、外向フラン
ジ部の後面に一体的に配設される環状のゴム部材とを備
えている。
【0064】プランジャ29は、その前方部291の前
端部291aにおいて可動コア46の外向フランジ部4
6bと係合されている。
【0065】第2入力部材282は、その中間部の外周
部に径方向外方に突出する前側外向フランジ部282a
を有している。可動コア46の内向フランジ部46aの
後面と第2入力部材282の前側外向フランジ部282
aの前面との間には、スプリング47が配設されてい
る。スプリング47は可動コア46を前方に付勢してい
る。
【0066】シール部材32の第1係合部32aの後端
面と、プランジャ29の後方部292の後端部に形成さ
れた内向フランジ部との間には、スプリング48が配設
されている。スプリング48はプランジャ29を後方に
付勢しており、スプリング48の付勢力は、スプリング
47の付勢力と略同等或いはそれ以下とされている。
【0067】従って、可動コア46は、パワーピストン
22に対して入力部材28と一体的に前進及び後退可能
とされている。案内部材49は第1入力部材281を前
後方向に摺動可能に支持している。
【0068】ソレノイドコイル43は可動コア46の外
周部に配設されており、ソレノイドコイル43、ヨーク
44、及び固定コア45はパワーピストン22に固定さ
れている。ソレノイドコイル43は、リード線43aに
よりハウジング14の外部の電子制御装置60と電気的
に接続される。
【0069】ソレノイドコイル43が通電されない場合
(アクチュエータ42の非作動時)、可動コア46の前
端面と固定コア45との間には所定量のクリアランスが
存在している。
【0070】ソレノイドコイル43が通電された場合
(アクチュエータ42の作動時)、固定コア45と可動
コア46との間に電磁吸引力が発生し、この電磁吸引力
により可動コア46が前方へ移動される。可動コア46
の最大前進量は、図3中における固定コア45と可動コ
ア46との間のクリアランスに対応する。
【0071】固定コア45の前端面に形成された段付穴
の大径部内にはゴムよりなる円盤状のリアクションディ
スク50が設置され、このリアクションディスク50の
前側にはハウジング14のフロントシェル11の中心部
を気密的に且つ摺動可能に貫通している出力ロッド51
の後端部が段付穴の大径部内を摺動可能に設置されてい
る。
【0072】リアクションディスク50は、周知のよう
に、パワーピストン22の前進力及び入力部材28の前
進力を出力ロッド51に伝達すると共に出力ロッド51
からの出力に対応した大きさの反力を入力部材28に後
退させるように付与するものである。初期状態におい
て、リアクションディスク50の後面と入力部材28の
前端面、即ち、第1入力部材281の前端面との間に
は、所定値分のクリアランスが存在している。
【0073】図1に示すように、第1前室23の中心部
には、パワーピストン22とこれに結合された両可動壁
17、20をハウジング14に対して後退させるための
リターンスプリング52が設置されている。
【0074】出力ロッド51はマスタシリンダのピスト
ン(図示省略)と作用的に連結されている。マスタシリ
ンダはリザーバタンクを備えており、マスタシリンダに
は液圧管路を介してABS(アンチロックブレーキシス
テム)、TRC(トラクションコントロール)及び制動
操舵制御のアクチュエータ部が接続されている。アクチ
ュエータ部には液圧管路を介して各車輪に配設されたホ
イールシリンダが夫々接続されている。
【0075】スプリング48及びシール部材32の入力
部材28への組付け以前において、シール部材32の第
2係合部32bがプランジャ29に挟持固定された後、
スプリング48が第1係合部32aとプランジャ29の
後方部292の内向フランジ部との間に配設されると、
スプリング48の付勢力によってシール部材32の第1
固定部32a及び中間部32cとが前方に付勢され、シ
ール部材32の中間部32cの筒状体32caの段差部
の前面とプランジャ29の前方部291の段差部の後面
とが当接される。これにより、プランジャ29と、シー
ル部材32と、スプリング48とが一体化されることに
なる。
【0076】次に作動を説明する。図1〜図3に示す状
態は、ブレーキペダル80が踏まれておらず且つアクチ
ュエータ42が作動されていない状態であり、弁機構3
5が第2後室26を第1前室23に連通すると共に大気
から遮断する出力減少作用状態を採っている。即ち大気
弁座29aが大気シール部36aに当接し且つ負圧弁座
22bが負圧シール部36bから離間した状態となり、
第1後室24と第2後室26の圧力は第1前室23の圧
力と同じ圧力に低下している。
【0077】従って、両可動壁17、20とパワーピス
トン22には前進力が作用せず、パワーピストン22と
これに結合された両可動壁17、20は、リタンスプリ
ング52によってハウジング14に対する後退限位置に
保持される。
【0078】図4は縦軸は出力を表し、横軸は入力を表
した本実施の形態の負圧式倍力装置10の特性線図であ
る。図1〜図4示すように、通常ブレーキ作用のために
運転者がブレーキペダル80を入力Fi1で踏み込む
と、入力ロッド27がパワーピストン22に対して前進
される。
【0079】入力ロッド27の前進により入力部材28
の第2入力部材282が入力ロッド27と一体的に前進
され、第2入力部材282の前進により第1入力部材2
81の凹部の底面が第2入力部材282の前端部に押圧
されることから、第2入力部材282の前進に伴って第
1入力部材281もまた第2入力部材282及び入力ロ
ッド27と一体的に前進される。
【0080】更に、第2入力部材282の前進に伴って
可動コア46がスプリング47を介して第2入力部材2
82により前方に付勢されることから、可動コア46、
ひいては、可動コア46に係合されているプランジャ2
9が前方に移動されることになる。即ち、入力部材2
8、可動コア46、プランジャ29、及び入力ロッド2
7がパワーピストン22に対して一体的に前進される。
【0081】加えて、入力部材28及びプランジャ29
の前進に伴って、入力部材28及びプランジャ29に係
合されているシール部材32の第1及び第2係合部32
a、32bがそれぞれ前進され、ひいては中間部32c
を含むシール部材32が入力部材32及びプランジャ2
9と一体的に前進される。
【0082】入力部材28及びプランジャ29の移動に
伴ってコントロールバルブ36の可動部36cがバルブ
スプリング36fにより前方に付勢されて入力部材28
と一体的に前進され、コントロールバルブ36の負圧シ
ール部36bがパワーピストン22の負圧弁座22bに
当接して負圧弁V2が閉弁される。
【0083】負圧弁V2の閉弁により、バキューム通路
38とエア通路39との連通が遮断され、第2後室26
が第1前室23から遮断される。つまり、弁機構35が
出力減少作用状態から出力保持作用状態に切り換わる。
【0084】弁機構35が出力保持作用状態を採る状態
から入力ロッド27、入力部材28、プランジャ29、
及び可動コア46が更に前進されると、入力部材28の
大気弁座29aがコントロールバルブ36の大気シール
部36aから離間されて大気弁V1が開弁される。
【0085】大気弁V1の開弁により、エア通路39
が、大気弁座29aと大気シール部36aとの間のクリ
アランスと、パワーピストン22内でコントロールバル
ブ36の固定部36dの内周側空間部と、消音部材31
と、フィルター30と、パワーピストン22の後方開口
部とを介して大気と連通されることにより、第2後室2
6が大気と連通されて弁機構35が出力増加作用状態に
切り換わる。
【0086】弁機構35が出力増加作用状態に切り換わ
ることにより、大気が第2後室26に流入し、更に第2
後室26から第1後室24に流入して両後室24、26
の圧力が上がり、第1可動壁17には第1前室23と第
1後室24との差圧により前進力が発生し、第2可動壁
20には第2前室25と第2後室26との差圧により前
進力が発生して、パワーピストン22には第1前室23
と第2後室26との間の差圧により前進力が発生する。
【0087】これらの前進力がパワーピストン22から
アクチュエータ42の固定コア45及びリアクションデ
ィスク50を介して出力ロッド51に伝達され、両可動
壁17、20、パワーピストン22及び出力ロッド51
がハウジング14に対し一体的に前進を開始し、マスタ
シリンダの作動が開始される。
【0088】その際、パワーピストン22は入力部材2
8及びプランジャ29に対しても前進し、コントロール
バルブ36の大気シール部36aが大気弁座29aに接
近する。又、リアクションディスク50がパワーピスト
ン22と出力ロッド51とによって圧縮変形され、後方
に、即ち、固定コア45の段付穴の小径部、或いは、ガ
イド部材49の中心穴内に張出すことになる。
【0089】リアクションディスク50が後方へ張り出
すことによりリアクションディスク50はやがて第1入
力部材281に当接し、リアクションディスク50はパ
ワーピストン22の前進力及び入力部材28の前進力を
出力ロッド51に伝達すると共に、第1入力部材28
1、ひいては第2入力部材282及びプランジャ29を
出力ロッド51からの出力に対応した反力を印加するこ
とにより後方に押圧付勢する。
【0090】パワーピストン22が入力部材28及びプ
ランジャ29に対して前進すること、及びパワーピスト
ン22の前進に伴ってリアクションディスク50が入力
部材28に反力を付与して第1入力部材281と第2入
力部材282とプランジャ29とを一体的に後方に移動
させることにより、コントロールバルブ36の大気シー
ル部36aが大気弁座29aに接近し、やがてコントロ
ールバルブ36の大気シール部36aに大気弁座29a
が再び当接して大気弁V1が閉弁される。即ち、両後室
24、26への大気流入が停止され(弁機構35が出力
保持作用状態に切り換わる)、両可動壁17、20とパ
ワーピストン22の前進力が増加が停止する。
【0091】このときにおいて、運転者によりブレーキ
ペダル80から入力部材28に加えられている入力は図
4中に示した値Fi1であり、出力ロッド51からマス
タシリンダに付与される出力は図5に示した値Fo1と
なる。
【0092】この弁機構35が出力保持作用状態を採る
状態において、例えば、ブレーキペダル80から入力部
材28に加えられる入力が図4のFiaよりも大きい値
まで減少されると、入力部材28がパワーピストン22
に対して後退され、入力部材28の後退に伴ってコント
ロールバルブ36の可動部36cがパワーピストン22
に対して後退されて負圧シール部36bが負圧弁座22
bから離間し、負圧弁座V2が開弁される(弁機構35
が出力減少作用状態に切り換わる)。
【0093】負圧弁座22bが負圧シール部36bから
離間することによってバキューム通路38が負圧弁座2
2bと負圧シール部36bとの間のクリアランスを介し
てエア通路39に連通され、両後室24、26が第1前
室23に連通されて両後室24、26内の大気が負圧源
により第1前室23を介して排出され、両後室24、2
6の圧力が低下する。
【0094】従って、両可動壁17、20とパワーピス
トン22との前進力が減少し、可動壁17、20、パワ
ーピストン22及び出力ロッド51がハウジング14に
対して後退する。その際、パワーピストン22は入力部
材28に対しても後退し、負圧弁座22aがコントロー
ルバルブ36の負圧シール部36bに接近し、やがて負
圧弁座22aが負圧シール部36bに当接して負圧弁V
2が閉弁される。従って、両後室24、26からの第1
前室23への大気流出が停止され(弁機構35が出力保
持作用状態に切り換わる)、両可動壁17、20とパワ
ーピストン22の前進力の減少が停止される。
【0095】このときにおいて負圧式倍力装置10が発
生する出力は、図4中の作動線a上の出力となる。即
ち、通常作動において、入力がFia〜Fibの範囲で
は、負圧式倍力装置10の入出力特性は作動線aに従う
ことになる。
【0096】図4に示した入力の値Fibは、常温下の
通常作動において両後室24、26の圧力が大気圧にな
る入力値を示す。入力が値Fiaから値Fibの範囲に
おいては、出力ロッド51からマスタシリンダに加えら
れる出力の変化量は入力部材28に加えられる入力の変
化量より大きい。入力に対する出力の比率、即ち、作動
線aの傾きは、リアクションディスク50の後面と入力
部材28の前端面との当接面積に対するリアクションデ
ィスク50の後面の面積の比率に一致する。
【0097】図4において、入力が値Fibのときの出
力は値Fobである。入力が値Fibから更に増加され
た場合、出力が入力の増加分だけ増加する。尚、図4に
おいて、縦軸の単位長さあたりの力の変化量は横軸の単
位長さあたりの力の変化量より大きいものである。縦軸
の単位長さあたりの力の変化量と横軸の単位長さあたり
の力の変化量を一致させて描いたならば、入力が値Fi
bより大きい場合の入力−出力の相関を示す線が45度
の勾配となる。
【0098】例えば、前方の車両との車間距離が所定の
距離よりも短くなったことを図示しない車間距離センサ
が検出すると、電子制御装置60がアクチュエータ42
を作動させる自動ブレーキ作動が行われる。即ち、運転
者によるブレーキペダル80、入力ロッド27及び入力
部材28への操作が無い、換言すれば入力が無い状態で
アクチュエータ42が作動されることになる。
【0099】電子制御装置60がソレノイドコイル43
を通電制御すると、可動コア46と固定コア45との間
に電磁吸引力が発生し、可動コア46及びプランジャ2
9がスプリング48の付勢力に抗してパワーピストン2
2及び第2入力部材282に対して前進される。可動コ
ア46及びプランジャ29の前進に伴って、可動コア4
6の内向フランジ部46aに当接部281aを介して係
合している第1入力部材281も又パワーピストン22
及び第2入力部材282に対して前進される。
【0100】このときシール部材32において、ローリ
ング膜32cbの外周筒部が接続部を経て内周筒部に巻
き込まれることにより、プランジャ29は第2入力部材
282に対して円滑に前進することができる。
【0101】可動コア46及びプランジャ29と第1入
力部材281とが前進することにより、第1入力部材2
81の前端部がリアクションディスク50の後面に当接
する。即ち、リアクションディスク50と入力部材28
との間のクリアランスが無くなることになる。
【0102】リアクションディスク50と第1入力部材
281との当接後において第1入力部材281の当接部
281aのゴム部材が弾性変形されることにより更に可
動コア46及びプランジャ29が前進されることにな
る。
【0103】プランジャ29が前進することにより、コ
ントロールバルブ36の可動部36cがスプリング36
fによって前方に付勢されて前進される。可動部36c
の前進により負圧シール部36bが負圧弁座22bに当
接し、負圧弁V2が閉弁されてバキューム通路38とエ
ア通路39との連通が遮断されることにより第1前室2
3と第2後室26との連通が遮断されて弁機構35が出
力保持作用状態を採り、更に、プランジャ29の大気弁
座29aがコントロールバルブ36の大気シール部36
aから離間し、大気弁V1が開弁されて弁機構35が出
力増加作用状態を採る。
【0104】弁機構35が、出力増加作用状態を採るこ
とにより、大気が大気弁座29aと大気シール部36a
とのクリアランスと、エア通路39とを介して両後室2
4、26に流入し、両後室24、26の圧力が上昇して
両可動壁17、20及びパワーピストン22に前進力が
発生する。
【0105】この両可動壁17、20及びパワーピスト
ン22の前進力がパワーピストン22からアクチュエー
タ42の固定コア45及びリアクションディスク50を
介して出力ロッド51に伝達され、両可動壁17、2
0、パワーピストン22、アクチュエータ42、第1入
力部材281、プランジャ29、及び出力ロッド51が
ハウジング14に対して一体的に前進を開始し、マスタ
シリンダの作動が開始される。
【0106】パワーピストン22のハウジング14に対
する前進において、リアクションディスク50がパワー
ピストン22と出力ロッド51とにより圧縮変形される
ことにより後方に張出して固定コア45の段付穴の小径
部、即ち、ガイド部材49の中心穴内に進入し、リアク
ションディスク50がパワーピストン22の前進力及び
入力部材28の前進力を出力ロッド51に伝達すると共
に出力ロッド51からの出力に対応した反力を、第1入
力部材281と、第1入力部材281に係合している可
動コア46及びプランジャ29に、第1入力部材281
と可動コア46及びプランジャ29とをパワーピストン
22及び第2入力部材282に対して後退させるよう付
与するようになる。
【0107】第1入力部材281と可動コア46及びプ
ランジャ29とがリアクションディスク50から反力を
受けることによって、ソレノイドコイル42への通電に
より発生されている固定コア45と可動コア46との間
の吸引力、即ち、アクチュエータ42の駆動力に抗して
後退されると、やがて、コントロールバルブ36の大気
シール部36aが再び大気弁座29aに当接してエア通
路39と大気との連通が遮断され、両後室24、26へ
の大気の流入が停止される(弁機構35が出力保持作用
状態に切り換わる)。
【0108】即ち、図4に示すように、出力Fo2をマ
スタシリンダに出力することになる。換言すれば、運転
者からの入力が無い状態で出力Fo2を出力することに
なる。
【0109】負圧式倍力装置10の出力Fo2を受けて
マスタシリンダのピストンが押圧され、負圧式倍力装置
10によってブレーキ液がアクチュエータ部を介して各
車輪のホイールシリンダに向けてブレーキ液を吐出す
る。従って、各車輪に負圧式倍力装置10の出力Fo2
に基づいた制動力が付与されることになる。
【0110】電子御装置60はソレノイド43を非通電
とする条件が成立したとき、例えば、車間距離センサが
前方車両との距離が所定値まで復帰したことを検出する
と、この車間距離センサの検出結果に基づいて電子制御
装置60はソレノイド43を非通電とする。
【0111】これにより、可動コア46と第1入力部材
281及びプランジャ29とに作用していたアクチュエ
ータ42の駆動力が無くなり、可動コア46と第1入力
部材281及びプランジャ29とがスプリング47に付
勢されて初期位置へと復帰する。
【0112】プランジャ29の後退に伴ってコントロー
ルバルブ36の可動部36cがパワーピストン22に対
して後退されて負圧シール部36bが負圧弁座22bか
ら離間し、負圧弁座V2が開弁される(弁機構35が出
力減少作用状態に切り換わる)。
【0113】負圧弁座22bが負圧シール部36bから
離間することによってバキューム通路38が負圧弁座2
2bと負圧シール部36bとの間のクリアランスを介し
てエア通路39に連通され、両後室24、26が第1前
室23に連通されて両後室24、26内の大気が負圧源
により第1前室23を介して排出され、両後室24、2
6の圧力が低下する。
【0114】従って、両前室23、25と両後室24、
26との間の圧力差が減少され、両可動壁17、20と
パワーピストン22とがリタンスプリング52により後
方に向けて付勢されて初期位置に向けて復帰し、パワー
ピストン22の初期位置への復帰に伴い、入力部材28
及び入力ロッド27も又初期位置に向けて復帰される。
即ち、負圧式倍力装置10の自動作動が終了される。
【0115】負圧式倍力装置1の初期状態、即ち、大気
弁座29aと大気シール部36aとが当接するとともに
負圧弁座22bが負圧シール部36bから離間する弁機
構35の出力減少作用状態において、第2後室26は第
1前室23と連通されていることから負圧となってお
り、シール部材32の前方側の空間部分、即ち、プラン
ジャ29の前方部291の小径部の内部空間はエア通路
39を介して第2後室26に連通されていることから、
同様に負圧となっている。
【0116】又、シール部材32の後方側の空間部分、
即ち、プランジャ29の後方部292の内部空間は、コ
ントロールバルブ36の伸縮部36eの内部空間と、パ
ワーピストン22の内部空間と、パワーピストン22の
後方開口部とを介して大気と連通されている。従って、
シール部材32の前方側には負圧が作用し、後方側には
大気圧が作用することから、シール部材32の前後にお
いて差圧が生じることになる。
【0117】しかしながら、シール部材32は従来のも
ののような摺動シールではなく、プランジャ29と一体
的に移動可能な第2係合部32bを有していることか
ら、アクチュエータ42の作動に伴うプランジャ29の
移動に際して、シール部材32が固着現象を起こしてプ
ランジャ29の移動を抑制することはなく、プランジャ
29の円滑な作動、ひいては、アクチュエータ42の駆
動力の減少とそれに伴うアクチュエータ42の小型化を
可能としている。
【0118】アクチュエータ42が作動状態から非作動
状態とされてプランジャ29がスプリング48のスプリ
ング力によって後方に、即ち、初期位置に戻される時を
想定すると、スプリング48のスプリング力はプランジ
ャ29およびコントロールバルブ36に作用する大気圧
によって発生する力に抗してプランジャ29およびコン
トロールバルブ36を戻す。
【0119】プランジャ29およびコントロールバルブ
36に作用する大気圧によって発生する力の大きさは各
々、コントロールバルブ36とプランジャ29との係合
によって形成される大気弁V1のバルブ径からシール部
材32のシール径を差し引いた値と、コントロールバル
ブ36の有効径から大気弁V1のバルブ径を差し引いた
値によって決定される。
【0120】本実施の形態においては、シール部材32
のシール径、大気弁V1のバルブ径およびコントロール
バルブ36の有効径は略等しくされていることから、ス
プリング48のスプリング力を最低限にまで小さくで
き、アクチュエータ42が非作動状態から作動状態とさ
れてプランジャ29をスプリング48のスプリング力に
抗して駆動する場合を想定すれば、ソレノイド43の電
磁力をも小さくできるため、結果的にアクチュエータ4
2の小型化ができる。
【0121】更に、シール部材32のシール径、大気弁
V1のバルブ径、負圧弁V2のバルブ径およびコントロ
ールバルブ36の有効径は略等しくされていることか
ら、スプリング36fの付勢力、ひいてはスプリング4
1の付勢力を下げることができ、入力ロッド27或いは
ブレーキペダル80に印加される踏力の低減を、換言す
れば、立ち上がり荷重の低減を図ることを可能としてい
る。
【0122】以上説明したように、本実施の形態の負圧
式倍力装置10によれば、シール部材32を配設したこ
とによりプランジャ29の円滑な作動を可能とし、ひい
てはアクチュエータ42の駆動力の低減及びそれに伴う
アクチュエータ42の小型化を可能としている。
【0123】更に、シール部材32は弾性変形可能な中
間部32cを備えることから、第1係合部32aと第2
係合部32bとのより円滑な相対移動を可能とし、ひい
ては、プランジャ29の円滑な作動を可能とすることに
より、アクチュエータ42の駆動力の低減及びそれに伴
うアクチュエータ42の小型化を可能としている。
【0124】更に、シール部材32の中間部32cはロ
ーリング膜32cbを備えることからより良い中間部3
2cの弾性変形を可能とし、プランジャ29の更なる円
滑な作動を可能としている。
【0125】更に、第2係合部32bが前方部291と
後方部292とにより挟持されていることから、シール
部材32のプランジャ29との係合を確実なものとして
いる。
【0126】更に、大気弁V1と負圧弁V2とが前後方
向に離間されて配置されており、第2係合部32bが大
気弁V1と負圧弁V2との間に配設されていることか
ら、シール部材32のシール径を大気弁V1のバルブ
径、負圧弁V2のバルブ径、及びコントロールバルブ3
6の有効径に近似させることを可能としている。
【0127】更に、第1係合部32aと第2係合部32
bとが前後方向に離間されて配置されていることから、
特に入力部材28とプランジャ29との間においてスプ
リング48の設置をより容易に行うことを可能としてい
る。
【0128】更に、シール部材32のシール径或いはシ
ール有効径と、大気弁V1のバルブ径と、負圧弁V2の
バルブ径と、コントロールバルブ36の有効径とが近似
されていることから、スプリング48の付勢力を低減す
ることを可能とし、ひいては、アクチュエータ42の駆
動力の低減とそれに伴うアクチュエータ42の小型化及
び立ち上がり荷重の低減を可能としている。
【0129】更に、シール部材32の入力部材28への
組付け以前において、シール部材32とプランジャ29
とスプリング48とを一体化でき、組付け工程における
作業能率の向上を可能としている。
【0130】従って、アクチュエータ42の小型化を可
能とする負圧式倍力装置10を提供することを可能とし
ている。
【0131】本実施の形態においては、負圧式倍力装置
10はタンデム型の構成を採っているが、特にこの構成
に限定されるものではなく、例えば、シングル型の構成
をとる本発明の負圧式倍力装置においても同様の作用効
果が得られる。
【0132】又、本実施の形態においては、負圧式倍力
装置10を車間距離制御の自動ブレーキ装置に適用した
が、特にこの構成に限定されるものではなく、自動作動
を要する負圧式倍力装置において本発明の負圧式倍力装
置を適用すれば同様の作用効果が得られる。
【0133】(実施の形態2)図5は本発明の一実施の
形態の負圧式倍力装置10の弁機構35部分の拡大断面
図である。弁機構35以外の構成は実施の形態1と略同
様であるので詳細な説明は省略する。尚、実施の形態1
と同様な部材には同符号が付してある。
【0134】図5に示すように、シール部材32は、入
力部材28に係合されると共に入力部材28と一体的に
移動可能な第1係合部32aと、プランジャ29に係合
されると共にプランジャ29と一体的に移動可能な第2
係合部32bと、第1係合部32aと第2係合部32b
との間に配設されるとともに第1係合部32aと第2係
合部32bとを接続する中間部32cとを有している。
【0135】第1係合部32aと第2係合部32bとは
前後方向(図5中左右方向)において離間されており、
第1係合部32aの後方(図5中右方)に第2係合部3
2bが配置されている。第1係合部32aはゴム材から
形成されると共に環状を呈し、入力部材28の第2入力
部材282の外周部に嵌合され、第2係合部32bはゴ
ム材から成り金属製の環状部材を備え、プランジャ29
の分割部293において前方部291と後方部292と
により挟持されている。
【0136】中間部32cは、前後方向に延在されると
共にその前端部で第1係合部32aの外周部に当接する
第1延在部としての段付き筒状体32caと、筒状体3
2caの後端部から第2係合部32bに向けて延在され
る第2延在部としてのローリング膜32cbとを有して
いる。
【0137】ローリング膜32cbはゴム材から成り、
内周筒状部と、外周筒状部と、内周筒状部と外周筒状部
との前端部とを接続する接続部とを備えると共に後方に
開口する湾曲状を呈している。ローリング膜32cbの
内周筒状部の後端部は段付き筒状体32caの後端部に
係合されており、ローリング膜32cbと第2係合部3
2bとは一体的に形成されることにより、外周筒状部の
後端部と第2係合部32bの内周部とは一体的に接続さ
れている。
【0138】プランジャ29の後方部292の後端部に
形成された外向フランジ部とシール部材32の中間部3
2cの筒状体32caの段差部との間にスプリング48
が配設されている。スプリング48はプランジャ29を
後方に付勢する。
【0139】スプリング48及びシール部材32の入力
部材28への組付け以前において、シール部材32の第
2係合部32bがプランジャ29に挟持固定された後、
スプリング48が中間部32cの筒状体32caの段差
部とプランジャ29の後方部292の内向フランジ部と
の間に配設されると、スプリング48の付勢力によって
シール部材32の中間部32cが前方に付勢され、シー
ル部材32の中間部32cの筒状体32caの段差部の
前面とプランジャ29の前方部291の段差部の後面と
が当接される。これにより、プランジャ29と、第1係
合部32aを除くシール部材32と、スプリング48と
が一体化されることになる。
【0140】入力部材28に第1係合部32aが嵌合さ
れた後、入力部材28に一体化されたプランジャ29と
第1係合部32aを除くシール部材32とスプリング4
8が組付けられる。このとき、シール部材32の筒状体
32caが第1係合部32aの外周部上を摺動すること
により、入力部材28の組付けを容易に行うことができ
る。
【0141】その他の作用効果は実施の形態1と略同様
であるので説明は省略する。
【0142】(実施の形態3)図6は本発明の一実施の
形態の負圧式倍力装置10の弁機構35部分の拡大断面
図である。弁機構35の構成以外は実施の形態1及び実
施の形態2と略同様であるので詳細な説明は省略する。
尚、実施の形態1及び実施の形態2と同様な部材には同
符号が付してある。
【0143】図6に示すように、シール部材32はゴム
材から形成されると共に、略円盤状を呈し、入力部材2
8に係合されると共に入力部材28と一体的に移動可能
な第1係合部32aと、プランジャ29の段差部に係合
されると共にプランジャ29と一体的に移動可能な第2
係合部32bと、第1係合部32aと第2係合部32b
との間に配設されるとともに第1係合部32aと第2係
合部32bとを接続する中間部32cとを一体的に有し
ている。
【0144】第1係合部32aは入力部材28の第2入
力部材282の段差部の後面部に係合されており、第2
係合部32bはプランジャ29の内周部に形成された段
差部に係合されている。図6に示す初期状態においては
シール部材32の前方側には負圧が作用し、後方側には
大気圧が作用しているが、第1係合部32aの内周部と
第弐入力部材282の内周部との間で生じる摩擦力と、
第2係合部32bの外周部とプランジャ29の内周部と
の間で生じる摩擦力とによりシール部材32が入力部材
28及びプランジャ29から脱落する虞はない。シール
部材32の入力部材28及びプランジャ29からの脱落
防止のために、例えば、第1係合部32aと第2係合部
32bとを夫々入力部材32及びプランジャ29に接着
固定してもよい。
【0145】中間部32cの後面には環状スリットが形
成されており、シール部材32の弾性変形をより容易な
ものとしているアクチュエータ42が作動されてソレノ
イド43により可動コア46及びプランジャ29が前進
されると、シール部材32において、スリットが形成さ
れている中間部32cを境界部分として第1係合部32
aに対して第2係合部32bが前方に屈曲される。従っ
て、シール部材32の第2係合部32bはプランジャ2
9一体的に前進され、プランジャ29は円滑に移動する
ことができる。
【0146】その他の作用効果は実施の形態1及び実施
の形態2と略同様であるので説明は省略する。
【0147】(実施の形態4)図7は、本発明の一実施
の形態の負圧式倍力装置10の弁機構35の拡大断面図
である。弁機構35の構成以外は実施の形態1〜実施の
形態3と略同様であるので詳細な説明は省略する。尚、
実施の形態1〜実施の形態3と同様な部材には同符号が
付してある。
【0148】図7に示すように、シール部材32は、入
力部材28に係合されると共に入力部材28と一体的に
移動可能な第1係合部32aと、プランジャ29に係合
されると共にプランジャ29と一体的に移動可能な第2
係合部32bと、第1係合部32aと第2係合部32b
との間に配設されるとともに第1係合部32aと第2係
合部32bとを接続する中間部32cとを有している。
【0149】第1係合部32aと第2係合部32bとは
前後方向(図7中左右方向)において離間されており、
第1係合部32aの後方(図7中右方)に第2係合部3
2bが配置されている。第1係合部32aはゴム材から
形成されると共に環状を呈し、入力部材28の第2入力
部材282の外周部に嵌合され、第2係合部32bはゴ
ム材から成り、プランジャ29の分割部293において
前方部291と後方部292とにより挟持されるととも
に前方部291の後端部に係合されている。
【0150】中間部32cは、前後方向に延在されると
共にその前端部で第1係合部32aの外周部に係合する
第1延在部としての筒状体32caと、筒状体32ca
を介して第1係合部32aにその前端部が一体的に接続
されると共に筒状体32caの外周部に焼き付けられる
筒状部と筒状部の後端部から第2係合部32bに向けて
延在されるローリング部とを備える第2延在部及び湾曲
部としてのローリング膜32cbとを有している。
【0151】ローリング膜32cbはゴム材から成り、
ローリング膜32cbのローリング部は、内周筒状部
と、外周筒状部と、内周筒状部と外周筒状部との前端部
とを接続する接続部とを備えると共に後方に開口する湾
曲状を呈している。ローリング膜32cbのローリング
部と第2係合部32bとは一体的に形成されることによ
り、ローリング部の外周筒状部の後端部と第2係合部3
2bの内周部とは一体的に接続されている。
【0152】その他の作用効果は実施の形態1〜実施の
形態3と略同様であるので説明は省略する。
【0153】以上、本発明を上記実施の形態に則して説
明したが、本発明は上記態様にのみ限定されるものでは
なく、本発明の原理に準ずる各種態様を含むものであ
る。
【0154】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、入力部材と一体的に移動可能な第1係合部とプ
ランジャと一体的に移動可能な第2係合部とを備えたシ
ール部材を配設したことによりプランジャの円滑な作動
を可能とし、ひいてはアクチュエータの駆動力の低減及
びそれに伴うアクチュエータの小型化を可能としてい
る。
【0155】従って、アクチュエータの小型化を可能と
する負圧式倍力装置を提供することを可能としている。
【0156】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
の効果に加えて、弁機構のより良い形態を示している。
【0157】請求項3の発明によれば、請求項2の発明
の効果に加えて、第2係合部をより確実にプランジャに
係合させることを可能としている。
【0158】請求項4の発明によれば、請求項2又は請
求項3の発明の効果に加えて、大気弁と負圧弁、第1係
合部及び第2係合部のより良い配設形態を示し、中間部
のより良い形態を示している。
【0159】請求項5の発明によれば、請求項4の発明
の効果に加えて、シール部材の第1係合部と第2係合部
とのより良い形態を示している。
【0160】請求項6の発明によれば、請求項1〜請求
項5の何れか一に記載の発明の効果に加えて、中間部を
備えることにより入力部材とプランジャとの相対移動を
より円滑に行うことを可能とし、アクチュエータの駆動
力の低減及びそれに伴うアクチュエータの小型化を可能
としている。
【0161】請求項7の発明によれば、請求項5の発明
の効果に加えて、中間部のより良い形態を示している。
【0162】請求項8の発明によれば、請求項7の発明
の効果に加えて、第2延在部のより良い形態を示してい
る。
【0163】請求項9の発明によれば、請求項1〜請求
項7の何れか一に記載の発明の効果に加えて、中間部の
より良い形態を示している。
【0164】請求項10の発明によれば、請求項1〜請
求項9の何れか一に記載の発明の効果に加えて、組付け
工程の簡素化及び組付け工程の作業能率の向上を可能と
している。
【0165】請求項11の発明によれば、請求項1〜請
求項10の何れか一に記載の発明の効果に加えて、アク
チュエータの更なる小型化を可能としている。
【0166】請求項12の発明によれば、請求項11の
発明の効果に加えて、立ち上がり荷重の低減を図ること
を可能としている。
【0167】請求項13の発明によれば、請求項1〜請
求項12の何れか一に記載の発明の効果に加えて、シー
ル部材のより良い配設形態を示している。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の負圧式倍力装置10の断面図。
【図2】図1の弁機構35部分の拡大図。
【図3】図1のアクチュエータ42部分の拡大図。
【図4】実施の形態1の負圧式倍力装置10の入出力特
性線図。
【図5】実施の形態2の負圧式倍力装置10の弁機構3
5部分の拡大断面図。
【図6】実施の形態3の負圧式倍力装置10の弁機構3
5の拡大断面図。
【図7】実施の形態4の負圧式倍力装置10の弁機構3
5の拡大断面図。
【符号の説明】
10 負圧式倍力装置 14 ハウジング 17、20 可動壁 22 パワーピストン 23、25 前室 24、26 後室 28 入力部材 29 プランジャ 29a 大気弁座 291 前方部分 292 後方部分 32 シール部材 32a 第1係合部 32b 第2係合
部 32c 中間部 32ca 筒状体 32cb ローリング膜 35 弁機構 36a 大気シール部 36b 負圧シー
ル部 42 アクチュエータ 48 スプリング 51 出力ロッド V1 大気弁 V2 負圧弁

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つの圧力空間を内部に形成
    するハウジングと、 前記ハウジング内に前記ハウジングに対して前進及び後
    退できるように設置されていて前記圧力空間を負圧源に
    連通される前室と前記前室および大気に選択的に連通さ
    れる後室とに分割する可動壁と、 前記可動壁に結合されるパワーピストンと、 前記パワーピストンの内部に設置され、ブレーキ操作に
    よって前後方向に移動可能な入力部材と、 前記パワーピストン内で前記入力部材に対して同軸的か
    つ前記前後方向に移動可能に配設され、前記入力部材の
    移動によって前記前後方向に移動可能なプランジャと、 前記プランジャと前記入力部材との間に配設されるシー
    ル部材と、 前記プランジャの移動により前記後室と大気とを連通及
    び遮断すると共に前記負圧源と前記後室とを連通及び遮
    断する弁機構と、 前記可動壁の移動に伴った前記パワーピストンの前進に
    より前進されて前記パワーピストンの前進力を装置外に
    出力する出力部材と、 前記プランジャを移動可能なアクチュエータと、 を備えた負圧式倍力装置において、 前記シール部材は、前記入力部材と一体的に移動可能と
    なるように前記入力部材に係合される第1係合部と、前
    記プランジャと一体的に移動可能となるように前記プラ
    ンジャに係合される第2係合部とを有することを特徴と
    する負圧式倍力装置。
  2. 【請求項2】 前記弁機構は、前記プランジャの移動に
    応じて前記後室と大気とを連通及び遮断する大気弁と、
    前記プランジャの移動に応じて前記負圧源と前記後室と
    を連通及び遮断する負圧弁とを有し、前記大気弁は、前
    記プランジャ部材に配設される大気弁座と、前記大気弁
    座に接触及び離脱可能な大気シール部とを有し、前記負
    圧弁は、前記パワーピストンに配設される負圧弁座と、
    前記負圧弁座に接触及び離脱可能な負圧シール部とを有
    し、前記大気弁座と前記大気シール部とが当接すること
    により前記後室と大気との連通が遮断されると共に前記
    大気弁座と前記大気シール部とが離間することにより前
    記後室と大気とが連通され、前記負圧弁座と前記負圧シ
    ール部とが当接することにより前記後室と前記前室との
    連通が遮断されると共に前記負圧弁座と前記負圧シール
    部とが離間することにより前記後室と前記前室とが連通
    されることを特徴とする請求項1の負圧式倍力装置。
  3. 【請求項3】 前記プランジャ部材は、前方部分と、前
    記前方部分の後方に配設されるとともに前記大気弁座が
    配設される後方部とに分割可能とされ、前記シール部材
    の前記第2係合部は前記プランジャの前記前方部と前記
    後方部とにより挟持されていることを特徴とする請求項
    2の負圧式倍力装置。
  4. 【請求項4】 前記大気弁と前記負圧弁とは前記前後方
    向に離間されて配設されると共に前記大気弁は前記負圧
    弁の後方に配設され、前記第2係合部は前記前後方向に
    おいて前記大気弁と前記負圧弁との間に配設されること
    を特徴とする請求項2又は請求項3の負圧式倍力装置。
  5. 【請求項5】 前記シール部材の前記第1係合部と前記
    第2係合部とは前記前後方向に離間されて配設されると
    共に前記第2係合部は前記第1係合部の後方に配設され
    ることを特徴とする請求項4の負圧式倍力装置。
  6. 【請求項6】 前記第1係合部と前記第2係合部との間
    に配設されると共に弾性変形可能な中間部とを有するこ
    とを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか一に記載の
    負圧式倍力装置。
  7. 【請求項7】 前記シール部材は前記第1係合部と前記
    第2係合部との間に配設されると共に弾性変形可能な中
    間部を備え、前記中間部は、前記第1係合部から前記前
    後方向で後方に延在される第1延在部と、前記第1延在
    部から前記第2係合部に向けて延在される第2延在部と
    を備えることを特徴とする請求項5の負圧式倍力装置。
  8. 【請求項8】 前記第2延在部は前記前後方向において
    後方に湾曲する湾曲部を有していることを特徴とする請
    求項7の負圧式倍力装置。
  9. 【請求項9】 前記中間部は前記前後方向において後方
    に開口する湾曲部を有していることを特徴とする請求項
    1〜請求項7の何れか一に記載の負圧式倍力装置。
  10. 【請求項10】 前記入力部材と前記プランジャとの間
    に配設されるとともに前記プランジャを後方へ付勢する
    付勢部材を備え、前記付勢部材の前記第1係合部の前記
    入力部材への組付け以前において、前記付勢部材により
    前記シール部材と前記プランジャとは係合されることを
    特徴とする請求項1〜請求項9の何れか一に記載の負圧
    式倍力装置。
  11. 【請求項11】 前記シール部材のシール径或いはシー
    ル有効径は、前記大気弁の径に近似されていることを特
    徴とする請求項1〜請求項10の何れか一に記載の負圧
    式倍力装置。
  12. 【請求項12】 前記シール部材のシール径或いはシー
    ル有効径は前記負圧弁座の径に近似されていることを特
    徴とする請求項11の負圧式倍力装置。
  13. 【請求項13】 少なくとも前記前室と前記後室とが連
    通される際に前記シール部材の前方側と後方側とにおい
    て差圧が生じることを特徴とする請求項1〜請求項12
    の何れか一に記載の負圧式倍力装置。
JP10357087A 1998-12-16 1998-12-16 負圧式倍力装置 Withdrawn JP2000177578A (ja)

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