JP2000302025A - 負圧式倍力装置 - Google Patents

負圧式倍力装置

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JP2000302025A
JP2000302025A JP11115217A JP11521799A JP2000302025A JP 2000302025 A JP2000302025 A JP 2000302025A JP 11115217 A JP11115217 A JP 11115217A JP 11521799 A JP11521799 A JP 11521799A JP 2000302025 A JP2000302025 A JP 2000302025A
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JP
Japan
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negative pressure
valve seat
output
atmosphere
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JP11115217A
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English (en)
Inventor
Kaoru Tsubouchi
坪内  薫
Akihiko Miwa
昭彦 三輪
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Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動作動可能な負圧式倍力装置において、入
出力特性が変更可能で且つ機械式解除作動が可能な負圧
式倍力装置を提供すること。 【解決手段】 ハウジング14と、可動壁17、18
と、パワーピストンと22、入力部材28と、大気弁V
1及び負圧弁V2を備えた弁機構44と、出力部ロッド
53とを備えた負圧式倍力装置10において、アクチュ
エータ45を備え、アクチュエータ45の駆動力にじて
出力部材からの出力が調節可能で且つアクチュエータ4
5の作動時においてブレーキペダル29への入力の減少
により出力ロッド53が初期位置に復帰可能な構成とし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は負圧式倍力装置に関
し、特に、自動車に適用される負圧式倍力装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、例えば急ブレーキ時において、運
転者の足りない踏力を補うために運転者のブレーキペダ
ルの踏み込み操作に基づく通常ブレーキ作動に加え、電
気式のアクチュエータを作動させて出力を増大させる自
動作動を行う負圧式倍力装置が開発されてきている。
【0003】このような負圧式倍力装置においては、通
常作動と自動作動とが行われた後に、ブレーキ操作を解
除して出力部材を初期位置に復帰させるため、即ち、負
圧式倍力装置の出力を0にするためには、信頼性の点か
ら機械式で実行可能なものが望ましい。
【0004】制動作動の機械式解除が可能な従来の負圧
式倍力装置としては、特開平7−251733号公報に
開示されるものがある。この倍力装置は、可動壁によっ
て互いに分離されている第1室及び第2室を少なくとも
備えたブースタ・ハウジングと、前記可動壁に結合され
て前記ブースタ・ハウジングに関して該可動壁と共に軸
方向に相対運動を行い且つ第1弁座を具備する弁ケーシ
ングと、前記ケーシング内に軸方向可動に配置され且つ
前記第1弁座に向かって賦勢されているシール部材と、
前記シール部材から離れるように作動部材によって軸方
向に移動できるピストンと、前記シール部材への当接相
手である第2弁座を具備し且つ前記シール部材に向かっ
て賦勢されており且つ前記シール部材から離れる方向へ
の運動のために前記ピストンに連行されるよう構成され
ており且つ前記ピストンによらず前記シール部材から離
れる方向に電磁石によって移動することもできる弁体と
を備え、且つ前記弁体と前記ピストンとの間にシールを
備え、且つ前記第1室が空気の流入に対し封鎖されてお
り且つ前記第2室に接続されている、前記ピストンと前
記弁体との共通の休止位置を定めるストッパ部材と、前
記シール部材が前記第1弁座と接触し且つ前記2つの室
間の接続を分離している状態で前記弁体がその休止位置
を離れる時に空気が前記第1室に流れる通路とを備えた
特に自動車ブレーキ装置のための、電磁石式補助制御装
置を備えた空気圧式倍力装置において、前記ピストン上
に第3弁座が形成され、前記弁体と前記ピストンとが休
止位置にある時に前記シール部材から該第3弁座が離さ
れるが、しかし前記弁体が前記シール部材から離れた位
置に前記電磁石によって保持されており、前記作動部材
が開放される時に、前記シール部材に前記第3弁座が接
触して前記第1室への空気の流入を防止するとともに、
前記シール部材が前記第1弁座から離間して前記第1室
内の空気が前記第2室内に流入することにより、出力部
材が初期位置に復帰するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、自動
作動可能な負圧式倍力装置の開発が行われる一方で、近
年、安全性向上の高まりから車両のブレーキシステムに
おいて高度な制御が求められており、ブレーキシステム
を構成する負圧式倍力装置自体においても入出力特性が
変更可能なものが求められてきている。
【0006】しかしながら、上述した従来の負圧式倍力
装置においては、入出力特性が通常ブレーキ作動時及び
通常ブレーキ作動と自動作動との両作動時における入出
力特性は常に一定となるものである。
【0007】本発明は、自動作動可能な負圧式倍力装置
において、入出力特性が変更可能で且つ機械式解除作動
が可能な負圧式倍力装置を提供することを、その技術的
課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記技術的課題を解決す
るために、第1の手段として、少なくとも1つの圧力空
間を内部に形成するハウジングと、前記ハウジング内に
前記ハウジングに対して前進及び後退できるように設置
されていて前記圧力空間を負圧源に連通される前室と前
記前室および大気に選択的に連通される後室とに分割す
る可動壁と、前記可動壁に結合されるパワーピストン
と、前記パワーピストンの内部に前記パワーピストンに
対して前進及び後退可能に配設され、操作部材の操作に
より移動可能な入力部材と、前記入力部材の移動に応じ
て前記後室を前記前室に連通する負圧弁及び前記入力部
材の移動に応じて前記後室を大気に連通する大気弁を備
えた弁機構と、前記可動壁の移動に伴った前記パワーピ
ストンの前進により前進されて前記パワーピストンの前
進力を装置外に出力する出力部材とを備えた負圧式倍力
装置において、前記操作部材の操作に伴う前記入力部材
の入力によって前記弁機構が作動されることにより前記
パワーピストンに生じる前進力とは独立的に前記出力部
材に前進力を発生可能なアクチュエータを備え、前記ア
クチュエータの駆動力に応じて前記出力部材からの出力
が調節可能で且つ前記アクチュエータの作動時において
前記入力部材への入力の減少により前記出力部材が初期
位置に復帰可能なことを特徴とする負圧式倍力装置を構
成した。
【0009】好ましくは、第2の手段として、前記大気
弁は、前記入力部材と一体的に前進及び後退可能な大気
弁座と、前記大気弁座に当接及び離脱することにより前
記後室と前記前室とを連通及び遮断する大気シール部と
を有し、前記パワーピストンの前進力及び前記入力部材
に加えられた入力を前記出力部材に伝達すると共に前記
大気弁座を前記大気シール部に向けて移動可能な反力部
材を備え、前記アクチュエータはその駆動力に応じて前
記入力部材の前記反力部材との接触部分と前記大気弁座
との距離を調節することにより前記出力部材からの出力
を調節可能とし、前記アクチュエータの作動時に前記大
気弁座が前記反力部材によって前記大気シール部に向け
て移動されることにより前記大気弁が閉弁可能とされる
ことを特徴とする第1の手段の負圧式倍力装置が望まし
い。
【0010】好ましくは、第3の手段として、前記負圧
弁は、前記パワーピストンに配設される負圧弁座と、前
記負圧弁座に当接及び離脱することにより前記後室と前
記前室とを連通及び遮断する負圧シール部とを有し、前
記弁機構は前記大気シール部と前記負圧シール部とを一
体的に備えるコントロールバルブを有し、前記操作部材
への入力の減少に伴う前記入力部材の移動により、前記
アクチュエータの作動時において前記入力部材は前記大
気弁座を前記大気シール部に当接させると共に前記負圧
弁座から前記負圧シール部を離間可能とすることを特徴
とする第2の手段の負圧式倍力装置が望ましい。
【0011】好ましくは、第4の手段として、前記アク
チュエータの作動時において、前記操作部材への入力の
減少に伴う前記入力部材の移動により、前記入力部材は
前記アクチュエータの駆動力に抗することなく前記大気
弁座を前記大気シール部に当接させると共に前記負圧弁
座から前記負圧シール部を離間可能とすることを特徴と
する第3の手段の負圧式倍力装置が望ましい。
【0012】好ましくは、第5の手段として、前記入力
部材は、前記入力部材に対して前後方向に移動可能で且
つ前記入力部材と一体的に前進及び後退可能に配設され
ると共に前記アクチュエータの作動により移動されるプ
ランジャ部材と、前記アクチュエータの作動に伴う前記
プランジャ部材の移動量を調節する調節部材とを備え、
前記大気弁座は前記プランジャ部材に前記プランジャ部
材と一体的に前進及び後退可能に配設されることを特徴
とする第2の手段〜第4の手段の何れか一に記載の負圧
式倍力装置が望ましい。
【0013】好ましくは、第6の手段として、前記大気
弁座は前記プランジャ部材に対して前後方向に移動可能
に配設されると共に前記操作部材への入力の減少に伴う
前記入力部材の移動により前記プランジャ部材から離間
されて前記大気シール部側に移動可能とされることを特
徴とする第5の手段の負圧式倍力装置が望ましい。
【0014】好ましくは、第7の手段として、前記入力
部材は、前記プランジャ部材と係合する第1入力部と、
前記第1入力部と前記第1入力部に対して前後方向に移
動可能に係合すると共に前記操作部材への入力の減少に
伴い前記第1入力部から離間する方向に移動することに
より前記大気弁座に係合可能となる第2入力部とを有し
ていることを特徴とする第6の手段の負圧式倍力装置が
望ましい。
【0015】好ましくは、第8の手段として、前記第1
入力部は、前記調節部材を備えると共に前記反力部材と
当接可能な前方部と、前記前方部に対して前後方向に移
動可能に配設されると共に前記第2入力部と係合する後
方部とを有していることを特徴とする第7の手段の負圧
式倍力装置が望ましい。
【0016】好ましくは、第9の手段として、前記負圧
式倍力装置の初期状態において、前記後室には負圧が導
入されており、前記弁機構は前記前室と前記後室との連
通を遮断すると共に前記後室と大気との連通を遮断して
いることを特徴とする第7の手段又は第8の手段の負圧
式倍力装置が望ましい。
【0017】第1の手段の負圧式倍力装置は、アクチュ
エータの駆動力に応じて出力部材からの出力が調節可能
で且つアクチュエータの作動時において入力部材への入
力の減少により出力部材が初期位置に復帰可能とされ
る。
【0018】第2の手段の負圧式倍力装置は、第1の手
段の作用に加えて、アクチュエータの駆動力に応じて入
力部材の反力部材との接触部分と大気弁座との距離を調
節することにより出力部材からの出力を調節可能として
いる。
【0019】第3の手段の負圧式倍力装置は、第2の手
段の作用に加えて、操作部材への入力の減少に伴う入力
部材の移動により、アクチュエータの作動時において入
力部材は大気弁座を大気シール部に当接させると共に負
圧弁座から負圧シール部を離間可能とする。
【0020】第4の手段の負圧式倍力装置は、第3の手
段の作用に加えて、アクチュエータの作動時において、
操作部材への入力の減少に伴う入力部材の移動により、
入力部材はアクチュエータの駆動力に抗することなく大
気弁座を大気シール部に当接させると共に負圧弁座から
負圧シール部を離間可能とする。
【0021】第5の手段の負圧式倍力装置は、第2の手
段〜第4の手段の何れか一に記載の作用に加えて、調節
部材により、アクチュエータの作動に伴うプランジャ部
材の移動量が調節される。
【0022】第6の手段の負圧式倍力装置は、第5の手
段の作用に加えて、操作部材への入力の減少に伴う入力
部材の移動により大気弁座がプランジャ部材から離間さ
れて大気シール部側に移動可能とされる。
【0023】第7の手段の負圧式倍力装置は、第6の手
段の作用に加えて、第2入力部が第1入力部から離間す
る方向に移動することにより、第2入力部は大気弁座に
係合可能となる。
【0024】第8の手段の負圧式倍力装置は、第7の手
段の作用に加えて、調節部材を備える前方部に対して、
第2入力部と係合する後方部が前後方向に移動可能に配
設される。
【0025】第9の手段の負圧式倍力装置は、第7の手
段又は第8の手段の作用に加えて、負圧式倍力装置の初
期状態において、後室には負圧が導入されており、弁機
構は前室と後室との連通を遮断すると共に前記後室と大
気との連通を遮断している。
【0026】
【実施の形態】以下、本発明を実施の形態により具体的
に説明する。
【0027】図1は、本発明の一実施の形態であるタン
デム型の車両用負圧式倍力装置10の断面図であり、図
2は図1の弁機構44部分の拡大図である。
【0028】図1において、車両用負圧式倍力装置10
は、フロントシェル11とリアシェル12及び両シェル
間の隔壁部材13とから構成されるとともにその内部に
前側圧力室及び後側圧力室を形成するハウジング14を
備える。ハウジング14内の前側圧力室には、金属製の
前側プレート15とゴム製の前側ダイアフラム16から
なる前側可動壁17が前進および後退可能に設置され、
また後側圧力室には金属製の後側プレート18とゴム製
の後側ダイアフラム19からなる後側可動壁20が前進
および後退可能に設置されている。
【0029】前側プレート15は、その中心部に、隔壁
部材13の中心部を気密的に且つ摺動可能に貫通されて
いる円筒部21を一体に有している。前側ダイアフラム
16の内周縁のビード部は前側プレート15の円筒部2
1の前端部の外周面に気密的に固定されており、前側ダ
イアフラム16の外周縁のビード部は隔壁部材13の外
周縁部と一緒にシェル11、12の外周部により気密的
に挟持されている。
【0030】後側ダイアフラム19の外周縁のビード部
は隔壁部材13の外周縁の内径側に設けられた折り返し
部とリアシェル12とにより気密的に挟持されている。
リアシェル12の中心部を気密的に且つ摺動可能に貫通
されているパワーピストン22の前方寄り部分の外周に
は、前側プレート15の円筒部21の後端と後側プレー
ト18の内周縁部が固定されると共に後側ダイアフラム
19の内周縁のビード部が気密的に固定されている。
【0031】これにより、ハウジング14内の前側圧力
室が第1前室23と第1後室24とに分割され、またハ
ウジング14内の後側圧力室が第2前室25と第2後室
26とに分割される。第1前室23は負圧源であるエン
ジンインテークマニホールド(図示省略)に連通され、
常時、負圧に保たれる。第2前室25は前側プレート1
5の円筒部21に形成された孔21aとパワーピストン
22の前端部の外周に形成された溝221とによって第
1前室23に連通され、従って第2前室25も、常時、
負圧に保たれる。
【0032】第1後室24は前側ダイヤフラム16の外
周縁のビード部の内周面に形成された溝16aと隔壁部
材13に形成された孔13a及び後側ダイアフラム19
の外周縁のビード部の外周面に形成された溝19aによ
って第2後室26に連通されている。
【0033】図1、図2に示されるように、パワーピス
トン22の内部には、入力ロッド27がパワーピストン
22に対して前進及び後退できるように設置されてい
る。この入力ロッド27はその前端のボール継手によ
り、パワーピストン22により前後方向(図2中左右方
向)に摺動自在に案内されている入力部材28に連結さ
れており、その後端でブレーキペダル29に連結されて
いる。
【0034】図3は図2の入力部材28部分の拡大図で
ある。図3に示すように、入力部材28は、第1入力部
30と、第1入力部30と同軸的に且つ第1入力部30
の後方(図3中右方)に配設される第2入力部31と、
第1、第2入力部30、31の外周側に配設されるプラ
ンジャ35とを有している。
【0035】第1入力部30の後方端部には後方に開口
すると共に前後方向(図3中左右方向)に延在される軸
方向孔30aが形成されている。第2入力部31の前端
部には前後方向に延在される凸部31aが配設されてお
り、凸部31aが軸方向孔30aに前後方向に摺動可能
に挿入されている。
【0036】凸部31aには前後方向に延在されると共
にその両端部が閉塞されるスリット31bが形成されて
おり、第1入力部30の軸方向孔30a内には、軸方向
孔30aの径方向(図3中上下方向)で延在されると共
に第2入力部31のスリット31bを貫通するストッパ
32が配設されている。
【0037】第1入力部30の軸方向孔30aの開口周
縁部と第2入力部31の凸部31aの周縁部とが当接す
ることにより第1入力部30に対する第2入力部31の
前進が規制され、第1入力部30のストッパ32が第2
入力部31のスリット31bの前方側閉塞部に当接する
ことにより、第1入力部30に対する第2入力部31の
後退が規制される。
【0038】即ち、第1入力部30と第2入力部31と
は、前後方向に所定量相対移動可能に係合されているも
のである。第2入力部31は、第1入力部30に対して
後退されることによりその後端部に形成された係合部3
1cにおいて、後述する大気弁座36の内周部に係合可
能とされている。図3に示す初期状態においては、第1
入力部30の軸方向孔30aの開口周縁部と第2入力部
31の凸部31aの周縁部とが当接されており、第1入
力部30に対する第2入力部31の前進が規制されてい
る。
【0039】第1入力部30は、前方部分301と、前
方部分301と同軸的に且つ前方部分301の後方に配
設される後方部分302とを有している。前方部分30
1の後方端部には後方に開口すると共に前後方向に延在
される軸方向孔301aが形成されており、軸方向孔3
01aには後方部分302の前端部が前後方向に摺動可
能に挿入されている。従って、前方部分301と後方部
分302とは互いに前後方向に移動可能に係合されてい
る。図3に示す初期状態においては、前方部分301の
軸方向孔301aの底面部と後方部分302の前端部と
が当接されていることから、前方部分301に対する後
方部分302の前進が規制されている。
【0040】前方部分301の後方外周部には環状の弾
性部材、例えば、ゴム部材から成る調節部材33が固定
されている。
【0041】プランジャ35は、その後部に外向フラン
ジ部を備える第1筒状部35aと、第1筒状部35aと
同軸的に且つ後方に配置され、その前端部において第1
筒状部35aの外向フランジ部外周部分に係合されると
共にその後部に内向フランジ部を備える第2筒状部35
bとを有している。プランジャ35の前方には同軸的に
配設されると共に略筒状を呈する可動コア34が配設さ
れており、第1筒状部35aの前端部と可動コア34の
後端部とが係合されている。
【0042】プランジャ35の第2筒状部35bの後方
には同軸的に配設されると共に、その外周部に第2筒状
部35bの外周部上を摺動可能な筒状部を備える略環状
の大気弁座36が配設されている。第2筒状部35bと
大気弁座36とは、シール部材42により気密的に結合
されている。
【0043】シール部材42は略環状を呈しており、そ
の外周部分で第2筒状部35bの後方側内周部と内向フ
ランジ部の前面とに一体的に加硫接着され、その内周部
分で大気弁座36aの環状部の内周部に気密的に係合さ
れている。従って、第2筒状部35bと大気弁座36と
は、シール部材42が特に前後方向において弾性変形す
ることにより互いに前後方向に移動可能に係合されてい
る。
【0044】可動コア34の内周部には内向フランジ部
34aが形成されている。内向フランジ部34aと第1
入力部30の後方部分30bのフランジ部302aとの
間には、スプリング43が配設されている。スプリング
43は、可動コア34を前方に向けて付勢しており、可
動コア34の内向フランジ部34aは調節部材33の後
端部に当接されている。
【0045】プランジャ35と第2入力部31との間に
はシール部材37が配設されている。シール部材37
は、段付環状のリテーナ部37aと、リテーナ部37a
の後方端部にその内周部で気密的に加硫接着された略環
状のダイアフラム部37bとを有している。
【0046】リテーナ部37aは、その前方側内周部に
おいてOリング38を介して第2入力部31の外周部と
気密的に且つ第2入力部材31に対して前後方向に摺動
可能に係合されており、その前方端部が第1入力部30
の後方端面に係合されている。
【0047】ダイアフラム部37bは、その外周部でプ
ランジャ35の第2筒状部35bの内周部に気密的に当
接されると共に第1筒状部35aの外向フランジ部と第
2筒状部35bの内向フランジ部とにより挟持固定され
ている。
【0048】ダイアフラム部37bの外周側後面部とシ
ール部材42の外周側前面部との間には略環状のリテー
ナ40が固定配置されている。リテーナ部37aの内周
側段差部とリテーナ40との間にはプランジャ35を後
方に付勢するスプリング41が配設されている。
【0049】図1〜図3に示すように、パワーピストン
22には、パワーピストン22に対する入力部材28の
前進限位置及び後退限位置を規定するためのキー部材4
7が設置されている。このキー部材47はパワーピスト
ン22に形成された半径方向孔22dに挿通されてお
り、パワーピストン22から脱落しないようにパワーピ
ストン22に係止されている。
【0050】パワーピストン22の内部には、パワーピ
ストン22に対する入力部材28の前後方向位置に応じ
て、第2後室26を第1前室23に連通すると共に大気
から遮断する出力減少作用状態と第2後室26を第1前
室23及び大気から遮断する出力保持作用状態及び第2
後室26を第1前室23から遮断すると共に大気に連通
する出力増加作用状態に切り換える弁機構44が設置さ
れている。
【0051】この弁機構44は、入力部材28のプラン
ジャ35に一体的に配設されており且つ後方に向いてい
る大気弁座36と、パワーピストン22に一体に形成さ
れており且つ後方に向いている略環状の負圧弁座22a
と、大気弁座36に対向すると共に当接及び離脱可能な
略環状の大気シール部46aと負圧弁座22aに対向す
ると共に当接及び離脱可能な略環状の負圧シール部46
bとを一体的に備えたコントロールバルブ46とから構
成されている。
【0052】コントロールバルブ46は、大気シール部
46aと負圧シール部46bとを一体的に備える可動部
46cと、リテーナー39によりパワーピストン22に
気密的に固定される固定部46dと、可動部46cと固
定部46dとを連結する伸縮部46eと、可動部46c
を前方へ付勢するバルブスプリング46fとを主たる構
成部材としている。
【0053】弁機構44において、大気シール部46a
と大気弁座36とは大気弁V1を形成しており、負圧シ
ール部46bと負圧弁座22aとは負圧弁V2を形成し
ている。
【0054】パワーピストン22には、弁機構44の負
圧弁V2と第1前室23とを連絡するバキューム通路2
2bと、弁機構44の大気弁V1と第2後室26とを連
絡するエア通路22cとが形成されている。パワーピス
トン22内でコントロールバルブ46の固定部46dの
内周側空間部は、パワーピストン22の後部開口を介し
て大気に連通されている。
【0055】図3に示す初期状態においては、プランジ
ャ35の内周部と第1入力部30の外周部との間の空間
部と、コントロールバルブ46の固定部46dの内周側
空間部とは、シール部材37により気密的に遮断されて
おり、ひいては、コントロールバルブ46の固定部46
dの内周側空間部と第2後室26とも気密的に遮断され
ている。
【0056】弁機構44においては、大気弁V1の大気
弁座36が大気シール部46aに当接することによって
第2後室26が大気から遮断され、大気弁座36が大気
シール部46aから離間することによって第2後室26
が大気と連通され、負圧弁V2の負圧弁座22aが負圧
シール部46bに当接することによって第1前室23と
第2後室26との連通が遮断され、負圧弁座22aが負
圧シール部46bから離間することによって第1前室2
3と第2後室26とが連通される。
【0057】入力ロッド27に係止されたリテーナ27
aとリテーナ39との間に設置されたスプリング54
は、入力ロッド27ひいては入力部材28を後方へ付勢
し、ブレーキペダル29が踏まれていない場合、即ち、
図2に示す初期状態においては、大気弁座36を大気シ
ール部46aに当接させ且つ負圧シール部46bを負圧
弁座22aから離間させた状態に保持する。
【0058】パワーピストン22の前方部分の内部で且
つ入力部材28の前方部の外周にはアクチュエータ45
が設置されている。このアクチュエータ45は、ソレノ
イドコイル48と、磁性体よりなるヨーク51と、磁性
体よりなる固定コア49と、磁性体よりなる可動コア3
4とによって構成されている。
【0059】固定コア49の段付穴の小径部に配設され
たガイド部材50は、第1入力部材30の前方部301
を前後方向に摺動可能に支持している。
【0060】ソレノイドコイル48は可動コア34の外
周部に配設されており、ソレノイドコイル48、ヨーク
51、及び固定コア49はパワーピストン22に固定さ
れている。ソレノイドコイル48はリード線45aによ
りハウジング14の外部の電子制御装置62と電気的に
接続されている。
【0061】ソレノイドコイル48が通電されない場合
(アクチュエータ45の非作動時)、可動コア34の前
端面と固定コア49との間には所定量のクリアランスが
存在している。ソレノイドコイル48が通電された場合
(アクチュエータ45の作動時)、固定コア49と可動
コア34との間に電磁吸引力が発生し、この電磁吸引力
により可動コア34が前方へ移動される。
【0062】固定コア49の前端面に形成された段付穴
の大径部内にはゴムよりなる円盤状のリアクションディ
スク52が設置され、このリアクションディスク52の
前側にはハウジング14のフロントシェル11の中心部
を気密的に且つ摺動可能に貫通している出力ロッド53
の後端部が凹部内を摺動可能に設置されている。
【0063】リアクションディスク52は、周知のよう
に、パワーピストン22の前進力及び入力部材28の前
進力を出力ロッド53に伝達すると共に出力ロッド53
からの出力に対応した大きさの反力を入力部材28に後
退させるように付与するものである。
【0064】図3に示す初期状態において、リアクショ
ンディスク52の後面と入力部材28の前端面、即ち、
第1入力部材30の前端面との間には、所定量のクリア
ランスが存在している。
【0065】第1前室23の中心部には、パワーピスト
ン22とこれに結合された両可動壁17、20をハウジ
ング14に対して後退させるためのリターンスプリング
63が設置されている。
【0066】出力ロッド53はマスタシリンダ54のピ
ストン(図示省略)と作用的に連結されている。マスタ
シリンダ54はリザーバタンク55を備えており、マス
タシリンダ54には液圧管路を介してABS(アンチロ
ックブレーキシステム)、TRC(トラクションコント
ロール)及び制動操舵制御のアクチュエータ部56が接
続されている。アクチュエータ部56には液圧管路を介
して各車輪FR、FL、RR、RLに配設されたホイー
ルシリンダ57、58、59、60が夫々接続されてい
る。
【0067】ブレーキペダル29には、ブレーキペダル
29の踏み込み操作に伴う踏み込み速度を検出するペダ
ル速度センサ61が配設されている。ペダル速度センサ
61及びアクチュエータ部56は、電子制御装置62に
それぞれ電気的に接続されている。
【0068】図4は本実施の形態の負圧式倍力装置10
のソレノイドコイル48に流れる電流iと調節部材33
の前後方向長さの変形量との特性線図である。図4に示
すように、ソレノイドコイル48に電流i1が通電され
ると、アクチュエータ45により調節部材33は距離A
分弾性変形され、ソレノイドコイル48へ電流i2が通
電されると、アクチュエータ45により調節部材33は
距離B(>A)分弾性変形される。
【0069】次に作動を説明する。図1〜図3に示す状
態は、ブレーキペダル29が踏まれておらず且つアクチ
ュエータ45が作動されていない初期状態であり、弁機
構44が第2後室26を第1前室23に連通すると共に
大気から遮断する出力減少作用状態を採っている。即ち
大気弁座36が大気シール部46aに当接し且つ負圧弁
座22aが負圧シール部46bから離間した状態とな
り、第1後室24と第2後室26の圧力は第1前室23
の圧力と同じ圧力に低下している。
【0070】従って、両可動壁17、20とパワーピス
トン22には前進力が作用せず、パワーピストン22と
これに結合された両可動壁17、20は、リタンスプリ
ング63によってハウジング14に対する後退限位置に
保持される。
【0071】図5は縦軸は出力を表し、横軸は入力を表
した本実施の形態の負圧式倍力装置10の特性線図であ
る。図1〜図5に示すように、通常ブレーキ作用のため
に運転者がブレーキペダル29を入力Fi3で踏み込む
と入力ロッド27がパワーピストン22に対して前進さ
れる。
【0072】入力ロッド27の前進により入力部材28
の第2入力部31が入力ロッド27と一体的に前進さ
れ、第2入力部31の前進により第1入力部30の軸方
向孔30aの開口周縁部が第2入力部31の凸部31a
の周縁部に押圧されることから、第2入力部31の前進
に伴って第1入力部30の後方部分302もまた第2入
力部31及び入力ロッド27と一体的に前進される。
【0073】更に、入力ロッド27の前進に伴う入力部
材28の第1入力部30の後方部分302の前進によ
り、第1入力部30の前方部分301の軸方向孔301
aの底面部と後方部分302の前端部とが当接している
ことから、後方部分302の前進に伴って前方部分30
1もまた第2入力部31、後方部分302及び入力ロッ
ド27と一体的に前進される。
【0074】又、第1入力部30の後方部分302のフ
ランジ部302aがスプリング43を介して可動コア3
4の内向フランジ部34aに係合していることから、可
動コア34及び可動コア34に係合しているプランジャ
35は第1入力部30と第2入力部31との前進に伴っ
てパワーピストン22に対して第1入力部30と第2入
力部31と一体的に前進されることになる。
【0075】即ち、第1入力部30、第2入力部31、
可動コア34、及びプランジャ35が図3の初期係合状
態を維持した状態で一体的に前進されることになる。換
言すれば、入力部材28が前進されることになる。
【0076】入力部材28の移動に伴ってコントロール
バルブ46の可動部46cがバルブスプリング46fに
より前方に付勢されて入力部材28と一体的に前進さ
れ、コントロールバルブ46の負圧シール部46bがパ
ワーピストン22の負圧弁座22aに当接して負圧弁V
2が閉弁される。
【0077】負圧弁V2の閉弁により、バキューム通路
22bとエア通路22cとの連通が遮断され、第2後室
26が第1前室23から遮断される。つまり、弁機構4
4が出力減少作用状態から出力保持作用状態に切り換わ
る。
【0078】弁機構44が出力保持作用状態を採る状態
から入力ロッド27及び入力部材28が更に前進される
と、入力部材28の大気弁座36がコントロールバルブ
46の大気シール部46aから離間されて大気弁V1が
開弁される。
【0079】大気弁V1の開弁により、エア通路22c
が、大気弁座36と大気シール部36aとの間のクリア
ランスを介して大気と連通されることにより、第2後室
26が大気と連通されて弁機構44が出力増加作用状態
に切り換わる。
【0080】弁機構44が出力増加作用状態に切り換わ
ることにより、大気が第2後室26に流入し、更に第2
後室26から第1後室24に流入して両後室24、26
の圧力が上がり、第1可動壁17には第1前室23と第
1後室24との差圧により前進力が発生し、第2可動壁
20には第2前室25と第2後室26との差圧により前
進力が発生して、パワーピストン22には第1前室23
と第2後室26との間の差圧により前進力が発生する。
【0081】これらの前進力がパワーピストン22から
アクチュエータ45の固定コア49及びリアクションデ
ィスク52を介して出力ロッド53に伝達され、両可動
壁17、20、パワーピストン22及び出力ロッド53
がハウジング14に対し一体的に前進を開始し、マスタ
シリンダ54の作動が開始される。
【0082】その際、パワーピストン22は入力部材2
8に対しても前進し、コントロールバルブ46の大気シ
ール部46aが大気弁座36に接近する。また、リアク
ションディスク52と入力部材28とのクリアランスを
埋めるべく、リアクションディスク52がパワーピスト
ン22と出力ロッド53とによって圧縮変形されて後方
に、即ち、固定コア49の段付穴の小径部、即ち、ガイ
ド部材50の中心穴内に張出すことになる。
【0083】リアクションディスク52が後方に張出す
ことによりリアクションディスク52と入力部材28の
前端部、即ち、前方部分301の前端面とが当接し、リ
アクションディスク52は出力ロッド53からの出力に
対応した反力を入力部材28に付与すると共に入力部材
28をパワーピストン22に対して後退させる。
【0084】パワーピストン22が入力部材28に対し
て前進すること、及び入力部材28がリアクションディ
スク52により後退されることにより、やがて、コント
ロールバルブ46の大気シール部46aが再び大気弁座
36に当接してエア通路22cと大気との連通が遮断さ
れ、両後室24、26への大気の流入が停止される(弁
機構44が出力保持作用状態に切り換わる)。
【0085】このときにおいて、運転者によりブレーキ
ペダル29から入力部材28に加えられている入力は図
5中に示した値Fi3であり、出力ロッド53からマス
タシリンダ54に付与される出力は図5に示した値Fo
3である。即ち、操作部材であるブレーキペダル29の
操作に伴う入力部材28の移動或いは入力により弁機構
44が作動されてパワーピストン22に前進力が発生
し、このパワーピストン22の前進によって出力部材で
ある出力ロッド53が前進されることにより、出力ロッ
ド10は装置10外に出力を付与することになる。
【0086】入力Fi3でこの弁機構44が出力保持作
用状態を採り、倍力装置10が出力Fo3を発生する状
態において、ブレーキペダル29から入力部材28に加
えられる入力が減少されると、入力部材28がパワーピ
ストン22に対して後退され、入力部材28の後退に伴
ってコントロールバルブ46の可動部46cがパワーピ
ストン22に対して後退されて負圧シール部46bが負
圧弁座22aから離間し、負圧弁座V2が開弁される
(弁機構44が出力減少作用状態に切り換わる)。
【0087】負圧弁座22aが負圧シール部46bから
離間することによってバキューム通路22bが負圧弁座
22aと負圧シール部46bとの間のクリアランスを介
してエア通路22cに連通され、両後室24、26が第
1前室23に連通されて両後室24、26内の大気が負
圧源により第1前室23を介して排出され、両後室2
4、26の圧力が低下する。
【0088】従って、両可動壁17、20とパワーピス
トン22との前進力が減少し、可動壁17、20、パワ
ーピストン22及び出力ロッド53がハウジング14に
対して後退し、やがて初期位置に復帰する。入力部材2
8、入力ロッド27、ブレーキペダル29、及び弁機構
44も初期状態に復帰する。
【0089】通常作動において、入力がFi1〜Fi2
の範囲では、負圧式倍力装置10の入出力特性は作動線
aに従うことになる。
【0090】図5に示した入力の値Fi2は、通常作動
において両後室24、26の圧力が大気圧になる入力値
を示す。入力が値Fi1から値Fi2の範囲において
は、出力ロッド53からマスタシリンダ54に加えられ
る出力の変化量は入力部材28に加えられる入力の変化
量より大きい。入力に対する出力の比率、即ち、作動線
aの傾きは、リアクションディスク52の後面と入力部
材28の前端面との当接面積に対するリアクションディ
スク52の後面の面積の比率に一致する。
【0091】図5において、入力が値Fi2のときの出
力は値Fo2である。入力が値Fi2から更に増加され
た場合、出力が入力の増加分だけ増加する。尚、図5に
おいて、縦軸の単位長さあたりの力の変化量は横軸の単
位長さあたりの力の変化量より大きいものである。縦軸
の単位長さあたりの力の変化量と横軸の単位長さあたり
の力の変化量を一致させて描いたならば、入力が値Fi
2より大きい場合の入力−出力の相関を示す線が45度
の勾配となる。
【0092】例えば、緊急ブレーキ作用のために運転者
がブレーキペダル29を入力Fi3で急速に踏み込む
と、入力ロッド27及び入力部材28がパワーピストン
22に対して前進され、上述したように出力Fo3を出
力し、弁機構44は出力保持作用状態を採る。
【0093】一方で、この入力Fi3によるブレーキペ
ダル29の踏み込み速度が踏み込み速度センサ61によ
って検出されて、電子制御装置62によってこのブレー
キペダル29の踏み込み操作が急ブレーキ操作であると
判断されると、急ブレーキ作動として電子制御装置62
によりソレノイドコイル48に例えば、電流i1が通電
される。即ち、負圧式倍力装置10の自動作動が開始さ
れることになる。ここでは、便宜的に出力Fo3を発生
して弁機構44が出力保持作用状態を採る際にソレノイ
ドコイル48に電流i1が通電されることとして説明す
る。
【0094】これにより、可動コア34と固定コア49
との間に電磁吸引力が発生し、可動コア34がプランジ
ャ35を介したスプリング41の付勢力に抗してパワー
ピストン22に対して前進される。この可動コア34の
前進に際して、第1入力部30の前方部分301の前端
部がリアクションディスク53の張り出した部分に当接
していることから、前方部分301のパワーピストン2
2に対する前進は規制されている。従って、可動コア3
4の前進に伴って可動コア34に係合している前方部分
301が前進することはない。
【0095】即ち、可動コア34は、リアクションディ
スク52とで前方部分301の調節部材33を前後方向
に弾性変形させながら、前方部分301と、後方部分3
02と、第2入力部31とに対して前進され、可動コア
34の前進に伴って可動コア34に係合しているプラン
ジャ35もパワーピストン22及び第1入力部30及び
第2入力部31に対して前方へと移動される。
【0096】このときの可動コア34とプランジャ35
との前進量は、ソレノイドコイル48に通電された電流
i1により生じるアクチュエータ45の駆動力に応じた
調節部材33の弾性変形量Aに略等しいものである。
【0097】可動コア34及びプランジャ35が前進さ
れることにより、大気弁座36がコントロールバルブ4
6の大気シール部46aから離間し、弁機構44が出力
保持作用状態から出力増加作用状態へと移行される。従
って、両後室24、26に大気が更に流入することによ
って両可動壁17、20、パワーピストン22、入力部
材28、アクチュエータ45、入力ロッド27及び出力
ロッド53がハウジング14に対して前進を開始し、マ
スタシリンダ54に出力する。
【0098】このときの大気弁座36と大気シール部4
6aとの離間量は、可動コア34とプランジャ35との
前進量、即ち、ソレノイドコイル48に通電された電流
i1により生じるアクチュエータ45の駆動力に応じた
調節部材33の弾性変形量Aに略等しいものである。
【0099】又、このときの、入力部材28のリアクシ
ョンディスク27との接触部分としての入力部材28の
前端部、即ち、前方部分301の前端面から大気弁座3
6にかけての前後方向長さは、初期状態に比して、調節
部材33の弾性変形量A分短縮されていることになる。
【0100】パワーピストン22のハウジング14に対
する更なる前進において、リアクションディスク52が
パワーピストン22と出力ロッド53とにより圧縮変形
されることにより更に後方に張出して固定コア49の段
付穴の小径部、即ち、ガイド部材50の中心穴内に進入
し、リアクションディスク52がパワーピストン22の
前進力及び入力部材28の前進力を出力ロッド53に伝
達すると共に出力ロッド53からの出力に対応した反力
を、前方部分301と、前方部分301に係合している
可動コア34及びプランジャ35と、後方部分302
と、第2入力部31とに、前方部分301と、可動コア
34及びプランジャ35と、後方部分302と、第2入
力部31を、即ち、入力部材28をパワーピストン22
に対して後退させるよう付与するようになる。
【0101】換言すれば、リアクションディスク52
は、出力ロッド53からの出力に対応した反力の少なく
とも一部を大気弁座36に印加しているものである。
【0102】入力部材28がリアクションディスク52
から反力を受けることによって、ソレノイドコイル48
への通電により発生されている固定コア49と可動コア
34との間の吸引力、即ち、アクチュエータ45の駆動
力に抗して後退されると、やがて、コントロールバルブ
46の大気シール部46aが再び大気弁座36に当接し
てエア通路22cと大気との連通が遮断され、両後室2
4、26への大気の流入が停止される(弁機構44が出
力保持作用状態に切り換わる)。
【0103】即ち、図4に示すように、出力Fo4をマ
スタシリンダ54に出力することになる。換言すれば、
運転者からの入力がFo3の時に通常ブレーキ作動時に
おける出力Fo3よりも大きな出力Fo4を出力するこ
とになる。
【0104】負圧式倍力装置10の出力Fo4を受けて
マスタシリンダのピストンが押圧され、負圧式倍力装置
10によってブレーキ液がアクチュエータ部を介して各
車輪のホイールシリンダに向けてブレーキ液を吐出す
る。従って、各車輪に負圧式倍力装置10の出力Fo4
に基づいた制動力が付与されることになる。
【0105】例えば、緊急ブレーキ作用のために運転者
がブレーキペダル29を入力Fi3で急速に踏み込む
と、入力ロッド27及び入力部材28がパワーピストン
22に対して前進され、上述したように出力Fo3を出
力し、弁機構44は出力保持作用状態を採る。
【0106】一方で、この入力Fi3によるブレーキペ
ダル29の踏み込み速度がペダル速度センサ61によっ
て検出されて、電子制御装置62によってこのブレーキ
操作が急ブレーキ操作であること判断されると、急ブレ
ーキ作動として電子制御装置62によりソレノイドコイ
ル48に例えば、電流i2が通電される。ここでは、便
宜的に、出力Fo3を発生して弁機構44が出力保持作
用状態を採る際にソレノイドコイル48に電流i2が通
電されることとする。
【0107】これにより、可動コア34と固定コア49
との間に電磁吸引力が発生し、可動コア34がプランジ
ャ35を介したスプリング41の付勢力に抗してパワー
ピストン22に対して前進される。この可動コア34の
前進に際して、第1入力部30の前方部分301の前端
部がリアクションディスク53の張り出した部分に当接
していることから、前方部分301のパワーピストン2
2に対する前進は規制されている。従って、可動コア3
4の前進に伴って可動コア34に係合している前方部分
301が前進することはない。
【0108】即ち、可動コア34は、前方部分301と
で調節部材33を前後方向に弾性変形させながら、前方
部分301と、後方部分302と、第2入力部31とに
対して前進され、可動コア34の前進に伴って可動コア
34に係合しているプランジャ35もパワーピストン2
2及び第1入力部30及び第2入力部31に対して前方
へと移動される。
【0109】このときの可動コア34とプランジャ35
との前進量は、ソレノイドコイル48に通電された電流
i2により生じるアクチュエータ45の駆動力に応じた
調節部材33の弾性変形量B(>A)に略等しいもので
ある。
【0110】可動コア34及びプランジャ35が前進さ
れることにより、大気弁座36がコントロールバルブ4
6の大気シール部46aから離間し、弁機構44が出力
保持作用状態から出力増加作用状態へと移行される。従
って、両後室24、26に大気が更に流入することによ
って両可動壁17、20、パワーピストン22、入力部
材28、アクチュエータ45、入力ロッド27及び出力
ロッド53がハウジング14に対して前進を開始し、マ
スタシリンダ54に出力する。
【0111】このときの大気弁座36と大気シール部4
6aとの離間量は、可動コア34とプランジャ35との
前進量、即ち、ソレノイドコイル48に通電された電流
i2により生じるアクチュエータ45の駆動力に応じた
調節部材33の弾性変形量Bに略等しいものである。
【0112】又、このときの、入力部材28の前端部、
即ち、前方部分301の前端面から大気弁座36にかけ
ての前後方向長さは、初期状態に比して、調節部材33
の弾性変形量B分短縮されていることになる。
【0113】パワーピストン22のハウジング14に対
する更なる前進において、リアクションディスク52が
パワーピストン22と出力ロッド53とにより圧縮変形
されることにより更に後方に張出して固定コア49の段
付穴の小径部、即ち、ガイド部材50の中心穴内に進入
し、リアクションディスク52がパワーピストン22の
前進力及び入力部材28の前進力を出力ロッド53に伝
達すると共に出力ロッド53からの出力に対応した反力
を、前方部分301と、前方部分301に係合している
可動コア34及びプランジャ35と、後方部分302
と、第2入力部31とに、前方部分301と、可動コア
34及びプランジャ35と、後方部分302と、第2入
力部31を、即ち、入力部材28をパワーピストン22
に対して後退させるよう付与するようになる。
【0114】入力部材28がリアクションディスク52
から反力を受けることによって、ソレノイドコイル48
への通電により発生されている固定コア49と可動コア
34との間の吸引力、即ち、アクチュエータ45の駆動
力に抗して後退されると、やがて、コントロールバルブ
46の大気シール部46aが再び大気弁座36に当接し
てエア通路22cと大気との連通が遮断され、両後室2
4、26への大気の流入が停止される(弁機構44が出
力保持作用状態に切り換わる)。
【0115】即ち、図4に示すように、出力Fo5をマ
スタシリンダ54に出力することになる。換言すれば、
運転者からの入力がFo3の時に通常ブレーキ作動時に
おける出力Fo3よりも大きな出力Fo5を出力するこ
とになる。
【0116】負圧式倍力装置10の出力Fo5を受けて
マスタシリンダのピストンが押圧され、負圧式倍力装置
10によってブレーキ液がアクチュエータ部を介して各
車輪のホイールシリンダに向けてブレーキ液を吐出す
る。従って、各車輪に負圧式倍力装置10の出力Fo5
に基づいた制動力が付与されることになる。
【0117】ここにおいて、電流i1の通電時に比して
電流i2の通電時の方が、大気弁座36と大気シール部
46aとの離間量が大きくされることから、電流i1通
電時の出力Fo4に比して電流i2通電時の出力Fo5
の方が増大されるものである。即ち、ソレノイドコイル
48への通電量の増減、換言すれば、アクチュエータ4
5の駆動力としての固定コア49と可動コア34との電
磁吸引力の増減に伴い、調節部材33の弾性変形量が増
減され、ひいては、入力部材28の前端部から大気弁座
36にかけての前後方向長さが増減され、大気弁座36
と大気シール部46aとの離間量が増減されることによ
り、負圧式倍力装置10の出力が増減されることにな
る。
【0118】即ち、負圧式倍力装置10は、その自動作
動時において、ソレノイドコイル48への通電量を変化
させることによりその出力を可変とすること、換言すれ
ば、その入出力特性を作動線aと作動線bとの間で可変
とすることができる。例えば、図5に示す作動線cの様
な入出力特性を得ることができる。
【0119】例えば、入力Fi3において急ブレーキ操
作されて電流i2が通電され、負圧式倍力装置10が出
力Fo5を発生して弁機構44が出力保持作用状態を採
っている際に、ブレーキ作動の必要性がなくなり、運転
者がブレーキペダル29の踏み込みを解除すると、入力
ロッド27がスプリング54により後方に付勢されてパ
ワーピストン22に対して後退される。
【0120】入力ロッド27が後退されると、入力ロッ
ド27に連結されている入力部材28も後退されようと
する。しかしながら、このときにおいて、可動コア3
4、プランジャ35、第1入力部30の前方部分301
はアクチュエータ44により前方に付勢されており、プ
ランジャ35が前方に付勢されていることから、プラン
ジャ35に、リテーナ40、スプリング41、及び筒状
部37aを介して係合されている後方部分302も又前
方に付勢されているものである。即ち、第1入力部3
0、可動コア34、及びプランジャ35は、パワーピス
トン22と一体化されている状態と考えられるものであ
る。
【0121】ここにおいて、入力部材28の第2入力部
31はアクチュエータ44による前方への付勢力を受け
ていないことから、入力ロッド27の後退に際して、入
力部材28の第2入力部31だけが入力ロッド27と一
体的に後退可能となっている。従って、入力ロッド27
の後退に伴って、入力ロッド27に係合されている第2
入力部31は、シール部材37の筒状部37aの内周面
上をしOリング38を介して気密的に摺動し、第1入力
部30、プランジャ35、及びパワーピストン22に対
して後退されることになる。
【0122】このときの第2入力部31の後退におい
て、第2入力部31はアクチュエータ45により付勢さ
れていないことから、アクチュエータ45の駆動力、即
ち、固定コア49と可動コア34との電磁吸引力は、第
2入力部材31の後退の妨げとはならず、第2入力部材
31は円滑に摺動され得る。従って、入力ロッド27及
び第2入力部31を後方に付勢するスプリング54の付
勢力を低減することができ、ひいては、立ち上がり荷重
の低減も可能となる。
【0123】第2入力部31が後退されると、第2入力
部31の係合部31cが大気弁座36の環状部内周側前
面部に当接し、更なる第2入力部31の後退によりシー
ル部材42が弾性変形して前後方向に引き伸ばされて、
プランジャ35に対して大気弁座36が後退されること
になる(大気シール部46a側に移動されることにな
る)。即ち、入力ロッド27と、第2入力部31と、大
気弁座36とが一体的に後退されることになる。
【0124】第2入力部31の第1入力部30に対する
後退限位置は、スリット31bの前方閉塞端面がストッ
パ32に当接することにより規定される。
【0125】大気弁座36が後退されることにより、大
気弁座36と大気シール部46aとが当接していること
からコントロールバルブ46の可動部46cが後退され
て、負圧弁座22aから負圧シール部46bが離間され
る。従って、負圧弁座V2が開弁され、弁機構44が出
力保持作用状態から出力減少作用状態に切り換わる。
【0126】負圧弁座22aが負圧シール部46bから
離間することによってバキューム通路22bが負圧弁座
22aと負圧シール部46bとの間のクリアランスを介
してエア通路22cに連通され、両後室24、26が第
1前室23に連通されて両後室24、26内の大気が負
圧源により第1前室23を介して排出され、両後室2
4、26の圧力が低下する。
【0127】従って、両可動壁17、20とパワーピス
トン22との前進力が減少し、可動壁17、20、パワ
ーピストン22、及び出力ロッド53がハウジング14
に対して後退し、やがて初期位置に復帰する。
【0128】パワーピストン22の初期位置への後退に
伴って入力ロッド27もハウジング14に対して後退
し、入力ロッド27に配設されているストッパ27bが
ハウジング14の後方開口部に当接することにより初期
位置への復帰を完了する。又、入力ロッド27の初期位
置への復帰に伴い、ブレーキペダル29もまた初期位置
に復帰する。
【0129】即ち、アクチュエータ44の駆動時におい
ても、運転者によってブレーキペダル29ひいは入力ロ
ッド27及び入力部材28への入力が解除、即ち、減少
されると、出力ロッド53、パワーピストン22、入力
ロッド27、及びブレーキペダル29の初期位置への復
帰が可能となる。
【0130】ブレーキペダル29の初期位置への復帰に
際して、図示しないブレーキペダルスイッチがこのブレ
ーキペダル29の初期位置への復帰を検出すると、この
検出結果を電子制御装置62に送信し、この検出結果に
基づいて電子制御装置62はソレノイド48への通電を
終了する。即ち、アクチュエータ44の作動を終了す
る。
【0131】ソレノイドコイル48への通電が終了され
ると、可動コア34及びプランジャ35は、スプリング
41により後方に付勢される。又、可動コア34の後退
によりスプリング43を介して後方部分302が後方に
付勢され、やがて初期位置へと復帰することになる。即
ち、各構成部が初期位置に復帰することになる。
【0132】以上説明したように、本実施の形態の負圧
式倍力装置10によれば、自動作動可能な負圧式倍力装
置において、アクチュエータ45の作動時にブレーキペ
ダル29の踏み込み操作が解除されることにより、アク
チュエータ45の作動を停止する事無く、出力ロッド5
3を初期位置に確実に復帰させることができる。即ち、
負圧式倍力装置10の作動状態を解除し、負圧式倍力装
置10の出力をゼロとすることができる。
【0133】更に、アクチュエータ45の作動時におい
て、機械的に弁機構44を作動させることにより出力ロ
ッド53を初期位置に復帰可能としていることから、安
定したより確実な復帰作動を得ることを可能としてい
る。
【0134】更に、アクチュエータ45のソレノイドコ
イル48に通電する電流量を調節することにより、ソレ
ノイドコイル48により可動コア34と固定コア49と
において生じる吸引力、即ち、アクチュエータ45の駆
動力を調節可能としている。アクチュエータ45の駆動
力を調節可能とすることにより、アクチュエータ45の
作動に伴って出力ロッド53から発揮される出力を、即
ち、負圧式倍力装置10の入出力特性を調節可能とで
き、状況に応じたより相応しい出力を発揮可能とでき
る。
【0135】従って、自動作動可能な負圧式倍力装置1
0において、入出力特性が変更可能で且つ機械式解除作
動が可能な負圧式倍力装置10を提供することを可能と
している。
【0136】更に、負圧式倍力装置10の自動作動時に
おけるブレーキ解除操作において、大気弁座36と大気
シール部46とは常に気密係合される構成とされている
ことから、気密性における信頼性の向上を可能としてい
る。
【0137】更に、弁機構44は、大気弁座36と、大
気シール部46aと、負圧弁座22aと、負圧シール部
22bとから成り、自動作動時における解除作動は大気
弁座36を後方に付勢することにより行われることか
ら、従来のもののように第3弁座を有する事がないた
め、大気導入路として入力ロッド27径とコントロール
バルブ46内径との隙間を充分大きくとることができ、
応答性の向上を可能としている。
【0138】更に、図2に示す初期状態においては、負
圧弁座22aと負圧シール部46bとが所定量離間され
ており、大気弁座36と大気シール部46aとが当接さ
れるように、入力ロッド27及び入力部材28のパワー
ピストン22に対する位置が調節されているが、初期状
態において、変圧室24、26にバキュームが導入され
ているが、大気弁座36と大気シール部46aとが当接
し、且つ、負圧弁座22aと負圧シール部46bとが当
接される状態とすることにより、入力ロッド27及び入
力部材28の位置調節を簡素化することができる。
【0139】本実施の形態においては、負圧式倍力装置
10はタンデム型の構成を採っているが、特にこの構成
に限定されるものではなく、例えば、シングル型の構成
をとる本発明の負圧式倍力装置においても同様の作用効
果が得られる。
【0140】又、本実施の形態においては、負圧式倍力
装置10の自動作動を急ブレーキ補助用のブレーキ作動
に適用したが、特にこの構成に限定されるものではな
く、自動作動を有する本発明の負圧式倍力装置に適用す
れば同様の作用効果が得られる。例えば、車両の走行中
に前方車両との車間距離が所定の距離よりも短くなる場
合に、アクチュエータ45を作動させることによって運
転者がブレーキ操作をすること無しに車両においてブレ
ーキ作動が行われ、前方車両との車間距離を所定の距離
に維持しようとする車間距離制御用自動ブレーキ装置が
挙げられる。
【0141】又、本実施の形態においては、便宜的に、
弁機構44が出力保持作用状態を採る際にソレノイドコ
イル48に通電されるものとして説明したが、特にこの
構成に限定されるものではなく、例えば、ブレーキペダ
ル29の急ブレーキ操作と同時にソレノイドコイル48
に通電して自動作動を開始する本発明の負圧式倍力装置
においても同様の作用が得られる。
【0142】以上、本発明を上記実施の形態に則して説
明したが、本発明は上記態様にのみ限定されるものでは
なく、本発明の原理に準ずる各種態様を含むものであ
る。
【0143】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、自動作動可能な負圧式倍力装置において、アク
チュエータの作動時に操作部材の操作が解除されること
により、アクチュエータの作動を停止する事無く、出力
部材を初期位置に確実に復帰させることができる。
【0144】更に、アクチュエータ45の駆動力を調節
可能とすることにより、アクチュエータの作動に伴って
出力部材から発揮される出力を、即ち、負圧式倍力装置
の入出力特性を調節可能とでき、状況に応じたより相応
しい出力を発揮可能とできる。
【0145】従って、自動作動可能な負圧式倍力装置に
おいて、入出力特性が変更可能で且つ機械式解除作動が
可能な負圧式倍力装置を提供することを可能としてい
る。
【0146】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
の効果に加えて、大気弁及びアクチュエータのより良い
構成を示している。
【0147】請求項3の発明によれば、請求項2の発明
の効果に加えて、負圧弁とアクチュエータとのより良い
形態を示している。
【0148】請求項4の発明によれば、請求項3の発明
の効果に加えて、入力部材の円滑な作動、ひいては、弁
機構の円滑な作動を可能としている。
【0149】請求項5の発明によれば、請求項2〜請求
項4の何れか一に記載の発明の効果に加えて、入力部材
のより良い形態を示している。
【0150】請求項6の発明によれば、請求項5の発明
の効果に加えて、弁機構を簡素な構成とでき、組付け作
業能率の向上とコストの低減とを可能とすると共に、作
動応答性の向上を可能としている。
【0151】請求項7の発明によれば、請求項6の発明
の効果に加えて、入力部材のより良い形態を示してい
る。
【0152】請求項8の発明によれば、請求項7の発明
の効果に加えて、第1入力部のより良い形態を示してい
る。
【0153】請求項9の発明によれば、請求項7又は請
求項8の作用に加えて、入力部材のパワーピストンに対
する位置調節を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態の負圧式倍力装置10の断面図。
【図2】図1の弁機構44部分の拡大図。
【図3】図2の入力部材28部分の拡大図。
【図4】実施の形態1のアクチュエータ45の電流と調
節部材33の変形量との特性線図。
【図5】実施の形態の負圧式倍力装置10の入出力特性
線図。
【符号の説明】
10 負圧式倍力装置 14 ハウジング 17 第1可動壁 20 第2可動壁 22 パワーピストン 22a 負圧弁座 23 第1前室 24 第1後室 25 第2前室 26 第2後室 27 入力ロッド 28 入力部材 29 ブレーキペダル 30 第1入力部 301 前方部分 302 後方部分 31 第2入力部 33 調節部材 35 プランジャ 36 大気弁座 44 弁機構 45 アクチュエータ 46 コントロールバルブ 46a 大気シール部 46b 負圧シー
ル部 52 リアクションディスク 53 出力ロッド V1 大気弁 V2 負圧弁

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つの圧力空間を内部に形成
    するハウジングと、 前記ハウジング内に前記ハウジングに対して前進及び後
    退できるように設置されていて前記圧力空間を負圧源に
    連通される前室と前記前室および大気に選択的に連通さ
    れる後室とに分割する可動壁と、 前記可動壁に結合されるパワーピストンと、 前記パワーピストンの内部に前記パワーピストンに対し
    て前進及び後退可能に配設され、操作部材の操作により
    移動可能な入力部材と、 前記入力部材の移動に応じて前記後室を前記前室に連通
    する負圧弁及び前記入力部材の移動に応じて前記後室を
    大気に連通する大気弁を備えた弁機構と、 前記可動壁の移動に伴った前記パワーピストンの前進に
    より前進されて前記パワーピストンの前進力を装置外に
    出力する出力部材と、 を備えた負圧式倍力装置において、 前記操作部材の操作に伴う前記入力部材の入力によって
    前記弁機構が作動されることにより前記パワーピストン
    に生じる前進力とは独立的に前記出力部材に前進力を発
    生可能なアクチュエータを備え、前記アクチュエータの
    駆動力に応じて前記出力部材からの出力が調節可能で且
    つ前記アクチュエータの作動時において前記入力部材へ
    の入力の減少により前記出力部材が初期位置に復帰可能
    なことを特徴とする負圧式倍力装置。
  2. 【請求項2】 前記大気弁は、前記入力部材と一体的に
    前進及び後退可能な大気弁座と、前記大気弁座に当接及
    び離脱することにより前記後室と前記前室とを連通及び
    遮断する大気シール部とを有し、前記パワーピストンの
    前進力及び前記入力部材に加えられた入力を前記出力部
    材に伝達すると共に前記大気弁座を前記大気シール部に
    向けて移動可能な反力部材を備え、前記アクチュエータ
    はその駆動力に応じて前記入力部材の前記反力部材との
    接触部分と前記大気弁座との距離を調節することにより
    前記出力部材からの出力を調節可能とされることを特徴
    とする請求項1の負圧式倍力装置。
  3. 【請求項3】 前記負圧弁は、前記パワーピストンに配
    設される負圧弁座と、前記負圧弁座に当接及び離脱する
    ことにより前記後室と前記前室とを連通及び遮断する負
    圧シール部とを有し、前記弁機構は前記大気シール部と
    前記負圧シール部とを一体的に備えるコントロールバル
    ブを有し、前記操作部材への入力の減少に伴う前記入力
    部材の移動により、前記アクチュエータの作動時におい
    て前記入力部材は前記大気弁座を前記大気シール部に当
    接させると共に前記負圧弁座から前記負圧シール部を離
    間可能とすることを特徴とする請求項2の負圧式倍力装
    置。
  4. 【請求項4】 前記アクチュエータの作動時において、
    前記操作部材への入力の減少に伴う前記入力部材の移動
    により、前記入力部材は前記アクチュエータの駆動力に
    抗することなく前記大気弁座を前記大気シール部に当接
    させると共に前記負圧弁座から前記負圧シール部を離間
    可能とすることを特徴とする請求項3の負圧式倍力装
    置。
  5. 【請求項5】 前記入力部材は、前記入力部材に対して
    前後方向に移動可能で且つ前記入力部材と一体的に前進
    及び後退可能に配設されると共に前記アクチュエータの
    作動により移動されるプランジャ部材と、前記アクチュ
    エータの作動に伴う前記プランジャ部材の移動量を調節
    する調節部材とを備え、前記大気弁座は前記プランジャ
    部材に前記プランジャ部材と一体的に前進及び後退可能
    に配設されることを特徴とする請求項2〜請求項4の何
    れか一に記載の負圧式倍力装置。
  6. 【請求項6】 前記大気弁座は前記プランジャ部材に対
    して前後方向に移動可能に配設されると共に前記操作部
    材への入力の減少に伴う前記入力部材の移動により前記
    プランジャ部材から離間されて前記大気シール部側に移
    動可能とされることを特徴とする請求項5の負圧式倍力
    装置。
  7. 【請求項7】 前記入力部材は、前記プランジャ部材と
    係合する第1入力部と、前記第1入力部と前記第1入力
    部に対して前後方向に移動可能に係合すると共に前記操
    作部材への入力の減少に伴い前記第1入力部から離間す
    る方向に移動することにより前記大気弁座に係合可能と
    なる第2入力部とを有していることを特徴とする請求項
    6の負圧式倍力装置。
  8. 【請求項8】 前記第1入力部は、前記調節部材を備え
    ると共に前記反力部材と当接可能な前方部と、前記前方
    部に対して前後方向に移動可能に配設されると共に前記
    第2入力部と係合する後方部とを有していることを特徴
    とする請求項7の負圧式倍力装置。
  9. 【請求項9】 前記負圧式倍力装置の初期状態におい
    て、前記後室には負圧が導入されており、前記弁機構は
    前記前室と前記後室との連通を遮断すると共に前記後室
    と大気との連通を遮断していることを特徴とする請求項
    7又は請求項8の負圧式倍力装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008162462A (ja) * 2006-12-28 2008-07-17 Hitachi Ltd 電動倍力装置

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