JPH11334573A - 圧力発生装置 - Google Patents

圧力発生装置

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Publication number
JPH11334573A
JPH11334573A JP10149256A JP14925698A JPH11334573A JP H11334573 A JPH11334573 A JP H11334573A JP 10149256 A JP10149256 A JP 10149256A JP 14925698 A JP14925698 A JP 14925698A JP H11334573 A JPH11334573 A JP H11334573A
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JP
Japan
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pressure
chamber
power piston
piston
atmosphere
Prior art date
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Application number
JP10149256A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomoo Ogura
智男 小倉
Kazuhiko Suzuki
和彦 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡素な構成からなる圧力発生装置を提供する
こと。 【解決手段】 ハウジング14と、可動壁17、20
と、パワーピストン22と、入力部材28と、弁機構3
1と、シリンダボデー3aと、第1ピストン43とを備
えた液圧発生装置1において、弁機構31が圧力室43
内において生じる圧力を受けることにより大気弁V1の
開弁度が増大される構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は圧力発生装置に関
し、特に、自動車に適用される圧力発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の圧力発生装置は、特開平9−22
46号公報に開示されるように、少なくとも1つの圧力
空間を内部に形成するハウジングと、前記ハウジング内
に前記ハウジングに対して前進及び後退できるように設
置されていて前記圧力空間を負圧源に連通される前室と
前記前室および大気に選択的に連通される後室とに分割
する可動壁と、前記可動壁に結合されているパワーピス
トンと、前記パワーピストンの内部に前記パワーピスト
ンに対して前進及び後退可能に配設される入力部材と、
前記パワーピストン内に配設され、前記入力部材の移動
に応じて前記後室を前記前室或いは大気に連通する弁機
構と、前記可動壁の移動に伴った前記パワーピストンの
前進力を装置外に出力する出力部材と、電力源に接続さ
れ、電力の供給を受けることにより前記入力部材の移動
とは独立的に前記弁機構を作動させることによって前記
後室と大気とを連通させるアクチュエータと、を備える
ものである。
【0003】この従来の圧力発生装置は、アクチュエー
タが作動されることにより圧力発生装置における出力の
増大を可能としている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の圧力発生装置は、電気駆動式のアクチュエータ
を有すること及びアクチュエータの駆動制御が必要なこ
とから複雑な構成と成らざるを得ず、従って、組付け作
業能率向上の妨げとコストの増大を招く虞のあるもので
あった。
【0005】本発明は、簡素な構成からなる圧力発生装
置を提供することを、その技術的課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記技術的課題を解決す
るために、少なくとも1つの圧力空間を内部に形成する
ハウジングと、前記ハウジング内に前記ハウジングに対
して前進及び後退できるように設置されていて前記圧力
空間を負圧源に連通される前室と前記前室或いは大気に
連通される後室とに分割する可動壁と、前記可動壁に結
合されているパワーピストンと、前記パワーピストンの
内部に前記パワーピストンに対して前進及び後退可能に
配設される入力部材と、前記パワーピストン内に配設さ
れ、前記入力部材の移動に応じて前記後室を前記前室に
連通する負圧弁及び前記入力部材の移動に応じて前記後
室を大気に連通する大気弁を備えた弁機構と、シリンダ
孔を有するとともに前記ハウジングの前方部に配設され
るシリンダ本体部と、前記シリンダ孔に前進及び後退可
能に挿入され、その前方に圧力室を形成すると共に前記
可動壁の移動に伴った前記パワーピストンの前進により
前記シリンダ孔内を前方に移動されるピストンとを備
え、前記弁機構が前記圧力室内において生じる圧力を受
けることにより前記大気弁の開弁度が増大される圧力発
生装置を構成した。
【0007】好ましくは、前記弁機構は、前記入力部材
と一体的に前進及び後退可能な大気弁座と、前記パワー
ピストン内に配設される負圧弁座と、前記大気弁座に当
接及び離脱可能で前記大気弁座に当接することによって
前記後室と大気との連通を遮断するとともに前記大気弁
座から離間することによって前記後室を大気に連通する
大気シール部と前記負圧弁座に当接及び離脱可能で前記
負圧弁座に当接することによって前記前室と前記後室と
の連通を遮断すると共に前記負圧弁座から離間すること
によって前記後室を前記前室に連通する負圧シール部と
を備えたコントロールバルブとを有し、前記パワーピス
トンの前進力及び前記入力部材に加えられた入力を前記
ピストンに伝達すると共に前記ピストンからの前進力に
対応した大きさの反力を前記入力部材に後退させるよう
に付与する反力部材と、前記パワーピストンに対して前
進及び後退可能に配設され、前記圧力室内において生じ
る圧力を受けることにより後方へ移動されて前記負圧シ
ール部に当接することにより前記前室と前記後室との連
通を遮断し且つ前記負圧シール部を後方に移動させて前
記大気シール部を前記大気弁座から離間させて前記後室
と大気とを連通可能とする弁座部材とを備えた圧力発生
装置が望ましい。
【0008】好ましくは、前記弁座部材を前方に付勢す
る付勢部材を有する圧力発生装置が望ましい。
【0009】好ましくは、前記ピストンは前記ハウジン
グ内に延在されて前記パワーピストンに前後方向に移動
可能に係合され、前記パワーピストンは前記圧力室から
の作動流体が流入される補助圧力室を有し、少なくとも
前記ピストンは前記圧力室と補助圧力室とを連通する連
通路を備え、前記弁座部材は前記補助圧力室内の圧力を
受けて移動される圧力発生装置が望ましい。
【0010】又、少なくとも1つの圧力空間を内部に形
成するハウジングと、前記ハウジング内に前記ハウジン
グに対して前進及び後退できるように設置されていて前
記圧力空間を負圧源に連通される前室と前記前室或いは
大気に連通される後室とに分割する可動壁と、前記可動
壁に結合されているパワーピストンと、前記パワーピス
トンの内部に前記パワーピストンに対して前進及び後退
可能に配設される入力部材と、前記パワーピストン内に
配設され、前記入力部材の移動に応じて前記後室を前記
前室或いは大気に連通する弁機構と、シリンダ孔を有す
るとともに前記ハウジングの前方部に配設されるシリン
ダ本体部と、前記シリンダ孔に前進及び後退可能に挿入
され、その前方に圧力室を形成すると共に前記可動壁の
移動に伴った前記パワーピストンの前進により前記シリ
ンダ孔内を前方に移動されるピストンと、前記パワーピ
ストンの前進力及び前記入力部材に加えられた入力を前
記ピストンに伝達すると共に前記ピストンからの前進力
に対応した大きさの反力を前記入力部材に後退させるよ
うに付与する反力部材と、前記圧力室内において生じる
圧力を受けることにより前記反力部材を前記パワーピス
トンに対して前方に付勢する付勢手段とを備えた圧力発
生装置を構成した。
【0011】好ましくは、前記ピストンは前記ハウジン
グ内に延在されて前記パワーピストンに前後方向に移動
可能に係合され、前記パワーピストンは前記圧力室から
の作動流体が流入される補助圧力室を有し、少なくとも
前記ピストンは前記圧力室と補助圧力室とを連通する連
通路を備え、前記付勢手段は前記補助圧力室内の圧力を
受けて前記反力部材を前方に付勢する圧力発生装置が望
ましい。
【0012】好ましくは、前記付勢手段を後方に付勢す
る付勢部材を備えた圧力発生装置が望ましい好ましく
は、前記圧力室と前記補助圧力室との連通を抑制する抑
制部を備えた圧力発生装置が望ましい。
【0013】請求項1の圧力発生装置は、弁機構が圧力
室内において生じる圧力を受けることにより大気弁の開
弁度が増大される。
【0014】請求項2の圧力発生装置は、請求項1の作
用に加えて、弁機構においては、大気弁座と大気シール
部とが当接及び離間することにより後室と大気との連通
及び遮断が行われ、負圧弁座と負圧シール部とが当接及
び離間することにより前室と後室との連通及び遮断が行
われる。又、圧力室内において生じる圧力を受けること
に伴う弁座部材の作動により弁機構の大気弁の開弁度が
増大される。
【0015】請求項3の圧力発生装置は、請求項2の作
用に加えて、弁座部材が付勢手段により前方に付勢され
る。
【0016】請求項4の圧力発生装置は、請求項2又は
請求項3の作用に加えて、圧力室と補助圧力室とは少な
くともピストンに形成された連通路を介して連通され、
弁座部材は補助圧力室内の圧力を受けて移動される。
【0017】請求項5の圧力発生装置は、付勢手段によ
り、圧力室内において生じる圧力を受けることにより反
力部材が前方に付勢される。
【0018】請求項6の圧力発生装置は、請求項5の作
用に加えて、圧力室と補助圧力室とは少なくともピスト
ンに形成された連通路を介して連通され、付勢手段は補
助圧力室内の圧力を受けて反力部材を前方に付勢する。
【0019】請求項7の圧力発生装置は、請求項6の作
用に加えて、付勢部材により付勢手段が後方に付勢され
る。
【0020】請求項8の圧力発生装置は、請求項4又は
請求項6の作用に加えて、抑制部により圧力室と補助圧
力室との連通が抑制される。
【0021】
【実施の形態】以下、本発明を実施の形態により具体的
に説明する。
【0022】(実施の形態1)図1は、本発明の一実施
の形態である液圧発生装置1のの断面図であり、図2は
図1の弁機構31部分の拡大図である。図1、図2に示
すように、液圧発生装置1は、負圧式倍力装置2と、負
圧式倍力装置2の前方(図1中左方)にリザーバタンク
51を備えるマスタシリンダ3とを有している。
【0023】負式倍力装置10は、フロントシェル11
とリアシェル12及び両シェル間の隔壁部材13とから
構成されるとともにその内部に前側圧力室及び後側圧力
室を形成するハウジング14を備える。ハウジング14
内の前側圧力室には、金属製の前側プレート15とゴム
製の前側ダイアフラム16からなる前側可動壁17が前
進および後退可能に設置され、また後側圧力室には金属
製の後側プレート18とゴム製の後側ダイアフラム19
からなる後側可動壁20が前進および後退可能に設置さ
れている。
【0024】前側プレート15は、その中心部に、隔壁
部材13の中心部を気密的に且つ摺動可能に貫通されて
いる円筒部21を一体に有している。前側ダイアフラム
16の内周縁のビード部は前側プレート15の円筒部2
1の前端部の外周面に気密的に固定されており、前側ダ
イアフラム16の外周縁のビード部は隔壁部材13の外
周縁部と一緒にシェル11、12の外周部により気密的
に挟持されている。
【0025】後側ダイアフラム19の外周縁のビード部
は隔壁部材13の外周縁の内径側に設けられた折り返し
部とリアシェル12とにより気密的に挟持されている。
リアシェル12の中心部を気密的に且つ摺動可能に貫通
されているパワーピストン22の前方寄り部分の外周に
は、前側プレート15の円筒部21の後端と後側プレー
ト18の内周縁部が固定されると共に後側ダイアフラム
19の内周縁のビード部が気密的に固定されている。
【0026】これにより、ハウジング14内の前側圧力
室が第1前室23と第1後室24とに分割され、またハ
ウジング14内の後側圧力室が第2前室25と第2後室
26とに分割される。第1前室23はインレット14a
を介して負圧源であるエンジンのインテークマニホール
ド(図示省略)に連通され、常時、負圧に保たれる。
【0027】第2前室25は前側プレート15の円筒部
21に形成された孔21aとパワーピストン22の前端
部の外周に形成された溝221とによって第1前室23
に連通されており、従って第2前室25も、常時、負圧
に保たれる。
【0028】第1後室24は前側ダイヤフラム16の外
周縁のビード部の内周面に形成された溝16aと隔壁部
材13に形成された孔13a及び後側ダイアフラム19
の外周縁のビード部の外周面に形成された溝19aによ
って第2後室26に連通されている。
【0029】図1、図2に示されるように、パワーピス
トン22の内部には、入力ロッド27がパワーピストン
22に対して前進及び後退できるように設置されてい
る。この入力ロッド27はその前端のボール継手によ
り、パワーピストン22により前後方向(図2中左右方
向)に摺動自在に案内されている入力部材28に連結さ
れており、その後端でブレーキペダル80に連結されて
いる。
【0030】パワーピストン22には、パワーピストン
22に対する入力部材28の前進限位置及び後退限位置
を規定するためのキー部材29が設置されている。キー
部材29はパワーピストン22に形成された半径方向孔
30に挿通されており、パワーピストン22から脱落し
ないようにパワーピストン22に係止されている。
【0031】パワーピストン22の内部には、パワーピ
ストン22に対する入力部材28の前後方向位置に応じ
て、第2後室26を第1前室23に連通すると共に大気
から遮断する出力減少作用状態と第2後室26を第1前
室23及び大気から遮断する出力保持作用状態及び第2
後室26を第1前室23から遮断すると共に大気に連通
する出力増加作用状態に切り換える弁機構31が設置さ
れている。
【0032】この弁機構31は、入力部材28に一体的
に形成されており且つ後方(図2中右方)に向いている
略環状の大気弁座28aと、パワーピストン22に一体
に形成されており且つ後方に向いている略環状の負圧弁
座22aと、大気弁座28aに対向すると共に当接及び
離脱可能な略環状の大気シール部32aと負圧弁座22
aに対向すると共に当接及び離脱可能な略環状の負圧シ
ール部32bとを一体的に備えたコントロールバルブ3
2とから構成されている。
【0033】コントロールバルブ32は、大気シール部
32aと負圧シール部32bとを一体的に備える可動部
32cと、リテーナー33によりパワーピストン22に
気密的に固定される固定部32dと、可動部32cを前
方へ付勢するバルブスプリング32eとを主たる構成部
材としている。
【0034】パワーピストン22には、弁機構31と第
1前室23とを連絡するバキューム通路34と、弁機構
31と第2後室26とを連絡するエア通路35が形成さ
れている。パワーピストン22内でコントロールバルブ
32の固定部32dの内周側空間部は、パワーピストン
22の後部開口を介して大気に連通されている。
【0035】弁機構31においては、大気弁座28aが
大気シール部32aに当接することによって第2後室2
6が大気から遮断され、大気弁座28aが大気シール部
32aから離間することによって第2後室26が大気と
連通され、負圧弁座22aが負圧シール部32bに当接
することによって第1前室23と第2後室26との連通が
遮断され、負圧弁座22aが負圧シール部から離間する
ことによって第1前室23と第2後室26とが連通され
る。
【0036】即ち、大気弁座28aと大気シール部32
aとは大気弁V1を構成し、負圧弁座22aと負圧シー
ル部32bとは負圧弁V2を構成している。
【0037】入力ロッド27に係止されたリテーナ36
とリテーナ33との間に設置されたスプリング37は、
入力ロッド27ひいては入力部材28を後方へ付勢し、
ブレーキペダル31が踏まれていない場合、即ち、図2
に示す初期状態においては、大気弁座28aを大気シー
ル部32aに当接させ且つ負圧シール部32bを負圧弁
座22aから離間させた状態に保持する。
【0038】パワーピストン22の前方内には、段付筒
状のガイド部材39がパワーピストン22に同軸的且つ
気密的に配設されている。更にパワーピストン22に
は、リアクションディスク41を収容すると共に入力部
材28の前方部分を前後方向に移動可能にガイドするリ
アクションディスクリテーナ40が、パワーピストン2
2及びガイド部材39に同軸的に且つガイド部材39に
液密的に配設されている。
【0039】リアクションディスクリテーナ40はガイ
ド部材39内に挿入される段付筒状部40aを備えてお
り、この段付筒状部40aの小径部内に入力部材28の
前方部が摺動可能に挿入されており、大径部にリアクシ
ョンディスク41が配設されている。
【0040】パワーピストン22内で且つガイド部材3
9とリアクションディスクリテーナ40との間には、パ
ワーピストン22に対して前後方向に移動可能となるよ
うに弁座部材としてのスライダバルブ42が配設されて
いる。スライダバルブ42は略段付き筒状を呈してお
り、パワーピストン22、ガイド部材39、及びリアク
ションディスクリテーナ40に同軸的に配設されてい
る。
【0041】スライダバルブ42の前方部42aの外周
部はガイド部材39の前方部内周部分にシール部材を介
して液密的に且つ摺動可能に当接しており、スライダバ
ルブ42の前方部42aの内周部はリアクションディス
クリテーナ40の段付筒状部40aの大径部の外周部に
シール部材を介して液密的に且つ摺動可能に当接してい
る。
【0042】スライダバルブ42の後方部外周部は、パ
ワーピストン22の負圧弁座22aが配設されている筒
状部内周部にシール部材を介して気密的且つ摺動可能に
当接している。スライダバルブ42はその略環状の後端
部に形成された補助負圧弁座42bでコントロールバル
ブ32の負圧シール部32bに当接及び離脱可能とされ
ており、補助負圧弁座42bと負圧シール部32bとが
当接することによって第1前室23と第2後室26との
連通が遮断される。
【0043】リアクションディスクリテーナ40の段付
筒状部40aの大径部内でリアクションディスク41の
前方には、マスタシリンダ3の第1ピストン43がリア
クションディスクリテーナ40、ひいてはパワーピスト
ン22に対して前後方向に移動可能に係合されている。
【0044】ハウジング14の前面中央部に形成された
第1前室23に向けて突出する略筒状の膨出部14bに
はマスタシリンダ3のシリンダボデー3aの後端部が液
密的に嵌合されている。マスタシリンダ3のシリンダボ
デー3aは前後方向(図1中左右方向)に延在するシリ
ンダ孔3bを有し、シリンダ孔3bの開口部及び中央部
には第1ピストン43、第2ピストン(図示省略)がそ
れぞれ前後方向に往復摺動可能に挿入されている。
【0045】シリンダ孔3b内は、第1ピストン43及
び第2ピストンによって第1圧力室44が区画されると
ともに、第2ピストンとシリンダボデー3aの底面とに
よって第2圧力室(図示省略)が区画されている。
【0046】パワーピストン22内には、スライダバル
ブ42の前端部前面と、ガイド部材39の段付筒状部の
大径部内周部と、リアクションディスクリテーナ40の
段付筒状部40aの大径部外周部及び外向フランジ部4
0bの後面とにより補助圧力室45が液密的に区画され
ることにより形成されている。
【0047】第1ピストン43及びリアクションディス
クリテーナ40には、第1圧力室44と補助圧力室45
とを連通するための第1連通路43a、第2連通路40
cが形成されている。
【0048】スライダバルブ42の前端部の後面とガイ
ド部材39の段差部との間には、スプリング46が配設
されている。スプリング46はスライダバルブ42を前
方に付勢しており、図2に示す初期状態においてはスラ
イダバルブ42の補助負圧弁座42aを負圧弁座22a
よりも前方に位置させている。
【0049】第1前室23の中心部には、パワーピスト
ン22とこれに結合された両可動壁17、20をハウジ
ング14に対して後退させるためのリターンスプリング
38が設置されている。
【0050】マスタシリンダ3には液圧管路を介してA
BS(アンチロックブレーキシステム)、TRC(トラ
クションコントロール)及び制動操舵制御のアクチュエ
ータ部53が接続され、アクチュエータ部53には液圧
管路を介して各車輪FR、FL、RR、RLに配設され
たホイールシリンダ54、55、56、57が夫々接続
されている。負圧式倍力装置10、マスタシリンダ3、
アクチュエータ部53、及びホイールシリンダ54〜5
7は車両のブレーキ装置を構成している次に作動を説明
する。図1、図2に示す状態は、ブレーキペダル80が
踏まれていない状態であり、弁機構31が第2後室26
を第1前室23に連通すると共に大気から遮断する出力
減少作用状態を採っている。即ち大気弁座28aが大気
シール部32aに当接し且つ負圧弁座22a及びスライ
ダバルブ42の補助負圧弁座42aが負圧シール部32
bから離間した状態となり、第1後室24と第2後室2
6の圧力は第1前室23の圧力と同じ圧力に低下してい
る。
【0051】従って、両可動壁17、20とパワーピス
トン22には前進力が作用せず、パワーピストン22と
これに結合された両可動壁17、20は、リターンスプ
リング38によってハウジング14に対する後退限位置
保持されている。
【0052】図3は、縦軸は出力を表し、横軸は入力を
表した本実施の形態の液圧発生装置1の特性線図であ
る。図1〜図3に示すように、運転者がブレーキペダル
80を入力Fi1で踏み込むと、入力ロッド27がパワ
ーピストン22に対して前進される。
【0053】入力ロッド27の前進により入力部材28
が入力ロッド27と一体的に前進される。入力部材28
の移動に伴ってコントロールバルブ32の可動部32c
がバルブスプリング32eにより前方に付勢されて入力
部材28と一体的に前進され、コントロールバルブ32
の負圧シール部32bがパワーピストン22の負圧弁座
22aに当接してバキューム通路34とエア通路35と
の連通を遮断し、第2後室26を第1前室23から遮断
する。つまり、弁機構31が出力減少作用状態から出力
保持作用状態に切り換わる。
【0054】入力ロッド27及び入力部材28が出力保
持作用状態から更に前進されると、入力部材28の大気
弁座28aがコントロールバルブ32の大気シール部3
2aから離間されてエア通路35が大気弁座28aと大
気シール部32aとの間のクリアランスを介して大気と
連通されることにより、第2後室26が大気と連通され
て弁機構31が出力増加作用状態に切り換わる。
【0055】弁機構31が出力増加作用状態に切り換わ
ることにより、大気が第2後室26に流入し、更に第2
後室26から第1後室24に流入して両後室24、26
の圧力が上がり、第1可動壁17には第1前室23と第
1後室24との差圧により前進力が発生し、第2可動壁
20には第2前室25と第2後室26との差圧により前
進力が発生して、パワーピストン22には第1前室23
と第2後室26との間の差圧により前進力が発生する。
【0056】これらの前進力がパワーピストン22から
ガイド部材39、リアクションディスクリテーナ40及
びリアクションディスク41を介して第1ピストン43
に伝達され、両可動壁17、20、パワーピストン22
及び第1ピストン43がハウジング14に対し一体的に
前進を開始し、マスタシリンダ3の作動が開始される。
【0057】その際、パワーピストン22は入力部材2
8に対しても前進し、コントロールバルブ32の大気シ
ール部32aが大気弁座28aに接近する。また、リア
クションディスク41がパワーピストン22と第1ピス
トン43とによって圧縮変形されてリアクションディス
クリテーナ40の段付筒状部40aの小径部内に進入
し、リアクションディスク41がパワーピストン22の
前進力及び入力部材28の前進力を第1ピストン43に
伝達すると共に第1ピストン43からの出力に対応した
反力を、入力部材28に、入力部材28をパワーピスト
ン22に対して後退させるよう付与するようになる。
【0058】パワーピストン22が入力部材28に対し
て前進すること及び入力部材28がリアクションディス
ク41から反力を付与されてパワーピストン22に対し
て後退されることにより、やがて、コントロールバルブ
32の大気シール部32aが再び大気弁座28aに当接
してエア通路35と大気との連通が遮断され、両後室2
4、26への大気の流入が停止される(弁機構31が出
力保持作用状態に切り換わる)。
【0059】第1ピストン43にパワーピストン22の
推進力が出力され、第1ピストン43が前方に移動され
ることによって第1圧力室44内のブレーキ液が昇圧さ
れる。第1圧力室44内のブレーキ液の昇圧により第2
ピストンが前進移動されると第2圧力室内のブレーキ液
が昇圧される。
【0060】両圧力室のブレーキ液の昇圧により第1圧
力室44に連通するアウトレットポート3c及び第2圧
力室に連通するアウトレットポート3dからブレーキ液
がアクチュエータ部53を介してホイールシリンダ54
〜57に流出し車両の各ホイールFL、FR、RL、R
Rに制動力が付与される。
【0061】第1圧力室44内のブレーキ液が昇圧され
ることにより、第1圧力室44内のブレーキ液の一部が
第1、第2連通路43a、40cを介して補助圧力室4
5内に流動する。この時、補助圧力室45において生じ
る圧力はスプリング46の付勢力よりも小さいため、ス
ライダバルブ42は第1圧力室44ひいては補助圧力室
45内の圧力を受けて後方に付勢されることはない。
【0062】このときにおいて、ブレーキペダル80か
ら入力部材28に加えられている入力は図3中に示した
値Fi1であり、第1ピストン43からマスタシリンダ
3に付与される出力は図3に示した値Fo1である。
【0063】この出力Fo1を発生して弁機構31が出
力保持作用状態を採る際に、ブレーキペダル31から入
力部材28に加えられる入力が図3の入力値Fi2未満
の値に増加されると、入力部材28がパワーピストン2
2に対して前進されて、大気弁座28aが再びコントロ
ールバルブ32の大気シール部32aから離間すること
になる(弁機構31が出力増加作用状態に切り換わ
る)。
【0064】従って、大気が両後室24、26に流入し
て後室24、26の圧力が上昇し、可動壁17、20と
パワーピストン22の前進力が増加し、両可動壁17、
20、パワーピストン22及び第1ピストン44がハウ
ジング14に対して更に前進する。
【0065】また、パワーピストン22が入力部材28
に対して前進すること、及びパワーピストン22の前進
に伴ってリアクションディスク41が入力部材28に反
力を付与して入力部材28を後方に移動させることによ
り、コントロールバルブ32の大気シール部32aが大
気弁座28aに接近し、やがてコントロールバルブ32
の大気シール部32aに大気弁座28aが再び当接して
両後室24、26への大気流入が停止され(弁機構31
が出力保持作用状態に切り換わる)、両可動壁17、2
0とパワーピストン22の前進力が増加が停止する。
【0066】即ち、液圧発生装置1の入力に対する出力
の軌跡は、入力が値Fi0からFi2までの範囲におい
ては、入力に対する出力の比率が、リアクションディス
ク41のリアクションディスクリテーナ40ひいてはパ
ワーピストン22との当接面積とリアクションディスク
41の入力部材28の前端面との当接面積との比率によ
り決定される作動線aに従うことになる。
【0067】例えば、運転者がブレーキペダル80を入
力Fi3(>Fi2)で踏み込むと、入力ロッド27が
パワーピストン22に対して前進され、入力ロッド27
の前進により入力部材28が入力ロッド27と一体的に
前進される。
【0068】入力部材28の移動に伴ってコントロール
バルブ32の可動部32cがバルブスプリング32eに
より前方に付勢されて入力部材28と一体的に前進さ
れ、コントロールバルブ32の負圧シール部32bがパ
ワーピストン22の負圧弁座22aに当接してバキュー
ム通路34とエア通路35との連通を遮断し、第2後室
26を第1前室23から遮断する。つまり、弁機構31
が出力減少作用状態から出力保持作用状態に切り換わ
る。
【0069】入力ロッド27及び入力部材28が出力保
持作用状態から更に前進されると、入力部材28の大気
弁座28aがコントロールバルブ32の大気シール部3
2aから離間されてエア通路35が大気弁座28aと大
気シール部32aとの間のクリアランスを介して大気と
連通されることにより、第2後室26が大気と連通され
て弁機構31が出力増加作用状態に切り換わる。
【0070】弁機構31が出力増加作用状態に切り換わ
ることにより、大気が第2後室26に流入し、更に第2
後室26から第1後室24に流入して両後室24、26
の圧力が上がり、第1可動壁17には第1前室23と第
1後室24との差圧により前進力が発生し、第2可動壁
20には第2前室25と第2後室26との差圧により前
進力が発生して、パワーピストン22には第1前室23
と第2後室26との間の差圧により前進力が発生する。
【0071】これらの前進力がパワーピストン22から
ガイド部材39、リアクションディスクリテーナ40及
びリアクションディスク41を介して第1ピストン43
に伝達され、両可動壁17、20、パワーピストン22
及び第1ピストン43がハウジング14に対し一体的に
前進を開始し、マスタシリンダ3の作動が開始される。
【0072】第1ピストン43にパワーピストン22の
推進力が出力され、第1ピストン43が前方に移動され
ることによって第1圧力室44内のブレーキ液が昇圧さ
れる。第1圧力室44内のブレーキ液の昇圧により第2
ピストンが前進移動されると第2圧力室内のブレーキ液
が昇圧される。
【0073】第1圧力室44内のブレーキ液が昇圧され
ることにより、第1圧力室44内のブレーキ液の一部が
第1、第2連通路43a、40cを介して補助圧力室4
5内に流動する。この時、補助圧力室45において生じ
る圧力はスプリング46の付勢力よりも大きくなること
から、スライダバルブ42は第1圧力室44ひいては補
助圧力室45内の圧力を受けてスプリング46の付勢力
に抗して後方に付勢されることになる。
【0074】スライダバルブ42がパワーピストン22
に対して後方に移動されることにより、スライダバルブ
42の補助負圧弁座42aがコントロールバルブ32の
負圧シール部32bに当接し、バキューム通路34とエ
ア通路35との連通が遮断されることにより、第1前室
23と第2後室26との連通が遮断され、更に、スライ
ダバルブ42はコントロールバルブ32の可動部32c
をバルブスプリング32eの付勢力に抗して後方へ移動
させ、大気弁座28aを大気シール部32aから更に離
間させる。
【0075】従って、スライダバルブ42の非作動時に
おける大気弁V1の開弁度に比して大気弁V1の開弁度
が増大されることから、スライダバルブ42の非作動時
における両後室24、26への大気の流入量に比して両
後室24、26への大気の流入量が増大され、両後室2
4、26の圧力が更に上昇して両可動壁17、20、パ
ワーピストン22及び第1ピストン43がハウジング1
4に対して更に前進することになる。
【0076】その際、パワーピストン22は入力部材2
8に対しても前進し、コントロールバルブ32の大気シ
ール部32aが大気弁座28aに接近する。また、リア
クションディスク41がパワーピストン22と第1ピス
トン43とによって圧縮変形されてリアクションディス
クリテーナ40の段付筒状部40aの小径部内に進入
し、リアクションディスク41がパワーピストン22の
前進力及び入力部材28の前進力を第1ピストン43に
伝達すると共に第1ピストン43からの出力に対応した
反力を、入力部材28に、入力部材28をパワーピスト
ン22に対して後退させるように付与するようになる。
【0077】パワーピストン22が入力部材28に対し
て前進すること及び入力部材28がリアクションディス
ク41から反力を付与されてパワーピストン22に対し
て後退されることにより、やがて、コントロールバルブ
32の大気シール部32aが再び大気弁座28aに当接
してエア通路35と大気との連通が遮断され、両後室2
4、26への大気の流入が停止される(弁機構31が出
力保持作用状態に切り換わる)。
【0078】マスタシリンダ3の両圧力室のブレーキ液
の昇圧により第1圧力室44に連通するアウトレットポ
ート3c及び第2圧力室に連通するアウトレットポート
3dからブレーキ液がアクチュエータ部53を介してホ
イールシリンダ54〜57に流出し車両の各ホイールF
L、FR、RL、RRに制動力が付与される。
【0079】このときにおいて、ブレーキペダル80か
ら入力部材28に加えられている入力は図3中に示した
値Fi3であり、第1ピストン43からマスタシリンダ
3に付与される出力は図3に示した値Fo3’となる。
【0080】即ち、液圧発生装置1において、スライダ
バルブ42が作動されることが無ければ液圧発生装置1
は作動線a上の出力を発生するのに対して、入力Fi2
以上においてはスライダバルブ42が作動されることに
より、液圧発生装置1は作動線aよりも入出力比が大き
い作動線b上の出力を出力することになる。従って、入
力Fi3におていは、入力Fi3に対応する作動線a上
の出力Fo3よりも大きい、入力Fi3に対応する作動
線b上の出力Fo3’を出力することになる。
【0081】図3に示した入力の値Fi4は、両後室2
4、26の圧力が大気圧になる入力値を示す。図3にお
いて、入力が値Fi4のときの出力は値Fo4である。
入力が値Fi4から更に増加された場合、出力が入力の
増加分だけ増加する。
【0082】以上説明したように、本実施の形態の液圧
発生装置1によれば、ブレーキペダル80への入力の増
大に伴うマスタシリンダ3の第1圧力室44の圧力上昇
により弁機構31の大気弁V1の開弁度を増大すること
により、液圧発生装置1の出力を増大させることを可能
とし、従来のもののように電気駆動式のアクチュエータ
を必要とすることなく、又、アクチュエータの駆動制御
も必要とすることがないことから、簡素な構成で出力の
増大を可能とする液圧発生装置1を提供することを可能
としている。
【0083】更に、スプリング46の付勢力を適宜設定
することにより、スライダバルブ42の作動開始点、或
いは、作動線の傾きが切り替えられる切り換え点を示す
折れ点Pを容易に設定することができる。
【0084】更に、第1圧力室44と補助圧力室45と
を連通可能とする連通路43a、40cとを第1ピスト
ン43及びリアクションディスクリテーナ40に形成し
たことにより、第1圧力室44と補助圧力室45とを連
通するための特別な部材を必要とすることがないことか
ら、部品点数の低減とそれに伴う組付け作業能率の向上
及びコストの低減を可能としている。
【0085】本実施の形態においては、負圧式倍力装置
10はタンデム型の構成を採っているが、特にこの構成
に限定されるものではなく、例えば、シングル型の構成
をとる本発明の負圧式倍力装置においても同様の作用効
果が得られる。
【0086】又、本実施の形態においては、マスタシリ
ンダ3を第1、第2ピストンを有するタンデム型マスタ
シリンダとしたが、特にこの構成に限定されるものでは
なく、例えば、シングル型のマスタシリンダを有する本
発明の圧力発生装置においても同様の作用効果が得られ
る。
【0087】(実施の形態2)図4は本実施の形態の液
圧発生装置1の断面図であり、図5は図4の弁機構31
の拡大図である。ガイド部材39、リアクションディス
クリテーナ40、及び補助圧力室45以外の構成は実施
の形態1と略同様であるので詳細な説明は詳細な説明は
省略する。尚、実施の形態1と同様な部材には同符号が
付してある。
【0088】図4、図5に示すように、パワーピストン
22の前方(図5中左方)内には、段付筒状のガイド部
材39がパワーピストン22に同軸的且つ気密的に配設
されている。更にパワーピストン22には、リアクショ
ンディスク41を収容すると共に入力部材28の前方部
分を前後方向に移動可能にガイドするリアクションディ
スクリテーナ40が、パワーピストン22及びガイド部
材39に同軸的に且つガイド部材39に液密的に配設さ
れている。
【0089】リアクションディスクリテーナ40は段付
筒状を呈するとともにガイド部材39に前後方向に摺動
可能に配設されており、段付筒状の小径部内に入力部材
28の前方部が摺動可能に挿入されており、大径部にリ
アクションディスク41が配設されている。
【0090】リアクションディスクリテーナ40の大径
部内でリアクションディスク41の前方には、マスタシ
リンダ3の第1ピストン43がリアクションディスクリ
テーナ40、ひいてはパワーピストン22に対して前後
方向(図5中左右方向)に移動可能に係合されている。
【0091】リアクションディスクリテーナ40の外周
段差部には後方に開口する環状の溝40dが形成されて
おり、パワーピストン22内には、ガイド部材39の内
周段差部と、ガイド部材39の大径部内周部と、リアク
ションディスクリテーナ40の小径部外周部と、リアク
ションディスクリテーナ40の環状溝40dとにより補
助圧力室45が液密的に区画されることにより形成され
ている。
【0092】第1ピストン43及びリアクションディス
クリテーナ40には、第1圧力室44と補助圧力室45
とを連通するための第1連通路43a、第2連通路40
cが形成されている。
【0093】リアクションディスクリテーナ40の大径
部外周部に形成された外向フランジ部とガイド部材39
の前方端部内周部に形成された内向フランジ部との間に
は、スプリング47が配設されている。スプリング47
はリアクションディスクリテーナ40を後方に付勢して
おり、図5に示す初期状態においてはリアクションディ
スクリテーナ40の外周段差部をガイド部材39の内周
段差部に当接させており、リアクションディスクリテー
ナ40のガイド部材39ひいてはパワーピストン22に
対する後退限位置に保持されている。
【0094】次に作動を説明する。図4、図5に示す状
態は、ブレーキペダル80が踏まれていない状態であ
り、弁機構31が第2後室26を第1前室23に連通す
ると共に大気から遮断する出力減少作用状態を採ってい
る。即ち大気弁座28aが大気シール部32aに当接し
且つ負圧弁座22aが負圧シール部32bから離間した
状態となり、第1後室24と第2後室26の圧力は第1
前室23の圧力と同じ圧力に低下している。
【0095】従って、両可動壁17、20とパワーピス
トン22には前進力が作用せず、パワーピストン22と
これに結合された両可動壁17、20は、リターンスプ
リング38によってハウジング14に対する後退限位置
に保持されている。
【0096】本実施の形態の液圧発生装置1の入出力特
性線図は実施の形態1の液圧発生装置の入出力特性線図
と略同様であるので図3を用いて説明することにする。
図3〜図5に示すように、運転者がブレーキペダル80
を入力Fi1で踏み込むと、入力ロッド27がパワーピ
ストン22に対して前進される。
【0097】入力ロッド27の前進により入力部材28
が入力ロッド27と一体的に前進される。入力部材28
の移動に伴ってコントロールバルブ32の可動部32c
がバルブスプリング32eにより前方に付勢されて入力
部材28と一体的に前進され、コントロールバルブ32
の負圧シール部32bがパワーピストン22の負圧弁座
22aに当接してバキューム通路34とエア通路35と
の連通を遮断し、第2後室26を第1前室23から遮断
する。つまり、弁機構31が出力減少作用状態から出力
保持作用状態に切り換わる。
【0098】入力ロッド27及び入力部材28が出力保
持作用状態から更に前進されると、入力部材28の大気
弁座28aがコントロールバルブ32の大気シール部3
2aから離間されてエア通路35が大気弁座28aと大
気シール部32aとの間のクリアランスを介して大気と
連通されることにより、第2後室26が大気と連通され
て弁機構31が出力増加作用状態に切り換わる。
【0099】弁機構31が出力増加作用状態に切り換わ
ることにより、大気が第2後室26に流入し、更に第2
後室26から第1後室24に流入して両後室24、26
の圧力が上がり、第1可動壁17には第1前室23と第
1後室24との差圧により前進力が発生し、第2可動壁
20には第2前室25と第2後室26との差圧により前
進力が発生して、パワーピストン22には第1前室23
と第2後室26との間の差圧により前進力が発生する。
【0100】これらの前進力がパワーピストン22から
ガイド部材39、リアクションディスクリテーナ40及
びリアクションディスク41を介して第1ピストン43
に伝達され、両可動壁17、20、パワーピストン22
及び第1ピストン43がハウジング14に対し一体的に
前進を開始し、マスタシリンダ3の作動が開始される。
【0101】その際、パワーピストン22は入力部材2
8に対しても前進し、コントロールバルブ32の大気シ
ール部32aが大気弁座28aに接近する。また、リア
クションディスク41がパワーピストン22と第1ピス
トン43とによって圧縮変形されてリアクションディス
クリテーナ40の小径部内に進入し、リアクションディ
スク41がパワーピストン22の前進力及び入力部材2
8の前進力を第1ピストン43に伝達すると共に第1ピ
ストン43からの出力に対応した反力を、入力部材28
に、入力部材28をパワーピストン22に対して後退さ
せるよう付与するようになる。
【0102】パワーピストン22が入力部材28に対し
て前進すること及び入力部材28がリアクションディス
ク41から反力を付与されてパワーピストン22に対し
て後退されることにより、やがて、コントロールバルブ
32の大気シール部32aが再び大気弁座28aに当接
してエア通路35と大気との連通が遮断され、両後室2
4、26への大気の流入が停止される(弁機構31が出
力保持作用状態に切り換わる)。この弁機構31が出力
保持作用状態におけるリアクションディスク41のリア
クションディスクリテーナ40の小径部内への張り出し
量は、弁機構31が出力増加作用状態を採る際の大気弁
座28aと大気シール部32aとの離間量に略等しい。
【0103】第1ピストン43にパワーピストン22の
推進力が出力され、第1ピストン43が前方に移動され
ることによって第1圧力室44内のブレーキ液が昇圧さ
れる。第1圧力室44内のブレーキ液の昇圧により第2
ピストンが前進移動されると第2圧力室内のブレーキ液
が昇圧される。
【0104】両圧力室のブレーキ液の昇圧により第1圧
力室44に連通するアウトレットポート3c及び第2圧
力室に連通するアウトレットポート3dからブレーキ液
がアクチュエータ部53を介してホイールシリンダ54
〜57に流出し車両の各ホイールFL、FR、RL、R
Rに制動力が付与される。
【0105】第1圧力室44内のブレーキ液が昇圧され
ることにより、第1圧力室44内のブレーキ液の一部が
第1、第2連通路43a、40cを介して補助圧力室4
5内に流動する。この時、補助圧力室45において生じ
る圧力はスプリング47の付勢力よりも小さいため、リ
アクションディスクリテーナ40は第1圧力室44ひい
ては補助圧力室45内の圧力を受けて前方に付勢される
ことはない。
【0106】このときにおいて、ブレーキペダル80か
ら入力部材28に加えられている入力は図3中に示した
値Fi1であり、第1ピストン43からマスタシリンダ
3に付与される出力は図3に示した値Fo1である。
【0107】この出力Fo1を発生して弁機構31が出
力保持作用状態を採る際に、ブレーキペダル31から入
力部材28に加えられる入力が図3の入力値Fi2未満
の値に増加されると、入力部材28がパワーピストン2
2に対して前進されて、大気弁座28aが再びコントロ
ールバルブ32の大気シール部32aから離間すること
になる(弁機構31が出力増加作用状態に切り換わ
る)。
【0108】従って、大気が両後室24、26に流入し
て後室24、26の圧力が上昇し、可動壁17、20と
パワーピストン22の前進力が増加し、両可動壁17、
20、パワーピストン22及び第1ピストン44がハウ
ジング14に対して更に前進する。
【0109】また、パワーピストン22が入力部材28
に対して前進すること、及びパワーピストン22の前進
に伴ってリアクションディスク41が入力部材28に反
力を付与して入力部材28を後方に移動させることによ
り、コントロールバルブ32の大気シール部32aが大
気弁座28aに接近し、やがてコントロールバルブ32
の大気シール部32aに大気弁座28aが再び当接して
両後室24、26への大気流入が停止され(弁機構31
が出力保持作用状態に切り換わる)、両可動壁17、2
0とパワーピストン22の前進力が増加が停止する。
【0110】この弁機構31が出力保持作用状態におけ
るリアクションディスク41のリアクションディスクリ
テーナ40の小径部内への張り出し量は、弁機構31が
出力増加作用状態を採る際の大気弁座28aと大気シー
ル部32aとの離間量に略等しい。
【0111】即ち、液圧発生装置1の入力に対する出力
の軌跡は、入力が値Fi0からFi2までの範囲におい
ては、入力に対する出力の比率が、リアクションディス
ク41のリアクションディスクリテーナ40ひいてはパ
ワーピストン22との当接面積とリアクションディスク
41の入力部材28の前端面との当接面積との比率によ
り決定される作動線aに従うことになる。
【0112】例えば、運転者がブレーキペダル80を入
力Fi3(>Fi2)で踏み込むと、入力ロッド27が
パワーピストン22に対して前進され、入力ロッド27
の前進により入力部材28が入力ロッド27と一体的に
前進される。
【0113】入力部材28の移動に伴ってコントロール
バルブ32の可動部32cがバルブスプリング32eに
より前方に付勢されて入力部材28と一体的に前進さ
れ、コントロールバルブ32の負圧シール部32bがパ
ワーピストン22の負圧弁座22aに当接してバキュー
ム通路34とエア通路35との連通を遮断し、第2後室
26を第1前室23から遮断する。つまり、弁機構31
が出力減少作用状態から出力保持作用状態に切り換わ
る。
【0114】入力ロッド27及び入力部材28が出力保
持作用状態から更に前進されると、入力部材28の大気
弁座28aがコントロールバルブ32の大気シール部3
2aから離間されてエア通路35が大気弁座28aと大
気シール部32aとの間のクリアランスを介して大気と
連通されることにより、第2後室26が大気と連通され
て弁機構31が出力増加作用状態に切り換わる。
【0115】弁機構31が出力増加作用状態に切り換わ
ることにより、大気が第2後室26に流入し、更に第2
後室26から第1後室24に流入して両後室24、26
の圧力が上がり、第1可動壁17には第1前室23と第
1後室24との差圧により前進力が発生し、第2可動壁
20には第2前室25と第2後室26との差圧により前
進力が発生して、パワーピストン22には第1前室23
と第2後室26との間の差圧により前進力が発生する。
【0116】これらの前進力がパワーピストン22から
ガイド部材39、リアクションディスクリテーナ40及
びリアクションディスク41を介して第1ピストン43
に伝達され、両可動壁17、20、パワーピストン22
及び第1ピストン43がハウジング14に対し一体的に
前進を開始し、マスタシリンダ3の作動が開始される。
【0117】第1ピストン43にパワーピストン22の
推進力が出力され、第1ピストン43が前方に移動され
ることによって第1圧力室44内のブレーキ液が昇圧さ
れる。第1圧力室44内のブレーキ液の昇圧により第2
ピストンが前進移動されると第2圧力室内のブレーキ液
が昇圧される。
【0118】その際、パワーピストン22は入力部材2
8に対しても前進し、コントロールバルブ32の大気シ
ール部32aが大気弁座28aに接近する。また、リア
クションディスク41がパワーピストン22と第1ピス
トン43とによって圧縮変形されてリアクションディス
クリテーナ40の小径部内に進入し、リアクションディ
スク41がパワーピストン22の前進力及び入力部材2
8の前進力を第1ピストン43に伝達すると共に第1ピ
ストン43からの出力に対応した反力を、入力部材28
に、入力部材28をパワーピストン22に対して後退さ
せるように付与するようになる。
【0119】リアクションディスク41が入力部材28
に反力を付与する一方で、第1圧力室44内のブレーキ
液が昇圧されることにより、第1圧力室44内のブレー
キ液の一部が第1、第2連通路43a、40cを介して
補助圧力室45内に流動する。この時、補助圧力室45
において生じる圧力はスプリング47の付勢力よりも大
きくなることから、リアクションディスクリテーナ40
は第1圧力室44ひいては補助圧力室45内の圧力を受
けてスプリング47の付勢力に抗して前方に付勢される
ことになる。
【0120】リアクションディスクリテーナ40がガイ
ド部材39ひいてはパワーピストン22に対して前方に
移動されることにより、リアクションディスク41及び
第1ピストン43もリアクションディスクリテーナ40
と一体的に前方に移動され、入力部材28の前端部とリ
アクションディスク41のリアクションディスクリテー
ナ40の小径部内に張り出している部分との間にはクリ
アランスが生じることになる。
【0121】従って、弁機構31が出力増加作用状態か
ら出力保持作用状態へ移行するためには、大気弁座28
aと大気シール部32aとの間のクリアランス分と、入
力部材28とリアクションディスク41との間のクリア
ランス分とのリアクションディスク41の張り出しが必
要となる。
【0122】即ち、リアクションディスク41の入力部
材28とリアクションディスク41との間のクリアラン
ス分の張り出し分だけ余分に弁機構31の出力増加作用
状態が維持されることになり、リアクションディスクリ
テーナ40の非作動時における両後室24、26への大
気の流入量に比して両後室24、26への大気の流入量
が増大され、両後室24、26の圧力が更に上昇して両
可動壁17、20、パワーピストン22及び第1ピスト
ン43がハウジング14に対して更に前進することにな
る。
【0123】パワーピストン22が入力部材28に対し
て前進すること及び入力部材28がリアクションディス
ク41から反力を付与されてパワーピストン22に対し
て後退されることにより、やがて、コントロールバルブ
32の大気シール部32aが再び大気弁座28aに当接
してエア通路35と大気との連通が遮断され、両後室2
4、26への大気の流入が停止される(弁機構31が出
力保持作用状態に切り換わる)。
【0124】マスタシリンダ3の両圧力室のブレーキ液
の昇圧により第1圧力室44に連通するアウトレットポ
ート3c及び第2圧力室に連通するアウトレットポート
3dからブレーキ液がアクチュエータ部53を介してホ
イールシリンダ54〜57に流出し車両の各ホイールF
L、FR、RL、RRに制動力が付与される。
【0125】このときにおいて、ブレーキペダル80か
ら入力部材28に加えられている入力は図3中に示した
値Fi3であり、第1ピストン43からマスタシリンダ
3に付与される出力は図3に示した値Fo3’となる。
【0126】即ち、液圧発生装置1において、リアクシ
ョンディスクリテーナ40が作動されることが無ければ
液圧発生装置1は作動線a上の出力を発生するのに対し
て、入力Fi2以上においてはリアクションディスクリ
テーナ40が作動されることにより、液圧発生装置1は
作動線aよりも入出力比が大きい作動線b上の出力を出
力することになる。従って、入力Fi3におていは、入
力Fi3に対応する作動線a上の出力Fo3よりも大き
い、入力Fi3に対応する作動線b上の出力Fo3’を
出力することになる。
【0127】図3に示した入力の値Fi4は、両後室2
4、26の圧力が大気圧になる入力値を示す。図3にお
いて、入力が値Fi4のときの出力は値Fo4である。
入力が値Fi4から更に増加された場合、出力が入力の
増加分だけ増加する。
【0128】以上説明したように、本実施の形態の液圧
発生装置1によれば、ブレーキペダル80への入力の増
大に伴うマスタシリンダ3の第1圧力室44の圧力上昇
によりリアクションディスク41の変形量を増大するこ
とにより、液圧発生装置1の出力を増大させることを可
能とし、従来のもののように電気駆動式のアクチュエー
タを必要とすることなく、又、アクチュエータの駆動制
御も必要とすることがないことから、簡素な構成で出力
の増大を可能とする液圧発生装置1を提供することを可
能としている。
【0129】更に、スプリング47の付勢力を適宜設定
することにより、リアクションディスクリテーナ40の
作動開始点、或いは、作動線の傾きが切り替えられる切
り換え点を示す折れ点Pを容易に設定することができ
る。
【0130】その他の作用効果は実施の形態1と同様で
あるので説明は省略する。
【0131】(実施の形態3)図6は本実施の形態の液
圧発生装置の負圧式倍力装置の弁機構31の拡大断面図
である。第1連通路43の構成以外は実施の形態1と同
様であるので詳細な説明は省略する。尚、実施の形態1
と同様の部材には同符号が付してある。
【0132】図6に示すように、第1ピストン43に
は、第1圧力室44と補助圧力室45とを連通する第1
連通路43aが形成されている。第1連通路43aはオ
リフィス43aaを有している。
【0133】次いで作動を説明する。図7は、縦軸は出
力を表し、横軸は入力を表した本実施の形態の液圧発生
装置の入力Fi3での踏み込みに伴う入出力相関図であ
る。本実施の形態の液圧発生装置の構成は第1連通路4
3aの構成を除いて実施の形態1の液圧発生装置と同様
であり、その入出力特性も実施の形態1と略同様である
ので、便宜的に図1、図3を用いて説明する。加えて、
本実施の形態の液圧発生装置の各構成部品の作動は、実
施の形態1と略同様であるので詳細な説明は省略する。
【0134】図1、図3、図6、及び図7に示すよう
に、例えば、運転者がブレーキペダル80を入力0から
Fi3まで徐々に増大させるようにして静的に踏み込む
と、入力0から入力Fi3へと入力が増大される過程で
の入力Fi0、Fi1、Fi2、Fi3の各点におい
て、実施の形態1で述べたように液圧発生装置1は、F
i0ではFo0を、Fi1ではFo1を、Fi2ではF
o2を、そしてFi3ではFo3’を出力することにな
る。
【0135】例えば、運転者がブレーキペダル80を入
力0からFi3まで静的な踏み込みよりも速い動的な踏
み込み操作で作動した場合、入力0から入力Fi3へと
入力が増大される過程での入力Fi0、Fi1、Fi2
までの各点においては、静的にブレーキペダル80を踏
み込んだときと同様に、液圧発生装置1は、Fi0では
Fo0を、Fi1ではFo1を、そしてFi2ではFo
2を出力する。
【0136】しかしながら、Fi2以降においては、静
的な踏み込みと動的な踏み込みとにおいて液圧発生装置
1の作動が異なってくる。即ち、ブレーキペダル80の
静的9な踏み込み作動時の入力Fi2以降においては、
補助圧力室45の圧力が速やかに上昇してスライダバル
ブ42が移動されることにより大気弁V1の開弁度が増
大され、液圧発生装置1の出力もまた速やかに増大され
ることになる。
【0137】しかしながら、本実施の形態の液圧発生装
置1には第1連通路43aにオリフィス43aaが配設
されていることによりブレーキ液の第1圧力室44から
補助圧力室45への流動が抑制されることから、ブレー
キぺダル80の静的な踏み込み操作における補助圧力室
45の圧力増大速度に比して、ブレーキペダル80の動
的な踏み込み操作における補助圧力室45の圧力増大速
度は遅くなる。
【0138】従って、例えば、静的なブレーキペダル8
0の操作時において入力Fi3へ至る途中の入力Fi
2’(Fi1<Fi2’<Fi3)での補助圧力室45
の圧力に比べて、動的なブレーキペダル80の操作時に
おける入力Fi3へ至る途中の入力Fi2’での補助圧
力室45の圧力は小さいことから、静的なブレーキペダ
ル80の操作時におけるスライダバルブ42の後退量に
比べて動的なブレーキペダル80の操作時におけるスラ
イダバルブ42の後退量は小さく、ひいては、静的なブ
レーキペダル80の操作時における大気弁V1の開弁度
に比べて動的なブレーキペダル80の操作時における大
気弁V1の開弁度も小さくなっている。
【0139】即ち、動的なブレーキペダル80の操作に
おいて入力Fi2’で液圧発生装置1が出力する出力
は、静的なブレーキペダル80の操作時において出力さ
れる出力Fo2’よりも小さい出力Fo2''となる。同
様にして、入力Fi2から入力Fi3未満までにおいて
液圧発生装置1が動的なブレーキペダル80の操作にお
いて出力する出力は図7中の点P以降において示される
実線に従い、図7中の点線に従う静的なブレーキペダル
80の操作において液圧発生装置1が出力する出力に比
して小さいものとなる。
【0140】動的なブレーキペダル80の操作において
入力がFi3に到達してその状態が保持されると、入力
Fi3に到達当初は、補助圧力室45の圧力は入力Fi
2からFi3未満での範囲と同様にして静的なブレーキ
ペダル80の操作時の入力Fi3で補助圧力室45の圧
力に比して小さく、従って、入力Fi3到達当初におい
て液圧発生装置1が出力する出力は、静的なブレーキペ
ダル80の操作時において出力される出力Fo3’より
も小さい出力Fi3''となる。
【0141】しかしながら、動的なブレーキペダル80
の操作において、入力がFi3で保持されている間にも
補助圧力室45へブレーキ液が第1圧力室44から第1
連通路43a及び第2連通路40cを介して流動してい
ることから、補助圧力室45の圧力は徐々に増大される
ことになる。即ち、スライダバルブ42の後退量も徐々
に増大されて大気弁V1の開弁度も徐々に増大されるこ
とから、ひいては、出力もFo3''から徐々に増大され
ることになる。
【0142】やがて、補助圧力室45の圧力が静的なブ
レーキペダル80の操作時における補助圧力室45の圧
力と等しくなることから、スライダバルブ42の後退
量、大気弁座V1の開弁度、ひいて液圧発生装置1の出
力も等しくなる。即ち、入力Fi3に到達して出力Fo
3''を出力した後、所定の時間遅れて出力が出力Fo
3''からFo3’へと増大することになる。
【0143】従って、運転者がブレーキペダル80を操
作して液圧発生装置1に所定の出力を発生させてその入
力を保持すると、入力を保持してから所定時間後に、液
圧発生装置1からの出力が入力を保持した際に出力され
た出力に比して所定量増大されることから、運転者にブ
レーキが良く効くという印象を与えることができ、それ
により運転者の安心感のある良好なブレーキフィーリン
グを与えることができる。
【0144】本実施の形態においては、第1連通路43
aにオリフィス43aaが形成されているが、特にこの
構成に限定されるものではなく、例えば、第2連通路4
0cにオリフィスが形成されている本発明の圧力発生装
置においても同様の作用効果を有する。
【0145】又、実施の形態2の液圧発生装置において
本実施の形態と同様に第1連通路43a或いは第2連通
路40cにオリフィスを形成することにより、ブレーキ
の効き増し感を与える液圧発生装置とすることができ
る。
【0146】又、本実施の形態においては、第1圧力室
44と補助圧力室45との連通を抑制する抑制部として
オリフィス43aaが配設されているが、特にこの構成
に限定されるものではなく、第1圧力室44と補助圧力
室45との連通を抑制可能なものであれば良い。
【0147】その他の作用効果は実施の形態1と略同様
であるので説明は省略する。
【0148】以上、本発明を上記実施の形態に則して説
明したが、本発明は上記態様にのみ限定されるものでは
なく、本発明の原理に準ずる各種態様を含むものであ
る。
【0149】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、従来のもののように電気駆動式のアクチュエー
タを必要とすることなく、又、アクチュエータの駆動制
御も必要とすることがないことから、簡素な構成で出力
の増大を可能としている。
【0150】従って、簡素な構成からなる圧力発生装置
を提供することを可能としている。
【0151】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
の効果に加えて、弁機構のより良い形態を示すととも
に、大気弁の開弁度を増大させるためのより良い形態を
示している。
【0152】請求項3の発明によれば、請求項2の発明
の効果に加えて、弁座部材の作動時期の設定を可能とし
ている。
【0153】請求項4の発明によれば、請求項2又は請
求項3の発明の効果に加えて、圧力室と補助圧力室との
より良い連通形態を示すとともに、圧力室と補助圧力室
とを連通するための特別な部材を必要とすることがない
ことから、部品点数の低減とそれに伴う組付け作業能率
の向上及びコストの低減を可能としている。
【0154】請求項5の発明によれば、従来のもののよ
うに電気駆動式のアクチュエータを必要とすることな
く、又、アクチュエータの駆動制御も必要とすることが
ないことから、簡素な構成で出力の増大を可能としてい
る。
【0155】従って、簡素な構成からなる圧力発生装置
を提供することを可能としている。
【0156】請求項6の発明によれば、請求項5の発明
の効果に加えて、圧力室と補助圧力室とのより良い連通
形態を示すとともに、圧力室と補助圧力室とを連通する
ための特別な部材を必要とすることがないことから、部
品点数の低減とそれに伴う組付け作業能率の向上及びコ
ストの低減を可能としている。
【0157】請求項7の発明によれば、請求項6の発明
の効果に加えて、付勢手段の作動時期の設定を可能とし
ている。
【0158】請求項8の発明によれば、請求項4又は請
求項6の発明の効果に加えて、圧力発生装置に所定の出
力を発生させてその入力を保持すると、入力を保持して
から所定時間後に圧力発生装置からの出力が入力を保持
した際に出力された出力に比して所定量増大される。即
ち、増し効き感を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の液圧発生装置1の断面図。
【図2】図1の弁機構31部分の拡大図。
【図3】実施の形態1の液圧発生装置1の入出力特性線
図。
【図4】実施の形態2の液圧発生装置1の断面図。
【図5】図4の弁機構31部分の拡大図。
【図6】実施の形態3の液圧発生装置の弁機構31部分
の断面図。
【図7】実施の形態3の入出力相関図。
【符号の説明】
1 液圧発生装置 3 マスタシリンダ 3a シリンダボデー 3b シリンダ孔 10 負圧式倍力装置 14 ハウジング 17 第1可動壁 20 第2可動壁 22 パワーピストン 22a 負圧弁座 23 第1前室 24 第1後室 25 第2前室 26 第2後室 28 入力部材 28a 大気弁座 31 弁機構 32 コントロールバルブ 32a 大気シール部 32b 負圧シー
ル部 40 リアクションディスクリテーナ 41 リアクションディスク 42 スライダバルブ 43 第1ピストン 43a 第1連通路 43aa オリフ
ィス 44 第1圧力室 45 補助圧力室 46 スプリング 47 スプリング

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つの圧力空間を内部に形成
    するハウジングと、 前記ハウジング内に前記ハウジングに対して前進及び後
    退できるように設置されていて前記圧力空間を負圧源に
    連通される前室と前記前室或いは大気に連通される後室
    とに分割する可動壁と、 前記可動壁に結合されているパワーピストンと、 前記パワーピストンの内部に前記パワーピストンに対し
    て前進及び後退可能に配設される入力部材と、 前記パワーピストン内に配設され、前記入力部材の移動
    に応じて前記後室を前記前室に連通する負圧弁及び前記
    入力部材の移動に応じて前記後室を大気に連通する大気
    弁を備えた弁機構と、 シリンダ孔を有するとともに前記ハウジングの前方部に
    配設されるシリンダ本体部と、 前記シリンダ孔に前進及び後退可能に挿入され、その前
    方に圧力室を形成すると共に前記可動壁の移動に伴った
    前記パワーピストンの前進により前記シリンダ孔内を前
    方に移動されるピストンと、 を備え、 前記弁機構が前記圧力室内において生じる圧力を受ける
    ことにより前記大気弁の開弁度が増大される圧力発生装
    置。
  2. 【請求項2】 前記弁機構は、前記入力部材と一体的に
    前進及び後退可能な大気弁座と、前記パワーピストン内
    に配設される負圧弁座と、前記大気弁座に当接及び離脱
    可能で前記大気弁座に当接することによって前記後室と
    大気との連通を遮断するとともに前記大気弁座から離間
    することによって前記後室を大気に連通する大気シール
    部と前記負圧弁座に当接及び離脱可能で前記負圧弁座に
    当接することによって前記前室と前記後室との連通を遮
    断すると共に前記負圧弁座から離間することによって前
    記後室を前記前室に連通する負圧シール部とを備えたコ
    ントロールバルブとを有し、前記パワーピストンの前進
    力及び前記入力部材に加えられた入力を前記ピストンに
    伝達すると共に前記ピストンからの前進力に対応した大
    きさの反力を前記入力部材に後退させるように付与する
    反力部材と、前記パワーピストンに対して前進及び後退
    可能に配設され、前記圧力室内において生じる圧力を受
    けることにより後方へ移動されて前記負圧シール部に当
    接することにより前記前室と前記後室との連通を遮断し
    且つ前記負圧シール部を後方に移動させて前記大気シー
    ル部を前記大気弁座から離間させて前記後室と大気とを
    連通可能とする弁座部材とを備えた請求項1の圧力発生
    装置。
  3. 【請求項3】 前記弁座部材を前方に付勢する付勢部材
    を有する請求項2の圧力発生装置。
  4. 【請求項4】 前記ピストンは前記ハウジング内に延在
    されて前記パワーピストンに前後方向に移動可能に係合
    され、前記パワーピストンは前記圧力室からの作動流体
    が流入される補助圧力室を有し、少なくとも前記ピスト
    ンは前記圧力室と補助圧力室とを連通する連通路を備
    え、前記弁座部材は前記補助圧力室内の圧力を受けて移
    動される請求項2又は請求項3の圧力発生装置。
  5. 【請求項5】 少なくとも1つの圧力空間を内部に形成
    するハウジングと、 前記ハウジング内に前記ハウジングに対して前進及び後
    退できるように設置されていて前記圧力空間を負圧源に
    連通される前室と前記前室或いは大気に連通される後室
    とに分割する可動壁と、 前記可動壁に結合されているパワーピストンと、 前記パワーピストンの内部に前記パワーピストンに対し
    て前進及び後退可能に配設される入力部材と、 前記パワーピストン内に配設され、前記入力部材の移動
    に応じて前記後室を前記前室或いは大気に連通する弁機
    構と、 シリンダ孔を有するとともに前記ハウジングの前方部に
    配設されるシリンダ本体部と、 前記シリンダ孔に前進及び後退可能に挿入され、その前
    方に圧力室を形成すると共に前記可動壁の移動に伴った
    前記パワーピストンの前進により前記シリンダ孔内を前
    方に移動されるピストンと、 前記パワーピストンの前進力及び前記入力部材に加えら
    れた入力を前記ピストンに伝達すると共に前記ピストン
    からの前進力に対応した大きさの反力を前記入力部材に
    後退させるように付与する反力部材と、 前記圧力室内において生じる圧力を受けることにより前
    記反力部材を前記パワーピストンに対して前方に付勢す
    る付勢手段と、 を備えた圧力発生装置。
  6. 【請求項6】 前記ピストンは前記ハウジング内に延在
    されて前記パワーピストンに前後方向に移動可能に係合
    され、前記パワーピストンは前記圧力室からの作動流体
    が流入される補助圧力室を有し、少なくとも前記ピスト
    ンは前記圧力室と補助圧力室とを連通する連通路を備
    え、前記付勢手段は前記補助圧力室内の圧力を受けて前
    記反力部材を前方に付勢する請求項5の圧力発生装置。
  7. 【請求項7】 前記付勢手段を後方に付勢する付勢部材
    を備えた請求項5又は請求項6の圧力発生装置。
  8. 【請求項8】 前記圧力室と前記補助圧力室との連通を
    抑制する抑制部を備えた請求項4又は請求項6の圧力発
    生装置。
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