JPH111162A - 車両用負圧式ブレーキブースター - Google Patents

車両用負圧式ブレーキブースター

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JPH111162A
JPH111162A JP9212256A JP21225697A JPH111162A JP H111162 A JPH111162 A JP H111162A JP 9212256 A JP9212256 A JP 9212256A JP 21225697 A JP21225697 A JP 21225697A JP H111162 A JPH111162 A JP H111162A
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JP
Japan
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valve seat
valve body
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input member
respect
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JP9212256A
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English (en)
Inventor
Kaoru Tsubouchi
内 薫 坪
Akihiko Miwa
輪 昭 彦 三
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Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 緊急ブレーキ作用時のブレーキペダル操作感
を通常ブレーキ作用時のそれと同様に良好にする。 【解決手段】 大気流入制御用環状弁座38と大気流出
制御用環状弁座39と弁部材45とを有する弁機構36
に、バルブボデー22及び入力部材27に対して前進及
び後退できる第2の大気流入制御用環状弁座37を追加
する。バルブボデー22内には所定値以上の入力27が
入力部材に加えられているときには出力に対応した大き
さの反力を入力部材27に付与する反動部材54を設置
する。通常ブレーキ作用時には第2の大気流入制御用環
状弁座37はバルブボデー22内に設置したアクチュエ
ーター48を非作動としスプリングにより大気流入制御
用環状弁座38より前側に位置させる。緊急ブレーキ作
用時にはアクチュエーター48を作動させて大気流入制
御用環状弁座37を大気流入制御用環状弁座38よりも
後側に転移させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、車両用負
圧式ブレーキブースターに関し、特に、緊急ブレーキ時
のブレーキペダル踏力の不足を補うことができるように
した車両用負圧式ブレーキブースターに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、車両の進路上に突然障害物が出現
したために運転者が慌ててブレーキペダルを踏み込んだ
時、つまり緊急ブレーキ時においては、運転者がブレー
キペダルに加える踏力は、車輪ロックに至る大きさのブ
レーキ液圧を発生させる踏力に比べて相当に小さく、車
両のブレーキ能力が十分発揮されていない場合が多いと
の解析結果に基づき、ブレーキペダルの踏込み速度やマ
スタシリンダ液圧の上昇速度等に基づいて通常ブレーキ
であるのか、或いは緊急ブレーキであるのかを判定し、
緊急ブレーキ時にはブレーキ液圧を車輪ロックに至る大
きさまで自動的に上昇させる装置を設置することが提案
され、実用されようとしている。
【0003】緊急ブレーキ時にブレーキ液圧を車輪ロッ
クに至る大きさまで自動的に上昇させる装置として様々
な構成の装置が提案されており、その1つとして、負圧
式ブレーキブースターを、その入力−出力特性が外部か
らの制御信号によって少なくとも2種類(通常ブレーキ
用特性と緊急ブレーキ用特性)に切り換えることができ
るように構成し、緊急ブレーキ時には負圧式ブレーキブ
ースターの入力−出力特性を通常ブレーキ用特性から緊
急ブレーキ用特性に切り換えることにより、運転者がブ
レーキペダルを強く踏んだ時と同じ結果を得るものがあ
る。
【0004】そのような負圧式ブレーキブースターは、
例えば特開平7−251733号公報に記載されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平7−251
733号公報に記載の負圧式ブレーキブースターは、し
かしながら、通常ブレーキ用特性に切り換えた状態では
入力部材の往行程及び復行程の何れにおいても反動部材
から入力部材への反力付与がなされるため良好なブレー
キペダル操作感が得られるが、緊急ブレーキ用特性に切
り換えた状態では、入力部材の往行程では反動部材から
入力部材への反力付与がなされるのに対し、入力部材の
復行程では反動部材から入力部材への反力付与が遮断さ
れるため、良好なブレーキペダル操作感が得られないと
言う問題がある。
【0006】この出願の発明は、通常ブレーキ用特性に
切り換えた状態と緊急ブレーキ用特性に切り換えた状態
の何れにおいても良好なブレーキペダル操作感が得られ
る車両用負圧式ブレーキブースターを提供することを目
的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この出願の請求項1の発
明は、少なくとも1つの圧力空間を内部に形成するハウ
ジングと、このハウジング内にハウジングに対して前進
及び後退できるように設置されていて前記圧力空間を負
圧源に連通される前室とこの前室および大気に選択的に
連通される後室とに分割する可動壁と、前記ハウジング
の後壁の中心部を気密的に且つ摺動可能に貫通されてお
り且つ前記可動壁の中心部に結合されているバルブボデ
ーと、このバルブボデーの内部にバルブボデーに対して
前進及び後退できるように設置されており且つその後端
を前記バルブボデーの後端の開口からバルブボデー外に
突出されている入力部材と、前記バルブボデーの内部に
設置されていて前記バルブボデーに対する前記入力部材
の前後方向位置に応じて、前記後室を前記前室に連通す
ると共に大気から遮断する出力減少作用状態と前記後室
を前記前室及び大気から遮断する出力保持作用状態及び
前記後室を前記前室から遮断して大気に連通する出力増
加作用状態に切り換わる弁機構と、前記入力部材を前記
バルブボデーに対して前記弁機構を前記出力減少作用状
態とする位置へ後退させるように付勢する第1の付勢部
材と、後端部が前記バルブボデーによりバルブボデーに
対して前進及び後退できるように支持されている出力部
材と、前記バルブボデーの前進力及び前記入力部材に加
えられた入力を前記出力部材に伝達すると共に前記出力
部材からの出力に対応した大きさの反力を前記入力部材
に後退させるように付与する反動部材と、前記弁機構が
前記出力保持作用状態となる前記バルブボデーに対する
前記入力部材の前後方向位置を所定量だけ後側に転移さ
せるように作動するアクチュエーターとを備えており、
前記アクチュエーターの作動状態下でも前記入力部材に
加えられていた入力が除去されることに応じて前記付勢
部材により前記入力部材が前記バルブボデーに対して前
記弁機構を前記出力減少作用状態に切り換える前後方向
位置まで後退されると共に前記入力部材からの入力の除
去が持続される限り前記弁機構の出力減少作用状態が前
記可動壁の前記ハウジングに対する後退限位置への後退
過程の間中維持されるように構成されており、更に前記
アクチュエーターの作動状態下でも前記入力部材に所定
値以上の入力が加えられているときには前記反動部材か
ら前記入力部材への反力付与が前記弁機構の前記出力増
加作用状態と前記出力保持作用状態及び前記出力減少作
用状態との間の切り換わり過程の間中維持されるように
構成されていることを特徴とする車両用負圧式ブレーキ
ブースターである。
【0008】この出願の請求項2の発明は、請求項1に
記載の車両用負圧式ブレーキブースターであって、前記
アクチュエーターは前記バルブボデーに固定されてお
り、前記弁機構は、前記入力部材に一体化されており且
つ後方に向いている大気流入制御用環状弁座と、前記バ
ルブボデーに一体化されており且つ後方に向いている第
1の大気流出制御用環状弁座と、この第1の大気流出制
御用環状弁座の内径側に前記バルブボデーに対し前進及
び後退できるように設置されており且つ後方に向いてい
る第2の大気流出制御用環状弁座を有している弁座部材
と、これら大気流入制御用環状弁座、第1の大気流出制
御用環状弁座及び第2の大気流出制御用環状弁座と対向
する可動部と前記バルブボデーに気密的に固定される固
定部とを有しており且つ可動部が第2の付勢部材によっ
て前方へ付勢されている筒状弁部材とを備えており、前
記弁座部材は、前記アクチュエーターの非作動時には第
3の付勢部材によって前記第2の大気流出制御用環状弁
座が前記第1の大気流出制御用環状弁座よりも前方に位
置する非作用位置に保持され、前記アクチュエーターの
作動により前記非作用位置から前記第2の大気流出制御
用環状弁座が前記第1の大気流出制御用環状弁座よりも
後方に位置する作用位置へ転移されるように構成されて
いることを特徴とする車両用負圧式ブレーキブースター
である。
【0009】この出願の請求項3の発明は、請求項2に
記載の車両用負圧式ブレーキブースターであって、前記
弁座部材は、前記入力部材の移動とは独立して前進及び
後退可能に設置されていることを特徴とする車両用負圧
式ブレーキブースターである。
【0010】この出願の請求項4の発明は、請求項1〜
3の何れか一に記載の車両用負圧式ブレーキブースター
であって、前記アクチュエーターは、前記バルブボデー
に固定されたソレノイドコイル及びヨークと、前記ソレ
ノイドコイルへの通電により発生する電磁吸引力により
前記弁座部材を前記第3の付勢部材に抗して前記作用位
置へ転移させるプランジャーとを備えていることを特徴
とする車両用負圧式ブレーキブースターである。
【0011】この出願の請求項5の発明は、請求項1に
記載の車両用負圧式ブレーキブースターであって、前記
アクチュエーターは前記バルブボデーに対し前進及び後
退できるように設置されており、前記弁機構は、前記入
力部材及び前記バルブボデーに対し前進及び後退できる
ように設置されており且つ後方に向いている大気流入制
御用環状弁座を有している弁座部材と、前記バルブボデ
ーに一体化されており且つ後方に向いている大気流出制
御用環状弁座と、前記大気流入制御用環状弁座及び前記
大気流出制御用環状弁座と対向する可動部と前記バルブ
ボデーに気密的に固定される固定部とを有しており且つ
可動部が第2の付勢部材によって前方へ付勢されている
筒状弁部材とを備えており、前記アクチュエーターの非
作動時に前記弁座部材を前記入力部材に対する後退位置
へ位置させ且つこの後退位置で両者を一体的に前進及び
後退するように連結する第1の連結機構と、前記アクチ
ュエーターの作動時に前記弁座部材を前記入力部材に対
する前進位置へ位置させ且つこの前進位置で両者を一体
的に前進及び後退するように連結する第2の連結機構が
設置されていることを特徴とする車両用負圧式ブレーキ
ブースターである。この出願の請求項6の発明は、請求
項5に記載の車両用負圧式ブレーキブースターであっ
て、前記第1の連結機構は前記入力部材に対する前記弁
座部材の前記後退位置を規定する第1の対向当接部及び
前記弁座部材を前記入力部材に対して後方へ付勢する第
3の付勢部材を備えており、前記第2の連結機構は前記
入力部材に対する前記弁座部材の前記前進位置を規定す
る第2の対向当接部と前記入力部材に対する前記アクチ
ュエーターの前進位置を規定する第3の対向当接部及び
前記アクチュエーターを前記入力部材に対する前記前進
位置に付勢する第4の付勢部材を備えていることを特徴
とする車両用負圧式ブレーキブースターである。この出
願の請求項7の発明は、請求項6に記載の車両用負圧式
ブレーキブースターであって、前記アクチュエーター
が、前記バルブボデーに対し前進及び後退でき且つ前記
第3及び前記第4の付勢部材と前記第3の一対の当接面
とによって前記入力部材と一体的に前進及び後退される
ように設置されたソレノイドコイル及びヨークと、前記
ソレノイドコイルへの通電により発生する電磁吸引力に
より前記弁座部材を前記第3の付勢部材に抗して前記前
進位置へ転移させるプランジャーとを備えていることを
特徴とする車両用負圧式ブレーキブースターである。こ
の出願の請求項8の発明は、請求項2〜7の何れか一に
記載の車両用負圧式ブレーキブースターであって、前記
バルブボデーは、前記弁座部材を前後方向に摺動可能に
保持する保持部を備えていることを特徴とする車両用負
圧式ブレーキブースターである。
【0012】この出願の請求項8の発明は、請求項2〜
8の何れか一に記載の車両用負圧式ブレーキブースター
であって、前記弁座部材は前記入力部材の外周部と前記
バルブボデーの内周部との間に配設され、前記入力部材
は、前記弁座部材を貫通すると共に前記バルブボデーの
前記内周部に摺動可能に当接する摺動部を備えているこ
とを特徴とする車両用負圧式ブレーキブースターであ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の2つの実施形態について説明する。
【0014】(実施形態1)図1は、この出願の請求項
1〜4及び請求項8、9の発明の実施形態であるタンデ
ム型の車両用負圧式ブレーキブースターの断面図であ
り、図2は図1の一部の拡大図であり、図3は図2の一
部拡大斜視図であり、図4は図1及び図2に示す車両用
負圧式ブレーキブースターの入力−出力特性線図であ
る。
【0015】図1において、車両用負圧式ブレーキブー
スター10は、前側シェル11と後側シェル12及び両
シェル間の隔壁部材13とから構成され内部に前側圧力
室及び後側圧力室を形成するハウジング14を備える。
ハウジング14内の前側圧力室には、金属製の前側プレ
ート15とゴム製の前側ダイアフラム16からなる前側
可動壁17が前進および後退可能に設置され、また後側
圧力室には金属製の後側プレート18とゴム製の後側ダ
イアフラム19からなる後側可動壁20が前進および後
退可能に設置されている。前側プレート15は、その中
心部に、隔壁部材13の中心部を気密的に且つ摺動可能
に貫通されている円筒部21を一体に有している。前側
ダイアフラム16の内周縁のビード部は前側プレート1
5の円筒部21の前端部の外周面の気密的に固定されて
おり、前側ダイアフラム16の外周縁のビード部は隔壁
部材13の外周縁部と一緒にシェル11,12の外周部
により気密的に挟持されている。後側ダイアフラム19
の外周縁のビード部は隔壁部材13の外周縁の内径側に
設けられた折り返し部とシェル12とにより気密的に挟
持されている。後側シェル12の中心部を気密的に且つ
摺動可能に貫通されているバルブボデー22の前方寄り
部分の外周には、前側プレート15の円筒部21の後端
と後側プレート18の内周縁部が固定されると共に後側
ダイアフラム19の内周縁のビード部が気密的に固定さ
れている。これにより、ハウジング14内の前側圧力室
が第1前室23と第1後室24とに分割され、またハウ
ジング14内の後側圧力室が第2前室25と第2後室2
6とに分割される。第1前室23は負圧源であるエンジ
ンインテークマニホールド(図示省略)に連通され、常
時、負圧に保たれる。第2前室25は前側プレート15
の円筒部21に形成された孔とバルブボデー22の前端
部の外周に形成された溝とによって第1前室23に連通
され、従って第2前室25も、常時、負圧に保たれる。
第1後室24は前側ダイヤフラム16の外周縁のビード
部の内周面に形成された溝と隔壁部材13に形成された
孔及び後側ダイアフラム19の外周縁のビード部の外周
面に形成された溝によって第2後室26に連通されてい
る。
【0016】図1及び図2に示されるように、バルブボ
デー22は、その内部で前方側に位置して第1前室23
に連通する第1空間22aと、その内部で後方側に位置
して大気に連通する第2空間22bと、第1空間22a
と第2空間22bとの間に介在される中間部221を有
している。中間部221は、中間部221の中心部で第
1空間22aと第2空間22bとを連通する第3空間2
2cと、第3空間22cとは別に第1空間22aと第2
空間22bとを連通する通路60と、第3空間22cと
第2後室26とを連通する通路61とを有している。
【0017】バルブボデー22の内部には、入力部材2
7が第1空間22a、第2空間22b、第3空間22c
を貫通し、バルブボデー22に対して前進及び後退でき
るように設置されている。この入力部材27は、前端が
パワーピストン22の略第3空間22cに位置し且つ後
端がバルブボデー22の外部に位置する後方部材28
と、この後方部材28の前端にボール継手により連結さ
れていてバルブボデー22の中間部221により摺動自
在に案内されている中央部材29と、この中央部材29
の前端に後端をねじ結合された前方部材30とで構成さ
れており、後方部材28の後端でブレーキペダル31に
連結される。
【0018】バルブボデー22に対する入力部材27の
前進限位置及び後退限位置を規定するためのキー部材3
2が設置されている。このキー部材32はバルブボデー
22に形成された半径方向孔33に挿通されており、バ
ルブボデー22から脱落しないようにバルブボデー22
に係止されている。キー部材32の前後方向の肉圧寸法
は半径方向孔33の前後方向の寸法よりも小さくされて
おり、キー部材32はバルブボデー22に対して図2中
に示した距離δ1だけ前後方向へ移動できる。キー部材
32は、バルブボデー22の外周側に突出した両端部の
後面にて後側シェル12に当接可能であり、ハウジング
14に対するバルブボデー22の後退限位置は、図2に
示すように、半径方向孔33の前側壁がキー部材32の
前面に当接し且つキー部材32の両端部の後面が後側シ
ェル12に当接した位置である。キー部材32の中央部
は入力部材27の前方部材30の後端部の外周に形成さ
れた一対のフランジ部34,35間に位置されており、
バルブボデー22に対する入力部材27の後退限位置
は、フランジ部34の後面がキー部材32の前面に当接
し且つキー部材32の後面が半径方向孔33の後壁に当
接した位置である。また、バルブボデー22に対する入
力部材27の前進限位置は、フランジ部35の前面がキ
ー部材32の後面に当接し且つキー部材32の前面が半
径方向孔33の前壁に当接した位置である。
【0019】バルブボデー22の内部には、バルブボデ
ー22に対する入力部材27の前後方向位置に応じて、
第2後室26を第1前室23に連通すると共に大気から
遮断する出力減少作用状態と第2後室26を第1前室2
3及び大気から遮断する出力保持作用状態及び第2後室
26を第1前室23から遮断すると共に大気に連通する
出力増加作用状態に切り換わる弁機構36が設置されて
いる。
【0020】この弁機構36は、入力部材27の中央部
材29に一体に形成されており且つ後方に向いている大
気流入制御用環状弁座37と、バルブボデー22の中間
部221の後方部で第3空間22cの後方開口周りに一
体に形成されており且つ後方に向いている第1の大気流
出制御用環状弁座38と、この第1の大気流出制御用環
状弁座38の内径側、即ち、中間部221の第3空間2
2c内に、バルブボデー22に対し前進及び後退できる
ように設置されており且つ後方に向いている第2の大気
流出制御用環状弁座39を有している弁座部材40と、
これら大気流入制御用環状弁座37、第1の大気流出制
御用環状弁座38及び第2の大気流出制御用環状弁座3
9と対向する可動部41とリテーナー42によりバルブ
ボデー22に気密的に固定される固定部43とを有して
おり且つ可動部41がスプリング44(第2の付勢部
材)によって前方へ付勢されている筒状弁部材45を主
たる構成部材としている。
【0021】図3は図2の弁座部材40と入力部材27
との組付け以前の斜視図である。図1〜3に示すよう
に、入力部材27の中央部材29は、その外周に径方向
に突出する4つの摺動部27aを備えている。弁座部材
40は、弁座部材40を前後方向で貫通する貫通穴40
aと、貫通穴40aの後方開口から前方に向かって延在
するとともに貫通穴40aと弁座部材40の外部とを連
通する4つのスリット40bとを有している。
【0022】弁座部材40の貫通穴40aに入力部材2
7が挿入されることにより、摺動部29aとスリット4
0aとが夫々対向するとともに、摺動部27aがスリッ
ト40aを介して弁座部材40の外部に突出することに
なる。弁座部材40を備えた入力部材27がバルブボデ
ー22内に配設されると、摺動部27aが中間部221
の内周面の凸部221aに当接することになり、入力部
材27は摺動部27aを介して中間部221の内周部、
即ち、バルブボデー22の内周部に前後方向に摺動可能
に支持されることになる。
【0023】一方、弁座部材40は、入力部材27の外
周部とパワーピストン22の中間部221の内周部との
間に位置し、第2の大気流出制御用環状弁座39が形成
されている後端部において中間部221の内周面に前後
方向に摺動可能に当接することになる。即ち、バルブボ
デー22は、弁座部材40を前後方向に摺動可能に保持
する保持部として、中間部221を備えていることにな
る。
【0024】弁座部材40の後端部の外周には弁座部材
40の後端部と中間部221の内周面との間の気密を保
つ環状シール部材46が取付けられている。また、弁座
部材40はフランジ部34との間に設置されたスプリン
グ47(第3の付勢部材)により前方へ付勢されてい
る。入力部材27の後方部材28に係止されたリテーナ
ー58とリテーナー42との間に設置されたスプリング
59(第1の付勢部材)は、入力部材27を後方へ付勢
し、ブレーキペダル31が踏まれていない場合には大気
流入制御用環状弁座37を弁部材45の可動部41に当
接させ且つ可動部41を第1の大気流出制御用環状弁座
38から離間させた状態に保持する。
【0025】中間部221に形成された通路60と第1
空間22aとは、弁機構36と第1前室23とを連絡
し、通路61と第3空間22cとは、弁機構36と第2
後室26とを連絡している。
【0026】バルブボデー22の前方部分の内部、即
ち、中間部221の前方側の第1空間22aには、弁座
部材40をスプリング47に抗して後退させるアクチュ
エータ48が設置されている。このアクチュエーター4
8は、ソレノイドコイル49と磁性体よりなるヨーク5
0,磁性体よりなるヨーク兼反動部材収容用部材51及
び磁性体よりなるプランジャー52によって構成されて
いる。ソレノイドコイル49とヨーク50,ヨーク兼反
動部材収容用部材51はバルブボデー22に固定されて
おり、プランジャー52は弁座部材40の前端面と当接
する。ソレノイドコイル49は、リード線によりハウジ
ング14の外部の電子制御装置(図示省略)と電気的に
接続される。ソレノイドコイル49が通電されない場合
(アクチュエータ48の非作動時)、スプリング47に
よって弁座部材40は、その前端面がプランジャー52
に当接し且つプランジャー52の前端面がヨーク兼反動
部材収容用部材51に対して固定の関係にあり且つ入力
部材27の前方部材30の前端部を摺動可能に案内する
案内部材53に当接した図2の位置に保持され、弁座部
材40の第2の大気流出制御用環状弁座39はバルブボ
デー22の第1の大気流出制御用環状弁座38よりも前
側に位置する。即ち、弁座部材40は、スプリング47
により付勢され、プランジャー52を介して案内部材5
3に当接されており、案内部材53は弁座部材40のバ
ルブボデー22に対する前進を規制している。ソレノイ
ドコイル49が通電された場合(アクチュエーター48
の作動時)、ヨーク50とプランジャー52との間に電
磁吸引力が発生し、この電磁吸引力によりプランジャー
52が弁座部材40をスプリング47に抗して後退させ
る。弁座部材40の後退量はヨーク50とプランジャー
52との間の距離δ2に対応し、弁座部材40が後退さ
れた状態では弁座部材40の第2の大気流出制御用環状
弁座39がバルブボデー22の第1の大気流出制御用環
状弁座38よりも後側に位置する。
【0027】ヨーク兼反動部材収容用部材51の内部に
おいて、案内部材53の前側にはゴムよりなる円盤状の
反動部材54が設置され、この反動部材54の前側には
ハウジング15の前壁の中心部を気密的に且つ摺動可能
に貫通している出力部材55の後端部56が摺動可能に
設置されている。反動部材54は、周知のように、バル
ブボデー22の前進力及び入力部材27の前進力を出力
部材55に伝達すると共に出力部材55からの出力に対
応した大きさの反力を入力部材27に後退させるように
付与するものである。
【0028】第1前室23の中心部には、バルブボデー
22とこれに結合された可動壁17,20をハウジング
14に対して後退させるためのリターンスプリング57
が設置されている。
【0029】出力部材55は、マスターシリンダ62の
ピストン(図示省略)と作用的に連結されている。
【0030】次に作動を説明する。図1及び図2に示す
状態は、ブレーキペダル31が踏まれておらず且つアク
チュエーター48が作動されていない状態であり、弁機
構36が第2後室26を第1前室23に連通すると共に
大気から遮断する出力減少作用状態、即ち大気流入制御
用環状弁座37が弁部材45の可動部41に当接し且つ
可動部41が第1の大気流出制御用環状弁座38から離
間した状態となり、第1後室24と第2後室26の圧力
は第1前室23の圧力と同じ圧力に低下しており、可動
壁17,20とバルブボデー22には前進力が作用せ
ず、バルブボデー22とこれに結合された可動壁17,
20は、リターンスプリング57によってハウジング1
4に対する後退限位置、即ちバルブボデー22の半径方
向孔33の前側壁がキー部材32の前面に当接し且つキ
ー部材32の両端部の後面が後側シェル12に当接した
位置に保持される。
【0031】通常ブレーキ作用のために運転者がブレー
キペダル31を踏み込むと、入力部材27がバルブボデ
ー22に対して前進し、弁部材45の可動部41がバル
ブボデー22の第1の大気流出制御用環状弁座38に当
接して第2後室26を第1前室23から遮断する。つま
り、弁機構36が出力減少作用状態から出力保持作用状
態に切り換わる。この時、入力部材27の前端面と反動
部材54の後面との間には隙間が残存している。次い
で、大気流入制御用環状弁座37が弁部材45の可動部
41から離間して第2後室26を大気と連通し、弁機構
36が出力増加作用状態に切り換わる。従って、大気が
第2後室26に流入し、更に第2後室26から第1後室
24に流入し、両後室24,26の圧力が上がり、第1
可動壁17には第1前室23と第1後室24との差圧に
より前進力が発生し、第2可動壁20には第2前室25
と第2後室26との差圧により前進力が発生し、バルブ
ボデー22には第1前室23と第2後室26との間の差
圧により前進力が発生し、これらの前進力がバルブボデ
ー22からアクチュエータ48のヨーク兼反動部材収容
用部材51,案内部材53及び反動部材54を介して出
力部材55に伝達され、可動壁17,20、バルブボデ
ー22及び出力部材55がハウジング14に対し一体的
に前進を開始し、マスターシリンダ62の作動が開始さ
れる。その際、バルブボデー22は入力部材27に対し
ても前進し、弁部材45の可動部41が大気流入制御用
環状弁座37に接近する。また、反動部材54がその中
心部の後面と入力部材27の前端面との間の隙間を減少
するように案内部材53の内部に進入し、入力部材27
の前端面に当接して反動部材54がバルブボデー22の
前進力及び入力部材27の前進力を出力部材55に伝達
すると共に出力部材55からの出力に対応した反力を、
入力部材27に、同入力部材をバルブボデー22に対し
て後退させるように付与するようになる。バルブボデー
22が入力部材27に対して前進することにより、やが
て、弁部材45の可動部41が再び大気流入制御用環状
弁座37に当接し後室24,26への大気の流入が停止
される(弁機構36が出力保持作用状態に切り換わ
る)。このときにおいて、ブレーキペダル31から入力
部材27に加えられている入力は図4中に示した値Fi
1であり、出力部材27からマスターシリンダ62に付
与される出力は図4に示した値Fo1である。
【0032】ブレーキペダル31から入力部材27に加
えられる入力が図4の値Fi3未満の値に増加される
と、入力部材27がバルブボデー22に対して前進し、
大気流入制御用環状弁座37が再び弁部材45の可動部
41から離間し(弁機構36が出力増加作用状態に切り
換わる)、大気が後室24,26に流入して後室24,
26の圧力が上昇し、可動壁17,20とバルブボデー
22の前進力が増加し、可動壁17,20、バルブボデ
ー22及び出力部材55がハウジング14に対して更に
前進する。また、バルブボデー22が入力部材27に対
し前進することにより弁部材45の可動部41が大気流
入制御用環状弁座37に接近し、やがて弁部材45の可
動部41が大気流入制御用環状弁座37に再び当接して
後室24,26への大気流入が停止され(弁機構36が
出力保持作用状態に切り換わる)、可動壁17,20と
バルブボデー22の前進力が増加が停止する。
【0033】ブレーキペダル31から入力部材27に加
えられる入力が図4の値Fi1よりも大きい値まで減少
されると、入力部材27がバルブボデー22に対して後
退され、弁部材45の可動部41がバルブボデー22に
対して後退されて可動部41が第1の大気流出制御用環
状弁座38から離間し(弁機構36が出力減少作用状態
に切り換わる)、後室24,26が第1前室23に連通
されて後室24,26内の大気が負圧源により前室23
を介して排出され、後室24,26の圧力が低下して可
動壁17,20とバルブボデー22の前進力が減少し、
可動壁17,20、バルブボデー22及び出力部材55
がハウジング14に対して後退する。その際、バルブボ
デー22は入力部材27に対しても後退し、第1の大気
流出制御用環状弁座38が弁部材45の可動部41に接
近し、やがて第1の大気流出制御用環状弁座38が弁部
材45の可動部41に当接して後室24,26からの大
気流出が停止され(弁機構36が出力保持作用状態に切
り換わる)、動壁17,20とバルブボデー22の前進
力の減少が停止される。
【0034】図4に示した入力の値Fi3は、後室2
4,26の圧力が大気圧になる入力値を示す。入力が値
Fi1から値Fi3の範囲においては、出力部材55か
らマスターシリンダー62に加えられる出力の変化量は
入力部材27に加えられる入力の変化量より大きい。入
力に対する出力の比率は、反動部材54の後面と入力部
材27の前端面との当接面積に対する反動部材54の後
面の面積の比率に一致する。
【0035】図4において、入力が値Fi3のときの出
力は値Fo4である。入力が値Fi3から更に増加され
た場合、出力が入力の増加分だけ増加する。尚、図4に
おいて、縦軸の単位長さあたりの力の変化量は横軸の単
位長さあたりの力の変化量より大きいものである。縦軸
の単位長さあたりの力の変化量と横軸の単位長さあたり
の力の変化量を一致させて描いたならば、入力が値Fi
3より大きい場合の入力−出力の相関を示す線が45度
の勾配となる。
【0036】ブレーキペダル31が踏み込まれて入力部
材27、可動壁17,20、バルブボデー22及び出力
部材55がハウジング14に対して前進している状態で
は、キー部材32が後側シェル12から離間している。
通常ブレーキ作用を解除するために運転者がブレーキペ
ダル31の踏み込みを解除すると、入力部材27が反動
部材54から付与される反力とスプリング59によって
バルブボデー22に対してバルブボデー22に対する後
退限位置、即ちフランジ部34の後面がキー部材32の
前面に当接し且つキー部材32の後面が半径方向孔33
の後壁に当接した位置に後退される。これにより、弁部
材45の可動部41がバルブボデー22に対して最大量
後退され、可動部41が第1の大気流出制御用環状弁座
38から最大量離間され(弁機構36が出力減少作用状
態に切り換わる)、後室24,26内の大気が負圧源に
より前室23を介して迅速に排出され、後室24,26
の迅速な圧力低下に応じて入力部材27、可動壁17,
20、バルブボデー22及び出力部材55がハウジング
14に対して迅速に後退される。
【0037】入力部材27、可動壁17,20、バルブ
ボデー22及び出力部材55のハウジング14に対する
後退により、やがてキー部材32が後側シェル12に当
接し、入力部材27のハウジング14に対する後退が停
止される。これに対し、可動壁17,20、バルブボデ
ー22及び出力部材55のハウジング14に対する後退
は、バルブボデー22のハウジング14に対する後退限
位置、即ちバルブボデー22の半径方向孔33の前側壁
がキー部材32の前面に当接し且つキー部材32の両端
部の後面が後側シェル12に当接した位置まで継続され
る。これにより、バルブボデー22の第1の大気流出制
御用環状弁座38が弁部材45の可動部41に接近し、
大気流出制御用環状弁座38と可動部41との間に小さ
な隙間が存在する非作動状態になる。大気流出制御用環
状弁座38と可動部41との間の隙間が小さいことによ
り、次回の作動時に弁機構36が出力減少作用状態から
出力保持作用状態を経て出力増加作用状態に切り換わる
のに必要とされる入力部材27の前進量は小さく、従っ
てブレーキペダル31の踏み込み時の遊びが小さく応答
性が良い。
【0038】尚、反動部材54は、バルブボデー22と
出力部材55との間で伝達する力が減少することによ
り、自己の弾性により図2に示す状態に復元する。
【0039】加えて、入力部材27の前進及び後退によ
って、弁座部材40がバルブボデー22に対して移動す
ることはない。
【0040】次に、緊急ブレーキ作用のために運転者が
ブレーキペダル31を急速に踏み込むと、入力部材27
がバルブボデー22に対して前進され、通常ブレーキ作
用の説明において述べたようにして、弁機構36が出力
減少作用状態から出力保持作用状態を経て出力増加作用
状態へと切り換わり、後室24,26に大気が流入する
ことにより可動壁17,20、バルブボデー22及び出
力部材55がハウジング14に対して前進を開始する。
これと併行して、電子制御装置がソレノイドコイル49
に通電する。これにより、プランジャー52とヨーク5
0との間に電磁吸引力が発生し、プランジャー52がバ
ルブボデー22に対して後退され弁座部材40を距離δ
2だけ後退させ、弁座部材40の第2の大気流出制御用
環状弁座39が弁部材45の可動部41に当接し且つ弁
座部材40が可動部41をバルブボデー22に対して後
退させる。このような作動により、弁部材45の可動部
41がバルブボデー22の第1の大気流出制御用環状弁
座38から離間されるが、弁座部材40の第2の大気流
出制御用環状弁座39が可動部41に当接していること
により後室24,26と前室23との遮断状態が維持さ
れたまま大気流入制御用環状弁座37と弁部材45の可
動部41との間の隙間が最大量に増大される。従って、
大気が迅速に後室24,26に流入し、後室24,26
の圧力が迅速に上昇し、可動壁17,20、バルブボデ
ー22及び出力部材55がハウジング14に対して迅速
に前進する。
【0041】バルブボデー22が入力部材27に対して
も前進することにより、弁部材45の可動部41が大気
流入制御用環状弁座37に接近する。また、反動部材5
4が案内部材53の内部に進入して入力部材27の前端
面に当接し入力部材27に反力を付与する。バルブボデ
ー22が入力部材27に対して前進することにより、や
がては可動部41が大気流入制御用環状弁座37に当接
して弁機構36が出力保持作用状態となる。このときの
入力部材27のバルブボデー22に対する前後方向位置
は、通常ブレーキ作用での同じときの前後方向位置に対
して変位量δ2から図2において大気流出制御用環状弁
座38と大気流出制御用環状弁座39との間の距離量δ
3を差し引いた距離だけ後方に転移しており、反動部材
54の案内部材53の内部への進入量が通常ブレーキ作
用時の進入量よりも大きい。つまり、バルブボデー22
から反動部材54を介して出力部材55に伝達されてい
る前進力(出力部材55からマスターシリンダー62に
付与されている出力)が通常ブレーキ作用時よりも大き
いものであり、図4中の値Fo2である。
【0042】出力が図4の値Fo2のときの後室24,
26の圧力は大気圧よりも低い。従って、入力部材27
に加えられる入力が図4の値Fi2未満の値増加される
と、入力部材27がバルブボデー22に対して前進され
て弁機構36が出力保持作用状態から出力増加作用状態
に切り換わり、後室24,26の圧力が上昇して出力が
増加する。そして、バルブボデー22が入力部材27に
対して前進することにより弁機構36が出力増加作用状
態から出力保持作用状態に切り換わり、出力の増加が停
止する。また、入力部材27の入力が減少されると、入
力部材27が反動部材54からの反力によりバルブボデ
ー22に対して後退され、弁機構36出力減少作用状態
に切り換わり、後室24,26の圧力が低下して出力が
減少する。そして、バルブボデー22が入力部材27に
対して後退することにより弁機構36が出力減少作用状
態から出力保持作用状態に切り換わり、出力の減少が停
止する。
【0043】図4の出力値Fo3は後室24,26の圧
力が大気圧にまで上昇したときの値を示しており、この
ときの入力は値Fi2である。入力が値Fi1と値Fi
2との間で変化される場合、入力に対する出力の比率
は、反動部材54の後面と入力部材27の前端面との当
接面積に対する反動部材54の後面の面積の比率に一致
する。入力が値Fi2より大きい範囲では、入力の変化
分だけ出力が変化する。ソレノイドコイル49が通電さ
れている状態において、運転者がブレーキペダル31の
踏み込みを解除すると、通常ブレーキ作用においてブレ
ーキペダル31の踏み込みが解除されたときと同様に、
入力部材27が反動部材54から付与される反力とスプ
リング59によってバルブボデー22に対してバルブボ
デー22に対する後退限位置に後退される。これにより
弁機構36が出力減少作用状態に切り換わり、後室2
4,26の圧力が低下して出力が減少する。これによ
り、入力部材27、可動壁17,20、バルブボデー2
2及び出力部材55がハウジング14に対して後退さ
れ、最終的には図1及び図2に示す非作動状態に戻る。
【0044】電子制御装置はソレノイドコイル49を非
通電とする条件が成立したとき、ソレノイドコイル49
を非通電とする。これにより、弁座部材40とプランジ
ャー52がスプリング47により図2に示す位置に復帰
される。
【0045】上述したように、ソレノイドコイル49が
非通電のときでも通電されているときであっても、入力
が値Fi1以上のときには、弁機構36が出力増加作用
状態から出力保持作用上程を経て出力減少作用状態に切
り換わる過程の間中、反動部材54が入力部材27に反
力を付与する。従って、通常ブレーキ作用時と緊急ブレ
ーキ作用時の何れの場合においても良好なブレーキペダ
ル操作感が得られるものである。
【0046】運転者がブレーキペダル31を踏まない状
態において、ソレノイドコイル48が誤って通電された
場合、弁機構36が出力減少作用状態から出力保持作用
状態を経て出力増加作用状態に切り換わり、大気が後室
24,26に流入して後室24,26の圧力が上昇し、
可動壁17,20、バルブボデー22及び出力部材55
がハウジング14に対して前進される。しかし、入力部
材27への入力がなく、入力部材27が図2の位置に残
留するので、バルブボデー22の前進により弁部材45
の可動部41が弁座部材40の第2の大気流出制御用環
状弁座39に当接し、弁機構36が出力保持作用状態に
切り換わることで後室24,26への大気の流入が停止
し、可動壁17,20、バルブボデー22及び出力部材
55のハウジング14に対する前進が停止する。このと
きの出力は、比較的に小さい。従って、電子制御装置の
誤作動により突然に車両に大きいブレーキ力が作用する
ことがない。
【0047】更に、弁座部材40がバルブボデー22の
中間部221の内周面に前後方向に摺動可能に保持され
ていることから、弁座部材40のバルブボデー22に対
する滑らかな摺動を可能とされている。
【0048】更に、入力部材27は、摺動部29aを介
してバルブボデー22の中間部221に摺動可能に当接
していることから、入力部材27のバルブボデー22に
対する滑らかな摺動を可能とされている。加えて、弁座
部材40は、スリット40bにおいて摺動部29aが貫
通されていることから、バルブボデー22及び入力部座
27に対するより滑らかな摺動を可能としされている。
【0049】更に、弁座部材40は、入力部材27が前
進される場合、スプリング47を介して前方へ付勢され
るが、案内部材53によりその前進移動を規制されてい
ることから前進することはない。また、入力部材27の
後退に際して入力部材27は弁座部材40を後方へ付勢
せず、従って、弁座部材40が後退することはない。即
ち、弁座部材40は、入力部材27の移動とは独立して
バルブボデー22に対して前進及び後退可能とされてい
る。従って、アクチュエータ48の作動時において、大
気流入制御用大気弁座37と可動部41とを常に安定し
た量でもって離間させることができる。加えて、弁座部
材40と中間部221、ひいてはバルブボデー22との
当接部分及びシール部材46の摩耗を抑制することがで
きる。
【0050】(実施形態2)図5は、請求項1と請求項
5〜9の発明の実施形態であるタンデム型の車両用ブレ
ーキブースターの図2に対応する図である。図5におい
て、111は前側シェル、112は後側シェル、113
は隔壁部材、114はハウジング、117は前側可動
壁、120は後側可動壁、122はバルブボデー、12
3は第1前室、124は第1後室、125は第2前室、
126は第2後室、132はキー部材、154は反動部
材、155は出力部材、159はスプリング、167は
リターンスプリングであり、夫々図1,2により示され
る実施形態における前側シェル11、後側シェル12、
隔壁部材13、ハウジング14、前側可動壁17、後側
可動壁20、バルブボデー22、第1前室23、第1後
室24、第2前室25、第2後室26、キー部材31、
反動部材54、出力部材55、スプリング59(第1の
付勢部材)、リターンスプリング67と同一である。
【0051】バルブボデー122は、その内部で前方側
に位置して第1前室123に連通する第1空間122a
と、その内部で後方側に位置して大気に連通する第2空
間122bと、第1空間122aと第2空間122bと
の間に介在される中間部1221を有している。中間部
1221は、中間部1221の中心部で第1空間122
aと第2空間122bとを連通する第3空間122c
と、第3空間122cとは別に第1空間122aと第2
空間122bとを連通する通路160と、第3空間12
2cと第2後室126とを連通する通路161とを有し
ている。通路160、161は、図2に示す通路60,
61に対応するものである。
【0052】バルブボデー122の内部には、入力部材
127が第1空間122a、第2空間122b、第3空
間122cを貫通し、バルブボデー122に対して前進
及び後退できるように設置されている。この入力部材1
27は、後方部材128と、後端を後方部材128の前
端にボール継手により連結されており且つバルブボデー
122の中間部1221により摺動可能に直接支持され
た中央部材129と、後端を中央部材129の前端に螺
合され固定された前方部材130と、この前方部材13
0に前側に位置していて反動部材154と前方部材13
0との間で前後方向の力を伝達する力伝達部材168と
からなる。この力伝達部材168は反動部材収容用部材
151により摺動自在に案内されている。キー部材13
2の中央部は前方部材のフランジ部134(図2中のフ
ランジ部34に対応する)と中央部材129の前端(図
2中のフランジ部35に対応する)との間に位置してい
る。従って、バルブボデー122に対する入力部材12
7の前進限位置及び後退限位置とハウジング114に対
する入力部材127の後退限位置は、図2に示すものと
同じである。
【0053】弁機構136は、バルブボデー122の中
間部1221の後方部で第3空間122cの後方開口周
りに一体に形成されており且つ後方に向いている大気流
出制御用環状弁座138と、この第1の大気流出制御用
環状弁座138の内径側、即ち、中間部1221の第3
空間122c内に、入力部材127及びバルブボデー1
22に対して前進及び後退可能に設置されており且つ後
方に向いている大気流入制御用環状弁座139を有した
弁座部材140と、大気流入制御用環状弁座139及び
大気流出制御用環状弁座138と対向する可動部141
とリテーナー142によってバルブボデー122に気密
的に固定される固定部143とを有しており且つ可動部
141がスプリング144(第2の付勢部材)によって
前方に付勢されている筒状弁部材145とからなる。入
力部材127の中央部材129の外周には、中央部材1
29と弁座部材140との間の気密を保つシール部材1
46が取付けられている。
【0054】入力部材127は、その外周に形成された
摺動部127aを介して中間部1221ひいてはパワー
ピストン122に前後方向に摺動可能に支持されてい
る。一方、弁座部材140は、入力部材127の外周部
とパワーピストン122の中間部1221の内周部との
間に位置し、その外周面において中間部1221の内周
面に前後方向に摺動可能に当接している。即ち、バルブ
ボデー122は、弁座部材140を前後方向に摺動可能
に保持する保持部として、中間部1221を備えている
ことになる。
【0055】バルブボデー122の前方部分の内部、即
ち、中間部1221の前方側の第1空間22aには、ア
クチュエーター148が設置されている。このアクチュ
エーター148は、バルブボデー122及び入力部材1
27に対し前進及び後退ができるように設置されたソレ
ノイドコイル149と、バルブボデー122及び入力部
材127に対し前進及び後退ができるように設置された
磁性体よりなるヨーク150,169と、磁性体からな
るプランジャー152とからなる。ソレノイドコイル1
49はリード線によりハウジング114の外部の電子制
御装置と電気的に接続される。プランジャー152の後
端は弁座部材140の前端と結合されている。ソレノイ
ドコイル149が通電される、即ちアクチュエーター1
48が作動されると、ヨーク169とプランジャー15
2との間に電磁吸引力が発生する。
【0056】アクチュエーター148の非作動時に弁座
部材140を入力部材127に対する後退位置に位置さ
せ且つこの後退位置で両者を一体的に前進及び後退する
ように連結するため、弁座部材140を入力部材127
に対して後方へ付勢するスプリング170(第3の付勢
部材)が入力部材127の中央部材129と弁座部材1
40との間に設置されると共に、プランジャー152の
内周部後端176と入力部材127のフランジ部134
の前面とで第1の対向当接部が構成されている。
【0057】アクチュエーター148の作動時に弁座部
材140を入力部材127に対する前進位置に位置させ
且つこの前進位置で両者を一体的に前進及び後退するよ
うに連結するため、入力部材127の前方部材130の
外周に固定されたストッパー171とヨーク169の内
周部前端172とで第2の対向当接部が構成され、入力
部材127に対してヨーク169を前方へ付勢するスプ
リング173(第4の付勢部材)が入力部材127のフ
ランジ部134とヨーク169との間に設置され、プラ
ンジャー152の前端174とヨーク169の内周部後
端175とで第3の対向当接部が構成されている。スプ
リング173の付勢力はスプリング170の付勢力より
も大きく且つアクチュエーター148のバルブボデー1
22及び入力部材127に対する摺動抵抗よりも大き
く、またスプリング170の付勢力はスプリング144
の付勢力よりも大きい。そして、図5に示した距離δ
4,δ5は距離δ3よりも大きく、距離δ6は距離δ1
よりも大きい。更に、図5に示した距離δ7は図5にお
いて力伝達部材168と反動部材154との隙間よりも
大きい。
【0058】この図5の実施形態の入力−出力特性は図
4の特性と同じであり、次に作用を説明する。図5の状
態は、通常ブレーキ作用及び緊急ブレーキ作用を行って
いない非作動状態を示しており、入力部材127はハウ
ジング114に対する後退限位置に位置し、可動壁11
7,120とバルブボデー122及び出力部材155は
ハウジング114に対する後退限位置に位置し、弁機構
136は、入力部材127に対して後退位置に位置する
弁座部材140の大気流入制御用環状弁座139が弁部
材145の可動部141に当接して可動部141をバル
ブボデー122の大気流出制御用環状弁座138から離
間させた状態、つまり出力減少作用状態にあり、後室1
24,126の圧力が前室123,124の圧力に等し
くなっている。
【0059】通常ブレーキ作用のために運転者がブレー
キペダルを踏み込んで入力部材127に入力が加えられ
ると、入力部材127とプランジャー152及び弁座部
材140が一体的にバルブボデー122に対して前進さ
れ、弁座部材140の可動部141がバルブボデー12
2の大気流出制御用環状弁座138に当接し、弁機構1
36が出力保持作用状態に切り換わる。このときには力
伝達部材168と反動部材154との間に隙間が残存し
ている。次いで、大気流入制御用環状弁座139が可動
部141から離間し、弁機構136が出力増加作用状態
に切り換わり、大気が後室124.126に流入して後
室124.126の圧力が上昇し、可動壁117,12
0とバルブボデー122及び出力部材155が一体的に
ハウジング114に対して前進を開始する。入力が図4
の値Fi1のときに反動部材154が力伝達部材168
に当接して出力部材155からの出力に対応した反力を
入力部材127に加え、またバルブボデー122の入力
部材127に対する前進によって可動部141が大気流
出制御用環状弁座138に再び当接し、弁機構136が
出力保持作用状態に切り換わり、出力が図4の値Fo1
となる。
【0060】この後、入力部材に加えられる入力が図4
の値Fi1と値Fi3との間で増減されることにより弁
機構136が出力増加作用状態と出力保持作用状態及び
出力減少状態の間を切り換わることにより、入力値Fi
1〜Fi3に対応した大きさの出力値Fo1〜Fo4が
出力部材155から出力される。また、入力がFi3以
上に増加されたときには入力の増加分だけ出力が増加す
る。入力部材127に加えられる入力が値Fi1以上の
ときは、図1及び図2の実施形態と同様に、反動部材1
54から反力が力伝達部材168を介して入力部材12
7に付与される。
【0061】入力部材127に加えられていた入力が除
去されたときには、反動部材154から入力部材127
に付与される反力及びスプリング159によって入力部
材がバルブボデー122に対する後退限位置まで後退さ
れ、弁機構が出力減少作用状態に切り換わるので、後室
124.126の大気が排出されて後室124.126
の圧力が低下し、可動壁117,120とバルブボデー
122、入力部材127及び出力部材155が一体的に
ハウジング114に対して後退を開始し、最終的に図5
の位置に復帰される。
【0062】緊急ブレーキ作用のために運転者がブレー
キペダルを急速に踏み込み入力部材127に入力が加え
られた場合、バルブボデー122に対する入力部材12
7の前進により弁機構136が出力減少作用状態から出
力保持作用上程を経て出力増加作用状態に切り換わるの
と併行して電子制御装置によりソレノイドコイル149
が通電される。ソレノイドコイル149への通電により
発生する電磁吸引力によりプランジャー152が入力部
材127に対して前進されて弁座部材140が入力部材
127に対する前進位置に転移される。これにより、大
気流入制御用環状弁座139が可動部141から通常ブ
レーキ作用時よりも大きく離間し、大気が後室124,
126に迅速に流入し、可動壁117,120とバルブ
ボデー122及び出力部材155が一体的にハウジング
114に対して迅速に前進を開始する。
【0063】この後、反動部材154が力伝達部材16
8に当接して入力部材127に出力に対応した反力を加
えるようになり、またバルブボデー122の入力部材1
27に対する前進により可動部141が大気流入制御用
環状弁座139に再び当接して弁機構136が出力保持
作用状態に切り換わるが、弁機構136が出力保持作用
状態となるバルブボデー122に対する入力部材127
の前後方向位置は通常ブレーキ作用時のそれに比べて所
定距離(δ2)だけ後方に転移するので、図4の入力値
Fi1に対する出力は図4の値Fo2となる。この後、
入力部材に加えられる入力が図4の値Fi1と値Fi2
との間で増減されることにより弁機構136が出力増加
作用状態と出力保持作用状態及び出力減少状態の間を切
り換わることにより、入力値Fi1〜Fi2に対応した
大きさの出力値Fo2〜Fo3が出力部材155から出
力される。また、入力がFi2以上に増加されたときに
は入力の増加分だけ出力が増加する。入力部材127に
加えられる入力が値Fi1以上のときは、通常ブレーキ
作用時と同様に、反動部材154から反力が力伝達部材
168を介して入力部材127に付与される。
【0064】アクチュエーター148が作動されている
状態において入力部材127に加えられていた入力が除
去されたときには、反動部材154から入力部材127
に付与される反力及びスプリング159によって入力部
材がバルブボデー122に対する後退限位置まで後退さ
れ、弁機構が出力減少作用状態に切り換わるので、後室
124.126の大気が排出されて後室124.126
の圧力が低下し、可動壁117,120とバルブボデー
122、入力部材127及び出力部材155が一体的に
ハウジング114に対して後退を開始し、最終的に図5
の位置に復帰される。
【0065】また、入力部材127に入力が加えられて
いないときにアクチュエーター148が誤作動しても、
出力は小さい値しか発生しないので、突然に強いブレー
キがかかることがない。
【0066】尚、図5において、距離δ4を距離δ2よ
りも小さくして弁座部材140の入力部材に対する前進
位置を中央部材129と弁座部材140との当接によっ
て規定するように変更することができ、また距離δ6を
距離δ1よりも小さくしてバルブボデー122に対する
入力部材127の後退限位置をヨーク150とバルブボ
デー122との当接に規定するように変更することがで
きる。
【0067】
【発明の効果】この出願の発明に係る車両用負圧式ブレ
ーキブースターは、通常ブレーキ作用時と緊急ブレーキ
作用時の何れにおいても入力部材に所定値以上の入力が
加えられている限り反動部材から入力部材への反力の付
与が、弁機構の出力増加作用状態と出力保持作用状態及
び出力減少作用状態の間の切り換わり過程の間中継続さ
れることによって良好なブレーキペダル操作感を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願の発明の第1の実施形態の断面図であ
る。
【図2】図1の要部の拡大部分図である。
【図3】図2の入力部材27及び弁座部材40の組付け
以前の斜視図。
【図4】図1及び図2の実施形態における入力−出力特
性を示す特性線図である。
【図5】この出願の発明の第2実施形態の図2に相当す
る部分図である。
【符号の説明】
10・・・車両用負圧式ブレーキブースター 14,114・・・ハウジング 17,20,117,120・・・可動壁 22,122・・・バルブボデー 221,1221 中間部 23,25,123,125・・・前室 24,26,124,126・・・後室 27,127・・・入力部材 27a・・・摺動部 36,136・・・弁機構 37,38,138・・・大気流出制御用環状弁座 39・・・大気流入制御用環状弁座 40,140・・・弁座部材 48,148・・・アクチュエーター 54,154・・・反動部材

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つの圧力空間を内部に形成
    するハウジングと、このハウジング内にハウジングに対
    して前進及び後退できるように設置されていて前記圧力
    空間を負圧源に連通される前室とこの前室および大気に
    選択的に連通される後室とに分割する可動壁と、前記ハ
    ウジングの後壁の中心部を気密的に且つ摺動可能に貫通
    されており且つ前記可動壁の中心部に結合されているバ
    ルブボデーと、このバルブボデーの内部にバルブボデー
    に対して前進及び後退できるように設置されており且つ
    その後端を前記バルブボデーの後端の開口からバルブボ
    デー外に突出されている入力部材と、前記バルブボデー
    の内部に設置されていて前記バルブボデーに対する前記
    入力部材の前後方向位置に応じて、前記後室を前記前室
    に連通すると共に大気から遮断する出力減少作用状態と
    前記後室を前記前室及び大気から遮断する出力保持作用
    状態及び前記後室を前記前室から遮断して大気に連通す
    る出力増加作用状態に切り換わる弁機構と、前記入力部
    材を前記バルブボデーに対して前記弁機構を前記出力減
    少作用状態とする位置へ後退させるように付勢する第1
    の付勢部材と、後端部が前記バルブボデーによりバルブ
    ボデーに対して前進及び後退できるように支持されてい
    る出力部材と、前記バルブボデーの前進力及び前記入力
    部材に加えられた入力を前記出力部材に伝達すると共に
    前記出力部材からの出力に対応した大きさの反力を前記
    入力部材に後退させるように付与する反動部材と、前記
    弁機構が前記出力保持作用状態となる前記バルブボデー
    に対する前記入力部材の前後方向位置を所定量だけ後側
    に転移させるように作動するアクチュエーターとを備え
    ており、前記アクチュエーターの作動状態下でも前記入
    力部材に加えられていた入力が除去されることに応じて
    前記付勢部材により前記入力部材が前記バルブボデーに
    対して前記弁機構を前記出力減少作用状態に切り換える
    前後方向位置まで後退されると共に前記入力部材からの
    入力の除去が持続される限り前記弁機構の出力減少作用
    状態が前記可動壁の前記ハウジングに対する後退限位置
    への後退過程の間中維持されるように構成されており、
    更に前記アクチュエーターの作動状態下でも前記入力部
    材に所定値以上に入力が加えられているときには前記反
    動部材から前記入力部材への反力付与が前記弁機構の前
    記出力増加作用状態と前記出力保持作用状態及び前記出
    力減少作用状態との間の切り換わり過程の間中維持され
    るように構成されていることを特徴とする車両用負圧式
    ブレーキブースター。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の車両用負圧式ブレーキ
    ブースターであって、前記アクチュエーターは前記バル
    ブボデーに固定されており、前記弁機構は、前記入力部
    材に一体化されており且つ後方に向いている大気流入制
    御用環状弁座と、前記バルブボデーに一体化されており
    且つ後方に向いている第1の大気流出制御用環状弁座
    と、この第1の大気流出制御用環状弁座の内径側に前記
    バルブボデーに対し前進及び後退できるように設置され
    ており且つ後方に向いている第2の大気流出制御用環状
    弁座を有している弁座部材と、これら大気流入制御用環
    状弁座、第1の大気流出制御用環状弁座及び第2の大気
    流出制御用環状弁座と対向する可動部と前記バルブボデ
    ーに気密的に固定される固定部とを有しており且つ可動
    部が第2の付勢部材によって前方へ付勢されている筒状
    弁部材とを備えており、前記弁座部材は、前記アクチュ
    エーターの非作動時には第3の付勢部材によって前記第
    2の大気流出制御用環状弁座が前記第1の大気流出制御
    用環状弁座よりも前方に位置する非作用位置に保持さ
    れ、前記アクチュエーターの作動により前記非作用位置
    から前記第2の大気流出制御用環状弁座が前記第1の大
    気流出制御用環状弁座よりも後方に位置する作用位置へ
    転移されるように構成されていることを特徴とする車両
    用負圧式ブレーキブースター。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の車両用負圧式ブレーキ
    ブースターであって、前記弁座部材は、前記入力部材の
    移動とは独立して前進及び後退可能に設置されているこ
    とを特徴とする車両用負圧式ブレーキブースター。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れか一に記載の車両用
    負圧式ブレーキブースターであって、前記アクチュエー
    ターは、前記バルブボデーに固定されたソレノイドコイ
    ル及びヨークと、前記ソレノイドコイルへの通電により
    発生する電磁吸引力により前記弁座部材を前記第3の付
    勢部材に抗して前記作用位置へ転移させるプランジャー
    とを備えていることを特徴とする車両用負圧式ブレーキ
    ブースター。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の車両用負圧式ブレーキ
    ブースターであって、前記アクチュエーターは前記バル
    ブボデーに対し前進及び後退できるように設置されてお
    り、前記弁機構は、前記入力部材及び前記バルブボデー
    に対し前進及び後退できるように設置されており且つ後
    方に向いている大気流入制御用環状弁座を有している弁
    座部材と、前記バルブボデーに一体化されており且つ後
    方に向いている大気流出制御用環状弁座と、前記大気流
    入制御用環状弁座及び前記大気流出制御用環状弁座と対
    向する可動部と前記バルブボデーに気密的に固定される
    固定部とを有しており且つ可動部が第2の付勢部材によ
    って前方へ付勢されている筒状弁部材とを備えており、
    前記アクチュエーターの非作動時に前記弁座部材を前記
    入力部材に対する後退位置へ位置させ且つこの後退位置
    で両者を一体的に前進及び後退するように連結する第1
    の連結機構と、前記アクチュエーターの作動時に前記弁
    座部材を前記入力部材に対する前進位置へ位置させ且つ
    この前進位置で両者を一体的に前進及び後退するように
    連結する第2の連結機構が設置されていることを特徴と
    する車両用負圧式ブレーキブースター。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の車両用負圧式ブレーキ
    ブースターであって、前記第1の連結機構は前記入力部
    材に対する前記弁座部材の前記後退位置を規定する第1
    の対向当接部及び前記弁座部材を前記入力部材に対して
    後方へ付勢する第3の付勢部材を備えており、前記第2
    の連結機構は前記入力部材に対する前記弁座部材の前記
    前進位置を規定する第2の対向当接部と前記入力部材に
    対する前記アクチュエーターの前進位置を規定する第3
    の対向当接部及び前記アクチュエーターを前記入力部材
    に対する前記前進位置に付勢する第4の付勢部材を備え
    ていることを特徴とする車両用負圧式ブレーキブースタ
    ー。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の車両用負圧式ブレーキ
    ブースターであって、前記アクチュエーターが、前記バ
    ルブボデーに対し前進及び後退でき且つ前記第3及び前
    記第4の付勢部材と前記第3の一対の当接面とによって
    前記入力部材と一体的に前進及び後退されるように設置
    されたソレノイドコイル及びヨークと、前記ソレノイド
    コイルへの通電により発生する電磁吸引力により前記弁
    座部材を前記第3の付勢部材に抗して前記前進位置へ転
    移させるプランジャーとを備えていることを特徴とする
    車両用負圧式ブレーキブースター。
  8. 【請求項8】 請求項2〜7の何れか一に記載の車両用
    負圧式ブレーキブースターであって、前記バルブボデー
    は、前記弁座部材を前後方向に摺動可能に保持する保持
    部を備えることを特徴とする車両用負圧式ブレーキブー
    スター。
  9. 【請求項9】 請求項2〜8の何れか一に記載の車両用
    負圧式ブレーキブースターであって、前記弁座部材は前
    記入力部材の外周部と前記バルブボデーの内周部との間
    に配設され、前記入力部材は、前記弁座部材を貫通する
    と共に前記バルブボデーの前記内周部に摺動可能に当接
    する摺動部を備えることを特徴とする負圧式ブレーキブ
    ースター。
JP9212256A 1997-04-18 1997-08-06 車両用負圧式ブレーキブースター Pending JPH111162A (ja)

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US09/062,737 US6065388A (en) 1997-04-18 1998-04-20 Vacuum type brake booster for vehicle
DE19817589A DE19817589A1 (de) 1997-04-18 1998-04-20 Unterdruckbremskraftverstärker für ein Fahrzeug
US09/535,224 US6212992B1 (en) 1997-04-18 2000-03-27 Vacuum type brake booster for vehicle

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JP9-102041 1997-04-18
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100901827B1 (ko) 2008-09-11 2009-06-09 한국델파이주식회사 패닉 브레이킹 기능을 가지는 자동차용 브레이크 부스터

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KR100901827B1 (ko) 2008-09-11 2009-06-09 한국델파이주식회사 패닉 브레이킹 기능을 가지는 자동차용 브레이크 부스터

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