JPH086664Y2 - ブレーキ倍力装置の弁機構 - Google Patents

ブレーキ倍力装置の弁機構

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JPH086664Y2
JPH086664Y2 JP1990085309U JP8530990U JPH086664Y2 JP H086664 Y2 JPH086664 Y2 JP H086664Y2 JP 1990085309 U JP1990085309 U JP 1990085309U JP 8530990 U JP8530990 U JP 8530990U JP H086664 Y2 JPH086664 Y2 JP H086664Y2
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透 佐藤
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自動車機器株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案はブレーキ倍力装置における弁機構の改良に関
する。
「従来の技術」 従来、ブレーキ倍力装置の弁機構として、バルブボデ
イに形成した環状の第1弁座と、筒状の弁体に設けられ
て上記第1弁座に接離する第1シート部と、上記弁体の
軸部に摺動自在に貫通させた入力軸と、この入力軸の外
周面所定位置に形成した第2弁座と、上記弁体に設けら
れて上記第2弁座の外周面に気密を保って摺接するとと
もに、該第2弁座からリヤ側に離隔される第2シート部
とを備えたものは知られている(例えば、実開昭61−15
0265号公報)。
「考案が解決しようとする課題」 しかるに、上述した実開昭61−150265号公報に開示さ
れたブレーキ倍力装置の弁機構においては、入力軸を構
成する弁プランジャの端部外周を上記第2弁座として構
成する一方、弁体の内周縁に形成したリップ状の部分を
上記第2シート部として構成するようにしていた。そし
て、ブレーキ倍力装置の非作動状態では第2シート部を
第2弁座に嵌装して変圧室と大気との連通を阻止し、他
方、ブレーキ倍力装置の作動時には第2弁座から第2シ
ート部を完全に離隔させることで、変圧室と大気とを連
通させるようにしていた。
したがって、上記第2弁座と第2シート部とが離隔す
るブレーキ倍力装置の作動状態において、それら第2弁
座と第2シート部とが半径方向に位置ずれしていた場合
には、その後のブレーキ倍力装置が非作動状態となった
際に、第2弁座に第2シート部が嵌装されずに元の状態
に復帰しない虞があった。
「課題を解決するための手段」 本考案は、そのような事情に鑑み、上述したブレーキ
倍力装置の弁機構において、上記第2弁座をリヤ側に延
長して該第2弁座のフロント側をシール部分、リヤ側を
連通部分とし、また上記第2シート部をリップ状に形成
するとともに該第2シート部を上記第2弁座のシール部
分と連通部分とに渡って移動可能に摺接させて該第2シ
ート部が第2弁座からリヤ側に離隔しないようにし、さ
らに上記第2弁座の連通部分に連通路を形成して、上記
第2シート部を連通部分上に位置させた際に上記連通路
を介して第2シート部の前後の空間を連通させるととも
に、該第2シート部をシール部分上に位置させた際にそ
の連通を遮断させるようにしたものである。
「作用」 このような構成によれば、上記第2シート部は常に上
記第2弁座に摺動した状態が維持されるようになり、ま
たその状態において上記延長部分に設けた連通路を介し
て第2シート部の前後の空間の連通状態が切り換えられ
るようになる。
したがって、第2弁座と第2シート部とによる圧力流
体の導入と阻止との切り換え作動の信頼性を向上させる
ことができる。
「実施例」 以下図示実施例について本考案を説明すると、第1図
において、フロントシェル1とリヤシェル2とで構成し
た密封容器内は、その中央部に設けたセンタープレート
3によって前後のフロント室4とリヤ室5との2室に区
画してあり、かつ、上記リヤシェル2およびセンタープ
レート3の軸部に概略筒状のバルブボデイ6をそれぞれ
環状シール部材7、8により気密を保って摺動自在に貫
通させている。
上記バルブボデイ6には、上記フロント室4とリヤ室
5とに収納したフロントパワーピストン9とリヤパワー
ピストン10とをそれぞれ連結するとともに、各パワーピ
ストン9、10の後面にフロントダイアフラム11とリヤダ
イアフラム12とをそれぞれ張設し、フロントダイアフラ
ム11の前後に定圧室Aと変圧室Bを、またリヤダイアフ
ラム12の前後にも定圧室Cと変圧室Dを形成している。
上記2つの定圧室A、Cと2つの変圧室B、Dとの間
の流体回路を切り換える弁機構15は上記バルブボデイ6
内に設けてあり、該弁機構15は、バルブボデイ6に形成
した環状の第1弁座16と、この第1弁座16よりも内側に
位置して上記バルブボデイ6に摺動自在に設けた弁プラ
ンジャ17に形成した第2弁座18と、さらに、ばね19によ
ってフロント側に付勢された弁体20に形成されて上記各
弁座16、18にそれぞれ着座される第1シート部21と第2
シート部22とを備えている。
そして、上記第1弁座16と弁体20の第1シート部21と
の接触部よりも外周側の空間は、バルブボデイ6に形成
した軸方向の定圧通路23を介して上記定圧室Aに連通さ
せてあり、この定圧室Aは、フロントシェル1に取り付
けた負圧導入管24を介して図示しないインテークマニホ
ールドに連通させている。また上記定圧室Aは、バルブ
ボデイ6に形成した軸方向の第2の定圧通路25を介して
定圧室Cに連通させている。
他方、上記第1弁座16と弁体20の第1シート部21との
接触部の内周側の空間は、バルブボデイ6に形成した半
径方向の変圧通路28を介して変圧室Dに連通させ、さら
に該変圧室Dをバルブボデイ6に形成した他の変圧通路
29を介して変圧室Bに連通させている。また、上記第2
弁座18と弁体20の第2シート部22とが接触する内方側
(左方側)の内部空間は、後述する第2弁座18に設けた
連通路と上記バルブボデイ6の大気通路6aに設けたフィ
ルタ30とを介して大気に連通させるようにしている。
上記バルブボデイ6に摺動自在に設けた弁プランジャ
17の右端部には、図示しないブレーキペダルに連動する
オペレーティングロッド31のフロント側端部を連結して
あり、本実施例では、これら弁プランジャ17とオペレー
ティングロッド31とによって、上記弁機構15を作動させ
る入力軸32を構成している。そして、この入力軸32の先
端となる上記弁プランジャ17の左端部は、プッシュロッ
ド33の基部に形成した凹部33a内のリアクションディス
ク34の右端面に対向させている。
上記プッシュロッド33の左端部は、シール部材35を介
してフロントシェル1の軸部開口1aから摺動自在に外部
に突出させて図示しないマスターシリンダのピストンに
連動させている。また、上記バルブボデイ6は、リター
ンスプリング36によって通常は図示非作動位置に保持し
ている。
然して、本実施例では、上記弁プランジャ17のリヤ側
端部は、筒状の弁体20を貫通させて該弁体20よりもリヤ
側となる大気通路6a内に位置させてあり、その状態の弁
プランジャ17のリヤ側端部に、上記フィルタ30を貫通し
たオペレーティングロッド31の先端凹部を嵌装してカシ
メることによって、弁プランジャ17にオペレーティング
ロッド31を枢支連結するようにしている。そして、上述
のように、本実施例では上記弁プランジャ17とオペレー
ティングロッド31とによって上記弁機構15を作動させる
入力軸31を構成している。
上記オペレーティングロッド31に連結した弁プランジ
ャ17のリヤ側の端部外周には段付カップ状のリテーナ37
を嵌着してあり、そのリテーナ37と弁体20とにわたって
上記ばね19を弾装することで、弁体20をフロント側にむ
けて常時付勢するようにしている。
また、本実施例では、上記リテーナ37の先端を嵌着し
た位置から前方側にわたる弁プランジャ17の所定範囲の
外周部を、上記弁体20の第2シート部22が気密を保持し
て摺接される上記第2弁座18として構成している。そし
て、この第2弁座18のフロント側に位置する弁プランジ
ャ17の外周部にフランジ状のストッパ部17aを形成して
あり、このストッパ部17aに弁体20のフロント側端部が
当接することにより、該弁体20に対する弁プランジャ17
のリヤ側端部を規制するようにしている。
そして、本実施例では、上記第2弁座18を構成する範
囲の上記弁プランジャ17の外周面のリヤ側の位置を、複
数の軸方向溝からなる連通路17bを形成した連通部分と
してあり、他方、その連通路17bよりもフロント側に位
置した第2弁座18としての外周面は、表面に凹凸がない
円柱形状のシール部分としている。
したがって、第2弁座18におけるリヤ側の連通路17b
を形成した連通部分上に弁体20の第2シート部22が摺接
した状態では、連通路17bを介して第2シート部22の内
外が連通されて、上記変圧室B,D内に大気を導入するこ
とができる。これに対して、第2弁座18における連通路
17bを設けた連通部分よりもフロント側のシール部分に
弁体20の第2シート部22が摺接した状態では、第2シー
ト部22と第2弁座18とが密接して両部材の気密が維持さ
れるので、変圧室B,D内への大気の導入が阻止される。
以上の構成において、第1図に示すブレーキ倍力装置
の非作動状態では、上記ストッパ部17aに弁体20の先端
が当接しており、その状態では、上記第2弁座20のフロ
ント側のシール部分に第2シート部22が密接しているの
で、変圧室B,D内への大気の導入が阻止されている。ま
た、バルブボディ6の第1弁座16と弁体20の第1シート
部21とはわずかに離隔しているので、上記定圧室A,Cと
変圧室B,Dとは相互に連通して負圧が導入されている。
この非作動状態から、図示しないブレーキペダルが踏
み込まれて入力軸32が左行されると、バルブボディ6の
第1弁座16と弁体20の第1シート部21とが当接されて、
定圧室A,Cと変圧室B,Dとの連通状態が遮断され、次に第
2弁座18が弁体20の第2シート部22に対して前進される
ようになる。したがって、相対的に弁体20の第2シート
部22が第2弁座18におけるフロント側からリヤ側に摺動
されて連通路17bの位置に摺接する。これにより、該連
通路17bを介して変圧室B,D内に大気が導入されるので、
従来周知のブレーキ倍力装置と同様にプッシュロッド33
から所定のサーボ比の出力を得ることができる。
また、このブレーキ作動状態からブレーキペダルの踏
力が解放されて非作動状態に切り変わった場合には、上
記各部材は上述した作動とは逆の過程を経て第1図に示
す元の非作動位置に復帰するようになる。
以上のように、本考案では、上記第2シート部22を第
2弁座18に密接させた状態において、該第2弁座18のフ
ロント側のシール部分とリヤ側の連通路17bを形成した
連通部分とに第2シート部22を摺動させ、それによっ
て、変圧室B,D内と大気との連通状態を切り換えること
ができる。そのため、例えば、変圧室B,D内を大気と連
通させた際に、上記第2弁座18と第2シート部22とが完
全に軸方向において離隔されるように構成した従来の弁
機構と比較すると、本実施例では変圧室B,D内と大気と
の連通状態の切り換え作動の信頼性を向上させることが
できる。
また、本実施例では、上記第2シート部22は、連通路
17bとストッパ部17aとの間に位置する第2弁座18の範囲
内で、大気の導入を阻止した状態を維持したまま軸方向
に摺動できるように構成してあるので、いわゆるブレー
キペダルの踏み込み作動時と解放作動時との出力の差で
あるヒステリシスを大きくすることができ、したがっ
て、運転者に良好なブレーキフィーリングを付与するこ
とができる。
第3図は本考案の第2実施例を示したものであり、こ
の第2実施例においては、オペレーティングロッド131
を弁体120に貫通させて、該弁体120よりもフロント側に
位置させたオペレーティングロッド131の端部を上記弁
プランジャ117のリヤ側端部に枢支連結することで入力
軸132を構成している。そして、上記オペレーティング
ロッド131の外周部を上記弁体120の第2シート部122が
密接して摺動する上記第2弁座118としてあり、その第
2弁座118のリヤ側に複数の軸方向溝からなる連通路131
aを形成したものである。
また、この第2実施例では、弁プランジャ117のリヤ
側端面を上記第1実施例におけるストッパ部117aとして
構成するとともに、そのストッパ部117aと当接する弁体
120の端面側に,さらに確実に気密を保持するための環
状突起120aを形成するようにしている。
このような第2実施例の構成であっても、上述した第
1実施例と同様の作用効果を得ることができる。この第
2実施例では、上記第1実施例に対応する各部材には原
則として100を加算した部材番号を付している。
なお、上記各実施例では、弁プランジャ17あるいはオ
ペレーティングロッド131の外周部に形成した軸方向溝
によって上記連通路17b,131aを構成しているが、このよ
うな軸方向溝の代わりに、外周面の軸方向前後の位置に
両端を開口させた軸方向孔によって上記連通路を構成す
るようにしても良い。
「考案の効果」 以上のように、本考案によれば、第2弁座と第2シー
ト部とによる圧力流体の導入と阻止との切り換え作動の
信頼性を向上させることができるという効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例を示す断面図、第2図は第1
図のII−II線に沿う中心部の拡大断面図、第3図は本考
案の他の実施例を示す断面図である。 6……バルブボデイ 15,115……弁機構、16……第1弁座 17b,131a……連通路、18,118……第2弁座 20,120……弁体、21……第1シート部 22,122……第2シート部

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】バルブボデイに形成した環状の第1弁座
    と、筒状の弁体に設けられて上記第1弁座に接離する第
    1シート部と、上記弁体の軸部に摺動自在に貫通させた
    入力軸と、この入力軸の外周面所定位置に形成した第2
    弁座と、上記弁体に設けられて上記第2弁座の外周面に
    気密を保って摺接するとともに、該第2弁座からリヤ側
    に離隔される第2シート部とを備えたブレーキ倍力装置
    の弁機構において、 上記第2弁座をリヤ側に延長して該第2弁座のフロント
    側をシール部分、リヤ側を連通部分とし、また上記第2
    シート部をリップ状に形成するとともに該第2シート部
    を上記第2弁座のシール部分と連通部分とに渡って移動
    可能に摺接させて該第2シート部が第2弁座からリヤ側
    に離隔しないようにし、さらに上記第2弁座の連通部分
    に連通路を形成して、上記第2シート部を連通部分上に
    位置させた際に上記連通路を介して第2シート部の前後
    の空間を連通させるとともに、該第2シート部をシール
    部分上に位置させた際にその連通を遮断させるようにし
    たことを特徴とするブレーキ倍力装置の弁機構。
JP1990085309U 1990-08-10 1990-08-10 ブレーキ倍力装置の弁機構 Expired - Lifetime JPH086664Y2 (ja)

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