JPH09267742A - 倍力装置 - Google Patents

倍力装置

Info

Publication number
JPH09267742A
JPH09267742A JP8104050A JP10405096A JPH09267742A JP H09267742 A JPH09267742 A JP H09267742A JP 8104050 A JP8104050 A JP 8104050A JP 10405096 A JP10405096 A JP 10405096A JP H09267742 A JPH09267742 A JP H09267742A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
valve body
sleeve
spring
plunger
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8104050A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3599076B2 (ja
Inventor
Hiroyuki Oka
弘之 岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Jidosha Kiki Co Ltd
Original Assignee
Jidosha Kiki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Jidosha Kiki Co Ltd filed Critical Jidosha Kiki Co Ltd
Priority to JP10405096A priority Critical patent/JP3599076B2/ja
Publication of JPH09267742A publication Critical patent/JPH09267742A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3599076B2 publication Critical patent/JP3599076B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Braking Systems And Boosters (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 弁プランジャ7の外周部には、スリーブ
8を摺動自在に設けてあり、また、スリーブ8の内方に
は、ばねリング23とレバー22からなる切り換え機構
14を設けている。スリーブ8の真空弁座と9とそれに
接離する弁体11のシート部によって真空弁24を構成
し、バルブボディ2の大気弁座6とそれに接離する弁体
のシート部とによって大気弁18を構成している。非作
動状態からブレーキペダルが急激に踏み込まれると、ス
リーブ8、ばねリング23、および弁プランジャ7がス
ペーサ31(バルブボディ2)に対して前進されて、ば
ねリング23のばね部23Dがスペーサ31の段部に係
合した状態に保持される。これにより、真空弁24が閉
鎖される一方、大気弁18が最大開度で開放される。 【効果】 急制動時におけるブレーキ倍力装置の作動応
答性を向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車のブレーキ等に用
いられる倍力装置に関し、より詳しくは、急制動時の作
動応答性が良好な倍力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、負圧を利用したブレーキ倍力装置
は知られている。このようなブレーキ倍力装置では、ブ
レーキペダルの踏み込みにより入力軸が前進すると、バ
ルブボディ内の弁プランジャを介して真空弁が閉鎖され
て大気弁が開放されるので、変圧室内に大気が導入され
て、この変圧室と負圧が導入されている定圧室との間に
差圧が生じて、パワーピストンが作動し、出力軸から出
力するようになっている。ところで、上述した従来の倍
力装置では、入力軸の前進によって大気弁が開放される
時に、その開度が比較的小さく設定されていたものであ
る。この大気弁の開度は、通常の制動時における作動応
答性は充分に満足させることができるが、急制動時にお
ける作動応答性は、充分とはいえなかった。そこで、急
制動時における作動応答性を向上させることができる倍
力装置として、例えば特開平5−155331号公報の
倍力装置が提案されている。上記公報に開示された倍力
装置は、従来一般の大気弁および大気通路の他に、常閉
の第2大気弁と第2大気通路とを備えている。そして、
通常の制動時には、入力軸に連動する弁プランジャの移
動によって従来から設けている大気弁は開放されるが、
この時の弁プランジャの移動では第2大気弁は開放され
ず、第2大気通路からは、大気が変圧室に流入しないよ
うになっている。したがって、大気が従来から設けられ
ている大気弁と大気通路とを通ってのみ変圧室に流入
し、通常の制動が行われる。これに対して、ブレーキペ
ダルが急激に踏み込まれる急制動時には、弁プランジャ
の比較的大きな移動によって従来から設けられている大
気弁とともに第2大気弁も開放される。そのため、大気
は、従来から設けられている大気弁と大気通路および、
第2大気弁と第2大気通路とを介して変圧室内に流入す
る。これによって、大気が変圧室内に急速に導入される
ので、急制動が確実に行われるようになっており、した
がって、急制動時における初期の良好な作動応答性を得
ることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に開示された倍力装置では、急制動時出力が高くなる
に従いバルブボディが前進する為、2つの大気弁の弁間
隙は狭くなり、大気導入も遅くなるので、高出力での応
答性は必ずしも満足のできるものではなかった。また、
この時入力軸に反力が伝わってくるが、高い踏力を維持
できない運転者もおり、この場合、緊急ブレーキとして
の高出力を得られないという欠点があった。また、この
倍力装置は、第2大気弁と第2大気通路とを設ける必要
があるため、倍力装置の構造が複雑になるという欠点が
あった。
【0004】
【課題を解決するための手段】上述した事情に鑑み、本
発明は、シェル内に摺動自在に設けた概略筒状のバルブ
ボディと、このバルブボディの外周部に設けたパワーピ
ストンと、このパワーピストンの前後に区画形成した定
圧室と変圧室と、上記バルブボディ内に設けられ、入力
軸の進退動に連動してバルブボディ内の流路の開閉制御
を行う弁機構とを備えた倍力装置において、上記弁機構
を、上記バルブボディの内周部にフロント側にむけて形
成した大気弁座と、上記バルブボディ内に摺動自在に嵌
合されて入力軸に連動する弁プランジャと、上記弁プラ
ンジャに摺動自在に嵌装したスリーブと、上記大気弁座
の内方側で、上記スリーブにフロント側に向けて形成し
た真空弁座と、上記両弁座にフロント側から着座する弁
体と、上記弁体を付勢して上記両弁座に着座させる第1
ばねと、上記スリーブを弁プランジャに対してリヤ側に
付勢する第2ばねと、上記弁プランジャに設けられて、
該弁プランジャが急激に前進された際に上記スリーブを
バルブボディに対して最もフロント側となる前進端位置
に保持するとともに、入力軸を介して入力がなくなった
時に上記バルブボディに対するスリーブの保持状態を解
放する切り換え機構とから構成したものである。
【0005】
【作用】このような構成によれば、ブレーキペダルが踏
み込まれて入力軸および弁プランジャが急激に前進され
た際には、弁プランジャの移動過程において、スリーブ
に設けた真空弁座が弁体に着座した後、弁体が大気弁座
から離座し、さらに、スリーブが切り換え機構によって
前進端位置に保持される。これにより、弁体と大気弁座
との離隔量(開度)は最大に維持される。そのため、大
気が変圧室内に迅速に導入され、かつ、変圧室が大気圧
となる最大の出力で倍力装置が迅速に作動する。そし
て、この作動状態からブレーキペダルの踏み込みが解放
されて入力軸からの入力がなくなると、切り換え機構に
よって、上記バルブボディに対するスリーブの保持状態
が解放されて、弁機構は非作動状態に復帰する。したが
って、比較的簡単な構造によって、急制動時における作
動応答性が良好でかつ高出力が得られる倍力装置を提供
することができる。なお、ブレーキペダルがゆっくりと
踏み込まれた場合には、切り換え機構は作動しないの
で、ブレーキペダルが踏み込まれて入力軸および弁プラ
ンジャが前進されると、弁プランジャの移動過程におい
て、スリーブに設けた真空弁座が弁体に着座した後、弁
体が大気弁座から離座する。この場合、弁体と大気弁座
との離隔量(開度)は比較的小さいため、ブレーキペダ
ルがゆっくりと踏み込まれたことに対応して、従来と同
様に、ブレーキ倍力装置の出力はブレーキペダルの踏力
に応じた出力までゆっくりと上昇する。
【0006】
【実施例】以下図示実施例について本発明を説明する
と、図1において、ブレーキ倍力装置のシェル1内には
概略筒状のバルブボディ2を摺動自在に設けてあり、バ
ルブボディ2のリヤ側の外周部はシェル1の外部に突出
させている。上記バルブボディ2の外周部にはパワーピ
ストン3を連結してあり、このパワーピストン3の背面
にダイアフラム4を張設している。それによってシェル
1内をフロント側の定圧室Aとリヤ側の変圧室Bとに区
画形成している。バルブボディ2内には、上記定圧室A
と変圧室Bと大気との間の流体回路を切り換える弁機構
5を設けている。この弁機構5は、バルブボディ2に設
けた環状の大気弁座6と、バルブボディ2に摺動自在に
嵌合した弁プランジャ7と、スリーブ8に設けた環状の
真空弁座9と、これら両弁座6,9に着座する概略筒状
の弁体11と、この弁体11を両弁座6,9に向けて付
勢して着座させる第1ばね12と、さらにスリーブ8を
図示非作動位置に位置させる第2ばね13とを備えてい
る。また、本実施例の弁機構5は、上記弁プランジャ7
に設けた切り換え機構14を備えている。弁プランジャ
7に連結した入力軸15は、図示しないブレーキペダル
用のリターンばねの弾撥力によって図示非作動位置に位
置するようになっている。しかして、本実施例は弁機構
5を以下のように構成することにより、急制動時におけ
るブレーキ倍力装置の作動応答性を向上させたものであ
る。すなわち、バルブボディ2の内周部にはフロント側
にむけて伸びる環状突起2aを形成してあり、この環状
突起2aの先端部によって上記大気弁座6を構成してい
る。また、上記大気弁座6の外方側の軸方向孔2bおよ
びそのリヤ側に連続するバルブボディ2の内部空間によ
って大気通路16を構成している。この大気通路16に
は常時大気が導入されている。他方、弾性体からなる弁
体11は、上記大気弁座6および真空弁座9に対向する
ようにリヤ側に向けて配置している。弁体11のフロン
ト側の端部は肉厚にしてあり、その端部を円筒状のプラ
グ17のリヤ側外周部に設けた環状溝に嵌装してあり、
その状態の弁体11のフロント側の端部およびプラグ1
7の外周部をバルブボディ2の内周部にフロント側から
圧入している。そして、弁体11のシート部の裏面とプ
ラグ17の段部とにわたって上記第1ばね12を弾装し
てあり、この第1ばね12の弾撥力によって、弁体11
のシート部が上記両弁座6,9に着座するようになって
いる。また、本実施例では、上記大気弁座6とそれに接
離する弁体11のシート部とによって、上記大気通路1
6を開閉する大気弁18を構成している。なお、本実施
例のプラグ17は、実質的にバルブボディ2の一部を構
成するものである。次に、本実施例の弁プランジャ7
は、フロント側が小径となる円柱状に形成してあり、大
径としたリヤ側の端部に上記入力軸15のフロント側の
端部を連結している。弁プランジャ7における軸方向の
中央側には、所定幅の第1環状溝7aを形成している。
バルブボディ2に設けた半径方向孔2cを介して、上記
第1環状溝7aにキー部材21を係合させてあり、これ
により、弁プランジャ7がバルブボディ2から脱落する
のを防止している。第1環状溝7aの幅およびバルブボ
ディ2の半径方向孔2cの軸方向寸法は同一寸法に設定
してあり、これに対してキー部材21の厚さは、第1環
状溝7aの幅および半径方向孔2cの軸方向寸法の約半
分程度の寸法に設定している。そして、図1に示したブ
レーキ倍力装置の非作動状態では、キー部材21がシェ
ル1の段部端面に当接し、かつ、このキー部材21に、
弁プランジャ7の第1環状溝7aのフロント側の端面お
よびバルブボディ2の半径方向孔2cのフロント側の端
面が当接して、その状態を維持されている。図3にも拡
大して示すように、第1環状溝7aの少しフロント側と
なる弁プランジャ7の外周部には、深さを浅くした第2
環状溝7bを形成してあり、また、上記第1環状溝7a
のフロント側からこの第2環状溝7bまで連続させて、
半径方向の貫通孔7cを形成している。そして、第2環
状溝7bおよび貫通孔7cに、弁プランジャ7が急激に
前進された際にスリーブ8をバルブボディ2に対して最
もフロント側となる前進端位置に保持する切り換え機構
14を設けている。本実施例では、切り換え機構14
を、レバー22とばねリング23とから構成している。
レバー22は、上記弁プランジャ7における貫通孔7c
内のリヤ側の箇所に揺動自在に設けてあり、レバー22
のフロント側の端部はばねリング23と係合するととも
に、レバー22のリヤ側の端部は、第1環状溝7a内の
キー部材21と係合するようになっている。次に、図2
に拡大して示すように、ばねリング23は、その軸方向
両端部に、実質的に環状をした一対の嵌装部23A,2
3Bを備えており、それらは軸方向に伸びる一対の接続
部23Cによって連結されている。また、両嵌装部23
A,23Bの間の位置には、一方の接続部23Cから連
続する半円状のばね部23Dを形成している。このばね
部23Dは、接続部23Cから連続する円弧状の弾性部
23aと、その一端から半径方向内方に直線状に伸びる
挿入部23bと、さらに、この挿入部23bの先端を折
り曲げて形成した係合部23cとから構成している。ば
ねリング23の軸方向寸法は、上記弁プランジャ7に形
成した第2環状溝7bの軸方向寸法よりも所定寸法だけ
短く設定している。また、ばねリング23の各部の厚さ
は同一厚さとしてあり、その寸法は第2環状溝7bの深
さと同じ寸法に設定している。また、両嵌装部23A,
23Bの外径は同じ寸法にしてあり、その外径は、上記
第2環状溝7bの前後の弁プランジャ7の外径と同じに
設定している。そして、上記ばね部23Dは、図2に示
した自然状態においては、自己の弾性によって、その弾
性部23aおよび挿入部23bの一部が上記両嵌装部2
3A,23Bよりも半径方向外方に突出するようになっ
ている。そして、図3ないし図4にも拡大して示したよ
うに、上記ばねリング23を、両嵌装部23A,23B
およびばね部23Dの弾性部23aを第2環状溝7b内
に摺動自在に嵌装すると同時に、ばね部23Dの挿入部
23bおよび係合部23cを上記貫通孔7cに挿入して
いる。この貫通孔7c内に位置するばねリング23の係
合部23cに、上記レバー22のフロント側の一端を上
方側から係合させている。これにより、ばね部23Dの
弾性によって、レバー22全体が図1において、常時時
計方向に付勢されている。そのため、レバー22の他端
は、貫通孔7cのリヤ側の端部から第1環状溝7a内に
向けて付勢されて、第1環状溝7a内のキー部材21と
当接するようになっている。このように、レバー22の
リヤ側の端部がキー部材21と当接している時には、ば
ね部23Dの弾性に抗してレバー22の一端が反時計方
向に揺動されるので、ばね部23Dは半径方向内方に向
けて弾性変形されて、弾性部23aの半径方向外方への
弾性部23aの突出量が小さくなるように構成してい
る。また、上記ばねリング23を弁プランジャ7の第2
環状溝7bに嵌装することにより、ばねリング23のフ
ロント側端部となる嵌装部23Aの外周面と、第2環状
溝7bのフロント側となる弁プランジャ7の外周面とが
同一周面上に位置している。そして、このように同一周
面上に位置したばねリング23の嵌装部23Aおよびそ
のフロント側となる弁プランジャ7の外周部にわたって
上記スリーブ8を摺動自在に嵌装している。本実施例の
スリーブ8は、そのフロント側の端部に半径方向外方に
伸びるフランジ部8aを形成してあり、このフランジ部
8aの外周部にフロント側にむけて突設した環状突起に
よって上記真空弁座9を構成している。また、この真空
弁座9とそれに接離する弁体11のシート部によって真
空弁24を構成している。この真空弁24および弁体1
1の内方の空間および、それから連続するプラグ17の
軸方向孔17aとによって真空通路25を構成してい
る。真空通路25は定圧室Aと常時連通しており、定圧
室A内には図示しない負圧導入管を介して常時負圧が導
入されているので、真空通路25にも常時負圧が作用し
ている。また、真空弁24と上記大気弁18との間の空
間は、バルブボディ2の半径方向孔2cから構成した変
圧通路26を介して変圧室Bに連通している。上記スリ
ーブ8のフランジ部8aとプラグ17の端面とにわたっ
て上記第2ばね13を弾装しているので、スリーブ8は
弁プランジャ7に対して常時リヤ側にむけて付勢されて
いる。このように第2ばね13によってリヤ側に付勢さ
れたスリーブ8は、そのリヤ側の端部が、半径方向外方
に突出した状態のばねリング23のばね部23Dに常時
当接し、したがって、スリーブ8およびそれに当接した
状態のばねリング23は、弁プランジャ7に対して常時
リヤ側にむけて付勢されている。なお、スリーブ8が摺
接する位置となる弁プランジャ7の外周部には、シール
部材27を取り付けてあり、それによって、スリーブ8
の内周部と弁プランジャ7の外周部との間の気密を保持
している。また、第1環状溝7aよりもリヤ側となる弁
プランジャ7の外周部にもシール部材28を取り付けて
あり、それによって、弁プランジャ7の外周部とバルブ
ボディ2の内周部との間の気密を保持している。次に、
バルブボディ2の内周部におけるばねリング23を囲繞
する箇所は、段部としてあり、その段部に環状をしたス
ペーサ31をフロント側から螺着している。このスペー
サ31は金属製であり、実質的にバルブボディ2の一部
を構成するものである。スペーサ31のリヤ側の内周部
は縮径させて小径部31aとしてあり、その小径部31
aの内径は、上記スリーブ8のフランジ部8aよりもリ
ヤ側の筒状部分の外径よりも少し大きく設定している。
また、小径部31aの内径は、上記ばねリング23にお
けるばね部23Dが自然状態において、外方側に向けて
最も突出した状態の弾性部23aよりも、小径となるよ
うに設定している。そして、図示ブレーキ倍力装置の非
作動状態では、図示しないブレーキペダル用のリターン
ばねの付勢力によって、キー部材21がシェル1の段部
端面に当接し、また、そのキー部材21に対してバルブ
ボディ2の半径方向孔2cのフロント側の端面および弁
プランジャ7の第1環状溝7aのフロント側の端面が当
接している。またこれと同時に、レバー22におけるリ
ヤ側の端部がキー部材21に当接して、レバー22のフ
ロント側端部によってばねリング23のばね部23Dは
内方に押し下げられている。そのため、ばねリング23
のばね部23Dの半径方向外方への突出量は小さくなっ
ており、上記スペーサ31における小径部31a内にば
ねリング23のばね部23Dが挿入されている。上述し
たように、スリーブ8とばねリング23は、第2ばね1
3によって常時リヤ側に付勢されているので、ばねリン
グ23のばね部23Dが、スペーサ31における小径部
31a内に挿入され、かつばねリング23のリヤ側端部
(23B)が、第2環状溝7Bにおけるリヤ側の端部に
当接している。つまり、この状態は、スリーブ8および
ばねリング23が弁プランジャ7に対して最もリヤ側に
位置している。この非作動状態では、真空弁座9が弁体
11から離座して真空弁24は開放されており、他方、
第1ばね12によって弁体11が大気弁座6に着座して
大気弁18は閉鎖されている。本実施例では、弁機構5
を上述のように構成している。次に、プラグ17のリヤ
側の内周部に上記弁プランジャ7のフロント側の外周部
を摺動自在に嵌合してあり、また、このプラグ17に設
けた環状突起17bの端面に円盤状のリアクションディ
スク32を当接させている。リアクションディスク32
は、プッシュロッド33の基部に設けた凹部33a内に
収納してあり、プッシュロッド33の凹部33aの先端
部は、上記プラグ17の環状突起17bに摺動自在に嵌
装させている。なお、図示ブレーキ倍力装置の非作動状
態では、リアクションディスク32と弁プランジャ7の
先端との間に間隙が維持されている。プッシュロッド3
3のフロント側には環状のリテーナ34をフロント側か
ら嵌装させた後、バルブボディ2の内周部に嵌合させ、
かつプラグ17のフロント側の端面およびバルブボディ
2の段部端面に当接させている。それによって、プッシ
ュロッド33およびプラグ17がバルブボディ2からフ
ロント側にむけて脱落するのを防止している。さらに、
上述したリテーナ34とシェル1のフロント側の壁面と
にわたってはリターンスプリング35を弾装してあり、
したがって、バルブボディ2等はリヤ側に付勢されて図
示非作動位置に位置している。 (作動説明)以上の構成において、図1に示したブレー
キ倍力装置の非作動状態では、キー部材21がシェル1
の段部断面に当接して停止しており、このキー部材21
にバルブボディ2の半径方向孔2cのフロント側の端面
および弁プランジャ7の第1環状溝7aのフロント側の
端面が当接して弁機構5は非作動状態に維持されてい
る。すなわち、外方側に位置する大気弁18は、弁体1
1のシート部が第1ばね12に付勢されて大気弁座6に
着座することで閉鎖されている。他方、レバー22のリ
ヤ側の端部がキー部材21に当接して、ばねリング23
のばね部23Dが半径方向内方側に押し下げられてい
る。そのため、ばねリング23のばね部23Dがスペー
サ31の小径部31aの内方に挿入されており、第2ば
ね13に付勢されたスリーブ8とばねリング23は、ば
ねリング23のリヤ側端部が弁プランジャ7の第2環状
溝7bのリヤ側端部に当接している。したがって、、真
空弁座9が弁体11から離座して真空弁24は開放され
ており、定圧室Aだけでなく変圧室Bにも負圧が導入さ
れている。また、この非作動状態では、弁プランジャ7
のフロント側の端部とリアクションディスク32との間
にも間隙が維持されている。次に、図5に示すように、
上記非作動状態からブレーキペダルが急激に踏み込まれ
ると、それに連動して入力軸15および弁プランジャ7
も急激に前進される。すると、上記弁プランジャ7の前
進に伴って第2ばね13が圧縮されるとともに、レバー
22のリヤ側の端部がキー部材21から離隔するので、
ばねリング23のばね部23Dは自己の弾性によって外
方にむけて拡径する。これにより、ばね部23Dは、ス
ペーサ31におけるフロント側の大径部の内周面および
小径部31aのフロント側の端面に係合し、スリーブ8
はバルブボディ2に対して最もフロント側となる前進端
位置に保持される。また、この過程において、真空弁座
9が弁体11に着座して真空弁24が閉鎖される一方、
弁体11が大気弁座6から離隔して大気弁18が開放さ
れる。そして、スリーブ8がバルブボディ2に対して前
進端位置に保持されるので、弁体11が大気弁座6から
離隔する大気弁18の離隔量(開度)が最大に維持され
る。これにより、定圧室Aと変圧室Bとの連通状態が阻
止される一方、大気通路16内の大気は、大きな開度で
開放されている大気弁18を流通した後、変圧通路26
を介して迅速に変圧室Bに導入される。したがって、定
圧室Aと変圧室Bとの間に差圧が生じてバルブボディ2
およびプッシュロッド33が前進されるとともに、弁プ
ランジャ7のフロント側の端部がリアクションディスク
32と当接するが、弁体11が大気弁18から離座した
状態で保持されるので、最大の出力を迅速に得ることが
できる。この後、ブレーキペダルの踏み込みが継続され
ている状態では、レバー22のリヤ側の端部はキー部材
21と当接しないので、上記ばねリング23のばね部2
3Dは、スペーサ31のフロント側の大径部に係合した
状態を維持されて、大気弁18は開度が最大に維持され
て、ブレーキ倍力装置の作動状態が維持される。このよ
うに、本実施例によれば、上記切り換え機構14によっ
て急制動時において大気弁18が大きな開度に迅速に切
り換えられるので、急制動時における作動応答性が良好
でかつ高出力を得ることができる。しかも、比較的簡単
な構造によって、急制動時における作動応答性が良好な
倍力装置を提供することができる。上述した急制動時の
作動状態から運転者によるブレーキペダルの踏み込みが
解除されると、先ず図6に示すように、入力軸15およ
び弁プランジャ7がブレーキペダル用のリターンスプリ
ングによってリヤ側に戻される。ここで、ばねリング2
3の軸方向寸法に対して、弁プランジャ7の第2環状溝
7bの軸方向寸法は大きいので、それらの寸法の違い分
だけ、弁プランジャ7および入力軸15は、バルブボデ
ィ2に対してリヤ側に後退する。そして、この入力軸1
5および弁プランジャ7の後退に伴って、キー部材21
にレバー21のリヤ側端部が当接してレバーが反時計方
向に揺動され、レバー21のフロント側の端部によって
ばね部23Dが半径方向内方に向けて強制的に縮径され
る。このように、縮径されたばね部23Dは、スペーサ
の小径部の内径よりも僅かに内方側まで縮径される。し
たがって、ばね部23Dがスペーサ31の段部から離隔
して、上述した保持状態が解除される。そのため、図7
に示すように、スペーサ31およびばねリング23は第
2ばね13によって付勢されて、ばねリング23のリヤ
側端部が弁プランジャ7の第2環状溝7bのリヤ側端面
に当接するまで弁プランジャ7に対して移動し、これに
よって、実質的に一体となったスリーブ8、ばねリング
23および弁プランジャ7は、図示しないブレーキペダ
ル用のリターンばねによって、ばね部23Dがスペーサ
31の小径部31aの内方のリヤ側となる位置まで、バ
ルブボディ2に対してリヤ側に後退する。この過程にお
いて、大気弁18が閉鎖されるとともに、真空弁24が
開放される。この後、リターンスプリング35に付勢さ
れてリヤ側に向けてバルブボディ2が移動された後、キ
ー部材21がシェル1の段部端面に当接する。そして、
さらに、このキー部材21に対してバルブボディ2の半
径方向孔2cのフロント側の端面および弁プランジャ7
の第1環状溝7aのフロント側の端面が当接するので、
弁機構5は図1に示した非作動状態に復帰する。次に、
上述した急制動時におけるブレーキ倍力装置の作動に対
して、図1に示した非作動状態からブレーキペダルがゆ
っくりと踏み込まれた時の作動を説明する。この場合、
ブレーキペダルがゆっくりと踏み込まれると、実質的に
一体となった状態のスリーブ8、ばねリング23および
弁プランジャ7が入力軸15に連動して、バルブボディ
2に対してフロント側にむけてゆっくりと前進される。
このようにバルブボディ2に対してばねリング23およ
び弁プランジャ7がバルブボディ2に対してゆっくりと
前進されると、ばねリング23のばね部23Dがスペー
サ31における小径部31aの内方側を移動している過
程において、上記スリーブ8に設けた真空弁座9が弁体
11に着座して真空弁24が閉鎖されるとともに、弁体
11が大気弁座6から離座して大気弁18が小さな開度
で解放される。これにより、小さな開度で開放された大
気弁18を経由して変圧室B内に大気が徐々に導入され
て、バルブボディ2が前進される。つまり、図1に示し
た非作動状態からブレーキペダルがゆっくりと踏み込ま
れた時には、ばねリング23のばね部23Dがスペーサ
31における小径部31aの内方側を移動する範囲内に
おいて、ブレーキ倍力装置が作動されるようになってい
る。また、この後、ブレーキペダルの踏み込みが解除さ
れて入力軸15からの入力が無くなると、ばねリング2
3のばね部23Dは、スペーサ31における小径部31
aの内方側の範囲内に位置しているので、実質的に一体
となった状態のスリーブ8、ばねリング23および弁プ
ランジャ7は、ブレーキペダル用のリターンスプリング
および第2ばね13の弾撥力によって、バルブボディ2
に対して後退し、これに伴って、真空弁24が開放され
るとともに大気弁18が閉鎖される。この後、リターン
スプリング35によって、バルブボディ2がリヤ側に付
勢されることにより、バルブボディ2および弁機構5
は、図1に示した非作動状態に復帰する。つまり、非作
動状態からブレーキペダルがゆっくりと踏み込まれた時
には、切り換え機構14は作動しないようになってい
る。
【0007】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、比較的簡
単な構造によって、急制動時における作動応答性が良好
でかつ、高出力が得られる倍力装置を提供できるという
効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図。
【図2】図1に示した要部の斜視図。
【図3】図1に示した要部の平面図。
【図4】図3のIV−IV線に沿う断面図。
【図5】図1に示した要部の急制動時の作動状態を示す
断面図。
【図6】図5の状態から非作動状態に復帰する過程を示
す断面図。
【図7】図5の状態から非作動状態に復帰する過程を示
す断面図。
【符号の説明】
2…バルブボディ 3…パワーピストン 5…弁機構 6…大気弁座 7…弁プランジャ 8…スリーブ 9…真空弁座 11…弁体 12…第1ばね 13…第2ばね 14…切り換え機構 A…定圧室 B…変圧室

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シェル内に摺動自在に設けた概略筒状の
    バルブボディと、このバルブボディの外周部に設けたパ
    ワーピストンと、このパワーピストンの前後に区画形成
    した定圧室と変圧室と、上記バルブボディ内に設けら
    れ、入力軸の進退動に連動してバルブボディ内の流路の
    開閉制御を行う弁機構とを備えた倍力装置において、 上記弁機構を、上記バルブボディの内周部にフロント側
    にむけて形成した大気弁座と、上記バルブボディ内に摺
    動自在に嵌合されて入力軸に連動する弁プランジャと、
    上記弁プランジャに摺動自在に嵌装したスリーブと、上
    記大気弁座の内方側で、上記スリーブにフロント側に向
    けて形成した真空弁座と、上記両弁座にフロント側から
    着座する弁体と、上記弁体を付勢して上記両弁座に着座
    させる第1ばねと、上記スリーブを弁プランジャに対し
    てリヤ側に付勢する第2ばねと、上記弁プランジャに設
    けられて、該弁プランジャが急激に前進された際に上記
    スリーブをバルブボディに対して最もフロント側となる
    前進端位置に保持するとともに、入力軸を介して入力が
    なくなった時に上記バルブボディに対するスリーブの保
    持状態を解放する切り換え機構とから構成したことを特
    徴とする倍力装置。
  2. 【請求項2】 上記弁プランジャは軸方向所定位置に第
    1環状溝を備えるとともに、この第1環状溝に係合させ
    たキー部材によって該弁プランジャがバルブボディから
    脱落するのを防止されており、 また、弁プランジャにおける第1環状溝よりもフロント
    側には第2環状溝を形成するとともに、該第2環状溝か
    ら上記第1環状溝まで連続する半径方向の貫通孔を形成
    してあり、 また、自然状態では自己の弾性によって上記弁プランジ
    ャの外周面よりも半径方向外方に突出するばね部を有す
    る概略環状のばねリングを、上記弁プランジャの第2環
    状溝内に摺動自在に嵌装し、 さらに、一端が上記ばねリングのばね部と係合し、他端
    が第1環状溝内のキー部材と係合するレバーを上記弁プ
    ランジャの貫通孔内に揺動自在に設けて、上記ばねリン
    グとレバーとによって上記切り換え機構を構成し、 上記弁プランジャが急激に前進された際には、上記スリ
    ーブのリヤ側端部に当接したばねリングのばね部がバル
    ブボディの段部に係合することで、スリーブはバルブボ
    ディに対して前進端位置に保持され、 入力軸を介して入力がなくなった時に上記スリーブに対
    して弁プランジャがリヤ側に後退して上記レバーがキー
    部材に当接して揺動されることにより、上記ばねリング
    のばね部が縮径されてバルブボディの段部から離隔する
    ことにより、バルブボディに対するスリーブの保持状態
    が解除されるように構成されていることを特徴とする請
    求項1に記載の倍力装置。
JP10405096A 1996-03-29 1996-03-29 倍力装置 Expired - Fee Related JP3599076B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10405096A JP3599076B2 (ja) 1996-03-29 1996-03-29 倍力装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10405096A JP3599076B2 (ja) 1996-03-29 1996-03-29 倍力装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09267742A true JPH09267742A (ja) 1997-10-14
JP3599076B2 JP3599076B2 (ja) 2004-12-08

Family

ID=14370392

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10405096A Expired - Fee Related JP3599076B2 (ja) 1996-03-29 1996-03-29 倍力装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3599076B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030010107A (ko) * 2001-07-25 2003-02-05 주식회사 만도 차량용 브레이크 부스터
FR2848965A1 (fr) * 2002-12-20 2004-06-25 Bosch Gmbh Robert Servomoteur d'assistance pneumatique de freinage d'un vehicule muni d'un dispositif d'asservissement mecanique supplementaire

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030010107A (ko) * 2001-07-25 2003-02-05 주식회사 만도 차량용 브레이크 부스터
FR2848965A1 (fr) * 2002-12-20 2004-06-25 Bosch Gmbh Robert Servomoteur d'assistance pneumatique de freinage d'un vehicule muni d'un dispositif d'asservissement mecanique supplementaire

Also Published As

Publication number Publication date
JP3599076B2 (ja) 2004-12-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH032706B2 (ja)
JP2002240702A (ja) ブレーキ倍力装置
JP3456506B2 (ja) 倍力装置
JP3956902B2 (ja) 負圧式倍力装置
JP3419162B2 (ja) 倍力装置
JPH11217072A (ja) ブレーキ倍力装置
JP3599076B2 (ja) 倍力装置
JP3700069B2 (ja) 倍力装置の反力機構
JPS5821808Y2 (ja) 気圧式倍力装置
JPH1044973A (ja) 倍力装置
JP2002145045A (ja) ブレーキ倍力装置
JP2853303B2 (ja) ブレーキ倍力装置の弁機構
JP3744852B2 (ja) 負圧式ブレーキ倍力装置
JP3633714B2 (ja) 倍力装置
JP3456508B2 (ja) 倍力装置
JPH1044974A (ja) 倍力装置
JPH1059164A (ja) 倍力装置
JP3940871B2 (ja) 倍力装置の反力機構
JPH11208456A (ja) 気圧式倍力装置
JP3700068B2 (ja) 倍力装置
JP3695556B2 (ja) 倍力装置の反力機構
JP3614262B2 (ja) 倍力装置
JPH0541105Y2 (ja)
JPH0539021Y2 (ja)
JPH11348763A (ja) ブレーキ倍力装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040210

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040825

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040907

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees