JP2002030110A - 変性共役ジエン系重合体、その製造方法およびゴム組成物 - Google Patents
変性共役ジエン系重合体、その製造方法およびゴム組成物Info
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Abstract
作用が改善され、得られる加硫物の反撥弾性、機械的特
性、加工性、耐摩耗性に優れた、変性共役ジエン系重合
体を得る。 【解決手段】 共役ジエン系重合体が、(d)キノン系
化合物、(e)チアゾール系化合物、(f)スルフェン
アミド系化合物、(g)ジチオカルバミン酸塩系化合
物、(h)チウラム系化合物および(i)チオイミド系
化合物の群から選ばれた少なくとも1種の化合物で変性
もしくはカップリングされ、かつシス−1,4−結合含
量が85%以上、ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィーで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量
(Mn)との比(Mw/Mn)が4以下であるカーボン
ブラックの分散性に優れた変性共役ジエン系重合体、こ
の変性共役ジエン系重合体の製造方法、さらにはこの変
性共役ジエン系重合体を含むゴム成分にカーボンブラッ
クを配合したゴム組成物。
Description
重合体に関し、さらに詳細には、希土類元素化合物触媒
を用いて、共役ジエン系化合物を重合し、次いで、重合
された直後の重合体に、特定の化合物を用いて、変性も
しくはカップリング反応させることにより、カーボンブ
ラックなどのゴム補強材と相互作用し、このゴム補強材
のゴム成分中への分散性が良好で、この結果、反撥弾
性、耐摩耗性、機械的特性などの物性に優れた変性共役
ジエン系重合体に関する。
来より数多くの提案がなされており、工業的に極めて重
要な役割を担っている。特に、熱的および機械的特性に
おいて、高性能化された共役ジエン系重合体を得る目的
で、高いシス−1,4結合含量を与える数多くの重合触
媒が研究・開発されている。例えば、ニッケル、コバル
ト、チタンなどの遷移金属化合物を主成分とする複合触
媒系は公知である。そして、その中の幾つかは、既にブ
タジエン、イソプレンなどの重合触媒として工業的に広
く用いられている〔End.Ing.Chem.,4
8,784(1956)、特公昭37−8198号公報
参照〕。
よび優れた重合活性を達成すべく、希土類金属化合物と
第I〜III 族の有機金属化合物からなる複合触媒系が研
究開発され、高立体特異性重合の研究が盛んに行なわれ
るようになった。特公昭47−14729号公報には、
セリウムオクタノエートなどの希土類金属化合物とジイ
ソブチルアルミニウムハイドライドなどのアルキルアル
ミニウムハイドライドやトリアルキルアルミニウムとエ
チルアルミニウムジクロライドなどのアルミニウムハラ
イドからなる触媒系が示されている。特に、同公報に
は、触媒をブタジエンの存在下で熟成することにより、
触媒活性が増加することが示されている。
昭63−64444号公報、特公平1−16244号公
報には、希土類元素の重合溶媒への化合物の溶解性を高
めることにより、触媒活性を高める方法が提案されてい
る。さらに、特公平4−2601号公報には、希土類金
属化合物、トリアルキルアルミニウムまたはアルミニウ
ムハイドライドおよび有機ハロゲン誘導体からなる触媒
系が、1,3−ブタジエンの重合に従来より高い活性を
示すことが示されている。しかしながら、従来の希土類
金属化合物を含む触媒系によって得られる重合体は、分
子量分布が広くなり、耐摩耗性や反撥弾性率が充分に改
良されるものではない。
特開平6−306113号公報、特開平8−73515
号公報では、ネオジム化合物にメチルアルモキサンを使
用した触媒系を用いると、高い重合活性を示し、かつ狭
い分子量分布を有する共役ジエン系重合体が得られるこ
とが報告されている。しかしながら、上記の重合法で充
分な触媒活性を保持し、かつ分子量分布の狭い重合体を
得るためには、従来の有機アルミニウム化合物を用いた
触媒系に比べて多量のアルモキサンを使用する必要があ
り、その価格が通常の有機アルミニウム化合物に比べて
高価であること、コールドフローが大きく、保存安定性
などに問題があり、実用的には問題がある。
6113号公報、特開平11−35633号公報では、
メチルアルモキサンを使用した触媒系で重合した共役ジ
エン系重合体をヘテロ三員環化合物やハロゲン化金属化
合物、金属カルボン酸塩などで変性し、コールドフロー
を抑えることが報告されている。
体を用いて、カーボンブラックとのゴム組成物を調製し
た場合、これらの重合体(ゴム)とカーボンブラックと
の相互作用が充分ではなく、得られるゴム組成物中への
カーボンブラックの分散性が劣り、得られるゴム架橋物
の耐摩耗性や機械的特性が満足できるレベルに至ってい
ない。
究を重ねた結果、希土類金属化合物、アルモキサン、有
機アルミニウム、およびハロゲン含有化合物を組み合わ
せた触媒系を用いると、アルモキサンの使用量が少量で
も触媒活性が充分に高く、分子量分布が狭い共役ジエン
系重合体が得られること、また、重合終了後に特定の化
合物で反応(変性もしくはカップリング)させることに
より、カーボンブラックとの相互作用が改善され、得ら
れる加硫物の反撥弾性、機械的特性、加工性、耐摩耗性
に優れたゴム組成物が得られることを見いだし、本発明
に到達したものである。
重合体が下記(d)〜(i)成分の群から選ばれた少な
くとも1種の化合物で変性もしくはカップリングされ、
かつ共役ジエン部のシス−1,4−結合含量が85%以
上、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定し
た重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との
比(Mw/Mn)が4以下である変性共役ジエン系重合
体に関する。 (d)成分;キノン系化合物 (e)成分;チアゾール系化合物 (f)成分;スルフェンアミド系化合物 (g)成分;ジチオカルバミン酸塩系化合物 (h)成分;チウラム系化合物 (i)成分;チオイミド系化合物 次に、本発明は、共役ジエン系化合物を、下記(a)〜
(c)成分を主成分とする触媒を用いて重合したのち、
引き続き、上記(d)〜(i)成分の群から選ばれた少
なくとも1種の化合物で変性もしくはカップリングする
ことを特徴とする上記変性共役ジエン系重合体の製造方
法に関する。 (a)成分;周期律表の原子番号57〜71にあたる希
土類元素含有化合物、または、これらの化合物とルイス
塩基との反応物 (b)成分;アルモキサンおよび/またはAlR1 R2
R3 (式中、R1 およびR2 は同一または異なり、炭素
数1〜10の炭化水素基または水素原子、R3は炭素数
1〜10の炭化水素基であり、ただし、R3 は上記R1
またはR2 と同一または異なっていてもよい)に対応す
る有機アルミニウム化合物 (c)成分;ハロゲン含有化合物 次に、本発明は、上記変性共役ジエン系重合体10〜1
00重量%、ならびに天然ゴム、合成イソプレンゴム、
ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン
−α−オレフィン共重合ゴム、エチレン−α−オレフィ
ン−ジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン
共重合ゴム、クロロプレンゴムおよびハロゲン化ブチル
ゴムの群から選ばれた少なくとも1種の他のゴム90〜
0重量%〔ただし、変性共役ジエン系重合体+他のゴム
=100重量%〕からなるゴム成分100重量部に対
し、カーボンブラックを20〜120重量部配合したゴ
ム組成物に関する。
成分としては、周期律表の原子番号57〜71にあたる
希土類元素を含む化合物(希土類元素含有化合物)また
はこれらの化合物とルイス塩基との反応物である。好ま
しい希土類元素は、ネオジム、プラセオジウム、セリウ
ム、ランタン、ガドリニウムなど、または、これらの混
合物であり、さらに好ましくは、ネオジムである。本発
明の希土類元素含有化合物は、カルボン酸塩、アルコキ
サイド、β−ジケトン錯体、リン酸塩または亜リン酸塩
であり、この中でも、カルボン酸塩またはリン酸塩が好
ましく、特にカルボン酸塩が好ましい。
式(R5 −CO2 )3 M(式中、Mは周期律表の原子番
号57〜71にあたる希土類元素である)で表され、R
5 は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、好ましくは飽
和または不飽和のアルキル基であり、かつ直鎖状、分岐
状または環状であり、カルボキシル基は1級、2級また
は3級の炭素原子に結合している。具体的には、オクタ
ン酸、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸、ステアリン
酸、安息香酸、ナフテン酸、バーサティック酸〔シェル
化学(株)製の商品名であって、カルボキシル基が3級
炭素原子に結合しているカルボン酸である〕などの塩が
挙げられ、2−エチルヘキサン酸、ナフテン酸、バーサ
ティック酸の塩が好ましい。
(R6 O)3 M(R6 は炭素数1〜20の炭化水素基を
示し、Mは周期律表の原子番号57〜71にあたる希土
類元素である)であり、R6 Oで表されるアルコキシ基
の例として、2−エチル−ヘキシルアルコキシ基、オレ
イルアルコキシ基、ステアリルアルコキシ基、フェノキ
シ基、ベンジルアルコキシ基などが挙げられる。この中
でも、好ましいものは、2−エチル−ヘキシルアルコキ
シ基、ベンジルアルコキシ基である。
希土類元素の、アセチルアセトン、ベンゾイルアセト
ン、プロピオニトリルアセトン、バレリルアセトン、エ
チルアセチルアセトン錯体などが挙げられる。この中で
も好ましいものは、アセチルアセトン錯体、エチルアセ
チルアセトン錯体である。
としては、希土類元素の、リン酸ビス(2−エチルヘキ
シル)、リン酸ビス(1−メチルヘプチル)、リン酸ビ
ス(p−ノニルフェニル)、リン酸ビス(ポリエチレン
グリコール−p−ノニルフェニル)、リン酸(1−メチ
ルヘプチル)(2−エチルヘキシル)、リン酸(2−エ
チルヘキシル)(p−ノニルフェニル)、2−エチルヘ
キシルホスホン酸モノ−2−エチルヘキシル、2−エチ
ルヘキシルホスホン酸モノ−p−ノニルフェニル、ビス
(2−エチルヘキシル)ホスフィン酸、ビス(1−メチ
ルヘプチル)ホスフィン酸、ビス(p−ノニルフェニ
ル)ホスフィン酸、(1−メチルヘプチル)(2−エチ
ルヘキシル)ホスフィン酸、(2−エチルヘキシル)
(p−ノニルフェニル)ホスフィン酸などの塩が挙げら
れ、好ましい例としては、リン酸ビス(2−エチルヘキ
シル)、リン酸ビス(1−メチルヘプチル)、2−エチ
ルヘキシルホスホン酸モノ−2−エチルヘキシル、ビス
(2−エチルヘキシル)ホスフィン酸の塩が挙げられ
る。以上、例示した中でも特に好ましいものは、ネオジ
ムのリン酸塩またはネオジムのカルボン酸塩であり、特
にネオジムの2−エチルヘキサン酸塩、ネオジムのバー
サチック酸塩などのカルボン酸塩が最も好ましい。
に可溶化させるため、また、長期間安定に貯蔵するため
に用いられるルイス塩基は、希土類元素1モルあたり、
0〜30モル、好ましくは1〜10モルの割合で、両者
の混合物として、またはあらかじめ両者を反応させた生
成物として用いられる。ここで、ルイス塩基としては、
例えば、アセチルアセトン、テトラヒドロフラン、ピリ
ジン、N,N−ジメチルホルムアミド、チオフェン、ジ
フェニルエーテル、トリエチルアミン、有機リン化合
物、1価または2価のアルコールが挙げられる。以上の
(a)希土類元素含有化合物またはこれらの化合物とル
イス塩基との反応物は、1種単独で使用することも、あ
るいは2種以上を混合して用いることもできる。
方であるアルモキサンは、式(I)または式(II) で示
される構造を有する化合物である。また、ファインケミ
カル,23,(9),5(1994)、J.Am.Ch
em.Soc.,115,4971(1993)、J.
Am.Chem.Soc.,117,6465(199
5)で示されるアルモキサンの会合体でもよい。
り、それぞれ炭素数1〜20の炭化水素基、nは2以上
の整数である。) 式(I)または式(II) で表されるアルモキサンにおい
て、R7 で表される炭化水素基としては、メチル、エチ
ル、プロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ヘキ
シル、イソヘキシル、オクチル、イソオクチル基などが
挙げられ、好ましくは、メチル、エチル、イソブチル、
t−ブチル基であり、特に好ましくは、メチル基であ
る。また、nは2以上、好ましくは4〜100の整数で
ある。(b)アルモキサンの具体例としては、メチルア
ルモキサン、エチルアルモキサン、n−プロピルアルモ
キサン、n−ブチルアルモキサン、イソブチルアルモキ
サン、t−ブチルアルモキサン、ヘキシルアルモキサ
ン、イソヘキシルアルモキサンなどが挙げられる。
(b)アルモキサンの製造は、公知の如何なる技術を用
いてもよく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンな
どの有機溶媒中に、トリアルキルアルミニウムまたはジ
アルキルアルミニウムモノクロライドを加え、さらに
水、水蒸気、水蒸気含有窒素ガス、あるいは硫酸銅5水
塩や硫酸アルミニウム16水塩などの結晶水を有する塩
を加えて反応させることにより製造することができる。
(b)アルモキサンは、1種単独で使用することも、あ
るいは2種以上を混合して用いることもできる。
方であるAlR1 R2 R3 (式中、R1 およびR2 は互
いに同一または異なり、それぞれ炭素数1〜10の炭化
水素基または水素原子、R3 は炭素数1〜10の炭化水
素基であり、ただし、R3 は上記R1 またはR2 と同一
または異なっていてもよい)に対応する有機アルミニウ
ム化合物としては、例えば、トリメチルアルミニウム、
トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニ
ウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ−n−ブチ
ルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−
t−ブチルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、
トリヘキシルアルミニウム、トリシクロヘキシルアルミ
ニウム、トリオクチルアルミニウム、水素化ジエチルア
ルミニウム、水素化ジ−n−プロピルアルミニウム、水
素化ジ−n−ブチルアルミニウム、水素化ジイソブチル
アルミニウム、水素化ジヘキシルアルミニウム、水素化
ジイソヘキシルアルミニウム、水素化ジオクチルアルミ
ニウム、水素化ジイソオクチルアルミニウム、エチルア
ルミニウムジハイドライド、n−プロピルアルミニウム
ジハイドライド、イソブチルアルミニウムジハイドライ
ドなどが挙げられ、好ましくは、トリエチルアルミニウ
ム、トリイソブチルアルミニウム、水素化ジエチルアル
ミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウムである。本
発明の(b)成分である有機アルミニウム化合物は、1
種単独で使用することも、あるいは2種以上を混合して
用いることもできる。以上の(b)成分であるアルモキ
サンやAlR1 R2 R3 に対応する有機アルミニウム化
合物は、それぞれ、単独で使用することも、また、併用
することもでき、特に、アルモキサンと有機アルミニウ
ム化合物とを併用することが好ましい。
ハロゲン含有化合物であり、好ましくは金属ハロゲン化
物とルイス塩基との反応物や、ジエチルアルミニウムク
ロリド、四塩化ケイ素、トリメチルクロロシラン、メチ
ルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルト
リクロロシラン、エチルアルミニウムジクロリド、エチ
ルアルミニウムセスキクロリド、四塩化スズ、二塩化ス
ズ、三塩化リン、ベンゾイルクロリド、t−ブチルクロ
リドなどが挙げられ、特に好ましくは金属ハロゲン化物
とルイス塩基との反応物である。ここで、上記金属ハロ
ゲン化物としては、塩化ベリリウム、臭化ベリリウム、
ヨウ化ベリリウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウ
ム、ヨウ化マグネシウム、塩化カルシウム、臭化カルシ
ウム、ヨウ化カルシウム、塩化バリウム、臭化バリウ
ム、ヨウ化バリウム、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜
鉛、塩化カドミウム、臭化カドミウム、ヨウ化カドミウ
ム、塩化水銀、臭化水銀、ヨウ化水銀、塩化マンガン、
臭化マンガン、ヨウ化マンガン、塩化レニウム、臭化レ
ニウム、ヨウ化レニウム、塩化銅、ヨウ化銅、塩化銀、
臭化銀、ヨウ化銀、塩化金、ヨウ化金、臭化金などが挙
げられ、好ましくは、塩化マグネシウム、塩化カルシウ
ム、塩化バリウム、塩化マンガン、塩化亜鉛、塩化銅で
あり、特に好ましくは、塩化マグネシウム、塩化マンガ
ン、塩化亜鉛、塩化銅である。
を生成させるために反応させるルイス塩基としては、リ
ン化合物、カルボニル化合物、窒素化合物、エーテル化
合物、アルコールなどが好ましい。具体的には、リン酸
トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸
トリフェニル、リン酸トリクレジル、トリエチルホスフ
ィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィ
ン、ジエチルホスフィノエタン、ジフェニルホスフィノ
エタン、アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、プロ
ピオニトリルアセトン、バレリルアセトン、エチルアセ
チルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、
アセト酢酸フェニル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエ
チル、マロン酸ジフェニル、酢酸、オクタン酸、2−エ
チル−ヘキサン酸、オレイン酸、ステアリン酸、安息香
酸、ナフテン酸、バーサティック酸〔シェル化学(株)
製の商品名であって、カルボキシル基が3級炭素原子に
結合しているカルボン酸である〕、トリエチルアミン、
N,N−ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、
ジフェニルエーテル、2−エチル−ヘキシルアルコー
ル、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、フェ
ノール、ベンジルアルコール、1−デカノール、ラウリ
ルアルコールなどが挙げられ、好ましくは、リン酸トリ
−2−エチルヘキシル、リン酸トリクレジル、アセチル
アセトン、2−エチルヘキサン酸、バーサティック酸、
2−エチルヘキシルアルコール、1−デカノール、ラウ
リルアルコールである。
物1モルあたり、0.01〜30モル、好ましくは0.
5〜10モルの割合で反応させる。このルイス塩基との
反応物を使用すると、ポリマー中に残存する金属を低減
することができる。
組成比は、その目的あるいは必要性に応じて種々の異な
ったものに設定される。このうち、(a)成分は、10
0gの共役ジエン系化合物に対し、0.00001〜
1.0ミリモルの量を用いるのがよい。0.00001
ミリモル未満では、重合活性が低くなり好ましくなく、
一方、1.0ミリモルを超えると、触媒濃度が高くな
り、脱灰工程が必要となり好ましくない。特に、0.0
001〜0.5ミリモルの量を用いるのが好ましい。ま
た、一般に(b)成分の使用量は、(a)成分に対する
Alのモル比で表すことができ、(a)成分対(b)成
分が1:1〜1:1,000、好ましくは1:3〜1:
750、さらに好ましくは1:5〜1:500である。
さらに、(a)成分と(c)成分の割合は、モル比で、
1:0.1〜1:30、好ましくは1:0.2〜1:1
5である。これらの触媒量または構成成分比の範囲外で
は、高活性な触媒として作用せず、または、触媒残渣除
去する工程が必要になるため好ましくない。また、上記
の(a)〜(c)成分以外に、重合体の分子量を調節す
る目的で、水素ガスを共存させて重合反応を行ってもよ
い。
(b)成分および(c)成分以外に、必要に応じて、共
役ジエン系化合物および/または非共役ジエン系化合物
を、(a)成分の化合物1モルあたり、0〜1,000
モルの割合で用いてもよい。触媒製造用に用いられる共
役ジエン系化合物は、重合用のモノマーと同じく、1,
3−ブタジエン、イソプレンなどを用いることができ
る。また、非共役ジエン系化合物としては、例えば、ジ
ビニルベンゼン、ジイソプロペニルベンゼン、トリイソ
プロペニルベンゼン、1,4−ヘキサジエン、エチリデ
ンノルボルネンなどが挙げられる。触媒成分としての共
役ジエン系化合物は必須ではないが、これを併用する
と、触媒活性が一段と向上する利点がある。
(a)成分〜(c)成分、さらに必要に応じて、共役ジ
エン系化合物および/または非共役ジエン系化合物を反
応させることによる。その際、各成分の添加順序は任意
でよい。これらの各成分は、あらかじめ混合、反応さ
せ、熟成させることが、重合活性の向上、重合開始誘導
期間の短縮の意味から好ましい。ここで、熟成温度は、
0〜100℃、好ましくは20〜80℃である。0℃未
満では、充分に熟成が行われず、一方、100℃を超え
ると、触媒活性の低下や、分子量分布の広がりが起こり
好ましくない。熟成時間は、特に制限はなく、重合反応
槽に添加する前にライン中で接触させることもでき、通
常は、0.5分以上であれば充分であり、数日間は安定
である。
(a)〜(c)成分を主成分とする触媒を用いて重合す
る。本発明の触媒で重合できる共役ジエン系化合物とし
ては、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタ
ジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブ
タジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエ
ン、ミルセン、シクロ−1,3−ペンタジエンなどが挙
げられ、特に好ましくは、1,3−ブタジエン、イソプ
レン、1,3−ペンタジエンである。これらの共役ジエ
ン系化合物は、1種単独で使用することも、あるいは2
種以上を混合して用いることもでき、2種以上混合して
用いる場合は、共重合体が得られる。
媒を用いて、または無溶媒下で行うことができる。重合
溶媒としては、不活性の有機溶媒であり、例えば、ブタ
ン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの炭素数4〜1
0の飽和脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキ
サンなどの炭素数6〜20の飽和脂環式炭化水素、1−
ブテン、2−ブテンなどのモノオレフィン類、ベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、塩化メ
チレン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロルエチレ
ン、パークロルエチレン、1,2−ジクロルエタン、ク
ロルベンゼン、ブロムベンゼン、クロルトルエンなどの
ハロゲン化炭化水素が挙げられる。これらの重合溶媒
は、1種単独で使用することも、あるいは2種以上を混
合して用いることもできる。
好ましくは0〜150℃である。重合反応は、回分式で
も、連続式のいずれでもよい。また、重合体を製造する
ために、本発明の希土類元素化合物系触媒および重合体
を失活させないために、重合系内に酸素、水あるいは炭
酸ガスなどの失活作用のある化合物の混入を極力なくす
ような配慮が必要である。
元素化合物系触媒を用いて共役ジエン系化合物を重合し
たのち、引き続き、得られるリビングポリマーの活性末
端に、上記(d)〜(i)の群から選ばれた少なくとも
1種の化合物を添加し、ポリマーの活性末端をの官能基
を持つ化合物と反応(変性もしくはカップリング)させ
ることにより、重合体分子量を増大もしくは重合体鎖を
分岐化され、かつカーボンブラックとの相互作用が改善
された新規な重合体を形成するものである。この反応
(変性もしくはカップリング)により、カーボンブラッ
クとの相互作用が改善され、反撥弾性、耐摩耗性、機械
的特性、コールドフローが改良される。
応させる(d)成分は、キノン系化合物である。この
(d)成分としては、1,4−ベンゾキノン、1,4−
ナフトキノン、アントラキノン、2−メチル−1,4−
ベンゾキノン、2,3−ジメチル−1,4−ベンゾキノ
ン、2,5−ジメチル−1,4−ベンゾキノン、2,6
−ジメチル−1,4−ベンゾキノン、2−t−ブチル−
1,4−ベンゾキノン、2,5−ジt−ブチル−1,4
−ベンゾキノン、2,3−ジクロロ−1,4−ベンゾキ
ノン、2,5−ジクロロ−1,4−ベンゾキノン、2,
6−ジクロロ−1,4−ベンゾキノン、2,5−ジブロ
モ−1,4−ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、
クロラニル酸、ブロマニル酸、2−メチル−1,4−ナ
フトキノン、2,3−ジメチル−1,4−ナフトキノ
ン、2−クロロ−1,4−ナフトキノン、2,3−ジク
ロロ−1,4−ナフトキノン、2,3−ジブロモ−1,
4−ナフトキノン、1,5−ジクロロアントラキノン、
1,8−ジクロロアントラキノン、1,4,8,11−
テトラクロロアントラキノンなどが挙げられる。(d)
成分は、1種単独であるいは2種以上を併用することが
できる。
分は、チアゾール系化合物であり、例えば、メルカプト
ベンゾチアゾール、ジベンゾチアゾールジスルフィド、
2−(4−モルフォリノジチオ)ベンゾチアゾール、2
−(2,4−ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチア
ゾール、メルカプトベンゾチアゾールシクロヘキシルア
ミン塩、N,N′−ジエチルチオカルバモイル−2−ベ
ンゾチアゾールスルフィドなどが挙げられる。(e)成
分は、1種単独であるいは2種以上を併用することがで
きる。
分は、スルフェンアミド系化合物である。(f)成分の
具体例は、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスル
フェンアミド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾ
リルスルフェンアミド、N,N′−ジシクロヘキシル−
2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オキシジ
エチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドなど
が挙げられる。(f)成分は、1種単独であるいは2種
以上を併用することができる。
分は、ジチオカルバミン酸塩系化合物である。(g)成
分の具体例は、ジエチルジチオカルバミン酸2−ベンゾ
チアゾイルエステル、ペンタメチレンジチオカルバミン
酸ピペリジン塩、ピペコリンジチオカルバミン酸ピペコ
リン塩などが挙げられる。(g)成分は、1種単独であ
るいは2種以上を併用することができる。
分は、チウラム系化合物化合物である。(h)成分の具
体例は、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエ
チルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジス
ルフィド、テトラメチレンチウラムモノスルフィド、ジ
ペンタメチレンチウラムテトラスルフィドなどが挙げら
れる。(h)成分は、1種単独であるいは2種以上を併
用することができる。
分は、チオイミド系化合物化合物である。(i)成分の
具体例は、N−(シクロヘキシルチオ)フタルイミド、
N−(フェニルチオ)フタルイミドなどが挙げられる。
(i)成分は、1種単独であるいは2種以上を併用する
ことができる。
「変性剤」ともいう)は、1種単独で使用することも、
あるいは2種以上を混合して用いることもできる。
は、好ましくは、モル比で、0.01〜200、さらに
好ましくは0.1〜150である。0.01未満では、
反応の進行が充分ではなく、また、カーボンブラックと
の分散性が充分に発現されないないうえ、反撥弾性、耐
摩耗性、コールドフローの改良効果が発現されないこと
があり、一方、200を超えて使用しても、カーボンブ
ラックの分散性や物性の改良効果は飽和しており、経済
上、また場合により、トルエン不溶分(ゲル)が生成し
好ましくない。この変性もしくはカップリング反応(以
下「変性反応」ともいう)は、160℃以下、好ましく
は−30℃〜+130℃の温度で、0.1〜10時間、
好ましくは0.2〜5時間実施することが望ましい。
ち、必要に応じて、重合停止剤、重合体安定剤を反応系
に加え、共役ジエン系重合体の製造における公知の脱溶
媒、乾燥操作により回収できる。変性後に得られる変性
共役ジエン系重合体の、シス−1,4−結合含量は85
%以上、好ましくは90%以上、さらに好ましくは93
%以上、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(M
n)との比(Mw/Mn)は4以下、好ましくは3.5
以下である。シス−1,4−結合含量が85%未満で
は、耐摩耗性が劣る。また、Mw/Mnが4を超える
と、耐摩耗性に劣る。なお、得られる変性共役ジエン系
重合体のビニル−1,2−結合含量は、好ましくは2.
5%以下、さらに好ましくは2.0%以下である。2.
5%を超えると、耐久性に劣る傾向がある。
0℃におけるムーニー粘度(ML1+ 4 ,100℃)は、
10〜150の範囲にあることが好ましい。10未満で
は、加硫後の耐摩耗性などが劣り、一方、150を超え
ると、混練り時の加工性が劣ることがある。さらに、上
記変性共役ジエン系重合体のポリスチレン換算の重量平
均分子量は、通常、10万〜150万、好ましくは15
万〜100万である。これらの範囲外では、加工性およ
び加硫ゴムの物性が劣る傾向にあり好ましくない。な
お、得られる変性共役ジエン系重合体は、必要に応じ
て、脱溶剤前に、アロマチックオイル、ナフテニックオ
イルなどのプロセス油を添加したのち、脱溶剤、乾燥操
作により回収することができる。
合体は、該重合体を、単独で、または他の合成ゴムもし
くは天然ゴム(以下「他のゴム」ともいう)とブレンド
して配合し、必要に応じて、プロセス油を配合し、カー
ボンブラックなどの充填剤、加硫剤、加硫促進剤、その
他の通常の配合剤を加えて混練、加硫し、乗用車、トラ
ック、バス用タイヤ、スタッドレスタイヤなどの冬用タ
イヤのトレッド、サイドウォール、各種部材、ホース、
ベルト、防振ゴム、その他の各種工業用品などの機械的
特性、および耐摩耗性が要求されるゴム用途に使用され
る。また、天然ゴム以外の合成ゴムとしては、合成イソ
プレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴ
ム、エチレン−α−オレフィン共重合ゴム、エチレン−
α−オレフィン−ジエン共重合ゴム、アクリロニトリル
−ブタジエン共重合ゴム、クロロプレンゴム、ハロゲン
化ブチルゴムのほか、水添ブタジエンゴム、水添スチレ
ン−ブタジエンゴムなどが挙げられる。
ムとの割合は、変性共役ジエン系重合体成分が10〜1
00重量%、好ましくは20〜100重量%、他のゴム
が90〜0重量%、好ましくは80〜0重量%〔ただ
し、変性共役ジエン系重合体+他のゴム=100重量
%〕である。本発明の変性共役ジエン系重合体が10重
量%未満では、カーボンブラックとの分散性が充分では
なく、反撥弾性、耐摩耗性および破壊強度などの物性が
不充分となる。
合体は、官能基を有する上記特定の化合物で変性もしく
はカップリングされているため、この官能基がカーボン
ブラックなどのゴム補強材の表面に存在する種々の官能
基と結合して、このゴム補強材とゴムとが相互作用をな
し、ゴム組成物中におけるカーボンブラックなどのゴム
補強材の分散性が向上する。
変性共役ジエン系重合体を単独で、または上記のような
他の合成ゴムもしくは天然ゴムとブレンドして、ゴム成
分として配合し、必要に応じて、プロセス油を配合し、
次いで充填剤であるカーボンブラック、加硫剤ならびに
加硫促進剤などの通常の加硫ゴム配合剤を加えてなるも
のである。ここで、本発明の共役ジエン系重合体の優れ
た特徴を発現するためには、このジエン系重合体は、ゴ
ム成分中に10重量%以上、好ましくは20重量%以上
含有させる。また、配合および油展に使用されるプロセ
ス油としては、例えばパラフィン系、ナフテン系、アロ
マチック系などが挙げられ、その使用量は、ゴム成分1
00重量部に対し、好ましくは80重量部以下、さらに
好ましくは20〜60重量部である。
おいて、使用されるカーボンブラックとしては、HA
F、ISAF、SAFなどのカーボンブラックであり、
好ましくはヨウ素吸着量(IA)が60mg/g以上、
かつジブチルフタレート吸油量(DBP)が80ml/
100g以上のカーボンブラックが用いられる。
量は、ゴム成分100重量部に対し、20〜120重量
部、好ましくは30〜100重量部、さらに好ましくは
40〜80重量部である。20重量部未満では、補強性
に劣り、反撥弾性、耐摩耗性および破壊強度の改良効果
が得られず一方、120重量部を超えると、未加硫ゴム
組成物の粘度が上昇し、加工性に劣り、また、耐摩耗性
および反撥弾性が劣る。
としては、通常、硫黄が使用され、その使用量は、ゴム
成分100重量部に対して、0.1〜3重量部、好まし
くは0.5〜2重量部である。加硫助剤および加工助剤
としては、一般にステアリン酸が用いられ、その使用量
は、ゴム成分100重量部に対し、0.5〜5重量部で
ある。加硫促進剤は、特に限定されないが、好ましくは
M(2−メルカプトベンゾチアゾール)、DM(ジベン
ゾチアジルジサルファイド)、CZ(N−シクロヘキシ
ル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)などのチア
ゾール系加硫促進剤を挙げることができ、その使用量
は、ゴム成分100重量部に対して、通常、0.1〜5
重量部、好ましくは0.2〜3重量部である。
上記ゴム補強材以外のシリカ、炭酸カルシウム、酸化チ
タンなどの充填剤、酸化亜鉛、酸化防止剤、オゾン劣化
防止剤などの添加剤を配合することもできる。
ナルミキサーなどの混練り機を用いて混練りすることに
よって得られ、成形加工後、加硫を行ない、タイヤトレ
ッド、アンダートレッド、カーカス、サイドウオール、
ビート部分などのタイヤ用途のほか、ホース、ベルト、
靴底、窓枠、シール材、防振ゴム、その他の工業用品な
どの用途に用いることができるが、特にタイヤトレッド
用ゴムとして好適に使用される。
らに具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない
限り、以下の実施例に何ら制約されるものではない。な
お、実施例中、部および%は特に断らないかぎり重量基
準である。また、実施例中の各種の測定は、下記の方法
によった。
測定時間4分、温度100℃で測定した。数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw ) 東ソー(株)製、HLC−8120GPCを用い、検知
器として、示差屈折計および紫外可視計を用いて、次の
条件で測定した。 カラム;東ソー(株)製、カラムGMHHXL 移動相;テトラヒドロフランミクロ構造(シス−1,4−結合含量、ビニル−1,2
−結合含量 ) 赤外法(モレロ法)によって求めた。引張特性 JIS K6301−1995に従って、300%伸長
時の引張応力(M300%)、切断時の伸び(EB)、切断
時の強力(TB)を測定した。耐摩耗性 ランボーン式摩耗試験機〔島田技研(株)製〕を用い、
スリップ比60%、室温(25℃)下で測定した。tanδ レオメトリクス社製、メカニカルスペクトロメータを用
い、歪3%、50℃での値を測定した。
ヘキサン2.4Kg、1,3−ブタジエン300gを仕
込んだ。これらに、予め触媒成分としてバーサティック
酸ネオジム(以下「Nd(ver)3 」ともいう)
(0.09mmol)のシクロヘキサン溶液、メチルア
ルモキサン(以下「MAO」ともいう)(7.2mmo
l)のトルエン溶液、水素化ジイソブチルアルミニウム
(以下「AliBu2 H」ともいう)(3.6mmo
l)およびジエチルアルミニウムクロリド(以下「DE
AC」ともいう)(0.18mmol)のトルエン溶液
を、ネオジムの5倍量の1,3−ブタジエンと50℃で
30分間反応熟成させた触媒を仕込み、80℃で60分
間重合を行った。1,3−ブタジエンの反応転化率は、
ほぼ100%であった。
ち、2,3−ジクロロ−1,4−ナフトキノン(4.5
mmol)を添加し、30分間反応させた。その後、
2,4−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール1.5
gを含むメタノール溶液を添加し、重合停止後、スチー
ムストリッピングにより脱溶媒し、110℃のロールで
乾燥して、重合体を得た。重合条件および分析結果を表
1に示す。また、2,3−ジクロロ−1,4−ナフトキ
ノンを添加する前のポリマーのGPCチャートを図1
に、添加した後のポリマーのGPCチャートを図2に示
す。図1〜2から分かるように、2,3−ジクロロ−
1,4−ナフトキノンを添加する前は紫外可視計にピー
クが見られないが、添加後にはピークが出現している。
このことから、ポリマーが2,3−ジクロロ−1,4−
ナフトキノンで変性されていることが確認できる。
を2−(4−モルフォリノジチオ)ベンゾチアゾールに
代えた以外は、実施例1と同様の方法にて重合体を得
た。重合条件および分析結果を表1に示す。
をN−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフ
ェンアミドに代えた以外は、実施例1と同様の方法にて
重合体を得た。重合条件および分析結果を表1に示す。
をジエチルジチオカルバミン酸2−ベンゾチアゾイルエ
ステルに代えた以外は、実施例1と同様の方法にて重合
体を得た。重合条件および分析結果を表1に示す。
をテトラメチルチウラムジスルフィドに代えた以外は、
実施例1と同様の方法にて重合体を得た。重合条件およ
び分析結果を表1に示す。
をN−(シクロヘキシルチオ)フタルイミドに代えた以
外は、実施例1と同様の方法にて重合体を得た。重合条
件および分析結果を表1に示す。
ヘキサン2.4Kg、1,3−ブタジエン300gを仕
込んだ。これらに、予め触媒成分としてバーサティック
酸ネオジム(0.37mmol)のシクロヘキサン溶
液、トリイソブチルアルミニウム(以下「AliB
u3 」ともいう)(11.1mmol)のトルエン溶
液、水素化ジイソブチルアルミニウム(3.6mmo
l)およびジエチルアルミニウムクロリド(0.74m
mol)のトルエン溶液を、ネオジムの5倍量の1,3
−ブタジエンと50℃で30分間反応熟成させた触媒を
仕込み、80℃で60分間重合を行った。1,3−ブタ
ジエンの反応転化率は、ほぼ100%であった。次に、
この重合溶液の温度を50℃に保ち、2,3−ジクロロ
−1,4−ナフトキノン(4.5mmol)を添加し、
30分間反応させた。その後、2,4−ジ−tert−
ブチル−p−クレゾール1.5gを含むメタノール溶液
を添加し、重合停止後、スチームストリッピングにより
脱溶媒し、110℃のロールで乾燥して、重合体を得
た。重合条件および分析結果を表1に示す。また、2,
3−ジクロロ−1,4−ナフトキノンを添加する前のポ
リマーのGPCチャートを図3に、添加した後のポリマ
ーのGPCチャートを図4に示す。図3〜4から分かる
ように、2,3−ジクロロ−1,4−ナフトキノンを添
加する前は紫外可視計にピークが見られないが、添加後
にはピークが出現している。このことから、ポリマーが
2,3−ジクロロ−1,4−ナフトキノンで変性されて
いることが確認できる。
を2−(4−モルフォリノジチオ)ベンゾチアゾールに
代えた以外は、実施例1と同様の方法にて重合体を得
た。重合条件および分析結果を表1に示す。
をN−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフ
ェンアミドに代えた以外は、実施例1と同様の方法にて
重合体を得た。重合条件および分析結果を表1に示す。
をジエチルジチオカルバミン酸2−ベンゾチアゾイルエ
ステルに代えた以外は、実施例1と同様の方法にて重合
体を得た。重合条件および分析結果を表1に示す。
をテトラメチルチウラムジスルフィドに代えた以外は、
実施例1と同様の方法にて重合体を得た。重合条件およ
び分析結果を表1に示す。
をN−(シクロヘキシルチオ)フタルイミドに代えた以
外は、実施例1と同様の方法にて重合体を得た。重合条
件および分析結果を表1に示す。
ヘキサン2.4Kg、1,3−ブタジエン300gを仕
込んだ。これらに、予め触媒成分としてバーサティック
酸ネオジム(0.09mmol)のシクロヘキサン溶
液、メチルアルモキサン(7.2mmol)のトルエン
溶液、水素化ジイソブチルアルミニウム(3.6mmo
l)およびジエチルアルミニウムクロリド(0.18m
mol)のトルエン溶液を、ネオジムの5倍量の1,3
−ブタジエンと50℃で30分間反応熟成させた触媒を
仕込み、80℃で60分間重合を行った。1,3−ブタ
ジエンの反応転化率は、ほぼ100%であった。次に、
2,4−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール1.5
gを含むメタノール溶液を添加し、重合停止後、スチー
ムストリッピングにより脱溶媒し、110℃のロールで
乾燥して、重合体を得た。重合条件および分析結果を表
1に示す。
をジオクチルスズビスベンジルマレートに代えた以外
は、実施例1と同様の方法にて重合体を得た。重合条件
および分析結果を表1に示す。また、ジオクチルスズビ
スベンジルマレートを添加する前のポリマーのGPCチ
ャートを図5に、添加した後のポリマーのGPCチャー
トを図6に示す。図5〜6から分かるように、ジオクチ
ルスズビスベンジルマレートを添加する前は紫外可視計
にピークが見られないが、添加後にはピークが出現して
いる。このことから、変性剤を変更しても、ポリマーが
変性されていることが確認できる。
ヘキサン2.4Kg、1,3−ブタジエン300gを仕
込んだ。これらに、予め触媒成分としてバーサティック
酸ネオジム(0.37mmol)のシクロヘキサン溶
液、トリイソブチルアルミニウム(11.1mmol)
のトルエン溶液、水素化ジイソブチルアルミニウム
(3.6mmol)およびジエチルアルミニウムクロリ
ド(0.74mmol)のトルエン溶液を、ネオジムの
5倍量の1,3−ブタジエンと50℃で30分間反応熟
成させた触媒を仕込み、80℃で60分間重合を行っ
た。1,3−ブタジエンの反応転化率は、ほぼ100%
であった。次に、2,4−ジ−tert−ブチル−p−
クレゾール1.5gを含むメタノール溶液を添加し、重
合停止後、スチームストリッピングにより脱溶媒し、1
10℃のロールで乾燥して、重合体を得た。重合条件お
よび分析結果を表1に示す。
をジオクチルスズビスベンジルマレートに代えた以外
は、実施例1と同様の方法にて重合体を得た。重合条件
および分析結果を表1に示す。
製、ポリブタジエンゴムBR01〕の加硫物性を表1に
示す。
体(ポリマー)を用いて、下記に示す配合処方に従っ
て、プラストミルを使用し、混練り配合を行った。14
5℃で最適時間、プレス加硫を行い、加硫物の試験片を
得た。得られた加硫ゴムの物性を、表1に示す。配合処方 (部) ゴム成分 100 HAFカーボンブラック 50 亜鉛華 3 ステアリン酸 2 老化防止剤(*1) 1 加硫促進剤(*2) 0.8 硫黄 1.5 *1)N−イソプロピル−N′−フェニル−p−フェニ
レンジアミン *2)N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフ
ェンアミド
後の破壊強度、反撥弾性および耐摩耗性が向上している
ことが分かる。また、比較例2より、公知の変性剤を使
用した重合体よりも、加硫後の各物性が優れていること
が分かる。同様に、実施例7〜12は、比較例3,4に
対して、加硫後の破壊強度、反撥弾性および耐摩耗性が
向上しており、触媒組成に関係なく上記変性剤を使用す
ると、加硫物性が改良されることが分かる。以上の結果
から、本発明の変性剤が有用であることが分かる。
1,4,5の重合体(ポリマー)と、天然ゴムとをブレ
ンドしたポリマーを用いて、下記に示す配合処方に従っ
て、プラストミルを使用し、混練り配合を行った。14
5℃で最適時間、プレス加硫を行い、加硫物の試験片を
得た。得られた加硫ゴムの物性を、表2〜3に示す。配合処方 (部) ゴム成分(*1) 100 HAFカーボンブラック 50 亜鉛華 3 ステアリン酸 2 老化防止剤(*2) 1 加硫促進剤(*3) 0.8 硫黄 1.5 *1)ブレンド比率は、表2〜3に記載 *2)N−イソプロピル−N′−フェニル−p−フェニ
レンジアミン *3)N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフ
ェンアミド
15,16,18に対して、加硫後の破壊強度、反撥弾
性および耐摩耗性が向上しており、天然ゴムとブレンド
しても、本発明の重合体を使用することで物性が改良さ
れることが分かる。しかしながら、比較例6〜11,1
4,17より、全ゴム成分100部中、本発明の重合体
の部数が少なすぎると、充分な物性改良効果が得られな
いことが分かる。
1,4,5の重合体(ポリマー)と、溶液重合SBRと
をブレンドしたポリマーを用いて、下記に示す配合処方
に従って、プラストミルを使用し、混練り配合を行っ
た。145℃で最適時間、プレス加硫を行い、加硫物の
試験片を得た。得られた加硫ゴムの物性を、表4に示
す。配合処方 (部) ゴム成分(*1) 100 HAFカーボンブラック 50 亜鉛華 3 ステアリン酸 2 老化防止剤(*2) 1 加硫促進剤(*3) 0.8 硫黄 1.5 *1)ブレンド比率は、表4に記載 *2)N−イソプロピル−N′−フェニル−p−フェニ
レンジアミン *3)N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフ
ェンアミド
対して、加硫後の破壊強度、反撥弾性および耐摩耗性が
向上しており、溶液重合SBRとブレンドしても、本発
明の重合体を使用することで物性が改良されることが分
かる。
レンドした73マーを用いて、下記に示す配合処方に従
って、プラストミルを使用し、混練り配合を行った。1
45℃で最適時間、プレス加硫を行い、加硫物の試験片
を得た。得られた加硫ゴムの物性を、表5に示す。配合処方 (部) ゴム成分(*1) 100 HAFカーボンブラック 10〜130 亜鉛華 3 ステアリン酸 2 老化防止剤(*2) 1 加硫促進剤(*3) 0.8 硫黄 1.5 *1)ブレンド比率は、表5に記載 *2)N−イソプロピル−N′−フェニル−p−フェニ
レンジアミン *3)N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフ
ェンアミド
対して、加硫後の破壊強度、反撥弾性および耐摩耗性が
優れており、配合時に添加するカーボンブラックの量が
多すぎても、少なすぎても、十分な物性改良効果が得ら
れないことが分かる。
n)との比 *2)比較例5を100とし、数値の大なるほど良好 *3)比較例5を100とし、数値の大なるほど良好 *4)JSR(株)製の市販BR(JSR BR01)
%、四塩化スズで変性したスチレン−ブタジエンゴム *3)比較例21を100とし、数値が大なるほど良好 *4)比較例21を100とし、数値が大なるほど良好
定の官能基を含有する化合物で変性(カップリング)す
ることにより、ゴム補強材である、カーボンブラックの
分散性に優れ、反撥弾性、耐摩耗性および機械的強度に
優れるゴム加硫物が得られる。
チャートである。
チャートである。
チャートである。
チャートである。
チャートである。
チャートである。
Claims (3)
- 【請求項1】 共役ジエン系重合体が下記(d)〜
(i)成分の群から選ばれた少なくとも1種の化合物で
変性もしくはカップリングされ、かつシス−1,4−結
合含量が85%以上、ゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィーで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分
子量(Mn)との比(Mw/Mn)が4以下である変性
共役ジエン系重合体。 (d)成分;キノン系化合物 (e)成分;チアゾール系化合物 (f)成分;スルフェンアミド系化合物 (g)成分;ジチオカルバミン酸塩系化合物 (h)成分;チウラム系化合物 (i)成分;チオイミド系化合物 - 【請求項2】 共役ジエン系化合物を、下記(a)〜
(c)成分を主成分とする触媒を用いて重合したのち、
引き続き、請求項1記載の(d)〜(i)成分の群から
選ばれた少なくとも1種の化合物で変性もしくはカップ
リングすることを特徴とする請求項1記載の変性共役ジ
エン系重合体の製造方法。 (a)成分;周期律表の原子番号57〜71にあたる希
土類元素含有化合物、または、これらの化合物とルイス
塩基との反応物 (b)成分;アルモキサンおよび/またはAlR1 R2
R3 (式中、R1 およびR2 は同一または異なり、炭素
数1〜10の炭化水素基または水素原子、R3は炭素数
1〜10の炭化水素基であり、ただし、R3 は上記R1
またはR2 と同一または異なっていてもよい)に対応す
る有機アルミニウム化合物 (c)成分;ハロゲン含有化合物 - 【請求項3】 請求項1記載の変性共役ジエン系重合体
10〜100重量%、ならびに天然ゴム、合成イソプレ
ンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、
エチレン−α−オレフィン共重合ゴム、エチレン−α−
オレフィン−ジエン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブ
タジエン共重合ゴム、クロロプレンゴムおよびハロゲン
化ブチルゴムの群から選ばれた少なくとも1種の他のゴ
ム90〜0重量%〔ただし、変性共役ジエン系重合体+
他のゴム=100重量%〕からなるゴム成分100重量
部に対し、カーボンブラックを20〜120重量部配合
したゴム組成物。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000217032A JP4807712B2 (ja) | 2000-07-18 | 2000-07-18 | 変性共役ジエン系重合体、その製造方法およびゴム組成物 |
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