JP2009120756A - 変性共役ジエン系重合体の製造方法、変性共役ジエン系重合体、及びゴム組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】低発熱性及び耐摩耗性に優れた加硫ゴムを提供することができる変性共役ジエン系重合体を得ることが可能な変性共役ジエン系重合体の製造方法を提供する。
【解決手段】共役ジエン系化合物を、少なくとも一つの3族元素を含有するメタロセン型錯体または少なくとも一つの3族元素を含有するビス(フォスフィノフェニル)アミド型錯体を含む重合触媒組成物の存在下で重合させ、シス−1,4−結合含量が75%以上である共役ジエン系重合体を得、得られた共役ジエン系重合体に所定の化合物(α)を反応させて一次変性重合体を得、得られた一次変性重合体に所定の化合物(β)を反応させる変性共役ジエン系重合体の製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】共役ジエン系化合物を、少なくとも一つの3族元素を含有するメタロセン型錯体または少なくとも一つの3族元素を含有するビス(フォスフィノフェニル)アミド型錯体を含む重合触媒組成物の存在下で重合させ、シス−1,4−結合含量が75%以上である共役ジエン系重合体を得、得られた共役ジエン系重合体に所定の化合物(α)を反応させて一次変性重合体を得、得られた一次変性重合体に所定の化合物(β)を反応させる変性共役ジエン系重合体の製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、変性共役ジエン系重合体の製造方法、変性共役ジエン系重合体、及びゴム組成物に関する。更に詳しくは、低発熱性及び耐摩耗性に優れた加硫ゴムの材料として好適に用いることができる変性共役ジエン系重合体の製造方法、その方法により得られた変性共役ジエン系重合体、及びゴム組成物に関する。
近年、省エネルギーの社会的な要請に関連して、自動車の低燃費化に対する要求はより過酷なものとなりつつある。このような要求に対応するため、タイヤ性能についても転がり抵抗の更なる減少が求められてきている。タイヤの転がり抵抗を下げる手法としては、タイヤ構造の最適化による手法や、発熱性の低い材料によってタイヤを形成する手法が検討されている。これらのうちでも、発熱性の低い材料によってタイヤを形成する手法が一般的に検討されている。
発熱性の低い材料としては、例えば、カーボンブラックやシリカを充填剤として含有するものが数多く開発されてきた。具体的には、有機リチウム化合物を含む触媒を用いてアニオン重合させ、重合活性末端を有する共役ジエン系重合体を得、得られた共役ジエン系重合体の重合活性末端を、充填剤と相互作用する官能基を含有するアルコキシシラン誘導体によって変性させた重合体と、上記充填剤とを含有する材料等が提案されている。
しかし、上記重合活性末端を有する共役ジエン系重合体のうち、例えば、タイヤサイドウォールゴムやタイヤトレッドゴムなどの製造において、特に重要であるシス−1,4−ポリブタジエンについての報告は少なく、また、変性させたシス−1,4−ポリブタジエンと充填剤(カーボンブラックやシリカ)とを含有するものは、その変性効果が殆ど得られていないのが実状である。
そこで、共役ジエン系重合体と、分子内に窒素原子を有する特定の官能基含有化合物(変性剤)とを反応させ、カーボンブラックが分散し易い共役ジエン系重合体を得る製造方法(特許文献1参照)や、共役ジエン系重合体を、キノン系化合物、チアゾール系化合物、スルフェンアミド系化合物、ジチオカルバミン酸塩系化合物、チウラム系化合物及びチオイミド系化合物よりなる群から選択される少なくとも一種の化合物で、変性またはカップリングして変性共役ジエン系重合体を得る方法が提案されている(特許文献2参照)。
しかしながら、特許文献1に記載の製造方法は、カーボンブラックの分散性に優れ、優れた耐摩耗性及び機械的強度を有する加硫ゴムを提供可能な共役ジエン系重合体を製造することができるという利点があり、また、特許文献2に記載の方法は、カーボンブラックの分散性に優れ、反撥弾性、耐摩耗性及び機械的強度に優れた加硫ゴムを提供可能な共役ジエン系重合体を製造することができるという利点があるが、上記いずれの方法によって得られる共役ジエン系重合体であっても、提供される加硫ゴムの、低発熱性については未だ十分に満足できるものではなく、また、耐摩耗性については未だ改良の余地があった。そのため、低発熱性及び耐摩耗性に優れた加硫ゴムの材料として好適に用いることができる変性共役ジエン系重合体、その製造方法、及びゴム組成物の開発が望まれていた。
本発明は、上述のような従来技術の課題を解決するためになされたものであり、低発熱性及び耐摩耗性が優れた加硫ゴムの材料として好適に用いることができる変性共役ジエン系重合体の製造方法、この製造方法により得られる変性共役ジエン系重合体、及びゴム組成物を提供するものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の重合触媒組成物の存在下で共役ジエン系化合物を重合させて共役ジエン系重合体を得、得られた共役ジエン系重合体に上記化合物(α)を反応させて一次変性重合体を得、得られた一次変性重合体に上記化合物(β)を反応させることによって、上記課題を解決することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的には、本発明により、以下の変性共役ジエン系重合体の製造方法、変性共役ジエン系重合体、及びゴム組成物が提供される。
[1] 共役ジエン系化合物を、少なくとも一つの3族元素を含有するメタロセン型錯体または少なくとも一つの3族元素を含有するビス(フォスフィノフェニル)アミド型錯体を含む重合触媒組成物の存在下で重合させ、シス−1,4−結合含量が75%以上である共役ジエン系重合体を得、得られた前記共役ジエン系重合体に下記化合物(α)を反応させて一次変性重合体を得、得られた前記一次変性重合体に下記化合物(β)を反応させる変性共役ジエン系重合体の製造方法。
化合物(α):その分子構造中に、一般式(1):N=C=X1で表わされる官能基を二つ以上含有する化合物(但し、前記一般式(1)中、X1は酸素原子または硫黄原子であり、前記二つ以上の官能基は同一でも異なっていてもよい)
化合物(β):アミノ基、イミノ基、メルカプト基、及び水酸基からなる群より選択される少なくとも一つの官能基を含有する化合物
化合物(α):その分子構造中に、一般式(1):N=C=X1で表わされる官能基を二つ以上含有する化合物(但し、前記一般式(1)中、X1は酸素原子または硫黄原子であり、前記二つ以上の官能基は同一でも異なっていてもよい)
化合物(β):アミノ基、イミノ基、メルカプト基、及び水酸基からなる群より選択される少なくとも一つの官能基を含有する化合物
[2] 前記重合触媒組成物が、助触媒成分として、下記触媒(a)〜(c)からなる群より選択される少なくとも一つの化合物を更に含むものである前記[1]に記載の変性共役ジエン系重合体の製造方法。
触媒(a):非配位性アニオンとカチオンとからなるイオン性化合物
触媒(b):アルミノオキサン
触媒(c):一般式(2):AlR1R2R3で表される有機アルミニウム化合物(但し、前記一般式(2)中、R1及びR2は同一または異なり、炭素数1〜10の炭化水素基または水素原子であり、R3はR1及びR2と同一または異なる炭素数1〜10の炭化水素基である)
触媒(a):非配位性アニオンとカチオンとからなるイオン性化合物
触媒(b):アルミノオキサン
触媒(c):一般式(2):AlR1R2R3で表される有機アルミニウム化合物(但し、前記一般式(2)中、R1及びR2は同一または異なり、炭素数1〜10の炭化水素基または水素原子であり、R3はR1及びR2と同一または異なる炭素数1〜10の炭化水素基である)
[3] 前記メタロセン型錯体が、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ガドリニウム(Gd)、及びルテチウム(Lu)からなる群より選択される少なくとも一つの元素を含有するものであり、前記ビス(フォスフィノフェニル)アミド型錯体が、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ガドリニウム(Gd)、及びルテチウム(Lu)からなる群より選択される少なくとも一つの元素を含有するものである前記[1]または[2]に記載の変性共役ジエン系重合体の製造方法。
[4] 前記共役ジエン系重合体と前記化合物(α)との反応、及び前記一次変性重合体と前記化合物(β)との反応のうちの少なくとも一つの反応を、付加反応触媒の存在下で行う前記[1]〜[3]のいずれかに記載の変性共役ジエン系重合体の製造方法。
[5] 前記共役ジエン系化合物が、1,3−ブタジエン、イソプレン、及び2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンからなる群より選択される少なくとも一種である前記[1]〜[4]のいずれかに記載の変性共役ジエン系重合体の製造方法。
[6] 前記共役ジエン系重合体が、シス−1,4−結合含量が99%以上であり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が2.0以下である前記[1]〜[5]のいずれかに記載の変性共役ジエン系重合体の製造方法。
[7] 前記[1]〜[6]のいずれかに記載の変性共役ジエン系重合体の製造方法により製造される変性共役ジエン系重合体。
[8] 前記[7]に記載の変性共役ジエン系重合体を含むゴム組成物。
本発明の変性共役ジエン系重合体の製造方法によれば、低発熱性及び耐摩耗性に優れた加硫ゴムを形成することができるゴム組成物の材料として用いることが可能な変性共役ジエン系重合体を好適に製造することができる。
本発明の変性共役ジエン系重合体は、低発熱性及び耐摩耗性に優れた加硫ゴムを製造することができるゴム組成物の材料として好適である。
本発明のゴム組成物は、低発熱性及び耐摩耗性に優れた加硫ゴムを製造するための材料として好適である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。即ち、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に属することが理解されるべきである。
[1]変性共役ジエン系重合体の製造方法:
本発明の変性共役ジエン系重合体の製造方法の一実施形態は、共役ジエン系化合物を、少なくとも一つの3族元素を含有するメタロセン型錯体または少なくとも一つの3族元素を含有するビス(フォスフィノフェニル)アミド型錯体を含む重合触媒組成物の存在下で重合させ、シス−1,4−結合含量が75%以上である共役ジエン系重合体を得(以下、「(A)工程」と記す場合がある)、得られた共役ジエン系重合体に下記化合物(α)を反応させて一次変性重合体を得、(以下、「(B)工程」と記す場合がある)、得られた一次変性重合体に下記化合物(β)を反応させる(以下、「(C)工程」と記す場合がある)ものである。
化合物(α):その分子構造中に、一般式(1):N=C=X1で表わされる官能基を二つ以上含有する化合物(但し、前記一般式(1)中、X1は酸素原子または硫黄原子であり、前記二つ以上の官能基は同一でも異なっていてもよい)
化合物(β):アミノ基、イミノ基、メルカプト基、及び水酸基からなる群より選択される少なくとも一つの官能基を含有する化合物
本発明の変性共役ジエン系重合体の製造方法の一実施形態は、共役ジエン系化合物を、少なくとも一つの3族元素を含有するメタロセン型錯体または少なくとも一つの3族元素を含有するビス(フォスフィノフェニル)アミド型錯体を含む重合触媒組成物の存在下で重合させ、シス−1,4−結合含量が75%以上である共役ジエン系重合体を得(以下、「(A)工程」と記す場合がある)、得られた共役ジエン系重合体に下記化合物(α)を反応させて一次変性重合体を得、(以下、「(B)工程」と記す場合がある)、得られた一次変性重合体に下記化合物(β)を反応させる(以下、「(C)工程」と記す場合がある)ものである。
化合物(α):その分子構造中に、一般式(1):N=C=X1で表わされる官能基を二つ以上含有する化合物(但し、前記一般式(1)中、X1は酸素原子または硫黄原子であり、前記二つ以上の官能基は同一でも異なっていてもよい)
化合物(β):アミノ基、イミノ基、メルカプト基、及び水酸基からなる群より選択される少なくとも一つの官能基を含有する化合物
このように、重合触媒組成物の存在下で重合させて得られる共役ジエン系重合体を用い、この共役ジエン系重合体に上記化合物(α)を反応させ、更に、化合物(β)を反応させることによって、低発熱性及び耐摩耗性に優れた加硫ゴムを形成することができるゴム組成物の材料として用いることが可能な変性共役ジエン系重合体を好適に製造することができる。
[1−1](A)工程:
本実施形態の変性共役ジエン系重合体の製造方法は、まず、共役ジエン系化合物を、少なくとも一つの3族元素を含有するメタロセン型錯体または少なくとも一つの3族元素を含有するビス(フォスフィノフェニル)アミド型錯体を含む重合触媒組成物の存在下で重合させ、シス−1,4−結合含量が75%以上である共役ジエン系重合体を得る。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体の製造方法は、まず、共役ジエン系化合物を、少なくとも一つの3族元素を含有するメタロセン型錯体または少なくとも一つの3族元素を含有するビス(フォスフィノフェニル)アミド型錯体を含む重合触媒組成物の存在下で重合させ、シス−1,4−結合含量が75%以上である共役ジエン系重合体を得る。
このように重合触媒組成物の存在下で上記共役ジエン系化合物を重合させることによって、分子量分布が狭く、シス−1,4−結合含量が高い共役ジエン系重合体を得ることができるという利点がある。
[1−1−1]共役ジエン系化合物:
本実施形態の変性共役ジエン系重合体の製造方法に用いられる共役ジエン系化合物は、置換または非置換の共役ジエン化合物であり、例えば、炭素数4〜20の直鎖状または分岐状の共役ジエン化合物を挙げることができる。具体的には、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、ミルセン、シクロ−1,3−ペンタジエンなどを挙げることができる。これらの中でも、1,3−ブタジエン、イソプレン、及び2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンからなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体の製造方法に用いられる共役ジエン系化合物は、置換または非置換の共役ジエン化合物であり、例えば、炭素数4〜20の直鎖状または分岐状の共役ジエン化合物を挙げることができる。具体的には、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、ミルセン、シクロ−1,3−ペンタジエンなどを挙げることができる。これらの中でも、1,3−ブタジエン、イソプレン、及び2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンからなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。
[1−1−2]重合触媒組成物:
本実施形態の変性共役ジエン系重合体の製造方法に用いられる重合触媒組成物は、少なくとも一つの3族元素を含有するメタロセン型錯体または少なくとも一つの3族元素を含有するビス(フォスフィノフェニル)アミド型錯体を含むものである。メタロセン型錯体(以下、「第一の錯体」と記す場合がある)としては、例えば、一般式(3):(R4)aM(X2)b・Lc、又は一般式(4):(R4)aM(X2)bQ(X2)b(但し、上記一般式(3)、(4)中、Mは3族元素であり、R4はシクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル基、フルオレニル基、又は置換フルオレニル基であり、X2は水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、チオラート基、アミド基、又は炭素数1〜20の炭化水素基であり、Lはルイス塩基性化合物であり、Qは13族元素である。aは1又は2であり、bは0〜2の整数であり、cは0〜2の整数である。aが2である場合、2個のR4は同一でも異なっていてもよい。b又はcが2である場合には、2個のX2又はLはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)で表される有機金属化合物などが挙げられる。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体の製造方法に用いられる重合触媒組成物は、少なくとも一つの3族元素を含有するメタロセン型錯体または少なくとも一つの3族元素を含有するビス(フォスフィノフェニル)アミド型錯体を含むものである。メタロセン型錯体(以下、「第一の錯体」と記す場合がある)としては、例えば、一般式(3):(R4)aM(X2)b・Lc、又は一般式(4):(R4)aM(X2)bQ(X2)b(但し、上記一般式(3)、(4)中、Mは3族元素であり、R4はシクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル基、フルオレニル基、又は置換フルオレニル基であり、X2は水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、チオラート基、アミド基、又は炭素数1〜20の炭化水素基であり、Lはルイス塩基性化合物であり、Qは13族元素である。aは1又は2であり、bは0〜2の整数であり、cは0〜2の整数である。aが2である場合、2個のR4は同一でも異なっていてもよい。b又はcが2である場合には、2個のX2又はLはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)で表される有機金属化合物などが挙げられる。
上記一般式(3)及び(4)において、Mは3族元素である限り特に制限はないが、3族元素の中でも、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ガドリニウム(Gd)、またはルテチウム(Lu)が好ましい。
即ち、メタロセン型錯体としては、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ガドリニウム(Gd)、及びルテチウム(Lu)からなる群より選択される少なくとも一つの元素を含有するものであることが好ましく、ビス(フォスフィノフェニル)アミド型錯体としては、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ガドリニウム(Gd)、及びルテチウム(Lu)からなる群より選択される少なくとも一つの元素を含有するものであることが好ましい。
上記一般式(3)及び(4)において、R4で示される置換シクロペンタジエニル基、置換インデニル基、及び置換フルオレニル基における置換基の、種類、個数及び置換位置は特に制限はないが、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、フェニル基、ベンジル基;トリメチルシリル基等のケイ素原子を含有する炭化水素基等を挙げることができる。また、R4はジメチルシリル基、ジメチルメチレン基、メチルフェニルメチレン基、ジフェニルメチレン基、エチレン基、置換エチレン基等の架橋基で互いに結合されていてもよい。
上記置換シクロペンタジエニル基としては、具体的には、メチルシクロペンタジエニル基、ベンジルシクロペンタジエニル基、ビニルシクロペンタジエニル基、2−メトキシエチルシクロペンタジエニル基、トリメチルシリルシクロペンタジエニル基、tert−ブチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、フェニルシクロペンタジエニル基、1,2−ジメチルシクロペンタジエニル基、1,3−ジメチルシクロペンタジエニル基、1,3−ジ(tert−ブチル)シクロペンタジエニル基、1,2,3−トリメチルシクロペンタジエニル基、1,2,3,4−テトラメチルシクロペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基、1−エチル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル基、1−ベンジル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル基、1−フェニル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル基、1−トリメチルシリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル基、1−トリフルオロメチル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル基等が挙げられる。また、上記置換インデニル基としては、具体的には、1,2,3−トリメチルインデニル基、ヘプタメチルインデニル基、1,2,4,5,6,7−ヘキサメチルインデニル基等が挙げられる。R4としては、ペンタメチルシクロペンタジエニル基が好ましい。
上記一般式(3)及び(4)において、X2で示されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子が挙げられ、これらの中でも、塩素原子、またはヨウ素原子が好ましい。
上記一般式(3)及び(4)において、X2で示されるアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等の脂肪族アルコキシ基;フェノキシ基、2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ基、2,6−ジイソプロピルフェノキシ基、2−tert−ブチル−6−イソプロピルフェノキシ基、2−tert−ブチル−6−ネオペンチルフェノキシ基、2−イソプロピル−6−ネオペンチルフェノキシ基等のアリールオキシ基等が挙げられ、これらの中でも、2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ基が好ましい。
上記一般式(3)及び(4)において、X2で示されるチオラート基としては、チオメトキシ基、チオエトキシ基、チオプロポキシ基、チオn−ブトキシ基、チオイソブトキシ基、チオsec−ブトキシ基、チオtert−ブトキシ基等の脂肪族チオラート基;チオフェノキシ基、2,6−ジ−tert−ブチルチオフェノキシ基、2,6−ジイソプロピルチオフェノキシ基、2−tert−ブチル−6−イソプロピルチオフェノキシ基、2−tert−ブチル−6−ネオペンチルチオフェノキシ基、2−イソプロピル−6−ネオペンチルチオフェノキシ基、2,4,6−トリイソプロピルチオフェノキシ基等のアリールチオラート基等が挙げられ、これらの中でも、2,4,6−トリイソプロピルチオフェノキシ基が好ましい。
上記一般式(3)及び(4)において、X2で示されるアミド基としては、ジメチルアミド基、ジエチルアミド基、ジイソプロピルアミド基等の脂肪族アミド基;フェニルアミド基、2,6−ジ−tert−ブチルフェニルアミド基、2,6−ジイソプロピルフェニルアミド基、2,6−ジネオペンチルフェニルアミド基、2−tert−ブチル−6−イソプロピルフェニルアミド基、2−tert−ブチル−6−ネオペンチルフェニルアミド基、2−イソプロピル−6−ネオペンチルフェニルアミド基、2,4,6−tert−ブチルフェニルアミド基等のアリールアミド基等が挙げられ、これらの中でも、2,4,6−tert−ブチルフェニルアミド基が好ましい。
上記一般式(3)及び(4)において、X2で示される炭素数1〜20の炭化水素としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、オクチル基等の直鎖又は分枝鎖の脂肪族炭化水素基;フェニル基、トリル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素基;ベンジル基等のアラルキル基;トリメチルシリルメチル基、ビストリメチルシリルメチル基等のケイ素原子を含有する炭化水素基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基、イソブチル基、トリメチルシリルメチル基が好ましい。
上記一般式(3)において、Lは3族元素と配位結合が可能なルイス塩基性の化合物であれば特に制限はなく、無機化合物又は有機化合物のいずれであってもよい。ルイス塩基性化合物としては、例えば、エーテル化合物、エステル化合物、ケトン化合物、アミン化合物、ホスフィン化合物、シリルオキシ化合物等を挙げることができる。
上記一般式(4)において、Qは13族元素を示すが、具体的には、ホウ素、アルミニウム、ガリウム等が挙げられ、これらの中でもアルミニウムが好ましい。
上記一般式(3)で表される有機金属化合物の具体例としては、例えば、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルビステトラヒドロフランサマリウム、メチルビスペンタメチルシクロペンタジエニルテトラヒドロフランサマリウム、クロロビスペンタメチルシクロペンタジエニルテトラヒドロフランサマリウム、ヨードビスペンタメチルシクロペンタジエニルテトラヒドロフランサマリウムなどが挙げられ、上記一般式(4)で表わされる有機金属化合物の具体例としては、例えば、ジメチルアルミニウム(μ−ジメチル)ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)サマリウム、ジメチルアルミニウム(μ−ジメチル)ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ガドリニウムなどが挙げられる。
第一の錯体としては、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルビステトラヒドロフランサマリウム、ジメチルアルミニウム(μ−ジメチル)ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)サマリウム、ジメチルアルミニウム(μ−ジメチル)ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ガドリニウムが好ましい。
第一の錯体の使用量は、共役ジエン系化合物100gに対して、0.01μmol〜2.0mmolであることが好ましく、0.1μmol〜0.2mmolであることが更に好ましく、1μmol〜0.02mmolであることが特に好ましい。第一の錯体の使用量が0.01μmol未満であると、重合反応が進行しないおそれがある。一方、2.0mmol超であると、触媒濃度が高くなり、脱灰工程が必要となる場合があるため、製造工程が煩雑になるおそれがある。
また、重合触媒組成物に含まれるビス(フォスフィノフェニル)アミド型錯体(以下「第二の錯体」と記す場合がある)としては、例えば、下記一般式(5)で表される有機金属化合物等を挙げることができる。
上記一般式(5)において、Mは3族元素である限り特に制限はないが、3族元素の中でも、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ガドリニウム(Gd)、またはルテチウム(Lu)が好ましい。
上記一般式(5)において、R5で示されるアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基が置換基を有する場合、その置換基の種類、個数及び置換位置は特に制限はなく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、フェニル基、ベンジル基;トリメチルシリル基等のケイ素原子を含有する炭化水素基等を挙げることができる。
上記一般式(5)において、X2で示されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子が挙げられ、これらの中でも、塩素原子、またはヨウ素原子が好ましい。
上記一般式(5)において、X2で示されるアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等の脂肪族アルコキシ基;フェノキシ基、2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ基、2,6−ジイソプロピルフェノキシ基、2−tert−ブチル−6−イソプロピルフェノキシ基、2−tert−ブチル−6−ネオペンチルフェノキシ基、2−イソプロピル−6−ネオペンチルフェノキシ基等のアリールオキシ基が挙げられ、これらの中でも、2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ基が好ましい。
上記一般式(5)において、X2で示されるチオラート基としては、チオメトキシ基、チオエトキシ基、チオプロポキシ基、チオn−ブトキシ基、チオイソブトキシ基、チオsec−ブトキシ基、チオtert−ブトキシ基等の脂肪族チオラート基;チオフェノキシ基、2,6−ジ−tert−ブチルチオフェノキシ基、2,6−ジイソプロピルチオフェノキシ基、2−tert−ブチル−6−イソプロピルチオフェノキシ基、2−tert−ブチル−6−ネオペンチルチオフェノキシ基、2−イソプロピル−6−ネオペンチルチオフェノキシ基、2,4,6−トリイソプロピルチオフェノキシ基等のアリールチオラート基が挙げられ、これらの中でも、2,4,6−トリイソプロピルチオフェノキシ基が好ましい。
上記一般式(5)において、X2で示されるアミド基としては、ジメチルアミド基、ジエチルアミド基、ジイソプロピルアミド基等の脂肪族アミド基;フェニルアミド基、2,6−ジ−tert−ブチルフェニルアミド基、2,6−ジイソプロピルフェニルアミド基、2,6−ジネオペンチルフェニルアミド基、2−tert−ブチル−6−イソプロピルフェニルアミド基、2−tert−ブチル−6−ネオペンチルフェニルアミド基、2−イソプロピル−6−ネオペンチルフェニルアミド基、2,4,6−tert−ブチルフェニルアミド基等のアリールアミド基が挙げられ、これらの中でも、2,4,6−tert−ブチルフェニルアミド基が好ましい。
上記一般式(5)において、X2で示される炭素数1〜20の炭化水素としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、オクチル基等の直鎖又は分枝鎖の脂肪族炭化水素基;フェニル基、トリル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素基;ベンジル基等のアラルキル基等の他;トリメチルシリルメチル基、ビストリメチルシリルメチル基等のケイ素原子を含有する炭化水素基が挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基、イソブチル基、トリメチルシリルメチル基が好ましい。
上記一般式(5)において、Lは3族元素と配位結合が可能なルイス塩基性の化合物であれば特に制限はなく、無機化合物又は有機化合物のいずれであってもよい。ルイス塩基性化合物としては、例えば、エーテル化合物、エステル化合物、ケトン化合物、アミン化合物、ホスフィン化合物、シリルオキシ化合物等を挙げることができる。
上記第二の錯体の具体例としては、式((2−(C6H5)2P)C6H4)2N)Y(CH2Si(CH3)3)2(C4H8O)で表される化合物、((2−(C6H5)2P)C6H4)2N)Lu(CH2Si(CH3)3)2(C4H8O)、((2−(C6H5)2P)C6H4)2N)Sc(CH2Si(CH3)3)2などを挙げることができる。これらの中でも、式((2−(C6H5)2P)C6H4)2N)Y(CH2Si(CH3)3)2(C4H8O)で表される化合物が好ましい。
第二の錯体の使用量は、共役ジエン系化合物100gに対して、0.01μmol〜2.0mmolであることが好ましく、0.1μmol〜0.2mmolであることが更に好ましく、1μmol〜0.02mmolであることが特に好ましい。第二の錯体の使用量が0.01μmol未満であると、重合反応が進行しないおそれがある。一方、2.0mmol超であると、触媒濃度が高くなり、脱灰工程が必要となる場合があるため、製造工程が煩雑になるおそれがある。
重合触媒組成物は、助触媒成分として、下記触媒(a)〜(c)からなる群より選択される少なくとも一つの化合物を更に含むことが好ましい。
触媒(a):非配位性アニオンとカチオンとからなるイオン性化合物
触媒(b):アルミノオキサン
触媒(c):一般式(2):AlR1R2R3で表される有機アルミニウム化合物(但し、前記一般式(2)中、R1及びR2は同一または異なり、炭素数1〜10の炭化水素基または水素原子であり、R3はR1及びR2と同一または異なる炭素数1〜10の炭化水素基である)
触媒(a):非配位性アニオンとカチオンとからなるイオン性化合物
触媒(b):アルミノオキサン
触媒(c):一般式(2):AlR1R2R3で表される有機アルミニウム化合物(但し、前記一般式(2)中、R1及びR2は同一または異なり、炭素数1〜10の炭化水素基または水素原子であり、R3はR1及びR2と同一または異なる炭素数1〜10の炭化水素基である)
触媒(a)は、非配位性アニオンとカチオンとからなるイオン性化合物である。非配位性アニオンとしては、例えば、テトラ(フェニル)ボレート、テトラキス(モノフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(ジフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(トリフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(トリフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(テトラフルオロメチルフェニル)ボレート、テトラ(トリル)ボレート、テトラ(キシリル)ボレート、(トリフェニル,ペンタフルオロフェニル)ボレート、[トリス(ペンタフルオロフェニル),フェニル]ボレート、トリデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレートなどを挙げることができる。
カチオンとしては、例えば、カルボニウムカチオン、オキソニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプタトリエニルカチオン、遷移金属を有するフェロセニウムカチオンなどを挙げることができる。
カルボニウムカチオンとしては、例えば、トリフェニルカルボニウムカチオン、トリ置換フェニルカルボニウムカチオンなどの三置換カルボニウムカチオンを挙げることができる。トリ置換フェニルカルボニウムカチオンとしては、例えば、トリ(メチルフェニル)カルボニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)カルボニウムカチオンなどを挙げることができる。
アンモニウムカチオンとしては、例えば、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、トリプロピルアンモニウムカチオン、トリブチルアンモニウムカチオン、トリ(n−ブチル)アンモニウムカチオンなどのトリアルキルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチルアニリニウムカチオン、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムカチオンなどのN,N−ジアルキルアニリニウムカチオン、ジ(イソプロピル)アンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウムカチオンなどのジアルキルアンモニウムカチオンなどを挙げることができる。
ホスホニウムカチオンとしては、例えば、トリフェニルホスホニウムカチオン、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムカチオンなどのトリアリールホスホニウムカチオンなどを挙げることができる。
なお、上記イオン性化合物は、非配位性アニオン及びカチオンの中から、それぞれ任意に選択して組み合わせたものを用いることができる。例えば、トリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルボニウムテトラキス(テトラフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、1,1’−ジメチルフェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどが好ましい。上記イオン性化合物は、単独でまたは二種以上を使用することもできる。
重合触媒組成物において、第一の錯体または第二の錯体とイオン性化合物との配合比(第一の錯体または第二の錯体/イオン性化合物)は、モル比で、1/0.1〜1/10であることが好ましく、1/0.2〜1/5であることが更に好ましく、1/0.5〜1/2であることが特に好ましい。
触媒(b)はアルミノオキサンである。アルミノオキサン(以下、「アルモキサン」と記す場合がある)は、その構造が、下記一般式(6)または(7)で表される化合物である。なお、ファインケミカル,23,(9),5(1994)、J.Am.Chem.Soc.,115,4971(1993)、及びJ.Am.Chem.Soc.,117,6465(1995)で開示されている、アルモキサンの会合体であってもよい。
なお、上記一般式(6)及び(7)中、R6は、炭素数1〜20の炭化水素基であり、上記一般式(6)中のn及び上記一般式(7)中のmは、2以上の整数である。一般式(6)及び(7)中のR6としては、例えば、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ヘキシル、イソヘキシル、オクチル、イソオクチル等の基を挙げることができる。これらのうち、メチル、エチル、イソブチル、t−ブチル等の基が好ましく、メチル基が更に好ましい。また、上記一般式(6)中のn及び上記一般式(7)中のmは、4〜100の整数であることが好ましい。
アルモキサンとしては、例えば、メチルアルモキサン(MAO)、エチルアルモキサン、n−プロピルアルモキサン、n−ブチルアルモキサン、イソブチルアルモキサン、t−ブチルアルモキサン、ヘキシルアルモキサン、イソヘキシルアルモキサン等を挙げることができる。アルモキサンは、公知の方法によって製造することができる。例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の有機溶媒中に、トリアルキルアルミニウム、またはジアルキルアルミニウムモノクロライドを加え、更に水、水蒸気、水蒸気含有窒素ガス、または硫酸銅5水塩や硫酸アルミニウム16水塩等の、結晶水を有する塩を加えて反応させることにより製造することができる。なお、アルモキサンは、単独でまたは二種以上を使用することができる。
重合触媒組成物において、第一の錯体または第二の錯体とアルミノキサンとの配合比(第一の錯体または第二の錯体/アルミノキサン)は、モル比で、1/1〜1/10000であることが好ましく、1/10〜1/5000であることが更に好ましく、1/50〜1/1000であることが特に好ましい。
触媒(c)は、一般式(2)AlR1R2R3で表される有機アルミニウム化合物である(但し、前記一般式(2)中、R1及びR2は同一または異なり、炭素数1〜10の炭化水素基または水素原子であり、R3はR1及びR2と同一または異なる炭素数1〜10の炭化水素基である)。
上記有機アルミニウム化合物としては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−t−ブチルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリシクロヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、水素化ジエチルアルミニウム、水素化ジ−n−プロピルアルミニウム、水素化ジ−n−ブチルアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化ジヘキシルアルミニウム、水素化ジイソヘキシルアルミニウム、水素化ジオクチルアルミニウム、水素化ジイソオクチルアルミニウム、エチルアルミニウムジハイドライド、n−プロピルアルミニウムジハイドライド、イソブチルアルミニウムジハイドライドなどを挙げることができる。
これらの中でも、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、水素化ジエチルアルミニウム、または水素化ジイソブチルアルミニウムが好ましい。なお、上記有機アルミニウム化合物は、単独でまたは二種以上を使用することができる。
重合触媒組成物において、第一の錯体または第二の錯体と有機アルミニウム化合物との配合比(第一の錯体または第二の錯体/有機アルミニウム化合物)は、モル比で、1/0.1〜1/100000であることが好ましく、1/0.2〜1/50000であることが更に好ましく、1/0.5〜1/10000であることが特に好ましい。
重合触媒組成物には、第一の錯体、第二の錯体、及び触媒(a)〜(c)以外に、共役ジエン系化合物、及び非共役ジエン系化合物よりなる群より選択される少なくとも一つの化合物を含有させることができる。これらの化合物を含有させると、触媒活性が一段と向上するために好ましい。この共役ジエン系化合物は、既に上述した共役ジエン系化合物と同じものを用いることができる。また、非共役ジエン系化合物としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジイソプロペニルベンゼン、トリイソプロペニルベンゼン、1,4−ビニルヘキサジエン、エチリデンノルボルネン等を挙げることができる。
重合触媒組成物は、その使用の前に予め各成分(第一の錯体、第二の錯体、及び触媒(a)〜(c)など)を混合して反応させるとともに、熟成させておくことが、重合活性の向上、及び重合開始誘導期間の短縮の点から好ましい。熟成温度は0〜100℃とすることが好ましく、20〜80℃とすることが更に好ましい。熟成温度が0℃未満であると、熟成が不十分となるおそれがある。一方、100℃超であると、触媒活性の低下や、分子量分布の広がりが生じ易くなるおそれがある。なお、熟成時間には、特に制限はなく、30分以上であれば十分である。
共役ジエン系化合物の重合条件は、特に制限はないが、重合反応の温度が−30〜+200℃であることが好ましく、0〜+150℃であることが更に好ましい。また、重合反応の反応形式についても特に制限はなく、バッチ式反応器を用いて行ってもよく、多段連続式反応器等の装置を用いて連続式で行ってもよい。
更に、重合反応に際し、溶媒(重合溶媒)を用いてもよいし、溶媒を用いなくてもよい。重合溶媒を用いる場合、重合溶媒としては、不活性な有機溶媒が好ましく、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の炭素数4〜10の飽和脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン等の炭素数6〜20の飽和脂環式炭化水素、1−ブテン、2−ブテン等のモノオレフィン類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ブロムベンゼン、クロロトルエン等のハロゲン化炭化水素を挙げることができる。
なお、重合溶媒を用いる場合、共役ジエン系化合物の配合割合は、反応溶液の総量に対して、5〜50質量%であることが好ましく、7〜35質量%であることが更に好ましい。
また、共役ジエン系重合体を製造するために、及び活性末端を有する共役ジエン系重合体を失活させないために、重合系内に酸素、水、または炭酸ガス等の失活作用のある化合物の混入を極力少なくする配慮を行うことが好ましい。
本工程で得られる共役ジエン系重合体は、シス−1,4−結合含量が75%以上であることが必要であり、99%以上であることが好ましく、99.5%以上であることが更に好ましい。シス−1,4−結合含量が99%以上である共役ジエン系重合体を用いると、破壊特性が向上した変性共役ジエン系重合体を製造することができる。なお、共役ジエン系重合体のシス−1,4−結合含量は、重合温度をコントロールすることによって容易に調整することができる。ここで、破壊特性とは、耐摩耗性、耐亀裂生長性、引張り強さ等の総称である。
また、本工程で得られる共役ジエン系重合体は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が2.0以下であることが好ましく、1.8以下であることが更に好ましく、1.5以下であることが特に好ましい。上記比(Mw/Mn)が2.0超であると、製造される変性共役ジエン系重合体を材料にして得られた加硫ゴムの、破壊特性、低発熱性等のゴム物性が低下する傾向にある。ここで、本明細書において「重量平均分子量(Mw)」というときは、ゲルパーミエーションクロマトグラフを使用した標準ポリスチレン換算値をいうものとし、「数平均分子量(Mn)」というときも、ゲルパーミエーションクロマトグラフを使用した標準ポリスチレン換算値をいうものとする。なお、Mw/Mnは、第一の錯体または第二の錯体の使用量と、触媒(a)〜(c)成分のモル比とをコントロールすることによって容易に調整することができる。
上記共役ジエン系重合体のムーニー粘度(ML1+4,100℃)は、5〜50であることが好ましく、10〜40であることが更に好ましい。5未満であると、加硫後の機械特性、耐摩耗性などが低下するおそれがある。一方、50超であると、得られる変性共役ジエン系重合体の、混練時の加工性が低下するおそれがある。このムーニー粘度は、第一の錯体または第二の錯体の使用量と、助触媒(a)〜(c)成分のモル比とをコントロールすることによって容易に調整することができる。
[1−2](B)工程:
次に、本実施形態の変性共役ジエン系重合体の製造方法は、得られた上記共役ジエン系重合体に上記化合物(α)を反応させて一次変性重合体を得る。
次に、本実施形態の変性共役ジエン系重合体の製造方法は、得られた上記共役ジエン系重合体に上記化合物(α)を反応させて一次変性重合体を得る。
化合物(α)は、その分子構造中に、一般式(1):N=C=X1で表わされる官能基を二つ以上含有する化合物(但し、前記一般式(1)中、X1は酸素原子または硫黄原子であり、前記二つ以上の官能基は同一でも異なっていてもよい)である。
イソシアネート基を二つ以上含有する化合物としては、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソプロピリデンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、キシリレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニルジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニルジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアネートエチル)フマラート等を挙げることができる。これらの中でも、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートが好ましい。
チオイソシアネート基を二つ以上含有する化合物としては、例えば、2,4−トリレンジチオイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジチオイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジチオイソシアネート等を挙げることができる。これらの中でも、4,4’−ジフェニルメタンジチオイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジチオイソシアネートが好ましい。
化合物(α)としては、一般式(1−1):X1=N=C−Z−C=N=X1で表される化合物(前記一般式(1−1)中、Zは直鎖状若しくは分枝鎖状の脂肪族または芳香族の炭化水素基、脂環式の炭化水素基であり、これらの炭化水素基は不活性な置換基を有していてもよく、X1は酸素原子または硫黄原子であって、それぞれが同一でも異なっていてもよい。)であることが好ましい。
なお、上記化合物は、単独でまたは二種以上を使用することができる。
化合物(α)の使用量としては、共役ジエン系化合物100gに対して、0.02〜20mmolであることが好ましく、0.1〜10mmolであることが更に好ましく、0.2〜5mmolであることが特に好ましい。化合物(α)の使用量が0.02mmol未満であると、本工程の進行が十分ではなく、化合物(β)と反応する官能基が共役ジエン系重合体に十分に導入されないおそれがある。一方、20mmol超であると、共役ジエン系重合体と反応する官能基数が飽和しているため製造コストが高くなる傾向がある。
一次変性重合体を得るための反応条件は、特に制限はないが、溶液反応で行うことが好ましい。この溶液反応は、例えば、共役ジエン系重合体を重合する際に使用した未反応モノマーを含んだ溶液でもよい。また、反応形式も特に制限はなく、バッチ式反応器を用いて行ってもよく、多段連続式反応器やインラインミキサ等の装置を用いて連続式で行ってもよい。
また、本工程の反応温度は、上記(A)工程で共役ジエン系重合体を重合した際の重合温度をそのまま用いることができる。具体的には、0〜120℃が好ましく、10〜100℃が更に好ましい。重合温度が0℃未満になると、得られる一次変性重合体の粘度が上昇するおそれがある。一方、120℃超であると、重合活性末端が失活し易くなるおそれがある。反応時間は、5分〜5時間であることが好ましく、15分〜1時間であることが更に好ましい。
なお、本実施形態の変性共役ジエン系重合体の製造方法は、(B)工程の反応を促進させる付加反応触媒を用いることが好ましい。付加反応触媒は、例えば、共役ジエン系重合体と化合物(α)とを混合させて混合物を得、得られた混合物に添加することにより用いることができる。
付加反応触媒としては、例えば、三級アミノ基を含有する化合物、または周期律表の4族、12族、13族、14族、及び15族のうちのいずれかに属する元素を一つ以上含有する化合物を用いることができる。これらの中でも、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ビスマス(Bi)、アルミニウム(Al)、またはスズ(Sn)のうちの元素を一つ以上含有する化合物であり、この付加反応触媒を構成する化合物が、アルコキシド、カルボン酸塩、またはアセチルアセトナート錯塩であることが好ましい。
上記付加反応触媒は、具体的には、テトラメトキシチタニウム、テトラエトキシチタニウム、テトラn−プロポキシチタニウム、テトラi−プロポキシチタニウム、テトラn−ブトキシチタニウム、テトラn−ブトキシチタニウムオリゴマー、テトラsec−ブトキシチタニウム、テトラtert−ブトキシチタニウム、テトラ(2−エチルヘキシル)チタニウム、ビス(オクタンジオレート)ビス(2−エチルヘキシル)チタニウム、テトラ(オクタンジオレート)チタニウム、チタニウムラクテート、チタニウムジプロポキシビス(トリエタノールアミネート)、チタニウムジブトキシビス(トリエタノールアミネート)、チタニウムトリブトキシステアレート、チタニウムトリプロポキシステアレート、チタニウムトリプロポキシアセチルアセトネート、チタニウムジプロポキシビス(アセチルアセトネート)、チタニウムトリプロポキシエチルアセトアセテート、チタニウムプロポキシアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、チタニウムトリブトキシアセチルアセトネート、チタニウムジブトキシビス(アセチルアセトネート)、チタニウムトリブトキシエチルアセトアセテート、チタニウムブトキシアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、チタニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、チタニウムジアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、ビス(2−エチルヘキサノエート)チタニウムオキサイド、ビス(ラウレート)チタニウムオキサイド、ビス(ナフテート)チタニウムオキサイド、ビス(ステアレート)チタニウムオキサイド、ビス(オレエート)チタニウムオキサイド、ビス(リノレート)チタニウムオキサイド、テトラキス(2−エチルヘキサノエート)チタニウム、テトラキス(ラウレート)チタニウム、テトラキス(ナフテート)チタニウム、テトラキス(ステアレート)チタニウム、テトラキス(オレエート)チタニウム、テトラキス(リノレート)チタニウム等のチタニウムを含む化合物を挙げることができる。
また、トリス(2−エチルヘキサノエート)ビスマス、トリス(ラウレート)ビスマス、トリス(ナフテート)ビスマス、トリス(ステアレート)ビスマス、トリス(オレエート)ビスマス、トリス(リノレート)ビスマス、テトラエトキシジルコニウム、テトラn−プロポキシジルコニウム、テトラi−プロポキシジルコニウム、テトラn−ブトキシジルコニウム、テトラsec−ブトキシジルコニウム、テトラtert−ブトキシジルコニウム、テトラ(2−エチルヘキシル)ジルコニウム、ジルコニウムトリブトキシステアレート、ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトネート、ジルコニウムジブトキシビス(アセチルアセトネート)、ジルコニウムトリブトキシエチルアセトアセテート、ジルコニウムブトキシアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、ジルコニウムジアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、ビス(2−エチルヘキサノエート)ジルコニウムオキサイド、ビス(ラウレート)ジルコニウムオキサイド、ビス(ナフテート)ジルコニウムオキサイド、ビス(ステアレート)ジルコニウムオキサイド、ビス(オレエート)ジルコニウムオキサイド、ビス(リノレート)ジルコニウムオキサイド、テトラキス(2−エチルヘキサノエート)ジルコニウム、テトラキス(ラウレート)ジルコニウム、テトラキス(ナフテート)ジルコニウム、テトラキス(ステアレート)ジルコニウム、テトラキス(オレエート)ジルコニウム、テトラキス(リノレート)ジルコニウム等を挙げることができる。
また、トリエトキシアルミニウム、トリn−プロポキシアルミニウム、トリi−プロポキシアルミニウム、トリn−ブトキシアルミニウム、トリsec−ブトキシアルミニウム、トリtert−ブトキシアルミニウム、トリ(2−エチルヘキシル)アルミニウム、アルミニウムジブトキシステアレート、アルミニウムジブトキシアセチルアセトネート、アルミニウムブトキシビス(アセチルアセトネート)、アルミニウムジブトキシエチルアセトアセテート、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、トリス(2−エチルヘキサノエート)アルミニウム、トリス(ラウレート)アルミニウム、トリス(ナフテート)アルミニウム、トリス(ステアレート)アルミニウム、トリス(オレエート)アルミニウム、トリス(リノレート)アルミニウム等を挙げることができる。
これらの中でも、トリス(2−エチルヘキサノエート)ビスマス、テトラn−プロポキシジルコニウム、テトラn−ブトキシジルコニウム、ビス(2−エチルヘキサノエート)ジルコニウムオキサイド、ビス(オレエート)ジルコニウムオキサイド、トリi−プロポキシアルミニウム、トリsec−ブトキシアルミニウム、トリス(2−エチルヘキサノエート)アルミニウム、トリス(ステアレート)アルミニウム、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、ビス(n−オクタノエート)スズ、ビス(2−エチルヘキサノエート)スズ、ビス(ラウレート)スズ、ビス(ナフトエネート)スズ、ビス(ステアレート)スズ、ビス(オレエート)スズ、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジn−オクタノエート、ジブチルスズジ2−エチルヘキサノエート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズマレート、ジブチルスズビス(ベンジルマレート)、ジブチルスズビス(2−エチルヘキシルマレート)、ジn−オクチルスズジアセテート、ジn−オクチルスズジn−オクタノエート、ジn−オクチルスズジ2−エチルヘキサノエート、ジn−オクチルスズジラウレート、ジn−オクチルスズマレート、ジn−オクチルスズビス(ベンジルマレート)、ジn−オクチルスズビス(2−エチルヘキシルマレート)を好適に用いることができる。
付加反応触媒の使用量は、化合物(α)1molに対して、0.01〜100molであることが好ましく、0.1〜10molであることが更に好ましい。上記使用量が0.01mol未満であると、付加反応触媒として機能しないおそれがある。一方、100mol超であっても、使用量に対して十分な効果が得られないため製造コストが高くなる傾向がある。
[1−3](C)工程:
次に、本実施形態の変性共役ジエン系重合体の製造方法は、得られた一次変性重合体に上記化合物(β)を反応させる。
次に、本実施形態の変性共役ジエン系重合体の製造方法は、得られた一次変性重合体に上記化合物(β)を反応させる。
化合物(β)は、アミノ基、イミノ基、メルカプト基、及び水酸基からなる群より選択される少なくとも一つの官能基を含有する化合物である。
アミノ基またはイミノ基を含有する化合物(β)としては、例えば、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、1,8−ナフタレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ヘキサメチルジシラザン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等を挙げることができる。これらの中でも、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミンが好ましい。
メルカプト基を含有する化合物(β)としては、例えば、ブタンジチオール、ヘキサメチレンジチオール、ヘプタメチレンジチオール、ノナメチレンジチオール、ドデカメチレンジチオール、デカメチレンジチオール、ビス−(2−メルカプトエチル)サルファイド、1,5−ジメルカプトナフタレン等を挙げることができる。これらの中でも、ヘキサメチレンジチオールが好ましい。
水酸基を含有する化合物(β)としては、例えば、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルイソプロパノールアミン、N,N−ジイソプロピルエタノールアミン、N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)オキサミド、1−(ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ)−2−プロパノール等を挙げることができる。これらの中でも、N,N−ジメチルイソプロパノールアミン、N,N−ジイソプロピルエタノールアミンが好ましい。
化合物(β)は、一般式(8):Hn−W−Z−W−Hnで表される化合物(一般式(8)中、Zは直鎖状若しくは分枝鎖状の脂肪族または芳香族の炭化水素基、脂環式の炭化水素基であり、これらの炭化水素基は不活性な置換基を有していてもよく、Wは窒素原子、硫黄原子、または酸素原子であって、それぞれが同一でも異なっていてもよく、nは1または2である。)であることが好ましい。
化合物(β)の使用量は、共役ジエン系化合物100gに対して、0.02〜20mmolであることが好ましく、0.1〜10mmolであることが更に好ましく、0.2〜5mmolであることが特に好ましい。なお、化合物(β)の使用量が0.02mmol未満であると、本工程の進行が十分ではなく、また、カーボンブラックとの分散性が充分に発現されなくなることに加えて、低発熱性及び耐摩耗性の改良効果が発現されないおそれがある。一方、20mmol超であると、化合物(β)の使用量に対する、カーボンブラックの分散性や物性の改良効果が発揮されなくなるおそれがある。
本工程の反応条件は、特に制限はないが、上記した(B)工程に続けて行うことができ、(B)工程と同様の方法により行うことができる。
なお、本実施形態の変性共役ジエン系重合体の製造方法は、(C)工程の反応を促進させる付加反応触媒を用いることが好ましい。この付加反応触媒は、上述した(B)工程に用いる付加反応触媒と同様のものを好適に使用することができる。
目的の変性共役ジエン系重合体は、上記(C)工程が終了した後、必要に応じて、重合停止剤や重合安定剤を反応系に加え、変性共役ジエン系重合体の製造における従来公知の脱溶媒、乾燥操作を行うことによって回収することができる。
[2]変性共役ジエン系重合体:
本発明の変性共役ジエン系重合体の一実施形態は、これまでに説明した変性共役ジエン系重合体の製造方法によって製造されるものである。このような変性共役ジエン系重合体は、低発熱性及び耐摩耗性に優れた加硫ゴムを製造することができるゴム組成物の材料として好適である。
本発明の変性共役ジエン系重合体の一実施形態は、これまでに説明した変性共役ジエン系重合体の製造方法によって製造されるものである。このような変性共役ジエン系重合体は、低発熱性及び耐摩耗性に優れた加硫ゴムを製造することができるゴム組成物の材料として好適である。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体のムーニー粘度(ML1+4,100℃)は、10〜100であることが好ましく、20〜80であることが更に好ましい。ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が10未満であると、破壊特性などのゴム物性が低下するおそれがある。一方、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が100超であると、配合剤とともに混練する際の作業性が悪くなるおそれがある。
また、変性共役ジエン系重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、3.5以下であることが好ましく、3.0以下であることが更に好ましく、2.5以下であることが特に好ましい。
また、変性共役ジエン系重合体は、重量平均分子量(Mw)が、5万〜150万であることが好ましく、10万〜100万であることが更に好ましく、15万〜100万であることが特に好ましい。重量平均分子量(Mw)が5万未満であると、破壊特性が低下する傾向にある。一方、重量平均分子量(Mw)が150万超であると、加工性が悪化する傾向にある。
[3]ゴム組成物:
本発明のゴム組成物の一実施形態は、上述した変性共役ジエン共重合体を含むものである。このような構成により、低発熱性及び耐摩耗性に優れた加硫ゴムを製造するための材料として好適となる。以下、その詳細について説明する。
本発明のゴム組成物の一実施形態は、上述した変性共役ジエン共重合体を含むものである。このような構成により、低発熱性及び耐摩耗性に優れた加硫ゴムを製造するための材料として好適となる。以下、その詳細について説明する。
本実施形態のゴム組成物中の変性共役ジエン共重合体の含有割合は、特に制限はないが、ゴム組成物の総量に対して、20質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることが更に好ましく、40質量%以上であることが特に好ましい。上記含有割合が20質量%未満であると、得られるゴム組成物の機械的特性、耐亀裂成長性、及び耐摩耗性が不十分となるおそれがある。
なお、本実施形態のゴム組成物は、一種の変性共役ジエン共重合体を含有するものであってもよいし、二種類以上の変性共役ジエン共重合体を含有するものであってもよい。
また、本実施形態のゴム組成物は、変性共役ジエン共重合体以外に、その他の重合体成分を含有するものであってもよい。その他の重合体成分としては、例えば、天然ゴム、合成イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−α−オレフィン−ジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、クロロプレンゴム、及びハロゲン化ブチルゴム、並びにこれらの混合物等を挙げることができる。なお、その他の重合体成分は、例えば、四塩化スズ、四塩化珪素等の変性剤で処理されて分岐構造を有しているものなどのように、その一部が多官能型であるものでもよい。
上記ゴム組成物は、更に、カーボンブラックを含有するものであることが好ましい。カーボンブラックを含有することにより、ゴム組成物のグリップ性能、及び耐破壊特性の改良効果が大きくなるという利点がある。カーボンブラックとしては、例えば、SRF、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAF等の各グレードのカーボンブラックを挙げることができる。これらの中でも、耐摩耗性に優れるという観点から、HAF、ISAF、SAFなどが好ましい。なお、上記カーボンブラックは、単独でまたは二種以上を使用することができる。更に、カーボンブラックは、ヨウ素吸着量(IA)が60mg/g以上であり、ジブチルフタレート吸油量(DBP)が80ml/100g以上であるものが好ましい。
上記ゴム組成物が、変性共役ジエン共重合体とその他の重合体成分(以下「ゴム成分」と記す場合がある)との合計量100質量部に対して、変性共役ジエン共重合体を20質量%以上含有する場合、このゴム組成物中のカーボンブラックの含有割合は、ゴム成分100質量部に対して、20〜120質量部であることが好ましく、補強性とそれによる諸物性の改良効果の観点から、25〜100質量部であることが更に好ましい。カーボンブラックの含有割合が20質量部未満であると、耐破壊特性等の改良効果が不十分となるおそれがある。一方、カーボンブラックの含有割合が120質量部超であると、ゴム組成物の加工性が低下するおそれがある。
更に、上記ゴム組成物は、カーボンブラックに加えて、シリカを含有させることもできる。シリカを含有させることにより、シリカが補強用充填剤として作用し、補強効果をより向上させることができる。シリカとしては、例えば、シランカップリッグ剤を含有するものであることが好ましい。
シランカップリング剤としては、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、
3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、
3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド等を挙げることができる。これらの中でも、補強性改善効果等の観点から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアジルテトラスルフィドなどが好ましい。なお、上記シランカップリング剤は、単独でまたは二種以上を使用することができる。
シランカップリング剤の使用量は、シランカップリング剤の種類等により異なるが、シリカ100質量%に対して、1〜20質量%であることが好ましく、3〜15質量%であることが更に好ましい。上記使用量が1質量%未満であると、カップリング剤としての効果が十分に発揮され難くなるおそれがある。一方、20質量%超であると、ゴム成分がゲル化し易くなるおそれがある。
なお、本実施形態のゴム組成物は、本発明の目的が損なわれない範囲で、必要に応じて、ゴム工業界で通常用いられている各種の薬品や添加剤等を加えることができる。本実施形態のゴム組成物に加えることのできる各種薬品や添加剤等としては、例えば、加硫剤、加硫助剤、加工助剤、加硫促進剤、プロセス油、老化防止剤、スコーチ防止剤、亜鉛華、ステアリン酸等を挙げることができる。
加硫剤としては、例えば、硫黄を使用することができる。この硫黄の使用量は、ゴム成分100質量部に対して、0.1〜3質量部であることが好ましく、0.5〜2質量部であることが更に好ましい。加硫助剤及び加工助剤としては、例えば、ステアリン酸を使用することができる。このステアリン酸の使用量は、ゴム成分100質量部に対して、0.5〜5質量部であることが好ましい。また、加硫促進剤は、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジサルファイド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミドなどのチアゾール系加硫促進剤を挙げることができる。加硫促進剤の使用量は、ゴム成分100質量部に対して、0.1〜5質量部であることが好ましく、0.2〜3質量部であることが更に好ましい。
本実施形態明のゴム組成物は、ゴム成分、必要に応じて、カーボンブラック、及びシリカを、ロールなどの開放式混練機、バンバリーミキサーなどの密閉式混練機等の混練機を使用して、混練することによって製造することができる。このようにして製造されるゴム組成物は、成形加工し、その後、加硫することによって、例えば、低燃費用タイヤ、大型タイヤ、高性能タイヤのトレッド用材料、及び高性能タイヤのサイドウォール用材料などの各種ゴム製品として使用することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。また、実施例、比較例中の各種の測定は、下記の方法により行った。
[ムーニー粘度(ML1+4,100℃)]:
JIS K6300に従って、Lローターを使用し、予熱1分、ローター作動時間4分、温度100℃の条件で測定した。
JIS K6300に従って、Lローターを使用し、予熱1分、ローター作動時間4分、温度100℃の条件で測定した。
[分子量分布(Mw/Mn)]:
ゲルパーミエーションクロマトグラフ(商品名「HLC−8120GPC」(東ソー社製))を使用し、検知器として、示差屈折計を用いて、以下の条件で測定し、標準ポリスチレン換算値として算出した。
カラム;商品名「GMHHXL」(東ソー社製)2本
カラム温度;40℃
移動相;テトラヒドロフラン
流速;1.0ml/min
サンプル濃度;10mg/20ml
ゲルパーミエーションクロマトグラフ(商品名「HLC−8120GPC」(東ソー社製))を使用し、検知器として、示差屈折計を用いて、以下の条件で測定し、標準ポリスチレン換算値として算出した。
カラム;商品名「GMHHXL」(東ソー社製)2本
カラム温度;40℃
移動相;テトラヒドロフラン
流速;1.0ml/min
サンプル濃度;10mg/20ml
[シス−1,4−結合含量]:
NMR(商品名「EX−270」(日本電子社製))使用し、測定を行った。
NMR(商品名「EX−270」(日本電子社製))使用し、測定を行った。
共役ジエン系化合物としてブタジエンを用いた実施例及び比較例により製造される共役ジエン系重合体のシス−1,4−結合含量は、次のように測定した。1H−NMR分析における1,4−結合:5.30〜5.50ppm、1,2−結合:4.94〜5.03ppmのシグナルの強度比から、重合体中の1,4−結合と1,2−結合の比を算出した後、13C−NMR分析におけるシス−1,4−結合:25.5ppm、1,4−トランス結合:32.8ppmのシグナルの強度比から、シス−1,4−結合含量を算出して測定値とした。
共役ジエン系化合物としてイソプレンを用いた実施例及び比較例により製造される共役ジエン系重合体のシス−1,4−結合含量は、次のように測定した。13C−NMR分析における1,4−トランス結合:15.5〜16.5ppm、3,4−結合:18.0〜19.0ppm、シス−1,4−結合:23.0〜24.0ppmのシグナルの強度比から、シス−1,4−結合含量を算出して測定値とした。
[低発熱性(3%tanδ)]:
粘弾性スペクトロメーター(レオメトリックス社製)を使用し、引張動歪3%、周波数15Hz、50℃の条件で測定した。この測定値は、比較例9の加硫ゴムの測定値を「100」として指数換算し、換算値を低発熱性(3%tanδ)の評価値とした。指数が大きいほど、発熱性が小さく、良好であることを示す。なお、表4中、「低発熱性」と示す。
粘弾性スペクトロメーター(レオメトリックス社製)を使用し、引張動歪3%、周波数15Hz、50℃の条件で測定した。この測定値は、比較例9の加硫ゴムの測定値を「100」として指数換算し、換算値を低発熱性(3%tanδ)の評価値とした。指数が大きいほど、発熱性が小さく、良好であることを示す。なお、表4中、「低発熱性」と示す。
[耐摩耗性]:
ランボーン型摩耗試験機(島田技研社製)を使用し、スリップ比60%、室温下で測定した。比較例9の加硫ゴムの測定値(摩耗量(g))を「100」として指数換算し、換算値を耐摩耗性の評価値とした。指数値が大きい程、耐摩耗性が良好であることを示す。
ランボーン型摩耗試験機(島田技研社製)を使用し、スリップ比60%、室温下で測定した。比較例9の加硫ゴムの測定値(摩耗量(g))を「100」として指数換算し、換算値を耐摩耗性の評価値とした。指数値が大きい程、耐摩耗性が良好であることを示す。
(実施例1)
[変性共役ジエン系重合体の製造]:
まず、第一の錯体として、式(C5(CH3)5)Sm(C4H8O)2(以下「Cp・Sm」と記す場合がある)で表される化合物を含有するトルエン溶液(3.5mmol/L)と、助触媒成分としてMMAO3A(「トルエン可溶性アルミノキサン」、東ソー・ファインケム社製)を含有するトルエン溶液(0.7mol/L)とを1:1の割合で混合し、室温で30分間反応させ、熟成させて触媒溶液を得た。次に、窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、窒素下で、トルエン2.4kg、共役ジエン系化合物として1,3−ブタジエン(表1,2中「BD」と示す)300gを仕込んだ。その後、上記触媒溶液を2L仕込み、室温で60分間重合反応を行い、重合溶液を得た。なお、1,3−ブタジエンの反応転化率は、ほぼ100%であった。次に、得られた重合体溶液200gを、2,4−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(以下「BHT」と記す場合がある)を含有するメタノール溶液(0.2g/L)に加え、重合体溶液の重合を停止させた。
[変性共役ジエン系重合体の製造]:
まず、第一の錯体として、式(C5(CH3)5)Sm(C4H8O)2(以下「Cp・Sm」と記す場合がある)で表される化合物を含有するトルエン溶液(3.5mmol/L)と、助触媒成分としてMMAO3A(「トルエン可溶性アルミノキサン」、東ソー・ファインケム社製)を含有するトルエン溶液(0.7mol/L)とを1:1の割合で混合し、室温で30分間反応させ、熟成させて触媒溶液を得た。次に、窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、窒素下で、トルエン2.4kg、共役ジエン系化合物として1,3−ブタジエン(表1,2中「BD」と示す)300gを仕込んだ。その後、上記触媒溶液を2L仕込み、室温で60分間重合反応を行い、重合溶液を得た。なお、1,3−ブタジエンの反応転化率は、ほぼ100%であった。次に、得られた重合体溶液200gを、2,4−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(以下「BHT」と記す場合がある)を含有するメタノール溶液(0.2g/L)に加え、重合体溶液の重合を停止させた。
なお、この重合体溶液中の共役ジエン系重合体の各種評価を行うため、重合体溶液を、スチームストリッピングにより脱溶媒し、その後、110℃に加熱したロールによって乾燥させて共役ジエン系重合体(変性前の共役ジエン系重合体)を得た。この共役ジエン系重合体は、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が20であり、分子量分布(Mw/Mn)が2.0であり、シス−1,4−結合含量が99.2%であった。表1には配合処方及び評価結果を示す。
次に、上記重合体溶液を室温に保ち、この重合体溶液に、化合物(α)として4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下「PMDI」と記す場合がある)を含有するトルエン溶液(2.08mmol(イソシアネート基換算)/L)を1L添加して15分間反応(一次変性反応)させた。その後、この一次変性反応溶液に、化合物(β)としてヘキサメチレンジアミン(以下「HMDA」と記す場合がある)を含有するトルエン溶液(2.08mmol/L)を1L添加し、15分間反応(二次変性反応)させた。二次変性反応後、この反応溶液にBHTを含有するメタノール溶液(1.3g/L)に加え、重合反応を停止させた。この反応溶液を、スチームストリッピングにより脱溶媒し、その後、110℃に加熱したロールによって乾燥させて、変性共役ジエン系重合体(表3,4中「重合体A」と示す)を得た。この変性共役ジエン系重合体は、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が58であり、分子量分布(Mw/Mn)が2.3であった。
(実施例2)
まず、第一の錯体としてCp・Smを含有するトルエン溶液(1.8mmol/L)と、助触媒成分として、トリイソブチルアルミニウム(以下「TIBA」と記す場合がある)を含有するトルエン溶液(18mmol/L)及びトリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(以下「PCFB」と記す場合がある)を含有するトルエン溶液(1.8mmol/L)とを1:1(第一の錯体:助触媒成分)の割合で混合し、室温で30分間反応させ、熟成させて触媒溶液を得た。次に、窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、窒素下で、トルエン2.4kg、共役ジエン系化合物として1,3−ブタジエン300gを仕込んだ。その後、上記触媒溶液を2L仕込み、室温で120分間重合反応を行い、重合溶液を得た。なお、1,3−ブタジエンの反応転化率は、ほぼ100%であった。次に、得られた重合体溶液200gを、BHTを含有するメタノール溶液(0.2g/L)に加え、重合体溶液の重合を停止させた。
まず、第一の錯体としてCp・Smを含有するトルエン溶液(1.8mmol/L)と、助触媒成分として、トリイソブチルアルミニウム(以下「TIBA」と記す場合がある)を含有するトルエン溶液(18mmol/L)及びトリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(以下「PCFB」と記す場合がある)を含有するトルエン溶液(1.8mmol/L)とを1:1(第一の錯体:助触媒成分)の割合で混合し、室温で30分間反応させ、熟成させて触媒溶液を得た。次に、窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、窒素下で、トルエン2.4kg、共役ジエン系化合物として1,3−ブタジエン300gを仕込んだ。その後、上記触媒溶液を2L仕込み、室温で120分間重合反応を行い、重合溶液を得た。なお、1,3−ブタジエンの反応転化率は、ほぼ100%であった。次に、得られた重合体溶液200gを、BHTを含有するメタノール溶液(0.2g/L)に加え、重合体溶液の重合を停止させた。
なお、この重合体溶液中の共役ジエン系重合体の各種評価を行うため、重合体溶液を、スチームストリッピングにより脱溶媒し、その後、110℃に加熱したロールによって乾燥させて共役ジエン系重合体(変性前の共役ジエン系重合体)を得た。この共役ジエン系重合体は、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が18であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.4であり、シス−1,4−結合含量が97.0%であった。表1には配合処方及び評価結果を示す。
次に、上記重合体溶液を室温に保ち、この重合体溶液に、化合物(α)としてPMDIを含有するトルエン溶液(2.08mmol/L)を1L添加して15分間反応(一次変性反応)させた。その後、この一次変性反応溶液に、化合物(β)としてHMDAを含有するトルエン溶液(2.08mmol/L)を1L添加し、15分間反応(二次変性反応)させた。二次変性反応後、この反応溶液にBHTを含有するメタノール溶液(1.3g/L)に加え、重合反応を停止させた。この反応溶液を、スチームストリッピングにより脱溶媒し、その後、110℃に加熱したロールによって乾燥させて、変性共役ジエン系重合体(表3,4中「重合体B」と示す)を得た。この変性共役ジエン系重合体は、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が62であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.9であった。
(実施例3)
まず、第一の錯体として式(C5(CH3)5)Gd(μ−CH3)2Al(CH3)2(以下「Cp・Gd」と記す場合がある)で表される化合物を含有するトルエン溶液(11mmol/L)と、助触媒成分として、TIBAを含有するトルエン溶液(55mmol/L)及びPCFBを含有するトルエン溶液(11mmol/L)とを1:1(第一の錯体:助触媒成分)の割合で混合し、室温で30分間反応させ、熟成させて触媒溶液を得た。次に、窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、窒素下で、トルエン2.4kg、共役ジエン系化合物として1,3−ブタジエン300gを仕込んだ。その後、上記触媒溶液を2L仕込み、室温で30分間重合反応を行い、重合溶液を得た。なお、1,3−ブタジエンの反応転化率は、ほぼ100%であった。次に、得られた重合体溶液200gを、BHTを含有するメタノール溶液(0.2g/L)に加え、重合体溶液の重合を停止させた。
まず、第一の錯体として式(C5(CH3)5)Gd(μ−CH3)2Al(CH3)2(以下「Cp・Gd」と記す場合がある)で表される化合物を含有するトルエン溶液(11mmol/L)と、助触媒成分として、TIBAを含有するトルエン溶液(55mmol/L)及びPCFBを含有するトルエン溶液(11mmol/L)とを1:1(第一の錯体:助触媒成分)の割合で混合し、室温で30分間反応させ、熟成させて触媒溶液を得た。次に、窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、窒素下で、トルエン2.4kg、共役ジエン系化合物として1,3−ブタジエン300gを仕込んだ。その後、上記触媒溶液を2L仕込み、室温で30分間重合反応を行い、重合溶液を得た。なお、1,3−ブタジエンの反応転化率は、ほぼ100%であった。次に、得られた重合体溶液200gを、BHTを含有するメタノール溶液(0.2g/L)に加え、重合体溶液の重合を停止させた。
なお、この重合体溶液中の共役ジエン系重合体の各種評価を行うため、重合体溶液を、スチームストリッピングにより脱溶媒し、その後、110℃に加熱したロールによって乾燥させて共役ジエン系重合体(変性前の共役ジエン系重合体)を得た。この共役ジエン系重合体は、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が22であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.8であり、シス−1,4−結合含量が98.4%であった。表1には配合処方及び評価結果を示す。
次に、上記重合体溶液を室温に保ち、この重合体溶液に、化合物(α)としてPMDIを含有するトルエン溶液(2.08mmol/L)を1L添加して15分間反応(一次変性反応)させた。その後、この一次変性反応溶液に、化合物(β)としてHMDAを含有するトルエン溶液(2.08mmol/L)を1L添加し、15分間反応(二次変性反応)させた。二次変性反応後、この反応溶液にBHTを含有するメタノール溶液(1.3g/L)に加え、重合反応を停止させた。この反応溶液を、スチームストリッピングにより脱溶媒し、その後、110℃に加熱したロールによって乾燥させて、変性共役ジエン系重合体(表3,4中「重合体C」と示す)を得た。この変性共役ジエン系重合体は、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が55であり、分子量分布(Mw/Mn)が2.3であった。
(実施例4)
まず、窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、窒素下で、トルエン2.4kg、共役ジエン系化合物として1,3−ブタジエン300gを仕込んだ。次に、助触媒成分としてTIBAを含有するトルエン溶液(40mmol/L)を添加し、室温で10分間攪拌した。その後、第二の錯体として、式((2−(C6H5)2P)C6H4)2N)Y(CH2Si(CH3)3)2(C4H8O)(以下「PNPY」記す場合がある)で表される化合物を含有するトルエン溶液(3.8mmol/L)を添加し、更に、PCFBを含有するトルエン溶液(3.8mmol/L)を添加し、室温で20分間重合反応を行い、重合溶液を得た。なお、1,3−ブタジエンの反応転化率は、ほぼ100%であった。次に、得られた重合体溶液200gを、BHTを含有するメタノール溶液(0.2g/L)に加え、重合体溶液の重合を停止させた。
まず、窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、窒素下で、トルエン2.4kg、共役ジエン系化合物として1,3−ブタジエン300gを仕込んだ。次に、助触媒成分としてTIBAを含有するトルエン溶液(40mmol/L)を添加し、室温で10分間攪拌した。その後、第二の錯体として、式((2−(C6H5)2P)C6H4)2N)Y(CH2Si(CH3)3)2(C4H8O)(以下「PNPY」記す場合がある)で表される化合物を含有するトルエン溶液(3.8mmol/L)を添加し、更に、PCFBを含有するトルエン溶液(3.8mmol/L)を添加し、室温で20分間重合反応を行い、重合溶液を得た。なお、1,3−ブタジエンの反応転化率は、ほぼ100%であった。次に、得られた重合体溶液200gを、BHTを含有するメタノール溶液(0.2g/L)に加え、重合体溶液の重合を停止させた。
なお、この重合体溶液中の共役ジエン系重合体の各種評価を行うため、重合体溶液を、スチームストリッピングにより脱溶媒し、その後、110℃に加熱したロールによって乾燥させて共役ジエン系重合体(変性前の共役ジエン系重合体)を得た。この共役ジエン系重合体は、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が23であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.1であり、シス−1,4−結合含量が99.1%であった。表1には配合処方及び評価結果を示す。
次に、上記重合体溶液を室温に保ち、この重合体溶液に、化合物(α)としてPMDIを含有するトルエン溶液(2.08mmol/L)を1L添加して15分間反応(一次変性反応)させた。その後、この一次変性反応溶液に、化合物(β)としてHMDAを含有するトルエン溶液(2.08mmol/L)を1L添加し、15分間反応(二次変性反応)させた。二次変性反応後、この反応溶液にBHTを含有するメタノール溶液(1.3g/L)に加え、重合反応を停止させた。この反応溶液を、スチームストリッピングにより脱溶媒し、その後、110℃に加熱したロールによって乾燥させて、変性共役ジエン系重合体(表3,4中「重合体D」と示す)を得た。この変性共役ジエン系重合体は、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が66であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.6であった。
(実施例5)
まず、第一の錯体としてCp・Smを含有するトルエン溶液(3.5mmol/L)と、助触媒成分としてMMAO3Aを含有するトルエン溶液(0.7mmol/L)とを1:1(第一の錯体:助触媒成分)の割合で混合し、室温で30分間反応させ、熟成させて触媒溶液を得た。次に、窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、窒素下で、トルエン2.4kg、共役ジエン系化合物として1,3−ブタジエン300gを仕込んだ。その後、上記触媒溶液を2L仕込み、室温で60分間重合反応を行い、重合溶液を得た。なお、1,3−ブタジエンの反応転化率は、ほぼ100%であった。次に、得られた重合体溶液200gを、BHTを含有するメタノール溶液(0.2g/L)に加え、重合体溶液の重合を停止させた。
まず、第一の錯体としてCp・Smを含有するトルエン溶液(3.5mmol/L)と、助触媒成分としてMMAO3Aを含有するトルエン溶液(0.7mmol/L)とを1:1(第一の錯体:助触媒成分)の割合で混合し、室温で30分間反応させ、熟成させて触媒溶液を得た。次に、窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、窒素下で、トルエン2.4kg、共役ジエン系化合物として1,3−ブタジエン300gを仕込んだ。その後、上記触媒溶液を2L仕込み、室温で60分間重合反応を行い、重合溶液を得た。なお、1,3−ブタジエンの反応転化率は、ほぼ100%であった。次に、得られた重合体溶液200gを、BHTを含有するメタノール溶液(0.2g/L)に加え、重合体溶液の重合を停止させた。
なお、この重合体溶液中の共役ジエン系重合体の各種評価を行うため、重合体溶液を、スチームストリッピングにより脱溶媒し、その後、110℃に加熱したロールによって乾燥させて共役ジエン系重合体(変性前の共役ジエン系重合体)を得た。この共役ジエン系重合体は、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が21であり、分子量分布(Mw/Mn)が2.0であり、シス−1,4−結合含量が99.2%であった。表1には配合処方及び評価結果を示す。
次に、上記重合体溶液を室温に保ち、この重合体溶液に、化合物(α)としてPMDIを含有するトルエン溶液(2.08mmol/L)を1L添加して15分間反応(一次変性反応)させた。その後、この一次変性反応溶液に、化合物(β)としてHMDAを含有するトルエン溶液(2.08mmol/L)を1L添加し、更に、付加反応触媒としてテトライソプロピルチタネート(以下「IPOTi」と記す場合がある)を含有するトルエン溶液(2.08mmol/L)を1L添加し、30分間反応(二次変性反応)させた。その後、この反応溶液にBHTを含有するメタノール溶液(1.3g/L)に加え、重合反応を停止させた。この反応溶液を、スチームストリッピングにより脱溶媒し、その後、110℃に加熱したロールによって乾燥させて、変性共役ジエン系重合体(表3,4中「重合体C」と示す)を得た。この変性共役ジエン系重合体は、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が68であり、分子量分布(Mw/Mn)が2.4であった。
(実施例6)
まず、第一の錯体としてCp・Gdを含有するトルエン溶液(0.14mol/L)と、助触媒成分として、TIBAを含有するトルエン溶液(0.7mol/L)及びPCFBを含有するトルエン溶液(0.14mol/L)とを1:1(第一の錯体:助触媒成分)の割合で混合し、室温で30分間反応させ、熟成させて触媒溶液を得た。次に、窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、窒素下で、トルエン2.4kg、共役ジエン系化合物としてイソプレン(表1,2中「IP」と示す)300gを仕込んだ。その後、上記触媒溶液を2L仕込み、室温で30分間重合反応を行い、重合溶液を得た。なお、イソプレンの反応転化率は、ほぼ100%であった。次に、得られた重合体溶液200gを、BHTを含有するメタノール溶液(0.2g/L)に加え、重合体溶液の重合を停止させた。
まず、第一の錯体としてCp・Gdを含有するトルエン溶液(0.14mol/L)と、助触媒成分として、TIBAを含有するトルエン溶液(0.7mol/L)及びPCFBを含有するトルエン溶液(0.14mol/L)とを1:1(第一の錯体:助触媒成分)の割合で混合し、室温で30分間反応させ、熟成させて触媒溶液を得た。次に、窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、窒素下で、トルエン2.4kg、共役ジエン系化合物としてイソプレン(表1,2中「IP」と示す)300gを仕込んだ。その後、上記触媒溶液を2L仕込み、室温で30分間重合反応を行い、重合溶液を得た。なお、イソプレンの反応転化率は、ほぼ100%であった。次に、得られた重合体溶液200gを、BHTを含有するメタノール溶液(0.2g/L)に加え、重合体溶液の重合を停止させた。
なお、この重合体溶液中の共役ジエン系重合体の各種評価を行うため、重合体溶液を、スチームストリッピングにより脱溶媒し、その後、熱風乾燥機で110℃、12時間乾燥させることによって共役ジエン系重合体(変性前の共役ジエン系重合体)を得た。この共役ジエン系重合体は、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が32であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.4であり、シス−1,4−結合含量が98.2%であった。表1には配合処方及び評価結果を示す。
次に、上記重合体溶液を室温に保ち、この重合体溶液に、化合物(α)としてPMDIを含有するトルエン溶液(2.08mmol/L)を1L添加して15分間反応(一次変性反応)させた。その後、この一次変性反応溶液に、化合物(β)としてHMDAを含有するトルエン溶液(2.08mmol/L)を1L添加し、15分間反応(二次変性反応)させた。二次変性反応後、この反応溶液にBHTを含有するメタノール溶液(1.3g/L)に加え、重合反応を停止させた。この反応溶液を、スチームストリッピングにより脱溶媒し、その後、熱風乾燥機で110℃、12時間乾燥させることによって変性共役ジエン系重合体(表3,4中「重合体F」と示す)を得た。この変性共役ジエン系重合体は、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が78であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.6であった。
(実施例7)
まず、第二の錯体としてPNPYを含有するクロロベンゼン溶液(7.5mmol/L)と、助触媒成分としてN,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(以下「PNFB」と記す場合がある)を含有するクロロベンゼン溶液(7.5mmol/L)とを1:1(第二の錯体:助触媒成分)の割合で混合し、室温で30分間反応させ、熟成させて触媒溶液を得た。次に、窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、窒素下で、トクロロベンゼン2.4kg、共役ジエン系化合物としてイソプレン300gを仕込んだ。その後、上記触媒溶液を2L仕込み、室温で30分間重合反応を行い、重合溶液を得た。なお、イソプレンの反応転化率は、ほぼ100%であった。次に、得られた重合体溶液200gを、BHTを含有するメタノール溶液(0.2g/L)に加え、重合体溶液の重合を停止させた。
まず、第二の錯体としてPNPYを含有するクロロベンゼン溶液(7.5mmol/L)と、助触媒成分としてN,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(以下「PNFB」と記す場合がある)を含有するクロロベンゼン溶液(7.5mmol/L)とを1:1(第二の錯体:助触媒成分)の割合で混合し、室温で30分間反応させ、熟成させて触媒溶液を得た。次に、窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、窒素下で、トクロロベンゼン2.4kg、共役ジエン系化合物としてイソプレン300gを仕込んだ。その後、上記触媒溶液を2L仕込み、室温で30分間重合反応を行い、重合溶液を得た。なお、イソプレンの反応転化率は、ほぼ100%であった。次に、得られた重合体溶液200gを、BHTを含有するメタノール溶液(0.2g/L)に加え、重合体溶液の重合を停止させた。
なお、この重合体溶液中の共役ジエン系重合体の各種評価を行うため、重合体溶液を、スチームストリッピングにより脱溶媒し、その後、熱風乾燥機で110℃、12時間乾燥させることによって共役ジエン系重合体(変性前の共役ジエン系重合体)を得た。この共役ジエン系重合体は、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が34であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.1であり、シス−1,4−結合含量が99.3%であった。表1には配合処方及び評価結果を示す。
次に、上記重合体溶液を60℃に保ち、この重合体溶液に、化合物(α)としてPMDIを含有するトルエン溶液(2.08mmol/L)を1L添加して15分間反応(一次変性反応)させた。その後、この一次変性反応溶液に、化合物(β)としてHMDAを含有するトルエン溶液(2.08mmol/L)を1L添加し、15分間反応(二次変性反応)させた。二次変性反応後、この反応溶液にBHTを含有するメタノール溶液(1.3g/L)に加え、重合反応を停止させた。この反応溶液を、スチームストリッピングにより脱溶媒し、その後、熱風乾燥機で110℃、12時間乾燥させることによって変性共役ジエン系重合体(表3,4中「重合体G」と示す)を得た。この変性共役ジエン系重合体は、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が86であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.5であった。
(比較例1)
TIBAを含有するトルエン溶液の濃度を28mmol/Lに代え、PMDI、HMDAを添加しないこと以外は、実施例3と同様にして、共役ジエン系重合体(表3,4中「重合体H」と示す)を得た。共役ジエン系重合体の各種評価結果を表2に示す。
TIBAを含有するトルエン溶液の濃度を28mmol/Lに代え、PMDI、HMDAを添加しないこと以外は、実施例3と同様にして、共役ジエン系重合体(表3,4中「重合体H」と示す)を得た。共役ジエン系重合体の各種評価結果を表2に示す。
(比較例2)
まず、バーサチック酸ネオジム(以下「NdV3」と記す場合がある)を含有するシクロヘキサン溶液(0.09mmol/L)と、メチルアルモキサン(以下「MAO」と記す場合がある)を含有するトルエン溶液(3.6mmol/L)と、水素化ジイソブチルアルミニウム(以下「DIBAH」と記す場合がある)及びジエチルアルミニウムクロリド(以下「DEAC」と記す場合がある)を含有するトルエン溶液((DIBAH:5.5mmol、DEAC:0.18mmol)/L)と、4.5mmolの1,3−ブタジエンを40℃で30分間反応させ、熟成させて触媒溶液を得た。次に、窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、窒素下で、シクロヘキサン2.4kg、1,3−ブタジエン300gを仕込んだ。その後、上記触媒溶液を3L仕込み、60℃で60分間重合反応を行い、重合溶液を得た。なお、1,3−ブタジエンの反応転化率は、ほぼ100%であった。次に、得られた重合体溶液200gを、BHTを含有するメタノール溶液(0.2g/L)に加え、重合体溶液の重合を停止させた。
まず、バーサチック酸ネオジム(以下「NdV3」と記す場合がある)を含有するシクロヘキサン溶液(0.09mmol/L)と、メチルアルモキサン(以下「MAO」と記す場合がある)を含有するトルエン溶液(3.6mmol/L)と、水素化ジイソブチルアルミニウム(以下「DIBAH」と記す場合がある)及びジエチルアルミニウムクロリド(以下「DEAC」と記す場合がある)を含有するトルエン溶液((DIBAH:5.5mmol、DEAC:0.18mmol)/L)と、4.5mmolの1,3−ブタジエンを40℃で30分間反応させ、熟成させて触媒溶液を得た。次に、窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、窒素下で、シクロヘキサン2.4kg、1,3−ブタジエン300gを仕込んだ。その後、上記触媒溶液を3L仕込み、60℃で60分間重合反応を行い、重合溶液を得た。なお、1,3−ブタジエンの反応転化率は、ほぼ100%であった。次に、得られた重合体溶液200gを、BHTを含有するメタノール溶液(0.2g/L)に加え、重合体溶液の重合を停止させた。
なお、この重合体溶液中の共役ジエン系重合体の各種評価を行うため、重合体溶液を、スチームストリッピングにより脱溶媒し、その後、110℃に加熱したロールによって乾燥させて共役ジエン系重合体(変性前の共役ジエン系重合体)を得た。この共役ジエン系重合体は、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が19であり、分子量分布(Mw/Mn)が2.2であり、シス−1,4−結合含量が96.6%であった。表2には配合処方及び評価結果を示す。
次に、上記重合体溶液を60℃に保ち、この重合体溶液に、化合物(α)としてPMDIを含有するトルエン溶液(2.08mmol/L)を1L添加して15分間反応(一次変性反応)させた。その後、この一次変性反応溶液に、化合物(β)としてHMDAを含有するトルエン溶液(2.08mmol/L)を1L添加し、15分間反応(二次変性反応)させた。二次変性反応後、この反応溶液にBHTを含有するメタノール溶液(1.3g/L)に加え、重合反応を停止させた。この反応溶液を、スチームストリッピングにより脱溶媒し、その後、110℃に加熱したロールによって乾燥させて変性共役ジエン系重合体(表3,4中「重合体I」と示す)を得た。この変性共役ジエン系重合体は、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が43であり、分子量分布(Mw/Mn)が2.4であった。
(比較例3)
TIBAを含有するトルエン溶液の濃度を0.35mol/Lに代え、PMDI、HMDAを添加しないこと以外は、実施例6と同様にして、共役ジエン系重合体(表3,4中「重合体J」と示す)を得た。共役ジエン系重合体の各種評価結果を表2に示す。
TIBAを含有するトルエン溶液の濃度を0.35mol/Lに代え、PMDI、HMDAを添加しないこと以外は、実施例6と同様にして、共役ジエン系重合体(表3,4中「重合体J」と示す)を得た。共役ジエン系重合体の各種評価結果を表2に示す。
(比較例4)
まず、NdV3を含有するシクロヘキサン溶液(0.18mmol/L)と、MAOを含有するトルエン溶液(3.6mmol/L)と、DIBAH及びDEACを含有するトルエン溶液((DIBAH:5.5mmol、DEAC:0.36mmol)/L)と、4.5mmolのイソプレンを40℃で30分間反応させ、熟成させて触媒溶液を得た。次に、窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、窒素下で、シクロヘキサン2.4kg、イソプレン300gを仕込んだ。その後、上記触媒溶液を3L仕込み、60℃で60分間重合反応を行い、重合溶液を得た。なお、イソプレンの反応転化率は、ほぼ100%であった。次に、得られた重合体溶液200gを、BHTを含有するメタノール溶液(0.2g/L)に加え、重合体溶液の重合を停止させた。
まず、NdV3を含有するシクロヘキサン溶液(0.18mmol/L)と、MAOを含有するトルエン溶液(3.6mmol/L)と、DIBAH及びDEACを含有するトルエン溶液((DIBAH:5.5mmol、DEAC:0.36mmol)/L)と、4.5mmolのイソプレンを40℃で30分間反応させ、熟成させて触媒溶液を得た。次に、窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、窒素下で、シクロヘキサン2.4kg、イソプレン300gを仕込んだ。その後、上記触媒溶液を3L仕込み、60℃で60分間重合反応を行い、重合溶液を得た。なお、イソプレンの反応転化率は、ほぼ100%であった。次に、得られた重合体溶液200gを、BHTを含有するメタノール溶液(0.2g/L)に加え、重合体溶液の重合を停止させた。
なお、この重合体溶液中の共役ジエン系重合体の各種評価を行うため、重合体溶液を、スチームストリッピングにより脱溶媒し、その後、熱風乾燥機で110℃、12時間乾燥させることによって共役ジエン系重合体(変性前の共役ジエン系重合体)を得た。この共役ジエン系重合体は、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が53であり、分子量分布(Mw/Mn)が2.5であり、シス−1,4−結合含量が95.6%であった。表2には配合処方及び評価結果を示す。
次に、上記重合体溶液を60℃に保ち、この重合体溶液に、化合物(α)としてPMDIを含有するトルエン溶液(2.08mmol/L)を1L添加して15分間反応(一次変性反応)させた。その後、この一次変性反応溶液に、化合物(β)としてHMDAを含有するトルエン溶液(2.08mmol/L)を1L添加し、15分間反応(二次変性反応)させた。二次変性反応後、この反応溶液にBHTを含有するメタノール溶液(1.3g/L)に加え、重合反応を停止させた。この反応溶液を、スチームストリッピングにより脱溶媒し、その後、熱風乾燥機で110℃、12時間乾燥させることによって変性共役ジエン系重合体(表3,4中「重合体K」と示す)を得た。この変性共役ジエン系重合体は、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が72であり、分子量分布(Mw/Mn)が2.8であった。
(参考例1)
市販のポリブタジエンゴム(商品名「ポリブタジエンゴムBR01」、JSR社製)について、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)、分子量分布(Mw/Mn)、シス−1,4−結合含量を測定した。測定結果は、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が45であり、分子量分布(Mw/Mn)が4.0であり、シス−1,4−結合含量が95.0%であった。なお、表3,4中「重合体L」と示す。
市販のポリブタジエンゴム(商品名「ポリブタジエンゴムBR01」、JSR社製)について、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)、分子量分布(Mw/Mn)、シス−1,4−結合含量を測定した。測定結果は、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が45であり、分子量分布(Mw/Mn)が4.0であり、シス−1,4−結合含量が95.0%であった。なお、表3,4中「重合体L」と示す。
(参考例2)
市販のポリイソプレンゴム(商品名「ポリイソプレンゴムイR2200」、JSR社製)について、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)、分子量分布(Mw/Mn)、シス−1,4−結合含量を測定した。測定結果は、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が82であり、分子量分布(Mw/Mn)が3.5であり、シス−1,4−結合含量が98.0%であった。なお、表3,4中「重合体M」と示す。
市販のポリイソプレンゴム(商品名「ポリイソプレンゴムイR2200」、JSR社製)について、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)、分子量分布(Mw/Mn)、シス−1,4−結合含量を測定した。測定結果は、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が82であり、分子量分布(Mw/Mn)が3.5であり、シス−1,4−結合含量が98.0%であった。なお、表3,4中「重合体M」と示す。
(実施例8)
[ゴム組成物の調製]:
実施例1によって得られた重合体Aを50部、天然ゴム50部、カーボンブラック(商品名:シーストKH、東海カーボン社製)50部、酸化亜鉛3.5部、ステアリン酸2部、老化防止剤としてN−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン(商品名:ノクラック6C、大内新興化学工業社製)1.5部、加硫促進剤としてN−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(商品名:ノクセラーCZ、大内新興化学工業社製)1.5部、及び硫黄1部を混練してゴム組成物を得た。
[ゴム組成物の調製]:
実施例1によって得られた重合体Aを50部、天然ゴム50部、カーボンブラック(商品名:シーストKH、東海カーボン社製)50部、酸化亜鉛3.5部、ステアリン酸2部、老化防止剤としてN−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン(商品名:ノクラック6C、大内新興化学工業社製)1.5部、加硫促進剤としてN−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(商品名:ノクセラーCZ、大内新興化学工業社製)1.5部、及び硫黄1部を混練してゴム組成物を得た。
得られたゴム組成物を145℃、33分の条件で加硫して加硫ゴムを得、この加硫ゴムの低発熱性(3%tanδ)及び耐摩耗性を上述した方法により評価した。評価結果は、低発熱性(3%tanδ)が162であり、耐摩耗性が164であった。
(実施例9〜14、比較例5〜10)
表3に示す配合処方(配合1または配合2)によってゴム組成物を調製し、得られたゴム組成物を145℃、33分の条件で加硫して加硫ゴムを得、この加硫ゴムの低発熱性(3%tanδ)及び耐摩耗性を上述した方法により評価した。評価結果を表4に示す。
表3に示す配合処方(配合1または配合2)によってゴム組成物を調製し、得られたゴム組成物を145℃、33分の条件で加硫して加硫ゴムを得、この加硫ゴムの低発熱性(3%tanδ)及び耐摩耗性を上述した方法により評価した。評価結果を表4に示す。
表4から明らかなように、実施例8〜14の加硫ゴムは、比較例5〜10の加硫ゴムに比べて、低発熱性及び耐摩耗性に優れていることが確認できた。即ち、実施例1〜7の変性共役ジエン系重合体を含有することにより、得られる加硫ゴムは優れた低発熱性及び耐摩耗性を奏することが確認できた。
本発明の変性共役ジエン系重合体の製造方法によれば、低発熱性及び耐摩耗性に優れた加硫ゴムを提供することができる変性共役ジエン系重合体を得ることができ、得られる変性共役ジエン系重合体は、例えば、低燃費用タイヤの材料として好適に用いることができる。
本発明の変性共役ジエン系重合体は、例えば、低燃費用タイヤの材料として好適に用いることができる。
本発明のゴム組成物は、例えば、低燃費用タイヤの材料として好適に用いることができる。
Claims (8)
- 共役ジエン系化合物を、少なくとも一つの3族元素を含有するメタロセン型錯体または少なくとも一つの3族元素を含有するビス(フォスフィノフェニル)アミド型錯体を含む重合触媒組成物の存在下で重合させ、シス−1,4−結合含量が75%以上である共役ジエン系重合体を得、
得られた前記共役ジエン系重合体に下記化合物(α)を反応させて一次変性重合体を得、
得られた前記一次変性重合体に下記化合物(β)を反応させる変性共役ジエン系重合体の製造方法。
化合物(α):その分子構造中に、一般式(1):N=C=X1で表わされる官能基を二つ以上含有する化合物(但し、前記一般式(1)中、X1は酸素原子または硫黄原子であり、前記二つ以上の官能基は同一でも異なっていてもよい)
化合物(β):アミノ基、イミノ基、メルカプト基、及び水酸基からなる群より選択される少なくとも一つの官能基を含有する化合物 - 前記重合触媒組成物が、助触媒成分として、下記触媒(a)〜(c)からなる群より選択される少なくとも一つの化合物を更に含むものである請求項1に記載の変性共役ジエン系重合体の製造方法。
触媒(a):非配位性アニオンとカチオンとからなるイオン性化合物
触媒(b):アルミノオキサン
触媒(c):一般式(2):AlR1R2R3で表される有機アルミニウム化合物(但し、前記一般式(2)中、R1及びR2は同一または異なり、炭素数1〜10の炭化水素基または水素原子であり、R3はR1及びR2と同一または異なる炭素数1〜10の炭化水素基である) - 前記メタロセン型錯体が、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ガドリニウム(Gd)、及びルテチウム(Lu)からなる群より選択される少なくとも一つの元素を含有するものであり、前記ビス(フォスフィノフェニル)アミド型錯体が、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ガドリニウム(Gd)、及びルテチウム(Lu)からなる群より選択される少なくとも一つの元素を含有するものである請求項1または2に記載の変性共役ジエン系重合体の製造方法。
- 前記共役ジエン系重合体と前記化合物(α)との反応、及び前記一次変性重合体と前記化合物(β)との反応のうちの少なくとも一つの反応を、付加反応触媒の存在下で行う請求項1〜3のいずれか一項に記載の変性共役ジエン系重合体の製造方法。
- 前記共役ジエン系化合物が、1,3−ブタジエン、イソプレン、及び2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンからなる群より選択される少なくとも一種である請求項1〜4のいずれか一項に記載の変性共役ジエン系重合体の製造方法。
- 前記共役ジエン系重合体が、シス−1,4−結合含量が99%以上であり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が2.0以下である請求項1〜5のいずれか一項に記載の変性共役ジエン系重合体の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の変性共役ジエン系重合体の製造方法により製造される変性共役ジエン系重合体。
- 請求項7に記載の変性共役ジエン系重合体を含むゴム組成物。
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WO2015101477A1 (fr) | 2014-01-02 | 2015-07-09 | Compagnie Generale Des Etablissements Michelin | Procede de synthese en continu d'un polyisoprene fonctionnalise |
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-
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