JP5217378B2 - 変性共役ジエン系重合体の製造方法 - Google Patents

変性共役ジエン系重合体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、変性共役ジエン系重合体の製造方法に関する。更に詳しくは、低発熱性、低温特性、及び耐摩耗性が優れた加硫ゴムの材料として好適に用いることができる変性共役ジエン系重合体の製造方法に関する。
近年、省エネルギーの社会的な要請に関連して、自動車の低燃費化に対する要求がより強くなりつつある。このような要求に対して燃費効率の良好なタイヤが求められている。燃費効率を良好にするため、例えば、転がり抵抗を減少させることが行われている。具体的には、タイヤの軽量化、タイヤ構造の最適化、トレッドパターンの改良、タイヤトレッドに使用するゴム組成物の改良等が提案されている。これらの中で、ゴム組成物を改良する方法としては、例えば、ゴム組成物中にカーボンブラックやシリカを充填剤として含有させることが知られている。しかし、カーボンブラックやシリカを充填剤として含有させたタイヤであっても、十分な燃費効率は得られていなかった。
そこで、変性させた共役ジエン系重合体を含有したゴム組成物が提案されている。例えば、共役ジエン系化合物を、希土類触媒の存在下で重合させて、シス−1,4−結合含量が高く、活性末端を有する共役ジエン系重合体を得、得られた共役ジエン系重合体の活性末端を、特定のアルコキシシラン誘導体と反応させる工程と、縮合促進剤を添加して、アルコキシシラン化合物(残基)の縮合反応を行う工程とを備える変性共役ジエン系重合体の製造方法(例えば、特許文献1参照)によって得られる変性共役ジエン系重合体を含有したゴム組成物が提案されている。
特開2005−8870号公報
特許文献1に記載の製造方法は、品質安定性を改良し、かつ、ゴム組成物に使用された際の低発熱性や補強性を更に高め、耐摩耗性、機械的特性、及び加工性に優れ、また、コールドフローが改良された変性共役ジエン系重合体を製造することができるという利点がある。しかしながら、特許文献1に記載の製造方法によって得られる変性共役ジエン系重合体は、この変性共役ジエン系重合体を用いて加硫ゴムを形成した場合、形成した加硫ゴムの低発熱性及び低温特性については未だ十分に満足できるものではなく、また、耐摩耗性については未だ改良の余地があった。そのため、低発熱性、低温特性、及び耐摩耗性に優れた加硫ゴムを提供することができる変性共役ジエン系重合体、その製造方法、及びゴム組成物の開発が望まれている。
本発明は、上述のような従来技術の課題を解決するためになされたものであり、低発熱性、低温特性、及び耐摩耗性が優れた加硫ゴムを得るための材料として好適な変性共役ジエン系重合体の製造方法を提供するものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の重合触媒組成物の存在下で共役ジエン系化合物を重合させて共役ジエン系重合体を得、得られた共役ジエン系重合体にアルコキシシラン化合物を反応させて一次変性重合体を得、得られた一次変性重合体を、所定の縮合触媒の存在下で縮合反応させることによって、上記課題を解決することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的には、本発明により、以下の変性共役ジエン系重合体の製造方法が提供される。
[1] 共役ジエン系化合物を、少なくとも一つの3族元素を含有するビス(フォスフィノフェニル)アミド型錯体を含む重合触媒組成物の存在下で重合させ、シス−1,4−結合含量が75%以上である共役ジエン系重合体を得、得られた前記共役ジエン系重合体にアルコキシシラン化合物を反応させて、アルコキシシリル基を有する一次変性重合体を得、得られた前記一次変性重合体の前記アルコキシシリル基を、4族、12族、13族、14族、及び15族に含まれる元素のうちの一つの元素を含有する縮合触媒の存在下で、縮合反応させる変性共役ジエン系重合体の製造方法。
[2] 前記重合触媒組成物が、助触媒成分として、下記触媒(a)〜(c)からなる群より選択される少なくとも一つの化合物を更に含むものである前記[1]に記載の変性共役ジエン系重合体の製造方法。
触媒(a):非配位性アニオンとカチオンとからなるイオン性化合物
触媒(b):アルミノオキサン
触媒(c):一般式(1)AlRで表される有機アルミニウム化合物
(但し、前記一般式(1)中、Rは同一または異なり、炭素数1〜10の炭化水素基または水素原子であり、RはRと同一または異なる炭素数1〜10の炭化水素基である)
] 前記縮合触媒が、チタン(Ti)を含有するものである前記[1]または[2]に記載の変性共役ジエン系重合体の製造方法。
] 前記アルコキシシラン化合物が、エポキシ基、イソシアネート基、及びカルボニル基からなる群より選択される少なくとも一種の官能基を含む前記[1]〜[]いずれかに記載の変性共役ジエン系重合体の製造方法。
] 前記一次変性重合体を得た後、アミノ基、イミノ基、及びメルカプト基からなる群より選択される少なくとも一種の官能基を含む化合物と、前記一次変性重合体とを反応させる前記[1]〜[]のいずれかに記載の変性共役ジエン系重合体の製造方法。
] 前記一次変性重合体を、pH9〜14、温度85〜180℃の水溶液中で縮合反応させる前記[1]〜[]のいずれかに記載の変性共役ジエン系重合体の製造方法。
] 前記共役ジエン系化合物が、1,3−ブタジエン、イソプレン、及び2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンからなる群より選択される少なくとも一種である前記[1]〜[]のいずれかに記載の変性共役ジエン系重合体の製造方法。
] 前記共役ジエン系重合体が、シス−1,4−結合含量が99%以上であり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が2.0以下である前記[1]〜[]のいずれかに記載の変性共役ジエン系重合体の製造方法。
本発明の変性共役ジエン系重合体の製造方法によれば、低発熱性、低温特性、及び耐摩耗性が優れた加硫ゴムの材料として好適に用いることができる変性共役ジエン系重合体を製造することができるという効果を奏するものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。即ち、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に属することが理解されるべきである。
[1]変性共役ジエン系重合体の製造方法:
本発明の変性共役ジエン系重合体の製造方法の一実施形態は、共役ジエン系化合物を、少なくとも一つの3族元素を含有するビス(フォスフィノフェニル)アミド型錯体を含む重合触媒組成物の存在下で重合させ、シス−1,4−結合含量が75%以上である共役ジエン系重合体を得(以下、「(A)工程」と記す場合がある)、得られた前記共役ジエン系重合体にアルコキシシラン化合物を反応させて、アルコキシシリル基を有する一次変性重合体を得(以下、「(B)工程」と記す場合がある)、得られた前記一次変性重合体の前記アルコキシシリル基を、4族、12族、13族、14族、及び15族に含まれる元素のうちの一つの元素を含有する縮合触媒の存在下で、縮合反応させる(以下、「(C)工程」と記す場合がある)ものである。
このように、重合触媒組成物の存在下で重合させて得られる共役ジエン系重合体を用い、この共役ジエン系重合体にアルコキシシラン化合物を反応させ、アルコキシシリル基を有する一次変性重合体を得、得られた一次変性重合体のアルコキシシリル基を、特定の縮合触媒の存在下で縮合反応させることによって、低発熱性、低温特性、及び耐摩耗性が優れた加硫ゴムの材料として好適な変性共役ジエン系重合体を製造することができる。
[1−1](A)工程:
本実施形態の変性共役ジエン系重合体の製造方法は、まず、共役ジエン系化合物を、少なくとも一つの3族元素を含有するビス(フォスフィノフェニル)アミド型錯体を含む重合触媒組成物の存在下で重合させ、シス−1,4−結合含量が75%以上である共役ジエン系重合体を得る。
このように重合触媒組成物の存在下で上記共役ジエン系化合物を重合させることにより、得られる共役ジエン系重合体は、分子量分布が狭く、シス−1,4−結合含量が高いという利点がある。また、本工程により得られる共役ジエン系重合体を用いることによって、低発熱性、低温特性、及び耐摩耗性が優れた加硫ゴムを得ることが可能な変性共役ジエン系重合体を製造することができる。
[1−1−1]共役ジエン系化合物:
本実施形態の変性共役ジエン系重合体の製造方法に用いられる共役ジエン系化合物は、置換または非置換の共役ジエン化合物であり、例えば、炭素数4〜20の直鎖状または分岐状の共役ジエン化合物を挙げることができる。具体的には、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、ミルセン(7−メチル−3−メチリデンオクタ−1,7−ジエン)などを挙げることができる。これらの中でも、1,3−ブタジエン、イソプレン、及び2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンからなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。
[1−1−2]重合触媒組成物:
本実施形態の変性共役ジエン系重合体の製造方法に用いられる重合触媒組成物は、少なくとも一つの3族元素を含有するメタロセン型錯体または少なくとも一つの3族元素を含有するビス(フォスフィノフェニル)アミド型錯体を含むものである。メタロセン型錯体(以下、「第一の錯体」と記す場合がある)としては、例えば、一般式(2):(RM(X・L、又は一般式(3):(RM(XQ(X(但し、上記一般式(2)、(3)中、Mは3族元素であり、Rはシクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル基、フルオレニル基、又は置換フルオレニル基であり、Xは水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、チオラート基、アミド基、又は炭素数1〜20の炭化水素基であり、Lはルイス塩基性化合物であり、Qは13族元素である。aは1又は2であり、bは0〜2の整数であり、cは0〜2の整数である。aが2である場合、2個のRは同一でも異なっていてもよい。b又はcが2である場合には、2個のX又はLはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)で表される有機金属化合物などが挙げられる。
上記一般式(2)及び(3)において、Mは3族元素である限り特に制限はないが、3族元素の中でも、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ガドリニウム(Gd)、またはルテチウム(Lu)が好ましい。
即ち、メタロセン型錯体としては、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ガドリニウム(Gd)、及びルテチウム(Lu)からなる群より選択される少なくとも一つの元素を含有するものであることが好ましく、ビス(フォスフィノフェニル)アミド型錯体としては、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ガドリニウム(Gd)、及びルテチウム(Lu)からなる群より選択される少なくとも一つの元素を含有するものであることが好ましい。
上記一般式(2)及び(3)において、Rで示される置換シクロペンタジエニル基、置換インデニル基、及び置換フルオレニル基における置換基の、種類、個数及び置換位置は特に制限はないが、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、フェニル基、ベンジル基;トリメチルシリル基等のケイ素原子を含有する炭化水素基等を挙げることができる。また、Rはジメチルシリル基、ジメチルメチレン基、メチルフェニルメチレン基、ジフェニルメチレン基、エチレン基、置換エチレン基等の架橋基で互いに結合されていてもよい。
上記置換シクロペンタジエニル基としては、具体的には、メチルシクロペンタジエニル基、ベンジルシクロペンタジエニル基、ビニルシクロペンタジエニル基、2−メトキシエチルシクロペンタジエニル基、トリメチルシリルシクロペンタジエニル基、tert−ブチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、フェニルシクロペンタジエニル基、1,2−ジメチルシクロペンタジエニル基、1,3−ジメチルシクロペンタジエニル基、1,3−ジ(tert−ブチル)シクロペンタジエニル基、1,2,3−トリメチルシクロペンタジエニル基、1,2,3,4−テトラメチルシクロペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基、1−エチル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル基、1−ベンジル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル基、1−フェニル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル基、1−トリメチルシリル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル基、1−トリフルオロメチル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル基等が挙げられる。また、上記置換インデニル基としては、具体的には、1,2,3−トリメチルインデニル基、ヘプタメチルインデニル基、1,2,4,5,6,7−ヘキサメチルインデニル基等が挙げられる。Rとしては、ペンタメチルシクロペンタジエニル基が好ましい。
上記一般式(2)及び(3)において、Xで示されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子が挙げられ、これらの中でも、塩素原子、またはヨウ素原子が好ましい。
上記一般式(2)及び(3)において、Xで示されるアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等の脂肪族アルコキシ基;フェノキシ基、2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ基、2,6−ジイソプロピルフェノキシ基、2−tert−ブチル−6−イソプロピルフェノキシ基、2−tert−ブチル−6−ネオペンチルフェノキシ基、2−イソプロピル−6−ネオペンチルフェノキシ基等のアリールオキシ基等が挙げられ、これらの中でも、2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ基が好ましい。
上記一般式(2)及び(3)において、Xで示されるチオラート基としては、チオメトキシ基、チオエトキシ基、チオプロポキシ基、チオn−ブトキシ基、チオイソブトキシ基、チオsec−ブトキシ基、チオtert−ブトキシ基等の脂肪族チオラート基;チオフェノキシ基、2,6−ジ−tert−ブチルチオフェノキシ基、2,6−ジイソプロピルチオフェノキシ基、2−tert−ブチル−6−イソプロピルチオフェノキシ基、2−tert−ブチル−6−ネオペンチルチオフェノキシ基、2−イソプロピル−6−ネオペンチルチオフェノキシ基、2,4,6−トリイソプロピルチオフェノキシ基等のアリールチオラート基等が挙げられ、これらの中でも、2,4,6−トリイソプロピルチオフェノキシ基が好ましい。
上記一般式(2)及び(3)において、Xで示されるアミド基としては、ジメチルアミド基、ジエチルアミド基、ジイソプロピルアミド基等の脂肪族アミド基;フェニルアミド基、2,6−ジ−tert−ブチルフェニルアミド基、2,6−ジイソプロピルフェニルアミド基、2,6−ジネオペンチルフェニルアミド基、2−tert−ブチル−6−イソプロピルフェニルアミド基、2−tert−ブチル−6−ネオペンチルフェニルアミド基、2−イソプロピル−6−ネオペンチルフェニルアミド基、2,4,6−tert−ブチルフェニルアミド基等のアリールアミド基等が挙げられ、これらの中でも、2,4,6−tert−ブチルフェニルアミド基が好ましい。
上記一般式(2)及び(3)において、Xで示される炭素数1〜20の炭化水素としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、オクチル基等の直鎖又は分枝鎖の脂肪族炭化水素基;フェニル基、トリル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素基;ベンジル基等のアラルキル基;トリメチルシリルメチル基、ビストリメチルシリルメチル基等のケイ素原子を含有する炭化水素基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基、イソブチル基、またはトリメチルシリルメチル基が好ましい。
上記一般式(2)において、Lは3族元素と配位結合が可能なルイス塩基性の化合物であれば特に制限はなく、無機化合物又は有機化合物のいずれであってもよい。ルイス塩基性化合物としては、例えば、エーテル化合物、エステル化合物、ケトン化合物、アミン化合物、ホスフィン化合物、シリルオキシ化合物等を挙げることができる。
上記一般式(3)において、Qは13族元素を示すが、具体的には、ホウ素、アルミニウム、ガリウム等が挙げられ、これらの中でもアルミニウムが好ましい。
上記一般式(2)で表される有機金属化合物の具体例としては、例えば、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルビステトラヒドロフランサマリウム、メチルビスペンタメチルシクロペンタジエニルテトラヒドロフランサマリウム、クロロビスペンタメチルシクロペンタジエニルテトラヒドロフランサマリウム、ヨードビスペンタメチルシクロペンタジエニルテトラヒドロフランサマリウムなどが挙げられ、上記一般式(3)で表わされる有機金属化合物の具体例としては、例えば、ジメチルアルミニウム(μ−ジメチル)ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)サマリウム、ジメチルアルミニウム(μ−ジメチル)ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ガドリニウムなどが挙げられる。
第一の錯体としては、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルビステトラヒドロフランサマリウム、ジメチルアルミニウム(μ−ジメチル)ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)サマリウム、ジメチルアルミニウム(μ−ジメチル)ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ガドリニウムが好ましい。
第一の錯体の使用量は、共役ジエン系化合物100gに対して、0.01μmol〜2.0mmolであることが好ましく、0.1μmol〜0.2mmolであることが更に好ましく、1μmol〜0.02mmolであることが特に好ましい。第一の錯体の使用量が0.01μmol未満であると、重合反応が進行しないおそれがある。一方、2.0mmol超であると、触媒濃度が高くなり、脱灰工程が必要となる場合があるため、製造工程が煩雑になるおそれがある。
また、重合触媒組成物に含まれるビス(フォスフィノフェニル)アミド型錯体(以下「第二の錯体」と記す場合がある)としては、例えば、下記一般式(4)で表される有機金属化合物等を挙げることができる。
Figure 0005217378
(但し、上記一般式(4)中、Mは3族元素であり、Rは置換されてもよい、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基であり、Xは水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、チオラート基、アミド基、又は炭素数1から20の炭化水素基であり、Lはルイス塩基性化合物である。dは1又は2であり、eは0〜3の整数である。dが2である場合、2個のXは同一でも異なっていてもよい。eが2または3である場合、Lはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
上記一般式(4)において、Mは3族元素である限り特に制限はないが、3族元素の中でも、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ガドリニウム(Gd)、またはルテチウム(Lu)が好ましい。
上記一般式(4)において、Rで示されるアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基が置換基を有する場合、その置換基の種類、個数及び置換位置は特に制限はなく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、フェニル基、ベンジル基;トリメチルシリル基等のケイ素原子を含有する炭化水素基等を挙げることができる。
上記一般式(4)において、Xで示されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子が挙げられ、これらの中でも、塩素原子、またはヨウ素原子が好ましい。
上記一般式(4)において、Xで示されるアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等の脂肪族アルコキシ基;フェノキシ基、2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ基、2,6−ジイソプロピルフェノキシ基、2−tert−ブチル−6−イソプロピルフェノキシ基、2−tert−ブチル−6−ネオペンチルフェノキシ基、2−イソプロピル−6−ネオペンチルフェノキシ基等のアリールオキシ基が挙げられ、これらの中でも、2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ基が好ましい。
上記一般式(4)において、Xで示されるチオラート基としては、チオメトキシ基、チオエトキシ基、チオプロポキシ基、チオn−ブトキシ基、チオイソブトキシ基、チオsec−ブトキシ基、チオtert−ブトキシ基等の脂肪族チオラート基;チオフェノキシ基、2,6−ジ−tert−ブチルチオフェノキシ基、2,6−ジイソプロピルチオフェノキシ基、2−tert−ブチル−6−イソプロピルチオフェノキシ基、2−tert−ブチル−6−ネオペンチルチオフェノキシ基、2−イソプロピル−6−ネオペンチルチオフェノキシ基、2,4,6−トリイソプロピルチオフェノキシ基等のアリールチオラート基が挙げられ、これらの中でも、2,4,6−トリイソプロピルチオフェノキシ基が好ましい。
上記一般式(4)において、Xで示されるアミド基としては、ジメチルアミド基、ジエチルアミド基、ジイソプロピルアミド基等の脂肪族アミド基;フェニルアミド基、2,6−ジ−tert−ブチルフェニルアミド基、2,6−ジイソプロピルフェニルアミド基、2,6−ジネオペンチルフェニルアミド基、2−tert−ブチル−6−イソプロピルフェニルアミド基、2−tert−ブチル−6−ネオペンチルフェニルアミド基、2−イソプロピル−6−ネオペンチルフェニルアミド基、2,4,6−tert−ブチルフェニルアミド基等のアリールアミド基が挙げられ、これらの中でも、2,4,6−tert−ブチルフェニルアミド基が好ましい。
上記一般式(4)において、Xで示される炭素数1〜20の炭化水素としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、オクチル基等の直鎖又は分枝鎖の脂肪族炭化水素基;フェニル基、トリル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素基;ベンジル基等のアラルキル基等の他;トリメチルシリルメチル基、ビストリメチルシリルメチル基等のケイ素原子を含有する炭化水素基が挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基、イソブチル基、トリメチルシリルメチル基が好ましい。
上記一般式(4)において、Lは3族元素と配位結合が可能なルイス塩基性の化合物であれば特に制限はなく、無機化合物又は有機化合物のいずれであってもよい。ルイス塩基性化合物としては、例えば、エーテル化合物、エステル化合物、ケトン化合物、アミン化合物、ホスフィン化合物、シリルオキシ化合物等を挙げることができる。
上記第二の錯体の具体例としては、式((2−(CP)CN)Y(CHSi(CH(CO)で表される化合物、((2−(CP)CN)Lu(CHSi(CH(CO)、((2−(CP)CN)Sc(CHSi(CHなどを挙げることができる。これらの中でも、式((2−(CP)CN)Y(CHSi(CH(CO)で表される化合物が好ましい。
第二の錯体の使用量は、共役ジエン系化合物100gに対して、0.01μmol〜2.0mmolであることが好ましく、0.1μmol〜0.2mmolであることが更に好ましく、1μmol〜0.02mmolであることが特に好ましい。第二の錯体の使用量が0.01μmol未満であると、重合反応が進行しないおそれがある。一方、2.0mmol超であると、触媒濃度が高くなり、脱灰工程が必要となる場合があるため、製造工程が煩雑になるおそれがある。
重合触媒組成物は、助触媒成分として、下記触媒(a)〜(c)からなる群より選択される少なくとも一つの化合物を更に含むことが好ましい。
触媒(a):非配位性アニオンとカチオンとからなるイオン性化合物
触媒(b):アルミノオキサン
触媒(c):一般式(1)AlRで表される有機アルミニウム化合物
(但し、前記一般式(1)中、Rは同一または異なり、炭素数1〜10の炭化水素基または水素原子であり、RはRと同一または異なる炭素数1〜10の炭化水素基である)
触媒(a)は、非配位性アニオンとカチオンとからなるイオン性化合物である。非配位性アニオンとしては、例えば、テトラ(フェニル)ボレート、テトラキス(モノフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(ジフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(トリフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(トリフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(テトラフルオロメチルフェニル)ボレート、テトラ(トリル)ボレート、テトラ(キシリル)ボレート、(トリフェニル,ペンタフルオロフェニル)ボレート、[トリス(ペンタフルオロフェニル),フェニル]ボレート、トリデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレートなどを挙げることができる。
カチオンとしては、例えば、カルボニウムカチオン、オキソニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプタトリエニルカチオン、遷移金属を有するフェロセニウムカチオンなどを挙げることができる。
カルボニウムカチオンとしては、例えば、トリフェニルカルボニウムカチオン、トリ置換フェニルカルボニウムカチオンなどの三置換カルボニウムカチオンを挙げることができる。トリ置換フェニルカルボニウムカチオンとしては、例えば、トリ(メチルフェニル)カルボニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)カルボニウムカチオンなどを挙げることができる。
アンモニウムカチオンとしては、例えば、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、トリプロピルアンモニウムカチオン、トリブチルアンモニウムカチオン、トリ(n−ブチル)アンモニウムカチオンなどのトリアルキルアンモニウムカチオン、N,N−ジエチルアニリニウムカチオン、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムカチオンなどのN,N−ジアルキルアニリニウムカチオン、ジ(イソプロピル)アンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウムカチオンなどのジアルキルアンモニウムカチオンなどを挙げることができる。
ホスホニウムカチオンとしては、例えば、トリフェニルホスホニウムカチオン、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムカチオンなどのトリアリールホスホニウムカチオンなどを挙げることができる。
なお、上記イオン性化合物は、非配位性アニオン及びカチオンの中から、それぞれ任意に選択して組み合わせたものを用いることができる。例えば、トリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルボニウムテトラキス(テトラフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、1,1’−ジメチルフェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどが好ましい。上記イオン性化合物は、単独でまたは二種以上を使用することもできる。
重合触媒組成物において、第一の錯体または第二の錯体とイオン性化合物との配合比(第一の錯体または第二の錯体/イオン性化合物)は、モル比で、1/0.1〜1/10であることが好ましく、1/0.2〜1/5であることが更に好ましく、1/0.5〜1/2であることが特に好ましい。
触媒(b)はアルミノオキサンである。アルミノオキサン(以下、「アルモキサン」と記す場合がある)は、その構造が、下記一般式(5)または(6)で表される化合物である。なお、ファインケミカル,23,(9),5(1994)、J.Am.Chem.Soc.,115,4971(1993)、及びJ.Am.Chem.Soc.,117,6465(1995)で開示されている、アルモキサンの会合体であってもよい。
Figure 0005217378
Figure 0005217378
なお、上記一般式(5)及び(6)中、Rは、炭素数1〜20の炭化水素基であり、上記一般式(5)中のn及び上記一般式(6)中のmは、2以上の整数である。一般式(5)及び(6)中のRとしては、例えば、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ヘキシル、イソヘキシル、オクチル、イソオクチル等の基を挙げることができる。これらのうち、メチル、エチル、イソブチル、t−ブチル等の基が好ましく、メチル基が更に好ましい。また、上記一般式(5)中のn及び上記一般式(6)中のmは、4〜100の整数であることが好ましい。
アルモキサンとしては、例えば、メチルアルモキサン(MAO)、エチルアルモキサン、n−プロピルアルモキサン、n−ブチルアルモキサン、イソブチルアルモキサン、t−ブチルアルモキサン、ヘキシルアルモキサン、イソヘキシルアルモキサン等を挙げることができる。アルモキサンは、公知の方法によって製造することができる。例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の有機溶媒中に、トリアルキルアルミニウム、またはジアルキルアルミニウムモノクロライドを加え、更に水、水蒸気、水蒸気含有窒素ガス、または硫酸銅5水塩や硫酸アルミニウム16水塩等の、結晶水を有する塩を加えて反応させることにより製造することができる。なお、アルモキサンは、単独でまたは二種以上を使用することができる。
重合触媒組成物において、第一の錯体または第二の錯体とアルミノキサンとの配合比(第一の錯体または第二の錯体/アルミノキサン)は、モル比で、1/1〜1/10000であることが好ましく、1/10〜1/5000であることが更に好ましく、1/50〜1/1000であることが特に好ましい。
触媒(c)は、一般式(1)AlRで表される有機アルミニウム化合物である(但し、前記一般式(1)中、Rは同一または異なり、炭素数1〜10の炭化水素基または水素原子であり、RはRと同一または異なる炭素数1〜10の炭化水素基である)。
上記有機アルミニウム化合物としては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−t−ブチルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリシクロヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、水素化ジエチルアルミニウム、水素化ジ−n−プロピルアルミニウム、水素化ジ−n−ブチルアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化ジヘキシルアルミニウム、水素化ジイソヘキシルアルミニウム、水素化ジオクチルアルミニウム、水素化ジイソオクチルアルミニウム、エチルアルミニウムジハイドライド、n−プロピルアルミニウムジハイドライド、イソブチルアルミニウムジハイドライドなどを挙げることができる。
これらの中でも、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、水素化ジエチルアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウムが好ましい。なお、上記有機アルミニウム化合物は、単独でまたは二種以上を使用することができる。
重合触媒組成物において、第一の錯体または第二の錯体と有機アルミニウム化合物との配合比(第一の錯体または第二の錯体/有機アルミニウム化合物)は、モル比で、1/0.1〜1/100000であることが好ましく、1/0.2〜1/50000であることが更に好ましく、1/0.5〜1/10000であることが特に好ましい。
重合触媒組成物には、第一の錯体、第二の錯体、及び触媒(a)〜(c)以外に、共役ジエン系化合物、及び非共役ジエン系化合物よりなる群より選択される少なくとも一つの化合物を含有させることができる。これらの化合物を含有させると、触媒活性が一段と向上するために好ましい。この共役ジエン系化合物は、既に上述した共役ジエン系化合物と同じものを用いることができる。また、非共役ジエン系化合物としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジイソプロペニルベンゼン、トリイソプロペニルベンゼン、1,4−ビニルヘキサジエン、エチリデンノルボルネン等を挙げることができる。
重合触媒組成物は、その使用の前に予め各成分(第一の錯体、第二の錯体、及び触媒(a)〜(c)など)を混合して反応させるとともに、熟成させておくことが、重合活性の向上、及び重合開始誘導期間の短縮の点から好ましい。熟成温度は0〜100℃とすることが好ましく、20〜80℃とすることが更に好ましい。熟成温度が0℃未満であると、熟成が不十分となるおそれがある。一方、100℃超であると、触媒活性の低下や、分子量分布の広がりが生じ易くなるおそれがある。なお、熟成時間には、特に制限はなく、30分以上であれば十分である。
共役ジエン系化合物の重合条件は、特に制限はないが、重合反応の温度が−30〜+200℃であることが好ましく、0〜+150℃であることが更に好ましい。また、重合反応の反応形式についても特に制限はなく、バッチ式反応器を用いて行ってもよく、多段連続式反応器等の装置を用いて連続式で行ってもよい。
更に、重合反応に際し、溶媒(重合溶媒)を用いてもよいし、溶媒を用いなくてもよい。重合溶媒を用いる場合、重合溶媒としては、不活性な有機溶媒が好ましく、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の炭素数4〜10の飽和脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン等の炭素数6〜20の飽和脂環式炭化水素、1−ブテン、2−ブテン等のモノオレフィン類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ブロムベンゼン、クロロトルエン等のハロゲン化炭化水素を挙げることができる。
なお、重合溶媒を用いる場合、共役ジエン系化合物の配合割合は、反応溶液の総量に対して、5〜50質量%であることが好ましく、7〜35質量%であることが更に好ましい。
また、共役ジエン系重合体を製造するために、及び活性末端を有する共役ジエン系重合体を失活させないために、重合系内に酸素、水、または炭酸ガス等の失活作用のある化合物の混入を極力少なくする配慮を行うことが好ましい。
本工程で得られる共役ジエン系重合体は、シス−1,4−結合含量が75%以上であることが必要であり、99%以上であることが好ましく、99.5%以上であることが更に好ましい。シス−1,4−結合含量が99%以上である共役ジエン系重合体を用いると、破壊特性が向上した変性共役ジエン系重合体を製造することができる。なお、共役ジエン系重合体のシス−1,4−結合含量は、重合温度をコントロールすることによって容易に調整することができる。ここで、破壊特性とは、耐摩耗性、耐亀裂生長性、引張り強さ等の総称である。
また、本工程で得られる共役ジエン系重合体は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が2.0以下であることが好ましく、1.8以下であることが更に好ましく、1.5以下であることが特に好ましい。上記比(Mw/Mn)が2.0超であると、製造される変性共役ジエン系重合体を材料にして得られた加硫ゴムの、破壊特性、低発熱性等のゴム物性が低下する傾向にある。ここで、本明細書において「重量平均分子量(Mw)」というときは、ゲルパーミエーションクロマトグラフを使用した標準ポリスチレン換算値をいうものとし、「数平均分子量(Mn)」というときは、ゲルパーミエーションクロマトグラフを使用した標準ポリスチレン換算値をいうものとする。なお、Mw/Mnは、第一の錯体または第二の錯体の使用量と、触媒(a)〜(c)成分のモル比とをコントロールすることによって容易に調整することができる。
上記共役ジエン系重合体のムーニー粘度(ML1+4,100℃)は、5〜50であることが好ましく、10〜40であることが更に好ましい。5未満であると、加硫後の機械特性、耐摩耗性などが低下するおそれがある。一方、50超であると、得られる変性共役ジエン系重合体の、混練時の加工性が低下するおそれがある。このムーニー粘度は、第一の錯体または第二の錯体の使用量と、助触媒(a)〜(c)成分のモル比とをコントロールすることによって容易に調整することができる。
[1−2](B)工程:
次に、本実施形態の変性共役ジエン系重合体の製造方法は、得られた共役ジエン系重合体にアルコキシシラン化合物(以下、「変性用アルコキシシラン化合物」と記す場合がある)を反応させて、アルコキシシリル基を有する一次変性重合体を得る。
上記変性用アルコキシシラン化合物は共役ジエン系重合体に対して変性剤としての機能を有するものであり、この変性用アルコキシシラン化合物によって共役ジエン系重合体の活性末端が修飾されること、即ち、共役ジエン系重合体にアルコキシシリル基が導入されることにより、配合時に充填剤との相互作用が得られ、低発熱性、低温特性、耐摩耗性が向上するという利点がある。
変性用アルコキシシラン化合物は、上記共役ジエン系重合体と反応することが可能なものであり、その分子中に、アルコキシシリル基(−Si(OR)n;但し、Rは、置換されていてもよいアルキル基であり、nは1〜3の整数である)を含有する化合物である。なお、Rは、置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基であることが好ましく、置換されていてもよい炭素数1〜3のアルキル基であることが更に好ましい。nは、2〜3であることが好ましく、3であることが更に好ましい。
なお、変性用アルコキシシラン化合物中のアルコキシシリル基は、その一部が部分的に縮合していてもよい。ここで、「その一部が部分的に縮合して」とは、アルコキシシリル基(−Si(OR)n)の一部(全部ではない)が互いに結合し、−Si−O−Si−結合を形成していることを意味する。
変性用アルコキシシラン化合物中に含有されるアルコキシシリル基の数は、特に制限はないが、その分子中に、1〜10個であることが好ましく、2〜5個であることが更に好ましい。
なお、本実施形態の変性共役ジエン系重合体の製造方法に用いられる変性用アルコキシシラン化合物は、エポキシ基、イソシアネート基、及びカルボニル基からなる群より選択される少なくとも一種の官能基を含むものであることが好ましい。
変性用アルコキシシラン化合物は、エポキシ基、イソシアネート基、及びカルボニル基からなる群より選択される少なくとも一種の官能基を含むことによって、共役ジエン系重合体の活性末端とアルコキシシラン化合物の反応性が向上するという利点がある。
エポキシ基を含む変性用アルコキシシラン化合物としては、例えば、2−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、2−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、(2−グリシドキシエチル)メチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル(メチル)ジメトキシシランなどを挙げることができる。これらの中でも、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、または2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランが好ましい。
イソシアネート基を含む変性用アルコキシシラン化合物としては、例えば、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリイソプロポキシシランなどが挙げられる。これらの中でも、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシランが好ましい。
カルボニル基を含む変性用アルコキシシラン化合物としては、例えば、3−メタクリロイロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロイロキシプロピルトリイソプロポキシシランなどが挙げられる。これらの中でも、3−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体の製造方法に用いる変性用アルコキシシラン化合物の使用量は、共役ジエン系重合体1molに対して、0.02〜20mmolであることが好ましく、0.1〜10mmolであることが更に好ましく、0.2〜5mmolであることが特に好ましい。変性剤の使用量が0.02mmol未満では、変性反応の進行が十分でなく、低発熱性、低温特性、及び耐摩耗性の改良効果が発現されないおそれがある。一方、20mmolを超えて使用しても、低発熱性、低温特性、及び耐摩耗性の改良効果は飽和しており、コストに対して十分な効果が得られない傾向がある。
共役ジエン系重合体と変性用アルコキシシラン化合物との反応条件は、特に制限はないが、溶液反応で行うことが好ましい。この溶液反応に用いる溶液は、例えば、共役ジエン系重合体を重合する際に使用した未反応モノマーを含んだ溶液でもよい。また、反応形式も特に制限はなく、バッチ式反応器を用いて行ってもよく、多段連続式反応器やインラインミキサ等の装置を用いて連続式で行ってもよい。
また、本工程の反応温度は、上記(A)工程で共役ジエン系重合体を重合した際の重合温度をそのまま用いることができる。具体的には、0〜120℃が好ましく、10〜100℃が更に好ましい。重合温度が0℃未満になると、得られる変性共役ジエン系重合体の粘度が上昇するおそれがある。一方、120℃超であると、共役ジエン系重合体の活性末端が失活し易くなるおそれがある。反応時間は、5分〜5時間であることが好ましく、15分〜1時間であることが更に好ましい。
なお、本実施形態の変性共役ジエン系重合体の製造方法は、一次変性重合体を得た後、アミノ基、イミノ基、及びメルカプト基からなる群より選択される少なくとも一種の官能基を含む化合物(以下、「官能基導入剤」と記す場合がある)と、一次変性重合体とを反応させることが好ましい。
この官能基導入剤と一次変性重合体とを反応させることにより、得られる変性共役ジエン系重合体の耐摩耗性を更に向上させることができるという利点がある。
官能基導入剤としては、例えば、アミノ基、イミノ基、及びメルカプト基からなる群より選択される少なくとも一種の官能基を含む、アルコキシシラン化合物、アルコキシアルミ化合物、アルコキシチタン化合物などを挙げることができる。これらの中でも、低発熱性、低温特性、耐摩耗性が良好になるという観点から、アミノ基、イミノ基、及びメルカプト基からなる群より選択される少なくとも一種の官能基を含むアルコキシシラン化合物(以下、「導入用アルコキシシラン化合物」と記す場合がある)が好ましい。なお、この導入用アルコキシシラン化合物は、既に上述した変性用アルコキシシラン化合物と同様に、その分子中に上述したアルコキシシリル基を有するものである。また、導入用アルコキシシラン化合物は、既に上述した変性用アルコキシシラン化合物と同様に、その一部が部分的に縮合しているものであってもよい。
アミノ基を含む導入用アルコキシシラン化合物としては、例えば、3−ジメチルアミノプロピル(トリエトキシ)シラン、3−ジメチルアミノプロピル(トリメトキシ)シラン、3−ジエチルアミノプロピル(トリエトキシ)シラン、3−ジエチルアミノプロピル(トリメトキシ)シラン、2−ジメチルアミノエチル(トリエトキシ)シラン、2−ジメチルアミノエチル(トリメトキシ)シラン、3−ジメチルアミノプロピル(ジエトキシ)メチルシラン、3−ジブチルアミノプロピル(トリエトキシ)シラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノフェニルトリメトキシシラン、アミノフェニルトリエトキシシラン、3−(N−メチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3−(N−メチルアミノ)プロピルトリエトキシシランなどを挙げることができる。
これらの中でも、3−ジエチルアミノプロピル(トリエトキシ)シラン、3−ジメチルアミノプロピル(トリエトキシ)シラン、3−アミノプロピルトリエトキシシランが好ましい。
イミノ基を含む導入用アルコキシシラン化合物としては、例えば、3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル(トリエトキシ)シラン、3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル(トリメトキシ)シラン、(1−ヘキサメチレンイミノ)メチル(トリメトキシ)シラン、(1−ヘキサメチレンイミノ)メチル(トリエトキシ)シラン、2−(1−ヘキサメチレンイミノ)エチル(トリエトキシ)シラン、2−(1−ヘキサメチレンイミノ)エチル(トリメトキシ)シラン、3−(1−ピロリジニル)プロピル(トリエトキシ)シラン、3−(1−ピロリジニル)プロピル(トリメトキシ)シラン、3−(1−ヘプタメチレンイミノ)プロピル(トリエトキシ)シラン、3−(1−ドデカメチレンイミノ)プロピル(トリエトキシ)シラン、3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル(ジエトキシ)メチルシラン、3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル(ジエトキシ)エチルシラン、
N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルエチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−エチリデン−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(4−N,N−ジメチルアミノベンジリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(シクロヘキシリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、
これらのトリエトキシシリル化合物に対応するトリメトキシシリル化合物、メチルジエトキシシリル化合物、エチルジエトキシシリル化合物、メチルジメトキシシリル化合物、またはエチルジメトキシシリル化合物、
1−〔3−(トリエトキシシリル)プロピル〕−4,5−ジヒドロイミダゾール、1−〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕−4,5−ジヒドロイミダゾール、3−〔10−(トリエトキシシリル)デシル〕−4−オキサゾリン、3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル(トリエトキシ)シラン、(1−ヘキサメチレンイミノ)メチル(トリメトキシ)シラン、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール、N−(3−イソプロポキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール、N−(3−メチルジエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾールなどを好適なものとして挙げることができる。
これらの中でも、3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル(トリエトキシ)シラン、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル(トリエトキシ)シラン、(1−ヘキサメチレンイミノ)メチル(トリメトキシ)シラン、1−〔3−(トリエトキシシリル)プロピル〕−4,5−ジヒドロイミダゾール、1−〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕−4,5−ジヒドロイミダゾール、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾールが好ましい。
メルカプト基を含む導入用アルコキシシラン化合物としては、例えば、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピル(ジエトキシ)メチルシラン、3−メルカプトプロピル(モノエトキシ)ジメチルシラン、メルカプトフェニルトリメトキシシラン、メルカプトフェニルトリエトキシシランなどを挙げることができる。これらの中でも、3−メルカプトプロピルトリエトキシシランが好ましい。
これらは、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
導入用アルコキシシラン化合物の使用量は、既に上述した変性用アルコキシシラン化合物に対して、モル比で、0.01〜200であることが好ましく、0.1〜150であることが更に好ましい。上記使用量が0.01未満であると、導入用アルコキシシラン化合物が反応しないおそれがある。一方、200mmolを超えて使用しても、導入量が飽和しており、コストに対して十分な効果が得られない傾向がある。
なお、官能基導入剤と一次変性重合体とを反応させる時期は、一次変性重合体を得た後、縮合反応を行う前であることが更に好ましい。縮合反応を行った後に官能基導入剤と一次変性重合体と反応させる場合、官能基導入剤が反応しなくなるおそれがある。具体的には、共役ジエン系重合体と、変性用アルコキシシラン化合物との反応開始(変性用アルコキシシラン化合物を投入して)から5分〜5時間後に官能基導入剤を反応系に投入することが好ましく、15分〜1時間後に官能基導入剤を投入することが更に好ましい。
[1−3](C)工程:
次に、本実施形態の変性共役ジエン系重合体の製造方法は、得られた一次変性重合体のアルコキシシリル基を、4族、12族、13族、14族、及び15族に含まれる元素のうち一つの元素を含有する縮合触媒の存在下で、縮合反応させる。
このような縮合触媒の存在下で縮合反応させることにより、低発熱性、低温特性、耐摩耗性、貯蔵中の経時安定性が改良されるという利点がある。
縮合触媒は、4族、12族、13族、14族、及び15族に含まれる元素のうち一つの元素を含有する化合物であれば、特に制限はないが、チタン(Ti)(4族)、スズ(Sn)(14族)、ジルコニウム(Zr)(4族)、ビスマス(Bi)(15族)、及びアルミニウム(Al)(13族)に含まれる元素のうち一つの元素を含有する化合物であることが好ましく、チタン(Ti)(4族)を含有する化合物であることが更に好ましい。
チタン(Ti)(4族)を含有する化合物の中でも、チタン(Ti)のアルコキシド、カルボン酸塩、又はアセチルアセトナート錯塩であることが好ましい。このようにチタン(Ti)を含有する縮合触媒を用いることにより、変性用アルコキシシラン化合物のアルコキシシリル基、及び官能基導入剤として導入用アルコキシシラン化合物を用いた場合における導入用アルコキシシラン化合物と変性用アルコキシシラン化合物のアルコキシシリル基の縮合反応を更に促進させ、配合時の加工性を良化することができる。
スズ(Sn)を含有する縮合触媒としては、例えば、ビス(n−オクタノエート)スズ、ビス(2−エチルヘキサノエート)スズ、ビス(ラウレート)スズ、ビス(ナフトエネート)スズ、ビス(ステアレート)スズ、ビス(オレエート)スズ、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジn−オクタノエート、ジブチルスズジ2−エチルヘキサノエート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズマレート、ジブチルスズビス(ベンジルマレート)、ジブチルスズビス(2−エチルヘキシルマレート)、ジn−オクチルスズジアセテート、ジn−オクチルスズジn−オクタノエート、ジn−オクチルスズジ2−エチルヘキサノエート、ジn−オクチルスズジラウレート、ジn−オクチルスズマレート、ジn−オクチルスズビス(ベンジルマレート)、ジn−オクチルスズビス(2−エチルヘキシルマレート)等が挙げられる。
ジルコニウム(Zr)を含有する縮合触媒としては、例えば、テトラエトキシジルコニウム、テトラn−プロポキシジルコニウム、テトラi−プロポキシジルコニウム、テトラn−ブトキシジルコニウム、テトラsec−ブトキシジルコニウム、テトラtert−ブトキシジルコニウム、テトラ(2−エチルヘキシル)ジルコニウム、ジルコニウムトリブトキシステアレート、ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトネート、ジルコニウムジブトキシビス(アセチルアセトネート)、ジルコニウムトリブトキシエチルアセトアセテート、ジルコニウムブトキシアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、ジルコニウムジアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、ビス(2−エチルヘキサノエート)ジルコニウムオキサイド、ビス(ラウレート)ジルコニウムオキサイド、ビス(ナフテート)ジルコニウムオキサイド、ビス(ステアレート)ジルコニウムオキサイド、ビス(オレエート)ジルコニウムオキサイド、ビス(リノレート)ジルコニウムオキサイド、テトラキス(2−エチルヘキサノエート)ジルコニウム、テトラキス(ラウレート)ジルコニウム、テトラキス(ナフテート)ジルコニウム、テトラキス(ステアレート)ジルコニウム、テトラキス(オレエート)ジルコニウム、テトラキス(リノレート)ジルコニウム等が挙げられる。
ビスマス(Bi)を含有する縮合触媒としては、例えば、トリス(2−エチルヘキサノエート)ビスマス、トリス(ラウレート)ビスマス、トリス(ナフテート)ビスマス、トリス(ステアレート)ビスマス、トリス(オレエート)ビスマス、トリス(リノレート)ビスマス等が挙げられる。
アルミニウム(Al)を含有する縮合触媒としては、例えば、トリエトキシアルミニウム、トリn−プロポキシアルミニウム、トリi−プロポキシアルミニウム、トリn−ブトキシアルミニウム、トリsec−ブトキシアルミニウム、トリtert−ブトキシアルミニウム、トリ(2−エチルヘキシル)アルミニウム、アルミニウムジブトキシステアレート、アルミニウムジブトキシアセチルアセトネート、アルミニウムブトキシビス(アセチルアセトネート)、アルミニウムジブトキシエチルアセトアセテート、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、トリス(2−エチルヘキサノエート)アルミニウム、トリス(ラウレート)アルミニウム、トリス(ナフテート)アルミニウム、トリス(ステアレート)アルミニウム、トリス(オレエート)アルミニウム、トリス(リノレート)アルミニウム等が挙げられる。
チタン(Ti)を含有する縮合触媒としては、例えば、テトラメトキシチタニウム、テトラエトキシチタニウム、テトラn−プロポキシチタニウム、テトラi−プロポキシチタニウム、テトラn−ブトキシチタニウム、テトラn−ブトキシチタニウムオリゴマー、テトラsec−ブトキシチタニウム、テトラtert−ブトキシチタニウム、テトラ(2−エチルヘキシル)チタニウム、ビス(オクタンジオレート)ビス(2−エチルヘキシル)チタニウム、テトラ(オクタンジオレート)チタニウム、チタニウムラクテート、チタニウムジプロポキシビス(トリエタノールアミネート)、チタニウムジブトキシビス(トリエタノールアミネート)、チタニウムトリブトキシステアレート、チタニウムトリプロポキシステアレート、チタニウムトリプロポキシアセチルアセトネート、チタニウムジプロポキシビス(アセチルアセトネート)、チタニウムトリプロポキシエチルアセトアセテート、チタニウムプロポキシアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、チタニウムトリブトキシアセチルアセトネート、チタニウムジブトキシビス(アセチルアセトネート)、チタニウムトリブトキシエチルアセトアセテート、チタニウムブトキシアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、
チタニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、チタニウムジアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、ビス(2−エチルヘキサノエート)チタニウムオキサイド、ビス(ラウレート)チタニウムオキサイド、ビス(ナフテート)チタニウムオキサイド、ビス(ステアレート)チタニウムオキサイド、ビス(オレエート)チタニウムオキサイド、ビス(リノレート)チタニウムオキサイド、テトラキス(2−エチルヘキサノエート)チタニウム、テトラキス(ラウレート)チタニウム、テトラキス(ナフテート)チタニウム、テトラキス(ステアレート)チタニウム、テトラキス(オレエート)チタニウム、テトラキス(リノレート)チタニウム等を挙げることができる。
縮合触媒の使用量は、反応系内に存在するアルコキシシリル基の総量に対して、モル比で、0.1〜10であることが好ましく、0.5〜5であることが更に好ましい。上記モル比が0.1未満であると、縮合反応が十分に進行しないおそれがある。一方、10超であると、反応系内の縮合触媒は既に飽和しており、使用量に対する触媒効果が十分に得られないおそれがある。
縮合反応させる条件は、特に制限はないが、水溶液中で縮合反応させることが好ましく、反応温度は、85〜180℃であることが好ましく、100〜170℃であることが更に好ましく、110〜150℃であることが特に好ましい。上記反応温度が85℃未満であると、縮合反応の進行が遅く、縮合反応を完結しないことに起因して、貯蔵中に、変性共役ジエン系重合体の経時変化が生じてしまうため、十分な品質が得られなくなるおそれがある。一方、180℃超であると、得られる変性共役ジエン系重合体の老化反応が進行するため、その物性が低下してしまうおそれがある。
また、水溶液のpHは、9〜14であることが好ましく、10〜12であることが更に好ましい。pHが9〜14であると、縮合反応が十分に促進され、変性共役ジエン系重合体の経時安定性を改善することができるという利点がある。水溶液のpHが9未満であると、縮合反応の進行が遅く、縮合反応を完結しないことに起因して、貯蔵中に、変性共役ジエン系重合体の経時変化が生じてしまうため、十分な品質が得られなくなるおそれがある。一方、pHが14超であると、単離後の変性共役ジエン系重合体中に多量のアルカリ由来成分が残留し、その除去が困難になるおそれがある。
また、反応時間は、5分〜10時間であることが好ましく、15分〜5時間であることが更に好ましい。反応時間が5分未満であると、縮合反応が完結しないおそれがある。一方、10時間超であると、既に縮合反応が完結しているおそれがある。縮合反応時の反応系内の圧力は、0.01〜20MPaであることが好ましく、0.05〜10MPaであることが更に好ましい。
更に、縮合反応の形式は、特に制限はなく、バッチ式反応器を用いても、多段連続式反応器などの装置を用いて連続式で行ってもよい。また、この縮合反応と脱溶媒を同時に行っても良い。
縮合触媒は、本工程前(例えば、(B)工程)に反応系に添加することもできるが、一次変性重合体を得た後、縮合反応を行う前に添加することが好ましい。一次変性重合体を得る前に添加すると、縮合触媒と共役ジエン系重合体の活性末端とが直接反応を起こし、共役ジエン系重合体とアルコキシシラン化合物とが十分に反応しなくなるおそれがある。また、縮合反応を行った後に添加すると、縮合触媒が均一に分散せず、触媒性能が低下するおそれがある。
縮合触媒の具体的な添加時期は、共役ジエン系重合体と、変性用アルコキシシラン化合物との反応開始(変性用アルコキシシラン化合物を投入して)から5分〜5時間後に反応系に投入することが好ましく、15分〜1時間後に投入することが更に好ましい。
なお、本実施形態の変性共役ジエン系重合体の製造方法において、アルコキシシリル基の縮合反応は、例えば、遊離のアルコキシシラン化合物のアルコキシシリル基と一次変性重合体のアルコキシシリル基との間の縮合反応、一次変性重合体のアルコキシシリル基同士の縮合反応であることが、反応効率の観点から好ましい。このような観点から、導入用アルコキシシラン化合物のアルコキシシリル基は、その加水分解性が、変性用アルコキシシラン化合物のアルコキシシリル基の加水分解性に比べて、低くいことが好ましい。
具体的には、変性用アルコキシシラン化合物は、加水分解性の高いトリメトキシシリル基を含有するアルコキシシラン化合物であることが好ましく、導入用アルコキシシラン化合物は、上記トリメトキシシリル基を含有する変性用アルコキシシラン化合物よりも加水分解性が低いトリエトキシシリル基を含有するアルコキシシラン化合物であることが好ましい。なお、変性用アルコキシシラン化合物としてトリエトキシシリル基を含有するアルコキシシラン化合物を用い、導入用アルコキシシラン化合物としてトリメトキシシリル基を含有するアルコキシシラン化合物を用いると、本発明の範囲に含まれるものの、反応効率の観点からは好ましくない。
なお、本実施形態の変性共役ジエン系重合体の製造方法は、上記(C)工程が終了した後、必要に応じて、重合停止剤や重合安定剤を反応系に加え、従来公知の脱溶媒、乾燥操作を行うことによって変性共役ジエン系重合体を得ることができる。
[2]変性共役ジエン系重合体:
性共役ジエン系重合体の一実施形態は、これまでに説明した変性共役ジエン系重合体の製造方法によって製造されるものである。このような変性共役ジエン系重合体は、低発熱性、低温特性、及び耐摩耗性が優れた加硫ゴムを提供することができるという利点がある。
本実施形態の変性共役ジエン系重合体のムーニー粘度(ML1+4,100℃)は、10〜100であることが好ましく、20〜80であることが更に好ましい。ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が10未満であると、破壊特性などのゴム物性が低下するおそれがある。一方、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が100超であると、後述する充填剤などの添加剤とともに混練する際の作業性が悪くなるおそれがある。
また、変性共役ジエン系重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、3.0以下であることが好ましく、2.5以下であることが更に好ましく、2.0以下であることが特に好ましい。
[3]ゴム組成物:
ム組成物の一実施形態は、上述した変性共役ジエン共重合体を含むものである。このような構成により、低発熱性及び耐摩耗性が優れた加硫ゴムを提供することができるゴム組成物を得ることができる。以下、その詳細について説明する。
本実施形態のゴム組成物中の変性共役ジエン共重合体の含有割合は、特に制限はないが、ゴム組成物の総量に対して、20質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることが更に好ましく、40質量%以上であることが特に好ましい。上記含有割合が20質量%未満であると、得られるゴム組成物の機械的特性、耐亀裂成長性、及び耐摩耗性が不十分となるおそれがある。
なお、本実施形態のゴム組成物は、一種の変性共役ジエン共重合体を含有するものであってもよいし、二種類以上の変性共役ジエン共重合体を含有するものであってもよい。
また、本実施形態のゴム組成物は、変性共役ジエン共重合体以外に、その他の重合体成分を含有するものであってもよい。その他の重合体成分としては、例えば、天然ゴム、合成イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−α−オレフィン−ジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、クロロプレンゴム、ハロゲン化ブチルゴム、これらの混合物等を挙げることができる。なお、その他の重合体成分は、例えば、四塩化スズ、四塩化珪素等によって処理されて分岐構造を有しているものなどのように、その一部が多官能型であるものでもよい。
上記ゴム組成物は、更に、シリカ、カーボンブラックよりなる群から選択される少なくとも一種を含有する充填剤を含むものであることが好ましい。この充填剤を含有することにより、破壊特性に優れた加硫ゴムを製造することができるという利点がある。
シリカは、その種類などに特に制限はなく、例えば、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウムなどを挙げることができる。これらの中でも、耐破壊特性の改良効果を有し、ウェットグリップ性及び低転がり抵抗性の両立効果が最も顕著であるという観点から、湿式シリカが好ましい。なお、上記シリカは、単独でまたは二種以上を使用することができる。
上記ゴム組成物がシリカを含有する場合、シリカの配合割合は、ゴム成分100質量部に対して、20〜120質量部であることが好ましく、25〜100質量部であることが更に好ましい。上記配合割合が20質量部未満であると、破壊特性の改良効果が不十分となるおそれがある。一方、120質量部超であると、ゴム組成物の加工性が低下するおそれがある。
カーボンブラックは、その種類などに特に制限はなく、例えば、SRF、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAF等の各グレードのカーボンブラックを挙げることができる。これらの中でも、耐摩耗性に優れるという観点から、HAF、ISAF、SAFなどが好ましい。なお、上記カーボンブラックは、単独でまたは二種以上を使用することができる。
また、カーボンブラックは、そのヨウ素吸着量(IA)が60mg/g以上であるとともに、ジブチルフタレート吸油量(DBP)が80ml/100g以上であることが好ましい。
上記ゴム組成物がカーボンブラックを含有する場合、カーボンブラックの配合割合は、ゴム成分100質量部に対して、20〜120質量部であることが好ましく、25〜100質量部であることが更に好ましい。上記配合割合が20質量部未満であると、破壊特性の改良効果が不十分となるおそれがある。一方、120質量部超であると、ゴム組成物の加工性が低下するおそれがある。
変性共役ジエン共重合体と上記その他の重合体成分と(以下「ゴム成分」と記す場合がある)の合計量100質量部に対して、変性共役ジエン共重合体を20質量%以上含有するゴム組成物は、このゴム組成物中の充填剤の配合割合が、ゴム成分100質量部に対して、20〜120質量部であることが好ましく、補強性とそれによる諸物性の改良効果の観点から、25〜100質量部であることが更に好ましい。上記充填剤の配合割合が20質量部未満であると、耐破壊特性等の改良効果が不十分となるおそれがある。一方、充填剤の配合割合が120質量部超であると、ゴム組成物の加工性が低下するおそれがある。
本実施形態のゴム組成物は、充填剤としてシリカを用いる場合、補強性を更に向上させる目的で、更にシランカップリッグ剤を配合することができる。
シランカップリング剤としては、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、
3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、
3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド等を挙げることができる。
これらの中でも、補強性の改善効果が良好に得られるという観点から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアジルテトラスルフィドなどが好ましい。なお、上記シランカップリング剤は、単独でまたは二種以上を使用することができる。
シランカップリング剤の使用量は、シランカップリング剤の種類等により異なるが、シリカ100質量%に対して、1〜20質量%であることが好ましく、3〜15質量%であることが更に好ましい。上記使用量が1質量%未満であると、カップリング剤としての効果が十分に発揮され難くなるおそれがある。一方、20質量%超であると、ゴム成分がゲル化し易くなるおそれがある。
なお、本実施形態のゴム組成物は、本発明の目的が損なわれない範囲で、必要に応じて、ゴム工業界で通常用いられている各種の薬品や添加剤等を加えることができる。本実施形態のゴム組成物に加えることのできる各種薬品や添加剤等としては、例えば、加硫剤、加硫助剤、加工助剤、加硫促進剤、プロセス油、老化防止剤、スコーチ防止剤、亜鉛華、ステアリン酸等を挙げることができる。
加硫剤としては、例えば、硫黄を使用することができる。この硫黄の使用量は、ゴム成分100質量部に対して、0.1〜3質量部であることが好ましく、0.5〜2質量部であることが更に好ましい。加硫助剤及び加工助剤としては、例えば、ステアリン酸を使用することができる。このステアリン酸の使用量は、ゴム成分100質量部に対して、0.5〜5質量部であることが好ましい。また、加硫促進剤は、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジサルファイド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミドなどのチアゾール系加硫促進剤を挙げることができる。加硫促進剤の使用量は、ゴム成分100質量部に対して、0.1〜5質量部であることが好ましく、0.2〜3質量部であることが更に好ましい。
本実施形態明のゴム組成物は、ゴム成分、及び、必要に応じて充填剤を、ロールなどの開放式混練機、バンバリーミキサーなどの密閉式混練機等の混練機を使用して、混練することによって製造することができる。このようにして製造されるゴム組成物は、成形加工後、加硫することによって、例えば、低燃費用タイヤ、大型タイヤ、高性能タイヤのトレッド用材料、及び高性能タイヤのサイドウォール用材料などの各種ゴム製品として使用することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。また、実施例、比較例中の各種の測定は、下記の方法により行った。
[ムーニー粘度(ML1+4,100℃)]:
JIS K6300に従って、Lローターを使用し、予熱1分、ローター作動時間4分、温度100℃の条件で測定した。
[分子量分布(Mw/Mn)]:
ゲルパーミエーションクロマトグラフ(商品名「HLC−8120GPC」(東ソー社製))を使用し、検知器として、示差屈折計を用いて、以下の条件で測定し、標準ポリスチレン換算値として算出した。
カラム;商品名「GMHHXL」(東ソー社製)2本
カラム温度;40℃
移動相;テトラヒドロフラン
流速;1.0ml/分
サンプル濃度;10mg/20ml
[シス−1,4−結合含量]:
NMR(商品名「EX−270」(日本電子社製))使用し、測定を行った。
共役ジエン系化合物としてブタジエンを用いた実施例及び比較例により製造される共役ジエン系重合体のシス−1,4−結合含量は、次のように測定した。H−NMR分析における1,4−結合:5.30〜5.50ppm、1,2−結合:4.94〜5.03ppmのシグナルの強度比から、重合体中の1,4−結合と1,2−結合の比を算出した後、13C−NMR分析におけるシス−1,4−結合:25.5ppm、1,4−トランス結合:32.8ppmのシグナルの強度比から、シス−1,4−結合含量を算出して測定値とした。
共役ジエン系化合物としてイソプレンを用いた実施例及び比較例により製造される共役ジエン系重合体のシス−1,4−結合含量は、次のように測定した。13C−NMR分析における1,4−トランス結合:15.5〜16.5ppm、3,4−結合:18.0〜19.0ppm、シス−1,4−結合:23.0〜24.0ppmのシグナルの強度比から、シス−1,4−結合含量を算出して測定値とした。
[低発熱性(3%tanδ)]:
粘弾性スペクトロメーター(レオメトリックス社製)を使用し、引張動歪3%、周波数15Hz、50℃の条件で測定した。この測定値は、比較例9の加硫ゴムの測定値を「100」として指数換算し、換算値を低発熱性(3%tanδ)の評価値とした。指数が大きいほど、発熱性が小さく、良好であることを示す。なお、表4中、「低発熱性」と示す。
[低温特性(−20℃G’)]:
粘弾性スペクトロメーター(レオメトリックス社製)を使用し、引張動歪0.1%、周波数15Hz、−20℃で測定した。比較例9の加硫ゴムの測定値を「100」として指数換算し、換算値を低温特性(−20℃G’)の評価値とした。指数が大きいほど、低温特性が良好であり、例えば、加硫ゴムによってタイヤを製造した場合、このタイヤの雪上または氷上におけるグリップ性能などが優れる。
[耐摩耗性]:
ランボーン型の摩耗試験機(島田技研社製)を使用し、スリップ比60%、室温下で測定した。比較例9の加硫ゴムの測定値(摩耗量(g))を「100」として指数換算し、換算値を耐摩耗性の評価値とした。指数値が大きい程、耐摩耗性が良好であることを示す。
参考例3
[変性共役ジエン系重合体の製造]:
まず、第一の錯体として、式(C(CH)Sm(CO)(以下「Cp・Sm」と記す場合がある)で表される化合物を含有するトルエン溶液(3.5mmol/L)と、助触媒成分としてトルエン可溶性アルミノオキサン(商品名「MMAO3」、東ソー・ファインケム社製)を含有するトルエン溶液(0.9mol/L)とを1:1(第一の錯体:助触媒成分)の割合で混合し、室温で30分間反応させ、熟成させて触媒溶液を得た。次に、窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、窒素下で、トルエン2.4kg、共役ジエン系化合物として1,3−ブタジエン(表1,2中「BD」と示す)300gを仕込んだ。その後、上記触媒溶液を2L仕込み、室温で60分間重合反応を行い、重合溶液を得た。なお、1,3−ブタジエンの反応転化率は、ほぼ100%であった。次に、得られた重合体溶液200gを、2,4−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(以下「BHT」と記す場合がある)を含有するメタノール溶液(0.2g/L)に加え、重合体溶液の重合を停止させた。
なお、この重合体溶液中の共役ジエン系重合体の各種評価を行うため、重合体溶液を、スチームストリッピングにより脱溶媒し、その後、110℃に加熱したロールによって乾燥させて共役ジエン系重合体(変性前の共役ジエン系重合体)を得た。この共役ジエン系重合体は、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が16であり、分子量分布(Mw/Mn)が2.1であり、シス−1,4−結合含量が99.1%であった。表1には配合処方及び評価結果を示す。
Figure 0005217378
次に、上記重合体溶液を室温に保ち、この重合体溶液に、アルコキシシラン化合物(変性剤)として3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(以下「GPMOS」と記す場合がある)を含有するトルエン溶液(1.71mmol/L)を1L添加し、30分間反応させた。その後、縮合触媒としてテトライソプロピルチタネート(以下「IPOTi」と記す場合がある)を含有するトルエン溶液(1.28mmol/L)を1L更に添加し、30分間撹拌した。撹拌後、この反応溶液をBHTを含有するメタノール溶液(1.5g/L)に加え、重合反応を停止させて、変性重合体溶液とした。
この変性重合体溶液に、水酸化ナトリウムによりpH10に調整した水酸化ナトリウム水溶液20Lを添加し、110℃で2時間、縮合反応させた。その後、110℃に加熱したロールによって乾燥させて、変性共役ジエン系重合体(表3,4中「重合体A」と示す)を得た。この変性共役ジエン系重合体は、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が53であり、分子量分布(Mw/Mn)が2.5であった。
参考例4
まず、第一の錯体としてCp・Smを含有するトルエン溶液(1.8mmol/L)と、助触媒成分としてトリイソブチルアルミニウム(以下「TIBA」と記す場合がある)を含有するトルエン溶液(20mmol/L)と、助触媒成分としてトリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(以下「PCFB」と記す場合がある)を含有するトルエン溶液(1.8mmol/L)と、を1:1:1の割合で混合し、室温で30分間反応させ、熟成させて触媒溶液を得た。次に、窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、窒素下で、トルエン2.4kg、共役ジエン系化合物として1,3−ブタジエン300gを仕込んだ。その後、上記触媒溶液を3L仕込み、室温で120分間重合反応を行い、重合溶液を得た。なお、1,3−ブタジエンの反応転化率は、ほぼ100%であった。次に、得られた重合体溶液200gを、BHTを含有するメタノール溶液(0.2g/L)に加え、重合体溶液の重合を停止させた。
なお、この重合体溶液中の共役ジエン系重合体の各種評価を行うため、重合体溶液を、スチームストリッピングにより脱溶媒し、その後、110℃に加熱したロールによって乾燥させて共役ジエン系重合体(変性前の共役ジエン系重合体)を得た。この共役ジエン系重合体は、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が14であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.5であり、シス−1,4−結合含量が97.3%であった。表1には配合処方及び評価結果を示す。
次に、上記重合体溶液を室温に保ち、この重合体溶液に、変性剤としてGPMOSを含有するトルエン溶液(1.71mmol/L)を1L添加して30分間反応させた。反応後、縮合触媒としてテトラトリオクチルチタネート(以下「EHOTi」と記す場合がある)を含有するトルエン溶液(1.28mmol/L)を1L更に添加し、30分間撹拌した。撹拌後、この反応溶液をBHTを含有するメタノール溶液(1.5g/L)に加え、重合反応を停止させて、変性重合体溶液とした。
この変性重合体溶液に、水酸化ナトリウムによりpH10に調整した水酸化ナトリウム水溶液20Lを添加し、110℃で2時間、縮合反応させた。その後、110℃に加熱したロールによって乾燥させて、変性共役ジエン系重合体(表3,4中「重合体B」と示す)を得た。この変性共役ジエン系重合体は、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が57であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.7であった。
参考例5
まず、第一の錯体として式(C(CH)Gd(μ−CHAl(CH(以下「Cp・Gd」と記す場合がある)で表される化合物を含有するトルエン溶液(11mmol/L)と、助触媒成分としてTIBAを含有するトルエン溶液(61mmol/L)と、助触媒成分としてPCFBを含有するトルエン溶液(11mmol/L)と、を1:1:1の割合で混合し、室温で30分間反応させ、熟成させて触媒溶液を得た。次に、窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、窒素下で、トルエン2.4kg、共役ジエン系化合物として1,3−ブタジエン300gを仕込んだ。その後、上記触媒溶液を3L仕込み、室温で30分間重合反応を行い、重合溶液を得た。なお、1,3−ブタジエンの反応転化率は、ほぼ100%であった。次に、得られた重合体溶液200gを、BHTを含有するメタノール溶液(0.2g/L)に加え、重合体溶液の重合を停止させた。
なお、この重合体溶液中の共役ジエン系重合体の各種評価を行うため、重合体溶液を、スチームストリッピングにより脱溶媒し、その後、110℃に加熱したロールによって乾燥させて共役ジエン系重合体(変性前の共役ジエン系重合体)を得た。この共役ジエン系重合体は、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が15であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.7であり、シス−1,4−結合含量が98.6%であった。表1には配合処方及び評価結果を示す。
次に、上記重合体溶液を室温に保ち、この重合体溶液に、変性剤としてGPMOSを含有するトルエン溶液(1.71mmol/L)を1L添加して30分間反応させた。反応後、縮合触媒としてIPOTiを含有するトルエン溶液(1.28mmol/L)を1L更に添加し、30分間撹拌した。撹拌後、この反応溶液をBHTを含有するメタノール溶液(1.5g/L)に加え、重合反応を停止させて、変性重合体溶液とした。
この変性重合体溶液に、水酸化ナトリウムによりpH10に調整した水酸化ナトリウム水溶液20Lを添加し、110℃で2時間、縮合反応させた。その後、110℃に加熱したロールによって乾燥させて、変性共役ジエン系重合体(表3,4中「重合体C」と示す)を得た。この変性共役ジエン系重合体は、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が62であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.9であった。
(実施例
まず、窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、窒素下で、トルエン2.4kg、共役ジエン系化合物として1,3−ブタジエン300gを仕込んだ。次に、助触媒成分としてTIBAを含有するトルエン溶液(40mmol/L)を1L添加し、室温で10分間攪拌した。その後、第二の錯体として、式((2−(CP)CN)Y(CHSi(CH(CO)(以下「PNPY」と記す場合がある)で表される化合物を含有するトルエン溶液(4.4mmol/L)を添加し、更に、PCFBを含有するトルエン溶液(4.4mmol/L)を1L添加し、室温で20分間重合反応を行い、重合溶液を得た。なお、1,3−ブタジエンの反応転化率は、ほぼ100%であった。次に、得られた重合体溶液200gを、BHTを含有するメタノール溶液(0.2g/L)に加え、重合体溶液の重合を停止させた。
なお、この重合体溶液中の共役ジエン系重合体の各種評価を行うため、重合体溶液を、スチームストリッピングにより脱溶媒し、その後、110℃に加熱したロールによって乾燥させて共役ジエン系重合体(変性前の共役ジエン系重合体)を得た。この共役ジエン系重合体は、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が18であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.1であり、シス−1,4−結合含量が99.2%であった。表1には配合処方及び評価結果を示す。
次に、上記重合体溶液を室温に保ち、この重合体溶液に、変性剤として3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(以下「IPEOS」と記す場合がある)を含有するトルエン溶液(1.71mmol/L)を1L添加して30分間反応させた。反応後、縮合触媒としてEHOTiを含有するトルエン溶液(1.28mmol/L)を1L更に添加し、30分間撹拌した。撹拌後、この反応溶液をBHTを含有するメタノール溶液(1.5g/L)に加え、重合反応を停止させて、変性重合体溶液とした。
この変性重合体溶液に、水酸化ナトリウムによりpH10に調整した水酸化ナトリウム水溶液20Lを添加し、110℃で2時間、縮合反応させた。その後、110℃に加熱したロールによって乾燥させて、変性共役ジエン系重合体(表3,4中「重合体D」と示す)を得た。この変性共役ジエン系重合体は、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が67であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.4であった。
参考例6
まず、第一の錯体としてCp・Smを含有するトルエン溶液(3.5mmol/L)と、助触媒成分としてMMAOを含有するトルエン溶液(0.9mol/L)と、を1:1の割合で混合し、室温で30分間反応させ、熟成させて触媒溶液を得た。次に、窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、窒素下で、トルエン2.4kg、共役ジエン系化合物として1,3−ブタジエン300gを仕込んだ。その後、上記触媒溶液を2L仕込み、室温で60分間重合反応を行い、重合溶液を得た。なお、1,3−ブタジエンの反応転化率は、ほぼ100%であった。次に、得られた重合体溶液200gを、BHTを含有するメタノール溶液(0.2g/L)に加え、重合体溶液の重合を停止させた。
なお、この重合体溶液中の共役ジエン系重合体の各種評価を行うため、重合体溶液を、スチームストリッピングにより脱溶媒し、その後、110℃に加熱したロールによって乾燥させて共役ジエン系重合体(変性前の共役ジエン系重合体)を得た。この共役ジエン系重合体は、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が17であり、分子量分布(Mw/Mn)が2.1であり、シス−1,4−結合含量が99.3%であった。表1には配合処方及び評価結果を示す。
次に、上記重合体溶液を室温に保ち、この重合体溶液に、変性剤としてGPMOSを含有するトルエン溶液(1.71mmol/L)を1L添加して15分間反応させた。反応後、官能基導入剤として3−アミノプロピルトリエトキシシラン(以下、「APEOS」と記す場合がある)を含有するトルエン溶液(1.28mmol/L)を1L更に添加し、30分間撹拌した。撹拌後、この反応溶液をBHTを含有するメタノール溶液(1.5g/L)に加え、重合反応を停止させて、変性重合体溶液とした。
この変性重合体溶液に、水酸化ナトリウムによりpH10に調整した水酸化ナトリウム水溶液20Lを添加し、110℃で2時間、縮合反応させた。その後、110℃に加熱したロールによって乾燥させて、変性共役ジエン系重合体(表3,4中「重合体E」と示す)を得た。この変性共役ジエン系重合体は、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が68であり、分子量分布(Mw/Mn)が2.6であった。
参考例7
まず、第一の錯体としてCp・Gdを含有するトルエン溶液(0.14mol/L)と、助触媒成分としてTIBAを含有するトルエン溶液(0.7mol/L)と、助触媒成分としてPCFBを含有するトルエン溶液(0.14mol/L)と、を1:1:1の割合で混合し、室温で30分間反応させ、熟成させて触媒溶液を得た。次に、窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、窒素下で、トルエン2.4kg、共役ジエン系化合物としてイソプレン(表1,2中「IP」と示す)300gを仕込んだ。その後、上記触媒溶液を3L仕込み、室温で30分間重合反応を行い、重合溶液を得た。なお、イソプレンの反応転化率は、ほぼ100%であった。次に、得られた重合体溶液200gを、BHTを含有するメタノール溶液(0.2g/L)に加え、重合体溶液の重合を停止させた。
なお、この重合体溶液中の共役ジエン系重合体の各種評価を行うため、重合体溶液を、スチームストリッピングにより脱溶媒し、その後、熱風乾燥機で110℃、12時間乾燥させることによって共役ジエン系重合体(変性前の共役ジエン系重合体)を得た。この共役ジエン系重合体は、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が26であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.4であり、シス−1,4−結合含量が98.5%であった。表1には配合処方及び評価結果を示す。
次に、上記重合体溶液を室温に保ち、この重合体溶液に、変性剤としてGPMOSを含有するトルエン溶液(1.71mmol/L)を1L添加して30分間反応させた。反応後、EHOTiを含有するトルエン溶液(1.28mmol/L)を1L更に添加し、30分間撹拌した。撹拌後、この反応溶液をBHTを含有するメタノール溶液(1.5g/L)に加え、重合反応を停止させて、変性重合体溶液とした。
この変性重合体溶液に、水酸化ナトリウムによりpH10に調整した水酸化ナトリウム水溶液20Lを添加し、110℃で2時間、縮合反応させた。その後、110℃に加熱したロールによって乾燥させて、変性共役ジエン系重合体(表3,4中「重合体F」と示す)を得た。この変性共役ジエン系重合体は、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が79であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.7であった。
(実施例
まず、第二の錯体としてPNPYを含有するクロロベンゼン溶液(9.0mmol/L)と、助触媒成分としてN,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(以下「PNFB」と記す場合がある)を含有するクロロベンゼン溶液(9.0mmol/L)とを1:1(第二の錯体:助触媒成分)の割合で混合し、室温で30分間反応させ、熟成させて触媒溶液を得た。次に、窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、窒素下で、クロロベンゼン2.4kg、共役ジエン系化合物としてイソプレン300gを仕込んだ。その後、上記触媒溶液を2L仕込み、室温で30分間重合反応を行い、重合溶液を得た。なお、イソプレンの反応転化率は、ほぼ100%であった。次に、得られた重合体溶液200gを、BHTを含有するメタノール溶液(0.2g/L)に加え、重合体溶液の重合を停止させた。
なお、この重合体溶液中の共役ジエン系重合体の各種評価を行うため、重合体溶液を、スチームストリッピングにより脱溶媒し、その後、熱風乾燥機で110℃、12時間乾燥させることによって共役ジエン系重合体(変性前の共役ジエン系重合体)を得た。この共役ジエン系重合体は、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が23であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.1であり、シス−1,4−結合含量が99.4%であった。表1には配合処方及び評価結果を示す。
次に、上記重合体溶液を室温に保ち、この重合体溶液に、変性剤としてGPMOSを含有するトルエン溶液(1.71mmol/L)を1L添加して15分間反応させた。反応後、EHOTiを含有するトルエン溶液(1.28mmol/L)を1L更に添加し、30分間撹拌した。撹拌後、この反応溶液をBHTを含有するメタノール溶液(1.5g/L)に加え、重合反応を停止させて、変性重合体溶液とした。
この変性重合体溶液に、水酸化ナトリウムによりpH10に調整した水酸化ナトリウム水溶液20Lを添加し、110℃で2時間、縮合反応させた。その後、110℃に加熱したロールによって乾燥させて、変性共役ジエン系重合体(表3,4中「重合体G」と示す)を得た。この変性共役ジエン系重合体は、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が83であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.5であった。
(比較例1)
TIBAを含有するトルエン溶液の濃度を28mmol/Lに代え、変性剤であるGPMOS、IPOTiを添加しないこと以外は、参考例5と同様にして、共役ジエン系重合体(表3,4中「重合体H」と示す)を得た。共役ジエン系重合体の各種評価結果を表2に示す。
Figure 0005217378
(比較例2)
まず、第一の錯体としてバーサチック酸ネオジム(以下、「NdV」と記す場合がある)を含有するシクロヘキサン溶液(0.09mmol/L)と、以下、助触媒成分として、メチルアルモキサン(以下「MAO」と記す場合がある)を含有するトルエン溶液(3.6mmol/L)と、水素化ジイソブチルアルミニウム(以下「DIBAH」と記す場合がある)及びジエチルアルミニウムクロリド(以下「DEAC」と記す場合がある)を含有するトルエン溶液((DIBAH:6.0mmol、DEAC:0.18mmol)/L)と、を1:1:1の割合で混合し、この混合液に4.5mmolの1,3−ブタジエンを加え、40℃で30分間反応させ、熟成させて触媒溶液を得た。次に、窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、窒素下で、シクロヘキサン2.4kg、共役ジエン系化合物として1,3−ブタジエン300gを仕込んだ。その後、60℃で60分間重合反応を行い、重合溶液を得た。なお、1,3−ブタジエンの反応転化率は、ほぼ100%であった。次に、得られた重合体溶液200gを、BHTを含有するメタノール溶液(0.2g/L)に加え、重合体溶液の重合を停止させた。
なお、この重合体溶液中の共役ジエン系重合体の各種評価を行うため、重合体溶液を、スチームストリッピングにより脱溶媒し、その後、110℃に加熱したロールによって乾燥させて共役ジエン系重合体(変性前の共役ジエン系重合体)を得た。この共役ジエン系重合体は、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が14であり、分子量分布(Mw/Mn)が2.3であり、シス−1,4−結合含量が96.6%であった。表2には配合処方及び評価結果を示す。
次に、上記重合体溶液を60℃に保ち、この重合体溶液に、変性剤としてGPMOSを含有するトルエン溶液(1.71mmol/L)を1L添加して30分間反応させた。反応後、EHOTiを含有するトルエン溶液(1.28mmol/L)を1L更に添加し、30分間撹拌した。撹拌後、この反応溶液をBHTを含有するメタノール溶液(1.5g/L)に加え、重合反応を停止させて、変性重合体溶液とした。
この変性重合体溶液に、水酸化ナトリウムによりpH10に調整した水酸化ナトリウム水溶液20Lを添加し、110℃で2時間、縮合反応させた。その後、110℃に加熱したロールによって乾燥させて、変性共役ジエン系重合体(表3,4中「重合体I」と示す)を得た。この変性共役ジエン系重合体は、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が47であり、分子量分布(Mw/Mn)が2.7であった。
(比較例3)
TIBAを含有するトルエン溶液の濃度を0.35mol/Lに代え、変性剤であるGPMOS、EHOTiを添加しないこと以外は、参考例7と同様にして、共役ジエン系重合体(表3,4中「重合体J」と示す)を得た。共役ジエン系重合体の各種評価結果を表2に示す。
(比較例4)
まず、第一の錯体としてNdVを含有するシクロヘキサン溶液(0.18mmol/L)と、以下、助触媒成分として、MAOを含有するトルエン溶液(3.6mmol/L)と、DIBAH及びDEACを含有するトルエン溶液((DIBAH:6.5mmol、DEAC:0.36mmol)/L)と、を1:1:1の割合で混合し、この混合液に4.5mmolのイソプレンを加え、40℃で30分間反応させ、熟成させて触媒溶液を得た。次に、窒素置換された内容積5リットルのオートクレーブ反応器に、窒素下で、シクロヘキサン2.4kg、共役ジエン系化合物としてイソプレン300gを仕込んだ。その後、60℃で60分間重合反応を行い、重合溶液を得た。なお、イソプレンの反応転化率は、ほぼ100%であった。次に、得られた重合体溶液200gを、BHTを含有するメタノール溶液(0.2g/L)に加え、重合体溶液の重合を停止させた。
なお、この重合体溶液中の共役ジエン系重合体の各種評価を行うため、重合体溶液を、スチームストリッピングにより脱溶媒し、その後、熱風乾燥機で110℃、12時間乾燥させることによって共役ジエン系重合体(変性前の共役ジエン系重合体)を得た。この共役ジエン系重合体は、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が33であり、分子量分布(Mw/Mn)が2.6であり、シス−1,4−結合含量が95.5%であった。表2には配合処方及び評価結果を示す。
次に、上記重合体溶液を60℃に保ち、この重合体溶液に、変性剤としてGPMOSを含有するトルエン溶液(1.71mmol/L)を1L添加して30分間反応させた。反応後、EHOTiを含有するトルエン溶液(1.28mmol/L)を1L更に添加し、30分間撹拌した。撹拌後、この反応溶液をBHTを含有するメタノール溶液(1.5g/L)に加え、重合反応を停止させて、変性重合体溶液とした。
この変性重合体溶液に、水酸化ナトリウムによりpH10に調整した水酸化ナトリウム水溶液20Lを添加し、110℃で2時間、縮合反応させた。その後、110℃に加熱したロールによって乾燥させて、変性共役ジエン系重合体(表3,4中「重合体K」と示す)を得た。この変性共役ジエン系重合体は、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が43であり、分子量分布(Mw/Mn)が3.0であった。
(参考例1)
市販のポリブタジエンゴム(商品名「ポリブタジエンゴムBR01」、JSR社製)について、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)、分子量分布(Mw/Mn)、シス−1,4−結合含量を測定した。測定結果は、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が45であり、分子量分布(Mw/Mn)が4.0であり、シス−1,4−結合含量が95.0%であった。なお、表3,4中「重合体L」と示す。
(参考例2)
市販のポリイソプレンゴム(商品名「ポリイソプレンゴムイR2200」、JSR社製)について、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)、分子量分布(Mw/Mn)、シス−1,4−結合含量を測定した。測定結果は、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が82であり、分子量分布(Mw/Mn)が3.5であり、シス−1,4−結合含量が98.0%であった。なお、表3,4中「重合体M」と示す。
参考例8
[ゴム組成物の調製]:
参考例3によって得られた重合体Aを50部、天然ゴム50部、シリカ(商品名:ニプシールAQ、日本シリカ工業社製)55部、アロマオイル(商品名:フッコールアロマックス#3、富士興産社製)10部、ステアリン酸2部、シランカップリング剤としてビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(商品名:Si69、デグサ社製)5.5部、老化防止剤としてN−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン(商品名:ノクラック6C、大内新興化学工業社製)1部、酸化亜鉛3部、硫黄1.5部、以下、加硫促進剤として、1,3−ジフェニルグアニジン(商品名:ノクセラーD、大内新興化学工業社製)1部、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド(商品名:ノクセラーDM、大内新興化学工業社製)1部、及びN−t−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(商品名:ノクセラーNS−F、大内新興化学工業社製)1部を混練してゴム組成物を得た。
得られたゴム組成物を145℃、33分の条件で加硫して加硫ゴムを得、この加硫ゴムの低発熱性(3%tanδ)、低温特性(−20℃G’)、及び耐摩耗性を上述した方法により評価した。本参考例のゴム組成物を加硫して得られた加硫ゴムの各評価結果は、低発熱性(3%tanδ)が127であり、低温特性(−20℃G’)が158であり、耐摩耗性が137であった。
(実施例3,4、参考例9〜12、比較例5〜10)
表3に示す配合処方(配合1または配合2)によってゴム組成物を調製し、得られたゴム組成物を145℃、33分の条件で加硫して加硫ゴムを得、この加硫ゴムの低発熱性(3%tanδ)、低温特性(−20℃G’)、及び耐摩耗性を上述した方法により評価した。評価結果を表4に示す。
Figure 0005217378
Figure 0005217378
表4から明らかなように、実施例1,2の変性共役ジエン系重合体は、比較例1〜4、及び参考例1,2の重合体(共役ジエン系重合体)に比べて、低発熱性、低温特性、及び耐摩耗性が優れることが確認できた。
表4から明らかなように、実施例3,4のゴム組成物は、比較例5〜10のゴム組成物に比べて、低発熱性、低温特性、及び耐摩耗性が優れた加硫ゴムを形成することができることが確認できた。
本発明の変性共役ジエン系重合体の製造方法によれば、低発熱性、低温特性、及び耐摩耗性が優れた加硫ゴムの材料として好適に用いることができる変性共役ジエン系重合体を製造することができ、得られる変性共役ジエン系重合体は、例えば、低燃費用タイヤの材料として好適に用いることができる。
本発明の変性共役ジエン系重合体は、例えば、低燃費用タイヤの材料として好適に用いることができる。
本発明のゴム組成物は、例えば、低燃費用タイヤの材料として好適に用いることができる。

Claims (8)

  1. 共役ジエン系化合物を、少なくとも一つの3族元素を含有するビス(フォスフィノフェニル)アミド型錯体を含む重合触媒組成物の存在下で重合させ、シス−1,4−結合含量が75%以上である共役ジエン系重合体を得、
    得られた前記共役ジエン系重合体にアルコキシシラン化合物を反応させて、アルコキシシリル基を有する一次変性重合体を得、
    得られた前記一次変性重合体の前記アルコキシシリル基を、4族、12族、13族、14族、及び15族に含まれる元素のうちの一つの元素を含有する縮合触媒の存在下で、縮合反応させる変性共役ジエン系重合体の製造方法。
  2. 前記重合触媒組成物が、助触媒成分として、下記触媒(a)〜(c)からなる群より選択される少なくとも一の化合物を更に含むものである請求項1に記載の変性共役ジエン系重合体の製造方法。
    触媒(a):非配位性アニオンとカチオンとからなるイオン性化合物
    触媒(b):アルミノオキサン
    触媒(c):一般式(1)AlRで表される有機アルミニウム化合物
    (但し、前記一般式(1)中、Rは同一または異なり、炭素数1〜10の炭化水素基または水素原子であり、RはRと同一または異なる炭素数1〜10の炭化水素基である)
  3. 前記縮合触媒が、チタン(Ti)を含有するものである請求項1または2に記載の変性共役ジエン系重合体の製造方法。
  4. 前記アルコキシシラン化合物が、エポキシ基、イソシアネート基、及びカルボニル基からなる群より選択される少なくとも一種の官能基を含む請求項1〜のいずれか一項に記載の変性共役ジエン系重合体の製造方法。
  5. 前記一次変性重合体を得た後、アミノ基、イミノ基、及びメルカプト基からなる群より選択される少なくとも一種の官能基を含む化合物と、前記一次変性重合体とを反応させる請求項1〜のいずれか一項に記載の変性共役ジエン系重合体の製造方法。
  6. 前記一次変性重合体を、pH9〜14、温度85〜180℃の水溶液中で縮合反応させる請求項1〜のいずれか一項に記載の変性共役ジエン系重合体の製造方法。
  7. 前記共役ジエン系化合物が、1,3−ブタジエン、イソプレン、及び2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンからなる群より選択される少なくとも一種である請求項1〜のいずれか一項に記載の変性共役ジエン系重合体の製造方法。
  8. 前記共役ジエン系重合体が、シス−1,4−結合含量が99%以上であり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が2.0以下である請求項1〜のいずれか一項に記載の変性共役ジエン系重合体の製造方法。
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