JP6598637B2 - 重合触媒組成物の製造方法、共役ジエン重合体の製造方法、及び変性共役ジエン重合体の製造方法 - Google Patents
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また、本発明の目的は、高い触媒活性で共役ジエン単量体を重合させることができる、共役ジエン重合体の製造方法を提供することにもある。
更に、本発明の目的は、高い触媒活性で共役ジエン単量体を重合させることができる上、末端変性率が高い変性共役ジエン重合体を得ることができる、変性共役ジエン重合体の製造方法を提供することにもある。
本発明の重合触媒組成物の製造方法は、
下記一般式(a−1):
M-(AQ1)(AQ2)(AQ3) ・・・(a−1)
[式中、Mは、スカンジウム、イットリウム又はランタノイド元素であり;AQ1、AQ2及びAQ3は、同一であっても異なっていてもよい官能基であり;Aは、窒素、酸素又は硫黄であり;但し、少なくとも1つのM−A結合を有する]で表される希土類元素化合物(以下、単に「希土類元素化合物」と称することがある。)((A)成分)と、
置換又は無置換シクロペンタジエン、置換又は無置換のインデン、置換又は無置換のフルオレンからなる群から選択される少なくとも1種の化合物((B)成分)と、
下記一般式(c−1):
YR1 aR2 bR3 c ・・・ (c−1)
[式中、Yは、周期律表の第1族、第2族、第12族及び第13族の元素からなる群から選択される金属元素であり;R1及びR2は炭素数1〜10の炭化水素基又は水素原子であり、R3は炭素数1〜10の炭化水素基であり;但し、R1、R2及びR3はそれぞれ互いに同一であっても異なっていてもよく;また、Yが周期律表の第1族の金属元素である場合には、aは1で且つb及びcは0であり、Yが周期律表の第2族又は第12族の金属元素である場合には、a及びbは1で且つcは0であり、Yが周期律表の第13族の金属元素である場合には、a,b及びcは1である]で表される有機金属化合物(以下、単に「有機金属化合物」と称することがある。)((C)成分)とのみを反応させ、反応混合物を得る工程(a)
を含むことを特徴とする。
かかる方法により、重合時の触媒活性が高く、重合体の末端変性率を高めることができる重合触媒組成物を調製することができる。
これにより、共役ジエン単量体を重合させる場合における、共役ジエン重合体のシス−1,4結合量を増加させることができる上、助触媒として機能し得るアルミノキサン化合物の反応がハロゲン化合物によって阻害される可能性を抑制することができる。
−(Al(CH3)x(i−C4H9)yO)m− ・・・(d−2)
[式中、x+yは1であり;mは5以上である]で表される修飾アルミノキサン、又は、一般式(d−3):
−(Al(CH3)0.7(i−C4H9)0.3O)k− ・・・(d−3)
[式中、kは5以上である]で表される修飾アルミノキサンであることが好ましい。
また、本発明によれば、高い触媒活性で共役ジエン単量体を重合させることができる、共役ジエン重合体の製造方法を提供することができる。
更に、本発明によれば、高い触媒活性で共役ジエン単量体を重合させることができる上、末端変性率が高い変性共役ジエン重合体を得ることができる、変性共役ジエン重合体の製造方法を提供することができる。
本発明の一例の重合触媒組成物の製造方法は、希土類元素化合物((A)成分)と、置換又は無置換シクロペンタジエン、置換又は無置換のインデン、及び置換又は無置換のフルオレンからなる群から選択される少なくとも1種の化合物(以下、本明細書では「シクロペンタジエン骨格を有する化合物」と総称することがある。)((B)成分)と、有機金属化合物((C)成分)とのみを反応させ、反応混合物を得る工程(a)を含み、任意に、前記工程(a)で得られた反応混合物を、他の化合物と反応させて反応混合物を得る工程を含むことを特徴とする。
なお、本明細書において「のみを反応させる」とは、対象成分及び任意の溶媒のみを混合し、0〜100℃の範囲内の一定温度で30分間〜24時間保持することを間接的に指す。
ここで、上記効果が奏される理由は、定かではないが、(A)成分、(B)成分及び(C)成分が十分に反応することで、後の工程において、不純物が及ぼす影響が最小限に抑えられるといった作用によるものと推測される。
また、前記(A)成分、(B)成分及び(C)成分とともに、例えば後述するようなハロゲン化合物を用いて反応させた場合には、当該化合物が不純物として作用して重合活性が低下するため、所期の重合触媒組成物を得ることができないと考えられている。
以下、本発明の一例の重合触媒組成物の製造方法に含まれ得る工程について、具体的に記載する。
工程(a)は、上述の通り、希土類元素化合物((A)成分)と、置換又は無置換シクロペンタジエン、置換又は無置換のインデン、置換又は無置換のフルオレンからなる群から選択される少なくとも1種の化合物((B)成分)と、上記一般式(c−1)で表される有機金属化合物((C)成分)とのみを反応させ、反応混合物を得る工程である。
前記(A)成分と、(B)成分と、(C)成分とのみを反応させる際の保持時間としては、30分間〜24時間である必要があり、30分間〜12時間が好ましい。保持時間が30分間未満であると、十分な反応が行われず、所望の反応混合物が得られないことがあり、一方、保持時間が24時間超であると、重合触媒組成物の熟成効果が十分に得られないことがある。
本発明の一例の重合触媒組成物の製造方法においては、工程(a)の後、当該工程(a)で得られた反応混合物と、アルミノキサン化合物((D)成分)とのみを反応させ、反応混合物を得る工程(b)を更に含むことが好ましい。これにより、アルミノキサン化合物が助触媒として機能するため、重合時の触媒活性をより向上させることができる。
なお、工程(b)は、本発明の一例の重合触媒組成物の製造方法が後述する工程(d)又は工程(f)を含む場合には実施することができない点に留意すべきである。
工程(a)で得られた反応混合物とアルミノキサン化合物((D)成分)とのみを反応させる際の保持時間としては、効率的に重合時の触媒活性を向上させる観点から、30分間〜10時間が好ましく、30分間〜4時間がより好ましい。
本発明の一例の重合触媒組成物の製造方法が工程(b)を含む場合には、工程(b)の後、当該工程(b)で得られた反応混合物と、ハロゲン化合物((E)成分)とのみを反応させ、反応混合物を得る工程(c)を更に含むことが好ましい。これにより、共役ジエン単量体を重合させる場合における共役ジエン重合体のシス−1,4結合量を増加させることができる。また、アルミノキサン化合物((D)成分)を反応させた後にハロゲン化合物((E)成分)を反応させることにより、助触媒として機能し得るアルミノキサン化合物の反応がハロゲン化合物によって阻害される可能性を抑制することができる。
なお、工程(c)は、本発明の一例の重合触媒組成物の製造方法が工程(b)を含まない場合には実施することができない点に留意すべきである。
工程(b)で得られた反応混合物とハロゲン化合物((E)成分)とのみを反応させる際の保持時間としては、効率的に共役ジエン重合体のシス−1,4結合量を増加させる観点から、30分間〜10時間が好ましく、30分間〜2時間がより好ましい。
また、本発明の一例の重合触媒組成物の製造方法においては、上述した工程(b)に代えて、工程(a)の後、当該工程(a)で得られた反応混合物と、ハロゲン化合物((E)成分)とのみを反応させ、反応混合物を得る工程(d)を更に含むことも好ましい。これにより、共役ジエン単量体を重合させる場合における共役ジエン重合体のシス−1,4結合量を増加させることができる。
なお、工程(d)は、本発明の一例の重合触媒組成物の製造方法が工程(b)又は後述する工程(f)を含む場合には実施することができない点に留意すべきである。
工程(a)で得られた反応混合物とハロゲン化合物((E)成分)とのみを反応させる際の保持時間としては、共役ジエン重合体のシス−1,4結合量を増加させる観点から、30分間〜10時間が好ましく、30分間〜2時間がより好ましい。
本発明の一例の重合触媒組成物の製造方法が工程(d)を含む場合には、工程(d)の後、当該工程(d)で得られた反応混合物と、アルミノキサン化合物((D)成分)とのみを反応させ、反応混合物を得る工程(e)を更に含んでいてもよい。これにより、触媒活性を向上させることができる。
なお、工程(e)は、本発明の一例の重合触媒組成物の製造方法が工程(d)を含まない場合には実施することができない点に留意すべきである。
工程(d)で得られた反応混合物とアルミノキサン化合物((D)成分)とのみを反応させる際の保持時間としては、効率的に重合時の触媒活性を向上させる観点から、30分間〜10時間が好ましく、30分間〜2時間がより好ましい。
そして、本発明の一例の重合触媒組成物の製造方法においては、上述した工程(b)や上述した工程(d)に代えて、工程(a)の後、当該工程(a)で得られた反応混合物と、アルミノキサン化合物((D)成分)及びハロゲン化合物((E)成分)とのみを反応させ、反応混合物を得る工程(f)を更に含むことも好ましい。これにより、重合の制御性を上げることができる。
なお、工程(f)は、本発明の一例の重合触媒組成物の製造方法が工程(b)又は工程(d)を含む場合には実施することができない点に留意すべきである。
工程(a)で得られた反応混合物と、アルミノキサン化合物((D)成分)及びハロゲン化合物((E)成分)とのみを反応させる際の保持時間としては、重合時の触媒活性を向上させる観点から、30分間〜10時間が好ましく、30分間〜2時間がより好ましい。
上記各工程で溶媒を用いる場合、かかる溶媒としては、不活性である限り特に限定されることなく、あらゆるものとしてよく、例えば、n−ヘキサン、シクロヘキサン、又はこれらの混合物等が挙げられる。また、かかる溶媒としては、蒸留、脱気、凍結乾燥等の精製操作を適宜行ったものを用いることが好ましい。
上記各工程は、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下において行われることが好ましい。
(A)成分は、下記一般式(a−1):
M-(AQ1)(AQ2)(AQ3) ・・・(a−1)
[式中、Mは、スカンジウム、イットリウム又はランタノイド元素であり;AQ1、AQ2及びAQ3は、同一であっても異なっていてもよい官能基であり;Aは、窒素、酸素又は硫黄であり;但し、少なくとも1つのM−A結合を有する]で表される希土類元素化合物である。ここで、ランタノイド元素とは、具体的には、ランタニウム、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミニウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウムである。(A)成分は、少なくとも1つのM−A結合を有する。また、(A)成分は、反応系における触媒活性を向上させることができ、反応時間を短くし、反応温度を高くすることが可能な成分である。
なお、上記(A)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アミド基としては、例えば、ジメチルアミド基、ジエチルアミド基、ジイソプロピルアミド基等の脂肪族アミド基;フェニルアミド基、2,6−ジ−tert−ブチルフェニルアミド基、2,6−ジイソプロピルフェニルアミド基、2,6−ジネオベンチルフェニルアミド基、2−tert−ブチル−6−イソプロピルフェニルアミド基、2−tert−ブチル−6−ネオベンチルフェニルアミド基、2−イソプロピル−6−ネオベンチルフェニルアミド基、2,4,6−tert−ブチルフェニルアミド基等のアリールアミド基;ビストリメチルシリルアミド基等のビストリアルキルシリルアミド基が挙げられ、特に、脂肪族炭化水素に対する溶解性の観点から、ビストリメチルシリルアミド基が好ましい。
上記官能基は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(RO)3M (I)
で表される希土類アルコラート、下記式(I):
(R−CO2)3M (II)
で表される希土類カルボキシレート、が挙げられる。ここで、下記化合物(I)〜(II)の各式中、Rは、同一であっても異なっていてもよく、炭素数1〜10のアルキル基である。
(RS)3M (III)
で表される希土類アルキルチオラート、下記式(IV):
(R−CS2)3M (IV)
で表される化合物、が挙げられる。ここで、下記化合物(III)〜(IV)の各式中、Rは、同一であっても異なっていてもよく、炭素数1〜10のアルキル基である。
(B)成分は、シクロペンタジエン骨格を有する化合物、即ち、置換又は無置換シクロペンタジエン、置換又は無置換のインデン、置換又は無置換のフルオレンからなる群から選択される少なくとも1種の化合物である。
なお、上記(B)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(C)成分は、一般式(c−1):
YR1 aR2 bR3 c ・・・(c−1)
[式中、Yは、周期律表の第1族、第2族、第12族及び第13族の元素からなる群から選択される金属元素であり;R1及びR2は炭素数1〜10の炭化水素基又は水素原子であり、R3は炭素数1〜10の炭化水素基であり;但し、R1、R2及びR3はそれぞれ互いに同一であっても異なっていてもよく;また、Yが第1族の金属元素である場合には、aは1で且つb及びcは0であり、Yが第2族又は第12族の金属元素である場合には、a及びbは1で且つcは0であり、Yが第13族の金属元素である場合には、a,b及びcは1である]で表される有機金属化合物である。
ここで、触媒活性を高める観点から、式(c−1)においては、R1、R2及びR3の全てが同一、ではない、ことが好ましい。
AlR4 aR5 bR6 c ・・・(c−2)
[式中、R4及びR5は、炭素数1〜10の炭化水素基又は水素原子であり;R6は、炭素数1〜10の炭化水素基であり;R4、R5及びR6は、同一であっても異なっていてもよい]で表される有機アルミニウム化合物であることが好ましい。
上記有機アルミニウム化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(D)成分は、有機アルミニウム化合物と縮合剤とを接触させることによって得られる化合物である。
(D)成分を用いることによって、重合反応系における触媒活性を更に向上させることができる。そのため、反応時間を短くし、反応温度を高くすることができる。
また、(D)成分を得るために用いられる縮合剤としては、例えば、水等が挙げられる。
−(Al(R7)O)n− ・・・(d−1)
[式中、R7は、炭素数1〜10の炭化水素基であり;ここで、炭化水素基の一部はハロゲン及び/又はアルコキシ基で置換されてもよく;R7は、繰り返し単位間で同一であっても異なっていてもよく;nは5以上である]で表されるアルミノキサンを挙げることができる。
nは10以上であることが好ましい。
R7の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソブチル基等が挙げられ、特に、メチル基が好ましい。上記炭化水素基は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、R7の炭化水素基としては、メチル基とイソブチル基との組み合わせが好ましい。
ここで、脂肪族炭化水素としては、ヘキサン、シクロヘキサン等が挙げられる。
−(Al(CH3)x(i−C4H9)yO)m− ・・・(d−2)
[式中、x+yは1であり;mは5以上である]で表される修飾アルミノキサン(以下、「TMAO」ともいう)であってよい。TMAOとしては、例えば、東ソー・ファインケミカル社製の製品名:TMAO341が挙げられる。
−(Al(CH3)0.7(i−C4H9)0.3O)k− ・・・(d−3)
[式中、kは5以上である]で表される修飾アルミノキサン(以下、「MMAO」ともいう)であってよい。MMAOとしては、例えば、東ソー・ファインケミカル社製の製品名:MMAO−3Aが挙げられる。
−[(CH3)AlO]i− ・・・(d−4)
[式中、iは5以上である]で表される修飾アルミノキサン(以下、「PMAO」ともいう)であってよい。PMAOとしては、例えば、東ソー・ファインケミカル社製の製品名:TMAO−211が挙げられる。
(E)成分は、ルイス酸であるハロゲン含有化合物(以下、「(E−1)成分」ともいう)、金属ハロゲン化物とルイス塩基との錯化合物(以下、「(E−2)成分」ともいう)、及び活性ハロゲンを含む有機化合物(以下、「(E−3)成分」ともいう)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物である。
(E)成分を用いることによって、共役ジエン重合体のシス−1,4結合量を高めることができる。
ルイス酸であるハロゲン含有化合物としては、例えば、四塩化チタン、六塩化タングステン、トリ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、メチルアルミニウムジブロマイド、メチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジブロマイド、エチルアルミニウムジクロライド、ブチルアルミニウムジブロマイド、ブチルアルミニウムジクロライド、ジメチルアルミニウムブロマイド、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムブロマイド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジブチルアルミニウムブロマイド、ジブチルアルミニウムクロライド、メチルアルミニウムセスキブロマイド、メチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムセスキブロマイド、エチルアルミニウムセスキクロライド、アルミニウムトリブロマイド、トリ(ペンタフルオロフェニル)アルミニウム、ジブチル錫ジクロライド、四塩化錫、三塩化リン、五塩化リン、三塩化アンチモン、五塩化アンチモン等が挙げられ、特に、エチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジブロマイド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムブロマイド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムセスキブロマイドが好ましい。
ハロゲンとしては、塩素又は臭素が好ましい。
上記ルイス酸であるハロゲン含有化合物((E−1)成分)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(E−2)成分に用いられるルイス塩基としては、リン化合物、カルボニル化合物、窒素化合物、エーテル化合物、アルコールが好ましい。
例えば、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジエチルホスフィノエタン、ジフェニルホスフィノエタン、アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、プロピオニトリルアセトン、バレリルアセトン、エチルアセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸フェニル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジフェニル、酢酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸、ステアリン酸、安息香酸、ナフテン酸、バーサチック酸、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、ジフェニルエーテル、2−エチルヘキシルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、フェノール、ベンジルアルコール、1−デカノール、ラウリルアルコール等が挙げられ、特に、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリクレジル、アセチルアセトン、2−エチルヘキサン酸、バーサチック酸、2−エチルヘキシルアルコール、1−デカノール、ラウリルアルコールが好ましい。
上記ルイス塩基のモル数は、上記金属ハロゲン化物1モル当たり、0.01〜30モル、好ましくは0.5〜10モルの割合で反応させる。このルイス塩基との反応物を使用すると、ポリマー中に残存する金属を低減することができる。
上記金属ハロゲン化物とルイス塩基との錯化合物((E−2)成分)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記活性ハロゲンを含む有機化合物((E−3)成分)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
そのため、上記範囲によれば、共役ジエン重合体のシス−1,4結合量を高める効果を高くすることができる。
本発明の一例の共役ジエン重合体の製造方法は、本発明の一例の重合触媒組成物の製造方法により調製した重合触媒組成物を用いることを必要とする。具体的には、本発明の一例の共役ジエン重合体の製造方法は、
共役ジエン単量体を準備する、単量体準備工程と、
上記一般式(a−1)で表される希土類元素化合物((A)成分)と、シクロペンタジエン骨格を有する化合物((B)成分)と、上記一般式(c−1)で表される有機金属化合物((C)成分)と、任意にアルミノキサン化合物((D)成分)と、任意にハロゲン化合物((E)成分)とをそれぞれ準備又は調製する、触媒系準備工程と、
上述の工程(a)及び任意に上述の工程(b)〜工程(f)から適宜選択される工程を経て、重合触媒組成物を調製する、触媒組成物調製工程と、
前記共役ジエン単量体と前記重合触媒組成物とを混合して、共役ジエン単量体の重合反応を行う、重合反応工程と、
を含む。なお、共役ジエン単量体は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、本発明の一例の変性共役ジエン重合体の製造方法は、本発明の一例の重合触媒組成物の製造方法により調製した重合触媒組成物を用いることを必要とする。具体的には、本発明の一例の変性共役ジエン重合体の製造方法は、
共役ジエン単量体を準備する、単量体準備工程と、
上述した触媒組成物調製工程と、
前記共役ジエン単量体と前記重合触媒組成物とを混合して、共役ジエン単量体の重合反応を行う、重合反応工程と、
重合反応系に前記変性剤を投入して、リビング重合体の末端に変性基を導入する変性工程と
を含む。なお、共役ジエン単量体は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、重合反応工程と変性工程とは、同時に又は重複して行われてもよい。
本発明の共役ジエン重合体の製造方法及び本発明の変性共役ジエン重合体の製造方法で用いられる共役ジエン単量体としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、及び1,3−ヘキサジエン等が挙げられ、特に、ゴム組成物やタイヤ等のゴム製品の諸性能を向上させる観点から、1,3−ブタジエン及び/又はイソプレンを用いることが好ましい。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。特に、共役ジエン単量体として、イソプレンと1,3−ブタジエンとを用いる場合、イソプレンの1,3−ブタジエンに対する割合は、反応系における触媒活性を向上させる観点、及び、分子量分布を小さくする観点から、1以上であることが好ましく、3以上であることが更に好ましく、7以上であることが特に好ましい。
本発明の変性共役ジエン重合体の製造方法で用いられる変性剤は、活性有機金属部位を有している重合体に対して、該活性有機金属部位と置換反応又は付加反応を行いうる官能基を有し、且つ、該活性有機金属部位を失活させるような活性プロトンを含まない化合物を反応させることによって重合体に官能基を付与し、又はカップリングによる分子量上昇をもたらす。
代表的な変性剤としては、アザシクロプロパン基、ケトン基,カルボキシル基、チオカルボキシル基、炭酸塩、カルボン酸無水物、カルボン酸金属塩、酸ハロゲン化物、ウレア基、チオウレア基、アミド基、チオアミド基、イソシアネート基、チオイソシアネート基、ハロゲン化イソシアノ基、エポキシ基、チオエポキシ基、イミン基、及びM−Z結合(但し、MはSn、Si、Ge,P、Zはハロゲン原子)の中から選ばれる少なくとも一種の官能基を含み、且つ前記活性有機金属部位を失活させるような活性プロトン及びオニウム塩を含まないものが好ましい。
R1〜R5は、それぞれ独立して単結合又は炭素数1〜18の二価の炭化水素基を示す。この二価の炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜18のアルキレン基、炭素数2〜18のアルケニレン基、炭素数6〜18のアリーレン基、炭素数7〜18のアラルキレン基などが挙げられるが、これらの中でも、炭素数1〜18のアルキレン基、特に炭素数1〜10のアルキレン基が好ましい。このアルキレン基は、直鎖状、枝分かれ状、環状のいずれであってもよいが、特に直鎖状のものが好ましい。この直鎖状のアルキレン基の例としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基などが挙げられる。
また、X1〜X5及びR1〜R5のいずれかを介して複数のアジリジン環が結合していてもよい。
また、化合物(a)は、前記一般式(V)において、X1=水素原子及びR1=単結合を同時に満たさないものであることが好ましい。
上記式中、M’がケイ素原子の場合には、化合物(b)としては、例えば、トリフェニルクロロシラン、トリヘキシルクロロシラン、トリオクチルクロロシラン、トリブチルクロロシラン、トリメチルクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、ジヘキシルジクロロシラン、ジオクチルジクロロシラン、ジブチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルジクロロシラン、フェニルクロロシラン、ヘキシルトリジクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、ブチルトリクロロシラン、メチルトリクロロシラン、四塩化ケイ素などが挙げられる。
上記式中、M’がゲルマニウム原子の場合には、化合物(b)としては、例えば、トリフェニルゲルマニウムクロリド、ジブチルゲルマニウムジクロリド、ジフェニルゲルマニウムジクロリド、ブチルゲルマニウムトリクロリド、四塩化ゲルマニウムなどが挙げられる。
上記式中、M’がリン原子の場合には、化合物(b)としては、例えば、三塩化リンなどが挙げられる。
R7 nM’(−R8−COOR9)4-n
R7 nM’(−R8−COR9)4-n
(式中、R7〜R8は、同一であるか又は異なって、炭素数1〜20の炭素原子を含む炭化水素基であり、R9は炭素数1〜20の炭素原子を含む炭化水素基であり、側鎖にカルボニル基又はエステル基を含んでいてもよく、M’はスズ原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子又はリン原子であり、Zはハロゲン原子であり、nは0〜3の整数である。)
なお、これらの化合物(b)は、任意の割合で併用してもよい。
上記式中、Yは炭素原子、酸素原子、窒素原子又は硫黄原子であり、Y’は酸素原子、窒素原子又は硫黄原子である。ここで、化合物(c)は、例えば、Yが炭素原子であり且つY’が酸素原子である場合には、ケテン化合物であり、Yが炭素原子であり且つY’が硫黄原子である場合には、チオケテン化合物であり、Yが窒素原子であり且つY’が酸素原子である場合には、イソシアナート化合物であり、Yが窒素原子であり且つY’が硫黄原子である場合には、チオイソシアナート化合物であり、Y及びY’がともに窒素原子である場合には、カルボジイミド化合物であり、Y及びY’がともに酸素原子である場合には、二酸化炭素であり、Yが酸素原子であり且つY’が硫黄原子である場合には、硫化カルボニルであり、Y及びY’がともに硫黄原子の場合には、二硫化炭素である。但し、化合物(c)は、これらの組み合わせに限定されるものではない。
ここで、化合物(d)は、例えば、Y’が酸素原子である場合には、エポキシ化合物であり、Y’が硫黄原子である場合には、チイラン化合物である。ここで、エポキシ化合物としては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、エポキシ化大豆油、エポキシ化天然ゴムなどが挙げられる。また、チイラン化合物としては、例えば、チイラン、メチルチイラン、フェニルチイランなどが挙げられる。
該ハロゲン化イソシアノ化合物は、>N=C−X結合(式中、Xはハロゲン原子である)を有する。
化合物(e)であるハロゲン化イソシアノ化合物としては、例えば、2−アミノ−6−クロロピリジン、2,5−ジブロモピリジン、4−クロロ−2−フェニルキナゾリン、2,4,5−トリブロモイミダゾール、3,6−ジクロロ−4−メチルピリダジン、3,4,5−トリクロロピリダジン、4−アミノ−6−クロロ−2−メルカプトピリミジン、2−アミノ−4−クロロ−6−メチルピリミジン、2−アミノ−4,6−ジクロロピリミジン、6−クロロ−2,4−ジメトキシピリミジン、2−クロロピリミジン、2,4−ジクロロ−6−メチルピリミジン、4,6−ジクロロ−2−(メチルチオ)ピリミジン、2,4,5,6−テトラクロロピリミジン、2,4,6−トリクロロピリミジン、2−アミノ−6−クロロピラジン、2,6−ジクロロピラジン、2,4−ビス(メチルチオ)−6−クロロ−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン、2−ブロモ−5−ニトロチアゾール、2−クロロベンゾチアゾール、2−クロロベンゾオキサゾールなどが挙げられる。
前記化合物(f)における酸ハロゲン化物としては、例えば、酢酸クロリド、プロピオン酸クロリド、ブタン酸クロリド、イソブタン酸クロリド、オクタン酸クロリド、アクリル酸クロリド、安息香酸クロリド、ステアリン酸クロリド、フタル酸クロリド、マレイン酸クロリド、オキサリン酸クロリド、ヨウ化アセチル、ヨウ化ベンゾイル、フッ化アセチル、フッ化ベンゾイルなどが挙げられる。
前記化合物(f)におけるエステル化合物としては、例えば、酢酸エチル、ステアリン酸エチル、アジピン酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、安息香酸メチル、アクリル酸エチル、メタアクリル酸エチル、フタル酸ジエチル、テレフタル酸ジメチル、トリメリット酸トリブチル、ピロメリット酸テトラオクチル、メリット酸ヘキサエチル、酢酸フェニル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリイソブチルアクリレートなどが挙げられる。
前記化合物(f)における炭酸エステル化合物としては、例えば、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジプロピル、炭酸ジヘキシル、炭酸ジフェニルなどが挙げられる。
前記化合物(f)における酸無水物としては、例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水イソ酪酸、無水イソ吉草酸、無水ヘプタン酸、無水安息香酸、無水ケイ皮酸等の分子間の酸無水物や、無水コハク酸、無水メチルコハク酸、無水マレイン酸、無水グルタル酸、無水シトラコン酸、無水フタル酸、スチレン−無水マレイン酸共重合体等の分子内の酸無水物などが挙げられる。
更に、化合物(f)は、フリーのアルコール基、フェノール基を含む化合物を不純物として含むものであってもよい。
ここで、N≡C−結合を有する化合物としては、一般式R−CNで表される有機シアノ化合物、具体的には、2−シアノピリジン、3−シアノピリジン、アクリロニトリル等が挙げられる。
より具体的には、例えば下記一般式(IX−2)で表されるリン酸残基が挙げられる。
上記各工程では、試薬及び溶媒は、蒸留、脱気、凍結乾燥等の精製操作を適宜行ったものであることが好ましい。
また、上記各工程、特に、触媒組成物調製工程、重合反応工程及び変性工程は、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下において行われることが好ましい。
反応圧力は、特に限定されることなく、例えば、常圧とすることができる。なお、高圧では、共役ジエン単量体が十分に重合反応系中に取り込まれない虞があり、低圧では、反応速度が低下する虞がある。
反応時間は、特に限定されることなく、例えば、0.5〜3時間とすることができる。
下記に従って、重合体を製造した。
十分に乾燥させ、窒素置換した1000mL耐圧ガラス反応器に、1,3−ブタジエン70gを含むヘキサン溶液300gを加えておいた。
一方、窒素雰囲気下のグローブボックス中で、ガラス製容器にトリスビストリメチルシリルアミドガドリニウム[Gd(N(SiMe3)2)3]((A)成分)200μmol、1−ベンジル−1H−インデン((B)成分)400μmol、水素化ジイソブチルアルミニウム((C)成分)20mmolを添加して十分に混合した後、25℃で2時間静置した。
その後、n−ヘキサン80ml、MMAO(東ソー・ファインケミカル社製「MMAO−3A」)((D)成分)120mmolを十分に混合した後、25℃で4時間静置した。
その後、ジエチルアルミニウムクロライド((E)成分)400μmolを仕込んで十分に混合した後、25℃で30分間静置して、重合触媒組成物を得た。
次いで、重合触媒組成物をグローブボックスから取り出し、ガドリニウム換算で14μmolとなる量の重合触媒組成物を、1,3−ブタジエンを含むガラス反応器に加えた。この反応系を50℃で150分間維持し、1,3−ブタジエンの重合反応を行った。
その後、重合反応系に変性剤(東京化成工業株式会社製「4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン」)20mLを投入し、1時間変性反応を行った。
その後、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−5)5質量%のイソプロパノール溶液1mLを重合反応系に加えることで、重合反応を停止させた。更に、ガラス反応器に大量のイソプロパノールを加えることによって、反応生成物を分離し、更に60℃で真空乾燥させて、重合体Aを得た(収量:60g)。
実施例1において、1,3−ブタジエン70gに代えてイソプレン70gを用いた点以外は、実施例1と同様にして、重合体Bを得た(収量:60g)。
実施例1において、(C)成分として、水素化ジイソブチルアルミニウムに代えてトリイソブチルアルミニウムを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、重合体Cを得た(収量:60g)。
実施例1において、1−ベンジル−1H−インデン((B)成分)に代えて、テトラメチルシクロペンタジエン((B)成分)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、重合体Dを得た(収量:59g)。
実施例1において、1−ベンジル−1H−インデン((B)成分)に代えて、トリメチルシリルフルオレン((B)成分)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、重合体Eを得た(収量:59g)。
実施例1において、(D)成分として、MMAOに代えてTMAO(東ソー・ファインケミカル社製「TMAO341」)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、重合体Fを得た(収量:60g)。
実施例1において、(A)成分として、トリスビストリメチルシリルアミドガドリニウム[Gd(N(SiMe3)2)3]に代えて、(RO)3M[Mはガドリニウムであり、Rはt−ブチル基である]で表される希土類アルコラート(Gd(OtBt)3、トリス−(tert−ブトキシド)ガドリニウム)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、重合体Gを得た(収量:58g)。
実施例1において、(A)成分として、トリスビストリメチルシリルアミドガドリニウム[Gd(N(SiMe3)2)3]に代えて、(RS)3M[Mはガドリニウムであり、Rはt−ブチル基である]で表される希土類アルキルチオラート(Gd(StBt)3、トリス−(tert−ブチルチオ)ガドリニウム)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、重合体Hを得た(収量:58g)。
実施例1において、MMAO((D)成分)及びジエチルアルミニウムクロライド((E)成分)の両方を混合しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、重合体Iを得た(収量:50g)。
実施例1において、ジエチルアルミニウムクロライド((E)成分)を混合しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、重合体Jを得た(収量:52g)。
実施例1において、「MMAO((D)成分)5mmolを十分に混合した後、25℃で4時間静置した」との工程を省略したこと以外は、実施例1と同様にして、重合体Kを得た(収量:50g)。
実施例1において、「n−ヘキサン80ml、MMAO(東ソー・ファインケミカル社製「MMAO−3A」)((D)成分)5mmolを十分に混合した後、25℃で4時間静置し、その後、ジエチルアルミニウムクロライド((E)成分)20μmolを仕込んで十分に混合した後、25℃で30分間静置した」との一連の工程を、「n−ヘキサン80ml、ジエチルアルミニウムクロライド((E)成分)20μmolを十分に混合した後、25℃で4時間静置し、その後、MMAO(東ソー・ファインケミカル社製「MMAO−3A」)((D)成分)5mmolを仕込んで十分に混合した後、25℃で30分間静置した」との一連の工程を行ったこと以外は、実施例1と同様にして、重合体Lを得た(収量:55g)。
実施例1において、変性剤を投入して変性反応を行ったことを省略したこと以外は、実施例1と同様にして、重合体Mを得た(収量:58g)
十分に乾燥させ、窒素置換した1000mL耐圧ガラス反応器に、1,3−ブタジエン30gを含むヘキサン溶液125gを加えておいた。
一方、窒素雰囲気下のグローブボックス中で、ガラス製容器にトリスビストリメチルシリルアミドガドリニウム[Gd(N(SiMe3)2)3]((A)成分)72μmol、1−ベンジル−1H−インデン((B)成分)144μmol、水素化ジイソブチルアルミニウム((C)成分)1.44mmol、トリイソブチルアルミニウム((C成分))3.6mmolを添加して十分に混合した後、25℃で12時間静置した。
その後、n−ヘキサン25ml、MMAO(東ソー・ファインケミカル社製「MMAO−3A」)((D)成分)0.36mmolを十分に混合した後、25℃で4時間静置した。
その後、ジエチルアルミニウムクロライド((E)成分)144μmolを仕込んで十分に混合した後、25℃で30分間静置して、重合触媒組成物を得た。
次いで、重合触媒組成物をグローブボックスから取り出し、ガドリニウム換算で15μmolとなる量の重合触媒組成物を、1,3−ブタジエンを含むガラス反応器に加えた。この反応系を50℃で60分間維持し、1,3−ブタジエンの重合反応を行った。
その後、重合反応系に変性剤(東京化成工業株式会社製「4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン」)2.2mLを投入し、1時間変性反応を行った。
その後、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−5)5質量%のイソプロパノール溶液1mLを重合反応系に加えることで、重合反応を停止させた。更に、ガラス反応器に大量のイソプロパノールを加えることによって、反応生成物を分離し、更に60℃で真空乾燥させて、重合体Nを得た(収量:60g)。
実施例1において、最初に(A)成分、(B)成分及び(C)成分を添加して混合・静置し、次いで(D)成分を混合・静置し、次いで(E)成分を混合・静置したことに代えて、(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分及び(E)成分をまとめて添加して十分に混合した後、25℃で2時間静置したこと以外は、実施例1と同様にして、重合体aを得た(収量:52g)。
実施例1において、最初に(A)成分、(B)成分及び(C)成分を添加して混合・2時間静置し、次いで(D)成分を混合・4時間静置し、次いで(E)成分を混合・30分間静置したことに代えて、最初に(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分をまとめて添加して混合・2時間静置し、次いで、(E)成分を混合・4時間静置したこと以外は、実施例1と同様にして、重合体bを得た(収量:52g)。
比較例2において、(D)成分と(E)成分の混合順序を入れ替えたこと以外は、比較例2と同様にして、重合体cを得た(収量:52g)。
実施例1において、(A)成分の混合のタイミングを、(B)成分及び(C)成分と同時に代えて、(D)成分と同時としたこと以外は、実施例1と同様にして重合反応を行った。しかしながら、触媒活性が低く、重合体を得ることができなかった。
実施例1において、(B)成分の混合のタイミングを、(A)成分及び(C)成分と同時に代えて、(D)成分と同時としたこと以外は、実施例1と同様にして、重合体dを得た(収量:55g)。
実施例1において、(C)成分の混合のタイミングを、(A)成分及び(B)成分と同時に代えて、(D)成分と同時としたこと以外は、実施例1と同様にして、重合体eを得た(収量:51g)。
各実施例・比較例に関し、以下の評価を行った。これらの結果も表1,2に示す。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(GPC装置:東ソー社製、HLC−8220GPC;カラム:東ソー社製、TSKgel GMHXL−2本;検出器:示差屈折率計(RI))により、単分散ポリスチレンを基準として、重合体のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)を算出した。なお、測定温度は40℃とし、溶出溶媒をTHFとした。
重合体の末端変性率について、図1に基づいて詳細に説明する。
縦軸は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によって得られたUV/RIの値を示す。UVは、重合体と反応した変性剤に起因するUV吸光度から得られるピーク面積値を示し、RIは重合体そのものの示差屈折率(RI)から得られるピーク面積値を示す。
また、横軸は、(1/Mn)×103の値を示し、ここでMnは絶対分子量(数平均分子量)である。図1においてLowCisBRは、Li系触媒によるアニオン重合によって重合され、変性剤4、4’−ビス(ジエチルアミノベンゾフェノン)(DEAB)によって変性されたものであり、数平均分子量Mnが異なった3種類のUV/RIの値がプロットされ、直線として近似することができる。アニオン重合の場合は100%変性されることから、LowCisBRのUV/RIを100%として次式で示すようにAで表す。
UV(Li−Br)/RI(Li−Br)=A
一方、配位重合であるランタン系列希土類元素(Nd)含有化合物を含む触媒を用い、DEABで変性したHighCisBRについても数平均分子量Mnが異なった5種類のUV/RIの値がプロットされ、上記同様に直線として近似することができる。配位重合の場合は、重合中にリビングでなくなる部分があり、100%変性することが難しい。HighCisBRのUV/RIを、次式で示すようにBで表す。
UV(Nd−Br)/RI(Nd−Br)=B
そして、末端変性率は、以下のように定義することができる。
末端変性率=B/A×100(%)
尚、末端変性率は、HighCisBRと同じ絶対分子量(数平均分子量)のLowCisBRを用いて得られたA値及びB値から計算される。
尚、イソプロパノールと反応させた無変性の重合体の末端変性率を0%として、図1に示す無変性のラインの値を差し引いたUV/RI値を真値として用いる。A値及びB値については、図1に示してある。
図1に示す3本の直線は検量線として用いることができ、例えば、HighCisBRの絶対分子量Mn(数平均)が分かれば、末端変性率を計算することができる。
尚、図1から分かるように、絶対分子量Mn(数平均)が大きくなるに従い、末端変性率が小さくなり、変性剤による変性が困難になることが分かる。
また、本発明によれば、高い触媒活性で共役ジエン単量体を重合させることができる、共役ジエン重合体の製造方法を提供することができる。
更に、本発明によれば、高い触媒活性で共役ジエン単量体を重合させることができる上、末端変性率が高い変性共役ジエン重合体を得ることができる、変性共役ジエン重合体の製造方法を提供することができる。
Claims (7)
- 下記一般式(a−1):
M−(AQ1)(AQ2)(AQ3) ・・・(a−1)
[式中、Mは、スカンジウム、イットリウム又はランタノイド元素であり;AQ1、AQ2及びAQ3は、同一であっても異なっていてもよい官能基であり;Aは、窒素、酸素又は硫黄であり;但し、少なくとも1つのM−A結合を有する]で表される希土類元素化合物((A)成分)と、
置換又は無置換シクロペンタジエン、置換又は無置換のインデン、及び置換又は無置換のフルオレンからなる群から選択される少なくとも1種の化合物((B)成分)と、
下記一般式(c−1):
YR1 aR2 bR3 c ・・・ (c−1)
[式中、Yは、周期律表の第1族、第2族、第12族及び第13族の元素からなる群から選択される金属元素であり;R1及びR2は炭素数1〜10の炭化水素基又は水素原子であり、R3は炭素数1〜10の炭化水素基であり;但し、R1、R2及びR3はそれぞれ互いに同一であっても異なっていてもよく;また、Yが周期律表の第1族の金属元素である場合には、aは1で且つb及びcは0であり、Yが周期律表の第2族又は第12族の金属元素である場合には、a及びbは1で且つcは0であり、Yが周期律表の第13族の金属元素である場合には、a,b及びcは1である]で表される有機金属化合物((C)成分)とのみを反応させ、反応混合物を得る工程(a)と、
前記工程(a)で得られた反応混合物と、ハロゲン化合物((E)成分)とのみを反応させ、反応混合物を得る工程(d)と、
前記工程(d)で得られた反応混合物と、アルミノキサン化合物((D)成分)とのみを反応させ、反応混合物を得る工程(e)と、
を含むことを特徴とする、重合触媒組成物の製造方法。 - 前記一般式(c−1)において、R1、R2及びR3の全てが同一、ではない、請求項1に記載の重合触媒組成物の製造方法。
- 前記アルミノキサン化合物((D)成分)が、一般式(d−2):
−(Al(CH3)x(i−C4H9)yO)m− ・・・(d−2)
[式中、x+yは1であり;mは5以上である]で表される修飾アルミノキサン、又は、一般式(d−3):
−(Al(CH3)0.7(i−C4H9)0.3O)k− ・・・(d−3)
[式中、kは5以上である]で表される修飾アルミノキサンである、請求項1又は2に記載の重合触媒組成物の製造方法。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の重合触媒組成物の製造方法により調製した重合触媒組成物を用いることを特徴とする、共役ジエン重合体の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の重合触媒組成物の製造方法により調製した重合触媒組成物を用いて共役ジエン重合体を得たあと、変性剤により前記共役ジエン重合体を変性させることを特徴とする、変性共役ジエン重合体の製造方法。
- 1,3−ブタジエン及び/又はイソプレンを単量体として用いる、請求項4に記載の共役ジエン重合体の製造方法。
- 1,3−ブタジエン及び/又はイソプレンを単量体として用いる、請求項5に記載の変性共役ジエン重合体の製造方法。
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