JP4038916B2 - 共役ジエン系重合体の製造方法 - Google Patents

共役ジエン系重合体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、共役ジエン系重合体の製造方法に関する。更に詳しくは、重合活性の高いランタノイド化合物系触媒を使用し、また、重合溶媒として芳香族炭化水素を含有する炭化水素溶媒を用いることによって重合速度を制御し、且つ連続重合することにより、分子量及び分子量分布を十分に制御することができ、優れた機械的特性及び熱的特性等を有する重合体を得ることができる共役ジエン系重合体の製造方法に関する。更に、本発明は、得られる共役ジエン系重合体に、特定の化合物を反応させ、変性することによって、より優れた耐摩耗性及びコールドフロー特性等を有する重合体を得ることができる共役ジエン系重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
共役ジエン系重合体は、工業的に極めて重要な役割を担っており、共役ジエン系単量体の重合触媒については、従来より数多くの提案がなされている。特に、優れた機械的及び熱的特性を有する共役ジエン系重合体を得ることを目的として、シス−1,4−結合の量比の高い重合体を得ることができる数多くの重合触媒が開発されている。例えば、ニッケル、コバルト、チタン等の遷移金属化合物を主成分とする複合触媒系が知られており、ブタジエン、イソプレン等の重合触媒として工業的に多用されているものもある(End.Ing.Chem.,48,784(1956)、特公昭37−8198号公報等)。
【0003】
一方、より多くのシス−1,4−結合を有する重合体を得るため、希土類金属化合物と第I〜III族の有機金属化合物とからなる更に活性の高い複合触媒を用いて、立体特異性の高い重合を行うことについての研究、開発もなされている〔Makromol.Chem.Suppl.,4,61(1981)、J.Polym.Sci,Polym.Chem.Ed.,18,3345(1980)、ドイツ特許出願第2,848,964号明細書、Sci,Sinica.,23,734(1980)、Rubber.Chem.Technol.,58,117(1985)等〕。
【0004】
これらの触媒系のうち、ネオジム化合物と有機アルミニウム化合物とを主成分とする複合触媒が、優れた重合活性を有し、シス−1,4−結合の量比が高い重合体が得られることが確認され、ブタジエン等の重合触媒として既に工業化されている〔Macromolecules,15,230(1982)、Makromol,Chem.,94,119(1981)等〕。しかし、近年の工業技術の進歩にともない、高分子材料に対する市場の要求はますます高度なものとなってきており、より優れた耐摩耗性等の機械的特性及び熱安定性等の熱的特性を有する共役ジエン系重合体の開発が必要とされている。
【0005】
このような課題を解決するため、更に活性の高い触媒を使用し、分子量分布の狭い重合体を得ることができる重合方法に関する研究も行われている。例えば、ネオジム化合物とメチルアルミノキサンとの2成分系の触媒を用いると、重合活性が高くなることが報告されている(Polymer Communication,32,No.17,p514(1991)等〕。また、ネオジム化合物とアルミノサンの系に有機アルミニウム化合物及び/又はルイス酸を更に加えた触媒系は重合活性が高く、分子量分布の狭い共役ジエン系重合体が得られるとの報告もある(特開平6−211916号公報、特開平6−306113号公報、特開平8−73515号公報等)。しかし、これらの触媒を用いた場合、一般に、得られる重合体は分岐構造の少ない直鎖状のものであるため、ゴム等の他の高分子材料、或いは各種充填材と混ざり難く、若しくは加工性等にも問題があり、また、コールドフローも大きく、貯蔵及び搬送の際に問題となる。
【0006】
特開昭63−178102号公報、特開昭63−297403号公報、特開昭63−305101号公報、特開平5−51406号公報及び特開平5−59103号公報等には、ネオジム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒系により、共役ジエン系単量体を重合した後、特定の化合物を変性剤として反応させることにより、加工性が改良された重合体が得られることが報告されている。しかし、この触媒系での重合活性は、十分に満足し得るほどに高いものではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ランタノイド化合物とアルミノキサンとからなる重合活性の高い触媒系を使用し、且つ芳香族炭化水素を含む重合溶媒を用いて重合速度を制御しつつ連続重合することにより、分子量分布が狭く、優れた機械的特性及び熱的特性等を有する重合体を得ることができる共役ジエン系重合体の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、得られた重合体に、特定の化合物を反応させ、変性させることによって、より優れた耐摩耗性等の機械的特性を有し、且つコールドフロー等が抑えられ、貯蔵、搬送等が容易な重合体を得ることができる共役ジエン系重合体の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の共役ジエン系重合体の製造方法は、5〜50重量%の芳香族炭化水素を含有する炭化水素溶媒中にて、前記(1)、(2)及び(3)を主成分とする触媒を用い、更に、ジメチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジ−n−プロピルアルミニウムハイドライド、ジイソプロピルアルミニウムハイドライド、ジ−n−ブチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジ−t−ブチルアルミニウムハイドライド、ジペンチルアルミニウムハイドライド、ジヘキシルアルミニウムハイドライド、ジシクロヘキシルアルミニウムハイドライド及びジオクチルアルミニウムハイドライドの群から選ばれる少なくとも1種である分子量調整剤を用い、
共役ジエン系単量体を連続重合し、上記連続重合における一次反応速度定数が4以下であり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が4以下である共役ジエン系重合体を得ることを特徴とする。
【0009】
上記「炭化水素溶媒」としては、シクロペンタン、シクロヘキサン等の飽和脂環式炭化水素、及びブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の飽和脂肪族炭化水素などを使用することができる。また、第1発明では、この炭化水素溶媒は「5〜50重量%」、特に10〜40重量%、更には15〜35重量%の上記「芳香族炭化水素」を含有する。この芳香族炭化水素としては、トルエン、キシレン、ベンゼン等を用いることができ、特に、凝固点が低く、低温においても使用することができ、重合体に残留し難いトルエンが好ましい。芳香族炭化水素の含有量が5重量%未満では、重量速度を十分に制御することができず、50重量%を超える場合は、重合速度が小さくなりすぎるため好ましくない。
【0010】
上記「共役ジエン系単量体」としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン及びシクロ−1,3−ペンタジエン等が挙げられ、特に、1,3−ブタジエン及びイソプレンからなる重合体は有用である。これらの共役ジエン系単量体は、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用することもできる。2種以上の単量体を用いた場合は共重合体が得られる。
【0011】
本発明の共役ジエン系重合体の製造は「連続重合」により行われる。この連続重合とは、反応系に常に触媒が供給され、活性な触媒が存在していることを意味する。この触媒の濃度は特に限定されず、高濃度であっても低濃度であっても、生成する重合体の分子量分布等を制御することができる。また、連続重合は、1基のみの反応器によって行うこともできるし、複数の反応器によって行うこともできるが、2基以上、通常、2〜5基程度の反応基によって連続重合することが好ましい。複数の反応器を用いた場合は、生産性が高く、重合熱による昇温も抑えられるため好ましい。一方、重合をバッチ式で行った場合は、反応後期に触媒が失活し、分子量及び分子量分布を制御することができない。
【0012】
この連続重合の温度は、通常、−30℃〜150℃、特に0〜120℃、更には40〜100℃とすることができる。また、重合溶媒の単量体に対する重量比は、通常、2〜10、特に3〜8、更には4〜6とすることができる。尚、反応系内に酸素、水或いは二酸化炭素等の失活作用を有するものが混入しないように十分に配慮する必要がある。
【0013】
更に、本発明の連続重合における一次反応速度定数は、4以下である。この一次反応速度定数は、特に3.5以下、更には2.5以下であることがより好ましい。一次反応速度定数が4を超える場合は、反応系が過度に昇温し、反応速度を制御することができず、得られる重合体の分子量分布が広くなり、シス−1,4−結合含量が低下するため好ましくない。
【0014】
成分(1)の「ランタノイド化合物」は、元素の周期表における原子番号57〜71のランタノイドの化合物である。また、本発明では、ランタノイド化合物として、この化合物とルイス塩基との反応生成物を使用することもできる。このランタノイド化合物としては、ネオジム、プラセオジウム、セリウム、ランタン及びガドリニウム等の化合物、或いはこれらの化合物の混合物が好ましい。また、ネオジムの化合物及びこの化合物を含む混合物が特に好ましい。更に、ランタノイド化合物は、カルボン酸塩、アルコキサイド、β−ジケトン錯体、リン酸塩又は亜リン酸塩であることが好ましく、特にカルボン酸塩又はリン酸塩、更にはカルボン酸塩であることがより好ましい。
【0015】
ランタノイドのカルボン酸塩としては、一般式(R21−CO23Lで表されるものを使用することができる。この一般式において、Lはランタノイドである。また、R21は炭素数1〜20の炭化水素基であり、好ましくは飽和又は不飽和のアルキル基であり、且つ直鎖状、分岐状又は環状であり、カルボキシル基は1級、2級又は3級の炭素原子に結合している。このカルボン酸塩としては、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸、ステアリン酸、安息香酸、ナフテン酸及びバーサチック酸(商品名、シェル化学株式会社製、カルボキシル基が3級炭素原子に結合しているカルボン酸である。)等が挙げられ、2−エチルヘキサン酸、ナフテン酸及びバーサチック酸の塩が特に好ましい。
【0016】
ランタノイドのアルコキサイドとしては、一般式(R22O)3Lで表されるものを使用することができる。この一般式において、Lはランタノイドある。また、(R22O)で表されるアルコキシ基としては、2−エチル−ヘキシルアルコキシ基、オレイルアルコキシ基、ステアリルアルコキシ基、フェノキシ基及びベンジルアルコキシ基等が挙げられ、2−エチル−ヘキシルアルコキシ基及びベンジルアルコキシ基が特に好ましい。
【0017】
ランタノイドのβ−ジケトン錯体としては、アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、プロピオニトリルアセトン、バレリルアセトン及びエチルアセチルアセトンの錯体等が挙げられ、アセチルアセトン錯体及びエチルアセチルアセトン錯体が特に好ましい。
【0018】
ランタノイドのリン酸塩又は亜リン酸塩としては、リン酸ビス(2−エチルヘキシル)、リン酸ビス(1−メチルヘプチル)、リン酸ビス(p−ノニルフェニル)、リン酸ビス(ポリエチレングリコール−p−ノニルフェニル)、リン酸(1−メチルヘプチル)(2−エチルヘキシル)、リン酸(2−エチルヘキシル)(p−ノニルフェニル)、2−エチルヘキシルホスホン酸モノ−2−エチルヘキシル、2−エチルヘキシルホスホン酸モノ−p−ノニルフェニル、ビス(2−エチルヘキシル)ホスフィン酸、ビス(1−メチルヘプチル)ホスフィン酸、ビス(p−ノニルフェニル)ホスフィン酸、(1−メチルヘプチル)(2−エチルヘキシル)ホスフィン酸及び(2−エチルヘキシル)(p−ノニルフェニル)ホスフィン酸等の塩が挙げられる。これらのうちでは、リン酸ビス(2−エチルヘキシル)、リン酸ビス(1−メチルヘプチル)、2−エチルヘキシルホスホン酸モノ−2−エチルヘキシル及びビス(2−エチルヘキシル)ホスフィン酸の塩が特に好ましい。
【0019】
以上のランタノイド化合物のうちで特に好ましいものは、ネオジムのリン酸塩又はネオジムのカルボン酸塩であり、特にネオジムの2−エチルヘキサン酸塩、ネオジムのバーサチック酸塩等のカルボン酸塩がより好ましい。
【0020】
また、ランタノイド化合物を溶剤に容易に溶解させるため、更には長期間安定に貯蔵するため、この化合物とルイス塩基とを反応させて得られる生成物をランタノイド化合物として使用することもできる。このルイス塩基としては、アセチルアセトン、テトラヒドロフラン、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、チオフェン、ジフェニルエーテル、トリエチルアミン、有機リン化合物及び1価又は2価のアルコール等が挙げられる。ルイス塩基は、ランタノイド1モル当たり、0〜30モル、特に1〜10モルを反応させることが好ましい。尚、ランタノイド化合物とルイス塩基とは、これらの混合物として供給し、反応させてもよいし、これらを予め反応させた生成物として供給してもよい。
【0021】
成分(2)のアルミノキサンは、下記の一般式(13)又は(14)により表される化合物である。
Figure 0004038916
【化4】
Figure 0004038916
【0022】
式(13)において、R23は炭素数1〜20の炭化水素基である。また、式(14)において、R24は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、オクチル基及びイソオクチル基等のうちの少なくとも1種であり、特にメチル基、エチル基、イソブチル基及びt−ブチル基が好ましく、更にはメチル基がより好ましい。更に、式(13)及び式(14)において、jは2以上、好ましくは5〜100の整数である。
【0023】
このアルミノサンとしては、メチルアルミノキサン、エチルアルミノキサン、n−プロピルアルミノキサン、n−ブチルアルミノキサン及びイソブチルアルミノキサン等が挙げられる。また、これらアルミノキサンの製法は特に限定されず、どのような方法によって製造されたものも使用することができる。アルミノキサンは、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の有機溶媒に、トリアルキルアルミニウム又はジアルキルアルミニウムモノクロライド等を添加し、更に水、或いは硫酸銅5水塩、硫酸アルミニウム16水塩など、結晶水を有する塩を加えて反応させることにより製造することができる。
【0024】
本発明において、成分(3)のハロゲンを含む金属化合物は、塩化亜鉛である。尚、この金属化合物は、少なくとも1個の塩素原子、臭素原子及び/又はヨウ素原子を有するハロゲン化有機金属化合物又はハロゲン化金属化合物であり、元素の周期表における第II、III 、IV、V、VI、VII又はVIII族の金属元素と、ハロゲンとを含有する化合物である。このハロゲンとしては、塩素或いは臭素が好ましい。
【0025】
このハロゲン化有機金属化合物としては、エチルマグネシウムアイオダイド、エチルマグネシウムクロライド、エチルマグネシウムブロマイド、n−プロピルマグネシウムクロライド、n−プロピルマグネシウムブロマイド、イソプロピルマグネシウムクロライド、イソプロピルマグネシウムブロマイド、n−ブチルマグネシウムアイオダイド、n−ブチルマグネシウムクロライド、n−ブチルマグネシウムブロマイド、t−ブチルマグネシウムクロライド、t−ブチルマグネシウムブロマイド、フェニルマグネシウムクロライド及びフェニルマグネシウムブロマイド等を挙げることができる。
【0026】
また、メチルアルミニウムジクロライド、メチルアルミニウムジブロマイド、エチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジブロマイド、ブチルアルミニウムジクロライド、ブチルアルミニウムジブロマイド、ジメチルアルミニウムクロライド、ジメチルアルミニウムブロマイド、ジエチルアルミニウムアイオダイド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムブロマイド、ジブチルアルミニウムアイオダイド、ジブチルアルミニウムクロライド、ジブチルアルミニウムブロマイド、メチルアルミニウムセスキクロライド、メチルアルミニウムセスキブロマイド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムセスキブロマイド、ジブチルスズジクロライド、アルミニウムトリアイオダイド、アルミニウムトリクロライド及びアルミニウムトリブロマイド等を挙げることもできる。
【0027】
これらのハロゲンを含む有機金属化合物のうちでは、ジエチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、ジエチルアルミニウムブロマイド、エチルアルミニウムセスキブロマイド、エチルアルミニウムジブロマイドが特に好ましい。
【0028】
更に、ハロゲン化金属化合物としては、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化カルシウム、三塩化アンチモン、五塩化アンチモン、三ヨウ化リン、三塩化リン、三臭化リン、五塩化リン、四塩化スズ、四臭化スズ、四ヨウ化チタン、四塩化チタン、六塩化タングステン、ヨウ化マグネシウム(II) 無水物、ペンタカルボニル臭化マンガン、過塩素酸マンガン(II) ・6水和物、塩化マンガン(II) 無水物、塩化マンガン(II) ・4水和物、臭化マンガン(II) 無水物、臭化マンガン(II) ・4水和物、ペンタカルボニル塩化レニウム、ペンタカルボニル臭化レニウム、塩化レニウム(III)及び塩化レニウム(V)などが挙げられる。また、これらのハロゲン化金属化合物と、リン化合物、カルボニル化合物、窒素化合物、エーテル化合物、アルコール等のルイス塩基とを反応させたものを使用することもできる。
【0029】
更に、成分(3)のハロゲンを含む有機化合物としては、特に、塩基との反応性の高いハロゲン化有機化合物が好ましい。このような化合物としては、ベンゾイルクロライド、キシレンジクロライド、ブロピオニルクロライド、ベンジルクロライド、ベンジリデンクロライド、t−ブチルクロライド、クロロジフェニルメタン、クロロトリフェニルメタン及びメチルクロロホルメート等の有機塩素化合物が挙げられる。また、キシレンジブロマイド、ベンゾイルブロマイド、プロピオニルブロマイド、ベンジルブロマイド、ベンジリデンブロマイド、t−ブチルブロマイド及びメチルブロモホルメート等の有機臭素化合物、或いはベンゾイルアイオダイド、キシリレンジアイオダイド等の有機ヨウ素化合物を挙げることもできる。
【0030】
本発明では、成分(1)〜(3)を主成分とする触媒を用いることにより、分子量分布(Mw/Mn)が「4以下」、特に3以下、更には2.5以下であり、適度なムーニー粘度を有し、且つシス−1,4−結合含量が90%以上、特に93%以上である共役ジエン系重合体を得ることができる。この重合体のMw/Mnが4を超えると、或いはシス−1,4−結合含量が90%未満であると、得られる重合体の耐摩耗性が低下する傾向にあり、好ましくない。
【0031】
また、本発明においては、触媒成分(1)、(2)及び(3)に、更に分子量調整剤を併用することによって、重合体の分子量及び分子量分布をより確実に好ましい範囲に制御することができる。特に、複数の反応器を使用して連続重合する場合に、後段の反応器において、即ち、反応の後期において、この分子量調整剤を反応系に添加することによって、より効率的に分子量及び分子量分布を制御することができる。
【0032】
このような分子量調整剤としては、H−Al−R2526(R25及びR26は同一であっても、異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基である。)を使用することができるが、本発明では、上記分子量調整剤のうち、有機アルミニウム化合物としては、ジメチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジ−n−プロピルアルミニウムハイドライド、ジイソプロピルアルミニウムハイドライド、ジ−n−ブチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジ−t−ブチルアルミニウムハイドライド、ジペンチルアルミニウムハイドライド、ジヘキシルアルミニウムハイドライド、ジシクロヘキシルアルミニウムハイドライド及びジオクチルアルミニウムハイドライド等が挙げられる。これらの有機アルミニウム化合物のうちでは、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド等が好ましい。
【0033】
更に、分子量調整剤としては、水素、並びにトリメチルシラン、トリエチルシラン、トリブチルシラン、トリヘキシルシラン、ジメチルシラン、ジエチルシラン、ジブチルシラン及びジヘキシルシラン等のシラン化合物などを挙げることもできる。これらの有機アルミニウム化合物或いはシラン化合物は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を併用することもできる。更に、有機アルミニウム化合物とシラン化合物などとを同時に使用することもできる。尚、これらの分子量調整剤は触媒を構成する各成分に添加してもよいし、分子量調整剤のみを反応器に添加してもよく、これらの方法を併用してもよい。また、2基以上の反応器を使用する場合は、分子量調整剤の全量の50重量%以下を2基目以降のいずれかの反応器に連続的に添加することもでき、2基目以降の複数の反応器に同時に添加することもできる。
【0034】
触媒を構成する成分(1)〜(3)及び分子量調整剤の量比は、所要の特性を有する重合体が得られる範囲内において適宜に調整することができる。
成分(1)は、共役ジエン系単量体100gに対して0.0001〜1.0ミリモルとすることができる。成分(1)の使用量が0.0001ミリモル未満であると、重合活性が低くなり、一方、1.0ミリモルを超える場合は、触媒濃度が高くなりすぎ、脱灰工程が必要となるため好ましくない。この成分(1)の使用量は、特に0.0005〜1.0ミリモルとすることが好ましい。
【0035】
また、成分(1)と成分(3)は、モル比で、成分(1)/成分(3)を1/0.1〜15、特に1/0.5〜5、更には1/0.8〜2とすることができる。更に、成分(2)の使用量は成分(1)に対するAlのモル比で表すことができ、成分(1)/成分(2)を1/1〜150、特に1/5〜80とすることができる。また、成分(1)と分子量調整剤の量比は、モル比で、成分(1)/分子量調整剤を1/1〜500、特に1/10〜300とすることができる。更に、共役ジエン系単量体と分子量調整剤の量比は、モル比で、共役ジエン系単量体/分子量調整剤を1/100〜5000、特に1/1000〜3000とすることができる。これらの使用量又は成分比の範囲外では、触媒の活性が低下する傾向にあり、或いは触媒残渣を除去する工程が必要になるため好ましくない。
【0036】
更に、この触媒系は、成分(1)、成分(2)、成分(3)及び分子量調整剤の他、必要に応じて、共役ジエン系単量体及び/又は非共役ジエン系単量体を、成分(1)1モル当たり、0〜500モルの量比で用いることもできる。触媒の調製に用いられる共役ジエン系単量体としては、重合に供せられる単量体と同じく1,3−ブタジエン、イソプレン等を使用することができる。また、非共役ジエン系単量体としては、ジビニルベンゼン、ジイソプロペニルベンゼン、トリイソプロペニルベンゼン、1,4−ビニルヘキサジエン及びエチリデンノルボルネン等を用いることができる。触媒成分としての共役ジエン系単量体は必須ではないが、これを併用すると触媒活性が更に向上する。
【0037】
触媒は、溶媒に溶解させた成分(1)乃至成分(3)、更に必要に応じて、分子量調整剤並びに共役ジエン系単量体及び/又は非共役ジエン系単量体を反応させることにより調製することができる。その際、各成分を添加する順序は特に限定されない。また、各成分を予め混合し、反応させ、熟成させることで、重合活性が向上し、重合開始誘導期間が短縮されるため好ましい。熟成温度は0〜100℃、特に20〜80℃とすることが好ましく、0℃未満では、熟成が十分に行われず、一方、100℃を超えると、触媒活性が低下し、或いは得られる重合体の分子量分布が広くなるため好ましくない。熟成時間は特に限定されず、通常、0.5分以上であれば十分であり、反応槽に供給する前にライン中で接触させて熟成させることもでき、数日間は安定である。
【0038】
ランタノイド化合物系触媒を用い、芳香族炭化水素溶媒を含有する炭化水素溶媒中で、共役ジエン系単量体を連続重合した後、更に、以下の(a)〜(f)の特定の官能基を有する化合物を添加し、この化合物を重合体の活性末端と反応させ、変性させることにより、重合体の分子量を増大させ、若しくは重合体鎖を分岐させた共役ジエン系重合体とすることができるが、本発明では、以下の(a)の(2)又は(f)である。この変性によって耐摩耗性等の機械的特性及びコールドフロー特性等を更に向上させることができる。
(a)下記の一般式(1)又は(2)
MX a−n (1)
M(−R −COOR a−n (2)
により表される化合物[但し、R 〜R は同一であっても、異なっていてもよく、炭素数1〜20の炭化水素基であり、側鎖にエステル基を有していてもよい。Mはスズ原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子又はリン原子である。aはMの価数である。(a−n)は1以上の整数であり、nは0であってもよい。Xはハロゲン原子である。]。
(b)分子中にY=C=Z結合を有するヘテロクムレン化合物(但し、Yは炭素原子、酸素原子、窒素原子又はイオウ原子であり、Zは酸素原子、窒素原子又はイオウ原子である。)。
(c)分子中に下記の一般式(3)で表される結合を有するヘテロ3員環化合物(但し、Y’は酸素原子、窒素原子又はイオウ原子である。)。
【化2】
Figure 0004038916
(d)分子中に−N=C−X結合を有するハロゲン化イソシアノ化合物。
(e)下記の一般式(4)、(5)、(6)、(7)、(8)又は(9)
−(COOH)m (4)
−(COX)m (5)
−(COO−R ) (6)
−OCOO−R 10 (7)
11 −(COOCO−R 12 ) (8)
【化3】
Figure 0004038916
により表される化合物(但し、R 〜R 13 は同一であっても、異なっていてもよく、炭素数1〜50の炭化水素基であり、Xはハロゲン元素であり、mは1〜5の整数である。)。
(f)下記の一般式(10)、(11)又は(12)
14 M’(OCOR 15 4−l (10)
16 M’(OCO−R 17 −COOR 18 ) (11)
【化4】
Figure 0004038916
により表される化合物(但し、R 14 〜R 20 は同一であっても、異なっていてもよく、炭素数1〜20の炭化水素基である。M’はスズ原子、ケイ素原子又はゲルマニウム原子である。lは0〜3の整数であり、kは0又は1である。)。
【0039】
成分(a)は前記の一般式(1)で表されるハロゲン化有機金属化合物又はハロゲン化金属化合物である。
一般式(1)におけるMがスズ原子の場合は、成分(a)としては、トリフェニルスズクロリド、トリブチルスズクロリド、トリイソプロピルスズクロリド、トリヘキシルスズクロリド、トリオクチルスズクロリド、ジフェニルスズジクロリド、ジブチルスズジクロリド、ジヘキシルスズジクロリド、ジオクチルスズジクロリド、フェニルスズトリクロリド、ブチルスズトリクロリド、オクチルスズトリクロリド及び四塩化スズ等が挙げられる。
【0040】
また、Mがケイ素原子の場合は、成分(a)成分としては、トリフェニルクロロシラン、トリヘキシルクロロシラン、トリオクチルクロロシラン、トリブチルクロロシラン、トリメチルクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、ジヘキシルジクロロシラン、ジオクチルジクロロシラン、ジブチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルジクロロシラン、フェニルクロロシラン、ヘキシルトリクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、ブチルトリクロロシラン、メチルトリクロロシラン及び四塩化ケイ素等が挙げられる。
【0041】
更に、Mがゲルマニウム原子の場合は、成分(a)としては、トリフェニルゲルマニウムクロリド、ジブチルゲルマニウムジクロリド、ジフェニルゲルマニウムジクロリド、ブチルゲルマニウムトリクロリド及び四塩化ゲルマニウム等が挙げられる
また、Mがリン原子の場合は、成分(a)としては、三塩化リン等が挙げられる。
【0042】
成分(a)としては、前記の一般式(2)で表されるエステル基を有する有機金属化合物を使用することもできる。
これらの(a)成分は任意の量比で併用することもできる。
【0043】
成分(b)は前記の分子中に特定の結合構造を有するヘテロクムレン化合物である。
この結合構造において、Yが炭素原子、Zが酸素原子の場合、成分(b)はケテン化合物であり、Yが炭素原子、Zがイオウ原子の場合、チオケテン化合物である。また、Yが窒素原子、Zが酸素原子の場合、イソシアナート化合物であり、Yが窒素原子、Zがイオウ原子の場合、チオイソシアナート化合物である。更に、Y及びZがともに窒素原子の場合、カルボジイミド化合物であり、Y及びZがともに酸素原子の場合、二酸化炭素である。また、Yが酸素原子、Zがイオウ原子の場合、硫化カルボニルであり、Y及びZがともにイオウ原子の場合、二硫化炭素である。尚、成分(b)は、これらの組み合わせに限定されるものではない。
【0044】
具体的な化合物としては以下のものが挙げられる。
▲1▼ケテン化合物;エチルケテン、ブチルケテン、フェニルケテン、トルイルケテン等、
▲2▼チオケテン化合物;エチレンチオケテン、ブチルチオケテン、フェニルチオケテン、トルイルチオケテン等、
▲3▼イソシアナート化合物;フェニルイソシアナート、2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、ポリメリックタイプのジフェニルメタンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート等、
▲4▼チオイソシアナート化合物;フェニルチオイソシアナート、2,4−トリレンジチオイソシアナート、ヘキサメチレンジチオイソシアナート等、
▲5▼カルボジイミド化合物;N,N′−ジフェニルカルボジイミド、N,N′−ジエチルカルボジイミド等。
【0045】
成分(c)は前記の一般式(3)で表される化合物である。
一般式(3)において、Y’が酸素原子の場合は、エポキシ化合物であり、チッ素原子の場合は、エチレンイミン誘導体であり、イオウ原子の場合は、チイラン化合物である。
具体的な化合物としては以下のものが挙げられる。
▲1▼エポキシ化合物;エチレンオキシド、プロピレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、エポキシ化大豆油、エポキシ化天然ゴム等、
▲2▼エチレンイミン誘導体;エチレンイミン、プロピレンイミン、N−フェニルエチレンイミン、N−(β−シアノエチル)エチレンイミン等、
▲3▼チイラン化合物;チイラン、メチルチイラン、フェニルチイラン等。
【0046】
成分(d)は前記の分子中に特定の結合構造を有するハロゲン化イソシアノ化合物である。
このハロゲン化イソシアノ化合物としては、2−アミノ−6−クロロピリジン、2,5−ジブロモピリジン、4−クロロ−2−フェニルキナゾリン、2,4,5−トリブロモイミダゾール、3,6−ジクロロ−4−メチルピリダジン、3,4,5−トリクロロピリダジン、4−アミノ−6−クロロ−2−メルカプトピリミジン、2−アミノ−4−クロロ−6−メチルピリミジン、2−アミノ−4,6−ジクロロピリミジン、6−クロロ−2,4−ジメトキシピリミジン、2−クロロピリミジン、2,4−ジクロロ−6−メチルピリミジン、4,6−ジクロロ−2−(メチルチオ)ピリミジン、2,4,5,6−テトラクロロピリミジン、2,4,6−トリクロロピリミジン、2−アミノ−6−クロロピラジン、2,6−ジクロロピラジン、2,4−ビス(メチルチオ)−6−クロロ−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン、2−ブロモ−5−ニトロチアゾール、2−クロロベンゾチアゾール及び2−クロロベンゾオキサゾール等が挙げられる。
【0047】
成分(e)は前記の一般式(4)〜(9)により表されるカルボン酸、酸ハロゲン化物、エステル化合物、炭酸エステル化合物又は酸無水物である。
具体的な化合物としては以下のものが挙げられる。
▲1▼カルボン酸;酢酸、ステアリン酸、アジピン酸、マレイン酸、安息香酸、アクリル酸、メタアクリル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、メリット酸、ポリメタアクリル酸エステル化合物又はポリアクリル酸化合物の全加水分解物或いは部分加水分解物等、
【0048】
▲2▼酸ハロゲン化物;酢酸クロリド、プロピオン酸クロリド、ブタン酸クロリド、イソブタン酸クロリド、オクタン酸クロリド、アクリル酸クロリド、安息香酸クロリド、ステアリン酸クロリド、フタル酸クロリド、マレイン酸クロリド、オキサリン酸クロリド、ヨウ化アセチル、ヨウ化ベンゾイル、フッ化アセチル及びフッ化ベンゾイル等、
▲3▼エステル化合物;酢酸エチル、ステアリン酸エチル、アジピン酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、安息香酸メチル、アクリル酸エチル、メタアクリル酸エチル、フタル酸ジエチル、テレフタル酸ジメチル、トリメリット酸トリブチル、ピロメリット酸テトラオクチル、メリット酸ヘキサエチル、酢酸フェニル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルアクリレート及びポリイソブチルアクリレート等、
【0049】
▲4▼炭酸エステル化合物;炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジプロピル、炭酸ジヘキシル及び炭酸ジフェニル等、
▲5▼酸無水物;無水酢酸、無水プロピオン酸、無水イソ酪酸、無水イソ吉草酸、無水ヘプタン酸、無水安息香酸、無水ケイ皮酸、無水コハク酸、無水メチルコハク酸、無水マレイン酸、無水グルタル酸、無水シトラコン酸、無水フタル酸及びスチレン−無水マレイン酸共重合体等。
【0050】
尚、成分(e)の化合物は、得られる重合体の特性が損なわれない範囲内で、分子中に、例えば、エーテル基、3級アミノ基等の非プロトン性の極性基を含むものであってもよい。また、この成分(e)の化合物としては、1種のみを使用してもよいし、2種以上を併用することもできる。更に、フリーのアルコール基、フェノール基を含む化合物を不純物として含むものであってもよい。
【0051】
成分(f)は前記の一般式(10)〜(12)により表される化合物である。一般式(10)で表される化合物としては、トリフェニルスズラウレート、トリフェニルスズ−2−エチルヘキサテート、トリフェニルスズナフテート、トリフェニルスズアセテート、トリフェニルスズアクリレート、トリ−n−ブチルスズラウレート、トリ−n−ブチルスズ−2−エチルヘキサテート、トリ−n−ブチルスズナフテート、トリ−n−ブチルスズアセテート、トリ−n−ブチルスズアクリレート、トリ−t−ブチルスズラウレート、トリ−t−ブチルスズ−2−エチルヘキサテート、トリ−t−ブチルスズナフテート、トリ−t−ブチルスズアセテート、トリ−t−ブチルスズアクリレート、トリイソブチルスズラウレート、トリイソブチルスズ−2−エチルヘキサテート、トリイソブチルスズナフテート、トリイソブチルスズアセテート、トリイソブチルスズアクリレート、トリイソプロピルスズラウレート、トリイソプロピルスズ−2−エチルヘキサテート、トリイソプロピルスズナフテート、トリイソプロピルスズアセテート、トリイソプロピルスズアクリレート、トリヘキシルスズラウレート、トリヘキシルスズ−2−エチルヘキサテート、トリヘキシルスズアセテート、トリヘキシルスズアクリレート、トリオクチルスズラウレート、トリオクチルスズ−2−エチルヘキサテート、トリオクチルスズナフテート、トリオクチルスズアセテート、トリオクチルスズアクリレート、トリ−2−エチルヘキシルスズラウレート、トリ−2−エチルヘキシルスズ−2−エチルヘキサテート、トリ−2−エチルヘキシルスズナフテート、トリ−2−エチルヘキシルスズアセテート、トリ−2−エチルヘキシルスズアクリレート、トリステアリルスズラウレート、トリステアリルスズ−2−エチルヘキサテート、トリステアリルスズナフテート、トリステアリルスズアセテート、トリステアリルスズアクリレート、トリベンジルスズラウレート、トリベンジルスズ−2−エチルヘキサテート、トリベンジルスズナフテート、トリベンジルスズアセテート、トリベンジルスズアクリレート、ジフェニルスズジラウレート、ジフェニルスズ−ジ−2−エチルヘキサテート、ジフェニルスズジステアレート、ジフェニルスズジナフテート、ジフェニルスズジアセテート、ジフェニルスズジアクリレート、ジ−n−ブチルスズジラウレート、ジ−n−ブチルスズジ−2−エチルヘキサテート、ジ−n−ブチルスズジステアレート、ジ−n−ブチルスズジナフテート、ジ−n−ブチルスズジアセテート、ジ−n−ブチルスズジアクリレート、ジ−t−ブチルスズジラウレート、ジ−t−ブチルスズジ−2−エチルヘキサテート、ジ−t−ブチルスズジステアレート、ジ−t−ブチルスズジナフテート、ジ−t−ブチルスズジアセテート、ジ−t−ブチルスズジアクリレート、ジイソブチルスズジラウレート、ジイソブチルスズジ−2−エチルヘキサテート、ジイソブチルスズジステアレート、ジイソブチルスズジナフテート、ジイソブチルスズジアセテート、ジイソブチルスズジアクリレート、ジイソプロピルスズジラウレート、ジイソプロピルスズ−ジ−2−エチルヘキサテート、ジイソプロピルスズジステアレート、ジイソプロピルスズジナフテート、ジイソプロピルスズジアセテート、ジイソプロピルスズジアクリレート、ジヘキシルスズジラウレート、ジヘキシルスズジ−2−エチルヘキサテート、ジヘキシルスズジステアレート、ジヘキシルスズジナフテート、ジヘキシルスズジアセテート、ジヘキシルスズジアクリレート、ジ−2−エチルヘキシルスズジラウレート、ジ−2−エチルヘキシルスズ−ジ−2−エチルヘキサテート、ジ−2−エチルヘキシルスズジステアレート、ジ−2−エチルヘキシルスズジナフテート、ジ−2−エチルヘキシルスズジアセテート、ジ−2−エチルヘキシルスズジアクリレート、ジオクチルスズジラウレート、ジオクチルスズジ−2−エチルヘキサテート、ジオクチルスズジステアレート、ジオクチルスズジナフテート、ジオクチルスズジアセテート、ジオクチルスズジアクリレート、ジステアリルスズジラウレート、ジステアリルスズジ−2−エチルヘキサテート、ジステアリルスズジステアレート、ジステアリルスズジナフテート、ジステアリルスズジアセテート、ジステアリルスズジアクリレート、ジベンジルスズジラウレート、ジベンジルスズジ−2−エチルヘキサテート、ジベンジルスズジステアレート、ジベンジルスズジナフテート、ジベンジルスズジアセテート、ジベンジルスズジアクリレート、フェニルスズトリラウレート、フェニルスズトリ−2−エチルヘキサテート、フェニルスズトリナフテート、フェニルスズトリアセテート、フェニルスズトリアクリレート、n−ブチルスズトリラウレート、n−ブチルスズトリ−2−エチルヘキサテート、n−ブチルスズトリナフテート、n−ブチルスズトリアセテート、n−ブチルスズトリアクリレート、t−ブチルスズトリラウレート、t−ブチルスズトリ−2−エチルヘキサテート、t−ブチルスズトリナフテート、t−ブチルスズトリアセテート、t−ブチルスズトリアクリレート、イソブチルスズトリラウレート、イソブチルスズトリ−2−エチルヘキサテート、イソブチルスズトリナフテート、イソブチルスズトリアセテート、イソブチルスズトリアクリレート、イソプロピルスズトリラウレート、イソプロピルスズトリ−2−エチルヘキサテート、イソプロピルスズトリナフテート、イソプロピルスズトリアセテート、イソプロピルスズトリアクリレート、ヘキシルスズトリラウレート、ヘキシルスズトリ−2−エチルヘキサテート、ヘキシルスズトリナフテート、ヘキシルスズトリアセテート、ヘキシルスズトリアクリレート、オクチルスズトリラウレート、オクチルスズトリ−2−エチルヘキサテート、オクチルスズトリナフテート、オクチルスズトリアセテート、オクチルスズトリアクリレート、2−エチルヘキシルスズトリラウレート、2−エチルヘキシルスズトリ−2−エチルヘキサテート、2−エチルヘキシルスズトリナフテート、2−エチルヘキシルスズトリアセテート、2−エチルヘキシルスズトリアクリレート、ステアリルスズトリラウレート、ステアリルスズトリ−2−エチルヘキサテート、ステアリルスズトリナフテート、ステアリルスズトリアセテート、ステアリルスズトリアクリレート、ベンジルスズトリラウレート、ベンジルスズトリ−2−エチルヘキサテート、ベンジルスズトリナフテート、ベンジルスズトリアセテート及びベンジルスズトリアクリレート等が挙げられる。
【0052】
また、一般式(11)で表される化合物としては、ジフェニルスズビスメチルマレート、ジフェニルスズビス−2−エチルヘキシルマレート、ジフェニルスズビスオクチルマレート、ジフェニルスズビスベンジルマレート、ジ−n−ブチルスズビスメチルマレート、ジ−n−ブチルスズビス−2−エチルヘキシルマレート、ジ−n−ブチルスズビスオクチルマレート、ジ−n−ブチルスズビスベンジルマレート、ジ−t−ブチルスズビスメチルマレート、ジ−t−ブチルスズビス−2−エチルヘキシルマレート、ジ−t−ブチルスズビスオクチルマレート、ジ−t−ブチルスズビスベンジルマレート、ジイソブチルスズビスメチルマレート、ジイソブチルスズビス−2−エチルヘキシルマレート、ジイソブチルスズビスオクチルマレート、ジイソブチルスズビスベンジルマレート、ジイソプロピルスズビスメチルマレート、ジイソプロピルスズビス−2−エチルヘキシルマレート、ジイソプロピルスズビスオクチルマレート、ジイソプロピルスズビスベンジルマレート、ジヘキシルスズビスメチルマレート、ジヘキシルスズビス−2−エチルヘキシルマレート、ジヘキシルスズビスオクチルマレート、ジヘキシルスズビスベンジルマレート、ジ−2−エチルヘキシルスズビスメチルマレート、ジ−2−エチルヘキシルスズビス−2−エチルヘキシルマレート、ジ−2−エチルヘキシルスズビスオクチルマレート、ジ−2−エチルヘキシルスズビスベンジルマレート、ジオクチルスズビスメチルマレート、ジオクチルスズビス−2−エチルヘキシルマレート、ジオクチルスズビスオクチルマレート、ジオクチルスズビスベンジルマレート、ジステアリルスズビスメチルマレート、ジステアリルスズビス−2−エチルヘキシルマレート、ジステアリルスズビスオクチルマレート、ジステアリルスズビスベンジルマレート、ジベンジルスズビスメチルマレート、ジベンジルスズビス−2−エチルヘキシルマレート、ジベンジルスズビスオクチルマレート、ジベンジルスズビスベンジルマレート、ジフェニルスズビスメチルアジペート、ジフェニルスズビス−2−エチルヘキシルアジペート、ジフェニルスズビスオクチルアジペート、ジフェニルスズビスベンジルアジペート、ジ−n−ブチルスズビスメチルアジペート、ジ−n−ブチルスズビス−2−エチルヘキシルアジペート、ジ−n−ブチルスズビスオクチルアジペート、ジ−n−ブチルスズビスベンジルアジペート、ジ−t−ブチルスズビスメチルアジペート、ジ−t−ブチルスズビス−2−エチルヘキシルアジペート、ジ−t−ブチルスズビスオクチルアジペート、ジ−t−ブチルスズビスベンジルアジペート、ジイソブチルスズビスメチルアジペート、ジイソブチルスズビス−2−エチルヘキシルアジペート、ジイソブチルスズビスオクチルアジペート、ジイソブチルスズビスベンジルアジペート、ジイソプロピルスズビスメチルアジペート、ジイソプロピルスズビス−2−エチルヘキシルアジペート、ジイソプロピルスズビスオクチルアジペート、ジイソプロピルスズビスベンジルアジペート、ジヘキシルスズビスメチルアジペート、ジヘキシルスズビス−2−エチルヘキシルアジペート、ジヘキシルスズビスメチルアジペート、ジヘキシルスズビスベンジルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルスズビスメチルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルスズビス−2−エチルヘキシルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルスズビスオクチルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルスズビスベンジルアジペート、ジオクチルスズビスメチルアジペート、ジオクチルスズビス−2−エチルヘキシルアジペート、ジオクチルスズビスオクチルアジペート、ジオクチルスズビスベンジルアジペート、ジステアリルスズビスメチルアジペート、ジステアリルスズビス−2−エチルヘキシルアジペート、ジステアリルスズビスオクチルアジペート、ジステアリルスズビスベンジルアジペート、ジベンジルスズビスメチルアジペート、ジベンジルスズビス−2−エチルヘキシルアジペート、ジベンジルスズビスオクチルアジペート及びジベンジルスズビスベンジルアジペート等の他、マロン酸、リンゴ酸、コハク酸等、2個のカルボキシル基を有する化合物の誘導体などが挙げられる。
【0053】
更に、一般式(12) で表される化合物としては、ジフェニルスズマレート、ジ−n−ブチルスズマレート、ジ−t−ブチルスズマレート、ジイソブチルスズマレート、ジイソプロピルスズマレート、ジヘキシルスズマレート、ジ−2−エチルヘキシルスズマレート、ジオクチルスズマレート、ジステアリルスズマレート、ジベンジルスズマレート、ジフェニルスズアジペート、ジ−n−ブチルスズアジペート、ジ−t−ブチルスズアジペート、ジイソブチルスズアジペート、ジイソプロピルスズアジペート、ジヘキシルスズジアジペート、ジ−2−エチルヘキシルスズアジペート、ジオクチルスズアジペート、ジステアリルスズアジペート及びジベンジルスズアジペート等の他、マロン酸、リンゴ酸、コハク酸等の2個のカルボキシル基を有する化合物の誘導体などが挙げられる。
以上の成分(a)〜(f)の化合物(以下、「変性剤」という)は、1種のみを使用してもよいし、2種以上を併用することもできる。
【0054】
これら変性剤の使用量は、成分(1)に対するモル比で、0.01〜200、特に0.1〜150とすることが好ましく、この使用量が0.01未満であると、変性効果が小さくなり、耐摩耗性及びコールドフロー特性等が十分に向上しない。一方、変性剤のモル比が200を超える場合は、未反応の変性剤が残り好ましくなく、それ以上の物性の向上もみられないため好ましくない。
更に、この変性は、160℃以下、特に−30℃〜130℃の温度範囲で、0.2〜5時間行うことが好ましい。
【0055】
また、この変性が終了した後、必要に応じて、反応系に重合停止剤或いは重合体安定剤等を添加し、共役ジエン系重合体の製造において通常なされる脱溶媒、乾燥等の操作を行うことにより重合体を回収することができる。
変性後の共役ジエン系重合体のMw/Mnは4以下、シス−1,4−結合含量は90%以上、特に93%以上、ビニル−1,2−結合含量は3.0%以下、特に1.5%以下であることが好ましい。Mw/Mnが4を超えると、重合体の耐摩耗性等が低下する。また、シス−1,4−結合含量が90%未満である場合も、耐摩耗性に劣る重合体となる。
【0056】
また、重合体のビニル−1,2−結合含量は、3.0%以下、特に1.5%以下であることが好ましく、ビニル−1,2−結合含量が3.0%を超えると、耐久性が低下する。更に、重合体の100℃におけるムーニー粘度(ML1+4 、100℃)は、10〜150、特に、10〜100、更には15〜70であることが好ましい。このムーニー粘度が10未満であると、加硫後の耐摩耗性等に劣り、一方、150を超えると混練り時の加工性が低下する。
【0057】
尚、この重合体のポリスチレン換算の重量平均分子量は、通常、10万〜150万、特に15万〜100万程度である。この範囲外の重量平均分子量では、加工性及び加硫ゴムの物性が低下する傾向にあり、好ましくない。
また、重合体には、必要に応じて、脱溶剤前に、アロマチックオイル、ナフテニックオイル等のプロセス油を、重合体100重量部当たり、5〜100重量部添加した後、脱溶剤、乾燥の操作を行い、回収してもよい。
【0058】
この発明により得られる共役ジエン系重合体は、この重合体を単独で又は他の合成ゴム若しくは天然ゴムに配合し、必要に応じて、プロセス油等で油展し、その後、カーボンブラック等の充填剤、加硫剤、加硫促進剤の他、一般に使用される配合剤を添加して加硫し、乗用車、トラック、バス用のタイヤ、及びスタッドレスタイヤ等の冬季用タイヤのトレッド、サイドウォールなどとして使用することができる。また、その他の各種部材、ホース、ベルト、防振ゴム等、各種工業用品など、耐摩耗性等の機械的特性が要求される広範な用途において使用することができる。また、天然ゴム以外の、乳化重合SBR、溶液重合SBR、ポリイソプレン、EPM、EPDM、ブチルゴム、水添BR、水添SBR等に配合して使用することもできる。
【0059】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例によって更に詳しく説明する。
これらの実施例において「%」は「重量%」である。尚、一次反応速度定数及び最終反応率は以下の方法により算出した。また、Mw/Mn及びムーニー粘度は以下の方法により測定した。
【0060】
▲1▼一次反応速度定数(/時間):以下の式から算出した。
単量体の反応速度が単量体濃度の一次に比例するとして、−dC/dt=kCとすると、物質収支から、
Figure 0004038916
▲2▼最終反応率:生成した重合体/初期の単量体量
▲3▼Mw/Mn:以下の装置、条件によって数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)を求め、これらから算出した。
装置;東ソー株式会社製、型式「HLC−8120GPC」、検知器;示差屈折計
カラム;東ソー株式会社製、品番「カラムGMHHXL」
移動相;テトラヒドロフラン
▲4▼ムーニー粘度:予熱時間;1分、測定時間;4分、測定温度;100℃
【0061】
実施例1及び2
(1)触媒溶液の調製
バーサチック酸ネオジムのシクロヘキサン/ヘプタン混合溶液に、ネオジムに対してモル比で5倍の1,3ブタジエンを攪拌しながら室温で添加した。その後、このネオジム溶液に、メチルアルミノキサンの10%トルエン溶液[アルベマール社(米国)製]、ジイソブチルアルミニウムハイドライド(トーソーアクゾ社製)及びネオジムと等モル量の塩化亜鉛の2−エチルヘキサノール溶液を、この順に、攪拌しながら室温で添加した。更に、この混合溶液に、ネオジムに対してモル比で500倍の1,3−ブタジエンを攪拌しながら室温で添加して予備重合を行い、触媒溶液を調製した。
【0062】
(2)1,3−ブタジエンの連続重合
容量20リットルのジャケット付き反応器に、重合溶媒としてシクロヘキサンとトルエンとの混合溶媒を投入し、70℃に調温した後、(1)において調製した触媒溶液、1,3−ブタジエン及びジイソブチルアルミニウムハイドライドを連続的に供給し、1,3−ブタジエンの連続重合を行った。所定時間の重合の後、重合停止剤を加えて反応を停止させ、常法に従って脱溶剤及び乾燥を行い、ポリブタジエンを得た。尚、平均滞留時間は2時間であった。また、シクロヘキサンとトルエンとの重量比、これら溶媒と1,3−ブタジエンとの重量比、メチルアルミノキサンとバーサチック酸ネオジムとのモル比、及び1,3−ブタジエンとバーサチック酸ネオジム或いはジイソブチルアルミニウムハイドライドとのモル比は表1のとおりとした。
【0063】
(3)物性等の測定など
(2)における重合反応の一次反応速度定数を前記の方法によって算出した。また、得られたポリブタジエンのMw/Mn及びムーニー粘度を前記の方法によって測定した。得られた結果を表1に併記する。
【0064】
比較例1
容量5リットルのオートクレーブを使用し、バッチ重合とした他は、実施例2と同様にしてポリブタジエンを得た。また、実施例1と同様にして一次反応速度定数を算出し、Mw/Mn及びムーニー粘度を測定した。得られた結果を表1に併記する。
【0065】
比較例2
重合溶媒としてシクロヘキサンのみを使用し、平均滞留時間を1時間とした他は、実施例2と同様にして1,3−ブタジエンの重合を行った。しかし、この反応系では反応速度が大きく、一次反応速度定数が7以上となり、反応温度を制御することもできなかった。
比較例3
触媒溶液の調製においてメチルアルミノキサンを使用しなかった他は、実施例1と同様にして1,3−ブタジエンを重合しようとした。しかし、この触媒溶液では重合しなかった。
【0066】
【表1】
Figure 0004038916
【0067】
表1の結果によれば、第1及び第2発明の範囲内である実施例1、2では、分子量分布が狭く、適度なムーニー粘度を有するポリブタジエンが得られていることが分かる。一方、バッチ重合である比較例1では、重合速度が低下し、分子量分布が広くなり、得られる重合体のムーニー粘度が大きくなっている。また、重合溶媒としてトルエンを併用しなかった比較例2では、重合速度が過度に大きくなり、反応温度の制御もできなかった。更に、アルミノキサンを含有していない触媒を用いた比較例3では反応しなかった。
【0068】
実施例3及び4
1,3−ブタジエンとバーサチック酸ネオジム或いはジイソブチルアルミニウムハイドライドとのモル比を表2のようにし、3基の反応器を使用して連続重合した他は、実施例1と同様にしてポリブタジエンを得た。また、1基目の反応基における一次反応速度定数を実施例1と同様にして算出し、更に、Mw/Mn及びムーニー粘度を測定した。また、前記の方法によって最終反応率を算出した。得られた結果を表2に併記する。
【0069】
実施例5
実施例3において、2基目の反応器の出口に、初期量の20%のジイソブチルアルミニウムハイドライドを追加して添加した他は、実施例3と同様にしてポリブタジエンを得た。また、1基目の反応基における一次反応速度定数を実施例1と同様にして算出し、更に、Mw/Mn及びムーニー粘度を測定した。また、前記の方法によって最終反応率を算出した。得られた結果を表2に併記する。
【0070】
実施例6
実施例3において、重合終了後、変性剤としてジオクチルスズ−2−エチルヘキシルベンジルマレートをネオジムに対してモル比で40倍添加し、70℃で10分間反応させて改質した。反応終了の処理は実施例1と同様にして行った。また、1基目の反応基における一次反応速度定数を実施例1と同様にして算出し、更に、Mw/Mn及びムーニー粘度を測定した。また、前記の方法によって最終反応率を測定した。得られた結果を表2に併記する。
【0071】
実施例7
実施例4において、重合終了後、変性剤としてジオクチルスズ−2−エチルヘキシルベンジルマレートをネオジムに対してモル比で10倍添加し、70℃で10分間反応させて改質した。反応終了の処理は実施例1と同様にして行った。また、1基目の反応基における一次反応速度定数を実施例1と同様にして算出し、更に、Mw/Mn及びムーニー粘度を測定した。また、前記の方法によって最終反応率を測定した。得られた結果を表2に併記する。
【0072】
【表2】
Figure 0004038916
【0073】
表2の結果によれば、3基の反応器を用いた他は実施例1と同様にして1,3ブタジエンを重合した実施例3、4及び2基目の出口において分子量調整剤を更に添加した実施例5では、分子量分布が狭く、適度なムーニー粘度を有するポリブタジエンが得られていることが分かる。また、重合後、変性剤を反応させ、変性した実施例6、7においても、実施例1〜3に比べれば分子量分布が広くなり、ムーニー粘度が上昇する傾向にあるものの、十分に分子量分布が狭く、適度なムーニー粘度を有するポリブタジエンが得られていることが分かる。
【0074】
【発明の効果】
発明によれば、芳香族炭化水素を含有する重合溶媒中にて、ランタノイド系触媒を用いて共役ジエン系単量体を連続重合することにより、分子量分布が狭く、適度なムーニー粘度等を有する共役ジエン系重合体を得ることができる。また、分子量調整剤を用いることによって、より確実に分子量分布の狭い重合体を得ることができる。更に、重合反応に引き続いて、変性剤を配合し、分子の重合末端と反応させ、変性させることにより、耐摩耗性等に優れ、コールドフロー特性等が向上した重合体とすることもできる。

Claims (5)

  1. 5〜50重量%の芳香族炭化水素を含有する炭化水素溶媒中にて、下記(1)、(2)及び(3)を主成分とする触媒を用い、
    更に、ジメチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジ−n−プロピルアルミニウムハイドライド、ジイソプロピルアルミニウムハイドライド、ジ−n−ブチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジ−t−ブチルアルミニウムハイドライド、ジペンチルアルミニウムハイドライド、ジヘキシルアルミニウムハイドライド、ジシクロヘキシルアルミニウムハイドライド及びジオクチルアルミニウムハイドライドの群から選ばれる少なくとも1種である分子量調整剤を用い、
    共役ジエン系単量体を連続重合し、
    上記連続重合における一次反応速度定数が4以下であり、
    重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が4以下である共役ジエン系重合体を得ることを特徴とする共役ジエン系重合体の製造方法。
    (1)ランタノイド化合物
    (2)アルミノキサン
    (3)塩化亜鉛
  2. 上記分子量調整剤が、ジイソブチルアルミニウムハイドライドであり、
    上記ランタノイド化合物が、バーサチック酸ネオジムであり、
    上記アルミノキサンが、メチルアルミノキサンである請求項1記載の共役ジエン系重合体の製造方法。
  3. 更に、以下の(a)又は(f)の化合物を反応させる請求項1に記載の共役ジエン系重合体の製造方法。
    (a)下記の一般式(2)
    M(−R −COOR a−n (2)
    により表される化合物[但し、R 2 〜R は同一であっても、異なっていてもよく、炭素数1〜20の炭化水素基であり、側鎖にエステル基を有していてもよい。Mはスズ原子である。aはMの価数である。(a−n)は1以上の整数であり、nは0であってもよい。]。
    (f)下記の一般式(10)、(11)又は(12)
    14 M’(OCOR 15 4−l (10)
    16 M’(OCO−R 17 −COOR 18 ) (11)
    Figure 0004038916
    により表される化合物(但し、R 14 〜R 20 は同一であっても、異なっていてもよく、炭素数1〜20の炭化水素基である。M’はスズ原子である。lは0〜3の整数であり、kは0又は1である。)。
  4. 更に、以下の(a)又は(f)の化合物を反応させる請求項に記載の共役ジエン系重合体の製造方法。
    (a)下記の一般式(2)
    M(−R−COORa−n (2)
    により表される化合物[但し、 〜Rは同一であっても、異なっていてもよく、炭素数1〜20の炭化水素基であり、側鎖にエステル基を有していてもよい。Mはスズ原子である。aはMの価数である。(a−n)は1以上の整数であり、nは0であってもよい。]。
    (f)下記の一般式(10)、(11)又は(12)
    14 M’(OCOR154−l (10)
    16 M’(OCO−R17−COOR18) (11)
    Figure 0004038916
    により表される化合物(但し、R14〜R20は同一であっても、異なっていてもよく、炭素数1〜20の炭化水素基である。M’はスズ原子である。lは0〜3の整数であり、kは0又は1である。)。
  5. 上記化合物が、ジオクチルスズ−2−エチルヘキシルベンジルマレートである請求項4に記載の共役ジエン系重合体の製造方法。
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