JP2017082139A - 触媒調製方法、触媒及び(変性)共役ジエン系重合体の製造方法 - Google Patents

触媒調製方法、触媒及び(変性)共役ジエン系重合体の製造方法 Download PDF

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悠介 山縣
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Abstract

【課題】生成物のミクロ構造選択性を向上させ得る触媒調製方法の提供。【解決手段】式(I):M−(AQ1)(AQ2)(AQ3)(式中、Mはランタノイド元素、スカンジウム又はイットリウムで、AQ1、AQ2及びAQ3は窒素、酸素及び硫黄の1種以上を含有する官能基、或いは、置換若しくは無置換シクロペンタジエニル基、インデニル基又はフルオレニル基で、但し、M−N結合、M−O結合又はM−S結合を有する)の希土類元素化合物(A)、ハロゲン化合物(B)及び式(II):YR1aR2bR3c(式中、Yは周期律表の第1族、第2族、第12族又は第13族の金属元素、R1及びR2は炭素数1〜10の炭化水素基又は水素原子、R3は炭素数1〜10の炭化水素基であり、aが1で且つb及びcが0であるか、a及びbが1で且つcが0であるか、a、b及びcが1である)の有機金属化合物(C)のみを反応させる工程を含む触媒調製方法。【選択図】なし

Description

本発明は、触媒調製方法、触媒、共役ジエン系重合体の製造方法及び変性共役ジエン系重合体の製造方法に関するものである。
タイヤ等のゴム製品には、優れた耐破壊特性、耐摩耗性、耐亀裂成長性等が要求されるため、その原料として優れた弾性を有する天然ゴムを用いることが知られている。近年、ゴムノキの資源の減少により、天然ゴムの価格が高騰している。そのため、天然ゴムと同等の特性を有する合成ゴムが必要とされている。
天然ゴムはほぼ100%のシス−1,4−結合含量を有するポリイソプレンから実質的になり、この重合体の分子構造が弾性を生むものと考えられている。そして、この天然ゴムに関する知見に基づいて、高いシス−1,4−結合含量を有する共役ジエン系重合体、及びその製造方法を開発する研究が盛んに行われている。
例えば、特開2013−194099号公報(特許文献1)には、希土類元素含有化合物と、非配位性アニオンとカチオンとからなるイオン性化合物、アルミノキサン及びハロゲン化合物からなる群から選択されるアニオン供給源と、共役ジエン単量体及び非共役オレフィンからなる群から選択される単量体とを混合熟成させた後、該単量体とは異なる共役ジエン単量体を添加し、重合させる、共役ジエン重合体の製造方法が開示されている。
また、特許第5504861号公報(特許文献2)には、イットリウム化合物と、ホウ素含有化合物及びカルボニルムイオンからなるイオン性化合物と、有機アルミニウム化合物とから得られる触媒を用いて、共役ジエン化合物を重合させる、共役ジエン重合体の製造方法が開示されている。
特開2013−194099号公報 特許第5504861号公報
しかしながら、上記従来の触媒を用いて製造された共役ジエン系重合体は、ミクロ構造の選択性に改善の余地が有り、更にミクロ構造選択性を向上させることが可能な触媒の開発が求められている。
そこで、本発明は、上記従来技術の問題を解決し、生成物のミクロ構造選択性を向上させることが可能な触媒とその調製方法を提供することを課題とする。
また、本発明は、かかる触媒を用いた、ミクロ構造の選択性が高い、特には、シス−1,4−結合含量が高い共役ジエン系重合体及び変性共役ジエン系重合体の製造方法を提供することを更なる課題とする。
上記課題を解決する本発明の要旨構成は、以下の通りである。
本発明の第1の触媒調製方法は、下記式(I):
M−(AQ1)(AQ2)(AQ3) ・・・ (I)
(式中、Mは、ランタノイド元素、スカンジウム、イットリウムからなる群から選択される少なくとも1種であり、AQ1、AQ2及びAQ3は、窒素、酸素及び硫黄から選択される少なくとも1種を含有する官能基、或いは、置換若しくは無置換シクロペンタジエニル基、インデニル基又はフルオレニル基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、但し、少なくとも1つのM−N結合、M−O結合又はM−S結合を有する)で表される希土類元素化合物(A)、ハロゲン化合物(B)及び下記式(II):
YR1 a2 b3 c ・・・ (II)
(式中、Yは、周期律表の第1族、第2族、第12族及び第13族の元素からなる群から選択される金属元素であり、R1及びR2は炭素数1〜10の炭化水素基又は水素原子であり、R3は炭素数1〜10の炭化水素基であり、但し、R1、R2及びR3はそれぞれ互いに同一または異なっていてもよく、また、Yが第1族の金属元素である場合には、aは1であり且つb及びcは0であり、Yが第2族又は第12族の金属元素である場合には、a及びbは1であり且つcは0であり、Yが第13族の金属元素である場合には、a、b及びcは1である)で表される有機金属化合物(C)のみを反応させる工程(a)を含むことを特徴とする。
そして、本発明の第1の触媒調製方法で調製される触媒は、例えば、共役ジエンモノマーの重合反応に使用することで、生成する共役ジエン系重合体のミクロ構造の選択性を向上させることができる。
また、本発明の第2の触媒調製方法は、下記式(I):
M−(AQ1)(AQ2)(AQ3) ・・・ (I)
(式中、Mは、ランタノイド元素、スカンジウム、イットリウムからなる群から選択される少なくとも1種であり、AQ1、AQ2及びAQ3は、窒素、酸素及び硫黄から選択される少なくとも1種を含有する官能基、或いは、置換若しくは無置換シクロペンタジエニル基、インデニル基又はフルオレニル基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、但し、少なくとも1つのM−N結合、M−O結合又はM−S結合を有する)で表される希土類元素化合物(A)、ハロゲン化合物(B)及び下記式(II):
YR1 a2 b3 c ・・・ (II)
(式中、Yは、周期律表の第1族、第2族、第12族及び第13族の元素からなる群から選択される金属元素であり、R1及びR2は炭素数1〜10の炭化水素基又は水素原子であり、R3は炭素数1〜10の炭化水素基であり、但し、R1、R2及びR3はそれぞれ互いに同一または異なっていてもよく、また、Yが第1族の金属元素である場合には、aは1であり且つb及びcは0であり、Yが第2族又は第12族の金属元素である場合には、a及びbは1であり且つcは0であり、Yが第13族の金属元素である場合には、a、b及びcは1である)で表される有機金属化合物(C)のみを反応させる工程(a)と、
前記工程(a)の後に、前記工程(a)で生成した反応物と、置換又は無置換シクロペンタジエン、インデン及びフルオレン化合物からなる群から選択される少なくとも一種の化合物(D)及び/又はアルミノキサン化合物(E)とを反応させる工程(b)と、
を含むことを特徴とする。
そして、本発明の第2の触媒調製方法で調製される触媒は、例えば、共役ジエンモノマーの重合反応に使用することで、生成する共役ジエン系重合体のミクロ構造の選択性を更に向上させることができる。
また、本発明の第3の触媒調製方法は、下記式(I):
M−(AQ1)(AQ2)(AQ3) ・・・ (I)
(式中、Mは、ランタノイド元素、スカンジウム、イットリウムからなる群から選択される少なくとも1種であり、AQ1、AQ2及びAQ3は、窒素、酸素及び硫黄から選択される少なくとも1種を含有する官能基、或いは、置換若しくは無置換シクロペンタジエニル基、インデニル基又はフルオレニル基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、但し、少なくとも1つのM−N結合、M−O結合又はM−S結合を有する)で表される希土類元素化合物(A)、ハロゲン化合物(B)及び下記式(II):
YR1 a2 b3 c ・・・ (II)
(式中、Yは、周期律表の第1族、第2族、第12族及び第13族の元素からなる群から選択される金属元素であり、R1及びR2は炭素数1〜10の炭化水素基又は水素原子であり、R3は炭素数1〜10の炭化水素基であり、但し、R1、R2及びR3はそれぞれ互いに同一または異なっていてもよく、また、Yが第1族の金属元素である場合には、aは1であり且つb及びcは0であり、Yが第2族又は第12族の金属元素である場合には、a及びbは1であり且つcは0であり、Yが第13族の金属元素である場合には、a、b及びcは1である)で表される有機金属化合物(C)のみを反応させる工程(a)と、
前記工程(a)の後に、前記工程(a)で生成した反応物に、置換又は無置換シクロペンタジエン、インデン及びフルオレン化合物からなる群から選択される少なくとも一種の化合物(D)を加え、熟成させる工程(b1)と、
前記工程(b1)の後に、前記工程(b1)で生成した熟成物に、アルミノキサン化合物(E)を加え、熟成させる工程(b2)と、
を含むことを特徴とする。
そして、本発明の第3の触媒調製方法で調製される触媒は、例えば、共役ジエンモノマーの重合反応に使用することで、生成する共役ジエン系重合体のミクロ構造の選択性をより一層向上させることができる。
また、本発明の第4の触媒調製方法は、下記式(I):
M−(AQ1)(AQ2)(AQ3) ・・・ (I)
(式中、Mは、ランタノイド元素、スカンジウム、イットリウムからなる群から選択される少なくとも1種であり、AQ1、AQ2及びAQ3は、窒素、酸素及び硫黄から選択される少なくとも1種を含有する官能基、或いは、置換若しくは無置換シクロペンタジエニル基、インデニル基又はフルオレニル基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、但し、少なくとも1つのM−N結合、M−O結合又はM−S結合を有する)で表される希土類元素化合物(A)、ハロゲン化合物(B)及び下記式(II):
YR1 a2 b3 c ・・・ (II)
(式中、Yは、周期律表の第1族、第2族、第12族及び第13族の元素からなる群から選択される金属元素であり、R1及びR2は炭素数1〜10の炭化水素基又は水素原子であり、R3は炭素数1〜10の炭化水素基であり、但し、R1、R2及びR3はそれぞれ互いに同一または異なっていてもよく、また、Yが第1族の金属元素である場合には、aは1であり且つb及びcは0であり、Yが第2族又は第12族の金属元素である場合には、a及びbは1であり且つcは0であり、Yが第13族の金属元素である場合には、a、b及びcは1である)で表される有機金属化合物(C)のみを反応させる工程(a)と、
前記工程(a)の後に、前記工程(a)で生成した反応物に、アルミノキサン化合物(E)を加え、熟成させる工程(b’1)と、
前記工程(b’1)の後に、前記工程(b’1)で生成した熟成物に、置換又は無置換シクロペンタジエン、インデン及びフルオレン化合物からなる群から選択される少なくとも一種の化合物(D)を加え、熟成させる工程(b’2)と、
を含むことを特徴とする。
そして、本発明の第4の触媒調製方法で調製される触媒も、例えば、共役ジエンモノマーの重合反応に使用することで、生成する共役ジエン系重合体のミクロ構造の選択性をより一層向上させることができる。
本発明の第1、第2、第3、第4の触媒調製方法において、前記式(II)中のR1、R2及びR3は、少なくとも1つが異なっていることが好ましい。この場合、調製される触媒の活性、特には、共役ジエンモノマーの重合反応に対する活性が高く、重合触媒として優れる。
本発明の第1、第2、第3、第4の触媒調製方法の他の好適例においては、前記アルミノキサン化合物(E)がMMAO又はTMAOである。この場合、調製される触媒の活性、特には、共役ジエンモノマーの重合反応に対する活性が高く、重合触媒として優れる。
また、本発明の触媒は、上記の触媒調製方法で調製されたことを特徴とする。本発明の触媒は、例えば、共役ジエンモノマーの重合反応に使用することで、生成する共役ジエン系重合体のミクロ構造の選択性を向上させることができる。
また、本発明の共役ジエン系重合体の製造方法は、上記の触媒の存在下で、共役ジエンモノマーを重合させて共役ジエン系重合体を製造する工程(c)を含むことを特徴とする。本発明の方法で製造される共役ジエン系重合体は、ミクロ構造の選択性が高く、特には、シス−1,4−結合含量が高い。
また、本発明の変性共役ジエン系重合体の製造方法は、上記の触媒の存在下で、共役ジエンモノマーを重合させて共役ジエン系重合体を製造する工程(c)と、
前記工程(c)で製造した共役ジエン系重合体を変性する工程(d)と、
を含むことを特徴とする。本発明の方法で製造される変性共役ジエン系重合体は、ミクロ構造選択性が高いこと、特には、シス−1,4−結合含量が高いことに加え、例えば、カーボンブラック、シリカ等のゴム用充填剤との親和性が高い。
本発明の共役ジエン系重合体の製造方法及び変性共役ジエン系重合体の製造方法の好適例においては、前記共役ジエンモノマーが、1,3−ブタジエン及びイソプレンからなる群から選択される少なくとも一種である。この場合、例えば、タイヤ用のゴム組成物に使用することで、タイヤの耐破壊特性、耐摩耗性、耐亀裂成長性等を向上させることができる。
本発明によれば、生成物のミクロ構造選択性を向上させることが可能な触媒とその調製方法を提供することができる。
また、本発明によれば、かかる触媒を用いた、ミクロ構造の選択性が高い、特には、シス−1,4−結合含量が高い共役ジエン系重合体及び変性共役ジエン系重合体の製造方法を提供することができる。
<触媒及び触媒調製方法>
以下に、本発明の触媒及び触媒調製方法を、その実施形態に基づき、詳細に説明する。
本発明の第1の触媒調製方法は、下記式(I):
M−(AQ1)(AQ2)(AQ3) ・・・ (I)
(式中、Mは、ランタノイド元素、スカンジウム、イットリウムからなる群から選択される少なくとも1種であり、AQ1、AQ2及びAQ3は、窒素、酸素及び硫黄から選択される少なくとも1種を含有する官能基、置換若しくは無置換シクロペンタジエニル基、置換若しくは無置換インデニル基、又は置換若しくは無置換フルオレニル基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、但し、少なくとも1つのM−N結合、M−O結合又はM−S結合を有する)で表される希土類元素化合物(A)、ハロゲン化合物(B)及び下記式(II):
YR1 a2 b3 c ・・・ (II)
(式中、Yは、周期律表の第1族、第2族、第12族及び第13族の元素からなる群から選択される金属元素であり、R1及びR2は炭素数1〜10の炭化水素基又は水素原子であり、R3は炭素数1〜10の炭化水素基であり、但し、R1、R2及びR3はそれぞれ互いに同一または異なっていてもよく、また、Yが第1族の金属元素である場合には、aは1であり且つb及びcは0であり、Yが第2族又は第12族の金属元素である場合には、a及びbは1であり且つcは0であり、Yが第13族の金属元素である場合には、a、b及びcは1である)で表される有機金属化合物(C)のみを反応させる工程(a)を含むことを特徴とし、
本発明の第2の触媒調製方法は、上述の第1の触媒調製方法の工程(a)と、前記工程(a)の後に、前記工程(a)で生成した反応物と、置換又は無置換シクロペンタジエン、インデン及びフルオレン化合物からなる群から選択される少なくとも一種の化合物(D)及び/又はアルミノキサン化合物(E)とを反応させる工程(b)とを含むことを特徴とし、
本発明の第3の触媒調製方法は、上述の第1の触媒調製方法の工程(a)と、前記工程(a)の後に、前記工程(a)で生成した反応物に、置換又は無置換シクロペンタジエン、インデン及びフルオレン化合物からなる群から選択される少なくとも一種の化合物(D)を加え、熟成させる工程(b1)と、前記工程(b1)の後に、前記工程(b1)で生成した熟成物に、アルミノキサン化合物(E)を加え、熟成させる工程(b2)とを含むことを特徴とし、
本発明の第4の触媒調製方法は、上述の第1の触媒調製方法の工程(a)と、前記工程(a)の後に、前記工程(a)で生成した反応物に、アルミノキサン化合物(E)を加え、熟成させる工程(b’1)と、前記工程(b’1)の後に、前記工程(b’1)で生成した熟成物に、置換又は無置換シクロペンタジエン、インデン及びフルオレン化合物からなる群から選択される少なくとも一種の化合物(D)を加え、熟成させる工程(b’2)とを含むことを特徴とする。
なお、本発明の第1、第2、第3、第4の触媒調製方法において、「前記希土類元素化合物(A)、前記ハロゲン化合物(B)及び前記有機金属化合物(C)のみを反応させる」とは、希土類元素化合物(A)と、ハロゲン化合物(B)と、有機金属化合物(C)と、任意の溶媒のみを混合することを意味する。ここで、本発明の触媒調製方法においては、溶媒を含まないことが好ましい。
本発明の第1、第2、第3、第4の触媒調製方法では、工程(a)で、希土類元素化合物(A)、ハロゲン化合物(B)及び式(II)の有機金属化合物(C)のみを反応させることで、例えば、共役ジエンモノマーの重合反応に使用することで、生成する共役ジエン系重合体のミクロ構造の選択性を向上させることが可能な触媒を調製することができる。
ここで、生成物のミクロ構造選択性を向上させる観点から、工程(a)での反応温度は、0℃〜100℃が好ましく、15℃〜50℃が更に好ましく、また、反応時間は、15分以上が好ましく、30分〜24時間が更に好ましい。工程(a)での反応温度が0℃以上であれば、十分に反応が進行し、一方、反応温度が100℃以下であれば、触媒活性も十分に高い。また、工程(a)での反応時間が15分以上であれば、十分に反応が進行し、所望の反応混合物が得られ、一方、反応時間が24時間を超えても、反応による効果が向上しない。
なお、本発明の第1の触媒調製方法は、上記工程(a)を含むことを特徴とするが、更に、他の工程を含んでもよく、本発明の第1の触媒調製方法で得られる触媒としては、希土類元素化合物(A)、ハロゲン化合物(B)及び式(II)の有機金属化合物(C)の反応生成物(即ち、工程(a)の反応生成物)、該反応生成物に他の成分を添加した組成物等が挙げられる。
また、本発明の第2の触媒調製方法では、工程(b)において、工程(a)で生成した反応物と、置換又は無置換シクロペンタジエン、インデン及びフルオレン化合物からなる群から選択される少なくとも一種の化合物(D)及び/又はアルミノキサン化合物(E)とを反応させることで、例えば、共役ジエンモノマーの重合反応に使用することで、生成する共役ジエン系重合体のミクロ構造の選択性を更に向上させることが可能な触媒を調製することができる。
ここで、生成物のミクロ構造選択性を向上させる観点から、工程(b)での反応温度は、0℃〜100℃である必要があり、15℃〜50℃が好ましく、また、反応時間は、15分以上の必要があり、30分〜24時間が好ましい。工程(b)での反応温度が0℃未満では、十分に反応が進行せず、一方、反応温度が100℃を超えると、触媒活性が悪化する。また、工程(b)での反応時間が15分未満では、十分に反応が進行せず、所望の反応混合物が得られないことがあり、一方、反応時間が24時間を超えても、反応による効果が向上しない。
なお、本発明の第2の触媒調製方法は、上記工程(a)と、上記工程(b)とを含むことを特徴とするが、更に、他の工程を含んでもよく、本発明の第2の触媒調製方法で得られる触媒としては、希土類元素化合物(A)、ハロゲン化合物(B)及び式(II)の有機金属化合物(C)の反応生成物(即ち、工程(a)の反応生成物)と、前記化合物(D)及び/又はアルミノキサン化合物(E)との反応生成物(即ち、工程(b)の反応生成物)、該反応生成物に他の成分を添加した組成物等が挙げられる。
また、本発明の第3の触媒調製方法では、工程(b1)において、工程(a)で生成した反応物に、置換又は無置換シクロペンタジエン、インデン及びフルオレン化合物からなる群から選択される少なくとも一種の化合物(D)を加え、熟成させ、更に、工程(b2)において、工程(b1)で生成した熟成物に、アルミノキサン化合物(E)を加え、熟成させることで、例えば、共役ジエンモノマーの重合反応に使用することで、生成する共役ジエン系重合体のミクロ構造の選択性をより一層向上させることが可能な触媒を調製することができる。
ここで、生成物のミクロ構造選択性を向上させる観点から、工程(b1)での熟成温度は、0℃〜100℃である必要があり、15℃〜50℃が好ましく、また、熟成時間は、15分以上の必要があり、30分〜24時間が好ましい。工程(b1)での熟成温度が0℃未満では、十分に熟成が進行せず、一方、熟成温度が100℃を超えると、触媒活性が悪化する。また、工程(b1)での熟成時間が15分未満では、十分に熟成が進行せず、所望の熟成物が得られないことがあり、一方、熟成時間が24時間を超えても、熟成による効果が向上しない。
また、生成物のミクロ構造選択性を向上させる観点から、工程(b2)での熟成温度は、0℃〜100℃である必要があり、15℃〜50℃が好ましく、また、熟成時間は、15分以上の必要があり、30分〜24時間が好ましい。工程(b2)での熟成温度が0℃未満では、十分に熟成が進行せず、一方、熟成温度が100℃を超えると、触媒活性が悪化する。また、工程(b2)での熟成時間が15分未満では、十分に熟成が進行せず、所望の熟成物が得られないことがあり、一方、熟成時間が24時間を超えても、熟成による効果が向上しない。
なお、本発明の第3の触媒調製方法は、上記工程(a)と、上記工程(b1)と、上記工程(b2)とを含むことを特徴とするが、更に、他の工程を含んでもよく、本発明の第3の触媒調製方法で得られる触媒としては、希土類元素化合物(A)、ハロゲン化合物(B)及び式(II)の有機金属化合物(C)の反応生成物(即ち、工程(a)の反応生成物)に、前記化合物(D)を加え、熟成させた熟成物(即ち、工程(b1)の生成物)に、更にアルミノキサン化合物(E)を加え、熟成させた熟成物(即ち、工程(b2)の生成物)、該熟成物に他の成分を添加した組成物等が挙げられる。
また、本発明の第4の触媒調製方法では、工程(b’1)において、工程(a)で生成した反応物に、アルミノキサン化合物(E)を加え、熟成させ、更に、工程(b’2)において、工程(b’1)で生成した熟成物に、置換又は無置換シクロペンタジエン、インデン及びフルオレン化合物からなる群から選択される少なくとも一種の化合物(D)を加え、熟成させることで、例えば、共役ジエンモノマーの重合反応に使用することで、生成する共役ジエン系重合体のミクロ構造の選択性をより一層向上させることが可能な触媒を調製することができる。
ここで、生成物のミクロ構造選択性を向上させる観点から、工程(b’1)での熟成温度は、0℃〜100℃である必要があり、15℃〜50℃が好ましく、また、熟成時間は、15分以上の必要があり、30分〜24時間が好ましい。工程(b’1)での熟成温度が0℃未満では、十分に熟成が進行せず、一方、熟成温度が100℃を超えると、触媒活性が悪化する。また、工程(b’1)での熟成時間が15分未満では、十分に熟成が進行せず、所望の熟成物が得られないことがあり、一方、熟成時間が24時間を超えても、熟成による効果が向上しない。
また、生成物のミクロ構造選択性を向上させる観点から、工程(b’2)での熟成温度は、0℃〜100℃である必要があり、15℃〜50℃が好ましく、また、熟成時間は、15分以上の必要があり、30分〜24時間が好ましい。工程(b’2)での熟成温度が0℃未満では、十分に熟成が進行せず、一方、熟成温度が100℃を超えると、触媒活性が悪化する。また、工程(b’2)での熟成時間が15分未満では、十分に熟成が進行せず、所望の熟成物が得られないことがあり、一方、熟成時間が24時間を超えても、熟成による効果が向上しない。
なお、本発明の第4の触媒調製方法は、上記工程(a)と、上記工程(b’1)と、上記工程(b’2)とを含むことを特徴とするが、更に、他の工程を含んでもよく、本発明の第3の触媒調製方法で得られる触媒としては、希土類元素化合物(A)、ハロゲン化合物(B)及び式(II)の有機金属化合物(C)の反応生成物(即ち、工程(a)の反応生成物)に、アルミノキサン化合物(E)を加え、熟成させた熟成物(即ち、工程(b’1)の生成物)に、更に前記化合物(D)を加え、熟成させた熟成物(即ち、工程(b’2)の生成物)、該熟成物に他の成分を添加した組成物等が挙げられる。
前述の希土類元素化合物(A)は、下記式(I):
M−(AQ1)(AQ2)(AQ3) ・・・ (I)
(式中、Mは、ランタノイド元素、スカンジウム、イットリウムからなる群から選択される少なくとも1種であり、AQ1、AQ2及びAQ3は、窒素、酸素及び硫黄から選択される少なくとも1種を含有する官能基、置換若しくは無置換シクロペンタジエニル基、置換若しくは無置換インデニル基、又は置換若しくは無置換フルオレニル基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよい)で表される化合物であり、但し、少なくとも1つのM−N結合、M−O結合又はM−S結合を有する。
なお、Mに関して、ランタノイド元素とは、原子番号57〜71の元素であり、具体的には、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミニウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウムである。
また、AQ1、AQ2及びAQ3に関して、窒素を含有する官能基としては、アミド基等が挙げられる。ここで、アミド基としては、例えば、ジメチルアミド基、ジエチルアミド基、ジイソプロピルアミド基等の脂肪族アミド基;フェニルアミド基、2,6−ジ−tert−ブチルフェニルアミド基、2,6−ジイソプロピルフェニルアミド基、2,6−ジネオペンチルフェニルアミド基、2−tert−ブチル−6−イソプロピルフェニルアミド基、2−tert−ブチル−6−ネオペンチルフェニルアミド基、2−イソプロピル−6−ネオペンチルフェニルアミド基、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェニルアミド基等のアリールアミド基;ビストリメチルシリルアミド基等のビストリアルキルシリルアミド基が挙げられ、特に、脂肪族炭化水素に対する溶解性の観点から、ビストリメチルシリルアミド基が好ましい。
また、AQ1、AQ2及びAQ3に関して、酸素を含有する官能基としては、RO−で表わされる基、R−CO2−で表わされる基、(R−C(=O)−)2CH−で表わされる基等が挙げられ、硫黄を含有する官能基としては、RS−で表わされる基、R−CS2−で表わされる基、(R−C(=S)−)2CH−で表わされる基等が挙げられる。ここで、Rは、アルキル基、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基を示し、それぞれ同一であっても、異なっていてもよい。
また、AQ1、AQ2及びAQ3に関して、置換シクロペンタジエニル基としては、C55-xR’xで表わされる基が挙げられ、ここで、Xは0〜5の整数である。また、R’はそれぞれ独立してヒドロカルビル基又はメタロイド基であることが好ましい。ヒドロカルビル基の炭素数は1〜20であることが好ましく、1〜10であることが更に好ましく、1〜8であることが一層好ましい。該ヒドロカルビル基として、具体的には、メチル基、エチル基、フェニル基、ベンジル基等が好適に挙げられる。一方、メタロイド基のメタロイドの例としては、ゲルミルGe、スタニルSn、シリルSiが挙げられ、また、メタロイド基はヒドロカルビル基を有することが好ましく、メタロイド基が有するヒドロカルビル基は上記のヒドロカルビル基と同様である。該メタロイド基として、具体的には、トリメチルシリル基等が挙げられる。
また、AQ1、AQ2及びAQ3に関して、置換インデニル基としては、C97-XR’X又はC911-XR’Xで表わされる基が挙げられ、ここで、Xは0〜7又は0〜11の整数である。また、R’はそれぞれ独立してヒドロカルビル基又はメタロイド基であることが好ましい。ヒドロカルビル基の炭素数は1〜20であることが好ましく、1〜10であることが更に好ましく、1〜8であることがより一層好ましい。該ヒドロカルビル基として、具体的には、メチル基、エチル基、フェニル基、ベンジル基等が好適に挙げられる。一方、メタロイド基のメタロイドの例としては、ゲルミルGe、スタニルSn、シリルSiが挙げられ、また、メタロイド基はヒドロカルビル基を有することが好ましく、メタロイド基が有するヒドロカルビル基は上記のヒドロカルビル基と同様である。該メタロイド基として、具体的には、トリメチルシリル基等が挙げられる。置換インデニル基として、具体的には、2−フェニルインデニル基、2−メチルインデニル基等が挙げられる。
また、AQ1、AQ2及びAQ3に関して、置換フルオレニル基としては、C139-xR’x又はC1317-xR’xで表わされる基が挙げられ、ここで、Xは0〜9又は0〜17の整数である。また、R’はそれぞれ独立してヒドロカルビル基又はメタロイド基であることが好ましい。ヒドロカルビル基の炭素数は1〜20であることが好ましく、1〜10であることが更に好ましく、1〜8であることが一層好ましい。該ヒドロカルビル基として、具体的には、メチル基、エチル基、フェニル基、ベンジル基等が好適に挙げられる。一方、メタロイド基のメタロイドの例としては、ゲルミルGe、スタニルSn、シリルSiが挙げられ、また、メタロイド基はヒドロカルビル基を有することが好ましく、メタロイド基が有するヒドロカルビル基は上記のヒドロカルビル基と同様である。該メタロイド基として、具体的には、トリメチルシリル基等が挙げられる。
前記希土類元素化合物(A)は、希土類元素と炭素との結合を有さないことが好ましい。希土類元素化合物(A)が希土類元素−炭素結合を有さない場合、反応物が安定であり、取り扱いが容易である。
なお、前記希土類元素化合物(A)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記前記希土類元素化合物(A)は、下記式(I'):
M−(NQ1)(NQ2)(NQ3) ・・・ (I')
(式中、Mは、スカンジウム、イットリウム、ランタノイド元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素を表し;NQ1、NQ2及びNQ3は、アミド基を表し、それぞれ同一であっても異なっていてもよく;3つのM−N結合を有する)で表される化合物であることが好ましい。
上記構成によれば、前記希土類元素化合物(A)を3つのM−N結合を有する化合物とすることができ、各結合が化学的に等価となり、化合物の構造が安定となるため、取り扱いが容易となる。
また、上記構成とすれば、重合反応系における触媒活性を更に向上させることができる。そのため、反応時間を更に短くし、反応温度を更に高くすることができる。
上記式(I')中のMとしては、特に、触媒活性及び反応制御性を高める観点から、ガドリニウムが好ましい。
また、上記式(I')において、NQ1、NQ2及びNQ3で表されるアミド基としては、例えば、ジメチルアミド基、ジエチルアミド基、ジイソプロピルアミド基等の脂肪族アミド基;フェニルアミド基、2,6−ジ−tert−ブチルフェニルアミド基、2,6−ジイソプロピルフェニルアミド基、2,6−ジネオペンチルフェニルアミド基、2−tert−ブチル−6−イソプロピルフェニルアミド基、2−tert−ブチル−6−ネオペンチルフェニルアミド基、2−イソプロピル−6−ネオペンチルフェニルアミド基、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェニルアミド基等のアリールアミド基;ビストリメチルシリルアミド基等のビストリアルキルシリルアミド基が挙げられ、特に、脂肪族炭化水素に対する溶解性の観点から、ビストリメチルシリルアミド基が好ましい。上記アミド基は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前述のハロゲン化合物(B)は、ルイス酸であるハロゲン含有化合物(B1)、金属ハロゲン化物とルイス塩基との錯化合物(B2)、及び活性ハロゲンを含む有機化合物(B3)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
これらの化合物は、前記希土類元素化合物(A)と反応して、カチオン性遷移金属化合物、ハロゲン化遷移金属化合物、及び/又は遷移金属中心において電子が不足した状態の遷移金属化合物を生成する。
ハロゲン化合物(B)を用いることによって、共役ジエン系重合体のシス−1,4−結合含量を向上させることができる。
前記ルイス酸であるハロゲン含有化合物(B1)としては、例えば、第3族、第4族、第5族、第6族、第8族、第13族、第14族又は第15族の元素を含むハロゲン含有化合物等が挙げられ、特に、アルミニウムのハロゲン化物又は有機金属のハロゲン化物が好ましい。
前記ルイス酸であるハロゲン含有化合物(B1)としては、例えば、四塩化チタン、六塩化タングステン、トリ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、メチルアルミニウムジブロマイド、メチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジブロマイド、エチルアルミニウムジクロライド、ブチルアルミニウムジブロマイド、ブチルアルミニウムジクロライド、ジメチルアルミニウムブロマイド、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムブロマイド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジブチルアルミニウムブロマイド、ジブチルアルミニウムクロライド、メチルアルミニウムセスキブロマイド、メチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムセスキブロマイド、エチルアルミニウムセスキクロライド、アルミニウムトリブロマイド、トリ(ペンタフルオロフェニル)アルミニウム、ジブチル錫ジクロライド、四塩化錫、三塩化リン、五塩化リン、三塩化アンチモン、五塩化アンチモン等が挙げられ、特に、エチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジブロマイド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムブロマイド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムセスキブロマイドが好ましい。
また、ハロゲンとしては、塩素又は臭素が好ましい。
上記ルイス酸であるハロゲン含有化合物(B1)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記金属ハロゲン化物とルイス塩基との錯化合物(B2)に用いられる金属ハロゲン化物としては、例えば、塩化ベリリウム、臭化ベリリウム、ヨウ化ベリリウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、塩化カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム、塩化バリウム、臭化バリウム、ヨウ化バリウム、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、塩化カドミウム、臭化カドミウム、ヨウ化カドミウム、塩化水銀、臭化水銀、ヨウ化水銀、塩化マンガン、臭化マンガン、ヨウ化マンガン、塩化レニウム、臭化レニウム、ヨウ化レニウム、塩化銅、ヨウ化銅、塩化銀、臭化銀、ヨウ化銀、塩化金、ヨウ化金、臭化金等が挙げられ、これらの中でも、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化バリウム、塩化亜鉛、塩化マンガン、塩化銅が好ましく、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化マンガン、塩化銅が特に好ましい。
また、前記金属ハロゲン化物とルイス塩基との錯化合物(B2)に用いられるルイス塩基としては、リン化合物、カルボニル化合物、窒素化合物、エーテル化合物、アルコールが好ましい。例えば、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジエチルホスフィノエタン、ジフェニルホスフィノエタン、アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、プロピオニトリルアセトン、バレリルアセトン、エチルアセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸フェニル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジフェニル、酢酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸、ステアリン酸、安息香酸、ナフテン酸、バーサチック酸、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、ジフェニルエーテル、2−エチルヘキシルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、フェノール、ベンジルアルコール、1−デカノール、ラウリルアルコール等が挙げられ、特に、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリクレジル、アセチルアセトン、2−エチルヘキサン酸、バーサチック酸、2−エチルヘキシルアルコール、1−デカノール、ラウリルアルコールが好ましい。
上記ルイス塩基のモル数は、上記金属ハロゲン化物1mol当たり、0.01〜30mol、好ましくは0.5〜10molの割合で反応させる。このルイス塩基との反応物を使用すると、ポリマー中に残存する金属を低減することができる。
前記活性ハロゲンを含む有機化合物(B3)成分としては、例えば、ベンジルクロライド等が挙げられる。
前記ハロゲン化合物(B)の使用量は、触媒活性を向上させる観点から、前記希土類元素化合物(A)1molに対して、0mol超であることが好ましく、0.5mol以上であることが更に好ましく、1.0mol以上であることが特に好ましく、また、当該ハロゲン化合物(B)の溶解性を保持し、触媒活性の低下を抑制する観点から、前記希土類元素化合物(A)1molに対して、20mol以下であることが好ましく、10mol以下であることが更に好ましい。ハロゲン化合物(B)の使用量が上記範囲であれば、共役ジエン系重合体のシス−1,4−結合含量を向上させる効果を高めることができる。
前述の有機金属化合物(C)は、下記式(II):
YR1 a2 b3 c ・・・ (II)
(式中、Yは、周期律表の第1族、第2族、第12族及び第13族の元素からなる群から選択される金属元素であり、R1及びR2は炭素数1〜10の炭化水素基又は水素原子であり、R3は炭素数1〜10の炭化水素基であり、但し、R1、R2及びR3はそれぞれ互いに同一または異なっていてもよく、また、Yが第1族の金属元素である場合には、aは1であり且つb及びcは0であり、Yが第2族又は第12族の金属元素である場合には、a及びbは1であり且つcは0であり、Yが第13族の金属元素である場合には、a、b及びcは1である)で表される化合物である。
ここで、触媒活性を高める観点から、式(II)において、R1、R2及びR3は、少なくとも1つが異なっていることが好ましい。
前記有機金属化合物(C)は、下記式(III):
AlR456 ・・・ (III)
(式中、R4及びR5は、炭素数1〜10の炭化水素基又は水素原子であり、R6は、炭素数1〜10の炭化水素基であり、R4、R5及びR6は、同一であっても異なっていてもよい)で表される有機アルミニウム化合物であることが好ましい。
上記有機アルミニウム化合物としては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−t−ブチルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリシクロヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム;水素化ジエチルアルミニウム、水素化ジ−n−プロピルアルミニウム、水素化ジ−n−ブチルアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化ジヘキシルアルミニウム、水素化ジイソヘキシルアルミニウム、水素化ジオクチルアルミニウム、水素化ジイソオクチルアルミニウム;エチルアルミニウムジハイドライド、n−プロピルアルミニウムジハイドライド、イソブチルアルミニウムジハイドライド等が挙げられ、これらの中でも、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、水素化ジエチルアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウムが好ましく、水素化ジイソブチルアルミニウムが特に好ましい。
上記有機アルミニウム化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記有機金属化合物(C)の使用量は、反応系における触媒活性を向上させる観点から、前記希土類元素化合物(A)1molに対して、1mol以上であることが好ましく、5mol以上であることが更に好ましく、また、反応系における触媒活性の低下を抑制する観点から、前記希土類元素化合物(A)1molに対して、50mol以下であることが好ましく、30mol以下であることが更に好ましく、具体的には、約10molであることが好ましい。
前述の化合物(D)は、置換又は無置換シクロペンタジエン、インデン及びフルオレン、即ち、シクロペンタジエン、置換シクロペンタジエン化合物、インデン、置換インデン化合物、フルオレン、置換フルオレン化合物からなる群から選択される。
ここで、置換シクロペンタジエン化合物、置換インデン化合物、置換フルオレン化合物の置換基としては、ヒドロカルビル基、メタロイド基が挙げられ、ヒドロカルビル基の炭素数は1〜20であることが好ましく、1〜10であることが更に好ましく、1〜8であることがより一層好ましい。該ヒドロカルビル基として、具体的には、メチル基、エチル基、フェニル基、ベンジル基等が好適に挙げられる。一方、メタロイド基のメタロイドの例としては、ゲルミルGe、スタニルSn、シリルSiが挙げられ、また、メタロイド基はヒドロカルビル基を有することが好ましく、メタロイド基が有するヒドロカルビル基は上記のヒドロカルビル基と同様である。該メタロイド基として、具体的には、トリメチルシリル基等が挙げられる。
前記シクロペンタジエン、置換シクロペンタジエン化合物は、シクロペンタジエニル基を有する。ここで、置換シクロペンタジエン化合物としては、例えば、テトラメチルシクロペンタジエン、ペンタメチルシクロペンタジエン等が挙げられる。
また、前記インデン及び置換インデン化合物は、インデニル基を有する。ここで、置換インデン化合物としては、例えば、2−フェニル−1H−インデン、3−ベンジル−1H−インデン、3−メチル−2−フェニル−1H−インデン、3−ベンジル−2−フェニル−1H−インデン、1−ベンジル−1H−インデン等が挙げられ、特に、分子量分布を小さくする観点から、3−ベンジル−1H−インデン、1−ベンジル−1H−インデンが好ましい。
また、前記フルオレン及び置換フルオレン化合物は、フルオレニル基を有する。ここで、置換フルオレン化合物としては、トリメチルシリルフルオレン、9−メチル−9H−フルオレン等が挙げられる。
上記構成によれば、前記化合物(D)が具える共役電子を増加させることができ、重合反応系における触媒活性を更に向上させることができる。そのため、反応時間を更に短くし、反応温度を更に高くすることができる。
前記化合物(D)の使用量は、触媒活性を十分に得る観点から、前記希土類元素化合物(A)1molに対して、0mol超であることが好ましく、0.5mol以上であることが更に好ましく、1mol以上であることが特に好ましく、また、触媒活性の低下を抑制する観点から、前記希土類元素化合物(A)1molに対して、3mol以下であることが好ましく、2.5mol以下であることが更に好ましく、2.2mol以下であることが特に好ましい。
前述のアルミノキサン化合物(E)は、有機アルミニウム化合物と縮合剤とを接触させることによって得られる化合物である。
アルミノキサン化合物(E)を用いることによって、重合反応系における触媒活性を更に向上させることができる。そのため、反応時間を更に短くし、反応温度を更に高くすることができる。
ここで、有機アルミニウム化合物としては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、及びその混合物等が挙げられ、特に、トリメチルアルミニウム、トリメチルアルミニウムとトリブチルアルミニウムとの混合物が好ましい。
一方、縮合剤としては、例えば、水等が挙げられる。
前記アルミノキサン化合物(E)としては、例えば、下記式(IV):
−(Al(R7)O)n− ・・・ (IV)
(式中、R7は、炭素数1〜10の炭化水素基であり、ここで、炭化水素基の一部はハロゲン及び/又はアルコキシ基で置換されてもよく;R7は、繰り返し単位間で同一であっても異なっていてもよく;nは5以上である)で表されるアルミノキサンを挙げることができる。
上記アルミノキサンの分子構造は、直鎖状であっても環状であってもよい。
上記式(IV)中のnは、10以上であることが好ましい。
また、上記式(IV)中のR7に関して、炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソブチル基等が挙げられ、特に、メチル基が好ましい。該炭化水素基は、1種でもよいし、2種以上を組み合わせでもよい。式(IV)中のR7に関して、炭化水素基としては、メチル基とイソブチル基との組み合わせが好ましい。
上記アルミノキサンは、脂肪族炭化水素に高い溶解性を有することが好ましく、芳香族炭化水素に低い溶解性を有することが好ましい。例えば、ヘキサン溶液として市販されているアルミノキサンが好ましい。
ここで、脂肪族炭化水素とは、ヘキサン、シクロヘキサン等が挙げられる。
前記アルミノキサン化合物(E)は、特に、下記式(V):
−(Al(CH3x(i−C49yO)m− ・・・ (V)
(式中、x+yは1であり;mは5以上である)で表される修飾アルミノキサン(以下、「TMAO」ともいう)としてもよい。TMAOとしては、例えば、東ソー・ファインケミカル社製の製品名「TMAO341」が挙げられる。
また、前記アルミノキサン化合物(E)は、特に、下記式(VI):
−(Al(CH30.7(i−C490.3O)k− ・・・ (VI)
(式中、kは5以上である)で表される修飾アルミノキサン(以下、「MMAO」ともいう)としてもよい。MMAOとしては、例えば、東ソー・ファインケミカル社製の製品名「MMAO−3A」が挙げられる。
更に、前記アルミノキサン化合物(E)は、特に、下記式(VII):
−[(CH3)AlO]i− ・・・ (VII)
(式中、iは5以上である)で表される修飾アルミノキサン(以下、「PMAO」ともいう)としてもよい。PMAOとしては、例えば、東ソー・ファインケミカル社製の製品名「TMAO−211」が挙げられる。
前記アルミノキサン化合物(E)は、触媒活性を向上させる効果を高める観点から、上記MMAO、TMAO、PMAOのうち、MMAO又はTMAOであることが好ましく、特に、触媒活性を向上させる効果を更に高める観点から、TMAOであることが更に好ましい。
前記アルミノキサン化合物(E)は、反応系における触媒活性を向上させる観点から、前記希土類元素化合物(A)1molに対して、当該アルミノキサン化合物(E)中のアルミニウムが10mol以上となるように使用されることが好ましく、100mol以上となるように使用されることが更に好ましく、また、反応系における触媒活性の低下を抑制する観点から、前記希土類元素化合物(A)1molに対して、当該アルミノキサン化合物(E)中のアルミニウムが1000mol以下となるように使用されることが好ましく、800mol以下となるように使用されることが更に好ましい。
なお、本発明の方法で調製される触媒は、非配位性アニオン(例えば、4価のホウ素アニオン等)とカチオン(例えば、カルボニウムカチオン、オキソニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプタトリエニルカチオン、遷移金属を有するフェロセニウムカチオン等)とからなるイオン性化合物を含まないことが好ましい。ここで、イオン性化合物は、芳香族炭化水素に高い溶解性を有し、炭化水素に低い溶解性を有する。そのため、イオン性化合物を含まない触媒とすれば、環境負荷及び製造コストを更に低減させつつ、共役ジエン系重合体を製造することができる。
なお、「イオン性化合物を含まない」とは、触媒に含まれるイオン性化合物の割合が0.01重量%未満であることを指す。
<共役ジエン系重合体の製造方法>
本発明の共役ジエン系重合体の製造方法は、上述した方法で調製されたの触媒の存在下で、共役ジエンモノマーを重合させて共役ジエン系重合体を製造する工程(c)を含むことを特徴とする。
具体的には、一例の製造方法は、共役ジエンモノマーを準備する、モノマー準備工程と、上述の触媒を調製する、触媒調製工程と、前記共役ジエンモノマーと前記触媒とを混合して、共役ジエンモノマーを重合させる、重合反応工程と、を含む。
なお、本発明の共役ジエン系重合体の製造方法は、上記一例の製造方法に限定されることはない。
前記共役ジエンモノマーとしては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられ、特に、ゴム組成物やタイヤ等の諸性能を向上させる観点から、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。これら共役ジエンモノマーは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。即ち、前記共役ジエン系重合体は、共役ジエンモノマーの単独重合体であっても、共重合体であってもよい。
特に、共役ジエンモノマーとして、イソプレンと1,3−ブタジエンとを用いる場合、イソプレンの1,3−ブタジエンに対する割合は、反応系における触媒活性を向上させる観点、及び、分子量分布を小さくする観点から、1以上であることが好ましく、3以上であることが更に好ましく、7以上であることが特に好ましい。
上記各工程において用いられる試薬は、無溶媒で又はそれぞれの試薬に適当な溶媒と共に用いてよい。
上記各工程では、試薬及び溶媒は、蒸留、脱気、凍結乾燥等の精製操作を適宜行った後に用いることが好ましい。
また、上記各工程、特に、触媒調製工程及び重合反応工程は、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下において行われることが好ましい。
ここで、前記触媒の使用量は、当該触媒に含まれる前記希土類元素化合物(A)の量を基準として定めることが好ましく、使用する触媒中の前記希土類元素化合物(A)のモル量としては、触媒活性を十分に得る観点から、前記共役ジエンモノマー100gに対して0.01mmol以上であることが好ましく、0.03mmol以上であることが更に好ましく、また、触媒の過剰を防ぐ観点から、0.5mmol以下であることが好ましく、0.05mmol以下であることが更に好ましい。なお、触媒中の他の成分は、希土類元素化合物(A)の量を基準として、上述の量で使用することが好ましい。
溶媒は、重合反応において不活性である限り特に限定されることなく、あらゆるものとしてよく、例えば、n−ヘキサン、シクロヘキサン、又はこれらの混合物等が挙げられる。ここで、本発明においては、強い毒性を有する芳香族炭化水素(ベンゼン、トルエン、キシレン等)は必要とされない。
上記重合反応工程では、溶液重合法、懸濁重合法、液相塊状重合法、乳化重合法、気相重合法、固相重合法等の当該技術分野における周知の方法を用いることができる。
反応温度は、特に限定されることなく、例えば、−100〜300℃とすることができ、0〜200℃とすることが好ましく、25〜120℃とすることが更に好ましい。高温では、ミクロ構造の選択性、特には、シス−1,4−結合選択性が低下する虞があり、低温では、反応速度が低下する虞がある。
反応圧力は、特に限定されることなく、例えば、常圧とすることができる。なお、高圧では、共役ジエンモノマーが十分に重合反応系中に取り込まれない虞があり、低圧では、反応速度が低下する虞がある。
反応時間は、特に限定されることなく、例えば、0.5〜3時間とすることができる。
本発明の方法で製造される共役ジエン系重合体は、ミクロ構造の選択性が高く、該共役ジエン系重合体のシス−1,4−結合含量は、95%以上であり、97%以上であることが好ましく、98%以上であることが更に好ましい。より高い値であるほど、共役ジエン系重合体の伸長結晶性を高めることができ、共役ジエン系重合体の弾性を高めることができる。
本発明の共役ジエン系重合体によれば、95%以上という極めて高いシス−1,4−結合含量を有するため、弾性に富む共役ジエン系重合体を提供することができ、ゴム組成物においてゴム成分として用いることができる。
前記共役ジエン系重合体のトランス−1,4−結合含量は、5%未満であることが好ましく、3%未満であることが更に好ましく、1%未満であることが特に好ましい。トランス−1,4−結合含量がより低い値であるほど、共役ジエン系重合体の伸長結晶性を高めることができ、共役ジエン系重合体の弾性を高めることができる。
前記共役ジエン系重合体の1,2−ビニル結合含量は、5%以下であることが好ましく、3%以下であることが好ましく、1%以下であることが特に好ましい。1,2−ビニル結合含量がより低い値であるほど、共役ジエン系重合体の伸長結晶性を高めることができ、共役ジエン系重合体の弾性を高めることができる。
前記共役ジエン系重合体の3,4−ビニル結合含量は、5%以下であることが好ましく、3%以下であることが好ましく、1%以下であることが特に好ましい。3,4−ビニル結合含量がより低い値であるほど、共役ジエン系重合体の伸長結晶性を高めることができ、共役ジエン系重合体の弾性を高めることができる。
前記共役ジエン系重合体の数平均分子量(Mn)は、40万以上であることが好ましく、50万以上であることが更に好ましい。
また、前記共役ジエン系重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、3以下であることが好ましく、2以下であることが更に好ましい。
そして、前記共役ジエン系重合体としては、例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリペンタジエン、ポリジメチルブタジエン、ポリヘキサジエン等が挙げられ、特に、ゴム組成物やタイヤ等の諸性能を向上させる観点から、ポリブタジエン、ポリイソプレンが好ましい。
<変性共役ジエン系重合体の製造方法>
本発明の変性共役ジエン系重合体の製造方法は、上述した方法で調製されたの触媒の存在下で、共役ジエンモノマーを重合させて共役ジエン系重合体を製造する工程(c)と、前記工程(c)で製造した共役ジエン系重合体を変性する工程(d)と、を含むことを特徴とする。ここで、工程(c)は、前述の共役ジエン系重合体の製造方法と同様である。
前記工程(d)においては、変性剤を用いて、工程(c)で製造した共役ジエン系重合体を変性することが好ましい。ここで、変性剤としては、特に制限はなく、例えば、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン(1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン)、N−メチルピロリドン、4−ジメチルアミノベンジリデンアニリン、4,4’−ビス(N,N−ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(N,N−ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4−(N,N−ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、[4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]メチルエチルケトン、4,4’−ビス(1−ヘキサメチレンイミノメチル)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(1−ピロリジノメチル)ベンゾフェノン、4−(1−ヘキサメチレンイミノメチル)ベンゾフェノン、4−(1−ピロリジノメチル)ベンゾフェノン、[4−(1−ヘキサメチレンイミノ)フェニル]メチルエチルケトン等の窒素含有化合物や、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール、3−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリルプロピルコハク酸無水物等のケイ素含有化合物が挙げられる。
上記変性剤による変性反応は、溶液反応で行うのが好ましく、該溶液中には、重合時に使用したモノマーが含まれていてもよい。また、変性反応の反応形式は特に制限されず、バッチ式でも連続式でもよい。更に、変性反応の反応温度は、反応が進行する限り特に限定されず、重合反応の反応温度をそのまま採用してもよい。なお、変性剤の使用量は、共役ジエン系重合体の製造に使用した触媒1molに対して、0.25〜3.0molの範囲が好ましく、0.5〜1.5molの範囲が更に好ましい。
前記変性共役ジエン系重合体は、前述の共役ジエン系重合体よりも、例えば、タイヤ用ゴム組成物に配合されるカーボンブラック、シリカ等の充填剤との親和性が高く、該充填剤の分散性を向上させることができる。
<用途>
上述した方法で製造された共役ジエン系重合体及び変性共役ジエン系重合体は、例えば、ゴム組成物に使用することができる。該ゴム組成物は、更に、共役ジエン系重合体及び変性共役ジエン系重合体以外のゴム成分も含んでよく、また、充填剤、老化防止剤、軟化剤、ステアリン酸、亜鉛華、加硫促進剤、加硫剤、オイル等を更に含んでよい。
また、前記ゴム組成物は、タイヤをはじめ、履き物、ベルト、床材等の各種ゴム製品に使用できる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。なお、各種の測定及び評価は、下記の方法に基づいて行った。
<ミクロ構造(シス−1,4−結合含量)の分析>
得られた各重合体について、NMR(Bruker社製、AVANCE 600)を用いてNMRスペクトルを得た。1H−NMR及び13C−NMRの測定により得られたピーク[1H−NMR:δ 4.6−4.8(3,4−ビニルユニットの=CH2)、5.0−5.2(1,4−ユニットの−CH=)、13C−NMR:δ 23.4(1,4−シスユニット)、15.9(1,4−トランスユニット)、18.6(3,4−ユニット)]の積分比から、シス−1,4−結合含量(%)を算出した。
<数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)の分析>
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)[GPC装置:東ソー社製、HLC−8220GPC;カラム:東ソー社製、TSKgel GMHXL−2本;検出器:示差屈折率計(RI)]により、単分散ポリスチレンを基準として、得られた各重合体のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)を算出した。なお、測定温度は40℃とし、溶出溶媒をTHFとした。
(実施例1)
十分に乾燥させたステンレス製の2Lの反応器に、1,3−ブタジエン70gを含むヘキサン溶液300mLを加えた。
一方、窒素雰囲気下のグローブボックス中で、ガラス製容器に、ビス(2−フェニルインデニル)ガドリニウムビス(ジメチルシリルアミド)[(2−PhC962GdN(SiHMe22][(A)成分]200μmolと、ジエチルアルミニウムクロライド[(B)成分]400μmolと、水素化ジイソブチルアルミニウム[(C)成分]20mmolとを加えた後、25℃で2時間反応させて、重合触媒組成物とした。
その後、重合触媒組成物をグローブボックスから取り出し、1,3−ブタジエンを含む2Lの反応器に加えた。この反応系を50℃で150分間維持し、1,3−ブタジエンの重合反応を行った。その後、2,2’−メチレン−ビス(6−t−ブチル−4−エチルフェノール)(大内新興化学工業社製、製品名:ノクラック NS−5)のイソプロパノール溶液(5質量%)5mLを、反応系に加えることによって、重合反応を停止させた。更に、反応器に大量のメタノールを加えることによって、反応生成物を沈殿・分離し、更に60℃で真空乾燥させて、重合体1を得た(収量:50g)。
(実施例2)
窒素雰囲気下のグローブボックス中で、ガラス製容器に、トリスビストリメチルシリルアミドガドリニウム{Gd[N(SiMe323}[(A)成分]200μmolと、ジエチルアルミニウムクロライド[(B)成分]400μmolと、水素化ジイソブチルアルミニウム[(C)成分]20mmolとを加えた後、25℃で2時間反応させた。
得られた反応混合物に、1−ベンジル−1H−インデン[(D)成分]400μmolを加え、25℃で4時間反応させて、重合触媒組成物とした。
得られた重合触媒組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして重合反応を行い、重合体2を得た(収量:45g)。
(実施例3)
窒素雰囲気下のグローブボックス中で、ガラス製容器に、ビス(2−フェニルインデニル)ガドリニウムビス(ジメチルシリルアミド)[(2−PhC962GdN(SiHMe22][(A)成分]200μmolと、ジエチルアルミニウムクロライド[(B)成分]400μmolと、水素化ジイソブチルアルミニウム[(C)成分]20mmolとを加えた後、25℃で2時間反応させた。
得られた反応混合物に、MMAO(東ソー・ファインケム社製、製品名:MMAO−3A)[(E)成分]120mmolを加え、25℃で4時間反応させて、重合触媒組成物とした。
得られた重合触媒組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして重合反応を行い、重合体3を得た(収量:50g)。
(実施例4)
窒素雰囲気下のグローブボックス中で、ガラス製容器に、トリスビストリメチルシリルアミドガドリニウム{Gd[N(SiMe323}[(A)成分]200μmolと、ジエチルアルミニウムクロライド[(B)成分]400μmolと、水素化ジイソブチルアルミニウム[(C)成分]20mmolとを加えた後、25℃で2時間反応させた。
得られた反応混合物に、MMAO(東ソー・ファインケム社製、製品名:MMAO−3A)[(E)成分]120mmolを加え、25℃で4時間反応させた。
更に、得られた反応混合物に、1−ベンジル−1H−インデン[(D)成分]400μmolを加え、25℃で4時間熟成させて、重合触媒組成物とした。
得られた重合触媒組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして重合反応を行い、重合体4を得た(収量:58g)。
(実施例5)
窒素雰囲気下のグローブボックス中で、ガラス製容器に、トリスビストリメチルシリルアミドガドリニウム{Gd[N(SiMe323}[(A)成分]200μmolと、ジエチルアルミニウムクロライド[(B)成分]400μmolと、水素化ジイソブチルアルミニウム[(C)成分]20mmolとを加えた後、25℃で2時間反応させた。
得られた反応混合物に、1−ベンジル−1H−インデン[(D)成分]400μmolと、MMAO(東ソー・ファインケム社製、製品名:MMAO−3A)[(E)成分]120mmolとを加え、25℃で4時間反応させて、重合触媒組成物とした。
得られた重合触媒組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして重合反応を行い、重合体5を得た(収量:58g)。
(実施例6)
窒素雰囲気下のグローブボックス中で、ガラス製容器に、トリスビストリメチルシリルアミドガドリニウム{Gd[N(SiMe323}[(A)成分]200μmolと、ジエチルアルミニウムクロライド[(B)成分]400μmolと、水素化ジイソブチルアルミニウム[(C)成分]20mmolとを加えた後、25℃で2時間反応させた。
得られた反応混合物に、1−ベンジル−1H−インデン[(D)成分]400μmolを加え、25℃で4時間熟成させた。
更に、得られた熟成物に、MMAO(東ソー・ファインケム社製、製品名:MMAO−3A)[(E)成分]120mmolを加え、25℃で0.5時間熟成させて、重合触媒組成物とした。
得られた重合触媒組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして重合反応を行い、重合体6を得た(収量:60g)。
(実施例7)
水素化ジイソブチルアルミニウム[(C)成分]20mmolの代わりに、トリイソブチルアルミニウム20mmolを用いた以外は、実施例6と同様にして、重合触媒組成物を調製した。
得られた重合触媒組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして重合反応を行い、重合体7を得た(収量:60g)。
(実施例8)
1−ベンジル−1H−インデン[(D)成分]400μmolの代わりに、テトラメチルシクロペンタジエンを400μmol用いた以外は、実施例6と同様にして、重合触媒組成物を調製した。
得られた重合触媒組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして重合反応を行い、重合体8を得た(収量:50g)。
(実施例9)
1−ベンジル−1H−インデン[(D)成分]400μmolの代わりに、トリメチルシリルフルオレンを400μmol用いた以外は、実施例6と同様にして、重合触媒組成物を調製した。
得られた重合触媒組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして重合反応を行い、重合体9を得た(収量:55g)。
(実施例10)
MMAO[(E)成分]120mmolの代わりに、TMAO(東ソー・ファインケミカル社製、製品名:TMAO341)120mmolを用いた以外は、実施例6と同様にして、重合触媒組成物を調製した。
得られた重合触媒組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして重合反応を行い、重合体10を得た(収量:60g)。
(実施例11)
Gd[N(SiMe323[(A)成分]200μmolの代わりに、トリスtert−ブトキシドガドリニウム[Gd(OtBu)3]200μmolを用いた以外は、実施例6と同様にして、重合触媒組成物を調製した。
得られた重合触媒組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして重合反応を行い、重合体11を得た(収量:55g)。
(実施例12)
Gd[N(SiMe323[(A)成分]200μmolの代わりに、トリスtert−ブチルチオガドリニウム[Gd(StBu)3]200μmolを用いた以外は、実施例6と同様にして、重合触媒組成物を調製した。
得られた重合触媒組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして重合反応を行い、重合体12を得た(収量:55g)。
(実施例13)
十分に乾燥させたステンレス製の2Lの反応器に、イソプレン70gを含むヘキサン溶液300mLを加えた。該イソプレンを含む2Lの反応器に、実施例6と同様にして調製した重合触媒組成物を加えた以外は、実施例1と同様にして重合反応を行い、重合体13を得た(収量:60g)。
(実施例14)
窒素雰囲気下のグローブボックス中で、ガラス製容器に、トリスビストリメチルシリルアミドガドリニウム{Gd[N(SiMe323}[(A)成分]72μmolと、ジエチルアルミニウムクロライド[(B)成分]144μmolと、水素化ジイソブチルアルミニウム[(C)成分]1.44mmol、トリイソブチルアルミニウム3.6mmolとを加えた後、25℃で2時間反応させた。
得られた反応混合物に、1−ベンジル−1H−インデン[(D)成分]144μmolを加え、25℃で4時間熟成させた。
更に、得られた熟成物に、MMAO(東ソー・ファインケム社製、製品名:MMAO−3A)[(E)成分]0.36mmolを加え、25℃で0.5時間熟成させて、重合触媒組成物とした。
得られた重合触媒組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして重合反応を行い、重合体14を得た(収量:60g)。
(比較例1)
窒素雰囲気下のグローブボックス中で、ガラス製容器に、トリスビストリメチルシリルアミドガドリニウム{Gd[N(SiMe323}[(A)成分]200μmolと、ジエチルアルミニウムクロライド[(B)成分]400μmolと、水素化ジイソブチルアルミニウム[(C)成分]20mmolと、1−ベンジル−1H−インデン[(D)成分]400μmolと、MMAO(東ソー・ファインケム社製、製品名:MMAO−3A)[(E)成分]120mmolとを加えた後、25℃で2時間反応させて、重合触媒組成物とした。
得られた重合触媒組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして重合反応を行い、重合体15を得た(収量:15g)。
(比較例2)
窒素雰囲気下のグローブボックス中で、ガラス製容器に、トリスビストリメチルシリルアミドガドリニウム{Gd[N(SiMe323}[(A)成分]200μmolと、ジエチルアルミニウムクロライド[(B)成分]400μmolと、水素化ジイソブチルアルミニウム[(C)成分]20mmolと、1−ベンジル−1H−インデン[(D)成分]400μmolとを加えた後、25℃で2時間反応させた。
得られた反応混合物に、MMAO(東ソー・ファインケム社製、製品名:MMAO−3A)[(E)成分]120mmolを加え、25℃で4時間反応させて、重合触媒組成物とした。
得られた重合触媒組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして重合反応を行い、重合体16を得た(収量:35g)。
(比較例3)
窒素雰囲気下のグローブボックス中で、ガラス製容器に、トリスビストリメチルシリルアミドガドリニウム{Gd[N(SiMe323}[(A)成分]200μmolと、ジエチルアルミニウムクロライド[(B)成分]400μmolと、水素化ジイソブチルアルミニウム[(C)成分]20mmolと、MMAO(東ソー・ファインケム社製、製品名:MMAO−3A)[(E)成分]120mmolとを加えた後、25℃で2時間反応させた。
得られた反応混合物に、1−ベンジル−1H−インデン[(D)成分]400μmolを加え、25℃で4時間熟成させて、重合触媒組成物とした。
得られた重合触媒組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして重合反応を行い、重合体17を得た(収量:35g)。
(比較例4)
窒素雰囲気下のグローブボックス中で、ガラス製容器に、ジエチルアルミニウムクロライド[(B)成分]400μmolと、水素化ジイソブチルアルミニウム[(C)成分]20mmolとを加えた後、25℃で2時間反応させた。
得られた反応混合物に、トリスビストリメチルシリルアミドガドリニウム{Gd[N(SiMe323}[(A)成分]200μmolと、1−ベンジル−1H−インデン[(D)成分]400μmolを加え、25℃で4時間反応させた。
更に、得られた反応物に、MMAO(東ソー・ファインケム社製、製品名:MMAO−3A)[(E)成分]120mmolを加え、25℃で0.5時間反応させて、重合触媒組成物とした。
得られた重合触媒組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして重合反応を行ったが、重合体を得られなかった(ND)。
(比較例5)
窒素雰囲気下のグローブボックス中で、ガラス製容器に、トリスビストリメチルシリルアミドガドリニウム{Gd[N(SiMe323}[(A)成分]200μmolと、水素化ジイソブチルアルミニウム[(C)成分]20mmolとを加えた後、25℃で2時間反応させた。
得られた反応混合物に、ジエチルアルミニウムクロライド[(B)成分]400μmolと、1−ベンジル−1H−インデン[(D)成分]400μmolを加え、25℃で4時間反応させた。
更に、得られた反応物に、MMAO(東ソー・ファインケム社製、製品名:MMAO−3A)[(E)成分]120mmolを加え、25℃で0.5時間反応させて、重合触媒組成物とした。
得られた重合触媒組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして重合反応を行い、重合体18を得た(収量:30g)。
(比較例6)
窒素雰囲気下のグローブボックス中で、ガラス製容器に、トリスビストリメチルシリルアミドガドリニウム{Gd[N(SiMe323}[(A)成分]200μmolと、ジエチルアルミニウムクロライド[(B)成分]400μmolとを加えた後、25℃で2時間反応させた。
得られた反応混合物に、水素化ジイソブチルアルミニウム[(C)成分]20mmolと、1−ベンジル−1H−インデン[(D)成分]400μmolを加え、25℃で4時間反応させた。
更に、得られた反応物に、MMAO(東ソー・ファインケム社製、製品名:MMAO−3A)[(E)成分]120mmolを加え、25℃で0.5時間反応させて、重合触媒組成物とした。
得られた重合触媒組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして重合反応を行い、重合体19を得た(収量:30g)。
(比較例7)
ジエチルアルミニウムクロライド[(B)成分]を加えなかった以外は、実施例7と同様にして、重合触媒組成物を調製した。
得られた重合触媒組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして重合反応を行い、重合体20を得た(収量:30g)。
(比較例8)
水素化ジイソブチルアルミニウム[(C)成分]を加えなかった以外は、実施例7と同様にして、重合触媒組成物を調製した。
得られた重合触媒組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして重合反応を行ったが、重合体を得られなかった(ND)。
上記実施例及び比較例の結果を表1〜表3に示す。
Figure 2017082139
Figure 2017082139
Figure 2017082139
表1〜表3に示す結果から、本発明の触媒調製方法で調製される触媒は、生成物のミクロ構造選択性が高いことが分かる。
本発明の触媒調製方法で調製される触媒は、共役ジエンモノマーを重合させて共役ジエン系重合体を製造するのに利用できる。また、本発明の共役ジエン系重合体の製造方法で製造される共役ジエン系重合体、本発明の変性共役ジエン系重合体の製造方法で製造される変性共役ジエン系重合体は、例えば、タイヤ等に用いられるゴム組成物のゴム成分として利用できる。

Claims (10)

  1. 下記式(I):
    M−(AQ1)(AQ2)(AQ3) ・・・ (I)
    (式中、Mは、ランタノイド元素、スカンジウム、イットリウムからなる群から選択される少なくとも1種であり、AQ1、AQ2及びAQ3は、窒素、酸素及び硫黄から選択される少なくとも1種を含有する官能基、或いは、置換若しくは無置換シクロペンタジエニル基、インデニル基又はフルオレニル基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、但し、少なくとも1つのM−N結合、M−O結合又はM−S結合を有する)で表される希土類元素化合物(A)、ハロゲン化合物(B)及び下記式(II):
    YR1 a2 b3 c ・・・ (II)
    (式中、Yは、周期律表の第1族、第2族、第12族及び第13族の元素からなる群から選択される金属元素であり、R1及びR2は炭素数1〜10の炭化水素基又は水素原子であり、R3は炭素数1〜10の炭化水素基であり、但し、R1、R2及びR3はそれぞれ互いに同一または異なっていてもよく、また、Yが第1族の金属元素である場合には、aは1であり且つb及びcは0であり、Yが第2族又は第12族の金属元素である場合には、a及びbは1であり且つcは0であり、Yが第13族の金属元素である場合には、a、b及びcは1である)で表される有機金属化合物(C)のみを反応させる工程(a)を含むことを特徴とする、触媒調製方法。
  2. 下記式(I):
    M−(AQ1)(AQ2)(AQ3) ・・・ (I)
    (式中、Mは、ランタノイド元素、スカンジウム、イットリウムからなる群から選択される少なくとも1種であり、AQ1、AQ2及びAQ3は、窒素、酸素及び硫黄から選択される少なくとも1種を含有する官能基、或いは、置換若しくは無置換シクロペンタジエニル基、インデニル基又はフルオレニル基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、但し、少なくとも1つのM−N結合、M−O結合又はM−S結合を有する)で表される希土類元素化合物(A)、ハロゲン化合物(B)及び下記式(II):
    YR1 a2 b3 c ・・・ (II)
    (式中、Yは、周期律表の第1族、第2族、第12族及び第13族の元素からなる群から選択される金属元素であり、R1及びR2は炭素数1〜10の炭化水素基又は水素原子であり、R3は炭素数1〜10の炭化水素基であり、但し、R1、R2及びR3はそれぞれ互いに同一または異なっていてもよく、また、Yが第1族の金属元素である場合には、aは1であり且つb及びcは0であり、Yが第2族又は第12族の金属元素である場合には、a及びbは1であり且つcは0であり、Yが第13族の金属元素である場合には、a、b及びcは1である)で表される有機金属化合物(C)のみを反応させる工程(a)と、
    前記工程(a)の後に、前記工程(a)で生成した反応物と、置換又は無置換シクロペンタジエン、インデン及びフルオレン化合物からなる群から選択される少なくとも一種の化合物(D)及び/又はアルミノキサン化合物(E)とを反応させる工程(b)と、
    を含むことを特徴とする、触媒調製方法。
  3. 下記式(I):
    M−(AQ1)(AQ2)(AQ3) ・・・ (I)
    (式中、Mは、ランタノイド元素、スカンジウム、イットリウムからなる群から選択される少なくとも1種であり、AQ1、AQ2及びAQ3は、窒素、酸素及び硫黄から選択される少なくとも1種を含有する官能基、或いは、置換若しくは無置換シクロペンタジエニル基、インデニル基又はフルオレニル基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、但し、少なくとも1つのM−N結合、M−O結合又はM−S結合を有する)で表される希土類元素化合物(A)、ハロゲン化合物(B)及び下記式(II):
    YR1 a2 b3 c ・・・ (II)
    (式中、Yは、周期律表の第1族、第2族、第12族及び第13族の元素からなる群から選択される金属元素であり、R1及びR2は炭素数1〜10の炭化水素基又は水素原子であり、R3は炭素数1〜10の炭化水素基であり、但し、R1、R2及びR3はそれぞれ互いに同一または異なっていてもよく、また、Yが第1族の金属元素である場合には、aは1であり且つb及びcは0であり、Yが第2族又は第12族の金属元素である場合には、a及びbは1であり且つcは0であり、Yが第13族の金属元素である場合には、a、b及びcは1である)で表される有機金属化合物(C)のみを反応させる工程(a)と、
    前記工程(a)の後に、前記工程(a)で生成した反応物に、置換又は無置換シクロペンタジエン、インデン及びフルオレン化合物からなる群から選択される少なくとも一種の化合物(D)を加え、熟成させる工程(b1)と、
    前記工程(b1)の後に、前記工程(b1)で生成した熟成物に、アルミノキサン化合物(E)を加え、熟成させる工程(b2)と、
    を含むことを特徴とする、触媒調製方法。
  4. 下記式(I):
    M−(AQ1)(AQ2)(AQ3) ・・・ (I)
    (式中、Mは、ランタノイド元素、スカンジウム、イットリウムからなる群から選択される少なくとも1種であり、AQ1、AQ2及びAQ3は、窒素、酸素及び硫黄から選択される少なくとも1種を含有する官能基、或いは、置換若しくは無置換シクロペンタジエニル基、インデニル基又はフルオレニル基であり、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、但し、少なくとも1つのM−N結合、M−O結合又はM−S結合を有する)で表される希土類元素化合物(A)、ハロゲン化合物(B)及び下記式(II):
    YR1 a2 b3 c ・・・ (II)
    (式中、Yは、周期律表の第1族、第2族、第12族及び第13族の元素からなる群から選択される金属元素であり、R1及びR2は炭素数1〜10の炭化水素基又は水素原子であり、R3は炭素数1〜10の炭化水素基であり、但し、R1、R2及びR3はそれぞれ互いに同一または異なっていてもよく、また、Yが第1族の金属元素である場合には、aは1であり且つb及びcは0であり、Yが第2族又は第12族の金属元素である場合には、a及びbは1であり且つcは0であり、Yが第13族の金属元素である場合には、a、b及びcは1である)で表される有機金属化合物(C)のみを反応させる工程(a)と、
    前記工程(a)の後に、前記工程(a)で生成した反応物に、アルミノキサン化合物(E)を加え、熟成させる工程(b’1)と、
    前記工程(b’1)の後に、前記工程(b’1)で生成した熟成物に、置換又は無置換シクロペンタジエン、インデン及びフルオレン化合物からなる群から選択される少なくとも一種の化合物(D)を加え、熟成させる工程(b’2)と、
    を含むことを特徴とする、触媒調製方法。
  5. 前記式(II)において、R1、R2及びR3は、少なくとも1つが異なっている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の触媒調製方法。
  6. 前記アルミノキサン化合物(E)がMMAO又はTMAOである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の触媒調製方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の触媒調製方法で調製されたことを特徴とする、触媒。
  8. 請求項7に記載の触媒の存在下で、共役ジエンモノマーを重合させて共役ジエン系重合体を製造する工程(c)を含むことを特徴とする、共役ジエン系重合体の製造方法。
  9. 請求項7に記載の触媒の存在下で、共役ジエンモノマーを重合させて共役ジエン系重合体を製造する工程(c)と、
    前記工程(c)で製造した共役ジエン系重合体を変性する工程(d)と、
    を含むことを特徴とする、変性共役ジエン系重合体の製造方法。
  10. 前記共役ジエンモノマーが、1,3−ブタジエン及びイソプレンからなる群から選択される少なくとも一種である、請求項8又は9に記載の(変性)共役ジエン系重合体の製造方法。
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