JP2005336303A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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JP2005336303A JP2004156274A JP2004156274A JP2005336303A JP 2005336303 A JP2005336303 A JP 2005336303A JP 2004156274 A JP2004156274 A JP 2004156274A JP 2004156274 A JP2004156274 A JP 2004156274A JP 2005336303 A JP2005336303 A JP 2005336303A
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Daigo Yonemoto
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Abstract

【課題】耐摩耗性とWet性を損なうことなく、低発熱性を向上させる空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】空気入りタイヤは、天然ゴム30〜80重量部、及び、スチレン−ブタジエンゴム及び/又はブタジエンゴム20〜70重量部からなるゴム成分100重量部当たり、カーボンブラックとシリカよりなる充填剤40〜60重量部を含有し、ゴム成分は、第1次変性及び第2次変性を行うことにより製造された末端変性共役ジエン系重合体を含有し、シリカは充填剤の10〜70重量%を占め、かつ、シリカは末端変性共役ジエン系重合体の33重量%以上であるゴム組成物をトレッドゴムに用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐摩耗性とWet性を損なうことなく、低発熱性を向上させる空気入りタイヤに関する。
近年、省エネルギーの社会的な要請に関連して、自動車の低燃費化に対する要求はより過酷なものとなりつつある。このような要求に対応するため、タイヤ性能についても転がり抵抗の更なる減少が求められてきている。タイヤの転がり抵抗を下げる手法としては、タイヤ構造の最適化による手法についても検討されてきたものの、ゴム組成物としてより発熱性の少ない材料を用いることが最も一般的な手法として行われている。
このようなゴム組成物の開発として、重合体の成分に様々な改良を行った技術は開示されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
WO 03/046020号公報 特開2002−36811号公報
従来、トレッドに用いるゴム組成物の低発熱性を向上させるため、カーボンブラックの充填量を減らすことが行われてきたが、この場合、耐摩耗性が低下するという問題があった。
一方、ゴム組成物の耐摩耗性を向上させる目的で、ジブチルフタレート(DBP)吸油量の高いカーボンブラックを添加することが行われてきたが、吸油量が高すぎても耐摩耗性し、又、低発熱性を十分に向上させることができないという問題があった。
又、カーボンブラックをシリカで置換することで、低発熱性を向上させることが行われてきたが、耐摩耗性の低下が問題であった。
そこで、本発明は、上記の問題に鑑み、耐摩耗性とWet性を損なうことなく、低発熱性を向上させる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明の特徴は、天然ゴム30〜80重量部、及び、スチレン−ブタジエンゴム及び/又はブタジエンゴム20〜70重量部からなるゴム成分100重量部当たり、カーボンブラックとシリカよりなる充填剤40〜60重量部を含有し、ゴム成分は、共役ジエン系モノマーを単独で、あるいは、他のモノマーと共に重合して得られ、主鎖の共役ジエン部分におけるシス−1,4−結合の含量が75モル%以上の、活性末端を有する共役ジエン系重合体の活性末端に、ヒドロカルビルオキシラン化合物を反応させる第1次変性の後、炭素数が4以上の糖類又は変性糖類を含む多価アルコールの脂肪酸エステルでかつ水酸基を一つ以上有する化合物、及びヒドロカルビルオキシラン化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物を反応させる第2次変性を行うことにより製造された末端変性共役ジエン系重合体を含有し、第2次変性において縮合促進剤を用い、縮合促進剤が下記(1)から(3)で表される金属化合物からなる群から選ばれた少なくとも一種と水とからなり、
(1)酸化数2のスズの炭素数3〜30のカルボン酸塩で、次式を満足するもの
Sn(OCOR142
(式中、R14は、炭素数2〜19の有機基であり、複数ある場合は同一でも異なっていてもよい。)
(2)酸化数4のスズの化合物で、次式を満足するもの
15 rSnA4 t1 (4-t-r)
[式中、rは1〜3の整数で;tは1又は2の整数で;t+rは3又は4の整数である。R15は炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基で;B1はヒドロキシル基又はハロゲンである。A4は、(i)炭素数2〜30のカルボキシル基、(ii)炭素数5〜30のα,γ−ジオニル基、(iii)炭素数3〜30のヒドロカルビルオキシ基、及び(iv)炭素数1〜20のヒドロカルビル基及び/又は炭素数1〜20のヒドロカルビルオキシ基で合計三置換(同一でも異なっていてもよい)されたシロキシ基から選ばれる基であり、A4が複数ある場合は同一でも異なっていてもよい。]
(3)酸化数4のチタン化合物で、次式を満足するもの
5 xTiB2 (4-x)
[式中、xは2又は4の整数である。A5は、(i)炭素数3〜30のアルコキシ基、(ii)炭素数1〜30のアルキル基及び/又は炭素数1〜20のアルコキシ基で合計三置換されたシロキシ基であり、A5が複数ある場合は同一でも異なっていてもよい。B2は、炭素数5〜30のα,γ−ジオニル基である。]
共役ジエン系重合体の重合に用いる重合触媒が、下記(A)、(B)、(C)の各成分それぞれから選ばれる少なくとも一種の化合物を組み合わせてなり、
(A)成分:次の(A1)〜(A4)から選ばれる希土類化合物であり、そのまま不活性有機溶媒溶液として用いても不活性固体上に担持して用いてもよい
(A1)酸化数3の希土類化合物で、炭素数2〜30のカルボキシル基、炭素数2〜30のアルコキシ基、炭素数6〜30のアリーロキシ基、及び炭素数5〜30のα,γ−ジケトニル基の中から自由に選ばれる配位子を合計三つ有するもの、又はこれとルイス塩基化合物の錯化合物
(A2)希土類の3ハロゲン化物とルイス塩基の錯化合物
(A3)少なくとも一つの(置換)アリル基が直接希土類原子に結合した、酸化数3の有機希土類化合物
(A4)少なくとも一つの(置換)シクロペンタジエニル基が直接希土類原子に結合した酸化数2もしくは3の有機希土類化合物、又はこの化合物とトリアルキルアルミニウムもしくは非配位性アニオン及び対カチオンからなるイオン性化合物との反応生成物
(B)成分:次の一つから選ばれる少なくとも一種類の有機アルミニウム化合物であり、複数を同時に用いることができる
(B1)R3 3AIで表されるトリヒドロカルビルアルミ化合物(但し、R3は炭素数1〜30の炭化水素基で、互いに同一であっても異なってもよい)
(B2)R4 2AIH又はR4AIH2で表されるヒドロカルビルアルミ水素化物(但し、R4は炭素数1〜30の炭化水素基で、互いに同一であっても異なってもよい)
(B3)炭素数1〜30の炭化水素基を持つヒドロカルビルアルミノキサン化合物である
(C)成分:次の一から選ばれる化合物であり、(A)がハロゲン又は非配位性アニオンを含む場合、及び(B)がアルミノキサンを含む場合は必ずしも必要ではない。
(C1)加水分解可能なハロゲンを有するII、III、IV族の無機もしくは有機化合物又はこれらとルイス塩基の錯化合物
(C2)少なくとも一つの三級アルキルハライド、ベンジルハライド、及びアリルハライドから選ばれる構造を有する有機ハロゲン化物
(C4)非配位性アニオン及び対カチオンからなるイオン性化合物
希土類元素がランタン、ネオジム、プラセオジム、サマリウム、ガドリウムからなる群から選ばれる一種であり、共役ジエン系重合体がポリブタジエン、ポリイソプレン、及びブタジエンと他の共役ジエンとの共重合体からなる群から選ばれる少なくとも一種であり、シリカは、充填剤の10〜70重量%を占め、かつ、シリカは、末端変性共役ジエン系重合体の33重量%以上であるゴム組成物をトレッドゴムに用いてなる空気入りタイヤであることを要旨とする。
本発明の特徴に係るゴム組成物は、天然ゴムと、スチレン−ブタジエンゴム及びブタジエンゴムとの重量比は、80:20〜30:70であることが好ましい。スチレン−ブタジエンゴム及びブタジエンゴムが20より少ないと十分な低発熱性と耐摩耗性が得られない。一方、70を超えると耐テアー性が低下することがある。
又、本発明の特徴に係るゴム組成物は、充填剤を、ゴム成分100重量部に対し、40〜60重量部含有することが望ましい。40より少ないと、低ロス性においては優れるが、耐摩耗性が低下するという大きな問題が生じる。一方、60を超えると耐摩耗性は十分であるものの耐テアー性が低下することがある。
又、シリカは充填剤の10〜70重量%であることが好ましい。10より少ないと、シリカ配合による低発熱性とWet性を十分に発揮することができない。一方、70を超えると、低発熱性においては優れるが、耐摩耗性が低下するという大きな問題が生じる。
又、本発明の特徴に係る空気入りタイヤのゴム成分は、天然ゴム30〜80重量部、及び、ブタジエンゴム20〜70重量部からなることが好ましい。ブタジエンゴムを使用することにより、耐摩耗性と低発熱性を両立させることができる。
又、シリカは、充填剤の30〜70重量%を占めることが好ましい。この範囲であると、低発熱性、耐摩耗性、Wet性をバランス良く向上させることができる。
又、シリカの5〜20重量%のシランカップリング剤を更に含有することが好ましい。5より少ないと、十分な補強効果が得られない。一方、20を超えると、伸びが低下する。
又、本発明の特徴に係る空気入りタイヤは、重荷重用ラジアルタイヤとして用いることが好ましい。重荷重用ラジアルタイヤは、その使用上、低発熱性、耐摩耗性、Wet性の向上が特に求められる。
本発明によれば、耐摩耗性とWet性を損なうことなく、低発熱性を向上させる空気入りタイヤを提供することができる。
次に、本発明を詳細に説明する。
(ゴム組成物)
本実施形態に係るゴム組成物は、ゴム成分と、無機充填剤と、樹脂とを含有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の成分を含有してなる。
−ゴム成分−
ゴム成分としては、天然ゴムと、スチレン−ブタジエンゴム及びブタジエンゴムとを含むことが必要であり、天然ゴムと、スチレン−ブタジエンゴム及びブタジエンゴムとの重量比は、80:20〜30:70であることが好ましい。特に、ゴム成分は、天然ゴムとブタジエンゴムとの組み合わせであることが好ましい。
又、本実施形態に係るゴム成分は、ポリブタジエン、ポリイソプレン、及びブタジエンと他の共役ジエンとの共重合体からなる群から選ばれる少なくとも一種の末端変性共役ジエン系重合体を使用することが必要である。
−末端変性ジエン系重合体−
末端変性ジエン系重合体としては、共役ジエン系モノマーを単独で、あるいは、他のモノマーと共に重合して得られ、主鎖の共役ジエン部分におけるシス−1,4−結合の含量が75モル%以上の、活性末端を有する共役系重合体の活性末端を、変性剤で変性したものが好ましい。ここで、変性剤としては、ヒドロカルビルオキシシラン化合物が挙げられる。
シス−1,4結合含量が75%以上の活性末端を有する重合体の製造方法としては、溶液重合方法、バルク重合方法等が挙げられ、これらの中でも、特に溶液重合方法が好ましい。又、重合形式は、回分式及び連続式の何れでもよい。
共役ジエン系モノマーとしては、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、2−フェニルー1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられ、これらの中でも、1,3−ブタジエンが特に好ましい。これら共役ジエン系モノマーは、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。尚、これら共役ジエン系モノマーに少量のほかの炭化水素モノマーを共存させてもよいが、共役ジエン系モノマーの含有量は、全モノマー中80モル%以上であることが好ましい。
シス−1,4結合含量が75%以上の活性末端を有する重合体の製造において、重合触媒としては、下記(A)、(B)、(C)の各成分それぞれから選ばれる少なくとも一種の化合物を組み合わせてなるものが好ましい。
(A)成分:次の(A1)〜(A4)から選ばれる希土類化合物であり、そのまま不活性有機溶媒溶液として用いても不活性固体上に担持して用いてもよい。
(A1)酸化数3の希土類化合物で、炭素数2〜30のカルボキシル基、炭素数2〜30のアルコキシ基、炭素数6〜30のアリーロキシ基、及び炭素数5〜30のα,γ−ジケトニル基の中から自由に選ばれる配位子を合計三つ有するもの、又はこれとルイス塩基化合物(特に遊離カルボン酸、遊離アルコール、α,γ−ジケトン、環状エーテル、直鎖状エーテル、トリヒドロカルビルホスフィン、トリヒドロカルビルホスファイト等から選ばれる)の錯化合物である。具体的には、ネオジムトリ−2−エチルヘキサノエート、アセチルアセトンとの錯化合物、ネオジムトリネオデカノエート、アセチルアセトンとの錯化合物、ネオジムトリn−ブトキシド等が挙げられる。
(A2)希土類の3ハロゲン化物とルイス塩基の錯化合物である。例えば、ネオジム三塩化物のTHF錯体が挙げられる。
(A3)少なくとも一つの(置換)アリル基が直接希土類原子に結合した、酸化数3の有機希土類化合物である。例えば、テトラアリルネオジムとリチウムの塩が挙げられる。
(A4)少なくとも一つの(置換)シクロペンタジエニル基が直接希土類原子に結合した酸化数2もしくは3の有機希土類化合物、又はこの化合物とトリアルキルアルミニウムもしくは非配位性アニオン及び対カチオンからなるイオン性化合物との反応生成物である。例えば、ジメチルアルミニウム(μ−ジメチル)ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)サマリウムが挙げられる。
上記希土類化合物の希土類元素としては、ランタン、ネオジム、プラセオジム、サマリウム、ガドリニウムが好ましく、これらの中でも、ランタン、ネオジム、サマリウムが更に好ましい。上記(A)成分の中では、ネオジムのカルボン酸塩及びサマリウムの置換シクロペンタジエニル化合物が好ましい。
(B)成分:次の一つから選ばれる少なくとも一種類の有機アルミニウム化合物であり、複数を同時に用いることができる。
(B1)R3 3AIで表されるトリヒドロカルビルアルミ化合物(但し、R3は炭素数1〜30の炭化水素基で、互いに同一であっても異なってもよい。)
(B2)R4 2AIH又はR4AIH2で表されるヒドロカルビルアルミ水素化物(但し、R4は炭素数1〜30の炭化水素基で、互いに同一であっても異なってもよい。)
(B3)炭素数1〜30の炭化水素基を持つヒドロカルビルアルミノキサン化合物である。
上記(B)成分としては、例えば、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムヒドリド、アルキルアルミニウムジヒドリド、アルキルアルミノキサンが挙げられる。これらの化合物は混合して用いてもよい。(B)成分の中では、アルミノキサンと他の有機アルミニウム化合物との併用が好ましい。
(C)成分:次の一から選ばれる化合物だが、(A)がハロゲン又は非配位性アニオンを含む場合、及び(B)がアルミノキサンを含む場合は必ずしも必要ではない。
(C1)加水分解可能なハロゲンを有するII、III、IV族の無機もしくは有機化合物又はこれらとルイス塩基の錯化合物である。例えば、アルキルアルミニウム二塩化物、ジアルキルアルミニウム塩化物、四塩化ケイ素、四塩化スズ、塩化亜鉛とアルコール等ルイス塩基との錯体、塩化マグネシウムとアルコール等ルイス塩基との錯体等が挙げられる。
(C2)少なくとも一つの三級アルキルハライド、ベンジルハライド、及びアリルハライドから選ばれる構造を有する有機ハロゲン化物である。例えば、塩化ベンジル、塩化t−ブチル、臭化ベンジル、臭化t−ブチル等が挙げられる。
(C3)亜鉛のハロゲン化物又はこれとルイス塩基の錯化合物である。
(C4)非配位性アニオン及び対カチオンからなるイオン性化合物である。例えば、トリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが挙げられる。
上記触媒の調製は、予備的に、上記の(A)、(B)、(C)成分以外に、必要に応じて、重合用モノマーと同じ共役ジエン系モノマー及び/又は非共役ジエン系モノマーを用いてもよい。又、(A)成分又は(C)成分の一部又は全部を不活性な固体上に担持して用いてもよく、この場合はいわゆる気相重合で行うことができる。上記触媒の使用量は、適宜設定することができるが、通常(A)成分はモノマー100g当たり0.001〜0.5mmolである。又、モル比で(B)成分/(A)成分は5〜1000、(C)成分/(A)成分は0.5〜10である。
溶液重合で用いられる溶剤としては、反応に不活性な有機溶剤、例えば、脂肪族、脂環族、芳香族炭化水素化合物等の炭化水素系溶剤が挙げられる。具体的には、炭素数3〜8のものが好ましく、例えば、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−へキサン、シクロヘキサン、プロペン、1−ブテン、イソブテン、トランス−2−ブテン、シス−2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−へキサン、2−へキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
上記反応における温度は、好ましくは−80〜150℃、更に好ましくは−20〜120℃の範囲で選定される。重合反応は、発生圧力下で行うことができるが、通常はモノマーを実質的に液相に保つために十分な圧力で操作することが望ましい。即ち、圧力は重合される個々の物質や、用いる重合媒体及び重合温度にもよるが、所望ならばより高い圧力を用いることができ、このような圧力は重合反応に関して不活性なガスで反応器を加圧する等の適当な方法で得られる。この重合反応において、触媒、溶媒、モノマー等の重合に関与する全ての原材料としては、水、酸素、二酸化炭素、プロトン性化合物等の反応阻害物質を実質的に除去したものを用いることが望ましい。
上記末端変性共役ジエン系重合体は、上記のようにして得られた活性末端を有する共役ジエン系重合体の活性末端に、ヒドロカルビルオキシシラン化合物を反応させる第1次変性の後、炭素数が4以上の糖類又は変性糖類を含む多価アルコールの脂肪酸エステルで、かつ水酸基を一つ以上有する化合物、及びヒドロカルオキシシラン化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物を反応させる第2次変性を行うことにより製造されたものであることが特に好ましい。
上記第1次変性及び第2次変性を経て製造される末端変性共役ジエン系重合体の変性方法としては、二つの態様、即ち(1)重合体の活性末端にヒドロカルビルオキシシラン化合物を反応させた後、炭素数4以上の糖類又は変性糖類を含む多価アルコールのカルボン酸部分エステル化合物と反応させる方法、(2)重合体の活性末端にヒドロカルビルオキシシラン化合物(ケイ素化合物)を反応させた後、更に縮合促進剤を加えて、末端に導入されたケイ素化合物残基と、残存又は新たに加えられたケイ素化合物との縮合反応を行う方法が好ましい。上記変性反応において、使用する重合体としては、少なくとも10%のポリマー鎖がリビング性を有するものが好ましい。
上述の(1)及び(2)の変性方法において、重合体の活性末端との反応に用いられるヒドロカルビルオキシシラン化合物としては、例えば、下記式(I)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物及び/又はその部分縮合物を用いることができる。
Figure 2005336303
[式中、A1は(チオ)エポキシ、(チオ)インシアネート、(チオ)ケトン、(チオ)アルデヒド、イミン、アミド、イソシアヌル酸トリエステル、(チオ)カルボン酸ヒドロカルビルエステル、(チオ)カルボン酸の金属塩、カルボン酸無水物、カルボン酸ハロゲン化物及び炭酸ジヒドロカルビルエステルの中から選ばれる少なくとも一種の官能基を有する一価の基で;R5は単結合又は二価の不活性炭化水素基で;R6及びR7はそれぞれ独立に炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基で;nは0〜2の指数であり;OR7が複数ある場合、好く吸うノンORは互いに同一でも異なってもいてもよく;又、分子中には活性プロトン及びオニウム塩は含まれない。]
式(I)において、A1における官能基の中で、イミンはケチミン、アルジミン、アミジンを包含し、(チオ)カルボン酸エステルは、アクリレートやメタクリレート等の不飽和カルボン酸エステルを含有する。又、(チオ)カルボン酸の金属塩の金属としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Al、Sn、Zn等を挙げることができる。
5のうちの二価の不活性炭化水素基としては、炭素数1〜20のアルキレン基が好ましい。アルキレン基は、直鎖状、枝分かれ状、環状のいずれであってもよいが、特に直鎖状のものが好適である。直鎖状アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基、ドデカメチレン基等が挙げられる。
6及びR7としては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数7〜18のアラルキル基等が挙げられる。ここで、上記アルキル基及びアルケニル基は直鎖状、枝分かれ状、環状のいずれであってもよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ビニル基、プロペニル基、アリル基、へキセニル基、オクテニル基、シクロペンテニル基、シクロキセニル基等が挙げられる。又、上記アニ−ル基は、芳香環上に低級アルキル基等の置換基を有してもよく、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等が挙げられる。更に、上記アラルキル基は、芳香環上に低級アルキル基等の置換基を有していてもよく、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
nは、0〜2の整数であるが、0が好ましく、又、この分子中には活性プロトン及びオニウム塩を有しないことが必要である。
式(I)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物としては、例えば、(チオ)エポキシ基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物として、2−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、2−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、(2−グリシドキシエチル)メチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロビルトリエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル(メチル)ジメトキシシラン及びこれらの化合物におけるエポキシ基をチオエポキシ基に置き換えたものを挙げることができるが、これらの中でも、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン及び2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランが特に好ましい。
又、イミン基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物として、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルエチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−エチリデン−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(トリエトキシシリル)1−プロパンアミン、N−(4−N,N−ジメチルアミノベンジリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、N−(シクロヘキシリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン及びこれらのトリエトキシシリル化合物に対応するトリメトキシシリル化合物、メチルジエトキシシリル化合物、エチルジエトキシシリル化合物、メチルジメトキシシリル化合物、エチルジメトキシシリル化合物等を挙げることができるが、これらの中でも、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン及びN−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミンが特に好ましい。
更に、その他のヒドロカルビルオキシシラン化合物として、以下のものを挙げることができる。即ち、イミン(アミジン)基含有化合物としては、1−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−4,5−ジヒドロイミダゾール、1−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−4,5−ジヒドロイミダゾール、3−[10−(トリエトキシシリル)デシル]−4−オキサゾリン等を挙げることができるが、これらの中でも、3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル(トリエトキシ)シラン、(1−ヘキサメチレンイミノ)メチル(トリメトキシ)シラン、1−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−4,5ジヒドロイミダゾール及び1−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−4,5ジヒドロイミダゾールが好ましい。又、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール、N−(3−イソプロボキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール、N−(3−メチルジエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール等が挙げられ、これらの中でも、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾールが好ましい。
又、カルボン酸エステル基化合物としては、3−メタクリロイロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロイロキシプロピルトリイソプロボキシシランなどが挙げられ、これらの中でも、3−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
更に、イソシアネート基含有化合物としては、3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラン、3−イソシアナトプロピルトリイソプロポキシシラン、などが挙げられ、これらの中でも、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシランが好ましい。
又、更に、カルボン酸無水物含有化合物としては、3−トリエトキシシリルプロピルサクシニック無水物、3−トリメトキシシリルプロピルサクシニック無水物、3−メチルジエトキシシリルプロピルサクシニック無水物等が挙げられ、これらの中でも、3−トリエトキシシリルプロピルサクシニック無水物が好ましい
これらヒドロカルビルオキシシラン化合物は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。又、上記ヒドロカルビルオキシシラン化合物の部分縮合物も用いることができる。
上記(1)の変性方法においては、活性末端を有する重合体の端末とヒドロカルビルオキシシラン化合物とがまず反応した後、炭素数が4以上の糖類又は変性糖類を含む多価アルコールの脂肪酸エステルでかつ水酸基を一つ以上有する化合物を加えて反応させる。かかるエステルとしては、(i)炭素数10〜20の飽和高級脂肪酸又は不飽和高級脂肪酸と多価アルコールとのモノエステル、ジエステル、トリエステルの他、(ii)多価カルボン酸と高級アルコールの部分エステルを、多価アルコールに1〜3個結合させたエステル化合物が好ましい。
上記多価アルコールの脂肪酸エステル化合物の原料の多価アルコールとしては、少なくとも三つの水酸基を有する炭素数5又は6の糖類(水素添加されていても、水素添加されていなくてもよい)、グリコールやポリヒドロキシ化合物等が好ましい。又、脂肪酸としては、炭素数10〜20の飽和又は不飽和脂肪酸、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸が好ましい。多価アルコールの脂肪酸エステル化合物の中では、ソルビタン脂肪酸エステルが好ましく、例えば、ソルビタンモノラウリン酸エステル、ソルビタンモノパルミチン酸エステル、ソルビタントリステアリン酸エステル、ソルビタンモノオレイン酸エステル及びソルビタントリオレイン酸エステル等が挙げられる。又、市販品としては、ICI社のSPAN60(商標:ソルビタンステアリン酸エステル)、SPAN80(商標:ソルビタンモノオレイン酸エステル)、SPAN85(商標:ソルビタントリオレイン酸エステル)等がある。更に、炭素数6以上であり、かつ少なくとも一部が不活性溶媒及びポリマーに溶解し得る脂肪族、脂環族、芳香族のアルコール、例えば、2−エチルヘキサノール等の分岐アルコールや、ラウリンアルコール等の高級アルコールを用いることもできるが、効果の点から、多価アルコールの脂肪酸エステル化合物が好ましい。
上記多価アルコールの脂肪酸エステル化合物又はアルコールの添加は、重合体の一次の変性反応停止後に添加して攪拌することが好ましい。この場合の添加量は、重合体に付与されたヒドロカルビルオキシシリル基の1モルに対して0.2〜10モルが好ましく、1〜10モルが特に好ましい。
次に、上記(2)の変性方法においては、更に、下記式(II)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物及び/又はその部分縮合物を、式(I)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物及び/又はその部分縮合物と併用することができる。ここで、部分縮合物とは、ヒドロカルビルオキシシラン化合物のSiORの一部(全部ではない)が縮合によりSiOSi結合したものをいう。
Figure 2005336303
(式中、A2は、環状三級アミン、非三級アミン、ピリジン、スルフィド及びマルチスルフィドの中から選ばれる少なくとも一種の官能基を有する一価の基で;R8は単結合又は二価の不活性炭化水素基で;R9及びR10は、それぞれ独立に炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基で;mは0〜2の整数であり;OR10が複数ある場合、複数のOR10は互いに同一でも異なっていてもよく;又、分子中には活性プロトン及びオニウム塩は含まれない。)
式(II)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物及び/又はその部分縮合物は、活性末端との直接反応が実質的に起こらず、反応系に未反応で残存するため、活性末端に導入されたヒドロカルビルオキシシラン化合物残基との縮合に消費される。
式(II)において、A2のうちの非環状三級アミンは、N,N−(二置換)アニリン等のN,N−(二置換)芳香族アミンを包含し、又、環状三級アミンは、環の一部として(チオ)エーテルを含むことができる。R8のうちの二価の不活性炭化水素基、R9及びR10については、それぞれ式(I)におけるR5、R6、R7について説明したとおりである。この分子中には活性プロトン及びオニウム塩は有しないことが必要である。
式(II)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物としては、例えば、非環状三級アミン基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物として、3−ジメチルアミノプロピル(トリエトキシ)シラン、3−ジメチルアミノプロピル(トリメトキシ)シラン、3−ジエチルアミノプロピル(トリエトキシ)シラン、3−ジエチルアミノプロピル(トリメトキシ)シラン、2−ジメチルアミノエチル(トリエトキシ)シラン、2−ジメチルアミノエチル(トリメトキシ)シラン、3−ジメチルアミノプロピル(ジエトキシ)メチルシラン、3−ジブチルアミノプロピル(トリエトキシ)シラン等が挙げられ、これらの中でも、3−ジエチルアミノプロピル(トリエトキシ)シラン及び3−ジメチルアミノ(トリエトキシ)シランが好ましい。
又、環状三級アミン基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物としては、3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル(トリエトキシ)シラン、3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル(トリメトキシ)シラン、(1−ヘキサメチレンイミノ)メチル(トリメトキシ)シラン、(1−ヘキサメチレンイミノ)メチル(トリエトキシ)シラン、2−(1−ヘキサメチレンイミノ)エチル(トリエトキシ)シラン、2−(1−ヘキサメチレンイミノ)エチル(トリメトキシ)シラン、3−(1−ピロリジニル)プロピル(トリエトキシ)シラン、3−(1−ピロリジニル)プロピル(トリメトキシ)シラン、3−(1−ヘプタメチレンイミノ)プロピル(トリエトキシ)シラン、3−(1−ドデカメチレンイミノ)プロピル(トリエトキシ)シラン、3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル(ジエトキシ)メチルシラン、3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル(ジエキトシ)エチルシランが挙げられ、これらの中でも、3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピル(トリエトキシ)シランが特に好ましい。
更に、その他のヒドロカルビルオキシシラン化合物としては、2−(トリメトキシシリルエチル)ピリジン、2−(トリエトキシシリルエチル)ピリジン、4−エチルピリジン等が挙げられる。
これらヒドロカルビルオキシシラン化合物は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。又、これらヒドロカルビルオキシシラン化合物の部分縮合物を用いることができる。
又、上記(2)の変性方法において、重合体の活性末端に導入された上記ヒドロカルビルオキシシランIの残基と縮合させるヒドロカルビルオキシシラン化合物としては、式(I)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物及びその部分縮合物、式(II)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物及びその部分縮合物、並びに下記式(III)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物及びその部分縮合物の中から選ばれる少なくとも一種を用いることができる。
Figure 2005336303
(式中、A3はアルコール、チオール、第一級アミン又はそのオニウム塩、環状二級アミン又はそのオニウム塩、非環状二級アミン又はそのオニウム塩、環状三級アミンのオニウム塩、非環状三級アミンのオニウム塩、アリール又はベンジルSn結合を有する基、スルフォニル、スルフィニル及び二トリルの中から選ばれる少なくとも一種の官能基を有する一価の基で;R11は単結合又は二価の不活性炭化水素基で;R12及びR13は、それぞれ独立に炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基で;qは0〜2の整数であり;OR13が複数ある場合、複数のOR13は互いに同一でも異なっていてもよい。)
式(III)において、A3のうちの一級アミンはアニリン等の芳香族アミンを含有し、又、非環状二級アミンは、N−(一置換)アニリン等のN−(一置換)芳香族アミンを包含する。更に、非環状三級アミンのオニウム塩は、N,N(二置換)アニリン等のN,N−(二置換)芳香族アミンのオニウム塩を包含する。又、環状二級アミンや環状三級アミンの場合は、環の一部として(チオ)エーテルを含むことができる。R11のうちの二価の不活性炭水素基、R12及びR13については、それぞれ式(I)におけるR5、R6及びR7について説明したとおりである。
式(III)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物としては、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、ヒドロキシメチルトリメトキシシラン、ヒドロキシメチルトリエトキシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシラン、メルカプトメチルトリエトキシシラン、アミノフェニルトリメトキシシラン、アミノフェニルトリエトキシシラン、3−(N−メチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3−(N−メチルアミノ)プロピルトリエトキシシラン、オクタデシルジメチル(3−トリメチルシリルプロピル)アンモニウムクロリド、オクタデシルジメチル(3−トリエチルシリルプロピル)アンモニウムクロリド、シアノメチルトリメトキシシラン、シアノメチルトリエトキシシラン、スルホニルメチルトリメトキシシラン、スルホニルメチルトリエトキシシラン、スルフィニルメチルトリメトキシシラン、スルフィニルメチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
上記ヒドロカルビルオキシシラン化合物IIは、一種を単独で用いてよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記(2)の変性方法においては、活性末端を有する重合体と、反応系に加えられた実質上化学量論量のヒドロカルビルオキシシラン化合物Iとが反応して、実質的に末端の全てにヒドロカルビルオキシシリル基が導入され(第1次変性)、更に上記で導入されたヒドロカルビルオキシシリル基にヒドロカルビルオキシル基含有化合物を反応させることにより、活性末端に当量より多くのヒドロカルビルオキシシラン化合物残基が導入される。
アルコキシシリル基同士の縮合反応は、(残存又は新たに加えられた)遊離アルコキシシランと重合体末端のアルコキシシリル基の間で起こること、又、場合によっては重合体末端のアルコキシシリル基同士で起こることが好ましく、遊離アルコキシシラン同士の反応は不必要である。従って、アルコキシシラン化合物新たに加える場合は、そのアルコキシシリル基の加水分解性が、重合体末端のアルコキシシリル基の加水分解性を凌駕しないようにすることが反応効率の点から好ましい。例えば、アルコキシシランIには加水分解性の大きなトリメトキシシリル基含有化合物を用い、新たに添加するアルコキシシランIIにはこれより加水分解性の劣るアルコキシシリル基(例えば、トリエトキシシリル基)を含有する化合物を用いる組み合わせが好ましい。逆に、例えば、アルコキシシランIをトリエトキシシリル基含有化合物、かつアルコキシシランIIをトリメトキシシリル基含有化合物とすることは、本発明の範囲に含まれるものの、反応効率の観点からは好ましくない。
本実施形態における上記(1)及び(2)の変性反応は、溶液反応及び固相反応のいずれでもよいが、溶液反応(重合時に使用した未反応モノマーを含んだ溶液でもよい)が好適である。又、この変性反応の形式については特に制限はなく、バッチ式反応器を用いて行ってもよく、多段連続式反応器やインラインミキサ等の装置を用いて連続式で行ってもよい。又、変性反応は、重合反応終了後、脱溶媒処理、水処理、熱処理、重合体単離に必要な諸操作等を行う前に実施することが重要である。上記変性反応の温度は、共役ジエン系重合体の重合温度をそのまま用いることができ、具体的には20〜100℃が好ましい。温度が低くなると重合体の粘度が上昇する傾向があり、温度が高くなると重合活性末端が失活し易くなるので好ましくない。
上記第2次変性を促進するためには、縮合促進剤を用いることが好ましい。この縮合促進剤としては、一般にアルコキシ縮合硬化型室温架橋(RTV)シリコーン用の硬化触媒として知られている金属化合物と、水との組み合わせが使用できる。例えば、スズのカルボン酸塩及び/又はチタンアルコキシドと水との組み合わせが好適に挙げられる。縮合促進剤の水の反応系中への投入方法には特に制限がない。アルコール等の水と相溶な有機溶媒の溶液としてもよいし、種種の化学工学的手法を用いて水を直接炭化水素溶液中に注入・分散・溶解させてもよい。このような縮合促進剤としては、下記(1)〜(3)で表される金属化合物からなる群から選ばれた少なくとも一種と水とからなるものが好ましい。
(1)酸化数2のスズの炭素数3〜30のカルボン酸塩で、次式を満足するもの。
Sn(OCOR142
(式中、R14は、炭素数2〜19の有機基であり、複数ある場合は同一でも異なっていてもよい。)
(2)酸化数4のスズの化合物で、次式を満足するもの。
15 rSnA4 t1 (4-t-r)
[式中、rは1〜3の整数で;tは1又は2の整数で;t+rは3又は4の整数である。R15は炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基で;B1はヒドロキシル基又はハロゲンである。A4は、(i)炭素数2〜30のカルボキシル基、(ii)炭素数5〜30のα,γ−ジオニル基、(iii)炭素数3〜30のヒドロカルビルオキシ基、及び(iv)炭素数1〜20のヒドロカルビル基及び/又は炭素数1〜20のヒドロカルビルオキシ基で合計三置換(同一でも異なっていてもよい)されたシロキシ基から選ばれる基であり、A4が複数ある場合は同一でも異なっていてもよい。]
(3)酸化数4のチタン化合物で、次式を満足するもの。
5 xTiB2 (4-x)
[式中、xは2又は4の整数である。A5は、(i)炭素数3〜30のアルコキシ基、(ii)炭素数1〜30のアルキル基及び/又は炭素数1〜20のアルコキシ基で合計三置換されたシロキシ基であり、A5が複数ある場合は同一でも異なっていてもよい。B2は、炭素数5〜30のα,γ−ジオニル基である。]
上記スズのカルボン酸塩としては、具体的には、(1)二価のスズのジカルボン酸塩(特に好ましくは炭素数8〜20のカルボン酸塩)や、(2)四価のジヒドロカルビルスズのジカルボン酸塩[ビス(ヒドロカルビルジカルボン酸)塩を含む]、ビス(α,γ−ジケトネート)、アルコキシハライド、モノカルボン酸塩ヒドロキシド、アルコキシ(トリヒドロカルビルシロキシド)、アルコキシ(ジヒドロカルビルアルコキシシロキシド)、ビス(トリヒドロカルビルシロキシド)、ビス(ジヒドロカルビルアルコキシシロキシド)等が好ましい。又、スズに直接結合したヒドロカルビル基としては炭素数4以上が望ましく、炭素数4〜8が特に好ましい。
又、上記チタン化合物としては、酸化数4のチタンのテトラアルコキシド、ジアルコキシビス(α,γ−ジケトネート)、テトラキス(トリヒドロカルビオキシシロキシド)等が挙げられ、これらの中でも、テトラアルコキシドが好ましい。
一方、水としては、単体やアルコール等の溶液、炭化水素溶媒中の分散ミセル等の形態が好適に用いられる他、必要ならば固体表面の吸着水や水和物の水和水等の、反応系中で水を放出し得る化合物が潜在的に含んだ水分も有効に用いることができる。
縮合促進剤を形成するこれら二者は、反応系に別々に投入しても、使用直前に混合して混合物として投入してもよいが、混合物の長期保存は、金属化合物の分解を招くので好ましくない。
この縮合促進剤の使用量としては、上記金属化合物の金属及び反応に有効な水の、反応系内に存在するヒドロカルビルオキシシリル基総量に対するモル比が、共に0.1以上であることが好ましい。上限は、目的や反応条件によっても異なるが、縮合処理以前の段階で重合体末端に結合されたヒドロカルビルオキシシリル基総量に対するモル比で0.5〜3程度の有効な水が存在することが好ましい。金属化合物の金属及び反応に有効な水のモル比は、求められる反応条件によっても異なるが、1/0.5〜1/20程度が好適である。
更に、本実施形態においては、重合体の活性末端にヒドロカルオキシシラン化合物を反応させた後、縮合促進剤を加えて反応させ、その後更に、多価アルコールのカルボン酸エステル化合物と反応させることもできる。
本実施形態においては、この変性反応時に、所望により、公知の老化防止剤はショートストップ剤を、重合体の活性末端にヒドロカルビルオキシシラン化合物残基を導入した後の工程において、添加することができる。
上記のように、変性処理を行った後、脱溶媒等の従来公知の後処理を行い、目的の変性重合体を得ることができる。この変性重合体の重合鎖末端変性基の分析は、高速クロマトグラフィー(HPLC)、薄層クロマトグラフィー等の液体をキャリアとしたクロマトグラフィーや核磁気共鳴分光(NMR)を用いて行うことができる。
上記末端変性共役ジエン系重合体のムーニ−粘度ML(100℃)は、好ましくは10〜150、より好ましくは15〜70である。ムーニ−粘度が低くなると破壊特性を始めとするゴム物性が低下する傾向にあり、高くなると作業性が悪く配合剤と共に混練りすることが困難である。上記末端変性共役ジエン系重合体は、シリカ等の無機化合物やカーボンブラックを充填剤として配合したゴム組成物におけるゴム成分として用いた場合、種類に関わらず、充填剤との相互作用を高め、破壊特性、耐摩耗性及び低発熱性を同時に向上させると共に、良好な加工性を発揮することができる。
−無機充填剤−
本実施形態に係るゴム組成物は、ゴム成分100重量部当たり、カーボンブラックとシリカよりなる充填剤を40〜60重量部を含有する。又、シリカは、充填剤の10〜70重量%を占め、かつ、シリカは、末端変性共役ジエン系重合体の33重量%以上であることが好ましい。更に、シリカは充填剤の30〜70重量%を占めると、より好ましい。
尚、シリカは、ニプシルAQ、KQグレードがより好ましいが、通常使用されるものでも構わない。又、カーボンブラックを使用してもよいが、環境への配慮の観点からは20重量部以下が好ましい。カーボンブラックは、HAF、ISAF、SAFグレードはすべて使用できる。
−シランカップリング剤−
本実施形態に係るゴム組成物は、シリカの5〜20重量%のシランカップリング剤を含有することが好ましい。
−樹脂−
本実施形態に係るゴム組成物は、特に限定はしないが、一般に使用される樹脂を含む。例えば、石油系樹脂、フェノール系樹脂、天然樹脂などを用いてもよい。天然樹脂としては、ロジン系樹脂、リモネン系樹脂、テルペン系樹脂などを用いてもよい。
−可塑剤−
本実施形態に係るゴム組成物は、可塑剤として一般に使用されるプロセスオイル(アロマティックオイル、ナフテニックオイル、スピンドルオイルなど)、DOPなどのエステル系可塑剤であれば特に限定はしないが、動植物油を用いることが望ましい。動植物油は、具体的には、ロジン油、トール油、カシュー油、アマニ油、ナタネ油、パーム油、リノール油、オレイン酸、サラダ油、ヒマシ油、大豆油などが用いられる。その他、可塑剤として、ロジン系樹脂、リモネン系樹脂、テルペン系樹脂などの天然樹脂を用いてもよい。
−その他の成分−
ゴム組成物に含まれるその他の成分としては、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択し、使用することができ、例えば、硫黄、CZ、DPG、DM、NS等の加硫剤、加硫促進剤、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジル−スルフェンアミド、N−オキシジエチレン−ベンゾチアジル−スルフェンアミド等の老化防止剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、オゾン劣化防止剤、着色剤、帯電防止剤、滑剤、酸化防止剤、軟化剤、カップリング剤、発泡剤、発泡助剤等の添加剤などの他、一般にゴム業界で用いられているものであれば、問題なく使用することができる。又、本実施形態に係るゴム組成物は、MME、DM80などの作業性改良剤やPEGMなどの硬度(E’)向上剤を含んでもよい。
(ゴム組成物の製造)
本実施形態に係るゴム組成物は、ゴム成分と、無機充填剤と、樹脂と、必要に応じて適宜選択したその他の成分とを、混練り、熱入れ、押出、加硫等することにより製造することができる。
混練りの条件としては、特に制限はなく、混練り装置への投入体積、ローターの回転速度、ラム圧等、混練り温度、混練り時間、混練り装置の種類等の諸条件について目的に応じて適宜選択することができる。混練り装置としては、例えば、通常ゴム組成物の混練りに用いるバンバリーミキサー、インターミックス、ニーダー等が挙げられる。
熱入れの条件としては、特に制限はなく、熱入れ温度、熱入れ時間、熱入れ装置等の諸条件について目的に応じて適宜選択することができる。熱入れ装置としては、例えば、通常ゴム組成物の熱入れに用いるロール機等が挙げられる。
押出の条件としては、特に制限はなく、押出時間、押出速度、押出装置、押出温度等の諸条件について目的に応じて適宜選択することができる。押出装置としては、例えば、通常タイヤ用ゴム組成物の押出に用いる押出機等が挙げられる。押出温度は、適宜決定することができる。
押出の際、ゴム組成物の流動性をコントロールする目的で、アロマ系オイル、ナフテン系オイル、パラフィン系オイル、エステル系オイル等の可塑剤、液状ポリイソプレンゴム、液状ポリブタジエンゴム等の液状ポリマーなどの加工性改良剤をゴム組成物に適宜添加することができる。この場合、ゴム組成物の加硫前の粘度を低下させ、その流動性を高めることができ、極めて良好に押出を行うことができる。
加硫を行う装置、方式、条件等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。加硫を行う装置としては、例えば、通常タイヤ用ゴム組成物の加硫に用いる金型による成形加硫機などが挙げられる。加硫の条件として、その温度は、通常100〜190℃程度である。
(用途)
本実施形態に係るゴム組成物は、各種分野において好適に使用することができるが、タイヤのトレッド等に特に好適に使用することができ、本実施形態に係る空気入りタイヤに好適に使用することができる。
(空気入りタイヤ)
本実施形態に係る空気入りタイヤは、上述のタイヤトレッド用ゴム組成物をトレッド部に用いることにより、耐摩耗性とWet性を損なうことなく、低発熱性を向上させることができる。尚、本実施形態に係る空気入りタイヤは、従来より公知の構造で、特に限定はなく、通常の方法で製造できる。又、本実施形態に係る空気入りタイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
空気入りタイヤの一例としては、1対のビード部、当該ビード部にトロイド状をなして連なるカーカス、当該カーカスのクラウン部をたが締めするベルト及びトレッドを有してなる空気入りタイヤなどが好適に挙げられる。本実施形態に係る空気入りタイヤは、ラジアル構造を有していてもよいし、バイアス構造を有していてもよい。
トレッドの構造としては、特に制限はなく、1層構造であってもよいし、多層構造であってもよく、直接路面に接地する上層のキャップ部と、このキャップ部の空気入りタイヤの内側に隣接して配置される下層のベース部とから構成される、いわゆるキャップ・ベース構造を有していてもよい。本実施形態においては、少なくともキャップ部が本実施形態に係るゴム組成物で形成されているのが好ましい。本実施形態に係る空気入りタイヤは、その製造方法につき特に制限はないが、例えば、以下のようにして製造することができる。即ち、まず、本実施形態に係るゴム組成物を調製し、このゴム組成物を、生空気入りタイヤケースのクラウン部に予め貼り付けられた未加硫のベース部の上に貼り付ける。そして、所定のモールドで所定温度、所定圧力の下で加硫成形することにより製造することができる。
又、本実施形態に係る空気入りタイヤは、耐摩耗性とWet性を損なうことなく、低発熱性を向上させることができるので、重荷重用ラジアルタイヤとして特に好適に用いられる。
(本実施形態に係るゴム組成物及び空気入りタイヤの作用及び効果)
本実施形態に係るゴム組成物及び空気入りタイヤによると、変性ポリブタジエンゴム(変性BR)を用い、シリカが充填剤の10〜70重量%を占め、かつ、シリカが変性BRの33重量%以上含まれることにより、耐摩耗性とWet性を損なうことなく、低発熱性を向上させることができる。
又、本実施形態に係るゴム組成物及び空気入りタイヤは、天然ゴムと、スチレン−ブタジエンゴム及びブタジエンゴムとの重量比は、80:20〜30:70であることが好ましい。スチレン−ブタジエンゴム及びブタジエンゴムが20より少ないと十分な低発熱性と耐摩耗性が得られない。一方、70を超えると耐テアー性が低下することがある。
又、本実施形態に係るゴム組成物及び空気入りタイヤは、充填剤を、ゴム成分100重量部に対し、40〜60重量部含有することが望ましい。40より少ないと、低ロス性においては優れるが、耐摩耗性が低下するという大きな問題が生じる。一方、60を超えると耐摩耗性は十分であるものの耐テアー性が低下することがある。
又、シリカは充填剤の10〜70重量%であることが好ましい。10より少ないと、シリカ配合による低発熱性とWet性を十分に発揮することができない。一方、70を超えると、低発熱性においては優れるが、耐摩耗性が低下するという大きな問題が生じる。
又、本実施形態に係るゴム組成物及び空気入りタイヤのゴム成分は、天然ゴム30〜80重量部、及び、ブタジエンゴム20〜70重量部からなることが好ましい。ブタジエンゴムを使用することにより、耐摩耗性と低発熱性を両立させることができる。
又、シリカは、充填剤の30〜70重量%を占めることが好ましい。この範囲であると、低発熱性、耐摩耗性、Wet性をバランス良く向上させることができる。
又、シリカの5〜20重量%のシランカップリング剤を更に含有することが好ましい。5より少ないと、十分な補強効果が得られない。一方、20を超えると、伸びが低下する。
又、本実施形態に係る空気入りタイヤは、重荷重用ラジアルタイヤとして用いることが好ましい。重荷重用ラジアルタイヤは、その使用上、低発熱性、耐摩耗性、Wet性の向上が特に求められる。
以下に実施例を挙げて、本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
表1に示す組成のゴム組成物を調整し、試験用空気入りタイヤ(重荷重用ラジアルタイヤ)を作成した。タイヤサイズは、11R22.5とした。
Figure 2005336303
*1 宇部興産製、BR150L
*2 下記の方法で合成したポリブタジエンゴム
*3 SAF級カーボンブラック、N134
*4 日本シリカ製、ニップシールAQ
*5 N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾール−スルフェンアミド
<変性ポリブタジエンゴム(変性BR)の製造方法>
(1)触媒の調整
乾燥・窒素置換された、ゴム栓付き容積約100mlのガラス瓶に、以下の順番に、ブタジエンのシクロヘキサン溶液(15.2重量%)7.11g、ネオジムネオデカノエートのシクロヘキサン溶液(0.56M)0.59ml、メチルアルミノキサンMAO(東ソーアクゾ製PMAO)のトルエン溶液(アルミニウム濃度として3.23M)10.32ml、水素化ジイソブチルアルミ(関東化学製)のヘキサン溶液(0.90M)7.77mlを投入し、室温で2分間熟成した後、塩素化ジエチルアルミ(関東化学製)のヘキサン溶液(0.95M)1.45mlを加え、室温で時折撹拌しながら15分間熟成した。こうして得られた触媒溶液中のネオジムの濃度は、0.011M(モル/リットル)であった。
(2)重合体中間体の製造
乾燥・窒素置換された、ゴム栓付き容積約900mlのガラス瓶に、乾燥精製された1,3−ブタジエンのシクロヘキサン溶液及び乾燥シクロヘキサンを各々投入し、1,3−ブタジエン12.5wt%のシクロヘキサン溶液が400g投入された状態とした。次に、(1)において調整した触媒溶液2.28ml(ネオジム換算0.025mmol)を投入し、50℃温水浴中で1.0時間重合を行った。
(3)第1次変性処理
第1次変性剤として、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPMOS:エポキシ)のヘキサン溶液(1.0M)として、GPMOSを23.5モル当量(ネオジム対比)投入し、50℃で60分間処理することにより、第1次の変性を行った。
(4)第2次変性以降の処理
続いて、縮合促進剤として、ビス(2−エチルヘキサノエート)スズ(BEHAS)のシクロヘキサン溶液(1.01M)を1.76ml(70.5eq/Nd相当)と、イオン交換水32μl(70.5eq/Nd相当)を投入し、50℃温水浴中で1.0時間処理した。その後、重合系に老化防止剤2,2−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−5)のイソプロパノール5%溶液2mlを加えて反応の停止を行い、更に微量のNS−5を含むイソプロパノール中で再沈殿を行い、ドラム乾燥することにより変性BRを得た。得られたBRのムーニー粘度ML1+-4(100℃)を、(有)東洋精機製作所製のRLM−01型テスターを用いて100℃で測定したところ、93であった。
又、表1に示す各ゴム組成物の物性を以下に示す方法で測定した。
(1)耐摩耗性評価
表1に示す比較例及び実施例に係る空気入りタイヤを車輌に装着し、10万キロ走行後の残溝測定から摩耗量を算出した。結果は、走行距離/(走行前溝深さ−走行後溝深さ)を計算し、比較例1の結果を100とし、指数表示した。数値が大きいほど耐摩耗性に優れることを示す。
(2)Wetグリップ性評価
表1に示す比較例及び実施例に係る空気入りタイヤを車輌に装着し、水深1cmのWet路面を時速60kmで走行中に、ブレーキをかけてから車輌が完全に停止するまでの距離を測定した。結果は、比較例1の結果を100とし、指数表示した。数値が大きいほどWETグリップ性に優れることを示す。
(3)低発熱性評価
表1に示す比較例及び実施例に係る空気入りタイヤをドラムに装着し、一定速度、ステップロード条件で回転させた。結果は、タイヤ内部の一定深さ位置温度を測定し、比較例1の結果を100とし、指数表示した。数値が大きいほど低発熱性に優れることを示す。
(結果)
表1より、比較例2のゴム組成物は、比較例1のゴム組成物に比べ、カーボンブラックの含有量を減少させることにより、低発熱性を向上させている。しかし、耐摩耗性及びWet性が低下している。
又、比較例3のゴム組成物は、比較例1のゴム組成物に比べ、カーボンブラックを含有せず、シリカを含有させることにより、低発熱性を向上させている。しかし、耐摩耗性及びWet性が低下している。
又、比較例4のゴム組成物は、比較例1のゴム組成物に比べ、通常BRを用い、カーボンブラックとシリカの含有量を適当にすることにより、低発熱性を向上させている。しかし、耐摩耗性及びWet性が低下している。
一方、実施例1のゴム組成物は、比較例1のゴム組成物に比べ、耐摩耗性とWet性を損なうことなく、低発熱性を向上させている。このため、変性BRを用い、シリカが充填剤の10〜70重量%を占め、かつ、シリカが変性BRの33重量%以上含まれることにより、耐摩耗性とWet性を損なうことなく、低発熱性を向上させることができることが確認できた。

Claims (5)

  1. 天然ゴム30〜80重量部、及び、スチレン−ブタジエンゴム及び/又はブタジエンゴム20〜70重量部からなるゴム成分100重量部当たり、
    カーボンブラックとシリカよりなる充填剤40〜60重量部を含有し、
    前記ゴム成分は、共役ジエン系モノマーを単独で、あるいは、他のモノマーと共に重合して得られ、主鎖の共役ジエン部分におけるシス−1,4−結合の含量が75モル%以上の、活性末端を有する共役ジエン系重合体の該活性末端に、ヒドロカルビルオキシラン化合物を反応させる第1次変性の後、炭素数が4以上の糖類又は変性糖類を含む多価アルコールの脂肪酸エステルでかつ水酸基を一つ以上有する化合物、及びヒドロカルビルオキシラン化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物を反応させる第2次変性を行うことにより製造された末端変性共役ジエン系重合体を含有し、
    前記第2次変性において縮合促進剤を用い、該縮合促進剤が下記(1)から(3)で表される金属化合物からなる群から選ばれた少なくとも一種と水とからなり、
    (1)酸化数2のスズの炭素数3〜30のカルボン酸塩で、次式を満足するもの
    Sn(OCOR142
    (式中、R14は、炭素数2〜19の有機基であり、複数ある場合は同一でも異なっていてもよい。)
    (2)酸化数4のスズの化合物で、次式を満足するもの
    15 rSnA4 t1 (4-t-r)
    [式中、rは1〜3の整数で;tは1又は2の整数で;t+rは3又は4の整数である。R15は炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基で;B1はヒドロキシル基又はハロゲンである。A4は、(i)炭素数2〜30のカルボキシル基、(ii)炭素数5〜30のα,γ−ジオニル基、(iii)炭素数3〜30のヒドロカルビルオキシ基、及び(iv)炭素数1〜20のヒドロカルビル基及び/又は炭素数1〜20のヒドロカルビルオキシ基で合計三置換(同一でも異なっていてもよい)されたシロキシ基から選ばれる基であり、A4が複数ある場合は同一でも異なっていてもよい。]
    (3)酸化数4のチタン化合物で、次式を満足するもの
    5 xTiB2 (4-x)
    [式中、xは2又は4の整数である。A5は、(i)炭素数3〜30のアルコキシ基、(ii)炭素数1〜30のアルキル基及び/又は炭素数1〜20のアルコキシ基で合計三置換されたシロキシ基であり、A5が複数ある場合は同一でも異なっていてもよい。B2は、炭素数5〜30のα,γ−ジオニル基である。]
    前記共役ジエン系重合体の重合に用いる重合触媒が、下記(A)、(B)、(C)の各成分それぞれから選ばれる少なくとも一種の化合物を組み合わせてなり、
    (A)成分:次の(A1)〜(A4)から選ばれる希土類化合物であり、そのまま不活性有機溶媒溶液として用いても不活性固体上に担持して用いてもよい
    (A1)酸化数3の希土類化合物で、炭素数2〜30のカルボキシル基、炭素数2〜30のアルコキシ基、炭素数6〜30のアリーロキシ基、及び炭素数5〜30のα,γ−ジケトニル基の中から自由に選ばれる配位子を合計三つ有するもの、又はこれとルイス塩基化合物の錯化合物
    (A2)希土類の3ハロゲン化物とルイス塩基の錯化合物
    (A3)少なくとも一つの(置換)アリル基が直接希土類原子に結合した、酸化数3の有機希土類化合物
    (A4)少なくとも一つの(置換)シクロペンタジエニル基が直接希土類原子に結合した酸化数2もしくは3の有機希土類化合物、又はこの化合物とトリアルキルアルミニウムもしくは非配位性アニオン及び対カチオンからなるイオン性化合物との反応生成物
    (B)成分:次の一つから選ばれる少なくとも一種類の有機アルミニウム化合物であり、複数を同時に用いることができる
    (B1)R3 3AIで表されるトリヒドロカルビルアルミ化合物(但し、R3は炭素数1〜30の炭化水素基で、互いに同一であっても異なってもよい)
    (B2)R4 2AIH又はR4AIH2で表されるヒドロカルビルアルミ水素化物(但し、R4は炭素数1〜30の炭化水素基で、互いに同一であっても異なってもよい)
    (B3)炭素数1〜30の炭化水素基を持つヒドロカルビルアルミノキサン化合物である
    (C)成分:次の一から選ばれる化合物であり、(A)がハロゲン又は非配位性アニオンを含む場合、及び(B)がアルミノキサンを含む場合は必ずしも必要ではない。
    (C1)加水分解可能なハロゲンを有するII、III、IV族の無機もしくは有機化合物又はこれらとルイス塩基の錯化合物
    (C2)少なくとも一つの三級アルキルハライド、ベンジルハライド、及びアリルハライドから選ばれる構造を有する有機ハロゲン化物
    (C4)非配位性アニオン及び対カチオンからなるイオン性化合物
    前記希土類元素がランタン、ネオジム、プラセオジム、サマリウム、ガドリウムからなる群から選ばれる一種であり、
    前記共役ジエン系重合体がポリブタジエン、ポリイソプレン、及びブタジエンと他の共役ジエンとの共重合体からなる群から選ばれる少なくとも一種であり、
    前記シリカは、前記充填剤の10〜70重量%を占め、かつ、前記シリカは、前記末端変性共役ジエン系重合体の33重量%以上であることを特徴とするゴム組成物をトレッドゴムに用いてなる空気入りタイヤ。
  2. 前記ゴム成分は、天然ゴム30〜80重量部、及び、ブタジエンゴム20〜70重量部からなることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記シリカは、前記充填剤の30〜70重量%を占めることを特徴とする請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記シリカの5〜20重量%のシランカップリング剤を更に含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 重荷重用ラジアルタイヤとして用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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