JP5985256B2 - タイヤ用ゴム組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物に関し、更に詳しくは、タイヤ用ゴム組成物へのシリカの分散性を改良し、未加硫ゴムの粘度を上げず、また、発熱性も改良できて、加工性も良好となるタイヤ用ゴム組成物に関する。
近年の省エネルギーの社会的な要請に伴い、自動車の燃料消費節約を目的として、タイヤ用ゴム組成物の低発熱性と湿潤路面でのグリップ性を両立させる充填剤として、シリカの配合が多用されている。
用いるシリカは、その表面官能基であるシラノール基の水素結合により粒子同士が凝集する傾向にあり、ゴム中へのシリカの分散を良くするためには混練時間を長くする必要がある。また、ゴム中へのシリカの分散が不十分なためゴム組成物のムーニー粘度が高くなり、押出しなどの加工性に劣るなどの欠点を有していた。さらに、シリカ粒子の表面が酸性であることから、加硫促進剤として使用される塩基性物質を吸着し、ゴム組成物の加硫が十分に行われず、貯蔵弾性率が上がらないという欠点を有していた。そのため、従来からシリカ配合ゴム組成物における加工性等の改良が求められている。
従来において、シリカ配合ゴム組成物における加工性等を改良する技術として、例えば、1)ゴム組成物における補強用シリカ充填材の分散を向上させる加工助剤として、シリカに対して弱い化学的反応性を示す極性末端と弾性重合体に対して弱い化学的反応性を示す非極性末端を有するアミド化合物(脂肪酸アミド)をシリカ配合ゴムに添加する技術(例えば、特許文献1参照)、2)3級アミン化合物をシリカ配合ゴムに添加することでシリカの分散性を向上させる技術(例えば、特許文献2参照)が知られている。
しかしながら、上記特許文献1には、本発明とは構造が異なるアミド化合物(脂肪酸アミド)をシリカ配合ゴムに添加することで加工性を向上させるとの記載があるが、加硫速度が遅くなるといった課題を有するものであり、また、上記特許文献2は、本発明とは構造が異なる3級アミン化合物をシリカ配合ゴムに添加することで加工性を向上させるとの記載があるが、この場合、スコーチタイムが早くなり、ゴム焼けが生じるといった課題があるものである。
一方、特定のアルカノールアミド化合物からなるゴムの硫黄ブルーム防止剤、この硫黄ブルーム防止剤をゴム組成物に配合する技術(例えば、特許文献3参照)が知られているが、シリカ配合における加工性向上に関する記載もなく、本発明とは発明の課題、使用用途及び技術思想が相違するものである。
更に、シリカ配合ゴム組成物における加工性等の改良をゴム成分から求めるものとして、最近、ゴム組成物の加工性及び貯蔵性からゴム組成物に液状のスチレン−ブタジエン共重合体を使用することが注目を集めている。液状のスチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)には、主に分子量約10,000のものが提案されている(例えば、特許文献4参照)。また、液状SBRはタイヤなどにあっては耐摩耗性のために用いられる(例えば、特許文献5参照)。
ところで、近年、自動車タイヤは、車の高速化などによりその使用条件がますます過酷になる方向にあり、タイヤ性能、例えば、高度な低転がり抵抗性が求められる状況にある。これに関連してトレッドゴムにもtanδの小さいゴムの使用が望まれる。これらの要望を満たすためには、上述した従来のゴム配合手法だけでは、ゴム組成物の加工等の作業性、タイヤ用ゴム組成物のtanδ(損失係数)の点等で改善すべき必要がみられる。
特表2003−533574号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開2010−59272号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開昭58−113235号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開昭61−203145号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開平01−196378号公報(特許請求の範囲、実施例等)
本発明は、上記従来技術の課題等について、これを解消しようとするものであり、タイヤ用ゴム組成物へのシリカの分散性を改良し、未加硫ゴムの粘度を上げず、また、発熱性も改良できて、加工性も良好となるタイヤ用ゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来技術の課題等に鑑み、鋭意検討した結果、天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムから選択される少なくとも一種のゴム成分に対して、特定のポリマーと、白色充填剤と、特定のモノアルカノールアミドの少なくとも一種を配合することにより、上記目的のタイヤ用ゴム組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、次の(1)〜(18)に存する。
(1) 天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムから選択される少なくとも一種のゴム成分に対して、質量平均分子量が1,000〜200,000のポリマー(A)と、白色充填剤と、下記一般式(I)で表されるモノアルカノールアミドの少なくとも一種とを配合してなることを特徴とするタイヤ用ゴム組成物。
Figure 0005985256
(2) 前記ポリマー(A)の質量平均分子量が10,000〜200,000であることを特徴とする上記(1)記載のタイヤ用ゴム組成物。
(3) 前記ポリマー(A)の質量平均分子量が30,000〜200,000であることを特徴とする上記(1)記載のタイヤ用ゴム組成物。
(4) 前記ポリマー(A)の質量平均分子量が50,000〜150,000であることを特徴とする上記(1)記載のタイヤ用ゴム組成物。
(5) 前記ポリマー(A)が芳香族ビニル化合物とジエン化合物との共重合体からなることを特徴とする上記(1)〜(4)の何れか一つに記載のタイヤ用ゴム組成物。
(6) 前記共重合体の芳香族ビニル化合物が、0〜60質量%であることを特徴とする上記(5)記載のタイヤ用ゴム組成物。
(7) 前記共重合体の芳香族ビニル化合物が、5〜40質量%であることを特徴とする上記(5)記載のタイヤ用ゴム組成物。
(8) 前記共重合体のジエン化合物のビニル結合量が0〜80質量%であることを特徴とする上記(5)〜(7)の何れか一つに記載のタイヤ用ゴム組成物。
(9) 前記共重合体のジエン化合物のビニル結合量が0〜60質量%であることを特徴とする上記(5)〜(7)の何れか一つに記載のタイヤ用ゴム組成物。
(10) 前記共重合体のジエン化合物のビニル結合量が10〜50質量%であることを特徴とする上記(5)〜(7)の何れか一つに記載のタイヤ用ゴム組成物。
(11) 前記ポリマー(A)が少なくとも一種の官能基を持つことを特徴とする上記(1)〜(10)の何れか一つに記載のタイヤ用ゴム組成物。
(12) 前記官能基が、窒素を含む官能基、珪素を含む官能基、酸素又は硫黄を含む官能基、及び金属を含む官能基からなる群から選択される官能基である上記(11)記載のタイヤ用ゴム組成物。
(13) 前記窒素を含む官能基は、非置換基、又は置換基を有するアミノ基、アミド基、イミノもと、イミダゾール基、ニトリル基、イソシアネート基及びピリジル基からなる群から選択される上記(12)記載のタイヤ用ゴム組成物。
(14) 前記ゴム成分100質量部に対し、上記ポリマー(A)を5〜60質量部、上記白色充填剤を5〜200質量部、及び上記式(I)で表されるモノアルカノールアミドを0.5〜15質量部配合してなることを特徴とする上記(1)〜(13)の何れか一つに記載のタイヤ用ゴム組成物。
(15) 更に、シランカップリング剤を配合することを特徴とする上記(1)〜(14)の何れか一つに記載のタイヤ用ゴム組成物。
(16) 上記式(I)中のRは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、イソヘプチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、又はイソトリデシル基を表し、また、R は、ヒドロキシアルキル基またはオキシアルキレンユニットを有するヒドロキシアルキル基であることを特徴とする上記(1)〜(15)の何れか一つに記載のタイヤ用ゴム組成物。
(17) 上記式(I)中のRは、下記式(II)で表され、Rは炭素数1〜6のアルキレン基であり、また、nは1〜5となる数であることを特徴とする上記(1)〜(16)の何れか一つに記載のタイヤ用ゴム組成物。
−(RO)n−H ………(II)
(18) 前記式(I)で表されるモノアルカノールアミドの配合量が、上記シリカ100質量部に対して、0.5〜20質量部であることを特徴とする上記(1)〜(17)の何れか一つに記載のタイヤ用ゴム組成物。
本発明によれば、シリカの分散性を改良し、未加硫ゴムの粘度を上げず、また、発熱性も改良できて、加工性も良好となるタイヤ用ゴム組成物が提供される。
以下に、本発明の実施形態を詳しく説明する。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムから選択される少なくとも一種のゴム成分に対して、質量平均分子量が1,000〜200,000のポリマー(A)と、白色充填剤と、下記一般式(I)で表されるモノアルカノールアミドの少なくとも一種とを配合してなることを特徴とするものである。
Figure 0005985256
〔ゴム成分〕
本発明のタイヤ用ゴム組成物に用いるゴム成分は、天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムからなる。ここで、ジエン系合成ゴムとしては、例えば、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン-プロピレン共重合体等が挙げられる。これらのゴム成分は、一種単独で用いても、二種以上をブレンドして用いてもよい。
〔ポリマー(A)〕
本発明のタイヤ用ゴム組成物に用いるポリマー(A)は、タイヤ用ゴム組成物の加工等の作業性、tanδ(損失係数)の点等で更に改善する観点等から配合するものであり、質量平均分子量(ゲル浸透クロマトグラフィーによるポリスチレン換算)が1,000〜200,000にある共重合体である。好ましくは、10,000〜200,000、より好ましくは、30,000〜1500,000の質量平均分子量、更に好ましくは、50,000〜150,000の質量平均分子量を有することが望ましい。
好ましいポリマー(A)は、芳香族ビニル化合物−ジエン化合物との共重合体、単量体である芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とを共重合させたものが望ましい。より高分子量のものが優れるが、質量平均分子量が1,000未満では、損失係数に劣る傾向となり、一方、200,000超過では作業性が低下することとなる。
また、ポリマー(A)となる上記共重合体は、0〜60質量%の芳香族ビニル化合物を含むことが好ましく、更に好ましくは、5〜40質量%の芳香族ビニル化合物を含むことが望ましい。
また、ジエン化合物の部分のビニル結合量は、0〜80質量%を含むことが好ましく、更に好ましくは、0〜60質量%、特に好ましくは、10〜50質量%を含むことが望ましい。
80質量%を超える芳香族ビニル化合物の割合、及び80質量%を超えるビニル結合量の共役ジエン化合物からなる共重合体は、作業性を悪くし、またタイヤにおける耐久性及び耐転がり抵抗性が十分に向上しないこととなる。なお、本発明に規定する「ビニル結合量」は、ジエン化合物由来の構成単位中のビニル結合の量を示し、シス結合及びトランス結合で表される他の結合を含むすべての結合の量に占めるビニル結合の量の割合を示す。
芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、クロロメチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。好ましいくは、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレンが挙げられる。特に、スチレンが好ましい。
また、ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエン等が用いられ、特に、1,3−ブタジエンが好ましい。
本発明に用いるポリマー(A)の共重合体は、所定の分子構造が与えられる限り、種々の製造方法によって得ることができる。この共重合体は、各種液状、又は低分子量のポリマー又はゴムが適用可能であり、好ましくは、スチレンとブタジエンとを溶液重合することにより好適に製造される。特に好ましくは、共重合体は、溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体である。
工業的な方法を例示すると、有機リチウム化合物を開始剤として、炭化水素溶媒中で、所定の単量体を共重合させる方法である。例えば、共重合体は、槽型又は塔型の反応器中において、炭化水素溶媒中、有機リチウム化合物開始剤をエーテル又は第3級アミンの存在下で用いて、少量の1,2−ブタジエンを含む1,3−ブタジエンのようなジエン化合物と芳香族ビニル化合物とを共重合させることにより得ることができる。
本発明のポリマー(A)は、本発明の効果を更に発揮せしめる観点から、好ましくは、少なくとも一種の官能基を持つことが望ましい。
この官能基は、窒素を含む官能基、珪素を含む官能基、酸素又は硫黄を含む官能基、及び金属を含む官能基からなる群から選択された官能基であることが好ましい。
特に、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とを共重合した共重合体は、その官能基を末端或いは主鎖中に有することができる。特に、末端官能基の場合、変性共役ジエン系重合体はその末端官能基が変性開始剤又は変性停止剤を使用して形成することができる。
この変性した共重合体を含むゴム組成物は、その低発熱性が向上するが、後述のシリカ(含水ケイ酸)を配合することによってゴム組成物での作業性の低下を抑える。
本発明において、窒素を含む官能基としては、例えば、置換もしくは非置換のアミノ基、アミド基、イミノ基、イミダゾール基、イソシアネート基及びビリジル基であることが好ましい。置換もしくは非置換のアミノ基としては、第一アルキルアミン、第二アルキルアミン又は環状アミンあるいは、置換もしくは非置換のイミンから誘導されるアミノ基が挙げられる。
置換もしくは非置換のアミノ基としては、下記式(III)で表される置換アミノ基又は下記式(IV)で表される環状アミノ基であることが、更に好ましい。
Figure 0005985256
ここで、上記式中、Rは、それぞれ独立して炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、又は炭素数7〜12のアラルキル基である。具体的には、メチル基、エチル基、ブチル基、イソブチル基、オクチル基、シクロへキシル基、及び3−フェニルプロピル基が好適に挙げられる。
Figure 0005985256
ここで、上記式中、Rは、3〜16のメチレン基を有するアルキレン基、置換アルキレン基、オキシアルキレン基又はN−アルキルアミノ−アルキレン基を示す。具体的には、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、オキシジエチレン基、N−アルキルアザジエチレン基、ドデカメチレン基、及びヘキサデカメチレン基等が好ましい。
また、本発明において、珪素を含む官能基としては、有機シリル基、又はシロキシ基あることが好ましく、より詳細には、アルコキシシリル基、アルキルハロシリル基、シロキシ基、アルキルアミノシリル基、及びアルコキシハロシリル基からなる群から選択された官能基であることが好ましい。
そして、本発明において、酸素又は硫黄を含む官能基が、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、グリシドキシ基、ジグリシジルアミノ基、サイクリックジチアン由来の官能基、エステル基、アルデヒド基、アルコキシ基、ケトン基、チオカルボキシル基、チオエポキシ基、チオグリシドキシ基、チオジグリシジルアミノ基、チオエステル基、チオアルデヒド基、チオアルコキシ基及びチオケトン基からなる群から選択された官能基であることが好ましい。アルコキシ基として、ペンゾフェノンから誘導されたアルコール由来のアルコキシ基であっても良い。
更に、本発明において、金属を含む官能基が、有機金属を含む官能基であることが好ましい。
前記有機アルカリ金属化合物等を重合開始剤として、アニオン重合により共役ジエン系重合体を製造する方法としては、特に制限はなく、例えば、重合反応に不活性な炭化水素溶媒中で、共役ジエン化合物単独で、又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との混合物を重合させることで共役ジエン系重合体を製造することができる。ここで、重合反応に不活性な炭化水素溶媒としては、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、プロペン、1−ブテン、イソブテン、トランス−2−ブテン、シス−2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
前記アニオン重合は、ランダマイザーの存在下で実施してもよい。該ランダマイザーは、共役ジエン化合物のミクロ構造を制御することができ、例えば、単量体としてブタジエンを用いた重合体のブタジエン単位の1,2−結合含量を制御したり、単量体としてスチレンとブタジエンを用いた共重合体のブタジエン単位とスチレン単位とをランダム化する等の作用を有する。前記ランダマイザーとしては、ジメトキシベンゼン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ビステトラヒドロフリルプロパン、トリエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、1,2−ジピペリジノエタン、カリウム−t−アミレート、カリウム−t−ブトキシド、ナトリウム−t−アミレート等が挙げられる。これらランダマイザーの使用量は、重合開始剤の有機アルカリ金属化合物1モル当り0.01〜100モル当量の範囲が好ましい。
前記アニオン重合は、溶液重合、気相重合、バルク重合のいずれで実施してもよいが、溶液重合の場合、溶液中の前記単量体の濃度は、5〜50質量%の範囲が好ましく、10〜30質量%の範囲が更に好ましい。なお、単量体として、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を併用する場合、単量体混合物中の芳香族ビニル化合物の含有率は、3〜50質量%の範囲が好ましく、4〜45質量%の範囲が更に好ましい。また、重合形式は特に限定されず、回分式でも連続式でもよい。
前記アニオン重合の重合温度は、0〜150℃の範囲が好ましく、20〜130℃の範囲が更に好ましい。また、該重合は、発生圧力下で実施できるが、通常は、使用する単量体を実質的に液相に保つのに十分な圧力下で行うことが好ましい。ここで、重合反応を発生圧力より高い圧力下で実施する場合、反応系を不活性ガスで加圧することが好ましい。また、重合に使用する単量体、重合開始剤、溶媒等の原材料は、水、酸素、二酸化炭素、プロトン性化合物等の反応阻害物質を予め除去したものを用いることが好ましい。
一方、配位重合で活性末端を有する共役ジエン系重合体を製造する場合、重合開始剤としては、希土類金属化合物を用いるのが好ましく、下記(a)成分、(b)成分、(c)成分を組み合わせて用いることが更に好ましい。
前記配位重合に用いる(a)成分は、希土類金属化合物、及び希土類金属化合物とルイス塩基との錯化合物等から選択される。ここで、希土類金属化合物としては、希土類元素のカルボン酸塩、アルコキサイド、β−ジケトン錯体、リン酸塩及び亜リン酸塩等が挙げられ、ルイス塩基としては、アセチルアセトン、テトラヒドロフラン、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、チオフェン、ジフェニルエーテル、トリエチルアミン、有機リン化合物、1価又は2価のアルコール等が挙げられる。前記希土類金属化合物の希土類元素としては、ランタン、ネオジム、プラセオジム、サマリウム、ガドリニウムが好ましく、これらの中でも、ネオジムが特に好ましい。また、(a)成分として、具体的には、ネオジムトリ−2−エチルヘキサノエート,それとアセチルアセトンとの錯化合物,ネオジムトリネオデカノエート,それとアセチルアセトンとの錯化合物,ネオジムトリn−ブトキシド等が挙げられる。これら(a)成分は一種単独で用いても、二種以上を混合して用いてもよい。
前記配位重合に用いる(b)成分は、有機アルミニウム化合物から選択される。該有機アルミニウム化合物として、具体的には、式:R Alで表されるトリヒドロカルビルアルミニウム化合物、式:R AlH又はRAlHで表されるヒドロカルビルアルミニウム水素化物(式中、Rは、それぞれ独立して炭素数1〜30の炭化水素基である)、炭素数1〜30の炭化水素基をもつヒドロカルビルアルミノキサン化合物等が挙げられる。該有機アルミニウム化合物として、具体的には、トリアルキルアルミニウム,ジアルキルアルミニウムヒドリド,アルキルアルミニウムジヒドリド,アルキルアルミノキサン等が挙げられる。これらの化合物は一種単独で用いても、二種以上を混合して用いてもよい。なお、(b)成分としては、アルミノキサンと他の有機アルミニウム化合物とを併用するのが好ましい。
前記配位重合に用いる(c)成分は、加水分解可能なハロゲンを有する化合物又はこれらとルイス塩基の錯化合物;三級アルキルハライド、ベンジルハライド又はアリルハライドを有する有機ハロゲン化物;非配位性アニオン及び対カチオンからなるイオン性化合物等から選択される。かかる(c)成分として、具体的には、アルキルアルミニウム二塩化物、ジアルキルアルミニウム塩化物、四塩化ケイ素、四塩化スズ、塩化亜鉛とアルコール等のルイス塩基との錯体、塩化マグネシウムとアルコール等のルイス塩基との錯体、塩化ベンジル,塩化t−ブチル,臭化ベンジル,臭化t−ブチル、トリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。これら(c)成分は一種単独で用いても、二種以上を混合して用いてもよい。
前記重合開始剤は、前記の(a),(b),(c)成分以外に、必要に応じて、重合用単量体と同じ共役ジエン化合物及び/又は非共役ジエン化合物を用いて予備的に調製してもよい。また、(a)成分又は(c)成分の一部又は全部を不活性な固体上に担持して用いてもよい。前記各成分の使用量は、適宜設定することができるが、通常、(a)成分は単量体100g当たり0.001〜0.5mmolである。また、モル比で(b)成分/(a)成分は5〜1000、(c)成分/(a)成分は0.5〜10の範囲が好ましい。
前記配位重合における重合温度は、−80〜150℃の範囲が好ましく、−20〜120℃の範囲が更に好ましい。また、配位重合に用いる溶媒としては、上述のアニオン重合で例示した反応に不活性な炭化水素溶媒を用いることができ、反応溶液中の単量体の濃度もアニオン重合の場合と同様である。更に、配位重合における反応圧力もアニオン重合の場合と同様であり、反応に使用する原材料も、水、酸素、二酸化炭素、プロトン性化合物等の反応阻害物質を実質的に除去したものが望ましい。
本発明に係る前記芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とからなる少なくとも一種の官能基を持つ共重合体を製造する方法としては、上述のように製造された活性末端を有する共役ジエン系重合体の活性末端を変性剤で変性する方法、上述のようにリチウムアミド化合物等の変性基含有重合開始剤を用いて重合開始側の末端を変性する方法、共役ジエン系重合体の活性末端を変性剤で変性(第1段変性)した後に更にその変性基と変性剤とを反応させる多段変性の方法、共役ジエン系重合体の主鎖中もしくは側鎖中に変性剤をグラフトさせる方法及び共役ジエン系重合体の重合時に官能基含有モノマーと共重合する方法等が挙げられる。
本発明に係る前記芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とからなる少なくとも一種の官能基を持つ共重合体を製造するために、上述のように製造された活性末端を有する共役ジエン系重合体の活性末端を変性剤で変性する場合、変性剤としては、窒素含有化合物、ケイ素含有化合物、酸素又は硫黄含有化合物、スズ含有化合物等を用いることができる。
前記変性剤として用いることができる窒素含有化合物としては、ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルピロリドン、4−ジメチルアミノベンジリデンアニリン等が挙げられる。これらの窒素含有化合物を変性剤として用いることで、置換及び非置換のアミノ基、アミド残基、イミダゾリル基、インドリル基、ニトリル基、ピリジル基、ケチミン基等の窒素を含む官能基を共役ジエン系重合体に導入することができる。ケチミン基、即ち、ケチミン構造(−N=CR)を有するアミノ基は、マスクされたアミノ基であり、そのままでは第一アミンとしての性質を示さないが、空気中の水分等により極めて容易に加水分解されケトン化合物が脱離することにより活性な第一アミンが再生する。
また、前記変性剤として用いることができるケイ素含有化合物としては、ヒドロカルビルオキシシラン化合物が好ましく、下記式(V)、
又は式:R −Si−(OR4−p……(VI)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物からなる群から選択される少なくとも一種以上のヒドロカルビルオキシシラン化合物が更に好ましい。
Figure 0005985256
上記式中、Aは(チオ)エポキシ基、(チオ)インシアネート基、(チオ)ケトン、(チオ)アルデヒド基、イミン残基、アミド残基、イソシアヌル酸トリエステル残基、(チオ)カルボン酸ヒドロカルビルエステル残基、(チオ)カルボン酸残基の金属塩、カルボン酸無水物残基、カルボン酸ハロゲン化物残基、炭酸ジヒドロカルビルエステル残基、環状第二アミン残基、非環状第二アミン残基、ピリジン基、及びシラザン基の中から選ばれる少なくとも一種の官能基を有する一価の基、あるいはジスルフィド基であり;R及びRは、それぞれ独立に炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基で;Rは単結合又は炭素数1〜20の二価の不活性炭化水素基であり;nは1〜3の整数であり;ORが複数ある場合、複数のORはたがいに同一でも異なっていてもよく;また分子中には活性プロトン及びオニウム塩は含まれない。
また、Aにおける官能基の中で、イミン残基はケチミン基、アルジミン残基、アミジン基を包含し、(チオ)カルボン酸エステル基は、アクリレート残基やメタクリレート残基等の不飽和カルボン酸エステル残基を包含する。また、(チオ)カルボン酸残基の金属塩の金属としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Al、Sn、Zn等を挙げることができる。
及びRとしては、炭素数1〜20のアルキル基,炭素数2〜18のアルケニル基,炭素数6〜18のアリール基,炭素数7〜18のアラルキル基等が挙げられる。ここで、前記アルキル基及びアルケニル基は、直鎖状,枝分かれ状,環状のいずれであってもよく、例えば、メチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,n−ブチル基,イソブチル基,sec−ブチル基,tert−ブチル基,ペンチル基,ヘキシル基,オクチル基,デシル基,ドデシル基,シクロペンチル基,シクロヘキシル基,ビニル基,プロぺニル基,アリル基,ヘキセニル基,オクテニル基,シクロペンテニル基,シクロヘキセニル基等が挙げられる。また、前記アリール基は、芳香環上に低級アルキル基等の置換基を有していてもよく、例えば、フェニル基,トリル基,キシリル基,ナフチル基等が挙げられる。更に、前記アラルキル基は、芳香環上に低級アルキル基等の置換基を有していてもよく、例えば、ベンジル基,フェネチル基,ナフチルメチル基等が挙げられる。
の内の炭素数1〜20の二価の不活性炭化水素基としては、炭素数1〜20のアルキレン基が好ましい。該アルキレン基は、直鎖状,枝分かれ状,環状のいずれであってもよいが、特に直鎖状のものが好適である。該直鎖状アルキレン基としては、メチレン基,エチレン基,トリメチレン基,テトラメチレン基,ペンタメチレン基,ヘキサメチレン基,オクタメチレン基,デカメチレン基,ドデカメチレン基等が挙げられる。
上記式(V)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物としては、例えば、(チオ)エポキシ基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物として、2−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、2−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、(2−グリシドキシエチル)メチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル(メチル)ジメトキシシラン及びこれらの化合物におけるエポキシ基をチオエポキシ基に置き換えたものを挙げることができるが、これらの中でも、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン及び3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランが特に好ましい。
また、イミン基含有ヒドロカルビルオキシシラン化合物として、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン,N−(1−メチルエチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン,N−エチリデン−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン,N−(1−メチルプロピリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン,N−(4−N,N−ジメチルアミノベンジリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン,N−(シクロヘキシリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン及びこれらのトリエトキシシリル化合物に対応するトリメトキシシリル化合物,メチルジエトキシシリル化合物,エチルジエトキシシリル化合物,メチルジメトキシシリル化合物,エチルジメトキシシリル化合物等を挙げることができるが、これらの中でも、N−(1−メチルプロピリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン及びN−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミンが特に好ましい。
また、アミジンの部分構造含有化合物としては、1−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−4,5−ジヒドロイミダゾール,1−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−4,5−ジヒドロイミダゾール,N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール,N−(3−イソプロポキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール,N−(3−メチルジエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール等が挙げられ、これらの中でも、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾールが好ましい。
更に、その他のヒドロカルビルオキシシラン化合物として、以下のものを挙げることができる。即ち、カルボン酸エステル基含有化合物としては、3−メタクリロイロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロイロキシプロピルトリイソプロポキシシランなどが挙げられ、これらの中でも、3−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
また、イソシアネート基含有化合物としては、3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラン、3−イソシアナトプロピルトリイソプロポキシシランなどが挙げられ、これらの中でも、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシランが好ましい。
更に、カルボン酸無水物含有化合物としては、3−トリエトキシシリルプロピルコハク酸無水物、3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物、3−メチルジエトキシシリルプロピルコハク酸無水物等が挙げられ、これらの中でも、3−トリエトキシシリルプロピルコハク酸無水物が好ましい。
シラザン含有アルコキシシラン化合物としては、例えば、N、N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、1−トリメチルシリル−2、2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタン、N、N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N、N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルトリエトキシシラン、N、N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N、N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルトリメトキシシラン、N、N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルトリエトキシシラン、N、N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルメチルジメトキシシラン、及びN、N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。好ましくは、N、N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルトリエトキシシラン、N、N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、又は1−トリメチルシリル−2、2−ジメトキシ−1−アザ−2−シラシクロペンタンである。
上記式(VI)中、R及びRは、それぞれ独立して炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり;pは0〜2の整数であり;R及びORがそれぞれ複数ある場合、複数のR及びORはそれぞれたがいに同一でも異なっていてもよく;また分子中には活性プロトン及びオニウム塩は含まれない。
また、上記式(VI)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトライソブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン等が挙げられ、これらの中でも、テトラエトキシシランが特に好ましい。
前記ヒドロカルビルオキシシラン化合物は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、前記ヒドロカルビルオキシシラン化合物の部分縮合物も用いることができる。
前記変性剤による変性反応は、溶液反応で行うのが好ましく、該溶液中には、重合時に使用した単量体が含まれていてもよい。また、変性反応の反応形式は特に制限されず、バッチ式でも連続式でもよい。更に、変性反応の反応温度は、反応が進行する限り特に限定されず、重合反応の反応温度をそのまま採用してもよい。なお、変性剤の使用量は、共役ジエン系重合体の製造に使用した重合開始剤1molに対し、0.25〜3.0molの範囲が好ましく、0.5〜1.5molの範囲が更に好ましい。
本発明に用いる上記芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とからなる共重合体などのポリマー(A)は、ゴム成分100質量部に対して、5〜60質量部の範囲で配合することが好ましい。
この配合量が5質量部以上で、本発明の効果を発揮でき、一方、作業性、ゴム成分への悪影響の観点から、60質量部以下とすることが望ましい。
〔白色充填剤〕
本発明のタイヤ用ゴム組成物に用いる白色充填剤としては、シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、クレー、炭酸カルシウム等が挙げられ、これらの中でも、補強性の観点から、シリカ及び水酸化アルミニウムが好ましく、シリカが特に好ましい。
用いることができるシリカとしては、特に制限はなく、市販のゴム組成物に使用されているものが使用でき、中でも湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、コロイダルシリカ等を使用することができ、特に、湿式シリカの使用が好ましい。
これらの白色充填剤の配合量は、上記ゴム成分100質量部に対して5〜200質量部の範囲が好ましく、更に好ましくは、10〜150質量部の範囲とすることが望ましく、より更に好ましくは、20〜120質量部の範囲とすることが望ましい。特に、本発明の場合、シリカが上記ゴム成分100質量部に対して60質量部以上の高い配合であっても、本発明の効果を発揮できるものである。
この白色充填剤の配合量が上記ゴム成分100質量部に対してヒステリシスを低下させる効果の観点から、5質量部以上が好ましく、一方、作業性を向上させる観点から200質量部以下が好ましい。
〔シランカップリング剤〕
本発明において、上記シリカを用いる場合には、補強性の観点から、シランカップリング剤を用いることが好ましい。
用いることができるシランカップリング剤は、特に制限なく、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−ニトロプロピルトリメトキシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、3−ニトロプロピルジメトキシメチルシラン、3−クロロプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィドなどの少なくとも1種が挙げられる。
これらのシランカップリング剤の配合量は、シリカの配合量によって変動するものであるが、好ましくは、シリカ100質量部に対し、1〜20質量部、更に好ましくは、発熱性の観点から、6〜12質量部の範囲が望ましい。
シランカップリング剤の配合量がシリカ100質量部に対し、カップリング剤を入れる効果の観点から、1質量部以上が好ましく、一方、補強性、発熱性を維持する観点から、20質量部以下が好ましい。
本発明では、上記シリカ以外にも補強性充填剤として、カーボンブラックなどを併用できる。
用いることができるカーボンブラックは、特に制限なく、例えば、FEF、SRF、HAF、ISAF、SAFなどのグレードを用いることができる。
これらのカーボンブラックの配合量も、特に限定されるものではないが、好ましくは、前記ゴム成分100質量部に対し、0〜60質量部、更に好ましくは、10〜50質量部であることが望ましい。なお、発熱性を維持する観点から、60質量部以下が好ましい。
〔一般式(I)で表されるモノアルカノールアミド〕
本発明に用いる下記式(I)で表されるモノアルカノールアミドは、シリカ配合ゴムの未加硫粘度を低減し、加工性を改良して本発明の効果を更に発揮させるために配合するものである。
Figure 0005985256
上記式(I)において、Rは、未加硫粘度の低減、及びtanδの観点から、炭素数1〜13のアルキル基又はアルケニル基であり、該アルキル基及びアルケニル基は直鎖状、分枝鎖状及び環状の何れでもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、イソヘプチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基などのアルキル基、アリル基、3−ブテニル基、メタリル基、2−メチル−3−ブテニル基、3−メチル−3−ブテニル基、1,1,−ジメチル−2−プロペニル基、4−ペンテニル基などのアルケニル基が挙げられ、本発明の効果を更に発現するためには、好ましくは、炭素数6〜13、さらに好ましくは炭素数11〜13、よりさらに好ましくは炭素数11のアルキル基又はアルケニル基であり、該アルキル基及びアルケニル基は直鎖状、分枝鎖状及び環状の何れでもよく、好ましくはヘプチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、ウンデシル基、トリデシル基であり、より好ましくは、ウンデシル基、トリデシル基、より更に好ましくはウンデシル基である。モノアルカノールアミドの原料となる脂肪酸としては、好ましくは、オクタン酸、ラウリン酸、テトラデカン酸、ミリスチン酸等が挙げられる。
本発明において、上記式(I)におけるRを上述の如く、炭素数1〜13のアルキル基又はアルケニル基、好ましくは、炭素数6〜13、さらに好ましくは炭素数11〜13のアルキル基又はアルケニル基に限定したのは、炭素数13を超えるものでは、炭素数1〜13のものに較べ、本発明の効果の発現が低くなる傾向にあるためである。
また、式(I)において、Rはヒドロキシアルキル基またはオキシアルキレンユニットを有するヒドロキシアルキル基である。前記アルキル基としては、炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が好ましく、炭素数2〜3がより好ましい。
更に、上記式(I)中のRは、下記式(II)で表されるものが好ましく、Rは炭素数1〜6のアルキレン基であり、また、nは1〜5となる数であることが好ましい。
−(RO)n−H ………(II)
中でも、Rが、エチレン基やプロピレン基が好ましく、nは1〜3となるものが好ましく、1がより好ましく、Rが、エチレン基であり、且つnが1がより更に好ましい。なお、n個のRは同一でも異なっていてもよい。
具体的に用いることができる上記記式(I)で表されるモノアルカノールアミドとしては、オクタン酸モノエタノールアミド、オクタン酸モノイソプロパンプロパノールアミド、POE(2)オクタン酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノイソプロパノールアミド、ヘキサン酸モノエタノールアミド、オクタン酸モノエタノールアミド、テトラデカン酸モノエタノールアミド、POE(2)ラウリン酸モノエタノールアミドの少なくとも1種を挙げることができ、中でもラウリン酸モノイソプロパノールアミド、ヘキサン酸モノエタノールアミド、オクタン酸モノエタノールアミド、デカン酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、テトラデカン酸モノエタノールアミド、POE(2)ラウリン酸モノエタノールアミドの使用が望ましい。なお、上記式(III)で表されるモノアルカノールアミドの合成法は、既知であり、種々の製法により得ることができ、また、市販のものを使用してもよい。
これらのモノアルカノールアミドの配合量は、ゴム成分100質量部に対して、0.5〜15質量部、更に好ましくは、本発明の更なる効果を発揮せしめる観点から、1〜10質量部が好ましく、2〜10質量部がより好ましく、3〜10質量部がより更に好ましい。また、モノアルカノールアミドの配合量は、シリカを含む白色充填剤100質量部に対して、0.5〜20質量部が好ましく、1〜15質量部がより好ましく、2〜12質量部がより更に好ましい。
このモノアルカノールアミドの配合量が、ゴム成分100質量部に対して、0.5質量部以上では、未加硫粘度低減効果が高く、一方、15質量部以下では、加硫速度への影響が小さく好ましい。
本発明のタイヤ用ゴム組成物には、上記ゴム成分、ポリマー(A)、白色充填剤、上記式(I)で表されるモノアルカノールアミドの他に、ゴム工業界で通常使用される配合剤、例えば、老化防止剤、軟化剤、ステアリン酸、亜鉛華、加硫促進剤、加硫促進助剤、加硫剤等を、本発明の目的を阻害しない範囲内で適宜選択して配合することができる。これら配合剤としては、市販品を好適に使用することができる。
また、本発明のタイヤ用ゴム組成物は、上記ゴム成分、ポリマー(A)、白色充填剤、上記式(I)で表されるモノアルカノールアミドと、必要に応じて適宜選択した各種配合剤とをロール、インターナルミキサー等の混練り機を用いて混練り、熱入れ、押出等することにより得られ、成形加工後、加硫を行い、タイヤトレッド、アンダートレッド、カーカス、サイドウォール、ビード部分等のタイヤのタイヤ部材の用途に好適に用いることができる。
このように構成されるタイヤ用ゴム組成物が、何故、タイヤ用ゴム組成物へのシリカの分散性を改良し、未加硫ゴムの粘度を上げず、また、発熱性も改良できて、加工性も良好となるかは以下のように推察される。
すなわち、本発明のタイヤ用ゴム組成物において、天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムから選択される少なくとも一種のゴム成分に対して、白色充填剤を配合した配合系に、上記ポリマー(A)、特に、グリップ性能、耐摩耗性が向上できる上記芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とからなる共重合体と、シリカ表面を疎水化する上記式(I)で表されるモノアルカノールアミドの少なくとも一種とを併用することにより、上記ポリマー(A)が配合ゴム粘度を低減させ、良く練られることでゴム中のフィラー面積が増大し、単独で用いた時に較べて多くの疎水化剤がフィラーであるシリカと反応することができ、その結果、フィラー表面が疎水化されることでフィラー間の摩擦に起因する散逸エネルギーが小さくなることで、低ロス性(tanδ)も改善されるものと推察される。なお、上記式(I)で表されるモノアルカノールアミドは、脂肪酸アミド、3級アミンなどよりもシリカ表面疎水化効果が高くこれらの化合物よりも加工性が良好となる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物を用いて通常の方法によってタイヤを製造することができる。例えば、上記のように各種配合剤を配合させた本発明のタイヤ用ゴム組成物を未加硫の段階でタイヤ部材として、例えば、トレッド用部材に押出し加工され、タイヤ成形機上で通常の方法により貼り付け成形され、生タイヤが成形される。この生タイヤを加硫機中で加熱加圧して、低発熱性に優れ、低燃費性が良好であると共に、しかも該タイヤ用ゴム組成物の加工性が良好であるので、生産性にも優れたものとなる。
次に、製造例、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
<製造例1〜2>
用いるポリマー(A)は、下記各製造法等により得たものを使用した。各製造例で得られた
質量平均分子量、芳香族ビニル化合物量(スチレン量St)、1,2−ビニル結合量は下記各方法により求めた。
(1)質量平均分子量
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー[GPC:東ソー株式会社製のHLC−8020、カラム:東ソー株式会社製のGMH−XL(2本直列)、検出器:示唆屈折率計(RI)で単分散ポリスチレンを基準として、各重合体のポリスチレン換算の質量平均分子量(Mw)を求めた。
(2)芳香族ビニル化合物量(スチレン量St)
以下の算出式により算出した。
スチレン単量体の仕込み量(g)/〔スチレン単量体の仕込み量(g)+ブタジエン単量体の仕込み量(g)〕×100
(3)1,2−ビニル結合量
重合体のビニル含量率を赤外法(モレロ法)で求めた。
(製造例1:ポリマー1の製造)
乾燥し、窒素置換された800mLの耐圧ガラス容器に、ブタジエンのシクロヘキサン溶液(16%)、スチレンのシクロヘキサン溶液(21%)を、仕込み量がブタジエン単量体40g、スチレン単量体10gとなるように注入し、2,2−ジテトラヒドロフリルプロパン3.2ミリモルを注入し、これに、n−ブチルリチウム(BuLi)8ミリモルを加えた後、50℃の温水浴中で1.5時間重合する。重合転化率はほぼ100%であった。この後、重合系に、更に、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)のイソプロパノール5質量%溶液0.5mLを添加し、反応を停止させる。その後、常法に従い乾燥することにより、質量平均分子量10,000〔(スチレン量(St)/ビニル結合量(Vi)=20質量%/40質量%)〕を得る。
(製造例2:ポリマー2の製造)
上記製造例1において、2,2−ジテトラヒドロフリルプロパンの量を0.64、n−ブチルリチウム(BuLi)の量を1.6ミリモル以外は製造例1の製造と同様にして製造し、質量平均分子量50,000〔(スチレン量(St)/ビニル結合量(Vi)=20質量%/40質量%)〕ものを得た。
<製造例3〜7>
用いるモノアルカノールアミドは、下記各製造法等により得たものを使用した。
(製造例3)
500mLの4つ口フラスコにラウリン酸メチル350g(1.63モル)、及び2−アミノ−1−プロパノール122.6g(1.63モル)を仕込み、得られた混合物の0.05質量%のナトリウムメトキシドを加えて、減圧(45mmHg)/窒素雰囲気下、85℃で7時間攪拌して反応により生成したメタノールを除去した。その後、触媒のナトリウムメトキシドを当量のリン酸で中和、濾過を行い、ラウリン酸モノイソプロパノールアミド396gを得た。
(製造例4)
2.5リッターのエチレンオキサイド付加装置に、アミノーンC-01[花王(株)製]900g(3.70モル)とその0.1質量%のナトリウムメトキシドを仕込み、120℃でエチレンオキサイド326g(7.40モル)を付加させた。その後、真空にて脱気を行い、70℃まで冷却して抜き出した。その後、触媒のナトリウムメトキシドを当量のリン酸で中和、濾過を行い、POE(2)ラウリン酸モノエタノールアミド1140gを得た。
(製造例5)
上記製造例3から、エステルをヘキサン酸メチル320g(2.46モル)に、及びアミンをモノエタノールアミン150.1g(2.46モル)に変えた以外は、製造例1と同様に反応を行い、ヘキサン酸モノエタノールアミド362gを得た。
(製造例6)
上記製造例3から、エステルをオクタン酸メチル340g(2.15モル)に、及びアミンをモノエタノールアミン131.2g(2.15モル)に変えた以外は、製造例1と同様に反応を行い、オクタン酸モノエタノールアミド371gを得た。
(製造例7)
上記製造例3から、エステルをテトラデカン酸メチル380g(1.57モル)に、及びアミンをモノエタノールアミン95.8g(1.57モル)に変えた以外は、製造例1と同様に反応を行い、テトラデカン酸モノエタノールアミド401gを得た。
〔実施例1〜7及び比較例1〜3〕
下記表1に示す配合処方で常法により、タイヤ用ゴム組成物を調製した。表中の数値は質量部である。
得られた各タイヤ用ゴム組成物について、下記測定方法により、未加硫ゴム粘度の測定を行った。また、得られたゴム組成物を160℃で14分間加硫した。得られた加硫ゴムに対し、下記測定方法により粘弾性(tanδ)の測定を行った。
これらの結果を下記表1に示す。
〔未加硫ゴム粘度の測定方法〕
未加硫ゴム粘度は、JIS K 6300−1:2001(ムーニー粘度)に準拠して行った。
なお、評価は、比較例1の値を100として指数表示した。未加硫ゴム粘度は、値が小さいほど作業性が良好であることを示す。
〔粘弾性(tanδ)の測定方法〕
粘弾性測定装置(レオメトリックス社製)を使用し、温度50℃、歪み5%、周波数15Hzでtanδを測定し、比較例1の値を100として指数表示した。この値が小さい程、低発熱性が良好であることを示す。
Figure 0005985256
上記表1中の*1〜*18は下記のとおりである。
*1)SBR#1723〔JSR社製〕(ゴム成分100質量部、油成分37.5質量部)
*2)製造例1
*3)製造例2
*4)シースト7HM〔東海カーボン社製〕
*5)東ソーシリカ株式会社製「ニプシールVN3」
*6)ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド
*7)イクロクリスタリンワックス,オゾエース0701〔日本精蝋社製〕
*8)ノクラック6C〔大内新興化学工業社製〕
*9)ンフレックスRD−S〔精工化学社製〕
*10)ノクセラーD〔大内新興化学工業社製〕
*11)ノクセラーDM〔大内新興化学工業社製〕
*12)サンセラーCM−G〔三新化学工業社製〕
*13)製造例3〔ラウリン酸モノイソプロパノールアミド〕
*14)製造例4〔POE(2)ラウリン酸モノエタノールアミド〕
*15)アミノーンC−01〔ラウリン酸モノエタノールアミド、花王社製〕
*16)製造例5〔ヘキサン酸モノエタノールアミド〕
*17)製造例6〔オクタン酸モノエタノールアミド〕
*18)製造例7〔テトラデカン酸モノエタノールアミド〕
上記表1から明らかなように、本発明範囲となる実施例1〜7のタイヤ用ゴム組成物は、本発明の範囲外となる比較例1〜3に較べて、未加硫ゴム粘度、粘弾性(tanδ)の評価結果から、未加硫ゴムの粘度を上げず、また、発熱性も改良できて、加工性も良好となるタイヤ用ゴム組成物となることが判明した。
タイヤトレッド、アンダートレッド、カーカス、サイドウォール、ビード部分等の空気入りタイヤのタイヤ部材の用途に好適に用いることができる。

Claims (16)

  1. 天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムから選択される少なくとも一種のゴム成分100質量部に対して、質量平均分子量が1,000〜200,000のポリマー(A)5〜60質量部と、白色充填剤5〜200質量部と、下記一般式(I)で表されるモノアルカノールアミドの少なくとも一種0.5〜15質量部とを配合してなることを特徴とするタイヤ用ゴム組成物。
    Figure 0005985256
  2. 前記ポリマー(A)の質量平均分子量が10,000〜200,000であることを特徴とする請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 前記ポリマー(A)の質量平均分子量が30,000〜200,000であることを特徴とする請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. 前記ポリマー(A)の質量平均分子量が50,000〜150,000であることを特徴とする請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
  5. 前記ポリマー(A)の質量平均分子量が10,000〜100,000未満であることを特徴とする請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
  6. 前記ポリマー(A)が芳香族ビニル化合物とジエン化合物との共重合体からなることを特徴とする請求項1〜の何れか一つに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  7. 前記共重合体の芳香族ビニル化合物が、5〜40質量%であることを特徴とする請求項記載のタイヤ用ゴム組成物。
  8. 前記共重合体のジエン化合物のビニル結合量が0〜80質量%であることを特徴とする請求項6又は7に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  9. 前記共重合体のジエン化合物のビニル結合量が0〜60質量%であることを特徴とする請求項6又は7に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  10. 前記共重合体のジエン化合物のビニル結合量が10〜50質量%であることを特徴とする請求項6又は7に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  11. 前記ポリマー(A)が少なくとも一種の官能基を持つことを特徴とする請求項1〜10の何れか一つに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  12. 前記官能基が、窒素を含む官能基、珪素を含む官能基、酸素又は硫黄を含む官能基、及び金属を含む官能基からなる群から選択される官能基である請求項11に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  13. 前記窒素を含む官能基は、非置換基、又は置換基を有するアミノ基、アミド基、イミノ、イミダゾール基、ニトリル基、イソシアネート基及びピリジル基からなる群から選択される請求項12記載のタイヤ用ゴム組成物。
  14. 更に、シランカップリング剤を配合することを特徴とする請求項1〜13の何れか一つに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  15. 上記式(I)中のRは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、イソヘプチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、又はイソトリデシル基の何れかを表すことを特徴とする請求項1〜14の何れか一つに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  16. 前記白色充填剤がシリカであり、前記式(I)で表されるモノアルカノールアミドの配合量が、上記シリカ100質量部に対して、0.5〜20質量部であることを特徴とする請求項1〜15の何れか一つに記載のタイヤ用ゴム組成物。
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