JP5985256B2 - タイヤ用ゴム組成物 - Google Patents
タイヤ用ゴム組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5985256B2 JP5985256B2 JP2012120886A JP2012120886A JP5985256B2 JP 5985256 B2 JP5985256 B2 JP 5985256B2 JP 2012120886 A JP2012120886 A JP 2012120886A JP 2012120886 A JP2012120886 A JP 2012120886A JP 5985256 B2 JP5985256 B2 JP 5985256B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- rubber composition
- mass
- tire
- polymer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Tires In General (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
用いるシリカは、その表面官能基であるシラノール基の水素結合により粒子同士が凝集する傾向にあり、ゴム中へのシリカの分散を良くするためには混練時間を長くする必要がある。また、ゴム中へのシリカの分散が不十分なためゴム組成物のムーニー粘度が高くなり、押出しなどの加工性に劣るなどの欠点を有していた。さらに、シリカ粒子の表面が酸性であることから、加硫促進剤として使用される塩基性物質を吸着し、ゴム組成物の加硫が十分に行われず、貯蔵弾性率が上がらないという欠点を有していた。そのため、従来からシリカ配合ゴム組成物における加工性等の改良が求められている。
ところで、近年、自動車タイヤは、車の高速化などによりその使用条件がますます過酷になる方向にあり、タイヤ性能、例えば、高度な低転がり抵抗性が求められる状況にある。これに関連してトレッドゴムにもtanδの小さいゴムの使用が望まれる。これらの要望を満たすためには、上述した従来のゴム配合手法だけでは、ゴム組成物の加工等の作業性、タイヤ用ゴム組成物のtanδ(損失係数)の点等で改善すべき必要がみられる。
(1) 天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムから選択される少なくとも一種のゴム成分に対して、質量平均分子量が1,000〜200,000のポリマー(A)と、白色充填剤と、下記一般式(I)で表されるモノアルカノールアミドの少なくとも一種とを配合してなることを特徴とするタイヤ用ゴム組成物。
(3) 前記ポリマー(A)の質量平均分子量が30,000〜200,000であることを特徴とする上記(1)記載のタイヤ用ゴム組成物。
(4) 前記ポリマー(A)の質量平均分子量が50,000〜150,000であることを特徴とする上記(1)記載のタイヤ用ゴム組成物。
(5) 前記ポリマー(A)が芳香族ビニル化合物とジエン化合物との共重合体からなることを特徴とする上記(1)〜(4)の何れか一つに記載のタイヤ用ゴム組成物。
(6) 前記共重合体の芳香族ビニル化合物が、0〜60質量%であることを特徴とする上記(5)記載のタイヤ用ゴム組成物。
(7) 前記共重合体の芳香族ビニル化合物が、5〜40質量%であることを特徴とする上記(5)記載のタイヤ用ゴム組成物。
(8) 前記共重合体のジエン化合物のビニル結合量が0〜80質量%であることを特徴とする上記(5)〜(7)の何れか一つに記載のタイヤ用ゴム組成物。
(9) 前記共重合体のジエン化合物のビニル結合量が0〜60質量%であることを特徴とする上記(5)〜(7)の何れか一つに記載のタイヤ用ゴム組成物。
(10) 前記共重合体のジエン化合物のビニル結合量が10〜50質量%であることを特徴とする上記(5)〜(7)の何れか一つに記載のタイヤ用ゴム組成物。
(11) 前記ポリマー(A)が少なくとも一種の官能基を持つことを特徴とする上記(1)〜(10)の何れか一つに記載のタイヤ用ゴム組成物。
(12) 前記官能基が、窒素を含む官能基、珪素を含む官能基、酸素又は硫黄を含む官能基、及び金属を含む官能基からなる群から選択される官能基である上記(11)記載のタイヤ用ゴム組成物。
(13) 前記窒素を含む官能基は、非置換基、又は置換基を有するアミノ基、アミド基、イミノもと、イミダゾール基、ニトリル基、イソシアネート基及びピリジル基からなる群から選択される上記(12)記載のタイヤ用ゴム組成物。
(14) 前記ゴム成分100質量部に対し、上記ポリマー(A)を5〜60質量部、上記白色充填剤を5〜200質量部、及び上記式(I)で表されるモノアルカノールアミドを0.5〜15質量部配合してなることを特徴とする上記(1)〜(13)の何れか一つに記載のタイヤ用ゴム組成物。
(15) 更に、シランカップリング剤を配合することを特徴とする上記(1)〜(14)の何れか一つに記載のタイヤ用ゴム組成物。
(16) 上記式(I)中のR1は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、イソヘプチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、又はイソトリデシル基を表し、また、R 2は、ヒドロキシアルキル基またはオキシアルキレンユニットを有するヒドロキシアルキル基であることを特徴とする上記(1)〜(15)の何れか一つに記載のタイヤ用ゴム組成物。
(17) 上記式(I)中のR2は、下記式(II)で表され、R3は炭素数1〜6のアルキレン基であり、また、nは1〜5となる数であることを特徴とする上記(1)〜(16)の何れか一つに記載のタイヤ用ゴム組成物。
−(R3O)n−H ………(II)
(18) 前記式(I)で表されるモノアルカノールアミドの配合量が、上記シリカ100質量部に対して、0.5〜20質量部であることを特徴とする上記(1)〜(17)の何れか一つに記載のタイヤ用ゴム組成物。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムから選択される少なくとも一種のゴム成分に対して、質量平均分子量が1,000〜200,000のポリマー(A)と、白色充填剤と、下記一般式(I)で表されるモノアルカノールアミドの少なくとも一種とを配合してなることを特徴とするものである。
本発明のタイヤ用ゴム組成物に用いるゴム成分は、天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムからなる。ここで、ジエン系合成ゴムとしては、例えば、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン-プロピレン共重合体等が挙げられる。これらのゴム成分は、一種単独で用いても、二種以上をブレンドして用いてもよい。
本発明のタイヤ用ゴム組成物に用いるポリマー(A)は、タイヤ用ゴム組成物の加工等の作業性、tanδ(損失係数)の点等で更に改善する観点等から配合するものであり、質量平均分子量(ゲル浸透クロマトグラフィーによるポリスチレン換算)が1,000〜200,000にある共重合体である。好ましくは、10,000〜200,000、より好ましくは、30,000〜1500,000の質量平均分子量、更に好ましくは、50,000〜150,000の質量平均分子量を有することが望ましい。
好ましいポリマー(A)は、芳香族ビニル化合物−ジエン化合物との共重合体、単量体である芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とを共重合させたものが望ましい。より高分子量のものが優れるが、質量平均分子量が1,000未満では、損失係数に劣る傾向となり、一方、200,000超過では作業性が低下することとなる。
また、ジエン化合物の部分のビニル結合量は、0〜80質量%を含むことが好ましく、更に好ましくは、0〜60質量%、特に好ましくは、10〜50質量%を含むことが望ましい。
80質量%を超える芳香族ビニル化合物の割合、及び80質量%を超えるビニル結合量の共役ジエン化合物からなる共重合体は、作業性を悪くし、またタイヤにおける耐久性及び耐転がり抵抗性が十分に向上しないこととなる。なお、本発明に規定する「ビニル結合量」は、ジエン化合物由来の構成単位中のビニル結合の量を示し、シス結合及びトランス結合で表される他の結合を含むすべての結合の量に占めるビニル結合の量の割合を示す。
また、ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエン等が用いられ、特に、1,3−ブタジエンが好ましい。
工業的な方法を例示すると、有機リチウム化合物を開始剤として、炭化水素溶媒中で、所定の単量体を共重合させる方法である。例えば、共重合体は、槽型又は塔型の反応器中において、炭化水素溶媒中、有機リチウム化合物開始剤をエーテル又は第3級アミンの存在下で用いて、少量の1,2−ブタジエンを含む1,3−ブタジエンのようなジエン化合物と芳香族ビニル化合物とを共重合させることにより得ることができる。
この官能基は、窒素を含む官能基、珪素を含む官能基、酸素又は硫黄を含む官能基、及び金属を含む官能基からなる群から選択された官能基であることが好ましい。
特に、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とを共重合した共重合体は、その官能基を末端或いは主鎖中に有することができる。特に、末端官能基の場合、変性共役ジエン系重合体はその末端官能基が変性開始剤又は変性停止剤を使用して形成することができる。
この変性した共重合体を含むゴム組成物は、その低発熱性が向上するが、後述のシリカ(含水ケイ酸)を配合することによってゴム組成物での作業性の低下を抑える。
置換もしくは非置換のアミノ基としては、下記式(III)で表される置換アミノ基又は下記式(IV)で表される環状アミノ基であることが、更に好ましい。
そして、本発明において、酸素又は硫黄を含む官能基が、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、グリシドキシ基、ジグリシジルアミノ基、サイクリックジチアン由来の官能基、エステル基、アルデヒド基、アルコキシ基、ケトン基、チオカルボキシル基、チオエポキシ基、チオグリシドキシ基、チオジグリシジルアミノ基、チオエステル基、チオアルデヒド基、チオアルコキシ基及びチオケトン基からなる群から選択された官能基であることが好ましい。アルコキシ基として、ペンゾフェノンから誘導されたアルコール由来のアルコキシ基であっても良い。
更に、本発明において、金属を含む官能基が、有機金属を含む官能基であることが好ましい。
又は式:R6 p−Si−(OR7)4−p……(VI)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物からなる群から選択される少なくとも一種以上のヒドロカルビルオキシシラン化合物が更に好ましい。
更に、カルボン酸無水物含有化合物としては、3−トリエトキシシリルプロピルコハク酸無水物、3−トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物、3−メチルジエトキシシリルプロピルコハク酸無水物等が挙げられ、これらの中でも、3−トリエトキシシリルプロピルコハク酸無水物が好ましい。
この配合量が5質量部以上で、本発明の効果を発揮でき、一方、作業性、ゴム成分への悪影響の観点から、60質量部以下とすることが望ましい。
本発明のタイヤ用ゴム組成物に用いる白色充填剤としては、シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、クレー、炭酸カルシウム等が挙げられ、これらの中でも、補強性の観点から、シリカ及び水酸化アルミニウムが好ましく、シリカが特に好ましい。
用いることができるシリカとしては、特に制限はなく、市販のゴム組成物に使用されているものが使用でき、中でも湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、コロイダルシリカ等を使用することができ、特に、湿式シリカの使用が好ましい。
この白色充填剤の配合量が上記ゴム成分100質量部に対してヒステリシスを低下させる効果の観点から、5質量部以上が好ましく、一方、作業性を向上させる観点から200質量部以下が好ましい。
本発明において、上記シリカを用いる場合には、補強性の観点から、シランカップリング剤を用いることが好ましい。
用いることができるシランカップリング剤は、特に制限なく、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−ニトロプロピルトリメトキシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、3−ニトロプロピルジメトキシメチルシラン、3−クロロプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィドなどの少なくとも1種が挙げられる。
シランカップリング剤の配合量がシリカ100質量部に対し、カップリング剤を入れる効果の観点から、1質量部以上が好ましく、一方、補強性、発熱性を維持する観点から、20質量部以下が好ましい。
用いることができるカーボンブラックは、特に制限なく、例えば、FEF、SRF、HAF、ISAF、SAFなどのグレードを用いることができる。
これらのカーボンブラックの配合量も、特に限定されるものではないが、好ましくは、前記ゴム成分100質量部に対し、0〜60質量部、更に好ましくは、10〜50質量部であることが望ましい。なお、発熱性を維持する観点から、60質量部以下が好ましい。
本発明に用いる下記式(I)で表されるモノアルカノールアミドは、シリカ配合ゴムの未加硫粘度を低減し、加工性を改良して本発明の効果を更に発揮させるために配合するものである。
本発明において、上記式(I)におけるR1を上述の如く、炭素数1〜13のアルキル基又はアルケニル基、好ましくは、炭素数6〜13、さらに好ましくは炭素数11〜13のアルキル基又はアルケニル基に限定したのは、炭素数13を超えるものでは、炭素数1〜13のものに較べ、本発明の効果の発現が低くなる傾向にあるためである。
更に、上記式(I)中のR2は、下記式(II)で表されるものが好ましく、R3は炭素数1〜6のアルキレン基であり、また、nは1〜5となる数であることが好ましい。
−(R3O)n−H ………(II)
中でも、R3が、エチレン基やプロピレン基が好ましく、nは1〜3となるものが好ましく、1がより好ましく、R3が、エチレン基であり、且つnが1がより更に好ましい。なお、n個のR3は同一でも異なっていてもよい。
このモノアルカノールアミドの配合量が、ゴム成分100質量部に対して、0.5質量部以上では、未加硫粘度低減効果が高く、一方、15質量部以下では、加硫速度への影響が小さく好ましい。
また、本発明のタイヤ用ゴム組成物は、上記ゴム成分、ポリマー(A)、白色充填剤、上記式(I)で表されるモノアルカノールアミドと、必要に応じて適宜選択した各種配合剤とをロール、インターナルミキサー等の混練り機を用いて混練り、熱入れ、押出等することにより得られ、成形加工後、加硫を行い、タイヤトレッド、アンダートレッド、カーカス、サイドウォール、ビード部分等のタイヤのタイヤ部材の用途に好適に用いることができる。
すなわち、本発明のタイヤ用ゴム組成物において、天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴムから選択される少なくとも一種のゴム成分に対して、白色充填剤を配合した配合系に、上記ポリマー(A)、特に、グリップ性能、耐摩耗性が向上できる上記芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とからなる共重合体と、シリカ表面を疎水化する上記式(I)で表されるモノアルカノールアミドの少なくとも一種とを併用することにより、上記ポリマー(A)が配合ゴム粘度を低減させ、良く練られることでゴム中のフィラー面積が増大し、単独で用いた時に較べて多くの疎水化剤がフィラーであるシリカと反応することができ、その結果、フィラー表面が疎水化されることでフィラー間の摩擦に起因する散逸エネルギーが小さくなることで、低ロス性(tanδ)も改善されるものと推察される。なお、上記式(I)で表されるモノアルカノールアミドは、脂肪酸アミド、3級アミンなどよりもシリカ表面疎水化効果が高くこれらの化合物よりも加工性が良好となる。
用いるポリマー(A)は、下記各製造法等により得たものを使用した。各製造例で得られた
質量平均分子量、芳香族ビニル化合物量(スチレン量St)、1,2−ビニル結合量は下記各方法により求めた。
(1)質量平均分子量
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー[GPC:東ソー株式会社製のHLC−8020、カラム:東ソー株式会社製のGMH−XL(2本直列)、検出器:示唆屈折率計(RI)で単分散ポリスチレンを基準として、各重合体のポリスチレン換算の質量平均分子量(Mw)を求めた。
(2)芳香族ビニル化合物量(スチレン量St)
以下の算出式により算出した。
スチレン単量体の仕込み量(g)/〔スチレン単量体の仕込み量(g)+ブタジエン単量体の仕込み量(g)〕×100
(3)1,2−ビニル結合量
重合体のビニル含量率を赤外法(モレロ法)で求めた。
乾燥し、窒素置換された800mLの耐圧ガラス容器に、ブタジエンのシクロヘキサン溶液(16%)、スチレンのシクロヘキサン溶液(21%)を、仕込み量がブタジエン単量体40g、スチレン単量体10gとなるように注入し、2,2−ジテトラヒドロフリルプロパン3.2ミリモルを注入し、これに、n−ブチルリチウム(BuLi)8ミリモルを加えた後、50℃の温水浴中で1.5時間重合する。重合転化率はほぼ100%であった。この後、重合系に、更に、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)のイソプロパノール5質量%溶液0.5mLを添加し、反応を停止させる。その後、常法に従い乾燥することにより、質量平均分子量10,000〔(スチレン量(St)/ビニル結合量(Vi)=20質量%/40質量%)〕を得る。
上記製造例1において、2,2−ジテトラヒドロフリルプロパンの量を0.64、n−ブチルリチウム(BuLi)の量を1.6ミリモル以外は製造例1の製造と同様にして製造し、質量平均分子量50,000〔(スチレン量(St)/ビニル結合量(Vi)=20質量%/40質量%)〕ものを得た。
用いるモノアルカノールアミドは、下記各製造法等により得たものを使用した。
(製造例3)
500mLの4つ口フラスコにラウリン酸メチル350g(1.63モル)、及び2−アミノ−1−プロパノール122.6g(1.63モル)を仕込み、得られた混合物の0.05質量%のナトリウムメトキシドを加えて、減圧(45mmHg)/窒素雰囲気下、85℃で7時間攪拌して反応により生成したメタノールを除去した。その後、触媒のナトリウムメトキシドを当量のリン酸で中和、濾過を行い、ラウリン酸モノイソプロパノールアミド396gを得た。
2.5リッターのエチレンオキサイド付加装置に、アミノーンC-01[花王(株)製]900g(3.70モル)とその0.1質量%のナトリウムメトキシドを仕込み、120℃でエチレンオキサイド326g(7.40モル)を付加させた。その後、真空にて脱気を行い、70℃まで冷却して抜き出した。その後、触媒のナトリウムメトキシドを当量のリン酸で中和、濾過を行い、POE(2)ラウリン酸モノエタノールアミド1140gを得た。
上記製造例3から、エステルをヘキサン酸メチル320g(2.46モル)に、及びアミンをモノエタノールアミン150.1g(2.46モル)に変えた以外は、製造例1と同様に反応を行い、ヘキサン酸モノエタノールアミド362gを得た。
上記製造例3から、エステルをオクタン酸メチル340g(2.15モル)に、及びアミンをモノエタノールアミン131.2g(2.15モル)に変えた以外は、製造例1と同様に反応を行い、オクタン酸モノエタノールアミド371gを得た。
上記製造例3から、エステルをテトラデカン酸メチル380g(1.57モル)に、及びアミンをモノエタノールアミン95.8g(1.57モル)に変えた以外は、製造例1と同様に反応を行い、テトラデカン酸モノエタノールアミド401gを得た。
下記表1に示す配合処方で常法により、タイヤ用ゴム組成物を調製した。表中の数値は質量部である。
得られた各タイヤ用ゴム組成物について、下記測定方法により、未加硫ゴム粘度の測定を行った。また、得られたゴム組成物を160℃で14分間加硫した。得られた加硫ゴムに対し、下記測定方法により粘弾性(tanδ)の測定を行った。
これらの結果を下記表1に示す。
未加硫ゴム粘度は、JIS K 6300−1:2001(ムーニー粘度)に準拠して行った。
なお、評価は、比較例1の値を100として指数表示した。未加硫ゴム粘度は、値が小さいほど作業性が良好であることを示す。
粘弾性測定装置(レオメトリックス社製)を使用し、温度50℃、歪み5%、周波数15Hzでtanδを測定し、比較例1の値を100として指数表示した。この値が小さい程、低発熱性が良好であることを示す。
*1)SBR#1723〔JSR社製〕(ゴム成分100質量部、油成分37.5質量部)
*2)製造例1
*3)製造例2
*4)シースト7HM〔東海カーボン社製〕
*5)東ソーシリカ株式会社製「ニプシールVN3」
*6)ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド
*7)イクロクリスタリンワックス,オゾエース0701〔日本精蝋社製〕
*8)ノクラック6C〔大内新興化学工業社製〕
*9)ンフレックスRD−S〔精工化学社製〕
*10)ノクセラーD〔大内新興化学工業社製〕
*11)ノクセラーDM〔大内新興化学工業社製〕
*12)サンセラーCM−G〔三新化学工業社製〕
*13)製造例3〔ラウリン酸モノイソプロパノールアミド〕
*14)製造例4〔POE(2)ラウリン酸モノエタノールアミド〕
*15)アミノーンC−01〔ラウリン酸モノエタノールアミド、花王社製〕
*16)製造例5〔ヘキサン酸モノエタノールアミド〕
*17)製造例6〔オクタン酸モノエタノールアミド〕
*18)製造例7〔テトラデカン酸モノエタノールアミド〕
Claims (16)
- 前記ポリマー(A)の質量平均分子量が10,000〜200,000であることを特徴とする請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記ポリマー(A)の質量平均分子量が30,000〜200,000であることを特徴とする請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記ポリマー(A)の質量平均分子量が50,000〜150,000であることを特徴とする請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記ポリマー(A)の質量平均分子量が10,000〜100,000未満であることを特徴とする請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記ポリマー(A)が芳香族ビニル化合物とジエン化合物との共重合体からなることを特徴とする請求項1〜5の何れか一つに記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記共重合体の芳香族ビニル化合物が、5〜40質量%であることを特徴とする請求項6記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記共重合体のジエン化合物のビニル結合量が0〜80質量%であることを特徴とする請求項6又は7に記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記共重合体のジエン化合物のビニル結合量が0〜60質量%であることを特徴とする請求項6又は7に記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記共重合体のジエン化合物のビニル結合量が10〜50質量%であることを特徴とする請求項6又は7に記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記ポリマー(A)が少なくとも一種の官能基を持つことを特徴とする請求項1〜10の何れか一つに記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記官能基が、窒素を含む官能基、珪素を含む官能基、酸素又は硫黄を含む官能基、及び金属を含む官能基からなる群から選択される官能基である請求項11に記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記窒素を含む官能基は、非置換基、又は置換基を有するアミノ基、アミド基、イミノ基、イミダゾール基、ニトリル基、イソシアネート基及びピリジル基からなる群から選択される請求項12記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 更に、シランカップリング剤を配合することを特徴とする請求項1〜13の何れか一つに記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 上記式(I)中のR1は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、イソヘプチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、又はイソトリデシル基の何れかを表すことを特徴とする請求項1〜14の何れか一つに記載のタイヤ用ゴム組成物。
- 前記白色充填剤がシリカであり、前記式(I)で表されるモノアルカノールアミドの配合量が、上記シリカ100質量部に対して、0.5〜20質量部であることを特徴とする請求項1〜15の何れか一つに記載のタイヤ用ゴム組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012120886A JP5985256B2 (ja) | 2012-05-28 | 2012-05-28 | タイヤ用ゴム組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012120886A JP5985256B2 (ja) | 2012-05-28 | 2012-05-28 | タイヤ用ゴム組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013245311A JP2013245311A (ja) | 2013-12-09 |
JP5985256B2 true JP5985256B2 (ja) | 2016-09-06 |
Family
ID=49845347
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012120886A Expired - Fee Related JP5985256B2 (ja) | 2012-05-28 | 2012-05-28 | タイヤ用ゴム組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5985256B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101770482B1 (ko) | 2014-12-17 | 2017-08-22 | 주식회사 엘지화학 | 변성 공액디엔계 중합체 및 이를 포함하는 고무 조성물 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4902974B2 (ja) * | 2005-08-05 | 2012-03-21 | 株式会社ブリヂストン | ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ |
JP5291883B2 (ja) * | 2007-02-02 | 2013-09-18 | 株式会社ブリヂストン | トレッド用ゴム組成物及びそれを用いたタイヤ |
JP5572223B2 (ja) * | 2009-12-16 | 2014-08-13 | ミシュラン ルシェルシュ エ テクニーク ソシエテ アノニム | 重量車両タイヤ用の高シリカ含有率 |
JP5670855B2 (ja) * | 2011-09-30 | 2015-02-18 | 住友ゴム工業株式会社 | タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ |
-
2012
- 2012-05-28 JP JP2012120886A patent/JP5985256B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2013245311A (ja) | 2013-12-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5756248B2 (ja) | タイヤ | |
JP5914572B2 (ja) | タイヤ | |
EP2404944B1 (en) | Polar group-containing copolymer, rubber composition and studless tire | |
JP5069593B2 (ja) | ゴム組成物及びそれを用いたタイヤ | |
US9279045B2 (en) | Tire prepared by using rubber composition containing modified polymer | |
JP6085077B2 (ja) | ゴム組成物及びそれを用いたタイヤ | |
US20110112212A1 (en) | Tire | |
JPWO2003048216A1 (ja) | 変性重合体の製造方法、その方法で得られた変性重合体及びゴム組成物 | |
JP5914216B2 (ja) | タイヤトレッド用ゴム組成物 | |
WO2014002706A1 (ja) | タイヤトレッド用ゴム組成物 | |
JP2007262206A (ja) | タイヤトレッド用ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ | |
JP2006274049A (ja) | ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ | |
JP5424540B2 (ja) | ゴム組成物及びタイヤ | |
JP2009269943A (ja) | タイヤ | |
JP4909520B2 (ja) | 変性重合体及びそれを用いたゴム組成物及びタイヤ | |
JP6431938B2 (ja) | タイヤトレッド用ゴム組成物 | |
JP5887218B2 (ja) | タイヤトレッド用ゴム組成物 | |
JP5985256B2 (ja) | タイヤ用ゴム組成物 | |
JP7125413B2 (ja) | ゴム組成物及びタイヤ | |
JP6092966B2 (ja) | タイヤトレッド用ゴム組成物 | |
JP2006274046A (ja) | ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ | |
JP2009137471A (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP2008297358A (ja) | ゴム組成物及びそれを用いたタイヤ | |
JP2010280865A (ja) | ゴム組成物及びそれを用いたタイヤ | |
JP5763935B2 (ja) | ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150219 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20150827 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150908 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20151102 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20160329 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160406 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160712 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160803 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5985256 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |