JP5771683B2 - ゴム組成物、タイヤサイド用ゴム組成物、架橋ゴム組成物、及びタイヤ - Google Patents
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Description
この問題に対し、オレフィンを主成分としたエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)を配合することで耐候性が改良されたが、共役ジエンとの相溶性が悪く、耐破壊性及び耐亀裂成長性が低下するという問題があった(例えば、特許文献1参照)。
ここで、チーグラー・ナッタ触媒に代表される触媒系を用いた配位アニオン重合では、オレフィンやジエンの単独重合が可能であることがよく知られている。しかしながら、このような重合反応系では、オレフィンとジエンとを効率良く共重合させることは困難であるという問題があった。
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明のゴム組成物は、少なくとも、共役ジエン化合物由来部分の含有量が40mol%以上である共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体(A)と、共役ジエン系重合体(B)と、エチレン−プロピレン−ジエンゴムを含有する非共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体(C)と、を含んでなり、さらに必要に応じて、上記以外のゴム成分、カーボンブラック等の補強性充填剤、架橋剤、その他の成分を含んでなる。
本発明のゴム組成物は、共役ジエン化合物由来部分の含有量が40mol%である共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体(A)を含む。該共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体(A)を含むことで、 (A)成分の共役ジエン部分が(B)成分との相溶性を向上させ、(A)成分の非共役オレフィン部分が非共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体(C)との相溶性を向上させることによって、耐破壊性及び耐亀裂成長性に優れた共役ジエン系重合体(B)と、耐候性に優れたエチレン−プロピレン−ジエンゴムを含有する非共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体(C)との相溶性を向上させることができる結果、ゴム組成物の耐候性、耐破壊性及び耐亀裂成長性を高いレベルで両立できる。なお、前記共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体とは、共役ジエン化合物と非共役オレフィンとの共重合体であり、共重合体におけるモノマー単位成分として非共役オレフィンを含むものである。
また、前記非共役オレフィン由来部分の含有量としては、加工性の点から、60mol%以下であることがより好ましく、40mol%以下であることがさらに好ましい。
前記共役ジエン化合物由来部分のシス1,4−結合量が、50%以上であれば、低いガラス転移点(Tg)を保持することができ、これにより、耐亀裂成長性や耐摩耗性等の物性が改良される。さらに、前記共役ジエン化合物由来部分のシス1,4−結合量を92%超とすることにより、耐亀裂成長性、耐候性、耐熱性を向上させることが可能となり、95%以上とすることにより、耐亀裂成長性、耐候性、耐熱性をより一層向上させることが可能となる。
なお、前記シス−1,4結合量は、前記共役ジエン化合物由来部分中の量であって、共重合体全体に対する割合ではない。
上述した共役ジエン化合物の具体例のいずれを用いても、同様のメカニズムで前記ブロック共重合体と前記ランダム共重合体とを調製することができる。
次に、前記共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体を製造することができる製造方法を詳細に説明する。但し、以下に詳述する製造方法は、あくまで例示に過ぎない。
前記共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体は、下記に示す重合触媒または重合触媒組成物の存在下、共役ジエン化合物と非共役オレフィンとを重合させる工程を含む。なお、重合方法としては、溶液重合法、懸濁重合法、液相塊状重合法、乳化重合法、気相重合法、固相重合法等の任意の方法を用いることができる。また、重合反応に溶媒を用いる場合、用いられる溶媒は重合反応において不活性であればよく、例えば、トルエン、シクロヘキサン、ノルマルヘキサン、またそれらの混合物等が挙げられる。
上記重合触媒組成物としては、下記一般式(I):
また、上記重合触媒組成物としては、
(a)成分:希土類元素化合物又は該希土類元素化合物とルイス塩基との反応物であって、希土類元素と炭素との結合を有さない該希土類元素化合物又は反応物と、
(b)成分:非配位性アニオンとカチオンとからなるイオン性化合物(b−1)、アルミノキサン(b−2)、並びにルイス酸、金属ハロゲン化物とルイス塩基との錯化合物及び活性ハロゲンを含む有機化合物のうち少なくとも1種のハロゲン化合物(b−3)よりなる群から選択される少なくとも1種とを含む重合触媒組成物(以下、第二重合触媒組成物ともいう)を好適に挙げることができ、
該第二重合触媒組成物が、イオン性化合物(b−1)及びハロゲン化合物(b−3)の少なくとも1種を含む場合、該重合触媒組成物は、更に、
(c)成分:下記一般式(X):
YR1 aR2 bR3 c ・・・ (X)
[式中、Yは、周期律表第1族、第2族、第12族及び第13族から選択される金属であり、R1及びR2は、同一又は異なり、炭素数1〜10の炭化水素基又は水素原子で、R3は炭素数1〜10の炭化水素基であり、但し、R3は上記R1又はR2と同一又は異なっていてもよく、また、Yが周期律表第1族から選択される金属である場合には、aは1で且つb及びcは0であり、Yが周期律表第2族及び第12族から選択される金属である場合には、a及びbは1で且つcは0であり、Yが周期律表第13族から選択される金属である場合には、a,b及びcは1である]で表される有機金属化合物を含むことを特徴とする。
(c)成分:下記一般式(X):
YR1 aR2 bR3 c ・・・ (X)
[式中、Yは、周期律表第1族、第2族、第12族及び第13族から選択される金属であり、R1及びR2は、同一又は異なり、炭素数1〜10の炭化水素基又は水素原子で、R3は炭素数1〜10の炭化水素基であり、但し、R3は上記R1又はR2と同一又は異なっていてもよく、また、Yが周期律表第1族から選択される金属である場合には、aは1で且つb及びcは0であり、Yが周期律表第2族及び第12族から選択される金属である場合には、a及びbは1で且つcは0であり、Yが周期律表第13族から選択される金属である場合には、a,b及びcは1である]で表される有機金属化合物を含むことを要する。上記イオン性化合物(b−1)及び上記ハロゲン化合物(b−3)は、(a)成分へ供給するための炭素原子が存在しないため、該(a)成分への炭素供給源として、上記(C)成分が必要となる。なお、上記重合触媒組成物が上記アルミノキサン(b−2)を含む場合であっても、該重合触媒組成物は、上記(c)成分を含むことができる。また、上記第二重合触媒組成物は、通常の希土類元素化合物系の重合触媒組成物に含有される他の成分、例えば助触媒等を含んでいてもよい。なお、重合反応系において、第二重合触媒組成物に含まれる(a)成分の濃度は0.1〜0.0001mol/lの範囲であることが好ましい。
M11X11 2・L11w ・・・ (XI)
M11X11 3・L11w ・・・ (XII)
[式中、M11は、ランタノイド元素、スカンジウム又はイットリウムを示し、X11は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシド基、チオラート基、アミド基、シリル基、アルデヒド残基、ケトン残基、カルボン酸残基、チオカルボン酸残基又はリン化合物残基を示し、L11は、ルイス塩基を示し、wは、0〜3を示す]で表されることができる。
上記活性ハロゲンを含む有機化合物としては、ベンジルクロライド等が挙げられる。
YR1 aR2 bR3 c ・・・ (X)
[式中、Yは、周期律表第1族、第2族、第12族及び第13族から選択される金属であり、R1及びR2は、同一又は異なり、炭素数1〜10の炭化水素基又は水素原子で、R3は炭素数1〜10の炭化水素基であり、但し、R3は上記R1又はR2と同一又は異なっていてもよく、また、Yが周期律表第1族から選択される金属である場合には、aは1で且つb及びcは0であり、Yが周期律表第2族及び第12族から選択される金属である場合には、a及びbは1で且つcは0であり、Yが周期律表第13族から選択される金属である場合には、a,b及びcは1である]で表される有機金属化合物であり、下記一般式(Xa):
AlR1R2R3 ・・・ (Xa)
[式中、R1及びR2は、同一又は異なり、炭素数1〜10の炭化水素基又は水素原子で、R3は炭素数1〜10の炭化水素基であり、但し、R3は上記R1又はR2と同一又は異なっていてもよい]で表される有機アルミニウム化合物であることが好ましい。式(X)の有機アルミニウム化合物としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−t−ブチルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリシクロヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム;水素化ジエチルアルミニウム、水素化ジ−n−プロピルアルミニウム、水素化ジ−n−ブチルアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化ジヘキシルアルミニウム、水素化ジイソヘキシルアルミニウム、水素化ジオクチルアルミニウム、水素化ジイソオクチルアルミニウム;エチルアルミニウムジハイドライド、n−プロピルアルミニウムジハイドライド、イソブチルアルミニウムジハイドライド等が挙げられ、これらの中でも、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、水素化ジエチルアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウムが好ましい。以上に述べた(c)成分としての有機アルミニウム化合物は、1種単独で使用することも、2種以上を混合して用いることもできる。なお、上記第二重合触媒組成物における有機アルミニウム化合物の含有量は、(a)成分に対して1〜50倍モルであることが好ましく、約10倍モルであることが更に好ましい。
上記重合触媒としては、共役ジエン化合物と非共役オレフィンとの重合用であり、下記式(A):
RaMXbQYb ・・・ (A)
[式中、Rはそれぞれ独立して無置換もしくは置換インデニルを示し、該RはMに配位しており、Mはランタノイド元素、スカンジウム又はイットリウムを示し、Xはそれぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基を示し、該XはM及びQにμ配位しており、Qは周期律表第13族元素を示し、Yはそれぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基又は水素原子を示し、該YはQに配位しており、a及びbは2である]で表されるメタロセン系複合触媒が挙げられる。
以下に、上記メタロセン系複合触媒を詳細に説明する。上記メタロセン系複合触媒は、ランタノイド元素、スカンジウム又はイットリウムの希土類元素と周期律表第13族元素とを有し、下記式(A):
RaMXbQYb ・・・ (A)
[式中、Rはそれぞれ独立して無置換もしくは置換インデニルを示し、該RはMに配位しており、Mはランタノイド元素、スカンジウム又はイットリウムを示し、Xはそれぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基を示し、該XはM及びQにμ配位しており、Qは周期律表第13族元素を示し、Yはそれぞれ独立して炭素数1〜20の炭化水素基又は水素原子を示し、該YはQに配位しており、a及びbは2である]で表されることを特徴とする。上記メタロセン系重合触媒を用いることで、共役ジエン化合物と非共役オレフィンとの共重合体を製造することができる。また、上記メタロセン系複合触媒、例えば予めアルミニウム触媒と複合させてなる触媒を用いることで、共重合体合成時に使用されるアルキルアルミニウムの量を低減したり、無くしたりすることが可能となる。なお、従来の触媒系を用いると、共重合体合成時に大量のアルキルアルミニウムを用いる必要がある。例えば、従来の触媒系では、金属触媒に対して10当量以上のアルキルアルミニウムを用いる必要があるところ、上記メタロセン系複合触媒であれば、5当量程度のアルキルアルミニウムを加えることで、優れた触媒作用が発揮される。
また、上記重合触媒組成物は、上記メタロセン系複合触媒と、ホウ素アニオンとを含むことを特徴とし、更に、通常のメタロセン系触媒を含む重合触媒組成物に含有される他の成分、例えば助触媒等を含むことが好ましい。なお、上記メタロセン系複合触媒とホウ素アニオンとを合わせて2成分触媒ともいう。上記第三重合触媒組成物によれば、上記メタロセン系複合触媒と同様に、更にホウ素アニオンを含有するため、各モノマー成分の共重合体中での含有量を任意に制御することが可能となる。
非共役オレフィンの濃度/共役ジエン化合物の濃度≧1.0
の関係を満たすことが好ましく、更に好ましくは下記式:
非共役オレフィンの濃度/共役ジエン化合物の濃度≧1.3
の関係を満たし、一層好ましくは下記式:
非共役オレフィンの濃度/共役ジエン化合物の濃度≧1.7
の関係を満たす。非共役オレフィンの濃度/共役ジエン化合物の濃度の値を1以上とすることで、反応混合物中に非共役オレフィンを効率的に導入することができる。
本発明のゴム組成物は、共役ジエン系重合体(B)を含む。本発明における共役ジエン系重合体(B)とは、モノマー単位成分(共重合体の一部)として非共役オレフィンを含まない重合体(ポリマー)のことをいい、例えば、天然ゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム等のジエン系ゴムであることが好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明のゴム組成物は、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)を含有する非共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体(C)を含む。該非共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体(C)に含有されるEPDMによって、優れた耐候性を実現できる。
前記共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体(A)と、前記共役ジエン系重合体(B)と、前記非共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体(C)との質量比は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、耐候性、耐破壊性及び加工性をバランスよく発揮できる点からは、10:80:10〜60:10:30であることが好ましい。
前記共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体(A)の質量比が10未満の場合、相溶化の効果を十分に得られないおそれがあり、前記非共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体(C)の質量比が10未満だと耐候性の効果を十分に得られないおそれがあり、前記非共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体(C)の質量比が30を超えると耐亀裂成長性の効果を十分に得られないおそれがある。
前記ゴム成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体(A)、前記共役ジエン系重合体(B)、前記非共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体(C)に加えて、その他のゴム成分を含まれる。例えブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム他硫化ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム等が挙げられる。その他のゴム成分については、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ゴム成分100質量部中における記共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体の含有量が、10質量部未満であると、耐候性が悪化することがあり、90質量部を超えると、耐破壊性や加工性が悪化することがある。
一方、前記ゴム成分100質量部中における前記共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体(A)の含有量が、前記より好ましい範囲内であると、各性能のバランスの点で有利である。
前記ゴム成分100質量部中における前記共役ジエン系重合体の含有量が、10質量部未満であると、耐破壊性や加工性が悪化することがあり、90質量部を超えると、耐候性が悪化することがある。一方、前記ゴム成分100質量部中における前記共役ジエン系重合体の含有量が、前記より好ましい範囲内であると、各性能のバランスの点で有利である。
前記ゴム成分100質量部中における記非共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体(C)の含有量が、10質量部未満であると、十分な耐候性が得られないことがあり、 質量部を超えると、十分な耐亀裂成長性が得られないことがある。一方、前記ゴム成分100質量部中における前記非共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体(C)の含有量が、より好ましい範囲内の場合、耐候性の点で有利である。
本発明のゴム組成物には、必要に応じて補強性充填剤を配合することができる。前記補強性充填剤の種類については、所望の補強効果を得ることができるものであれば特に限定はされない。例えば、カーボンブラック、無機充填剤、などを挙げることができる。
前記補強性充填剤の含有量が、5質量部未満であると、補強性充填剤を含むことによる補強効果が得られないおそれがあり、200質量部を超えると前記ゴム成分に補強性充填剤が混ざり込まなくなる傾向があり、ゴム組成物としての性能を低下させるおそれがあるからである。
前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA、JIS K 6217−2:2001に準拠する)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20m2/g〜100m2/gが好ましく、35m2/g〜80m2/gがより好ましい。前記カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)が20m2/g未満であると、得られたゴムの耐久性が低く、十分な耐亀裂成長性が得られないことがあり、100m2/gを超えると、低ロス性が低下し、また、作業性が悪いことがある。
なお、前記窒素吸着比表面積(N2SA)は、例えば、JIS K 6217−2:2001に準拠して、測定することができる。
前記ゴム成分100質量部に対するカーボンブラックの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10質量部〜70質量部が好ましく、20質量部〜60質量部がより好ましい。前記カーボンブラックの含有量が、10質量部未満であると、補強性が不十分で耐破壊性が悪化することがあり、70質量部を超えると、加工性および低ロス性が悪化することがある。一方、前記カーボンブラックの含有量が、前記より好ましい範囲内であると、各性能のバランスの点で有利である。
本発明のゴム組成物には、必要に応じて架橋剤を配合することができる。前記架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、硫黄系架橋剤、有機過酸化物系架橋剤、無機架橋剤、ポリアミン架橋剤、樹脂架橋剤、硫黄化合物系架橋剤、オキシム−ニトロソアミン系架橋剤硫黄などが挙げられるが、これらの中でもタイヤ用ゴム組成物に用いる場合には硫黄系架橋剤がより好ましい。
その他に加硫促進剤を併用することも可能であり、加硫促進剤としては、グアジニン系、アルデヒド−アミン系、アルデヒド−アンモニア系、チアゾール系、スルフェンアミド系、チオ尿素系、チウラム系、ジチオカルバメート系、ザンテート系等の化合物が使用できる。
また必要に応じて、補強剤、軟化剤、充填剤、加硫助剤、着色剤、難燃剤、滑剤、発泡剤、可塑剤、加工助剤、酸化防止剤、老化防止剤、スコーチ防止剤、紫外線防止剤、帯電防止剤、着色防止剤、その他の配合剤など公知のものをその使用目的に応じて使用することができる。
本発明の架橋ゴム組成物は、本発明のゴム組成物を架橋して得られることを特徴とする。架橋の条件については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、温度120℃〜200℃、加温時間1分間〜900分間が好ましい。
本発明のタイヤは、本発明のゴム組成物、又は、本発明の架橋ゴム組成物を用いたものである。本発明のゴム組成物、又は、本発明の架橋ゴム組成物の、タイヤにおける適用部位については、特に制限はされず、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、トレッド、ベーストレッド、サイドウォール、サイド補強ゴム及びビードフィラー等に用いることができる。これらの中でも、本発明によるゴム組成物及び架橋ゴム組成物は、優れた耐候性、耐破壊性及び耐亀裂成長性を有するため、タイヤのサイドウォール部に用いることが好ましい。
前記タイヤを製造する方法としては、慣用の方法を用いることができる。例えば、タイヤ成形用ドラム上に未加硫ゴムからなるカーカス層、ベルト層、トレッド層等の通常タイヤ製造に用いられる部材を順次貼り重ね、ドラムを抜き去ってグリーンタイヤとする。次いで、このグリーンタイヤを常法に従って加熱加硫することにより、所望のタイヤ(例えば、空気入りタイヤ)を製造することができる。
タイヤ用途以外にも、防振ゴム、免震ゴム、ベルト(コンベアベルト)、ゴムクローラ、各種ホース、モランなどに本発明のゴム組成物、又は、本発明の架橋ゴム組成物を使用することができる。
十分に乾燥した4Lステンレス反応器に、1,3−ブタジエン120g(2.22mol)を含むトルエン溶液2,000gを添加した後、エチレンを1.72MPaで導入した。一方、窒素雰囲気下のグローブボックス中で、ガラス製容器にビス(2−フェニルインデニル)ガドリニウムビス(ジメチルシリルアミド)[(2−PhC9H6)2GdN(SiHMe2)2]28.5μmol、ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[Me2NHPhB(C6F5)4]28.5μmol、及びジイソブチルアルミニウムハイドライド2.00mmolを仕込み、トルエン40mlに溶解させて触媒溶液とした。その後、グローブボックスから触媒溶液を取り出し、ガドリニウム換算で25.0μmolとなる量をモノマー溶液へ添加し、50℃で90分間重合を行った。重合後、2,2'メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−5)5質量%のイソプロパノール溶液5mlを加えて反応を停止させ、さらに大量のメタノールで共重合体を分離し、70℃で真空乾燥し重合体を得た。得られた共重合体EBR1は、収量は98gであり、ジエン含有量が91mol%、エチレン含有量が9mol%、重量平均分子量Mwが358000、分子量分布Mw/Mnが2.5であった。
十分に乾燥した4Lステンレス反応器に、1,3−ブタジエン230g(4.26mol)を含むトルエン溶液2,000gを添加した後、エチレンを1.72MPaで導入した。一方、窒素雰囲気下のグローブボックス中で、ガラス製容器にビス(2−フェニルインデニル)ガドリニウムビス(ジメチルシリルアミド)[(2−PhC9H6)2GdN(SiHMe2)2]145μmol、ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[Me2NHPhB(C6F5)4]145μmol、及びジイソブチルアルミニウムハイドライド2.9mmolを仕込み、トルエン100mlに溶解させて触媒溶液とした。その後、グローブボックスから触媒溶液を取り出し、ガドリニウム換算で142μmolとなる量をモノマー溶液へ添加し、60℃で60分間重合を行った。重合後、2,2'−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−5)5質量%のイソプロパノール溶液5mlを加えて反応を停止させ、さらに大量のメタノールで共重合体を分離し、70℃で真空乾燥し重合体を得た。得られた共重合体EBR2の収量は248gであり、ジエン含有量が62mol%、エチレン含有量が38mol%、重量平均分子量Mwが449000、分子量分布Mw/Mnが4.4であった。
十分に乾燥した400ml耐圧ガラス反応器に、1,3−ブタジエン9.36g(0.173mol)を含むトルエン溶液200mlを添加した後、エチレンを0.6MPaで導入した。一方、窒素雰囲気下のグローブボックス中で、ガラス製容器に(2−MeC9H6)2Sc(MeAlMe3)21.0μmol、トリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(Ph3CB(C6F5)4)21.0μmol、及びトリイソブチルアルミニウム0.25mmolを仕込み、トルエン5mlに溶解させて触媒溶液とした。その後、グローブボックスから触媒溶液を取り出し、モノマー溶液へ添加し、25℃で50分間重合を行った。重合後、2,2'−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−5)5質量%のイソプロパノール溶液1mlを加えて反応を停止させ、さらに大量のメタノールで共重合体を分離し、70℃で真空乾燥し重合体を得た。得られた共重合体EBR3の収量は9.30gであり、ジエン含有量が95mol%、エチレン含有量が5mol%、重量平均分子量Mwが363000、分子量分布Mw/Mnが2.4であった。
十分に乾燥した4Lステンレス反応器に、1,3−ブタジエン80g(1.48mol)を含むトルエン溶液2,000gを添加した後、エチレンを1.72MPaで導入した。一方、窒素雰囲気下のグローブボックス中で、ガラス製容器にビス(2-フェニルインデニル)ガドリニウムビス(ジメチルシリルアミド)[(2-PhC9H6)2GdN(SiHMe2)2]28.5μmol、ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート[Me2NHPhB(C6F5)4]28.5μmol、及びジイソブチルアルミニウムハイドライド2.00mmolを仕込み、トルエン40mlに溶解させて触媒溶液とした。その後、グローブボックスから触媒溶液を取り出し、ガドリニウム換算で25.0μmolとなる量をモノマー溶液へ添加し、80℃で90分間重合を行った。重合後、2,2'-メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−5)5質量%のイソプロパノール溶液5mlを加えて反応を停止させ、さらに大量のメタノールで共重合体を分離し、70℃で真空乾燥し重合体を得た。得られた共重合体EBR4の収量は78gであり、ジエン含有量が38mol%、エチレン含有量が62mol%、重量平均分子量Mwが281000、分子量分布Mw/Mnが2.4であった。
容積が200mlのゴム栓付きガラスびんを乾燥・窒素置換し、0.05molのVOCl3(オキソバナジウムトリクロライド)とネオペンチルアルコール0.10molとトルエンを加えた。その後、窒素でバブリングさせながら発生した塩酸について、注射針を刺して抜くことでジネオペントキシオキソバナジウムクロライドのトルエン溶液を得た。
約1リットル容積のゴム栓付きガラスびんを乾燥・窒素置換し、乾燥精製されたブタジエンのトルエン溶液(17.5wt%)を250g投入した。次に、このガラス瓶を−78℃に冷却し、プロピレンガスを50g送入した。2.81mmolのトリイソブチルアルミニウム(ノルマルヘキサン溶液1mol/L)を加え、攪拌して約10分放置した後、上記で調整したバナジウム溶液0.47mmolを添加して重合を開始させ、−78℃で4時間反応を行なった。その後、50℃にて老化防止剤2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−5)のイソプロパノール5%溶液2ミリリットルを加えて反応の停止を行い、さらに微量のNS−5を含むイソプロパノール中で再沈殿した後、ドラムにて乾燥することで、共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体(A)に該当するプロピレン−ブタジエン共重合体(PBR)を得た。得られた共重合体PBRの収率は約70質量%であり、ジエン含有量は50mol%、重量平均分子量Mwは250000、分子量分布Mw/Mnが2.0であった。
容積が200mlのゴム栓付きガラスびんを乾燥・窒素置換し、0.05molのVOCl3(オキソバナジウムトリクロライド)とネオペンチルアルコール0.10molとトルエンを加えた。その後、窒素でバブリングさせながら発生した塩酸について、注射針を刺して抜くことでジネオペントキシオキソバナジウムクロライドのトルエン溶液を得た。
約1リットル容積のゴム栓付きガラスびんを乾燥・窒素置換し、乾燥精製されたブタジエンのトルエン溶液(17.5wt%)を250g投入した。次に、このガラス瓶を−78℃に冷却し、ブテンガスを66g送入した。2.81mmolのトリイソブチルアルミニウム(ノルマルヘキサン溶液1mol/L)を加え、攪拌して約10分放置した後、上記で調整したバナジウム溶液0.47mmolを添加して重合を開始させ、−78℃で12時間反応を行なった。その後、50℃にて老化防止剤2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)(NS−5)のイソプロパノール5%溶液2ミリリットルを加えて反応の停止を行い、さらに微量のNS−5を含むイソプロパノール中で再沈殿した後、ドラムにて乾燥することで、共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体(A)に該当するブテン−ブタジエン共重合体(BBR)を得た。得られた共重合体BBRの収率は約65質量%であり、ジエン含有量は55mol%、ブテン含有量は45mol%、重量平均分子量Mwは300000、分子量分布Mw/Mnが2.1であった。
特開2000−063639号公報における合成例1で示されるように、充分に窒素置換した内容積1リットルのガラス製オートクレーブに、トルエン500mlを装入し、さらに系内にエチレン50L/h、プロピレン150L/h及びブタジエン20L/hの混合ガスで液相、及び気相を飽和させた。その後、トリイソブチルアルミニウム0.25mmol、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.006mmolのあらかじめ混合した溶液を加え、重合を開始した。50℃にて30分間重合を行った後、少量のイソブタノールを添加することにより重合を停止した。
得られたポリマー溶液を、少量の塩酸を含む1.5Lのメタノール中に加えてポリマーを析出させた。これをメタノールで洗浄後、130℃にて10時間減圧乾燥すると、エチレン−プロピレン−ブタジエン共重合体(EPDM2)3.25gが得られた。
実施例1〜7及び比較例1〜6のゴム組成物のサンプルとして、表1に示す配合処方で、共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体(A)と、共役ジエン系重合体(B)と、非共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体(C)とを含むゴム組成物を調製した。
その後、各サンプルのゴム組成物を用い、表2に示すマスターバッチの欄に従って化合物を添加することでマスターバッチを調製した後、表2に示すファイナルバッチの欄に従って化合物を添加することでファイナルバッチを調整し、その後、調整したファイナルバッチを、160℃で20分間加硫することで、加硫ゴムのサンプルを作製した。なお、表1及び表2中に記載の「phr」とは、ゴム成分100質量部に対する割合のことである。
各実施例及び比較例で得られたゴム組成物及び加硫ゴムのサンプルについて、下記の方法に従って、相溶性、耐候性、耐破壊性及び耐亀裂成長性(指数)を測定した。
各実施例及び比較例で得られたゴム組成物のサンプルとポリイソプレンとを混合させたものを、PETフィルムに挟み、100℃にてプレスした。得られたサンプルについて、ヘイズメーター(日本電色工業製)を用いて透明度(ヘイズ値)を測定し、相溶性の指標とした。評価結果を表1に示す。
なお、表1において、ヘイズ値は比較例2の値を100としたときの指標値として表し、指標値が低いほど相溶性が高く、良好な結果であることを示す。
各実施例及び比較例で得られた加硫ゴムのサンプルについて、JIS K6259に従って、耐オゾン性を測定した。短冊状試験片を30%の動的伸張を与えながら、40℃、オゾン濃度50pphm条件で暴露し、24時間後の試料の状況(亀裂の有無)を目視で判断した。結果を表1に示す。
なお、表1において、○が「亀裂なし」を示し、△が「亀裂あり」を示す。
各実施例及び比較例で得られた加硫ゴムのサンプルについて、JIS K 6251に従って、引っ張り試験による室温での破断点強度および破断点伸びを測定した。比較例2を100として指数表示した。結果を表1に示す。
表1では、比較例2を100としたときの指数で表示し、数値が大きいほど耐破壊性が良好であることを示す。
各実施例及び比較例で得られた加硫ゴムのサンプルについて、JIS3号試験片中心部に0.5mmの亀裂を入れ、室温で0〜100%の一定歪みで繰り返し疲労を与え、サンプルが切断するまでの回数を測定し、評価を行った。
表1では、比較例2を100としたときの指数で表示し、指数値が大きい程、耐亀裂成長性(定歪)が良好であることを示す。
*5:N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−p−フェニレンジアミン、大内新興化学(株)製、ノックラック6C
*6:C5系及びC9系石油樹脂の混合樹脂
*7:2,2,4−トリメチル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン
*8:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、大内新興化学(株)製、ノクセラーCZ−G
*9:ジベンゾチアジルジスルフィド、大内新興化学(株)製、ノクセラーDM−P
Claims (18)
- 共役ジエン化合物由来部分の含有量が40mol%以上である共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体(A)と、
共役ジエン系重合体(B)と、
エチレン−プロピレン−ジエンゴムを含有する非共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体(C)とを含み、
前記共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体(A)の共役ジエン化合物が、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン又は2,3−ジメチルブタジエンであり、前記共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体(A)の非共役オレフィンが、α−オレフィンであることを特徴とするゴム組成物。 - 前記共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体(A)のオレフィン成分の含有量が、60mol%以下であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
- 前記非共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体(C)のエチレン−プロピレン−ジエンゴムの含有量が、10質量%以上であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
- 補強性充填材(D)をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
- 前記補強性充填材(D)の含有量が、ゴム成分100質量部に対して10〜70質量部であることを特徴とする請求項4に記載のゴム組成物。
- 前記共役ジエン系重合体(B)が、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム及びスチレン−ブタジエンゴムよりなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
- 前記共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体(A)と、前記共役ジエン系重合体(B)と、前記非共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体(C)との質量比が、10:80:10〜60:10:30であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
- 前記共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体(A)は、ポリスチレン換算重量平均分子量が10,000〜10,000,000であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
- 前記共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体(A)は、分子量分布(Mw/Mn)が10以下であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
- 前記共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体(A)の非共役オレフィンは、炭素数が2〜10であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
- 前記共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体(A)の非共役オレフィンが、エチレン、プロピレン及び1−ブテンよりなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項10に記載のゴム組成物。
- 前記共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体(A)の非共役オレフィンが、エチレンであることを特徴とする請求項11に記載のゴム組成物。
- 前記共役ジエン化合物−非共役オレフィン共重合体(A)の共役ジエン化合物が、1,3−ブタジエン及びイソプレンよりなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
- ゴム成分100質量部に対し、架橋剤0.1質量部〜20質量部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
- 請求項1に記載のゴム組成物をタイヤのサイドウォール部に用いることを特徴とするタイヤサイド用ゴム組成物。
- 請求項1に記載のゴム組成物を架橋して得られることを特徴とする架橋ゴム組成物。
- 請求項1に記載のゴム組成物、又は、請求項16に記載の架橋ゴム組成物を用いることを特徴とするタイヤ。
- 請求項1に記載のゴム組成物又は請求項16に記載の架橋ゴム組成物を、サイドウォール部に用いることを特徴とする請求項17に記載のタイヤ。
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