JP2002028898A - ダイカットロール - Google Patents

ダイカットロール

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JP2002028898A
JP2002028898A JP2000214117A JP2000214117A JP2002028898A JP 2002028898 A JP2002028898 A JP 2002028898A JP 2000214117 A JP2000214117 A JP 2000214117A JP 2000214117 A JP2000214117 A JP 2000214117A JP 2002028898 A JP2002028898 A JP 2002028898A
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賢治 中原
Shuichi Imazato
州一 今里
Kohei Kitahara
浩平 北原
Shigeya Sakaguchi
茂也 坂口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 靭性およびヤング率を維持しながら硬度と強
度を増加させ、異常摩耗やチッピングのない、安価で、
長寿命で、高い信頼性を有するダイカットロールを提供
すること。 【解決手段】 ダイカッター3およびアンビルロール5
のうち、少なくともダイカッター3の切刃部分を、硬質
相が平均結晶粒子径が0.5μm以下のWCを主成分と
し、IVb、Vb、VIb属金属炭化物の中のいずれか一つ
以上を有する超硬合金から形成した。耐摩耗性が要求さ
れるダイカッターの刃先先端やアンビルロール表面から
内側に向かってバインダー金属量を多くすることによっ
て、焼結冷却過程で発生する残留熱応力を緩和する効果
がある。バインダー金属量が表面部分より内側の方が多
くなることによって膨張係数が大となり、そのため、焼
結後には表面部分に圧縮残留応力が存在し、耐チッピン
グ性が改善される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転するアンビル
ロール上を移動するワーク材上にダイカッターを回転押
圧してワーク材を切断加工するダイカットロールに関す
る。
【0002】
【従来の技術】ダイカットロールの構造は、例えば、特
許第2593570号公報に記載されており、一方に切
断すべき製品の形状に合わせて形成した凸状押切刃をロ
ール表面に設けたダイカッターを回転駆動し、他方に設
けたアンビルロールの間に切断すべきワークを通し、ダ
イカッターをアンビルロールに押圧して凸状押切刃によ
って走行ワークを所定の形状に切断するものである。そ
して、ダイカッターおよびアンビルロールには耐摩耗性
に優れた超硬合金が使用されている。
【0003】従来、ダイカッターおよびアンビルロール
に用いられる超硬合金としては、高硬度・高強度であ
り、刃先先端をシャープに加工することができる硬質相
の平均結晶粒径が1μm程度の微粒超硬合金が適用され
てきた。
【0004】そして、この凸状押切刃の切れ味の改善と
ともに長寿命化のための試みが従来から多くなされてお
り、たとえば、特許第2593570号公報には、凸状
押切刃の押圧先端とアンビルロールの表面との硬さの関
係がその寿命に影響し、両方の硬度差をHRA0.1以
上にすることによってその寿命が10倍以上延びること
が開示されており、また、特開平7−227798号公
報には、腐食の影響を低減するため、硬度差を形成する
ための特定材料の選定が開示されている。
【0005】また、特開平8−71999号公報には凸
状押切刃の形状面からの長寿命化が開示されており、ダ
イカッターの軸方向部分の凸状押切刃の幅を周方向部分
の幅よりも小さくすることによって長寿命化することが
開示され、また、特開平8−72000号公報には、ア
ンビルロールの駆動をそれそれ同調した2軸によって駆
動させる二軸駆動方式と、ダイカッターのみを駆動させ
てアンビルロールをこれに従動させる一軸駆動方式のい
ずれにもクラウンを持たせたダイカッターが開示されて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、製造ライン
の高速化や難加工ワーク材への転換に伴って摩耗速度が
増大し、寿命が短くなっており、上記先行技術の適用だ
けでは十分とは言えなくなってきた。
【0007】そのため、超硬合金の耐摩耗性を増すため
に硬度を高めることが行われたが、凸状押切刃やアンビ
ルロールの靭性低下がチッピングや割れなどを引き起こ
し、一方硬質相の増加によるヤング率増大が凸状押切刃
先端やアンビルロールに作用する応力を増大させてしま
うという問題があった。
【0008】この硬度を高める手法としては、超硬合金
成分中の硬質相であるWC粒子の比率を高めることによ
り行われるものであるが、このことは相対的に結合相金
属量の比率を減少させることになる。一方、超硬合金の
強度・靭性は、結合相金属量の減少により低下すること
は知られており、この硬度を高める方法によって、強度
・靭性が低下するという相反する課題に直面するもので
あった。
【0009】本発明が解決しようとする課題は、上記従
来技術の課題を硬質相であるWC粒子の微粒化によって
解決し、強度および靭性を向上もしくは維持しながら、
硬度を増加させ、さらにヤング率を低下させ刃先にかか
る応力の低減を計り、異常摩耗やチッピングのない、長
寿命・高信頼性の超硬合金製ダイカットロールを提供す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を硬
質相粒子の微粒化と、切断加工に関与する表面部分、す
なわち、凸状押切刃先端やアンビルロール表面のみに微
粒の超硬合金を配置させ、その他に、より粗粒あるいは
高いバインダー率の超硬合金を配置させることによって
解決した。
【0011】すなわち、本発明は、ダイカッターおよび
アンビルロールのうち、少なくともダイカッターの切刃
部分を、硬質相が平均結晶粒子径が0.5μm以下のW
Cを主成分とし、IVb、Vb、VIb属金属炭化物の中の
いずれか一つ以上を有する超硬合金から形成したことを
特徴とする。
【0012】主成分の硬質相であるWCの平均結晶粒径
を0.5μm以下に特定することによって、従来より
も、ヤング率を大きくせずに高硬度でしかも高抗折力の
合金を得られるためである。すなわち、ヤング率が大き
くならないことによって切断に寄与する部分の刃先先端
やアンビルロール表面にかかる応力も大きくならず、高
硬度・高抗折力によって耐摩耗性が改善される。また、
ダイカッターの刃先の摩耗は硬質相粒子の脱落によって
進行するが、脱落があっても硬質相粒子自体の粒径を小
さくすることによって脱落部分が小さく、大きな硬質相
粒子の場合に発生していた大きな脱落部分による切断不
良(異常摩耗)を解決するとともに、常にシャープな切
刃を維持して、長寿命化ができる。アンビルロールの摩
耗も同様である。さらにダイカッターにおいては主成分
の硬質相であるWCの平均結晶粒径を小さくすることに
よって、刃先先端をよりシャープに形成することが可能
となり、切断特性が向上する。
【0013】主成分の硬質相であるWCの平均結晶粒径
を0.5μm以下に特定したのは、0.5μmを越える
WCを含む超硬合金では、ダイカットロールに要求され
る十分な耐摩耗性と切断特性が得られないためである。
IVb、Vb、VIb属金属炭化物はWC結晶粒子の粒成長
を抑制するために添加される。これによって、WC結晶
粒子の異常成長も抑制して均一な微結晶組織が得られ
る。
【0014】また、本発明においては、バインダー金属
として、Fe、Co、Niの中の1種以上が、ダイカッ
トロール用超硬合金としての機械的特性に優れるために
好適に使用できる。しかしながら、総量で、1質量%未
満では靭性が使用上問題となる程度に低下し、また30
質量%を越えると耐摩耗性が低下するため、その使用範
囲は、1質量%〜30質量%の範囲内に限られる。
【0015】また、本発明においては、WC結晶粒子の
粒成長を抑制するために添加されるIVb、Vb、VIb属
金属炭化物として、VCとCrが特に粒成長抑制
効果が優れるために好適に使用できる。しかしながら、
バインダー金属の(Fe+Co+Ni)に対して(VC
+Cr)が15質量%以上、またはVCのみが1
0質量%以上、またはCrのみが10質量%以上
添加されると第3相粒子として大きく析出して耐チッピ
ング性や靭性が使用上問題となる程度に低下する。さら
に、バインダー金属の(Fe+Co+Ni)質量%に対
して(VC+Cr)質量%が2%以下、またはV
Cのみが1質量%以下、またはCr のみが1質量
%以下の添加量では粒成長を完全に抑制できず硬度や強
度が使用上問題となる程度に低下する。したがって、そ
の使用範囲は(Fe+Co+Ni)に対して(VC+C
)が2〜15質量%、VCとCrがそれ
ぞれ1〜10質量%、1〜10質量%に限られる。
【0016】また、本発明のダイカットロールにおいて
は、硬質相の粒径を微粒化することにより、バインダー
金属相の厚みを薄くでき、そのため、バインダー金属相
の量を変えずに硬度と抗析力を向上でき、破壊靱性の低
下を解決することができる。そして、耐摩耗性が要求さ
れる刃先先端やアンビルロール表面のみに微粒の硬質相
をもつ超硬合金を配置させ、それ以外には破壊靭性に優
れた粒径が大きな超硬相を配置させるものである。これ
によって、クラックの伝播を抑制し、信頼性を改善する
とともに、高価な微粒超硬合金を節約することもでき
る。
【0017】さらに、本発明においては、耐摩耗性が要
求されるダイカッターの刃先先端やアンビルロール表面
から内側に向かってバインダー金属量を多くすることに
よって、焼結冷却過程で発生する残留熱応力を緩和する
効果がある。すなわち、バインダー金属量が表面部分よ
り内側の方が多くなることによって膨張係数が大とな
り、そのため、焼結後には表面部分に圧縮残留応力が存
在することになり、耐チッピング性が改善される。
【0018】また、さらに、ダイカッターとアンビルロ
ールとの間に、HRAで0.1以上の硬度差をもたせ
る。これによって、ダイカッターとアンビルロールとの
相互間での摩耗速度を小さくすることができる。
【0019】また、ダイカッターとアンビルロールの硬
さが、HRAで、81より小さいと摩耗速度が増大し寿
命と保守性を著しく損ねるという問題があり、また、9
6より大きいとチッピングや割れなどの問題があるの
で、硬さはHRAで、81〜96の範囲内にあるのがよ
い。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明をダイカッター切刃
部分に適用した実施例によって、発明の実施の形態を説
明する。
【0021】図1は本発明を適用したダイカットロール
を示す。同図において、1はワーク(被加工物)2の切
断形状に合わせて形成した凸状押切刃を、また、3はこ
の凸状押切刃1を表面に有するダイカッターを示す。4
はダイカッター2を回転駆動するためのモーターを示
す。3はダイカッター2の凸状押切刃1が当圧するアン
ビルロールである。6aはダイカッターギアであり、6
bは、ダイカッターギア6aと連接してアンビルロール
5を回転駆動させるアンビルロールギアを示す。
【0022】図2は、図1のダイカッター3の凸状押切
刃1を含む部分の断面を示す。同図において、7はダイ
カッター3のロール部分を形成するシリンダー部であっ
て、凸状押切刃1の先端部分8に本発明を適用した。9
は、ワークをハンドリングするためのエア穴を示す。
【0023】図3は、図1と図2に示すダイカットロー
ルを用いた裁断装置を示す。
【0024】図中、10は油圧あるいはエアシリンダ
ー、11aはダイカッターのための軸受ボックスを、1
1bはアンビルロールのための軸受ボックスを示す。1
2は油圧またはエアコンプレッサー、13はエアコンプ
レッサー、14はエア吸引装置、15はフレームユニッ
トを示す。この裁断装置においては、モーター4の駆動
軸は直接ダイカッター3を駆動し、ダイカッターギア6
aにより、アンビルロールギア6bを駆動し、それに連
結した駆動軸により、アンビルロール5が回転同期して
駆動される。これによって、ダイカッター3とアンビル
ロール5との間を通るシート状ワーク2をダイカッタ−
3の凸状押切刃1のとおりに裁断する。また、ダイカッ
ター3とアンビルロール5はフレームユニット15に組
み込まれ、軸両端の軸受ボックス11aと11bを介し
て油圧あるいはエアシリンダー10で加圧・保持されて
いる。裁断されたワークなどのハンドリングにはエアの
吸引・吐出を使用するため、エアコンプレッサー13と
エア吸引装置14が付属されている。
【0025】この図3に示す裁断装置において、以下の
実施例に示す種々の材料を用いて外径100mm、超硬
合金軸方向長さ100mmのスリーブ形状のダイカッタ
ーおよびアンビルロールを製作し組み合わせダイカット
ロールを構成し、不織布をワークとして寿命テストを実
施した。なお、寿命はテスト開始からワークに切断不良
が発生するまでの総カット枚数とした。
【0026】実施例1 超硬合金の硬質相として平均粒径0.2μmのWC粉
末、バインダー相として平均粒径1μmのCo粉末をア
トライター混合粉砕およびカーボン量調整して原料粉末
を作製した。
【0027】なお、粒成長抑制剤として添加されるIV
b、Vb、VIb属金属炭化物として、本実施例ではCr
とVCが選択されている。CrとVCの場
合、その添加量がバインダー金属の約10質量%である
が、この量よりも極端に少ないと粒成長抑制効果が十分
に得られず、この量よりも極端に多いと逆にWC結晶と
Co相との界面付近に析出し界面強度を低下させてしま
う。
【0028】得られた原料粉末をプレス・予備焼結・整
形・焼結・HIP後、シャフトに組み込んで機械加工を
行って表1に示す配合組成のダイカッターおよびアンビ
ルロールのテスト試料を得た。なお、表1中の平均粒径
は、焼結後の超硬合金内のWC結晶平均粒径で、原料粉
末の平均粒径と比較して、若干粒成長するため、大きく
なる。他の実施例についても同様である。
【0029】
【表1】 比較材として平均粒径0.7μmのWC粉末を配合した
原料粉末から表1に示す実施例と同様にして、表2に示
すダイカッターおよびアンビルロールのテスト試料を得
た。
【0030】
【表2】 両表に示す焼結後の硬質相の平均結晶粒径は、得られた
超硬合金試料を平研・鏡面研磨後、組織をSEMで写真
撮影し、その写真を用いてフルマンの式から算出した。
【0031】表3は、上記表1および表2中の材料を使
ったダイカッターおよびアンビルロールを組み合わせて
ダイカットロールを構成し、寿命テストを行った結果を
示す。
【表3】 本発明の実施例であるNo.1〜4のダイカットロール
は、No.5〜8の比較品と比較すると寿命比で1.7
〜2.8倍優れていることがわかる。また、寿命テスト
前に不織布切断の最低荷重を測定した結果、本発明のN
o.1〜4は、いずれも各々の比較品のNo.5〜8に
対して10〜25%小さな値を示した。このことは、本
発明の実施例の場合は、切れ刃がよりシャープに形成さ
れ、切れ味が優れていることを意味する。
【0032】実施例2 超硬合金の硬質相として平均粒径0.2μmのWC粉
末、バインダー相として平均粒径1μmのCo粉末を用
い、粒成長抑制剤として添加されるIVb、Vb、VIb属
金属炭化物として、本実施例ではVCとCrを選
択し、表4に示す配合組成でアトライター混合粉砕およ
びカーボン量調整をして原料粉末を作製した。
【0033】
【表4】 得られた原料粉末を用いて、実施例1と同様の工程でダ
イカッターのテスト試料(材料:C−01〜C−13)
を得た。また、アンビルロールとしては材料Dを材料と
してテスト試料を得た。表5は、上記表4と材料Dをそ
れぞれダイカッターおよびアンビルロールとして組み合
わせてダイカットロールを構成し、寿命テストを行った
結果を示す。
【0034】
【表5】 試料No.11とNo.12の寿命テストでは早期摩耗
が発生した。これは、VCとCrの添加量が少な
く粒成長抑制効果が得られなかった結果、材料の硬度が
低下したことに起因する。試料No.13からNo.2
0の寿命テストでは正常な結果が得られた。また、試料
No.21からNo.23の寿命テストではダイカッタ
ーの刃先にチッピングが発生し、寿命が非常に短い結果
となった。これはVCとCrの添加量が多すぎた
ため、それらが第3相として結晶粒界付近に大きく析出
し、ダイカットロールとして使用するために必要なレベ
ル以下に刃先強度が低下したことに起因する。
【0035】ほかにも種々のバインダー組成の材料につ
いても同様な評価を行った結果、VCとCrの適
正な添加量の範囲は、バインダー金属(Fe+Co+N
i)に対して(VC+Cr)が2〜15質量%、
VCとCrがそれぞれ1〜10質量%に限られる
ことがわかった。
【0036】実施例3 原料粉末として、超硬合金の硬質相として平均粒径0.
2μmのWC粉末を用いた材料Cと、平均粒径3μmの
WC粉末を用いた材料Cと同じ組成の材料C1を用い、
表6に示す配合組成の試料を得た。
【0037】
【表6】 なお、刃先部分である外周側には材料Cの原料粉末を、
また刃先より内周側には材料C1の原料粉末を同心円状
にプレスし、予備焼結・整形・焼結・HIP後、加工し
て図2に示すダイカッター3を得た。ダイカッター3に
おいてワーク切断に寄与する耐摩耗性が最も要求される
凸状押切刃1の刃先部分8を材料Cの原料粉末で形成さ
れた超硬合金で、その他の刃先根本部分や製品ハンドリ
ング用のエア穴9がある部分には耐欠損性(破壊靭性)
がより大きなC1の原料粉末で形成された超硬合金を配
置した。
【0038】図2のダイカッターを寿命テストした結
果、表6に示す材料Cだけで製作したダイカッターとほ
ぼ同等の性能を発揮した。これによって、刃先の耐摩耗
性を改善しながら、繰り返し荷重のかかる刃先根本部分
やエア穴9などがある刃先以外の部分の耐欠損性を改善
することよって信頼性をも向上することができた。さら
に、高価な微粒WC原料粉末を節約し、製造原価の低減
を実現することもできた。
【0039】実施例4 原料粉末として、超硬合金の硬質相として平均粒径0.
2μmのWC粉末を用い、表7に示す材料Cと材料C2
を有する、図2に示すダイカッター3を作成した。
【0040】
【表7】 なお、凸状押切刃1の刃先部分8は材料Cの原料粉末
を、また刃先部分8より内周側には、実施例3と同様
に、材料C2の原料粉末を同心円状にプレスし、予備焼
結・整形・焼結・HIP後、加工して得た。
【0041】これによって、実施例3の場合と同様に、
刃先の耐摩耗性を改善しながら、繰り返し荷重のかかる
刃先根本部分やエア穴9などがある刃先以外の部分のバ
インダー金属量を多くし、耐欠損性が改善され、かつ圧
縮残留応力が存在することによって信頼性をも向上する
ことができた。
【0042】この実施例3と4では、共に、2つの原料
粉末を用いたが、3つ以上の原料粉末を用いてもよい。
【0043】さらに、この実施例3,4ではダイカッタ
ーに本発明を適用した例を示したが、同様に、アンビル
ロールに適用しても同様な効果を得た。
【0044】以上のように、本発明のダイカットロール
とそれを用いる裁断装置により、耐摩耗性を改善し、異
常摩耗やチッピングを効果的に低減することがわかっ
た。
【0045】実施例5 超硬合金の硬質相として平均粒径0.05μm〜4μm
のWC粉末、バインダー相として平均粒径1μmのCo
粒末をアトライター混合粉砕およびカーボン量調整して
原料粉末を作製した。得られた原料粉末をプレス・予備
焼結・整形・焼結・HIP後シャフトに組み込んで機械
加工を行って、表8に示すダイカッターおよびアンビロ
ールのテスト試料を得た。
【0046】
【表8】 表9と表10は、表8の材料を使ったダイカッターおよ
びアンビルロールを組み合わせてダイカットロールを構
成し、寿命テストを行った結果である。
【0047】
【表9】
【表10】 表9のいずれのダイカッター、表10のいずれのアンビ
ルロールも同じ硬度であるが、寿命比データを見ると、
硬質相の平均粒子径が0.5μm以下で顕著に改善が認
められた。これは、硬質相の粒径が小さくなることによ
ってシャープな刃先や円筒平面が維持できることに起因
しているが、10μm程度の刃先先端平滑部に対して
0.5μm程度以下の粒子径にした時、粒子脱落による
摩耗の影響が特に改善されるものと思われる。
【0048】
【発明の効果】1.主成分の硬質相であるWCの平均結
晶粒子径を0.5μm以下まで微粒化した超硬合金をダ
イカッターまたはアンビルロールの、少なくともダイカ
ッターの切れ刃に適用し、それを用いた裁断装置によっ
て、著しく寿命および信頼性が改善される。
【0049】2.耐摩耗性が要求される部分と耐欠損性
が要求される部分を別々の超硬合金で複合化して形成
し、それを用いた裁断装置によって、製造コストを低減
して寿命および信頼性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したダイカットロールを示す。
【図2】ダイカッターの切刃部分を含む断面図を示す。
【図3】本発明のダイカットロールを用いた裁断装置を
示す。
【符号の説明】 1 凸状押切刃 2 ワーク(被加工物) 3 ダイカッター 4 モーター 5 アンビルロール 6a、6b ギア 7 シリンダー 8 凸状押切刃の先端部分 9 エア穴 10 油圧あるいはエアシリンダ
ー 11a、11b 軸受ボックス 12 油圧またはエアコンプレッサー 13 エアコンプレッサー 14 エア吸引装置 15 フレームユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北原 浩平 福岡市博多区美野島1丁目2番8号 日本 タングステン株式会社内 (72)発明者 坂口 茂也 福岡市博多区美野島1丁目2番8号 日本 タングステン株式会社内 Fターム(参考) 3C060 AA03 BA03 BB18 BB20 BD03

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 切断すべき製品の形状に合わせて形成し
    た切刃を外周表面に設けたスリーブ状のダイカッター
    と、平滑な外周表面を持つスリーブ状のアンビルロール
    の組み合わせとからなり、回転するアンビルロール上を
    移動するワーク材上にダイカッターを回転押圧してワー
    ク材を切断加工するダイカットロールにおいて、 ダイカッター切刃部分およびアンビルロールの表面のう
    ち、少なくともダイカッターの切刃部分を、硬質相の平
    均結晶粒子径が0.5μm以下のWCを主成分とし、IV
    b、Vb、VIb属金属炭化物の中のいずれか一つ以上を
    有する超硬合金から形成したダイカットロール。
  2. 【請求項2】 ダイカッターとアンビルロールのうち、
    少なくともダイカッターの切刃表面部分の超硬合金が、
    Fe、Co、Niの中の1つ以上を1〜30質量%を含
    有する請求項1記載のダイカットロール。
  3. 【請求項3】 ダイカッターとアンビルロールのうち、
    少なくともダイカッターの切刃表面部分の超硬合金が、
    (Fe+Co+Ni)質量%に対して(VC+Cr
    )を2〜15質量%含有し、VCとCrとを
    (Fe+Co+Ni)質量%に対してそれぞれ1〜10
    質量%含有することを特徴とする請求項1又は請求項2
    記載のダイカットロール。
  4. 【請求項4】 ダイカッターおよびアンビルロールのう
    ち、少なくともダイカッター切刃部分の表面から内部に
    向かって硬質相の粒子径が大きくなっている請求項1か
    ら請求項3のいずれか1項に記載のダイカットロール。
  5. 【請求項5】 ダイカッターおよびアンビルロールのう
    ち、少なくともダイカッター切刃部分の表面から内部に
    向かって鉄属金属の含有率が大きくなっている請求項1
    から請求項4のいずれか1項に記載のダイカットロー
    ル。
  6. 【請求項6】 ダイカッターとアンビルロールとの間
    に、HRA0.1以上の硬度差をもたせた請求項1から
    請求項5のいずれか1項に記載のダイカットロール。
  7. 【請求項7】 ダイカッターとアンビルロールの硬さが
    HRA81〜96である請求項1から請求項6のいずれ
    か1項に記載のダイカットロール。
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