JPH0657865B2 - 超微粒超硬合金 - Google Patents
超微粒超硬合金Info
- Publication number
- JPH0657865B2 JPH0657865B2 JP62005525A JP552587A JPH0657865B2 JP H0657865 B2 JPH0657865 B2 JP H0657865B2 JP 62005525 A JP62005525 A JP 62005525A JP 552587 A JP552587 A JP 552587A JP H0657865 B2 JPH0657865 B2 JP H0657865B2
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- Japan
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- alloy
- cemented carbide
- grain
- metal phase
- grain growth
- Prior art date
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は切削工具、特にエンドミル、ドリル等に使用
される超微粒子超硬合金に関するものである。
される超微粒子超硬合金に関するものである。
従来、平均粒径1μm以下の炭化タングステン(以下W
Cと称す)よりなる超微粒子超硬合金は結合金属相の主
成分がCoであり、焼結中のWC粒成長を抑制する目的
で、炭化バナジウム(以下VCと称す)、炭化クロム
(以下Cr3C2と称す)炭化タンタル(以下TaCと称
す)等の粒成長抑制剤が0.1重量%〜2.0重量%添
加されているものが一般的であった。しかしこれら超微
粒合金として市販されているもののWCの平均粒径は
0.6〜0.7μmである。
Cと称す)よりなる超微粒子超硬合金は結合金属相の主
成分がCoであり、焼結中のWC粒成長を抑制する目的
で、炭化バナジウム(以下VCと称す)、炭化クロム
(以下Cr3C2と称す)炭化タンタル(以下TaCと称
す)等の粒成長抑制剤が0.1重量%〜2.0重量%添
加されているものが一般的であった。しかしこれら超微
粒合金として市販されているもののWCの平均粒径は
0.6〜0.7μmである。
また最近、超微粒超硬合金として更にWCを微粒化した
合金が発表された例もあるが、(日刊工業新聞198
6.8.12)WC平均粒径は0.55〜0.6μmで
あり、平均粒径0.4μm以下のWC粒子からなるもの
ではない。
合金が発表された例もあるが、(日刊工業新聞198
6.8.12)WC平均粒径は0.55〜0.6μmで
あり、平均粒径0.4μm以下のWC粒子からなるもの
ではない。
このように現状の超微粒子合金は出発原料として微粒W
Cを用い、これに粒成長抑制剤を加え、Co金属を結合
相とする基本的概念の中にあり、従って、せいぜいWC
の平均粒径で0.6μm前後の合金しか存在し得ていな
い。
Cを用い、これに粒成長抑制剤を加え、Co金属を結合
相とする基本的概念の中にあり、従って、せいぜいWC
の平均粒径で0.6μm前後の合金しか存在し得ていな
い。
超微粒子合金としてはよりWC平均粒径が細かいほど強
度、耐チッピング、耐摩耗性に優れるため、出発WC原
料の製造法から更に細かい方へ種々の検討はなされてい
るが、現状では前述の如く0.6μm前後が限界であ
る。それゆえにこの発明の目的は更に細かいWC平均粒
径をもつ超微粒超硬合金を提供することにある。
度、耐チッピング、耐摩耗性に優れるため、出発WC原
料の製造法から更に細かい方へ種々の検討はなされてい
るが、現状では前述の如く0.6μm前後が限界であ
る。それゆえにこの発明の目的は更に細かいWC平均粒
径をもつ超微粒超硬合金を提供することにある。
この発明は上記目的に添い開発されたものであり、その
主旨は従来のWC−Co−粒成長抑制剤という基本概念
から離れ、結合金属相をCo、Ni、Fe、Cr、M
o、Wから選ばれたものより構成される合金金属相とし
た超微粒超硬合金であることを特徴とする。
主旨は従来のWC−Co−粒成長抑制剤という基本概念
から離れ、結合金属相をCo、Ni、Fe、Cr、M
o、Wから選ばれたものより構成される合金金属相とし
た超微粒超硬合金であることを特徴とする。
以下にこの発明を詳細に説明する。
本発明者らは微粒合金の粒成長過程を調査中に次の事実
を見出した。市販の平均粒径0.6μmのWC粉末を用
い、粒成長抑制剤とCoを添加し、一般的超微粒合金を
作製すると、0.7μm程度のWC平均粒径をもつ超微
粒合金ができる。粒成長抑制剤の種類によりこのWC平
均粒径は若干の差はあるが大体0.7μm前後である。
ところが合金作製中における混合粉砕後のWC粒径を調
べると出発原料として用いた平均粒径0.6μmのWC
は0.1〜0.3μmまでに粉砕されている。このこと
は焼結中にWCが粒成長し、0.7μm前後になること
に他ならない。この粒成長の機構はWCのCo結合相へ
の固溶、その固溶したWの既存WC粒子への析出が連続
的に行われる(オストワルド成長)ものである。周知の
如くCoは1400℃で20%以上のWを固溶するた
め、結合相としてCoを用いる限り上述の固溶、析出に
基づく粒成長は粒成長抑制剤を添加しても生じることは
避けられない。本発明者らはこのような観点から高温に
てWの固溶が少ない結合金属を種々調査し、基本的にC
o−Ni−Cr、Co−Ni−Cr−MoおよびCo−
Ni−Cr−W等からなる合金を結合相とすることによ
りWの固溶限が少ないため、WCの固溶、析出に基づく
粒成長をほぼ全面的に抑制し、ほぼ粉砕後の0.1〜
0.3μmの粒径をもつWCよりなる超微粒合金を得る
に至った。
を見出した。市販の平均粒径0.6μmのWC粉末を用
い、粒成長抑制剤とCoを添加し、一般的超微粒合金を
作製すると、0.7μm程度のWC平均粒径をもつ超微
粒合金ができる。粒成長抑制剤の種類によりこのWC平
均粒径は若干の差はあるが大体0.7μm前後である。
ところが合金作製中における混合粉砕後のWC粒径を調
べると出発原料として用いた平均粒径0.6μmのWC
は0.1〜0.3μmまでに粉砕されている。このこと
は焼結中にWCが粒成長し、0.7μm前後になること
に他ならない。この粒成長の機構はWCのCo結合相へ
の固溶、その固溶したWの既存WC粒子への析出が連続
的に行われる(オストワルド成長)ものである。周知の
如くCoは1400℃で20%以上のWを固溶するた
め、結合相としてCoを用いる限り上述の固溶、析出に
基づく粒成長は粒成長抑制剤を添加しても生じることは
避けられない。本発明者らはこのような観点から高温に
てWの固溶が少ない結合金属を種々調査し、基本的にC
o−Ni−Cr、Co−Ni−Cr−MoおよびCo−
Ni−Cr−W等からなる合金を結合相とすることによ
りWの固溶限が少ないため、WCの固溶、析出に基づく
粒成長をほぼ全面的に抑制し、ほぼ粉砕後の0.1〜
0.3μmの粒径をもつWCよりなる超微粒合金を得る
に至った。
本発明による合金と従来のWC−Co−粒成長抑制剤か
らなる微粒合金の破面写真を第1図に示す。
らなる微粒合金の破面写真を第1図に示す。
次に数値限定した理由を述べる。
結合金属相が5重量%に満たないと靱性が著しく劣化
し、また50重量%を越えると工具としての耐摩耗性が
満足されないため、5重量%以上50重量%以下とし
た。
し、また50重量%を越えると工具としての耐摩耗性が
満足されないため、5重量%以上50重量%以下とし
た。
更に本発明合金は結合金属相の主成分がCo、Niであ
り、Cr、Mo、Wの1種もしくは2種以上を固溶して
いるものよりなり、かつ前記Cr、Mo、Wの1種もし
くは2種以上の総量が全結合金属相に対し、0.5〜2
5%である。この固溶されているCr、Mo、Wは0.
5重量%未満では所望の粒成長抑制効果がなく、また2
5重量%を越えて固溶すると逆に靱性を劣化するため、
上記割合で固溶されることが不可欠となる。
り、Cr、Mo、Wの1種もしくは2種以上を固溶して
いるものよりなり、かつ前記Cr、Mo、Wの1種もし
くは2種以上の総量が全結合金属相に対し、0.5〜2
5%である。この固溶されているCr、Mo、Wは0.
5重量%未満では所望の粒成長抑制効果がなく、また2
5重量%を越えて固溶すると逆に靱性を劣化するため、
上記割合で固溶されることが不可欠となる。
実施例1 市販のWC粉末(平均粒径0.6μm)、TaC(同
1.5μm)VC(同1.0μm)、水アトマイズNi
−Cr粉(同5.5μm)、Co粉(同1.0μm)を
用い、所定量秤量後湿式混合粉砕を行なった。しかる後
4×8×25に成形し、1350℃、1時間の真空焼結
を行いテストピースを作製した。
1.5μm)VC(同1.0μm)、水アトマイズNi
−Cr粉(同5.5μm)、Co粉(同1.0μm)を
用い、所定量秤量後湿式混合粉砕を行なった。しかる後
4×8×25に成形し、1350℃、1時間の真空焼結
を行いテストピースを作製した。
第1表に本発明合金の物性、粒径を示すが比較合金に比
べ格段に粒径が細かく靱性が高いことがわかる。
べ格段に粒径が細かく靱性が高いことがわかる。
実施例2 第1表に示した合金において、φ10mmのエンドミルを
作製し、第2表に示す条件にて油性切削油を用い片削り
の切削テストを行なった結果を第3表に示す。本発明合
金は微粒であるが由に耐チッピング性を示すチッピング
発生率及び耐摩耗性とも格段に優れることが認められ
る。尚、チッピング発生率とはチッピングした切刃長さ
の総和 を全切刃長さの総和で除し、100分率で表わしたもの
である。
作製し、第2表に示す条件にて油性切削油を用い片削り
の切削テストを行なった結果を第3表に示す。本発明合
金は微粒であるが由に耐チッピング性を示すチッピング
発生率及び耐摩耗性とも格段に優れることが認められ
る。尚、チッピング発生率とはチッピングした切刃長さ
の総和 を全切刃長さの総和で除し、100分率で表わしたもの
である。
以上のように本発明によれば、従来の微粒WC−Co−
粒成長抑制剤という基本概念では不可能であった0.4
μm以下の平均粒径をもつWC基超硬合金の製造が可能
となり、これにより例えばエンドミル切削等において、
耐摩耗性、耐チッピング性、靱性が著しく改善されるこ
とが可能となった。
粒成長抑制剤という基本概念では不可能であった0.4
μm以下の平均粒径をもつWC基超硬合金の製造が可能
となり、これにより例えばエンドミル切削等において、
耐摩耗性、耐チッピング性、靱性が著しく改善されるこ
とが可能となった。
第1図は本発明合金と従来の超微粒超硬合金との粒径の
差を示すための破面のSEM写真で、第1図は本発明合
金の組織写真を、第2図は従来の超微粒超硬合金の組織
写真を示す図である。
差を示すための破面のSEM写真で、第1図は本発明合
金の組織写真を、第2図は従来の超微粒超硬合金の組織
写真を示す図である。
Claims (1)
- 【請求項1】炭化タングステンの硬質相と結合金属相と
からなる超硬合金において、炭化タングステンの平均粒
径が0.4μm以下であり、結合金属相が5〜50重量
%であり、該結合金属相はCo、Niを主成分とし、C
r、Mo、Wの1種もしくは2種以上を固溶しているも
のよりなり、かつ前記Cr、Mo、Wの1種もしくは2
種以上の総量が全結合金属相に対し、0.5〜25%で
あることを特徴とする超微粒超硬合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62005525A JPH0657865B2 (ja) | 1987-01-13 | 1987-01-13 | 超微粒超硬合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62005525A JPH0657865B2 (ja) | 1987-01-13 | 1987-01-13 | 超微粒超硬合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63176444A JPS63176444A (ja) | 1988-07-20 |
JPH0657865B2 true JPH0657865B2 (ja) | 1994-08-03 |
Family
ID=11613603
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62005525A Expired - Fee Related JPH0657865B2 (ja) | 1987-01-13 | 1987-01-13 | 超微粒超硬合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0657865B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01255642A (ja) * | 1988-04-05 | 1989-10-12 | Tokyo Tungsten Co Ltd | 耐食性を有する超硬合金製ドットピン及びその超硬合金材料 |
JPH0711049B2 (ja) * | 1989-06-02 | 1995-02-08 | 日立ツール株式会社 | 超硬合金及び製造方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6176646A (ja) * | 1984-09-21 | 1986-04-19 | Mitsubishi Metal Corp | 炭化タングステン基超硬合金 |
JPS61221352A (ja) * | 1985-03-27 | 1986-10-01 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 温・熱間鍛造工具用超硬合金 |
-
1987
- 1987-01-13 JP JP62005525A patent/JPH0657865B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63176444A (ja) | 1988-07-20 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |