JP2503770B2 - 切削工具用炭化タングステン基超硬合金 - Google Patents
切削工具用炭化タングステン基超硬合金Info
- Publication number
- JP2503770B2 JP2503770B2 JP9790287A JP9790287A JP2503770B2 JP 2503770 B2 JP2503770 B2 JP 2503770B2 JP 9790287 A JP9790287 A JP 9790287A JP 9790287 A JP9790287 A JP 9790287A JP 2503770 B2 JP2503770 B2 JP 2503770B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- based cemented
- cemented carbide
- powder
- solid solution
- centered cubic
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、切削工具として用いた場合に、すぐれた
耐摩耗性と耐欠損性を示す炭化タングステン(以下WCで
示す)基超硬合金に関するものである。
耐摩耗性と耐欠損性を示す炭化タングステン(以下WCで
示す)基超硬合金に関するものである。
従来、一般に、硬質相形成成分として、元素周期律表
の4a,5a,および6a族金属の炭化物,窒化物,および酸化
物のうちの2種以上の固溶体からなる面心立方型固溶
体:15〜45%、 結合相形成成分として、鉄族金属のうちの1種以上:5
〜20%、 を有し、残りが同じく硬質相形成成分としてのWCと不可
避不純物からなる組成(以上重量%、以下%は重量%を
示す)を有するWC基超硬合金が切削工具として用いられ
ていることは良く知られるところである。
の4a,5a,および6a族金属の炭化物,窒化物,および酸化
物のうちの2種以上の固溶体からなる面心立方型固溶
体:15〜45%、 結合相形成成分として、鉄族金属のうちの1種以上:5
〜20%、 を有し、残りが同じく硬質相形成成分としてのWCと不可
避不純物からなる組成(以上重量%、以下%は重量%を
示す)を有するWC基超硬合金が切削工具として用いられ
ていることは良く知られるところである。
〔発明が解決しようとする問題点〕 しかし、上記の従来WC基超硬合金においては、例えば
鋼の連続切削ではすぐれた耐摩耗性を示すものの、これ
を例えば鋼の断続切削に切削工具として用いた場合に
は、耐欠損性不足が原因で、切刃に欠損が発生し易く、
比較的短時間で使用寿命に至るのが現状である。
鋼の連続切削ではすぐれた耐摩耗性を示すものの、これ
を例えば鋼の断続切削に切削工具として用いた場合に
は、耐欠損性不足が原因で、切刃に欠損が発生し易く、
比較的短時間で使用寿命に至るのが現状である。
そこで、本発明者等は、上述のような観点から、上記
の従来切削工具用WC基超硬合金に着目し、これのもつす
ぐれた耐摩耗性を損なうことなく、これにすぐれた耐欠
損性を付与すべく研究を行なつた結果、従来WC基超硬合
金を構成する面心立方型固溶体のX線回折における(20
0)面の半価幅は0.28゜以下を示すが、WC基超硬合金の
製造に際して、製造されるWC基超硬合金で面心立方型固
溶体を構成する原料粉末、すなわち0.5〜2.5μmの範囲
内の平均粒径を有する元素周期律表の4a,5a,および6a族
金属の炭化物,窒化物,および酸化物,並びにこれらの
2種以上の固溶体からなる原料粉末に強粉砕処理などを
施して歪を付与した状態で、他の原料粉末であるWC粉末
および鉄族金属粉末と混合し、圧粉体にプレス成形し、
この圧粉体を、結晶性を抑制する目的で、相対的に低い
温度で焼結すると、製造されたWC基超硬合金における面
心立方型固溶体は、X線回折における(200)面の半価
幅が0.30゜以上を示すようになり、このように(200)
面の半価幅が0.30゜以上を示す面心立方型固溶体を含有
するWC基超硬合金においては、すぐれた耐摩耗性を示す
ばかりでなく、すぐれた耐欠損性を示すという知見を得
たのである。
の従来切削工具用WC基超硬合金に着目し、これのもつす
ぐれた耐摩耗性を損なうことなく、これにすぐれた耐欠
損性を付与すべく研究を行なつた結果、従来WC基超硬合
金を構成する面心立方型固溶体のX線回折における(20
0)面の半価幅は0.28゜以下を示すが、WC基超硬合金の
製造に際して、製造されるWC基超硬合金で面心立方型固
溶体を構成する原料粉末、すなわち0.5〜2.5μmの範囲
内の平均粒径を有する元素周期律表の4a,5a,および6a族
金属の炭化物,窒化物,および酸化物,並びにこれらの
2種以上の固溶体からなる原料粉末に強粉砕処理などを
施して歪を付与した状態で、他の原料粉末であるWC粉末
および鉄族金属粉末と混合し、圧粉体にプレス成形し、
この圧粉体を、結晶性を抑制する目的で、相対的に低い
温度で焼結すると、製造されたWC基超硬合金における面
心立方型固溶体は、X線回折における(200)面の半価
幅が0.30゜以上を示すようになり、このように(200)
面の半価幅が0.30゜以上を示す面心立方型固溶体を含有
するWC基超硬合金においては、すぐれた耐摩耗性を示す
ばかりでなく、すぐれた耐欠損性を示すという知見を得
たのである。
この発明は、上記知見にもとづいてなされたものであ
つて、 硬質相形成成分として、元素周期律表の4a,5a,および
6a族金属の炭化物,窒化物,および酸化物のうちの2種
以上の固溶体からなる面心立方型固溶体:15〜45%、 結合相形成成分として、鉄族金属のうちの1種以上:5
〜20%、 を含有し、残りが同じく硬質相形成成分としてのWCと不
可避不純物からなるWC基超硬合金において、 上記面心立方型固溶体のX線回折における(200)面
の半価幅が0.30゜以上である、耐摩耗性および耐欠損性
にすぐれた切削工具用WC基超硬合金に特徴を有するもの
である。
つて、 硬質相形成成分として、元素周期律表の4a,5a,および
6a族金属の炭化物,窒化物,および酸化物のうちの2種
以上の固溶体からなる面心立方型固溶体:15〜45%、 結合相形成成分として、鉄族金属のうちの1種以上:5
〜20%、 を含有し、残りが同じく硬質相形成成分としてのWCと不
可避不純物からなるWC基超硬合金において、 上記面心立方型固溶体のX線回折における(200)面
の半価幅が0.30゜以上である、耐摩耗性および耐欠損性
にすぐれた切削工具用WC基超硬合金に特徴を有するもの
である。
なお、この発明のWC基超硬合金において、これを構成
する面心立方型固溶体のX線回折における(200)面の
半価幅が0.30゜以上とした理由は、上記の通り経験的な
ものであつて、これ未満の半価幅では所望のすぐれた耐
欠損性を確保することができないことから、これを0.30
゜以上と定めたのである。
する面心立方型固溶体のX線回折における(200)面の
半価幅が0.30゜以上とした理由は、上記の通り経験的な
ものであつて、これ未満の半価幅では所望のすぐれた耐
欠損性を確保することができないことから、これを0.30
゜以上と定めたのである。
つぎに、この発明のWC基超硬合金を実施例により具体
的に説明する。
的に説明する。
まず、面心立方型固溶体形成用原料粉末として、いず
れも1.0〜2.0μmの範囲内の所定の平均粒径を有する、
(W,Ti,Ta)C粉末(重量割合で、以下同じ、WC/TiC/Ta
C=50/30/20)、(W,Ti,Ta)CN粉末(WC/TiC/TiN/TaC=
46/24/15/1)、(W,Ti)C粉末(WC/TiC=70/30)、(T
a,Nb)C粉末の(1)(TaC/NbC=60/40)、(W,Ti)CN
粉末(WC/TiC/TiN=56/24/20)、(Ta,Nb)C粉末の
(2)(TaC/NbC=90/10)、(Hf,Zr)CO粉末(HfC/ZrC
/ZrO2=40/55/5)、(W,Ti)C粉末の(2)(WC/TiC=
50/50)、およびTiN粉末をそれぞれ用意し、これらの原
料粉末に、それぞれボールミルにて96時間の強粉砕を施
して、その平均粒径を0.4〜1.0μmの範囲内の所定の平
均粒径とし、歪を付与した状態で、他の原料粉末である
平均粒径:3.5μmのWC粉末および同1.3μmの鉄族金属
粉末を配合して、それぞれ第1表に示される配合組成と
し、ついでボールミルにて48時間の粉砕混合を行ない、
この結果の混合粉末を10Kg/mm2の圧力にてプレス成形し
て圧粉体とし、この圧粉体を、真空中に、相対的に低温
の1340℃(通常は1400〜1500℃)に3時間保持の条件で
焼結することによつて、実質的に配合組成と同一の成分
組成をもつた本発明WC基超硬合金1〜6をそれぞれ製造
した。
れも1.0〜2.0μmの範囲内の所定の平均粒径を有する、
(W,Ti,Ta)C粉末(重量割合で、以下同じ、WC/TiC/Ta
C=50/30/20)、(W,Ti,Ta)CN粉末(WC/TiC/TiN/TaC=
46/24/15/1)、(W,Ti)C粉末(WC/TiC=70/30)、(T
a,Nb)C粉末の(1)(TaC/NbC=60/40)、(W,Ti)CN
粉末(WC/TiC/TiN=56/24/20)、(Ta,Nb)C粉末の
(2)(TaC/NbC=90/10)、(Hf,Zr)CO粉末(HfC/ZrC
/ZrO2=40/55/5)、(W,Ti)C粉末の(2)(WC/TiC=
50/50)、およびTiN粉末をそれぞれ用意し、これらの原
料粉末に、それぞれボールミルにて96時間の強粉砕を施
して、その平均粒径を0.4〜1.0μmの範囲内の所定の平
均粒径とし、歪を付与した状態で、他の原料粉末である
平均粒径:3.5μmのWC粉末および同1.3μmの鉄族金属
粉末を配合して、それぞれ第1表に示される配合組成と
し、ついでボールミルにて48時間の粉砕混合を行ない、
この結果の混合粉末を10Kg/mm2の圧力にてプレス成形し
て圧粉体とし、この圧粉体を、真空中に、相対的に低温
の1340℃(通常は1400〜1500℃)に3時間保持の条件で
焼結することによつて、実質的に配合組成と同一の成分
組成をもつた本発明WC基超硬合金1〜6をそれぞれ製造
した。
また、比較の目的で、上記の面心立方型固溶体形成用
原料粉末を予め強粉砕することなく、上記のWC粉末およ
び鉄族金属粉末とそれぞれ第1表に示される配合組成に
配合すると共に、焼結条件を、真空中、温度:1480℃に
1時間保持とする以外は、同一の条件で従来WC基超硬合
金1〜3をそれぞれ製造した。
原料粉末を予め強粉砕することなく、上記のWC粉末およ
び鉄族金属粉末とそれぞれ第1表に示される配合組成に
配合すると共に、焼結条件を、真空中、温度:1480℃に
1時間保持とする以外は、同一の条件で従来WC基超硬合
金1〜3をそれぞれ製造した。
ついで、この結果得られた各種のWC基超硬合金につい
て、ロツクウエル硬さ(Aスケール)および抗折力を測
定すると共に、Cu−Kα線で40KV、40Aの条件でX線回
折を行ない、面心立方型固溶体相の(200)面の回折線
の半価幅を測定し、さらに、 被削材:SNCM439(硬さ:HB230)の溝付き丸棒、 チップ形状:ISO・SNGN432、 切削速度:130m/min、 送り:0.3mm/rev、 切込み:2mm、 切削時間:30min、 の条件で鋼の断続切削を行ない、切刃の逃げ面摩耗幅を
測定すると共に、欠損発生の有無を観察した。これらの
測定結果を第1表に示した。
て、ロツクウエル硬さ(Aスケール)および抗折力を測
定すると共に、Cu−Kα線で40KV、40Aの条件でX線回
折を行ない、面心立方型固溶体相の(200)面の回折線
の半価幅を測定し、さらに、 被削材:SNCM439(硬さ:HB230)の溝付き丸棒、 チップ形状:ISO・SNGN432、 切削速度:130m/min、 送り:0.3mm/rev、 切込み:2mm、 切削時間:30min、 の条件で鋼の断続切削を行ない、切刃の逃げ面摩耗幅を
測定すると共に、欠損発生の有無を観察した。これらの
測定結果を第1表に示した。
第1表に示される結果から、本発明WC基超硬合金1〜
6は、いずれもこれを構成する面心立方型固溶体の(20
0)面の半価幅が0.30゜以上を示し、同半価幅が0.28゜
以下の従来WC基超硬合金1〜3に比して、相対的に高い
硬さと抗折力を有し、かつ断続切削でもすぐれた耐欠損
性を示すことが明らかである。
6は、いずれもこれを構成する面心立方型固溶体の(20
0)面の半価幅が0.30゜以上を示し、同半価幅が0.28゜
以下の従来WC基超硬合金1〜3に比して、相対的に高い
硬さと抗折力を有し、かつ断続切削でもすぐれた耐欠損
性を示すことが明らかである。
上述のように、この発明のWC基超硬合金は、すぐれた
耐摩耗性と耐欠損性の両方を合せもち、切削工具として
用いた場合に著しく長期に亘つてすぐれた切削性能を発
揮するものである。
耐摩耗性と耐欠損性の両方を合せもち、切削工具として
用いた場合に著しく長期に亘つてすぐれた切削性能を発
揮するものである。
Claims (1)
- 【請求項1】硬質相形成成分として、元素周期律表の4
a,5a,および6a族金属の炭化物,窒化物,および酸化物
のうちの2種以上の固溶体からなる面心立方型固溶体:1
5〜45%、 結合相形成成分として、鉄族金属のうちの1種以上:5〜
20%、 を含有し、残りが同じく硬質相形成成分としての炭化タ
ングステンと不可避不純物からなる組成(以上重量%)
を有する炭化タングステン基超硬合金において、 上記面心立方型固溶体のX線回折における(200)面の
半価幅が0.30゜以上であることを特徴とする切削工具用
炭化タングステン基超硬合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9790287A JP2503770B2 (ja) | 1987-04-21 | 1987-04-21 | 切削工具用炭化タングステン基超硬合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9790287A JP2503770B2 (ja) | 1987-04-21 | 1987-04-21 | 切削工具用炭化タングステン基超硬合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63262443A JPS63262443A (ja) | 1988-10-28 |
JP2503770B2 true JP2503770B2 (ja) | 1996-06-05 |
Family
ID=14204662
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9790287A Expired - Fee Related JP2503770B2 (ja) | 1987-04-21 | 1987-04-21 | 切削工具用炭化タングステン基超硬合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2503770B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01215947A (ja) * | 1988-02-24 | 1989-08-29 | Toshiba Tungaloy Co Ltd | 切削又は切断工具部材用超硬合金 |
JPH02243735A (ja) * | 1989-03-17 | 1990-09-27 | Nippon Carbide Ind Co Inc | 硬質合金 |
JP4126451B2 (ja) * | 2002-03-22 | 2008-07-30 | 京セラ株式会社 | 超硬合金 |
-
1987
- 1987-04-21 JP JP9790287A patent/JP2503770B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63262443A (ja) | 1988-10-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH10219385A (ja) | 耐摩耗性のすぐれた複合サーメット製切削工具 | |
JPH06287067A (ja) | 耐摩耗性および耐欠損性のすぐれた立方晶窒化ほう素基超高圧焼結材料製切削工具 | |
JPS6256224B2 (ja) | ||
JP2503770B2 (ja) | 切削工具用炭化タングステン基超硬合金 | |
JP3318887B2 (ja) | 微粒超硬合金及びその製造方法 | |
JPH0681072A (ja) | 炭化タングステン基超硬合金 | |
JP2006144089A (ja) | 超微粒子超硬合金 | |
JPS6256943B2 (ja) | ||
JP2668962B2 (ja) | 耐欠損性のすぐれた炭化タングステン基超硬合金製エンドミル | |
JP2663474B2 (ja) | Ti合金切削用超硬合金製正方形切削チップ | |
JP3292949B2 (ja) | 微粒超硬合金及びその製造方法 | |
JP2022504253A (ja) | 靭性向上のための微細構造を有する硬質金属 | |
JP2502322B2 (ja) | 高靭性サ―メット | |
JPS6256944B2 (ja) | ||
JPH1053831A (ja) | 耐チッピング性にすぐれた炭化タングステン基超硬合金製切削工具 | |
JP2000237903A (ja) | 耐摩耗性のすぐれたTi系炭窒化物サーメット製切削工具 | |
JPS621348B2 (ja) | ||
JP2653173B2 (ja) | 耐欠損性のすぐれた炭化タングステン基超硬合金製切削工具 | |
JP2697553B2 (ja) | 靭性のすぐれた炭窒化チタン系サーメット製切削工具 | |
JP2569588B2 (ja) | 耐摩耗性および靭性のすぐれた炭化タングステン基超硬合金 | |
JP2000073136A (ja) | 耐欠損性のすぐれたTi系複合金属炭窒化物サーメット製切削工具の製造方法 | |
JPS6056782B2 (ja) | 切削工具および熱間加工工具用サ−メツト | |
JPH10193210A (ja) | 切刃片がすぐれたろう付け接合強度を有する超硬合金製切削工具 | |
JPH08253836A (ja) | すぐれた靭性を有する耐摩耗性炭化タングステン基超硬合金 | |
JP3458533B2 (ja) | Wc基超硬合金製切削工具の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |