JP3292949B2 - 微粒超硬合金及びその製造方法 - Google Patents

微粒超硬合金及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,微粒超硬合金に関
し,特に,平均粒径1.0μm以下の微細な炭化タング
ステン(WC)粒子を含有する高硬度で耐摩耗および靭
性の優れた微粒超硬合金及びその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来,炭化タングステン(WC)を主体
とした超硬合金は,切削工具,耐摩耗工具等の材料とし
て広く用いられている。なかでも,平均粒径が1.0μ
m以下のWC粒子を主体とした超硬合金は,高硬度で高
強度を有する。そのためその超硬合金は,各種剪断刀,
PCB穴明けドリル,金属用のドリル,エンドミル等に
用いられている。
【0003】ここで,市場ではさらなる高能率化が要求
されており,その要求を満たすために,超微粒超硬合金
が必要不可欠である。この超微粒超硬合金を得るには,
微細なWC粉末を出発原料として,焼結過程での粒成長
を抑えながら製造しなければならず,その焼結の際の粒
成長を抑制するために,出発原料に種々の抑制剤を添加
する発明が提案されている。
【0004】例えば,特開昭61−12847号公報
(以下,従来技術1と呼ぶ)には,WC−Co含金にV
とCrを複合添加することによって,WCの粒成長を抑
制し,微粒超硬合金をつくりあげる方法が開示されてい
る。
【0005】また,特開平6−81072号公報(以
下,従来技術2と呼ぶ)には,平均粒度0.6μm以下
でかつ最大粒径が3.0μm以下のWC粒子が分散して
いるWC基超硬合金の素地中に,さらに最大粒径が3.
0μm以下であるVN,Cr,Ta,NbおよびのTi
のうちの1種の炭化物もしくは炭窒化物粒子,またはV
N,Cr,Ta,NbおよびのTiのうちの2種以上の
炭化物もしくは,炭窒化物粒子が分散している組織を有
するWC基超硬含金が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし,従来技術1に
よる方法は,V,Crの炭化物を多量に必要とし,その
ために製造された超硬合金は,チッピング等を起こしや
すくなりPCB穴明け用ドリル,金属用のドリル,エン
ドミル等に用いると折損に至り,工具の安定性に欠ける
という欠点がある。
【0007】また,従来技術2においては,微粒WC中
のV,Cr,Ta,NbおよびのTiの炭化物もしくは
炭窒化物粒子は,粗大粒子として働くことかあり,靭
性,硬度,強度の向上に働かないという欠点がある。
【0008】以上,従来技術1及び従来技術2に開示さ
れたいずれの発明も,超硬合金を焼結する時の粒成長を
制御する方法であるが,この方法だけでは,粒成長を完
全に制御するには至らず,そのため上記のWC基超硬合
金は,ドリル,エンドミルなどに代表される切削工具,
そして打ち抜き型,スリッターなどの剪断加工工具とし
て用いた場合,チッピング等により比較的短時間で寿命
にいたるという欠点を有している。
【0009】そこで,本発明の技術的課題は,平均粒径
が1.0μm以下である微細な炭化タングステン粒子を
含有する,高硬度で高強度および靭性の優れた微粒超硬
合金及びその製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは,上述のよ
うな観点から,高強度を有するWC基超硬合金を製造す
べく,鋭意研究を行った結果,Coを結合相とした合金
中に窒素を含む粒成長抑制剤を使用し,微粒の超硬合金
を焼結する際,雰囲気を制御することにより,合金中に
窒素を残留させることにより,1.0μm以下である微
細な炭化タングステン粒子を含有する,高硬度で高強度
しかも靭性の優れた超硬合金が得られることを見い出
し,本発明を為すに至ったものである。
【0011】即ち,本発明によれば,VNを0.05〜
0.50重量%と,Cr2 Nを0.50〜1.00重量
%と,Coを主成分とする結合相を5〜20重量%と,
残りがWCおよび不可避不純物とからなる組成を有する
WC−Co系微粒超硬合金であって,前記合金中のWC
粒子の平均粒径が1.0μm以下であり,高硬度で高強
度および靭性の優れていることを特徴とする微粒超硬合
金が得られる。
【0012】また,本発明によれば,前記微粒超硬合金
において,前記合金中の窒素含有量が0.05〜0.2
0重量%であることを特徴とする微粒超硬合金が得られ
る。
【0013】また,本発明によれば,前記いずれかの微
粒超硬合金において,前記合金中に含有されるV/Cr
(バナジウム/クロム)の重量比が0.05〜0.5で
あることを特徴とする微粒超硬合金が得られる。
【0014】さらに,本発明によれば,前記いずれかの
微粒超硬合金を粉末冶金法によって製造する方法であっ
て,前記組成の原料粉末の圧粉体を焼結に際して,昇温
途中の1000〜1200℃から所定の保持温度を経て
冷却途中の1200℃までを窒素分圧600〜760T
orrの窒素雰囲気下で制御して焼結することを特徴と
する微粒超硬合金の製造方法が得られる。
【0015】ここで,本発明において,上記のように組
成及び焼結条件を限定した理由について説明する。
【0016】まず,本発明において,Coの含有量を5
〜20重量%と限定したのは,Co,含有量か5%未満
では超硬合金の緻密化が十分行われない。又20%を越
えると,バイト,ドリル,エンドミルなどに代表される
切削工具そして打ち抜き型,スリッターなどの剪断加工
工具に代表される耐摩耗工具として用いた場合,硬度が
不足し耐摩耗性が低下するからである。
【0017】また,本発明のVNの添加量について,V
はCrとともに結合相中に固溶してWCの粒成長を抑制
する作用を有するが,その含有量を0.05〜0.50
重量%に限定したのは,0.05重量%未満では,Cr
と複合添加しても所望の粒成長効果が得られず,一方
0.50重量%を越えると焼結後の冷却速度などによっ
ては,合金中に第3相として析出し,靭性低下をもたら
すからである。
【0018】また,本発明のCr2 Nの添加量について
は,CrはVとともに結合相中に固溶してWCの粒成長
を抑制する作用を有するが,その含有量を0.5〜1.
0重量%に限定したのは,0.5重量%未満では,Cr
と複合添加しても所望の粒成長効果が得られず,一方
1.0重量%を越えると焼結後の冷却速度などによって
は,合金中に第3相として析出し,靭性低下をもたらす
からである。
【0019】次に,本発明のV/Crの重量比を0.0
5〜0.5に限定した理由について述べる。本発明に関
しては,V/Crの重量比による効果は,VNとCr2
Nの複合添加による効果である。そのため,本発明で
は,VNの添加による靭性の低下をCr2 Nで捕ってい
る。ここで,V/Crが0.05未満では,VNによる
微粒化の効果が期待できない。一方V/Crが0.5を
越えるとCr2 Nの効果による靭性の向上が期待できな
くなるから,上記のように限定される。
【0020】次に,本発明において,VおよびCrと結
合しているNの含有量を0.05〜0.20重量%に限
定したのは,0.05重量%未満では,VおよびCrと
結合しているNの量が少ないために,複合添加しても所
望の粒成長効果が得られず,一方,0.20重量%を越
えると焼結体中に合金中に第3相として析出し,靭性低
下をもたらすからである。
【0021】また,本発明において焼結条件を昇温途中
の1000〜1200℃(好ましくは1100〜120
0℃)から所定の保持温度を経て冷却途中の1200℃
までを窒素分圧600〜760Torr(好ましくは6
50〜750Torr)の窒素雰囲気下で制御すること
に限定したのは,昇温途中の1000℃以下の温度から
窒素ガスを導入しても脱窒素を補う事や,経済的には効
果かないこと。また,1200℃を越えて導入すると,
脱窒素か始まり窒素の制御ができないためである。窒素
分圧を600〜760Torrと限定したのは600T
orr未満では,窒素の分解が促進され所定の窒素量に
入らないためである。また,760Torrを越えると
ポア残留する可能性があり所望の合金特性を示さないか
らである。
【0022】
【発明の実施の形態】以下,本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0023】(第1の実施の形態)まず,原料粉末とし
て,平均粒径:0.6μmのWC粉末,同1.4μmの
Co粉末,同1.0μmのVN粉末,同1.5μmのC
2 N粉末を,下記表1に示した組成に配合し,アルコ
ール中湿式ボールミル混合した後,減圧乾燥した。得ら
れた混合粉末を,1トン/cm2 の圧力で圧粉体にプレ
ス成形し,この成形体を下記表1に示した条件で焼結を
行った。その後,得られた焼結体を1,000気圧で1
350℃に1時間保ちHlPを行った。
【0024】これらの焼結体をダイヤモンド砥石で研削
して,たて4mm,横8mm,長さ25mmのJIS抗
折試験片を作製し,3点曲げによる抗折力を測定した。
【0025】また,硬度については,ロックウエル硬度
計で測定した。さらに,合金中のWCの平均粒径はSE
M観察結果を画像処理して求めた。なお比較超硬合金も
同様に調整した。それらの結果を表2に示した。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】(第2の実施の形態)第1の実施の形態で
得られた本発明WC−Co系微粒超硬合金2,比較超硬
合金6を直径10mmの2枚刃エンドミルを切り出し,
それぞれ,本発明エンドミル及び比較エンドミルとし,
これらのエンドミルを用いて,被削材:SKD61(H
RC61),切削速度130mm/min,切り込み深
さ:10mmの条件で鋼の乾式切削試験を実施した。逃
げ面摩耗:0.25mmを寿命基準として,寿命にいた
るまでの切削長を求め,比較エンドミルの切削長に対す
る本発明エンドミルの切削長の比率を評価した。その結
果を下記表3に示した。
【0029】
【表3】
【0030】上記表3に示される結果から,本発明エン
ドミルは比較エンドミルに比較して優れた切削性能を示
すことが判明した。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば,C
oを結合相とした合金中に窒素を含む粒成長抑制剤を使
用し,微粒の超硬合金を焼結する際雰囲気を制御するこ
とにより,含金中に窒素を残留させることにより,1.
0μm以下である微細な炭化タングステン粒子を含有す
る,高硬度で高強度および靭性の優れた超硬合金を提供
することができる。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 VNを0.05〜0.50重量%と,C
    2 Nを0.50〜1.00重量%と,Coを主成分と
    する結合相を5〜20重量%と,残りがWCおよび不可
    避不純物とからなる組成を有するWC−Co系微粒超硬
    合金であって,前記合金中のWC粒子の平均粒径が1.
    0μm以下であり,高硬度で高強度および靭性の優れて
    いることを特徴とする微粒超硬合金。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の微粒超硬合金において,
    前記合金中の窒素含有量が0.05〜0.20重量%で
    あることを特徴とする微粒超硬合金。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の微粒超硬合金にお
    いて,前記合金中に含有されるV/Cr(バナジウム/
    クロム)の重量比が0.05〜0.5であることを特徴
    とする微粒超硬合金。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3の内のいずれかに記載の
    微粒超硬合金を粉末冶金法によって製造する方法であっ
    て,前記組成の原料粉末の圧粉体を焼結に際して,昇温
    途中の1000〜1200℃から所定の保持温度を経て
    冷却途中の1200℃までを窒素分圧600〜760T
    orrの窒素雰囲気下で制御して焼結することを特徴と
    する微粒超硬合金の製造方法。
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