JP2663474B2 - Ti合金切削用超硬合金製正方形切削チップ - Google Patents
Ti合金切削用超硬合金製正方形切削チップInfo
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- JP2663474B2 JP2663474B2 JP63015182A JP1518288A JP2663474B2 JP 2663474 B2 JP2663474 B2 JP 2663474B2 JP 63015182 A JP63015182 A JP 63015182A JP 1518288 A JP1518288 A JP 1518288A JP 2663474 B2 JP2663474 B2 JP 2663474B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、難削材の1種であるTi合金を切削加工す
るのに適した超硬合金製正方形切削チップに関するもの
である。
るのに適した超硬合金製正方形切削チップに関するもの
である。
一般に、Ti合金は高温強度が高く、熱伝導率の低い、
きわめて被削性の悪い材料であるが、これの切削加工に
は、重量%で(以下%は重量%を示す)、Co:6〜8%を
含有し、さらにTi,Ta,Nb、およびCrの炭化物(以下、そ
れぞれTiC,TaC,NbC、およびCr3C2で示す)のうちの1種
または2種以上:0.2〜2%を含有し、残りが炭化タング
ステン(以下、WCで示す)と不可避不純物からなる組成
を有する超硬合金で構成された超硬合金製正方形切削チ
ップが用いられている。
きわめて被削性の悪い材料であるが、これの切削加工に
は、重量%で(以下%は重量%を示す)、Co:6〜8%を
含有し、さらにTi,Ta,Nb、およびCrの炭化物(以下、そ
れぞれTiC,TaC,NbC、およびCr3C2で示す)のうちの1種
または2種以上:0.2〜2%を含有し、残りが炭化タング
ステン(以下、WCで示す)と不可避不純物からなる組成
を有する超硬合金で構成された超硬合金製正方形切削チ
ップが用いられている。
しかし、上記の従来超硬合金製正方形切削チップにお
いては、Ti合金が難削材であることと相俟って、切刃の
摩耗進行がきわめて速く、比較的短時間で使用寿命に至
るのが現状である。
いては、Ti合金が難削材であることと相俟って、切刃の
摩耗進行がきわめて速く、比較的短時間で使用寿命に至
るのが現状である。
そこで、本発明者等は、上述のような観点から、Ti合
金の切削加工に用いられている上記の超硬合金製正方形
切削チップに着目し、これの耐摩耗性向上をはかるべく
研究を行なった結果、結合相形成成分としてのCo含有量
を相対的に低くした上で、WCの平均粒径を相対的に小さ
くすると、難削材たるTi合金の切削加工において、すぐ
れた耐摩耗性を著しく長期に亘って示すようになるとい
う研究結果を得たのである。
金の切削加工に用いられている上記の超硬合金製正方形
切削チップに着目し、これの耐摩耗性向上をはかるべく
研究を行なった結果、結合相形成成分としてのCo含有量
を相対的に低くした上で、WCの平均粒径を相対的に小さ
くすると、難削材たるTi合金の切削加工において、すぐ
れた耐摩耗性を著しく長期に亘って示すようになるとい
う研究結果を得たのである。
この発明は、上記の研究結果にもとづいてなされたも
のであって、 Co:3.5〜4.5%、 TiC,TaC,NbC、およびCr3C2(以下、これらを総称して金
属炭化物という)のうちの1種または2種以上:0.2〜2
%、 を含有し、残りがWCと不可避不純物からなる組成を有
し、かつWCの平均粒径を0.3〜1.2μmとした超硬合金で
構成してなる、Ti合金切削用超硬合金製正方形切削チッ
プに特徴を有するものである。
のであって、 Co:3.5〜4.5%、 TiC,TaC,NbC、およびCr3C2(以下、これらを総称して金
属炭化物という)のうちの1種または2種以上:0.2〜2
%、 を含有し、残りがWCと不可避不純物からなる組成を有
し、かつWCの平均粒径を0.3〜1.2μmとした超硬合金で
構成してなる、Ti合金切削用超硬合金製正方形切削チッ
プに特徴を有するものである。
つぎに、この発明の正方形切削チップにおいて、これ
を構成する超硬合金の成分組成、並びにWCの平均粒径を
上記の通りに限定した理由を説明する。
を構成する超硬合金の成分組成、並びにWCの平均粒径を
上記の通りに限定した理由を説明する。
(a) Co Co成分には、難削材であるTi合金の切削加工に耐える
強度を付与する作用があるが、その含有量が3.5%未満
では十分な強度が得られず、この結果切削チップに欠損
やチッピング(微小欠け)が発生するのを防止すること
ができず、一方その含有量が4.5%を越えると耐摩耗性
に低下傾向が現われるようになることから、その含有量
を3.5〜4.5%と定めた。
強度を付与する作用があるが、その含有量が3.5%未満
では十分な強度が得られず、この結果切削チップに欠損
やチッピング(微小欠け)が発生するのを防止すること
ができず、一方その含有量が4.5%を越えると耐摩耗性
に低下傾向が現われるようになることから、その含有量
を3.5〜4.5%と定めた。
(b) 金属炭化物 金属炭化物には、工具の耐摩耗性を向上させる作用が
あるが、その含有量が0.2%未満では所望の耐摩耗性向
上効果が得られず、一方その含有量が2%を越えると、
耐欠損性が低下し、切刃に欠損が発生し易く、摩耗進行
の原因となることから、その含有量を0.2〜2%と定め
た。
あるが、その含有量が0.2%未満では所望の耐摩耗性向
上効果が得られず、一方その含有量が2%を越えると、
耐欠損性が低下し、切刃に欠損が発生し易く、摩耗進行
の原因となることから、その含有量を0.2〜2%と定め
た。
(c) WCの平均粒径 上記のようにTi合金の切削加工に際して、すぐれた耐
摩耗性を確保するには、Co含有量の低減と共に、WCの粒
径を細かくする必要があるが、あまり粒径が小さくなり
過ぎて、その平均粒径が0.3μm未満になると切刃に欠
損が起り易くなり、一方その平均粒径が1.2μmを越え
ると、耐摩耗性が急激に低下するようになることから、
その平均粒径を0.3〜1.2μmと定めたのである。
摩耗性を確保するには、Co含有量の低減と共に、WCの粒
径を細かくする必要があるが、あまり粒径が小さくなり
過ぎて、その平均粒径が0.3μm未満になると切刃に欠
損が起り易くなり、一方その平均粒径が1.2μmを越え
ると、耐摩耗性が急激に低下するようになることから、
その平均粒径を0.3〜1.2μmと定めたのである。
つぎに、この発明の超硬合金製正方形切削チップ実施
例により具体的に説明する。
例により具体的に説明する。
原料粉末として、0.5〜1.2μmの範囲内の所定の平均
粒径を有する各種のWC粉末、平均粒径:1.0μmのTiC粉
末、同0.9μmのTaC粉末、同1.0μmのNbC粉末、同0.9
μmのCr3C2粉末、および同1.2μmのCo粉末を用意し、
これら原料粉末をそれぞれ第1表に示される配合組成に
配合し、通常の条件で湿式ボールミルにて96時間粉砕混
合し、乾燥した後、1ton/cm2の圧力で圧粉体にプレス成
形し、この圧粉体を真空中、1420〜1500℃の温度範囲内
の所定の温度に1時間保持の条件で焼結し、研磨するこ
とにより実質的に配合組成と同一の組成を有し、かつ第
1表に示されるWC平均粒径を有するISO・SPP42に則した
形状の本発明超硬合金製正方形切削チップ(以下、本発
明切削チップと云う)1〜7および比較超硬合金製正方
形切削チップ(以下、比較切削チップと云う)1〜6を
それぞれ製造した。
粒径を有する各種のWC粉末、平均粒径:1.0μmのTiC粉
末、同0.9μmのTaC粉末、同1.0μmのNbC粉末、同0.9
μmのCr3C2粉末、および同1.2μmのCo粉末を用意し、
これら原料粉末をそれぞれ第1表に示される配合組成に
配合し、通常の条件で湿式ボールミルにて96時間粉砕混
合し、乾燥した後、1ton/cm2の圧力で圧粉体にプレス成
形し、この圧粉体を真空中、1420〜1500℃の温度範囲内
の所定の温度に1時間保持の条件で焼結し、研磨するこ
とにより実質的に配合組成と同一の組成を有し、かつ第
1表に示されるWC平均粒径を有するISO・SPP42に則した
形状の本発明超硬合金製正方形切削チップ(以下、本発
明切削チップと云う)1〜7および比較超硬合金製正方
形切削チップ(以下、比較切削チップと云う)1〜6を
それぞれ製造した。
なお、比較切削チップ1〜6は、いずれも成分組成お
よびWC平均粒径のうちの少なくともいずれかがこの発明
の範囲から外れたものである。
よびWC平均粒径のうちの少なくともいずれかがこの発明
の範囲から外れたものである。
つぎに、この結果得られた各種の切削チップについ
て、 被削材:Ti−6%Al−4%Vの組成を有するTi合金、 切削速度:70m/min、 送り:0.2mm/rev.、 切込み:1.5mm、 切削時間:20min、 切削油:水溶性、 の条件で連続切削試験を行ない、切刃の逃げ面摩耗幅を
測定すると共に、切刃の損傷状態を観察した。これらの
結果を第1表に示した。
て、 被削材:Ti−6%Al−4%Vの組成を有するTi合金、 切削速度:70m/min、 送り:0.2mm/rev.、 切込み:1.5mm、 切削時間:20min、 切削油:水溶性、 の条件で連続切削試験を行ない、切刃の逃げ面摩耗幅を
測定すると共に、切刃の損傷状態を観察した。これらの
結果を第1表に示した。
〔発明の効果〕 第1表に示される結果から、WCの平均粒径がいずれも
0.3〜1.2μmの範囲内にあり、かつCo含有量が3.5〜4.5
%で、さらに金属炭化物の含有量も0.2〜2%である超
硬合金で構成された本発明切削チップ1〜7は、いずれ
もすぐれた耐摩耗性を示し、切刃の損傷状態も僅かに微
小チッピングが生じる程度で、ほとんどの場合正常摩耗
を示すものであるのに対して、成分組成およびWC平均粒
径の少なくともいずれかがこの発明の範囲から外れた比
較切削チップ1〜6においては、欠損や異常摩耗、さら
に境界摩耗が発生しており、耐摩耗性にも劣ることが明
らかである。
0.3〜1.2μmの範囲内にあり、かつCo含有量が3.5〜4.5
%で、さらに金属炭化物の含有量も0.2〜2%である超
硬合金で構成された本発明切削チップ1〜7は、いずれ
もすぐれた耐摩耗性を示し、切刃の損傷状態も僅かに微
小チッピングが生じる程度で、ほとんどの場合正常摩耗
を示すものであるのに対して、成分組成およびWC平均粒
径の少なくともいずれかがこの発明の範囲から外れた比
較切削チップ1〜6においては、欠損や異常摩耗、さら
に境界摩耗が発生しており、耐摩耗性にも劣ることが明
らかである。
上述のように、この発明の超硬合金製正方形切削チッ
プは、特に難削材の1種であるTi合金の切削加工に用い
た場合に、すぐれた耐摩耗性を示し、著しく長期に亘っ
てすぐれた切削性能を発揮するのである。
プは、特に難削材の1種であるTi合金の切削加工に用い
た場合に、すぐれた耐摩耗性を示し、著しく長期に亘っ
てすぐれた切削性能を発揮するのである。
Claims (1)
- 【請求項1】Co:3.5〜4.5重量%、 Ti,Ta,Nb、およびCrの炭化物のうちの1種または2種以
上:0.2〜2重量%、 を含有し、残りが炭化タングステンと不可避不純物から
なる組成を有し、かつ炭化タングステンの平均粒径が0.
3〜1.2μmである超硬合金で構成したことを特徴とする
Ti合金切削用超硬合金製正方形切削チップ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63015182A JP2663474B2 (ja) | 1988-01-26 | 1988-01-26 | Ti合金切削用超硬合金製正方形切削チップ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63015182A JP2663474B2 (ja) | 1988-01-26 | 1988-01-26 | Ti合金切削用超硬合金製正方形切削チップ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01191760A JPH01191760A (ja) | 1989-08-01 |
JP2663474B2 true JP2663474B2 (ja) | 1997-10-15 |
Family
ID=11881682
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63015182A Expired - Lifetime JP2663474B2 (ja) | 1988-01-26 | 1988-01-26 | Ti合金切削用超硬合金製正方形切削チップ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2663474B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01215947A (ja) * | 1988-02-24 | 1989-08-29 | Toshiba Tungaloy Co Ltd | 切削又は切断工具部材用超硬合金 |
JP2010121735A (ja) * | 2008-11-20 | 2010-06-03 | Motoyama Eng Works Ltd | 弁 |
JP5462549B2 (ja) * | 2009-08-20 | 2014-04-02 | 住友電気工業株式会社 | 超硬合金 |
JP2015107525A (ja) * | 2014-12-18 | 2015-06-11 | 住友電気工業株式会社 | 回転ツール |
CN114457269A (zh) * | 2022-02-16 | 2022-05-10 | 河源富马硬质合金股份有限公司 | 一种高强韧和高耐磨的硬质合金材料、刀具及制备方法 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0715135B2 (ja) * | 1986-07-02 | 1995-02-22 | 三菱マテリアル株式会社 | 炭化タングステン基超硬合金製ドリル |
-
1988
- 1988-01-26 JP JP63015182A patent/JP2663474B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01191760A (ja) | 1989-08-01 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
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