JP2002022988A - 光導波路デバイスの製造方法 - Google Patents
光導波路デバイスの製造方法Info
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Abstract
て、簡単な工程で耐食性の優れた保護層を形成すること
のできる光導波路デバイスの製造方法を提供する。 【解決手段】 下部クラッド層3が形成された基板1上
に、光導波路4と、上部クラッド層5とを樹脂により形
成する。その後、上部クラッド層5の表面部を削り取
り、その上部クラッド層の上に、樹脂の材料溶液を2回
重ねて塗布し、これを加熱して硬化させることにより、
樹脂からなる保護層9を形成する。これにより、前記樹
脂の材料溶液に対する上部クラッド層5の上面のぬれ性
が低い場合にも、材料溶液がはじかれないため、穴のな
い一様な保護層9を形成できる。
Description
特に、保護層と上部クラッドが樹脂製の光導波路に関す
る。
に伴い、情報伝送需要が急激に増大している。このた
め、伝送速度の速い光伝送を、パソコン等の末端の情報
処理装置まで普及させることが望まれている。これを実
現するには、光インターコネクション用に、高性能な光
導波路を、安価かつ大量に製造する必要がある。
材料等の無機材料と、樹脂が知られている。無機材料に
より光導波路を製造する場合には、真空蒸着装置やスパ
ッタ装置等の成膜装置により無機材料膜を成膜し、これ
を所望の導波路形状にエッチングすることにより製造す
る方法が用いられる。しかしながら、真空蒸着装置やス
パッタ装置は、真空排気設備が必要であるため、装置が
大型で高価である。また、真空排気工程が必要であるた
め工程が複雑になる。これに対し、樹脂によって光導波
路を製造する場合には、成膜工程を、塗布と加熱により
大気圧中で行うことができるため、装置および工程が簡
単であるという利点がある。
する樹脂としては、種々のものが知られているが、ガラ
ス転移温度(Tg)が高く、耐熱性に優れるポリイミド
が特に期待されている。ポリイミドにより光導波路およ
びクラッド層を形成した場合、長期信頼性が期待でき、
半田付けにも耐えることができる。
一般的には、基板上に、下部クラッド層、光導波路層、
上部クラッド層を積層することにより構成される。これ
らの各層は、屈折率の関係から材料の樹脂が選択される
ことが多く、必ずしも耐食性の高い樹脂で構成されると
は限らない。そこで、耐食性の高い樹脂により、上部ク
ラッド層を保護する保護層を形成することが考えられ
る。しかしながら、保護層を構成する樹脂の材料溶液に
対して上部クラッド層のぬれ性が悪いと、材料溶液を塗
布する際にはじかれてしまうため、一様に保護層を形成
することが難しく、保護層に穴があいてしまうことがあ
った。これでは、保護層としての役割を十分に果たすこ
とができない。ぬれ性を改善するためには、上部クラッ
ド層と保護層との間に、さらに別の樹脂を接着層として
配置することが考えられるが、上部クラッド層と保護層
の双方の材質と接着性のよい材質を選択する必要があ
り、しかも、層構成が複雑になるため製造工程も複雑に
なってしまう。
造方法であって、簡単な工程で耐食性の優れた保護層を
形成することのできる光導波路デバイスの製造方法を提
供することを目的とする。
に、本発明によれば、以下のような光導波路デバイスの
製造方法が提供される。すなわち、下部クラッド層が形
成された基板上に、光導波路(コア)と、上部クラッド
層とを樹脂により形成する第1の工程と、前記上部クラ
ッド層の表面部を削り取る第2の工程と、前記第2の工
程が施された上部クラッド層の上に、樹脂の材料溶液を
2回重ねて塗布し、これを加熱して硬化させることによ
り、前記樹脂からなる保護層を形成する第3の工程とを
有することを特徴とする光導波路デバイスの製造方法が
提供される。
デバイスの製造方法について説明する。
布する工程の前に、上部クラッド層の上面をアッシング
するとともに、保護層の材料溶液を塗布する際に、溶媒
雰囲気中で塗布を行うことにより、ぬれ性の良くない上
部クラッド層であっても穴のない保護層を形成すること
を可能にするものである。
デバイスの構成を図1、図2を用いて説明する。光導波
路デバイスは、Si基板1の上に、光導波路積層体10
を備えている。
された下部クラッド層3と、その上に搭載された光導波
路4と、光導波路4を埋め込む上部クラッド層5と、保
護層9とを含んでいる。
は、いずれも、日立化成工業株式会社製OPI−N10
05(商品名)を用いて形成したポリイミド膜からな
る。下部クラッド層3の膜厚は、約6μm、上部クラッ
ド層5の膜厚は、下部クラッド層表面から約12μmで
ある。光導波路4は、日立化成工業株式会社製OPI−
N3205(商品名)を用いて形成したポリイミド膜か
らなり、その膜厚は約6μmであり、光導波路4の幅は
約6μmである。保護層9は、日立化成デュポンマイク
ロシステムズ株式会社製PIX−6400(商品名)を
用いて形成したポリイミド膜であり、その膜厚は、光導
波路4から離れた端部の部分で約5μmである。
の製造方法について、図1(a)〜(c)、図2
(d)、(e)を用いて説明する。
N1005をスピン塗布して材料溶液膜を形成する。そ
の後、乾燥器で100℃で30分、次いで、200℃で
30分加熱することにより溶媒を蒸発させ、続けて37
0℃で60分加熱することにより硬化させ、下部クラッ
ド層3を形成する(図1(b))。
I−N3205をスピン塗布して材料溶液膜を形成す
る。その後、乾燥器で100℃で30分、次いで、20
0℃で30分加熱することにより溶媒を蒸発させ、続け
て350℃で60分加熱することにより硬化を行い、光
導波路4となるポリイミド膜を形成する。このポリイミ
ド層の上にレジストをスピン塗布し、乾燥後、水銀ラン
プで露光、現像することにより、レジストパターン層を
形成する。このレジストパターン層は、前述のポリイミ
ド膜を光導波路4の形状に加工するためのマスクとして
用いられる。よって、このレジストパターン層をマスク
として、前述のポリイミド層を酸素でリアクティブイオ
ンエッチング(O2−R1E)することにより、光導波
路4を得ることができる(図1(c))。その後、レジ
ストパターン層を剥離する。
3を覆うように、OPI−N1005をスピン塗布す
る。得られた材料溶液膜を、乾燥器で100℃で30
分、次いで、200℃で30分加熱して材料溶液膜中の
溶媒を蒸発させ、350℃で60分加熱することにより
ポリイミド膜の上部クラッド層5を形成する(図2
(d))。
により保護層9を形成する。PIX−6400を硬化さ
せることにより得られるポリイミドは、耐食性に優れて
いるが、OPI−N1005から形成した上部クラッド
層5は、PIX−6400に対するぬれ性が良くない。
このため、上部クラッド層5の上にPIX−6400を
通常の方法でスピン塗布すると、部分的にPIX−64
00が上部クラッド層5にはじかれる。PIX−640
0が上部クラッド層5にはじかれた部分では、PIX−
6400の材料溶液膜が形成されないため、材料溶液膜
に穴があいた状態となり、穴から上部クラッド層5が露
出される。この穴は、PIX−6400を硬化しても残
るため、部分的に穴のあいた保護層9となってしまう。
そこで、本実施の形態では、上部クラッド層5の保護層
9の材料溶液に対するぬれ性を高めるため、上部クラッ
ド層5の上面を酸素プラズマによりアッシングするアッ
シャ処理を施し、上部クラッド層5の上面を荒らして薄
く削りとる。酸素プラズマは、本実施の形態では400
W、40Paの条件で発生させる。また、プラズマ発生
条件および処理時間を調節することにより、アッシャ処
理により上部クラッド層5が削られる厚さを制御する。
このようにアッシャ処理を行うことにより、PIX−6
400に対する上部クラッド層5のぬれ性を高めること
ができる。
理が施された上部クラッド層5の上に、2回にわけてP
IX−6400を塗布することにより、材料溶液膜を形
成する。その際、1回目の塗布は、PIX−6400に
含まれる溶媒であるN,N−ジメチルアセトアミドの蒸
気が充満した雰囲気中で行う。溶媒雰囲気中で塗布を行
うことにより、PIX−6400に対する上部クラッド
層5のぬれ性をさらに高めることができ、PIX−64
00は上部クラッド層5にほとんどはじかれない。よっ
て、1回目の塗布により形成される材料溶液膜は、全く
穴がないか、穴が生じていてもその径がごく小さくなっ
ている。このようにして形成した1層目の材料溶液膜を
200℃まで昇温させ、200℃で10分間加熱するこ
とにより溶媒を蒸発させる。なお、スピン塗布を溶媒雰
囲気中で行うのは、スピン塗布装置の内壁に前記溶媒を
塗布しておくことにより、容易に実現できる。このよう
に乾燥させた1層目の材料溶液膜の上に、もう一度PI
X−6400をコーターで塗布し、2層目の材料溶液膜
を塗布する。この2回目の塗布は、1層目が同じPIX
−6400の膜であるため、ぬれ性が非常に良く、一様
に材料溶液膜を形成できる。この2回目の材料溶液の塗
布は、ぬれ性が良いため、溶媒雰囲気中ではなく大気中
で行うことができる。2層目の材料溶液膜の塗布によ
り、1層目のPIX−6400膜に小さな穴があった場
合にも、その穴の部分を完全に覆うことができる。この
ようにして2層のPIX−6400の膜を形成すること
により、上部クラッド層5の上面は、少なくとも2層目
の材料溶液膜で完全に覆われている。
0の膜を、200℃まで昇温させ、200℃で30分加
熱して溶媒を蒸発させ、続けて350℃で30分加熱し
て硬化させる。これにより、厚さ5μmのポリイミド膜
の保護層9を得ることができる。
態の光導波路デバイス100は、上部クラッド層5の上
面が、耐食性の良い保護層9で完全に覆われているた
め、保護層9形成後の製造工程においてエッチング工程
等があっても、光導波路4や上部クラッド5が保護層9
によって保護される。よって、光学特性に優れた光導波
路デバイスを製造することができる。また、保護層9の
耐食性が優れているため、本実施の形態の光導波路デバ
イスは、製造後の経時劣化を生じにくく、長期間に渡っ
て安定な光学特性を提供できる。
ッシャ処理により削りとる上部クラッド層5の厚さは、
0.05μm以上0.4μm以下が望ましい。というの
は、削りとる厚さが0.05μmよりも薄いと、ぬれ性
の改善の効果が十分ではないため、PIX−6400を
1回目に塗布する際に必ず溶媒雰囲気中で塗布する必要
がある。溶媒雰囲気中で塗布しない場合、図3のように
1回目のPIX−6400の塗布により形成される材料
溶液膜9aに生じる穴を、2回目の塗布で形成される材
料溶液膜9bがふさぎ切れず、材料溶液膜9bの穴から
上部クラッド層5が露出されることがある。一方、上部
クラッド層5の削り量が0.1μm以上であれば、PI
X−6400を1回目に塗布する際に、溶媒雰囲気中で
塗布しなくても、少なくも2回目の塗布により形成され
る材料溶液膜により、上部クラッド層5の上面を覆うこ
とができる。よって、削り量を0.1μm以上にした場
合には、上述の2回の塗布工程をいずれも大気中で行う
ことができるため、さらに簡単な製造工程で上記光導波
路デバイスを製造することができる。ただし、アッシャ
処理により削られる上部クラッド層5の厚さが、0.4
μmを超えると、上部クラッド層5の表面に細かいクラ
ックが生じることがあるため、0.4μm以下に削り量
を抑えることが望ましい。
樹脂製の上部クラッド層5の上に、保護層9を形成する
際に、保護層9の材料溶液に対する上部クラッド層5の
ぬれ性が低い場合にも、アッシャ処理を行い、塗布時に
溶媒雰囲気にするという簡単な処理を行うことにより、
上部クラッド層5の上面を完全に覆う保護層9を形成す
ることができる。したがって、保護層9の材料として、
耐食性の高い樹脂を選択することができ、簡単な構成で
耐食性の優れた光導波路デバイスを製造することができ
る。
材料溶液膜を形成する際に、2回目の塗布を大気中で行
っているが、1回目の塗布と同じく溶媒雰囲気中で行う
ことももちろん可能である。
の際に、溶媒雰囲気中で塗布する代わりに、塗布の前に
溶媒を上部クラッド層5の上面に前記溶媒を塗布した
後、前記材料溶液を塗布する方法を用いることもでき
る。
ド層5にアッシャ処理を施し、表面を荒らしながら薄く
削りとることによりぬれ性を向上させているが、アッシ
ャ処理に限らず表面を荒らしながら薄く削り取ることが
できる他の方法で処理を行うことができる。例えば、逆
スパッタ法やドライエッチング法を用いることができ
る。
バイスは、下部クラッド層3から保護層9まで全ての層
をポリイミドで形成しているため、Tgが高く、耐熱性
にすぐれている。よって、本実施の形態の光導波路デバ
イスは、高温になっても伝搬特性を維持できる。また、
ポリイミドは、半田付け等の高温工程にも耐えることが
できるため、光導波路デバイスの上にさらに別の光導波
路デバイスや電気回路素子や受発光素子をはんだ付けす
ることも可能である。
樹脂製の光導波路デバイスの製造方法であって、簡単な
工程で耐食性の優れた保護層を形成することのできる光
導波路デバイスの製造方法を提供することができる。
光導波路デバイスを製造する工程を示す斜視図である。
光導波路デバイスを製造する工程を示す斜視図である。
護層に生じる穴を示す上面図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 下部クラッド層が形成された基板上に、
光導波路と、上部クラッド層とを樹脂により形成する第
1の工程と、 前記上部クラッド層の表面部を削り取る第2の工程と、 前記第2の工程が施された上部クラッド層の上に、樹脂
の材料溶液を少なくとも1回塗布し、これを加熱して硬
化させることにより、前記樹脂からなる保護層を形成す
る第3の工程とを有することを特徴とする光導波路デバ
イスの製造方法。 - 【請求項2】 請求項1に記載の光導波路デバイスの製
造方法において、前記第3の工程では、前記材料溶液を
2回重ねて塗布することを特徴とする光導波路デバイス
の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載の光導波路デバ
イスの製造方法において、前記第2の工程では、前記表
面部を削り取るために、前記上部クラッド層にアッシン
グを行うことを特徴とする光導波路デバイスの製造方
法。 - 【請求項4】 請求項2に記載の光導波路デバイスの製
造方法において、前記第3の工程で前記材料溶液を2回
重ねて塗布する際に、少なくとも1回目の塗布を、前記
材料溶液に含まれる溶媒の蒸気の雰囲気中で行うことを
特徴とする光導波路デバイスの製造方法。 - 【請求項5】 請求項1、2または3に記載の光導波路
デバイスの製造方法において、前記第2の工程は、0.
05μm以上0.4μm以下の厚さで前記上部クラッド
層の表面を削り取ることを特徴とする光導波路デバイス
の製造方法。 - 【請求項6】 請求項2または4に記載の光導波路の製
造方法において、前記第3の工程で前記材料溶液を2回
重ねて塗布する際に、1回目の塗布により形成された前
記材料溶液の膜を一旦乾燥させてから2回目の塗布を行
うことを特徴とする光導波路デバイスの製造方法。 - 【請求項7】 下部クラッド層が形成された基板上に、
光導波路と、上部クラッド層とを樹脂により形成する第
1の工程と、 前記上部クラッド層の上に、樹脂の材料溶液を2回重ね
て塗布し、これを加熱して硬化させることにより、前記
樹脂からなる保護層を形成する第2の工程とを有し、 前記第2の工程で前記材料溶液を2回重ねて塗布する際
に、少なくとも1回目の塗布を、前記材料溶液に含まれ
る溶媒の蒸気の雰囲気中で行うことを特徴とする光導波
路デバイスの製造方法。
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JP2000208581A JP4895320B2 (ja) | 2000-07-10 | 2000-07-10 | 光導波路デバイスの製造方法 |
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