JP4310795B2 - 平坦化層を備えた樹脂製光導波路、その製造方法および光部品 - Google Patents

平坦化層を備えた樹脂製光導波路、その製造方法および光部品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光導波路に関し、特に、クラッドおよびコアが樹脂製の光導波路に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年のパソコンやインターネットの普及に伴い、情報伝送需要が急激に増大している。このため、伝送速度の速い光伝送を、パソコン等の末端の情報処理装置まで普及させることが望まれている。これを実現するには、光インターコネクション用に、高性能な光導波路を、安価かつ大量に製造することが必要がある。
【0003】
光導波路の材料としては、ガラスや半導体材料等の無機材料と、ポリマ材料が知られている。無機材料により光導波路を製造する場合には、真空蒸着装置やスパッタ装置等の成膜装置により無機材料膜を成膜し、これを所望の導波路形状にエッチングすることにより製造する方法が用いられる。しかしながら、真空蒸着装置やスパッタ装置は、真空排気設備が必要であるため、装置が大型で高価である。また、真空排気工程が必要であるため工程が複雑になる。
【0004】
これに対し、ポリマ材料によって光導波路を製造する場合には、成膜工程を、塗布と加熱により大気圧で行うことができるため、装置および工程が簡単であるという利点がある。例えば、特開平9−40774号公報には、ポリイミドにより光導波路を製造する方法が開示されている。
【0005】
上記公報に記載されている光導波路の製造方法は、まず、シリコン等の基板の上に、ポリアミド酸溶液をスピン塗布し、これを加熱して乾燥・硬化させることにより、ポリイミド膜を得て、これを下部クラッド層とする。つぎに、同様の手順で、下部クラッドよりも屈折率の高いポリイミド膜を形成し、これをコア層とする。このコア層の上に、レジストにより所定のマスクを形成して、リアクティブイオンエッチング(RIE)等により、所望のコアの形状に加工する。つぎに、このコアの上にさらに、ポリアミド酸溶液をスピン塗布し、これを加熱乾燥させた後、さらに加熱して硬化させることにより、コアよりも屈折率の低いポリイミド膜を得て、これを上部クラッド層とする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したポリイミド製の光導波路の製造方法のように、光導波路をポリマ材料で形成する場合には、材料溶液のスピン塗布、乾燥、加熱硬化という手順となる。この乾燥工程ではスピン塗布された材料溶液の溶媒が蒸発するため、材料溶液の塗布膜は、厚さ方向にほぼ一定の割合で縮小する。縮小の割合は、材料溶液中の溶媒の濃度にほぼ等しい。このため、上部クラッド層は、材料溶液膜のスピン塗布時には膜の上面が平坦になっていても、パターニングされたコア層の上に形成されているため、乾燥後には下のコア層の形状に沿って凸形状の上面となる。通常の光導波路に使用されるポリマ材料では、硬化時にも乾燥時の凸形状がほぼ維持され、上部クラッド層の上面はコアの形状に凸形状になる。このように上部クラッド層の上面に凸形状があると、上部クラッド層の上に電気回路の配線パターン等を形成する場合に、一様に成膜ができないため、配線に断線が生じる恐れがある。また、上部クラッド層の上にさらに光導波路を積層する場合にも、上側の光導波路の形状が凸形状になるという問題がある。
【0007】
また、上部クラッド層の厚さを非常に厚くすることができれば、上部クラッド層の上面に生じる凸形状の段差を小さくすることができるが、スピン塗布で形成できる膜の厚さには限界があり、しかも乾燥により必ず厚さが縮小するため、ある程度以上厚くすることはできない。また、スピン塗布、乾燥、硬化の工程を繰り返して、上部クラッド層を多層構造にすることにより、厚くすることは可能であるが、工程を繰り返す分だけ工程が複雑になり、製造効率が悪くなる。また、非常に厚くしても、乾燥時に縮小が生じることは同じであるため、凸形状を完全になくして平坦にすることはできない。
【0008】
また、上部クラッド層の上面に研磨加工を施すことにより、上面を平坦にすることも考えられるが、厚さがそれほど厚くない(10〜20μm程度)上部クラッド層の凸部を研磨するには、研磨量の制御が困難である。また、別途、研磨工程が必要になるため、工程が複雑になるという問題もある。
【0009】
本発明は、樹脂製の光導波路でありながら、上部クラッドの上面を容易に平坦にすることのできる光導波路の構造を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明によれば、以下のような光導波路が提供される。すなわち、
基板と、前記基板上に配置された下部クラッド層と、前記下部クラッド層上の一部に配置されたコア層と、前記コア層を覆う上部クラッド層と、上部クラッド層の上面を覆う平坦化層とを有し、
前記上部クラッド層および平坦化層は、樹脂からなり、前記平坦化層を構成する樹脂は、前記上部クラッド層を構成する樹脂よりもガラス転移温度が低いことを特徴とする光導波路である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態の光導波路について、図面を用いて説明する。
【0012】
本実施の形態の光導波路は、図4(o)のように、シリコンウエハ基板14の上に、下部クラッド層15を備え、下部クラッド層15の上にパターニングされたコア層16が配置されている。コア層16は、上部クラッド層20により覆われており、上部クラッド層20の上面の凸形状を埋めるように平坦化層24が配置されている。平坦化層24の上面は凸形状のほとんどないほぼ平面になっている。
【0013】
下部クラッド層15および上部クラッド層20は、いずれも、日立化成工業株式会社製OPI−N1005(商品名)を用いて形成したポリイミド膜であり、屈折率1.52〜1.53である。下部クラッド層15の膜厚は、約7μm、上部クラッド層20の膜厚は、約15μmである。コア層16は、日立化成工業株式会社製OPI−N3205(商品名)を用いて形成したポリイミド膜であり、膜厚は約8μmである。コア層16は、幅も約8μmにパターニングされている。コア層16の屈折率は、下部および上部クラッド層15、20よりも約0.5%大きい。
【0014】
平坦化層24は、日立化成デュポンマイクロシステムズ株式会社製PIX−6400(商品名)を用いて形成したポリイミド膜であり、膜厚は、コア層16から離れた端部の部分で約7μmである。
【0015】
つぎに、図4(o)の光導波路の製造方法について説明する。
【0016】
まず、図1(a)のシリコンウエハ基板14の上面に、下部クラッド層15との接着性を高めるための極薄い接着層(不図示)を形成する。その上に、上述のOPI−N1005(樹脂分濃度15重量%)をスピン塗布して材料溶液膜を形成する。その後、乾燥器で100℃で30分、次いで、200℃で30分加熱することにより溶媒を蒸発させ、続けて370℃で60分加熱することにより硬化を行い、膜厚約7μmのポリイミド膜を形成した。これにより、下部クラッド層15を形成した。
【0017】
この下部クラッド層15の上に、上述のOPI−N3205(樹脂分濃度15重量%)をスピン塗布して材料溶液膜を形成する。その後、乾燥器で100℃で30分、次いで、200℃で30分加熱することにより溶媒を蒸発させ、続けて350℃で60分加熱することにより硬化を行い、膜厚約8μmのポリイミド膜を形成し、コア層16を形成した(図1(b))。
【0018】
次に、コア層16の上にレジストとして、RU−1600P(日立化成工業株式会社製)をスピン塗布し、100℃で乾燥後、水銀ランプで露光、現像することにより、レジストパターン層17を形成した(図1(c))。このレジストパターン層17を、マスクとして、酸素でリアクティブイオンエッチング(O−RlE)を行い、コア層16を所望の光導波路の形状にパターニングした。(図1(d))。その後、レジストを剥離した(図1(e))。
【0019】
さらに、この上に、上述のOPI−N1005(樹脂分濃度25重量%)をスピン塗布して材料溶液膜18を形成した(図2(f))。この材料溶液膜18の上面は、図2(f)のように平坦であったが、乾燥器で100℃で30分、次いで、200℃で30分加熱して溶媒を蒸発させ、前駆体膜19にしたところ、膜厚がほぼ一定の縮小率で縮小したために、前駆体膜19の上面は、コア層16の形状に沿った凸形状になった(図2(g))。この乾燥工程に続けて、350℃で60分加熱することにより前駆体膜19中のポリアミド酸をイミド化させることにより、硬化させ、厚さ15μmのポリイミド膜の上部クラッド層20を形成した(図2(h))。上部クラッド層20は、前駆体膜19の形状をほぼ維持しており、上面がコア層16の形状に沿った凸形状であった。
【0020】
上部クラッド層20の上面が凸形状のままでは、この後の工程で上部クラッド20および下部クラッド層15をエッチングする際に支障が生じるため、本実施の形態では、上部クラッド層20の上面に、平坦化層24を形成する。
【0021】
まず、上部クラッド層20の上に、上述のPIX−6400(樹脂分濃度35.5重量%)をスピン塗布して材料溶液膜21を形成した(図2(i))。材料溶液膜21の上面は、スピン塗布のため、図2(i)のように平坦であった。その後、乾燥器で100℃で30分、次いで、200℃で30分加熱し、溶媒を蒸発させ前駆体膜23を得たところ、前駆体膜23の形状は、上部クラッド層20の上面形状に沿った凸形状になった(図3(j))。しかしながら、この乾燥工程に続けて、350℃で60分加熱して、前駆体膜23中のポリアミド酸をイミド化して硬化させたところ、図3(k)のように上面がほぼ平坦な、厚さ7μmのポリイミド膜の平坦化層24が得られた。この平坦化層24の表面段差を接触段差計で測定したところ1μm以下であった。
【0022】
このように上面が平坦な平坦化層24が得られたのは、次のような理由による。上部クラッド層20も平坦化層24も、ポリイミドであるが両者は構造式が異なる。このため、OPI−N1005から形成した上部クラッド層20のポリイミドは、ガラス転移温度(Tg)が325℃であるのに対し、PIX−6400から形成した平坦化層24は、ガラス転移温度(Tg)が270℃と、上部クラッド層20よりも低い。本実施の形態の製造工程では、上部クラッド層20の前駆体膜19を硬化させてポリイミド膜にする際も、平坦化層24の前駆体膜23を硬化させてポリイミド膜にする際も、加熱温度は同じ350℃にしている。よって、上部クラッド層20は、ポリイミド膜がガラス転移温度(Tg)+25℃で加熱されるのに対し、平坦化層24は、ポリイミド膜がガラス転移温度(Tg)+80℃にも加熱される。一般的に、ポリイミド等の樹脂は、ガラス転移温度(Tg)以上の温度で流動性をもち、ガラス転移温度との温度差が大きくなるほど流動性が高くなる。そのため、同じ350℃に加熱された場合、上部クラッド層20よりも、平坦化層24の方が流動性が高く流れやすくなるために、盛り上がった部分からより低い部分に流れ、上面が平坦になる。
【0023】
また、平坦化層24の流動性が大きい理由は、ガラス転移温度(Tg)と加熱温度との温度差のみではなく、PIX−6400から形成したポリイミドと、OPI−N1005から形成したポリイミドとの化学構成の違いも影響していると考えられる。
【0024】
また、平坦化層24は、材料溶液であるPIX−6400の樹脂分濃度が35.5%であり、上部クラッド層20の材料溶液のOPI−N1005(樹脂分濃度25重量%)よりも濃度が高い。このため、平坦化層24の材料溶液膜21が乾燥により前駆体膜23に変化する際の縮小の度合いは、上部クラッド層20の材料溶液膜18が前駆体膜19に変化の際の縮小の度合いほど大きくない。したがって、前駆体膜23が形成された時点で、その段差は、上部クラッド層20の上面の段差よりも小さくなっている。このように、材料溶液の濃度が上部クラッド層20よりも大きい材料を平坦化層24に用いていることも、効果的に上部クラッド層20の段差を低減できる要因になっていると思われる。
【0025】
このように、本実施の形態の光導波路は、平坦化層24を備え、上面を平坦にしているため、以下のように下部および上部クラッド層15、20をパターンニングする際も上部クラッド層20の影響を受けない。
【0026】
このパターニング工程を説明する。まず、平坦化層24の上に、スピンオングラス(SOG)工程により酸化珪素膜25を形成する(図3(l))。次に、レジスト膜として、日立化成工業株式会社製RU−1600Pをスピン塗布し、100℃で乾燥後、水銀ランプで露光、現像を行い、レジストパターン層26を形成した(図4(m))。このレジストパターン層26をマスクとして、フッ素ガスでリアクティブイオンエッチング(F−RIE)を行い、酸化珪素膜25をパターニングした(図4(n))。さらに、この酸化珪素膜25をマスクとして酸素でリアクティブイオンエッチング(O−RlE)を行い、平坦化層24、下部および上部クラッド層20、15を所望の形状に加工した。その後、酸化珪素膜25を除去した(図4(o))。これにより、本実施の形態の上面が平坦な光導波路(図4(o))が得られた。
【0027】
このように、本実施の形態では、上部クラッド層20の上に、平坦化層24を上面に配置することにより、上面が平坦な光導波路を得ることができる。よって、この光導波路の上にさらに光導波路を形成したり、配線パターンを形成する場合にも、上の光導波路を良好に成膜でき、また、配線パターンに断線等を生じさせる恐れがない。なお、上述の実施の形態では、上部クラッド層20および下部クラッド層15を図3(l)〜図4(o)の工程によりパターニングする場合について説明したが、上部クラッド層20および下部クラッド層15をパターニングせず、図7(a)のようにコア層16を埋め込んだ上面が平坦な平板として使用することも可能である。
【0028】
本実施の形態の図4(o)の光導波路や図7(a)の光導波路は、光モジュールと光ファイバとの間を接続する光インターコネクション用光部品として用いることが可能である。また、本実施の形態の光導波路のコア層16のパターン形状を所定の形状にすることにより、光路変換素子、光路分岐素子、方向性結合器等の光部品を構成することができる。
【0029】
また、本実施の形態の光導波路の製造方法では、下部クラッド層15、コア層16、上部クラッド層20および平坦化層24の全ての層を、スピン塗布と乾燥・硬化という簡単な工程で大気圧で成膜できるため、安価に大量に光導波路を製造する方法として適している。また、この光導波路の構成では、平坦化層24は、コア層24の光の伝搬には、ほとんど影響を与えないため、屈折率等を考慮することなく、材料を選択することができる。
【0030】
また、本実施の形態の光導波路は、平坦化のための平坦化層24を上部クラッド層20とは別に配置する構成にしたことにより、薄い平坦化層24を配置するだけで上面を平坦にすることが可能になった。よって、上部クラッド層20の上面の凸形状の段差を小さくするために、上部クラッド層20の厚さを厚くする場合よりも、薄い上部クラッド層20および薄い平坦化層24で平坦化を達成できる。これにより、上部クラッド層20および平坦化層24の形成が容易になるとともに、厚さをかせぐために上部クラッド層20を多層構造等にする必要もないため、単純な工程で平坦化という目的を効果的に達成することができる。
【0031】
また、光導波路の上部クラッド層20の材料としては、低屈折率化および低伝搬損失化のために、上述のOPI−N1005のようにフッ素を含むポリイミドを用いることが多い。しかしながら、フッ素を含むポリイミドは、耐溶剤性があまり高くなく、他のものとの接着性が低いという性質がある。このため、上部クラッド層20がそのまま外部に曝されると耐食性が悪くなったり、上部クラッド層20の上に何か光部品等を接着しようとしても、接着しにくいという問題が生じやすい。本実施の形態では、平坦化層24により図7(a)のように上部クラッド層20を被覆することができるため、平坦化層24としてフッ素含有量が低い材料もしくはフッ素を含有しない材料を用いることにより、光導波路の耐食性、接着性を向上させることができるという効果も得られる。なお、上部クラッド層20と平坦化層24とは、同じポリイミド同士であるため、接着性は良好である。
【0032】
また、図7(a)のように上部および下部クラッド層20、15をエッチングせずに平板型の光導波路として用いる場合、コア層16の幅は数μmと非常に細いため、どこにコア層16があるのかを上面もしくは端面から目視または顕微鏡で確認するのは容易ではない。しかしながら、本実施の形態の光導波路では、図7(b)のように上面からコアの位置を確認することができる。これは、平坦化層24が上部クラッド層20の上面の凸形状を埋め込む形状であるため、平坦化層24の厚さが、コア層16の上部部分71で薄くなっていることと、平坦化層24を構成する樹脂が、上部および下部クラッド層20、15を構成する樹脂よりも可視光透過率の小さい有色材料であることによる。このため、上部および下部クラッド層20、15に照明光を照射すると、平坦化層24の薄い部分71から照明光がより多く上面に透過して、薄い部分71が明るい線として観察できる。しかも、この薄い部分71の幅は、コア層16の幅よりも広いので、コア層16の幅が狭い場合であっても、コア層16の形状を容易に確認することができる。
【0033】
また、端面から光導波路を観察した場合は、有色の平坦化層24と上部クラッド層20の境界は、はっきり見えるため、この境界が凸形状に盛り上がっている部分71をすぐに見つけることができる。よって、この凸形状の部分71付近にコア層16があると検討をつけて顕微鏡等で観察することができるため、コア層16の境界が確認しやすくなる。
【0034】
このように、コア層16の位置を目視または顕微鏡で上面または端面から確認することができると、光導波路のユーザが光ファイバと光導波路とを結合させる時等に、位置あわせの目印となるため非常に有効である。
【0035】
また、上述の実施の形態では、上面が平坦な平坦化層24によりクラッド層20の上面が覆われているため、コア層16の幅を上面から顕微鏡観察等により精度良く検出することが可能である。なぜならば、平坦化層24がない場合には、上面が凸形状のクラッド層20と空気との界面により、照明光が屈折するため、クラッド層20の上面がレンズのようになり、光導波路16の幅を正確に測定することができなかった。しかしながら、平坦化層24を配置したことにより、空気との界面が平坦になり、照明光が屈折しない。また、上部クラッド層20と平坦化層24との屈折率の差は、上部クラッド層20と空気との屈折率差よりも大幅に小さいため、ほとんど影響がない。このため、コア層16の幅を上面から顕微鏡で検出でき、出荷時に光導波路のコア層16が許容範囲に収まっているかどうか等を容易に検出することができる。ただし、顕微鏡観察の照明光としては、平坦化層24および上部クラッド層20に吸収されにくい波長の光を用いる必要がある。平坦化層24および上部クラッド層20の材料として可視光透過性の高い材料を用いた場合には、可視光で観察可能である。また、上部クラッド層20と平坦化層24とが同じ屈折率である場合には、より正確にコア層16の幅を検出することができる。
【0036】
また、図6のように、製造条件によっては、平坦化層24の上面が完全に平坦にならない場合もあるが、図6の形状の平坦化層24は、平坦化層24の屈折率を上部クラッド層20よりも高くすることにより、コア層16の上部61に凹レンズの作用を持たせることができる。このように凹レンズの作用を持たせることにより、平坦化層24の上部からコア16を観察した場合に、平坦化層24の上面の緩い凸部での光の屈折を、凹レンズの作用で打ち消すことができるため、平坦化層24の上面が完全に平坦でなくても、コア層16の幅を正確に顕微鏡観察等で上面から検出できる。
【0037】
なお、平坦化層24を用いずに、上部クラッド層20を形成する際のポリイミド膜の硬化温度を、ガラス転移温度(Tg)よりも高くすることにより上部クラッド層20の流動性を高め、上部クラッド層20の上面そのものを平坦にすることも考えられる。しかしながら、上部クラッド層20を構成する材料のTgが高い(例えば上述の325℃)場合には、流動性を十分得るために400℃程度の高温まで加熱する必要があり、ポリイミドが分解する可能性がある。また、光導波路としての耐温度性を考慮すると、クラッド層の材料としてはガラス転移温度(Tg)が高い材料の方が好ましいため、上部クラッド層20の材料として、Tgが低い材料を選択するのは難しい。また、屈折率等の光学的な性質がコア層16との関係で光導波路を構成できる材料を選択する必要があるため、材料選択にあたって、ガラス転移温度(Tg)が低めの材料を選択することは容易ではない。そのため、上部クラッド層20とは別に平坦化層24を設ける本実施の形態の構成は、光導波路の耐熱性を劣化させないという点からも、また、材料選択の容易性からも効果が大きい。
【0038】
また、比較例として、上述の製造方法と同様に図2(h)の上部クラッド層20まで形成し、上部の平坦化層24を形成せずに、上述の実施の形態と同様にSOGにより酸化珪素膜25を形成し(図5(l’))、レジストパターン26を形成し(図5(m’))、酸化珪素膜25をパターニングし(図5(n’))、RlEによるエッチングを行ったところ、図5(o’)のようにコア層16までエッチングされてしまい、コア層16が消失した。これは、SOGにより酸化珪素膜25を形成する方法が酸化珪素膜25を厚く形成できないため、上部クラッド層20の凸部を覆いきれず、凸部の上部クラッドが露出したためである。
【0039】
これに対し、本実施の形態の光導波路では、上述のように平坦化層24が配置されているため、マスクとして用いることのできる酸化珪素膜25をSOGにより形成することができる。したがって、酸化珪素膜25を形成するために、蒸着法やスパッタ法を用いる必要がなく、SOGにより簡単に酸化珪素膜25を形成できるという利点もある。
【0040】
なお、上述の実施の形態では、図4(o)の工程で酸化珪素膜25を除去しているが、酸化珪素膜25は光の伝搬に影響を与えないため、そのまま残しておくことも可能である。
【0041】
また、上述の実施の形態では、上部クラッド層20を硬化させるための加熱温度と、平坦化層24を硬化させるための加熱温度とを同じ温度にしているが、必ず同じ温度にしなければならないわけではない。加熱時の樹脂の流動性を考慮して、加熱温度を定めることができる。
【0042】
また、上述の実施の形態では、上述したように構造の異なるポリイミド膜により、コア層16、上部および下部クラッド層15、20、平坦化層24を形成したが、本実施の形態の光導波路に用いることのできる材料は、上記した材料に限定されるものではない。平坦化層24の加熱硬化時の流動性が、上部クラッド層20の加熱硬化時の流動性よりも高い材料であればよい。例えば、上部クラッド20をポリイミドにより形成し、平坦化層24をポリイミドよりもTgの低い樹脂(例えば、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネイト、ポリスチレン、スチレン共重合体、スチレン・アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル、エポキシ樹脂、ポリオレフィン、ポリエーテル、ポリエステル、ポリウレタン、シリコーン樹脂、ポリアミド、脂環式アクリル樹脂を含むアクリル樹脂、脂環式オレフィン樹脂を含むオレフィン樹脂)等により形成することができる。また、上部クラッド20をポリカーボネイトやエポキシ樹脂により形成し、平坦化層24をそれらよりもTgの低い樹脂(例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、スチレン共重合体、スチレン・アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル)等により形成することもできる。
【0043】
【発明の効果】
上述してきたように、本発明によれば、樹脂製の光導波路でありながら、上部クラッドの上面を容易に平坦にすることのできる光導波路の構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(e)本発明の一実施の形態の光導波路を製造する工程を示す断面図。
【図2】(f)〜(i)本発明の一実施の形態の光導波路を製造する工程を示す断面図。
【図3】(j)〜(l)本発明の一実施の形態の光導波路を製造する工程を示す断面図。
【図4】(m)〜(n)本発明の一実施の形態の光導波路を製造する工程を示す断面図、(o)本発明の一実施の形態の光導波路の断面図。
【図5】(l’)〜(o’)比較例の光導波路の製造工程を示す断面図。
【図6】本発明の一実施の形態の光導波路において、平坦化層24の上面が完全に平坦でない場合の凹レンズ作用部分61を示す説明図。
【図7】本発明の一実施の形態の、上部および下部クラッド20、15を加工しない光導波路の形状を示す(a)断面図、(b)上面図。
【符号の説明】
14・・・シリコンウエハ基板、15・・・下部クラッド層、16・・・コア層、17・・・レジストパターン層、18・・・材料溶液膜、19・・・前駆体膜、20・・・上部クラッド層、21・・・材料溶液膜、23・・・前駆体膜、24・・・平坦化層、25・・・酸化珪素膜、26・・・レジストパターン層。

Claims (8)

  1. 基板と、前記基板上に配置された下部クラッド層と、前記下部クラッド層上の一部に配置されたコア層と、前記コア層の形状に沿って前記コア層および前記下部クラッド層を覆う上部クラッド層とを有し、前記上部クラッド層の上面には、前記上部クラッド層の上面の前記コアに沿った凸形状を埋め込んで平坦にする平坦化層が配置されており、前記上部クラッド層および平坦化層は、樹脂からなり、前記平坦化層を構成する樹脂は、前記上部クラッド層を構成する樹脂よりもガラス転移温度が低く、かつ前記平坦化層の加熱硬化時の温度における前記平坦化層を構成する樹脂の流動性が、前記平坦化層の加熱硬化時の温度における前記上部クラッド層を構成する樹脂の流動性よりも高いことを特徴とする光導波路。
  2. 前記上部クラッド層および平坦化層、組成の異なるポリイミドからなることを特徴とする請求項1に記載の光導波路。
  3. 前記上部クラッド層がフッ素を含むポリイミドからなり、前記平坦化層が、フッ素を含まないポリイミドからなることを特徴とする請求項2に記載の光導波路。
  4. 前記平坦化層を構成する樹脂が、上部及び下部クラッド層を構成する樹脂よりも可視光透過率の小さい有色材料であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光導波路。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の光導波路を用いた光部品。
  6. (i)基板上に下部クラッド層を形成し、前記下部クラッド層上の一部にコア層を形成する第1の工程と、(ii)前記コア層の上に、第1の樹脂材料溶液を塗布し、乾燥させた後、予め定めた第1の温度まで加熱して硬化させることにより樹脂製の上部クラッド層を形成する第2の工程と、(iii)前記上部クラッド層の上に、第2の樹脂材料溶液を塗布し、乾燥させた後、予め定めた第2の温度まで加熱して硬化させることにより、樹脂製の平坦化層を形成する第3の工程とを有し、
    前記平坦化層が上部クラッド層の上面の前記コアに沿った凸形状を埋め込んで平坦にする層であり、
    前記第3の工程の前記第2の温度と前記第2の樹脂のガラス転移温度との差は、前記第2の工程の前記第1の温度と前記第1の樹脂のガラス転移温度との差よりも大きくなるように、前記第1および第2の温度が定められており、
    前記第2の樹脂として、前記第1の樹脂よりもガラス転移温度が低い樹脂であり、かつ前記第2の温度における流動性が、前記第1の樹脂の前記第2の温度における流動性よりも高い樹脂を用いることを特徴とする光導波路の製造方法。
  7. 第2の樹脂材料溶液中の固形分濃度第1の樹脂材料溶液中の固形分濃度よりも大きいことを特徴とする、請求項6記載の光導波路の製造方法。
  8. 第2の工程における第1の温度と第3の工程における第2の温度が同じ温度である、請求項6または7に記載の光導波路の製造方法。
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