JP2000095862A - フッ素化による光学用高分子材料の屈折率制御方法およびその成形品の表面親水化方法 - Google Patents
フッ素化による光学用高分子材料の屈折率制御方法およびその成形品の表面親水化方法Info
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Abstract
し、その屈折率を低減すること。 【解決手段】 光学用高分子材料の屈折率を、有機高分
子をフッ素ガス雰囲気に浸漬することにより制御する。
Description
子材料の屈折率制御方法およびその成形品の表面親水化
方法に関する。
折率の制御性が最も重要な特性として求められている。
特に透明性に優れた高分子としてはポリメタクリル酸メ
チル(PMMA)、ポリカーボネート、ポリスチレン、
エポキシ樹脂、ポリエチレンテレフタレート等が挙げら
れる。これらの高分子は低コスト、柔軟性、軽量といっ
た高分子特有の優れた特徴を有しているため、レンズ、
光学フィルタ、窓等の種々の光学製品に用いられてい
る。また、光通信の分野において、これらの高分子材料
は光ファイバ、光導波路、光フィルタを初めとした種々
の光学部品用材料として用いることが検討されている。
材料には光の導波特性を制御するために精密な屈折率制
御性が要求される。光導波路において光をコアに閉じ込
めるためにはクラッドの屈折率をコアの屈折率より小さ
くする必要がある。そのため、クラッド材料は低屈折率
であることが必要である。
I)型光導波路においては光の導波モードを一定に保つ
ために、コアとクラッドの屈折率差を精密に制御する必
要がある。したがって、光導波路のコア材料とクラッド
材料には精密な屈折率制御性が要求される。
さい曲がり光導波路が必要であり、このためには低屈折
率のクラッド材料が必要である。また光カプラ、スプリ
ッタ、光合分波器等の光学部品は種々の曲率の曲がり導
波路で構成されるので、このような光学部品の材料には
幅広い範囲での屈折率制御性が要求される。また石英系
光ファイバに接続する光学部品用材料は、接続界面での
光の反射を少なくするために石英の屈折率(1.46)
に近いことが必要だが、一般に光学用高分子材料の屈折
率は石英の屈折率より大きいので、これら高分子材料の
屈折率を低減する必要がある。
は分子構造中にフッ素を導入する方法が一般に用いられ
ている。例えばエポキシ樹脂の屈折率低減は、特開昭6
1−44969号公報に開示されているように、エポキ
シ樹脂の硬化剤に多フッ素置換基を導入することによ
り、これまでのエポキシ樹脂の中で最も低い屈折率を達
成した。また、特許第2640553号公報に開示され
ているように、耐熱性に優れた光学用高分子材料である
含フッ素ポリイミドの屈折率制御は、フッ素含有率の高
いポリイミドとフッ素含有率の低いポリイミドを共重合
することでその屈折率を制御することが可能である。
て、その材料の屈折率を低減すること、および屈折率を
精密に制御することは極めて重要であり、その具体的な
方法としては高分子材料の分子中にフッ素を導入するこ
とが効果的である。しかし従来の方法では、フッ素試薬
を用いて高分子の分子中にフッ素を導入した原料を合成
し、これを用いて高分子材料を製造しなければならない
ため、原料の価格が高く、また、材料の製造工程が複雑
になるという問題があった。
屈折率制御のため光学用高分子材料に簡便にフッ素を導
入することができる方法が見出されていなかったことに
着目し、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発
明は上記問題点を解決すべくなされたものであり、本発
明の目的は光学用高分子材料に簡便な方法でフッ素の導
入を行い、光学材料の屈折率を低減し、また屈折率を精
密に制御することにある。
形品の表面は撥水撥油傾向があり、いわゆる「ぬれ」が
悪く、金属表面あるいは金属酸化物表面等との密着性ま
たは他の有機光学材料との密着性に問題があった。密着
性を改良するためフッ素化ポリイミドの表面に、オゾン
処理、プラズマ処理、エキシマレーザー処理等を施すこ
とが行われてきた。また、エキシマレーザー照射下でフ
ッ素化ポリイミドを水と反応させて親水化させることも
知られている(第56回秋季応用物理学会学術講演会、
講演予講集28a−ZT−6,1995年)。しかし、
かかる方法ではフッ素化ポリイミド中の炭素−フッ素結
合(C−F結合)の解離を生じるので、フッ素化ポリイ
ミドの電気的長所または屈折率制御等の光学的長所が失
われてしまう恐れがある。また従来の方法では、設備ま
たはコスト上の問題があり、かつ、処理面積の大きさに
限度がある等の問題もあった。
リイミドの成形品の表面に簡便な方法でフッ素の導入を
行うことにより、フッ素化ポリイミド中の炭素−フッ素
結合を解離することなく、親水性をフッ素化ポリイミド
の成型品の表面に付与し、接着性を与えることにある。
材料の屈折率制御方法の発明は、有機高分子をフッ素ガ
ス雰囲気中に浸漬することにより、有機高分子の屈折率
を制御することを特徴とする。
方法の発明は、高分子材料としてポリイミドを用い、こ
れをフッ素ガス雰囲気中に浸漬することによりポリイミ
ドの屈折率を制御することを特徴とする。
方法の発明は、高分子材料としてフッ素化ポリイミドを
用い、これをフッ素ガス雰囲気中に浸漬することによ
り、フッ素化ポリイミドの屈折率を制御することを特徴
とする。
方法の発明は、高分子材料として下記構造式:
ポリイミドをフッ素ガス雰囲気中に浸漬することによ
り、フッ素化ポリイミドの屈折率を制御することを特徴
とする。
面親水化方法の発明は、フッ素化ポリイミドからなる成
形品をフッ素濃度が0.01%から20%のフッ素ガス
雰囲気中で1分〜30分処理することにより、該フッ素
化ポリイミドからなる成形品の表面の水接触角を70度
以下にすることを特徴とする。
造式:
ポリイミドであることができる。
材料をフッ素ガス雰囲気中に浸漬することにより、高分
子材料の屈折率を制御することができる。フッ素ガス雰
囲気中のフッ素ガス濃度、フッ素ガス雰囲気中に浸漬す
る温度や時間を適宜選択することにより、高分子材料の
屈折率を所望の値に精密に制御することができる。
スを含む気体を意味し、例えば、フッ素ガスと窒素ガス
との混合ガス等が挙げられる。フッ素ガス雰囲気中のフ
ッ素ガスの濃度は、所望の屈折率の材料を得るのに必要
な濃度を適宜選択する。
性に優れたポリイミド、ポリメタクリル酸メチル(PM
MA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ
エーテルサルフォン等の種々の高分子材料を挙げること
ができるが、耐熱性、化学的安定性等の観点からポリイ
ミド、さらに高光透過性も考慮するとフッ素化ポリイミ
ドが好ましい。
希釈した種々の濃度のフッ素ガス中に、所定温度、所定
時間浸漬することにより、高分子材料の表面から内部に
向かって徐々に分子内でのフッ素の導入が起こり、材料
のフッ素含有率が増加してゆくことになる。材料表面か
らのフッ素の浸透深さ、フッ素処理後の材料中のフッ素
含有率は、フッ素処理中のフッ素ガスの濃度、フッ素処
理温度、フッ素処理時間に依存して変化する。これらの
条件については特に制限はないが、フッ素濃度が高い場
合、処理時間が長い場合、処理温度が高い場合に、フッ
素の浸透深さが深くなり、またフッ素処理後の高分子材
料のフッ素含有率が高くなる。フッ素含有率の増加に伴
ってフッ素化された部分の屈折率が低減するので、フッ
素濃度、処理温度、処理時間を適宜選択すれば、所望の
屈折率の材料を得ることができる。ただし、極端にフッ
素濃度を高くしたり、極端な高温長時間でのフッ素処理
を行うと分子が劣化するため、通常のフッ素処理条件と
してはフッ素濃度が0.1〜30%、処理温度が20〜
150℃、処理時間が5〜250分が好適である。
成形品の表面に親水性を付与するためフッ素化処理を行
う。かかるフッ素化処理は、室温下、フッ素濃度0.0
1%〜20%のフッ素ガス雰囲気中で1分〜30分間行
うことが好ましい。この処理を施すことにより、フッ素
化ポリイミドの成形品表面の水接触角を70度以下30
度以上にすることができる。ここで、水接触角とは、フ
ッ素化ポリイミドの成形品の表面に水を滴下したときの
水滴の接触角をいう。また、本発明において成形品と
は、射出成形等による成形品のみならず、例えばフィル
ム、板、ファイバー等、実用に供されている形を成すす
べての物品をいう。具体的には、フッ素化ポリイミドフ
ィルム、フッ素化ポリイミドコーティング膜等も含まれ
る。
リイミド成形品の表面を顕微鏡で観察しても変化はみら
れないことから、成形品の表面のごく薄い上層部分のみ
がフッ素化されていて、表面のごく薄い部分でこみ合っ
て共存するC−F結合が表面エネルギーを上昇させて表
面の親水性を発現していると考えられる。
に多数のCF3 基を保有しているので、X線電子分光法
(ESCA)による表面測定におけるFlsスペクトルで
は判断することができない。図1(a),(b)にES
CAのClsスペクトルを示す。図1(a)は、反応前の
フッ素化ポリイミドについてのESCAのClsスペクト
ルを示し、図1(b)は反応後のフッ素化ポリイミドに
ついてのESCAのClsスペクトルを示す。ただし、E
SCAは成形品の表面から約50オングストロームの極
薄い層を測定したものである。
はC−C結合に相当する281.87eVの吸収は反応
前から反応後で大きく減少し、C=O結合またはC−N
結合に相当する284.10eVの吸収変化は反応前か
ら反応後であまり変化しない。また、C−F結合に対応
する285.92eVおよびCF2 結合に対応する28
7.73eVの吸収は反応前後で大きく増加しており、
CF3 結合に対応する290.21eVの吸収はほとん
ど変化していない。
品のNMRスペクトルを示した。図2から、フッ素化処
理前のポリイミドには存在しなかったベンゼン環に結合
したFシグナルが−180PPMに出現し、シクロヘキ
サン環のCF2 結合に相当するFシグナルが−70〜−
80PPMに出現したことが分かった。
気下でフッ素化ポリイミドを保持すると、フッ素化ポリ
イミド表面はフッ素親和状態が形成されて、フッ素原子
同士の相互作用によって極めて速やかにフッ素原子が引
きつけられ、そこに選択的に反応して新しいC−F結合
が導入される。イミド結合間の水素結合は強力であるの
で、フッ素化ポリイミドの表面エネルギーは小さくなる
が、表面の極薄い層では新しく形成されたC−F結合に
よって歪みが生じ、規則的な水素結合の一部が切断され
る。このような表面におけるイミド間水素結合の切断に
より表面エネルギーが上昇し、表面張力および接触角を
減少させることとなる。かかるフッ素化処理による接触
角の調節は、フッ素化ポリイミドにおいてのみ実現でき
る。かかる反応に好ましく用いられるフッ素化ポリイミ
ドとしては特に制限はないが、例えば以下の構造式を有
するフッ素化ポリイミドが好ましい。
なる成形品をフッ素化処理した場合には、表面親水化速
度が速すぎて親水化制御ができないので、上述の効果は
得られない。これは、フッ素化されてないポリイミドで
はフッ素結合が存在しないのでフッ素化反応が不規則に
生じ、そのため水素結合が不規則に多様に切断されてフ
ッ素化が進行し、所望の親水性表面を通り越して遊離の
水素結合可能な水溶性表面になってしまうからである。
水化する技術が知られている(特開平8−302039
号公報)が、これはフッ素化処理を施す対象物にフッ素
結合が存在しない場合である。すなわち、表面処理を施
すポリプロピレンとフッ素化ポリイミドとでは全く化学
構造が異なり、表面親水化のメカニズムも全く異なるも
のであり、したがってポリプロピレン等のフッ素化方法
を利用しても、フッ素化ポリイミドの接触角の低下には
限界が生じてしまう。
御方法について実施例を用いて具体的に説明する。ただ
し、以下の実施例は単なる例示であり、本発明はこれら
実施例に限定されるものではない。各実施例において、
高分子材料の分子中へのフッ素の導入の確認はX線光電
子分光法(ESCA)により確認した。また、屈折率は
プリズムカップリングを用い、波長633nm、TEモ
ード(材料のフィルム面と平行方向の光の偏波モード)
およびTMモード(材料のフィルム面と垂直方向の光の
偏波モード)で測定した。
ィルムについてESCA分析を行った。フッ素原子の総
数が高分子構造中に占める比率(以下「全フッ素原子比
率」または「全F比率」という)、およびC−C、C−
N、C=O、C−F、CF2 、CF3 の各結合の数が高
分子構造中に占める比率(以下「各結合比率」という)
を得た。結果を表1に示す。また、上記繰り返し単位か
らなる分子構造のフッ素化ポリイミドフィルムの屈折率
を測定した。結果を表1に示す。
条件でフッ素処理を行って、実施例1〜6のフッ素化ポ
リイミドフィルムを得た。得られた実施例1〜6の各フ
ッ素化ポリイミドフィルムについて、フィルム表面のE
SCA分析を行い、全フッ素原子比率、およびC−C、
C−N、C=O、C−F、CF2 、CF3 の各結合比率
を得た。また、このフッ素化ポリイミドフィルムの屈折
率を測定した。これらの結果をまとめて表1に示す。
トンHフィルム)についてESCA分析を行い、全フッ
素原子比率、およびC−C、C−N、C=O、C−F、
CF2 、CF3 の各結合比率を測定した。結果を表1に
示す。また、このポリイミドフィルムの屈折率を測定し
た。結果を表1に示す。
フッ素処理を行って、実施例7〜11のポリイミドフィ
ルムを得た。得られた実施例7〜11の各フィルムにつ
いてフィルム表面のESCA分析を行い、全フッ素原子
比率、およびC−C、C−N、C=O、C−F、CF
2 、CF3 の各結合比率を得た。また、このポリイミド
フィルムの屈折率を測定した。これらの結果をまとめて
表1に示す。
全フッ素原子比率、およびC−C、C−N、C=O、C
−F、CF2 、CF3 の各結合比率を得た。結果を表1
に示す。
理を行って、実施例12〜15のPMMAフィルムを得
た。得られた実施例12〜15の各フィルムについて、
フィルム表面のESCA分析を行い、全フッ素原子比
率、およびC−C、C−N、C=O、C−F、CF2 、
CF3 の各結合比率を得た。結果を表1に示す。
についてESCA分析を行い、全フッ素原子比率、C−
C、C−N、C=O、C−F、CF2 、CF3の各結合
比率を測定した。結果を表1に示す。
条件でフッ素処理を行って、実施例16〜17のポリエ
ーテルサルフォンフィルムを得た。得られた実施例16
〜17の各フィルムについてフィルム表面のESCA分
析を行い、全フッ素原子比率、およびC−C、C−N、
C=O、C−F、CF2 、CF3 の各結合比率を得た。
結果を表1に示す。
フッ素原子比率、およびC−C、C−N、C=O、C−
F、CF2 、CF3 の各結合比率を測定した。結果を表
1に示す。
処理を行って、実施例18〜22のPETフィルムを得
た。得られた実施例18〜22の各フィルムについて表
面のESCA分析を行い、全フッ素原子比率、およびC
−C、C−N、C=O、C−F、CF2 、CF3 の各結
合比率を得た。結果を表1に示す。
素ガスへの暴露時間(処理時間)とポリイミドのフッ素
含有率の関係を図3に示した。この結果より処理時間の
増加とともにポリイミドのフッ素含有率が増加し、極め
て短時間でフッ素化反応が飽和状態に達していることが
わかった。また、対照1および実施例1〜4で得られた
フッ素ガスへの処理時間とポリイミドの屈折率の関係を
図4に示した。この結果より処理時間の増加とともにポ
リイミドの屈折率は徐々に低減し、処理時間を変えるこ
とで簡便にポリイミドの屈折率を制御できることが明ら
かとなった。
得られたフッ素ガスの処理温度とポリイミドのフッ素含
有率の関係を図5に示した。この結果より処理温度が高
くなるとポリイミドのフッ素含有率が増加することがわ
かった。また、実施例1、実施例3、実施例5〜6で得
られたフッ素ガスの処理温度とポリイミドの屈折率の関
係を図6に示した。図6から、フッ素ガスの処理温度が
高くなるとともにポリイミドの屈折率は徐々に減少する
ので、温度を変えることで簡便にポリイミドの屈折率を
制御できることが明らかとなった。なお、図5および図
6からも、上述のごとく処理時間の長い方が、すなわち
処理時間が1分のフィルムより10分のフィルムの方が
フッ素の含有率は大きくなることがわかる。
3および実施例12〜15、対照5および実施例18〜
22からも、処理時間が長くなるにつれて、フッ素含有
率が高くなることがわかる。
材料の屈折率制御方法は高分子材料をフッ素ガス中へ浸
漬するという極めて簡便な操作により、分子中へのフッ
素の導入が可能であり、これによって高分子材料の屈折
率を低減できる方法であることが明らかとなった。さら
にこのフッ素処理条件を変えることにより材料の屈折率
を精密に制御できることが明らかとなった。
て、厚さ16μmのフィルムを得た。なお、得られたフ
ィルムについては水接触角を測定しておいた。得られた
フッ素化ポリイミドフィルムをニッケル製の容器内に入
れて容器内を真空にした。次いで、室温条件下で0.4
%F2 /99.6%N2 の混合ガスを容器内に導入し
た。フッ素ガス雰囲気中での処理時間とポリイミドのフ
ッ素含有率の関係は図3と同様の結果が得られ、処理時
間の増加とともにポリイミドのフッ素含有率が増加し、
極めて短時間でフッ素化反応が飽和状態に達していた。
1分、5分、10分または30分の処理時間でフィルム
を取り出してフィルム表面の水接触角を測定した。その
結果を以下に示す。
樹脂膜(カプトン)を実施例23と同様にして処理した
ところ、処理前の水接触角は71度であったが、処理時
間1分で水接触角9.0度となり次第に表面が水に溶け
出していくのが観察できた。さらに1時間フッ素処理を
続けると、わずかではあるが水接触角が増大し、18.
9度となった。
99.0%N2 に代えた以外は実施例23と同様にし
て、フッ素処理を行った。処理時間1分では、水接触角
が56度に達した。また、処理時間10分では水接触角
が61.9度となった。
92.0%N2 に代えた以外は実施例23と同様にし
て、フッ素処理を行った。処理時間10分では水接触角
が48度となった。
/99.99%N2 に代えた以外は実施例23と同様に
して、フッ素処理を行った。処理時間30分では水接触
角が70.0度となった。
/80.0%N2 に代えた以外は実施例23と同様にし
て、フッ素処理を行った。処理時間1分では、水接触角
が50.0度に達した。また、処理時間5分では水接触
角が40.0度となった。
機光学材料として有用なフッ素化ポリイミドからなる成
形品を、室温条件下、希薄な濃度のフッ素ガス雰囲気中
で短時間処理することにより、C−F結合を切断するこ
となく、かつ、見かけ上物性を変化させずに、極めて容
易に成形品の表面を適度の親水性に制御することができ
た。
分子材料の屈折率制御方法は、従来のフッ素導入による
屈折率制御方法と比較して、光学用高分子材料の屈折率
を簡易にかつ広範囲で制御できるため、光ファイバや光
導波路のクラッド形成等、様々な光部品作製に利用する
ことができる。
をフッ素処理することにより、適度の親水性に制御する
ことができる。
のESCAのスペクトルの線図であり、(b)は反応後
のフッ素化ポリイミドについてのESCAのスペクトル
の線図である。
ペクトルを示す線図である。
のフッ素含有率との関係を示すグラフである。
屈折率との関係を示すグラフである。
のフッ素含有率との関係を示すグラフである。
屈折率との関係を示すグラフである。
Claims (6)
- 【請求項1】 有機高分子をフッ素ガス雰囲気中に浸漬
することにより、前記有機高分子の屈折率を制御するこ
とを特徴とする光学用高分子材料の屈折率制御方法。 - 【請求項2】 ポリイミドをフッ素ガス雰囲気中に浸漬
することにより、前記ポリイミドの屈折率を制御するこ
とを特徴とする光学用高分子材料の屈折率制御方法。 - 【請求項3】 フッ素化ポリイミドをフッ素ガス雰囲気
中に浸漬することにより、前記フッ素化ポリイミドの屈
折率を制御することを特徴とする光学用高分子材料の屈
折率制御方法。 - 【請求項4】 下記構造式: 【化1】 で表される繰り返し単位からなるフッ素化ポリイミドを
フッ素ガス雰囲気中に浸漬することにより、前記フッ素
化ポリイミドの屈折率を制御することを特徴とする光学
用高分子材料の屈折率制御方法。 - 【請求項5】フッ素化ポリイミドからなる成形品をフッ
素濃度が0.01%から20%のフッ素ガス雰囲気中で
1分〜30分処理することにより、該フッ素化ポリイミ
ドからなる成形品の表面の水接触角を70度以下にする
ことを特徴とするフッ素化ポリイミド成形品の表面親水
化方法。 - 【請求項6】 前記フッ素化ポリイミドが下記構造式: 【化2】 で表される繰り返し単位からなるフッ素化ポリイミドで
あることを特徴とする請求項5に記載のフッ素化ポリイ
ミド成形品の表面親水化方法。
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