JP2002021186A - 木質構造物形成方法 - Google Patents

木質構造物形成方法

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JP2002021186A JP2000205036A JP2000205036A JP2002021186A JP 2002021186 A JP2002021186 A JP 2002021186A JP 2000205036 A JP2000205036 A JP 2000205036A JP 2000205036 A JP2000205036 A JP 2000205036A JP 2002021186 A JP2002021186 A JP 2002021186A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の丸太を連結して構成される丸太トラス
を、組付け不良が無く、かつ、遅れ変形も生じないよう
にして、組付け作業性や強度面の不都合がないものに形
成できる方法を提供する。 【解決手段】 丸太トラス3の形成方法において、仕口
部10,10A,12を備えた連結部材11の一対と木
質部材6〜8とを、これら木質部材6〜8の両端部に各
仕口部10,10A,12を仮締めすることで連結して
三角トラス状の仮締め構造材t1〜t4を形成し、これ
ら複数の仮締め構造材t1〜t4が、それらの連結部材
11どうしを連結することで一体化された仮締め状態の
丸太トラス3を形成し、振動機23による振動を作用さ
せた後に、各仕口部10,10A,12と各丸太6〜8
とを本締めする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は木質構造物形成方法
に係り、詳しくは、仕口部が接合された丸太等の木質部
材の複数を連結して形成される多結節構造の木質構造物
を、極力、所期の強度を確保した状態に形成できると
か、規定された寸法状態を精度良く現出できるといった
工法技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】硬い部品である仕口部等の金属部品と柔
らかい部品である木材とを接合して組付ける構造では、
接合面の部分的な干渉が組付けを困難にするので、各部
品は精度良く加工される必要があるが、加工誤差によっ
て上手く接合できないことがある。そのため、実際では
予め木材を必要となる寸法よりも若干長い目に形成して
おき、組付けできないときにはその都度、接合部の木材
を切ったり削ったりすることにより、木材が短いことに
よって組付けできない不都合が生じないようにしなが
ら、寸法合わせして組付けるようにしていた
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方
法では各接合部のみの処理によって全体の構造物が組み
立てられるため、全体としての精度の確保が困難であり
組付け不良を招くことがあった。すなわち、ある部分の
組付けを行うと、そのある部分の寸法誤差の集積が他の
部分に集中して現われ、当該他の部分の組付けが不能に
なるといった具合であり、構造物としての寸法出しの難
しさがあった。又、構造物全体で梁を構成している場合
では、その梁両端の連結部の位置が、連結対象構造物の
連結部の位置と合わないといったことも起こり得る。
【0004】そこで、予め仕口部と木材とを仮締め状態
にすることで全体として一応の組付け状態を現出させ、
それから本締めするという2段階締結方法を採ることに
より、前述した組付け不良無く構造体全体としての組付
けを可能とすることが考えられた。しかしながらこの締
結方法では、仕口部と木材との間に隙間が形成されたま
まになるとか、仕口部と木材とが相対的に傾いたままに
なるといた箇所が相当数に生じることが予測されるの
で、組立て後に地震等の強い外力が加わった場合には、
それらの接合部に比較的容易に緩みが生じるものであ
り、構造物としての遅れ変形を招くおそれが強い点で難
点があった。
【0005】本発明は、硬い部品である仕口部と柔らか
い部品である木質部材とを接合する構造を利用して、複
数の部材を連結して構成される木質構造物を、組付け不
良が無く、かつ、遅れ変形も生じない又は生じ難いよう
にして、組付け作業性や強度面の不都合がないものに形
成できる方法を提供する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】〔方法〕請求項1の方法
は、図10,11に例示する如く、木質構造物形成方法
において、仕口部10を備えた連結部材11の一対と木
質部材6とを、この木質部材6の両端部に各仕口部1
0,10を仮締めすることで連結して仮締め構造材tを
形成し、この仮締め構造材tの複数が、それらの連結部
材11どうしを連結することで一体化された構造体3を
形成し、構造体3に振動を作用させた後に、仕口部10
と木質部材6とを本締めすることを特徴とする。
【0007】請求項2の方法は、図10,11に例示す
る如く、請求項1の方法において、構造体3における各
連結部材11を、それらの正規の組付け位置に設定され
た受止め部21を有する架台k1〜k5に載置し、この
架台k1〜k5に連結部材11が載置された状態の構造
体3に振動を作用させて、連結部材11を受止め部21
に誘導した後に、仕口部10と木質部材6とを本締めす
ることを特徴とするものである。
【0008】請求項3の方法は、図5,10,11に例
示する如く、請求項1又は2の方法において、仕口部1
0を備えた連結部材11の一対と主丸太6とを、この主
丸太6の両端部に各仕口部10,10を仮締めすること
で連結するとともに、主丸太6一端の連結部材11に連
結される第1副丸太7と、主丸太6他端の連結部材11
に連結される第2副丸太8とを連結して、仮締め構造材
tを三角形状のものに形成し、この三角形状仮締め構造
材tの複数を、主丸太6端の連結部材11を介して主丸
太6の長手方向に連ねて連結し、これら連結された複数
の三角形状仮締め構造材tのうちの隣合うものどうし
を、それらの主丸太6の長手方向中間部に連結部材11
が連結される状態に三角形状仮締め構造材tを介して連
結し、かつ、主丸太6における連結部材11の連結箇所
と、第1副丸太7と第2副丸太8との連結箇所とを連結
体9で連結して、構造体3をトラス構造体に形成すると
ともに、主丸太6が木質部材であることを特徴とするも
のである。
【0009】尚、上述のように、図面との対照を便利に
するために符号を記したが、該記入により本発明は添付
図面の方法に限定されるものではない。
【0010】〔作用〕本発明の要旨は、仕口部と木質部
材とを仮締めすることで構造体全体としての一応の組付
け状態を現出させ、その仮締め状態で構造体に振動を付
与することで、木材の塑性変形を促して仕口部と木材と
の接合部を程よくなじませ、それから仕口部と木質部材
とを本締めする方法を採る点にある。
【0011】請求項1の方法によれば、仮締め構造材の
複数が連結部材を介して連結一体化された状態におい
て、すなわち仮締め状態の構造体に振動を作用させるこ
とにより、仕口部と木質部材とが設定状態から傾いて接
合されているとか、木質部材の長さが設定長さよりも長
いといった接合部では、振動による繰り返し荷重によっ
て、木質部材が圧縮方向に塑性変形して、正規の角度位
置に面接合されるとか、連結部材間の長さが設定値に近
づく又は設定値に矯正されるといった作用が生じるよう
になる。
【0012】又、他の木質部材との連結による規制等に
よって、仕口部と木質部材とが隙間を有して仮締めされ
ている箇所では、前述した木質部材の圧縮変形等による
その部分の規制が解除されることに伴なって隙間が無く
なる方向への作用を得ることも可能になる。つまり、仮
締め構造材の複数を連結して成る構造体、所謂多結節構
造体における各部の寸法の狂いや弛緩箇所が、振動を与
えることによって適切な寸法に近づくとか緊張状態に矯
正させることが可能になる。故に、その矯正されて言わ
ば締まった状態となった構造体にしてから本締めするの
で、本締めされた各構造材には、引張りや圧縮の荷重を
有効に受ける状態が現出されていることになり、後に地
震などの強い外力が作用しても、形崩れすることなく耐
える強度が備わるようになる。
【0013】請求項2の方法によれば、次のような作用
が得られる。連結部材を介して複数の丸太等の木質部材
を組合わせる場合では、木質部材と仕口部との接合部が
正規の状態から傾くとか、木質部材端面精度が出難いこ
とから仕口部が浮き気味になるといった具合に、通常、
構造体に出る寸法誤差は設定値よりも長い側に現れるよ
うになる。故に、各連結部材を、それらの正規の組付け
位置に設定された受止め部を有する架台に載置すると、
その両端に位置する連結部材を除いた各連結部材はそれ
に対応する受止め部から上方に浮いた状態で仮締め構造
体が支えられていることになる。
【0014】しかして、架台に連結部材が載置された状
態の構造体に振動を作用させることで、前述したように
仕口部と木質部材との接合部を良好な状態に矯正するこ
とができ、連結部材を受止め部に誘導することで、構造
体を締まった状態にしながら正規の位置に設定すること
が可能になる。そして、その後に仕口部と木質部材とを
本締めするので、強度面及び寸法面の双方共に改善され
た状態で構造体を形成することができるようになる。
【0015】請求項3の方法によれば、詳しくは実施形
態の項にて説明するが、三角形状仮締め構造材の複数を
連結して成るトラス構造体に構成できるので、各部材に
は引張り、又は圧縮が作用するだけで、曲げは殆ど作用
しないようになる。従って、各部材を木質部材で構成し
ながらも、構造体全体として必要な強度・剛性を確保す
ることが可能になるようにしながら、遅れ変形のない強
度十分なものにできるとか、強度面及び寸法面の双方共
に改善されたものにできるといった作用が得られるよう
になる。
【0016】〔効果〕請求項1〜3のいずれに記載の木
質構造物形成方法でも、(イ)複数の構造材を連結して
成る多結節構造の構造体を、仮締め状態で振動させてか
ら本締めするという工程工夫により、組付け不能や不良
となる箇所が生じること無く良好に組付けできるように
しながら、組付け後における外力の作用に起因した遅れ
変形の生じない強度十分なものに形成することができ
た。
【0017】請求項2に記載の木質構造物形成方法で
は、架台に載置させて各連結部材を正規の組付け位置に
誘導可能な状態で振動させることにより、振動後には正
しい又はほぼ正しい形状に矯正できながら前記効果
(イ)が得られる利点がある。
【0018】請求項3に記載の木質構造物形成方法で
は、前記(イ)の効果に加えて、全体をトラス構造とす
ることにより、鋼材等に比べて強度的に不利な木質材を
用いながらも、必要な強度・剛性が比較的容易に得られ
た。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1〜図3に、ドーム屋根Rを有
したスポーツセンター(体育館)が示されている。ドー
ム屋根Rは、大別して両脇のスチールトラス屋根R1,
R1と、これらの間に配置される丸太トラス屋根R2と
で構成されている。
【0020】スチールトラス屋根R1は、H型鋼等の普
及品鋼材をトラス組して構成されたスチール骨組み1上
に屋根パネル材2を設けた一般的な構造のものであり、
丸太トラス屋根R2は、丸太を三角形状にトラス組して
骨組みに構成された丸太トラス3上に、金属屋根パネル
4を設けた構成である。
【0021】ドーム屋根Rとしては、一対のスチール骨
組み1,1( 又はトラス屋根R1,R1)を先に構築し
ておき、他の場所で予め予備組付けされた複数の丸太ト
ラス3を、各スチール骨組み1先端に配置された湾曲状
のアーチフレーム5,5に亘って架設連結することで作
成されるようになる。次に、丸太トラス3の構造及び作
成方法について説明する。
【0022】図2〜図6に示すように、丸太トラス3
は、主丸太6と2個の副丸太7,8、及び主丸太6の長
手方向中央部と、両副丸太7,8の連結箇所とを連結す
るターンバックル(連結体の一例)9から成る単位三角
トラスを、幅方向及び長さ方向に複合連結して構成され
ている。すなわち、両端に亘って1列状態で連結される
計4組の第1三角トラスt1と、長手方向に2列状態で
連結される計6組の第2三角トラスt2と、長手方向に
2列状態で連結される計4組の第3三角トラスt3と、
長手方向中央に配置される計2個の第4三角トラスt4
との合計16組の三角トラスを用いて丸太トラス3を構
成してある。
【0023】つまり、平面視では丸太トラス3の長手方
向中央部ほど、三角トラスの並設数が多くなり、側面視
では両端部を除いて同じ高さのアーチ形状を呈する状態
に組付け構成されている。各三角トラスt1〜t4は、
第1三角トラスt1は2本の主丸太6,6を有するのに
対して、第2〜第4三角トラスt2〜t4は主丸太6が
1本である以外は基本的に同じ構造である。代表として
第1三角トラスt1を参照して各三角トラスt1〜t4
の構造を詳述すると次のようである。
【0024】図6に示すように、第1三角トラスt1
は、主仕口部10を備えた連結部材11が両端にボルト
連結された一対の主丸太6,6を備えるとともに、主丸
太6,6一端の連結部材11の副仕口部10Aにボルト
連結される第1副丸太7と、主丸太6,6他端の連結部
材11の副仕口部10Aにボルト連結される第2副丸太
8とを、一対の仕口部12,12を備えた副連結部材1
3を介して連結し、かつ、この副連結部材13と主丸太
6,6の長手方向中央に連結される取付けステー14と
に亘ってターンバックル9を架設連結して構成されてい
る。
【0025】図6、図7に示すように、連結部材11
は、パイプ材で成る軸部材15に、主仕口部10、副仕
口部10A、中間連結部10T等を溶着等によって一体
化した複合継手状に構成されている。各仕口部10,1
0A,12には、丸太6〜8における略半円筒に形成さ
れた端部を載置可能な半円状の受け板17が固着してあ
り、ボルト連結による丸太組付け時に丸太を位置決めで
きるようにしてある。
【0026】中間連結部10Tは、主丸太6の長手方向
中央に形成された面取り加工部6aを連結するための一
対の取付けステー14,14と、これらの間に配置され
てターンバックル9の下端部にも固着される補強板1
9、これら三者に亘って固着される取付け座20、横向
きボルト16Aや縦向きボルト16B等といった各種補
助部材を用いて、主丸太6と軸部材15とを強固に連結
一体化できるように構成されている。
【0027】連結部材11の長さ及び付設される部品数
は、丸太トラス3の長手方向部位によって異なってい
る。すなわち、丸太トラス3の長手方向で端のものは、
アーチフレーム5の取付け片5a,5aにピン装着する
ための長さの短い軸部材15に、一対の主仕口部10,
10と、1個の副仕口部10Aとが一体形成された三口
仕口部m(図5、図6参照)の状態で固着された小さな
部品に構成される。
【0028】これに対して、丸太トラス3の長手方向で
中央の連結部材11は、左右方向で中央に位置する2組
の三口仕口部m,mと、1個の主仕口部10と1個の副
仕口部10Aとが一体形成された二口仕口部h(図5、
図6参照)が計4組と、4組の中間連結部10Tとが、
長さの長い軸部材15に固着された大部品に構成されて
いる。
【0029】図6,7に示すように、副連結部材13
は、前記受け板17が固着された副丸太7,8のボルト
連結用の仕口部12の一対と、屋根パネル取付け用の支
持部18とで構成されるとともに、ターンバックル9の
上端部を固着連結してある。つまり、副連結部材13
は、ターンバックル9を介して軸部材15に、すなわち
連結部材11に一体化されている。ターンバックル9
は、上バックル部9aと、下バックル部9bとをネジ連
結して成るものであり、丸太連結前の上下バックル部9
a,9bの相対回動操作によって、軸部材15と副連結
部材13との間隔を調節することができる。
【0030】各丸太6〜8と各仕口部10,10A,1
2との連結構造を、主丸太6に関して説明する。図8,
9に示すように、主丸太6の端面6Aを、仕口部10へ
の当接面となるように平面状に加工してあり、この丸太
端面6Aと仕口部10の当接面材10sとを、木口金属
板S1と隙間調整用金属スペーサS2とを介して対向配
置した状態で4本の連結ボルト24を用いて螺着させ
る。
【0031】連結ボルト24は、両端にねじ切りされた
軸ボルトであり、主丸太6には、連結ボルト24の全長
より長いボルト穴25を、丸太端面6Aから丸太長手方
向に沿って4箇所形成するとともに、ボルト内奥側に螺
装される角ナット26を挿入自在とするナット穴27
を、丸太側面に開口する状態で4箇所形成してある。
尚、ボルト穴25とナット穴27による応力集中を避け
るため、4個の連結ボルト24のうちの2個ずつを長さ
の異なるものとして、ボルト穴25の長さとナット穴2
7との位置の夫々を2種類に分けてある。
【0032】そして、連結ボルト24の仕口部側端面
に、マイナスドライバー等の治具によってボルトの緊緩
操作(回動操作)を自在とするための治具嵌合用溝28
を形成するとともに、ボルト穴25に対応したボルト挿
通孔29を当接面材10sに4箇所形成する。尚、副仕
口部10Aにおける受け板17は、丸太7,8の上側に
位置するようにしてあり、端面下端部が若干斜めカット
された第1及び第2副丸太7,8と主丸太6夫々の端部
を、上下の受け板17,17で挟み込んで連結する構造
としてある。
【0033】しかして、ナット穴27に角ナット26を
入れて、連結ボルト24をボルト穴25に挿入して締込
み側に回動することにより、角ナット26を連結ボルト
24に螺装することができ、かつ、連結ボルト24を主
丸太6内に完全に埋設する状態を現出できる(図8参
照)。このボルト埋設状態の主丸太6を受け板17に載
置した状態で一対の主仕口部10,10間には設置し、
それからボルト挿通孔29を通して治具を治具嵌合用溝
28に差し込んで回動操作することで、連結ボルト24
の外端側ネジ部をボルト挿通孔29より外方に抜き出し
移動させる。
【0034】そして、抜き出された連結ボルト24にナ
ット30を螺着することにより、主丸太6と主仕口部1
0との連結一体化が行えるのである。尚、後述する「仮
り締め」とは、ナット30を外れない程度に連結ボルト
24に螺着させただけの状態のことを、かつ、「本締
め」とは、ナット30を強く締め側に回動して完全に締
め切る状態のことを夫々意味している。
【0035】次に、丸太トラス3の作成方法と設置方法
について説明する。前述したように、丸太トラス3は1
6組の三角トラスt1〜t4から成るが、これら三角ト
ラスt1〜t4は独立したものではなく、軸部材15を
介してすべて繋がっているため、組付け方法としては、
計9個の連結部材11に対して丸太6〜8を順次ボルト
連結して行くことになる。しかしながら、丸太トラス3
は言わば多結節構造体であり、しかも主な材料が丸太で
あることから寸法精度が出難いので、各丸太6〜8と各
仕口部10,10A,12との連結ボルト24を初めか
ら本締めすると組付けできない箇所が出てきて、丸太ト
ラス3を構成不能になることから、以下に述べる形成方
法が採られる。
【0036】図10(イ)に示すように、上面に軸部材
15を載置する半円状の円弧受け部21が形成され、か
つ、5種類の高さを有した計9個の架台k1〜k5を作
業台22に所定間隔を空けて並べ、各架台k1〜k5の
円弧受け部(受止め部の一例)21に、対応する連結部
材11を載置する。
【0037】そして、図10(ロ)に示すように、一つ
飛ばして隣合う連結部材11,11に亘って、主丸太
6,6を仮締め連結するとともに、副連結部材13を用
いて第1及び第2副丸太8も仮締め連結し、かつ、ター
ンバックル9も仮締め連結する。つまり、仕口部10,
10Aを備えた連結部材11の一対と主丸太6とを、こ
の主丸太6の両端部に各仕口部10,10A,12を仮
締めすることで連結するとともに、主丸太6一端の連結
部材11に連結される第1副丸太7と、主丸太6他端の
連結部材11に連結される第2副丸太8とも仮締め連結
し、かつ、副連結部材13とブラケット板20とに亘っ
てターンバックル9も仮締め連結して、三角形状の仮締
め構造材t( 仮締め状の三角トラスt1〜t4) を形成
する。
【0038】このように、各仕口部10,10A,12
と各丸太6〜8との連結ボルト24を仮締めすることに
より、各部に寸法誤差があっても全て三角トラスt1〜
t4としての仮組付けが行えるので、図11に示すよう
に、仮締め状態の丸太トラス3が現出される。すなわ
ち、計16組の仮締め三角トラスt1〜t4を、主丸太
6端の連結部材11を介して主丸太6の長手方向、並び
に左右方向に連ねて連結し、これら連結された仮締め三
角トラスt1〜t4のうちの隣合うものどうしを、それ
らの主丸太6の長手方向中央部に連結部材11( 軸部材
15) が連結される状態に仮締め三角トラスt1〜t4
を介して連結し、かつ、主丸太6における連結部材11
の連結箇所であるブラケット板20と、第1副丸太7と
第2副丸太8との連結箇所である副連結部材13とをタ
ーンバックル(連結部材の一例)9で連結して、仮締め
丸太トラス(仮締め状のトラス構造体の一例)3に形成
する。
【0039】しかしながら、この仮締め状態では、「作
用」の項にて述べたように、各連結部材11,11間に
現れる長い側の寸法誤差の総和により、丸太トラス3と
しての長さは長い目になるので、図10(ロ)に示すよ
うに、両端の連結部材11,11を第1架台k1に載置
した状態に固定すると、中間の連結部材11は円弧受け
部21から上方に浮いてしまい、正規の位置が出ない。
【0040】そこで、図11に示すように、長手方向中
央の一対の第1三角トラスt1,t1の主丸太6,6に
亘って作用するようにチェーン・ワイヤーロープ等の吊
下げ部材23aを介連結ボルトして吊下げられた振動機
23を作動させて、仮締め状態の丸太トラス3全体に振
動を付与する。振動により、各仕口部10,10A,1
2に接当する各丸太6〜8の端面が、面接触状態となる
ように圧縮されるので、寸法が次第に短くなり、かつ、
各丸太6〜8と各仕口部10,10A,12とが広い面
で接触する状態に移行して行き、図11に示すように、
全ての軸部材15が円弧受け部21に載置する正規の寸
法状態が現出されるようになる。
【0041】正規の寸法状態が現出されたら、振動機2
3の作動を停止して取り去り、仮り締め状態にある連結
ボルト24を本締めすることにより、丸太トラス3の作
成作業が終了する。つまり、仮り締め構造体である仮り
締め丸太トラス3に振動を作用させて、連結部材11を
受止め部である円弧受け部21に誘導した後に、各仕口
部10,10A,12と各丸太6〜8とを本締めするの
である。
【0042】そして、作成された丸太トラス3は、図1
2に示すように、トラバーサ31を介してのクレーン等
の起重機による吊下げ状態で建築現場に運び、持ち上げ
て、両端の連結部材11,11を、アーチフレーム5の
取付け片5a,5aに連結して設置するようになる。こ
の設置作業を、必要となる丸太トラス3の数の分行うこ
とにより、ドーム屋根Rの骨組みを完成させることがで
きる。
【0043】〔別実施形態〕図13に示すように、丸太
や製材による木質棒状体を用いた構造体がトラス橋等に
多用されるワーレントラス3であり、連結ボルトを仮締
めするときに、最下端の各連結部材11を誘導して載置
自在な架台k上に載置し、その状態で振動を付与させて
から本締めする、という形成方法も可能である。
【0044】又、図14に示すように、三角トラス部t
を前後左右及び上下に複数組み合わせて成る多結節構造
体3を、下側4隅で支持する構成の木質構造物に本発明
の形成方法を適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】スポーツセンター全体の形状を示す側面図
【図2】ドーム屋根の内部構造を示す側面図
【図3】ドーム屋根の内部構造を示す正面図
【図4】丸太トラスの構造を示す側面図
【図5】丸太トラスの構造を示し、(イ)は第1,2丸
太部分を示す平面図、(ロ)は主丸太部分を示す平面図
【図6】三角トラスを示す側面図
【図7】連結部材中間部、及び副連結部材部分の構造を
示す正面図と側面図
【図8】丸太と仕口部との連結構造を示す断面側面図
【図9】丸太と仕口部との連結構造を示す斜視図
【図10】丸太トラスの作成方法を示す作用図
【図11】丸太トラスの作成方法における振動付与工程
を示す作用図
【図12】丸太トラスの設置状況を示す側面図
【図13】構造体の第1別構造を示す側面図
【図14】構造体の第2別構造を示す斜視図
【符号の説明】
3 構造体 6 主丸太 7 第1副丸太 8 第2副丸太 9 連結体 10 仕口部 11 連結部材 21 受止め部 t 仮締め構造材 k1〜K5 架台
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) E04B 1/58 505 E04B 1/58 505L 7/10 7/10 (72)発明者 平井 一徳 愛知県名古屋市中区錦一丁目18番22号 株 式会社竹中工務店名古屋支店内 (72)発明者 中野 裕久 愛知県名古屋市中区錦一丁目18番22号 株 式会社竹中工務店名古屋支店内 (72)発明者 末永 忠良 岐阜県揖斐郡揖斐川町房島1822番地の3 株式会社末永製作所内 Fターム(参考) 2E125 AA35 AA36 AB13 AB17 AC14 AC16 AC23 AG03 AG12 AG13 AG23 AG41 AG57 AG59 BA56 BB08 BB09 BB22 BB31 BB32 BB34 BC09 BD01 CA05 CA26 EA11 EA17 EA35

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 仕口部を備えた連結部材の一対と木質部
    材とを、この木質部材の両端部に各前記仕口部を仮締め
    することで連結して仮締め構造材を形成し、この仮締め
    構造材の複数が、それらの連結部材どうしを連結するこ
    とで一体化された構造体を形成し、前記構造体に振動を
    作用させた後に、前記仕口部と前記木質部材とを本締め
    する木質構造物形成方法。
  2. 【請求項2】 前記構造体における各前記連結部材を、
    それらの正規の組付け位置に設定された受止め部を有す
    る架台に載置し、この架台に前記連結部材が載置された
    状態の前記構造体に振動を作用させて、前記連結部材を
    前記受止め部に誘導した後に、前記仕口部と前記木質部
    材とを本締めする請求項1に記載の木質構造物形成方
    法。
  3. 【請求項3】 前記仕口部を備えた前記連結部材の一対
    と主丸太とを、この主丸太の両端部に各前記仕口部を仮
    締めすることで連結するとともに、前記主丸太一端の前
    記連結部材に連結される第1副丸太と、前記主丸太他端
    の前記連結部材に連結される第2副丸太とを連結して、
    前記仮締め構造材を三角形状のものに形成し、この三角
    形状仮締め構造材の複数を、前記主丸太端の前記連結部
    材を介して前記主丸太の長手方向に連ねて連結し、これ
    ら連結された複数の前記三角形状仮締め構造材のうちの
    隣合うものどうしを、それらの前記主丸太の長手方向中
    間部に前記連結部材が連結される状態に前記三角形状仮
    締め構造材を介して連結し、かつ、前記主丸太における
    連結部材の連結箇所と、前記第1副丸太と前記第2副丸
    太との連結箇所とを連結体で連結して、前記構造体をト
    ラス構造体に形成するとともに、前記主丸太が前記木質
    部材である請求項1又は2に記載の木質構造物形成方
    法。
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