JP2002017275A - 嚥下容易な粥状食品の素 - Google Patents

嚥下容易な粥状食品の素

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JP2002017275A
JP2002017275A JP2000204003A JP2000204003A JP2002017275A JP 2002017275 A JP2002017275 A JP 2002017275A JP 2000204003 A JP2000204003 A JP 2000204003A JP 2000204003 A JP2000204003 A JP 2000204003A JP 2002017275 A JP2002017275 A JP 2002017275A
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food
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Hyozo Konno
兵蔵 今野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 誤嚥防止機能を有すると共に、ダレでも容易
にダマのない粥状食品に復元でき、かつ消化吸収性がよ
く、、これを噛まずに丸呑みした場合でも支障がなく、
患者の症状に合わせて任意の性状や固さの粥状食品に復
元でき、使用しやすく、また保存性を有する嚥下障害者
・咀嚼障害者用の嚥下容易な粥状食品の素を提供する。 【解決手段】 アルファー化米及び/又はその粉末にで
んぷん粉末とゼラチン粉末を配合して成る嚥下容易な粥
状食品の素。好ましくは、アルファー化米及び/又はそ
の粉末10〜15部、でんぷん粉末5〜8部、ゼラチン
粉末1〜3部となるように構成する。これらに微量栄養
素や粉末調味料などを加配してもよい。アミラーゼで処
理したアルファー化米を使用するとさらに好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、嚥下容易な粥状食
品の素に関する。詳しくは、水又は調味液(スープやジ
ュース様のものも含む。以下同じ。)を加えて短時間加
熱することによって、咀嚼・嚥下機能が低下した者で
も、誤って気筒の方に入れてしまうリスクがほとんどな
く、ダマが生じていないので、噛まずに丸呑みした場合
でも支障がなく、容易に嚥下可能、かつ任意の固さの固
形状ないし流動状の食品に製することができ、使いやす
く、しかも保存性を有する粉末状の粥状食品の素に関す
る。
【0002】
【従来の技術】老衰した者、アルツハイマー病患者、脳
卒中などの脳血管障害者又はその後遺症を持つ者、知覚
障害者、歯を無くした人などの心身的障害者は、嚥下・
咀嚼機能が損壊しているか又は低下しているため、食道
と気筒の弁の切り替えがうまく働かないので、食物を経
口摂取する際に、流動状の食品でもゼリー状に固めた食
品でも、うまく飲み込めないことが多い。また、お粥で
あっても、ダマがあるものは、嚥下障害を有する者に供
与してはならない。嚥下機能に支障がある者は、食物を
誤って食道でなく気筒から気管支の方へ入れてしまいや
すく、そうすると肺炎を引き起こす事態にもなりかねな
い。このような誤嚥の問題を解消するために、近時、嚥
下障害・咀嚼障害・摂食障害を有する患者を対象とする
嚥下容易な食品が研究され、一部は市販されている。
【0003】しかしながら、日本人の主食である米又は
米飯を主材とする、使いやすい嚥下容易な食品はまだ開
発されておらず、病院や老人施設などにおいては、嚥下
機能障害のある患者に対して、ミキサーなどを用いて細
かく砕いた米飯を供食しているような状況にある。
【0004】米を主材とする嚥下容易な食品、すなわ
ち、米飯状、粥状又は重湯状の嚥下容易な食品として
は、特開平11−113512号「易嚥下加工米飯及び
その加工品」、特開平10−191908号「易嚥下
粥」、特開平11−187382号「咀嚼・嚥下困難者
用粥」などの発明が特許出願されている。しかしなが
ら、これらの先行発明は、お粥や米飯を一定形状のでん
ぷん質の皮で包んで嚥下しやすくしたものであるか又は
米粒と重湯を含む粥全体として特定の性状にゲル化させ
凝固又は増粘させて分離しにくくしたものなどである。
したがって、本発明のように、誤嚥防止機能を有すると
共に、家庭や病院などで任意の性状の米食に製すること
ができ、噛まずに丸呑みしても支障がなく、しかも保存
性を有する嚥下容易な粥状食品の素は、未だ開発されて
いない。
【0005】また、即席粥状食品については、特開平8
−298947号「即席黒粥粉末の製造方法」、特開平
9−65844号「即席乾燥粥の製造法」、特開平9−
163949号「インスタント米粥及びその製法」及び
特開平11−187833号「即席お粥の製造方法」な
どが特許出願されている。しかしながら、これらの先行
発明は、膨化米と焙煎した木の実などの混合粉末を加熱
殺菌したものとか、粥又は粥と具材とを凍結乾燥処理な
いし真空凍結乾燥処理したものとか、加水した米を加熱
押出し装置にかけて部分的に密度の異なる米粒大の米の
片を製するものなどであって、その目的とするところ
も、粥としての消化性・口当たり・滋養強壮効果・復元
性の向上、製造時の具材形状の崩壊防止などを志向する
ものであって、本発明のように、誤嚥防止機能を有する
と共に、使用しやすく、しかも保存性を有する嚥下容易
な粥状食品の素及びその製法とは全く無関係の技術であ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、嚥下容易
な米飯食品や即席粥状食品の供食や製造技術の実情が上
記の程度であることに鑑み、嚥下障害・咀嚼障害などを
有する心身の障害者を対象として、使用しやすい嚥下容
易な粥状食品の素を開発することを志し、種々研究の結
果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明の課
題は、誤嚥防止機能を有すると共に、ダレでも容易に、
ダマのない粥状食品に復元させることができ、かつ、簡
単に任意の性状や固さの粥状食品を製することができ、
したがって、患者がこれを噛まずに丸呑みした場合でも
支障がなく、患者の症状に合わせて任意の性状や固さの
粥状食品を供与でき、使用しやすく、しかも保存性を有
する嚥下容易な粥状食品の素を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明のうち請求項1に記載する発明は、アルフ
ァー化米及び/又はその粉末にでんぷん粉末とゼラチン
粉末を配合して成る嚥下容易な粥状食品の素である。
【0008】また、本発明のうち請求項2に記載する発
明は、アルファー化米及び/又はその粉末にでんぷん粉
末とゼラチン粉末を配合して成り、さらに、カルシウム
類、ビタミン類、ミネラル類などの微量栄養素、粉末み
そ、粉末ポタージュ、粉末かつおぶしなどの粉末調味
料、乾燥わかめの小片、細かく砕いた魚肉などの小片固
形物、松茸フレーバー、ミルクフレーバーなどの食品香
料のうちの任意のものを添加してある嚥下容易な粥状食
品の素である。
【0009】また、本発明のうち請求項3に記載する発
明は、アルファー化米及び/又はその粉末10〜15
部、でんぷん粉末5〜8部、ゼラチン粉末1〜3部とな
るように構成して成る嚥下容易な粥状食品の素である。
【0010】さらに、本発明のうち請求項4に記載する
発明は、アルファー化米及び/又はその粉末15gとで
んぷん粉末5gとゼラチン粉末3gを1袋に充填して密
封包装して成る嚥下容易な粥状食品の素である。
【0011】さらに、本発明のうち請求項5に記載する
発明は、請求項1から4のいずれかに記載の粥状食品の
素において、アミラーゼで処理したアルファー化米を使
用してある嚥下容易な粥状食品の素である。
【0012】
【作用】本発明に係る粥状食品の素は、アルファー化米
にでんぷん粉末を加配してあるので、水又は調味液を加
えて短時間加熱することによって、ダマを生じることな
く、容易に糊化し、粥状ないし重湯状の食品に復元で
き、しかも消化吸収性がよい。特に、アミラーゼで処理
したアルファー化米を使用した場合には、さらに容易に
糊化できる上、消化吸収性が一段と向上する。しかも加
水量の調整が容易であり、加水量を調整することによっ
て、ゼリー状又はプリン状のものから流動状のものま
で、任意の固さや性状の粥に容易に復元できる。また、
本発明に係る粥状食品の素は、人体の細胞どうしを結合
する働きを務めるコラーゲンから製したゼラチンの適量
を加配してあるので、きわめて口になじみやく、口中の
温度によって容易に溶解するので、嚥下機能が低下した
者でも誤嚥のおそれがほとんどない。したがって、固形
状の粥状食品に復元したものを咀嚼することなく丸呑み
した場合でも、悪い影響を生じない。本発明に係る粥状
食品の素は、粉末状に製してあるのであるので、人体の
維持成長に不可欠な微量栄養素や患者の嗜好に合った任
意の原料を加配でき、また、長期間変質することなく保
存できる。
【0013】以下、本発明をさらに詳細に説明する。
尚、本発明の全説明において、「部」や「%」の表示
は、特に断らない限り、重量割合を表す。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明において、アルファー化米
及び/又はその粉末は、粒状のアルファー化米だけのも
の、アルファー化米の粉末だけのもの、これらを混合又
は破砕したものなどいずれの状態のものでも使用でき
る。本発明の粥状食品の素は、アルファー化米とその粉
末の混合割合に応じて、任意の性状の粥状食品に復元で
きる。すなわち、アルファー化米が粉末ばかりであれ
ば、重湯状や一分粥状になるし、アルファー化米の粒が
多ければ、七分粥状になるなど、任意の性状の粥状食品
を簡単に製することができる。したがって、本発明の粥
状食品の素を使用すると、病状の深刻な患者には、重湯
同様の粥状食品を供することができるし、病状が軽くな
った患者には、米粒の多い粥状食品を提供できるなど、
患者の症状や好みに応じて任意かつ簡単に粥状ないし重
湯状食品を調製できる。
【0015】本発明で使用するアルファー化米及びその
粉末は、以下のようにして製する。原料とする米の種類
は任意であり、うるち米でももち米でも、また精米でも
玄米でも使用して差し支えない。アルファー化米を製す
る基本は、水に浸漬して吸水させた米を蒸煮してアルフ
ァー化させた後、できるだけ早く(でんぷんがベーター
化しないうちに)乾燥機に入れて水分含量が約10%以
下になるまで脱水・乾燥させることである。その具体的
な製法の一例を示すと、精米又は玄米を使用する場合、
水に12時間程度浸漬した米を水切りし、100℃前後
で蒸煮する。高圧炊飯器を用いて100℃以上にて(例
えば、110〜120℃で)約30分間ボイルするとア
ルファー化度が促進されるので好ましい。尚、本発明で
は、好ましくは、アミラーゼで処理したアルファー化米
を使用するが、アミラーゼ溶液に浸漬した米を蒸煮する
場合には、アミラーゼの作用最高温度は92〜93℃で
あるため、80〜90℃で蒸煮することが好ましい。蒸
煮した米は、できるだけ早く乾燥装置を用いて乾燥させ
る。乾燥装置としては、熱風棚式のもの、ロータリー式
のもの、遠赤外線乾燥機など任意の装置を使用してよい
が、急速に米粒の水分を除去して米粒のでんぷん質がベ
ーター化するのを防ぐことができる装置を使用するとよ
い。乾燥の程度は、保管の便宜や日持ちの点を考慮する
と、米の含有水分が10%以下になるまで乾燥させるこ
とが好ましい。
【0016】このようにして製したアルファー化米を粉
砕機にかけて任意の粒度に粉砕すると、アルファー化米
とその粉末の混合状態のものが得られる。また例えば、
200メッシュのふるいにてふるい分けすると、200
メッシュパスのアルファー化米の粉末が得られる。尚、
アルファー化米は「乾燥米」又は「即席飯」と呼ばれる
ことがある。
【0017】また、本発明で用いるアルファー化米とし
ては、アミラーゼで処理したアルファー化米を使用する
ことが好ましい。アミラーゼで処理したアルファー化米
は、米のでんぷん質の一部又は全部が分解されているの
で、水又は調味液を加えて60℃前後に加熱すると、米
粒が膨らみ、密に並んだでんぷんの配列が崩れる。さら
に加熱温度を上げると、でんぷん結合が切断されるの
で、通常のアルファー化米に比べて早く容易に粥状に復
元できる。また、アミラーゼで処理したアルファー化米
を使用すると、摂食後、体内における消化吸収性がさら
に向上する。アミラーゼで処理したアルファー化米は、
アルファー化米を製する際に、あらかじめ米をアミラー
ゼを添加した液に浸しておくとか又はアルファー化させ
た米の表面にアミラーゼ液をふりかけるなどの方法によ
って、簡単に調製できる。
【0018】本発明で使用するゼラチン粉末は、動物の
骨、皮、筋などにあるコラーゲンやエラスチンなどの不
溶性タンパク質を加熱し加水分解して不純物を除き、漂
白・乾燥粉末化したものである。本発明において、ゼラ
チン粉末は、市販の粉末状のものを使用して差し支えな
い。
【0019】本発明で使用するでんぷん粉末は、粉末状
のものであればよく、特に種類を限定するものではない
が、タピオカでんぷん、ジャガイモでんぷん、トウモロ
コシでんぷん、小麦でんぷん又はこれらの化工でんぷん
などの粉末が使用に適している。市販のかたくり粉を使
用してもよい。
【0020】本発明の粥状食品の素は、アルファー化米
及び/又はその粉末10〜15部、でんぷん粉末5〜8
部、ゼラチン粉末1〜3部となるように構成した場合、
これに150部の水又は調味液を加えて熱すると、容易
にゼリー状(又はプリン状)の粥状食品(成形粥)に復
元できる。このようにして製したゼリー状の粥状食品
は、ゼリー状に固化しているので、嚥下・咀嚼機能が相
当に低下している者でも容易に口に入れることができ
る。また、本発明の粥状食品の素に、200部の水又は
調味液を添加すると、簡単に中程度の粥状に復元でき、
300部の水又は調味液を添加すると、簡単に薄い粥状
に復元できる。
【0021】本発明の粥状食品の素を、上記の素材で、
かつ上記の配合割合で構成する理由は、以下のとおりで
ある。まず、アルファー化米は、加水して加熱すること
によって、容易に米飯状に復元できる上、消化吸収性が
よいので、これを主材とする。尚、アミラーゼで処理し
たアルファー化米を用いると、復元性と消化吸収性が一
段と向上するので、きわめて好ましい。このアルファー
化米又はアミラーゼで処理したアルファー化米にでんぷ
ん粉末を加配することによって、でんぷん粒子でアルフ
ァー化米を包み込んで、アルファー米及び/又はその粉
末だけでは加水加熱によってダマになりやすい性質を抑
え、ダマの発生を防止する。また、粥状食品に復元した
場合の喉ごしと口触りが向上し、さらに、加熱によって
生じる特別な匂いを解消できる。すなわち、アルファー
化米及び/又はその粉末によるダマの発生を防止できる
でんぷん粉末の配合割合は、後記の試験例に示すよう
に、アルファー化米10〜15部に対して、でんぷん粉
末5〜8部が適当である。
【0022】また、本発明の粥状食品の素にゼラチン粉
末を加配する理由は、セラチンは人体の細胞どうしを結
合する働きを有するコラーゲンから成り、きわめて人体
になじみやすい性質を有するので、ゼラチン粉末の適量
を加配することによって、粥状食品が嚥下しやすくな
り、誤嚥を確実に防止できるからである。ゼラチン粉末
の適当な加配割合は、アルファー化米又はアミラーゼで
処理したアルファー化米10〜15部に対してゼラチン
粉末1〜3部である。
【0023】本発明の粥状食品の素は、アルファー化米
及び/又はその粉末15gとでんぷん粉末5gとゼラチ
ン粉末3gを1袋に充填すると、これに水又は調味液を
150cc加えて加熱したときは、ゼリー状(又はプリ
ン状)の粥状食品が得られ、また200ccの水又はス
ープを加えて中火で数分間加熱すると、丁度お碗一杯の
中程度の粥状食品となり、300ccの水又は調味液を
加えると、薄い粥状食品となる。したがって、本発明の
粥状食品の素をこのように1袋23gの小袋詰めの製品
に製した場合には、加水量の見当が付けやすく、病院や
家庭において、患者の症状に合わせて任意の固さや性状
のものに簡単に調製でき、きわめて使いやすい。また、
このように小袋詰めにして密封包装すると、携帯に便利
であり、しかも長期間保存しても変質しない。
【0024】本発明の粥状食品の素には、各種のカルシ
ウム類、ビタミン類、鉄分、ミネラル類、食物繊維など
の微量栄養素、粉末みそ、粉末ソース、かつおぶしの粉
末、脱脂粉乳、粉末ポタージュなどの粉末調味料、乾燥
わかめや乾燥野菜の粉末又は小片、細かく砕いた魚肉や
肉製品の小片などの小片固形物、松茸フレーバーやミル
クフレーバーなどの食品香料などのうち任意のものを適
宜添加して差し支えない。これらの任意原料は、一旦粥
状食品に製した後で加配してもよく、また粥状食品の素
の中へ加配しておいてもよい。これらの任意原料を加配
することによって、患者は、その成長に必要な微量栄養
素などを手軽に摂取できる。また、食物繊維の添加によ
って、運動不足になりやすい患者の便秘現象を防止又は
解消できる。さらに、ゼラチンとビタミンCとを併用し
た場合、コラーゲンの作用が一段と高められるので、誤
嚥防止の機能が一段と向上する。しかも、本発明の粥状
食品の素は、これらの任意原料を加配することによっ
て、味気ない療養食を個人の嗜好に合った食物に変える
ことができ、患者に対して食べる喜びを回復させること
ができる。
【0025】
【実施例1】<粥状食品の素の調製>アミラーゼ液に浸
漬して吸水させたうるち米を用いて製したアルファー化
米の粉末15g、かたくり粉5g、市販のゼラチン粉末
3gを秤取して混合し、これを紙製の袋に充填して密封
し、携帯に便利で保存に適した「嚥下容易な粥状食品の
素」を製した。 <粥状食品の調製>上記配合の粥状食品の素に、水10
0ccとりんごジュース100ccを添加して2分間攪
拌すると、ダマが消失したので、このものを中火にて2
分間加熱した。リンゴ風味の、お碗一杯の粥状食品が得
られ、口に含むと、とろけて、容易に嚥下できた。
【0026】
【実施例2】<粥状食品の素の調製>アミラーゼ液に浸
漬して吸水させた玄米を用いて製したアルファー化玄米
の粉末15g、かたくり粉5g、梅干風味のしそ粉末
0.5g、市販のゼラチン粉末3gを秤取して混合し、
これを紙製の袋に充填して密封し、携帯に便利で保存に
適した「嚥下容易な粥状食品の素」を製した。 <粥状食品の調製>上記配合の粥状食品の素に、水20
0ccを添加して2分間攪拌すると、ダマが消失したの
で、このものを中火にて2分間加熱した。梅干の風味を
有する粥状食品が得られ、口に含むと、とろけて、容易
に嚥下できた。
【0027】
【試験例1】<粥状食品の調製>実施例1で製した嚥下
容易な粥状食品の素1袋(23g)を500cc容のビ
ーカーに入れて、表1に示す量の水を加え、攪拌しなが
ら溶解させ、これをセラミック製プレートを敷いた電気
コンロ(火力7分目)に置き、攪拌しながら、中程度の
火力で2分間沸騰させ、粥状食品を得た。 <試料の調製>薄型シャーレに上記の粥状食品を一杯に
なるようまで流し込み(すり切れ状態で厚さ10mm程
度)、室温で放冷した。冷却した粥状食品について、下
記の方法によって固さを測定した。 <固さの測定>タケモト電機(株)製テンシプレッサー
My Boy System に円筒型プランジャー(直径1.1m
m、面積1cm2 )を取り付け、シャーレ内の粥状食品
の固さをテンシプレッサー1バイト法によって測定し
た。その結果を表1に示す。
【0028】
【表1】 粥状食品の素20gに対する水の添加量 150cc 200cc 300cc 粥状食品の固さ 3.94 1.48 0.44 同 性状 ゲル状 ゾル状 リキッド状 尚、固さの単位は「dyne/cm2 ×102 」である。
【0029】表1から、本発明の粥状食品の素は、所定
量の水を加えて加熱すれば、これを任意の固さや性状の
粥状食品に復元できることが判明した。
【0030】
【試験例2】<ダマの消失確認試験>アルファー化米の
粉末15gに水100ccを添加して10分間攪拌した
ところ、ダマが大小合わせて6個発生した。この状態の
ものに、さらに水100ccを加えて中火で加熱した
が、ダマは消失しなかった。この状態のものに、かたく
り粉5gを水100ccに溶解させたものを添加して攪
拌しながら2分間加熱したところ、ダマは全て消失し
た。
【0031】アルファー化米粉末とかたくり粉の配合を
変化させ、上記の方法によって、ダマが消失する配合割
合を測定した。その結果を表2に示す。尚、表2におい
て、○印は、全てのダマが完全に消失したことを表し、
△印は、ダマが1〜2個、残存したことを表す。
【表2】 アルファー化米粉末 かたくり粉の添加量 の添加量 4g 5g 6g 7g 8g 9g 10g △ ○ ○ ○ ○ ○ 12g △ ○ ○ ○ ○ ○ 15g △ ○ ○ ○ ○ ○ 尚、かたくり粉9g添加の場合は、でんぷん特有の匂いが少し感じられた。
【0032】表2の結果から、アルファー化米粉末10
〜15gに対してかたくり粉末5〜8gを加配した場合
に、アルファー化米粉末を加水加熱した際に生じやすい
ダマの生成を防止できる効果があることが理解される。
【0033】
【発明の効果】以上、詳しく説明のとおり、本発明の嚥
下容易な粥状食品の素は、人体の細胞どうしをつなげる
働きをするコラーゲンから成るゼラチンの適量を加配し
てあるので、口の中でなじみやすく、口中の温度で簡単
に溶けて、誤嚥のおそれがほとんどない。本発明の嚥下
容易な粥状食品の素は、アルファー化米にでんぷん粉末
を加配してあるので、ダマを生じることなく、短時間の
加熱によって容易に糊化できる。しかもゼリー状に製す
ることができるので、口に含みやすい。またゼリー状で
あっても、口中の温度によって簡単に溶解し、嚥下が容
易であり、しかも消化吸収性がよい。したがって、本発
明の嚥下容易な粥状食品は、そのまま丸呑みしても何ら
差し支えない。
【0034】本発明の嚥下容易な粥状食品の素は、アミ
ラーゼで処理したアルファー化米を使用した場合、水又
は調味液を加えて加熱した際にさらに短時間で糊化させ
ることができ、かつ摂食後の消化吸収性が一段と向上す
るので、きわめて使用しやすくなる。
【0035】また、本発明の嚥下容易な粥状食品の素
は、1袋23gのものに製したときには、200ccの
水又は調味液を添加して短時間加熱するだけで、茶碗一
杯の粥状食品が得られるなど、任意の性状の粥状食品へ
の調製が容易となるので、家庭や病院などにおいてきわ
めて使用しやすく、また、携帯や保存にも便利である。
【0036】さらに、本発明の嚥下容易な粥状食品の素
は、微量栄養素、粉末調味料、食品香料などを添加でき
るので、味気ない療養食を個人の好みの食物に変えるこ
とができ、また健康の維持に必要な栄養素などを供給で
き、何よりも、患者や老衰者に「食べる喜び」を回復さ
せることができる。
【0037】本発明の嚥下容易な粥状食品の素は、乾燥
粉末状に製してあるので、軽量であり、しかも常温で長
期間保存しても変質するおそれがない。このように、本
発明の嚥下容易な粥状食品の素は、きわめてすぐれた効
果を有するので、嚥下機能や咀嚼機能に障害を有する者
にとって、きわめて力強い味方となる食品である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルファ化ー米及び/又はその粉末にで
    んぷん粉末とゼラチン粉末を配合して成る嚥下容易な粥
    状食品の素。
  2. 【請求項2】 アルファー化米及び/又はその粉末にで
    んぷん粉末とゼラチン粉末を配合して成り、さらに、カ
    ルシウム類、ビタミン類、ミネラル類などの微量栄養
    素、粉末みそ、粉末ポタージュ、粉末かつおぶしなどの
    粉末調味料、乾燥わかめの小片、細かく砕いた魚肉など
    の小片固形物、松茸フレーバー、ミルクフレーバーなど
    の食品香料のうちの任意のものを添加してある嚥下容易
    な粥状食品の素。
  3. 【請求項3】 アルファー化米及び/又はその粉末10
    〜15部、でんぷん粉末5〜8部、ゼラチン粉末1〜3
    部となるように構成して成る嚥下容易な粥状食品の素。
  4. 【請求項4】 アルファー化米及び/又はその粉末15
    gとでんぷん粉末5gとゼラチン粉末3gとを1袋に充
    填して密封包装して成る嚥下容易な粥状食品の素。
  5. 【請求項5】 アミラーゼで処理したアルファー化米を
    使用してある請求項1から4のいずれかに記載の嚥下容
    易な粥状食品の素。
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