JP3835544B2 - ゼリー乾燥物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、速やかに復元する乾燥ゼリーに関するものであって、嚥下補助剤、ゼリー状医薬品、デザートゼリー、インスタント食品用具材等に各種利用することができる。例えば嚥下補助剤に関しては、薬剤服用時や健康食品等の摂食時に通常の飲料水では薬剤の嚥下が困難な患者や小児、高齢者に対し、困難性や異物感などを与えることなく、薬剤の嚥下を容易にし又は促進することができる。しかも、凍結乾燥したことにより、長期間安定化、分割服用性の改善をはじめて達成したものである。
【0002】
【従来の技術】
小児のほか嚥下の困難な患者、特に高齢者等は、薬剤の服用が困難であり、粉末剤、顆粒剤及び錠剤などの剤形の薬剤を内服した場合、十分に嚥下できずに却って咽せてしまったり、口腔内に留まってしまったりして十分な治療効果が得られないばかりか、患者等自身も不快な思いをすることがあった。このため、錠剤を小型化したり、口腔内崩壊錠としたりする工夫がこらされてきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、剤形上の工夫では必らずしも充分な効果を得ることはできないし、各薬剤について多種類の剤形をそれぞれ用意する必要があって非常に煩雑であり且つコストも高いものとなり、実用面からも課題がある。
【0004】
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、種々の薬剤における嚥下を改善し、且つ簡便で通常の飲料水と代替でき、しかも薬効を阻害しない薬剤の嚥下補助剤にとどまらず、各種薬剤、各種剤型を問わず広範に適用することができ、また、健康食品やその材料にも適用することのできる、従来未知の新規なゼリーを提供することにある。
以下、本発明を嚥下補助剤を例にとって説明する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく、薬剤の内服において薬剤を嚥下し易くする剤について種々検討した結果、特定の糊料と水とを混合し、粘度又はゼリー強度を調整することにより、上記課題を解決することとし各種のゼリーを作製して試験を行ったが、未だ充分に満足できるものを得ることはできなかった。
【0006】
そこで、ゼリーの組成や性質に着目した発想を完全に転換して、一旦固化したゼリーに着目し、これを粒状物に砕いたところ、得られたゼリー粒状物は、各種剤形の薬剤を自由に包み込んで所望する大きさ形状とすることができ、しかもこれを嚥下したところ、きわめてスムースに嚥下できるというきわめて有用な新知見を得た。
【0007】
同一組成、同一物性のゼリーであっても、これを粒状物とした場合は、粒状物ではなく単なる塊状のままとした場合に比して、薬剤の包み込みが自由且つ容易に実施できるだけでなく、喉や食道にひっかかることなく、きわめて楽にしかもスムースに嚥下できる点できわめて特徴的である。
【0008】
薬剤を包み込んで服用するためにオブラートが知られているが、ゼリー粒状物はオブラートと同様に薬剤を包み込む能力がすぐれていることはもとより、嚥下する際の「のみ込み易さ」の点では、オブラートは口中で喉に付着したりして必らずしもスムースにはいかないのに対して、ゼリー粒状物はそのようなことはないし、オブラートのように水に濡れたりあるいは一寸した衝撃で溶けたりあるいは破れたりすることもなく、きわめてすぐれている。また、ゼリー粒状物は、薬剤を服用する際に常用される飲料水と同様に使用することができ、例えば両者を別々に服用することも可能であるし、また、薬剤を包み込むだけでなく、その表面に薬剤を付着せしめても嚥下がスムースに行うことができるという特徴も有するが、オブラートにはこのような作用はなく、新規且つ画期的である。
【0009】
このようにして、本発明者らは、ゼリー粒状物を用いてなる新規にして卓越した嚥下補助剤を新たに開発するのに成功したが、この成功に満足することなく更に研究を継続し、その過程において、一般に、ゼリーは保存しておくと、乾燥したり変質したりして、長期保存安定性に欠ける点があり、ゼリー粒状物も例外ではないことを確認し、更なる改善、改良の必要性を認めた。
【0010】
そこで、本発明者らは、更に研究、検討を行い、ゼリーにおける長期保存安定性欠如の原因のひとつが乾燥であるにもかかわわらず、発想を転換してあえて乾燥処理に着目し、多数の乾燥処理の中から特に凍結乾燥処理を選択し、そして更に、通常のゼリーではなく粒々に切断したゼリーを凍結乾燥したところ、復水性が飛躍的に上昇し、加水してわずか30秒〜1分程度でもとのゼリーに戻ることをはじめて見出し、上記問題点を解決するのに成功した。
【0011】
すなわち、ゼリーを普通の形で、単に乾燥しても、たとえ通常の凍結乾燥を実施しても、復元性に劣り、実用に供することはできないし、場合によっては加水しても復元しないこともあるが、これに対して、「粒々に切断する」というプロセスを導入することにより、復元の速度を飛躍的に向上させ、実用化をはじめて可能としたものである。
【0012】
そしてゼリーを切断するタイミングについても更に検討を行った結果、凍結乾燥前の状態においてでもよいし、凍結乾燥後の乾燥物の状態においてでもよいことも確認した。換言すれば、上記したゼリー粒状物を凍結乾燥してもよいし、大きなゼリー凍結乾燥物を細かく細断してもよいことをはじめて確認したのである。
【0013】
本発明は、上記した有用新知見に基づき更に研究の結果完成されたものであって、(A)ゼリー粒状物を凍結乾燥してなるゼリー乾燥物、及び/又は(B)凍結乾燥したゼリーを粒状に切断してなるゼリー乾燥物を用いてなること、を特徴とするドライタイプの嚥下補助剤に関するものであり、ドライゼリーを使用する全く新しいタイプの乾燥型嚥下補助剤を提供するものである。
【0014】
本発明に係る乾燥嚥下補助剤は、通常はこのように用時調製型に製剤化しておき、用時に加水して復元した後、使用すればよい。また、所望する場合、本嚥下補助剤は、復元用の水と共にキットを組むことができ、このキットを使用すれば、用時に加水、復元することがきわめて容易に行われ、大変便利である。用意しておく水の量は適宜でよいが、凍結乾燥で除去された水分量と同量の水を用意するのが好ましい。復元はきわめて短時間(30秒〜1分程度でも可能)に行われ、きわめて実用的である。
【0015】
上記したように、本発明に係るゼリー乾燥物は、ゼリー粒状物を乾燥してなるか、あるいは乾燥したゼリーを粒状に切断してなるものであって、一定の水を加えることで速やかに元のゼリーに復元できるという特性を有するものであるが、このような物質はそれ自体新規であり、きわめて有用性が高いものである。
【0016】
そして更に研究の結果、本発明に係るゼリー乾燥物は、嚥下補助剤にとどまらず、ゼリー状医薬品、デザートゼリー、インスタント食品用具材等に広範に利用できることも確認され、これらの有用新知見に基づいて、本発明は遂に完成されたものである。
【0017】
本発明の非限定的な実施態様は次のとおりである。
【0018】
(態様1) ゼリー粒状物を凍結乾燥してなり、一定量の水を加えることで速やかに元のゼリーに復元するゼリー乾燥物。
(態様2) 乾燥したゼリーを粒状に切断してなり、一定量の水を加えることで速やかに元のゼリーに復元するゼリー乾燥物。
(態様3) 乾燥の方法が凍結乾燥であること、を特徴とする態様1又は2に記載のゼリー乾燥物。
(態様4) ゼリー粒状物が、凝固剤の存在下又は不存在下においてゲル化剤をゲル化してなるゼリーを孔又は網から押し出すこと、あるいは、ゲル化したゼリーを切断することによって得られるものであること、を特徴とする態様1又は3に記載のゼリー乾燥物。
(態様5) ゼリー粒状物が、ゲル化剤を凝固液中に注入又は滴下してゲル化してなるゼリーであること、を特徴とする態様1又は3に記載のゼリー乾燥物。
(態様6) ゼリーが、キサンタンガムとローカストビーンガムの混合物、キサンタンガムとタラガムの混合物、キサンタンガムとコンニャクマンナンの混合物、ジェランガム、ネイティブジェランガム、カラギーナン、カラギーナンとローカストビーンガムの混合物、ペクチンから選ばれる少なくとも一つをゲル化したものであること、を特徴とする態様1〜5のいずれか1項に記載のゼリー乾燥物。
(態様7) ゼリー粒状物として、キサンタンガムとローカストビーンガムの混合物、キサンタンガムとタラガムの混合物、キサンタンガムとコンニャクマンナンの混合物、ジェランガム、ネイティブジェランガム、カラギーナン、カラギーナンとローカストビーンガムの混合物、ペクチンから選ばれる少なくとも一つをゲル化したものを篩から押し出し、これを切断してなるものを使用すること、を特徴とする態様1〜6のいずれか1項に記載のゼリー乾燥物。
(態様8) 態様1〜7のいずれか1項に記載したゼリー乾燥物に水を加え、復元したゼリーを用いてなり、薬剤とともに服用されてその嚥下を容易にし、且つ薬効を阻害しない嚥下困難者用嚥下補助剤であること、を特徴とする嚥下補助剤。
(態様9) キサンタンガムとローカストビーンガムの混合物、キサンタンガムとタラガムの混合物、キサンタンガムとコンニャクマンナンの混合物、ジェランガム、ネイティブジェランガム、カラギーナン、カラギーナンとローカストビーンガムの混合物、ペクチンから選ばれる少なくとも一つを溶解してなる溶解液を凍結乾燥用の容器に流し込み、これを凍結した後、減圧下で乾燥し、得られた凍結乾燥ゼリーを切断してなるゼリー乾燥物を用いてなること、を特徴とする嚥下補助剤。
(態様10) 更に、粘性を有する糊料を用いてなること、を特徴とする態様8又は9に記載の嚥下補助剤。
(態様11) ゼリー粒状物が、薬効及びその材料から選ばれる少なくとも一つを混入(溶解又は分散)したものであること、を特徴とする態様8〜10のいずれか1項に記載の嚥下補助剤。
(態様12) 態様1〜7のいずれか1項に記載したゼリー乾燥物に、タンパク質や炭水化物、ビタミン類、調味料等を含有させたもしくは混合してなり、摂食時に水を加えることでゼリー状の物性に復元すること、を特徴とする高齢者用食品。
(態様13) 態様1〜7のいずれか1項に記載したゼリー乾燥物に予め薬物を混入(溶解又は分散)させておいたゼリー乾燥物からなり、服薬時に水を加えることで速やかに元の物性に復元すること、を特徴とする薬物を含有したゼリー。
(態様14) 態様1〜7のいずれか1項に記載したゼリー乾燥物に、顆粒剤もしくは散剤である薬物を混合してなり、服薬時に水を加えることで速やかに元の物性に復元すること、を特徴とする薬物を含有したゼリー。
(態様15) 摂食時に態様1〜7のいずれか1項に記載したゼリー乾燥物に水を加え、復元したゼリーを用いてなるこを、を特徴とするゼリー。
(態様16) 摂食時に態様1〜7のいずれか1項に記載したゼリー乾燥物に水を加え、復元したゼリーを用いてなること、を特徴とするインスタント食品用具材。
(態様17) 態様1〜7のいずれか1項に記載したゼリー乾燥物からなること、を特徴とする乾燥嚥下補助剤、高齢者用乾燥食品、薬物を含有した乾燥ゼリー、乾燥デザートゼリー、インスタント食品用乾燥具材から選ばれる少なくとも一つ。
【0019】
以下、本発明について詳述する。
【0020】
本発明を実施するにおいて、その1態様としてゼリー粒状物を使用する。ゼリー粒状物は、ゼリーを成形してなるものであって、大きさ、形状は使用する薬剤、服用者の年齢や症状等によって適宜定めることができ、広範に対応できる点でもすぐれている。
【0021】
ゼリー粒状物の製造方法としては、成形ゼリーを製造できる方法がすべて採用可能であって、一旦ゲル化したゼリーを粒状に成形する方法のほか、ゲル化工程において粒状化する方法のいずれもが採用可能である。
【0022】
前者としては、例えば次の方法が挙げられる。すなわち、凝固剤の存在下又は不存在下においてゲル化剤をゲル化してなるゼリーを孔又は網から押し出し、所望の大きさに切断したり、あるいは、ゲル化したゼリーを切断したり成形したりする方法が挙げられる。
【0023】
後者としては、例えばゲル化剤を凝固液中に注入又は滴下してゲル化する方法、が挙げられる。通常、滴下した場合には球形ないし楕円形のゼリーが得られ、注入の場合には線状、棒状ないし紐状のゼリーが得られるので、所望の大きさに切断するのが好適である。
【0024】
このようにして、ゼリー粒状物が得られるが、必要あれば、上記によりゲル化したゼリー粒状物を更に所望の大きさ、形状に成形してもよい。したがって、本発明において粒状物とは、粒状を呈するもののほか、各種形状、各種断面、各種大きさのものがすべて包含される。その非限定例として、球形、楕円球形、円柱形、角柱形、丸紐状、平紐状、円板状、角板状、これらの内部を中空にしたもの、これらにひねりを加えたもの等が挙げられる。粒々に切断、粒状に切断も同意である。
【0025】
その大きさもゼリーの種類、使用薬剤、服用者の年齢、症状等にしたがって適宜定めることが可能であり、一般的には、目の開きが0.5〜15mmの篩を通してゼリーを押し出し、これを0.5〜10mmの長さに切断したものが使用可能であるが、この大きさは上記範囲に特に限定されるものではない。
【0026】
ゼリーの製造は常法にしたがって行えばよく、ゲル化剤に水を加えて、必要あれば加温し、攪拌溶解した後、ゲル化させればよい。なお所望すれば、コンニャクの場合のアルカリ、低メトキシペクチンの場合の金属多価イオン、アルギン酸の場合のカルシウム等、凝固剤の存在下でゲル化を行ってもよい。ゲル化剤としては、例えば、キサンタンガム及びローカストビーンガムの混合物、キサンタンガム及びタラガムの混合物、キサンタンガム及びコンニャクマンナンの混合物、ジェランガム、脱アシル化していないネイティブジェランガム、カラギーナン、カラギーナン及びローカストビーンガムの混合物、ペクチン等が非限定的に例示される。
【0027】
また、ゼリーは次のようにして製造してもよい。例えば、カルシウム含有水にアルギン酸ナトリウムを添加してカルシウム塩として凝固させたり、コンニャク糊を細孔から熱石灰乳液に押し出したり、滴下したりして固化させて、ゼリーを製造してもよい。
【0028】
なお、いずれの方法においても、ゲル化促進剤(クエン酸、クエン酸三ナトリウムその他)、糖類(マンニトール、エリスリトール、アスパルテーム、ステビア、グルコース等)、その他の添加剤を使用することができる。
【0029】
ゲル化剤としては、アラビアガム、寒天、カラギナン、ジェランガム、ネイティブジェランガム、ファーセレラン、ゼラチン、ペクチン、カードラン、ローカストビーンガム、タラガム、グアーガム、キサンタンガム、アルギン酸、アルギン酸塩、アゾトバクタービネランジガム、アカシアガム、サイリュームシードガム、タマリンドガム、CMCNa、CMCCa、乳清蛋白、澱粉及び化工澱粉から成る群より選ばれた少なくともひとつが挙げられる。
【0030】
このようにして調製してなるゼリー粒状物に粘性を付与することを所望する場合、又は、粘性を有するゼリー粒状物に更に粘性を付与することを所望する場合には、粘性を有する物質を塗布したり、スプレーしたり、被覆したりしてゼリー粒状物に付与、適用することができる。粘性物質としては、上記したゲル化剤の内から粘性を有するものを選択して使用したり、デキストリン、アラビアゴム、CMC、コンニャクゼリー等を使用することができる。
【0031】
コンニャクゼリーは、ゲル化が完了する以前に反応を停止させたものであって、pH8.0〜10.5、好ましくは8.2〜10.0で、好適な粘性を有し、例えば、次のようにして製造することができる。すなわち、コンニャク粉に水を加えて膨潤溶解せしめ次いで塩基性アミノ酸、塩基性塩類又は両者の混合物を添加混合するか;又は塩基性アミノ酸、塩基性塩類又は両者の混合物を予め添加混合した水をコンニャク粉に加えるか;又はコンニャク粉に塩基性アミノ酸、塩基性塩類又は両者の混合物を予め混合し、次いで水を混合物に添加して膨潤溶解したものを加熱し、急冷却して、ゲル化が完了する以前に反応を停止させてコンニャクゼリーを製造することができる。なおコンニャク粉に添加する水の量は、通常、コンニャク粉の20〜100倍が好適である。得られたコンニャクゼリーは、そのまま又は水で希釈して使用する。
【0032】
このようにして調製したゼリー粒状物は、凍結乾燥する。凍結乾燥は、常法によればよく、予備凍結(−20℃以下)した後、比較的高真空(5〜0.05Torr、更に好ましくはこの範囲以下)で水分を除去して乾燥させる方法がすべて適宜採用可能である。
【0033】
例えば、可及的低温(−30〜−90℃)で急速に予備凍結した後、凍結乾燥機内において、−10〜−70℃、例えば−30〜−50℃で減圧下において(5〜70Torr、好ましくは10〜50Torr、更に好ましくはこの範囲以下、例えば0.1Torr程度の真空度)、乾燥を実施し、真空度はこのまま維持したまま、乾燥機の温度を15〜70℃、好ましくは20〜30℃に上昇させて、更に乾燥させればよい。
【0034】
このようにして、ゼリー粒状物を凍結乾燥してなるゼリー乾燥物(つまり、凍結前粉砕法によるゼリー乾燥物)を調製することができる。
【0035】
また本発明においては、上記のほか、凍結乾燥したゼリーを切断してなるゼリー乾燥物(つまり、凍結後粉砕法によるゼリー乾燥物)を調製し、これを用いてなる嚥下補助剤も本発明に包含される。
【0036】
この凍結後粉砕法によるゼリー乾燥物を調製するには、先ず、ゼリーを製造する。ゼリーは、既述した方法にしたがって製造すればよく、その凍結乾燥も既述した方法にしたがって実施すればよい。このようにして凍結乾燥したゼリーは、既述したところにしたがい、カッター等により適宜粒状に切断すればよい。その大きさは、上記したとおりであるが、例えば1〜3mm程度のサイコロ状とすることができ、すぐれた復元性が得られる。
【0037】
このようにして、ゼリー乾燥物が得られる。本発明に係るゼリー乾燥物は、嚥下補助剤その他各種の用途に広く利用できる。
【0038】
例えば、本発明に係る嚥下補助剤は、ドライタイプではあるが、加水すれば短時間にもとの状態に復元することができる。したがって、本発明においては、嚥下補助剤それ自体を製品とできることはもちろんのこと、用時調製型を更にすすめて、嚥下補助剤に復元用の水を入れた容器をセットにして製品とすることも可能である。
【0039】
上述のようにして得られた嚥下補助剤は、加水して復元した後、各種薬剤とともに服用に供することができ、例えば、予め薬剤と嚥下補助剤とを混合しておき、得られた混合物を口に入れ、嚥下してもよいし、薬剤を口内に含んだ後、嚥下補助剤を水の代わりに口内に入れて、嚥下してもよい。
【0040】
前者の場合、本発明に係る嚥下補助剤は所望する大きさ、形状とすることが適宜自由に可能であるので、どのような大きさ、剤型に製剤された薬剤にも対応することができ、薬剤を包み込んだり、内部に埋め込んだり、表面に付着せしめたり、あるいは薬剤と混合したりして、得られた混合物を口に入れて嚥下することができる。以上、本発明を薬剤の嚥下について述べてきたが、薬剤のほか、健康食品(ビタミン、ミネラル、繊維、酵母、サプリメント等)やその材料の嚥下も本発明の嚥下補助剤に包含されるものである。
また、薬剤は、ゼリー及び/又はゼリー粒状物に別添してもよいし、あるいはその中にあらかじめ溶解又は分散させておいてもよく、その場合には、ゼリー状医薬品として嚥下しやすい薬剤自体になる。
【0041】
また、本発明に係るゼリー乾燥物は、これを飲食品に添加することにより、ゼリーが吸水して、飲食品にトロミが付与され、飲食品の嚥下が容易なものとなる。したがって、例えばインスタントスープやインスタントラーメン等に本ゼリー乾燥物を具材とともに添えておき、これを水や湯によって加水してトロミをつけることができる。
【0042】
例えば、本発明によれば、ゼリー乾燥物に、タンパク質、炭水化物、ビタミン、調味料等の食品、食品素材、各種成分を含有もしくは混合してなり、あるいは、これらのタンパク質等をあらかじめ配合して製造したゼリー乾燥物からなり、摂食時に水を加えることで、ゼリー状の物性に復元すると、健常者はもとより、乳幼児、高齢者、病弱者、予後の患者等の飲み易い飲食品を製造することができる。
【0043】
しかも、ゼリー乾燥物は、乾燥しているため、長期保存や取扱いが楽であり、しかも用時に加水すれば容易に復元するので利便性、即席性においてもすぐれている。
【0044】
更にまた、上記したように、本発明に係るゼリー乾燥物は、乾燥しているため保存性にすぐれ、しかも復元性にもすぐれているので、ゼリーの中にスープ、ダシ汁、味噌汁、コーヒー、紅茶、ココア、シルコ、ゼンザイ等を溶解、懸濁しておけば、これらの即席飲食品が製造され、水や湯を加水するだけで容易且つ短時間にスープ等を調理することができるし、更に即席麺(ラーメン、ウドン、ソバ等)や味噌汁用の各種具材(野菜、海藻、魚介類その他)をゼリー内に添加しておき、即席食品用具材としても使用することもできる。
【0045】
そして更に、本発明に係るゼリー乾燥物は、ゼリーに糖類その他の甘味料、酸味料、果実等を添加しておき、デザートやお菓子として従来用いられてきた各種ゼリー製品とすることができ、この乾燥製品に加水するだけで、ごく短時間にもとのゼリーに復元することができるため、すぐれたデザートゼリーとしても利用できる。
なお、本発明に係るゼリー乾燥物は、水のほか、湯、牛乳、だし汁、スープ、糖液等により復元可能であり、液温も適宜選択できる。
【0046】
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0047】
【実施例1】
凍結前粉砕法の実施例を以下に述べる。
【0048】
(1)ゼリーの調製−その1
キサンタンガム(キサンタンガムPA、伊那食品工業株式会社製)5.85g、ローカストビーンガム(RL−200−J、三晶株式会社製)5.85g、アスパルテーム0.325gを混合したものを、637.975gの攪拌している水の中に少量ずつ加えた。85℃まで加温して更に攪拌し、添加物を完全に溶解させた。得られた溶解液をプラスチックカップに充填し、密閉して固化するまで室温で放置した。固化したゼリーを、目の開きが2mmのステンレス製篩(JIS Z8801、東京スクリーン株式会社製)の上に置き、底が平らになった棒でゼリーを押しつぶすようにして篩を通過させ、押し出されてきたゼリーを金属製スパーテルを用いて約1〜3mmの長さに切断し、粒状のゼリー組成物を得た。得られた粒状ゼリー組成物は、プラスチックカップに5gずつ充填し、アルミラミネートフィルムで上部を密閉した。
【0049】
(2)ゼリーの調製−その2
キサンタンガム(キサンタンガムPA、伊那食品工業株式会社製)5.2g、タラガム(イナゲルTR−10、伊那食品工業株式会社製)5.2g、アスパルテーム0.325gを混合したものを、639.275gの攪拌している水の中に少量ずつ加えた。85℃まで加温して更に攪拌し、添加物を完全に溶解させた。得られた溶解液をプラスチックカップに充填し、密閉して固化するまで室温で放置した。固化したゼリーを、目の開きが2mmのステンレス製篩(JIS Z8801、東京スクリーン株式会社製)の上に置き、底が平らになった棒でゼリーを押しつぶすようにして篩を通過させ、押し出されてきたゼリーを金属製スパーテルを用いて約1〜3mmの長さに切断し、粒状のゼリー組成物を得た。得られた粒状ゼリー組成物は、プラスチックカップに5gずつ充填し、アルミラミネートフィルムで上部を密閉した。
【0050】
(3)ゼリーの調製−その3
ネイティブジェランガム(ケルコゲルLT100、大日本製薬株式会社製)7.8g、アスパルテーム0.325gを混合したものを、641.875gの攪拌している水の中に少量ずつ加えた。85℃まで加温して更に攪拌し、添加物を完全に溶解させた。得られた溶解液をプラスチックカップに充填し、密閉して固化するまで室温で放置した。固化したゼリーを、目の開きが2mmのステンレス製篩(JIS Z8801、東京スクリーン株式会社製)の上に置き、底が平らになった棒でゼリーを押しつぶすようにして篩を通過させ、押し出されてきたゼリーを金属製スパーテルを用いて約1〜3mmの長さに切断し、粒状のゼリー組成物を得た。得られた粒状ゼリー組成物は、プラスチックカップに5gずつ充填し、アルミラミネートフィルムで上部を密閉した。
【0051】
(4)ゼリーの調製−その4
ジェランガム(KELCO GEL、三晶株式会社製)6.5g、アスパルテーム0.325gを混合したものを、642.85gの攪拌している水の中に少量ずつ加えた。95℃まで加温して更に攪拌し、添加物を完全に溶解させた。その後、乳酸カルシウム0.325gを加え、更に攪拌して溶解させた。得られた溶解液をプラスチックカップに充填し、密閉して固化するまで室温で放置した。固化したゼリーを、目の開きが2mmのステンレス製篩(JIS Z8801、東京スクリーン株式会社製)の上に置き、底が平らになった棒でゼリーを押しつぶすようにして篩を通過させ、押し出されてきたゼリーを金属製スパーテルを用いて約1〜3mmの長さに切断し、粒状のゼリー組成物を得た。得られた粒状ゼリー組成物は、プラスチックカップに5gずつ充填し、アルミラミネートフィルムで上部を密閉した。
【0052】
(5)ゼリーの調製−その5
ゲル化剤としてアルギン酸ナトリウム(1%溶液)を用い、これを凝固液(カルシウム含有液)中に滴下して、ほぼ球状の(直径約5mm)ゼリー粒状物を得た。これにコンニャクゼリーを混合して、まとまりが良くしかも嚥下しやすいゼリー粒状物を得た。なおコンニャクゼリーは次のようにして製造した。先ずコンニャク粉16gに0.2%炭酸ナトリウム、0.1%リン酸1ナトリウム液1Lを加えて膨潤せしめた。次いでこれを合成樹脂製の容易に充填して80℃で15分間加熱した後、冷却してコンニャクゼリーを製造した。
更に、上記実施例において、糊料としてコンーニャクゼリーに代えてCMCNaを用い、まとまりが良く嚥下しやすいゼリー粒状物を製造した。
【0053】
(6)ゼリーの調製−その6
カッパタイプのカラギーナン(WR−78、三晶株式会社製)1.95g、ローカストビーンガム(RL−200−J、三晶株式会社製)1.95g、アスパルテーム0.325gを混合したものを、645.775gの攪拌している水の中に少量ずつ加えた。85℃まで加温してさらに攪拌し、添加物を完全に溶解させた。得られた溶解液をプラスチックカップに充填し、密閉して固化するまで室温で放置した。固化したゼリーを、目の開きが2mmのステンレス製篩(JISZ8801、東京スクリーン株式会社製)の上に置き、底が平らになった棒でゼリーを押しつぶすようにして篩を通過させ、押し出されてきたゼリーを金属製スパーテルを用いて約1〜3mmの長さに切断し、粒状のゼリー組成物を得た。得られた粒状ゼリー組成物は、プラスチックカップに5gずつ充填し、アルミラミネートフィルムで上部を密閉した。
【0054】
(7)ゼリーの調製−その7
ペクチン(LM−84AS、三晶株式会社製)9.75gを、548.99gの攪拌している水の中に少量ずつ加えた。85℃まで加温し攪拌しながら、15%クエン酸溶液17.29g、アスパルテーム0.325gを少量ずつ加え、さらに85℃まで加温し再び攪拌しながら、15%乳酸カルシウム溶液73.645gを少量ずつ加えた。再度85℃まで加温して攪拌し、添加物を完全に溶解させた。得られた溶解液をプラスチックカップに充填し、密閉して固化するまで室温で放置した。固化したゼリーを、目の開きが2mmのステンレス製篩(JISZ8801、東京スクリーン株式会社製)の上に置き、底が平らになった棒でゼリーを押しつぶすようにして篩を通過させ、押し出されてきたゼリーを金属製スパーテルを用いて約1〜3mmの長さに切断し、粒状のゼリー組成物を得た。得られた粒状ゼリー組成物は、プラスチックカップに5gずつ充填し、アルミラミネートフィルムで上部を密閉した。
【0055】
このようにして製造したゼリー粒状物は、プラスチックカップに5gずつ充填し、アルミラミネートフィルムで上部を密閉した。
【0056】
(8)ゼリーの凍結乾燥
ゼリーの充填されたプラスチックカップの上部のフィルムをはがし、カップを凍結乾燥用のトレーに並べた。そのトレーを−80℃の凍結機の中に4時間入れて、ゼリーを十分に凍結させた。次いで、トレーを凍結乾燥機(米国FTS SYSTEMS社製、Dura−Stop MP/Dura−Top MP Tray Dryers)に入れ、−40℃で20時間、減圧下で乾燥を実施した。この時の真空度は15〜40mTorrであった。次に、真空度はそのままの状態で、乾燥機の温度を25℃に上昇させ、更にゼリーを十分に乾燥させた。凍結乾燥機からカップを取り出し、すぐにアルミラミネートフィルムで上部を密閉した。
【0057】
(9)復元性の確認
上記実験例で得られたドライゼリーの入ったプラスチックカップに、水4mLを加え、スプーンでよく攪拌したところ、20秒後には完全につぶつぶ状ゼリーの塊に復元した。
【0058】
【実施例2】
凍結後粉砕法の実施例を以下に述べる。
【0059】
(1)ゼリーの調製−その1
キサンタンガム(キサンタンガムPA、伊那食品工業株式会社製)5.85g、ローカストビーンガム(RL−200−J、三晶株式会社製)5.85g、アスパルテーム0.325gを混合したものを、637.975gの攪拌している水の中に少量ずつ加えた。85℃まで加温して更に攪拌し、添加物を完全に溶解させた。得られた溶解液を凍結乾燥用の金属製トレーに、液の厚さが1cm以下になるように流し込んだ。
【0060】
(2)ゼリーの調製−その2
キサンタンガム(キサンタンガムPA、伊那食品工業株式会社製)5.2g、タラガム(イナゲルTR−10、伊那食品工業株式会祉製)5.2g、アスパルテーム0.325gを混合したものを、639.275gの攪拌している水の中に少量ずつ加えた。85℃まで加温して更に攪拌し、添加物を完全に溶解させた。得られた溶解液を凍結乾燥用の金属製トレーに、液の厚さが1cm以下になるように流し込んだ。
【0061】
(3)ゼリーの調製−その3
ネイティブジェランガム(ケルコゲルLT100、大日本製薬株式会社製)7.8g、アスパルテーム0.325gを混合したものを、641.875gの攪拌している水の中に少量ずつ加えた。85℃まで加温して更に攪拌し、添加物を完全に溶解させた。得られた溶解液を凍結乾燥用の金属製トレーに、液の厚さが1cm以下になるように流し込んだ。
【0062】
(4)ゼリーの調製−その4
ジェランガム(KELCO GEL、三晶株式会社製)6.5g、アスパルテーム0.325gを混合したものを、642.85gの攪拌している水の中に少量ずつ加えた。95℃まで加温して更に攪拌し、添加物を完全に溶解させた。その後、乳酸カルシウム0.325gを加え、更に攪拌して溶解させた。得られた溶解液を凍結乾燥用の金属製トレーに、液の厚さが1cm以下になるように流し込んだ。
【0063】
(5)ゼリーの調製−その5
カッパタイプのカラギーナン(WR−78、三晶株式会社製)1.95g、ローカストビーンガム(RL−200−J、三晶株式会社製)1.95g、アスパルテーム0.325gを混合したものを、645.775gの攪拌している水の中に少量ずつ加えた。85℃まで加温してさらに攪拌し、添加物を完全に溶解させた。得られた溶解液を凍結乾燥用の金属製トレーに、液の厚さが1cm以下になるように流し込んだ。
【0064】
(6)ゼリーの調製−その6
ペクチン(LM−84AS、三晶株式会社製)9.75gを、548.99gの攪拌している水の中に少量ずつ加えた。85℃まで加温し攪拌しながら、15%クエン酸水溶液17.29g、アスパルテーム0.325gを少量ずつ加え、さらに85℃まで加温し再び攪拌しながら、15%乳酸カルシウム溶液73.645gを少量ずつ加えた。再度85℃まで加温して攪拌し、添加物を完全に溶解させた。得られた溶解液を凍結乾燥用の金属製トレーに、液の厚さが1cm以下になるように流し込んだ。
【0065】
(7)ゼリーの凍結乾燥
得られたゼリーの入ったトレーを−80℃の凍結機の中に4時間入れて、ゼリーを十分に凍結させた。次いで、トレーを凍結乾燥機(米国FTS SYSTEMS社製、Dura−Stop MP/Dura−Top MP Tray Dryers)に入れ、−40℃で20時間、減圧下で乾燥を実施した。この時の真空度は15〜40mTorrであった。次に、真空度はそのままの状態で、乾燥機の温度を25℃に上昇させ、更にゼリーを十分に乾燥させた。
【0066】
(8)乾燥物の粉砕
得られたゼリーのシート状乾燥物をカッターで二方向に切断して、大きさ1mm〜3mmの賽子状にした。篩を用いて微粉と大きな塊を取り除き、整粒されたドライゼリーを得た。
【0067】
(9)復元性の確認
上記実験例で得られたドライゼリー0.1gを、プラスチックカップに量りとった。このカップに水4mLを加え、スプーンでよく攪拌したところ、20秒後には完全につぶつぶ状ゼリーの塊に復元した。
【0068】
【発明の効果】
本発明に係るゼリー乾燥物は、通常のゼリーの使用や単にトロミをつけるというものではなく、ゼリー粒状物という固化したゼリーを更に加工処理して成形したものであって、従来の概念と全く相違する新規にして画期的なものである。
【0069】
したがって、これを嚥下補助剤として利用した場合、薬剤や健康食品、その原料、素材との混合、包み込みが容易であって、その大きさ、剤型のいずれにも対応することができ、しかも嚥下し易いようにその大きさ、形状を適宜自由にコントロールすることができ、しかも粒状物としたことにより、同一のゲルであっても粒状物としない場合に比して嚥下し易いし、薬剤等との混合も容易である。
【0070】
そのうえ更に、本発明においてはこのゼリーを凍結乾燥してドライタイプの嚥下補助剤等ドライゼリーとした点に格別の特徴を有するものである。
【0071】
ゼリーは長期保存安定性が劣るが、乾燥し、用時調製型にすることで安定性を向上させるのに成功した。通常の凍結乾燥では、復水性に劣り実用に向いていないが、粒粒に切断した後、凍結乾燥することにより復水性を向上させるのにも成功した。更に、ゼリー状の医薬品は分割服用が困難であるが、乾燥状態にすることにより、秤量が容易になった。
【0072】
この発明によって得られるドライゼリーは、例えば以下のような利用法が可能である。
(1)嚥下補助剤としての利用
(2)ゼリー状医薬品としての利用(=あらかじめ医薬をゼリーに溶解、もしくは分散させておく)
(3)食品素材としての利用(=例えばスープ・インスタント麺類等の具材など)
(4)従来からある嗜好品のゼリーとしての利用
Claims (5)
- キサンタンガムとローカストビーンガムの混合物、キサンタンガムとタラガムの混合物から選ばれる少なくともひとつを溶解してなる溶解液を凍結乾燥用の容器に流し込み、これを凍結した後、減圧下で乾燥し、得られた凍結乾燥ゼリーを1mm〜3mmの大きさに切断してなり、一定量の水を加えることで、速やかに元のゼリーに復元するものであること、を特徴とするゼリー乾燥物。
- 請求項1に記載したゼリー乾燥物からなり、薬剤の服用時に一定量の水を加えることでゼリーに復元し、薬剤とともに服用されてその嚥下を容易にし、且つ薬効を阻害しない嚥下困難者用嚥下補助剤であること、を特徴とする嚥下補助剤。
- 請求項1に記載したゼリー乾燥物を用いてなり、これにタンパク質や炭水化物、ビタミン類、調味料等を含有させたもしくは混合してなるものであって、摂食時に水を加えることでゼリー状の物性に復元すること、を特徴とする高齢者用食品。
- 請求項1に記載したゼリー乾燥物を用いてなり、これに予め薬物を混入(溶解又は分散)させておいたゼリー乾燥物からなるものであって、服薬時に水を加えることで速やかに元の物性に復元すること、を特徴とする薬物を含有したゼリー。
- 請求項1に記載したゼリー乾燥物を用いてなり、これに顆粒剤もしくは散剤である薬物を混合してなるものであって、服薬時に水を加えることで速やかに元の物性に復元すること、を特徴とする薬物を含有したゼリー。
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