JPH0697961B2 - 食品用凝固剤及びこれを使用した成形食品の製法 - Google Patents
食品用凝固剤及びこれを使用した成形食品の製法Info
- Publication number
- JPH0697961B2 JPH0697961B2 JP60205418A JP20541885A JPH0697961B2 JP H0697961 B2 JPH0697961 B2 JP H0697961B2 JP 60205418 A JP60205418 A JP 60205418A JP 20541885 A JP20541885 A JP 20541885A JP H0697961 B2 JPH0697961 B2 JP H0697961B2
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- JP
- Japan
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- food
- coagulant
- gelatin
- calcium
- pectin
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- Seeds, Soups, And Other Foods (AREA)
- Jellies, Jams, And Syrups (AREA)
- Meat, Egg Or Seafood Products (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、食品用凝固剤とこれを使用した成形食品の製
法に関する。
法に関する。
よりくわしくは、高齢者や病弱者、歯のない者、或いは
脳神経障害や口腔・咽頭部の手術等によって嚥下機能に
障害を有する者でも食べやすい成形食品を製造する際に
使用する食品用凝固剤とこれを使用して成形食品を製造
する方法に関する。
脳神経障害や口腔・咽頭部の手術等によって嚥下機能に
障害を有する者でも食べやすい成形食品を製造する際に
使用する食品用凝固剤とこれを使用して成形食品を製造
する方法に関する。
<従来の技術> 近時、高齢者・病弱者等のいわゆる「弱者」を対象とす
る食品の開発は逐次進められているが、未だ十分とは言
えない。高齢者・病弱者は、歯が弱っていたり体力が低
下しているので、食品を、咀しやくする力、嚥み下す
力、また食品を消化する機能等に衰えが生じていること
が多く、通常の食事を摂食するのは無理な場合が多い。
また、嚥下機能に障害を有する者においても、食品を咀
しやくする力や嚥み下す力については同様の状況にあ
る。したがって、これ等の弱者達には、食品を摩砕した
摩砕状食や食品を搾ったり溶かしたりした流動状食を供
することが一般的である。しかしながら、摩砕食・流動
食は作るのが大変であるうえ、上記の弱者達にあって
は、摂食時に食器を傾けてこぼしたり、口外に流失して
身辺を汚すこと等があり、介護する者の負担も大きくな
る。そのうえ、これ等弱者にあっても、このような流動
状の食事ばかりではつまらないし、できることなら、通
常の固形食品を喫したいところである。
る食品の開発は逐次進められているが、未だ十分とは言
えない。高齢者・病弱者は、歯が弱っていたり体力が低
下しているので、食品を、咀しやくする力、嚥み下す
力、また食品を消化する機能等に衰えが生じていること
が多く、通常の食事を摂食するのは無理な場合が多い。
また、嚥下機能に障害を有する者においても、食品を咀
しやくする力や嚥み下す力については同様の状況にあ
る。したがって、これ等の弱者達には、食品を摩砕した
摩砕状食や食品を搾ったり溶かしたりした流動状食を供
することが一般的である。しかしながら、摩砕食・流動
食は作るのが大変であるうえ、上記の弱者達にあって
は、摂食時に食器を傾けてこぼしたり、口外に流失して
身辺を汚すこと等があり、介護する者の負担も大きくな
る。そのうえ、これ等弱者にあっても、このような流動
状の食事ばかりではつまらないし、できることなら、通
常の固形食品を喫したいところである。
<本発明が解決しようとする問題点> 以上のように高齢者・病弱者、歯のない者、或いは嚥下
機能に障害を有する者でも楽に食することができる固形
食品(成形食品)の開発が待たれている。
機能に障害を有する者でも楽に食することができる固形
食品(成形食品)の開発が待たれている。
そこで本発明は、口中で咀しやく不十分か、または咀し
やくしないでも、嚥み下しやすくまたは消化されやすい
成形食品の製法とその製造に使用する食品用凝固剤を提
供することを目的とするものである。
やくしないでも、嚥み下しやすくまたは消化されやすい
成形食品の製法とその製造に使用する食品用凝固剤を提
供することを目的とするものである。
この目的にそった凝固剤を開発すべく、本発明者は、摩
砕食や流動食を、寒天・アルギン酸・カラギーナン等を
それぞれ単独に用いて凝固させてみたが、いずれの場合
も羊羹状に固く凝固するのみであった。そこで、軟かく
凝固させるのを目的として、特公昭59−4104号にローメ
トキシルペクチンとカルシウムイオンの結合を利用して
ゲル状食品を作る方法が開発されているので、この方法
を試みた。しかし、この方法により得られたゲル状食品
は、軟質のゲル状食品にはなったが、口に入れてもベタ
つき、口どけの悪いものであった。このように従来から
用いられている凝固剤は、本発明の目的を達し得るもの
ではなかった。
砕食や流動食を、寒天・アルギン酸・カラギーナン等を
それぞれ単独に用いて凝固させてみたが、いずれの場合
も羊羹状に固く凝固するのみであった。そこで、軟かく
凝固させるのを目的として、特公昭59−4104号にローメ
トキシルペクチンとカルシウムイオンの結合を利用して
ゲル状食品を作る方法が開発されているので、この方法
を試みた。しかし、この方法により得られたゲル状食品
は、軟質のゲル状食品にはなったが、口に入れてもベタ
つき、口どけの悪いものであった。このように従来から
用いられている凝固剤は、本発明の目的を達し得るもの
ではなかった。
<問題点を解決するための手段> そこで本発明者は、さらに研究の結果凝固剤の原料とし
て、特定のペクチンとゼラチンを併用し、かつ、特定の
割合でペクチン、カルシウム、ゼラチンを使用すること
によって、問題点が解決できるとの知見を得て本発明を
完成させた。すなわち、本発明の食品用凝固剤は、カル
シウム結合ペクチンとゼラチンとを有効成分とし、か
つ、ペクチン、カルシウム、ゼラチンの割合がそれぞれ
1〜4対0.1〜2対1〜3であることを特徴とするもの
であり、また成形食品の製法は、カルシウム結合ペクチ
ンとゼラチンとを有効成分とする食品用凝固剤を食品原
料と混合しかつ全体を冷却することを特徴とするもので
ある。
て、特定のペクチンとゼラチンを併用し、かつ、特定の
割合でペクチン、カルシウム、ゼラチンを使用すること
によって、問題点が解決できるとの知見を得て本発明を
完成させた。すなわち、本発明の食品用凝固剤は、カル
シウム結合ペクチンとゼラチンとを有効成分とし、か
つ、ペクチン、カルシウム、ゼラチンの割合がそれぞれ
1〜4対0.1〜2対1〜3であることを特徴とするもの
であり、また成形食品の製法は、カルシウム結合ペクチ
ンとゼラチンとを有効成分とする食品用凝固剤を食品原
料と混合しかつ全体を冷却することを特徴とするもので
ある。
以下、本発明に係る食品用凝固剤とその製法及びこの食
品用凝固剤を使用する成形食品の製法を説明する。
品用凝固剤を使用する成形食品の製法を説明する。
本発明の食品用凝固剤の製法の一例を示すと、まず、ロ
ーメトキシルペクチンとゼラチンとを水に溶解・混合し
て、この溶液にカルシウムイオンを含有する溶液を混ず
る。そうするとこれらの原料は反応して、カルシウム結
合ペクチン及びゼラチンよりなる水溶液が得られる。こ
こで使用するローメトキシルペクチンは、柑橘類果皮よ
り抽出した多糖類を、酸・アルカリ・酵素等によって脱
メチル化を行ったものであり、市販品を使用すればよ
い。
ーメトキシルペクチンとゼラチンとを水に溶解・混合し
て、この溶液にカルシウムイオンを含有する溶液を混ず
る。そうするとこれらの原料は反応して、カルシウム結
合ペクチン及びゼラチンよりなる水溶液が得られる。こ
こで使用するローメトキシルペクチンは、柑橘類果皮よ
り抽出した多糖類を、酸・アルカリ・酵素等によって脱
メチル化を行ったものであり、市販品を使用すればよ
い。
また、ゼラチンは、動物の骨皮に含まれるコラーゲンを
分解精製して得られる誘導蛋白質であり、やはり市販品
を使用することでさしつかえない。
分解精製して得られる誘導蛋白質であり、やはり市販品
を使用することでさしつかえない。
カルシウムイオン含有液は、塩化カルシウム・乳酸カル
シウム等の水溶性カルシウム塩を水に溶解させればよ
く、カルシウムイオンを発生する。
シウム等の水溶性カルシウム塩を水に溶解させればよ
く、カルシウムイオンを発生する。
ローメトキシルペクチン、カルシウム塩、ゼラチンを混
合する好適な方法は、あらかじめ3種の原料を各別に水
に溶解してから混合するとダマの発生もなく均質に混合
することができる。また、水に溶解した、ローメトキシ
ルペクチンとカルシウム塩水溶液とを混合しておき次い
で、ゼラチンを溶解した液を加えてもよい。このように
して得られた溶液中では、ローメトキシルペクチンとカ
ルシウムイオンが結合したカルシウム結合ペクチンとゼ
ラチンが混合したものになる。この溶液は、原料の濃度
(使用量)に応じて粘度の高低が生ずるので、適当な濃
度の食品用凝固剤に調整する。しかしながらこの食品用
凝固剤中のカルシウム結合ペクチンの濃度は、1〜6重
量%(乾物)が好ましい。1重量%未満だと食品用凝固
剤のゲル化力が低くなりすぎ、一方、6重量%を越える
とゲル化力が強くなりすぎるからである。また、ゼラチ
ンの濃度は1〜5重量%(乾物)が好ましい。1重量%
未満だと食品用凝固剤のゲル化力が低くなりすぎ、5重
量%を越えると、ゲル化力が強くなりすぎるからであ
る。
合する好適な方法は、あらかじめ3種の原料を各別に水
に溶解してから混合するとダマの発生もなく均質に混合
することができる。また、水に溶解した、ローメトキシ
ルペクチンとカルシウム塩水溶液とを混合しておき次い
で、ゼラチンを溶解した液を加えてもよい。このように
して得られた溶液中では、ローメトキシルペクチンとカ
ルシウムイオンが結合したカルシウム結合ペクチンとゼ
ラチンが混合したものになる。この溶液は、原料の濃度
(使用量)に応じて粘度の高低が生ずるので、適当な濃
度の食品用凝固剤に調整する。しかしながらこの食品用
凝固剤中のカルシウム結合ペクチンの濃度は、1〜6重
量%(乾物)が好ましい。1重量%未満だと食品用凝固
剤のゲル化力が低くなりすぎ、一方、6重量%を越える
とゲル化力が強くなりすぎるからである。また、ゼラチ
ンの濃度は1〜5重量%(乾物)が好ましい。1重量%
未満だと食品用凝固剤のゲル化力が低くなりすぎ、5重
量%を越えると、ゲル化力が強くなりすぎるからであ
る。
さらに、ペクチン、カルシウム、ゼラチンの割合はぞれ
ぞれ1〜4対0.1〜2対1〜3とする。これは、後の試
験例にも示すように、1種でもこの割合からはずれると
ゲル強度が高くなりすぎたり、低くなりすぎたりし、ま
た、口どけも悪くなるからである。
ぞれ1〜4対0.1〜2対1〜3とする。これは、後の試
験例にも示すように、1種でもこの割合からはずれると
ゲル強度が高くなりすぎたり、低くなりすぎたりし、ま
た、口どけも悪くなるからである。
得られた食品用凝固剤は、缶・瓶・レトルトパウチ等に
詰めて加熱殺菌を施して保存することが好ましい。
詰めて加熱殺菌を施して保存することが好ましい。
なお、上記のようにして得た食品用凝固剤を、取扱いや
すいように水分を除いて粉末化することも考えられる
が、一度乾燥したものは、ゲル化力の低下を起こすこと
があるので注意を要する。このようにして得た液状の食
品用凝固剤は、低温に保存すると増粘して食品原料と混
合し難くなるので、使用時はあらかじめ20〜30℃に加温
して、流動性を回復させて使用するとよい。
すいように水分を除いて粉末化することも考えられる
が、一度乾燥したものは、ゲル化力の低下を起こすこと
があるので注意を要する。このようにして得た液状の食
品用凝固剤は、低温に保存すると増粘して食品原料と混
合し難くなるので、使用時はあらかじめ20〜30℃に加温
して、流動性を回復させて使用するとよい。
次に、この食品用凝固剤を使用して製造する成形食品の
製法について説明する。
製法について説明する。
本製法に於て用いる食品原料とは、ジュース・液糖・牛
乳・卵液・スープ・ハチミツ・酒類などの流動状ないし
液状食品、果実・野菜・動物肉・魚肉などを摩砕して得
たペースト状の食品(例えば、果実としてはリンゴ・モ
モ・イチゴ・バナナ等を摩砕したもの、野菜としてはか
ぼちや・いも・豆・キャベツ・ほうれん草・人参などを
摩砕したもの、動物肉としては牛・豚・鶏等の肉及び魚
肉は各種魚の肉・貝類の肉等を摩砕したもの)である。
更に、各種固型食品を整形して、一定の粒径にした破砕
状の食品(例えば、いも類・肉類など)も使用できる。
これらの原料を混合して使用してもさしつかえない。な
お、これらの食品原料の調味をあらかじめ濃口・淡口、
甘口・辛口等に調整し、更にてんぷら、煮付、油いため
などに調理をすることによって、例えば、エビのてんぷ
らとか、いもの煮っころがしとか、おでん等のそれぞれ
特有の風味・食感がしてかつ嚥み下しの容易である成形
食品等のように、成形食品を好みの味と希望する調理品
に仕上げることができる。このように用いる食品原料が
流動状・液状・ペースト状及び一定の粒径にした破砕状
の食品であるので得られる成形食品は、消化のよいもの
となり、高齢者・病弱者等の消化機能に衰えが生じてい
る人にも消化できるものになっている。
乳・卵液・スープ・ハチミツ・酒類などの流動状ないし
液状食品、果実・野菜・動物肉・魚肉などを摩砕して得
たペースト状の食品(例えば、果実としてはリンゴ・モ
モ・イチゴ・バナナ等を摩砕したもの、野菜としてはか
ぼちや・いも・豆・キャベツ・ほうれん草・人参などを
摩砕したもの、動物肉としては牛・豚・鶏等の肉及び魚
肉は各種魚の肉・貝類の肉等を摩砕したもの)である。
更に、各種固型食品を整形して、一定の粒径にした破砕
状の食品(例えば、いも類・肉類など)も使用できる。
これらの原料を混合して使用してもさしつかえない。な
お、これらの食品原料の調味をあらかじめ濃口・淡口、
甘口・辛口等に調整し、更にてんぷら、煮付、油いため
などに調理をすることによって、例えば、エビのてんぷ
らとか、いもの煮っころがしとか、おでん等のそれぞれ
特有の風味・食感がしてかつ嚥み下しの容易である成形
食品等のように、成形食品を好みの味と希望する調理品
に仕上げることができる。このように用いる食品原料が
流動状・液状・ペースト状及び一定の粒径にした破砕状
の食品であるので得られる成形食品は、消化のよいもの
となり、高齢者・病弱者等の消化機能に衰えが生じてい
る人にも消化できるものになっている。
次にこのように調整した食品原料と前述の食品用凝固剤
を全体が均一になるように混合する、両者の混合割合
は、食品原料が、成形食品中に20〜40重量%、より好ま
しくは25〜30重量%である。20重量%未満だと成形食品
中の含水率が大となりゲル強度が弱くなるし、40重量%
を越えると、逆に含水率が小になり、成形食品の粘りが
低下して保形性が悪くなるためである。
を全体が均一になるように混合する、両者の混合割合
は、食品原料が、成形食品中に20〜40重量%、より好ま
しくは25〜30重量%である。20重量%未満だと成形食品
中の含水率が大となりゲル強度が弱くなるし、40重量%
を越えると、逆に含水率が小になり、成形食品の粘りが
低下して保形性が悪くなるためである。
そして最後に、食品原料と食品用凝固剤とを均一に混合
したものを、所望の形状の容器に流し入れ冷却する。冷
却温度・時間は特に限定はないが例えば−5〜5℃位に
1〜2時間保持すればよい。なお、容器の形状は、食品
原料に応じて、例えば魚肉を用いた時は魚の形状の容
器、卵液の場合はプリンカップ等を使用すると見た目に
も良いし、喫する人も楽しく摂食できるものになる。
したものを、所望の形状の容器に流し入れ冷却する。冷
却温度・時間は特に限定はないが例えば−5〜5℃位に
1〜2時間保持すればよい。なお、容器の形状は、食品
原料に応じて、例えば魚肉を用いた時は魚の形状の容
器、卵液の場合はプリンカップ等を使用すると見た目に
も良いし、喫する人も楽しく摂食できるものになる。
<作 用> 本発明の食品用凝固剤は、カルシウムイオンとローメト
キシルペクチンが結合したものとゼラチンが有効成分で
あるから、食品原料と混合して冷却すると、カルシウム
結合ペクチンの働きによる凝固と、ゼラチンの働きによ
る凝固が同一系で同時に進行することになる。そこで両
者の作用が緩衝しあって、出来た成形食品のゲル強度と
融解温度は緩和される。
キシルペクチンが結合したものとゼラチンが有効成分で
あるから、食品原料と混合して冷却すると、カルシウム
結合ペクチンの働きによる凝固と、ゼラチンの働きによ
る凝固が同一系で同時に進行することになる。そこで両
者の作用が緩衝しあって、出来た成形食品のゲル強度と
融解温度は緩和される。
その結果、ゼラチンのみの場合や、ゼラチンを加えな
い、カルシウム結合ペクチンのみの場合と比べて、成形
食品の食感は、羊羹などより軟かいムース様となり、融
解温度も、低くなることで、成形食品を口に含んだ際、
その表面部分が速やかに融解状態となり、良好な口溶け
感と顕著な嚥下適性が発現することとなる。
い、カルシウム結合ペクチンのみの場合と比べて、成形
食品の食感は、羊羹などより軟かいムース様となり、融
解温度も、低くなることで、成形食品を口に含んだ際、
その表面部分が速やかに融解状態となり、良好な口溶け
感と顕著な嚥下適性が発現することとなる。
以下試験例によって、本発明を更に説明する。
<試験例> 試料調整 食品原料として、ミキサーで摩砕したかぼちやを用い
て、次表に示す凝固剤を加え、次いで型に流し入れ3℃
の温度に1時間保持して凝固させた。
て、次表に示す凝固剤を加え、次いで型に流し入れ3℃
の温度に1時間保持して凝固させた。
なお、各試料とも食品原料の摩砕したかぼちやは30重量
部とし、水分及び凝固剤との合計が100重量部となるよ
うにした。
部とし、水分及び凝固剤との合計が100重量部となるよ
うにした。
試験例1 上記のようにして調整した試料のゲル強度をレオメータ
ーで測定(プランジャー1cm2,速度6cm/秒)するととも
に試食して、嚥み下し性の難易を調べた。
ーで測定(プランジャー1cm2,速度6cm/秒)するととも
に試食して、嚥み下し性の難易を調べた。
試験例2 次に、試料を恒温器に入れて、20℃より温度を上昇さ
せ、各試料が融解を始める温度を調べた。また、各試料
を試食して口どけの状態と呈味性を試験した。
せ、各試料が融解を始める温度を調べた。また、各試料
を試食して口どけの状態と呈味性を試験した。
以上試験例1及び2から解るように、本発明による食品
用凝固剤を用いた試料(テスト区2〜4)は、ゲル強度
が25〜60g/cm2で、融解温度は28〜29℃を示しており、
そのため試食した結果は、口中で軽く嚥み下すだけで、
容易に嚥み下しができること、及び融解が表面部分で起
っているので、呈味性も良いことが判る。
用凝固剤を用いた試料(テスト区2〜4)は、ゲル強度
が25〜60g/cm2で、融解温度は28〜29℃を示しており、
そのため試食した結果は、口中で軽く嚥み下すだけで、
容易に嚥み下しができること、及び融解が表面部分で起
っているので、呈味性も良いことが判る。
一方、ゼラチン単独又はカルシウムイオンとローメトキ
シルペクチンを用いた試料(対照区1〜6)は、ゲル強
度が高い及び、口中でベタつく等の理由で嚥み下しが難
しいことが判る。
シルペクチンを用いた試料(対照区1〜6)は、ゲル強
度が高い及び、口中でベタつく等の理由で嚥み下しが難
しいことが判る。
さらに、ペクチン、カルシウム、ゼラチンの割合が1種
でも1〜4対0.1〜2対1〜3からはずれる試料(対照
区7〜12)は、ゲル強度が高い、口中でべたつく及び流
動性を有する等の理由で嚥み下しが難しく、また口どけ
も悪いことが判る。また、食品凝固剤中のカルシウム結
合ペクチンの濃度が1〜6重量%をはずれ、かつ、ゼラ
チンの濃度も1〜5重量%をはずれる試料(テスト区
1、5)はゲル化しない及び全体がゲル化せず皮膜を形
成するのみ(すなわち、粘度の高い液状である)等の理
由で嚥み下しが難しいことが判る。
でも1〜4対0.1〜2対1〜3からはずれる試料(対照
区7〜12)は、ゲル強度が高い、口中でべたつく及び流
動性を有する等の理由で嚥み下しが難しく、また口どけ
も悪いことが判る。また、食品凝固剤中のカルシウム結
合ペクチンの濃度が1〜6重量%をはずれ、かつ、ゼラ
チンの濃度も1〜5重量%をはずれる試料(テスト区
1、5)はゲル化しない及び全体がゲル化せず皮膜を形
成するのみ(すなわち、粘度の高い液状である)等の理
由で嚥み下しが難しいことが判る。
<実施例> 実施例1 原料・ゼラチン粉末 …………………2.0Kg ・ローメトキシルペクチン粉末 ………2.5Kg ・乳酸カルシウム粉末 ………1.0Kg ・清 水 ………60.0Kg 上記原料のうち清水を20Kgずつ、3等分したものにゼラ
チン粉末、ローメトキシルペクチン粉末、乳酸カルシウ
ム粉末を各別に添加溶解したものを併せて、本発明の食
品用凝固剤を製造し、200ml容缶に詰め密封し食品用凝
固剤320缶を製造した。
チン粉末、ローメトキシルペクチン粉末、乳酸カルシウ
ム粉末を各別に添加溶解したものを併せて、本発明の食
品用凝固剤を製造し、200ml容缶に詰め密封し食品用凝
固剤320缶を製造した。
実施例2 原料 1.食品原料として、牛肉ペースト(湯煮後、摩砕
してペーストしたもの) ……………2.5Kg 2.本発明による食品用凝固剤(試験例1のテスト
区3で用いたものと同じ配合のもの)……………………
…500g 3.清 水 …………………………………7Kg 上記原料1.2.3.を混合し、200ml容の平板状アルミ容器
に分注して、冷蔵庫に入れ0℃で1時間保持して牛肉ス
テーキ風の成形食品50個を製造した。
してペーストしたもの) ……………2.5Kg 2.本発明による食品用凝固剤(試験例1のテスト
区3で用いたものと同じ配合のもの)……………………
…500g 3.清 水 …………………………………7Kg 上記原料1.2.3.を混合し、200ml容の平板状アルミ容器
に分注して、冷蔵庫に入れ0℃で1時間保持して牛肉ス
テーキ風の成形食品50個を製造した。
<発明の効果> 以上詳細に説明したように本発明に係る成形食品は、摩
砕又は微細に処理された食品原料をゲル状に凝固させて
あるので、高齢者・病弱者および嚥下機能に障害を有す
る者等がこれを食しても、通常の固形食品を食べるのと
同様の満足感が得られるうえ、このような弱者でも食べ
やすくまた介添者・看護者の負担を軽減することができ
る。
砕又は微細に処理された食品原料をゲル状に凝固させて
あるので、高齢者・病弱者および嚥下機能に障害を有す
る者等がこれを食しても、通常の固形食品を食べるのと
同様の満足感が得られるうえ、このような弱者でも食べ
やすくまた介添者・看護者の負担を軽減することができ
る。
しかもこの成形食品は、体温程度で容易に表面部の融解
を始めるので、咀しやくが不十分であっても喉ごしが極
めて滑らかで、嚥み下しが容易であるとともに消化吸収
性もよく、呈味性も有しているものである。
を始めるので、咀しやくが不十分であっても喉ごしが極
めて滑らかで、嚥み下しが容易であるとともに消化吸収
性もよく、呈味性も有しているものである。
さらに、本発明に係る凝固剤は、この成形食品を製造す
るのに使用するためのもので、きわめて簡単に、上記特
徴を有する成形食品を製することができる。
るのに使用するためのもので、きわめて簡単に、上記特
徴を有する成形食品を製することができる。
したがって、本発明に係る凝固剤は、一般家庭で使用で
きるのはもちろん、病院や老人ホーム等に於ける給食用
食材としても活用し得るものである。
きるのはもちろん、病院や老人ホーム等に於ける給食用
食材としても活用し得るものである。
Claims (2)
- 【請求項1】カルシウム結合ペクチンとゼラチンとを有
効成分とし、かつ、ペクチン、カルシウム、ゼラチンの
割合がそれぞれ1〜4対0.1〜2対1〜3であることを
特徴とする食品用凝固剤。 - 【請求項2】カルシウム結合ペクチンとゼラチンとを有
効成分とし、かつ、ペクチン、カルシウム、ゼラチンの
割合がそれぞれ1〜4対0.1〜2対1〜3である食品用
凝固剤を食品原料と混合し、かつ、全体を冷却すること
を特徴とする成形食品の製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60205418A JPH0697961B2 (ja) | 1985-09-19 | 1985-09-19 | 食品用凝固剤及びこれを使用した成形食品の製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60205418A JPH0697961B2 (ja) | 1985-09-19 | 1985-09-19 | 食品用凝固剤及びこれを使用した成形食品の製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6265649A JPS6265649A (ja) | 1987-03-24 |
JPH0697961B2 true JPH0697961B2 (ja) | 1994-12-07 |
Family
ID=16506518
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60205418A Expired - Lifetime JPH0697961B2 (ja) | 1985-09-19 | 1985-09-19 | 食品用凝固剤及びこれを使用した成形食品の製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0697961B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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Family Cites Families (3)
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JPS5811989B2 (ja) * | 1980-08-28 | 1983-03-05 | 株式会社 君津化学研究所 | 魚卵様食品の製造法 |
-
1985
- 1985-09-19 JP JP60205418A patent/JPH0697961B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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