JP3814533B2 - 被覆構造を有する可食性固状成形物およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、味と食感に優れた被覆構造を有する可食性固状成形物とその製造方法に関し、詳細には、表層が糖衣又はチョコレート掛けで構成され、その内層が貫入破壊強度の小さい可食性の多孔質固状成形物で充填されている、味と食感に優れた被覆構造を有する可食性固状成形物とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
経口摂取用の可食性固状成形物には、通常、菓子、パンなどの食品、錠剤、トローチなどの医薬品があり、広く消費されている。食品製造用の原料としては、例えば、砂糖、ブドウ糖、麦芽糖、水飴、糖アルコールなどの糖類、小麦粉、コーンスターチ、米粉などの穀粉類、乳製品、大豆蛋白、カゼイン、ゼラチンなどの蛋白質類、大豆油、コーン油、菜種油、ココナッツ油、牛脂、硬化油などの油脂類を主原料とし、更に、乳化剤、呈味剤、食用色素、香料、果実、種実などを、必要に応じて、適量配合される。近年、消費者の健康意識の向上や生活習慣の多様化に伴い、これまでのような単なる食品ではなく、各種の機能、特性を持った原材料を使用して、とりわけ、機能性の糖類を主原料にした経口摂取用の固状成形物の開発が活発に行われている。例えば、食べても太りにくいもの、甘いけれども虫歯になりにくいもの、更には、口に入れて清涼感、冷感を楽しむものなどが提供され、生活に潤いや安らぎを与えている。生活が豊かになるにつれてこの傾向は益々高まり、更に味と食感に優れ、身体に優しく、生活を楽しむことのできる経口摂取用の固状成形物の出現が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、味と食感に優れた被覆構造を有する可食性固状成形物を提供することを第一の課題とし、その製造方法を提供することを第二の課題とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記課題を解決するために、糖質を利用した多孔質構造を有する多孔質固状成形物および被覆構造を有する可食性固状成形物を調製するための処理方法に着目し、鋭意研究を続けてきた。その結果、糖質、とりわけ、α,α−トレハロースを含有する高含水組成物を、加熱処理した後に型に入れ、これを凍結、真空乾燥することで多孔質構造を有する多孔質固状成形物とし、これを糖衣又はチョコレート掛けすることにより、被覆構造を有する可食性固状成形物とすることで、可食性固状成形物とその製造方法を確立して、本発明を完成した。
【0005】
即ち、本発明は、植物性及び/又は動物性食品素材から選ばれる可食性原料とともに、糖質、とりわけ、α,α−トレハロースを含有する高含水組成物を、加熱処理した後に型に流し込み、凍結、真空乾燥して成形した貫入破壊強度の小さい多孔質固状成形物を、その表層に糖衣またはチョコレート掛けすることにより被覆、保護して、被覆構造を有する可食性固状成形物とすることで、可食性固状成形物とその製造方法を確立して、本発明を完成した。
【0006】
【発明の実施の形態】
多孔質固状成形物の成型方法としては、多孔質構造を有する物ができればよく、公知の方法を、必要に応じて適宜採用することができる。とりわけ、本発明においては、植物性及び/又は動物性食品素材の色調、風味、又は、これら素材に含まれる栄養物質、嗜好物質及び生理活性物質などの劣化をできるだけ抑制した多孔質構造を有する多孔質固状成形物とするために、植物性及び/又は動物性食品素材を含む高含水組成物を、加熱処理した後に型に入れ、凍結乾燥することにより、多孔質構造を有する多孔質固状成形物とする方法を用いるのが好適である。
【0007】
高含水とは、水分を多量に含有し、望ましくは、50w/w%(以下、特にことわらない限り、本明細書ではw/w%を%と略記することもある。)を超える水分であって、加熱処理した後に型に入れ、凍結乾燥し、多孔質構造を有する固状成形物とするに際し、ハンドリングおよび乾燥に支障のない範囲の流動性ならびに乾燥特性を持つ範囲であれば、特に限定されない。
【0008】
多孔質固状成形物を調製するための高含水組成物としては、そのままで食することが可能なように、必要に応じて、加熱調理されたものを用いるのが好適であり、特に澱粉質などを含む場合は加水、加熱して澱粉を糊化することが必要である。又、野菜や種実を用いる場合にも、必要に応じて、前もって加熱、焼成処理などを行って殺菌、調理したものを用いるのが好適である。
【0009】
表層を糖衣するには、凍結乾燥して成形した多孔質構造を有する、貫入破壊強度の小さい多孔質固状成形物に砂糖、マルトース、マルチトール、α,α−トレハロースなどの晶出しうる糖質を含有する過飽和溶液を振り掛けるか、垂らすか、又は、多孔質固状成形物を当該過飽和溶液に潜らせるなどの方法が採用できる。チョコレート掛けするには、多孔質固状成形物に溶かしたチョコレート生地を振り掛けるか、又は、多孔質固状成形物を当該チョコレート生地の中を潜らせるなどの方法が採用できる。この様にして多孔質固状成形物の表面を被覆することにより、衝撃による破損、多孔質固状成形物の品質の変性を保護することができ、更に、食感を改善することもできる。これら被覆構造を有する可食性固状成形物の形状は、必要に応じて、例えば、立方体、直方体、多形体、半球体、球体、更に板状や棒状などのなかから適宜選択できる。
【0010】
固状成形物の貫入破壊強度は、レオメーター(株式会社レオテック販売、FUDOHRHEO METER NRM−2010J−CW)を使用し、アダプターとして直径3mmの針を用い、試料台を毎分6cmの速度で針に対して上昇させ、固状成形物に針が貫入し、破裂が発生する時の強度(kg)を意味する。本発明でいう貫入破壊強度の小さい多孔質固状成形物とは、貫入破壊に要する強度が0.05乃至0.25kg、望ましくは、0.1乃至0.2kgである場合をいう。貫入破壊強度が0.05kg未満では、糖衣またはチョコレート掛けの作業中に、多孔質固状成形物が破損又は崩壊し易く、一方、0.25kgを越えると、表層を含む全体の貫入破壊強度との差が小さくなり、被覆構造を有する可食性固状成形物としての、貫入破壊強度による噛んだときの食感が劣るものとなる。つまり、多孔質固状成形物の貫入破壊強度が0.05乃至0.25kgの場合、被覆部の硬い食感と多孔質固状成形物のサクサクとした食感、被覆構造、すなわち、殻構造に由来する2重の食感がうまく調和し、歯触りの良好な、心地よい食感を与えられることになる。本発明でいう被覆構造を有する可食性固状成形物の貫入破壊強度としては、望ましくは、1.5至3kg、更に望ましくは、2.0乃至2.5kgが好適である。
【0011】
多孔質とは、固状成形物内に無数の小さい気泡をほぼ均一に分散して含み、泡入りの構造を持つものをいう。
【0012】
可食性固状成形物の密度としては、0.3乃至0.9g/cm3と比較的小さいものが好適である。密度が0.3g/cm3未満では、多孔質固状成形物の気泡が大きくなり、その結果として、糖衣またはチョコレート掛けの作業中に多孔質固状成形物が破損又は崩壊し易くなる。一方、0.9g/cm3を越えると、多孔質固状成形物の気泡は殆ど見られなく、内容は密となり、貫入破壊強度も比較的高くなり、食感が悪くなる。
【0013】
植物性及び/又は動物性食品素材には、穀類、野菜、果物、種実などの農産物又はそれらの加工品、更には、水産品、畜産品又はそれらの加工品などがあり、本発明の多孔質構造の形成を損なわない限り、どのようなものを使用してもよい。すなわち、本発明の多孔質構造の形成に適する植物性及び/又は動物性食品素材としては、本来の組織または器官を有する生の素材を分離、破砕、粉砕、磨砕、搾汁、抽出などの処理をして得られる粉末、ペースト、ジュース、パルプおよび抽出物から選ばれる形態のものが好適である。例えば、芋粉、澱粉や小麦粉などの穀粉、野菜や果物の磨砕物および抽出物、種実などの粉砕物や破砕物又はそれらの加工品、更には、水産品、畜産品の粉砕物または磨砕物、又はそれらの加工品などが好適である。更に具体的には、多汁質の植物性食品素材としては、例えば、青汁、人参ジュース、セロリジュース、キャベツジュースなどの野菜の破砕・抽出物類、ミカン果汁、リンゴ果汁、ブルーベリー果汁、ラズベリー果汁、クランベリー果汁などの果汁類、藍葉破砕物、中国パセリ破砕物、茶葉破砕物、桑葉破砕物などの植物組織破砕物などが有利に利用できる。また、動物性食品素材としては、例えば、クリーム、卵白、ミートペースト、ゼラチン、ブイヨンなどが有利に利用できる。
【0014】
高含水組成物に含有させる糖質としては、各種の澱粉またはその分解物、更には、各種オリゴ糖が好適であり、例えば、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、タピオカ澱粉、コーンスターチなどの澱粉類、ヒドロキシエチルスターチ、カルボキシメチルセルロースなどの糖質誘導体類、水飴、グルコース、マルトースなどのマルトオリゴ糖などの澱粉分解物類、果糖、乳糖、砂糖、α,α−トレハロース(以降、単にトレハロースと略記することもある)、イソマルトース、パラチノース、ラクトスクロース、ラフィノース、大豆オリゴ糖などのオリゴ糖類、ソルビトール、マルチトール、パラチニット、水添水飴などの糖アルコール類などが有利に利用できる。その使用量は分子量や溶解時の粘度によっても異なる。一般的には、成形工程をスムーズに行い、且つ、得られる多孔質固状成形物の形状を維持させるために、又は、適度な甘味や機能性を持たせるために、必要に応じて適宜選択し、適量を含有させればよい。
【0015】
また、必要に応じて、高含水組成物に、例えば、増粘剤、栄養物質、嗜好物質、生理活性物質、賦形剤、安定剤、添加剤などの1種又は2種以上を含有させてもよい。
増粘剤としては、適度な粘性、接着性および保形性を示す水溶性高分子が望ましく、例えば、キサンタンガム、ローカストビーンガム、プルラン、コンニャクマンナン、カラギーナン、ペクチン、寒天などの多糖類や、ゼラチン、カゼインナトリウム、アルブミンなどの蛋白質類などがある。その使用量は、分子量や溶解時の粘度によっても異なる。通常、高含水組成物を流し込むか、又は押し出して型に入れるときにスムーズに操作が行え、且つ、得られた多孔質固状成形物の形状を維持し、物性を改善するために、必要に応じて適宜選択し、適量を含有させればよい。
【0016】
栄養物質としては、蛋白質、アミノ酸、脂質、ビタミン、ミネラルなどがあり、目的に応じて適宜選択し、適量を含有させればよい。
【0017】
嗜好物質としては、茶、紅茶、コーヒー、ココアなどの飲料類、ウイスキー、ブランデイー、ジン、コニャックなどのアルコール飲料類、ローズマリー、セージ、ハッカ、バジルタイムなどのハーブ類から、必要に応じて、適宜選択し、適量を含有させればよい。また、必要に応じて、バニラエキス、オレンジオイル、ペパーミント油などやシソ、ワサビなどの植物抽出物などを含有させることも有利に利用できる。
【0018】
生理活性物質としては、例えば、インターフェロン−α、−β、−γ、ツモア・ネクロシス・ファクターα、−β、コロニー刺激因子、インターロイキン18などのサイトカイン類、インシュリン、成長ホルモン、プロラクチン、エリトロポエチンなどのホルモン類、ペニシリン、エリスロマイシン、クロラムフェニコール、テトラサイクリン、ストレプトマイシンなどの抗生物質類、リパーゼ、エステラーゼ、ウロキナーゼ、プロテアーゼ、ラクターゼ、グルカナーゼなどの酵素類、薬用人参エキス、スッポンエキス、クロレラエキス、アロエエキス、プロポリスエキスなどのエキス類類、ローヤルゼリー、ポリフェノールなど、更には、各種の合成医薬品類などを、目的に応じて適宜選択し、適量を含有させればよい。
【0019】
さらに、添加剤として、各種の糖質類、カゼイン、ゼラチンなどの蛋白質類を安定剤として、サッカリン、アスパルテーム、ステビオシド、糖転移ステビアなどの甘味剤、食用色素、β−カロチン、水溶性アナトーなどの着色料類、アニスアルデヒド、ケイ皮酸、L−メントールなど着香料類、ソルビン酸ソーダ、クエン酸イソプロピル、トコフェロールなどの酸化防止剤、各種脂肪酸エステルなどの乳化剤、更には、無機塩類なども、必要に応じて適宜選択し、適量を含有させることも有利に利用できる。
【0020】
本発明に使用する糖質としてのトレハロースは、α、α−トレハロースであればよく、その由来、製法は問わない。例えば、特開平7−170977号公報、特開平7−213283号公報などに開示される方法で製造されるα,α−トレハロースの含水又は無水の結晶粉末品などが適宜採用できる。具体的には、例えば、澱粉から酵素法により工業的に生産されている高純度含水結晶トレハロース((株)林原商事販売、登録商標「トレハ」)が有利に利用できる。
【0021】
本発明の効果を確かなものにするためには、一般的には、多孔質固状成形物中のα,α−トレハロース含有量は、無水物換算で、2%以上、望ましくは、5%以上を、更に望ましくは、他の糖質と併用してトレハロースを非晶質の状態で、多孔質固状物に含有させるのが好適である。
【0022】
以上述べてきたように、本発明の被覆構造を有する固状成形物は、味と食感に優れたユニークな固状成形物で、各種食品や医薬品として有利に利用できる。とりわけ、食品の場合には、エネルギー補給用食品として、非常食、また、運動の直前又は運動時に手軽に利用する食品などに、更に、各種機能性物質を含有する特定保健用食品などに有利に利用できる。医薬品の場合には、水なしでも容易に摂取することのできる経口タイプの製剤、例えば、整腸剤、滋養強壮剤などとして幼児、老人などへの利用にも好適である。
【0023】
以下、実験で、本発明の経口摂取用の固状成形物を詳細に説明する。
【実施例1】
〈青汁含有可食性固状成形物〉
青汁含有可食性固状成形物は以下のようにして調製した。高含水組成物の原材料として、青汁(守谷健康食品(株)販売、商品名「モリヤウイキ」)55重量部、加工澱粉(旭化成(株)販売、商品名「PCS−FC50」)9重量部、高純度含水結晶トレハロース((株)林原商事販売、登録商標「トレハ」)5重量部、酒粕4重量部、小麦粉3重量部、野菜抽出物(人参葉0.6重量部およびセロリ0.05重量部をミキサーで破砕、抽出したもの)および水80重量部を用い、撹拌・混合し、高含水組成物を調製した。次いで、高含水組成物は80℃まで昇温することで加熱処理したのち約50℃に急冷した。加熱処理した高含水組成物は、1型当たり約15gを、プラスチック製トレーに流し込み、直ちに−35℃の冷凍庫に移し、一夜放置して凍結させた。これを凍結乾燥機(共和真空技術(株)社製RL型)を用いて、20時間乾燥し、多孔質構造を持つ固状成形物を得た。このようにして得られたチョコレート掛けする前の多孔質固状成形物は、縦22mm×横42mmで、厚さは9mmの大きさであり、貫入破壊強度は0.15kgであった。次いで、この多孔質固状成形物に、加熱溶解したヨーグルトチョコレート生地を塗布し、凝固させてヨーグルトチョコレート掛けを行い、被覆構造を有する可食性固状成形物を得た。
【0024】
本品は、縦25mm×横45mmで、厚さ11mmの大きさであり、その貫入破壊強度は2.1kg、密度は0.64g/cm3であった。また、本品は、青汁を含むことから食物繊維を多く含み、且つ、青汁とチョコレートとの風味がうまくマッチし、サクサクとした口当たりで、味と食感に優れており、青汁を飲むのに抵抗を感じる人も抵抗なく青汁成分を摂取することができることから、青汁に含まれるビタミン、ミネラルおよび食物繊維の補給用食品として優れ、健康の維持に有用な食品である。
【0025】
【実施例2】
〈果汁含有可食性固状成形物〉
果汁含有可食性固状成形物は以下のようにして調製した。高含水組成物の原材料として、ラズベリー果汁(日本果実加工(株)社販売、濃縮果汁)30重量部、クランベリー果汁(日本果実加工(株)社販売、濃縮果汁)13重量部、加工澱粉(旭化成(株)販売、商品名「PCS−FC50」)10重量部、ブルーベリー果汁(日本果実加工(株)社販売、濃縮果汁)7重量部、高純度含水結晶トレハロース((株)林原商事販売、登録商標「トレハ」)5重量部、小麦粉2重量部および水800重量部を用い、撹拌・混合し、高含水組成物を調製した。次いで、高含水組成物は85℃まで昇温することで加熱処理したのち約50℃に急冷した。加熱処理した高含水組成物は、1型当たり約15gを、プラスチック製トレーに流し込み、直ちに−35℃の冷凍庫に移し、一夜放置して凍結させた。これを凍結乾燥機(共和真空技術(株)社製RL型)を用いて、20時間乾燥し、多孔質構造を持つ固状成形物を得た。このようにして得られたチョコレート掛けする前の多孔質固状成形物は、縦22mm×横42mmで、厚さ9mmの大きさであり、貫入破壊強度は0.2kgであった。次いで、この多孔質固状成形物に、溶けたヨーグルトチョコレート生地を塗布し、凝固させてヨーグルトチョコレート掛けを行い、被覆構造を有する可食性固状成形物を得た。
【0026】
本品は、縦25mm×横45mmで、厚さは11mmの大きさであり、その貫入破壊強度は2.5kg、密度は0.6g/cm3であった。また、本品は、各種の果汁を含み、チョコレートとの風味がうまくマッチして味に優れ、また、サクサクとした口当たりで、被覆構造を有することから食感にも優れた食品である。
【0027】
【実施例3】
〈緑黄色野菜含有可食性固状成形物〉
緑黄色野菜含有可食性固状成形物は以下のようにして調製した。高含水組成物の原材料として、市販の緑黄色野菜ジュース180重量部、加工澱粉(日本コーンスターチ(株)製、ヒドロキシエチルスターチ)10重量部、高純度含水結晶トレハロース((株)林原商事販売、登録商標「トレハ」)10重量部、小麦粉2重量部を用い、撹拌・混合し、高含水組成物を調製した。次いで、高含水組成物は80℃で5分間、加熱処理したのち約50℃に急冷した。加熱処理した高含水組成物は、1型当たり約20gを、プラスチック製トレーに流し込み、直ちに−40℃の冷凍庫に移し、一夜放置して凍結させた。これを凍結乾燥機(共和真空技術(株)社製RL型)を用いて、24時間乾燥し、多孔質構造を持つ固状成形物を得た。このようにして得られたチョコレート掛けする前の多孔質固状成形物の貫入破壊強度は0.21kgであった。次いで、この多孔質固状成形物は、加熱溶解したミルクチョコレートに潜らせて全表面を被覆し、ミルクチョコレートを凝固させることでチョコレート掛けを行い、被覆構造を有する可食性固状成形物を得た。
【0028】
本品の貫入破壊強度は2.3kgであった。また、本品は、各種の緑黄色野菜成分を含み、味に優れ、又、被覆構造を有することから食感にも優れている。更に、本品は長期に渡って安定に保存できることから、お菓子として、また野菜成分の補給剤などとして、有利に利用できる。
【0029】
【実施例4】
〈ハーブブレンド含有可食性固状成形物〉
ハーブブレンド含有可食性固状成形物は以下のようにして調製した。高含水組成物の原材料として、中国パセリ粉砕物1重量部、藍葉粉砕物1重量部、ドクダミ葉粉砕物1重量部、加工澱粉(日本コーンスターチ(株)製、ヒドロキシエチルスターチ)5重量部、高純度含水結晶トレハロース((株)林原商事販売、登録商標「トレハ」)15重量部、小麦粉5重量部および水140重量部を用い、撹拌・混合し、高含水組成物を調製した。次いで、高含水組成物を80℃で5分間、加熱処理したのち約50℃に急冷した。加熱処理した高含水組成物は、1型当たり約15gを、プラスチック製トレーに流し込み、直ちに−40℃の冷凍庫に移し、一夜放置して凍結させた。これを凍結乾燥機(共和真空技術(株)社製RL型)を用いて、18時間乾燥し、多孔質構造を持つ固状成形物を得た。このようにして得られたチョコレート掛けする前の多孔質固状成形物の貫入破壊強度は0.2kgであった。次いで、この多孔質固状成形物に、加熱溶解したホワイトチョコレートを全表面に振り掛けて被覆し、ホワイトチョコレートを凝固させることでチョコレート掛けを行い、被覆構造を有する可食性固状成形物を得た。
【0030】
本品の貫入破壊強度は2.0kgであった。また、本品は、各種の植物有効成分を含み、α,α−トレハロースを含有することから植物由来の臭いや苦味が低減され、又、被覆構造を有することから食感にも優れている。更に、本品は長期に渡って安定に保存できることから、お菓子として、また健康の維持増進、老化防止、成人病の予防、難病の治療促進、発癌の抑制などに好都合である。
【0031】
【実施例5】
〈薬用人参エキス含有可食性固状成形物〉
薬用人参エキス含有可食性固状成形物は以下のようにして調製した。高含水組成物の原材料として、薬用人参エキスは、薬用人参の塊根の乾燥チップ5重量部に50倍量の水を加え、常法に従って煎じて調製し、濾過して煎汁20重量部を得た。組成物の原材料としては、上記薬用人参の煎汁5重量部、加工澱粉(日本コーンスターチ(株)製、ヒドロキシエチルスターチ)5重量部、高純度含水結晶トレハロース((株)林原商事販売、登録商標「トレハ」)15重量部、ローヤルゼリー2重量部、小麦粉3重量部、少量の着色料、着香料および水150重量部を用い、撹拌・混合し、高含水組成物を調製した。次いで、高含水組成物は90℃で2分間、加熱処理したのち約50℃に急冷した。加熱処理した高含水組成物は、1型当たり約15gを、プラスチック製トレーに流し込み、直ちに−40℃の冷凍庫に移し、一夜放置して凍結させた。これを凍結乾燥機(共和真空技術(株)社製RL型)を用いて、20時間乾燥し、多孔質構造を持つ固状成形物を得た。このようにして得られた糖衣掛けする前の多孔質固状成形物の貫入破壊強度は0.2kgであった。次いで、この多孔質固状成形物は、砂糖、水および少量の水飴を混合し、加熱溶解した砂糖の過飽和液を塗布することで全表面を被覆し、冷却して、砂糖の結晶を析出させることで糖衣掛けを行い、被覆構造を有する可食性固状成形物を得た。
【0032】
本品の貫入破壊強度は2.8kgであった。また、本品は、薬用人参の塊根の煎汁を含むものの、α,α−トレハロースを含有することから薬用人参特有の苦味が殆ど感じられずに、又、被覆構造を有することから食感にも優れている。更に、本品は長期に渡って安定に保存できることから、健康の維持増進、増進、滋養強壮、強精剤などとして有利に利用できる。
【0033】
【実施例6】
〈卵白含有可食性固状成形物〉
卵白含有可食性固状成形物は以下のようにして調製した。高含水組成物の原材料として、市販の乾燥卵白10重量部、市販のレモン濃縮果汁2重量部、加工澱粉(日本コーンスターチ(株)製、ヒドロキシエチルスターチ)7重量部、高純度含水結晶トレハロース((株)林原商事販売、登録商標「トレハ」)5重量部、砂糖3重量部、小麦粉2重量部および水200重量部を用い、撹拌・混合し、高含水組成物を調製した。次いで、高含水組成物は65℃で3分間加熱処理したのち約50℃に急冷した。加熱処理した高含水組成物は、1型当たり約20gを、プラスチック製トレーに流し込み、直ちに−40℃の冷凍庫に移し、一夜放置して凍結させた。これを凍結乾燥機(共和真空技術(株)社製RL型)を用いて、24時間乾燥し、多孔質構造を持つ固状成形物を得た。このようにして得られたチョコレート掛けする前の多孔質固状成形物の貫入破壊強度は0.1kgであった。次いで、この多孔質固状成形物は、加熱溶解したチョコレートに潜らせて全表面を被覆し、チョコレートを凝固させることでチョコレート掛けを行い、被覆構造を有する可食性固状成形物を得た。
【0034】
本品の貫入破壊強度は2.1kgであった。また、本品は、各種の卵白、レモン果汁を含み、味に優れ、又、被覆構造を有することから食感にも優れている。更に、本品は長期に渡って安定に保存できることから、お菓子として有利に利用できる。
【0035】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、内層に可食性の多孔質固状成形物を有し、これに糖衣又はチョコレート掛けすることで内層を保護する被覆構造とし、これにより歯触りの良好な被覆構造を有する可食性固状成形物を供給できることとなった。
【0036】
従って、本発明の確立は、各種の可食原料を用いて、味と食感の優れた被覆構造を有する可食性固状成形物を提供することが可能となり、栄養物質や生理活性物質など、経口摂取する全ての分野、とりわけ、食品、医薬品分野を始めとする産業界に与える、本発明の工業的意義はきわめて高い。
Claims (3)
- 植物性及び/又は動物性食品素材に、無水物換算で、α,α−トレハロースを2w/w%以上含有させ、50w/w%を超える水分含量の流動性を有する高含水組成物とし、この高含水組成物を、加熱処理した後、型に入れ、これを貫入破壊強度が0.05乃至0.25kgになるまで凍結乾燥して多孔質固状成形物とする工程と、多孔質固状成形物に、糖衣またはチョコレート掛けを行なって、貫入破壊強度が1.5乃至3kgの被覆構造を有する可食性固状成形物とする工程を有することを特徴とする被覆構造を有する可食性固状成形物の製造方法。
- 植物性及び/又は動物性食品素材が、粉末、ペースト、ジュース、パルプ及び抽出液から選ばれる形態のものであることを特徴とする請求項1記載の被覆構造を有する可食性固状成形物の製造方法。
- 請求項1又は2記載の方法で得られる被覆構造を有する可食性固状成形物。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2001396013A JP3814533B2 (ja) | 2001-12-27 | 2001-12-27 | 被覆構造を有する可食性固状成形物およびその製造方法 |
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Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
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