JP2002008528A - ダイノードの製造方法及び構造 - Google Patents

ダイノードの製造方法及び構造

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JP2002008528A JP2000183255A JP2000183255A JP2002008528A JP 2002008528 A JP2002008528 A JP 2002008528A JP 2000183255 A JP2000183255 A JP 2000183255A JP 2000183255 A JP2000183255 A JP 2000183255A JP 2002008528 A JP2002008528 A JP 2002008528A
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    • H01J43/18Electrode arrangements using essentially more than one dynode
    • H01J43/22Dynodes consisting of electron-permeable material, e.g. foil, grid, tube, venetian blind
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J9/00Apparatus or processes specially adapted for the manufacture, installation, removal, maintenance of electric discharge tubes, discharge lamps, or parts thereof; Recovery of material from discharge tubes or lamps
    • H01J9/02Manufacture of electrodes or electrode systems
    • H01J9/12Manufacture of electrodes or electrode systems of photo-emissive cathodes; of secondary-emission electrodes
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子の収集効率の悪化を抑制し、製造コスト
を低減することが可能なダイノードの製造方法及び構造
を提供すること。 【解決手段】 ダイノード8は、表面が導電性を有する
1枚のプレート8aからなり、ケミカルエッチング等に
より形成された電子増倍孔14を有する。プレート8a
の上面には電子増倍孔14の一端となる入力開口14a
が形成され、下面には電子増倍孔14の他端となる出力
開口14bが形成される。出力開口14bは、入力開口
14aに比べて大なる口径に形成される。電子増倍孔1
4の内側面は、互いに対向する第1の湾曲面19aと第
2の湾曲面19bとを含む。第1の湾曲面19aは、入
力開口14aに対向するように入力開口14aの縁部か
ら延び、所定の半径を有した略円弧状に形成される。第
2の湾曲面19bは、出力開口14bに対向するように
出力開口14bの縁部から延び、所定の半径を有した略
円弧状に形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子増倍管、光電
子増倍管等に用いられるダイノードの製造方法、及びそ
の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のダイノードとして、たとえば特
公平6−7457号公報、特開平5−182631号公
報、特開平6−314551号公報等に開示されたよう
なものが知られている。特公平6−7457号公報に開
示されたダイノードは、複数の内曲状たとえば樽状の貫
通孔を有する有孔の板部材であって、貫通孔はその縦軸
及びダイノードを通る中正面に関して対称である。貫通
孔の入力及び出力直径は同一であり、貫通孔内の直径よ
りも小さい。また、ダイノードは2枚の金属シートから
なり、収斂する又はテーパをもった孔がエッチングによ
り形成された各シートを直径の大きいほうの開口を対面
させて背中合わせに配設することにより構成されてい
る。
【0003】特開平5−182631号公報及び特開平
6−314551号公報に開示されたダイノードは、一
端を入力開口とし、他端を出力開口とする複数の貫通孔
が配列形成されたプレートを有しており、各貫通孔の内
側面には、入射開口から入射した電子が衝突するように
電子の入射方向に対して傾斜する傾斜部を備えている。
また、各貫通孔の出力開口は入力開口に比べて大なる口
径に形成されている。
【0004】ところで、n段のダイノードから放出され
た2次電子はn段とn+1段との電位差によって形成さ
れる制動電界に導かれてn+1段のダイノードに入射す
ることになる。特公平6−7457号公報に開示された
ダイノードでは、貫通孔の入力及び出力直径が同一であ
るために、制動電界となるn段の貫通孔内部への等電位
線の入り込みが不十分であり、貫通孔内部の制動電界が
弱いという欠点があり、放出された2次電子がn段側に
戻ってしまう場合もあり、電子の収集効率を低下させる
原因の一つとなっていた。
【0005】これに対して、特開平5−182631号
公報に開示されたダイノードでは、貫通孔を出力開口が
入力開口に比べて大なる口径となるように形成すること
により、貫通孔の内側面は出力開口に向かって拡開する
テーパ形状となり、2次電子を次段に導く制動電界は口
径の大きな出力開口から入り、傾斜部の対向側の内側面
に沿って上昇し、貫通孔内部に深く入り込むように形成
されることになる。この結果、貫通孔内部に入り込む制
動電界の強さが増大し、放出された2次電子を次段のダ
イノードにより確実に導くことができ、電子の収集効率
を向上することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一般に、ダイノード
は、特公平6−7457号公報及び特開平6−3145
51号公報等に開示されているように、2枚の金属薄板
(プレート)からなり、各金属薄板にエッチング技術を
用いて貫通孔を形成し、この後、2枚の金属薄板を接合
して一体化することにより形成される。
【0007】しかしながら、2枚の金属薄板を接合して
ダイノードを形成するものでは、各金属薄板を接合する
際に金属薄板間で位置ずれが生じることがあり、この金
属薄板間の位置ずれにより2次電子を適切に導くことが
できなくなり、電子の収集効率が悪化するという問題点
を有している。また、2枚の金属薄板を設計する必要が
あると共に、製造工程において接合工程が必要となるこ
とからダイノードの製造コストが高くなるという問題点
も有している。
【0008】本発明は上述の点に鑑みてなされたもの
で、電子の収集効率の悪化を抑制し、製造コストを低減
することが可能なダイノードの製造方法及び構造を提供
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係るダイノード
の製造方法は、一枚のプレートに、一端を入力開口と
し、他端を出力開口とする貫通孔を形成するダイノード
の製造方法であって、プレートに平行な方向から見て所
定の半径を有する略円弧状の第1の軌跡を描くように、
プレートの一方の面側の所定部分をエッチングして入力
開口を形成し、プレートに平行な方向から見て所定の半
径を有すると共に、その中心が第1の軌跡の中心に対し
てプレートに平行な方向にずれて位置しており、プレー
トに平行な方向から見て第1の軌跡と接するもしくは重
なる略円弧状の第2の軌跡を描くように、プレートの他
方の面側の所定部分をエッチングして出力開口を形成す
ることを特徴としている。
【0010】本発明に係るダイノードの製造方法では、
一枚のプレートに対して、このプレートに平行な方向か
ら見て所定の半径を有する略円弧状の第1の軌跡を描く
ように、プレートの一方の面側の所定部分をエッチング
して入力開口を形成する一方、プレートに平行な方向か
ら見て所定の半径を有すると共に、その中心が第1の軌
跡の中心に対してプレートに平行な方向にずれて位置し
ており、プレートに平行な方向から見て第1の軌跡と接
するもしくは重なる略円弧状の第2の軌跡を描くよう
に、プレートの他方の面側の所定部分をエッチングして
出力開口を形成するので、一枚のプレートに貫通孔を形
成することが可能となる。これにより、2枚のプレート
の設計、及び、プレートの接合工程が不要となりダイノ
ードの製造コストを低減することができる。また、2枚
のプレートを接合することがないことから、上述したよ
うな接合時のプレートの位置ずれが生じることはなく、
放出された2次電子を次段のダイノードに適切に導くこ
とができ、電子の収集効率の悪化を抑制することができ
る。
【0011】また、第1の軌跡の半径を第2の軌跡の半
径よりも小さくすることが好ましい。このように、第1
の軌跡の半径を第2の軌跡の半径よりも小さくすること
により、入力開口に比べて大なる口径の出力開口を有す
る貫通孔をプレートに極めて容易に形成することができ
る。この結果、電子の収集効率をより一層向上し得る構
成のダイノードを低製造コストで実現することができ
る。
【0012】また、第1の軌跡の中心を、プレートに平
行な方向から見てプレートの一方の面よりも内側に位置
させることが好ましい。このように、第1の軌跡の中心
を、プレートに平行な方向から見てプレートの一方の面
よりも内側に位置させることにより、入力開口に比べて
大なる口径の出力開口を有する貫通孔をプレートに極め
て容易に形成することができる。この結果、電子の収集
効率をより一層向上し得る構成のダイノードを低製造コ
ストで実現することができる。
【0013】また、第2の軌跡の中心を、プレートに平
行な方向から見てプレートの他方の面よりも内側、もし
くはプレートの他方の面上に位置させることが好まし
い。このように、第2の軌跡の中心を、プレートに平行
な方向から見てプレートの他方の面よりも内側、もしく
はプレートの他方の面上に位置させることにより、入力
開口に比べて大なる口径の出力開口を有する貫通孔をプ
レートに極めて容易に形成することができる。この結
果、電子の収集効率をより一層向上し得る構成のダイノ
ードを低製造コストで実現することができる。
【0014】本発明に係るダイノードの構造は、一枚の
プレートに、一端を入力開口とし、他端を出力開口とす
る貫通孔が形成されたダイノードの構造であって、貫通
孔の内側面は、互いに対向する第1の湾曲面と第2の湾
曲面とを含み、第1の湾曲面は、入力開口に対向するよ
うに入力開口の縁部から延び、プレートに平行な方向か
ら見て所定の半径を有した略円弧状に形成され、第2の
湾曲面は、出力開口に対向するように出力開口の縁部か
ら延び、プレートに平行な方向から見て所定の半径を有
した略円弧状に形成され、出力開口は、入力開口に比べ
て大なる口径に形成されていることを特徴としている。
【0015】本発明に係るダイノードの構造では、貫通
孔の内側面が上述したような第1の湾曲面と第2の湾曲
面とを含んでいることから、一枚のプレートに貫通孔を
形成することが可能となり、2枚のプレートの設計、及
び、プレートの接合工程が不要となりダイノードの製造
コストを低減することができる。また、2枚のプレート
を接合することがないことから、上述したような接合時
のプレートの位置ずれが生じることはなく、更に、出力
開口が入力開口に比べて大なる口径に形成されているの
で、放出された2次電子が次段のダイノードに適切に導
かれることになり、電子の収集効率を向上することがで
きる。
【0016】また、第1の湾曲面と第2の湾曲面とは、
第1の湾曲面を形成するための軌跡と第2の湾曲面を形
成するための軌跡とが接するもしくは重なるようにして
形成されていることが好ましい。このように、第1の湾
曲面と第2の湾曲面とが、第1の湾曲面を形成するため
の軌跡と第2の湾曲面を形成するための軌跡とが接する
もしくは重なるようにして形成されることにより、貫通
孔を容易に形成することができ、ダイノードの製造コス
トをより一層低減することができる。
【0017】また、プレートに平行な方向から見たとき
の第1の湾曲面の半径は、プレートに平行な方向から見
たときの第2の湾曲面の半径よりも小さいことが好まし
い。このように、プレートに平行な方向から見たときの
第1の湾曲面の半径が、プレートに平行な方向から見た
ときの第2の湾曲面の半径よりも小さいことにより、入
力開口に比べて大なる口径の出力開口を有する貫通孔を
プレートに極めて容易に形成することができる。この結
果、電子の収集効率をより一層向上し得る構成のダイノ
ードを低製造コストで実現することができる。
【0018】また、第1の湾曲面の中心は、プレートに
平行な方向から見てプレートの一方の面よりも内側に位
置していることが好ましい。このように、第1の湾曲面
の中心が、プレートに平行な方向から見てプレートの一
方の面よりも内側に位置することにより、入力開口に比
べて大なる口径の出力開口を有する貫通孔をプレートに
極めて容易に形成することができる。この結果、電子の
収集効率をより一層向上し得る構成のダイノードを低製
造コストで実現することができる。
【0019】また、第2の湾曲面の中心は、プレートに
平行な方向から見てプレートの他方の面よりも内側、も
しくはプレートの他方の面上に位置していることが好ま
しい。このように、第2の湾曲面の中心が、プレートに
平行な方向から見てプレートの他方の面よりも内側、も
しくはプレートの他方の面上に位置することにより、入
力開口に比べて大なる口径の出力開口を有する貫通孔を
プレートに極めて容易に形成することができる。この結
果、電子の収集効率をより一層向上し得る構成のダイノ
ードを低製造コストで実現することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
によるダイノードの製造方法及び構造の好適な実施形態
について詳細に説明する。なお、各図において同一要素
には同一符号を付して説明を省略する。本実施形態は、
本発明を放射線検出装置等に用いられる光電子増倍管に
適用した例を示している。
【0021】図1は、第1実施形態に係る光電子増倍管
を示す斜視図であり、図2は、図1のII−II線に沿う断
面図である。これらの図面に示す光電子増倍管1は、略
正四角筒形状の金属製(たとえば、コバール金属製やス
テンレス製)の側管2を有し、この側管2の一側の開口
端Aには、ガラス製(たとえば、コバールガラス製や石
英ガラス製)の受光面板3が融着固定されている。この
受光面板3の内表面には、光を電子に変換する光電面3
aが形成され、この光電面3aは、受光面板3に予め蒸
着させておいたアンチモンにアルカリ金属を反応させる
ことで形成される。また、側管2の開口端Bには、金属
製(たとえば、コバール金属製やステンレス製)のステ
ム板4が溶接固定されている。このように、側管2と受
光面板3とステム板4とによって密封容器5が構成さ
れ、この密封容器5は、高さが10mm程度の極薄タイ
プのものである。なお、受光面板3の形状は、正方形に
限定されるものでは無く、長方形や六角形等の多角形で
あってもよい。
【0022】また、ステム板4の中央には金属製の排気
管6が固定されている。この排気管6は、光電子増倍管
1の組立て作業終了後、密封容器5の内部を真空ポンプ
(図示せず)によって排気して真空状態にするのに利用
されると共に、光電面3aの成形時にアルカリ金属蒸気
を密封容器5内に導入させる管としても利用される。
【0023】密封容器5内には、ブロック状で積層タイ
プの電子増倍器7が設けられ、この電子増倍器7は、1
0枚(10段)の板状のダイノード8を積層させた電子
増倍部9を有している。電子増倍器7は、ステム板4を
貫通するように設けられたコバール金属製のステムピン
10によって密封容器5内で支持され、各ステムピン1
0の先端は各ダイノード8と電気的に接続されている。
また、ステム板4には、各ステムピン10を貫通させる
ためのピン孔4aが設けられ、各ピン孔4aには、コバ
ールガラス製のハーメチックシールとして利用されるタ
ブレット11が充填されている。各ステムピン10は、
このタブレット11を介してステム板4に固定される。
なお、各ステムピン10には、ダイノード用のものとア
ノード用のものとがある。
【0024】電子増倍器7には、電子増倍部9の下方に
位置してステムピン10の上端に固定したアノード12
が並設されている。また、電子増倍器7の最上段におい
て、光電面3aと電子増倍部9との間には平板状の集束
電極板13が配置されている。この集束電極板13に
は、スリット状の開口部13aが複数本形成され、各開
口部13aは全て同一方向に延在した配列をなす。同様
に、電子増倍部9の各ダイノード8には、電子を増倍さ
せるためのスリット状電子増倍孔14が複数本形成され
ることにより配列されている。ここで、電子増倍孔14
は各請求項における貫通孔を構成している。
【0025】そして、各ダイノード8の各電子増倍孔1
4を段方向にそれぞれ配列してなる各電子増倍経路L
と、集束電極板13の各開口部13aとを一対一で対応
させることによって、電子増倍器7には、複数のチャン
ネルが形成されることになる。また、電子増倍器7に設
けられた各アノード12は所定数のチャンネル毎に対応
するように8×8個設けられ、各アノード12を各ステ
ムピン10にそれぞれ接続させることで、各ステムピン
10を介して外部に個別的な出力を取り出している。
【0026】このように、電子増倍器7は、複数のリニ
ア型チャンネルを有している。そして、図示しないブリ
ーダ回路に接続した所定のステムピン10によって、電
子増倍部9及びアノード12には所定の電圧が供給さ
れ、光電面3aと集束電極板13とは、同じ電位に設定
され、各ダイノード8とアノード12は、上段から順に
高電位の設定がなされている。したがって、受光面板3
に入射した光は、光電面3aで電子に変換され、その電
子が、集束電極板13と電子増倍器7の最上段に積層さ
れている第1段のダイノード8とによって形成される電
子レンズ効果により、所定のチャンネル内に入射するこ
とになる。そして、電子の入射したチャンネルにおい
て、電子は、ダイノード8の電子増倍経路Lを通りなが
ら、各ダイノード8で多段増倍されて、アノード12に
入射し、所定のチャンネル毎に個別的な出力が各アノー
ド12から送出されることになる。
【0027】次に、上述したダイノード8の構成を、図
3〜図5に基づいて詳細に説明する。図3は、ダイノー
ド8を示す平面図であり、図4は、ダイノード8の要部
拡大平面図であり、図5は、ダイノード8の要部断面図
である。
【0028】夫々のダイノード8は、表面が導電性を有
する1枚のプレート8aからなる。各ダイノード8に
は、8列のチャンネル15が形成されており、各チャン
ネル15は、ダイノード8の外枠16と仕切部17とで
作り出されている。各チャンネル15には、後述するよ
うにケミカルエッチング等を施すことにより、電子増倍
孔14が集束電極板13の開口部13aと同数本並設さ
れている。各電子増倍孔14は、すべて同一方向に延在
し、紙面と垂直な方向に複数配列されている。また、電
子増倍孔14同士は、線状の増倍孔境界部分18で仕切
られている。仕切部17の幅は、アノード12同士の間
隔に対応して決定されると共に、増倍孔境界部分18よ
り広い幅で形成されている。
【0029】プレート8a(ダイノード8)の上面に
は、電子増倍孔14の一端となる略長方形状(略0.1
9mm×略6.0mm)の入力開口14aが形成され、
下面には電子増倍孔14の他端となる略長方形状(略
0.3mm×略6.0mm)の出力開口14bが形成さ
れている。出力開口14bは、入力開口14aに比べて
大なる口径に形成されている。本実施形態においては、
プレート8a(ダイノード8)の厚さtは0.2mm程
度であり、電子増倍孔14のピッチpは0.5mm程度
である。
【0030】電子増倍孔14の内側面は、互いに対向す
る第1の湾曲面19aと第2の湾曲面19bとを含んで
いる。第1の湾曲面19aは、入力開口14aに対向す
るように入力開口14aの縁部から延び、プレート8a
に平行な方向から見て所定の半径(たとえば、0.11
mm程度)を有した略円弧状に形成されている。第2の
湾曲面19bは、出力開口14bに対向するように出力
開口14bの縁部から延び、プレート8aに平行な方向
から見て所定の半径(たとえば、0.16mm程度)を
有した略円弧状に形成されている。第1の湾曲面19a
には、アンチモン(Sb)の真空蒸着を施し、アルカリ
を反応させて2次電子放出層を形成している。
【0031】本実施形態においては、第1の湾曲面19
aと第2の湾曲面19bとは、第1の湾曲面19aを形
成するためのエッチング軌跡と第2の湾曲面19bを形
成するためのエッチング軌跡とが重なるようにして形成
されている。また、第1の湾曲面19aの中心は、プレ
ート8aに平行な方向から見てプレート8aの一方の面
(上面)よりも内側に位置している。第2の湾曲面19
bの中心は、プレート8aに平行な方向から見てプレー
ト8aの他方の面(下面)よりも内側に位置している。
なお、第2の湾曲面19bの中心は、プレート8aに平
行な方向から見てプレート8aの他方の面(下面)上に
位置してもよい。
【0032】各ダイノード8の外枠16及び仕切部17
の所定の位置にドーム状に形成されたガラス部31を接
合して設けるようにしてもよい。この場合、ガラス部3
1は、1つの外枠16あるいは仕切部17に対して9
個、全81個設けられている。ガラス部31は、外枠1
6及び仕切部17にガラスを塗布して硬化させることに
より接合されており、上向きに凸とされた略半円柱状の
ドーム形状を呈している。各ダイノード8は、ドーム状
に形成されたガラス部31が接合された後に積層され
る。これにより、電子増倍部9は、ガラス部31を介し
て各ダイノード8が積層されることにより構成されるこ
とになる。
【0033】本実施形態においては、積層されたダイノ
ード8とガラス部31とは略線接触することになり、ダ
イノード8とガラス部31との接合面積が少なくなる。
この結果、ダイノード8の反りの発生を抑制することが
でき、ダイノード8の積層を容易に行うことができる。
また、外枠16及び仕切部17の所定の位置にドーム状
に形成されたガラス部31を設けることにより、電子増
倍孔14が配列された部分(チャンネル15)の面積、
すなわち電子増倍器7(光電子増倍管1)における有感
受光面積の減少を抑制した上で、ダイノード8にガラス
部31を接合することができる。
【0034】次に、図6に基づいて、ダイノード8の製
造方法について説明する。ダイノード8は、プレート8
aの上面及び下面に所定形状のエッチング防止用のマス
クを形成した後に、以下のようにして一枚のプレート8
aにケミカルエッチングを施すことにより、貫通孔とし
ての電子増倍孔14が形成される。プレート8aに平行
な方向から見て所定の半径(たとえば、0.11mm程
度)を有する略円弧状の第1の軌跡l1を描くように、
プレート8aの一方の面(上面)側の所定部分をケミカ
ルエッチングして入力開口14aを形成する。また、プ
レート8aに平行な方向から見て所定の半径(たとえ
ば、0.16mm程度)を有すると共に、その中心m2
が第1の軌跡l1の中心m1に対してプレート8aに平行
な方向にずれて位置しており、プレート8aに平行な方
向から見て第1の軌跡l1と重なる略円弧状の第2の軌
跡l2を描くように、プレート8aの他方の面(下面)
側の所定部分をケミカルエッチングして出力開口14b
を形成する。第1の軌跡l1の中心m1と第2の軌跡l2
の中心m2とのプレート8aに平行な方向における間隔
cは、0.16mm程度に設定されている。第1の軌跡
1と第2の軌跡l2とを重ならせることにより、入力開
口14aと出力開口14bを形成する際に、プレート8
aに貫通孔(電子増倍孔14)が形成されることにな
る。
【0035】本実施形態においては、第1の軌跡l1
中心m1を、プレート8aに平行な方向から見てプレー
ト8aの上面よりも内側に位置させており、プレート8
aの上面から第1の軌跡l1の中心m1までの長さaを
0.06mm程度に設定している。また、第2の軌跡l
2の中心m2を、プレート8aに平行な方向から見てプレ
ート8aの下面よりも内側に位置させており、プレート
8aの下面から第2の軌跡l2の中心m2までの長さbを
0.03mm程度に設定している。なお、第2の軌跡l
2の中心m2を、プレート8aに平行な方向から見てプレ
ート8aの下面上に位置させるようにしてもよい。この
ように、
【0036】第1の軌跡l1を描くようにプレート8a
をケミカルエッチングすることにより第1の湾曲面19
aが形成されることになる。プレート8aの厚さtに対
する第1の湾曲面19aのエッチング深度(ed1/t
×100)は、図5に示されるように、85%以上とな
る。
【0037】また、第2の軌跡l2を描くようにプレー
ト8aをケミカルエッチングすることにより第2の湾曲
面19bが形成されることになる。プレート8aの厚さ
tに対する第2の湾曲面19bのエッチング深度(ed
2/t×100)は、図5に示されるように、90%以
上となる。
【0038】次に、以上のように構成するダイノード8
を用いた電子増倍器7(電子増倍部9)の作用を図7に
基づいて説明する。
【0039】図7は、電子増倍器7の電子増倍部9を構
成する複数段のダイノード8のうち、連続する3段を取
り出して示したものである。各段のダイノード8は、第
1の湾曲面19a(第2の湾曲面19b)の湾曲の向き
が上段と下段で反転するように、プレート8aの配置方
向を段毎に反転させて積層している。
【0040】この状態で、各ダイノード8に所定の電圧
を印加すると、前段の出力開口14bから電子増倍孔1
4内に湾曲して入り込む状態の等電位線と、後段の入力
開口14aから電子増倍孔14内に湾曲して入り込む状
態の等電位線とが形成されることになる。ここで、出力
開口14bは、入力開口14aに比べて大なる口径に形
成されているので、出力開口14bから入り込む等電位
線、すなわちは2次電子を次段に導く制動電界は、電子
増倍孔14内部に深く入り込む状態となる。この電子増
倍孔14内部に深く入り込む状態となる。
【0041】このように、電子増倍孔14内への等電位
線の入り込みが深ければ、電子増倍孔14内部の制動電
界が強くなり、前段のダイノード8の第1の湾曲面19
aの下部から放出された2次電子21は、後段のダイノ
ード8に導かれる。
【0042】なお、上述した実施形態においては、第1
の湾曲面19aと第2の湾曲面19bとが、第1の湾曲
面19aを形成するためのエッチング軌跡と第2の湾曲
面19bを形成するためのエッチング軌跡とが重なるよ
うにして形成されているが、これ以外の実施形態とし
て、第1の湾曲面19aと第2の湾曲面19bとが、第
1の湾曲面19aを形成するためのエッチング軌跡と第
2の湾曲面19bを形成するためのエッチング軌跡とが
接するようにして形成されていてもよい。
【0043】以下、第1の湾曲面19aを形成するため
のエッチング軌跡と第2の湾曲面19bを形成するため
のエッチング軌跡とが接している実施形態について、図
8〜図10に基づいて説明する。
【0044】図8に示されるように、プレート8a(ダ
イノード8)の上面には、電子増倍孔14の一端となる
略長方形状(略0.19mm×略6.0mm)の入力開
口14cが形成され、下面には電子増倍孔14の他端と
なる略長方形状(略0.3mm×略6.0mm)の出力
開口14dが形成されている。出力開口14dは、入力
開口14cに比べて大なる口径に形成されている。本実
施形態においては、プレート8a(ダイノード8)の厚
さtは0.2mm程度であり、電子増倍孔14のピッチ
pは0.5mm程度である。
【0045】電子増倍孔14の内側面は、互いに対向す
る第1の湾曲面19cと第2の湾曲面19dとを含んで
いる。第1の湾曲面19cは、入力開口14cに対向す
るように入力開口14cの縁部から延び、プレート8a
に平行な方向から見て所定の半径(たとえば、0.11
mm程度)を有した略円弧状に形成されている。第2の
湾曲面19dは、出力開口14dに対向するように出力
開口14dの縁部から延び、プレート8aに平行な方向
から見て所定の半径(たとえば、0.16mm程度)を
有した略円弧状に形成されている。第1の湾曲面19c
には、アンチモン(Sd)の真空蒸着を施し、アルカリ
を反応させて2次電子放出層を形成している。
【0046】本実施形態においては、第1の湾曲面19
cと第2の湾曲面19dとは、第1の湾曲面19cを形
成するためのエッチング軌跡と第2の湾曲面19dを形
成するためのエッチング軌跡とが接するようにして形成
されている。また、第1の湾曲面19cの中心は、プレ
ート8aに平行な方向から見てプレート8aの一方の面
(上面)よりも内側に位置している。第2の湾曲面19
dの中心は、プレート8aに平行な方向から見てプレー
ト8aの他方の面(下面)よりも内側に位置している。
なお、第2の湾曲面19dの中心は、プレート8aに平
行な方向から見てプレート8aの他方の面(下面)上に
位置してもよい。
【0047】次に、図9に基づいて、ダイノード8の製
造方法について説明する。ダイノード8は、プレート8
aの上面及び下面に所定形状のエッチング防止用のマス
クを形成した後に、以下のようにして一枚のプレート8
aにケミカルエッチングを施すことにより、貫通孔とし
ての電子増倍孔14が形成される。プレート8aに平行
な方向から見て所定の半径(たとえば、0.11mm程
度)を有する略円弧状の第1の軌跡l3を描くように、
プレート8aの一方の面(上面)側の所定部分をケミカ
ルエッチングして入力開口14cを形成する。また、プ
レート8aに平行な方向から見て所定の半径(たとえ
ば、0.16mm程度)を有すると共に、その中心m4
が第1の軌跡l3の中心m3に対してプレート8aに平行
な方向にずれて位置しており、プレート8aに平行な方
向から見て第1の軌跡l3と重なる略円弧状の第2の軌
跡l4を描くように、プレート8aの他方の面(下面)
側の所定部分をケミカルエッチングして出力開口14d
を形成する。第1の軌跡l3の中心m3と第2の軌跡l4
の中心m4とのプレート8aに平行な方向における間隔
hは、0.23mm程度に設定されている。第1の軌跡
3と第2の軌跡l4とを接させることにより、入力開口
14cと出力開口14dを形成する際に、エッチングに
よりプレート8aが侵蝕され、プレート8aに貫通孔
(電子増倍孔14)が形成されることになる。
【0048】本実施形態においては、第1の軌跡l3
中心m3を、プレート8aに平行な方向から見てプレー
ト8aの上面よりも内側に位置させており、プレート8
aの上面から第1の軌跡l3の中心m3までの長さfを
0.06mm程度に設定している。また、第2の軌跡l
4の中心m4を、プレート8aに平行な方向から見てプレ
ート8aの下面よりも内側に位置させており、プレート
8aの下面から第2の軌跡l4の中心m4までの長さgを
0.03mm程度に設定している。なお、第2の軌跡l
4の中心m4を、プレート8aに平行な方向から見てプレ
ート8aの下面上に位置させるようにしてもよい。この
ように、
【0049】第1の軌跡l3を描くようにプレート8a
をケミカルエッチングすることにより第1の湾曲面19
cが形成されることになる。プレート8aの厚さtに対
する第1の湾曲面19cのエッチング深度(ed3/t
×100)は、図5に示されるように、85%以上とな
る。
【0050】また、第2の軌跡l4を描くようにプレー
ト8aをケミカルエッチングすることにより第2の湾曲
面19dが形成されることになる。プレート8aの厚さ
tに対する第2の湾曲面19dのエッチング深度(ed
4/t×100)は、図5に示されるように、90%以
上となる。
【0051】次に、以上のように構成するダイノード8
を用いた電子増倍器7(電子増倍部9)の作用を図10
に基づいて説明する。
【0052】図10は、電子増倍器7の電子増倍部9を
構成する複数段のダイノード8のうち、連続する3段を
取り出して示したものである。各段のダイノード8は、
第1の湾曲面19c(第2の湾曲面19d)の湾曲の向
きが上段と下段で反転するように、プレート8aの配置
方向を段毎に反転させて積層している。
【0053】この状態で、各ダイノード8に所定の電圧
を印加すると、前段の出力開口14dから電子増倍孔1
4内に湾曲して入り込む状態の等電位線と、後段の入力
開口14cから電子増倍孔14内に湾曲して入り込む状
態の等電位線とが形成されることになる。ここで、出力
開口14dは、入力開口14cに比べて大なる口径に形
成されているので、出力開口14dから入り込む等電位
線、すなわちは2次電子を次段に導く制動電界は、電子
増倍孔14内部に深く入り込む状態となる。この電子増
倍孔14内部に深く入り込む状態となる。
【0054】このように、電子増倍孔14内への等電位
線の入り込みが深ければ、電子増倍孔14内部の制動電
界が強くなり、前段のダイノード8の第1の湾曲面19
cの下部から放出された2次電子21は、後段のダイノ
ード8に導かれる。
【0055】このように、上述した実施形態のダイノー
ド8によれば、電子増倍孔14の内側面が上述したよう
な第1の湾曲面19a,19cと第2の湾曲面19b,
19dとを含んでいることから、一枚のプレート8aに
電子増倍孔14を形成することが可能となり、2枚のプ
レートの設計、及び、プレートの接合工程が不要となり
ダイノード8の製造コストを低減することができる。ま
た、2枚のプレートを接合することがないことから、上
述したような接合時のプレートの位置ずれが生じること
はなく、更に、出力開口14b,14dが入力開口14
a,14cに比べて大なる口径に形成されているので、
放出された2次電子21が次段のダイノード8に適切に
導かれることになり、電子の収集効率を向上することが
できる。
【0056】また、第1の湾曲面19a,19cと第2
の湾曲面19b,19dとは、第1の湾曲面19a,1
9cを形成するためのエッチング軌跡(第1の軌跡
1,l3)と第2の湾曲面19b,19dを形成するた
めのエッチング軌跡(第1の軌跡l2,l4)とが接する
もしくは重なるようにして形成されていることにより、
電子増倍孔14を容易に形成することができ、ダイノー
ド8の製造コストをより一層低減することができる。
【0057】また、プレート8aに平行な方向から見た
ときの第1の湾曲面19a,19cの半径は、プレート
8aに平行な方向から見たときの第2の湾曲面19a,
19cの半径よりも小さいことにより、入力開口14
a,14cに比べて大なる口径の出力開口14b,14
dを有する電子増倍孔14をプレート8aに極めて容易
に形成することができる。この結果、電子の収集効率を
より一層向上し得る構成のダイノード8を低製造コスト
で実現することができる。
【0058】また、第1の湾曲面19a,19cの中心
は、プレート8aに平行な方向から見てプレート8aの
上面よりも内側に位置していることにより、入力開口1
4a,14cに比べて大なる口径の出力開口14b,1
4dを有する電子増倍孔14をプレート8aに極めて容
易に形成することができる。この結果、電子の収集効率
をより一層向上し得る構成のダイノード8を低製造コス
トで実現することができる。
【0059】また、第2の湾曲面19a,19cの中心
は、プレート8aに平行な方向から見てプレート8aの
下面よりも内側、もしくはプレート8aの下面上に位置
していることにより、入力開口14a,14cに比べて
大なる口径の出力開口14b,14dを有する電子増倍
孔14をプレート8aに極めて容易に形成することがで
きる。この結果、電子の収集効率をより一層向上し得る
構成のダイノード8を低製造コストで実現することがで
きる。
【0060】また、上述した実施形態のダイノード8の
製造方法によれば、一枚のプレート8aに対して、上述
した形状の第1の軌跡l1,l3を描くようにプレート8
aの上面側の所定部分をケミカルエッチングして入力開
口14a,14cを形成する一方、上述した形状の第2
の軌跡l2,l4を描くようにプレート8aの下面側の所
定部分をケミカルエッチングして出力開口14b,14
dを形成するので、一枚のプレート8aに電子増倍孔1
4を形成することが可能となる。これにより、2枚のプ
レートの設計、及び、プレートの接合工程が不要となり
ダイノードの製造コストを低減することができる。ま
た、2枚のプレートを接合することがないことから、上
述したような接合時のプレートの位置ずれが生じること
はなく、放出された2次電子21を次段のダイノード8
に適切に導くことができ、電子の収集効率の悪化を抑制
することができる。
【0061】本発明は、前述した実施形態に限定される
ものではなく、上述した数値、形状等も適宜変更して設
定することができ、また、本実施形態は、光電面3aを
備えた光電子増倍管1に適用した例を示しているが、も
ちろん本発明は電子増倍管にも適用することができる。
また、ケミカルエッチング以外のエッチング技術を用い
るようにしてもよい。
【0062】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、電子の収集効率の悪化を抑制し、製造コストを
低減することが可能なダイノードの製造方法及び構造を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る光電子増倍管を示す斜
視図である。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る光電子増倍管に含まれ
る、ダイノードを示す平面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る光電子増倍管に含まれ
る、ダイノードの要部拡大平面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る光電子増倍管に含まれ
る、ダイノードの要部断面図である。
【図6】本発明の実施形態に係る光電子増倍管に含まれ
る、ダイノードの製造方法を説明するための図である。
【図7】本発明の実施形態に係る光電子増倍管に含まれ
る、電子増倍部における電子軌道を示す図である。
【図8】ダイノードの他の実施形態を示す要部断面図で
ある。
【図9】図8に示されたダイノードの製造方法を説明す
るための図である。
【図10】図8に示されたダイノードが積層された電子
増倍部における電子軌道を示す図である。
【符号の説明】
1…光電子増倍管、7…電子増倍器、8…ダイノード、
8a…プレート、9…電子増倍部、14…電子増倍孔、
14a,14c…入力開口、14b,14d…出力開
口、19a…第1の湾曲面、19b…第2の湾曲面、1
9c…第1の湾曲面、19d…第2の湾曲面、21…2
次電子、l1,l3…第1の軌跡、l2,l4…第2の軌
跡、m1,m3…第1の軌跡の中心、m2,m4…第2の軌
跡の中心。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一枚のプレートに、一端を入力開口と
    し、他端を出力開口とする貫通孔を形成するダイノード
    の製造方法であって、 前記プレートに平行な方向から見て所定の半径を有する
    略円弧状の第1の軌跡を描くように、前記プレートの一
    方の面側の所定部分をエッチングして前記入力開口を形
    成し、 前記プレートに平行な方向から見て所定の半径を有する
    と共に、その中心が前記第1の軌跡の中心に対して前記
    プレートに平行な方向にずれて位置しており、前記プレ
    ートに平行な方向から見て前記第1の軌跡と接するもし
    くは重なる略円弧状の第2の軌跡を描くように、前記プ
    レートの他方の面側の所定部分をエッチングして前記出
    力開口を形成することを特徴とするダイノードの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記第1の軌跡の半径を前記第2の軌跡
    の半径よりも小さくすることを特徴とする請求項1に記
    載のダイノードの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第1の軌跡の中心を、前記プレート
    に平行な方向から見て前記プレートの前記一方の面より
    も内側に位置させることを特徴とする請求項1又は請求
    項2に記載のダイノードの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第2の軌跡の中心を、前記プレート
    に平行な方向から見て前記プレートの前記他方の面より
    も内側、もしくは前記プレートの前記他方の面上に位置
    させることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか
    一項に記載のダイノードの製造方法。
  5. 【請求項5】 一枚のプレートに、一端を入力開口と
    し、他端を出力開口とする貫通孔が形成されたダイノー
    ドの構造であって、 前記貫通孔の内側面は、互いに対向する第1の湾曲面と
    第2の湾曲面とを含み、 前記第1の湾曲面は、前記入力開口に対向するように前
    記入力開口の縁部から延び、前記プレートに平行な方向
    から見て所定の半径を有した略円弧状に形成され、 前記第2の湾曲面は、前記出力開口に対向するように前
    記出力開口の縁部から延び、前記プレートに平行な方向
    から見て所定の半径を有した略円弧状に形成され、 前記出力開口は、前記入力開口に比べて大なる口径に形
    成されていることを特徴とするダイノードの構造。
  6. 【請求項6】 前記第1の湾曲面と前記第2の湾曲面と
    は、前記第1の湾曲面を形成するための軌跡と前記第2
    の湾曲面を形成するための軌跡とが接するもしくは重な
    るようにして形成されていることを特徴とする請求項5
    に記載のダイノードの構造。
  7. 【請求項7】 前記プレートに平行な方向から見たとき
    の前記第1の湾曲面の半径は、前記プレートに平行な方
    向から見たときの前記第2の湾曲面の半径よりも小さい
    ことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のダイノ
    ードの構造。
  8. 【請求項8】 前記第1の湾曲面の中心は、前記プレー
    トに平行な方向から見て前記プレートの前記一方の面よ
    りも内側に位置していることを特徴とする請求項5〜請
    求項7のいずれか一項に記載のダイノードの構造。
  9. 【請求項9】 前記第2の湾曲面の中心は、前記プレー
    トに平行な方向から見て前記プレートの前記他方の面よ
    りも内側、もしくは前記プレートの前記他方の面上に位
    置していることを特徴とする請求項5〜請求項8のいず
    れか一項に記載のダイノードの構造。
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