JP3078905B2 - 電子増倍器を備えた電子管 - Google Patents
電子増倍器を備えた電子管Info
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- H01J—ELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
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- H01J43/04—Electron multipliers
- H01J43/06—Electrode arrangements
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- H01J43/22—Dynodes consisting of electron-permeable material, e.g. foil, grid, tube, venetian blind
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Description
電子流を増倍する電子増倍器を備えた電子管に関するも
のである。
増倍する電子管として、電子増倍管、光電子増倍管或い
はイメージ増倍管等が知られている。この電子管内に配
設する電子増倍器は、通常、2次電子放出層を備えたダ
イノードを複数段に積層して構成している。
端面図を示す。この図は、電気的に絶縁された状態で複
数段に積み重ねたダイノードのうち、連続するn段とn
+1段を取り出して示したものである。
成したプレート82を有しており、貫通孔81の傾きが
段毎に反転するように、プレート82の配置方向を段毎
に反転させている。また、各段のダイノード80が、次
段、次々段と、順次、高電位となるように、各段の電源
83によって各段のプレート82に所定の電圧を印加し
ている。この場合、V1 =100V、V2 =200Vで
ある。このプレート82は、各貫通孔81の内側面を含
む表面が導電性を有しているため、電源83から印加さ
れる電圧によって、プレート82の全表面が同電位に帯
電される。
n段に電子が入射した場合、この貫通孔81に入射した
電子が傾斜部84に衝突し、この傾斜部84に形成され
た2次電子放出層から2次電子が放出される。放出され
た2次電子は、n段とn+1段との電位差によって形成
される制動電界に導かれて、n+1段のダイノード80
に入射し、同様にして再び増倍されるものである。
段の間の電位の分布状態を図8に点線で示す。代表とし
て、120V、150V及び180Vの等電位線を示
し、それぞれA,B及びCとする。等電位線Bがn段と
n+1段の中間に位置し、等電位線Aがn段の貫通孔8
1内に、また、等電位線Cがn+1段の貫通孔81内
に、それぞれ湾曲して入り込む状態となっている。
ら放出された2次電子は、n段とn+1段との電位差に
よって形成される制動電界に導かれて、n+1段のダイ
ノード80に入射するが、このような従来のダイノード
では、制動電界となるn段の貫通孔81内部への等電位
線の入り込みが不十分であり、貫通孔内部の制動電界が
弱いという欠点があった。この結果、放出された2次電
子がn段側に戻ってしまう場合もあり、電子の収集効率
を低下させる原因の一つとなっていた。
のであり、その目的は、制動電界を貫通孔内部に十分に
入り込ませることにより、電子の収集効率を改善する電
子増倍器を備えた電子管を提供することにある。
てなされたものであり、その要旨は、2次電子放出によ
り入射電子流を増倍する電子増倍器を備えた電子管にお
いて、電子増倍器はダイノードを複数段に積層して構成
したものであり、各ダイノードは、一端を入力開口と
し、他端を出力開口とする複数の貫通孔を配列形成し、
各貫通孔の内側面を含む表面が導電性を有するプレート
と、各貫通孔の内側面に形成した2次電子放出層とを備
える。さらに、各貫通孔の内側面には、入射開口から入
射した電子が衝突するように、電子の入射方向に対して
傾斜する傾斜部を備えており、各貫通孔の出力開口を、
前記入力開口に比べて大なる口径に形成したことを特徴
とする電子増倍器を備えた電子管にある。
出力開口が入力開口に比べて大なる口径となるように形
成することにより、貫通孔の内側面は、出力開口に向か
って拡開するテーパ形状となる。2次電子を次段に導く
制動電界は、この口径の大きな出力開口から入り、前記
傾斜部の対向側の内側面に沿って上昇し、貫通孔内部に
深く入り込むように形成される。
説明する。
のうち、電子増倍器を構成するダイノードの第1の実施
例を示す。
るプレート11を有しており、プレート11には、エッ
チング等を施すことにより、当該プレートを厚さ方向に
貫通する複数の円筒形の貫通孔12を規則正しく配列形
成している。また、プレート11の上面には、貫通孔1
2の一端となる円形の入力開口13を形成し、下面には
貫通孔12の他端となる円形の出力開口14を形成して
いる。なお、このプレート11は、各貫通孔12の内側
面を含む表面が導電性を有していれば良く、たとえ内部
が空洞であっても良い。
13に比べて大なる口径となっており、このため、貫通
孔12の内側面は、出力開口14に向かって拡開するテ
ーパ形状となっている。また、貫通孔12は、入力開口
13から入射する電子の入射方向に対して傾斜した状態
に形成しており、この傾斜を利用して、貫通孔12の内
側面には、入力開口13から入射した電子が衝突する傾
斜部15を形成している。傾斜部15には、アンチモン
(Sb)の真空蒸着を施し、アルカリを反応させて2次
電子放出層を形成している。また、2次電子放出層は、
導電プレート11の材質をCuBeとし、酸素中で活性
化して形成することもできる。
0aを用いた電子増倍器の作用を図2に基づいて説明す
る。
イノードのうち、連続する2段を取り出して示したもの
である。各段のダイノード10aは、貫通孔12の傾き
が上段と下段で反転するように、プレート11の配置方
向を段毎に互いに反転させて積層している。
=100V、V2 =200Vの電圧を印加した場合の電
位の分布状態を点線で示す。前述の従来例(図8)と同
様に、120V、150V及び180Vの等電位線を代
表として示し、それぞれA,B及びCとする。
間に位置し、等電位線Aが前段の出力開口14から貫通
孔12内に、等電位線Cが後段の入力開口13から貫通
孔12内に、それぞれ湾曲して入り込む状態となる。図
8の場合と比較すると、出力開口14から入り込む等電
位線Aは、傾斜部15の対向側の傾斜部16に沿って上
昇し、貫通孔内部に深く入り込む状態に形成される。
比較した場合、口径が一定の円筒形状の貫通孔(図8参
照)に比べて、本実施例のように貫通孔12の形状を出
力開口14に向かって拡開するテーパ形状とすることに
より、等電位線、即ち、2次電子を導く制動電界を貫通
孔内部に深く入り込ませることができる。
の第2の実施例を図3に示す。
口13及び出力開口14の形状を長方形として一列に配
列したものである。貫通孔12の形状は、出力開口14
に向かって拡開する角筒形状となっており、入力開口1
3に比べ出力開口14の口径がいずれも大となってい
る。入力開口13から入射した電子が衝突する傾斜部1
5には、2次電子放出層を形成しており、前述の実施例
と同様の作用・効果を奏する。このような形状のダイノ
ードでは、2次元の情報は得られないが、十分な感度を
確保できる利点がある。
第3の実施例を図4に示す。
口13の形状を正方形として2次元的に配列したもので
ある。貫通孔12の形状は、出力開口14に向かって拡
開する角筒形状となっており、入力開口13に比べ出力
開口14の口径がいずれも大となっている。入力開口1
3から入射した電子が衝突する傾斜部15には、2次電
子放出層を形成しており、前述の実施例と同様の作用・
効果を奏する。このような形状のダイノードは、製造時
のマスクパターンが簡単になり、図1に示したような開
口部が円形のものに比べて、入射電子に対する開口面積
を大きくとることができ、また、2次元の情報も密に得
ることができる。
の第4の実施例を図5に示す。
口13及び出力開口14の形状を6角形、或いは6角形
を二分した形状として、これらを組み合わせて2次元的
に配列したものである。貫通孔12の形状は、出力開口
14に向かって拡開する角筒形状となっており、入力開
口13に比べ出力開口14の口径がいずれも大となって
いる。入力開口13から入射した電子が衝突する傾斜部
15には、2次電子放出層を形成しており、前述の実施
例と同様の作用・効果を奏する。このような形状のダイ
ノードでは、2次元の情報は得られないが、十分な感度
を確保できる利点がある。
実施例を示し、複数段のダイノード10aで構成する電
子増倍器を備えた光電子増倍管を示す。
入射窓21から入射する光を受けて光電子を放出する光
電陰極22と、放出された光電子を集束する集束電極2
3と、入射する光電子を増倍して出力する電子増倍器2
7と、増倍された光電子を取り出すため、最終段のダイ
ノード10aの出力開口に対応して配置した陽極24と
を備えている。
ーサ25を介在させ、ダイノード10aを3段に積み重
ねており、連続する前段の出力開口14と後段の入力開
口13とが相対するように、かつ、貫通孔12の傾きが
段毎に反転するように、ダイノード10aの配置方向を
段毎に反転させて配置している。
同電圧か或いは少し高い電圧を印加し、各段のダイノー
ド10aには、集束電極23よりも高い電圧で、V1 <
V2 <V3 となるように各段の電源26によって電圧を
印加し、陽極24には最も高い電圧を印加する。
入射窓21から光が入射した場合、この入射光を受けて
光電陰極22から光電子が放出される。放出された光電
子は集束電極23で集束されて、電子増倍器27を構成
する初段のダイノード10aに入射する。入射電子は、
初段の貫通孔12内の傾斜部15に衝突し、ここで2次
電子が放出され、入射電子流が増倍される。増倍された
入射電子流は次段のダイノード10aに入射して再び増
倍される。このようにして最終段のダイノード10aか
ら放出された電子流は、各出力開口14に対応して配置
した陽極24から取り出されものである。
して、第1の実施例で示したダイノード10aを用いる
例を示したが、前述の各実施例で示したダイノード10
b〜10dを用いることも可能である。
備えた電子管として、電子増倍管、光電子増倍管を示し
たが、この他にも、入力光像を輝度増幅するイメージ増
倍管など、2次電子放出作用により、入射電子流を増倍
する電子増倍器を備えた電子管であれば特に限定するも
のではない。
通孔12の内側面は全て直線的に傾斜するものであった
が、図7に示すように、内側面に曲面17を形成しても
良い。
10a〜10dの貫通孔の入力開口と出力開口の形状
を、円形と円形、或いは正方形と正方形のように、それ
ぞれ同一の形状としたが、この形状に限定するものでは
なく、例えば、円形の入力開口に対して正方形の出力開
口を形成するなど、入力開口に比べ出力開口の口径が大
となり、かつ、内側面に入射電子が衝突する傾斜部を備
えた貫通孔であれば良い。
倍器を備えた電子管は、電子増倍器を構成するダイノー
ドの貫通孔の形状を、入力開口に比べて出力開口の口径
が大となるように形成するので、貫通孔の内側面は、出
力開口に向かって拡開するテーパ形状となる。
は、この口径の大きな出力開口から入り、前記傾斜部の
対向側の内側面に沿って上昇し、貫通孔内部に深く入り
込むように形成されるので、貫通孔内部に入り込む制動
電界の強さが増大し、放出された2次電子を、次段のダ
イノードにより確実に導くことができ、これによって電
子の収集効率が向上するものである。
を一部破断して示す斜視図である。
ち、連続する2段を取り出して示す端面図である。
断して示す斜視図である。
断して示す斜視図である。
断して示す斜視図である。
を備えた光電子増倍管を示す端面図である。
端面図である。
貫通孔、13…入力開口、14…出力開口、15…傾斜
部、27…電子増倍器。
Claims (5)
- 【請求項1】 2次電子放出により入射電子流を増倍す
る電子増倍器を備えた電子管において、 前記電子増倍器はダイノードを複数段に積層して構成し
たものであり、前記各ダイノードは、 一端を入力開口とし、他端を出力開口とする複数の貫通
孔を配列形成し、該各貫通孔の内側面を含む表面が導電
性を有するプレートと、 前記各貫通孔の内側面に形成した2次電子放出層とを備
え、 さらに前記各貫通孔の内側面には、前記入射開口から入
射した電子が衝突するように、該電子の入射方向に対し
て傾斜する傾斜部を備えており、前記各貫通孔の出力開
口を、前記入力開口に比べて大なる口径に形成したこと
を特徴とする電子増倍器を備えた電子管。 - 【請求項2】 前記電子増倍器を構成する各段のダイノ
ードは、連続する前段の前記出力開口と後段の前記入力
開口とを相対して配置し、かつ、各段の前記貫通孔の傾
斜部の傾斜方向が連続する前段と後段で反転するよう
に、前記各段のダイノードを配置したことを特徴とする
請求項1記載の電子増倍器を備えた電子管。 - 【請求項3】 前記貫通孔の入力開口及び出力開口の形
状は、円形、方形又は6角形のいずれかであることを特
徴とする請求項1又は2記載の電子増倍器を備えた電子
管。 - 【請求項4】 前記電子管は、入射光子を受けて放出さ
れた光電子を増幅する光電子増倍管であることを特徴と
する請求項1乃至3記載の電子増倍器を備えた電子管。 - 【請求項5】 前記電子管は、入力光像を輝度増幅する
イメージ増倍管であることを特徴とする請求項1乃至3
記載の電子増倍器を備えた電子管。
Priority Applications (4)
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ID=18372823
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