JP2002008452A - 自己融着性絶縁電線 - Google Patents
自己融着性絶縁電線Info
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Abstract
き、その接着力が180℃での高温下でも維持できる自
己融着性絶縁電線を提供する。 【解決手段】 酸成分とジアミンまたは/およびジイソ
シアネート成分とを重合反応させて得られたポリイミド
樹脂からなる自己融着性層を有する絶縁電線であって、
反応させる上記酸成分が酸成分中に、下記一般式(I)
で示される酸無水物を80〜100mol%の範囲内で
含み、反応させる上記ジアミンまたは/およびジイソシ
アネート成分が、該成分中に下記一般式(III)で示さ
れるジアミンまたは/および下記一般式(II)で示され
るジイソシアネートを30〜50mol%含み、得られ
た樹脂の塗料を導体上に直接または他の絶縁層を介して
塗布焼き付けした自己融着性絶縁電線。 【化1】 (式中、R1は飽和脂肪族基の2価の残基を示し、R2は
炭素数6〜36のアルキレン基を示し、R3は炭素数6
〜36のアルキレン基を示す。)
Description
のコイルとして好適に使用される自己融着性絶縁電線に
関するものである。さらに詳しくは本発明は特に耐熱性
を必要とするコイルに適した自己融着性絶縁電線に関す
るものである。
は各種の電気機器に対して大量に使用されている。近年
この電気機器の製造における絶縁電線のコイル加工工程
において、特にモータや発電機といった高温で使用され
る電気機器の製造において自己融着絶縁電線の需要が増
大している。これはコイル巻き加工後に通常はワニス含
浸処理が施されるがこのような処理工程を省くことがで
きるためである。自己融着絶縁電線は従来、主として電
気通信機器(例えばテレビのブラウン管内で使用される
偏向ヨークコイル)用コイルに使用されていた。この種
の電線は電線の最外層に熱可塑性樹脂を主体とする自己
融着層を設けたものであり、用いられる熱可塑性樹脂と
してはポリビニルブチラール樹脂、共重合ポリアミド樹
脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリ
エステル樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。しかし
この種の従来の自己融着絶縁電線をより高温で使用され
るモータおよび発電機に適用した場合、耐熱性に乏しい
ため機器温度が150℃以上になると融着層が軟化して
接着力が大幅に低下し、コイルが変形する、あるいはコ
イルがばらける等の不具合が生じる。このような高温下
での接着力低下を防止した例として特開昭61−168
668号では融着層に芳香族ポリエーテルスルホンを主
体とし樹脂を用いたものが開発されている。しかしポリ
エーテルスルホンの軟化温度が200℃以上であり、自
己融着により十分な固着力を得るには加熱温度を230
℃以上に上げなければならず、接着作業の困難性、また
絶縁層の熱劣化をまねくおそれがあった。またこの固着
力を得るための加熱温度を幾分下げ、かつ、高温下での
接着力の低下を防いだ例として特開昭62−11777
号に例示されている技術がある。これは融着層に芳香族
−脂肪族系のポリアミド樹脂を使用したもので、加熱温
度は180〜200℃で十分な固着力を示し、かつ高温
下での接着力の低下も少ない。しかしながらこのポリア
ミド樹脂の欠点としてまだ高温時の接着力が不足してお
り、150℃の高温下では十分な接着力を示すが180
℃になると融着層が溶けてしまいコイルがばらける等の
不具合が生じる。また脂肪族成分のアミド結合部がある
ため、水分を含みやすく機器の使用環境によってはコイ
ルの変形が起こるおそれがある。
融着性絶縁電線は高温下で使用される場合、高温時の接
着力の低下を防ぐものはあるが、このためには自己融着
工程の温度がかなり高くなり接着作業性の低下、および
絶縁層の劣化を引き起こすおそれがある。本発明はこの
ような難点を克服するためになされたもので、200℃
以下の温度で接着(自己融着)でき、その接着力が18
0℃での高温下でも維持できる自己融着性絶縁電線を提
供することを目的とする。
己融着性絶縁電線を得るため、鋭意検討を重ねた結果、
特定の構成成分よりなるポリイミド樹脂の塗料を融着層
に適用することにより、上記の目的が達成されることを
見いだし本発明に至った。すなわち本発明は、(1)酸
成分とジアミンまたは/およびジイソシアネート成分と
を重合反応させて得られたポリイミド樹脂からなる自己
融着性層を有する絶縁電線であって、反応させる上記酸
成分が酸成分中に、下記一般式(I)で示される酸無水
物を80〜100mol%の範囲内で含み、反応させる
上記ジアミンまたは/およびジイソシアネート成分が、
該成分中に下記一般式(III)で示されるジアミンまた
は/および下記一般式(II)で示されるジイソシアネー
トを30〜50mol%含み、得られた樹脂の塗料を導
体上に直接または他の絶縁層を介して塗布焼き付けした
ことを特徴とする自己融着性絶縁電線、
を示し、R2は炭素数6〜36のアルキレン基を示し、
R3は炭素数6〜36のアルキレン基を示す。) (2)導体上に第1の絶縁層としてポリエステルイミド
樹脂系塗料またはポリアミドイミド樹脂系塗料を塗布焼
き付けし、この上に直接または他の絶縁層を介して
(1)項記載のポリイミド樹脂系塗料を塗布焼き付け自
己融着性層を形成したことを特徴とする自己融着性絶縁
電線、および(3)自己融着性層を形成する前記ポリイ
ミド樹脂系塗料にポリエチレンワックスを添加したこと
を特徴とする(1)または(2)項記載の自己融着性絶
縁電線を提供するものである。
用するポリイミド樹脂系塗料について詳しく説明する。
ポリイミド系樹脂は従来より耐熱性が高く、成型加工に
使用されるものでもガラス転移温度が250℃以上と高
く、通常、自己融着性を示さなかった。本発明者はポリ
イミド系樹脂の分子構造に着目し、樹脂のガラス転移温
度が200℃以下になれば自己融着性を示すことを見い
だした。本発明の自己融着性を示すポリイミド系樹脂は
共重合体であり、原料としての酸成分、ジアミンまたは
ジイソシアネート成分の成分比をある範囲に設定するこ
とによってはじめて自己融着性が発現される。ポリイミ
ド系樹脂塗料の原料のうち酸成分中には、上記一般式
(I)に示す成分をモル比で80mol%以上100m
ol%以下、好ましくは85mol%以上100mol
%以下で含有させる。一般式(I)で示される成分が8
0mol%未満ではガラス転移温度が200℃を越えて
しまい、自己融着性を示さなくなる。一般式(I)で示
される以外の酸成分としてはピロメリット酸二無水物、
ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニル
テトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル
酸二無水物等が挙げられる。一般式(I)で示される成
分としては具体的にはエチレングリコールビス(アンヒ
ドロトリメリテート)、プロピレングリコールビス(ア
ンヒドロトリメリテート)、1,4−ブタンジオールビ
ス(アンヒドロトリメリテート)、ヘキサメチレングリ
コールビス(アンヒドロトリメリテート)、ポリエチレ
ングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)等があ
るが、材料の入手のし易さおよび共重合のし易さを考慮
するとエチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテ
ート)が好ましい。
I)で示されるジアミンまたは/および一般式(II)で
示されるジイソシアネート成分を全体の30〜50mo
l%含有させることで低温での融着性に優れたポリイミ
ド系樹脂塗料が得られる。第2の成分であるこのジアミ
ンとしては好ましくは炭素数6〜36、より好ましくは
炭素数6〜12のジアミンが使用できる。具体的にはヘ
キサメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ノナメ
チレンジアミン等が挙げられる。一般式(II)で示され
るジイソシアネートとしては、好ましくはR2が炭素数
6〜36のアルキレン基であり、例えばヘキサメチレン
ジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ダ
イマー酸ジイソシアネート等が挙げられる。ジアミンで
はヘキサメチレンジアミン、ジイソシアネートではヘキ
サメチレンジイソシアネートが入手のし易さを考慮する
と最も好ましい。上記以外のジアミンおよびジイソシア
ネートとしては芳香族系のものが使用される。ジアミン
の例として4,4’−ジアモノジフェニルメタン、ジア
ミノジフェニルエーテル、ジアミノジフェニルスルホ
ン、メタフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン
等が挙げられる。ジイソシアネートの例として4,4’
−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフ
ェニルエーテルジイソシアネート、3,3’−ジメチル
−4,4’−ビフェニルジイソシアネート、トリレンジ
イソシアネート等が挙げられる。前記のジアミンまたは
/および一般式(II)で示される成分の含有割合を全体
の30〜50mol%とした理由は、この成分が30m
ol%未満の場合、低温時の融着性が十分でなく、実用
に適した接着力が得られなくなり、50mol%を越え
て含有させた場合、高温雰囲気中での接着力が低下し、
特に180℃の雰囲気下でその低下が著しくなるからで
ある。本発明の自己融着性層に用いるポリイミド樹脂系
塗料を製造する方法自体は従来公知の方法で行うことが
できる。
てジアミンを使用する場合、有機極性溶媒中で反応温度
100〜200℃の範囲内で反応中遊離してくる副生水
を適宜除去しながら加熱縮合を行う。このとき副生水を
効率的に除去するため脱水触媒を使用するのが好まし
い。脱水触媒の例としてはジカルボン酸、トリカルボン
酸およびテトラカルボン酸のモノおよびジおよびトリお
よびテトラリチウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩等の
多価カルボン酸のアルカリ金属塩がある。有機極性溶媒
としてはN,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメ
チルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等が使
用できる。原料としてジイソシアネートを使用する場
合、有機極性溶剤中で80〜160℃の反応温度で反応
中遊離してくる炭酸ガスを系外に放出しながら加熱縮合
を行う。一般にジイソシアネートの反応性は高いため特
に触媒は必要としない。有機極性溶媒としてはジアミン
のときと同一のものが使用される。
を添加することができる。本発明のポリイミド樹脂は基
本的には熱可塑性であるが分子末端にカルボキシル基お
よびアミノ基を有しているため、ブロック型イソシアネ
ート、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等
を配合して架橋させ熱硬化型とすることができる。熱硬
化型とすることにより高温中での接着力をさらに高める
ことができる。また各種の滑剤を本発明のポリイミド樹
脂に配合し、絶縁電線としたときの表面の滑り性を向上
させることができる。滑剤の例としては、低分子量ポリ
エチレンワックス、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、天然
ワックスとしてのろうエステル類が挙げられる。中でも
低分子量ポリエチレンワックスが好ましく使用できる。
このポリエチレンワックスの添加量は、特に制限するも
のではないが、自己融着性層中のポリイミド樹脂に対
し、好ましくは、3〜15質量%、より好ましくは5〜
10質量%である。本発明のポリイミド系樹脂塗料は導
体上に直接または他の絶縁層を介して塗布焼き付けして
使用する。他の絶縁層を介して塗布焼き付ける場合、下
地絶縁層としてはポリエステル樹脂、ポリエステルイミ
ド樹脂、ポリエステルアミドイミド樹脂、ポリアミドイ
ミド樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。コストの点
を考慮するとポリアミドイミド樹脂をオーバーコートし
たポリエステルイミド樹脂層の上に本発明に従ってポリ
イミド系樹脂を塗布焼き付けるのが好ましい。この場合
の絶縁層中の各層の厚さは特に制限はなく、従来のもの
と特に変わらないが、好ましくは、本発明で規定する自
己融着性層の厚さは、0.005〜0.020mm、よ
り好ましくは0.008〜0.015mmである。
明する。なお、以下の説明において特に断わらない限
り、組成を示す%は質量%を示す。 (自己融着性ポリイミド樹脂系塗料の製造) (参考例1)1L容のセパラブルフラスコにエチレング
リコールビス(アンヒドロトリメリテート)(TME
G)を164g(0.40mol)、4,4’−ジフェ
ニルメタンジイソシアネート(MDI)を60g(0.
24mol)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HD
I)を27.1g(0.16mol)、溶媒としてのN
−メチル−2−ピロリドンを379.46g仕込み、1
40℃まで2時間で昇温させ反応させた。140℃に到
達後2時間で系内の粘度が上昇し始め、そのまま5時間
反応を続け冷却し、N−メチル−2−ピロリドンを20
0g加え、樹脂分が27%の目的とするポリイミド樹脂
系塗料を得た。 (参考例2)原料の仕込み組成をエチレングリコ−ルビ
ス(アンヒドロトリメリテート)を164g(0.40
mol)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト50g(0.20mol)、ヘキサメチレンジイソシ
アネート32.8g(0.20mol)としたこと以外
は参考例1と同様にして、目的とするポリイミド樹脂系
塗料(樹脂分27%)を得た。
グリコールビス(アンヒドロトリメリテート)を164
g(0.40mol)、4,4’−ジフェニルメタンジ
イソシアネート70g(0.28mol)、ヘキサメチ
レンジイソシアネート19.7g(0.12mol)と
したこと以外は参考例1と同様にして、目的とするポリ
イミド樹脂系塗料(樹脂分27%)を得た。 (参考例4)原料の仕込み組成をエチレングリコールビ
ス(アンヒドロトリメリテート)を131.2g(0.
32mol)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水
物(BTDA)25.8g(0.08mol)、4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネート60g(0.
24mol)、ヘキサメチレンジイソシアネート26.
2g(0.16mol)としたこと以外は参考例1と同
様にして、目的とするポリイミド樹脂系塗料(樹脂分2
6%)を得た。 (参考例5)原料の仕込み組成をエチレングリコールビ
ス(アンヒドロトリメリテート)を131.2g(0.
32mol)、ピロメリット酸二無水物(PMDA)1
7.4g(0.08mol)、4,4’−ジフェニルメ
タンジイソシアネート60g(0.24mol)、ヘキ
サメチレンジイソシアネート26.2g(0.16mo
l)としたこと以外は参考例1と同様にして、目的とす
るポリイミド樹脂系塗料(樹脂分26%)を得た。 (参考例6)原料の仕込み組成をエチレングリコールビ
ス(アンヒドロトリメリテート)を164g(0.40
mol)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト20g(0.08mol)、ヘキサメチレンジイソシ
アネート26.2g(0.16mol)、トリレンジイ
ソシアネート(TDI)27.8g(0.16mol)
としたこと以外は参考例1と同様にして、目的とするポ
リイミド樹脂系塗料(樹脂分26%)を得た。
ポリアミドイミド系樹脂塗料HI406(日立化成工業
社製 商品名)を炉長8mの縦型熱風焼き付け機を用
い、6回塗布焼き付けして皮膜厚さが25μmの下地絶
縁層を形成させた。次にこの上に参考例1のポリイミド
樹脂系塗料を炉長4.5mの電気式加熱炉で3回塗布焼
き付けして皮膜厚さ13μmの上地融着層を形成させ目
的とする自己融着性絶縁電線を得た。 (実施例2−6)下地絶縁層は実施例1と同じものを形
成させ、上地融着層を参考例2から参考例6までそれぞ
れ実施例1と同じ方法で形成し、目的とする自己融着性
絶縁電線を得た。 (実施例7)1.0mmの銅線上に市販のポリエステル
イミド樹脂系塗料(アイソミッド(Isomid)40
ST 日触スケネクタディ化学株式会社製 商品名)を
実施例1の同様の設備で4回塗布焼き付けして皮膜厚さ
が20μmの下地絶縁層を形成させた。この上に実施例
1のポリアミドイミド樹脂系塗料を2回塗布焼き付け
し、皮膜厚さが5μmの上地絶縁層を形成させた。次に
この上に参考例1のポリイミド樹脂系塗料を実施例1と
同様に皮膜厚さ13μmの上地融着層を形成させ目的と
する自己融着性絶縁電線を得た。
ルビス(アンヒドロトリメリテート)を164g(0.
40mol)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシア
ネート80g(0.32mol)、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート13.1g(0.08mol)としたこと
以外は参考例1と同様にして、目的とするポリイミド樹
脂系塗料(樹脂分27%)を得た。 (比較例塗料2)原料の仕込み組成をエチレングリコー
ルビス(アンヒドロトリメリテート)を164g(0.
40mol)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシア
ネート100g(0.4mol)としたこと以外は参考
例1と同様にして、目的とするポリイミド樹脂系塗料
(樹脂分28%)を得た。 (比較例塗料3)原料の仕込み組成をエチレングリコー
ルビス(アンヒドロトリメリテート)を164g(0.
40mol)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシア
ネート20g(0.08mol)、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート52.5g(0.32mol)としたこと
以外は参考例1と同様にして、目的とするポリイミド樹
脂系塗料(樹脂分27%)を得た。 (比較例塗料4)原料の仕込み組成をエチレングリコー
ルビス(アンヒドロトリメリテート)を98.4g
(0.24mol)、ピロメリット酸二無水物34.9
g(0.16mol)、4,4’−ジフェニルメタンジ
イソシアネート60g(0.24mol)、ヘキサメチ
レンジイソシアネート26.2g(0.16mol)と
したこと以外は参考例1と同様にして、目的とするポリ
イミド樹脂系塗料(樹脂分24%)を得た。 (比較例塗料5と自己融着性絶縁電線の作製)市販の芳
香族ポリアミド塗料(商品名 Imidalbond
フランス アルカテール社製)を実施例1の下地絶縁層
を形成させた絶縁電線上に炉長4.5mの電気式加熱炉
を用い、3回塗布焼き付けし、皮膜厚さ13μmの上地
融着層を形成し目的とする自己融着性絶縁電線を得た。 (比較例塗料6)市販のフェノキシ樹脂 YP−50
(東都化成社製)100g、市販のポリエーテルサルホ
ン樹脂 ビクトレックス PES(三井化学社製)10
0g、クレゾール800gを1リットルのセパラブルフ
ラスコに仕込み、80℃で3時間加熱溶解させ、目的と
する自己融着性塗料を得た。
ポリアミドイミド系樹脂塗料HI406(日立化成社
製)を炉長8mの縦型熱風焼き付け機を用い、6回塗布
焼き付けして皮膜厚さが25μmの下地絶縁層を形成さ
せた。次にこの上に比較例塗料1のポリイミド樹脂系塗
料を炉長4.5mの電気式加熱炉で3回塗布焼き付けし
て皮膜厚さ13μmの上地融着層を形成させ目的とする
自己融着性絶縁電線を得た。 (比較例2、3、4、6)下地絶縁層は実施例1と同じ
ものを形成させ、上地融着層を比較例塗料2、3、4、
6をそれぞれ実施例1と同じ方法で形成し、目的とする
自己融着性絶縁電線を得た。上記の各例により得られた
絶縁電線の構成と各層の組成を表1及び表2に示した。
ついで得られた自己融着性絶縁電線について以下の試験
を実施した。 1)絶縁破壊電圧:JISC3003. 11.に準じ
て行った。 2)ピンホ−ル:JISC3003.6に準じて行っ
た。ただし試験片をあらかじめ3%伸長したものを使用
した。 3)可とう性:JISC3003.8に準じて行った。 4)ヒ−トショック:JISC3003.13に準じて
行った。加熱温度は240℃とした。 5)軟化温度:JISC3003.12の交差法で行っ
た。 6)常温接着力:ASTM D−2519に準拠して行
った。融着温度は180,200,230℃で恒温そう
中で30分加熱させた。 7)高温中接着力:各温度で融着させたヘリカルコイル
試験片を150℃、180℃で10分保持させた後、当
該温度中での接着力を測定した。 以上の試験結果を表1、表2に示す。
明の実施例の電線は比較的低温(180〜200℃)で
融着し、十分な接着力を有する。また高温中での接着力
(特に180℃)も比較例の電線に比べ優れている。す
なわち、比較例1、2は脂肪族ジイソシアネート成分の
含有割合が30mol%未満であり、低温での融着が困
難で200℃以下の温度では十分な接着力が得られな
い。また比較例3では脂肪族ジイソシアネ−トの含有割
合が60mol%を越えているため、低温での融着は有
利であるが、180℃中での接着力が0.5kgとな
り、高温中での接着力が著しく低い。比較例4は酸成分
としてPMDAを20mol%を越えて導入しているた
め、低温での融着性が著しく悪い。比較例5の芳香族ポ
リアミドは低温での融着性は優れているものの180℃
中での接着力が1.0kgと低い。比較例6のポリエー
テルサルホンとフェノキシ樹脂のブレンド物は200℃
での融着性が2.5kgと低く、低温融着が困難であ
る。
200℃での比較的低温での融着が可能で、かつ、高温
下(180℃)での接着力が高いので、その工業的価値
は大きく、高温下で使用される自動車用電装コイル等に
特に適する。
Claims (3)
- 【請求項1】 酸成分とジアミンまたは/およびジイソ
シアネート成分とを重合反応させて得られたポリイミド
樹脂からなる自己融着性層を有する絶縁電線であって、
反応させる上記酸成分が酸成分中に、下記一般式(I)
で示される酸無水物を80〜100mol%の範囲内で
含み、反応させる上記ジアミンまたは/およびジイソシ
アネート成分が、該成分中に下記一般式(III)で示さ
れるジアミンまたは/および下記一般式(II)で示され
るジイソシアネートを30〜50mol%含み、得られ
た樹脂の塗料を導体上に直接または他の絶縁層を介して
塗布焼き付けしたことを特徴とする自己融着性絶縁電
線。 【化1】 (式中、R1は飽和脂肪族基の2価の残基を示し、R2は
炭素数6〜36のアルキレン基を示し、R3は炭素数6
〜36のアルキレン基を示す。) - 【請求項2】 導体上に第1の絶縁層としてポリエステ
ルイミド樹脂系塗料またはポリアミドイミド樹脂系塗料
を塗布焼き付けし、この上に直接または他の絶縁層を介
して請求項1記載のポリイミド樹脂系塗料を塗布焼き付
け自己融着性層を形成したことを特徴とする自己融着性
絶縁電線。 - 【請求項3】 自己融着性層を形成する前記ポリイミド
樹脂系塗料にポリエチレンワックスを添加したことを特
徴とする請求項1または2記載の自己融着性絶縁電線。
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---|---|---|---|
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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