JP2002004081A - シリコンウエハーへの電気めっき方法 - Google Patents

シリコンウエハーへの電気めっき方法

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JP2002004081A
JP2002004081A JP2000181318A JP2000181318A JP2002004081A JP 2002004081 A JP2002004081 A JP 2002004081A JP 2000181318 A JP2000181318 A JP 2000181318A JP 2000181318 A JP2000181318 A JP 2000181318A JP 2002004081 A JP2002004081 A JP 2002004081A
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plating
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Takeshi Miura
武之 三浦
Masaru Kiyota
優 清田
Yasuo Ota
康夫 太田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリコンウエハー上に銅配線を形成するにあ
たり、密着が良く微小な欠陥のない銅皮膜を与える電気
めっき液、かかる電気めっき液を使用しためっき方法、
およびかかるめっき操作により得られたシリコンウエハ
ーの提供。 【解決手段】 銅イオンおよび銅イオンの錯化剤を含
み、pHが4〜10の範囲である電気めっき液、かかる
電気めっき液を使用しためっき方法、およびかかるめっ
き操作により得られたシリコンウエハー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシリコンウエハー上に銅
配線を形成するにあたり、密着が良く微小な欠陥のない
銅皮膜を与える電気めっき液、かかる電気めっき液を使
用しためっき方法、およびかかるめっき操作により得ら
れたシリコンウエハーに関する。
【0002】
【従来の技術と解決すべき問題点】近年、パーソナルコ
ンピュータをはじめとする最近の電子機器の高性能化、
小型化に対応するため、従来のアルミ配線に代えて、シ
リコンウェハーにおけるトレンチまたはビアホール内に
電気導電性の極めて高い銅皮膜によって配線を形成し、
性能を向上させる方法が最近使用されるようになってい
る。シリコンウエハーにおけるトレンチまたはビアホー
ル内に電気導電性皮膜によって配線を形成する場合、従
来はスパッタリング、イオンプレーティング等のPV
D、またはCVD等の乾式による成膜を行っていた。し
かしながら、乾式による作業効率の低さや、スパッタリ
ング等で銅皮膜を形成させる場合、トレンチまたはビア
ホール内にボイド(空孔)が残り、完全な銅の充填が不
可能なことによる銅配線の信頼性の低さが問題となって
いた。これは乾式ではトレンチまたはビアホールに銅を
成膜する際、内部よりも開口部における成膜速度が著し
く速いため、内部に完全な充填が終了する以前に開口部
が塞がってしまうことが原因である。
【0003】そのため、最近、シリコンウエハーにおけ
るトレンチまたはビアホール内の電気導電性皮膜形成に
際し、硫酸銅めっきにより銅配線が形成されている。こ
の方法は、湿式方式であるため作業効率が高く、トレン
チまたはビアホール内にボイドを残さず完全な銅の充填
が可能である。しかし、硫酸銅めっきは電気めっき法で
あるため、硫酸銅めっきを行うためにはトレンチまたは
ビアホール内を含むシリコンウエハー表面が予め導電化
されている必要がある。このめっき下地となる表面導電
層は一般にシード層と呼ばれており、現在、シード層形
成は、スパッタリング、イオンプレーティング等のPV
D、またはCVDによって行われている。現在一般的に
は、シード層の厚さはシリコンウエハーの平坦部で平均
100〜200nm、トレンチまたはビアホール内部側
壁では平均10nm程度であるが、均一な厚さで形成で
きないため、最も薄い箇所では平均厚さの1/2以下の
厚さしかない。
【0004】このようなシード層の上に強酸性の硫酸銅
めっき液を用いて電気めっきを行うと、めっき液による
シード層の溶解速度が大きいため、電気めっきを行う際
にシード層の薄い箇所が溶解してしまい、シード層とめ
っき皮膜との間に充分な密着が得られない場合が生じ
る。さらには、電気めっきを行う際のシード層の溶解に
よって一部に欠落を生じ、トレンチまたはビアホール内
で部分的に銅が析出しない、甚だしくは、シード層の欠
落によりトレンチまたはビアホール内に通電できず、電
気めっきによる銅の析出が全く出来ないことによる欠陥
が発生するため、微小なトレンチまたはビアホールを有
するシリコンウエハーに使用出来ないという問題があっ
た。即ち、半導体装置を高性能化するための要求である
シリコンウエハー上配線パターンの微小化には、硫酸銅
めっき液では対応できなかったのである。このような欠
陥は、トレンチまたはビアホールが小さくなる程発生し
やすくなるため、不良発生を防ぐ為には、シリコンウエ
ハー上のパターンを小さくすることが出来なかった。そ
こで、シリコンウエハー上のパターンをより微細化し、
半導体デバイスを高性能化するために、シード層を劣化
させずに銅めっきを行うことのできる新規なめっき方法
が求められていた。
【0005】一方、無電解銅めっきを使用する場合に
は、めっき液は硫酸銅めっき液のような強酸性ではない
ので、めっき中にシード層を劣化させることは少ない
が、めっきに先立ってパラジウム等の触媒をトレンチま
たはビアホール内に吸着させる必要があり、これが原因
で配線として使用される銅皮膜に異種金属が混入し、配
線の電気特性、信頼性が低下するという問題が生じる。
また、無電解銅めっきでは、使用に伴って還元剤が分解
するため電気銅めっきに比べて浴管理が難しいうえ、還
元剤としてホルムアルデヒド等、安定剤としてシアン化
合物等の有害物を含むことが問題となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、シリコンウ
エハー上に銅配線を形成させる際、トレンチまたはビア
ホール内にボイド等の不良を発生することなく銅を充填
できる、生産性の高いめっき液、およびかかるめっき液
を用いためっき方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
達成するため鋭意検討した結果、銅イオンおよび銅イオ
ンの錯化剤を含み、特定の範囲のpHを有するめっき液
を用いて、導電性のシード層が形成されたシリコンウエ
ハー上に電気めっきを行うことにより、トレンチまたは
ビアホール内にボイド等の不良を生じることなく銅を充
填でき、銅配線を形成できることを見出し、本発明に到
達したものである。すなわち、本発明は、銅イオンおよ
び銅イオンの錯化剤を含み、pHが4〜10の範囲であ
る電気めっき液に関し、さらに、かかるめっき液で電気
めっきを行うめっき方法にも関する。本発明のめっき方
法が、シリコンウエハー上に銅配線を形成するために行
われる場合には、導電性のシード層が形成されたシリコ
ンウエハー上にめっきが行われる。また、本発明は本発
明の電気めっき液によりめっきされた、シリコンウエハ
ーにも関する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下本発明について詳細に説明す
る。本発明の電気銅めっき液は、銅イオンおよび銅イオ
ンの錯化剤を含有する。銅イオンはその塩として電気銅
めっき液に配合しても良い。銅塩は、電気銅めっき液中
に銅イオンの供給源となるものであれば、特に制限され
るものではなく、任意の公知のものが使用できる。この
ような銅塩としては、アニオンが電気銅めっき液に有害
とならない限り、各種の銅塩を使用することが出来る。
好適な銅塩としては、例えば、硫酸銅、塩化銅、水酸化
銅、酢酸銅、スルファミン酸銅、ピロリン酸銅、炭酸
銅、酸化銅等が挙げられる。特に硫酸銅、水酸化銅、塩
化銅、および後述する錯化剤と銅との塩が好ましい。電
気銅めっき液中の銅濃度は例えば0.5〜60g/L、
好ましくは、5〜20g/Lである。更に、陽極を銅イ
オンの供給源として使用することもできる。このような
陽極としては無酸素銅陽極、含燐銅陽極等の溶解性陽極
が使用でき、また白金、チタン、ステンレス、酸化イリ
ジウム、グラファイト等の不溶性陽極を使用しても良
い。
【0009】本発明で使用される錯化剤としては、銅イ
オンと錯体を形成できる任意の物質が使用でき、好まし
くは、ポリアミンおよびその塩や、アミノカルボン酸お
よびその塩や、アミンアルカノール化合物、オキシカル
ボン酸およびその塩、環状酸イミド化合物、有機ホスホ
ン酸およびその塩が使用できる。
【0010】ポリアミンとしては直鎖ポリアミンおよび
環状ポリアミンのどちらも使用でき、例えば、直鎖ポリ
アミンとしては、エチレンジアミンや、ジエチレントリ
アミン、ジエチレンテトラミン、トリエチレンテトラミ
ン等が、環状ポリアミンとしては、例えば、ピペラジ
ン、イミダゾリジン、ピラゾリジン等が使用できる。こ
れらの塩としては、例えば硫酸塩や、塩酸塩、硝酸塩、
酢酸塩等が使用できる。
【0011】アミノカルボン酸としては、例えば、グリ
シンや、イミノ2酢酸、ニトリロ3酢酸、ヒドロキシエ
チルエチレンジアミン3酢酸、テトラヒドロキシエチレ
ンジアミン、ジヒドロキシメチルエチレンジアミン2酢
酸、エチレンジアミンテトラ4酢酸、シクロヘキサン−
1,2−ジアミンテトラ酢酸、エチレングリコールジエ
チルエーテルジアミン4酢酸、エチレンジアミンテトラ
プロピオン酸、N,N,N’,N’−テトラビス−2−
(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン等が挙げ
られる。これらの塩としては、ナトリウムやカリウムな
どのアルカリ金属塩や、アンモニウム塩等が挙げられ
る。
【0012】アミンアルカノール化合物としては、例え
ば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン等が挙げられる。オキシカルボン酸と
しては、例えば、酒石酸や、クエン酸、グルコン酸、コ
ハク酸、リンゴ酸等が挙げられる。これらの塩として
は、ナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属塩や、ア
ンモニウム塩等が挙げられる。環状酸イミド化合物とし
ては、たとえば、分子内に1個または2個の窒素原子を
有する環状酸イミド化合物が挙げられ、コハク酸イミド
や、フタル酸イミド、ヒダントイン、5,5−ジメチル
ヒダントイン等が使用できる。有機ホスホン酸として
は、分子内にホスホン酸を複数有する以下の構造を有す
る化合物およびその塩が挙げられる。
【0013】
【化1】
【0014】式中Xは水素原子、C1−5のアルキル
基、アリール基、アリールアルキル基、アミノ基、また
は水酸基、カルボキシル基(−COOH)もしくはホス
ホン酸基(−POMM’)で置換されたC1−5のア
ルキル基である。また、M及びM’は、同一でも異なっ
てもよく、水素原子、ナトリウム、カリウム及びアンモ
ニウム(NH)からなる群から選択される。また、m
及びnは、それぞれ0又は1〜5の整数である。
【0015】
【化2】
【0016】式中Xは−CH−、−CH(OH)
−、−C(CH)(OH)−、−CH(COOM)
−、又は−C(CH)(COOM)−である。
【0017】
【化3】
【0018】式中X〜Xは、それぞれ、独立に、水
素原子、C1−5のアルキル基、アリール基、アリール
アルキル基、アミノ基、ホスホン酸基(−PO
)、または水酸基、カルボキシル基(−COO
H)もしくはホスホン酸基(−PO )で置換され
たC1−5のアルキル基である。但し、X〜Xの少
なくとも2個は、ホスホン酸基(−PO)または
ホスホン酸基(−PO)で置換されたC1−5
アルキル基である。
【0019】ここで、C1−5のアルキル基としては、
直鎖又は分岐鎖を有するものでもよく、例えばメチル基
や、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、イソブチル基、sec−ブチル基等が挙げられる。
アリール基としては、例えば、フェニル基や、ナフチル
基等が挙げられる。また、アリールアルキル基として
は、上記アルキル基とアリール基との組み合わせが挙げ
られる。上記の分子内にホスホン酸基を複数有する有機
ホスホン酸の錯化剤の具体例としては、アミノトリメチ
レンホスホン酸や、1−ヒドロキシエチリデン−1,1
−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラメチレンホス
ホン酸、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン
酸等、又はそれらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモ
ニウム塩等が挙げられる。
【0020】本発明で使用される錯化剤は、一種類のみ
を使用しても二種類以上を混合使用してもよい。本発明
で使用される錯化剤は、例えば、0.05〜2.0モル
/L、好ましくは0.2〜1.0モル/Lの範囲で使用
することが適当である。特に錯化剤は、本発明に使用さ
れるめっき液に含有される銅イオンと等モル以上含有す
るのが好適である。銅イオンと錯化剤との好ましいモル
比は銅:錯化剤=1:1〜25、より好ましくは銅:錯
化剤=1:1〜10の範囲である。錯化剤濃度が0.0
5モル/L未満またはめっき液中の銅イオンのモル数未
満であると、錯化剤が銅イオンを安定して保持出来ず、
銅の沈澱をめっき浴中に生じ易い。錯化剤濃度が2.0
モル/Lを越えると、それに見合う効果はほとんど得ら
れないので、経済的面から好ましくない。
【0021】本発明にかかる電気めっき液は、銅塩、錯
化剤を含む溶液に更に酸またはアルカリを加えてpHを
4〜10、より好ましくは7〜10の範囲に調整するこ
とにより得られる。このpHは特に重要であり、このp
H範囲においてめっきすることで、シリコンウエハーに
おけるトレンチまたはビアホール内のシード層のめっき
時における溶解速度を充分に低下させることが出来る。
【0022】めっき液のpH調整には、塩基性物質とし
ては例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸
化アンモニウム、モノエタノールアミン、ジエタノール
アミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、ジ
エチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等を使用
することが出来る。酸性物質としては例えば、硫酸、塩
酸、リン酸、有機スルホン酸類、ホスホン酸類、カルボ
ン酸類等を使用することが出来る。上記の塩基性物質お
よび酸性物質は、上記の錯化剤として使用される物質と
同一の物質であっても良い。
【0023】本発明の電気めっき液には、必要に応じ
て、電気めっき液の特性や析出物の皮膜特性を改善する
ために、光沢剤を含有させることが出来る。このような
光沢剤としては、従来より銅めっきに使用されている物
質であれば、特に制限無く、任意の公知の物質を使用す
ることが出来る。このような物質としては、例えばめっ
き液に溶解性を有する、硫化物、チオ化合物等の硫黄化
合物、含窒素複素環等を配合することが出来る。
【0024】本発明の電気めっき液には、被めっき物と
の湿潤性向上を目的として、湿潤剤を含有させることが
出来る。このような湿潤剤としては、従来より銅めっき
に使用されている物質であれば、特に制限なく、各種の
材料を使用することが出来る、このような材料として
は、例えば、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活
性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げ
られる。湿潤剤として使用するカチオン系界面活性剤、
両性界面活性剤は、上記添加剤または前述の錯化剤に含
まれる物質と同一であっても異なってもよい。
【0025】本発明の電気銅めっき液は充分に導電率が
大きいが、必要に応じて、さらに電導塩を含有させるこ
とが出来る。電導塩としては、例えば、硫酸塩、有機ス
ルホン酸、リン酸塩、カルボン酸類の塩等が挙げられ
る。さらに、本発明の電気めっき液には、必要に応じて
任意の公知の添加剤を加えることができる。
【0026】本発明にかかる電気めっき液およびこれを
用いた電気めっき方法は、すべての電気めっきが適用さ
れる用途において用いることができるが、好ましくはシ
リコンウエハーの電気めっきに用いられ、さらに好まし
くはトレンチまたはビアホールが形成されたシリコンウ
エハーの電気めっきに用いられる。トレンチとは、シリ
コンウエハーに形成された溝をいい、溝の断面形状は特
に限定されるものではない。溝の断面形状としては、例
えば、長方形、正方形、台形等が挙げられる、トレンチ
は、深さを幅で割った値を示すアスペクト比で表現する
ことが出来、例えば、アスペクト比が0.1〜30、好
ましくは、0.5〜10のものが適当である。ビアホー
ルとは、ウエハーに形成された穴をいい、一端が閉じた
ブラインドビアホールであっても良い。ビアホールの断
面形状は特に限定されるものではない。断面形状として
は長方形や台形のもので大きさは通常直径0.05〜
1.0μm、好ましくは、0.15〜0.5μmのもの
が適当である。トレンチまたはビアホールは、例えば、
反応性イオンエッチング(RIE)やプラズマエッチン
グ等のドライエッチング法によりシリコンウエハー上に
形成することが出来る。
【0027】なお、シリコンウエハー表面、トレンチま
たはビアホールには予めバリア層を形成しても良い。こ
のバリア層は成膜される銅がシリコンウエハーに拡散
し、半導体の特性を変質させないためのものである。バ
リア層は例えばシリコンウエハー表面、トレンチまたは
ビアホール内に、スパッタリング、イオンプレーティン
グ等のPVD、またはCVD等により、Ti、TiN、
Ta、TaN、W、WNを成膜することによって形成す
ることが出来る。電気銅めっきを行うに先立って、導電
性のシード層がシリコンウエハー表面、トレンチまたは
ビアホール内に形成される。シード層は導電性に優れた
金属(例えば銅)で、スパッタリング、イオンプレーテ
ィング等のPVD、またはCVD等で成膜することによ
って形成することができる。シード層の厚さは特に限定
されないが、トレンチまたはビアホール内において、1
nm以上あれば充分である。
【0028】シリコンウエハーにおけるトレンチまたは
ビアホール内に電気銅めっきを行う際、本発明の電気銅
めっき液により銅の充填を完了してもよいし、途中まで
充填した後、強酸性または強アルカリ性の銅めっき液を
用いて充填を完了しても良い。本発明の電気銅めっき液
によってシリコンウエハーにおけるトレンチまたはビア
ホール内のシード層が補強され、厚くなっていれば、シ
ード層を溶解するおそれのある強酸性または強アルカリ
性の銅めっき液を用いてシリコンウエハーにめっきする
ことも可能となる。
【0029】本発明において、電解は、電気銅めっき液
の温度を10〜70℃、好ましくは20〜40℃に設定
して行うことが適当である。10℃以下では充分な電導
性が得られず、70℃以上では錯化剤の分解が早まるた
め好ましくない。本発明では、電解は、陰極電流密度と
して0.1〜4.0A/dm、好ましくは0.5〜
2.0A/dmで行うことが適当である。陰極電流密
度が小さ過ぎると必要なめっき膜厚を得るのに時間がか
かり生産性が低い。大きすぎると、陰極表面、特にトレ
ンチまたはビアホール内への銅イオンの供給が不足し、
正常な銅析出物が得られない。本発明のめっき液でめっ
きをする際に使用する電源は、汎用の直流電源でよいが
パルス電源、PR電源等も均一電着性の改善のために非
常に有効である。また、従来のPR電解よりも高速で極
性変換させる電流反転電解も効果的である。
【0030】本発明では、従来の強酸性硫酸銅めっき液
とは異なり、弱酸性〜弱アルカリ性(pH4〜10)、
より好ましくは中性から弱アルカリ性(pH7〜10)
の電気銅めっき液を用いている。そのため、強酸性に弱
いシリコンウエハー上のシード層の損傷を最小限に抑
え、ボイド等の不良を生じることなく、トレンチまたは
ビアホール内に銅金属を充填することが出来るので、ト
レンチまたはビアホール内に不良個所のない銅配線を形
成することが出来る。
【0031】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明に
ついて更に詳細に説明するが、本発明の範囲は、これら
実施例又は比較例によって何ら限定されるものではな
い。本発明の典型的な工程の概略を示せば次の通りであ
る。 トレンチ、ビアホールの形成 スパッタリング法によるTaNのバリアー層の形成 スパッタリングによるCuのシード層の形成 本発明の弱酸性〜弱アルカリ性電気銅めっき処理
【0032】実施例1(本発明の弱酸性めっき液1) 銅イオン 10g/L (硫酸銅として添加) クエン酸 0.25モル/L 水酸化カリウム 45g/L pH 4.5 温度 25℃ 電流密度 0.5A/dm 時間 10分
【0033】実施例2(本発明の弱酸性めっき液2) 銅イオン 10g/L (硫酸銅として添加) エチレンジアミン 0.5モル/L 硫酸 20g/L pH 5.0 温度 25℃ 電流密度 0.5A/dm 時間 10分
【0034】実施例3 (本発明の弱アルカリ性めっき液1) 銅イオン 10g/L (硫酸銅として添加) ヒドロキシエチルエチレンジアミン3酢酸 0.15モル/L トリエタノールアミン 0.65モル/L pH 8.4 温度 25℃ 電流密度 0.5A/dm 時間 10分
【0035】実施例4 (本発明の弱アルカリ性めっき液2) 銅イオン 10g/L (酢酸銅として添加) アミノトリ(メチレンホスホン酸) 0.5モル/L 水酸化カリウム 90g/L pH 9.0 温度 25℃ 電流密度 0.5A/dm 時間 10分
【0036】実施例5 (本発明の弱アルカリ性めっき液3) 銅イオン 15g/L (水酸化銅として添加) 1−ヒドロキシエチレン−1,1−ジホスホン酸 0.5モル/L 水酸化カリウム 110g/L pH 9.6 温度 25℃ 電流密度 0.5A/dm 時間 10分
【0037】実施例6 (本発明の弱アルカリ性めっき液4) 銅イオン 15g/L (酢酸銅として添加) エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸) 0.5モル/L アンモニア水(35%) 100mL/L pH 7.4 温度 25℃ 電流密度 0.5A/dm 時間 10分
【0038】比較例 トレンチ、ビアホールの形成 スパッタリング法によるTaNのバリアー層の形成 スパッタリングによるCuのシード層の形成 硫酸銅めっき処理
【0039】めっき液(公知の硫酸銅めっき液) 銅イオン 17.5g/L (硫酸銅として添加) 硫酸 175g/L 塩素イオン 50mg/L 添加剤 5mL/L pH 1以下 温度 25℃ 電流密度 1A/dm 時間 5分
【0040】評価試験1:シード層溶解速度測定 シード層の形成されたシリコンウエハーの小片をめっき
液に浸漬し、シード層の厚さを蛍光X線膜厚計にて測
定、試験前後の減少量から溶解速度を計算した。 めっき液温度:25℃ 浸漬時間:10分 撹拌:なし 測定方法:蛍光X線膜厚計 5点測定平均 シード層:銅 厚さ100nm、スパッタリングで形成
【0041】
【表1】
【0042】評価試験2:シリコンウエハー上ビアホー
ル内めっき試験 上記各工程により、ビアホールが形成されたシリコンウ
エハーに銅めっきを行い、ビアホール内の銅金属の充填
を確認した。実施例および比較例の全てにおいて、ビア
ホール形成、バリア層形成、シード層形成は同一の条件
で行われた。 ビアホール寸法:直径0.35μm,深さ1.6μm バリア層:TaN、スパッタリング法で形成 シード層:銅、スパッタリング法で形成 観察方法:収束イオンビーム(FIB)による断面作
成、走査型イオン顕微鏡(SIM)による断面観察。
【0043】
【表2】
【0044】
【発明の効果】本発明の方法を用いた実施例1−6の毛
塚から明らかなように、本発明方法によればめっき中の
シード層の溶解を最小限に抑えることが出来、シリコン
ウエハーにおけるトレンチまたはビアホール内に不良の
発生無しに銅金属を充填して銅配線を形成することが出
来る。一方、比較例に示された硫酸銅液を用いる方法で
は、めっき中にシード層が溶解してしまい、銅金属をビ
アホール内に充填することは出来ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例3により製造したシリコンウエハー上
ビアホールの断面構造を示す走査イオン顕微鏡写真。
【図2】 比較例により製造したシリコンウエハー上ビ
アホールの断面構造を示す走査イオン顕微鏡写真。
フロントページの続き (72)発明者 太田 康夫 埼玉県大宮市吉野町2−269−4 日本リ ーロナール株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 4K023 AA19 BA06 BA08 BA15 BA21 BA25 CB03 CB07 CB11 CB13 CB16 CB28 DA02 DA03 DA04 DA06 DA07 DA08 4K024 AA09 BB12 CA01 CA02 CA03 CA04 CA06 4M104 BB04 BB14 BB17 BB18 BB30 BB32 BB33 DD06 DD33 DD36 DD37 DD43 DD52 FF17 FF18 HH13 5F033 HH11 HH18 HH19 HH21 HH32 HH33 HH34 JJ11 JJ18 JJ19 JJ21 JJ32 JJ33 JJ34 MM05 MM13 NN03 NN07 PP06 PP14 PP15 PP20 PP27 PP33 QQ37 WW00 XX02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅イオンおよび銅イオンの錯化剤を含
    み、pHが4〜10の範囲である電気めっき液。
  2. 【請求項2】 銅イオンおよび銅イオンの錯化剤を含
    み、pHが4〜10の範囲であるめっき液を使用する、
    電気めっき方法。
  3. 【請求項3】 導電性のシード層が形成されたシリコン
    ウエハー上にめっきを行う、請求項2記載のめっき方
    法。
  4. 【請求項4】 銅イオンおよび銅イオンの錯化剤を含
    み、pHが4〜10の範囲である電気めっき液によりめ
    っきされた、シリコンウエハー。
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