JP2001524855A - シューズ用インナーソール - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、シューズ用インナーソール（１１）に関し、このインナーソール（１１）は、ベースボデー（３６）と、カバー層（３７）と、ソールの表面に配置された幾つかのクッション層（１２、１３、１４）と、を含む。第１のクッション層（１２）は、フォアフットの膨らみのある領域に設けられ、第２のクッション層（１３）は、中足と足根の移行領域に含まれ、第３のクッション領域は、中足と踵の間に設けられる。クッション層（１２〜１６）は、個々に分離したプラトー状フィールド（１８〜２７）に分割され、これらプラトー状フィールドは、ソール表面の幅方向において互いに近接して配置される。本発明によれば、筋肉構造を共力的にサポートすることにより、足の関節及び足首の関節が動く際に脚の静脈及びリンパ管系における流体の輸送を実質的に向上させるインナーソールがもたらされる。

Description

【発明の詳細な説明】 シューズ用インナーソール 本発明は、シューズ用のインナーソールに関し、このインナーソールは、請求 項１もしくは請求項４のプレアンブル部に従って、フットサポートとして具体化 されたものである。 平均して、２０〜７０歳の年齢層の５人に１人は、静脈性の病気のために治療 が必要であり、特に、３人に１人は静脈に病理学的な変化を被っている。そうし た変化は、たとえ機器または器具を身体に挿入するような治療は未だ必要としな くても、トラブルの原因となり、将来治療が必要となるかもしれない。一般に、 この静脈に起きる変化の原因は、遺伝により生じる結合組織の虚弱さであること が多く、これが静脈壁の弛緩およびこれによる静脈弁の閉止能力の欠如をもたら すのである。これが結果的に、脚から身体への静脈還流を減少させることとなる 。 支持療法は、いわゆる与圧靴下の形で知られている。しかし、特に、仕事上ず っと座って作業する人あるいはずっと立って作業する人に関連した予防対策は、 知られていない。このような場合、いわゆる足とふくらはぎの筋肉ポンプを働か せて脚から身体への静脈還流を増加させるために、出来るだけ脚を動かすことが 提案されている。裸足で歩くことはこの点で大いに助けとなるが、今日において 履くことが習慣となっているシューズは、むしろ悪い影響を及ぼす。 弾性を有する層をサポートの形で踵領域に用いたウォーキングシューズは、既 知である。しかし、こうした既知の弾性を有する層は、単に歩行中に生じる特定 の負荷を補償すること、あるいは、少なくともそうした負荷を部分的に防止する 助けとなることを意図しているにすぎない(DE 39 02 872 A1)。 DE 87 00 681 U1より知られるシューズ用整形インナーソールに関して言えば 、枕状の層もアーチ形のパッドとして具体化されており、このアーチ形のパッド は、ソールのカバー層の上に上方に突出すると共に、足の定められた領域におけ るサポート及び圧力分配のための大きな面を備えた一つのピースとして設けられ ている。シューズ用インナーソールは、さらに、DE 35 08 582 C2によって も知られており、このインナーソールは、足の反射ゾーンの領域に弾性パッドを 有する。このパッドは、対称的又は非対称的にくぼんだアーチ形、又は各々膨ら んだ形状を有し、上から見ると実質的に円形であるので、これらの反射ゾーンに おける神経を刺激するように使用される。足の反射ゾーンは、神経系に全面的な 影響を有しており、この神経系は、特定の内臓への動脈血の供給に影響を与える 。最初に挙げた静脈血流、特に下方の脚の領域における静脈血流の問題の解決は 、この発明によっては達成できない。 従って、本発明の目的は、最初に言及したタイプのシューズ用インナーソール を製作することであり、本発明のインナーソールは、足と足首関節の動く過程に おいて筋肉の収縮を共力的にサポートすることにより、足から始まり脚を通って 体に至る静脈還流の顕著な向上を可能にする。 この目的を達成するために、請求項１又は請求項４に記載の特徴が、上記タイ プのシューズ用インナーソールとの関連でもたらされる。 足の筋肉組織の収縮に積極的に作用する適切な支持領域は、本発明に基づく複 数のステップから結果として得られ、本発明では、枕状の層（複数）は別々に浮 出するのではなく、足の特定された領域内にプラトー状に配置され、互いに分離 した複数のフィールドに分割される。このような分離したサポートポイントは、 足が通常に動いている間ばかりでなく、立っている間にも顕著に筋肉の収縮が促 進あるいは刺激され、よって向上するように配置される。これにより、個々の間 接の連続運動における共力的なサポートがもたらされ、この共力的なサポートが 、連続的かつ均一な運動波として静脈及びリンパ管系に積極的な影響を与える。 換言すれば、静脈及びリンパ管系に対する均一かつ機械的な圧縮が発生し、この 結果、脚から体へ向かう静脈還流が増加することになる。この特徴的なサポート 運動は、特に枕状層の個々の領域への分割が足の筋肉の構造に類似するため、い わゆる足とふくらはぎの筋肉ポンプの作用を促進する。 さらに請求項２及び／又は請求項３及び／又は請求項５及び／又は請求項６の 特徴に基づき、本実施の形態においては、筋肉構造のさらに重要な領域に枕状層 がもたらされる。 請求項７又は請求項８の特徴の結果が、もう一つの実施の形態である。この場 合、請求項９又は請求項１０に基づく特徴をもたらすことが実用的である。 請求項１１乃至請求項１５の少なくとも１つの特徴から、さらに有利な実施の 形態が得られる。 請求項１６又は請求項１７の特徴によれば、シューズ用インナーソールは、靴 の中敷（ｉｎｓｏｌｅ）として独立して使用することができ、あるいは、シュー ズの中に直接一体化されたソールとして提供することもできる。 本発明のさらなる詳細は、以下の記載から理解できよう。以下の記載において 、図面に表された例示的な実施の形態が詳述され、説明される。示されている図 面は以下の通りである。 図１は、本発明の第１の例示的な実施の形態に基づくシューズの（用）インナ ーソールを上から見た図である。 図２は、図２のラインII−IIに沿って切った断面の拡大図である。 図３は、図１のラインIII−IIIに沿って切った断面の拡大図である。 図４及び図５は、図３に類似の断面図であるが、それぞれ、第１の例示的な実 施の形態の２つの変形例に基づくものである。 図６は、本発明の第２の例示的な実施の形態に基づくシューズ用インナーソー ルを上から見た図である。 図７は、第２の例示的な実施の形態に基づく、図３に類似の長手方向断面図で ある。 図８は、第２の例示的な実施の形態の長手方向における内面図である。 図９は、本発明の第２の例示的な実施の形態に基づくシューズ用インナーソー ルを前処理段階において上から見た図である。 図１０は、図９の長手方向における、図７に類似の長手方向断面図である。 図１１は、本発明の第２の例示的な実施の形態の変形例に基づくシューズ用イ ンナーソールを上から見た図である。 図１２は、第２の例示的な実施の形態の変形例に基づく、図７に類似の長手方 向断面図である。 例えば本発明の２つの例示的な実施の形態と第２の例示的な実施の形態の変形 例とに基づき図面に示され、フットサポートとして具体化されたインナーソール １１又は１１１又は１１１’は、脚を介した静脈及びリンパ管系中の流体の搬送 を向上すべく、足と足首関節の動く過程において筋肉組織を共力的にサポートす るために使用され、一つの中敷として具体化することも、シューズ内に一体化し たソールとして具体化することもできる。 図１及び図６からわかるように、インナーソール１１又は１１１は、それぞれ 、ソール表面１７又は１１７上に設けられた幾つかの枕状層１２〜１６又は１１ ２〜１１６を有し、これらのうち枕状層１２、１１２、１３、１１３、１４、１ １４は、互いに分離したプラトー状のフィールド１８〜２２、１１８〜１２２、 ２３〜２５、１２３〜１２５、２６〜２７、１２６〜１２７に分割されている。 第１の枕状層１２、１１２は、フォアフット関節領域、即ちつま先の領域に設 けられる。この第１の枕状層１２、１１２は、５つのフールド１８〜２２、１１ ８〜１２２に分割され、それらは互いに分離されるとともに、インナーソール１ １、１１１の幅方向において互いに隣合うように配置される。個々のフィールド １８〜２２、１１８〜１２２は、各足指の部分領域のベース領域に略対応するよ うに、異なる幅及び長さを有する。そのようになっていることは、この第１の枕 状層１２、１１２の前方ボーダライン２８、１２８、又は後方ボーダライン２９ 、１２９の形状においてよく分かる。第２の枕状層１３、１１３は、中足と足根 の間の移行領域と、足底弓から離れてこれに面する領域に設けられる。この第２ の枕状層１３、１１３は、３つのフィールド２３〜２５、１２３〜１２５に分割 され、これらは、中足／足根のこの部分領域に対応するように成形されると共に 、インナーソール１１、１１１の幅方向において分割され且つ互いに隣合うよう に配置される。そのようになっていることは、この第２の枕状層１３、１１３の 周辺ボーダライン３１、１３１からよく分かる。第３の枕状層１４、１１４は、 中足と踵の間の移行領域に設けられ、２つのフィールド２６、１２６、及び２７ 、１２７に分割されており、これらのフィールドはインナーソール１１、１１１ を幅方向で見た場合、互いに隣合い且つ外側を向くように設けられる。この場合 にも、周辺ボーダライン３２、１３２は、中足と踵との間の移行領域に略対応す る。 第４の枕状層１５又は１１５は、踵領域に配置され、分割されていない均一な 層としてプラトー状に構成され、インナーソール１１、１１１の幅方向又は長手 方向において略卵形である。第５の枕状層１６、１１６もまた、分割されていな い均一な層として具体化されているが、第５の枕状層は足底弓領域に略三日月形 の形状で設けられている。 枕状層１２〜１６、１１２〜１１６は、例えばシリコン等の弾力性を有する（ 発泡）材料で作られる。枕状層は、平らな上面を有し、断面が略矩形となるよう に（僅かに台形であることが有利である）具体化される。 図１乃至図３に基づく第１の例示的な実施の形態において、インナーソール１ １はソールベースボデー３６を有し、ソールベースボデー３６は、本例では三重 の層であり、インナーソール１１の基本的な形状を構成すると共に、図１では、 足（本例では右足）に対応するように構成されている。これに対応する他方のも の、即ち左足のインナーソール１１が、鏡面対称となるように構成されることは 理解されよう。ソールベースボデー３６は、例えば３つのコルク層３３、３４、 ３５を含む。例えば皮革で作られるソールカバー層３７は、ソールベースボデー ３６上に設けられる。枕状層１２〜１６は、ソールベースボデー３６とソールカ バー層３７との間で凹みに置かれた形でソールベースボデー３６内に配置される 。ソールベースボデー３６の上層３３及び中心層３４は、この目的のために対応 する凹所３８を有しており、この凹所３８は、枕状層１２〜１４のフィールド１ ８〜２７に対応すると共に、枕状層１５、１６に対応して、異なるベース表面を 有する。凹所３８は、プラトー状の枕状層１２〜１５のそれぞれの平らな上面が ほぼ一つの面にあるように、即ち、ソールベースボデー３６の表面と同一面とな るような深さで、ソールベースボデー３８中に形成されている。枕状層１６は、 例外である。本実施の形態において、凹所３８は、下方層３５の上面に達する深 さまで延びる。これらにおいて、枕状層１２〜１５は、略同じ高さであり、２〜 ５mmの範囲内にあり、好ましくは３mmである。上面すなわちソールカバー層３７ の材料は、枕状層１２〜１６又はそれらのフィールド１８〜２７が、エッジに沿 って凹部により囲まれると共にソールベースボデー３６の中心層３４にしっかり と接続される（接着されることが好ましい）ように枕状層１２〜１６をカバーし 、これによりボーダライン２８、２９及び３１、３２以外にインナーソール１１ の 幅方向に対して略垂直に延びる中間ボーダーライン４１〜４７がもたらされる。 換言すれば、凹所３８は、枕状層１２〜１５の全体的なベース表面に対応するよ うに構成される。 図４及び図５に基づく本実施の形態の２つの変形例において、シューズのイン ナーソール１１の枕状層１２〜１５の表面構成は、フィールド１８〜２７の構成 を含めて、図１で示すものと全く同じである。図２及び図３の例示的な実施の形 態に対する、図４及び図５の変形例の本質的な違いは、枕状の弾性を有する中間 層５１’又は５１”が、ソールベースボデー３６’又は３６”とソールカバー層 ３７’又は３７”との間のソールベースボデー３６’の全表面上に設けられるこ とにある。この場合、中間層５１は、枕状層１２〜１６と同じ弾性を有する材料 から形成され、ソールベースボデー３６’の層３４’の一つ（図４）又は３５” の一つ（図５）−これらには凹所がない−の全表面全体に接続（好ましくは接着 ）される。 図５によれば、枕状中間層５１”は、２〜３mmの厚さを有し、ベース面全体に わたり略均一であるので、連続した平坦な枕形状となり、ソールベースボデー３ ６’の層よりもかなり弾性がある。図３と比較すると、この変形例において、中 間層５１”は下方層３５’と中心層３４”との間の面全体にわたり配置されてい る。 図４によれば、中間層５１’は、中心層３４’と上方層３３’との間に設けら れており、厚さが一様でない。従ってこの場合には、上方層３３’が凹所３８’ を備え、枕状中間層５１’は、凹所３８に対応した、枕状層１２〜１６を受ける ための凹所５２を備え、枕状層１２〜１６の上には、上方材料又はソールカバー 層３７’が、図２及び図３のソールカバー層３７と同じように延在する。 図６〜図１０に基づく第２の例示的な実施の形態において、インナーソール１ １１は、二重の層のソールベースボデー１３６を有し、ソールベースボデー１３ ６は、インナーソール１１１の基本的形状を構成すると共に、図６又は図９によ れば、足（本実施の形態では左足）に対応するように構成されている。この場合 にも、これに対応する他方のもの、即ち右のインナーソールは、鏡面対称となる ように構成されていることを理解されたい。ソールベースボデー１３６は、例え ば２つのコルク層から構成される。ソールカバー層１３７は、例えば皮革で作ら れたソールベースボデー上に設けられる。 枕状層１１２〜１１５は、ソールベースボデー１３６とソールカバー層１３７ との間で凹みに置かれた形で配置される。ソールベースボデー３６は、この目的 のために対応する凹所１３８を備え、この凹所１３８は、枕状層１１２〜１１４ のフィールド１１８〜１２７に対応すると共に枕状層１１５に対応し、異なるベ ース面を有する。図９及び図１０は、それぞれ対応する凹所１３８を上から見た 図、ならびに断面図を示している。このように、ソールベースボデー１３６は、 ３．５〜４mm、好ましくは３．７mmの最大厚さを有し、その凹所１３８の領域に おける最小厚さは、約１mm〜１．５mm、好ましくは１．３mmである。さらに図９ では、例えば複数層構造であるソールベースボデー１５３の表面１３６全体が、 薄いテクスタイルカバー１３９でカバーされている構成が示されている。図示さ れていないが、図９に示された構成の代わりに、又はこれに追加して、ソールベ ースボデー１３６の下側１５４をその全長にわたり、このような薄いテクスタイ ルカバーでカバーしてよい。ソールベースボデー１３６又はその層は、結合剤（ バインダー）により成形されたコルクスクラップから作成される。 図７によれば、ソールベースボデー１３６の表面１５３全体が、さらに、弾性 を有する、又は枕状の中間層１５１でカバーされる。従って、中間層１５１は、 ソールベースボデー１３６の凹所１３８を含む全表面をカバーするので、凹所１ ３８に対応する凹所１５２は、中間層１５１内にある。中間層１５１は、例えば 、約３mmの連続した厚さを有する。枕状層１１２〜１１６と同じく、中間層１５ １は、例えば発泡天然ラテックスのような発泡材料から作られることが望ましい 。 枕状層１１２〜１１５は、中間層１５１の凹所１５２の中に配置され、例えば 上記の発泡天然ラテックスから成ると共に、例えば、４〜５mmの範囲の厚さ、好 ましくは４．５mmの厚さを有する。これとは対照的に、足の足底弓用の枕状層１ １６は、凹所内には配置されず、この領域では平坦な（即ちこの領域では凹所を 備えていない）中間層１５１に直接配置される。その最も厚い部分において、こ の枕状層１１６も、約４〜５mm、好ましくは４．５mmの厚さを有し、その厚さは 、ソール１１１の内部にいくにつれて連続的に減少する。従って、プラトー状の 枕 状層１１２〜１１５の平坦な表面１５６は、中間層１５１の表面１５７よりも１ ５〜２．５mm、好ましくは約２mm隆起する。上面すなわちソールカバー層１３７ の材料は、枕状層１１２〜１１５又はそれらのフィールド１１８〜１２７が、エ ッジに沿って凹部により囲まれると共に中間層１５１にしっかりと接続される（ 接着されることが好ましい）ように枕状層１１６および枕状層１１２〜１１５を カバーし、これによりボーダライン１２８、１２９及び１３１、１３２以外にイ ンナーソール１１１の幅方向に対して略垂直に延びる領域１４１〜１４７がもた らされる。 図１１及び図１２で示される変形例は、第２の枕状層１１３’の構成において のみ、第２の例示的な実施の形態と異なっている。この変形例に関する図１１及 び図１２は、図６〜図１０の符号と同じ符号を用いており、違いはプライムが付 されている点だけである。 図１１及び図１２によれば、第２の枕状層１１３’は、アウタフィールド１２ ５'、センタフィールド１２４'、及びインナフィールド１２３’を備え、アウタ フィールド１２５'、センタフィールド１２４’は、図６及び図７で示されるも のに従って構成されている。図６のフィールド１２３と比較して、第２の枕状層 １１３’のインナフィールド１２３’は、第１の枕状層１１２’の方へと弓状に 前方に引っ張られた形となっている。この弓状に延出する領域１２３’は、フィ ールド１２３’の前方面を長くすると共に広くする。図１２からわかるように、 この弓状に延出する領域１２３’は、枕状層１１３’の残りの面の領域と同じ高 さではなく、上方に反ったアーチ形となっている。即ち、ソールカバー層１３７ ’の隆起した面に対してさらに隆起している。このアーチ形の隆起により、弓状 に延出するフィールド領域１２３’の高さは、フィールド１２３’の残りの領域 、フィールド１２４’及び１２５’に対し、約２mm高くなっている。

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】平成１１年３月２３日（１９９９．３．２３） 【補正内容】 明細書 シューズ用インナーソール 本発明は、シューズ用のインナーソールに関し、このインナーソールは、請求 項１もしくは請求項４のプレアンブル部に従って、フットサポートとして具体化 されたものである。 平均して、２０〜７０歳の年齢層の５人に１人は、静脈性の病気のために治療 が必要であり、特に、３人に１人は静脈に病理学的な変化を被っている。そうし た変化は、たとえ機器または器具を身体に挿入するような治療は未だ必要としな くても、トラブルの原因となり、将来治療が必要となるかもしれない。一般に、 この静脈に起きる変化の原因は、遺伝により生じる結合組織の虚弱さであること が多く、これが静脈壁の弛緩およびこれによる静脈弁の閉止能力の欠如をもたら すのである。これが結果的に、脚から身体への静脈還流を減少させることとなる 。 支持療法は、いわゆる与圧靴下の形で知られている。しかし、特に、仕事上ず っと座って作業する人あるいはずっと立って作業する人に関連した予防対策は、 知られていない。このような場合、いわゆる足とふくらはぎの筋肉ポンプを働か せて脚から身体への静脈還流を増加させるために、出来るだけ脚を動かすことが 提案されている。裸足で歩くことはこの点で大いに助けとなるが、今日において 履くことが習慣となっているシューズは、むしろ悪い影響を及ぼす。 弾性を有する層をサポートの形で踵領域に用いたウォーキングシューズは、既 知である。しかし、こうした既知の弾性を有する層は、単に歩行中に生じる特定 の負荷を補償すること、あるいは、少なくともそうした負荷を部分的に防止する 助けとなることを意図しているにすぎない(DE 39 02 872 A1)。 DE 87 00 681 U1より知られるシューズ用整形インナーソールに関して言えば 、枕状の層もアーチ形のパッドとして具体化されており、このアーチ形のパッド は、ソールのカバー層の上に上方に突出すると共に、足の定められた領域におけ るサポート及び圧力分配のための大きな面を備えた一つのピースとして設けられ ている。シューズ用インナーソールは、さらに、DE 35 08 582 C2によって も知られており、このインナーソールは、足の反射ゾーンの領域に弾性パッドを 有する。このパッドは、対称的又は非対称的にくぼんだアーチ形、又は各々膨ら んだ形状を有し、上から見ると実質的に円形であるので、これらの反射ゾーンに おける神経を刺激するように使用される。足の反射ゾーンは、神経系に全面的な 影響を有しており、この神経系は、特定の内臓への動脈血の供給に影響を与える 。最初に挙げた静脈血流、特に下方の脚の領域における静脈血流の問題の解決は 、この発明によっては達成できない。 米国特許第４，６３３，８７７号から、次のようなシューズ用インナーソール が既知である。このシューズ用インナーソールにおいて、中間ソールはその表面 全体にわたって個々の構成要素を組み立てて構成され、フォアフット関節領域に 配置されたその区部（ｓｅｇｍｅｎｔ）は個々の副区部（ｓｕｂ−ｓｅｇｍｅｎ ｔｓ）に分割され、副区部はソール表面の幅方向において互いに隣接している。 個々の区部及び副区部は、それぞれ平坦であり、同じ厚さを有する。この既知の シューズ用インナーソルは、弾力性に違いを持たせて具体化することによりフッ トサポートに違いを持たせて使用され、ここで区部の位置は、対応する足の骨の 位置を考慮したものとなっている。 同様の目的は、EP 0 316 289 Aにおいて追求されており、この場合、シューズ 用インナーソールにはソール表面にわたって分配して配置された中空スペースが 設けられ、この中空スペースは、足の形状に対応した弾力性の材料で充填されて よい。そのようなシューズ用インナーソールは、整形外科的な矯正に用いられる 。 従って、本発明の目的は、最初に言及したタイプのシューズ用インナーソール を製作することであり、本発明のインナーソールは、足と足首関節の動く過程に おいて筋肉の収縮を共力的にサポートすることにより、足から始まり脚を通って 体に至る静脈還流の顕著な向上を可能にする。 この目的を達成するために、請求項１又は請求項４に記載の特徴が、上記タイ プのシューズ用インナーソールとの関連でもたらされる。 足の筋肉組織の収縮に積極的に作用する適切な支持領域は、本発明に基づく複 数のステップから結果として得られ、本発明では、枕状の層（複数）は別々に浮 出するのではなく、足の特定された領域内にプラトー状に配置され、互いに分離 した複数のフィールドに分割される。このような分離したサポートポイントは、 足が通常に動いている間ばかりでなく、立っている間にも顕著に筋肉の収縮が促 進あるいは刺激され、よって向上するように配置される。これにより、個々の間 接の連続運動における共力的なサポートがもたらされ、この共力的なサポートが 、連続的かつ均一な運動波として静脈及びリンパ管系に積極的な影響を与える。 換言すれば、静脈及びリンパ管系に対する均一かつ機械的な圧縮が発生し、この 結果、脚から体へ向かう静脈還流が増加することになる。この特徴的なサポート 運動は、特に枕状層の個々の領域への分割が足の筋肉の構造に類似するため、い わゆる足とふくらはぎの筋肉ポンプの作用を促進する。 さらに請求項２及び／又は請求項３及び／又は請求項５及び／又は請求項６の 特徴に基づき、本実施の形態においては、筋肉構造のさらに重要な領域に枕状層 がもたらされる。 請求項７又は請求項８の特徴の結果が、もう一つの実施の形態である。この場 特許請求の範囲 １． ソールベースボデー（３６）と、ソールカバー層（３７）と、ソールの表 面に分配して配置された幾つかの枕状層（１２、１３、１４、１５、１６）と、 を備えたシューズのインナーソール（１１）であって、 第１の枕状層（１２）が、フォアフット関節領域に設けられ、第２の枕状層（ １３）が、中足／足根の移行領域に設けられ、第３の枕状層（１４）が、中足／ 踵の移行領域に設けられ、これらの各枕状層（１、１３、１４）は静脈血流を促 進すべく設けられ、各枕状層（１、１３、１４）自体が、個々の複数のプラトー 状フィールド（１８〜２７）に分割され、前記プラトー状フィールドが、ソール 表面（１７）の幅方向において違いに隣り合って配置されると共に互いに分離さ れており、枕状層（１２、１３、１４）の表面が、前記ソールカバー層（３７） でカバーされて、前記ソールベースボデー（３６）の表面と共に１つの面を実質 的に形成することを特徴とするシューズのインナーソール。 ２． 第４の枕状層（１５）が踵領域に設けられ、この第４の枕状層（１５）が プラトー状の形状であり、好ましくはソールの幅方向において均一な卵形であり 、前記ソールベースボデー（３６）の表面と共に１つの面を実質的に形成するこ とを特徴とする請求項１に記載のシューズのインナーソール。 ３． 三日月形の第５の枕状層（１６）が、足底弓の領域に設けられることを特 徴とする請求項１又は２に記載のシューズのインナーソール。 ４． ソールベースボデー（１３６）と、ソールカバー層（１３７）と、ソール の表面に分配して配置された幾つかの枕状層（１１２、１１３、１１４、１１５ 、１１６）と、を備えたシューズのインナーソール（１１１）であって、 第１の枕状層（１１２）が、フォアフット関節領域に設けられ、第２の枕状層 （１１３）が、中足／足根の移行領域に設けられ、第３の枕状層（１１４）が、 中足／踵の移行領域に設けられ、これらの各枕状層（１１２、１１３、１１４） は静脈血流を促進すべく設けられ、各枕状層（１１２、１１３、１１４）自体が 、個々の複数のプラトー状フィールド（１１８〜１２７）に分割され、このプラ トー状フィールドが、ソール表面（１１７）の幅方向において互いに隣り合って 配置されると共に互いに分離されており、枕状層（１１２、１１３、１１４）の 表面が、前記ソールカバー層（１３７）でカバーされ、前記ソールベースボデー （１３６）の表面の面に対して隆起していることを特徴とするシューズのインナ ーソール。 ５． 第４の枕状層（１１５）が踵領域に設けられ、この第４の枕状層（１１５ ）が、プラトー状の形状であり、好ましくはソールの幅方向において均一な卵形 であり、前記ソールベースボデー（１３６）の面に対して隆起していることを特 徴とする請求項４に記載のシューズのインナーソール。 ６． 前記ソールベースボデー（１３６）の面に対して隆起した第５の枕状層（ １１６）が、足底弓の領域に設けられることを特徴とする請求項４又は５に記載 のシューズのインナーソール。 ７． 枕状層（１２〜１６、１１２〜１１６）が、前記ソールベースボデー（３ ６、１３６）の凹みに配置されていることを特徴とする請求項１から請求項６の 少なくとも１つに記載のシューズのインナーソール。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 １９８０１３０１．９ (32)優先日 平成10年１月16日(1998．1．16) (33)優先権主張国 ドイツ（ＤＥ） (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＵ ，ＢＲ，ＣＡ，ＣＮ，ＣＺ，ＥＥ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ， ＩＳ，ＪＰ，ＫＰ，ＫＲ，ＬＴ，ＬＶ，ＭＸ，ＮＯ，Ｎ Ｚ，ＰＬ，ＳＧ，ＳＩ，ＴＲ，ＵＡ，ＵＳ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． ソールベースボデー（３６）と、ソールカバー層（３７）と、ソールの表 面に配置された幾つかの枕状層（１２、１３、１４、１５、１６）と、を備えた シューズのインナーソール（１１）であって、 第１の枕状層（１２）が、フォアフット関節領域に設けられ、第２の枕状層（ １３）が、中足／足根の移行領域に設けられ、第３の枕状層（１４）が、中足／ 踵の移行領域に設けられ、これらの各枕状層（１、１３、１４）自体が、個々の 複数のプラトー状フィールド（１８〜２７）に分割され、前記プラトー状フィー ルドが、ソール表面（１７）の幅方向において違いに隣り合って配置されると共 に互いに分離されており、枕状層（１２、１３、１４）の表面が、前記ソールカ バー層（３７）でカバーされて、前記ソールベースボデー（３６）の表面と共に １つの面を実質的に形成することを特徴とするシューズのインナーソール。 ２． 第４の枕状層（１５）が踵領域に設けられ、この第４の枕状層（１５）が プラトー状の形状であり、好ましくはソールの幅方向において均一な卵形であり 、前記ソールベースボデー（３６）の表面と共に１つの面を実質的に形成するこ とを特徴とする請求項１に記載のシューズのインナーソール。 ３． 三日月形の第５の枕状層（１６）が、足底弓の領域に設けられることを特 徴とする請求項１又は２に記載のシューズのインナーソール。 ４． ソールベースボデー（１３６）と、ソールカバー層（１３７）と、ソール の表面に配置された幾つかの枕状層（１１２、１１３、１１４、１１５、１１６ ）と、を備えたシューズのインナーソール（１１１）であって、 第１の枕状層（１１２）が、フォアフット関節領域に設けられ、第２の枕状層 （１１３）が、中足／足根の移行領域に設けられ、第３の枕状層（１１４）が、 中足／踵の移行領域に設けられ、これらの各枕状層（１１２、１１３、１１４） 自体が、個々の複数のプラトー状フィールド（１１８〜１２７）に分割され、こ のプラトー状フィールドが、ソール表面（１１７）の幅方向において互いに隣り 合って配置されると共に互いに分離されており、枕状層（１１２、１１３、１１ ４）の表面が、前記ソールカバー層（１３７）でカバーされ、前記ソールベース ボデー（１３６）の表面の面に対して隆起していることを特徴とするシューズの インナーソール。 ５． 第４の枕状層（１１５）が踵領域に設けられ、この第４の枕状層（１１５ ）が、プラトー状の形状であり、好ましくはソールの幅方向において均一な卵形 であり、前記ソールベースボデー（１３６）の面に対して隆起していることを特 徴とする請求項４に記載のシューズのインナーソール。 ６． 前記ソールベースボデー（１３６）の面に対して隆起した第５の枕状層（ １１６）が、足底弓の領域に設けられることを特徴とする請求項４又は５に記載 のシューズのインナーソール。 ７． 枕状層（１２〜１６、１１２〜１１６）が、前記ソールベースボデー（３ ６、１３６）の凹みに配置されていることを特徴とする請求項１から請求項６の 少なくとも１つに記載のシューズのインナーソール。 ８． 中間層（５１'、５１”、１５１）が前記ソールベースボデー（３６'、１ ３６）とソールカバー層（３７'、１３７）又は枕状層（１２〜１６、１１２〜 １１６）との間に設けられると共に、ソール全面にわたるもう一つの枕状層を構 成することを特徴とする請求項１から請求項７の少なくとも１つに記載のシュー ズのインナーソール。 ９． 前記中間層（５１”、１５１）が、好ましくは約２〜４mm、好ましくは３ mmの略均一な厚さを有することを特徴とする請求項８に記載のシューズのインナ ーソール。 １０． 第１〜第５の枕状層（１２〜１６）が、中間層（５１'）の凹所（５２' ）に配置されていることを特徴とする請求項８に記載のシューズのインナーソー ル。 １１． 第１〜第５の枕状層（１１２〜１１５）が、前記中間層（１５１）上に 配置されることを特徴とする請求項８に記載のシューズのインナーソール。 １２． 前記ソールベースボデー（３６、１３６）が好ましくは層状であり、結 合剤により成形されたコルク粒から構成されることを特徴とする請求項１から請 求項１１のうちの少なくとも１つに記載のシューズのインナーソール。 １３． 前記ソールベースボデー（１３６）が、その最も厚い領域において約３ ．５〜４mmの厚さを有し、最も薄い領域において約１〜１．５mmの厚さを有する ことを特徴とする請求項１２に記載のシューズのインナーソール。 １４． 第２の枕状層（１１３'）がインナフィールド（１２３'）を備え、該イ ンナフィールド（１２３'）に領域（１２３”）が設けられ、該領域が第１の枕 状層（１１２'）の方へ向けて弓状に前方に引っ張られていることを特徴とする 請求項１から請求項１３のうちの１つに記載のシューズのインナーソール。 １５． 第２の枕状層（１１３'）のインナフィールド（１２３'）の弓状の前方 に引っ張られた領域（１２３”）が、残りの領域たる前記ソールカバ一層（１３ ７'）の残りの隆起した面に対して、すなわち第２の枕状層（１１３'）のフィー ルドに対して、上方にアーチ形となっていることを特徴とする請求項１４に記載 のシューズのインナーソール。 １６． 弓状の前方に引っ張られた領域（１２３”）のアーチ形状により、約２ mmの隆起がもたらされることを特徴とする請求項１５に記載のシューズのインナ ーソール。 １７． 前記ソールベースボデー（１３６）が、その上面全体及び／又は下面全 体をテクスタイルカバーによりカバーされていることを特徴とする請求項１から 請求項１６のうちの少なくとも１つに記載のシューズのインナーソール。 １８． 前記枕状層（１３〜１６、１１３〜１１６）及び／又は前記中間層（５ １、１５１）が、柔軟な発泡材料から成ることを特徴とする請求項１から請求項 １７のうちの少なくとも１つに記載のシューズのインナーソール。 １９． 交換可能なインソールとしてデザインされることを特徴とする請求項１ から請求項１８のうちの少なくとも１つに記載のシューズのインナーソール。 ２０． シューズ内に一体化されたソールとして構成されたことを特徴とする請 求項１から請求項１８のうちの少なくとも１つに記載のシューズのインナーソー ル。