JP2001513832A - ポリマー複合体並びにその製造法及び使用法 - Google Patents

ポリマー複合体並びにその製造法及び使用法

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Abstract

(57)【要約】 その中に天然の自由容積を有するポリマー及びそのポリマーの自由容積内に配置された無機または有機物質を含む複合体が開示される。さらに、複合体を製造する方法が開示される。その中に自由容積を有するポリマーが提供される。その自由容積は空にされ、そして無機又は有機分子がポリマーのその空にされた自由容積の中に注入される。ついで、重合した無機又は有機分子を巨大分子のネットワーク中に効率的に組み込ませるような条件下でこの無機又は有機分子を重合させることができる。また、このポリマーが官能基を含む場合には、この無機又は有機分子がこのポリマーの官能基と効率的に相互作用することができるような条件下でこの無機又は有機分予を処理することができる。光照射シールド及びフィルター、電磁照射シールド及びフィルター、静電気防止層、不均一触媒、導電性電極、難燃性及び断熱性を有する物質、電解槽、燃料電池及び光電子装置の構築に用いる成分、及び汚れ防止用被覆剤としての、開示された複合体の使用も開示される。その中に自由容積を持つオキシハロポリマー及びそのオキシハロポリマーの自由容積の中に配置された無機又は有機材料を含むオキシハロポリマー複合体も開示される。また、表面−オキシハロゲン化非−ハロポリマー複合体も開示される。この複合体はその中に自由容積を持つ表面−オキシハロゲン化非−ハロポリマー及びその表面−オキシハロゲン化非−ハロポリマーの自由容積の中に配置された無機又は有機材料を含んでいる。これらのオキシハロポリマー複合体及び表面−オキシハロゲン化非−ハロポリマー複合体の製造法及び使用法も開示される。

Description

【発明の詳細な説明】 ポリマー複合体並びにその製造法及び使用法 本出願は、1997年2月26日出願の米国仮特許出願第60/039,25 8号、1997年4月4日出願の米国特許出願第08/833,290号、19 97年10月22日出願の米国特許出願第08/955,901号、及び199 7年12月23日出願の米国特許出願第08/997,012号の優先権を主張 する。上記の出願はすべて参照により本明細書にインコーポレートされる。 発明の分野 本発明は一般的に複合体に関し、そしてより具体的にはポリマーの自由容積内 に配置された無機又は有機物質を含むポリマー複合体に関し、そしてオキシハロ ポリマー複合体及び表面−オキシハロゲン化非−ハロポリマー複合体に関し、そ してこれらの製造法及び使用法に関する。 発明の背景 ハイブリッド物質 無機−有機ハイブリッド物質は多様な用途に様々な程度の成功を収めて使用さ れてきた。 これらの物質の一部では、有機ポリマーが無機充填剤と混合することより、こ れらのポリマーのある種の性質を改善し、あるいはより高価な有機物質をより安 価な無機物質で置き換えることによりポ リマー組成物のコストを低減している。無機充填剤は微粒子かまた線維状であり 、天然に生ずる鉱物又はガラスなどの高価でない物質から作られるのが典型的で ある。例えば、ロバーツらの米国特許第5,536,583号(「ロバーツ」) は、腐食防止用の被覆並びに耐摩耗性を改善し及び/又は結合特性を強化するた めの被覆を作るために、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、及びポリ エーテルエーテルケトン中に無機のセラミック粉末を混合する方法、及びフルオ ロポリマー樹脂中に金属の窒化物、酸化物、及びカーバイドを含ませる方法を開 示する。プライアーらの米国特許第5,492,769号(「プライアー」)は 金属又はセラミック物質を有機ポリマー物質中に埋め込んでそのポリマーの耐摩 耗性を増加させる方法を開示する。ナガオカらの米国特許第5,478,878 号(「ナガオカ」)は、有機ポリマーと無機金属充填剤の熱可塑性混合物を開示 する。これは周囲光源に曝らされるときの変色に対するポリマーの耐性を改善す る。 上記の無機−有機ハイブリッド物質はそれぞれ、(1)溶融し次いで無機相と 有機相とを均一な混合物となるように混合し、その後硬化させ、取り出し又は乾 燥することによるか、又は(2)ポリマーと無機物質を一緒に両方の物質が溶解 しうる溶媒中に溶解し、均一な溶液となるように混合し、次いでこの溶媒を留去 してハイブリッド物質を取り出すことにより製造された。その結果得られる無機 −有機ハイブリッド物質は、ナノメータから数10マイクロメータのサイズに及 ぶ別々の無機ドメインと有機ドメインを有する本質的には巨大分子の混合物であ る。上記の複合体はすべて無機物質、典型的には天然に生ずる鉱物を用いること により製造される。これら の鉱物は金属酸化物、金属窒化物、及びゼロ−価金属などの、金属の熱力学的に 安定な形で存在する。 これらの無機−有機ハイブリッド物質は幾つかの欠点を有するため、その用途 が制限される。例えば、ハイブリッド内で無機物質が占めるドメインのサイズは ハイブリッド製造に使用した無機物質の粒子又は線維の粒子サイズに依存する。 さらに、無機−有機ハイブリッド物質の均一性はポリマー溶融物中での無機物質 の溶解性か又はそのポリマー物質を溶解させるために使用した溶媒へのその無機 物質の溶解性に大部分依存する。さらに、これらのハイブリッドの性質及び分子 構造は、溶融又は溶解した混合物から固形のハイブリッド物質を押し出し、流し 込み(cast)又は乾燥するために使用する方法に大きく左右され、そしてこの固 形のハイブリッド物質は有意の、望ましくない、しばしば制御不可能なバッチ毎 のそして地域的な変動を生ずる。 無機−有機ハイブリッド物質は種々のポリマーマトリックスの中に粉末又は微 粒子状の無機物質を分散させることによっても製造されてきた。 例えば、コールマンの米国特許第5,500,759号(「コールマン」)は 電気伝導性の金属粒子をポリマーマトリックスの中に分散させることにより製造 したエレクトロクロミズムを示す物質を開示し、モリソンらの米国特許第5,4 68,498号(「モリソン」)は静電気防止ポリマー被覆を製造するのに有用 な、コロイド状酸化バナジウムと分散したスルホン化ポリマーの水性系混合物を 開示し、ラジェシュワーらの米国特許第5,334,292号(「 ラジェシュワー」)はナノ分散無機触媒粒子を含む伝導性ポリマーフィルムを開 示し、サンドバンクの米国特許第5,548,125号(「サンドバンク」)は 手袋をX−照射の遮蔽に有用とする微粒子タングステンを含む溶融−又は熱−形 成フレキシブルポリマー手袋のための方法を開示する。 無機−有機ハイブリッド物質は均一に混合されるが、それは巨大分子のサイズ で存在する無機相と有機相とを別々に含む。これらの別の相はポリマーマトリッ クス内での無機物質の移動及び/又はポリマーマトリックスから無機物質の洩れ 出しをしばしば生ずる。さらに、これらの無機−有機ハイブリッド物質の無機相 は簡単な機械的操作またはこのポリマーの溶媒抽出によりポリマーマトリックス から分離することができる。従って、ある温度又は溶媒に曝されると、これらの ハイブリッドの無機相は、ポリマーマトリックスから移動したり分散したり、又 はポリマーマトリックス内で種々の部分に蓄積したりすることができ、その有用 な寿命を低減させる。 無機−有機ハイブリッド内の無機相の移動や洩れ出しと関連する問題のために 、より大きな安定性を有する無機相を含むハイブリッド物質が開発されてきた。 これらの物質は有機物質のポリマー鎖の中に無機物質の大きな相互貫通性の巨大 分子ネットワークを物理的に捕捉させることによるものである。 例えば、シャープの米国特許第5,412,016号(「シャープ」)は、S i、Ti又はZrの無機ゲルの加水分解可能な前駆体を有機ポリマー及び有機カ ルボン酸と混合して均一な溶液を形成さ せることにより製造されたポリマー性の無機−有機相互貫通性ネットワーク組成 物を開示する。次いで、この溶液を加水分解し、得られるハイブリッド物質を従 来からの有機ポリマーに頑強さを付加するために、並びにその熱安定性及び耐摩 耗性を増加させるために使用される。アンダーソンらの米国特許第5,380, 584号(「アンダーソンI」)はポリマーバインダーに分散させたバナジウム ペントオキシドのコロイド状ゲルから作られた電気−伝導性の層を含む静電写真 法のイメージング・エレメントを開示する。コルトレーンらの米国特許第5,1 90,698号(「コルトレーンI」)は、ビニルカルボン酸から誘導されるポ リマーを金属酸化物と溶媒溶液中で混合し、得られる溶液を鋳造又は被覆し、そ して得られる試料を硬化させることによりポリマーと金属酸化物の複合体を形成 させることによるポリマー/無機酸化物複合体の製造法を開示する。これらの複 合体は高い光学密度、耐摩耗性、又は静電防止性を有する澄明な被覆又はフィル ムを形成するのに有用であると言われる。ベイシルらの米国特許第5,115, 023号(「ベイシル」)は、有機フィルム−形成ポリマーの存在下でオルガノ アルキルオキシシランの加水分解的縮合重合により製造されるシロキサン−有機 ハイブリッドポリマーを開示する。この方法はシャープで開示された方法に類似 し、そして同様にその柔軟性及びフィルム形成性を維持しながらポリマーの機械 的強度及び安定性を改善するために使用される。コルトレーンらの米国特許第5 ,010,128号(「コルトレーンII)は、金属酸化物をエーテル性ポリホス ファゼンと混合してポリホスファゼンフィルムの耐摩耗性及び静電防止性を増加 させる方法を開示する。これらの方法は、コルトレーンIの方法と同様に、加水 分解可能な脱離基を含む無機金属前駆体を用いる。 前記のそれぞれにおいて、ポリマー性無機−有機相互貫通性ネットワーク組成 物は、(1)加水分解可能な金属(又は加水分解された金属ゲル)を溶融したポ リマーか又は溶解したポリマーを含む溶媒の中に添加する工程、(2)加水分解 剤を添加するか又は加水分解を行わせるため溶液のpHを調節する工程、(3) 混合する工程、及び(4)硬化させる工程を逐次行うことにより得られる。 しかしながら、記述された方法は、幾つかの限界を有する。例えば、これらは 加水分解可能な金属前駆体又は加水分解された金属と類似の溶解性を有するポリ マーに相互貫通性金属酸化物ネットワークを組み込むように制限される。さらに 、この方法は加水分解可能な無機金属前駆体又は加水分解された金属を有機ポリ マーと最初に混合する工程、次いで無機相と有機相の硬化が同時に起こることが 必要なこの混合物の硬化工程を含む。無機物質と有機物質は両方とも硬化プロセ スの間しっかりと接触しているから、得られるハイブリッドの有機相は無機相の 非存在下で硬化させた同一ポリマーのそれとは異なる物理的特性を有する。この ことは、原料である有機ポリマー物質の望ましい性質を保存するために必要な無 機物質の濃度を予想すること、あるいは得られるハイブリッドの性質を予想する ことを困難にし、多くの場合不可能とする。ハイブリッド物質の結晶化度及び/ 又は自由容積は無機相の非存在下で硬化させた原料有機ポリマー物質とは著しく 異なるのが典型的である。これらの方法はポリマー性無機−有機相互貫通性ネッ トワークハイブリッド内で無機相と有機相の空間的分布に対する制御を与えない ので、用途も 制限される。例えば、バルク物質の表面又はバルク物質内の自由容積の表面をど の相が支配するかを制御することは困難であり、多くの場合、不可能である。こ の多様さはバルク対表面という性質に関してハイブリッド物質の品質管理の問題 を惹き起こし併せて有用性に制限を加えることになる。 また、超臨界流体を使用することにより固形マトリックスの中に無機分子と有 機分子をしみ込ませることができることが証明されてきた。 パーマンらのWO94/18264は、ポリマー基板としみ込ませ用付加物及 び水などの担体液体を超臨界流体の存在下に同時接触させることにより、ポリマ ー基板の中へ多様な特定の付加物をしみ込ませるための超臨界流体の使用を開示 する。記述されたこの方法は、ポリマー性物質がしみ込ませ用付加物と担体液体 に同時に接触させられること、及び、次にこれらの成分の三つすべてが担体液体 としみ込ませ用付加物が膨潤したポリマー物質に浸透することができるようにポ リマー物質を膨潤させるのに十分な時間、高圧釜中で超臨界流体に接触させられ ることを必要とする。 クラークらによるJ.Am.Chem.Soc.,116:8621(1994)では、超臨界流体はポ リエチレンにCpMn(CO)3をしみ込ませるために使用されている。CpM n(CO)3に溶媒和させるためとポリエチレンを膨潤させるための両方に作用 する超臨界CO2を用い、こうして膨潤したポリマー内に創られた自由空間の中 へそしてポリマー物質の自由容積の中へCpMn(CO)3の流入を可能とす る。 ワトキンスらによるMacromolecules,28:4067(1995)は、超臨界CO2−膨潤ポ リ(クロロトリフルオロエチレン)(「PCTFE」)中でのスチレン重合法を 開示する。 超臨界流体を用いてポリマー物質に付加物をしみ込ませる方法は幾つかの重要 な欠点を有する。第1に、この方法は高圧装置の使用を必要とする。第2に、こ の方法はポリマーマトリックスにしみ込ませる付加物に溶媒和させるための超臨 界流体又は別の適当な担体溶媒が入手可能であることを必要とする。第3に、こ の方法はポリマー物質が付加物を浸透させ、こうして、ポリマー物質にしみ込ま せるように粗く膨潤することを必要とする。この膨潤は宿主ポリマーの表面にそ してバルクの形態に大きな変化をもたらし、そして最終のハイブリッド物質の構 造の制御の欠如をももたらす。最後に、この方法は得られるハイブリッド物質の 表面の性質を制御することができない。併せると、これらの変化及び制御の欠如 は宿主ポリマーにおける多様な物理的及び化学的変化−柔軟性、結晶化度、及び 熱的特性などの性質の変化を含む−を生ずる。最後に、ポリマー物質中へ付加物 をしみ込ませるために超臨界法が使用される場合の多くは、このポリマー物質が 超臨界流体条件又は場合によっては種々の溶媒に接触することにより、しみ込ま せた付加物がポリマー物質から容易に拡散して消失し得る。 これら及びその他の理由で、無機−有機ポリマー複合体に対する必要性及び上 述の制限を受けない無機−有機ポリマー複合体の製造 方法並びに表面の性質(例えば、濡れ易さ、反応性、接着性、及び物理的かつ化 学的頑強さ)を制御させるこれらの複合体の製造方法に対する必要性が未だに存 在する。本発明はこの必要性を満足させることに取り組んでいる。汚れ止め用被覆 水に浸かっている又は水と断続的に接触している船の船体、ブイ、掘削用プラ ットホーム、石油生産用掘削装置、橋、橋脚、閘門及びパイプなどのヒトの手に なる構造物は緑藻、褐藻、フジツボ類、イガイ類、及び同種のものなどの水性又 は海洋微生物により汚され易い。このような構造物は金属製であることが普通で あるが、コンクリート、木材、及びプラスチックなどの他の物質も含まれる。船 の船体については、汚れは水中の移動に対する摩擦抵抗を増加させ、その結果、 速度を減少させそして燃料費を増加させる。掘削プラットホームの橋脚、石油生 産掘削装置、橋、及び橋脚などの静止構造については、波や潮流に対する汚れの 層厚の抵抗がその構造に予想し得ないそして潜在的に危険な圧力を惹起すること ができる。さらに、汚れはストレスによる裂け目や腐食状態などの構造物の欠陥 を検査するのを困難にもする。冷却水の採り入れ口や出口などのパイプでは、汚 れはパイプの有効断面積を減少させ、これが流速の減少を起こさせる。 商業的に最も成功した汚れを防止する方法は、例えば、塩化トリブチル錫又は 酸化第一銅などの水性生物又は海洋生物に毒性のある物質を放出する汚れ防止被 覆の使用を含むものである。このような被覆は、しかしながら、これらの毒物が 放出される水性または海洋 環境に対してこれらが持つ破壊効果の故に不評が増大しつつあると見なされてい る。従って、毒性物質を放出しない汚れ防止用被覆に対する必要性が存在する。 発明の概要 本発明は複合体に関する。この複合体はその中に天然の自由容積を有するポリ マー及びそのポリマーの天然の自由容積に配置された無機物質又は有機物質を含 んでいる。 本発明は複合体を製造する方法にも関する。その中に自由容積を有するポリマ ーが提供される。ポリマーの自由容積は空にされ、そしてポリマーのその空にさ れた自由容積の中に無機又は有機分子が注入される。本発明の特に好ましい態様 では、この無機又は有機分子は次に巨大分子ネットワークの中へ無機又は有機分 子を組み込むのに効果的な条件の下で重合させられる。本発明の別の特に好まし い態様では、このポリマーは官能基を含んでおり、そして無機又は有機分子をポ リマーの官能基と相互作用させるのに効果的な条件の下でこの無機又は有機分子 が処理される。 本発明は生物による表面の汚れを防止する方法にも関する。この方法はその中 に自由容積を有するポリマー及びポリマーの自由容積の中に配置された無機又は 有機物質を含む複合体の、その表面への適用を含んでいる。 本発明は生物によるポリマー表面の汚れを防止する方法にも関す る。このポリマー表面はその中に自由容積を有するポリマーを含んでいる。この ポリマーの自由容積は空にされ、そして空にされた自由容積の中へ無機又は有機 分子が注入される。 本発明は一つの物体にも関する。この物体はその全て又は一部がポリマーを構 成する表面を有する。このポリマーはその中に自由容積を有し、そしてポリマー の自由容積の中に無機又は有機物質が配置されている。 本発明はオキシハロポリマー複合体を製造する方法にも関する。この方法はそ の中に自由容積を有するオキシハロポリマーの提供を含んでいる。このオキシハ ロポリマーの自由容積は空にされ、そしてオキシハロポリマーの空にされた自由 容積の中に無機又は有機分子が注入される。 本発明はオキシハロポリマー複合体を製造する別の方法にも関する。この方法 では、ハロポリマー複合体が提供される。このハロポリマー複合体の表面のハロ ゲン原子は次にハロポリマー複合体の表面ハロゲン原子の少なくとも一部を水素 原子及び酸素原子又は酸素含有ラジカルで置換するのに効化的な条件下で修飾さ れる。 本発明は表面−オキシハロゲン化非−ハロポリマー複合体を製造する方法にも 関する。この方法はその中に自由容積を有する表面−オキシハロゲン化非−ハロ ポリマーを提供する工程を含んでいる。この方法はさらに表面−オキシハロゲン 化非−ハロポリマーの自由容積を空にする工程,及び表面−オキシハロゲン化非 −ハロポリマ ーの空にされた自由容積の中へ無機又は有機分子を注入する工程を含む。 本発明は表面−オキシハロゲン化非−ハロポリマー複合体を製造する別の方法 にも関する。この方法では、表面−ハロゲン化非ハロポリマー複合体が提供され る。この方法は表面−ハロゲン化非ハロポリマー複合体の表面のハロゲン原子の 少なくとも一部を水素原子及び酸素原子又は酸素含有ラジカルで置換するのに効 果的な条件下で表面−ハロゲン化非ハロポリマー複合体の表面ハロゲン原子を修 飾することをさらに含む。 本発明は、その別の側面では、オキシハロポリマー複合体に関する。このオキ シハロポリマー複合体はその中に自由容積を有するオキシハロポリマー及びこの オキシハロポリマーの自由容積の中に配置された無機又は有機物質を含む。 本発明は表面−オキシハロゲン化非−ハロポリマー複合体にも関する。この複 合体はその中に自由容積を有する表面−オキシハロゲン化非−ハロポリマー及び この表面−オキシハロゲン化非−ハロポリマーの自由容積の中に配置された無機 又は有機物質を含む。 本発明の複合体は元のポリマー(すなわち、無機又は有機分子又は巨大分子ネ ットワークの非存在下でのポリマー)の性質に実質的には類似の物理的諸性質を 有するポリマー相を含んでいる。従って、本発明の複合体は従来の無機−有機ハ イブリッド物質に比べて遥かに予想可能性が大きい機械的諸性質を有する。本発 明の複合体は 制御可能、予想可能、そして再現可能なレベルでの光学密度及び電気、イオン及 び荷電体伝導性をも有する。これは光照射遮蔽物及びフィルター、電磁波照射遮 蔽物及びフィルター、均一な触媒基質、及び伝導性電極を含む種々の用途に本発 明の複合体を有用とする。これらの特性もこれらの複合体を、電解槽、燃料電池 、電子光学的装置、マイクロエレクトロニックの用途のための半導体、及び難燃 性及び防熱性を有する物質の構築における成分として有用とする。 これらの複合体の最初の形成は元のポリマーのそれと実質的に類似の物理的性 質を持つ物質を生ずるけれども、本発明に従って製造された複合体の、それに続 く熱的、化学的、光化学的、又は電気化学的処理により改良された物理的諸性質 に誘導することができる。この複合体の物理的諸性質における変化は注入された 無機又は有機分子とポリマーの間の化学的及び/又は電子的相互作用から生ずる ものと信じられる。 さらに、本発明の複合体は必要に応じその一部が水素原子及び酸素原子又は酸 素含有基で置換されたハロゲン原子を含む表面を持つことができる。このオキシ ハロポリマー表面は、水や他の極性溶媒を反撥する傾向、高い熱安定性、及び低 い粘着係数及び摩擦係数などのハロポリマー表面に特徴的な有用な特性の多くを 保持している。しかしながら、ハロポリマー表面と異なって、本発明のオキシハ ロポリマー複合体の表面は、オルガノシリコン、有機金属前駆体、遷移金属イオ ン及び化合物、遷移金属フィルム、蛍光性化合物及び他の色素、及びタンパク質 、酵素、及び核酸などの生物物質などの 他の化学的官能基との結合を可能とする反応性化学的部位を持っている。さらに 、注入される無機物質おらび表面における化学的官能基を適当に選択することに より、注入された無機物質と同一の、類似の、又は異なる無機表面を持つポリマ ー複合体を調製することができる。このような物質は、例えば純粋な金属酸化物 表面を持つ金属酸化物/フルオロポリマー複合体を調製する場合に有用である。 図面の簡単な説明 図1はハロポリマー複合体の注入の結果を例示する略図である。 図2は本発明のオキシハロポリマー複合体の断面図を例示する略図である。 図3は本発明に従ってオキシハロポリマー複合体を製造するための製造スキー ムである。 図4は本発明に従ってオキシハロポリマーを製造するための別の製造スキーム である。 発明の詳細な説明 本発明は複合体に関する。この複合体はその中に天然の自由容積を持つポリマ ー及びポリマーのその天然の自由容積の中に配置され た無機又は有機物質を含んでいる。 このポリマーは有機系ポリマー又は無機−有機ハイブリッドポリマーであるこ ともできる。本発明の複合体に使用するのに適する有機系ポリマーとしては、ホ モポリマー、共ポリマー、多成分ポリマー、又はそれらの混合物が挙げられる。 適当な有機ポリマーには、フルオロポリマーやフルオロクロロポリマーなどのハ ロポリマー、ポリイミド、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びポ リブチレンなどのポリアルキレン、ポリ(フェニレンジアミン テレフタルアミ ド)フィラメント、修飾されたセルロース誘導体、澱粉、ポリエステル、ポリメ タクリレート、ポリアクリレート、ポリビニルアルコール、ビニルアルコールと エチレン性不飽和モノマーとの共ポリマー、ポリビニル酢酸、ポリ(アルキレン オキシド)、塩化ビニルホモポリマー及び共ポリマー、エチレンと一酸化炭素と アクリル酸エステル又はビニルモノマーとのターポリマー、ポリシロキサン、ポ リフルオロアルキレン、ポリ(フルオロアルキルビニルエーテル)、ハロジオキ ソールと置換ジオキソールのホモポリマー及び共ポリマー、ポリビニルピロリド ン、又はこれらの組合せが含まれる。ハロポリマーは、フルオロアルキル基、ジ フルオロアルキル基、トリフルオロアルキル基、フルオロアリール基、ジフルオ ロアルキル基、トリフルオロアルキル基、パーフルオロアルキル基、パーフルオ ロアリール基、クロロアルキル基、ジクロロアルキル基、トリクロロアルキル基 、クロロアリール基、ジクロロアルキル基、トリクロロアルキル基、パークロロ アルキル基、パークロロアリール基、クロロフルオロアルキル基、クロロフルオ ロアリール基、クロロジフルオロアルキル基、ジクロロフルオロアルキル基など のハロゲン化基を含む有機ポリマーである。ハロポリマーとしては、ポリビニリ ジンフルオライド(「PVDF」)、ポリビニルフルオライド(「PVF」)、 ポリクロロテトラフルオロエチレン(「PCTFE」)、ポリテトラフルオロエ チレン(「PTFE」)(拡大したPTFE(「ePTFE」)を含む)などの フルオロヒドロカーボンポリマーが挙げられる。多くの用途のためには、その極 端な非反応性、高い熱安定性、疎水性、低い摩擦係数、及び低い誘電性のために 、フルオロポリマーが好ましい。これらの望ましい諸性質の保持に加えて、多く の用途では、特に触媒的な用途では、金属とフルオロポリマーとの結合により、 これらの金属の触媒としての性質を増強させるためにこれらのフルオロポリマー の高い電気陰性的特性を利用するのが有利である。適当なフルオロポリマーには 、ペルフルオロ化シロキサン、ペルフルオロ化スチレン、ペルフルオロ化ウレタ ン、及びテトラフルオロエチレンやペルフルオロ−2,2−ジメチル−1,3− ジオキシド(TEFLON−AFの商標で販売されている)のような他のペルフ ルオロ化酸素含有ポリマーを含む共ポリマーなどのペルフルオロ化樹脂が含まれ る。本発明の複合体に使用することができる他のポリマーとしては、下記のもの が挙げられる。すなわち、MFA(オーシモントUSA(サラフェア、ニュージ ャージー)から入手可能)又はPFA(デュポン(ウイルミントン、デラウエア )から入手可能)などのペルフルオロアルコキシ−置換フルオロポリマー、ポリ テトラフルオロエチレン−コ−ヘキサフルオロプロピレン(「FEP」)、エチ レンクロロトリフルオロエチレン共ポリマー(「ECTFE」)、及びポリエス テル系ポリマー、その例としてはポリエチレンテルフタレート、ポリカルボネー ト、及びアナログ及びそれらの共ポリマーが含まれる 。 ポリエチレンエーテルも使用することができる。これには、ポリ(2,6−ジ メチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フ ェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレンエー テル)、ポリ(2−メチル−6−プロピル−1,4−フェニレンエーテル)、ポ リ(2,6−ジプロピル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−エチル− 6−プロピル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジブチル−1, 4−フェニレンエーテル)及び同種のものが含まれる。 適当なポリアミドの例としては、ポリヘキサメチレン アリパミド(ナイロン 66)、ポリヘキサメチレン アゼルアミド(ナイロン69)、ポリヘキサメチ レン セバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレン ドデカノアミド( ナイロン612)、ポリ−ビス−(p−アミノシクロヘキシル)メタン ドデカ ノアミド、ポリテトラメチレン アリパミド(ナイロン46)及びポリカプロラ クタム(ナイロン6)及びポリラウリルラクタムなどのラクタムの開環により製 造されるポリアミドが挙げられる。さらに、上記のポリマー、例えば、アジピン 酸、セバシン酸及びヘキサメチレンジアミンから製造されたポリマーの製造に使 用された少なくとも二つのアミンまたは酸の重合により製造されるポリアミドを 使用することができる。このポリアミドはさらにナイロン66とナイロン6の混 合物(ナイロン66/6などの共ポリマーを含む)などのポリアミドの混合物を 含む。 本発明には、芳香族ポリアミドも使用することができる。これらは、芳香族ア ミノ酸及び/又はパラ−アミノエチル安息香酸、テレフタル酸、及びイソフタル 酸などの芳香族二カルボン酸を主成分として含む溶融重合可能なポリアミドなど の芳香成分を含む共ポリアミドに組み込まれることが好ましい。 熱可塑性芳香族共ポリアミドの典型例としては、p−アミノメチル安息香酸と ε−カプロラクタムの共ポリマーポリアミド(ナイロンAMBA/6)、2,2 ,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレン−ジアミンテレフタルアミド( ナイロンTMDT及びナイロンTMDT/6I)から主として構成されるポリア ミド、ヘキサメチレン・ジアミンイソフタルアミド及び/又はヘキサメチレンジ アミンテレフタルアミドから主として構成されそして他の成分としてビス(p− アミノシクロヘキシル)メタンイソフタルアミド及び/又はビス(p−アミノシ クロヘキシル)メタンテレフタルアミド、ビス(p−アミノシクロヘキシル)プ ロパンイソフタルアミド及び/又はビス(p−アミノシクロヘキシル)プロパン テレフタルアミド、(ナイロン6I/PACM I、ナイロン6I/DMPAC M I、ナイロン61/PACP I、ナイロン6I/6T/PACM I/P ACM T、ナイロン6I/6T/DMPACM I/DMPACM T、及び /又はナイロン6I/6T/PACP I/PACP T)を含むポリアミドが 挙げられる。 スチレンポリマーも使用することができる。これらには、ポリスチレン、ゴム 修飾ポリスチレン、スチレン/アクリロニトリル共ポ リマー、スチレン/メチルメタクリレート共ポリマー、ABS樹脂、スチレン/ αメチルスチレン共ポリマー、及び同種のものが含まれる。 他の適当な代表的ポリマーとしては、例えば、ポリ(ヘキサメチレンアリパミ ド)、ポリ(ε−カプロラクタム)、ポリ(ヘキサメチレンフタルアミド又はイ ソフタルアミド)、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタ レート)、エチルセルロース及びメチルセルロース、ポリ(ビニルアルコール) 、エチレン/ビニルアルコール共ポリマー、テトラフルオロエチレン/ビニルア ルコール共ポリマー、ポリ(酢酸ビニル)、部分水解ポリ(酢酸ビニル)、ポリ (メタクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸エチル)、ポリ(アクリル酸エチ ル)、ポリ(アクリル酸メチル)、エチレン/一酸化炭素/酢酸ビニル・テルポ リマー、エチレン/一酸化炭素/メタクリル酸メチル・テルポリマー、エチレン /一酸化炭素/アクリル酸n−ブチル・テルポリマー、ポリ(ジメチルシロキサ ン)、ポリ(フェニルメチルシロキサン)、ポリホスファゼン及びそのアナログ 、ポリ(ヘプタフルオロプロピルビニルエーテル)、ペルフルオロ(1,3−ジ オキソール)及びペルフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)の ホモポリマー及び共ポリマー、特にテトラフルオロエチレンとの及び必要に応じ て別のエチレン性不飽和コ−モノマーである、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ (プロピレンオキシド)、及びポリ(テトラメチレンオキシド)との共ポリマー が挙げられる。 これら及び他の適当なポリマーは商業的に購入することができる 。例えば、ポリ(フェニレンジアミン テレフタルアミド)繊維はトレードネー ムKEVLARTMとしてデュポンから購入することができる。また、本発明の実 施に適するポリマーはエリアス著、巨大分子−構造と性質I及びII、ニューヨー ク、プレヌムプレス(1977)(「エリアス」)に記載されている方法などの良く知 られた方法により調製することができる。上の著書は参照により本明細書にイン コーポレートされる。 また、ポリマーは無機−有機ハイブリッドポリマー又は有機ポリマーと無機− 有機ハイブリッドポリマーの混合物であることができる。本明細書の実施に適す る無機−有機ハイブリッドポリマーは、ロパーツ、プライアー、ナガオカ、コー ルマン、モリソン、ラジェシュワー、サンドバンク、シャープ、アンダーソンI 、ベイシル、及びコルトレーンI及びIIに記載されている方法などの、有機−無 機ハイブリッド物質を製造するための従来の方法により調製されたものを含む。 上記の方法は参照により本明細書にインコーポレートされる。 このポリマーは、有機系ポリマー又は無機−有機ハイブリッドポリマーに加え て、ポリマーの諸性質を修飾することが当技術分野で知られている多様な物質を 含むことができる。これらには、充填剤、架橋剤、安定剤、ラジカルスカベンジ ャー、コンパタビライザー(compatabilizers)、静電防止剤、染料及び色素が含 まれる。これらを含めるか又は含めないかは、当技術分野の熟練者には明らかな ように、その複合体が用いられる用途に勿論左右される。 ポリマーを構成する物質は、それが有機ポリマーであれ無機−有機ハイブリッ ド物質であれ、天然の自由容積を含む。 ポリマーはその複合体が用いられる用途に適するどのような形状をとることも できる。例えば、ポリマーは、粉末又は微粒子の有機系ポリマー樹脂であること ができ、また、粉末又は微粒子の無機−有機ハイブリッドポリマー樹脂であるこ ともできる。適当な微粒子形状には、シート、繊維、又はビーズが含まれる。本 明細書で用いるとき、シートはフィルムを含むことを意味し、繊維はフィラメン トを含むことを意味し、ビーズはペレットを含むことを意味する。約0.1mm から約数mm(例えば、約0.1mmから約0.5mm)の直径を持つビーズ及 び約10nmから約0.1mmの直径を持つ粉末であって、PVDF、PTFE 、FEP、ECTFE、PFA又はMFAから製造されたものは多くの用途に特 に有用である。 また、ポリマーは複合体に対して望まれた形状とは異なる形状であることもで きる。無機又は有機物質はポリマー粉末、ビーズなどの形で樹脂内に注入される 。注入されたポリマー粉末、ビーズ等は次いで従来のポリマー処理法により望み の形に処理される。例えば、注入されたポリマー粉末、ビーズ等は完成品シート 又は繊維に押し出し加工することができる。また、注入されたポリマー粉末、ビ ーズ等は壁や船の船体などの固体物体に、例えば、その物体の上に注入されたポ リマーの薄いフィルム又は被覆を作るのに効果的な条件下で、その物体の上に、 注入されたポリマー粉末、ビーズ、又はペレットを、噴霧、スパッタリング、又 はペインティング(例えば ブラッシング又はローリング)することにより、適用することができる。 本発明の複合体、特にビーズ、シート又は繊維の形状のものは、均一にも、不 均一にも注入することができる。例えば、本発明は、一つの表面に近いシートの 部分は注入するが、反対側表面に近いシートの別の部分には注入しないような対 置する二つの表面を持つシートを含む。この非−均一注入は、例えば、覆われた 表面に近い自由容積を空にするのを防止する物質でシートの表面の一方を覆うこ とにより、又は、択一的にあるいは付加的に、覆われた表面に注入物質が接触す るのを防止することにより、行うことができる。 本発明の目的では、自由容積はエリアスの自由容積(186−188頁)の記 述と一致するように用いられる。この記述も参照により本明細書にインコーポレ ートされる。簡単に述べれば、エリアスは、定義により、無定形の領域には広い ロング−レインジの秩序は存在し得ないことを指摘する。エリアスはさらに、こ れらの無定形の領域はX線型の結晶ではないこと、そして研究はX線無定形ポリ マーはある種の秩序を持ち得ることを示唆するが、一定数の空の部位が存在する に違いないことに注目する。こうして、本明細書で用いるとき、自由容積とはポ リマーの無定形領域に存在する空の部位そしてその中に有機又は無機分子が拡散 することができる部位を指す。この自由容積は本発明により無機又は有機物質が 拡散などによりその中に導入されそして続いて巨大分子ネットワーク内に組み込 まれ又はポリマーの官能基との相互作用により安定化される領域として利用され る。これらの自由容積は、一般に、ポリマーがその中 で形成された溶媒を蒸発させる際などの硬化プロセスの間に形成するが、自由容 積がポリマーの内部に存在するに至るメカニズムによって本発明が限定されるこ とは意図しない。 本発明の目的には、自由容積は天然の自由容積であっても創出された自由容積 であってもよい。本明細書で用いるとき、天然の自由容積とはポリマーの無定形 領域に特徴的に存在する空の部位であって、その中に有機又は無機分子が拡散す ることができる部位を指す。これらの天然の自由容積はポリマーがその中で形成 される溶媒を蒸発させる際などの硬化プロセスの間に形成されるものを含む。対 照的に、創出された自由容積は超臨界条件下で超臨界流体にポリマーを接触させ ることによりポリマーの形成の後に形成され又は修飾される自由容積である。本 明細書の複合体の自由容積は天然の自由容積でありそして創出された自由容積を 含まないから、これらの天然の自由容積は超臨界的注入プロセスで用いられる担 体液体又は他の溶媒を実質的に含まない。 特定のポリマーにおける無機又は有機分子を拡散させるために利用可能な総天 然自由容積は天然自由容積の多様な特性に左右される。これらには、サイズ、サ イズ分布、濃度、及び天然自由容積の空間分布が含まれ、これらのすべてがポリ マーの形成条件、例えば、溶媒の留去方法、溶媒留去プロセスの間の圧力や温度 (及びそれらの変動)、溶媒留去プロセスの開始に先立ってポリマーが硬化した 程度、溶媒の性質、有機又は無機−有機ハイブリッドポリマーの性質、ポリマー マトリックスのサイズ、及び同種のもの、によって影響を受ける。ポリマーの天 然の自由容積に影響を与える別の要因は 結晶化度の程度である。ポリマー内に含まれる多結晶領域は無定形領域よりも天 然自由容積を少ししか持たず、きっちりと詰まっており、そしてポリマー内に無 機分子の移動を阻害する。こうして、ポリマーは少なくともある程度の非−結晶 化度(すなわち、100%未満の結晶化度を持つこと)を持つことが好ましい。 適当なポリマー(例えば、ハロポリマー及び非−ハロポリマー)は99%未満の 結晶化度、好ましくは95%未満の結晶化度を持つものである。ポリマーの総天 然自由容積(すなわち、天然自由容積の集合容積)(「VS」)はポリマーの総 容積の約1×10-6よりも大きいことが好ましい。異なる表現をすれば、ポリマ ーの総容積をVCとすると、天然自由容積の集合容積は約1×10-6Cよりも大 きいことが好ましく、約1×10-6Cから約0.1VCであることがより好まし く、そして約1×10-3Cから約0.1VCであることがより一層好ましい。 天然自由容積はポリマーの固有の性質(すなわち、そのポリマーを最初に形成 するために使用した方法により定められる性質)であることができ、又は、そう ではなくて、それは、無機又は有機物質をその中に拡散させるときのポリマーの 温度を高めたり低くしたりすることによるなどの、適当な手段(超臨界条件下で の超臨界流体との接触によるものを除く)によりポリマーの形成後に制御するこ ともできる。例えば、無機又は有機分子をポリマー内に拡散させるときの温度を 高めると、その物理的及び機械的諸性質を実質的に変えることなくそのポリマー の天然自由容積が増加する。こうして、無機又は有機分子のより大きな濃度をポ リマー内に拡散させることができ、このことは、例えば、ポリマー内の巨大分子 ネットワーク の濃度の増大をもたらす。 ポリマー総容積の割合として天然自由容積(すなわち、VS/VC)を測定する 方法は当技術分野で熟練者には良く知られている。例示的方法はエリアスの25 6−259頁に見出すことができる。これは参照により本明細書にインコーポレ ートされる。ポリマーの天然自由容積はそのポリマーの中を通る気体の流速によ り測定することもできる。天然自由容積及びそのポリマー内分布は、ツチダ編、 巨大分子複合体:動力学的相互作用及び電子過程、ニューヨーク、VCH出版社 、39−59頁(1991)、ホリエ著、「電子−格子相互作用の動力学」に記 載されたものなどの、光反応性プローブを用いることにより測定することもでき る。上記の記載は参照により本明細書にインコーポレートされる。 上に示したように、本発明の複合体はポリマーの天然自由容積内に配置される 無機又は有機物質をさらに含む。天然自由容積内の無機又は有機物質の量は、典 型的には原料ポリマーの天然自由容積の内部表面積に比例する。そしてこれは、 上記のように、ポリマーに固有の特性であることもでき、又は適当な手段(超臨 界条件への接触以外の)、例えば、無機又は有機物質をその中に拡散させるとき の温度を上げたり下げたりすることにより、制御することもできる。この無機物 質はポリマーの天然自由容積を二次元又は三次元で満たすことができ、又はその 大部分を占めることができる。この無機物質はポリマーの天然自由容積内でそれ 自体三次元のネットワークを形成することができる。これらの三次元ネットワー クは高密度で天然自由容積のすべてを実質的に満たすことができ、又は多孔性で 、従って気体分子を天然自由容積の中へそしてそれから外へ三次元の無機又は有 機の巨大分子ネットワークを通って流通させることができる。そうではなく、無 機物質は天然自由容積の表面に沿って又はその表面の一部の上に二次元の層(被 覆又はフィルムなどの)となることもできる。天然自由容積が小さい場合には、 無機又は有機物質は原料物質の一次元鋳型に従う。その結果、天然自由容積/ポ リマー界面における固有の化学及び/又は物理的形態に依存して二次元形態が生 ずる。無機又は有機物質はポリマーの天然自由容積全体にわたって均一又は実質 的に均一に広がることが好ましい。 いかなる適当な無機物質を用いることもできる。本発明の実施に使用するのに 適する好ましい無機物質は、室温とポリマー物質の熱分解温度の間の温度で及び /又は約0.1mトルから10トルの圧力で、0より大きな蒸気圧を持つことが できるものである。無機物質とは、この物質が少なくとも一つの金属イオン又は 金属原子を含むことを意味する。本明細書で使用するとき、水素、酸素、フッ素 、塩素、臭素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、及びラド ン以外の原子はすべて、金属原子と考える。好ましい金属原子はアルカリ金属類 、アルカリ土類金属類、遷移元素類、ランタナイド類、アクチナイド類、ホウ素 、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、シリコン、ゲルマニウム、 錫、鉛、リン、砒素、アンチモン、ビスマス、セレン、テルリウム、ポロニウム 、及びアスタチンである。さらに、炭素、チッソ、硫黄、及びヨウ素は金属と考 えられる。特にそれが非共有結合(例えば、イオン結合やπ−π結合)により他 の原子と結合している場合はそうである。特に有用な無機物質は、V、W、Fe 、Ti、Si、Al、P、 Sb、As、Ba、B、Cd、Ca、Ce、Cs、Cr、Co、Cu、Ga、G e、In、Pb、Mg、Hg、Mo、Ni、Nb、Re、Ta、Tl、Sn、I r、Rh、Th、Ru、Os、Pd、Pt、Zn、Au、Ag、及びこれらの組 合せからなる群より選択される金属を含むものである。本発明での使用に予定さ れる無機物質を例示すると、少なくとも一つの活性リガンドを含む金属イオン又 は金属原子も含まれる。少なくとも一つの活性リガンドを含むこれらの金属イオ ン又は金属原子は重合して隣接する金属原子又は金属イオンと結合を形成し、そ れによって巨大分子複合体を形成することができ、あるいはこれらはポリマー内 に含まれる官能基と相互作用して、例えば、ポリマーの官能基による錯体形成を 経て安定化された金属種を形成するように処理されることができる。このような 金属イオン又は金属原子としては、メタロ−オキソ種、メタロ−ニトロ種、IIIa 、IVa、Va、VIa、VIIa、及びVIIIa族金属のπ−アリル及びπ−アレーン錯体、 及び塩素、臭素、アルキル、アリール、カルボン酸、カルボニル、アルコキサイ ド、ピリジン、テトラヒドロフラン、及び同種のものなどの有機官能基に配位結 合された有機−金属錯体が挙げられる。 無機物質は巨大分子ネットワークを形成し、又はポリマー内に含まれる官能基 と相互作用していることが好ましい。この巨大分子ネットワーク及び相互作用し ている無機物質はその複合体が用いられる温度でポリマーからの拡散に対し安定 であって好ましい。例えば、本発明の複合体が触媒として使用される場合には、 無機巨大分子ネットワーク又はポリマー内に含まれる官能基と相互作用している 無機物質は、特定の触媒反応を行う際に用いられる温度で拡散に対 し安定であることは有利である。 無機物質が相互作用をすることができる適当な官能基としては、ハロゲン(フ ッ素又は塩素など)、アミン、アルケン、アルキーン、カルボニル(ケト基、ア ルデヒド基、カルボン酸基、エステル基、アミド基、及び同種のもの)、アルコ ール、及びチオールが挙げられる。ポリマー上の官能基と相互作用する無機分子 はMy−Xjという式を持つことができる。上式中、Xはポリマー内に含まれる官 能基(例えば、F又はClなどのハロゲン、NH2、NH、O−C=O、C−O H、C=C、C=C、又はC=O)であり、yは金属の酸化状態(0から特定金 属の最高酸化状態まで及ぶことができる)であり、そしてjは所与のポリマー内 で特定金属が配位することができるリガンドの数である。例えば、MがPdであ り、XがClであり、jが2であることができる。 拡散に安定な無機巨大分子ネットワークの例としては金属原子及び巨大分子ネ ットワークが挙げられる。本明細書で用いられるとき、巨大分子ネットワークと は、直接又は間接的に一緒に結合している3個以上、好ましくは約20より多く の、より一層好ましくは約100より多くの金属原子を含む分子である。適当な 巨大分子ネットワークには、式[X(O)n−Oy−X(O)nmを有するものな どの多縮合物が含まれる。上式中、mは約1から約10,000以上の整数であ り、Xは+sの荷電を持つ金属イオンを表し、sは1からその金属の得られうる 最高の酸化状態までの整数であり、yは0からsまでの整数であり、そしてnは 0とs/2の間にある。各金属原子が4個の酸素原予に結合しておりそして各酸 素原子が 2個の金属原子に結合している、良く知られたシリカ、チタニア、及びジルコニ アの構造は、このような巨大分子ネットワークの例である。シリカ、チタニア、 又はジルコニアのネットワークの中の金属原子の一部に対する結合の一つ又は二 つがアルキル基などの他の部分により占められているものなどの他の巨大分子ネ ットワークも予定される。他の巨大分子ネットワークには、IIIa、IVa、Va、VIa 、VIIa、及びVIIIa族金属のπ−アリル化合物などのπ−アリル化合物から形成 されるものが挙げられる。本発明の実施において使用するのに適するπ−アリル 化合物の例は、例えば、ウイルケらによるアンゲバンテ・ヘミー、インターナシ ョナル・エディション、5(2):151−266(1996)に記載されてい る。この記載は参照により本明細書にインコーポレートされる。特に、これらの 化合物は、式(-M0-M0-)nを持つものなどの伝導性のゼロ−原子価巨大分子金 属ネットワーク(例えば、ゼロ酸化状態で伝導性の金属の巨大分子ネットワーク )を形成するために有用であると考えられる。上式中、nは約1/2から約10 ,000までであり、そしてM0はIIIa、IVa、Va、VIa、VIIa、及びVIIIa族金属 である。 適当な有機物質もすべて用いることができる。本明細書の実施において使用す るのに適する好ましい有機物質は室温とポリマー物質の熱分解温度の間の温度で 0より大きな蒸気圧を持つことができるものである。これらの有機物質は、酸化 、加水分解、化学的、電気化学的又は光化学的プロセスによるなどして重合し巨 大分子ネットワーク(例えば、式(-R−R-)nを有する巨大分子ネットワーク、 式中、nは約1から約10,000までの整数であり、Rはモノ マーラジカルである)を形成することもできることが好ましい。酸化的に重合し 、ポリピロール、ポリアニリン、及びポリチオフェンなどを形成することができ るピロール、アニリン、及びチオフェンなどの有機分子が適当である。他の適当 な有機分子としては、重合するとポリアセチレンを形成するアセチレンなどの、 化学線照射(例えば、紫外線照射)に曝すことにより重合することができるもの が挙げられる。有機分子のさらに他の例としては、有機巨大分子(すなわち、ポ リマー)に変換され得る有機モノマーが挙げられる。これらには、重合して伝導 性ポリマーなどのポリマーを形成することができる有機モノマーのすべてのクラ スが含まれる。これらの物質のリスト、それらの性質、そしてポリマーバッテリ ー、電気蓄電器、electrochromic devices、トランジスター、太陽電池、及び非 線型光学装置及びセンサーの構築に対するそれらの適用は、イー.ツチダ編、電 気伝導性ポリマーにおけるSequential Potential Fields、ニューヨーク:VC H出版、379−396頁(1991)中、ヤマモト著「巨大分子錯体:動力学 的相互作用と電子プロセス」(「ヤマモト」)に見出すことができる。この著述 は参照により本明細書にインコーポレートされる。 ポリマーとその中の天然自由容積内に存在する無機又は有機巨大分子ネットワ ークが接近しているため、そのポリマー内の自由容積の表面に含まれる化学的官 能基はある場合には無機又は有機巨大分子ネットワークの化学的及び電子的特性 に影響を与えることができ、そしてその逆もある。こうして、ポリマーを変える ことにより、無機又は有機巨大分子ネットワークの性質に影響を与えることがて きる。この影響の程度は原料ポリマーの化学的及び電子的性質の本 質に左右される。例えば、フッ素原子などの強い電子吸引性原子は多くの金属の 触媒性に影響を与える。より具体的に、コワラクら、Collect.Czech.Chem.Co mmun.,57:781-787(1992)は、多価金属カチオンを含むフッ素化ゼオライトは酸 触媒反応を誘導するこれらのゼオライトの活性を増加させることを報告している 。この報告は参照により本明細書にインコーポレートされる。従って、本明細書 の複合体がその触媒性のために使用される場合には、強い電子吸引性基を持つポ リマー物質を用いることが有利である。ある場合には、ポリマーは、自由容積内 に形成された無機又は有機巨大分子ネットワークの化学的又は電子的性質に影響 を与えることができる、自由容積界面に置かれたペンダント基又は化学的官能基 を含むことができる。天然自由容積に含まれる巨大分子ネットワークとペンダン ト基又は化学的官能基の相互作用は、空間経由相互作用(すなわち、相互作用す る化学種間に実際の結合又は錯体形成がない)、直接のイオン結合、水素結合、 又は共有結合、ある場合には金属原子が非金属又は他の金属原子又は基に配位す るときに普通に見られる結合の形成などによることができる。ポリマー物質とそ のポリマー物質の天然自由容積内に含まれる巨大分子ネットワークの間のこのよ うな結合の形成は、ドラゴ著、化学における物理的方法、フィラデルフィア、W .B.サウンダース(1997)に記載されている、紫外−可視分光法、赤外線 分光法、X線光電子分光法、核磁気共鳴分光法、及び他の技法などの、当技術分 野の熟練者に良く知られた方法を用いて検出することができる。上記の著書は参 照により本明細書にインコーポレートされる。 本発明の複合体の利点の一つは、原料ポリマーの諸性質の多くが 実質的に保存されていることである。超臨界浸漬法(ポリマー物質の膨潤の効果 を有する)により得られた結果とは対照的に、本発明の好ましい複合体(例えば 、ポリマーの天然自由容積内に配置された無機又は有機巨大分子ネットワークを 含む複合体)は、原料ポリマーの次元(すなわち、その天然自由容積がその中に 配置された無機又は有機巨大分子ネットワークを含んでいないポリマー)に実質 的に等しい次元を持っている。本発明の好ましい複合体は、原料ポリマーの柔軟 性、結晶化度、又は熱分解温度(「Td」)と実質的に等しい柔軟性、結晶化度 、又はTdを持ってもいる。この論旨で用いるとき、性質が10%未満しか異な らないときは実質的に等しいと考える。Tdはエリアス、巨大分子−構造と性質 、I及びII、ニューヨーク、プレナム・プレス(1977)に記載されている。 この記載は参照により本発明にインコーポレートされる。他の状況では、原料ポ リマー物質の性質とは異なるようにこれらの性質を修飾することが望ましい。こ れは、適当な無機又は有機分子を選択することにより行うことができる。二者択 一的に又は追加的に、これは、ポリマーの自由容積表面に見出される化学官能基 と注入された有機又は無機巨大分子ネットワークの化学的官能基の間の相互作用 を開始させるように作用することができる、それに続く化学的、光化学的、電気 化学的、または熱的処理により達成することができる。これらの相互作用は、例 えば、巨大分子ネットワーク中の金属種の触媒活性の増強、原料ポリマーの最初 の熱的性質と比較したときの複合体の熱的性質の上昇、又は有機伝導性巨大分子 ネットワークの伝導性の増強をもたらすことができる。有機伝導性巨大分子ネッ トワークの伝導性を増強させるためには、巨大分子ネットワークは、例えば、ポ リマー物質に含まれる化学(特に、自由容積界面に存 在するポリマーの化学官能基)により、又はそうでなければ、その後のドーパン トの拡散、それによるドーパント分子の複合体への組み込みにより、ドープ(薬 物添加)することができる。本発明の複合体に配置される伝導性巨大分子ネット ワークの伝導性を増強するために使用することができる適当なドーパントは、例 えば、ヤマモトに見出すことができる。これは参照により本明細書にインコーポ レートされる。 上に指摘したように、好ましい無機物質は拡散に抵抗性のあるものであるが、 本発明はこれらに限定することを意図するものではない。例えば、無機物質は、 化学的(例えば、酸化、加水分解又は水素化)、又は電気化学的、光化学的、又 は熱的方法になどにより、無機巨大分子ネットワークに、又はポリマーの官能基 と相互作用している、拡散に抵抗性の金属種に、変換することができる化合物で あることができる。例えば、無機金属は、VOCl3、W(CO)6、Fe(CO )5、TiCl4、SiCl4、AlCl3、PCl3、SbCl5、As(C253 、Ba(C372、ホウ素・ピリジン錯体及びホウ素・テトラヒドロフラン錯 体、Cd(BF42、Ca(OOCCH(C25)C492、セリウム(III)、 2−エチルヘキサン酸塩、セシウム2−エチルヘキソキシド、ナフテン酸クロミ ウム(III)、CrO2Cl2、Co(CO)3NO、カパー(II)ジメチルアミノエ トキシド、トリエチルガリウム、GeCl4、トリエチルインジウム、ナフテン 酸鉛、C25MgC1、(CH32Hg、MoF6、Ni(CO)4、Nb(OC256、HReO4、Ta(OC255、C55Tl、SnCl4、IIIa、IVa 、Va、VIa、VIIa、又はVIIIa 族の金属のπ−アリル化合物、及びこれらの組合せからなる群より選択される化 合物であることができる。これらはすべて、拡散抵抗性の無機物質に変換するこ とができる。 本発明の複合体は、それにも本発明が関係する、方法によって調製することが できる。その中に自由容積を有するポリマーが提供される。この自由容積は空に され、そして空にされた自由容積に無機又は有機分子が注入される。 空にされそしてその中に無機又は有機分子が注入される自由容積は天然の自由 容積(すなわち、創出されたものでも、空にされたり注入されたりする前又はそ の間に超臨界条件下でポリマーを超臨界流体に接触させることにより修飾された ものでもない、自由容積)であることができる。 好ましい無機分子は、重合して巨大分子ネットワーク又はポリマーの官能基と 相互作用するように処理され得る無機分子などの、拡散抵抗性の無機物質に変換 することができる無機分子である。適当な無機分子としては、金属原子(アルカ リ金属、アルカリ土類金属、遷移元素、ランタナイド類、アクチナイド類、ホウ 素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、シリコン、ゲルマニウム 、錫、鉛、リン、砒素、アンチモン、ビスマス、セレン、テルリウム、ポロニウ ム、及びアスタチン、及び特に、これらが非共有結合(例えば、イオン結合やπ −π結合)を経て他の原子に結合している場合には、炭素、窒素、硫黄、及びヨ ードなど)、殊にV、W、Fe、Ti、Si、Al、P、Sb、As、Ba、B 、Cd、Ca 、Ce、Cs、Cr、Co、Cu、Ga、Ge、In、Pb、Mg、Hg、Mo 、Ni、Nb、Re、Ta、Tl、Sn、Ir、Rh、Th、Ru、Os、Pd 、Pt、Zn、Au、Ag、これらの組合せ及びこれらのイオンの化合物及び錯 体が挙げられる。、金属原子又は金属イオンがそれと結合又は錯体形成している リガンドは特に重要ではない。もっとも、リガンドは酸化的、加水分解的、水素 添加的、化学的、電気化学的環境に曝されることにより無機分子が不安定となる ように、そして熱照射又は紫外線照射などの化学線照射に曝されることにより不 安定となるように、選択されることが好ましい。適当なリガンドには上に開示さ れたものが含まれる。本発明の実施に使用することができる無機分子の具体的例 としては、VOCl3、W(CO)6、Fe(CO)5、TiCl4、SiCl4、 AlCl3、PCl3、SbCl5、As(C253、Ba(C372、ホウ素 ・ピリジン錯体及びホウ素テトラヒドロフラン錯体、Cd(BF42、Ca(O OCCH(C25)C492、セリウム(III)、2−エチルヘキサン酸塩、セシ ウム2−エチルヘキソキシド、ナフテン酸クロミウム(III)、CrO2Cl2、C o(CO)3NO、銅(II)ジメチルアミノエトキシド、トリエチルガリウム、 GeCl4、トリエチルインジウム、ナフテン酸鉛、C25MgCl、(CH32 Hg、MoF6、Ni(CO)4、Nb(OC256、HReO4、Ta(OC2 55、C55T1、SnCl4、IIIa、IVa、Va、VIa、VIIa、又はVIIIa族の金 属のπ−アリル化合物、及びこれらの組合せが挙げられる。 適当な有機分子は、巨大分子ネットワークなどの、拡散抵抗性の ポリマー物質に変換することができるものである。適当な有機分子としては、ア セチレン、p−フェニレン、チオフェン、2,5−チエニレン、ピロール、2, 5−ピロリレン、3−置換2,5−チエニレン、3−置換ピロール、アニリン、 p−フェニル−エンビニレン、2,5−ピリジンジイル、ヘキサジイン、及びジ アセチレン(diaceytylene)などの化合物が挙げられる。これらの化合物はすべて 、ポリマー中に拡散し、次いで、ポリマーの自由容積内で非拡散性の巨大分子ネ ットワークを形成するように、酸化的、化学的、又は光化学的にそれらの対応す る巨大分子コンプレックスに変換することができる。これらの有機分子から作ら れた巨大分子ネットワークが電気又はイオン伝導性とすることができるから、こ れらの有機分子の注入は、原料ポリマー物質の結晶化度、柔軟性、又はTdを大 きく変えることなく、複合体物質に種々の程度電気的及び/又はイオン的性質を 付加することができる。ナフタレンやピリジンなどの有機芳香族分子もこれらの 物質に光学的性質を付加するために注入することができる。しかしながら、これ らの芳香族物質は巨大分子ネットワークに重合させることはできない。従って、 これらがポリマーマトリックスの官能基と錯体を形成することができる場合を除 き、ポリマーからの拡散に関して安定ではない。 上に指摘したように、ポリマーの自由容積はまず空にされる。本明細書で使用 されるとき、空にするとは大気圧より低い(すなわち、760トルより低い)圧 力までポリマーの自由容積の圧力を低下させることを意味する。これは、用いら れる真空に耐える室、容器又は他の入れ物の中にポリマーを置き、そしてこの室 、容器又は他の入れ物の中の圧力を約760トル未満に、より好ましくは約10 0トルから約10mトル又はそれ以下まで、そして最も好ましくは約1トルから 約10mトル又はそれ以下まで減少させる。空にする工程は、温度及び圧力に応 じて、約1分から約数日にわたって行われるのが典型的である。 こうして空にされた自由容積は、次に無機又は有機分子で注入される。先行技 術の方法とは対照的に、本発明の注入は非−超臨界条件(例えば、超臨界流体又 は担体の存在下ではなく非存在下で、自由容積を創らない、そしてポリマー膨潤 や同種のことを起こさない条件)下で行われる。 注入はどのような実用的方法で行うこともできる。空にしたポリマーと気体状 の無機又は有機分子を接触させることにより、注入は気体状の無機又は有機分子 を用いて行うのが最も便利である。無機又は有機分子は、金属カルボニルの一部 のものがそうであるように自然の状態で気体状であることもでき、あるいは無機 又は有機分子は熱を用いて又は減圧下で又はその両者で煮沸し、昇華させ、又は その他の方法で気化させることができる。多くの場合、無機又は有機分子は少な くとも幾らかは空気と反応性である。この場合、気化は無機又は有機分子の他の すべての操作と同様に、アルゴン又は窒素などの不活性雰囲気下で、又は真空下 で行うのが最も良い。 気体状の無機又は有機分子は、次に空にされたポリマーと接触させられる。こ れはポリマーを容器の中に入れ、760トルより低い圧力までこの容器を空にし 、そして次に空にされたポリマーを含む空にされた容器の中へ気体状の無機又は 有機分子を流し込むことに より行うことができる。純粋な気体状の無機又は有機分子の雰囲気下で、好まし くは高温で注入プロセスを行うことにより、注入は加速させることができ、そし て一般に、より多くの気体状分子を注入することができる。注入が行われる温度 及び圧力は重要である。なぜなら、これらは注入プロセスに必要な時間に影響を 与えるからである。温度及び圧力は、無機又は有機物質に0よりも大きな蒸気圧 を持たせそしてポリマー内の無定形領域の濃度を増加させる(より多くの自由容 積を与える)範囲内で最適化することが好ましい。 無機又は有機分子はポリマーの自由容積内にある周囲の気体と置き換わる必要 がないから、ポリマーを保持する容器を最初に空にすることにより、無機又は有 機分子の注入速度は高められると信じられる。 本発明の好ましい態様では、注入はポリマーのガラス転移温度(「Tg」)よ り約50℃低い温度よりも高くそして原料ポリマー物質の熱分解温度(「Td」 )よりも低い温度(すなわち、約Tg−50℃より高く、約Tdより低い温度) で行われる。温度が高くなるにつれ、ポリマー中に注入される無機又は有機分子 の組み込み速度は大きくなる。また、温度が高くなるにつれ、ポリマー内の自由 容積を増加させるように作用する熱転位によりポリマー内に拡散する無機又は有 機物質の得られる濃度はますます大きくなる。これらは好ましい条件にすぎず、 同一プロセスをこれらの好ましい温度範囲の外でも行うことができると理解すべ きである。場合によっては、完成した複合体における無機又は有機分子の濃度を 制御するために、この温度範囲の外側で注入を行うことが好ましいことがある。 熟練した実務家は気付くように、好ましい温度範囲で本発明を実施するために、 無機又は有機分子はTg−50℃付近より高くポリマーのTd付近よりも低い温 度及び/又は注入プロセスの間に用いられる圧力で、非−ゼロ蒸気圧を持たなけ ればならない。場合によっては、自由容積空間を最適化する温度までポリマーを 加熱することがポリマーの中へ注入使用と望む無機又は有機分子の熱分解を生ず ることもある。このような場合には、注入は無機又は有機分子が0より大きな蒸 気圧に達することができるが熱分解はしない温度及び圧力で行うのが最も良い。 上に指摘したように、注入に要する時間は温度、圧力、無機又は有機分子の性質 、ポリマーの性質、注入の望ましい程度、無機又は有機分子の望ましい濃度、及 び同種のものに依存して変動する。多くの環境では、注入は約数分から約2日で 行うことができる。 ポリマー内へ無機又は有機分子を注入した後、無機又は有機分子は無機又は有 機分子を巨大分子ネットワークに組立てさせるのに有効な条件の下で重合させる ことができる。この重合は遊離の(すなわち、非−注入)無機又は有機分子の非 存在下で行われる。従って、重合の前に、注入されたポリマーは気体状の無機又 は有機分子を含む雰囲気から取り出すか又は注入されたポリマーの周囲の雰囲気 を排気するか又は不活性ガスで置換することが好ましい。 重合はポリマーの自由容積に注入された無機又は有機分子を適当な重合条件に 曝すことにより行うことができる。例えば、注入された無機又は有機物質は、適 当な条件に注入された無機又は有機物質は、これを適当な条件に曝すことにより 、例えば、注入された無機 又は有機物質を酸化剤、加水分解剤、水素化剤、特殊な化学的(例えば、電気化 学的又は光化学的)処理、化学線照射、適当な電圧、又は適当な温度に曝すこと により、酸化し、加水分解し、水素化、化学的に処理し、光活性化し、電気化学 的に重合し、又は熱的に重合することができる。 酸化剤、加水分解剤、又は水素化剤は気体状か又は不活性ガス中に蒸気の形で 含まれるのが典型的である。便宜上、酸化又は加水分解は無機分子を水、酸素又 はそれらの組合せ、例えば周囲の空気を含む気体に無機分子を曝すことにより行 うことができる。酸化、加水分解、又は水素化はいかなる便利な温度又は圧力で 行うこともでき、好ましくは室温及び周囲圧でそしてそのポリマーのTd又は無 機又は有機分子の分解温度より低い温度で行うことができる。無機又は有機分子 が空気又は湿気に感受性である場合には、酸化又は加水分解は周囲圧及び周囲温 度でそして周囲空気中で約5分から約48時間便利に行うことができる。 水素化は注入されたポリマーを水素ガスに曝すことにより行うことができる。 例えば、金属π−アリル化合物を含むポリマーを室温で約5分〜約48時間、水 素ガスの雰囲気下に置くことができる。このπ−アリル化合物は還元され、プロ パンガスが放出され、そして安定化された金属種又は金属ネットワークがそのポ リマーの自由容積内に形成される。金属ネットワークがポリマーの自由容積内に 形成される場合には、この金属ネットワークはそのポリマー内に含まれる官能基 と相互作用することもしないこともある。 場合によっては、重合は化学的に行うことができる。例えば、ピロールの有機 分子はポリマーの自由容積内に注入し、ついで50%水と50%HNO3を含む 化学溶液とこのポリマー物質を接触させることによりポリピロールに変換するこ とができる。この溶液はピロールを酸化してポリマーの自由容積の全体に存在す るポリピロールの巨大分子ネットワークを形成する。また、このポリマーはポリ マー内に含まれる巨大分子ネットワークが酸化性を持つように本明細書に記載し た複合体に先ず変換することができる。酸化性を持つ巨大分子ネットワークの適 当なものの一つはV25である。V25を含むこの複合体の形成の後、ピロール のような有機分子を注入することができ、次いでこれをV25巨大分子ネットワ ークにより酸化してポリマーの自由容積内に巨大分子ポリピロールネットワーク を形成させる。 アセチレン又はチオフェンなどの、電気化学的に重合することができる有機モ ノマーは、一度ポリマーの自由容積内に注入されると、注入されたポリマーを電 極と接触させ、この有機分子の酸化的重合を促進させるため電極の電圧を調節す ることにより重合させることができる。 さらなる例として、有機分子C64−CH2−(R2−S+-)−CH2−の熱 処理は巨大分子ポリマーであるポリフェニレンビニレンへの重合を促進する(例 えば、ヤマモトを見よ。これは参照により本明細書にインコーポレートされる。 )。 いったん重合が始まると、無機又は有機分子は、重合条件に曝さ れたときの同時組立てから数時間ないし数日間の期間にわたって、巨大分子ネッ トワークへの自己組立てが起こる。 組立てられた巨大分子ネットワークには、ポリマーの自由容積内に含まれる巨 大分子ネットワークの伝導性を増強させるため、必要に応じて、Na、I2、B r2、FeCl3、AlCl3、AsF5、及びヤマモトに開示されたもの、これは 参照により本明細書にインコーポレートされる、などのドーパントを注入するこ とができる。これらのプロセス及び、例えば、ポリマーバッテリー、電解質蓄電 池、エレクトロクロミック装置、半導体、太陽電池、及び非−線形光学材料の製 造におけるこれらの利用のさらなる記述は、ヤマモトに見出すことができる。こ れは参照により本明細書にインコーポレートされる。 ポリマー内に拡散する無機又は有機分子はポリマーの自由容積に制限されるか ら、得られる自己−組立て巨大分子ネットワークは主に長さの点で延びることが 制限される(すなわち、ネットワークの単一層ないし数層が二次元的に形成する ことができるだけであり、そしてネットワークの成長はポリマー内に含まれる相 互に連結した自由容積を通る1個の単一層の鎖の一つの次元での伸長に主として よるものである)と考えられる。さらに、このことにより、そのポリマー相が柔 軟性、結晶化度、Td、及び他の物理的諸性質に関して比較的変化しない物質を 生ずると考えられる。本質的には、ポリマーは分子鋳型としてのみ働き、そして その中でこれらの物質と関連する自由容積空間に沿って無機ネットワークが形成 されると考えられる。しかしながら、無機又は有機巨大分子ネットワークはポリ マー全体に均一に組み込まれている自由容積の中に含まれるから、このネットワ ークは全体としての複合体にそれ自体の性質を伝える。このような伝えられる性 質としては、制御されそして変更し得る光学密度、触媒活性、及び電気的そして イオン的伝導度、並びに増強された熱的−機械的諸性質が挙げられる。 また、ポリマーが適当な官能基を含む場合には特に、注入された無機又は有機 分子は、ポリマーの官能基と無機又は有機分子を相互作用させるのに効果的な条 件の下で処理することができる。上記のように、適当なポリマー官能基としては 、ハロゲン(フッ素又は塩素など)、アミン類、アルケン類、アルキン類、カル ボニル類(ケト基、アルデヒド基、カルボン酸基、エステル基、アミド基、及び 同種のものなど)、アルコール類、及びチオール類が挙げられる。ポリマーの官 能基と相互作用する無機分子は式Myjを持つことができる。式中、Xはポリマ ー内に含まれる官能基(例えば、F又はClなどのハロゲン、NH2、NH、O −C=O、C−OH、C=C、C=C、又はC=O)であり、yは金属の酸化状 態であり、これは0から特定金属の最高酸化状態にまで及び、そしてjは所与の ポリマー内で特定金属が配位することができるリガンドの数である。例えば、M がPdで、XがClで、jが2であることがあり得る。無機又は有機分子が金属 原子または金属イオンを含む場合には、相互作用する金属とポリマー官能基は一 般に無機錯体として特徴付けることができる。もっとも、共有的相互作用、イオ ン的相互作用、π−π電子相互作用、及び同種のものなどの他のタイプの相互作 用も考えられる。 無機又は有機物質の間の相互作用は自発的なもの、すなわち、この相互作用は 瞬時に起こり又は無機又は有機物質がポリマー官能基と接近して存在するために のみ一定の期間にわたって起こり得るものであることができる。この場合には、 処理するとは、無機又は有機分子をポリマーの官能基と相互作用することを許す ことを単に意味する。他の場合には、無機又は有機物質間の相互作用は自発的で はなく、それは、例えば、注入された無機又は有機分子を酸化、加水分解、水素 化、化学的処理、又は光活性化、電気化学的活性化などすることにより無機又は 有機分子が積極的に処理されることを必要とする。この酸化、加水分解、水素化 、化学的処理、又は光活性化、電気化学的活性化された無機又は有機分子は、次 にポリマーの官能基と相互作用する方に進む。本発明のこの側面を実施するには 、注入された無機又は有機分子の酸化、加水分解、水素化、化学的処理、又は光 活性化、電気化学的活性化は、無機又は有機分子の重合に関して上に記述された 諸方法により行うことができる。 ある場合には、無機分子が金属原子及びそれに結合したリガンドを含み、その 金属リガンド結合強度が大きい場合に特に顕著であるが、リガンドの酸化、加水 分解、または水素化が遅く又は不完全であることがある。金属リガンド結合強度 と金属が加水分解する傾向の比較については、ヒューイー、無機化学,第3版, 構造と反応性の原理、ニューヨーク、ハーパー・アンド・ロウ、第7章及び第1 1章、を見よ。これは参照により本明細書にインコーポレートされる。この場合 には、金属原子からリガンドを開裂させるのに有効な条件の下で、典型的には金 属リガンド結合の強度と照射線源の出力(すなわち、出力密度)に関する時間の 間、その無機分子を、紫外 線(「UV」)照射、好ましくは約190nm〜400nmの広範囲線源(又は 、場合によっては、高エネルギーUV(例えば、190nm未満の波長)又はX −照射)、などの化学線照射に曝すことが有利である。 リガンドをそれから開裂させた金属原子は、ポリマーの官能基とその金属原子 を相互作用させるのに有効な条件の下で、光化学的に、化学的に、電気化学的に 、又は熱的に処理することができる。 また、それからリガンドを開裂させた金属原子は、次に、金属原子を巨大分子 ネットワークに組立てさせるのに有効な条件の下で、気体を含む酸素又は水と接 触させることができる。気体又は空気を含む酸素又は水は、金属からリガンドが 開裂する際酸化又は加水分解が直ちに起こるように、無機分子(ポリマー内に拡 散した)を化学線照射に曝す間存在することが好ましい。このプロセスで使用す るのに適する気体を含む酸素又は水としては、実質的に純粋な酸素、水及び/又 はAr又はN2のような不活性ガスと混合した酸素、又は周囲の空気が挙げられ る。 例えば、W(CO)6は6個のカルボニルリガンドを含むタングステン金属錯 体である。このカルボニルリガンドは熱又はUV照射に不安定である。しかしな がら、その不安定さは各カルボニルリガンドの喪失と共に減少する。換言すれば 、第1のカルボニルを喪失すると、第2のカルボニルは除去するのがより困難に なり、第2のカルボニルが喪失すると、第3のカルボニルは除去するのがもっと 困難になり、以下同様となる。こうして、ポリマー内へW(CO)6 を注入した後、カルボニルリガンドの喪失は、W(CO)6の全体の分解を促進 するため、広域帯紫外線源(例えば、190nmと400nmの間の照射)に曝 すことにより、タングステン−カルボニル結合を活性化することにより行うこと が好ましい。この分解されたタングステン錯体は、次にポリマーの官能基と自由 に相互作用し又は隣接する分解したタングステン錯体と自由に反応して巨大分子 タングステンオキシドネットワークを形成する。 前述の無機又は有機分子の重合及び巨大分子ネットワークへの組立て及び/又 は前述のポリマー官能基との相互作用を惹起させる無機又は有機分子の処理は、 例えば、ポリマーの自由容積から無機又は有機分子の移動を減少させることによ るなどして、この錯体の安定性の改善をもたらすと考えられる。 本発明の複合体は、例えば、軽量の、柔軟な電磁波、UV及びX線シールドの 構築、エレクトロクロミック系又は液晶系フラットパネルディスプレーの構築に 使用するための柔軟な部品、及び軽量、高エネルギー密度バッテリーの構築に使 用する電極及び隔離板の材料の構築に、有用である。 本発明の複合体及び本発明の方法により製造される複合体、特にバナジウムペ ントキシドなどのバナジウムと酸素を含むものは、高速レーザープリントプロセ スに用いられるものなどの伝導性イメージングエレメントの電気−伝導性イメー ジング層として使用することができる。この電気伝導性イメージングエレメント は、絶縁支持体、この支持体を覆っている電気−伝導性層、及び電気−伝導性層 を覆っている誘電性のイメージング層を含んでいるのが典型的である。その構成 及びこれらの伝導性イメージングエレメントの使用に関するさらなる詳細は、例 えば、アンダーソンIに見出される。これは参照により本明細書にインコーポレ ートされる。 本明細書の複合体及び本発明のプロセスにより製造される複合体、特にバナジ ウムオキシド巨大分子ネットワークを含むものは、写真用フィルム及びペーパー などの写真用部品における静電防止剤として使用することができる。これらの写 真用部品としては、本発明の複合体を含む、基板、一つ以上の光感受性層、及び 一つ以上の静電防止層が挙げられる。ゼラチン下塗り層、バリア層、フィルター 層及び同種のものなどの他の成分の層にも用いることができる。写真部品及びそ の種々の層及び附属品の詳細な記述は、例えば、ジェイムズ、写真プロセスの理 論、第4版(1977)に見出すことができる。これは参照により本明細書にイ ンコーポレートされる。 本発明はバッテリーなどの燃料電池にも関する。燃料電池は本発明の複合体又 は本発明の方法に従って製造される複合体、特に電気的に又はイオン的に伝導性 であるものを含む。燃料電池はさらにこの複合体と接触している陽極及び陰極を 含む。 本発明は電磁波照射源から発射される電磁波照射から物質をシールドする方法 にも関する。この方法は本発明の複合体又は本発明の方法によって製造される複 合体をシールドされるべき物質と電磁波照射源の間に配置する工程を含む。その 無機又は有機分子が鉄、チタン、及びバナジウム錯体などの金属錯体を含んでい る複合体は、 可視及び紫外線照射をシールドするのに特に良く適している。その無機又は有機 分子が、タングステン、鉛、及び金などの高いZ数を持つ金属を含む複合体は、 高−エネルギー紫外線及びX線をもシールドする。本発明で使用するとき、シー ルドするとは、電磁波の強度が部分的に減少させられる(例えば、50%まで又 はそれ以上)ときなどのフィルターする(濾過する)こと、並びに電磁波が複合 体により完全に吸収され又は反射されるなどのブロックする(阻止する)ことを 意味する。 本発明の複合体は難燃剤又は加熱阻止剤として使用することもできる。より具 体的には、酸化亜鉛、酸化亜鉛/酸化モリブデン、酸化亜鉛/酸化クロム、酸化 亜鉛/酸化シリコン、酸化亜鉛/酸化チタン、酸化ビスマス/酸化ホウ素、酸化 モリブデン/酸化錫、酸化モリブデン、酸化アンチモン、アルミナ、又はシリカ の巨大分子ネットワーク又はそれらの組合せを含む複合体は、ワイヤー及びジャ ケット付きケーブルを熱的に絶縁するため又は炎や煙からそれらを保護するため 、チャンドラセカレンらの米国特許第4,957,961号に記載されたフルオ ロポリマー組成物の代わりに使用することができる。上記の特許は参照により本 明細書にインコーポレートされる。従って、本発明は熱又は炎から物質をシール ドする方法にも関する。この方法は本発明の複合体又は本発明の方法に従って製 造された複合体をシールドすべき物質と熱又は炎の源の間に配置する工程を含む 。本発明で用いる時、熱又は炎の源とは、現実の熱又は炎の源又は潜在的な熱又 は炎の源であることができる。 さらに、分子変換を行うための触媒として従来から有用であるこ とが知られている無機金属ネットワークを含む本発明の複合体は、例えば、煙突 のガス、車の排出ガス、市場で価値ある産業グレード及び純粋な化学物質の前駆 体、及び同種のものの不均一触媒として使用することができる。本発明の複合体 はバッチプロセスでも連続流動プロセスでも同様に有用である。 本発明の複合体を用いる反応体の反応の触媒は、本発明の複合体であって、そ の無機物質が反応体の反応を触媒するのに適しているものを先ず提供する工程、 及び次いでこの複合体を反応体と接触させる工程を含む。特定の反応体の反応を 触媒するのに適する無機物質は特定の反応体に対する既知の従来の触媒に基づい て簡単に確認することができる。例えば、分子状酸素を用いるSO2のSO3への 反応に対する従来から良く知られた触媒であるバナジウムペントキシドなどのバ ナジウムを含む化合物は、その反応を触媒するために本発明の複合体中の無機物 質として使用することができる。本発明の複合体の使用のための至適反応条件は 、当技術分野で良く知られた方法により個々の反応体それぞれ及び無機物質に対 して決定することができる。本発明の複合体が効果的な触媒として役立ち得る幾 つかの反応及び本複合体を用いる触媒反応を行うのに適する手順及び装置は、パ チョーニクら、J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,1990:1090(1990)(「パチョ ーニク」)、ウインスロウらの米国特許第5,534,472号(「ウインスロ ウ」)、及びカニントンらの米国特許第5,420,313号(「カニントン」 )に記載されているものである。これらは参照により本明細書にインコーポレー トされる。 無機又は有機巨大分子ネットワークの適当な選択を用いて触媒することができ る反応の例としては、後期遷移金属錯体を用いるアルケンのエポキシドへの変換 、チタンなどの前期遷移金属を用いるアルケンのアルデヒドへの変換、後期遷移 金属を用いるアルコールのアルデヒドへの選択的酸化が挙げられる。再び、これ らの反応及び他の反応の効率は、金属及び配位環境、例えば、周囲のリガンド及 び周囲ポリマーの立体的邪魔者などの適当な選択により調整することができる。 上に指摘したように、これらの複合体を触媒として使用するときは、遷移金属 は本発明の複合体中に組み込むための特に有用な金属である。異なる種類の合成 反応を触媒するための各遷移金属のユニークな特性は考慮されるべきである。例 えば、炭化水素のフィッシャー−トロプシュ合成(「FTS」)は、石油供給危 機がCOのCH4への水素化に大きく依存した時の1974年に刺激された。周 期律表の遷移金属周期内の遷移金属のパターンはこれらの金属の活性の変化を示 す。種々の遷移金属及びそれらのFTSに対する有用性の記述は、例えば、モウ リーンら編、「表面科学と触媒」第79巻、触媒反応、均一、不均一及び産業用 触媒に対する総合的取り組み、エルスビア・サイエンス・パブリッシャーズB. V.(1993)(「モウリーン」)に与えられている。これは参照により本明 細書にインコーポレートされる。さらなる例として、二酸化硫黄及びアンモニア の触媒酸化によるそれぞれ硫酸及び硝酸の生成は特に重要な産業に関わるプロセ スである。エチレンエポキシド及びプロピレンエポキシド及び無水フタル酸の酸 化的触媒反応は、中でも、酸化触媒によるアルカンの重要な産業に関わる触媒変 換の例でもあ る。本発明の複合体を用いて触媒することができる重要な産業用物質の酸化的触 媒に基づく合成の例のリストはモウリーンの187頁に与えられている。これは 参照により本明細書にインコーポレートされる。 例えば、本発明は酸化可能な基質の酸化を触媒するために使用することができ る。酸化可能な基質の適当なものとしては、メタノール(この場合、酸化の結果 生ずる産物はホルムアルデヒドまたは蟻酸又は両方である)などの置換又は非置 換アルキルアルコール又はアリールアルキルアルコール、又はo−キシレン(こ の場合、酸化生産物は多くのポリマーの調製において有用な前駆体である無水フ タル酸である)などの置換又は非置換アルキル又はアリールアルキルが挙げられ る。 この反応は酸化可能な基質を本発明の複合体又は本発明の方法に従って調製さ れた複合体の存在下に酸化剤と接触させることにより行う。適当な酸化剤はすべ て用いることができる。この酸化剤は必要に応じてヘリウム、チッソ、又はアル ゴンなどの不活性ガスを混ぜた酸素ガス(O2)などの気体であることが好まし い。多くの場合、周囲の空気を酸化剤として使用することができる。使用される 複合体はいかなる適当な形でもよく、例えば、シート、ビーズ、繊維、粉末、及 び同種のものとすることができる。複合体のポリマーはフルオロポリマー(例え ば、MFA、PFA、PVDF、PTFE、ECTFE、又はFEP)であるこ とが好ましい。ポリマーの天然自由容積中に配置されたチタン−又はバナジウム −含有無機物質を含む複合体は本発明の酸化反応を触媒するのに特に有用である 。場合によっては、酸化反応は共−還元剤の存在下に有利に行うことができる。 共−還元剤の適当なものの例としては、ヨードソベンゼンが挙げられ、これはメ タロポルフィリン及び過酸化物(例えば、過酸化水素又は過酸化ベンゾイル)の 存在下に行われるオレフィンのエボキシ化に普通に使用されるいる。 多くの場合、複合体内への反応体の拡散速度を増加させるため、本発明の複合 体を触媒として使用する間又はその前に膨潤させることが望ましい。これは標準 的超臨界条件に複合体を曝すことにより行うことができる。例えば、超臨界触媒 プロセスで普通に遭遇する圧力などの高い圧力に耐える容器内に複合体を置くこ とができる。次いで、この容器に2500psiの二酸化炭素などの超臨界条件 下で超臨界流体を加え、そしてその圧力を1〜100時間の範囲の時間にわたっ て維持する。これらの超臨界条件に曝す結果、その複合体は膨潤する。しかしな がら、注入が超臨界条件下で行われる先行技術の物質とは対照的に、本発明の方 法に従って注入された無機又は有機物質は、複合体がその後超臨界条件に曝され た場合もポリマーから拡散しない。 本発明の複合体の不均一触媒としての有効性は、自由容積の表面にあり、そし て触媒的変換の対象である気相分子に接触し易い、ポリマー構造に沿って存在す る無機物質によると考えられる。これは従来の無機−有機ブレンド法とは対照的 である。従来法は、混合の手順が無機相の配置を制御できず、そして表面自由エ ネルギーの制約の見地から、混合及び硬化の手順が自由容積の表面には無機物質 があるとしてもほとんどないと思われる物質を生ずる可能性が高い と思われる、 本発明は生物による表面の汚れを防止する方法にも関する。海水(すなわち、 塩水)又は水性(すなわち、淡水)環境では、これらの環境と連続的又は断続的 に接触している表面は、その表面の上への生物の付着又は成長などによる汚れを しばしば受ける。本発明の一つの方法では、表面の汚れは、本発明の複合体又は 本発明の方法により製造された複合体をその表面に適用することにより防止する ことができる。 例えば、表面の汚れは、本発明に従って、その中に自由容積を持つポリマー及 びそのポリマーの自由容積内に配置された無機又は有機物質を含む複合体をその 表面に適用することにより防止される。上に説明したように、自由容積には、天 然の自由容積、創出された自由容積、又は両方が含まれる。 この複合体は適当であればいかなる方法でも表面に適用することができる。例 えば、一つの態様では、複合体はシート状(すなわち、比較的平面的形状)で提 供することができる。ついで、シートを表面に接着させるのに有効な条件の下で 、シートと表面を接触させることができる。例示すれば、シートは機械的に(例 えば、釘で打ちつける、ネジで締めつける、又は鋲で止める)又はシートを表面 に付着させることにより(例えば、接着剤又はエポキシ樹脂で)接着することが できる。別の態様では、複合体は硬化していない樹脂の中に分散させたビーズ又 は粉末状で提供することができる。適当な樹脂としては、重合又は架橋により硬 化させることができるもの が挙げられる。硬化していない樹脂中に分散させたビーズ状又は粉末状の複合体 は、ペンキ塗り(刷毛塗り又はロール塗り)、噴霧、スパッタリング、又は浸漬 などにより表面と接触させる。次いで、硬化していない樹脂を、光又は熱に曝す ことによるなどして硬化させる。硬化プロセスは完全に行わせることができるが 、最低でも、複合体のビーズ又は粉末がその表面に付着するのに有効な程度まで 行うべきである。さらに別の場合には、硬化していない樹脂をペンキ塗り(刷毛 塗り又はロール塗り)、噴霧、浸漬又はスパッタリングなどにより表面に適用し 、次いでこの硬化していない樹脂と複合体のビーズ又は粉末を接触させることが できる。ついで複合体のビーズ又は粉末を表面に接着させるのに有効な程度まで この樹脂を硬化させる。別の態様では、複合体は適当な溶媒(例えば、ケトン、 エーテル、炭化水素(例えば、非置換炭化水素又は塩素化炭化水素)及び芳香族 溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、又はキシレン))中に分散させたビーズ状 又は粉末状で提供することができる。本発明で使用するとき、「分散させた」と は「溶解した」を含むことを意味する。適当な溶媒中に分散させた複合体のビー ズ又は粉末は、次に、ペンキ塗り(刷毛塗り又はロール塗り)、噴霧、浸漬又は スパッタリングなどにより表面と接触させ、そしてこの溶媒を、表面を加熱する ことにより又は単に溶媒を室温で蒸発させることなどにより、蒸発させる。さら に別の態様では、ビーズ状又は粉末状の複合体は、熱に基づく噴霧、スパッタリ ング、又は浸漬により又は高温プラスマスプレー技法の使用により、ビーズ又は 粉末の膜又は被覆を直接適用する被覆法を用いて混ざりものなしで適用すること ができる。 状況によっては、複合体の触媒活性が表面を分解させることのないように、保 護対象の表面を複合体から分離することが有利であり得る。例えば、生物の汚し から保護される表面が金属表面である場合、本発明の複合体を適用する前にバリ ア層をまず被覆することが有利であることがある。このようなバリア層は非反応 性金属又は好ましくはポリマーから作ることができる。 生物汚しから保護される表面がその中に自由容積を持つポリマーのポリマー表 面である場合は、本発明のもう一つの方法が適用される。この方法では、ポリマ ーの自由容積が空にされ、そして無機又は有機分子がポリマーの空にされた自由 容積の中に注入される。この方法は、表面がプラスチックパイプ又はガラス繊維 のボート又はカヌーの船体などのポリマー物体の表面である場合に、特に適して いる。しかしながら、この方法は、まず自由容積を有するポリマーを物体の表面 上に配置し、次いでポリマーの自由容積を空にし、そして空にした自由容積内に 無機又は有機分子を注入することにより、金属又は他の非ポリマー物体から作ら れる表面の生物汚しを防止するために用いることができる。注入工程の期間を調 節することにより、当技術分野における熟練者はポリマーの露出した表面に近い ポリマー部分のみに注入することが容易に可能である。こうして、事実上、注入 された物質の触媒活性が物体の金属又は他の非ポリマー表面を分解するのを防止 するバリア層を形成させることができる。ポリマー物質を空にそして注入する適 当な方法としては、本発明の複合体の製造に関して上に論じた方法が挙げられる 。 汚しが上記の方法で防止されるそのメカニズムは十分には解明さ れていないが、ポリマーの自由容積に含まれる無機又は有機物質が複合体の表面 上での生物の生育を直接阻害するか又は生物の付着又は生育による汚しに抵抗す る複合体表面の未同定の反応物を間接的に触媒するかであると考えられる。例え ば、無機又は有機物質が二酸素(すなわち、O2)を触媒的に開裂することがで きるバナジウム、チタン、又は他の金属を含む無機物質である場合には、好気性 である(すなわち、呼吸に二酸素を必要とする)生物はすべてこのような表面で 激しく繁殖する又は増殖することはないであろうと仮定される。何故なら、金属 (バナジウム又はチタン)が二酸素を開裂するとき生ずる酸素ラジカル種の取り 込みにより生物の呼吸サイクルは切断されるからである。従って、二酸素を開裂 することができる、バナジウムなどの金属を含む複合体は特に効果的であり、殊 に好気性生物による汚しに対して効果的であると想像される。この方法を用いれ ば、海洋生物、水性生物及び微生物(例えば、細菌、原生動物、藻類、及び同種 のもの)による汚れは防止され又は減少する。甲殼類動物(特にフジツボ類)及 びイガイ類(特にゼブラマッセル)は特に水性及び海洋表面に破壊的であるから 、本発明の方法は甲殼類動物又はイガイ類によるこれらの表面の汚れを防止する のに特に有用であることが発見されるものと期待される。 本発明の方法は水中を進む船(例えば、ボート、船、平底荷船、カヌー)、こ のような水中を進む船の部品(例えば、船体、プロペラ、錨、及び錨の鎖)、及 び水性又は海水性環境と接触している静止物体(例えば、橋脚、ブイ、橋の水面 下の部品、油田掘削装置、及び掘削用プラットホーム、水門及び関連部品、パイ プ、及び海底ケーブル)の部品の表面などの、多様な表面の生物汚れを防止する ために使用することができる。 本発明の複合体が生物による表面の汚れを防止するために使用されるとき、ポ リマーはフルオロポリマーであることが好ましい。何故なら、フルオロポリマー の表面は低い摩擦係数を有しそして本質的に非−粘着性かつ疎水性であるからで ある。さらに、上に説明したように、本発明の複合体の触媒性はフルオロポリマ ーがポリマーを構成するとき増強されると考えられる。こうして、フルオロポリ マーにより与えられる増強された触媒活性は、フルオロポリマー表面の非−粘着 性と相まって、表面を生物増殖に対し増強された抵抗性を持ちそして掃除し易い ものとする。本発明の複合体が水中を進む船に汚れ防止被覆として用いられる場 合には、フルオロポリマーの低い摩擦係数はこのような船が受ける抵抗を減少さ せもする。 本発明の汚れ防止法は重金属の毒性効果に敏感な環境で特に有利である。従来 の海水用汚れ防止被覆は一般に毒性物質(例えば、銅又は錫)を含んでいる。こ れらの従来の被覆は、この毒性物質が海洋生物により摂取され、毒性物質の効果 のため、その後に死滅するときに主として作用する。この摂取プロセスは被覆と 生物の直接接触による摂取によるか、又は汚れ防止被覆から環境中に漏出した毒 性物質の摂取により発生する。本発明の汚れ防止法では、非毒性物質が環境中に 沈積すると考えられる。さらに、本発明の複合体は活性成分(例えば、金属)を 放出することにより作用するものでないから、この複合体は遥かに長い汚れ防止 寿命期間を有すると予想される。これは、表面が長期間水面下にあることを必要 とする用途(例えば、橋や油田掘削装置の水面下部品、橋脚、大きな船の船体、 又は水面下のパイプ又はケーブル)においては特に重要である。 本発明は表面を持つ物体にも関する。この表面の全面又はその一部はその中に 自由容積を持つポリマーを含み、そしてそのポリマーの自由容積の中に無機又は 有機物質が配置されている。適当な物体としては、連続的に又は断続的に水と接 触しており、従って生物による汚れを特に受け易い物体が挙げられる。他の適当 な物体としては、湿気のある及び/又は水分を含んだ環境に曝されるものが挙げ られる。 例えば、この物体はそれにその船体の外部表面の少なくとも一部に、本発明の 複合体を結合している船体を含む水中を進む船であることができる。本発明で用 いるとき、船体とは船、ボート、平底荷船、又は他の水中を進む船の甲板線の下 、これは典型的には喫水線の下の部分であるが、水と断続的に接触するようにな る典型的に喫水線の上の部分をも同様に含む、の全ての部分を含むことを意味す る。また、船体の意味の中には、本発明で用いられるとき、プロペラ、錨、錨鎖 、パイプ、ケーブル、及び同種のものなどの、船体と接触している、水中を進む 船の部分をも含む。 本発明による別の適当な物体はパイプである。このパイプには、内部表面及び 外部表面を持つパイプの壁が含まれ、そしてさらにそのパイプの内部表面、外部 表面、又は両者の少なくとも一部に結合した本発明の複合体が含まれる。例えば 、パイプが真水又は塩水の移送に使用される場合には、そのパイプはその内部表 面、又はその部分を本複合体で被覆させるべきである。パイプが水中で使用され る場合には、そのパイプの外部表面に本複合体を結合させるべきである。パイプ が水を水中の場所へ又は水中の場所から移送する場合(例えば、発電所冷却操作 に使用される吸水用又は排水用パイプ)などの環境の場合には、その内部及び外 部表面に複合体を結合させだパイプが好ましいであろう。家庭用又は都市用水処 理施設のための吸水パイプはしばしばそのパイプの入口で生物(特に、ゼブラ・ マッセル)の増殖により悩まされる。このような状況では、本発明の複合体をそ の吸入部分に配置しているパイプは有利であろう。 支持体を有する静止している構造物であって、その支持体の表面が連続的又は 断続的に水と接触しているものも、適当な物体と考えられる。本発明の複合体は 支持体の表面の少なくとも一部に結合させられる。本発明で使用するとき、静止 構造物には掘削用プラットホーム、油田の生産用掘削装置、橋、及び桟橋が含ま れる。 本発明の水中を進む船、パイプ、及び構造物は、本発明の複合体を表面に適用 するための上述の方法を用いて調製することができる。水中を進む船、パイプ、 又は構造物がその中に自由容積を有するポリマーを含むポリマー表面を持つ場合 には、本発明の水中を進む船、パイプ、又は構造物は、上述のように、ポリマー の自由容積を空にしそしてその自由容積中に無機又は有機分子を注入することに より調製することができる。 上述の汚れ防止被覆はパイプ、水中を進む船、及び構造物を例にとり説明した が、よどんだ水、湿気の覆い条件、又は海水、淡水微生物の成長に好都合な他の 環境などの、水に曝されているすべての タイプの表面上に使用することができる。このような表面の例としては、台所の 流し、スイミングプールのライナー、調理台、池のライナー、屋根材、皿洗い容 器、床材、及びコンクリートなどの表面が挙げられる。医療用装置及び機器(例 えば、カテーテル又は一時的又は永久的イン・ビボ機械装置)はしばしば微生物 の成長を促進する環境に曝されるから、本発明の複合体をこれらの装置や機器の 表面に適用することが予定される。 本発明は、その別の側面で、オキシハロポリマー複合体及び表面オキシハロゲ ン化非−ハロポリマー複合体に関する。 本発明で使用するとき、オキシハロポリマーとは、その表面が水素原子及び酸 素原子又は酸素含有ラジカルで修飾されたハロポリマーのバルク物質を指す。 本発明で使用するとき、オキシハロポリマー複合体とは、その自由容積に無機 又は有機物質が配置されているオキシハロポリマーを指す。 本発明で使用するとき、ハロポリマーとはその表面にハロゲン原子を有するハ ロポリマーのバルク物質を指す。 本発明で使用するとき、ハロポリマー複合体とは、その自由容積に無機又は有 機物質が配置されているハロポリマーを指す。 本発明で使用するとき、非ハロポリマーとは、ハロポリマー以外 のポリマーバルク物質を指す。 本発明で使用するとき、非ハロポリマー複合体とは、その自由容積に無機又は 有機物質が配置されている非ハロポリマーを指す。 本発明で使用するとき、表面ハロゲン化非ハロポリマーとは、その表面が分子 的に結合したハロゲン原子又はハロ炭素又はハロ炭化水素のフィルムで修飾され ている非ハロポリマーを指す。表面ハロゲン化非ハロポリマーの外部表面はこう して表面ハロゲン原子を有する。 本発明で使用するとき、表面ハロゲン化非ハロポリマー複合体とは、その自由 容積に無機又は有機物質が配置されている表面ハロゲン化非ハロポリマーを指す 。 本発明で使用するとき、表面オキシハロゲン化非ハロポリマーとは、その分子 的に結合した表面ハロゲン原子又はハロ炭素又はハロ炭化水素のフィルムの表面 ハロゲン原子が水素原子及び酸素原子又は酸素含有ラジカルで修飾されている表 面ハロゲン化非ハロポリマーを指す。 本発明で使用するとき、表面オキシハロゲン化非ハロポリマー複合体とは、そ の自由容積に無機又は有機物質が配置されている表面オキシハロゲン化非ハロポ リマーを指す。 本発明で使用するとき、ポリマーとは上記のハロポリマー、非ハ ロポリマー、オキシハロポリマー、表面ハロゲン化非ハロポリマー、表面オキシ ハロゲン化非ハロポリマーの一つ以上を指す。 本発明で使用するとき、ポリマー複合体とは上記のハロポリマー複合体、非ハ ロポリマー複合体、オキシハロポリマー複合体、表面ハロゲン化非ハロポリマー 複合体、及び表面オキシハロゲン化非ハロポリマー複合体の一つ以上を指す。 本発明はオキシハロポリマー複合体に関する。このオキシハロポリマー複合体 には、オキシハロポリマーであって、その中に自由容積とそのオキシハロポリマ ーの自由容積内に配置された無機又は有機物質とを含むものが含まれる。 本発明は表面オキシハロゲン化非ハロポリマー複合体にも関する。この複合体 には、その中に自由容積を有する表面オキシハロゲン化非ハロポリマーが含まれ る。この表面オキシハロゲン化非ハロポリマー複合体は、表面オキシハロゲン化 非ハロポリマーの自由容積の中に配置された無機又は有機物質をさらに含む。 オキシハロポリマーは有機系のハロポリマーであることも無機−有機ハイブリ ッドポリマーであることもできる。本発明の複合体に使用するのに適する有機系 ハロポリマーは、ホモポリマー、共ポリマー、複数成分ポリマー、又はそれらの 組合せであることができる。ただし、ホモポリマー、共ポリマー、複数成分ポリ マー、又はそれらの組合せの少なくとも一部がハロポリマーを含む場合に限る。 適当なハロポリマー並びにこのようなハロポリマーを取得又は製造 する方法の例としては、本発明の複合体に関して上に記述したものが挙げられる 。 本発明の実施に使用するのに適する非ハロポリマーには、有機系非ハロポリマ ー又は無機−有機ハイブリッド非ハロポリマーが含まれる。有機系非ハロポリマ ーは、それらが顕著な量のハロポリマーを含まない限り、ホモポリマー、共ポリ マー、複数成分ポリマー、又はそれらの組合せであることができる。すなわち、 非ハロポリマーはハロポリマーを含むことができるが、その非ハロポリマーの化 学的及び物理的諸性質を純粋な非ハロポリマーのそれよりも純粋なハロポリマー の性質に近くするには不十分な量しか含んでいない。適当な有機非ハロポリマー 並びにこれらを取得又は製造する方法としては、本発明の複合体に関して上に記 述したものが挙げられる。 また、ハロポリマー及び非ハロポリマーは、上に述べたものなどの無機−有機 ハイブリッドポリマー又は有機ポリマーと無機−有機ハイブリッドポリマーとの 混合物であることができる。これらは、ポリマーの性質を修飾するために当技術 分野で知られている多様な物質を含むことができ、そしてこれらは適当などんな 形でも使用することができる。典型的な性質修飾用物質及び適当な形状としては 、本発明の複合体と関連して上に述べたものが挙げられる。 ポリマー(すなわち、ハロポリマー、オキシハロポリマー、非ハロポリマー、 表面ハロゲン化非ハロポリマー、又は表面オキシハロゲン化非ハロポリマー)を 構成する物質は、それが有機ポリマーで あれ又は無機−有機ハイブリッド物質であれ、自由容積を含んでいる(例えば、 天然自由容積又は創出された自由容積)。 その中に自由容積を持つことに加えて、本発明の方法に使用されるポリマーは ハロゲン化表面を有してもいる。ポリマーがハロポリマーである場合は、このハ ロポリマーは当然ハロゲン化表面(すなわち、露出した表面ハロゲン原子を持つ 表面)を持っている。ポリマーが非ハロポリマーであるときは、その表面は分子 的に結合したハロゲン原子(すなわち、非ハロポリマーの表面で非ハロポリマー の炭素骨格に直接結合したハロゲン原子)を含むことができ、あるいはまた、そ の表面はハロ炭素又はハロ炭化水素のフィルムで修飾することもできる。フィル ムの厚さは本発明の実施に決定的に重要ではなく、それが被覆される非ハロポリ マーのサイズ及びその用途に依存して数ミクロンから数インチまでの範囲に及ぶ ことができる。好ましいハロ炭素及びハロ炭化水素のフィルムはポリマー性のも のであり、例えば、上記のハロポリマーから作られるフィルムである。 上に述べたように、本発明のオキシハロポリマー複合体及び表面オキシハロゲ ン化非ハロポリマー複合体の表面ハロゲン原子の一部は、水素原子及び酸素原子 又は酸素含有ラジカルで置換される。これに関し、物体には、安定な中間物質を 形成させるため、そのハロポリマーの上に又は非ハロポリマーのハロゲン化又は ハロ炭素又はハロ炭化水素表面の上に、ハロゲン分子の一部の代わりに酸素か又 は酸素含有基を配置させるべきである。一般に、酸素原子はポリマー骨格(例え ば、C−O−C骨格)それ自体の中に直接結合するこ とはなく、炭素骨格にぶら下がっている現存するハロゲン原子と置換するだけで ある。本発明の複合体に使用するのに適当な代表的酸素含有ラジカルとしては、 ヒドロキシル(−OH)、エーテル(C−O−C)、エポキシド(−O−)、ア ルデヒド(−CHO)、エステル(−C(O)O−)、及びカルボン酸(−CO OH)が挙げられる。他の適当な酸素含有ラジカルとしては、オキソ、アルコキ シ(例えば、メトキシ、エトキシ及びプロポキシ),式R’−CO−を有するラ ジカル、ここでR’は水素又はアルキル(特にC1〜C5の低級アルキル、例え ば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、 tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、及び同種のも の)、及びこれらの組合せが挙げられる。さらに、酸素含有ラジカルはPOy又 はSiOy'の形をとることもできる。ここで、y及びy’は2〜3である。酸素 と一つ以上の酸素含有ラジカルの混合物及び二つ以上の酸素含有ラジカルの混合 物はその表面の上にも存在することができる。一般に、ハロポリマー又は表面ハ ロゲン化非ハロポリマーの表面上の酸素部位は、酸素官能基とポリマーの生成す る骨格が安定であるような濃度であることのみを必要とする。典型的には、ハロ ポリマー又は表面ハロゲン化非ハロポリマーの上の元の表面ハロゲン原子の約1 〜約98%、好ましくは約3〜約70%が酸素又は酸素含有基で置換される。 オキシフルオロポリマーは、高周波グロー放電(「RFGD」)により製造さ れるとき、例えば20℃で約18ダイン/cmのγCを持つPTFEのようなフ ルオロポリマーが湿潤性の増加のために約10〜約100Åの間の深さまで約4 0ダイン/cmに増加する ことができる場合には、極めて多様な表面自由エネルギーの増加及び物質の表面 自由エネルギーに関する他の表面性質を示す。表面自由エネルギーにおけるこの ような増加をもってしてさえも、元の物質の疎水性は悪影響を受けない。すなわ ち、炭素ポリマー骨格に共有結合した水素、酸素、及びフッ素官能基を有する本 発明の複合体は、なお、血漿及び他の非極性有機溶媒などの低い表面張力(例え ば、約50ダイン/cmより小さな面張力)を持つ液体による加湿性を保ちなが ら、水及び他の同様な極性溶媒などの高い表面張力を有する液体(例えば、約5 0ダイン/cmより大きな表面張力を持つもの)による表面の汚れ、浸透及び湿 潤を防止することができる。 上に指摘したように、本発明のオキシハロポリマー複合体及び表面オキシハロ ゲン化非ハロポリマー複合体はポリマーの自由容積内に、好ましくはポリマーの 天然の自由容積内に配置される無機又は有機物質をさらに含んでいる。その量、 物理的及び化学的特性、及び注入された無機又は有機物質のその後の処理、並び に注入された物質とそれが注入されるポリマーとの間の相互作用に関する他の側 面についての詳細は本明細書のこれまでの部分に見出すことができる。 本発明のオキシハロポリマー複合体は、例えば、以下に述べる方法により調製 することができ、本発明はこの方法にも関する。 本発明のオキシハロポリマー複合体を製造する一つの方法は、その中に自由容 積を有するオキシハロポリマーであって、そのオキシ ハロポリマーの表面ハロゲン原子の少なくとも一部が水素原子及び酸素原子又は 酸素含有ラジカルで置換されているものを提供する工程を含む。このオキシハロ ポリマーの自由容積は空にされ、そして無機又は有機分子がオキシハロポリマー の空にされた自由容積の中に注入される。 オキシハロポリマーは、ハロポリマーを提供し、そしてハロポリマーの表面ハ ロゲン原子の少なくとも一部、典型的には約1〜約98%、好ましくは約3〜約 70%を置換するのに有効な条件の下でハロポリマーの表面ハロゲン原子を水素 原子及び酸素原子もしくは酸素含有ラジカルで修飾することにより調製される。 好ましい態様では、ハロポリマーの表面ハロゲン原子は、真空下でそしてハロポ リマーのハロゲン原子の少なくとも一部を共有結合した水素原子及び酸素原子も しくは酸素含有ラジカルで置換するのに有効な条件の下で、ハロポリマーを少な くとも一つの高周波グロー放電に曝しながら、ハロポリマーをガス/蒸気プラズ マ混合物と接触させることにより、真空下にガス−蒸気の高周波グロー放電によ り修飾される。 本発明によりオキシハロポリマー複合体を製造する別の方法では、ハロポリマ ー複合体が提供される。このハロポリマー複合体はその中に自由容積を含むハロ ポリマー及びそのハロポリマーの自由容積の中に配置された無機又は有機物質を 含む。このハロポリマー複合体の表面ハロゲン原子は次にハロポリマー複合体の 表面ハロゲン原子の少なくとも一部が水素原子及び酸素原子もしくは酸素含有ラ ジカルで置換するのに有効な条件の下で修飾される。好ましい態様では、ハロポ リマー複合体の表面ハロゲン原子は真空下でそしてハ ロポリマー複合体のハロゲン原子の少なくとも一部を共有結合した水素原子及び 酸素原子もしくは酸素含有ラジカルで置換するのに有効な条件の下で、ハロポリ マー複合体を少なくとも一つの高周波グロー放電に曝しながら、ハロポリマー複 合体をガス/蒸気プラズマ混合物と接触させることにより、真空下にガス−蒸気 の高周波グロー放電により修飾される。 この方法で用いられるハロポリマー複合体は、その中に自由容積を有するハロ ポリマーを提供し、そのハロポリマーの自由容積を空にし、そしてそのハロポリ マーの空にされた自由容積の中へ無機又は有機分子を注入することにより調製す ることができる。 本発明は表面オキシハロゲン化非ハロハロポリマー複合体を製造する方法にも 関する。 このような方法の一つは、天然の自由容積をその中に有する表面オキシハロゲ ン化非ハロポリマーを提供する工程を含む。表面オキシハロゲン化非ハロポリマ ーの表面はオキシハロゲン化されている。すなわち、その表面は分子的に結合し たハロゲン原子又はハロ炭素もしくはハロ炭化水素のフィルムで修飾されており 、そして分子的に結合したハロゲン原子又はハロ炭素もしくはハロ炭化水素フィ ルムの表面ハロゲン原子の少なくとも一部は水素原子及び酸素原子もしくは酸素 含有ラジカルで置換されている。この方法は表面オキシハロゲン化非ハロポリマ ーの自由容積を空にする工程、そして表面オキシハロゲン化非ハロポリマーの空 にされた自由容積内に無機又は有機分子を注入する工程をさらに含む。 表面オキシハロゲン化非ハロポリマーは、その中に天然の自由容積を有しそし て分子的に結合したハロゲン原子又はハロ炭素もしくはハロ炭化水素のフィルム で修飾されている表面を持っている表面ハロゲン化非ハロポリマーを提供するこ とにより調製することができる。好ましい態様では、表面ハロゲン化非ハロポリ マーの表面ハロゲン原子は、真空下及び表面ハロゲン化非ハロポリマーの表面ハ ロゲン原子の少なくとも一部を共有結合した水素原子及び酸素原子又は酸素含有 ラジカルで置換するのに有効な条件の下で、表面ハロゲン化非ハロポリマーを少 なくとも一つの高周波グロー放電に曝しながら、表面ハロゲン化非ハロポリマー をガス/蒸気プラズマ混合物と接触させることにより修飾される。 この方法に使用するのに適する表面ハロゲン化非ハロポリマーは、非ハロポリ マー(その中に自由容積を有するもの)を提供し、そしてその非ハロポリマーの 表面にハロゲン原子又はハロ炭素又はハロ炭化水素のフィルムを分子的に結合さ せるのに有効な条件下で、その非ハロポリマーの表面をハロゲン原子又はハロ炭 素又はハロ炭化水素と接触させることにより製造することができる。 表面オキシハロゲン化非ハロポリマーがハロ炭素又はハロ炭化水素のフィルム (例えば、分子的に結合されたハロゲン原子とは全く異なり)で修飾されている 表面を持っておりそして非ハロポリマーとハロ炭素又はハロ炭化水素のフィルム が両者ともその中に自由容積を持っている非ハロポリマーを含んでいる場合には 、この方法は、必要に応じ、ハロ炭素又はハロ炭化水素フィルムの自由容積を空 にする工程及びハロ炭素又はハロ炭化水素フィルムの空にした自由容積の中に無 機又は有機分子を注入する工程をさらに含むことができる。この方法では、非ハ ロポリマーとその上に配置されたハロ炭素又はハロ炭化水素フィルムの両方に無 機又は有機分子を注入することができる。 本発明の表面オキシハロゲン化非ハロポリマー複合体を製造する別の方法では 、表面ハロゲン化非ハロポリマー複合体が提供される。表面ハロゲン化非ハロポ リマー複合体はその中に自由容積を有する非ハロポリマーとその非ハロポリマー の自由容積に配置された無機又は有機物質を含んでいる。この表面ハロゲン化非 ハロポリマー複合体は分子的に結合したハロゲン原子又は分子的に結合したハロ 炭素又はハロ炭化水素フィルムで修飾されている表面をも持っている。この方法 は、表面ハロゲン化非ハロポリマー複合体の表面ハロゲン原子の少なくとも一部 を水素原子及び酸素原子又は酸素含有ラジカルで置換するのに有効な条件の下で 、表面ハロゲン化非ハロポリマー複合体の表面ハロゲン原子を修飾する工程をさ らに含んでいる。好ましい態様では、表面ハロゲン化非ハロポリマー複合体の表 面ハロゲン原子は、真空下でかつ表面ハロゲン化非ハロポリマー複合体の表面ハ ロゲン原子の少なくとも一部を共有結合した水素原子又は酸素原子もしくは酸素 含有ラジカルで置換するのに有効な条件の下で、表面ハロゲン化非ハロポリマー 複合体を少なくとも一つの高周波グロー放電に曝しながら、表面ハロゲン化非ハ ロポリマー複合体をガス/蒸気プラズマ混合物と接触させることにより修飾され る。 本発明のこの方法を実施する際に使用に適する表面ハロゲン化非ハロポリマー 複合体は、例えば、その中に自由容積を持ちかつ分子的に結合したハロゲン原子 又はハロ炭素又はハロ炭化水素フィルムで修飾されている表面を持つ表面ハロゲ ン化非ハロポリマーを提供することにより調製することができる。次に、この表 面ハロゲン化非ハロポリマーの自由容積を空にし、そして表面ハロゲン化非ハロ ポリマーの空にされた自由容積の中へ無機又は有機分子が注入される。 表面ハロゲン化非ハロポリマーがハロ炭素又はハロ炭化水素フィルムで修飾さ れている(分子的に結合しているハロゲン原子とは全く異なり)表面を持ってい る非ハロポリマーを含みそして非ハロポリマー及びハロ炭素又はハロ炭化水素フ ィルムの両方共がその中に自由容積を持っている場合には、この方法はハロ炭素 又はハロ炭化水素フィルムの自由容積を空にする工程及びその中に無機又は有機 分子を注入する工程をさらに含むことができる。 また、表面ハロゲン化非ハロポリマー複合体は、その中に天然の自由容積を持 つ非ハロポリマー及び非ハロポリマーのその天然の自由容積の中に配置された無 機又は有機物質を含む非ハロポリマー複合体を提供することにより調製される。 次いで、非ハロポリマー複合体の表面は、ハロゲン原子又はハロ炭素もしくはハ ロ炭化水素フィルムを非ハロポリマー複合体の表面に分子的に結合させるのに有 効な条件の下で、ハロゲン原子又はハロ炭素もしくはハロ炭化水素フィルムと接 触させられる。この方法では、非ハロポリマー複合体はその中に天然の自由容積 を持つ非ハロポリマーを提供し、その非 ハロポリマーの自由容積を空にし、そして非ハロポリマーの空にした自由容積の 中へ無機又は有機分子を注入することにより調製することができる。 自由容積を空にし、オキシハロポリマーの自由容積内に無機又は有機分子を注 入し、そしてオキシハロポリマー、ハロポリマー、表面ハロゲン化非ハロポリマ ー、非ハロポリマー、又はハロ炭素もしくはハロ炭化水素フィルム(本発明では 、一般的に「ポリマー」と呼ぶ)のための方法は上に記述されている。 オキシハロポリマー及びオキシハロポリマー複合体並びに表面オキシハロゲン 化非ハロポリマー及び表面オキシハロゲン化非ハロポリマー複合体は、それぞれ 、ハロポリマー及びハロポリマー複合体から並びに表面ハロゲン化非ハロポリマ ー及び表面ハロゲン化非ハロポリマー複合体から種々の技法により調製すること ができる。 ハロポリマーの上に反応性の酸素官能基を組み込む多様な方法が利用可能であ りそして本発明にも有用である。これらの方法には、プラズマ及びコロナ放電処 理、イオンビーム衝撃及び電子線衝撃、X線及びガンマ線処理、並びに液体アン モニア中のナトリウム又はグリコールエーテル中のナフタレンナトリウム又はベ ンゾイン・ジアニオンでの表面還元などでの処理を含む多様な湿化学的プロセス が挙げられる。上記の方法はすべて、リーら「誘電体ポリマーの湿プロセス表面 修飾:接着増強及び金属被覆法」、IBM J.Res.Develop.,38(4)(July 1994) 、バルゴら「フルオロポリマー基板の接着性無電子金属被覆法」、Sience,262: 1711-1712(1993)、ラ イら「ポリ(テトラフルオロエチレン)光化学のシンクロトロン放射研究」Lang muir,6:142-146(1990)、及びタンら「テフロンIの表面化学の研究、表面構造へ の低エネルギーアルゴンイオン放射の効果」Langmuir,9:740-748(1993)に詳細に 記載されている。これらは参照により本明細書にインコーポレートされる。 例えば、酸素官能基を導入する適当な方法の一つは、ハロポリマー又はハロポ リマー複合体又は表面ハロゲン化非ハロポリマー又は表面ハロゲン化非ハロポリ マー複合体の表面ハロゲン原子を、「有機調節剤」と普通呼ばれる酸素含有有機 化合物の存在下に、化学線照射、例えば、紫外線、X線、又は電子線照射に曝す ことを含む。適当な有機調節剤の例としては、4−アミノチオフェンオキシドナ トリウム(「SATP」、ベンズヒドロキシドナトリウム(「SBH」)、2− メルカプト−3−ブトキシドニナトリウム(「DDSMB」)、及び化学線照射 の存在下に水素又はハロゲンの引抜きを促進する他の強い還元剤が挙げられる。 実用的には、ハロポリマー又はハロポリマー複合体又は表面ハロゲン化非ハロポ リマー又は表面ハロゲン化非ハロポリマー複合体を一つ以上の有機調節剤の中へ 浸漬し、同時に前記の長さの時間だけUV照射などの化学線照射に曝す。酸素官 能基を導入するこの方法に関するさらなる詳細は、例えば、アルマーの米国特許 打5,051,312号に記載されている。これは参照により本明細書にインコ ーポレートされる。 オキシハロポリマー又はオキシハロポリマー複合体又は表面オキシハロゲン化 非ハロポリマー又は表面オキシハロゲン化非ハロポリマー複合体は、真空下にガ ス−蒸気のRFGDにより、対応するハ ロポリマー又はハロポリマー複合体又は表面ハロゲン化非ハロポリマ一又は表面 ハロゲン化非ハロポリマー複合体の表面の上に酸素官能基を導入することにより 調製することが好ましい。 簡単に述べれば、ガス/蒸気混合物の雰囲気下で、ハロポリマー又はハロポリ マー複合体又は表面ハロゲン化非ハロポリマー又は表面ハロゲン化非ハロポリマ ー複合体を、100ワット以下の電力負荷及び1トル未満の圧力、より好ましく は約50〜200mトルの圧力で、一回又は一連の高周波グロー放電(「RFG D」)に曝す。 いかなる正確な作用様式に縛られることは望まないが、本発明のプラズマ処理 プロセスの主要なメカニズムはエネルギーのガス状イオンへの移転による荷電し たイオン化ガス種の直接形成、すなわちガス−固体界面におけるポリマーのイオ ンスパッタリング(ion sputtering)を含むと考えられる。この高周波グロー放 電プラズマガスイオンはこのガスイオンの電子による砲撃によりエネルギーの直 接移転を受け励起されるようになる。こうして、ハロポリマー又はハロポリマー 複合体又は表面ハロゲン化非ハロポリマー又は表面ハロゲン化非ハロポリマー複 合体を、一回か又は一連の高周波グロー放電ガス/蒸気プラズマに曝すことによ り、表面ハロゲン原子の約1%から約98%が制御され及び/又は調節された方 法で永久に除去され、水素原子で及び酸素原子又は低分子量の酸素含有ラジカル で置換される。適当なガス蒸気プラズマとしては、好ましくは容量比で約20容 量%〜約99容量%に及ぶ水素ガスと、水、メタノール、ホルムアルデヒド又は これらの混合物の液状蒸気など約1容量 %〜約80容量%の液状蒸気との混合物を含むものが挙げられる。水素はすべて の場合に要求されるが、単独では、水素は炭素ポリマー骨格中へ水素と酸素部分 の両方を導入するには不十分である。非重合性の蒸気/H2混合物が要求される 水素及び酸素又は機能性部分を表面形状を破壊することなくハロポリマー中に導 入するために必要である。純粋ガス混合物、特にH2/O2の使用は、良くない結 果を生じた。代表的な高周波グロー放電プラズマ及び操作条件は以下の表1に示 してある。 高周波グロー放電による酸素官能基の特異的かつ制御された付加により、本発 明で開示されたオキシハロポリマー複合体及び表面オキシハロゲン化非ハロポリ マー複合体は物質の汚れや吸着に抵抗性を持ち続ける。この性質は未修飾のハロ ポリマー複合体と同じである。しかしながら、PTFE複合体などの未修飾ハロ ポリマー複合体と異なり、オキシハロポリマー複合体は種々の原子、分子、又は 高分子とオキシハロポリマー複合体表面上の酸素含有基(例えば、 ヒドロキシル、カルボン酸、エステル、アルデヒド、及び同種のもの)を介して きちんとかつ迅速に反応して再機能化されたオキシハロポリマー複合体を形成す るユニークな能力を持っていることが見出された。これは、ハロポリマー複合体 が一般に湿潤や物理−化学的表面プロセスに不活性であり、少なくとも表面形状 の実質的な損傷をも誘導しないものには不活性であるから、特に有利である。さ らに、オキシハロポリマー複合体表面の相対的不活性さのため、その表面に反応 性官能基を組み込む能力により、他の化学的及び環境的懸念、例えば、表面汚染 物質の吸着、に不活性でありながら、特異的にかつ制御可能に反応性である物質 が創り出される。 この方法に関するさらなる詳細は、例えば、すべてガルデラ,ジューニアらの 米国特許第4,946,903号、第5,266,309号、及び第5,627 ,079号(まとめて「ガルデラ」)及び出願継続中の米国特許出願第08/6 89,707号(「707出願」)に記載されている。これらは参照により本明 細書にインコーポレートされる。 非ハロポリマー及び非ハロポリマー複合体の表面は種々の技法でハロゲン化す ることができる。例えば、ハロゲン化はフィルム状のフッ素又はフッ化炭素被覆 を添加することにより行うことができる。ポリオレフィンなどの非ハロポリマー は、例えば、気相表面ハロゲン化プロセスによりこれらの表面をハロゲン化させ ることができ、また、別法としては、フルオロカーボン系プラズマフィルムで被 覆することもできる。両プロセスとも良く知られており、先行技術に文書化され ている。典型的には、気相フッ素化を用いて、非ハロ ポリマーをフッ素と窒素の混合物に曝すと、フッ素原子は分子レベルでそのポリ マーの表面に結合するようになる。ラゴウら「直接フッ素化:フッ素化学への新 たな取り組み、リバード編、無機化学の進歩、26巻、161ff(1979)、これは参照 により本明細書にインコーポレートされるが、高度に架橋されたポリエチレン、 ポリプロピレン、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリカーボネート、ポリエス テル、ポリスチレン、及びポリメチルペンテンなどの種々の市販されている基本 的ポリマーに反射防止、低表面表面エネルギーフィルムを提供するための気相表 面フッ素化の方法を開示する。クラークら、「ESCAのポリマー化学への適用 、6.ポリエチレンの表面フッ素化--深さの関数としての構造の検査へのESC Aの適用」、J.Polym.Sci.Polymer Chem.Ed.,13:857-890(1975)は高密度ポ リエチレンフィルムの表面フッ素化をも開示する。これは参照により本明細書に インコーポレートされる。他の適当な気相フッ素化法は、例えば、ディクソンら の米国特許第3,988,491号及び第4,020,223号に開示されてい る。これは参照により本明細書にインコーポレートされる。 フルオロカーボンプラズマが置かれたフィルムを調製する方法も文献によく文 書化されている。例えば、ハークら「広範囲にわたり変動する表面エネルギーを 持つプラズマ沈着フィルムの調製と性質」J.App.Polym.Sci.,32:4369-4381 (1986)は蓄電器を用いて連結したRF放電システムを用いてプラズマ沈着薄層 フィルムでポリマー表面を修飾するための適当な方法を開示する。この文献は参 照により本明細書にインコーポレートされる。有用なフッ素化ガス状物質の代表 的なものとしては、ヘキサフルオロエチレン、ペルフ ルオロプロパン、及びヘキサフルオロプロペンが挙げられる。ナカジマら「テト ラフルオロエチレンのプラズマ重合」J.App.Polym.Sci.,23 2627-2637(197 9)は、例えば、低誘電性及び非腐食性を有する表面を創出するのに有用である ことができるプラズマ重合フルオロカーボン被覆を適用するための方法を開示す る。この文献は参照により本明細書にインコーポレートされる。カルオースキー らの米国特許第4,718,907号は血管移植及び他の生体医療技術のための フッ素化被覆を導入する有用な方法を開示する。この特許は参照により本明細書 にインコーポレートされる。また、薄い(約0.5μm〜約50μm)又は厚い (約50μm〜数mm)のハロポリマー(例えば、PTFE、PVDF,PFA 、MFA、ECTFE、及びPCTFE)のフィルムは、例えば、当技術分野で よく知られた方法により非ハロポリマー又は非ハロポリマー複合体に結合するこ とができる。 必要に応じ、本発明のオキシフルオロポリマー複合体又は表面オキシハロゲン 化非ハロポリマー複合体は再機能化することができる。オキシフルオロポリマー 複合体の表面又は表面オキシハロゲン化非ハロポリマー複合体の表面がそれで再 機能化することができる官能基のタイプとしては、当技術分野の熟練者に一般的 に知られている諸反応によりハロポリマー骨格又は表面ハロゲン原子を介して結 合させられるヒドロキシル基、カルボン酸基、エステル基、及びアルデヒド基と 反応することができるもの全てが挙げられる。オキシハロポリマー複合体の表面 の反応性は特定の型の酸素官能基により決定される。例えば、シリコン含有有機 又は無機群のシラン類はヒドロキシルと激しく反応してシラノール結合又は共役 結合を形成す る。しかしながら、反応速度は電気陰性のハロゲン原子(単数又は複数)に反応 性酸素官能基が接近することによりさらに増加する。これは酸素アニオンの安定 化により極めて早い反応速度を与えるものと考えられる。再機能化されたオキシ ハロポリマー複合体又は表面オキシハロゲン化非ハロポリマー複合体の好ましい ものは、一般式Iを持つ広範の有機シラン結合剤を用いて調製することができる 。 Y(CH2nSi−(R)3 上式中、Yはアリル、アルキル、ハロアルキル、アミノ、メルカプト、エポキシ 、グリシドキシ、メタクリレート、シアノ、及び−CH2CO2−アルキルから成 る群より選択されるものであり、nは0〜約17であり、そしてRは水素、ハロ ゲン、アルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、アルコキシ、及びトリアルキ ルシロキシから独立に選択される。このシラン結合剤は、ペトラーチ・システム ズ、ブリストル、ペンシルバニアなどから市販されている既知の物質である。 有機シリコン置換オキシハロポリマー複合体又は表面オキシハロゲン化非ハロ ポリマー複合体を調製するプロセスは下記の反応により例示される。 上式中、Xはハロゲン(例えば、F又はCl)であり、R、Y及び nは式Iにおけるそれと同じである。上記の反応スキームでは、第1の反応体は オキシハロポリマー複合体表面又は表面オキシハロゲン化非ハロポリマー複合体 表面を表し、第2の反応体は式Iを有する上に述べた有機シラン結合剤である。 再機能化されたオキシハロポリマー複合体及び表面オキシハロゲン化非ハロポリ マー複合体はYがアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、メルカプト、又はグリシ ドキシでありかつRが塩素、臭素、フッ素、1〜4炭素原子を含むアルキル、ク ロロメチル、モノエチルアミノ、ジメチルアミノ、メトキシ、エトキシ、プロポ キシ、ブトキシ、又はトリメチルシロキシである有機シラン結合剤を用いて調製 することができる。特に代表的な有機シランを二、三挙げると、3−アミノプロ ピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、及び3 −グリシドキシプロピルトリメトキシシランである。 本発明のオキシフルオロポリマー複合体及び表面オキシハロゲン化非ハロポリ マー複合体とその反応性酸素含有部位を介して共有結合することができる他の特 に有用な官能基としては、発蛍光団が挙げられる。本発明で用いるとき、発蛍光 団とは、蛍光を発することができる有機化合物を含む。好ましい発蛍光団として は、フルオレセインイソチオシアネート(「FITC」)、マラカイトグリーン イソチオシアネート、ロ−ダミン(例えば、テトラメチルロ−ダミンイソチオシ アネート(「TRITC」))及び同種のものなどのイソチオシアネート置換タ イプのものが挙げられる。他の適当なイソチオシアネート置換発蛍光団はホーラ ンドの蛍光性プローブ及び研究用化学物質のハンドブック、モレキュラー・プロ ーブズ・インク(1989)に記載されている。この著書は参照により本明細書 にインコーポレートされ、モレキュラー・プローブズ・インクから入手可能であ る。イソチオシアネート置換発蛍光団で再機能化されるオキシハロポリマー複合 体及び表面オキシハロゲン化非ハロポリマー複合体は、核酸などに対する広範囲 のプローブ及びセンサーに特に有用である。 有機シリコン及び発蛍光団で再機能化されたオキシハロポリマー複合体及び表 面オキシハロゲン化非ハロポリマー複合体に加えて、他の代表的な例としては、 オキシハロポリマー複合体及び表面オキシハロゲン化非ハロポリマー複合体のア ルカリ金属誘導体、例えば下記の式を有するものが挙げられる。 上式中、Mはアルカリ金属(例えば、Li、Na、及びK)であり、Xはハロゲ ン、特にFである。これらのオキシハロポリマー複合体及び表面オキシハロゲン 化非ハロポリマー複合体は、例えば、アルカリ金属水酸化物(例えば、LiOH 、NaOH、KOH、及びこれらの組合せ)の溶液をオキシハロポリマー複合体 及び表面オキシハロゲン化非ハロポリマー複合体の酸素含有基と反応させること により調製することができる。このアルカリ金属オキシハロポリマー複合体及び アルカリ金属表面オキシハロゲン化非ハロポリマー複合体はエネルギー製造電池 (例えば、バッテリー)などの電気化学的電池のセル隔離板として有用である。 再機能化に関するさらなる詳細は、例えば、ガルデラ,ジュニアらの米国特許 第5,266,309号に見出すことができる。この特許は参照により本明細書 にインコーポレートされる。本発明で用いるとき、本発明のオキシハロポリマー 、オキシフルオロポリマー複合体、表面オキシハロゲン化非ハロポリマー、及び 表面オキシハロゲン化非ハロポリマー複合体とは、上述のように再機能化された 酸素又は酸素含有ラジカルを有するものを含むことを意味する。 本発明のオキシフルオロポリマー複合体又は表面オキシハロゲン化非ハロポリ マー複合体は、必要に応じ一つ以上の遷移金属で金属化することができる。この 遷移金属は、オキシフルオロポリマー複合体又は表面オキシハロゲン化非ハロポ リマー複合体の表面ハロゲン原子を置換する酸素又は酸素含有ラジカルを介して オキシフルオロポリマー複合体又は表面オキシハロゲン化非ハロポリマー複合体 に結合、好ましくは共有結合することができる。ここで述べるような金属化をす るとき、酸素又は酸素含有ラジカルは直接の表面にのみでなく約10Å〜200 Åの深さまでも存在することが好ましい。これにより、酸素部位に結合、好まし くは共有的に結合した遷移金属の1分子層又は遷移金属の初期の分子層により安 定化された約10Åから約1ミクロン以上までの厚さの多分子層膜が形成される ことになる。本発明のオキシフルオロポリマー複合体及び表面オキシハロゲン化 非ハロポリマー複合体とは、上述のように金属化された酸素又は酸素含有ラジカ ルを有するものを含むことを意味する。本発明の金属化されたオキシハロポリマ ー複合体及び表面オキシハロゲン化非ハロポリマー複合体は、以下に、メタロハ ロポリマー(「MHP」)と呼ぶことがある。 代表的なMHPとしては、下記の式を有する一つ以上の非末端の反復ユニット をその表面に含むものが挙げられる。 上式中、Mは遷移金属であり、Zはハロゲン(例えば、フッ素、塩素)、水素、 −(CH2yCH3、−CH3又は−ORであり、Rは水素−(CH2yCH3、 又は−CH3であり、yは1〜20であり、Xは必要に応じて1又は2個のハロ ゲン原子(例えば、CF2、CFCl、CCl2、CFH、CClH、及びCH2 )で置換されたメチレン基であり、nは10〜1000であり、tは2〜3であ り、そしてmは0〜1000である。 この金属は制御された量でかつ予め定められた原子価で共有結合させることが できる。ポリマー中に導入される遷移金属の濃度は、例えば、反応速度が(i) 使用する溶質の化学、(ii)MHPを生成する反応の間に解離する有機金属錯体 原料に対するリガンドの結合強度、及び(iii)溶液相とは異なる気相の使用(例 えば、溶液相はオキシフルオロポリマー表面で反応してメタロオキソ官能基を形 成することができるが、一方、化学蒸気沈着は反応してメタロオキソ結合の形成 させることプラスこのメタロオキソ官能基の上に金属の付加的な上塗り層を沈着 させることの両方を行うことができる) を含む多様な条件に依存する動力学により制御することができる。 また、MHPの金属濃度は、ガルデラにそしてアルマーの米国特許第5,0 51,312号に記述されている方法により制御することができる、原料オキシ フルオロポリマー物質中に最初に存在する酸素官能基の量により制御することが できる。上記の文書は参照により本明細書にインコーポレートされる。 MHPの金属の酸化状態を制御する方法も変化する。例えば、原料有機金属錯 体のロジウムの酸化状態が+3であるRhCl3を含む水溶液からロジウムを沈 着させることにより、本発明のRh+3MHPを構築することができる。また、R H0MHPはエタノールを含む溶液からRhCl3を沈着させることにより作るこ とができる。この場合、原料有機金属錯体のRh+3は、RH0MHPを生成させ るためのオキシハロポリマー複合体又は表面オキシハロゲン化非ハロポリマー複 合体への反応の間にアルコールの存在により還元される。こうして、この場合に は、酸化状態の制御は、反応溶液に有機金属原料中に含まれる原料金属の酸化状 態を効果的に下げる適当な還元剤を添加することにより達成することができる。 一般に、有機金属原料中に含まれる金属の酸化状態は保存することができ、こ うして、望ましい酸化状態の遷移金属を含む有機金属原料を選択することにより さらに制御することができる。こうして、例えば、Cu+2でMHPを作るために 、CuCl2有機金属原料をオキシハロポリマー複合体又は表面オキシハロゲン 化非ハロポリマー複合体と、適当な溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド(「D MF」))中のCuCl2のミリモル溶液とオキシフルオロポリマー複合体又は 表面オキシハロゲン化非ハロポリマー複合体を接触させることにより、反応させ ることができる。Cu+1MHPはオキシフルオロポリマーを0.5MのNH4O H中のCuSCNのミリモル溶液と接触させることにより調製することができる 。Cu0MHPは、この反応溶液に効果的な還元剤を添加することにより、又は 銅に対するNaBH4などの適当な還元剤を含むバス中にCu+1MHP又はCu+ 2 MHP物質を浸漬することにより調製することができる。 本発明のMHPの遷移金属の酸化状態を制御するさらに別の方法は、特定の有 機金属錯体原料を作り上けるリガンドの強さの利用を含む。例えば、Cr(CO )6(クロミウムヘキサカルボニル)はゼロ酸化状態にあるCrを表す。カルボ ニルリガンドは比較的弱く結合する、そこで、それらの6個すべてがオキシハロ ポリマー複合体と又は表面オキシハロゲン化非ハロポリマー複合体と反応する間 に放出されてCr+6MHPを生成することができる。また、トリストリアルキル ホスフィンクロミウム(III)クロリド((PR33CrCl3)は3個の不安定な 塩素リガンド及び3個の比較的安定なトリアルキルホスフィンリガンドを持つ。 オキシフルオロポリマーと反応すると、トリストリアルキルホスフィンクロミウ ム(III)クロリドのクロムは3個の塩素リガンドを失うが3個のトリアルキルホ スフィンを保持する。その結果、Cr+3MHPが生成する。 上述の再機能化または金属化プロセスは、一旦酸素官能基がポリマー複合体の 又はポリマーのハロゲン又はハロゲン化表面の上に導 入されると、オキシハロポリマー複合体又は表面オキシハロゲン化非ハロポリマ ー複合体を製造するための本発明の上述のプロセスのどの段階でも起こることが できる。例えば、金属化又は再機能化はオキシハロポリマー複合体又は表面オキ シハロゲン化非ハロポリマー複合体の上で行うことができる。また、金属化又は 再機能化はハロポリマーの表面ハロゲン又は表面ハロゲン化非ハロポリマーの修 飾に続いて、しかし空にしそして無機又は有機物質を注入する前に行うことがで きる。場合によっては、注入される無機又は有機物質の性質に依存して、金属化 (又は再機能化)及び注入を、空にされた自由容積中に無機又は有機物質の注入 及び表面の酸素又は酸素含有ラジカルとの反応の両方に効果的な条件の下で、空 にされたオキシハロポリマー又は表面オキシハロゲン化非ハロポリマーを無機又 は有機物質と単に接触させることにより一つの工程で行うことができる。 共有結合した酸素又は酸素含有ラジカルを含むハロゲン化表面の金属化に関す るさらなる詳細は、例えば本出願人の同時継続中の’707出願に見出すことが できる。これは参照により本明細書にインコーポレートされる。参照により本明 細書にインコーポレートされた本出願人の同時継続中の’707出願は本発明の 金属化されたオキシハロポリマー複合体又は金属化表面オキシハロゲン化非ハロ ポリマー複合体を用いることができる用途をも開示する。 オキシハロポリマー複合体又は表面オキシハロゲン化非ハロポリマー複合体の 金属化又は再機能化は露出した表面全体でもあるいは選択された部分でも行うこ とができる。例えば、金属化又は再機能 化のために選択された領域は予め定められたパターンの形にすることができる。 予め定められたパターンでの金属化又は再機能化は、その表面のハロゲン原子が 予め定められた望みのパターンで酸素又は酸素含有ラジカルで置換されている、 オキシハロポリマー、オキシハロポリマー複合体、表面オキシハロゲン化非ハロ ポリマー、又は表面オキシハロゲン化非ハロポリマー複合体を用いることにより 行うことができる。これらのパターン化されたオキシハロポリマー、オキシハロ ポリマー複合体、表面オキシハロゲン化非ハロポリマー、又は表面オキシハロゲ ン化非ハロポリマー複合体は、ハロポリマー、ハロポリマー複合体、表面ハロゲ ン化非ハロポリマー、又は表面ハロゲン化非ハロポリマー複合体をマスクし、そ してそれらのハロゲン又はハロゲン化表面にガス蒸気のRFGDなどにより酸素 官能基を導入することにより製造することができる。マスクされたハロポリマー 複合体又はハロポリマー又はマスクされた表面ハロゲン化非ハロポリマー複合体 又は表面ハロゲン化非ハロポリマーの曝露の後、マスクされていない部分のみが 表面に酸素又は酸素含有ラジカルを持つことになる。パターン化されたオキシハ ロポリマー複合体又はオキシハロポリマー又はパターン化された表面オキシハロ ゲン化非ハロポリマー複合体又は表面オキシハロゲン化非ハロポリマーは上述の ような金属化又は再機能化条件に曝されると、表面に酸素又は酸素含有ラジカル を持つ部分だけで金属化又は再機能化が起こる。 非ハロポリマーが用いられる場合には、金属化又は再機能化パターンは、予め 定められたパターンで分子的に結合したハロゲン原子又はハロ炭素もしくはハロ 炭化水素フィルムを用いて修飾されてい る非ハロポリマーを用いることにより制御することもできる。酸素官能基がこの ような表面ハロゲン化非ハロポリマーに導入されると、表面がハロゲン化されて いた非ハロポリマー表面の部分だけが酸素又は酸素含有ラジカルを持ち、従って 、金属化又は再機能化の際にパターン化された金属化又は再機能化表面オキシハ ロゲン化非ハロポリマー複合体又はパターン化された金属化又は再機能化表面オ キシハロゲン化非ハロポリマーが製造される。上の議論では暗黙の前提としてい るように、非ハロポリマー基板の表面を予め定められたパターンの分子的に結合 したハロゲン原子又はハロ炭素もしくはハロ炭化水素フィルムで修飾することは 、空にしそして無機又は有機物質を注入する前でも後でも行うことができる。 パターン化に関する方法としては、一般に行われているフォトレジストに基づ く写真製版が挙げられる。写真製版では修飾されたハロゲン化表面がフォトレジ スト物質で被覆され、放射線に曝露され、そしてパターンを露出させるために現 像される。この露出したパターンを次に好ましい物質(例えば、有機金属種、蒸 気沈着金属(それらの酸化物、窒化物など)、有機分子、生物分子、又はポリマ ー)と反応させ、そして露出していないフォトレジスト物質は一般に行われてい る方法で除去してパターン化された表面を作成する。この方法に関する更なる詳 細は、例えば、モロー著「半導体リトグラフィー−原理、実際、及び材料、ニュ ーヨーク、プレヌムプレス(1988)(特に第8及び9章、(365-458頁)に見出 すことができる。この著書は参照により本明細書にインコーポレートされる。 さらに、ハロゲン化表面は、一般に行われているマスク法を用い 化学性照射に曝すと、再機能化に活性になる曝露された領域のみで、有機金属種 、蒸気沈着金属(それらの酸化物、窒化物、珪化物、及びホウ化物、など)、有 機分子、生物分子、又はポリマー種と結合することができる選択的部位を形成す る光に不安定な化学官能基と反応させることができる。この方法に関する詳細は 、例えば、シュヌールらの米国特許第5,077,085号及び第5,079, 600号に見出すことができる。これらの特許は参照により本明細書にインコー ポレートされる。 本発明の複合体は本来のポリマー(すなわち、無機又は有機分子又は巨大分子 ネットワークが無い場合のポリマー)の諸性質に実質的に類似の物理的性質を有 するポリマー相を含んでいる。従って、本発明の複合体は、従来の無機−有機ハ イブリッド物質に比べて顕著に予想し易い機械的性質を持っている。本発明の複 合体は光学密度及び電気的、イオン的、及び荷電種の伝導度の制御可能な、予想 可能な、そして再現可能なレベルをも持っている。これは光放射シールド及びフ ィルター、電磁波シールド及びフィルター、及び伝導性電極などを含む種々の用 途においてそれらを有用とする。これらの特性はこれらの複合体を電解槽、燃料 電池、光電子装置、マイクロ電子的用途のための半導体、難燃性及び耐熱性、生 物による汚れを防止する被覆を有する物質、及び不均一触媒基板などの構築の際 の構成部品としてこれらの複合体を有用ともする。本発明の複合体が触媒として 用いられるとき、複合体の内部への反応体の拡散速度を増加させるために、触媒 としてのその使用の間又その前に複合体を膨潤させることがしばしば望まれる。 これは複合体を標準的な超臨界条件に曝すことにより行うことができる。例えば 、複合体を超 臨界触媒プロセスで普通に遭遇する圧力などの高圧に耐えることができる容器に 入れることができる。次に、この容器に2,500psiの二酸化炭素などの超 臨界条件下で超臨界流体を加え、この圧力を1〜100時間の範囲の時間維持す る。これらの超臨界条件に曝される結果、複合体は膨潤する。しかしながら、浸 漬が超臨界条件下で行われる先行技術の物質とは対照的に、本発明の方法に従っ て注入された無機又は有機物質は複合体の超臨界条件へのその後の曝露の際もポ リマーから拡散することはない。これらの使用に関する詳細は、本出願人の同時 継続している米国特許出願第08/833,290号、米国特許出願第08/9 55,901号、米国特許出願第08/997,102号、及び米国仮特許出願 第60/039,258号に記載されている。これらは参照により本明細書にイ ンコーポレートされる。 さらに、本発明の複合体はその一部が水素原子及び酸素原子又は酸素含有基で 置換されているハロゲン原子を含む表面を持っている。このオキシハロポリマー 又は表面オキシハロゲン化非ハロポリマーの表面は、水及び他の極性溶媒を撥く 傾向、高い熱安定性、低い粘着係数及び摩擦係数などのハロゲン化表面の特性で ある優れた属性の多くを保持している。しかしながら、ハロゲン化表面とは異な り、本発明のオキシハロポリマー複合体及び表面オキシハロゲン化非ハロポリマ ー複合体は反応性の化学的部位を持っており、そこに有機シリコン、有機金属前 駆体、遷移金属イオン及び遷移金属化合物、遷移金属フィルム、蛍光性化合物、 色素、タンパク質、酵素、及び核酸などの生物物質などの他の化学的官能基が結 合し又は結合を可能とする。 本発明の複合体は、伝導性及び半導体のフィルム(例えば、金属、金属酸化物 、金属窒化物、金属カーバイド、金属ホウ化物、ポリアセチレン、ポリチオフェ ン、及びポリピロール)をハロポリマーの表面に作成するのに特に有用である。 より具体的には、伝導性及び半導体フィルムはハロポリマー複合体の表面の上よ りも本発明の複合体の表面の上により沈着させ易い。図1を参照すると、その中 に自由容積を持つハロポリマ−20が空にされそしてハロポリマー20の空にされ た自由容積中に無機又は有機物質が注入されてハロポリマー複合体22が生成す るとき、この注入された有機又は無機物質はハロポリマー複合体22のバルクの 中に存在することが観察された。ハロポリマー複合体22の表面26に隣接する 、注入された無機又は有機物質を含んでいないハロポリマーの薄層24(典型的 には約0.5nm〜約3nmの厚さ)が存在することも観察された。多くの用途 において、無機又は有機層がハロポリマー複合体22の表面26に直接存在し、 隣接する伝導性又は半導体物質(例えば、金属、金属酸化物、金属窒化物、金属 カーバイド、金属ホウ化物、ポリアセチレン、ポリチオフェン、及びポリピロー ル)とより適合した結合環境を生成することが重要である。特に、金属酸化物、 金属窒化物、金属カーバイド、又は金属ホウ化物などの半導体物質は、今日、フ ルオロポリマーの物理的及び化学的不活性さ及び誘電性のために、フッ素もしく はフルオロポリマー(例えば、PTFE又はPVDF)と共に合成され、混合さ れ、又はそれで被覆されている。例えば、キルシュナー、Chemical and Enginee ring News,75(47):25(November 24,1997)、ベスケスらの米国特許第5,602 ,491号、ジャヌサウスカスの米国特許第5,491,3 77号、スミスらの米国特許第5,287,619号、ダイグルらの米国特許第 5,440,805号、及びアーサーらの米国特許第5,061,548号を参 照のこと、これらは参照により本明細書にインコーポレートされる。しかしなが ら、フッ素又はフルオロポリマーと共に合成され、混合され、又は被覆された半 導体の上に伝導性又は半導体の層を提供するためフルオロポリマー物質に隣接し て無機又は有機物質(例えば、伝導性の、半導体性の、又は発光性の物質)の層 又はフィルムを接着することも望まれる。同様に、ハロポリマー複合体をフッ素 又はフルオロポリマーと共に合成され、混合され、又は被覆された半導体物質に 置き換える場合には、このハロポリマー複合体に隣接して無機又は有機物質(例 えば、伝導性の、半導体性の、または発光性の物質)の層又はフィルムを接着す ることが望ましい。例えば、場合によっては、伝導性物質又は半導体物質の間に ハロポリマー複合体を結合させることが望まれる。しかしながら、再び図1を参 照すると、ハロポリマー複合体22内に含まれる注入された伝導性物質又は半導 体物質は、ハロポリマー複合体22の表面26の下約0.5nm〜約3nmに存 在するから、注入された物質はハロポリマー複合体22の表面26への所望の伝 導性物質又は半導体物質の接着を促進しない。 本発明の複合体(すなわち、本発明のオキシハロポリマー複合体又は表面オキ シハロゲン化非ハロポリマー複合体)及び本発明の方法に従って製造された複合 体はバルクに完全に注入され、場合によっては、注入されたマトリックスの表面 に純粋に伝導性の物質又は半導体物質(例えば、金属、金属酸化物、金属窒化物 、金属カーバイド、金属ホウ化物、ポリアセチレン、ポリチオフェン、及びポリ ピロール)の層(約1nm〜約1mm厚)を含む。これは図2に例示してある。 オキシハロポリマー複合体30はハロポリマー複合体32を含み、その表面34 の上に、図2ではXと記してある酸素原子又は酸素含有基36が共有結合してい る。表面34に隣接する薄い層38(典型的には約0.5nm〜約3nm厚)も 無機又は有機物質を注入され、そして場合によっては、純伝導性物質又は半導体 物質の層40(約1nm〜約1mm厚)がオキシハロポリマー複合体30の表面 34の上に配置されている。こうして、本発明の方法を用いれば、ポリマーマト リックスの全容積中に注入された無機又は有機物質を有する複合体を調製するこ とができる。より具体的には、有機又は無機物質はポリマーマトリックスの表面 から広がることができ、必要に応じて、ポリマーマトリックスの表面の上1nm から数mmまで広がることができる。 本発明の複合体は、伝導性物質又は半導体物質(例えば、金属、金属酸化物、 金属窒化物、金属カーバイド、金属ホウ化物、ポリアセチレン、ポリチオフェン 、及びポリピロール)、他のポリマー類(例えば、ポリウレタン、ポリイミド、 ポリアミド、ポリホスファゼン、ハロポリマー、ポリオレフィン、ポリアクリレ ート、及びポリエステル)、生物物質(例えば、タンパク質、酵素、ヌクレオチ ド、抗体、及び抗原)、及びセンサーやエレクトロルミネッセント又は液晶に基 づくディスプレーに普通に使用されているリン光性分子又は蛍光性分子を結合す るための基板として特に良く役立つ。これは図3及び図4に例示されている。 例えば、図3では、ハロポリマー42は酸素原子又は酸素含有ラ ジカル(Xと記す)43が表面44に結合するように表面処理され、こうして、 オキシハロポリマー45が形成される。次いで、オキシハロポリマー45は無機 又は有機物質が注入されてオキシハロポリマー複合体46が生成する。注入プロ セスの間に、純伝導性物質又は半導体物質(例えば、金属、金属酸化物、金属窒 化物、金属カーバイド、金属ホウ化物、ポリアセチレン、ポリチオフェン、及び ポリピロール)の層47(約1nm〜約1mm厚)が表面44の上に配置される 。次に、物質48(Yと記す)がオキシハロポリマー複合体46の層47に結合 するように、オキシハロポリマー複合体46の層47を物質(Yと記す)48( 例えば、伝導性物質又は半導体物質、他のポリマー、生物物質、及びセンサーや エレクトロルミネッセント又は液晶に基づくディスプレーに普通に使用されてい るリン光性分子又は蛍光性分子)と反応させる。 また、場合によっては、複合体の表面の上に純伝導性物質又は半導体物質(例 えば、金属、金属酸化物、金属窒化物、金属カーバイド、金属ホウ化物、ポリア セチレン、ポリチオフェン、及びポリピロール)の厚い層を持たせることなく、 本発明のオキシハロポリマー複合体又は表面オキシハロゲン化非ハロポリマー複 合体に物質を直接結合することが望ましいことがある。これは、例えば、図4に 描いたスキームを用いることにより容易に行うことができる。図4では、ハロポ リマー50は有機又は無機物質を注入されてハロポリマー複合体52を生成する 。次いで、ハロポリマー複合体52を、酸素原子又は酸素含有ラジカル(Xと記 す)56がハロポリマー複合体52の表面54に結合するように表面処理され、 こうしてオキシハロポリマー複合体58が生成する。次に、物質(Yと記す)6 0がオキシハロポリマー複合体58に結合するように、オキシハロポリマー複合 体58の表面酸素原子又は酸素含有ラジカル(Xと記す)56を物質(Yと記す )60(例えば、伝導性物質又は半導体物質、他のポリマー、生物物質、及びセ ンサーやエレクトロルミネッセント又は液晶に基づくディスプレーに普通に使用 されているリン光性分子又は蛍光性分子)と反応させる。図4に図示したスキー ムを用いることにより、得られる複合体から純伝導性物質又は半導体物質から成 る厚い結合層を除くことができる。 本発明のオキシハロポリマー複合体又は表面オキシハロゲン化非ハロポリマー 複合体は、アーサーらの米国特許第4,849,284号(「アーサー」)に開 示されているような固定印刷された配線盤基板物質や集積回路チップキャリアの 形成に極めて適する電気基板物質を作るために、例えば、アーサーに記載された セラミックを充填したフルオロポリマーを本発明のオキシハロポリマー複合体又 は表面オキシハロゲン化非ハロポリマー複合体で置き換えることにより、使用す ることができる。この特許は参照により本明細書にインコーポレートされる。 本発明のオキシハロポリマー複合体又は表面オキシハロゲン化非ハロポリマー 複合体は、ホーンIIIの米国特許第5,358、775号(「ホーン」)に記述 されたものなどの低損失、及び高い誘電率を示しそして誘電率の許容できる熱係 数を有する物質を作るために、例えば、ホーンに記載されたセラミック充填フル オロポリマーを本発明のオキシハロポリマー複合体又は表面オキシハロゲン化非 ハロポリマー複合体で置き換えることにより、使用することができ る。この特許は参照により本明細書にインコーポレートされる。 本発明のオキシハロポリマー複合体又は表面オキシハロゲン化非ハロポリマー 複合体は、ウチダらの米国特許第5,474,857号(「ウチダ」)に記述さ れているものなどの固体ポリマータイプ燃料電池を作るために、例えば、ウチダ に記載されている固体ポリマー電解液セットを本発明のオキシハロポリマー複合 体又は表面オキシハロゲン化非ハロポリマー複合体で置き換えることにより、使 用することができる。この特許は参照により本明細書にインコーポレートされる 。 本発明のオキシハロポリマー複合体又は表面オキシハロゲン化非ハロポリマー 複合体は、フクタケらの米国特許第5,473,118号(「フクタケ」)に記 載されたものなどの印刷された回路基盤の作成に使用するのに適するカバーレイ フィルムを製造するために、例えば、フクタケに記載されたフルオロポリマーフ ィルム(可塑性又は熱硬化性接着剤で後に被覆される)を本発明のオキシハロポ リマー複合体又は表面オキシハロゲン化非ハロポリマー複合体で置き換えること により、使用することができる。この特許は参照により本明細書にインコーポレ ートされる。 本発明のオキシハロポリマー複合体又は表面オキシハロゲン化非ハロポリマー 複合体は、ダイグルらの米国特許第5,440,805号(「ダイグル」)に記 載された方法によるなどの多層回路アセンブリーを製造する際に、例えばダイグ ルに記載されたフルオロポリマー複合体物質を本発明のオキシハロポリマー複合 体又は表面オ キシハロゲン化非ハロポリマー複合体で置き換えることにより、使用することが できる。この特許は参照により本明細書にインコーポレートされる。 本発明のオキシハロポリマー複合体又は表面オキシハロゲン化非ハロポリマー 複合体は、スミスらの米国特許第5,287,619号(「スミス」)に記載さ れたものなどのマルチチップモジュール基盤を製造する際に、スミスに記載され たフルオロポリマー複合体物質を本発明のオキシハロポリマー複合体又は表面オ キシハロゲン化非ハロポリマー複合体で置き換えることにより、使用することが できる。この特許は参照により本明細書にインコーポレートされる。 本発明のオキシハロポリマー複合体又は表面オキシハロゲン化非ハロポリマー 複合体は、ジャヌサウスカスの米国特許第5,491,377号(「ジャヌサウ スカス」)に記載のものなどのエレクトロルミネッセントランプを製造する際に 、例えば、ジャヌサウスカスに記載されたフルオロポリマーバインダーを本発明 のオキシハロポリマー複合体又は表面オキシハロゲン化非ハロポリマー複合体で 置き換えることにより、使用することができる。この特許は参照により本明細書 にインコーポレートされる。 本発明の複合体は独立した形で(すなわち、別の物質に結合せずに)存在する ことができる。独立した形の複合体の例としては、複合体ビーズ、複合体粒子、 複合体フィルム、複合体ファイバー、複合体フィラメント、複合体粉末、及び同 種のものが挙げられる。ま た、本発明の複合体は基盤物質(例えば、ハロポリマー、非ハロポリマー、セラ ミック、ガラス、金属、及び金属酸化物)の上に配置することもできる。例えば 、本発明の複合体(特にオキシフルオロポリマー複合体)で被覆されている純金 属酸化物基板(特に金属酸化物表面及びその自由容積に配置された金属酸化物を 有するものであって純金属酸化物の上に被覆されているもの)は半導体産業にお いて特に有用である。 基盤物質の上に配置された本発明のオキシハロポリマー複合体は、例えば、基 盤物質の上にハロポリマーを被覆、接着、又はその他の方法で配置し、次いでそ の表面を酸素又は酸素含有ラジカルで修飾し、そして該修飾の前、間、又は後に 自由容積を空にしそしてその中に無機又は有機物質を注入することにより、調製 することができる。また、基盤物質の上に配置された本発明のオキシハロポリマ ー複合体はその基盤物質の上にハロポリマー複合体を被覆、接着、又はその他の 方法により配置し、次いでハロポリマー複合体の表面を酸素又は酸素含有ラジカ ルで修飾することにより調製することができる。さらにまた、基盤物質の上に配 置された本発明のオキシハロポリマー複合体はその基盤物質の上にオキシハロポ リマーを被覆、接着、又はその他の方法で配置し、次いでそのオキシハロポリマ ーの自由容積を空にしそしてその中に無機又は有機物質を注入することにより調 製することができる。なおまた、基盤物質の上に配置された本発明のオキシハロ ポリマー複合体はその基盤物質の上にオキシハロポリマー複合体を被覆、接着、 又は他の方法により配置することにより調製することができる。 基盤物質の上に配置された本発明の表面オキシハロゲン化非ハロポリマー複合 体は、例えば、基盤上に配置されたオキシハロポリマーを調製するために上に述 べた方法のいずれかにより同様に調製することができる。 本発明は、下記の実施例によりさらに例示する。実施例 実施例1−ポリテトラフルオロエチレン−コ−ヘキサフルオロプロピレン中のV 25の調製と特性決定 ポリテトラフルオロエチレン−コ−ヘキサフルオロプロピレン(「FEP」) (デュポン)の12”×2”断片を丸めて緩く巻いたコイルを作り、ついで10 0ml丸底フラスコ中に入れた。このフラスコを真空系に連結し、ついで10ト ル圧より低くなるまでポンプで引いた。次に、約1mlのV(O)Cl3(スト レム)を真空下で100ml丸底フラスコに移した。ついで、このフラスコを密 閉し真空下で約75℃まで加熱した。V(O)Cl3の気相がフラスコの全容積 に充満するように1時間加熱した。このフラスコから熱源を除き、その温度をほ ぼ室温まで下げた。ついで、V(O)Cl3を真空下にFEPポリマーから移送 し、そして100ml丸底フラスコを周囲空気中に開放した。 フラスコを開放すると、そのFEPポリマーは目には透明であったが、数分以 内に黄−オレンジ色に変わり始め、そして数時間後には暗褐色のレベルに達した 。X線光電子分光学(「XPS」)により、高度に酸化されたバナジウム錯体の 形成が示され、そして目に 見えたオレンジ色は大きな巨大分子のV25ネットワークの証拠であった。この ことは、紫外−可視分光学(「紫外−可視」)によりさらに確認された。広域吸 収スペクトルは約370nm(A=1.8)及び248nm(A=3.2)に二 つの主要なピークを持ち、そしてアセトニトリルに溶解した純粋なV25粉末の それとは類似しているが異なっていた。FEPポリマー中に形成されたV25と アセトニトリル溶液中のそれとの間の紫外−可視スペクトルにおける相違はFE P中に含まれる隣接するフッ素官能基への一部のバナジウム金属センターの電子 配位に帰することができると考えられる。このことは、V25粉末について測定 されたものよりも高い、約518.5eV、フルeVという極めて高い結合エネ ルギーを測定するXPSの結果によって支持される。この結合エネルギーの増加 はバナジウムが高度に電子吸引性の環境にいることと一致する。このことは、F EPポリマー中でバナジウムが、含まれるフッ素官能基と直接結合しているか又 は空間を通して影響をうけていることをさらに示唆する。これをさらに支持する ために、バナジウムを含むFEPポリマーを50%フッ化水素酸水溶液(「HF 」)を含むビーカー中に2時間入れた。FEP物質を取り除くと、この物質は目 には全く透明であった(すなわち、黄色は観察されなかった)。紫外−可視分光 学による精査では、元の248nmの吸収帯はほぼ同じ強度で存在する(それは 低波長側にブルーシフトしていたが)ことが示された。しかしながら、370n mのバンドは消失した。370nmのバンドは分子間遷移に起因し、そして24 8nmのバンドは分子内遷移に起因するから、この結果はバナジウム種がHF由 来のフッ化物イオンに優先的に配位するメカニズムと一致する。これは、今度は FEPポリマー中フッ素原子へのバナジウム の配位を破壊し、このポリマーは巨大分子ネットワークの破壊へと導かれる。こ れも可視部の色の消失(すなわち、V25の個体又は低分子量の巨大分子は可視 部で透明であるが、一方、大きな巨大分子ネットワークは淡黄色からオレンジの 範囲の色を示す)と一致する。HF溶液からこの物質を除去すると、数時間内に 黄色が戻り、そしてこの物質から得た紫外−可視スペクトルはHFに曝す前のF EP物質で観察されたものと同じ特徴を示すことが観察された。このことは、巨 大分子ネットワークが再形成されそしてそのプロセスが可逆的であるだけでなく 、他の分子もこれらの物質の中へそしてそれから外へと容易に拡散し、そして複 合体物質の無機部分と容易に相互作用することをも示すものである。 上述の方法はバナジウム酸化物を他のフルオロポリマー樹脂、例えば、PVD F、PTFE、ECTFE、PFA、又はMFA中に注入するためにも使用する ことができる。さらに、この方法はフルオロポリマー樹脂の特定の形態に限定さ れることもない。粉末(例えば、約10nm〜約0.1mmの直径を持つもの) 、ビーズ(例えば、約0.1〜約0.5mmの直径を持つもの)、フィルム、フ ィラメント、及び繊維が12”×2”FEPシートの代わりに用いることができ る。実施例2−ポリエチレンテレフタレート中のV25の調製と特性決定 実施例1に記述したものと同じ実験をポリエチレンテレフタレート(「PET 」)を用いて行った。PETは脂肪族炭素及びエステル官能基のみを含むポリエ ステルである。実施例1に記述したと同 じ方法でPETを曝した際の、同じ観察を行った。すなわち、最初このPETフ ィルムは透明であったが、数時間以内に黄緑色に変化した。目にはこの色は僅か に異なっていたが、紫外−可視の結果はFEPについて観察されたものと類似の スペクトルを示した。他方、XPSはV25と一致する約517.5eVの結合 エネルギーを示した。これは、バナジウムがフッ素官能基に幾らか錯体形成をし ており、それによりそのXPS結合エネルギーを増加させていることを示す実施 例1の結果をさらに支持する。これらの結果は、ポリマーマトリックスの自由容 積内の無機物質の電子状態がポリマーマトリックスを作り上げているポリマーに 含まれる官能基により影響され得ることを示唆する。実施例3−ポリテトラフルオロエチレン−コ−ヘキサフルオロプロピレン中のF 23の調製と特性決定 FEPポリマーの断片を、V(O)Cl3を用いる代わりに1mlのFE(C O)5がFEPを含むフラスコの中に真空下で移されたことを除き、実施例1に 記述したのと正確に同じ方法で処理した。温度及び処理時間は実施例1に記述し たものと同じであった。除去すると、このフィルムは濃いオレンジに変化した。 XPS及び紫外−可視の結果はFe23の形成を示した。Fe23−FEP物質 に対するXPSにおけるより高い結合エネルギーへの僅かなシフトは、この鉄が FEP中のフッ素官能基に、何らかの方法で、電子的に結合していることを示し た。 本発明によれば、この物質は光や電磁放射線に対する有用なシールド又はフィ ルターとして期待される。実施例1〜実施例3により バナジウム及び鉄の巨大分子ネットワークがFEP及びPET内で形成され得る ことが示された。FEP及びPETは軽量で柔軟性がある。さらに、FEP物質 は風化に対し極めて抵抗性があり、そして化学的に不活性である。接触角の実験 を実施例1で作られた物質について行ったところ、FEPフルオロポリマーの表 面性における変化はほとんど示されなかった(すなわち、水接触角はなお90度 よりも大きかった)。このことは、このフルオロポリマーの風化に対する固有の 抵抗性及び溶媒や化学物質に対する不活性性は完全に残っていることを示してい た。こうして、実施例1〜実施例3により、本発明の方法は紫外線吸収を持ちそ して風化、汚れ、及び化学的分解に抵抗性のある表面を持ち柔軟で、軽量な物質 を製造するために使用することができることが示された。実施例4−ポリテトラフルオロエチレン−コ−ヘキサフルオロプロピレン中のT iO2の調製及び特性決定 実施例1〜実施例3では、バナジウムと鉄の無機ネットワークはポリマー物質 に可視の色調を与えた。これは光スペクトルの可視領域で高い透明性を要求する 用途では不都合となるであろう。大量の紫外線をブロック又は吸収するが可視光 にたいしては透明てある物質を提供するために、チタンに基づく別の無機錯体を 使用することができる。 FEPポリマーの断片を、V(O)Cl3を用いる代わりに1mlのTiCl4 をFEPを含むフラスコに真空下で移したことを除き、実施例1に記述したもの と全く同じ方法で処理した。温度およひ処理時間は実施例1に記述したものと同 じであった。除去すると 、このフィルムは肉眼で完全に透明であり、変化は観察されなかった。XPS及 び紫外−可視の結果はTiO2の形成を示した。XPSでより高い結合エネルギ ーへの僅かなシフトが観察された。これはチタンがFEP中のフッ素官能基に何 らかの方法で電子的に結合していることを示すものであった。 実施例1におけるように、ここに用いられたFEPシートは他のフルオロポリ マー樹脂(例えば、PVDF、PTFE、ECTFE、PFA、又はMFA)又 は粉末(例えば約10nm〜約0.1mmの直径を有するもの)又はビーズ(約 0.1〜約0.5mmの直径を有するもの)などの他のポリマー形で置き換える ことができる。実施例5−ポリテトラフルオロエチレン−コ−ヘキサフルオロプロピレン中のW 3の調製、特性決定、及び使用 チタン、バナジウム、及び鉄は良い紫外線シールドであるが、高いZ数(すな わち、高密度又はヘビーウエイト)の金属のネットワークを形成することも有用 であろう。高いZ数の金属は紫外線をブロックするのに有効であるだけでなく、 高エネルギー紫外線及びX線をシールドするためにもよりしばしば使用される。 タングステンはこのクラスの金属に属する。しかしながら、タングステンの金属 錯体は気相に蒸気化され得る液状では存在しない。この観点で、ポリマー中へタ ングステンのヘテロポリ凝縮物の自己結合のための異なる方法が開発された。 ここに記述される方法はFEPシートを例示的に使用する。しか しながら、この方法は他のフルオロポリマー(例えば、PVDF、PTFE、E CTFE、PFA、又はMFA)及び粉末(例えば約10nm〜約0.1mmの 直径を有するもの)又はビーズ(約0.1〜約0.5mmの直径を有するもの) などの他の樹脂形にも等しく巧く適用される。 FEPポリマーの2”×2”の断片を100mgのW(CO)6と共に100 ml丸底フラスコ内に入れた。このフラスコを真空系に連結し、次いで真空ポン プで引いて10mトル圧より低くした。次に、このフラスコを、10mトル圧で 、W(CO)6の昇華が始まりフラスコ内にタングステン錯体の蒸気相を生成さ せるのに十分高い、75℃まで加熱した。1時間後、FEP物質を取り出し、周 囲空気の条件の下に2時間置いた。紫外−可視実験では、228nmに大きな吸 収帯(A=3.4)が288nmのより小さな吸収帯(A=0.4)と共に示さ れた。このことはそのFEPの内部に一つの錯体が形成されたことを示す。この 試料は可視領域のスペクトルで高い透過性を示した。実施例1〜実施例4で用い たバナジウム、チタン、及び鉄の試料と異なり、この特殊なタングステン錯体は ボイルではなく昇華させる必要があっただけでなく、実施例1〜実施例4で用い た金属錯体上のものと比べて比較的安定なカルボニルリガンドを有していた。こ うして、紫外−可視スペクトルを得た後、このFEP試料を空気の存在下に25 4nmに中心を持つ高エネルギーの広域帯紫外線源の下に1時間置いた。このタ ングステン化合物と結合しているカルボニルリガンドは紫外線照射の下で光反応 性であることが知られている。 この試料を紫外線ランプに曝した後、紫外−可視スペクトルに幾つかの変化が 観察された。288nmの吸収は僅かにA=0.37まで減少し、228nmの バンドはA=3.4から1.1まで減少し、そして190nmで(これは低波長 吸収値の測定に関してこの装置の能力の限界である)吸収は0.4(紫外線照射 前)から1.5(紫外線照射後)まで変化した。これは照射後に形成された錯体 がより高エネルギーの放射(すなわち、より低波長での放射)をシールドするよ り大きな性質を持つことそして柔軟な、可視的に透明な物質として極めて有用で あることを示すものと考えられる。WO3はX線をシールドする能力で良く知ら れている。FEP中に拡散した後、中域UV範囲で吸収したタングステン化合物 は予想されたようにタングステンカルボニルを持っていた、FEP内に拡散した 後、その元のカルボニルリガンドの全部か又は一部を保持していることが観察さ れた。巨大分子のタングステン錯体は、高エネルギー放射をシールドする能力を 持つことで知られている。これは、水−又は酸素−含有空気の存在下に紫外線放 射によりカルボニルが除去された後に観察されたものである。このことは、空気 の存在下に紫外線放射で処理するとタングステンの加水分解された及び/又は酸 化された形を生じ、次いでそれが隣の加水分解された又は酸化されたタングステ ンと自己結合をおこし巨大分子錯体を形成するという仮説を支持する。実施例6−超臨界CO2環境に曝した後のFEP中に組み込まれたポリ凝縮物ネ ットワークの安定性 FEPの6”×6”断片を実施例1で処理されたFEPと同一の方法で処理し た。これらのFEPフィルムを上述のようにV25 で金属化した後、このフィルムを高圧ステンレススチール容器内に置いた。つい で、この容器に40℃で2500psiのCO2ガスを充填した。これらの条件 はFEPが膨潤することが知られている超臨界CO2環境の形成を生じる。これ らの条件下でのFEPフィルムの膨潤は、ポリマーの自由容積内に含まれている 弱く結合している分子とCO2の急速な交換を可能とする。この例でのFEP試 料はこれらの条件下で72時間放置された。このFEPフィルムの紫外−可視分 析(72時間後)により、V25の損失が微々たるもの(10%未満)に過ぎな いことが示され、そしてポリマーマトリックス内に形成されたネットワークは、 (1)形成されたヘテロポリ凝縮物巨大分子とポリマー鎖の間の物理的相互作用 によりポリマー内に永続的に封じ込められているか、及び/又は(2)そのポリ マー内に含まれる官能基とヘテロポリ凝縮物巨大分子ネットワークの原子及び/ 又は官能基との間の化学的又は電子的相互作用によりポリマー内に永続的に封じ 込められていることが示唆される。この例で証明された安定性はこれらの物質を 超臨界プロセス条件下で利用される不均一触媒として使用するための良い候補と する。 V25の巨大分子ネットワークを同様に含むコポリマー・エチレンクロロトリ フルオロエチレン(「ECTFE」)の小さな50ミクロメータービーズを用い て同様な実験を行った。これらの物質も実施例1に記載した手順で調製した。再 び、超臨界条件に曝した後のV25無機物質の損失は観察されなかった。これら の実験は、巨大分子無機ネットワークが、官能基(FEP及びECTFE内に含 まれるフッ素及び/又は塩素基など)と配位することによるか、又は無機ネット ワークが形成されているポリマーの無定形領域に 含まれる鎖内での絡み合いにより、ポリマーマトリックス中に永続的に安定化す ることができることを示すものと考えられる。さらに、これらの物質は、超臨界 条件下で安定であるから、パチョーニク、ウインスロー及びカニントンに記載さ れたものなどの超臨界流体の反応体中で不均一触媒として使用することができる 。この文献は参照により本明細書にインコーポレートされる。実施例7−超臨界CO2環境に曝した後のPTFE、ECTFE、PVDF、P MMA、PP、PS、及びPVDFに組み込まれたポリ凝縮物ネットワークの安 定性 PTFE、ECTFE、PVDF、ポリメチルメタクリレート(「PMMA」 )、ポリプロピレン(「PP」)、ポリスチレン(「PS」)、及びポリビニリ デンフルオリド(「PVDF」)の2”×2”断片を実施例1で処理されたFE Pと同一の方法で処理した。これらのフィルムをV25で金属化した後、これら をまず前に記したように紫外−可視分光法により分析し、ついでこれらのフィル ムを高圧ステンレススチール容器の中に入れた。この容器に周囲温度の下で25 00psiのCO2を充填した。その試料を72時間これらの条件の下で放置し た。これらのフィルム(72時間後)の紫外−可視分析からV25の損失は微々 たるものに過ぎない(10%未満)ことが示され、そしてポリマーマトリックス 内に形成されたネットワークは、(1)ポリマー鎖と形成されたヘテロポリ凝縮 物巨大分子の間の物理的相互作用によりポリマー内に永続的に封じ込められてい るか、及び/又は(2)そのポリマー内に含まれる官能基とヘテロポリ凝縮物巨 大分子ネットワークの原子及び/又は官能基との間の化学的又は電子的相互作用 によりポリマー内に永 続的に封じ込められていることが示唆される。この実施例で証明された安定性は これらの物質を超臨界条件下で利用される不均一触媒として使用するための良い 候補とする。実施例8−SO2のSO3への不均一触媒 1.0ミル厚のFEP試料の3”×18”断片を実施例1で処理されたFEP物 質と同一の方法で処理した。ついで、金属化(V25)されたFEP断片を10 0mlステンレススチール容器内に入れ、次にその中に4気圧のO2と1気圧の SO2を充填した。次にこの容器を70℃で24時間加熱した。この処理の後、 容器を開き、そしてFEPを取り出した。次に、この容器に脱イオン水の計算量 を添加して触媒反応の間に生成したSO3をすべてH2SO4に変換した。その結 果得られた添加脱イオン水の酸度を測るためpHメータを用いたところ、そのp Hは1.8であると測定された。SO2の初期濃度と既知量の添加水の得られた pHを含む計算から、90%より多くのSO2がSO3に触媒的に変換されたこと が決定された。金属化されたFEPのその後の分析(紫外−可視分光法による) から、V25の損失は検出できないことが示され、こうして、FEPフィルム内 のV25巨大分子ネットワークのこの触媒手順の間における安定性が明らかにさ れた。 SO2をSO3に変換するための酸化触媒としてV25を利用する分子変換はし ばしば500℃を越える反応温度を必要とする。このことは、ここに用いられた 物質が不均一触媒としてその機能に関し高い能力を有することを示すものである 。さらに、この実施例の結果は、例示に過ぎないが、酸化触媒としての無機又は 有機物質 内に互いに入り込んだV25及び他の金属錯体の有用性を明らかにする。実施例9−EMIシールド、紫外線フィルター、及び写真製版用マスク剤 実施例1〜実施例8は、紫外線.極紫外線、及びX線に感受性な物質と接触し ている、放射線がこれらのフィルムに浸透するのを阻止し及び/又は減弱させる ための被覆又はフィルムとして有用なレベルで紫外線及びX線放射を吸収する物 質を明らかにした。一つの例として、これは、バナジウム又はチタンを注入され たフィルムについての、2.0吸光度単位(すなわち、99%の紫外線吸収)よ りも大きな、紫外−可視スペクトル範囲(すなわち、190nm〜400nm) にわたっての紫外−可視吸光度により証明される。さらに、これらの結果は、本 発明の複合体における無機/金属錯体の巨大分子ネットワークの形成を示す結果 と併せ考えると、これらの複合体が電磁波放射の吸収、電磁波の反射、又は種々 の電磁波の電流への変換のいずれかに有用である(すなわち、電磁波干渉(EM I)シールドとして作用する)ことを示唆する。一般に行われている写真製版及 び結像のプロセスは曝露工程の間にこれらの異なる放射線を阻止することができ るポリマー性のフォトレジスト物質を必要とするから、本発明の複合体はこのよ うな一般に行われている写真製版や結像のプロセスにマスクとして使用すること ができる。例えば、ラドフォードらの米国特許第5,387,481号(「ラド フォード」)は電磁線放射を阻止するためのスイッチ可能なシールドとして作用 することができるバナジウム酸化物を記述する。この特許は参照により本明細書 にインコーポレートされる。ラドフォー ドで使用されたバナジウム酸化物化合物は、加熱されると、電磁線放射に対し透 過性である誘電体物質から電磁線放射非透過性である金属性の、電磁線放射シー ルドに顕著かつ迅速な遷移を示すと言われる。ラドフォードでは、バナジウム酸 化物物質は薄いフィルムとして固体の基板に適用される。本発明では、バナジウ ム酸化物は、まずポリマーマトリックス中に組み込まれて本発明の複合体を形成 する。加熱すると、このバナジウム酸化物は電磁線放射に透過性の物質からこの ような放射線を効果的に阻止する物質に変換するであろう。この例としては、例 示に過ぎないが、本発明の他の複合体、特に伝導性の巨大分子ネットワーク(例 えば、Ti、Fe、Pb、及びAuを含むもの)が、紫外線放射、極紫外線放射 、及びX線放射などの電磁線放射の有効な阻止剤として作用することができるこ とが挙げられる。実施例10−バッテリー及び燃料電池の隔離板 上の実施例1は、それから生成したフッ化水素酸(「HF」)の分子及びイオ ンがバナジウム巨大分子錯体を含むFEP及びPETなどのフルオロポリマー物 質中に互いに浸透することができることを示した。このことは、ある分子吸光度 の消失を示した紫外−可視データにより、及びその物質が黄−オレンジ色からH F溶液中に置かれたときの完全に透明な物質へと変化したことを示す肉眼により 証明された。さらに、これらの物質は、HF溶液を除去しこの物質を空気に触れ さすことにより、検出されるほどのバナジウム錯体の損失もなく、黄−オレンジ 色へ戻ることが観察された。このことから、複合体物質の形成の後でさえも、気 相及び液相の両分子及びイオンはこの物質を通って移動することができ、そして 可逆的に、ポ リマーマトリックスの自由容積の中に含まれているバナジウム(又は他の如何な る金属又は無機錯体とも)と反応し又は配位することができることが証明される 。さらに、上述のように、ポリマーマトリックスの自由容積内に組み込まれてい る多くの無機物質は、触媒的に活性な金属又は良好な酸化還元物質(すなわち、 荷電イオン又は分子から電子を受け取ったり又は与えたりすることができる金属 )として作用することができる金属を含んでいる。触媒又は酸化還元物質を含む 自由容積中へ拡散する気体又は液体の能力は、本発明の複合体がバッテリーや燃 料電池の用途における電極及び隔離用物質として有用であることを示唆する。 バチョットらの米国特許第5,470,449号は、電解槽中で使用するため の複合体陰極を持つ湿−圧密に適用される微小孔ダイアフラムの調製を記述する 。この特許は参照により本明細書にインコーポレートされる。これらの微小孔ダ イアフラムは、3重量%〜35重量%のフルオロポリマーバインダーと0重量% 〜50重量%のTi又はSiなどの金属から調製されたオキソヒドロキシド(す なわち、ヘテロポリ凝縮物)の均一に分布したゲルを含む焼結したフルオロポリ マーの微小孔繊維状シート物質を含む。 本発明の方法はその中に組み込まれた金属オキソヒドロキシドの巨大分子ネッ トワークを持つフルオロポリマーマトリックス物質の複合体を製造するために使 用することができる。例えば、Tiオキソヒドロキシドは、実施例4に記述した ように、FEPフィルム中にネットワークさせることができる。さらなる例とし ては、Siオキソヒドロキシドの巨大分子ネットワークも、まずFEPの12” ×2”断片を100ml丸底フラスコ中に入れ、真空系にこのフラスコを連結し 、10mトル圧より低い圧までフラスコをポンプで減圧にし、そしてこのフラス コにSiCl4の約1mlを真空下に注入することにより、FEPフィルム中に 組み込んだ。ついで、このフラスコを密閉し、SiCl4の気相がフラスコの全 容積に充満するように、真空下に約75℃で1時間加熱した。次に、このSiC l4を真空下にFEPポリマーから除き、そしてフラスコを周囲の空気に開放し た。空気に曝すと、FEPフィルム中に組み込まれたSiCl4は加水分解を受 け、Siオキソヒドロキシドの巨大分子ネットワークの形成を生じた。これは、 約1025cm-1のSi−O吸収を測定したIR分光法により確認された。 本発明の複合体は、ダスグプタらの米国特許第5,512,389号(「ダス グプタ」)に記述された電解槽及び燃料電池に使用することもできる。この特許 は参照により本明細書にインコーポレートされる。ダスグプタは非水性の、薄い フィルムの再充電可能なリチウムバッテリーにおける固体のポリマー電解質の使 用を開示する。本発明の複合体はピスツェクらの米国特許第5,415,959 号に記述された電気化学電池に使用されたハロゲン化(例えば、フルオロポリマ ー性の)隔離物質の代わりに電気化学電池で使用することもできる。この特許は 参照により本明細書にインコーポレートされる。さらなる例としては、本発明の 複合体は、ウチダらの米国特許第5,474,857号に使用された固体ポリマ ー電解質(固体ポリマー物質に触媒性金属を結合させることにより調製されたも の)の代わりに固体ポリマー電解質として使用することもできる。実施例11−オプトエレクトロニクスのための電気伝導性の柔軟な物質 本発明の方法を用いてポリマーマトリックス内に形成されるヘテロポリ凝縮物 の多くは、電気及び/又はイオン伝導性を有し、これが電気又はイオン伝導性及 び/又は静電防止の特性を有する柔軟な物質を必要とする工業技術においてこれ らを有用とする。例えば、マックデイアーミドら、Proc.Materials Research S ociety,ボストン、エムエイ(1995年11月)及び同時継続中の米国特許出願08/ 401,912号は電子−光学装置の構築における柔軟な電極物質として柔軟な 基板に接着された伝導性ポリマーの使用を記述する。これらの文献は参照により 本明細書にインコーポレートされる。柔軟なポリマーマトリックスの適当な選択 により、本発明の方法はこのような電子−光学装置に使用することができる伝導 性複合体を製造するために使用することができる。 例えば、FEPの4”×4”シートを100ml丸底フラスコ内に入れた。こ のフラスコを真空系に連結し、次いで10mトルより低い圧までポンプで減圧し た。次に、約1mlのピロールを真空下にフラスコに移し、このフラスコを密閉 しそしてピロール分子の気相がフラスコの全容積を満たすように、真空下に約7 5℃で1時間加熱した。ついで、このピロールをFEPポリマーから真空下に除 去し、そしてフラスコを周囲の空気に開放した。ついで、この試料をHNO3の 酸化性溶液中に12時間入れた。取り出したとき、このフィルムは灰色となった 。紫外−可視による精査により、FEPマトリックス内にポリピロールのネット ワークの形成が確認された 。 予言的なひとつの例として、インジウム錫酸化物(「ITO」)として知られ ているインジウムと錫のヘテロポリ凝縮物は、多様な基板の上に蒸着させると、 透明な伝導性フィルムとして市場で使用されている。これらのITOフィルムは 多くの電子−光学的装置(例えば、液晶に基づくフラットパネルのディスプレー )の構築に電極物質として使用されている。本発明の方法はこのような電子−光 学的装置にITOフィルムの代わりに使用することができる伝導性の薄いフィル ムを製造するために使用することができる。本発明のこの側面を例示するために 、FEPの4”×4”シートを100ml丸底フラスコの中に入れることができ る。ついで、このフラスコを真空系に連結し、そして10mトルより低い圧にな るまでポンプで引く。次に、約1mlのトリエチルインジウムと約1mlのSn Cl4を真空下にそのフラスコに注入する。このフラスコを、ついで、密閉し、 そしてトリエチルインジウムとSnCl4の両方の気相がフラスコの全容積を満 たすように、真空下に約75℃で1時間加熱する。次に、トリエチルインジウム とSnCl4をFEPポリマーから真空下に除去し、そしてフラスコを周囲の空 気に開放する。空気に触れると、FEPフィルム内に組み込まれているトリエチ ルインジウムとSnCl4は加水分解を受け、ITOの巨大分子ネットワークの 形成を生ずる。実施例12−電子イメージングの用途 ラジェシュワー、これは参照により本明細書にインコーポレートされるが、イ メージングの用途におけるポリピロール、ポリアニリ ン、及びポリチオフェンを含む電気伝導性のポリマーの微小分散触媒粒子を含む ポリマーフィルムの使用を記述する。ラジェシュワーで記述されたポリマーフィ ルムは本発明の複合体により置き換えてイメージングに有用な物質を製造するこ とができる。 例えば、複合体を含むポリピロールは以下のように調製し処理することができ る。ポリピロール析出溶液は、ピロールの0.6mlを含む脱イオン水溶液の1 00mlを3.4gのFeCl36H2O、0.98gのアントラキノン−2−硫 酸ナトリウム塩1水和物、及び5.34gの5−スルホサリチル酸2水和物を含 む100mlの脱イオン水溶液を混ぜることにより調製された。ついで、ポリエ チレンテレフタレート(「PET」)の2”×2”のフィルムをポリピロール析 出溶液中に攪拌しながら5分間浸漬することにより、ポリピロールフィルムをP ET上に沈積させた。ついで、その上にポリピロールフィルムを持つPETをメ タノール中で超音波処理し、脱イオン水で濯ぎ、そしてN2下に乾燥した。PE T上のポリピロールのフィルムは、次に、実施例1で処理(V25ヘテロポリ凝 縮物巨大分子ネットワークを組み込むために)されたFEPと同様に処理された 。VOCl3を含むフィルムを加水分解を容易にするために空気に曝した後、紫 外−可視分光法によりこれを試験し、そしてそのスペクトルをPET物質の上に 沈積させたポリピロールフィルムから初めに得られた紫外−可視スペクトルと比 較した。紫外−可視スペクトルの比較から、ポリピロールの伝導層の中へのV25の組み込みを立証する差異が明らかになった。 別の方法では、FEPの4”×4”のフィルムを実施例1に記述 したように処理した(すなわち、V25ヘテロポリ凝縮物巨大分子ネットワーク を組み込んだ)。次いで、このフィルムを100ml丸底フラスコ内に入れ、こ のフラスコを真空系に連結し、そして10mトルより低い圧力になるまでポンプ で引いた。次に、1mlのピロールを真空下にフラスコに注入し、そしてフラス コを密閉し、そしてピロール分子の気相がフラスコの全容積に充満するように真 空下に約75℃で1時間加熱した。ついで、ピロールをFEPポリマーから真空 下に除去し、そしてフラスコを周囲の空気に開放した。さらなる処理なしで、そ のフィルムはポリピロールと正常に関連する灰色を示すことが観察された。紫外 −可視分光法により、FEP物質内に拡散したピロールは、ピロールに曝す前に フィルム内に含められたV25により酸化されたことが確認された。紫外−可視 分光法もピロール分子がポリピロールのポリマー性巨大分子ネットワークに酸化 的に変換されたことを確認した。 本発明の複合体はエレクトロスタトグラフィーを利用する高速レーザー印刷プ ロセスに使用されるものなどの電予伝導性イメージング要素として使用すること もできる。例えば、本発明の複合体はアンダーソンI(これは参照により本明細 書にインコーポレートされる)に記述された電気伝導性イメージング要素の代替 物として使用することができる。電気伝導性イメージング要素としての使用に適 する複合体としては、PET及びFEPの両方にV25巨大分子ネットワークを 組み込んでいる実施例1及び実施例2に記述された物質が挙げられる。実施例1 及び実施例2で得られた紫外−可視測定を用いて計算すると、PET物質及びF EP物質は両方とも平方メートル当たり40mgを越えるV25を含んでいた。 本明細書 に記述したプロセスを用いて、ポリマーマトリックス内に形成された無機又は有 機巨大分子ネットワークの濃度はアンダーソンIに開示されたV25のレベルに 還元することができる、例えば、約3mg/平方メートルである。実施例13−ポリマーマトリックス又は無機−有機マトリックスにおける無機及 び/又は有機ヘテロポリ凝縮物の濃度を制御する方法 上記の実施例はすべて、自由容積として本出願の明細書に言及されそして定義 された領域にそのマトリックス内に組み込まれたポリマーの巨大分子ネットワー ク及び/又は無機ポリ凝縮物の巨大分子ネットワークを有するポリマー及び無機 −有機ハイブリッド物質を含む複合体の製造法を記述する。ここに使用されそし て先の実施例に記述された本方法は、如何なるポリマー物質又は無機−有機ハイ ブリッド物質に固有の自由容積空間の中へも無機及び/又は有機分子を便利に拡 散させ、ついでこれらの分子を大きな巨大分子ネットワーク又は巨大分子ポリ凝 縮物に変換させる能力を有することを証明する。これらの自由容積は熱的に制御 することができ、従って、鋳型であるポリマー物質又は無機−有機ハイブリッド 物質の全容積の中に組み込まれる有機ネットワーク又は無機ポリ凝縮物の濃度又 は総量も制御することができる。本質的には、所定のポリマー又は無機−有機ハ イブリッド物質の中に無機分子、金属分子、又は有機分子を拡散させる初期の工 程の間の温度を増加させればさせる程、これらの物質がその中に拡散する自由容 積も増加する(その温度がポリマー又は無機−有機ハイブリッド物質の熱分解温 度そして原料の無機、金属、又は有機分子の分解温度より低いことが条件である )。この減少を例示するため、一連のFEP物質をVOCl3に接触させ、その 後、実施例1に記述したと同様にV25に加水分解した。ただしFEP物質を最 初異なる温度でVOCl3蒸気に曝露した点は実施例1と異なる。225nmに おける紫外−可視吸光度を測定することにより、27℃でA=0.14、40℃ でA=0.31、60℃でA=1.05、70℃でA=1.63、80℃でA= 2.5、そして90℃でA=3.14であることが観察された。これらの結果は 導入された巨大分子物質の濃度に対する制御がここに記述した方法により容易に 行うことができることを証明するものである。実施例14−巨大分子ネットワークの位置付け この実施例は巨大分子ネットワークがポリマーマトリックスの自由容積の中に 主として形成されること確立する。上述のように、無機−有機ハイブリッドを製 造するための従来の方法は下記のいずれかの方法を含んでいる。すなわち、(1 )ポリマー物質内に巨大分子ネットワークを形成することができる無機前駆体を 、原料ポリマーと原料無機分子の両方を溶解するのに適当な溶媒で溶解する工程 、加水分解剤を添加する工程、そしてこの混合物を乾燥及び/又は硬化させて複 合体物質を形成させる工程、又は(2)巨大分子ネットワークを形成することが できる無機前駆体及び加水分解剤を溶融状態のポリマー物質に添加する工程及び その混合物を乾燥及び/又は硬化させて複合体物質を形成させる工程、又は(3 )超臨界流体を使用する工程、である。最初の二つでは、得られる物質は原料ポ リマー物質と無機ヘテロポリ凝縮物の両方を含んでいる。混合及び硬化により、 得られる物質は同時に乾燥及び/又は硬化されて、最 初の原料ポリマー物質と形成されたヘテロポリ凝縮物の両方の存在に左右される 物質を形成する。言い換えると、このポリマーの最終の物理的(すなわち、形態 的)、電気的、及び化学的諸性質は、原料ポリマー物質のそれとは実質的に変化 している。さらに、この複合体物質の得られる性質を微細に制御することは困難 であり、大変な試行錯誤を必要とし、このことは望みの性質はこの技術の利用で は許されないことを示す。第3のケースでは、超臨界条件の使用は、上に議論し たことなどの種々の不利益を生ずる。 本発明の複合体では、ポリマー物質又は無機−有機ハイブリッド物質は、その 自由容積内での巨大分子有機又は無機ポリ凝縮物ネットワークの形成を支持する 鋳型としてだけ作用する。そのため、両物質の物理的、電気的、及び化学的諸性 質の多くを保存することができるだけでなく、ポリマーマトリックス物質か又は 組み込まれた巨大分子ネットワークの望ましい性質(例えば、触媒活性)を制御 可能なように増強させることもできる。 例えば、先行技術に記述された方法を用いて無機−有機ハイブリッド多孔性フ ィルター物質を調製するには、その物質をまず溶融又は溶解し、ついで少なくと も無機前駆体と混合することが必要である。この混合物は次いで原料ポリマーの それに類似の多孔性を持つように乾燥及び/又は硬化させねばならない。これは ハイブリッド物質に溶融した又は溶媒和した物質の新たな性質のため、不可能で はないにしても困難である。対照的に、本発明の方法を用いて同じ多孔性フィル ター物質を処理することにより、フィルター物質の物理的孔サイズ又は表面の形 態を変えることなく、望みの特性を予め 形成されたフィルター物質に与えることが可能である。 実施例13は、本発明の複合体がポリマー物質及び無機−有機ハイブリッド物 質の自由容積内に有機巨大分子ネットワーク及びヘテロポリ凝縮物ネットワーク を含むことを示す。本発明の複合体をさらに特徴付けるために、本発明の方法に よって調製された多様な物質について熱分析を行った。より具体的には、チタン 及びバナジウムのヘテロポリ凝縮物ネットワークをそれぞれ含む二つの別々のE CTFEフィルムについて、熱分解(「Td」)及び示差走査熱量測定(「DS C」)の研究を行った。このフィルムは実施例1、2及び4に記述した手順を用 いて調製した。その結果、物質の分解温度には無視可能な変化しかなく、そして その結晶化度の程度における変化も示さなかった(すなわち、元のポリマーの形 態における変化はなかった)。同様に、実施例1〜3に記述した手順を用いて、 二つのペルフルオロ化アルコキシ樹脂フィルムを処理して、一方はチタンのヘテ ロポリ凝縮物ネットワークを含みそして他方はバナジウムのそれを含むようにし た。これらの試料も分解温度又は結晶化度の程度に変化を示さなかった。最後に 、FEPの二つのフィルムを同様に処理したが、これもTd及びDSCの測定に 関して無視できる変化を示した。 これらの結果から、巨大分子ネットワークはポリマーマトリックス物質の自由 容積空間に沿って形成しそしてそのポリマーマトリックスの固有の構造(すなわ ち、結晶化度及び物理的形態)の形態を保存することが明らかである。実施例15−物質の機械的強度の増強及び/又は安定化 実施例8は、ポリマーマトリックスの化学的官能基及び電子的性質が如何にし て巨大分子バナジウムポリ凝縮物(すなわち、フルオロポリマー物質の中に組み 込まれたV25ネットワーク)内に含まれる金属センターの触媒活性を増強する ように作用することができたかを明らかにした。逆に、ポリマー又は無機−有機 ハイブリッド物質の中に組み込まれたヘテロポリ凝縮物ネットワーク内に含まれ る官能基は、マトリックス物質の化学的、熱的及び/又は機械的強度に影響する ように作ることができる。多くのポリマーは熱的に、化学的に、又は化学放射線 への曝露により物理的に又は化学的に分解することは良く知られている。これは 遂にはその物質の機械的強度の損失に至る。例えば、ECTFEの熱機械分析( 「Tm」)により、ECTFEが250℃又はその付近の温度に曝されると、機 械的強度が著しく減少する(すなわち、そのポリマーは溶融し流れ始める)こと が示される。 ポリマーマトリックスの自由容積の中に配置された巨大分子ネットワークに含 まれる官能基がポリマーマトリックス物質の化学的、熱的、及び/又は機械的強 度に影響を与えることができることを証明するために、ECTFEの2”×2” の断片2個を、実施例1、2及び4に記述したFEP試料と同じ方法で処理した 。ECTFEの一方の断片はV25のヘテロポリ凝縮物からなる巨大分子ネット ワークを含んでおり、そして他方はTiO2のヘテロポリ凝縮物を含んでいた。 両物質は、温度の関数として機械強度を測定する熱機械分析により分析された。 ECTFEフィルムがV25を組み込まれた場合には、増加する温度の関数とし てのその機械強度には 変化は観察されず、このことは、加熱した際、組み込まれたV25とECTFE ポリマーとの間にはほとんど又は全く相互作用がなかったことを示す。対照的に 、TiO2を組み込まれたECTFEについてのTm測定はその複合体を熱的に 処理した後にTiO2ポリ凝縮物ネットワークとECTFEとの相互作用を示し 、400℃又はその付近の温度までにECTFEの機械的強度の観察可能な損失 が生じた。これは未処理のECTFEと比べると125℃以上の増加であり、こ れはTiO2ネットワークが加熱の間に(複合体の最初の形成の後ではなく)E CTFEと相互作用し、そしてその構造を安定化するように作用し、これが今度 はその有用性の上125℃の温度でECTFEの機械的強度を保存しそして拡大 する。実施例16−写真用の要素及び支持層として用いられる静電防止物質 本発明の複合体は写真用の要素及び支持層として使用するための静電防止物質 として使用することができる。アンダーソンらの米国特許第5,284,714 号(「アンダーソンII」)は静電防止層及び熱厚化阻止層を含む写真用支持物質 を記述する。この特許は参照により本明細書にインコーポレートされる。この静 電防止層は、熱厚化性ポリアクリルアミド層で上塗りされている物質に適用され たV25フィルムを含んでいる。本発明の複合体はアンダーソンIIに使用された 静電防止層の代わりに使用することができる。例えば、静電防止用V25フィル ムのトップにポリアクリルアミドの薄層を適用する代わりに、本発明の方法を用 いてそのポリアクリルアミドの中に直接静電防止用のV25を単に組み込むこと ができる。 同様に、ジョンズらの米国特許第5,366,544号(「ジョンズ」)はV25をポリマー性セルローズアセテートバインダーの中へ混合することにより調 製される写真用イメージング要素として使用される静電防止層の使用を記述する 。この特許は参照により本明細書にインコーポレートされる。本発明の方法を使 用すれば、V25はセルローズアセテートバインダーの中へ直接組み込むことが できる。ついで、この物質はジョンズに記述された静電防止層の代わりに使用す ることができる。 最後に、ボストンらの米国特許第5,439,785号(「ボストン」)はV25、エポキシ−シラン、及びスルホポリエステルの静電防止層を含む写真用要 素を記述する。この特許は参照により本明細書にインコーポレートされる。本発 明の方法を用いれば、V25はエポキシ−シランにもスルホポリエステルにも容 易に組み込むことができ、そしてこれらの物質はボストンに開示された写真用要 素の静電防止層として使用することができる。実施例17−予め成型されたポリマー物質の中へ安定化された金属種の注入 FEPポリマーフィルムの2”×2”断片を100mgのフェロセンと共にガ ラス管に入れ、そしてこの管を真空系に連結し、10mトルより低い圧力になる までポンプで引いた。次に、FEPフィルムとフェロセンを含むガラス管を真空 下で密閉し、10mトルの圧力で反応管内のフェロセンを昇華させそして気相を 形成させるに は十分に高い80℃の油浴中に浸漬した。1時間後、このFEPを反応容器から 取り出し、そしてトルエンで30分間徹底的に濯いだ。この例では、注入された フェロセン分子は巨大分子ネットワークを形成せず、フェロセン分子の安定化は FEPポリマー内に含まれるフッ素官能基との錯体形成又は相互作用するその能 力に依存する。フェロセンの組み込みは紫外−可視分光法による分析により確認 された。実施例18−予め成型されたポリマー物質の中へπ−アリル金属錯体の注入 ポリマーフィルムをまず100mgのπ−アリル錯体と共に反応容器の中に入 れ、この容器を次に真空系に接続することができる。この容器を−196℃で1 0mトルより低い圧力までポンプで引く。空にされた容器を次に80℃で1時間 加熱する。ポリマーフィルムを反応容器から取り出し、ついでH2ガスの雰囲気 に曝す。これはポリマー内に含まれるアリル錯体をポリマー物質内で安定化され る還元型金属に変換すると同時にポリマーフィルムからプロパンガスを放出させ る。実施例19−メタノールとo−キシレンの触媒酸化 実施例1に記載された方法を用いて、MFA樹脂100mg(約0.5mmの 直径を持つビーズ)にバナジウム(約1重量%〜2重量%バナジウム)を注入し た。注入されたMFA樹脂を次にステンレススチールの容器の中に入れた。この 容器を密閉した後、大気圧下で、20%酸素と80%ヘリウムの混合ガスで容器 を満たすためガスポートを用いた。次に、5〜10μlのメタノールを導入し、 そして容器を60℃に2時間加熱した。ガスクロマトグラフィーを用いて生産物 を分析したところ、メタノールのホルムアルデヒドと蟻酸への変換が示された。 メタノールの代わりにo−キシレンを用いて同じ実験を行った。ガスクロマト グラフィー及び赤外分光法の両方の分析により、o−キシレンが無水フタル酸に 選択的に酸化されたことが明らかになった。 フルオロポリマー樹脂内へのチタンの注入は、良い不均一触媒、特に選択的酸 化反応を触媒するため及びそのそれぞれのオレフィン系ポリマーの中へのアルケ ンの重合を促進するために極めて適する不均一触媒を製造する筈である。場合に よっては、酸化反応はペルオキシド類(例えば、過酸化水素又は過酸化ベンゾイ ル)などのコ−還元剤又は金属ポルフィリンの存在下におけるオレフィンのエポ キシ化に普通に使用されるヨードソベンゼン、多くのコ−還元剤の別の例などを 必要とする。実施例20−汚れ防止組成物 実施例1に記述した方法を用いてMFA及びFEP両フルオロポリマーの中に バナジウムを注入した。注入されたMFA及びFEPは厚さ3ミル、8”×10 ”の形状を持つフィルムであった。これらのフィルムプラス参照用の2枚のMF AとFEPのフィルム(バナジウムを含んでいない)を次に4’×3’シートの ベニヤ板に接着し、これを次にサラソタの近くのフロリダのメキシコ湾側の二つ の海岸間の海洋水路に2ヵ月間置いた。2ヵ月後にベニヤ板のシー トを水から取り出したとき、ボード全体がフジツボ及び他の海洋甲殻類動物で覆 われていた。しかしながら、このボードを水で穏和に散布してやると、ほとんど 全ての甲殻類動物はバナジウムを注入されたMFA及びFEPフィルムから脱離 した。参照MFA及びFEPからの甲殻類動物の除去はほぼ50%に過ぎず、そ してベニヤ板に接着した甲殻類動物は水散布テスト後に100%完全に残ってい た。 MFA及びFEPシートからバナジウムが漏出したかどうかを決定するため、 バナジウム注入MFA及びFEPシートを熱い硝酸溶液に72時間以上漬けた。 高周波誘導結合プラズマ(「ICP」)原子吸光分光法及び紫外−可視分光法に よるこの溶液の分析は、その中にバナジウム錯体が存在しないことを示した。こ うして、一ppbの検出限界でバナジウムの漏出は観察されず、このことはMF A及びFEPの内側のバナジウム錯体は完全な状態で残っていたことを示唆する 。 これらの結果から、本発明の汚れ防止被覆は、それが被覆している表面から重 金属又は他の毒性物質を脱ぎ落とすことにより主として作用する従来の汚れ防止 用海洋被覆とは対照的に、その環境への沈積はないことが証明される。従って、 本発明の汚れ防止被覆は重金属の毒性効果に敏感な環境において特に有利である 。さらに、本発明の複合体は活性成分(例えば、金属)を放出することによって 作用するのでないから、この複合体は遙かに長い汚れ防止寿命を持つであろうこ とが予想される。実施例21−FEPへのSiCl4注入の前及び後におけるFEPの修飾 修飾FEP. 上に記述したようにH2/MeOHプラズマを用いてFEPを 修飾した。この実験のため、FEPを90秒間曝露を用いて修飾し、予定通りに 修飾された物質(すなわち、ESCA炭素1s領域で測定され観察された、僅か 2.8%の酸素及びC−F2と修飾されたC−OH官能基の間の約3:1の比) が生じた。 修飾FEP+SiCl4注入. この試料は好ましい修飾方法として上に述べ たようにH2とMeOHからなる90秒の高周波グロー放電を用いて製造した。 注入は、修飾されたFEPの4cm×6cm、2ミル厚のフィルムを、約1.0 gのSiCl4を含み10mトルより低い圧力まで減圧にされそして室温で1時 間反応させた減圧下の容器の中へ入れることにより行った。FEP試料を注入容 器から取り出した後、FEPをH2O中で超音波で洗浄し、SiCl4のポリ凝縮 物(例えば、−(SiOx−O−SiOx)−)への加水分解を行うと共に表面に 共有結合ではなく結合している生成シリケート又は物質の中へ永続的ではなく注 入されているシリケートを除去した。その後のESCAによる分析により、表面 は1.8%のシリコンを有しそして酸素の%は2.8%(修飾された非注入FE Pで測定されたもの)から7.2%まで増加することが示された。これらの結果 はシリケートがバルクの中でだけでなく、意外にも表面でも形成されたことを示 す。表2はSiCl4を注入された非修飾FEPについてのESCAの結果をリ ストする。非修飾FEPに対して注入を行ったとき、0.3%のSiと2.2% の酸素がFEP表面で測定された。こうして、FEPを最初に修飾することによ り、金属酸化物を注入されたバルクを持つフルオロポリマーの みならず、FEP物質の界面にシリケート(金属酸化物)の上塗りを有する物質 をも得ることができる。このシリケート上塗り金属、金属酸化物、ポリマー、生 物分子、及び燐光及び/又は発光物質を結合するために有用である。 注入された修飾FEPの酸素1s領域のX線光電子分光法による精査により二 つのバンドが示された、すなわち、約536.5に一つそして約533.5に一 つである。533.5バンドは表面に存在するシリケートに対応する。約536 .5に観察されたバンドは異常に高くそして注入された高い電気陰性度のFEP バルク内に含まれるシリケートの酸化物を示している。これは約102.8eV に中心がある一つのバンドのみを示す、Si2pのESCAの結果と一致してお り、これはシリケートに対して観察されるであろうものと一致する。これらの結 果を合わせると、フルオロポリマーの内部及び界面の両方で形成されたシリケー トの種は化学的性質が同一であるがフルオロポリマーマトリックスの内部に形成 されたシリケートは周りのフルオロポリマーの電気陰性度の影響を受け、これが 異なる電子的特性を有するバルクシリケートと表面シリケートとを生ずることが 示される。 SiCl4を注入された未修飾FEP。 修飾したFEPにSiCl4を注入す るための上に述べた条件と同一条件を用いて未修飾FEPにSiCl4を注入し た。それに続くSiCl4のシリケートへの加水分解が起こり、表2から見るこ とができるように、シリケートの極めて僅かな濃度だけが界面に観察される。こ の物質についてなされた唯一の観察はESCAスペクトルの酸素1s領域に関 するものであり、これは536.5と533.5にバンドを示す。536.5と 533.5のバンドは、二つの異なるESCA酸素1sバンドを化学的性質が類 似(すなわち、シリケート酸化物)であるが電予的性質が異なる(フルオロポリ マーのバルクに存在するシリケート対FEPの表面に存在するシリケートによる )ものであるとして説明する先の議論と一致する。これらの結果は上に述べたよ うなシリケートを注入された修飾FEP物質に対して報告されたものと、表面に 存在する酸素と関連するバンドが、注入されたFEPがまず修飾された場合には 遥かに大きいことを除き、類似する。これは、フルオロポリマーの表面の上にシ リコン酸化物の被覆を得るためにフルオロポリマー表面を修飾することの望まし さを示す上の結果と一致する。 実施例22−修飾及び未修飾フルオロポリマー内への注入 表3にリストした結果は、ハロポリマーのバルク内への金属及び金属酸化物の 注入(この実施例ではSiCl4を用いて行われた)は、ハロポリマーの表面層 をまず修飾することにより、ハロポリマ ーのバルク内だけでなくハロポリマーの表面でも同様に、注入された金属又は金 属酸化物の結合を達成できように、行うことができることを例示する。これは、 これらの物質の表面で酸素及びシリコンの三つ以上の形を示すESCA(又はX PS)の結果によりさらに証明される。ESCA実験の試料採取の深さにより、 検査された物質の表面及び界面バルクの両方で分子種及びポリマー種を観察させ るから、バルク内にある物質と空気界面にある物質の相違を識別することができ る。従って、上の実験は注入された物質内で観察されたときの酸素1s及びシリ コン2p官能基の両方に対する分光法の多重バンドを示す。本質的には修飾され た物質は、H2/MeOHのRFGD修飾(そのポリマー構造の中に含まれるペ ルフルオロアルコキシ官能基による酸素官能基を最初に含むMFA物質の場合を 除き)を用いて達成される表面修飾のため、酸素の組み込みに関連する唯一つの 酸素バンドを示す。SiCl4の注入、及びそれに続くそのシリケート物質への 加水分解の際、ESCAによる少なくとも一つの他の酸素バンド(場合によって は二つ以上)が観察された。これらの余分のバンドはポリマー内の異なる構造の シリコン酸化物及び表面において形成されたシリコン酸化物の形成によるものと 考えられる。例えば、バルク物質内のシリコン酸化物は電子吸引性ハロゲン官能 基の電気陰性特性により直接影響を受け、こうして、活性な酸化されたハロゲン 化ポリマーの表面に共有結合し増殖したシリコン酸化物種から測定されたものに 比べて異なる結合エネルギーをそれに与える。これは、非表面修飾ハロポリマー の注入と、反応性の表面酸素官能基を含むように予め修飾されたハロポリマーの 注入の間の相違を示す以下の実施例でも同様に示される。 実施例23−SiC14を注入された修飾ECTFE及び未修飾ECTFE 修飾ECTFE及び未修飾ECTFEの両方にSiCl4の注入のESCAに よる結果は、表面に存在するSiの原子%(これは表面金属酸化物の濃度に関連 する)がECTFE物質が修飾されている場合には未修飾のECTFE物質に比 べて大きいことを示す。特に、シリコン%(厳格にはシリコン酸化物による)は ECTFE物質が最初に修飾された場合には2.5%から9.0%まで増加する 。対応して、酸素%は8.9%から33.1%に増加する(再び、この増加はE CTFE物質について観察される)、これは表面に存在するシリコン酸化物の大 きな増加を示す。これはECTFEを最初に修飾することの効果によるものであ り、この効果が修飾されたECTFE表面への共有結合したシリコン酸化物の上 塗りを生ずる。この上塗りは注入された未修飾ECTFE物質では同程度には観 察されない。実施例24−TiCl4を注入された未修飾ハロポリマー及び表面修飾ハロポリ マー 種々の表面修飾及び未修飾ハロポリマーにTiCl4を注入し、ついで加水分 解してハロポリマーのバルク内及び修飾されたハロポリマーの表面にチタン酸化 物物質のナノスケールのネットワークを形成させた。注入プロセスはハロポリマ ーのフィルムをガラス容器中に置き、その容器を約10mトルまで又はそれ以下 に減圧にし、次いで減圧にされた容器にTiCl4を導入し、次いでこの容器を 90℃に加熱した。1時間後、ハロポリマーフィルムを周囲空気に取り出し、次 にまず蒸留水中で30分間超音波洗浄を行い、次にメタノール中で30分間超音 波洗浄した。 これらのハロポリマーフィルムについてESCA分析を行い、3種の異なるハ ロポリマーフィルム、すなわち、PTFE、MFA、及びECTFEから結果が 得られた。各物質について、二つの別のフィルムからデータを集めた。先の表面 修飾なしに注入されたものとH2/MeOHのRFGD表面修飾の後に注入され たものである。 修飾及び未修飾PTFEへの注入。 修飾PTFEは、ハロポリマー表面修飾 の好ましい方法として上に述べたH2/MeOHのRFGDプラズマに4分間曝 露を用いて調製した。ESCAの結果はこれらの物質の表面で測定されたチタン の%が0.25%(表面非修飾PTFEについて測定された)から0.60(表 面修飾PTFEについて測定された)まで増加したことを示した。チタン酸化物 による酸素%は4.1%(表面非修飾PTFEについて測定された)から7.8 %(表面修飾されたPTFEについて測定された)まで増加した。これらの結果 は、チタン酸化物(PTFEのバルク内に形成された)の成長をバルクからPT FE表面上にまで拡大するためにPTFE表面を最初に修飾することが望まれる ことを示す。ESCAの結果は二つの酸素バンド(バルク中に含まれる酸化物に よる536.4eVに一つ、そして表面に存在する酸化物による532.0eV に一つ)そして二つのチタンバンド(バルクのチタネートによる459.9eV に一つ、そして表面に存在するチタネートによる456.2eVに一つ)の存在 をも明らかにする。先に論じたように、二つの酸素バンドと二つのチタンバンド の観察はPTFE電気陰性官能基により強く影響を受けるバルク内におけるチタ ン酸化物の形成及びPTFEバルク内に存在するチタン酸化物物質のそれと顕著 に異なる酸素及びチタンのESCAシグナルを生ずる異なる電子的特性を持つ均 一物質として存在するようにバルクから外でのチタン酸化物の形成を示すもので ある。 修飾及び未修飾MFAへの注入。 修飾されたMFAは、ハロポリマー表面修 飾の好ましい方法として上に述べた、H2/MeOHのRFGDプラズマへの3 分間曝露を用いて調製した。ESCAの結果から、これらの物質の表面で測定さ れたチタンの%が0.20%(表面非修飾MFAについて測定した)から1.0 0(表面修飾MFAについて測定した)まで5倍増加したことが示された。チタ ン酸化物による酸素%は、8.9%(表面非修飾MFAについて測定した)から 10.25%(表面修飾MFAについて測定した)まで増加した。これらの結果 は、チタン酸化物(MFAのバルク内で 形成される)の成長をバルクからMFA表面まで広げるためにMFA表面を最初 に修飾することの望ましさを示す。ESCAの結果は、3個の酸素バンド(バル ク内に含まれるチタン酸化物による536.1eVに一つ、MFA物質内に含ま れるペルフルオロアルコキシ官能基による533.4eVに第2のバンド、そし て表面に存在するチタン酸化物による531.4eVに第3のバンド)の存在と 2個のチタンバンド(バルクチタネートによる459.4eVに一つ、表面に存 在するチタネートによる455.7eVに一つ)の存在をも明らかにする。先に 論じたように、二つの酸素バンドと二つのチタンバンドの観察は、MFA電気陰 性官能基により強く影響を受けるバルク内のチタン酸化物の形成、及びMFAバ ルク内に存在するチタン酸化物物質のそれとは顕著に異なる酸素及びチタンのE SCAシグナルを生ずる異なる電子的特性を持つ均一物質として存在するような バルクから外でのチタン酸化物の形成を示すものである。 修飾又は未修飾ECTFEへの注入。 修飾されたECTFEは、ハロポリマ ー表面の修飾の好ましい方法として上に述べたH2/MeOHのRFGDプラズ マへの90秒曝露を用いて調製した。ESCAの結果によれば、これらの物質の 表面で測定されたチタンの%は0.50%(表面非修飾ECTFEについて測定 された)から1.00%(表面修飾されたECTFEについて測定された)まで 2倍増加した。チタン酸化物による酸素の%は4.3%(表面非修飾ECTFE について測定された)から10.90%(表面修飾されたECTFEについて測 定された)まで増加した。これらの結果はチタン酸化物の成長(ECTFEのバ ルク内に形成された)をバ ルクからECTFE表面へと広げるためにECTFE表面を最初に修飾すること の望ましさを示すものである。ESCAの結果は、二つの酸素バンド(バルク内 に含まれるチタン酸化物による534.7eVに一つ、表面に存在するチタン酸 化物による531.1eVに別の一つ)の存在と二つのチタンバンド(バルクの チタネートによる457.2eVに一つ、そして表面に存在するチタネートによ る455.2eVに別の一つ)の存在をも明らかにする。先に論じたように、二 つの酸素バンドと二つのチタンバンドの観察はECTFEの電気陰性官能基によ り強く影響を受けるバルク内におけるチタン酸化物の形成と、ECTFEバルク 内に存在するチタン酸化物物質のそれとは顕著に異なる酸素及びチタンのESC Aシグナルを生ずる異なる電子的特性を有する均一物質として存在するようなバ ルクの外でのチタン酸化物の形成を示すものである。実施例25−液体及び気体の透過性を減少させるためのポリマーへの注入 多くの場合、ポリマー物質を通る液体及び気体の透過を減少させることが有用 である。例えば、クリンガーらの米国特許第5,298,291号は湿気防止剤 として有用なそしてポリマーネットワークを通る水の透過を防止し、こうして地 底に置かれる光ファイバー物質の水分に誘導される腐食を防止するために有用な ものとして光ファイバーのエポキシ−官能基化フルオロポリオールポリアクリレ ート被覆を記述する。この特許は参照により本明細書にインコーポレートされる 。別の例として、スティーブンスの米国特許第5,320,888号は、柔軟で あることと燃料の透過の防止に有用であるものとして、フルオロエラストマー、 非エラストマー性フルオロ ポリマー、及び非フッ素化エラストマーのラミネートを記述する。この特許は参 照により本明細書にインコーポレートされる。本発明の複合体及び本発明の方法 に従って製造される複合体は気体及び液体の両方の透過を防止するのに有用であ ると考えられる。ハロポリマーと非ハロポリマーは両方ともハロポリマー又は非 ハロポリマーの自由容積を満たすように作用することができる金属及び/又は金 属酸化物を注入することができ、こうして、ポリマーの密度を高めそして気体及 び液体の両方の透過を阻止する。気体及び液体の透過が防止される程度は金属及 び/又は金属酸化物の選択及びそのハロポリマー又は非ハロポリマー内の自由容 積内で金属及び/又は金属酸化物が成長するその程度により制御することができ る。 例えば、0.1gのTaF5を1.26g/cm3の密度を持つフィルムである ECTFEのハロポリマーフィルムを含むガラス容器の中に置いた。この容器を 10mトルより低い圧力まで減圧とし、ついで約150℃まで加熱した。1時間 後、容器からこのフィルムを取り出し、蒸留水中で30分間超音波にかけ、つい でMeOH中で30分間超音波をかけた。試料を乾燥した後、秤量し、密度を計 算すると、1.51g/cm3であった。こうして、チタン酸化物の形成は16 %の密度の増加をもたらした。TaOxの量の測定から、ECTFEフィルムに 添加されたTaOxの量は密度の増加16%と対応してほぼ2重量%であること が示された。この物質はフィルム密度の測定された増加に基づき気体及び液体の 透過性における顕著な減少が予想される。 また、ECTFE粉末(1ミクロンと10ミクロンの間の直径を 持つ)の数グラムをECTFEフィルムに対して上に述べたと同じ方法でTaF5 と反応させた。TaF5の注入後、TaF5は加水分解によりTaOxに変換した 。この粉末は熱散布か又はプラズマ散布により被覆物体に対して有用であると考 えられる。散布された被覆は注入されたECTFEフィルムのそれと同じ性質を もち、そしてTaOxを注入されなかったECTFEの散布被覆に比べて気体及 び液体透過性の減少という特性を有する被覆を生ずるであろう。 さらに、注入されたECTFE粉末は、表面湿潤性及び/又は良好な接着性を 与えるため、本明細書に記述された諸方法のいずれか(好ましくはH2/MeO H・RFGDプラズマ処理法)を用いて注入の前か又は後に表面を修飾すること ができる。これらの表面を修飾された注入粉末は、次に、例えば、熱散布法又は プラズマ散布法により、又は(その表面はより湿潤性であり接着性であるから) この粉末を塗料、ラッカー、又は、例えば、ローリング、刷毛塗り、又はスプレ ーにより適用できる他の樹脂中に混合することにより、他の物質を被覆するため に使用することができる。 本発明は例示の目的で詳細に記述されたが、このような詳細は単にその目的の ためであり、以下の請求の範囲により規定される本発明の精神及び範囲から逸脱 することなく、当技術分野の熟練者により変更を加えることができるものである ことが理解されるべきである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 101/00 C08L 101/00 G03C 1/89 G03C 1/89 H01B 1/12 H01B 1/12 C E F G H01M 8/02 H01M 8/02 P 8/10 8/10 // C08L 27/02 C08L 27/02 G03G 5/02 101 G03G 5/02 101Z (31)優先権主張番号 08/955,901 (32)優先日 平成9年10月22日(1997.10.22) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 08/997,012 (32)優先日 平成9年12月23日(1997.12.23) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,LS,M W,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY ,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM ,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,E S,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU,ID ,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ, LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,M G,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT ,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL, TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ,VN,Y U,ZW

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 複合体を製造する方法であって、 その中に自由容積を有するポリマーを提供する工程、 そのポリマーの自由容積を空にする工程、及び そのポリマーの空にされた自由容積の中へ無機又は有機分子を注入する 工程 を含んでなる方法。 2. そのポリマーの自由容積がポリマーの天然の自由容積である請求項1記載 の方法。 3. 無機又は有機分子を巨大分子ネットワークに組み立てるのに有効な条件の 下で無機又は有機分子を重合させる工程をさらに含んでなる、請求項1記載の方 法。 4. 該重合が光化学的に、化学的に、又は電気化学的に行われるものである、 請求項3記載の方法。 5. 該重合が無機又は有機分子を酸化、加水分解、または水素化することによ り行われるものである、請求項3記載の方法。 6. 酸化、加水分解、又は水素化が無機又は有機分子を水、酸素、水素、又は それらの組合せを含むガスに曝す工程を含むものである、請求項5記載の方法。 7. 該重合が無機又は有機分子を酸化又は加水分解することにより行われるも のでありそしてそのガスが周囲の空気である、請求項6記載の方法。 8. 無機又は有機分子が金属原子及びそれに結合するリガンドであって化学線 放射に曝すことによりその金属原子から開裂することができるリガンドを含んで いる無機分子であり、そして該重合が その無機分子を金属原子からリガンドを開裂させるのに有効な条件の下で 化学線の放射に曝す工程、及び それから開裂されるリガンドを持つ金属原子を、その金属原子を巨大分 子ネットワークに組立てさせるのに有効な条件の下で、酸素−含有又は水−含有 ガスに曝す工程、 を含むものである、請求項3記載の方法。 9. 無機又は有機分子がIIIa、IVa、Va、IVa、VIIa、又はVIIIa族金属のπ− アリル化合物であり、該重合が、 伝導性のゼロ原子価巨大分子金属ネットワークを形成させるのに有効な 条件の下で水素ガスとπ−アリル化合物を接触させる工程を含むものである、 請求項3記載の方法。 10. ポリマーが官能基を含むものであり、そして無機又は有機分子をポリマ ーの官能基と相互作用させるのに有効な条件の下で無機又は有機分子を処理する 工程をさらに含むものである、請求項1記載の方法。 11. 官能基がハロゲン原子である請求項10記載の方法。 12. 官能基がフッ素原子である請求項10記載の方法。 13. 該処理工程が光化学的に、化学的に、又は電気化学的に行われるもので ある請求項10記載の方法。 14. 該処理工程が無機又は有機分子を酸化、加水分解、又は水素化する工程 を含むものである、請求項10記載の方法。 15. 酸化、加水分解、又は水素化が、 無機又は有機分子を水、酸素、水素、又はそれらの組合せを含むガスに 曝す工程、 を含むものである、請求項14記載の方法。 16. 該処理が無機又は有機分子を酸化又は加水分解することにより行われる ものであり、そしてガスが周囲の空気である、請求項15記載の方法。 17. 無機又は有機分子が金属原子及びそれに結合したリガンドであって化学 線放射への曝露により金属原子から開裂することができるリガンドを含む無機分 子であり、そして該処理が、 金属原子からリガンドを開裂させるのに有効な条件の下で無機分子を化 学線放射に曝す工程及び それから開裂されるリガンドを持つ金属原子を、ポリマーの官能基と金 属原子を相互作用させるのに有効な条件の下 で、光化学的に、化学的に、電気化学的に、又は熱的に処理する工程、 を含むものである、請求項10記載の方法。 18. 該注入が非超臨界条件の下で行われるものである、請求項1記載の方法 。 19. 無機又は有機分子が気体状態でポリマーの自由容積の中へ注入されるも のである、請求項1記載の方法。 20. 該注入が、 無機又は有機分子を蒸気化して無機又は有機分子の蒸気を生成させる工 程、及び 無機又は有機分子の蒸気をそのポリマーと接触させる工程 を含むものである、請求項1記載の方法。 21. ポリマーがハロポリマー、ポリイミド、ポリアミド、ポリアルキレン、 ポリ(フェニレンジアミンテレフタルアミド)フィラメント、ポリエチレンテル フタレート、修飾されたセルローズ誘導体、澱粉、ポリエステル、ポリメタクリ レート、ポリアクリレート、ポリビニルアルコール、ビニルアルコールとエチレ ン系飽和モノマーのコポリマー、ポリビニルアセテート、ポリ(アルキレンオキ シド)、塩化ビニルのホモポリマー及びコポリマー、エチレンと一酸化炭素及び アクリル酸エステル又はビニルモノマーのテルポリマー、ポリシロキサン、ハロ ジオキソル及び置換ジオキソルのホモポリマー及びコポリマー、ポリビニルピロ リドン、又はそれらの組合 せを含むものである、請求項1記載の方法。 22. ポリマーがハロポリマーである、請求項1記載の方法。 23. ポリマーがフルオロポリマーを含むものである、請求項22記載の方法 。 24. ポリマーが約99%未満の結晶化度を持つものである、請求項1記載の 方法。 25. ポリマーがTgのガラス転移温度及びTdの熱分解温度を持つものであ り、該注入が約Tg−50℃から約Tdまでの温度でそして無機又は有機分子が 非ゼロ蒸気圧を持つ温度で行われるものである、請求項1記載の方法。 26. 無機又は有機分子が、VOCl3、W(CO)6、Fe(CO)5、Ti Cl4、SiCl4、AlCl3、PCl3、SbCl5、As(C253、Ba( C372、ボランのピリジン及びテトラヒドロフラン錯体、Cd(BF42、 Ca(OOCCH(C25)C492、2−エチルヘキサン酸セリウム(III)、 2−エチルヘキソキソイドセシウム、ナフテン酸クロム(III)、CrO2Cl2、 Co(CO)3NO、ジメチルアミノエトキシド銅(II)、トリエチルガリウム 、GeCl4、トリエチルインジウム、ナフテン酸鉛、C25MgCl、(CH3 2Hg、MoF6、Ni(CO)4、Nb(OC256、HReO4、Ta(O C255、C25Tl、SnCl4、第IIIa、IVa 、Va、VIa、VIIa、又はVIIIa族金属のπ−アリル化合物及びそれらの組合せから 成る群より選択されるものである、請求項1記載の方法。 27. 複合体がそのポリマーのそれと実質的に同じ柔軟性、結晶化度、又は熱 分解温度を持つものである、請求項1記載の方法。 28. 複合体の物理的、化学的、光学的、又は電気的性質を変えるのに有効な 条件下でその複合体を熱的に、化学的に、光化学的に、又は電気化学的に処理す る工程をさらに含むものである、請求項27記載の方法。 29. その中に天然の自由容積を持つポリマー、及び該ポリマーの天然自由容 積の中に配置された無機又は有機物質を含んで成る複合体。 30. 該複合体が該ポリマーの容積と実質的に等しい容積を持つものである、 請求項29記載の複合体。 31. 該天然の自由容積が担体液体を実質的に含まないものである、請求項2 9記載の複合体。 32. 該ポリマーのそれと実質的に同じ柔軟性、結晶化度、又は熱分解温度を 持つものである、請求項29記載の複合体。 33. 天然の自由容積が自由容積表面により規定されるものであ り、そして該無機又は有機物質がその自由容積表面の上又はそれに沿って層とし て存在するものである、請求項29記載の複合体。 34. 該ポリマーが官能基を含むものであり、そして該無機又は有機物質がそ のポリマーの官能基と相互作用をするものである、請求項29記載の複合体。 35. その官能基がハロゲン原子である、請求項34記載の複合体。 36. その官能基がフッ素原子である、請求項34記載の複合体。 37. 該無機又は有機物質が無機又は有機の巨大分子ネットワークである、請 求項29記載の複合体。 38. その無機又は有機の巨大分子ネットワークが無機の巨大分子ネットワー クである、請求項37記載の複合体。 39. その無機巨大分子ネットワークが式〔X(O)n−Oy−X(O)nmを 持つものであって、mが約1から約10,000までの整数であり、Xが+sの 荷電を持つ金属イオンを表し、sが1からその金属の最高に達し得る酸化状態ま での整数であり、yが0からsまでの整数であり、そしてnがゼロとs/2の間 の数である、請求項38記載の複合体。 40. その無機巨大分子ネットワークが第IIIa、IVa、Va、VI a、VIIa、又はVIIIa族金属を含む伝導性のゼロ−原子価巨大分子金属ネットワー クである、請求項38記載の複合体。 41. 無機又は有機巨大分子ネットワークが有機巨大分子ネットワークである 、請求項37記載の複合体。 42. その有機巨大分子ネットワークが式(−R−R−)nを持つものであっ て、nが約1〜約10,000の整数であり、そしてRがモノマーラジカルであ る、請求項40記載の複合体。 43. その有機巨大分子ネットワークがポリアセチレン、ポリピロール、ポリ アニリン、ポリチオフェン、又はこれらの組合せを含むものである、請求項40 記載の複合体。 44. 該ポリマーがハロポリマー、ポリイミド、ポリアミド、ポリアルキレン 、ポリ(フェニレンジアミンテレフタルアミド)フィラメント、ポリエチレンテ ルフタレート、修飾されたセルローズ誘導体、澱粉、ポリエステル、ポリメタク リレート、ポリアクリレート、ポリビニールアルコール、ビニールアルコールと エチレン系不飽和モノマーとのコポリマー、ポリ酢酸ビニール、ポリ(アルキレ ンオキシド)、塩化ビニールのホモポリマー及びコポリマー、エチレンと一酸化 炭素及びアクリル酸エステル又はビニールモノマーのテルポリマー、ポリシロキ サン、ハロジオキソールと置換ジオキソールのホモポリマー及びコポリマー、ポ リビニールピロリドン、又はこれらの組合せを含むものである、請求項29記載 の複合体。 45. 該ポリマーがハロポリマーを含むものである、請求項29記載の複合体 。 46. 該ポリマーがフルオロポリマーを含むものである、請求項45記載の複 合体。 47. 該ポリマーが約99%未満の結晶化度を持つものである、請求項29記 載の複合体。 48. VCの容積を持つ請求項29記載の複合体であって、その天然自由容積 が約1×10-6Cより大である複合体。 49. 該無機又は有機物質が、V、W、Fe、Ti、Si、Al、P、Sb、 As、Ba、B、Cd、Ca、Ce、Cs、Cr、Co、Cu、Ga、Ge、I n、Pb、Mg、Hg、Mo、Ni、Nb、Re、Ta、Tl、Sn、Ir、R h、Th、Ru、Os、Pd、pt、Zn、Au、Ag、及びこれらの組合せか ら成る群より選択される金属を含む無機物質である、請求項29記載の複合体。 50. 請求項29記載の複合体であってその無機又は有機物質が反応体の反応 を触媒するのに適するものを提供する工程、及び その反応を触媒するのに有効な条件の下でその複合体をその反応体と接 触させる工程、 を含んで成るその反応体のその反応を触媒する方法。 51. その反応体が気体状の反応体である、請求項50記載の方法。 52. その反応体がSO2であり、その無機又は有機物質がバナジウムを含む 無機巨大分子ネットワークである、請求項51記載の方法。 53. 該接触させる工程が超臨界条件の下で行われるものである、請求項51 記載の方法。 54. その反応が酸化反応であり、反応体が酸化可能な基質であり、そして該 接触工程が酸化剤の存在下に行われるものである、請求項51記載の方法。 55. その酸化可能な基質がメタノールであり、そして該方法がホルムアルデ ヒドと蟻酸を製造するものである、請求項54記載の方法。 56. その酸化可能な基質がo−キシレンであり、そして該方法が無水フタル 酸を製造するものである、請求項54記載の方法。 57. その酸化剤が酸素である、請求項54記載の方法。 58. 該方法が共還元剤の存在下に行われるものである、請求項54記載の方 法。 59. そのポリマーがフルオロポリマーである、請求項54記載の方法。 60. その無機物質がバナジウム又はチタンを含むものである、請求項54記 載の方法。 61. 断熱性支持体、 その支持体を上塗りする電気伝導層であって該電気伝導層が請求項29 記載の複合体を含むもの、及び その電気伝導層を上塗りする誘電性イメージング層、 を含んで成る電気伝導性イメージング用エレメント。 62. 基質、 その基質の上に直接的又は間接的に配置された光感受性の層、及び その基質の上に直接的又は間接的に配置された静電防止層であってその 静電防止層が請求項29記載の複合体を含むもの、 を含んで成る写真用エレメント。 63. 請求項29の複合体、 該複合体と電気的に接触している陽極、及び 該複合体と電気的に接触している陰極、 を含んで成る電解質燃料電池。 64. 電磁放射線源から放射される電磁線放射から物質をシールドする方法で あって、 請求項29記載の複合体であってその無機又は有機物質が金属を含むも のであるものを、物質と電磁放射線源の間に配置する工程、 を含んで成る方法。 65. 熱源又は炎源から物質をシールドする方法であって、その無機又は有機 物質が金属酸化物である請求項29記載の複合体を、その物質と熱源又は炎源の 間に配置する工程を含んで成る方法。 66. 生物による表面の汚れを防止する方法であって、その表面に、その中に 自由容積を持つポリマー及びそのポリマーの自由容積の中に配置された無機又は 有機物質を含む複合体を適用する工程を含んで成る方法。 67. その表面が水中を進む船、プロペラ、橋脚、又は管の表面である、請求 項66記載の方法。 68. その生物が好気性である、請求項66記載の方法。 69. その生物が海洋生物、水生生物、又は微生物である、請求項66記載の 方法。 70. その生物が甲殻類動物又はイガイである、請求項66記載の方法。 71. その無機物質が二酸素を触媒的に開裂させることができる ものである、請求項66記載の方法。 72. その無機物質がバナジウム又はチタンを含むものである、請求項66記 載の方法。 73. その表面が連続的又は断続的に水と接触しているものである、請求項6 6記載の方法。 74. 該適用する工程が、 シート状の複合体を提供する工程及びその表面にシート状の複合体を接 着させるのに有効な条件下でそのシート状複合体をその表面と接触させる工程、 を含むものである、請求項66記載の方法。 75. 該適用する工程が 硬化していない樹脂中に分散させたビーズ状又は粉末状の複合体を提供 する工程、 その表面と硬化していない樹脂中に分散させたビーズ状又は粉末状の複 合体を接触させる工程、及び その表面にビーズ状又は粉末状の複合体を接着させるのに有効な程度ま で硬化していない樹脂を硬化させる工程、 を含むものである、請求項66記載の方法。 76. 該接触させる工程が噴霧、スパタリング、塗装、又は浸漬を含むもので ある、請求項75記載の方法。 77. 該適用する工程が、 その表面に硬化していない樹脂を適用する工程、 その硬化していない樹脂とそのビーズ状又は粉末状の複合体を接触させ る工程、及び そのビーズ状又は粉末状の複合体をその表面に接着させるのに有効な程 度までその硬化していない樹脂を硬化させる工程、 を含むものである、請求項66記載の方法。 78. 該適用する工程が、 適当な溶媒中に分散させたビーズ状又は粉末状複合体を提供する工程、 その表面とその適当な溶媒に分散させたビーズ状又は粉末状複合体を接 触させる工程、及び その溶媒を蒸発させる工程、 を含むものである、請求項66記載の方法。 79. 該適用する工程が、 熱に基づく噴霧、スパタリング、又は浸漬により、又は高温プラズマ噴 霧法の使用により、ビーズ状又は粉末状の複合体をその表面の上に直接被覆する 工程を含むものである、請求項66記載の方法。 80. そのポリマーがフルオロポリマーを含むものである、請求項66記載の 方法。 81. 生物によるポリマー表面の汚れを防止する方法であって、 そのポリマー表面がその中に自由容積を有するポリマーを含むものであり、該方 法が、 そのポリマーのその自由容積を空にする工程、及び そのポリマーの空にされた自由容積の中に無機又は有機分子を注入する 工程、 を含むものである方法。 82. そのポリマー表面が水中を進む船、プロペラ、橋脚、管のポリマー表面 である、請求項81記載の方法。 83. その生物が好気性である、請求項81記載の方法。 84. その生物が海洋生物、水生生物、又は微生物である、請求項81記載の 方法。 85. その生物が甲殻類動物又はイガイである、請求項81記載の方法。 86. その無機物質が二酸素を触媒的に開裂させることができるものである、 請求項81記載の方法。 87. その無機物質がバナジウム又はチタンを含むものである、請求項81記 載の方法。 88. その表面が連続的又は断続的に水と接触しているものである、請求項8 1記載の方法。 89. そのポリマーがフルオロポリマーを含むものである、請求項81記載の 方法。 90. 表面を持つ物体であって、該表面の全部又は一部がその中に自由容積を 持つポリマー及びそのポリマーの自由容積の中に配置された無機又は有機物質を 含むものである物体。 91. その表面が連続的又は断続的に水と接触しているものである、請求項9 0記載の物体。 92. 該物体が、 外部表面を持つ船体、及び その中に自由容積を持つポリマー及びそのポリマーの自由容積の中に配 置された無機又は有機物質を含む複合体であって、該複合体が該船体の外部表面 の少なくとも一部に接着されているものである複合体、 を含む水中を進む船である、請求項90記載の物体。 93. 該物体が、 内部表面及び外部表面を持つ管壁、及び その中に自由容積を持つポリマー及びそのポリマーの自由容積の中に配 置された無機又は有機物質を含む複合体であって、該管壁の内部表面、外部表面 、又は両方の少なくとも一部に接着している複合体、 を含む管である、請求項90記載の物体。 94. 該物体が、 連続的又は断続的に水と接触している表面を持つ支持体、及び その中に自由容積を持つポリマー及びそのポリマーの自由容積の中に配 置された無機又は有機物質を含む複合体であって、該支持体の表面の少なくとも 一部に接着している複合体、 を含む静止構造体である、請求項90記載の物体。 95. その静止構造体が掘削用プラットホーム、石油製造用の油田掘削装置、 橋、及び橋脚からなる群より選択されるものである、請求項94記載の物体。 96. その無機又は有機物質が無機又は有機巨大分子ネットワークである、請 求項90記載の物体。 97. その無機物質がバナジウム又はチタンを含むものである、請求項90記 載の物体。 98. オキシハロポリマー複合体を製造する方法であって、 その中に自由容積を持つオキシハロポリマーを提供する工程、 そのオキシハロポリマーの自由容積を空にする工程、及び そのオキシハロポリマーの空にされた自由容積の中に無機又は有機分子 を注入する工程、 を含んで成る方法。 99. 該オキシハロポリマーを提供する工程が、 ハロポリマーを提供する工程、 ハロポリマーの表面ハロゲン原子の少なくとも一部を水素原子及び酸素 原子又は酸素含有ラジカルで置換するのに有効な条件の下でハロポリマーの表面 のハロゲン原子を修飾する工程、 を含んで成る、請求項98記載の方法。 100. ハロポリマーの表面ハロゲン原子が真空下にガス−蒸気の高周波グロ ー放電により修飾されるものである請求項99記載の方法であって、 ハロポリマーのハロゲン原子の少なくとも一部を、共有結合した水素 原子及び酸素原子又は酸素含有ラジカルで置換するのに有効な条件の下でかつ真 空下で、そのハロポリマーを少なくとも一つの高周波グロー放電に曝しながら、 そのハロポリマーをガス/蒸気プラズマ混合物と接触させる工程を含むものであ る方法。 101. オキシハロポリマー複合体を製造する方法であって、 ハロポリマー複合体を提供する工程、及び そのハロポリマー複合体の表面ハロゲン原子の少なくとも一部を水素 原子及び酸素原子又は酸素含有ラジカルで置換するのに有効な条件の下で、その ハロポリマー複合体の表面ハロゲン原子を修飾する工程、 を含んで成る方法。 102. 該ハロポリマー複合体を提供する工程が、 その中に自由容積を持つハロポリマーを提供する工程、 そのハロポリマーの自由容積を空にする工程、及び そのハロポリマーの空にされた自由容積の中へ無機又は有機分子を注 入する工程、 を含むものである、請求項101記載の方法。 103. そのハロポリマー複合体の表面ハロゲン原子が真空下でガス−蒸気の 高周波グロー放電により修飾されるものである、請求項101記載の方法であっ て、 そのハロポリマー複合体の表面ハロゲン原子の少なくとも一部を、共 有結合した水素原子及び酸素原子又は酸素含有ラジカルで置換するのに有効な条 件の下でかつ真空下で、そのハロポリマー複合体を少なくとも一つの高周波グロ ー放電に曝しながらそのハロポリマー複合体をガス/蒸気プラズマ混合物と接触 させる工程、 を含むものである方法。 104. 表面オキシハロゲン化非ハロポリマー複合体を製造する方法であって 、 その中に自由容積を持つ表面オキシハロゲン化非ハロポリマーを提供 する工程、 その表面オキシハロゲン化非ハロポリマーの自由容積を空にする工程 、及び その表面オキシハロゲン化非ハロポリマーの空にされた自由容積の中 に無機又は有機分子を注入する工程、 を含む方法。 105. 該表面オキシハロゲン化非ハロポリマーを提供する工程が、 その中に自由容積を持つ表面ハロゲン化非ハロポリマーを提供する工 程、及び その表面ハロゲン化非ハロポリマーの表面ハロゲン原子の少なくとも 一部を水素原子及び酸素原子又は酸素含有ラジカルで置換するのに有効な条件の 下に、表面ハロゲン化非ハロポリマーの表面ハロゲン原子を修飾する工程、 を含むものである、請求項104記載の方法。 106. 該表面ハロゲン化非ハロポリマーを提供する工程が、 その中に自由容積を持つ非ハロポリマーを提供する工程、及び その非ハロポリマーの表面にハロゲン原子又はハロ炭素又はハロ炭化 水素のフィルムを分子的に結合させるのに有効な条件の下で、その非ハロポリマ ーの表面をハロゲン原子又はハロ炭素又はハロ炭化水素のフィルムと接触させる 工程、 を含むものである、請求項105記載の方法。 107. その表面ハロゲン化非ハロポリマーの表面ハロゲン原子が真空下にガ ス−蒸気の高周波グロー放電により修飾されるものである請求項105記載の方 法であって、 その表面ハロゲン化非ハロポリマーの表面ハロゲン原子の少なくとも一 部を、共有結合した水素原子及び酸素原子又は酸素含有ラジカルで置換するのに 有効な条件の下でかつ真空下に、その表 面ハロゲン化非ハロポリマーを少なくとも一つの高周波グロー放電に曝しながら その表面ハロゲン化非ハロポリマーをガス/蒸気プラズマ混合物と接触させる工 程、 を含むものである方法。 108. その表面オキシハロゲン化非ハロポリマーがハロ炭素又はハロ炭化水 素のフィルムで修飾される表面を持つ非ハロポリマーを含むものであり、その非 ハロポリマーとハロ炭素又はハロ炭化水素のフィルムの両者がその中に自由容積 を持つものである請求項104記載の方法であって、 そのハロ炭素又はハロ炭化水素のフィルムの自由容積を空にする工程 、及び そのハロ炭素又はハロ炭化水素のフィルムの空にされた自由容積の中 に無機又は有機分子を注入する工程、 をさらに含むものである方法。 109. 表面オキシハロゲン化非ハロポリマー複合体を製造する方法であって 、 表面ハロゲン化非ハロポリマー複合体を提供する工程、及び その表面ハロゲン化非ハロポリマー複合体の表面ハロゲン原子の少な くとも一部を水素原子及び酸素原子又は酸素含有ラジカルで置換するのに有効な 条件の下で、その表面ハロゲン化非ハロポリマー複合体の表面ハロゲン原子を修 飾する工程、 を含んで成る方法。 110. 該表面ハロゲン化非ハロポリマー複合体を提供する工程が、 その中に自由容積を持つ表面ハロゲン化非ハロポリマーを提供する工 程、 その表面ハロゲン化非ハロポリマーの自由容積を空にする工程、及び その表面ハロゲン化非ハロポリマーのその空にされた自由容積の中に 無機又は有機分子を注入する工程、 を含むものである、請求項109記載の方法。 111. その表面ハロゲン化非ハロポリマーがハロ炭素又はハロ炭化水素のフ ィルムで修飾される表面を持つ非ハロポリマーを含むものであり、非ハロポリマ ーとハロ炭素又はハロ炭化水素フィルムの両者がその中に自由容積を持つもので ある請求項109記載の方法であって、 そのハロ炭素又はハロ炭化水素のフィルムの自由容積を空にする工程 、及び そのハロ炭素又はハロ炭化水素フィルムの空にされた自由容積の中に 無機又は有機分子を注入する工程、 をさらに含むものである方法。 112. 該表面ハロゲン化非ハロポリマー複合体を提供する工程が、 非ハロポリマー複合体を提供する工程、及び その非ハロポリマー複合体の表面にハロゲン原子又はハロ炭素もしく はハロ炭化水素のフィルムを分子的に結合させるのに 有効な条件の下で、その非ハロポリマー複合体の表面をハロゲン原子又はハロ炭 素もしくはハロ炭化水素のフィルムと接触させる工程、 を含むものである、請求項109記載の方法。 113. 該非ハロポリマー複合体を提供する工程が、 その中に自由容積を持つ非ハロポリマーを提供する工程、 その非ハロポリマーの自由容積を空にする工程、及び その非ハロポリマーの空にされた自由容積の中に無機又は有機分子を 注入する工程、 を含むものである、請求項112記載の方法。 114. その表面ハロゲン化非ハロポリマー複合体の表面ハロゲン原子が真空 下にガス−蒸気の高周波グロー放電により修飾されるものである請求項109記 載の方法であって、 その表面ハロゲン化非ハロポリマー複合体の表面ハロゲン原子の少な くとも一部を、共有結合した水素原子及び酸素原子又は酸素含有ラジカルで置換 するのに有効な条件の下でかつ真空下に、その表面ハロゲン化非ハロポリマー複 合体を少なくとも一つの高周波グロー放電に曝しながら、その表面ハロゲン化非 ハロポリマー複合体をガス/蒸気プラズマ混合物と接触させる工程、 を含むものである方法。 115. その中に自由容積を有するオキシハロポリマー、及び 該オキシハロポリマーのその自由容積の中に配置された 無機又は有機物質を含んで成るオキシハロポリマー複合体。 116. その中に自由容積を持つ表面オキシハロゲン化非ハロポリマー、及び 該表面オキシハロゲン化非ハロポリマーのその自由容積の中に配置さ れた無機又は有機物質、 を含んで成る表面オキシハロゲン化非ハロポリマー複合体。 117. 請求項116記載の表面オキシハロゲン化非ハロポリマー複合体であ って、該表面オキシハロゲン化非ハロポリマーがハロ炭素又はハロ炭化水素のフ ィルムで修飾される表面を持つ非ハロポリマーを含むものであり、その非ハロポ リマーとそのハロ炭素又はハロ炭化水素のフィルムの両者がその中に自由容積を 有するものであり、そしてその無機又は有機物質がその非ハロポリマーの自由容 積及びそのハロ炭素又はハロ炭化水素のフィルムの自由容積の中に配置されるも のである複合体。
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