JPH10249985A - 有機/金属酸化物複合薄膜の製造方法 - Google Patents

有機/金属酸化物複合薄膜の製造方法

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JPH10249985A
JPH10249985A JP9056654A JP5665497A JPH10249985A JP H10249985 A JPH10249985 A JP H10249985A JP 9056654 A JP9056654 A JP 9056654A JP 5665497 A JP5665497 A JP 5665497A JP H10249985 A JPH10249985 A JP H10249985A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】極めて薄い金属酸化物薄膜と有機化合物薄膜と
からなる有機/金属酸化物複合薄膜を、厚み精度良く、
且つ確実に形成し得る製造方法を提供する。 【解決手段】水酸基またはカルボキシル基を有する固体
表面に、該固体の水酸基またはカルボキシル基と縮合反
応し且つ加水分解により水酸基を生成し得る基を有する
金属化合物を接触させることにより該金属化合物を化学
吸着させ、次いで、過剰の金属化合物を除去した後、上
記固体表面に存在する金属化合物を加水分解して金属酸
化物薄膜を形成させ、さらに、形成された金属酸化物薄
膜の表面に、該金属酸化物薄膜表面に化学吸着し得る有
機化合物を接触させ、過剰の有機化合物を除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体表面に有機/
金属酸化物複合薄膜を、製造するための新規な方法に関
する。詳しくは、極めて薄い有機/金属酸化物複合薄膜
を、厚み精度良く、且つ確実に形成し得る有機/金属酸
化物複合薄膜の製造方法である。
【0002】
【従来の技術】有機化合物と金属酸化物から構成される
複合材料には、それぞれの材料にはない力学的、物理
的、化学的特性が期待でき、その開発が様々な分野で強
く要求されている。実際、高分子化合物と金属酸化物か
らなる複合材料は、高分子の強靱さと酸化物の剛直さを
合わせた力学的特性を有することから、今日の重要な構
造材料の一つとして位置づけられている。また、高分子
と金属酸化物の複合材料は、弾性や耐摩耗性、化学的安
定性に優れており、将来のタイヤやシールド材として期
待されている。有機分子を含有した金属酸化物は、汎用
材料の着色から新規な光学素子に至るまで広範囲の応用
が模索されている。さらに分子、原子レベルで混合した
複合材料は、これまでには無い全く新しい特性を示す物
質群となり得る。
【0003】このような複合材料の特性は、薄膜となっ
て初めて実用的な意味を持つものが多い。たとえば、今
日の半導体産業では、電子デバイスの一層の高集積化が
重要な技術目標となっているが、このためには、ナノレ
ベルで膜厚制御された安定な絶縁薄膜が必要不可欠であ
る。また、ハードディスク等の機械的摩擦を生じる精密
電子機器においては、適度な柔らかさと耐摩耗性という
一見相反する特性を有する薄膜が必要とされる。
【0004】また、今後実用化が期待されているオプト
エレクトロニクス分野においては、反射効率のよい薄膜
コーティング技術が模索されており、ナノレベルで精密
かつ均一な積層型薄膜製造プロセスの開発が重要な技術
課題となっている。特に光ファイバーや光導波路の製造
においては、微細かつ複雑な形状の基盤への薄膜コーテ
ィング技術の確立が急務とされている。色素などの分極
率が大きい有機分子が規則配向した複合薄膜は、SHG
素子を製造する上での大きなターゲットとなっている。
【0005】更に、種々の化学物質の分離膜や海水脱塩
に使用される逆浸透膜等においては、表面の超薄層の構
造がその性能に大きな影響を及ぼすことが知られてい
る。この場合、薄膜構造の分子・原子的な構造制御を如
何に実現するかが重要な課題となっている。
【0006】金属酸化物薄膜と有機化合物とから形成さ
れる有機/金属酸化物複合薄膜には、構造材料あるいは
汎用製品の物理、化学的特性を改質する手段としても、
多くの注目を集めている。透明性が必要なプラスチック
製品への薄膜コーティングによる熱的、化学的、力学的
安定性の付与は、眼鏡から自動車のフロントガラスに至
るまで高分子材料の広範囲な適用を可能にするものと考
えられている。もちろん、これらを社会的に広く普及さ
せるためには、安価な薄膜製造プロセスの開発が重要な
ブレークスルーと考えられている。
【0007】複合材料中の金属酸化物が量子サイズ領域
(数ナノメートル以下)まで薄膜化された場合、物質本
来のエネルギー状態が離散的になり、高効率なエネルギ
ー変換や電気化学反応の実現が可能となる。
【0008】これらの多くの技術分野において、複合薄
膜の製造プロセスに共通する必要条件は、組成や構造が
ナノレベルで制御された薄膜をより安価にかつ温和な条
件下で製造することである。同時に、求められる力学
的、光学的、化学的、熱的、電子的特性を任意に設計す
ることが可能な薄膜製造プロセスであることが必要とさ
れている。
【0009】従来、有機/金属酸化物複合薄膜を製造す
る方法としては、以下のような手法が知られている。例
えば、ゾルーゲル法では、金属アルコキシドと有機分子
の混合溶液に必要に応じて水や有機溶媒を添加し、この
溶液をディップあるいはスピンコーティングすること
で、数μmの厚みの薄膜が得られる。しかしながら、こ
の場合、ゲルコーティング膜の膜厚が、ゾル溶液の粘度
や密度等の流体力学的な物理量によって決定されるた
め、0.1μm以下の均一な薄膜を作成することが非常
に困難である。
【0010】粘土鉱物やヘテロ、イソポリイオンを、こ
れらと反対の電荷を有する有機高分子電解質と交互に吸
着させることで、固体基板上に有機/金属酸化物複合フ
ィルムを作製することが可能である。この方法では、吸
着順序や吸着回数を選択することで、薄膜構造の自在な
制御が可能である。しかしながら、使用できる有機高分
子電解質や無機イオンに限りがあり、現時点では、広く
一般的な方法となり得ていない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上のとおり、ナノレ
ベルで薄厚や組成を制御することが可能な、実用的な有
機/金属酸化物複合薄膜の製造プロセスは、現時点では
見あたらない。従来の薄膜製造プロセスの問題点を考慮
すると新しい薄膜製造プロセスに必要とされる条件は、
一般性のある前駆体から、ナノレベルの精密さで薄膜を
生産性よく製造することであり、さらに、様々な薄膜特
性の要求に随時対応できるよう、その製造プロセス自身
が薄膜構造を設計可能な製造プロセスであることであ
る。
【0012】そこで、本発明は、簡便な操作で汎用性が
あり、精密かつ構造設計が可能で高強度の有機/金属酸
化物複合薄膜の製造プロセスを提供することを目的とし
ている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を行った。その結果、金属アルコ
キシド化合物を水酸基あるいはカルボキシル基を有する
固体表面に過剰量接触させて化学吸着せしめ、該固体表
面に物理的に吸着する過剰の金属アルコキシド化合物を
除去した後、該固体表面に存在する金属アルコキシド化
合物を加水分解し、次いで、該固体表面と化学吸着し得
る有機化合物を接触させることにより有機化合物を化学
吸着させ、過剰の有機化合物を除去することにより、形
成される有機/金属酸化物複合薄膜の厚みが、金属アル
コキシド化合物と有機化合物の吸着飽和によって規制さ
れているため、一定厚みの有機/金属酸化物複合薄膜が
形成されること、また、かかる操作を繰り返すことによ
り、該有機/金属酸化物複合薄膜を厚み精度良く逐次形
成可能であること、更に、上記有機/金属酸化物複合薄
膜の逐次形成において、使用する金属化合物について金
属の種類を変えることにより、ハイブリッドな有機/金
属酸化物複合薄膜を形成し得ることを見い出し、本発明
を完成するに至った。
【0014】即ち、本発明は、水酸基またはカルボキシ
ル基を有する固体表面に、該固体の水酸基またはカルボ
キシル基と縮合反応し且つ加水分解により水酸基を生成
し得る基を有する金属化合物を接触させることにより該
金属化合物を化学吸着させ、次いで、過剰の金属化合物
を除去した後、上記固体表面に存在する金属化合物を加
水分解して金属酸化物薄膜を形成させ、さらに、必要に
応じて形成された金属酸化物薄膜の表面上に上記金属酸
化物薄膜を形成させる操作を1回以上施した後、表面層
を構成する金属酸化物薄膜の表面に、該金属酸化物薄膜
表面に化学吸着し得る有機化合物を接触させ、過剰の有
機化合物を除去することで有機化合物薄膜を形成させる
ことを特徴とする有機/金属酸化物複合薄膜の製造方法
である。
【0015】また、本発明は、上記方法による有機/金
属酸化物複合薄膜の製造方法において、有機化合物とし
て、形成される有機化合物薄膜表面に水酸基またはカル
ボキシル基が存在し得るものを用いて実施し、それによ
り形成された有機化合物薄膜表面上に、上記方法におけ
る金属酸化物薄膜を形成させる操作を少なくとも1回以
上施すことを特徴とする有機/金属酸化物複合薄膜の製
造方法を提供する。
【0016】さらに、本発明は、上記方法において形成
された有機/金属酸化物複合薄膜のの表面層を構成する
金属酸化物薄膜の表面上に、さらに上記方法における有
機化合物薄膜を形成させる操作と金属酸化物薄膜を形成
させる操作を少なくとも1回以上施す操作とを交互に繰
り返して施し、有機/金属酸化物複合薄膜を逐次形成す
ることを特徴とする有機/金属酸化物複合薄膜の製造方
法も提供する。
【0017】さらに、本発明は、上記有機/金属酸化物
複合薄膜を逐次形成させる方法において、金属酸化物薄
膜と有機化合物薄膜とが各々一層ずつ交互に形成される
ように実施することを特徴とする有機/金属酸化物複合
薄膜の製造方法も提供する。
【0018】そしてさらに、本発明は、前記方法での逐
次形成される有機/金属酸化物複合薄膜において、金属
酸化物薄膜または有機化合物薄膜の少なくとも1層を他
層の金属酸化物層または有機化合物薄膜と異なる金属化
合物または有機化合物によって形成することを特徴とす
る有機/金属酸化物複合薄膜の製造方法も提供する。
【0019】本発明の方法においては、以上の操作によ
り、固体表面に数ナノメートルの範囲で膜厚が制御され
た有機/金属酸化物複合薄膜を形成することができる。
このような薄膜が形成されるのは、以下のような原理に
基づくものと推定される。
【0020】即ち、先ず、表面に水酸基またはカルボキ
シル基を有する固体を、アルコキシル基を有する金属化
合物、金属アルコキシドゲルの微粒子、固体表面の水酸
基と化学吸着可能な金属錯体等の金属化合物の溶液に浸
漬させると、該金属化合物が固体表面と結合して強く吸
着される。その際、金属化合物は、固体表面と化学吸着
するのみならず、弱い物理吸着種として過剰に吸着す
る。これを適当な時間および温度で洗浄すると、弱い物
理吸着種のみが洗浄され、固体表面には化学吸着した金
属化合物の一分子の厚みの薄膜が形成される。次に、こ
の固体を適当な温度の水の中に適当な時間浸漬する、あ
るいは水蒸気を含んだ空気中に曝すと、表面に吸着した
金属化合物の分子が加水分解し、互いに縮合することで
酸化物の薄膜が形成され、同時に、その表面には新たな
水酸基が形成される。尚、加水分解と同時に金属化合物
の金属原子が空気酸化され金属酸化物を形成する反応も
同時に起こる場合もある。
【0021】そうして、このようにして形成された金属
酸化物薄膜に、該薄膜表面に化学吸着し得る官能基を有
する有機化合物の溶液を浸漬させると、該有機化合物が
金属酸化物薄膜表面と結合して強く吸着される。これを
適当な時間および温度で洗浄すると、弱い物理吸着種の
みが洗浄され、金属酸化物表面には化学吸着した有機化
合物の一分子の厚みの薄膜が形成される。また、上記薄
膜形成を、水酸基やカルボキシル基を複数有する有機化
合物等を用いて実施した場合には、形成される上記有機
化合物薄膜の表面に、水酸基やカルボキシル基を存在さ
せることができる。こうした場合には、再度、この有機
化合物薄膜表面の水酸基やカルボキシル基を利用して、
その上に前記金属酸化物薄膜を形成させることが可能に
なる。
【0022】このような操作を繰り返すことにより、本
発明では、有機/金属酸化物複合薄膜を逐次形成させる
ことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明において、金属酸化物薄膜
を形成させる固体は、表面に水酸基やカルボキシル基を
有するものであれば特に制限されない。例えば、表面に
これらの基を有する、有機物、無機物、金属等の様々な
固体に適用することができる。具体的には、ガラス、酸
化チタン、シリカゲル等の無機物よりなる固体、ポリア
クリル酸、ポリビニルアルコール、セルロース、フェノ
ール樹脂等の有機物よりなる固体、表面が酸化され易い
特性を有する鉄、アルミニウム、シリコン等の金属が代
表的である。
【0024】また、表面に水酸基を持たない固体、例え
ば、硫化カドミウム、ポリアニリン、金等に本発明を適
用する場合には、該固体表面には、水酸基またはカルボ
キシル基を導入する方法が推奨される。水酸基の導入
は、公知の方法が特に制限なく採用される。例えば、金
の表面には、メルカプトエタノールなどの吸着により、
水酸基を導入することができる。
【0025】上記固体表面に存在させる水酸基またはカ
ルボキシル基の量は、形成される金属酸化物薄膜の密度
に影響を及ぼすため、良好な金属薄膜を形成しようとす
る場合、一般には、5.0×1013〜5.0×1014
量/cm2、好ましくは、1.0×1014〜2.0×1
14当量/cm2の範囲が適当である。
【0026】また、固体の形状、表面状態は、特に制限
されない。即ち、本発明の方法は、固体表面に金属化合
物を接触させることにより、化学吸着せしめることによ
るため、該表面は平滑である必要がなく、材質や形状に
も様々なものを選択できる。
【0027】また、本発明が適用可能な固体の形状、大
きさは、繊維状、ビーズ状、粉末状、薄片状、などの様
々な形態の固体表面、あるいはチューブの内壁やフィル
ターや多孔質物質の内部表面から壁等の大面積のものま
で多様である。
【0028】本発明において、金属化合物は、固体表面
の水酸基またはカルボキシル基と縮合反応し且つ加水分
解により水酸基を生成し得る基を有する公知の化合物が
特に制限なく使用される。代表的な金属化合物を例示す
れば、チタンブトキシド(Ti(O-nBu)4)、ジルコニウム
プロポキシド(Zr(O-nPr)4)、アルミニウムブトキシド
(Al(O-nBu)3)、ニオブブトキシド(Nb(O-nBu)5)等の
金属アルコキシド化合物;メチルトリメトキシシラン
(MeSi(O-Me)3)、ジエチルジエトキシシラン(Et2Si(O
-Et)2)等、2個以上のアルコキシル基を有する金属ア
ルコキシド;アセチルアセトン等の配位子を有し2個以
上のアルコキシル基を有する金属アルコキシド;BaTi(O
R)Xなどのダブルアルコキシド化合物;などの金属アル
コキシド類が挙げられる。
【0029】また、本発明では、上記金属アルコキシド
類の他に、該金属アルコキシドに少量の水を添加し、部
分的に加水分解、縮合させて得られるアルコキシドゲル
の微粒子、チタンブトキシドテトラマー(C4H9O[Ti(OC4
H9)2O]4C4H9)等、複数個あるいは複数種の金属元素を
有する二核或いはクラスター型のアルコキシド化合物、
酸素原子を介して一次元に架橋した金属アルコキシド化
合物に基づく高分子などを使用することも可能である。
【0030】さらに、本発明では、固体表面の水酸基と
化学吸着し、加水分解等によって表面に新たな水酸基を
生じるような金属錯体をも、前記金属化合物として使用
することが可能である。上記金属錯体としては、具体的
には、塩化コバルト(CoCl2)等の金属ハロゲン化物、
チタニウムオキソアセチルアセテート(TiO(aca
c)2)、ペンタカルボニル鉄(Fe(CO)5)等の金属カル
ボニル化合物、ならびにこれらの多核クラスターも使用
することができる。
【0031】本発明の金属化合物は、必要に応じて、二
種以上を組み合わせて使用することにより、固体表面に
複合酸化物薄膜を形成することも可能である。
【0032】本発明において、金属化合物と固体との接
触は、該金属化合物を飽和吸着量で該固体表面に吸着さ
せる接触方法が特に制限なく採用される。一般には、金
属化合物を有機溶媒に溶解させた溶液に、固体を浸漬す
るか、該溶液をスピンコート等の方法により固体表面に
塗布する方法が好適である。上記溶媒は、特に制限され
ない。例えば、金属アルコキシド類の場合、一般に、メ
タノール、エタノール、プロパノール、トルエン、四塩
化炭素、ベンゼン等を単独で或いはこれらを混合して使
用することができる。
【0033】また、上記溶液中の金属化合物の濃度は、
10〜100mM程度が好適である。
【0034】更に、接触時間及び温度は、用いる金属化
合物の吸着活性によって異なり、一概に限定することは
できないが、一般には、3〜20分の時間で、室温〜5
0℃の範囲内で決定すればよい。
【0035】更にまた、上記化学吸着の際、酸や塩基な
どの触媒を用いることで、これらの工程に必要な時間を
大幅に短縮することも可能である。
【0036】上記操作により、固体表面には、その表面
の水酸基またはカルボキシル基に対して、飽和吸着量の
金属化合物と物理吸着による過剰の金属化合物とが存在
する。
【0037】本発明において、重要な要件は、上記過剰
に吸着する金属化合物を除去することにある。即ち、過
剰に存在する金属化合物を除去することにより、固体表
面に化学吸着する金属化合物の層により金属酸化物薄膜
が形成されるため、該金属化合物の存在量に基づいて、
極めて精度良く、且つ高い再現性で金属酸化物薄膜を形
成することができる。
【0038】上記過剰の金属化合物の除去方法は、該金
属化合物を選択的に除去する方法であれば特に制限され
ない。例えば、前記有機溶媒により洗浄する方法が好適
である。洗浄は、該有機溶媒に、浸漬洗浄する方法、ス
プレー洗浄する方法、蒸気洗浄する方法等が好適に採用
される。また、洗浄温度は、前記接触操作における温度
が好適に採用される。
【0039】本発明において、上記の過剰の金属化合物
の洗浄後、加水分解を行う。かかる加水分解により、該
金属化合物が縮合し、金属酸化物薄膜が形成される。
【0040】上記加水分解は、公知の方法が特に制限な
く採用される。例えば、金属化合物を吸着させた固体を
水に浸漬する操作が最も一般的である。該水としては、
不純物等の混入を防止し、高純度の金属酸化物を生成す
るためには、イオン交換水が好適である。また、加水分
解において、酸や塩基などの触媒を用いることにより、
これらの工程に必要な時間を大幅に短縮することも可能
である。
【0041】ただし、金属化合物のうち、水との反応性
が高いものは、空気中の水蒸気と反応することで、加水
分解を行うこともできる。
【0042】加水分解後、必要により、窒素ガス等の乾
燥用ガスにより表面を乾燥させて本発明の金属酸化物薄
膜が得られる。
【0043】本発明において、形成される金属酸化物薄
膜の膜厚の調整は、以上の一連の操作を1回以上繰り返
して施すことにより、ナノメーターレベルで行うことが
可能である。
【0044】即ち、金属酸化物薄膜の膜厚の調整は、加
水分解によって形成された金属酸化物薄膜に存在する水
酸基を利用して、金属化合物との接触による化学吸着、
過剰の金属化合物の除去、及び加水分解の操作を1回以
上繰り返して行うことによって達成される。
【0045】次に、本発明では、以上の操作により形成
された金属酸化物薄膜の表面に、該薄膜表面と化学吸着
し得る有機化合物を接触させる。上記化学吸着は、配位
結合や共有結合等の化学結合に基づくものであり、それ
により有機化合物は、前記した過剰の金属化合物の除去
方法と同様の操作に供しても金属酸化物薄膜から除去さ
れずに強固に吸着する。こうした化学吸着は、特に制限
されるものではなく、例えば水酸基やカルボキシル基等
の酸素原子が金属酸化物の金属原子に配位結合すること
により生じる吸着や金属酸化物薄膜に存在する水酸基と
縮合反応して生じる吸着などが挙げらる。また、本発明
において使用可能な有機化合物を限定するものではない
が、吸着がより強固に生じる観点からは、複数個の水酸
基またはカルボキシル基を有し、また、室温下(25
℃)において固体の性状にあるものが好ましい。従っ
て、有機化合物としては、ポリアクリル酸、ポリビニル
アルコール、ポリメタクリル酸、ポリグルタミン酸等の
水酸基やカルボキシル基を有する高分子化合物;デンプ
ン、グリコゲン等の多糖類;グルコース、マンノースな
どの二糖類、単糖類などが好ましく使用される。
【0046】本発明において、上記有機化合物と金属酸
化物薄膜との接触は、前記した金属化合物と固体との接
触方法と同様の方法が制限なく採用できる。一般には、
有機化合物を水またはエタノール等の極性溶媒に溶解さ
せた溶液に、固体を浸漬する方法が好適である。また、
上記溶液中の有機化合物の濃度は、1〜10mg/ml
程度が好適である。さらに、接触時間及び温度は、一般
には、5〜20分の時間で、室温〜50℃の範囲内で決
定すればよい。
【0047】そして、本発明では、前記した金属化合物
の接触の場合と同様に過剰の有機化合物を除去する。そ
れにより、金属酸化物薄膜表面に化学吸着する有機化合
物の層により有機化合物薄膜が形成される。これは、該
有機化合物の存在量に基づいて、極めて精度良く、且つ
高い再現性で有機化合物薄膜を形成することができる。
その際の有機化合物の除去方法は、前記した金属化合物
の除去方法と同様の方法が制限なく採用できる。特に前
記した有機化合物の溶媒により洗浄する方法が好適であ
る。また、洗浄温度は、前記接触操作における温度が好
適に採用される。
【0048】以上により、金属酸化物薄膜と有機化合物
薄膜とが積層された有機/金属酸化物複合薄膜を固体表
面に形成させることができる。ここで、有機化合物とし
て前記例示した化合物のような水酸基やカルボキシル基
を複数有するものなどを使用した場合、かかる有機化合
物薄膜を形成した後においても、この薄膜表面に、依然
水酸基やカルボキシル基を存在させることができる。従
って、こうした場合、本発明では、かかる有機化合物薄
膜表面の水酸基やカルボキシル基を利用して、さらに前
記と同様な操作により、その表面に金属酸化物薄膜を形
成させることができる。そして、さらに、その表面上
に、有機化合物薄膜を形成させることも可能であり、こ
のような操作を繰り返すことにより、種々の種類や厚み
の金属酸化物薄膜と有機化合物薄膜からなる多層構造の
有機/金属酸化物複合薄膜を逐次形成させることができ
る。特に、金属酸化物薄膜と有機化合物薄膜とが各々一
層ずつ交互に形成されるように実施することにより、得
られる複合薄膜は、強度が極めて優れたものになり好ま
しい。
【0049】このような工程の繰り返しにより、本発明
では、数ナノメートルから数十ナノメートルの複合薄膜
を精度良く形成できる。ここで、金属酸化物薄膜の形成
にチタンブトキシドなどの一個の金属原子を有する金属
アルコキシドを用いた場合、吸着条件により、数オング
ストロームの厚みの薄膜を逐次積層化することができ
る。この場合、1サイクルあたりの膜厚の増加は金属ア
ルコキシドの一分子層の吸着に対応している。一方、ア
ルコキシドゲルの微粒子などを用いると、1サイクルあ
たり、60ナノメートル程度の厚みの薄膜を積層化する
こともできる。一方、有機高分子化合物としてポリアク
リル酸を用いた場合、吸着条件により、数オングストロ
ームの厚みの薄膜を形成することができる。本発明で
は、上記金属酸化物薄膜層と有機化合物薄膜層の逐次積
層の程度により、上記厚みの精度の薄膜を適宜製造する
ことができる。
【0050】また、その際、使用する金属化合物や有機
化合物の種類を変えることにより、ハイブリッドな層構
成で、複合薄膜の積層体を得ることが可能である。
【0051】このようにして製造された有機/金属酸化
物薄膜の主な特徴ならびに産業上の用途は、次の通りで
ある。
【0052】本発明は、ナノメートル領域の有機/金属
酸化物複合薄膜を極めて均一に製造することができるた
め、次世代の高集積化デバイスをになう重要な基盤技術
となる。具体的には、エレクトロニクス分野での高精度
の絶縁薄膜の製造技術、オプトエレクトロニクス分野で
の効率よい反射コート膜の製造技術として利用すること
ができ、微小磁気記憶素子等の製造にも応用されること
が期待できる。
【0053】本発明は、温和な条件下かつ簡単な操作
で、あらゆる形状の表面や大面積の基板に有機/金属酸
化物複合薄膜を製造することができ、また生産性が高い
ため、汎用製品のコーティング技術として広く普及する
ことが期待できる。具体的には、様々なプラスチック製
品の表面保護膜、医療や食品関連製品の抗菌コート、衣
服や電気製品の静電気防止膜、複雑な形状を持つ機器の
酸化防止膜、構造材料への科学的、力学的安定性の付与
などに用いることができる。
【0054】本発明の方法は、固体を金属化合物と有機
化合物に接触させるという、極めて簡便な手法で短時間
に有機/金属酸化物複合薄膜が製造されるため、特別な
設備を必要とせず、高い生産性が期待できる。
【0055】また、本発明の方法は、固体表面での飽和
吸着に基づいており、金属化合物や有機化合物の濃度、
洗浄、加水分解での温度、時間等を厳密に設定しなくて
も十分に精密な有機/金属酸化物薄膜を製造することが
可能である。
【0056】また、本発明の方法は、ナノメートルの精
度で多様な有機/金属酸化物複合薄膜を積層化すること
ができるので、それ自身、新しい、電気、電子的特性、
磁気的特性、光機能特性を設計することができる。具体
的には、半導体超格子材料の製造、高効率な光化学反応
や電気化学反応の設計に用いることができる。また、本
発明は、有機/金属酸化物複合薄膜の製造コストが他の
手法と比較して著しく低いため、太陽電池等の光エネル
ギー変換システム等の実用的な基盤技術となり得る。
【0057】また、本発明の方法によれば、ビーズや微
粒子表面に有機/金属酸化物複合薄膜を作成することが
できるため、これらの力学的、物理化学的な特性を大き
く変化させることが可能となる。また、多孔質物質や中
空糸の内部表面に有機/金属酸化物複合薄膜を製造する
ことで、これらの力学的、物理化学的安定性を著しく向
上することができる。
【0058】更に、本発明の方法によれば、有機/金属
酸化物複合薄膜の組成や積層構造を設計できるため、様
々な物質の分離膜や逆浸透膜の製造に用いることができ
る。また、2種類以上の金属化合物の積層比率を段階的
に変化させることで、様々な傾斜機能材料を製造するこ
とが可能となる。また、従来から多数提案されている有
機化合物の逐次吸着法と組み合わせることで、様々なタ
イプの有機・無機複合超薄膜の設計も可能になり、新し
い光、電子、化学的機能を有する超薄膜を製造すること
ができる。
【0059】
【発明の効果】以上、詳しく説明したように、この発明
においては、ナノメートル領域の均一な酸化物薄膜と有
機化合物薄膜とからなる複合薄膜を、温和な条件化かつ
簡単な操作で、あらゆる形状の表面や大面積の基板上に
製造することができる。また、本発明は、多様な積層構
造を有する高強度の有機/金属酸化物複合薄膜を製造で
き、その生産性も極めて高い。これらの他に類のない特
長を有する本発明の方法は、次世代の高集積化デバイス
をになう重要な基盤技術として、汎用製品の様々なコー
ティング技術として、新しい電気、電子的特性、磁気的
特性、光機能特性を有する薄膜材料を製造する手段とし
て、固体表面の物理化学的特性を改質する手段として、
高効率の触媒システムを構築する手段として、様々な分
離機能膜を設計、製造する手段として、様々なタイプの
有機・無機複合超薄膜材料を設計、製造する手段とし
て、各種の分野に応用されることが期待できる。
【0060】
【実施例】以下、本発明を実施例により、更に詳しく説
明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0061】実施例1 本発明の方法によって、酸化物薄膜が逐次、一定量で積
層化されていることを示すために、水晶発振子上への酸
化物薄膜の作成を行った。水晶発振子はマイクロバラン
スとして知られ、振動数変化よりその表面上に形成され
た薄膜の重さを10-9gの精度で測定できるデバイスで
ある。
【0062】水晶発振子は、金電極で被覆したものを1
0mMのメルカプトエタノールのエタノール溶液に12
時間浸漬し、表面に水酸基を導入した後、エタノールで
洗浄後、窒素ガスを吹き付けて十分に乾燥させたものを
用いた。
【0063】実施例1として、トルエンとエタノールの
1:1混合溶媒に溶かした100mMのチタンブトキシ
ド(Ti(O-nBu)4)の溶液に、上記方法により表面に水酸
基を導入した水晶発振子を30℃で3分間浸漬させ、次
いで、30℃のエタノールに1分間浸漬して洗浄後、3
0℃のイオン交換水に1分間浸漬して金属酸化物薄膜を
形成させ、窒素ガスを吹き付けて乾燥させた。次いで、
エタノールに溶かした10mg/mlのポリアクリル酸
溶液に、上記表面に金属酸化物薄膜が形成された水晶発
振子を30℃で10分間浸漬させ、さらに30℃のエタ
ノールに1分間浸漬して洗浄後、窒素ガスを吹き付けて
乾燥させることにより、該金属酸化物薄膜の表面に有機
化合物薄膜を形成させた。以上の薄膜形成操作を繰り返
して行い有機/金属酸化物複合薄膜を逐次積層化させ
た。
【0064】表1には、実施例1の有機/金属酸化物複
合薄膜の積層化に基づく水晶発振子の振動数変化(△
F)を示した。
【0065】
【表1】
【0066】また、この実施例の振動数変化をグラフに
して図1に示した。図1に示されるように、水晶発振子
の振動数は、積層化サイクル数に比例して減少してい
た。この結果は、本発明の方法によって、水晶発振子の
電極表面に一定重量の金属酸化物薄膜と有機化合物薄膜
とが逐次形成されていることを示している。
【0067】次に、上記で得られた有機/金属酸化物複
合薄膜のXPSスペクトルを測定し、その結果から見積
もられた表面近傍での元素組成を表2に示した。
【0068】
【表2】
【0069】炭素と酸素の組成比は、ポリアクリル酸単
独の組成比とほぼ一致していた。この結果は、チタン原
子の周りの配位原子がポリアクリル酸のカルボキシル基
由来の酸素原子に限定されることを示している。また、
チタンと炭素の組成比から、複合薄膜中のチタン原子に
対して約3倍のアクリル酸ユニットが存在すると考えら
れた。
【0070】また、この有機/金属酸化物複合薄膜の反
射赤外吸収スペクトルの測定を行った。その結果を図2
として示した。1560cm-1、1720cm-1付近の
強い吸収は、ポリアクリル酸のそれぞれチタン原子によ
って配位したカルボキシル基とチタン原子によって配位
していないカルボキシル基のC=O伸縮振動に帰属され
る。これらの結果は、ポリアクリル酸/酸化チタン複合
薄膜がチタン原子へのカルボキシル基の配位をとおして
形成されていること、また、ポリアクリル酸薄膜中に
は、配位に関与していないカルボキシル基が存在してい
ることを示している。
【0071】さらに、この有機/金属酸化物複合薄膜の
断面を走査型電子顕微鏡により観察したところ、図3の
撮影像に示されるように均一且つ一定の厚みの複合薄膜
が形成されていた。また、この撮影像から測定された膜
厚と水晶発振子とから計算される複合薄膜の密度は、
1.8g/cm3であった。この値は、通常の方法でチ
タンブトキシドから作成された乾燥ゲルの密度(1.6
6g/cm3)やポリアクリル酸の密度(1.41g/
cm3)より大きい。これにより、本発明の方法により
製造されたポリアクリル酸/酸化チタン複合薄膜が、そ
れぞれの構成成分よりも緻密な充填構造を有しているこ
とが確認された。
【0072】この複合薄膜の密度をもとに、吸着重量
(W)と薄膜の形成面積(S)から、各積層化サイクル
での複合薄膜の膜厚の増加量を計算したところ、各積層
化サイクルでの複合薄膜の膜厚の増加量は、約2ナノメ
ートルであった。チタンブトキシドの吸着後とポリアク
リル酸の吸着後の平均振動数変化は、それぞれ87H
z、68Hzであり、1サイクル当たりの膜厚の増加
は、それぞれ約1ナノメートルの酸化チタン層とポリア
クリル酸層とに分割できた。
【0073】この有機/金属酸化物複合薄膜は、ブラシ
で表面を強く磨耗しても全く剥がれないことが水晶発振
子の振動数変化により確認された。また、この複合薄膜
は、熱水での10分間の煮沸及びpH11のアルカリ水
溶液中での10分間の浸漬、或いは10分間の超音波洗
浄操作(30W、38kHz)を施しても全く剥がれな
いことが確認された。
【0074】実施例2 トルエンとエタノールの1:1混合溶媒に溶かした10
0mMのチタンブトキシドの溶液に、実施例1と同様の
方法により表面に水酸基を導入した水晶発振子を30℃
で3分間浸漬させ、次いで、30℃のエタノールに1分
間浸漬して洗浄後、30℃のイオン交換水に1分間浸漬
して金属酸化物薄膜を形成させ、窒素ガスを吹き付けて
乾燥させた。次いで、5mg/mlのポリビニルアルコ
ール水溶液に、上記表面に金属酸化物薄膜が形成された
水晶発振子を30℃で10分間浸漬させ、さらに30℃
のイオン交換水にに1分間浸漬して洗浄後、窒素ガスを
吹き付けて乾燥させることにより、該金属酸化物薄膜の
表面に有機化合物薄膜を形成させた。以上の薄膜形成操
作を繰り返して行い有機/金属酸化物複合薄膜を逐次積
層化させた。
【0075】表3には、実施例2の有機/金属酸化物複
合薄膜の積層化に基づく水晶発振子の振動数変化(△
F)を示した。
【0076】
【表3】
【0077】また、この実施例の振動数変化をグラフに
して図4に示した。
【0078】さらにこの有機/金属酸化物複合薄膜は、
ブラシで表面を強く磨耗しても全く剥がれないことが水
晶発振子の振動数変化により確認された。
【0079】実施例3 トルエンとエタノールの1:1混合溶媒に溶かした10
0mMのチタンブトキシドの溶液に、実施例1と同様の
方法により表面に水酸基を導入した水晶発振子を30℃
で3分間浸漬させ、次いで、30℃のエタノールに1分
間浸漬して洗浄後、30℃のイオン交換水に1分間浸漬
して金属酸化物薄膜を形成させ、窒素ガスを吹き付けて
乾燥させた。次いで、1mg/mlのデンプン水溶液
に、上記表面に金属酸化物薄膜が形成された水晶発振子
を40℃で10分間浸漬させ、さらに40℃のイオン交
換水にに1分間浸漬して洗浄後、窒素ガスを吹き付けて
乾燥させることにより、該金属酸化物薄膜の表面に有機
化合物薄膜を形成させた。以上の薄膜形成操作を繰り返
して行い有機/金属酸化物複合薄膜を逐次積層化させ
た。
【0080】表4には、実施例3の有機/金属酸化物複
合薄膜の積層化に基づく水晶発振子の振動数変化(△
F)を示した。
【0081】
【表4】
【0082】また、これらの実施例の振動数変化をグラ
フにして図5に示した。
【0083】さらにこの有機/金属酸化物複合薄膜は、
ブラシで表面を強く磨耗しても全く剥がれないことが水
晶発振子の振動数変化により確認された。
【0084】実施例4 トルエンとエタノールの1:1混合溶媒に溶かした10
0mMのチタンブトキシドの溶液に、実施例1と同様の
方法により表面に水酸基を導入した水晶発振子を30℃
で3分間浸漬させ、次いで、30℃のエタノールに1分
間浸漬して洗浄後、30℃のイオン交換水に1分間浸漬
して金属酸化物薄膜を形成させ、窒素ガスを吹き付けて
乾燥させた。次いで、100mMのグルコース水溶液
に、上記表面に金属酸化物薄膜が形成された水晶発振子
を40℃で10分間浸漬させ、さらに40℃のイオン交
換水に1分間浸漬して洗浄後、窒素ガスを吹き付けて乾
燥させることにより、該金属酸化物薄膜の表面に有機化
合物薄膜を形成させた。以上の薄膜形成操作を交互に5
回繰り返して行い有機/金属酸化物複合薄膜を逐次積層
化させた。その後、トルエンとエタノールの1:1混合
溶媒に溶かした100mMのチタンブトキシド(Ti(O-n
Bu)4)の溶液と100mMのマルトース水溶液とを用
い、同様の薄膜形成操作を交互に5回繰り返して行い有
機/金属酸化物複合薄膜をさらに逐次積層化させた。
【0085】表5には、実施例4の有機/金属酸化物複
合薄膜の積層化に基づく水晶発振子の振動数変化(△
F)を示した。
【0086】
【表5】
【0087】また、この実施例の振動数変化をグラフに
して図6に示した。
【0088】さらにこの有機/金属酸化物複合薄膜は、
ブラシで表面を強く磨耗しても全く剥がれないことが水
晶発振子の振動数変化により確認された。
【0089】以上の実施例1〜4での水晶発振子の平均
振動数変化を表6に示した。
【0090】
【表6】
【0091】実施例5 トルエンと1−ブタノールの2:1混合溶媒に溶かした
10mMのアルミニウムブトキシド(Al(O-nBu)3)の溶
液に、実施例1と同様の方法により表面に水酸基を導入
した水晶発振子を45℃で10分間浸漬させ、次いで、
45℃のトルエンとエタノールの2:1混合溶媒に1分
間浸漬して洗浄しさらにエタノールによりすすいだ後、
45℃のイオン交換水に1分間浸漬して金属酸化物薄膜
を形成させ、窒素ガスを吹き付けて乾燥させた。次い
で、イオン交換水に溶かした10mg/mlのポリアク
リル酸溶液に、上記表面に金属酸化物薄膜が形成された
水晶発振子を30℃で10分間浸漬させ、さらに30℃
のイオン交換水に1分間浸漬して洗浄後、窒素ガスを吹
き付けて乾燥させることにより、該金属酸化物薄膜の表
面に有機化合物薄膜を形成させた。以上の薄膜形成操作
を繰り返して行い有機/金属酸化物複合薄膜を逐次積層
化させた。
【0092】表7には、実施例5の有機/金属酸化物複
合薄膜の積層化に基づく水晶発振子の振動数変化(△
F)を示した。
【0093】
【表7】
【0094】また、この実施例の振動数変化をグラフに
して図7に示した。
【0095】さらにこの有機/金属酸化物複合薄膜は、
ブラシで表面を強く磨耗しても全く剥がれないことが水
晶発振子の振動数変化により確認された。
【0096】実施例6 1−プロパノールに溶かした107mMのジルコニウム
プロポキシド(Zr(O-nPr)4)の溶液に、実施例1と同様
の方法により表面に水酸基を導入した水晶発振子を30
℃で5分間浸漬させ、次いで、30℃の1−プロパノー
ルに1分間浸漬して洗浄した後、30℃のイオン交換水
に1分間浸漬して金属酸化物薄膜を形成させ、窒素ガス
を吹き付けて乾燥させた。次いで、エタノールに溶かし
た10mg/mlのポリアクリル酸溶液に、上記表面に
金属酸化物薄膜が形成された水晶発振子を30℃で10
分間浸漬させ、さらに30℃のエタノールに1分間浸漬
して洗浄後、窒素ガスを吹き付けて乾燥させることによ
り、該金属酸化物薄膜の表面に有機化合物薄膜を形成さ
せた。以上の薄膜形成操作を繰り返して行い有機/金属
酸化物複合薄膜を逐次積層化させた。
【0097】表8には、実施例6の有機/金属酸化物複
合薄膜の積層化に基づく水晶発振子の振動数変化(△
F)を示した。
【0098】
【表8】
【0099】また、この実施例の振動数変化をグラフに
して図8に示した。
【0100】さらにこの有機/金属酸化物複合薄膜は、
ブラシで表面を強く磨耗しても全く剥がれないことが水
晶発振子の振動数変化により確認された。
【0101】実施例7 1−プロパノールに溶かした107mMのジルコニウム
プロポキシド(Zr(O-nPr)4)の溶液に、実施例1と同様
の方法により表面に水酸基を導入した水晶発振子を30
℃で5分間浸漬させ、次いで、30℃の1−プロパノー
ルに1分間浸漬して洗浄した後、30℃のイオン交換水
に1分間浸漬して金属酸化物薄膜を形成させ、窒素ガス
を吹き付けて乾燥させた。次いで、5mg/mlのポリ
ビニルアルコール水溶液に、上記表面に金属酸化物薄膜
が形成された水晶発振子を30℃で10分間浸漬させ、
さらに30℃のイオン交換水に1分間浸漬して洗浄後、
窒素ガスを吹き付けて乾燥させることにより、該金属酸
化物薄膜の表面に有機化合物薄膜を形成させた。以上の
薄膜形成操作を繰り返して行い有機/金属酸化物複合薄
膜を逐次積層化させた。
【0102】表9には、実施例7の有機/金属酸化物複
合薄膜の積層化に基づく水晶発振子の振動数変化(△
F)を示した。
【0103】
【表9】
【0104】また、この実施例の振動数変化をグラフに
して図9に示した。
【0105】さらにこの有機/金属酸化物複合薄膜は、
ブラシで表面を強く磨耗しても全く剥がれないことが水
晶発振子の振動数変化により確認された。
【0106】実施例8 1−プロパノールに溶かした100mMのジルコニウム
プロポキシド(Zr(O-nPr)4)の溶液に、実施例1と同様
の方法により表面に水酸基を導入した水晶発振子を30
℃で5分間浸漬させ、次いで、30℃の1−プロパノー
ルに1分間浸漬して洗浄した後、30℃のイオン交換水
に1分間浸漬して金属酸化物薄膜を形成させ、窒素ガス
を吹き付けて乾燥させた。次いで、1mg/mlのデン
プン水溶液に、上記表面に金属酸化物薄膜が形成された
水晶発振子を40℃で10分間浸漬させ、さらに40℃
のイオン交換水に1分間浸漬して洗浄後、窒素ガスを吹
き付けて乾燥させることにより、該金属酸化物薄膜の表
面に有機化合物薄膜を形成させた。以上の薄膜形成操作
を繰り返して行い有機/金属酸化物複合薄膜を逐次積層
化させた。
【0107】表10には、実施例8の有機/金属酸化物
複合薄膜の積層化に基づく水晶発振子の振動数変化(△
F)を示した。
【0108】
【表10】
【0109】また、この実施例の振動数変化をグラフに
して図10に示した。
【0110】さらにこの有機/金属酸化物複合薄膜は、
ブラシで表面を強く磨耗しても全く剥がれないことが水
晶発振子の振動数変化により確認された。
【0111】実施例9 トルエンとエタノールの1:1混合溶媒に溶かした10
mMのチタンバリウムダブルアルコキシド(BaTi(O
R)X)の溶液に、実施例1と同様の方法により表面に水
酸基を導入した水晶発振子を30℃で5分間浸漬させ、
次いで、30℃のエタノールに1分間浸漬して洗浄した
後、30℃のイオン交換水に1分間浸漬して金属酸化物
薄膜を形成させ、窒素ガスを吹き付けて乾燥させた。次
いで、エタノールに溶かした10mg/mlのポリアク
リル酸溶液に、上記表面に金属酸化物薄膜が形成された
水晶発振子を30℃で5分間浸漬させ、さらに30℃の
エタノールに1分間浸漬して洗浄後、窒素ガスを吹き付
けて乾燥させることにより、該金属酸化物薄膜の表面に
有機化合物薄膜を形成させた。以上の薄膜形成操作を繰
り返して行い有機/金属酸化物複合薄膜を逐次積層化さ
せた。
【0112】表11には、実施例9の有機/金属酸化物
複合薄膜の積層化に基づく水晶発振子の振動数変化(△
F)を示した。
【0113】
【表11】
【0114】また、この実施例の振動数変化をグラフに
して図11に示した。
【0115】さらにこの有機/金属酸化物複合薄膜は、
ブラシで表面を強く磨耗しても全く剥がれないことが水
晶発振子の振動数変化により確認された。
【0116】以上の実施例5〜9での水晶発振子の平均
振動数変化を表12に示した。
【0117】
【表12】
【0118】実施例10 トルエンとエタノールの1:1混合溶媒に溶かした10
0mMのチタンブトキシド(Ti(O-nBu)4)の溶液に、実
施例1と同様の方法により表面に水酸基を導入した水晶
発振子を30℃で3分間浸漬させ、次いで、30℃のエ
タノールに1分間浸漬して洗浄した後、30℃のイオン
交換水に1分間浸漬して金属酸化物薄膜を形成させ、窒
素ガスを吹き付けて乾燥させた。次いで、エタノールに
溶かした10mg/mlのポリアクリル酸溶液に、上記
表面に金属酸化物薄膜が形成された水晶発振子を30℃
で10分間浸漬させ、さらに30℃のエタノールに1分
間浸漬して洗浄後、窒素ガスを吹き付けて乾燥させるこ
とにより、該金属酸化物薄膜の表面に有機化合物薄膜を
形成させた。以上の薄膜形成操作を交互に5回づつ繰り
返して行い有機/金属酸化物複合薄膜を逐次積層化させ
た。その後、トルエンと1−ブタノールの2:1混合溶
媒に溶かした10mMのアルミニウムブトキシド(Al(O
-nBu)3)の溶液(10分間浸漬)とエタノールに溶かし
た10mg/mlのポリアクリル酸溶液とを用い、同様
の薄膜形成操作を交互に3回繰り返して行い有機/金属
酸化物複合薄膜をさらに逐次積層化させた。
【0119】表13には、実施例10の有機/金属酸化
物複合薄膜の積層化に基づく水晶発振子の振動数変化
(△F)を示した。
【0120】
【表13】
【0121】また、この実施例の振動数変化をグラフに
して図12に示した。
【0122】さらにこの有機/金属酸化物複合薄膜は、
ブラシで表面を強く磨耗しても全く剥がれないことが水
晶発振子の振動数変化により確認された。
【0123】以上に示した実施例は、いずれもメルカプ
トエタノールで修飾した金属面上で複合薄膜を形成して
いる。
【0124】しかしながら、本発明は、修飾により表面
に水酸基を有する金属表面に限定されない。例えば、様
々な金属酸化物表面に本発明の方法を適用できること
は、実施例において様々な金属酸化物表面に逐次積層化
が可能なことからも既に実証済みである。また、実施例
で示したような酸化物薄膜は、ポリビニルアルコールの
ような水酸基を有する有機高分子やカルボキシル基を有
する有機高分子の表面でも製造可能なことが、別に確認
されている。さらに、固体表面の水酸基やカルボキシル
基との化学的吸着を基礎とする本発明の方法では、固体
の形状に特に制限がないことは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の複合薄膜の積層化に基づく水晶発
振子の振動数変化を示す図である。
【図2】 実施例1の複合薄膜の反射赤外吸収スペクト
ルを示す図である。
【図3】 実施例1の複合薄膜の断面の走査型電子顕微
鏡による撮影像を示す図である。
【図4】 実施例2の複合薄膜の積層化に基づく水晶発
振子の振動数変化を示す図である。
【図5】 実施例3の複合薄膜の積層化に基づく水晶発
振子の振動数変化を示す図である。
【図6】 実施例4の複合薄膜の積層化に基づく水晶発
振子の振動数変化を示す図である。
【図7】 実施例5の複合薄膜の積層化に基づく水晶発
振子の振動数変化を示す図である。
【図8】 実施例6の複合薄膜の積層化に基づく水晶発
振子の振動数変化を示す図である。
【図9】 実施例7の複合薄膜の積層化に基づく水晶発
振子の振動数変化を示す図である。
【図10】 実施例8の複合薄膜の積層化に基づく水晶
発振子の振動数変化を示す図である。
【図11】 実施例9の複合薄膜の積層化に基づく水晶
発振子の振動数変化を示す図である。
【図12】 実施例10の複合薄膜の積層化に基づく水
晶発振子の振動数変化を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G02B 1/10 C09D 103/02 // C09D 103/02 129/04 Z 129/04 133/02 133/02 177/04 177/04 H03H 3/02 B H03H 3/02 G02B 1/10 Z

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水酸基またはカルボキシル基を有する固体
    表面に、該固体の水酸基またはカルボキシル基と縮合反
    応し且つ加水分解により水酸基を生成し得る基を有する
    金属化合物を接触させることにより該金属化合物を化学
    吸着させ、次いで、過剰の金属化合物を除去した後、上
    記固体表面に存在する金属化合物を加水分解して金属酸
    化物薄膜を形成させ、さらに、必要に応じて形成された
    金属酸化物薄膜の表面上に上記金属酸化物薄膜を形成さ
    せる操作を1回以上施した後、表面層を構成する金属酸
    化物薄膜の表面に、該金属酸化物薄膜表面に化学吸着し
    得る有機化合物を接触させ、過剰の有機化合物を除去す
    ることで有機化合物薄膜を形成させることを特徴とする
    有機/金属酸化物複合薄膜の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1の有機/金属酸化物複合薄膜の製
    造方法を、有機化合物として、形成される有機化合物薄
    膜表面に水酸基またはカルボキシル基が存在し得るもの
    を用いて実施し、それにより形成された有機化合物薄膜
    表面上に、請求項1における金属酸化物薄膜を形成させ
    る操作を少なくとも1回以上施すことを特徴とする有機
    /金属酸化物複合薄膜の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項2において形成された有機/金属酸
    化物複合薄膜の表面層を構成する金属酸化物薄膜の表面
    上に、さらに請求項2における有機化合物薄膜を形成さ
    せる操作と金属酸化物薄膜を形成させる操作を少なくと
    も1回以上施す操作とを交互に繰り返して施し、有機/
    金属酸化物複合薄膜を逐次形成することを特徴とする有
    機/金属酸化物複合薄膜の製造方法。
  4. 【請求項4】金属酸化物薄膜と有機化合物薄膜とが各々
    一層ずつ交互に形成されるように実施することを特徴と
    する請求項3記載の有機/金属酸化物複合薄膜の製造方
    法。
  5. 【請求項5】逐次形成される有機/金属酸化物複合薄膜
    において、金属酸化物薄膜または有機化合物薄膜の少な
    くとも1層を他層の金属酸化物層または有機化合物薄膜
    と異なる金属化合物または有機化合物によって形成する
    ことを特徴とする請求項3記載の有機/金属酸化物複合
    薄膜の製造方法。
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