【発明の詳細な説明】
25-メチレンおよび24,25-エポキシマークホルチンおよび
パラハークアミド
発明の背景 1.発明の分野
本発明は、駆虫剤として有用である(置換)25-メチレンおよび24,25-
エポキシマークホルチンおよびパラハークアミドである。
2.関連技術の説明
マークホルチンは公知化合物である。マークホルチンAについてはJournal of
the Chemical Society Chemical Communications,601-602(1980)を、マークホ
ルチンBおよびCについてはTetrahedron Letters,22,1977-1980(1981)を参照
されたし。これらの化合物は、ペニシリウム・ロクフォルティ(Penicilliumroq
ueforti)の菌類代謝物である。マークホルチンは、これも公知化合物であるパ
ラハークアミドに構造的に関連する。
パラハークアミドはTetrahedron Letters,22,135-136(1981)およびJournal
of Antibiotics,44,492-497(1991)に開示されている。米国特許第4,866,060
号および第4,923,867号には、動物における寄生虫病の治療および予防に有用
なものとしてのマークホルチンA、BおよびC、ならびにある種のそれらの誘導
体の使用が開示されている。
(1992年12月23日に公開された)WO92/22555号には、マークホルチンまた
はパラハークアミド誘導体(すなわち、14位においてメチルで、またはメチル
およびヒドロキシで置換された部分式(III))が包括的に記載されているが、
かかる14−メチル−14−ヒドロキシマークホルチン化合物をいかにして調製
するかの記載は全く供されていない。
Journal of Antibiotics,43,1380-1386(1990)には、以下の構造を有するパ
ラ
ハークアミドAが開示されている: マークホルチンAは以下の構造を有する:
マークホルチンBは以下の構造を有する:
マークホルチンCは以下の構造を有する:
マークホルチンDは以下の構造を有する:
(1991年7月11日に公開された)WO91/09961号には、マークホルチ
ンおよびパラハークアミドの種々の誘導体、およびそれらの12a−N−オキシ
ド、ならびに、とりわけペニシリウム種(Penicillium Sp.)IMI 332995からのV
M29919(パラハークアミド)およびVM55596(パラハークアミドの12a−N−
オキシド)の産生物の産生が開示されている。
米国特許第4,873,247号には、パラハークアミドの誘導体、およびパラハー
クアミド産生用のペニシリウム・チャーレッシ(Penicillium charlessi)MF 5123
株(ATCC20841)が開示されている。米国特許第4,978,656号(ならびにEP 390532-A
、EP-301742-A)には、パラハークアミドの種々の合成誘導体、ならびに
Penicillium charlessi MF 5123株(ATCC 20841)からのパラハークアミドの産
生が開示されている。
(1992年12月23日に公開された)国際公開WO92/22555号には、1
4α−ヒドロキシマークホルチン化合物、および駆虫剤を製造するために14−
ヒドロキシ−14−メチルマークホルチン化合物を使用するプロセスが包括的に
開示されている。しかしながら、14α−ヒドロキシマークホルチンまたは14
α−ヒドロキシ−14β−メチルマークホルチン化合物のいずれかの調製手段の
実施可能な記載は全く供されていない。
国際公開WO94/29319号には、種々の14−置換マークホルチンおよびその
誘導体が開示されている。
15−アルキル−14−ヒドロキシ化合物(III)(式中、n1は0である)
は公知である。国際公開WO94/29319号を参照されたし。
発明の概要
開示するのは、式(VII)で示される25−メチレン化合物およびその医薬
上許容される塩であり:
式中、
(I)マークホルチンAについては
(a)nは1であり、
(b)R14はR14 α:R14 βであり、ここにR14 αは−Hであって、R14 β
は−Hであり、
(c)R15はR15 α:R15 βであり、ここにR15 αは−Hであって、R15 β
は−Hであり;
(II)パラハークアミドAについては
(a)nは0であり、
(b)R14はR14 α:R14 βであり、ここにR14 αは−OHであって、R14 β
は−CH3であり、
(c)R15はR15 α:R15 βであり、ここにR15 αは−Hであって、R15 β
は
−Hであり;
(III)14−ヒドロキシ−14−アルキル マークホルチンAについては
(a)nは1であり、
(b)R14はR14 α:R14 βであり、ここにR14 αは−OHであって、R14 β
はC1−C4アルキルであり、
(c)R15はR15 α:R15 βであり、ここにR15 αは−Hであって、R15 β
は−Hであり;
(IV)14−ヒドロキシ−15−メチル マークホルチンAについては
(a)nは1であり、
(b)R14はR14 α:R14 βであり、ここにR14 αは−OHであって、R14 β
は−Hであり、
(c)R15はR15 α:R15 βであり、ここにR15 αはC1−C4アルキルであ
って、R15 βは−Hである。
また、開示するのは、式(VIII)で示される24,25−エポキシ化合物お
よびその医薬上許容される塩であり:
式中、
(I)マークホルチンAについては
(a)nは1であり、
(b)R14はR14 α:R14 βであり、ここにR14 αは−Hであって、R14 β
は−Hであり、
(c)R15はR15 α:R15 βであり、ここにR15 αは−Hであって、R15 β
は−Hであり;
(II)パラハークアミドAについては
(a)nは0であり、
(b)R14はR14 α:R14 βであり、ここにR14 αは−OHであって、R14 β
は−CH3であり、
(c)R15はR15 α:R15 βであり、ここにR15 αは−Hであって、R15 β
は−Hであり;
(III)14−ヒドロキシ−14−アルキル マークホルチンAについては
(a)nは1であり、
(b)R14はR14 α:R14 βであり、ここにR14 αは−OHであって、R14 β
はC1−C4アルキルであり、
(c)R15はR15 α:R15 βであり、ここにR15 αは−Hであって、R15 β
は−Hであり;
(IV)14−ヒドロキシ−15−メチル マークホルチンAについては
(a)nは1であり、
(b)R14はR14 α:R14 βであり、ここにR14 αは−OHであって、R14 β
は−Hであり、
(c)R15はR15 α:R15 βであり、ここにR15 αはC1−C4アルキルであ
って、R15 βは−Hである。
開示するのは、N−(18a)−デメチル−2−デオキソパラハークアミドAお
よびその医薬上許容される塩である。
発明の詳細な説明
本発明は、25−メチレン(VII)および24,25−エポキシ(VIII
)マークホルチンおよびパラハークアミドである。これらの化合物は、公知の化
合物から2種の異なる反応によって生成する。
25−メチレン マークホルチンおよびパラハークアミド(VII)は、公知
の対応する環状オレフィン(I)から生成する。(a)nが1であり、(b)R14
がR14 α:R14 β(ここにR14 αは−HであってR14 βは−Hである)であっ
て、(c)R15がR15 α:R15 β(ここにR15 αは−HであってR15 βは−Hで
ある)である場合、出発環状オレフィン(I)はマークホルチンAであり:(a
)nが0であり、(b)R14がR14 α:R14 β(ここにR14 αは−OHであって
R14 βは−CH3である)であって、(c)R15がR15 α:R15 β(ここにR15 α
は−HであってR15 βは−Hである)である場合、出発環状オレフィン(I)
はパラハークアミドAであり;(a)nが1であり、(b)R14がR14 α:R14 β
(ここにR14 α
は−OHであってR14 βは−CH3である)であって、(c)R15 αがR15 α:
R15 β(ここにR15 αは−HであってR15 βは−Hである)である場合、出発環
状オレフィン(I)は14−ヒドロキシ−14−メチル マークホルチンAであ
って;(a)nが1であり、(b)R14がR14 α:R14 β(ここにR14 αは−OH
であってR14 βは−Hである)であって、(c)R15がR15 α:R15 β(ここに
R15 αは−CH3であってR15 βは−Hである)である場合、出発環状オレフィ
ン(I)は14−ヒドロキシ−15−メチル マークホルチンAである。マーク
ホルチンAおよびパラハークアミドAはよく知られている化合物である。14−
ヒドロキシ−14−アルキル マークホルチンAおよび14−ヒドロキシ−15
−アルキルマークホルチンA化合物は、「反応図式C−H」および「調製例1−
31」に記載されているプロセスによって生成する。「反応図式」および「調製
例」ではアルキル置換基としてメチルが例示されているが、当業者に知られてい
るのと類似する様式で(存在する場合にはそれらの異性体を含む)エチル、プロ
ピルおよびブチルも調製される。
25−メチレン化合物(VII)は、最初に、ギ酸のごとき試薬を用いること
によってオレフィンを含む7員環状エーテルを切断してジオール(II)を生成
させることによって、対応する環状オレフィン(I)から生成する。次いで、該
ジオール(II)をアルキル化試薬でアルキル化して、対応するオレフィン(I
II)を生成する。該オレフィン(III)は特定化された位置に二重結合を有
し、環化および酸化された場合にはC−25にヒドロキシル基を有することとな
る目的生成物を生成しなければならない。かかる試薬には、式X1−CH2−CH
=C(CH3)2(ここにX1は-Brまたは-Clのごとき離脱基であり;X1は-Br
であることが好ましく、該試薬は4-ブロモ-2-メチル-2-ブテンであることが
より好ましい)で示される化合物が含まれる。この反応は、水性-有機溶媒混合
液、好ましくはアセトン/水中、ヨウ化カリウムと重炭酸塩または炭酸塩(好ま
しくは炭酸カリウム)のごとき弱塩基との存在下で行う。次いで、過酸、好まし
くはm-クロロ安息香酸の使用につづく二亜硫酸ナトリウム仕上げ処理によって
、該オレフィン(III)を対応するエポキシーフェノール(IV)に酸化する
。次いで、
塩化スズ(IV)を使用することによって、該エポキシ-フェノール(IV)を
対応する環状アルコール(V)に環化する。次いで、スベルン条件下(塩化オキ
サリル、DMSOにつづくTEA)にて該環状アルコール(V)を酸化して、対
応するケトン(VI)を得る。次いで、メチルトリフェニルホスホニウムブロミ
ドおよびn-ブチルリチウムのごとき強塩基を用いるウィティッヒ反応によって
、該ケトン(VI)を目的の25-メチレン化合物(VII)に変換する。25-
メチレン化合物(VII)は24,25-ジヒドロ化合物であることが明らかにな
る。
24,25−エポキシ化合物(VIII)は、エポキシドへの過酸酸化用の通
常の条件下にて過酸での酸化につづく水性二亜硫酸ナトリウム水性仕上げ処理に
よって、対応する環状オレフィン(I)から生成する。該過酸はm−クロロ過安
息香酸であることが好ましい。
N−(18a)−デメチル−2−デオキソパラハークアミドAは、(1'α,
5'aβ,7'β,8'aβ,9'aβ)−(−)−2,2',3,3',8a',9'−ヘキ
サヒドロ−1'−ヒドロキシ−1',4,4,8',8'−ペンタメチル−スピロ[4H,
8H,−[1,4]ジオキセピノ[2,3−g]インドール−8,7'(8’H)-[5H,
6H−5a,9a](イミノメタノ)[1H]シクロペント[f]インドリジン]−9−
オン]としても知られている。N−(18a)−デメチル−2−デオキソパラハ
ークアミドAは、2種の異なる方法によって調製することができる。実施例14
および15を参照されたし。
25−メチレン化合物(VII)、24,25−エポキシ化合物(VIII)お
よびN−(18a)−デメチル−2−デオキソパラハークアミドAはアミンであ
り、十分な強さの酸と反応させるとそれ自体が酸付加塩を形成する。医薬上許容
される塩には、無機酸および有機酸の両方の塩が含まれる。該医薬上許容される
塩は、対応する遊離アミンを超えて好ましい。なぜならば、それはより水溶性お
よび結晶性の高い化合物を生成するからである。好ましい医薬上許容される塩に
は、以下の酸、メタンスルホン酸、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸、安
息香酸、クエン酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、CH3−(CH2)n−COO
H(ここにnは0〜4である)、およびHOOC−(CH2)n−COOH
(ここにnは前記定義に同じである)の塩が含まれる。
予期せぬことに、本発明の25−メチレン化合物(VII)、24,25−エポ
キシ化合物(VIII)およびN−(18a)−デメチル−2−デオキソパラハ
ークアミドAは、ヒト、動物および植物において膨大な寄生虫病を引き起こす内
部寄生虫および外部寄生虫、特に嬬虫および節足動物に対する強力な駆虫剤であ
る。
寄生虫病は内部寄生虫または外部寄生虫のいずれかによって引き起こされ得る
。内部寄生虫とは、(胃、肺、心臓、腸、他のごとき)器官内かまたは単純に皮
下のいずれかで、宿主体内に棲息する寄生虫である。外部寄生虫は、宿主の外側
表面に棲息するが、なお宿主から栄養を汲出す寄生虫である。
嬬虫病と一般的に呼ばれる内部寄生虫病は、嬬虫として知られている寄生虫に
よる宿主の感染に起因する。嬬虫病は、ブタ、ヒツジ、ウマ、ウシ、ヤギ、イヌ
、ネコおよび家禽のごとき家畜動物の感染に起因する流行性かつ重大な世界全体
の経済的問題である。これらの感染の多くは、世界全体の種々の動物種に疾病を
引き起こす線虫として記載する虫の群によって引き起こされる。これらの疾病は
しばしば重篤であり、感染動物の死を生じ得る。前記に言及した動物に感染する
線虫の最も一般的な属は、捻転胃虫属(Heamonchus)、毛様線虫属(Trichostrongy
lus)、オステルタギア属(Ostertagia)、毛様線虫科(Nematodirus)、クーペリア
属(Cooperia)、カイチュウ属(Ascaris)、ブノストムム属(Bunostomum)、イソー
ファゴストムム属(Oesophagostomum)、シャベルチア属(Chabertia)、鞭虫類(Tri
churis)、円虫(Strongylus)、トリコネーマ属(Trichonema)、ディクチオカウル
ス属(Dictyocaulus)、カピラリア属(Capillaria)、ヘテラキス属(Heterakis)、
トキソカラ属(Toxocara)、蛔虫科(Ascaridia)、ぎょう虫(Oxyuris)、釣虫属(Anc
ylostoma)、有鉤虫属(Uncinaria)、トキサスカリス属(Toxascaris)およびパラス
カリル属(Parascaris)である。多くの寄生虫は種特異的(1の宿主のみに感染す
る)であり、大部分のものは感染の好ましい部位を動物内に有する。したがって
、HaemonchusおよびOstertagiaが主として胃に感染するのに対し、Nematodirus
およびCooperiaはほとんど腸を攻撃する。心臓、眼、肺、血管などの中に棲息す
ることを好む寄生虫もいるが、皮下寄生虫もいる。嬬虫病は、弱体、体重損失、
貧血、腸損傷、栄養不良および他の器官に対する損傷に通じ得る。これらの疾病
を治療せずに放置すると、動物の死を生じ得る。
マダニ、ダニ類、シラミ、サシバエ、ツノサシバエ、クロバエ科のハエ、ノミ
などのごとき外部寄生節足動物による感染も重大な問題である。これらの寄生虫
による感染は、血液の損失、皮膚障害を生じ、正常な食事習慣を妨害し得、かく
して体重損失を引き起こす。これらの感染は、死に至り得る脳炎、アナプラズマ
病、豚痘などのごとき重篤な疾病の伝播も生じ得る。
1の寄生虫による感染は当該動物を弱め、第二の種の寄生虫による感染に対し
て当該動物をより感受性とするため、動物は、幾つかの種の寄生虫によって同時
に感染し得る。したがって、活性の広いスペクトルを有する化合物は、これらの
疾病の治療に特に有利である。25-メチレン化合物(VII)、24,25-エポ
キシ化合物(VIII)およびN-(18a)-デメチル-2-デオキソパラハークア
ミドAは、これらの寄生虫に対して予期せぬ高い活性を有し、加えて、イヌにお
けるイヌ糸状虫属(Dirofilaria)、げっ歯類におけるネマトスピロイデス(Nemat
ospiroides)および盲腸ぎょう虫(Syphacia)、ウシにおけるヒフバエ種(Hypode
rma sp.)およびウマにおけるウマハエ属(Gastrophilus)のごとき咬型昆虫およ
び移動性双翅類幼生に対しても活性である。
25−メチレン化合物(VII)、24,25−エポキシ化合物(VIII)お
よびN-(18a)−デメチル−2−デオキソパラハークアミドAは、ヒトにおい
て寄生虫病を引き起こす内部寄生虫および外部寄生虫に対しても有用である。ヒ
トに感染するかかる内部寄生虫の例には、属Ancylostoma、Necator、Ascaris、S
trongyloides、Trichinella、Capillaria、Trichuris、Enterobiusなどの胃腸寄
生虫が含まれる。ヒトに感染する他の内部寄生虫は、血液中または他の器官中に
見出される。かかる寄生虫の例は、糸状虫Wucheria、Brugia、Onchocercaなど、
ならびに腸虫StrongylidesおよびTrichinellaの腸外ステージである。ヒトに寄
生する外部寄生虫には、マダニ、ノミ、ダニ類、シラミのごとき節足動物が含ま
れ、家畜動物ではこれらの寄生虫による感染は重篤かつ死に至りさえする疾病の
伝播を生じ得る。25−メチレン化合物(VII)、24,25−エポキシ化合物
(VIII)およびN−(18a)−デメチル−2−デオキソパラハークアミドA
は、これらの内部寄生虫および外部寄生虫に対して活性であり、加えてヒトを悩
ます咬型昆虫および他の双翅類害虫に対しても活性である。25−メチレン化合
物(VII)、24,25−エポキシ化合物(VIII)およびN−(18a)−デ
メチル−2−デオキソパラハークアミドAは、経口または非経口投与する場合に
は、0.05〜20mg/kg動物体重の投与比率で投与する。
25−メチレン化合物(VII)、24,25−エポキシ化合物(VIII)お
よびN-(18a)−デメチル−2−デオキソパラハークアミドAは、Blatella sp
.(ゴキブリ)、Tineola sp.(イガ)、Attagenus sp.(カツオブシムシ)、Muscadom
estica(イエバエ)のごとき通常の家庭害虫に対して、およびSolenopsis Invic
ta(南米原産フシアリ)に対しても有用である。
なお、25−メチレン化合物(VII)、24,25−エポキシ化合物(VII
I)およびN−(18a)−デメチル−2−デオキソパラハークアミドAは、アリ
マキ(Acyrthiosiphon sp.)、バッタ、およびメキシコワタミゾウムシのごとき農
業害虫に対して、ならびにTribolium sp.のごとき貯蔵穀物を攻撃する昆虫害虫
に対して、および植物組織上に棲息する昆虫の未成熟ステージに対しても有用で
ある。25−メチレン化合物(VII)、24,25−エポキシ化合物(VIII
)およびN−(18a)−デメチル−2−デオキソパラハークアミドAは、農業上
重要となり得る土壌線虫を制御するための殺線虫剤としても有用である。
動物における駆虫剤としての使用に関しては、25−メチレン化合物(VII)
、24,25−エポキシ化合物(VIII)およびN−(18a)−デメチル−2−
デオキソパラハークアミドAは、経口または注射によってか、または液体水薬も
しくはシャンプーとして局所的によってかのいずれかで内部的に投与し得る。
経口投与に関しては、25−メチレン化合物(VII)、24,25−エポキシ
化合物(VIII)およびN−(18a)−デメチル−2−デオキソパラハークア
ミドAは、カプセル剤、錠剤または水薬丸薬形態で投与することができ、あるい
は別法としてそれらを動物飼料中に混合することもできる。カプセル剤、錠剤、
および水薬丸薬は、デンプン、タルク、ステアリン酸マグネシウムまたはリン酸
二カルシウムのごとき適当な担体ビヒクルと組み合わせた有効成分よりなる。こ
れらの単位投与量形態は、均一な混合溶液または懸濁液が得られるように、該有
効成分と希釈剤、充填剤、崩壊剤、懸濁化剤および/または結合剤を含む適当な
微粉砕不活性成分とをよく混合することによって調製する。不活性成分とは、2
5−メチレン化合物(VII)、24,25−エポキシ化合物(VIII)およびN
−(18a)−デメチル−2−デオキソパラハークアミドAと反応せず、治療すべ
き動物に対して無毒なものである。適当な不活性成分には、デンプン、ラクトー
ス、タルク、ステアリン酸マグネシウム、植物性のガムおよび油性物などが含ま
れる。これらの処方には、治療すべき動物種の大きさおよびタイプならびに感染
のタイプおよび程度などのごとき膨大な因子に依存して広く変動し得る量の有効
成分および不活性成分が含まれ得る。該有効成分は、25−メチレン化合物(V
II)、24,25−エポキシ化合物(VIII)およびN−(18a)−デメチル−
2−デオキソパラハークアミドAと食品材料とを単純に混合することによるか、
または該化合物を飼料の表面に適用することによって、飼料への付加物としても
投与し得る。別法として、該有効成分は、不活性担体と混合し、次いで得られた
組成物を飼料と混合するか、または動物に直接に摂食させるかのいずれかとし得
る。適当な不活性担体には、コーンミール、シトラスミール、醗酵粕、ダイズ粗
粉、乾燥穀類などが含まれる。該有効成分は、最終組成物が当該有効成分を0.
001〜5.0重量%含むように、粉砕、攪拌、ミリング、またはタンブリング
によってこれらの不活性担体とよく混合する。
別法として、25−メチレン化合物(VII)、24,25−エポキシ化合物(
VIII)およびN−(18a)−デメチル−2−デオキソパラハークアミドAは
、不活性液体担体に溶解した有効成分よりなる処方の注射を介して非経口投与す
ることもできる。注射は筋肉内、胃内(intraruminal)、気管内または皮下のいず
れかとし得る。該注射可能な処方は、適当な不活性液体担体と混合した有効成分
よりなる。許容し得る液体担体には、落花生油、綿実油、ゴマ油などのごとき植
物油、ならびにソルケタール(solketal)、グリセリン・フォーマル(glycerol for
mal)などのごとき有機溶媒が含まれる。別法として、水性非経口処方も用い得る
。植
物油が好ましい液体担体である。該処方は、当該最終処方が0.005〜20重
量%の有効成分を含むように、液体担体に該有効成分を溶解または懸濁すること
によって調製する。
25−メチレン化合物(VII)、24,25−エポキシ化合物(VIII)お
よびN−(18a)−デメチル−2−デオキソパラハークアミドAの局所適用は、
当該25−メチレン化合物(VII)、24,25−エポキシ化合物(VIII)お
よびN−(18a)−デメチル−2−デオキソパラハークアミドAを水性溶液また
は懸濁液として含有する液体水薬またはシャンプーの使用を介して可能である。
これらの処方には、一般的に、ベントナイトのごとき懸濁化剤、および通常は消
泡剤も含まれる。0.005〜20重量%の有効成分を含む処方が許容し得る。
好ましい処方は、0.5〜5重量%の25−メチレン化合物(VII)、24,25
−エポキシ化合物(VIII)およびN−(18a)−デメチル−2−デオキソパ
ラハークアミドAを含むものである。
25−メチレン化合物(VII)、24,25−エポキシ化合物(VIII)およ
びN−(18a)−デメチル−2−デオキソパラハークアミドAは、ウシ、ヒツジ
、ウマ、イヌ、ネコ、ヤギ、ブタおよび家禽のごとき家畜動物における嬬虫病を
治療および/または予防するのに主として有用である。それらは、マダニ、ダニ
類、シラミ、ノミなどのごとき外部寄生虫によるこれらの動物の寄生虫感染の予
防および治療においても有用である。それらは、ヒトの寄生虫感染の治療にも有
効である。かかる感染の治療においては、25−メチレン化合物(VII)、24
,25−エポキシ化合物(VIII)およびN−(18a)−デメチル−2−デオキ
ソパラハークアミドAは、別個にかもしくは互いに組み合わせて、または他の無
関係な駆虫剤と組み合わせて使用することができる。最良の結果に要する25−
メチレン化合物(VII)、24,25−エポキシ化合物(VIII)およびN−(
18a)−デメチル−2−デオキソパラハークアミドAの投与量は、動物の種お
よび大きさ、感染のタイプおよび程度、投与方法、ならびに用いる特定の25−
メチレン化合物(VII)、24,25−エポキシ化合物(VIII)およびN−(1
8a)−デメチル−2−デオキソパラハークアミドAのごとき幾つかの因子に依
存する。
単一用量または数日の間隔を空けての数回の用量のいずれかで、0.005〜5
0mg/kg動物体重の用量レベルで25−メチレン化合物(VII)、24,2
5−エポキシ化合物(VIII)およびN−(18a)−デメチル−2−デオキソパ
ラハークアミドAを経口投与すると、一般的に良好な結果が得られる。25−メ
チレン化合物(VII)、24,25−エポキシ化合物(VIII)およびN−(18
a)−デメチル−2−デオキソパラハークアミドAのうちの1種の単一用量によ
って通常最高の制御が供されるが、繰返し用量を投与して再感染または異常に永
続性である寄生虫種を駆逐し得る。25−メチレン化合物(VII)、24,25
−エポキシ化合物(VIII)およびN−(18a)−デメチル−2−デオキソパラ
ハークアミドAを動物に投与する技術は、獣医分野における当業者に知られてい
る。
25−メチレン化合物(VII)、24,25−エポキシ化合物(VIII)およ
びN−(18a)−デメチル−2−デオキソパラハークアミドAを用いて、圃場ま
たは貯蔵中のいずれかの穀物を攻撃する農業害虫を駆逐することもできる。25
−メチレン化合物(VII)、24,25−エポキシ化合物(VIII)およびN−(
18a)−デメチル−2−デオキソパラハークアミドAは、スプレー剤、粉剤、
乳剤のごとき使用で、成長する植物または収穫穀物のいずれかに適用される。こ
の様に25−メチレン化合物(VII)、24,25−エポキシ化合物(VIII)
およびN−(18a)−デメチル−2−デオキソパラハークアミドAを適用する技
術は、農業分野における当業者に知られている。
正確な投与量および投与頻度は、用いる特定の25−メチレン化合物(VII)
、24,25−エポキシ化合物(VIII)およびN−(18a)−デメチル−2−
デオキソパラハークアミドA、治療すべき特定の症状、治療すべき症状の程度、
特定の患者の年齢、体重、一般的身体条件、当業者によく知られているとして個
人が考慮し得る他の療法に依存し、患者の血液中の25−メチレン化合物(VI
I)、24,25−エポキシ化合物(VIII)およびN−(18a)−デメチル−2
−デオキソパラハークアミドAの血中レベルまたは濃度、および/または治療す
べき特定の症状に対する患者の応答を測定することによって、より正確に決定す
ることができる。定義および約束
以下の定義および説明は本明細書および請求の範囲の双方を含むこの書類全体
を通して用いられる用語に関する。
I.式に関する約束および変数の定義
本明細書および請求の範囲中の種々の化合物または分子フラグメントを表す化
学式には、表して定義する構造特徴に加えて変数置換基が含まれ得る。これらの
変数置換基は文字または文字につづく数字、例えば”Z1”または”Ri”によっ
て同定し、ここに”i”は整数である。これらの変数置換基は一価または二価の
いずれかであり、すなわち、それらは1または2の化学結合によって式に結合す
る基を表す。例えば、基Z1は、式CH3−C(=Z1-)Hに結合する場合には二価
変数を表す。基RiおよびRjは、式CH3-CH2-C(Ri)(Rj)-Hに結合する場
合には一価変数置換基を表す。化学式が前記のごとく線状様式で描かれている場
合には、括弧内に含まれる変数置換基は括弧内に囲まれている変数置換基のすぐ
左側の原子に結合している。2またはそれを超える連続する変数置換基が括弧内
に囲まれている場合には、該連続する変数置換基の各々が括弧内に囲まれていな
い左側の直前の原子に結合している。したがって、前記の式においては、Riお
よびRjの両方が、前の炭素原子に結合している。また、ステロイドのごとき炭
素原子番号付けの確立された系を有するいずれの分子についても、これらの炭素
原子はCiのごとく示し、ここに”i”は炭素原子番号に対応する整数である。例
えば、C6とはステロイド化学における当業者によって伝統的に示されているご
とき、ステロイド核中の6位または炭素原子番号を表す。同様にして、用語”R6
”とは、C6位における(一価または二価のいずれかの)変数置換基を表す。
線状様式で描かれている化学式またはその部分は、線状鎖中の原子を表す。記
号”−”とは、一般的に鎖中の2の原子間の結合を表す。したがって、CH3−
O−CH2−CH(Ri)−CH3とは、2−置換−1−メトキシプロパン化合物を
表す。同様の様式で、記号”=”は二重結合、例えばCH2=C(Ri)-O-CH3を
表し、記号”≡”は三重結合、例えばHC≡C−CH(Ri)−CH2−CH3を表
す。カルボニル基は、2つの方法:−CO−またはC(=C−)のうちのいずれか
1つで表されるが、単純につき前者が好ましい。
環状(環)の化合物または分子フラグメントの化学式は、線状様式で表し得る。
かくして、化合物4−クロロ−2−メチルピリジンは、アスタリスク(*)で印を
付けた原子が互いに結合して環を形成するという約束で、N*=C(CH3)−CH
=CCl−CH=C*Hにより線状様式で表し得る。同様にして、環状分子フラ
グメント、4-(エチル)-1-ピペラジニルは、-N*-(CH2)2-N(C2H5)-CH2-
C*H2によって表し得る。
本明細書中のいずれの化合物に関する剛直環状(環)構造も、当該剛直環状化合
物の各原子に結合する置換基についての環平面に対する方向が決まる。環状系の
一部分である炭素原子に結合する2個の置換基を有する飽和化合物、-C(X1)(
X2)-については、この2個の置換基は該環に対してアキシアルまたはエクアト
リアル位置のいずれかで存在し得、これらはアキシアル/エクアトリアルの間で
変化し得る。しかしながら、該環に対する2個の置換基の位置および互いの位置
は固定されたままである。いずれかの置換基が同時に該環平面の上方または下方
(アキシアル)というより該環平面内(エクアトリアル)に存在し得るが、1個の置
換基は常にもう1つのものの上方に存在する。かかる化合物を描いている化学構
造式においては、もう1つの置換基(X2)の”下方”に存在する置換基(X1)はア
ルファ(α)立体配置で存在すると同定し、該炭素原子への破線、ダッシュ線また
は点線結合、すなわち”---”または”...”によって同定する。もう1つの置換
基(X1)の”上方”に結合する対応する置換基(X2)は、ベータ(β)立体配置で存
在すると同定し、該炭素原子への実線結合によって示す。
変数置換基が二価である場合、変数の定義において、原子価は一緒または別々
に、あるいはその両方とし得る。例えば、-C(=Ri)-として炭素原子に結合す
る変数Riは二価であり、オキソまたはケト(したがって、カルボニル基(-CO
-)を形成する)と規定され、あるいは2個の別々に結合する一価変数置換基α-
Ri-jおよびβ-Ri-kと規定し得る。二価変数Riが2個の一価変数置換基よりな
ると規定する場合には、該約束を用いて、該二価変数は形態”α-Ri-j:β-Ri -k
”またはそのある種の変形であると規定する。かかる場合においては、α-Ri -j
およびβ-Ri-kの両方が炭素原子に結合して、-C(α-Ri-j)(β-Ri-k)−と
なる。例えば、二価変数R6、−C(=R6)−が2個の一価変数置換基よりなると
規定する場合には、該2個の一価変数置換基はα−R6-1:β−R6-2、....α
−R6-9:β−R6-10他であり、−C(α−R6-1)(β−R6-2)−、....−C(α−
R6-9)(β−R6-10)−他となる。同様にして、二価変数R11、−C(=R11)−に
ついては、2個の一価変数置換基はα−R11-1:β−R11-2である。(例えば、
環中の炭素・炭素二重結合が存在することに起因して)別々のαおよびβ方向が
存在しない環置換基、および当該環の一部分でない炭素原子に結合する置換基に
ついてはなお前記約束が用いられるが、αおよびβの記号は省略される。
同じように、二価置換基は2個の別々の一価変数置換基として規定し得、2個
の別々の一価変数置換基は一緒になって二価変数を形成すると規定し得る。例え
ば、式−C1(Ri)H−C2(Rj)H−(ここに、C1およびC2は各々、第一および
第二炭素原子を軌道的に規定する)は、RiおよびRjは、一緒になって(1)C1
とC2との間の第二の結合、または(2)オキサ(−O−)のごとき二価基(そ
れによって該式はエポキシドを記載する)を形成すると規定し得る。Riおよび
Rjが一緒になって基−X−Y−のごときより複雑な基を形成する場合には、該
基の方向は前記式中のC1がXに結合し、C2がYに結合するようになる。したが
って、約束によって、"...RiおよびRjは一緒になって、−CH2−CH2−O
−CO−を形成し..."なる明示は、その中でカルボニルがC2に結合しているラ
クトンを意味する。しかしながら、"...RjおよびRiは一緒になって、−CO
−O−CH2−CH2−を形成し..."と明示する場合には、該約束はその中でカル
ボニルがC1に結合しているラクトンを意味する。
変数置換基の炭素原子含量は、2つの方法のうちの1つで示す。第1の方法で
は”C1−C4”のごとき変数の全体名称に対する接頭辞を用い、ここに”1”お
よび”4”の双方は変数中の炭素原子の最小および最大の数を表している。該接
頭辞はスペースによって変数から分離されている。例えば、”C1−C4アルキ
ル”は1〜4個の炭素原子のアルキル(別段指摘しない限りはそれらの異性体形
を含む)を表す。この単一接頭辞が記載されている場合には、該接頭辞は、規定
すべき変数の全体の炭素原子含量を示している。したがって、C2−C4アルコキ
シカルボニルとは、基CH3−(CH2)n−O−CO−を記載し、ここにnは0、
1または2である。第2の方法によれば、括弧内に”Ci−Cj”明示を囲み、規
定すべき定義の部分の直前に(スペースの介在なしに)それを置くことによって、
定義の各部分のみの炭素原子含量が別々に示される。この任意の約束により、(
C1−C3)アルコキシカルボニルは、C2−C4アルコキシカルボニルと同一の意
味を有する。なぜならば、”C1−C3”はアルコキシ基の炭素原子含量のみを示
すからである。同様に、C2−C6アルコキシアルキルおよび(C1−C3)アルコキ
シ(C1−C3)アルキルの双方は、2〜6個の炭素原子を含有するアルコキシアル
キル基を規定するが、2つの規定は異なる。なぜならば、前者の規定によればア
ルコキシまたはアルキル部分のいずれかが単独で4または5個の炭素原子を含み
得るのに対し、後者の規定によればこれらの基のいずれかを3個までの炭素原子
に限定する。
請求の範囲にかなり複雑な(環状)置換基が含まれる場合には、その特定の置換
基を命名/明示する句の最後に(括弧)中に標記があり、それはその特定の置換
基の化学構造式も記載している「反応図式」のうちの1つの中の同一の名称/明
示に対応する。
II.定義
すべての温度は℃である。
THFとはテトラヒドロフランをいう。
DMSOとはジメチルスルフォキシドをいう。
LDAとはリチウム ジイソプロピルアミドをいう。
TEAとはトリエチルアミンをいう。
DMFとはジメチルホルムアミドをいう。
塩類溶液とは、飽和塩化ナトリウム水溶液をいう。
クロマトグラフィー(カラムクロマトグラフィーおよびフラッシュクロマトグ
ラフィー)とは、(支持体、溶出液)として表わす、化合物の精製/分離をいう
。適当な画分を保存し、濃縮して目的の化合物(群)を得ることは理解される。
NMRとは、核(プロトン)磁気共鳴分光分析をいい、化学シフトはテトラメ
チルシランから下流域のppm(δ)で報告する。
−φとはフェニル(C6H5)をいう。
MSとは、m/e、m/zまたは質量/電荷単位として表す質量分析をいう。
[M+H]+とは、親原子+水素原子の陽イオンをいう。EIとは電子衝撃をいう
。CIとは化学イオン化をいう。FABとは高速原子衝撃をいう。
HRMSとは高分解能質量分析をいう。
エーテルとはジエチルエーテルをいう。
医薬上許容されるとは、薬理学的/毒素学的な見地より患者に対して許容し得
、かつ組成物、処方、安定性、患者許容性および生物学的利用能に関する物理学
的/化学的見地より製薬化学者に対して許容し得る特性および/または物質をい
う。
溶媒対を用いる場合には、用いる溶媒の比は容積/容積(v/v)である。
溶媒中の固形物の溶解度を用いる場合には、該溶媒に対する該固形物の比は重
量/容量(wt/v)である。
_は、結合基について2の可能な配向:(1)ステロイド環に結合する場合に
はαまたはβ、および;(2)二重結合の炭素原子に結合する場合にはシスまた
はトランス:が存在することを示す。
UC####とはUpjohn Culture番号abcdをいう。
実施例
さらに説明しなくとも、当業者であれば、前記の記載を用いれば本発明をその
最大限の範囲で実施することができると考えられる。以下の詳記した例は、本発
明の種々の化合物をいかにして調製し、かつ/または本発明の種々のプロセスを
いかにして行うかを記載しており、単なる例証と解釈されるものであり、いかな
る場合においても前記開示に限定されるものではない。当業者であれば、反応物
ならびに反応条件および技術の双方としての手法から適当な変形を直ちに認識す
るであろう。
調製例1 ジアステレオマーの混合物としての16−インド−17−シアノ
マークホルチンA(式5)
固形ヨウ化シアン(11.7g、76.5ミリモル)をクロロホルム(150mL)
中のマークホルチンA(10.5g、22ミリモル)の溶液に添加し、その反応
混合物をすべてのマークホルチンAが消費されるまで(約5時間)、還流下にて加
熱した。得られた混合物を20−25℃まで冷却し、塩化メチレン(100mL)
で希釈し、飽和重炭酸ナトリウムで洗浄し、次いで亜硫酸ナトリウム溶液で洗浄
した。その有機相を分離し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濃縮乾固させた。
得られた粗製固形物をクロマトグラフィー(シリカゲル;酢酸エチル/ヘキサン
、3/2)に付して標題化合物を得た。
調製例2 16,17−デヒドロ−17−シアノマークホルチンA(式6)
16−ヨード−17−シアノマークホルチンA(調製例1、9.5g、15ミ
リモル)をメタノール(150mL)に溶解し、水性水酸化カリウム(45%、3
mL)を添加した。その反応混合物を20−25℃にて2時間攪拌した。水を添
加し、得られた沈殿を濾過によって収集し、水洗し、減圧下にて一晩乾燥させて
標題化合物を得た。
調製例3 17−ケトマークホルチンA(式7)
二酸化セレン(2.9g、26ミリモル)を、95%エタノール(100mL)
中の16,17−デヒドロ−17−シアノマークホルチンA(調製例2、6.0g
、10ミリモル)の溶液に添加し、その反応混合物を20−25℃にて2時間攪
拌した。飽和重炭酸ナトリウム(100mL)を添加することによってその反応
物をクエンチした。得られた混合物を塩化メチレン(2×200mL)で抽出した
。それらの抽出液を合し、乾燥(硫酸マグネシウム)させ、濃縮して粗製生成物
を
得た。この物質をクロマトグラフィー(シリカゲル;酢酸エチル)によって精製
して標題化合物を得た。
C28H33N3O5+Hとして
HRMS(FAB,M/Z,[M+H])
計算値=492.2498
実測値=492.2478
別法として、かつより好ましくは、標題化合物はp-トルエンスルホン酸を用
いることによって合成することもできる。かくして、p-トルエンスルホン酸一
水和物(1g)を95%メタノール(50mL)中の16,17−デヒドロ−17
−シアノマークフォルチンA(10g)の溶液に添加し、その反応混合物を20−
25℃にて1時間攪拌した。その混合物にトリエチルアミン(2mL)を添加し、
溶媒を蒸発させた。その残渣を水性炭酸ナトリウム溶液(10%、100mL)で
トリチュレートし、その固形物を濾別し、乾燥して標題化合物(90%収率)を固
形物として得た。
調製例4 15,16−デヒドロ−17−ケトマークホルチンA(式8)
リチウム ジイソプロピルアミドの溶液は、ヘキサン中のn−ブチルリチウム
(1.6M、9.9mL、15.4ミリモル)およびジイソプロピルアミン(2.2m
L、15.7ミリモル)の溶液から調製した。これを無水テトラヒドロフラン(T
HF、20mL)で希釈し、−78℃まで冷却した。無水THF(20mL)中の
17−ケトマークホルチンA(調製例3、2.0g、4.1ミリモル)の溶液を滴
下し、その反応混合物を放置して1時間の間に−40℃まで温めた。その混合物
を再度−78℃まで冷却し、THF(10mL)中の塩化フェニルセレニド(19
mg、5.2ミリモル)で滴下処理した。5分後に、その反応物を飽和重炭酸ナ
トリウムでクエンチし、塩化メチレンで抽出し、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、
濃縮して固形物を得、これをさらに精製することなく用いた。この物質をTHF
(150mL)に溶解し、0℃の過酸化水素(30%、1.5mL)で処理した。冷
却浴を外してそ
の反応混合物を20−25℃にて30分間攪拌した。水酸化ナトリウム(1N、
100mL)を添加することによってその反応物をクエンチした。その混合物を
塩化メチレン(2×200mL)で抽出した。それらの抽出液を合し、乾燥(硫酸
マグネシウム)させ、濃縮して粗製生成物を得た。この物質をクロマトグラフィ
ー(シリカゲル;酢酸エチル)によって精製して標題化合物を得た。
C28H31N3O5+Hとして
HRMS(FAB,M/Z,[M+H])
計算値=490.2342
実測値=490.2345
調製例5 オキサジリジン化学を用いた14α-ヒドロキシ-15,16-デヒ
ドロ-17-ケトマークホルチンA(式9a)
トルエン中のビス(トリメチルシリル)アミドカリウムの溶液(0.5M、1mL
、0.5ミリモル)を、-78℃のTHF(2mL)中の15,16-デヒドロ−17
−ケトマークホルチンA(調製例4、66mg、0.14ミリモル)の溶液に滴
下した。得られた混合物を放置して1時間の間に−40℃まで温めた。その反応
混合物を−78℃まで冷却し、15分間攪拌し、次いでTHF(2mL)中の2−
フェニルスルホニル−3−フェニルオキサジリジン(42mg、0.16ミリモル
)の溶液を滴下することによって処理した。その混合物を5分間攪拌し、その後
に重炭酸ナトリウムを添加することによって反応物をクエンチした。その混合物
を塩化メチレン(2×25mL)で抽出した。それらの抽出液を合し、乾燥(硫酸
マグネシウム)させ、濃縮して粗製物質を得た。これを分取用薄層クロマトグラ
フィー(シリカゲル;酢酸エチル)によって精製して、標題化合物を得た。
C28H31N3O6+Hとして
HRMS(FAB,M/Z,[M+H])
計算値=506.2291
実測値=506.2280
14,15−デヒドロ−16−ヒドロキシ−17−ケトマークホルチンA(14
mg、20%)も得た。
調製例6 二酸化セレンを用いた14α−ヒドロキシ−15,16−デヒド
ロ−17−ケトマークホルチンA(式9a)、15,16−デヒド
ロ−14,17−ジケトマークホルチンA(式11)および14,
15−デヒドロ−16,17−ジケトマークホルチンA(式24)
15,16−デヒドロ−17−ケトマークホルチンA(調製例4、1.29g、
2.6ミリモル)をp−ジオキサン(30mL)に溶解し、二酸化セレン(390m
g)で処理した。その混合物を1時間還流し、減圧下にて溶媒を蒸発させた。そ
の残渣を塩化メチレン(30mL)でトリチュレートし、濾過した。その濾液を濃
縮し、残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル;メタノール/酢酸エチル、1/
20)に付して14α−ヒドロキシ−15,16−デヒドロ−17−ケトマークホ
ルチンA(430mg、32%)を固形物として得た。15,16−デヒドロ−1
4,17−ジケトマークホルチンA(式11、212mg、16%)および14,1
5−デヒドロ−16,17−ジケトマークホルチンA(式24、106mg、8%
)もクロマトグラフィーから得た。
調製例7 15,16−デヒドロ−14,17−ジケトマークホルチンA(式
11)
14α−ヒドロキシ−15,16−デヒドロ−17−ケトマークホルチンA(調
製例6、60mg、式9a)を塩化メチレン(10mL)に溶解し、二酸化マンガ
ン(60mg)で処理した。その混合物を20−25℃にて1時間攪拌し、濃縮し
た。残渣の分取用薄層クロマトグラフィー(シリカゲル;塩化メチレン/酢酸エ
チル、50/50)により、標題化合物を得た。
調製例8 14α−ヒドロキシマークホルチンA(式10)
14α−ヒドロキシ−15,16−デヒドロ−17−ケトマークホルチンA(調
製例6、20mg、0.040ミリモル)をTHF(5mL)中に溶解し、0℃のT
HF中の水素化アルミニウムリチウムの溶液(1M、0.11mL、0.11ミリ
モル)で処理した。その混合物を0℃にて0.5時間攪拌し、その後に重炭酸ナト
リウムの溶液(10%)を添加した。その混合物を塩化メチレン(2×10mL)で
抽出した。それらの抽出液を合し、乾燥(硫酸マグネシウム)させて、溶媒を減圧
下にて除去した。分取用薄層クロマトグラフィー(シリカゲル;メタノール/酢
酸エチル、10/90)により、標題化合物を得た。
C28H35N3O5+Hとして
HRMS(FAB,M/Z,[M+H])
計算値=494.2655
実測値=494.2653
調製例9 14α−ヒドロキシ−17−ケトマークホルチンA(式12a)
14α−ヒドロキシ−15,16−デヒドロ−17−ケトマークホルチンA(式
9a、調製例6、50mg、0.1ミリモル)をTHF(5mL)に溶解し、−78
℃のTHF中のトリエチルホウ水素化リチウムの溶液(1M、0.7mL)で処理
した。その混合物を−78℃にて0.5時間攪拌した。メタノール(1mL)を添
加することによってその反応物をクエンチし、その混合物を濃縮した。得られた
固形物をクロマトグラフィー(シリカゲル;メタノール/塩化メチレン、1/2
0)に付して標題化合物を得た。
C28H33N3O6+Hとして
HRMS(FAB,M/Z,[M+H])
計算値=508.2447
実測値=508.2437
調製例10 15,16−デヒドロ−14,17−ジケトマークホルチンA(式
11)から14α-ヒドロキシ-17-ケトマークホルチンA(式
12a)および14β−ヒドロキシ−17−ケトマークホルチン
Aの調製
15,16−デヒドロ−14,17−ジケトマークホルチンA(式11、調製例
6、470mg、0.93ミリモル)をTHFに溶解し、20−25℃のTHF
中のホウ水素化リチウムの溶液(1M、2mL)で処理した。その混合物を2時
間攪拌し、その後に重炭酸ナトリウムの溶液(10%)を添加した。その混合物
を塩化メチレン(2×20mL)で抽出した。それらの抽出液を合し、乾燥(硫
酸マグネシウム)させ、溶媒を蒸発させた。その残渣には、クロマトグラフィー
(シリカゲル;メタノール/酢酸エチル、1/20)によって容易に分離される
2種のエピマー:14α−ヒドロキシ−17−ケトマークホルチンA(90mg
、19%)および14β−ヒドロキシ−17−ケトマークホルチンA(94mg
、20%)の混合物が含まれていた。
調製例11 14α−ヒドロキシ−17−ケトマークホルチンA(式12a)か
ら14α−ヒドロキシマークホルチンA(式10)の調製
14α−ヒドロキシ−17−ケトマークホルチンA(式12a、調製例10、
413mg、0.81ミリモル)をTHF(20mL)に溶解し、0℃のTHF中
のボラン−THF錯体の溶液(1M、2.43mL)で処理した。その混合物を
2.25時間攪拌した。その混合物を0.5時間攪拌し、その後にメタノール(3
mL)を添加した。溶媒を蒸発させた後に、その残渣をクロマトグラフィー(シリ
カゲル;メタノール/酢酸エチル、1/16)に付して標題化合物を得た。
調製例12 14,17−ジケトマークホルチンA(式13)
無水塩化メチレン(5mL)中の塩化オキサリル(40μL)の溶液を−78℃の
ジメチルスルフオキシド(45μL)で処理した。その混合物を−78℃にて1時
間攪拌した。塩化メチレン(2mL)中の14α−ヒドロキシ−17−ケトマーク
ホルチンA(調製例11、27mg)の溶液を滴下した。その反応混合物を−78
℃にて20分間攪拌した。その反応混合物にトリエチルアミン(0.3mL)を添
加し、それを放置して20分間の間に20−25℃まで温めた。その混合物を炭
酸ナトリウム(10%、10mL)と塩化メチレン(10mL)との間に分配させた
。その
有機層を分離し、乾燥(硫酸マグネシウム)させて濃縮した。その残渣をクロマ
トグラフィー(シリカゲル;メタノール/塩化メチレン、1/20)に付して標題
化合物を得た。
C28H31N3O6+Hとして
HRMS(FAB,M/Z,[M+H])
計算値=506.2291
実測値=506.2280
調製例13 14α−ヒドロキシ−14β−メチル−17−ケトマークホルチ
ンA(式14a)
−78℃の塩化メチレン(5mL)中の14,17−ジケトマークホルチンA(調
製例12、16mg、0.032ミリモル)の溶液を、−78℃のエーテル中のメ
チルマグネシウムブロミドの溶液(3M、0.16mL、0.48ミリモル)で処理
した。得られた混合物を−78℃にて0.5時間攪拌した。炭酸ナトリウム(10
%、数滴)を添加することによってその反応物をクエンチした。その混合物を塩
化メチレン(10mL)で希釈し、乾燥(硫酸マグネシウム)させて濃縮した。その
残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル;メタノール/塩化メチレン、1/20)
に付して、14α−ヒドロキシ−14β−メチル−17−ケトマークホルチンA
(8mg、50%、Rf=0.25)を得た。
C29H35N3O6+Hとして
HRMS(FAB,M/Z,[M+H])
計算値=522.2604
実測値=522.2620
また、該層から14β−ヒドロキシ−14α−メチル−17−ケトマークホル
チンA(1.2mg、7%、Rf=0.4)も得た。
C29H35N3O6+Hとして
HRMS(FAB,M/Z,[M+H])
計算値=522.2604
実測値=522.2630
反応溶媒として塩化メチレンの代わりにTHFを用いた場合には、かく得られ
た生成物の6:1という比は50:1を超えて上昇し、収率も80%まで上昇し
た。
調製例14 14α−ヒドロキシ−14β−メチルマークホルチンA(式15
)
THF(5mL)中の14α−ヒドロキシ−14β−メチル−17−ケトマーク
ホルチンA(調製例13、5mg、0.01ミリモル)の溶液を0℃のTHF中
の水素化アルミニウムリチウムの溶液(1M、0.03mL、0.03ミリモル)で
処理した。その混合物を0℃にて0.5時間攪拌し、その後に重炭酸ナトリウム
の溶液(10%)を添加した。その混合物を塩化メチレン(2×5mL)で抽出した
。それらの抽出液を合し、乾燥(硫酸マグネシウム)させて、溶媒を蒸発させた。
分取用TLC(シリカゲル;メタノール/塩化メチレン、1/20)により標題化
合物を得た。
C29H37N3O5+Hとして
HRMS(FAB,M/Z,[M+H])
計算値=508.2811
実測値=508.2816
調製例15 14-ケトマークホルチンA(式16)
無水塩化メチレン(20mL)中の塩化オキサリル(150μL)の溶液を-78
℃のDMSO(170μL)で処理した。その混合物を−78℃にて1時間攪拌し
た。塩化メチレン(5mL)中の14α−ヒドロキシマークホルチンA(調製例1
1、110mg)の溶液を滴下した。その反応混合物を−78℃にて20分間攪
拌した。その反応混合物にTEA(1mL)を添加し、それを放置して20分間の
間に20−25℃まで温めた。その混合物を炭酸ナトリウム(10%、20mL)
と塩化メチレン(20mL)との間に分配させた。有機層を分離し、乾燥(硫酸マ
グネ
シウム)させて濃縮した。その残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル;メタノー
ル/塩化エチレン、1/25)に付して標題化合物を得た。
C28H33N3O5+Hとして
HRMS(FAB,M/Z,[M+H])
計算値=492.2498
測定値=492.2510
調製例16 14β-ヒドロキシマークホルチンA(式17)
メタノール(2mL)中の14-ケトマークホルチンA(調製例15、10mg)
の溶液を0℃のホウ水素化ナトリウム(5mg)で処理した。その混合物を0℃に
て0.5時間攪拌し、その後に重炭酸ナトリウムの溶液(10%)を添加した。そ
の混合物を塩化メチレン(2×10mL)で抽出した。抽出液を合し、乾燥(硫酸
マグネシウム)させ、溶媒を蒸発させた。分取用TLC(シリカゲル、メタノール
/酢酸エチル、1/16)によって標題化合物を得た。
C28H35N3O5+Hとして
HRMS(FAB,M/Z,[M+H])
計算値=494.2655
実測値=494.2653
調製例17 14α-ヒドロキシマークホルチンA N-オキシド(式18)
塩化メチレン(3mL)中の14α-ヒドロキシマークホルチンA(調製例11、
15mg)の溶液を、0℃のm-クロロ過安息香酸(15mg)で処理した。その
混合物を0℃にて0.5時間攪拌した後に、TEA(30μL)で処理して濃縮し
た。分取用TLC(シリカゲル;メタノール/塩化メチレン、1/8)によって標
題化合物を得た。
C28H35N3O6+Hとして
HRMS(FAB,M/Z,[M+H])
計算値=510.2604
実測値=510.2615
調製例18 14α−ヒドロキシ−14β−エチルマークホルチンA(式19
)
−78℃のTHF(5mL)中の14−ケトマークホルチンA(調製例15、2
5mg、0.05ミリモル)の溶液を、−78℃のエーテル中のエチルマグネシ
ウムブロミドの溶液(3M、0.15mL、0.45ミリモル)で処理した。得
られた混合物を−78℃にて0.5時間攪拌した。その反応混合物を放置して2
0分間の間に20−25℃まで温めた。炭酸ナトリウム(10%、数滴)を添加す
ることによってその反応物をクエンチした。その混合物を塩化メチレン(10m
L)で希釈し、乾燥(硫酸マグネシウム)させて濃縮した。その残渣をクロマトグ
ラフィー(シリカゲル;メタノール/塩化メチレン、1/20)に付して標題化
合物を得た。
C30H39N3O5+Hとして
HRMS(FAB,M/Z,[M+H])
計算値=522.2968
実測値=522.2983
調製例19 14α−ヒドロキシ−14β−メチルマークホルチンAから14
β−メチルマークホルチンAの調製
トルエン中のカリウム ビス(トリメチルシリル)アミドの溶液(0.5M、1m
L、0.5ミリモル)を、−78℃のTHF(2mL)中の14α−ヒドロキシ−1
4β−メチルマークホルチンA(式15、調製例14、66mg、0.14ミリモ
ル)の溶液に滴下した。得られた混合物を放置して、1時間の間に−40℃まで
温めた。その反応混合物を−78℃まで冷却し、15分間攪拌し、次いでTHF
(2mL)中のフェニルクロロチオノホルメート(0.094mL、0.7ミリモル)
の溶液を滴下することによつて処理した。10分後に、ドライアイス浴を外した
。さらに3時間反応させた後に、重炭酸ナトリウムを添加することによってその
反応
物をクエンチした。その混合物を塩化メチレン(2×25mL)で抽出した。それ
らの抽出液を合し、乾燥(硫酸マグネシウム)させ、濃縮して粗製物質を得た。こ
れを分取用TLC(シリカゲル、酢酸エチル)によって精製して、14α−O-フ
ェノキシチオカルボニル−14β−メチルマークホルチンAを得た。
トルエン(5mL)中の14α−O−フェノキシチオカルボニル−14β−メチ
ルマークホルチンA(64mg、0.1ミリモル)の溶液に、AIBN(2,2'−ア
ザビスイソブチオニトリル、3.3mg)につづいて水素化トリブチルスズ(54
μL、0.2ミリモル)を添加した。その混合物を3時間還流した。溶媒を蒸発さ
せた後に、残渣を分取用TLC(シリカゲル、酢酸エチル)によって精製して14
β−メチルマークホルチンAを得た。
調製例20 17−ケトマークホルチンA(式7)の別法合成
還流温度のテトラヒドロフラン(THF、2L)および水(1.25L)中のマー
クホルチンA(65g、0.136モル)および重炭酸ナトリウム(137g、1.
63モル)に、ヨウ素(206g、0.81モル)をTHF(1.25L)中にて1
時間の間に滴下した(別法として、該混合物は20−25℃にて16時間攪拌す
ることもできる)。放置して徐々に20−25℃まで冷却させた(2.5時間)後に
、飽和チオ硫酸ナトリウム(1.5L)で反応物をクエンチし、酢酸エチル(2×1
L)で抽出した。合した有機層を飽和チオ硫酸ナトリウム(1L)で洗浄し、乾燥(
硫酸マグネシウム)させ、濾過し、蒸発させ、真空オーブン(65℃)中にて一晩
乾燥させて粗製17−ケトマークホルチンA(式7)62gを得た。
NMR(300MHz,CDCl3)7.68,6.80,6.70,6.32,4.90,3.75,3.23
,3.09,2.80,2.65,2.49-2.21,2.08,1.98-1.45,1.46,1.44,1.09および0.
90δ
別法として、塩化ヨウ素をヨウ素の代わりに用いることもできる。
調製例21 16-ジチオフェニル−17−ケトマークホルチンA(式20)
粗製17−ケトマークホルチンA(調製例20、5g、10.2ミリモル)を−
7
8℃のTHF(150mL)中にてカニューレを介して、n−ブチルリチウム(1.
6M、24.8mL、0.04モル)をTHF(100mL)中の0℃のジイソプロ
ピルアミン(5.7mL、0.041モル)に滴下することによって調製したLDA
溶液に添加した。その反応混合物を放置して、1時間の間に−50℃まで徐々に
温めた。次いで、得られた混合物をフェニルジスルフィド(4.4g、0.02モ
ル)で処理した。その反応物を飽和重炭酸ナトリウム溶液(100mL)で直ちに
クエンチし、塩化メチレン(300mL)で抽出した。その有機相を乾燥させ(硫
酸マグネシウム)、濃縮し(8g)、クロマトグラフィー(シリカゲル、120g;
酢酸エチル/ヘキサン、60/40)に付して標題化合物を得た。
MS(FAB)=708(M+H);
NMR(300MHz,CDCl3)7.74,7.71,7.64,7.45-7.30,6.81,6.72
,6.32,4.91,3.70,3.16,3.01,2.75,2.53,2.35,2.15-1.50,1.47,1.45
,1.06および0.82δ
調製例22 16−チオフェニル−16−スルホキシフェニル−17−ケトマ
ークホルチンA(調製例21)
窒素雰囲気下、−78℃の塩化メチレン(250mL)中の16−ジチオフェニ
ル−17−ケトマークホルチンA(調製例21、10g、14ミリモル)に、塩化
メチレン(200mL)中のm−クロロ過安息香酸(64%、4.2g、15.5ミ
リモル)を15分間滴下した。その反応物を直ちに飽和チオ硫酸ナトリウム(20
0mL)でクエンチし、飽和重炭酸ナトリウム(200mL)で希釈して塩化メチ
レン(200mL)中に抽出した。乾燥(硫酸マグネシウム)させ、つづいて減圧
下にて濃縮させて標題化合物を得た。
NMR(300MHz,CDCl3)8.0-7.29,6.80,6.70,6.31,4.90,3.68,
3.41,3.14,3.07,2.82,2.80-2.65,2.16,2.05-1.1,1.47,1.43,0.96およ
び0.83δ
調製例23 16−チオフェニル−15,16−デヒドロ−17−ケトマーク
ホルチンA(式22)
粗製16−チオフェニル−16−スルホキシフェニル−17−ケトマークホル
チンA(式21、調製例22、11g)をトルエン(250mL)中にて45分間還
流し、20−25℃まで冷却し、飽和重炭酸ナトリウム(300mL)で希釈し、
酢酸エチル(300mL)で抽出した。有機層を乾燥(硫酸マグネシウム)させ、
濃縮して標題化合物を得た。
MS(FAB)=598(M+H);
C34H35N3O5S+H1として
HRMS(M/Z,Mf+H)
計算値=598.2376
認定値=598.2387;
NMR(300MHz,CDCl3)8.18,7.55-7.45,7.29-7.45,6.83,6.70,
6.34,5.92,4.91,3.87,3.30,3.21,3.08,2.80,2.35,2.10,2.03,1.78,
1.46,1.44,1.11および0.88δ
調製例24 16−スルホキシフェニル−15,16−デヒドロ−17−ケト
マークホルチンA(式23)
−78℃の塩化メチレン(300mL)中の粗製16−チオフェニル−15,1
6−デヒドロ−17−ケトマークホルチンA(式22、調製例23、10.6g
)に、m−クロロ過安息香酸(64%、2.8g)を塩化メチレン(125mL)
中にて滴下した。飽和チオ硫酸ナトリウム(300mL)および飽和重炭酸ナトリ
ウム(300mL)でその反応物をクエンチし、次いで塩化メチレン(300mL)
中に抽出した。その有機層を乾燥(硫酸マグネシウム)させ、濾過し、濃縮して標
題化合物を得た。
NMR(300MHz,CDCl3)7.75-7.3,6.81,6.75-6.6,6.31,4.90,3.
78-3.58,3.22,2.98,2.88-2.45,2.12-1.55,1.46,1.44,1.12および0.88δ
調製例25 14α−ヒドロキシ−15,16−デヒドロ−17−ケトマークホ
ルチンA(式9a)
水性メタノール(10/1、300mL)中の粗製16−スルホキシフェニル−
15,16−デヒドロ−17−ケトマークホルチンA(式23、調製例24、13
g)に、ジエチルアミン(15mL)を添加した。0.5時間還流させた後に、その
反応混合物を20−25℃まで冷却し、水(450mL)で希釈し、塩化メチレン
(500mL)中に抽出した。乾燥(硫酸マグネシウム)させ、つづいて濃縮して、
クロマトグラフィー(シリカゲル、130g;アセトン/塩化メチレン 30/
70)に付して標題化合物を得た。
調製例26 14α−ヒドロキシ−14β−ビニルマークホルチンA(式30
)
−78℃のTHF(5mL)中の14−ケトマークホルチンA(式16、調製例
15、200mg、0.4ミリモル)の溶液を、−78℃のTHF中のビニルマグ
ネシウムブロミドの溶液(1M、4.0mL、4ミリモル)で処理した。得られた
混合物を−78℃にて2時間攪拌し、20−25℃まで温めた。それを20−2
5℃にて2時間攪拌した。炭酸ナトリウム(10%、3mL)を添加することによ
って、その反応物をクエンチした。その混合物を塩化メチレン(30mL)で希釈
し、飽和塩化アンモニウム溶液で洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)させて濃縮し
た。その残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル;ヘキサン/アセトン、6/4)
に付して標題化合物を得た。
NMR(300MHz,CDCl3)7.86,6.78 & 6.67,6.32,6.58,5.43,5.1
8,4.89,3.7,3.11,2.95,2.8-1.5,1.44,1.08および0.82δ;
MS(FAB,M/Z,[M+H])=520
調製例27 14α−ヒドロキシ−14β−メチルマークホルチンA N−オ
キシド(式32)
塩化メチレン(3mL)中の14α−ヒドロキシマークホルチンA(調製例11、
30mg)の溶液を、0℃のm−クロロ過安息香酸(20mg)で処理した。その
混合物を0.5時間攪拌した後に、水性重炭酸ナトリウム(5%、10mL)と塩
化メチレン(20mL)との間に分配させた。層を分離させ、その水性層を塩化メ
チレン(10mL)で抽出した。合した有機抽出液を硫酸マグネシウムで乾燥し、
濾過し、0℃、減圧下にて蒸発させ、トリエチルアミン(30μL)で処理し、濃
縮して標題化合物を生成した。
NMR(300MHz,CD3OD)6.91 & 6.70,6.36,4.91,4.08 & 3.76,3.
5-3.1,3.12,2.8-1.6,1.46 & 1.44,1.50および0.93(s,3H)δ
調製例28 14α−ヒドロキシ−15α−メチルマークホルチンA(式35
)
14α−ヒドロキシ−15α−メチル−17−ケトマークホルチンA(調製例
32、90mg、0.18ミリモル)をTHF(10mL)に溶解し、0℃のボラン
ジメチルスルフィド錯体(12M、0.18mL)で処理した。その混合物を0℃
にて2時間攪拌し、次いでメタノール(0.4mL)を添加し、さらに1時間攪拌
した。その溶媒を蒸発させた後に、残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル;ア
セトン/塩化メチレン、30/70)に付して標題化合物を得た。
NMR(300MHz,CDCl3)8.39,6.79 & 6.70,6.36,4.91,3.81,3.6
7,3.03,3.11,2.68 & 1.86,2.7-1.2,1.44,1.02,1.11および0.85δ;
HRMS(FAB,M/Z,[M+H])
C29H37N3O5+Hとして
計算値=508.2811
実測値=508.2840
調製例29 14,17−ジケト−15α−メチルマークホルチンA(式36)
無水塩化メチレン(5mL)中の塩化オキサリル(40μL)の溶液を−78℃の
DMSO(45μL)で処理した。その混合物を−78℃にて1時間攪拌した。
塩化メチレン(2mL)中の14α−ヒドロキシ−15α−メチル−17−ケト
マークホルチンA(調製例33、27mg)の溶液を滴下した。その反応混合物を
−78℃にて20分間攪拌した。その反応混合物にTEA(0.3mL)を添加し
、それを放置して20分間の間に20−25℃まで温めた。その混合物を炭酸ナ
トリウム(10%、10mL)と塩化メチレン(10mL)との間に分配させた。そ
の有機層を乾燥(硫酸マグネシウム)させて、濃縮した。その残渣をクロマトグラ
フィー(シリカゲル;メタノール/塩化メチレン、1/20)に付して標題化合物
を得た。
HRMS(FAB,M/Z,[M+H])
C28H31N3O6+Hとして
計算値=506.2291
実測値=506.2280
調製例30 14α−ヒドロキシ−14β−メチル−15α−メチル−17−
ケトマークホルチンA(式37)
−78℃の塩化メチレン(5mL)中の14,17−ジケト−15α−メチルマ
ークホルチンA(調製例29、25mg、0.05ミリモル)の溶液を−78℃
のエーテル中のメチルマグネシウムブロミドの溶液(3M、0.2mL、0.6ミ
リモル)で処理した。得られた混合物を−78℃にて0.5時間攪拌した。その反
応物を炭酸ナトリウム(10%、数滴)添加することによってクエンチした。その
混合物を塩化メチレン(10mL)で希釈し、乾燥(硫酸マグネシウム)させて濃縮
した。その残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル;メタノール/塩化メチレン
、4/96)に付して標題化合物を得た。
NMR(300MHz,CDCl3)8.13,6.78,6.70,6.33,4.91,3.75,3.16
,3.05,2.78,2.68-2.57,2.42-2.0,1.64,1.45,1.44,1.11,1.04および0.9
2δ
調製例31 14α−ヒドロキシ−14β−メチル−15α−メチルマークホ
ルチンA(式38)
14α−ヒドロキシ−14β−メチル−15α−メチル−17−ケトマークホ
ルチンA(調製例30、15mg、0.028ミリモル)をTHF(10mL)に
溶解し、0℃のボランジメチルスルフィド錯体(10M、0.02mL)で処理し
た。その混合物を0℃にて2時間攪拌し、次いでメタノール(0.4mL)を添加
し、さらに1時間攪拌した。溶媒を蒸発させた後に、残渣をクロマトグラフィー
(シリカゲル;アセトン/塩化メチレン、30/70)に付して標題化合物を得た
。
NMR(300MHz,CDCl3)7.82,6.79,6.67,6.33,4.90,3.65,3.09
,2.98,2.69,2.60-2.22,2.06,1.87,1.85-1.75,1.44,1.43,1.10,0.94お
よび0.86δ
調製例32 14α−ヒドロキシ−15α−メチル−17−ケトマークホルチ
ンA(式34)
THF(12mL)中の14α−ヒドロキシ−15,16−デヒドロ−17−ケ
トマークホルチンA(式9a、300mg)の混合物を、20−25℃のメチルマ
グネシウムブロミドの溶液(3M、1.0mL、5当量)で処理した。得られた混
合物を1.5時間還流し、次いで20−25℃まで冷却した。飽和塩化アンモニ
ウム(3mL)を添加することによってその反応物をクエンチした。その混合物
を塩化メチレン(30mL)で希釈し、飽和塩化アンモニウム溶液で洗浄し、硫酸
マグネシウム上で乾燥させて濃縮した。その濃縮物をクロマトグラフィー(シリ
カゲル;メタノール/塩化メチレン、1/20)に付して標題化合物を得た。
NMR(300MHz,CDCl3)7.90,6.80 & 6.70,6.32,4.89,4.36,3.7
4,3.20,3.06,2.78 & 2.10,2.5-1.8,1.46 & 1.44,1.13,1.12および0.88δ
別法として、ジメチル銅(I)酸リチウム試薬を用いることによっても標題化合
物を調製することができる。0℃のTHF中のヨウ化銅(I)(0.4g、0.00
2モル)に、メチルリチウム(1.4M、9mL、0.013モル)を滴下した。得
られた混合物を15分間攪拌し、次いで0℃のTHF(12mL)中の14α−ヒ
ドロキシ−15,16−デヒドロ−17−ケトマークホルチンA(式9a、0.5
g、0.001モル)で滴下処理した。その混合物を15分間攪拌した後に、飽
和
塩化アンモニウム(25mL)でクエンチし、酢酸エチル(30mL)中に抽出した
。その有機抽出液を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮して粗製物質
を得、これをクロマトトロン(4mmプレート;メタノール/塩化メチレン、4
/96)によって精製して標題化合物を得た。
調製例33 14,17−ジケト−15α−メチルマークホルチンA(式36)
DMSO(45μL)で処理した無水塩化メチレン(5mL)中の塩化オキサリル
(40μL)の混合物を−78℃にて形成させた。その混合物を−78℃にて1時
間攪拌した。塩化メチレン(2mL)中の14α−ヒドロキシ−15α−メチル−
17−ケトマークホルチンA(調製例33、27mg)の溶液を滴下した。その
反応混合物を−78℃にて20分間攪拌した。その反応混合物にトリエチルアミ
ン(0.3mL)を添加し、それを放置して20分間の間に20−25℃まで温め
た。その混合物を炭酸ナトリウム(10%、10mL)と塩化メチレン(10mL)
との間に分配させた。相を分離させ、その有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥さ
せて濃縮した。その濃縮物をクロマトグラフィー(シリカゲル;メタノール/塩
化メチレン、1/20)に付して標題化合物を得た。
HRMS(FAB,M/Z,[M+H])
C28H31N3O6+Hとして
計算値=506.2291
実測値=506.2280
実施例1 24,25,26,27,28−ペンタノルマークホルチンA(II
)
マークホルチンA(I、8.5g0.018モル)をギ酸(95%純粋、100m
L)に溶解した。その混合物を20−25℃にて16時間攪拌した。揮発性成分
を除去し、その残渣をメタノール(100mL)に再溶解した。その混合物を濃縮
し、その残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル;メタノール/塩化メチレン、
10/90)によって精製して標題化合物を得た。
選択したNMR(300MHz,CDCl3+CD3OD)0.80,1.09,1,4-2.0,
2.2-2.8,3.10,3.87,6.52および6.61δ;
MS(FAB,m/z,[MtH+])=412
実施例2 7-O-プレニル-24,25,26,27,28−ペンタノルマーク
ホルチンA(III)
アセトン(40mL)中で5分間攪拌した4−ブロモ−2−メチル−2−ブテン
(1.0mL、8.7ミリモル)およびヨウ化カリウム(1.44g、8.7ミリモル
)に、炭酸カリウム(1.6g、11.7ミリモル)を添加した後に、24,25,2
6,27,28−ペンタノルマークホルチンA(II、実施例1、1.2g、0.0
029モル)をアセトン/水(10mL/6mL)中にて滴下した。その反応混
合物を0.25時間攪拌し、亜硫酸ナトリウムの飽和溶液(100mL)でクエ
ンチし、酢酸エチル(100mL)中に抽出した。その有機層を硫酸マグネシウム
上で乾燥させ、濾過し、減圧下にて濃縮して標題化合物を得た。
NMR(400MHz,CDCl3)7.90,6.79,6.57,5.50,4.49,3.70,3.10
,2.99,2.66,1.83,2.55-2.5,2.39,2.29,2.14,1.95-1.30,1.76,1.61,1
.10および0.81δ
実施例3 7−O-(2',3'−エポキシ−3'−メチル)ブチル−24,25,
26,27,28−ペンタノルマークホルチンA(IV)
20−25℃の塩化メチレン(30mL)中の7−プレニル−24,25,26,
27,28−ペンタノルマークホルチンA(III、実施例3、1.4g、2.9ミ
リモル)に、3−クロロ過安息香酸(2.4g、8.3ミリモル)を少量づつ添加し
た。0.5時間の攪拌の後に、重亜硫酸ナトリウム(6g、水50mL中)を添
加し、攪拌を0.5時間続けた。重炭酸ナトリウム(飽和、100mL)でその反
応物をクエンチし、酢酸エチル(100mL)中に抽出した。有機抽出物を分離し
、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮して標題化合物を、さらに精製す
ることなく用いるジアステレオマーの混合物として得た。
NMR(400MHz,CDCl3)8.52,8.44,6.82,6.59,4.56-4.47,3.92
-3.84,3.69,3.26-3.14,3.11,3.01,2.70-2.55,3.39,2.30,2.15,1.98-1.
50,1.41,1.40-1.20,1.10,0.82および0.81δ
実施例4 25−ヒドロキシ−24,25−ジヒドロマークホルチンA(V)
窒素雰囲気下、20−25℃のTHF(30mL)中の7−O−(2',3'−エポ
キシ−3'−メチル)−ブチル−24,25,26,27,28−ペンタ−ノル−マー
クホルチンA(IV、1.2g、2.4ミリモル)に、塩化スズ(IV)(0.2mL
)を滴下した。0.25時間攪拌した後に、その反応物をフッ化カリウム(10%
水溶液、50mL)でクエンチし、酢酸エチル(100mL)中に抽出した。その
有機抽出液を分離し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、標題
化合物をさらなる精製なしに用いるジアステレオマーの混合物として得た。
選択したNMR(400MHz,CDCl3)8.17,7.87,6.80-6.45,4.40,4.2
5,4.05-3.90および3.15δ
実施例5 24,25−ジヒドロ−25−オキソマークホルチンA(VI)
−78℃の塩化メチレン(5mL)中の塩化オキサリル(0.045mL)に、D
MSO(0.06mL)を塩化メチレン(1mL)中にて徐々に滴下した。−78℃
にて0.25時間攪拌した後に、25−ヒドロキシ−24,25−ジヒドロマーク
ホルチンA(V、実施例4、60mg、0.12ミリモル)を塩化メチレン(1mL
)中で滴下した。その反応混合物を0.25時間攪拌し、次いでTEA(0.25m
L)でクエンチし、20−25℃にて0.25時間攪拌した。その反応混合物を重
炭酸ナトリウム(飽和、25mL)と酢酸エチル(25mL)との間に分配させた
。その有機抽出液を分離し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、
クロマトグラフィー(シリカゲル;メタノール/塩化メチレン(5/95))に付し
て標題化合物を得た。
NMR(400MHz,CDCl3)7.45,6.77,6.64,4.89,3.70,3.11,3.02
,2.70,1.85,2.65,2.40,2.31,2.15,1.95-1.85,1.80-1.0,1.53,1.51,1
.13
および0.85δ;
HRMS(FAB,M/Z,[M+H])
C28H35N3O5+Hとして
計算値=494.2655
実測値=494.2662
実施例6 24,25−ジヒドロ−25−メチレンマークホルチンA(VI
I)
20−25℃のエーテル(5mL)中のメチルトリフェニルホスホニウムブロミ
ド(70mg、0.2ミリモル)に、n−ブチルリチウム(ヘキサン中の1.6M、
0.13mL、0.2ミリモル)を滴下した。得られた混合物を窒素雰囲気下、2
0−25℃にて5分間攪拌し、次いでTHF(5mL)中の24,25−ジヒドロ
−25−オキソマークホルチンA(VI、実施例5、25mg、0.05ミリモル
)で滴下処理した。その反応混合物を0.25時間攪拌し、水(25mL)でクエン
チし、酢酸エチル(25mL)中に抽出した。その有機抽出物を分離し、硫酸マグ
ネシウム上で乾燥し、濾過し、濃縮し、クロマトグラフィー(シリカゲル;アセ
トン/ヘキサン、40/60)に付して標題化合物を得た。
NMR(400MHz,CDCl3)7.67,6.72,6.47,5.24,5.08,4.90,4.77
,3.60,2.30,3.04,2.96,2.60 & 1.78,2.58-2.52,2.23,2.08,1.88-1.20
,1.44 & 1.42および1.10 & 0.80δ;
HRMS(FAB,M/Z,[M+H])
C29H37N3O4+Hとして
計算値=492.2862
実測値=492.2858
実施例7 24,25−エポキシマークホルチンA(VIII)
マークホルチンA(1、0.25g、0.5ミリモル)およびm−クロロ過安息香
酸(60%純粋、0.4g、1.4ミリモル)の混合物を塩化メチレン(25mL)中
で16時間攪拌した。その反応混合物を重亜硫酸ナトリウム(水15mL中の1.
1g)で処理し、0.5時間攪拌し、重炭酸ナトリウム(飽和、100mL)でクエ
ンチし、塩化メチレン(25mL)中に抽出した。その有機抽出液を硫酸マグネシ
ウム上で乾燥し、濾過し、濃縮し、クロマトグラフィー(シリカゲル;アセトン
/塩化メチレン、40/60)に付して標題化合物をジアステレオマーの分離で
きない混合物として得た。
選択したNMR(400MHz,CDCl3)8.01 & 7.86,6.80 & 6.58,5.36-5
.30 & 3.00-2.97,3.70,3.12,2.69 & 1.85および2.40δ
実施例8 24,25−ジヒドロ−25−メチレンパラハークアミドA(V
II)
pppAで出発する以外は重要でない変形を施し、実施例1−6記載の一般的
手法に従って標題化合物を得た。
実施例9 14α−ヒドロキシ−14β−メチル−24,25−ジヒドロ−
25−メチレンマークホルチンA(VII)
14α−ヒドロキシ−14β−メチルマークホルチンAで出発する以外は重要
でない変形を施し、実施例1−6記載の一般的手法に従って標題化合物を得た。
実施例10 14α−ヒドロキシ−15α−メチル−24,25−ジヒドロ−
25−メチレンマークホルチンA(VII)
14α−ヒドロキシ−15α−メチルマークホルチンAで出発する以外は重要
でない変形を施し、実施例1−6記載の一般的手法に従って標題化合物を得た。
実施例11 24,25−エポキシパラハークアミドA(VIII)
パラハークアミドAで出発する以外は重要でない変形を施し、実施例7記載の
一般的手法に従って標題化合物を得た。
実施例12 14α−ヒドロキシ−14β−メチル−24,25−エポキシマ
ークホルチンA(VIII)
14α−ヒドロキシ−14β−メチルマークホルチンAで出発する以外は重要
でない変形を施し、実施例7記載の一般的手法に従って標題化合物を得た。
実施例13 14α−ヒドロキシ−15α−メチル−24,25−エポキシマ
ークホルチンA(VIII)
14α−ヒドロキシ−15α−メチルマークホルチンAで出発する以外は重要
でない変形を施し、実施例7記載の一般的手法に従って標題化合物を得た。
実施例14 N−(18a)−デメチル−2−デオキソパラハークアミドA(方
法1)
国際公開WO92/00300中に記載の手法に従って、N−(18a)−デメ
チルパラハークアミドA(50mg、0.1ミリモル)をエチレングリコールジメ
チルエーテル(グリム、5mL)および水(0.5mL)に溶解した。次いで、その
混合物をホウ水素化リチウム(0.15g、6.9ミリモル)で処理し、5時間加熱
還流した。その反応混合物を塩類溶液(25mL)でクエンチし、酢酸エチル中
に抽出した。有機相を分離し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過して濃縮した
。その濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィーによって精製してN−(18a)−
デメチル-2-デオキソパラハークアミドAを得た。
実施例15 N−(18a)−デメチル−2−デオキソパラハークアミドA(方
法2)
N−(18a)−デメチル-2−デオキソパラハークアミドAは、パラハークア
ミドAで出発して、WO97/03988中に記載されているプロセスによって
それを2−デオキソパラハークアミドAに変換することによって調製することが
できる。DMF(0.4mL)中の2−デオキソパラハークアミドA(10mg)を
、500ml広口フラスコ中のクニンガメラ・エチニュラータ・サブスピーシーズ・
エレガンス(Cunninghamella echinulata subsp.elegans)(UCU7602)ま
たはシイ・エチニュラータ(C.echinulata)(UC7330)の旺盛に増殖してい
る培地(100mL)に添加した。インキュベーションは28℃にて行い、培地
に依存して振とうを1−3日間続けて、N−(18a)−デメチル−2−デオキソ
パラハークアミドAを得た。単離は、塩化メチレンでの抽出、遠心および減圧下
での溶媒の除去を通すことによって達成した。残渣物質をTLCおよびHPLC
によっても分析した。精製は種々のクロマトグラフィー技術によって達成し、構
造確認はNMRおよびMSによって行った。反応図式A 反応図式A−つづき 反応図式A−つづき 反応図式B
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フロントページの続き
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