JPH0699438B2 - 6,5‐スピロケタール環系及び23‐アシル置換基を有するアベルメクチン化合物 - Google Patents

6,5‐スピロケタール環系及び23‐アシル置換基を有するアベルメクチン化合物

Info

Publication number
JPH0699438B2
JPH0699438B2 JP4301741A JP30174192A JPH0699438B2 JP H0699438 B2 JPH0699438 B2 JP H0699438B2 JP 4301741 A JP4301741 A JP 4301741A JP 30174192 A JP30174192 A JP 30174192A JP H0699438 B2 JPH0699438 B2 JP H0699438B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alkoxy
alkyl
hydroxy
compound
alkanoylamino
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP4301741A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05213959A (ja
Inventor
ピーター・テイー・メインク
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Merck and Co Inc
Original Assignee
Merck and Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Merck and Co Inc filed Critical Merck and Co Inc
Publication of JPH05213959A publication Critical patent/JPH05213959A/ja
Publication of JPH0699438B2 publication Critical patent/JPH0699438B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D493/00Heterocyclic compounds containing oxygen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system
    • C07D493/22Heterocyclic compounds containing oxygen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system in which the condensed system contains four or more hetero rings
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P33/00Antiparasitic agents

Landscapes

  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Tropical Medicine & Parasitology (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】アベルメクチン化合物は、Alb
ers‐Schoenberg他に対する米国特許4,
310,519に始まる一連の特許において開示されて
きた。ミルベマイシン化合物は、Aoki他に対する米
国特許3,950,360に始まる一連の特許において
開示されてきた。全てのアベルメクチン類及びミルベマ
イシン類は、2種類の6員環を構成するスピロケタール
環系に融合している16員環の巨大環を有することにお
いて特徴付けられている。この環系を天然の6,6‐系
から本6,5‐系へと変えることは知られていない。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、天然の6,
6‐スピロケタール環系を6,5‐スピロケタール環系
へと縮小し、かつ、23‐位をアシル基もしくは置換さ
れたヒドロキシメチル基により置換する、新種のアベル
メクチン誘導体に関する。このため、このような新種の
化合物を記載することは、本発明の目的である。外側の
6員環スピロケタール環を開環し、それを5員環に閉環
し、更に、23置換体を調製するための方法を記載する
ことは、更に別の目的である。ヒト及び動物の衛生学及
び農学における抗腸内寄生虫、抗寄生虫、ダニ駆除及び
線虫駆除試薬としてのこのような化合物の用途を記載す
ることは、更に叉別の目的である。それらの活性成分と
して本化合物を含む組成物を記載することは、更に叉別
の目的である。更に別の目的は、以下に示す説明を読む
ことにより明らかになる。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明の化合物は、以下
に示す構造式を有し、
【0004】
【化13】 式中、Rが、
【0005】
【化14】 、C3 ‐C8 シクロアルキルもしくはフェニルであり、
9 が、C1 ‐C8 アルキル、C2 ‐C8 ‐アルケニ
ル、C1 ‐C8 ‐アルコキシ、C3 ‐C8 シクロアルキ
ルもしくはフェニルであり、R1 が、水素、C1 ‐C10
アルキル、C2 ‐C10アルケニル、C2 ‐C10アルキニ
ル、C1 ‐C10アルコキシ‐C1 ‐C10アルキルもしく
はC1 ‐C10アルキルチオ‐C1 ‐C10アルキル基、C
3 ‐C8 シクロアルキルもしくはC5 ‐C8 シクロアル
ケニル基(この2つのいずれもメチレンもしくは1〜3
個のC1 ‐C4 アルキル基もしくはハロゲン原子で随意
に置換されていてよい)、フェニル、フェノキシ、C1
‐C10アルキルフェニル、C2‐C10アルケニルフェニ
ル、C2 ‐C10アルキニルフェニル、置換されたC1
10アルキル(この場合、置換基は独立に1〜3個のC
1 ‐C5 アルキル、C3‐C8 シクロアルキルもしくは
置換されたC1 ‐C10アルキル(この場合、置換基は独
立に1〜3個のヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、C1
5 アルキルチオ、C1 ‐C5 アルキルスルフィニル、
1 ‐C5 アルキルスルフォニル、アミノ、C1 ‐C5
モノもしくはジアルキルアミノ、C1 ‐C5 アルカノイ
ルアミノもしくはC1 ‐C5 アルカノイルチオである)
である)、あるいは、酸素もしくはイオウを含む3員環
から6員環の複素環(これは、飽和しているか、あるい
は、完全にもしくは部分的に不飽和していてよく、か
つ、これは独立に1〜3個のC1 ‐C5 アルキル、ハロ
ゲンにより随意に置換されていてよい)であり、R
2 は、ヒドロキシ、C1 ‐C10アルコキシ、C1 ‐C10
アルカノイルオキシ、オキソ、もしくは、オキシムであ
り、R3 は、水素、ヒドロキシ、C1 ‐C10アルキルオ
キシ、C1 ‐C8 アルカノイルオキシ、C1 ‐C5 アル
コキシ‐C1 ‐C5 ‐アルコキシ、C1 ‐C5 アルコキ
シ‐C1 ‐C5 ‐アルコキシ‐C1 ‐C5 ‐アルコキ
シ、ハロゲン、
【0006】
【化15】 (式中、R4 は単結合によりC‐4″もしくはC‐4′
に結合しており、かつ、ヒドロキシ、アミノ、N‐C1
‐C8 アルキルアミノ、N,N‐C1 ‐C8 ‐ジアルキ
ルアミノ、N‐C1 ‐C8 アルカノイルアミノ、N‐C
1 ‐C5 アルキルC1 ‐C5 アルカノイルアミノ、C1
‐C8 アルキルチオ、C1 ‐C8 アルキルスルフィニ
ル、C1 ‐C8 アルキルスルフォニルもしくは置換され
たC1 ‐C8アルキルチオ、スルフィニルもしくはスル
フォニル(この場合、置換基は1〜5個のヒドロキシ、
ハロゲン、アミノ、あるいは、モノもしくはジ‐C1
3 アルキルアミノである)であり、あるいは、R4
二重結合によりC‐4″もしくはC‐4′に結合してお
り、かつ、ケトン、オキシム、セミカルバゾノ、N‐C
1 ‐C8 アルキルセミカルバゾノ、N,N‐C1 ‐C8
ジ低級アルキル‐セミカルバゾノ、C1 ‐C8 アルカノ
イルヒドラゾノ、ベンゾイル‐ヒドラゾノ、もしくは、
1 ‐C8 アルキルベンゾイル‐ヒドラゾノであり、か
つ、各R5 は、独立にヒドロキシもしくはC1 ‐C10
ルコキシであり、あるいは、R4 は、
【0007】
【化16】 であるか、あるいは、R4 は、
【0008】
【化17】 であるか、あるいは、R4 は、‐NH‐CO‐NR6
7 であり、R6 及びR7及びR8 は、独立に水素もしく
はC1 ‐C10アルキルであり、あるいは、R4 は、‐N
H‐CNである)である。
【0009】本発明の好ましい化合物は、上述の構造式
において、Rが、
【0010】
【化18】 5 ‐C6 シクロアルキルもしくはフェニルであり、R
9 は、C1 ‐C4 アルキル、C2 ‐C4 アルケニル、C
1 ‐C4 ‐アルコキシ、C5 ‐C6 シクロアルキルもし
くはフェニルであり、R1 は、水素、C1 ‐C10アルキ
ル、C1 ‐C10アルコキシ、C1 ‐C5 アルコキシ‐C
1 ‐C5 アルキル、C2 ‐C10アルケニル、もしくは、
3 ‐C8 シクロアルキル、C5 ‐C6 シクロアルケニ
ル、フェニル、置換されたC1 ‐C10アルキル、もしく
は、置換されたフェニル(この場合、置換基は、ハロゲ
ン、C1 ‐C5 アルキル、もしくは、C3 ‐C8 シクロ
アルキルである)、置換されたC1 ‐C10アルキル(こ
の場合、置換基は、1〜3個のヒドロキシ、ハロゲン、
シアノ、C1 ‐C5 アルキルチオ、アルキルスルフィニ
ル、アルキルスルフォニル、もしくは、C1 ‐C5 アル
カノイルアミノである)であり、あるいは、R1 は、フ
ラニル、テトラヒドロフラニル、チエニル、ピリジル、
テトラヒドロピランもしくはピペリジニルから選択され
る5もしくは6員環の複素環式基であることができ、R
2 は、ヒドロキシ、低級アルコキシもしくはオキシムで
あり、R3 は、水素、ヒドロキシ、C1 ‐C10アルコキ
シ、C1‐C8 アルカノイルオキシ、C1 ‐C5 アルコ
キシ‐C1 ‐C5 ‐アルコキシ、C1 ‐C5 アルコキシ
‐C1 ‐C5 ‐アルコキシ‐C1 ‐C5 ‐アルコキシ、
ハロゲン、
【0011】
【化19】 (式中、R4 は単結合によりC‐4″もしくはC‐4′
に結合しており、かつ、ヒドロキシ、アミノ、N‐C1
‐C8 アルキルアミノ、N,N‐C1 ‐C8 ‐ジアルキ
アミノ、N‐C1 ‐C8 アルカノイルアミノ、もしく
は、N‐C1 ‐C5アルキルアルカノイルアミノ、C1
‐C3 アルキルチオ、C1 ‐C3 アルキルスルフィニ
ル、C1 ‐C3 アルキルスルフォニル、あるいは、置換
されたC1 ‐C3 ‐アルキルチオ、スルフィニルもしく
はスルフォニル(この場合、置換基は、ヒドロキシもし
くはアミノである)であり、あるいは、R4は二重結合
によりC‐4″もしくはC‐4′に結合しており、か
つ、オキソであり、かつ、各R5 は、独立にヒドロキシ
もしくはC1 ‐C10アルコキシである)である場合であ
るとする。
【0012】本発明の更に好ましい実施態様は、上述の
構造式において、式中、Rが、
【0013】
【化20】 シクロヘキシルもしくはフェニルであり、R9 は、C1
‐C4 アルキル、C1 ‐C2 ‐アルコキシ、C5 ‐C6
シクロアルキルもしくはフェニルであり、R1 は、水
素、C1 ‐C10アルキル、C1 ‐C10アルコキシC1
5 アルコキシC1‐C5 アルキル、C2 ‐C10アルケ
ニル、もしくは、C3 ‐C8 シクロアルキル、フェニ
ル、置換されたC1 ‐C10アルキル、もしくは、置換さ
れたフェニル(この場合、置換基はフルオロ、置換され
たC1 ‐C10アルキル(この場合、置換基は、1〜3個
のハロゲン、シアノ、C1 ‐C5 アルキルチオ、アルキ
ルスルフォニル、もしくは、C1 ‐C5 アルカノイルア
ミノである)である)であり、R2 は、ヒドロキシ、メ
トキシ、もしくは、オキシムであり、R3 は、水素、ヒ
ドロキシ、C1 ‐C5 アルコキシ‐C1 ‐C5 ‐アルコ
キシ、C1 ‐C5 アルコキシ‐C1 ‐C5 ‐アルコキシ
‐C1 ‐C5 ‐アルコキシ、ハロゲン、もしくは、
【0014】
【化21】 (式中、R4 は単結合によりC‐4″もしくはC‐4′
に結合しており、かつ、ヒドロキシ、アミノ、N‐C1
‐C3 アルキルアミノ、N,N‐C1 ‐C3 ‐ジアルキ
ルアミノ、N‐C1 ‐C3 アルカノイルアミノ、もしく
は、N‐C1 ‐C3 アルキルC1 ‐C5 アルカノイルア
ミノであるか、あるいは、R4 は二重結合によりC‐
4″もしくはC‐4′に結合しており、かつ、オキソで
あり、かつ、各R5 は、メトキシである)である場合で
あるとする。
【0015】本発明の更に好ましい実施態様は、その構
造式において、Rが、
【0016】
【化22】 であり、R9 は、メチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピル、ブチル、もしくは、t‐ブチル、メトキシ、エト
キシ、シクロペンチル、シクロヘキシル、もしくは、フ
ェニルであり、R1 は、水素、C1 ‐C6 アルキル、C
1 ‐C4 アルコキシ、C1 ‐C3 アルコキシC1 ‐C3
アルキル、C2 ‐C6 アルケニル、もしくは、C5 ‐C
6 シクロアルキル、フェニル、置換されたC1 ‐C6
ルキル、もしくは、置換されたフェニル(この場合、置
換基は、フルオロ、置換されたC1‐C6 アルキル(こ
の場合、置換基は、ヒドロキシ、フルオロ、クロロ、C
1 ‐C3 アルキルチオ、もしくは、C1 ‐C3 アルカノ
イルアミノである)である)であり、R2 は、ヒドロキ
シ、メトキシ、もしくは、オキシムであり、R3 は、水
素、ヒドロキシ、C1 ‐C3 ‐アルコキシ‐C1 ‐C3
‐アルコキシ、C1 ‐C3 ‐アルコキシ‐C1 ‐C3
アルコキシ‐C1 ‐C3 ‐アルコキシ、ハロゲン、もし
くは、
【0017】
【化23】 (式中、R4 は単結合によりC‐4″もしくはC‐4′
に結合しており、かつ、ヒドロキシ、アミノ、N‐C1
‐C3 アルキルアミノ、N,N‐C1 ‐C3 ‐ジアルキ
ルアミノ、N‐C1 ‐C3 アルカノイルアミノ、もしく
は、N‐C1 ‐C3 アルキルアルカノイルアミノであ
り、かつ、R5 は、メトキシである)である場合である
とする。
【0018】本化合物は、以下に示す反応概略に従って
調製するが、この反応概略は、簡潔化のため、天然に存
在するアベルメクチン及びミルベマイシンの炭素原子1
7‐25を含む分子の一部のみを描いている。
【0019】反応概略
【0020】
【化24】 前述の反応概略は、構造IVにおいてR=Hである場合
には幾分修正が加えられ、その構造は、COR1 である
ことを意味するR′を有する構造IV‐1として書き換
えられる。
【0021】
【化25】 この反応概略においては、手順IV‐1→VI‐1→V
II‐1は、以下に示す手順IV→VI→VIIについ
てと同一である。
【0022】上述の反応概略において、R25基は、天然
のアベルメクチン及びミルベマイシン化合物中(一般的
にはアルキル基である)に見いだされる25‐位基であ
る。前述の方法は、天然の25‐位基を除去し、かつ、
それを新しい6,5‐スピロケタール環系の類似位置に
おいて新しい基R1 により置換する、ということを記載
しておく。このR1 基の性質は非常に広い意味に取られ
ており、かつ、R1 を含んでいる試薬である化合物II
Iaにより、もしくは、化合物VのC24アルデヒドに適
切な求核試薬を添加することにより提供される任意の基
であることができる。更に、本化合物における調製法に
おいて使用される試薬もしくは溶媒における任意のもの
を記載するための用語「低級」の用途により、1個から
6個の炭素原子を有するような化合物もしくはそのよう
な化合物における置換基が定義される。
【0023】本発明の化合物は、臨界中間体IIIをR
1 置換されたリン酸化合物IIIaと反応させることに
より調製することができる。この臨界中間体IIIは、
6,6‐スピロケタール環系及び位置5と13とにそれ
ぞれ適切な置換基R2 及びR3 を有する、あるいは、本
化合物の6,5‐スピロケタール環系の合成の後にR2
及びR3 基を調製することができる置換形式を有する、
アベルメクチン出発物質I(アベルメクチンB2a)か
ら6段階で調製される。
【0024】ヒドロキシ基において適切に保護されてい
る化合物Iを、DMSO中に溶解している塩化オキサリ
ルのような酸化用試薬と、この反応の過程中に遊離され
るHClと反応させるための塩基の少なくとも2等量の
存在下において反応させる。この反応は、初めに、0℃
より低い、好ましくは−50℃より低い温度における冷
却中において行い、かつ、一般的には、1時間から10
時間の内に完結して23‐ケト化合物を生じる。
【0025】次の段階においては、その23‐ケト化合
物を、アルカリ金属ビス(トリメチルシリル)アミドと
反応させて、22,23‐2重結合を有するエノールエ
ーテルを形成する。この反応は、0℃より低い、好まし
くは−50℃より低い温度における冷却中において、炭
化水素、好ましくはアルカンのような非反応性溶媒、あ
るいは、反応温度において液体のまま存続するテトラヒ
ドロフランのような他の非極性溶媒中での不活性雰囲気
において行う。一般的には、C6 からC9 のアルカン
類、好ましくはヘキサン類の混合物を使用する。この反
応は、一般的には1から10時間の内に完結する。強塩
基は、簡単に2位をエピ化しかつ3,4‐二重結合を転
移させて生物学的有効性の低い類似体を生じることが良
くしられているため、この反応における塩基の選択は非
常に重要である。多くの塩基から、アルカリ金属ビス
(トリメチルシリル)アミドが、いかなる後続副反応を
生じることなく、希望のシリルエノールエーテルを形成
することができることが発見された。
【0026】次の段階においては、この22,23‐二
重結合を、緩和な酸化用試薬、好ましくはメタ‐クロロ
過安息香酸のような過オキシ酸でエポキシ化する。この
反応は、クロロホルムもしくは塩化メチレンもしくはそ
の類の塩素化炭化水素のような不活性溶媒中で、0℃か
ら50℃間での温度において行い、かつ、一般的には、
約10分から2時間内に完結する。
【0027】化合物IIを調製するための化合物Iの反
応の最終段階においては、この22,23‐エポキシド
を酸性のメタノールで処理してそのエポキシドを加水分
解しかつ化合物IIを形成する。この反応は、ほぼ室温
で行い、かつ、一般的には、5分から2時間の内には完
結する。
【0028】前述の一連の反応において中間体を単離及
び精製することができるが、しかしながら、そのように
する必要性は認められておらず、かつ、希望であれば、
この反応を単一の反応容器内で行い、一連の4種類の反
応段階の終結時に、化合物IIのみを単離することがで
きる。
【0029】その後化合物IIを開裂して、2段階で臨
界中間体IIIを形成する。最初の段階においては、化
合物IIをテトラ酢酸鉛で処理するが、これは、その2
2,23‐結合を開裂して中間体を生じ、その中間体に
おいて、22‐炭素はアルデヒドでありかつ23‐炭素
はカルボン酸もしくはそのメチルエステルである。この
化合物を低級アルカノール、好ましくはメタノール中で
ケタール転位させて、炭素22から25を開裂し、か
つ、アルコール残基、好ましくはメチル基でそれらを置
換して、化合物IIIを生じる。この反応は、0℃から
室温において行い、かつ、一般的には、1から2時間内
に完結する。この産物を、当業者には知られている技術
を使用して単離する。
【0030】化合物IIIを、R1 置換したリン酸エス
テルIIIa、もしくは、R1 置換した(β‐ケト)リ
ン酸エステル類、β‐ケト‐フォスフォラニリジン類、
フォスフィン酸化物類、(C6 5 3 P=CHCOR
1 、(CF3 ‐CH2 O)2POCH2 COR1 及びそ
の類の試薬で反応させる。これは、R1 を含有する置換
基をアベルメクチン基質へと転位させ、かつ、22,2
3‐二重結合を作製する。この反応は、炭化水素、好ま
しくはトルエン、あるいは、メタノールもしくはエタノ
ールのようなC1 ‐C5 アルカノール、あるいは、アセ
トニトリルのような他の非反応性溶媒中で、非常に冷た
いドライアイス浴(−78℃)から100℃まで変化さ
せることができる温度、もしくは、その反応混合物の還
流温度において行われる。この反応は乾燥状態を持続さ
せなければならず、かつ、全ての溶媒は水を含んでいな
い状態でなければならない。この反応混合物は又アルカ
リ金属ビス(トリメチルシリル)アミドを含んでいるこ
ともできる。この反応は5分から2時間の内に完結する
が、この反応の期間は特有なR1 基の性質及び反応の温
度に依存しており、一般的には、温度が高いほどより短
い反応時間でよい。この反応過程の後に、薄層クロマト
グラフィー(TLC)上での反応混合物の一部を分析し
て反応がどの程度完結しているかを測定するのが都合が
よい。このTLC分析を、反応を完結するのにより高い
温度もしくはより長い反応時間を必要とするか否かを決
定するために使用することができる。この産物を、当業
者により知られている技術を用いて単離する。
【0031】粉末化してある分子ふるい、過剰量のアル
デヒド及び触媒量のPd(PPh34 を室温において
含むテトラヒドロフラン(THF)もしくは塩化メチレ
ンのような不活性溶媒中において化合物IV(IV‐
1)を溶解することにより、化合物IV(IV‐1)は
化合物V(V‐1)へと変換する。トリ‐n‐ブチルチ
ン水化物でのこの混合物の処理により、希望の化合物V
(V‐1)が産生される。反応時間は一般的に10分か
ら2時間であった。反応時間の長さを決定するのにTL
C分析を用いた。錫水素化物の添加前の、塩化亜鉛のよ
うなルイス酸の触媒量の添加により、この反応が促進さ
れる。
【0032】前述の一連の反応は、アベルメクチン分子
上の、ヒドロキシ基のような反応性官能基における保護
基を使用して行う。環形成段階の次に、その保護基を除
去して、保護されていない最終産物を生じることができ
る。しかしながら、星印(*)により上述の式において
示したように、この最終産物は、炭素21、23及び2
4において3種類の新しい不斉中心を含み、この結果、
各産物につき総計8種類の立体異性体の可能性を生じる
ことになる。この異性体は、カラムクロマトグラフィー
のようなクロマトグラフィー技術を用いることで、保護
基を除去する以前に、お互いから簡単に分離することが
できる。この保護基が除去される場合には、異性体の分
離は、薄層もしくは調製用の層状クロマトグラフィーも
しくは逆相高速液体クロマトグラフィーを用いること
で、クロマトグラフィー的にやはり簡単に行われる。
【0033】更に、保護基の除去の後に、C‐21エピ
化化合物を、低級アルカノール、好ましくはp‐トルエ
ンスルフォン酸(トシル酸)のメタノール溶液で処理す
ることができ、これは、その5員環を開環し、かつ、不
斉的にそれを再び閉環させて、5員環の酸素がα位にお
いて優位に存在するという平衡状態を形成する。その2
4位はエピマーの混合物のまま存続するが、しかしなが
ら、このような立体異性体は、高速液体クロマトグラフ
ィーを利用して更に分離することができる。立体異性体
の混合物並びに単離した立体異性体は、抗寄生虫剤もし
くは殺虫剤産物としての実質的な活性を有することが見
いだされている。
【0034】4′及び4″位におけるアルキルチオもし
くは置換されたアルキルチオ置換基、及び、その酸化誘
導体のような数種類の追加的な置換基を、本化合物につ
いて、当業者に知られている技術を利用して調製するこ
とができる。6,5‐スピロケタール環系の調製前もし
くは6,5‐スピロケタール環系を調製した後のいずれ
においてもこの置換基を合成することができる。しかし
ながら、望まない副反応を回避するために、特に、この
アルキルチオ基が反応性の置換基を含む場合、4′もし
くは4″アルキルチオ置換基を、この反応の後に調製す
ることがしばしば好まれるが、それは、(この時点で)
6,5‐スピロケタール環系の調製が既に完了している
ためである。
【0035】アベルメクチン出発物質が5‐ヒドロキシ
位においてこの位置での置換を回避するために保護され
ている場合に、最も効率良く本発明の4′及び4″アル
キルチオ化合物の調製が行われる。この位置を保護して
おくと、分子の残りの部分に何ら影響を与えることな
く、4″‐もしくは4′‐位におけるこの反応を行うこ
とができる。4″‐もしくは4′‐ヒドロキシ基におけ
る変異が生じる前に、この5‐ヒドロキシ基を三級‐ブ
チルジメチルシリル基により保護する。23‐ヒドロキ
シ基は反応性が余りなく、かつ、7‐ヒドロキシ基は非
常に非反応性であり、これらは保護する必要が無い。
【0036】4′及び4″アルキルチオ化合物の調製
は、このアベルメクチン出発物質を、4″もしくは4′
位において良好な脱離基、好ましくはハロ‐もしくはア
ルキル‐置換したスルフォニル基、より好ましくはトリ
フルオロメタン‐スルフォニル‐もしくはヨード‐基を
有する誘導体へと変換することを必要とする。その後、
これらの脱離基を、硫黄を含む求核試薬により変位させ
て、希望の4″‐デオキシ‐4″‐アルキル‐チオアベ
ルメクチン誘導体を取得する(これを更に修飾すること
もできる)。
【0037】4″‐もしくは4″‐アルキル置換された
スルフォニル中間体を、5‐位を保護してあるアベルメ
クチンから、塩素化炭化水素、テトラヒドロフラン(T
HF)もしくはエーテル、好ましくは塩化メチレンのよ
うな不活性溶媒中に溶解している適切なスルフォン酸無
水物もしくは塩化スルフォニルを用いて、塩基の存在下
において、−15から10℃で、15分から1時間の期
間の間で調製する。この4″もしくは4′‐アルキル置
換されたスルフォニル化合物を、当業者に知られている
技術を利用して単離することができる。その後、この
4″‐もしくは4′スルフォニルアベルメクチンを、
4″‐もしくは4′‐位において、硫黄を含んでいる求
核試薬により置換する。この反応は、室温もしくはそれ
に近い温度で、ジメチルフォルムアミド(DMF)、ジ
メチルスルフォキシド(DMSO)、THF、塩素化炭
化水素もしくはエーテル、好ましくはDMFのような不
活性溶媒中において、金属性チオールもしくは塩基を有
するチオールのいずれかの希望のチオール求核試薬で、
0から25℃において、1から4時間の期間の間に行
う。この反応混合物中に、18‐クラウン‐6(1,
4,7,10,15,16‐ヘキサオキサシクロオクタ
デカン)のようなクラウンエーテルを微小量含ませると
有効であることが見いだされている。このクラウンエー
テルの存在により反応が促進され、かつ、一般的には、
反応の期間が顕著に低減される。この産物を、既知の技
術を使用して単離する。
【0038】4″もしくは4′‐位においては2種類の
可能なエピマーが存在し、その一つは、エカトリアル
(もしくはα)置換基を有する天然のアベルメクチン中
におけるとおりの立体化学性を有しており、かつ、一方
のものは、アキシアル(もしくはβ)立体配置を有して
いる。後者は4″‐もしくは4′‐エピと呼ばれてい
る。強い求核試薬を用いるこの反応の結果、転化された
立体配置を有する産物が優位に生じる。金属性の求核試
薬を用いる反応では両方の化合物を生じ、これらは分離
することができるが、その両方ともが高い生物活性を有
するため、それらを分離する必要はない。両方のエピマ
ーとも、分離してあったとしても、あるいは、混合物の
ままであったとしても、これらを本発明の一部であると
見なす。
【0039】脱離基の求核性置換は、ヨウ素により、
4′‐位において良好な脱離基で置換してあるアベルメ
クチンの攪拌溶液に対してDMF、DMSO、THFも
しくは塩素化炭化水素中においてハロゲン塩を添加し、
かつ、その反応物を室温で1時間から6時間攪拌するこ
とにより行うことができる。この産物を、既知の技術を
使用して分離する。今度は、4″‐ハロゲン分子を、硫
黄含有性の他の求核試薬を含む他の求核試薬により置き
換えることができる。
【0040】更に、この、硫黄を含む4″‐置換体を更
に修飾することができる。m‐クロロ過安息香酸のよう
な酸化用試薬との、塩化メチレンのような非活性溶媒中
における、−15から25℃での、30分から2時間の
期間の、4″‐サルファーの酸化反応により、スルフォ
キシド及びスルフォンが生じる。このスルフォキシドの
両方の光学対掌体が取得される。
【0041】この硫黄含有性の4′‐及び4″基を、関
連するスルフォキシ及びスルフォニル基に対して、塩素
化炭化水素、THF、エーテルもしくは低級アルコー
ル、好ましくは、塩化メチレンのような溶媒中で酸化さ
せることができる。過酸、好ましくは、m‐クロロ過安
息香酸のような酸化用試薬を、4″‐もしくは4′‐置
換したアベルメクチンの溶液に添加する。温度(−30
℃から室温まで)及び酸化用試薬の当量の数を変化させ
ることで、スルフォキシド及びスルフォンの相対収率を
調節することができる。この産物を、当業者に知られて
いる技術を利用して、分離しかつ単離する。
【0042】側鎖の更に進んだ修飾は、チオ‐アルコー
ルを求核試薬として使用する場合に行うことができる。
硫黄含有性の側鎖上のアルコールのヒドロキシ基は、
4″‐もしくは4′‐ヒドロキシ基において可能な任意
の反応を及び化学変化を受けることができ、それらは本
明細書中に記載してあるものを含むが、これらに限定は
されない。
【0043】4″‐位における希望する置換及び修飾の
後に、5‐ヒドロキシ基の保護をはずし、更に、希望で
あれば、5‐位における分子の修飾を行うことができ
る。
【0044】アベルメクチンの4″‐位において行った
前述の反応を、アベルメクチン単糖類の4′‐位におい
て行い、関連的に置換された単糖類誘導体に影響を与え
ることができる。
【0045】様々な反応性置換基の追加的な誘導体の調
製は、やはり、当業者に良く知られている方法を用いて
行うことができる。例としては、様々なアルキル化アベ
ルメクチンについては、Eskola他に対する米国特
許4,906,619を、様々な4′もしくは4″ケト
もしくはアミノ誘導体の調製については、Mrozik
に対する米国特許4,427,663を、様々なアクリ
ル化アベルメクチンの調製については、Mrozik他
に対する米国特許4,201,861を、様々な、13
(位)置換されたアベルメクチンの調製については、C
habala他に対する米国特許 Re 32006及
びRe 32034を、様々な5‐アルキル化化合物の
調製については、Fisher他に対する米国特許4,
200,981を、更に、アベルメクチン化合物の保護
のための様々な方法の論議については、Morzikに
対する米国特許4,895,837を参照せよ。
【0046】本化合物は、寄生虫類、特に、蠕虫、外部
寄生体、昆虫、及び、ヒゼンダニ、感染しているヒト、
動物及び植物に対する、効力のある内服用及び外部使用
用の抗寄生虫剤試薬であり、そのため、ヒト及び動物の
衛生学、農学、及び、家屋及び商業用領域の害虫駆除に
おける有効性を有する。
【0047】一般的に寄生虫症として記載される疾患も
しくは疾患群は、蠕虫として知られる寄生虫を有する動
物宿主の感染に起因するものである。寄生虫症は、ブ
タ、ヒツジ、ウマ、ウシ、ヤギ、イヌ、ネコ、魚、バッ
ファロー、ラクダ、ラマ、トナカイ、実験室用動物、毛
皮育成用の動物、動物園の動物、及び、外来種及び家禽
類のような飼い慣らしてある動物における、流行性であ
りかつ重大な経済問題である。蠕虫の中でも、線虫とし
て記載される虫の群は、広範囲でかつしばしば起こる、
様々な種の動物における重篤な感染症を引き起こす。上
述の物に対して引用される、動物を感染する線虫の最も
一般的な属は、ヘモンカス(Haemonchus)、
トリコストロンギーラス(Trichostrongy
lus)、オステルタギア(Ostertagia)、
ネマトジーラス(Nematodirus)、コーペリ
ア(Cooperia)、アスカリス(Ascari
)、ブノストーマム(Bunostomum)、エソ
ファゴストーマム(Oesophagostomu
)、カベルチア(Chabertia)、トリクリス
Trichuris)、ストロンギーラス(Stro
ngylus)、トリコネーマ(Trichonem
)、ジクトヨコールス(Dictyocaulu
)、カピラリア(Capillaria)、ハブロネ
ーマ(Haburonema)、ドルスキア(Drus
chia)、ヘテラキス(Heterakis)、トキ
ソカーラ(Toxocara)、アスカリジア(Asc
aridia)、オキシユーリス(Oxyuris)、
アナキロストーマ(Anacylostoma)、ウン
キナリア(Uncinaria)、トキサスカリス(
oxascaris)、及び、パラスカリス(Para
scaris)である。ネマトジーラス、コーペリア及
びエソファゴストーマムのようなこれらの特定のもの
は、最初に腸管を攻撃するが、それに対して、ヘモンカ
ス及びオステルタギアのような他のものは、胃において
優性であり、一方で、ジクトヨコールスのような更に別
のものは、肺において発見されている。更に他の寄生虫
は、心臓、血管、皮下、及び、リンパ組織、及びその類
のような、身体の他の組織及び器官に位置することがで
きる。寄生虫症として知られている寄生虫感染は、貧
血、栄養失調、虚弱、体重減少、腸管及び他の組織及び
器官の壁の重篤な損傷を引き起こし、かつ、未治療のま
ま放置する場合には、感染した宿主の死を結果として生
じることがある。本発明の化合物は、これらの寄生虫に
対して予期せぬほど高い活性を有し、更に、イヌ及びネ
コにおけるジロフィラリア(Dirofilari
)、齧歯類におけるネマトスピロイデス(Nemat
ospiroides)、シファキア(Syphaci
)、アスピクルーリス(Aspiculuris)、
動物及び鳥類の節足類外部寄生体(真壁蝨群、壁蝨(ダ
ニ)、蝨(シラミ)、蚤(ノミ)、アオバエのようなも
の)、ヒツジにおけるルーキリア種(Lucilia
sp.)、噛む昆虫、及び、移動性双翅類の幼虫(ウシ
におけるヒポデルマ種(Hypoderma s
p.)、ウマにおけるガストロフィールス(Gastr
ophilus)、及び、齧歯類におけるクテレブラ種
Cuterebra sp.)のようなもの)、及
び、血を吸うハエ及び不潔なハエを含む厄介なハエに対
しても、やはり活性である。
【0048】本化合物は、ヒトに感染する寄生虫に対し
ても有効である。ヒトの胃腸管の寄生虫の最も一般的な
属は、アンキロストーマ(Ancylostoma)、
ネカトール(Necator)、アスカリス(Asca
ris)、ストロンギロイデス(Strongyloi
des)、トリキネラ(Trichinella)、カ
ピラリア(Capillaria)、トリクリス(Tr
ichuris)、及び、エンテロビウス(Enter
obius)である。血液もしくは胃腸管の外側にある
他の組織及び器官内に発見されている、他の医学的に重
要な寄生虫の属は、ウケレリア(Wuchereri
)、ブルギア(Brugia)、オンコセルカ(On
chocerca)及びロア(Loa)、ドラクヌクル
ス(Dracunuculus)のようなフィラリア型
の虫、及び、腸の寄生虫であるストロンギロイデス及び
トリキネラの腸外期型である。この化合物は、節足類が
寄生しているヒト、噛む昆虫及びヒトに対して厄介なこ
とを引き起こす他の双翅類の害虫に対しても価値があ
る。
【0049】この化合物は、ゴキブリ(ブラテラ種(
latella sp.))、衣類につく蛾(ティネオ
ラ種(Tineola sp.))、絨毯につく甲虫
(アタゲーナス種(Attagenus sp.))、
イエバエ(ムスカ・ドメスティカ(Musca dom
estica)、並びに、蚤(ノミ)、家屋の埃につく
壁蝨(ダニ)、シロアリ及びアリに対しても活性であ
る。
【0050】この化合物は叉、トリボリウム種(Tri
bolium sp.)、テネブリオ種(Tenebr
io sp.)のような保存してある穀物の害虫、及
び、アブラムシ(アキルチオシフォン種(Acyrth
iosiphon sp.))のような農作植物の害虫
に対して、又、バッタのような移住性の直翅類及び植物
阻止機上に生息する昆虫の未成熟期型に対しても有効で
ある。この化合物は、農学上において重要であることが
できる土壌線虫及びメロイドギーネ種(Meloido
gyne sp.)のような土壌線虫及び植物寄生体の
抑制のための線虫撲滅剤として有効である。この化合物
は、ハリアリに侵襲されている「acerage」を治
療するのにも非常に有効である。低レベルでの撒き餌
(噛む形態のもの)処方形態であるこの化合物を、侵襲
された領域の上に散布すると、この処方は巣に持ち帰ら
れる。ハリアリにおける直接的かつ緩慢な襲撃の毒性効
果に加え、この化合物は、効果的に巣を破壊する女王ア
リの不妊化による巣についての長期的効果を有する。
【0051】本発明の化合物は、その活性化合物を直接
1種類もしくは複数の不活性成分と混合し、かつ、随意
に1種類もしくは複数の追加的な活性成分を含む処方形
態において投与することができる。この化合物を、ヒト
及び動物に対する投与のため、植物に対する応用のた
め、及び、住宅用あるいは商業用環境のいずれかにおけ
る家財につく害虫を抑制するための家屋及び地域用の応
用のための、当業者に知られている任意の組成物におい
て使用することができる。内在的及び外在的な寄生虫を
抑制するための、ヒト及び動物への応用のためには、固
体もしくは液体における経口処方形態、もしくは、非経
口的液体、移入もしくは蓄積注射形態を使用することが
できる。局所的応用のためには、浸液、スプレー、粉
末、散布剤、手で塗る液体、患部のみにつける貼り薬、
噴霧用液体、シャンプー、頚輪、名札、皮帯を使用する
ことができる。農業用の家屋もしくは地域用の応用のた
めには、液体スプレー、粉末、散布剤、もしくは、撒き
餌(噛む形態のもの)形態を使用することができる。加
えて、「呑み込ませる」形態を使用して、動物の食べ残
しを食べあるいはそこに卵を産む厄介なハエを抑制する
ことができる。この化合物を、被嚢化することなどによ
り処方化して動物の食べ残しの中に活性試薬を織り込む
が、それは不潔なハエもしくは他の節足類の害虫を抑制
する。
【0052】これらの化合物を、カプセル、巨丸もしく
は錠剤のような単位用量形態において、あるいは、哺乳
類における駆虫剤として用いられる液体の飲み薬とし
て、経口的に投与することができる。標準的には、この
飲み薬は、ベントナイトのような懸濁用試薬及び潤滑用
試薬もしくは賦形剤の様なものと一緒に通常水に溶解し
ている活性成分の溶液、懸濁液もしくは分散液である。
概して、飲み薬も又泡止剤を含んでいる。飲み薬処方形
態は、一般的に、活性化合物の約0.001から0.5
重量%を含んでいる。飲み薬処方形態は、0.01から
0.1重量%を含んでいることが好ましい。カプセル及
び巨丸は、デンプン、タルク、ステアリン酸マグネシウ
ム、もしくはリン酸二カルシウムのような担体賦形剤と
混合した活性成分を含んでいる。
【0053】本化合物を、乾燥した固体の単位用量形態
として投与することを希望する場合には、希望する量の
活性化合物を含むカプセル、巨丸、もしくは、錠剤が通
常利用される。これらの用量形態は、活性成分を、適切
で微粉化してある希釈剤、充填剤、膨化剤、又は、デン
プン、ラクトース、タルク、ステアリン酸マグネシウ
ム、植物性ゴム及びその類のもののような結合剤と、緊
密かつ均一に混合することにより調製する。このような
単位用量処方形態は、駆虫剤の総重量及び含有量に関し
て、治療を受けるべき宿主動物の種類、感染のひどさ及
び種類、及び、宿主の体重のような因子に依存して広く
変化することができる。
【0054】この活性物質を、動物の餌を介して投与す
べき場合には、それを、餌の中に直接的に分散させる
か、あるいは、上に掛けるソースの一種としてあるいは
仕上げをした餌に後から添加することができる錠剤もし
くは液体の形態において使用するか、あるいは、随意に
個別に与える。この代わりの方法としては、個々の用量
形態に基づく餌を、噛むことができる特別のおやつのよ
うにして使用することができる。更に又別の方法として
は、本発明の駆虫剤化合物を、例えば、こぶ胃内、筋肉
内、血管内、気管内、もしくは、皮下注射することによ
り、非経口的に動物に投与することができ、その注射液
中では、活性成分は液体の担体賦形剤中に溶解している
かあるいは分散している。非経口的投与のためには、こ
の活性物質を、好ましくはピーナツ油、綿実油及びその
類の様々な植物性油の容認される賦形剤と適切に混合す
る。ソルケタール、グリセロールフォルマル、プロピレ
ングリコールを使用する有機調製物のような他の非経口
用賦形剤及び水性の非経口的処方形態も使用されてい
る。この活性化合物もしくはその複数を、投与のための
非経口的処方化物中に溶解もしくは懸濁させるが、この
ような処方化物は、一般的に、0.0005から5重量
%の活性化合物を含んでいる。
【0055】本発明の駆虫剤試薬は、寄生虫症の治療又
は予防におけるそれらの第1の用途を見いだしたもの
の、それらは又、他の寄生虫により引き起こされる疾患
の予防及び治療においても有効であり、それらは例え
ば、真壁蝨類、蝨(シラミ)、蚤(ノミ)、壁蝨(ダ
ニ)のような節足類の寄生虫、及び、飼い慣らされてい
る動物及び家禽類中の他の噛む節足類である。これらは
又、ヒトを含む他の動物において生じる寄生虫疾患の治
療においても有効である。最善の結果のために利用され
るべき至適量は、当然のことながら、利用される特有な
化合物、治療されるべき動物の種、及び、寄生虫の感染
もしくは侵襲のひどさに依存する。動物の体重のKg当
たり約0.001から10mgまでの経口投与により我
々の新種の化合物を用い、このような総用量を、1‐5
日の様な比較的短期間の時間内に、1回もしくは分割し
た用量において投与することにより、概して良好な結果
が得られている。発明の好ましい化合物を用いて、1回
の用量において体重のKgあたり約0.025から0.
5mgまでを投与することにより、動物中で、このよう
に寄生虫のすばらしい抑制効果が得られている。再感染
と闘争する必要のある場合には繰り返し治療を行い、か
つ、寄生虫の種によっては節約型の技術を利用して繰り
返し治療を行う。動物に対してこれらの物質を投与する
ための技術は、獣医学の分野における当業者により知ら
れている。
【0056】本明細書中に記載されている化合物を、動
物の餌の成分として、あるいは、飲料水中に溶解もしく
は懸濁している成分として投与する場合には、活性物質
もしくはその複数が直接不活性担体もしくは希釈剤中に
分散させられている組成物を提供する。不活性担体と
は、駆虫剤と反応しないもの、及び、動物に対して安全
に投与することができるものを意味する。餌としての投
与のための担体は、動物の配給食の成分の一つであるこ
とが好ましく、あるいは、そうであることができる。
【0057】適切な組成物は、予め餌に混ぜておくもの
もしくは補足物を含み、それらにおいて、活性成分は比
較的大量に存在し、かつ、それらは、動物に対して直接
餌を与えるのに適しており、あるいは、直接に、もしく
は、中間的な希釈もしくは配合段階の後のいずれかにお
いて、餌に添加するのに適している。このような組成物
に適する典型的な担体もしくは希釈剤は、例えば、蒸留
酒製造業者用の乾燥した穀物、トウモロコシの引き割り
粉、柑橘類の引き割り粉、発酵作用の残存物、引き潰し
た牡蛎の殼、小麦麸、糖蜜溶解物、トウモロコシの穂軸
の引き割り粉、食用に適する豆を挽いた餌、大豆の荒挽
き、潰した石灰質及びその類のものを含む。この活性化
合物を、挽き潰し、攪拌、擂り潰し、もしくは、なげ散
らしのような方法により、担体全体に直接的に分散させ
る。活性化合物の約0.005から2.0重量%を含む
組成物は、特に餌に予め混ぜておくものとして適してい
る。動物に対して直接与えられる餌の補足物は、約0.
0002から0.3重量%の活性化合物を含む。
【0058】このような補足物を、寄生虫疾患の治療及
び抑制のために希望する活性化合物の濃度を仕上げをし
た餌に施すための量において、動物の餌に添加する。活
性化合物の希望する濃度は、先に述べた因子並びに利用
する特有の化合物に依存して変化するものの、本発明の
化合物は、希望する抗寄生虫的結果を達成する目的で、
通常、餌中に0.00001から0.002%の間の濃
度において与えてある。
【0059】本発明の化合物を使用する際、個々の化合
物は、先に示した形態において調製されかつ使用される
ことができる。その代わりの方法としては、個々の化合
物の混合物、もしくは、本発明の化合物に関連していな
い他の活性化合物の混合物を使用することができる。
【0060】本発明の化合物は又、作物を成育している
もしくは保存している間に損害を与える農業上の害虫と
闘争するのにも有効である。この化合物を、スプレー、
散布剤、乳状剤、及びその類のものとして、既知の技術
を用いることで、成育しているもしくは保存している作
物に対して応用して、このような農業上の害虫からの保
護効果をもたらす。
【0061】
【実施例】以下に示す実施例は、本発明をより完全に理
解してもらうために提供してあり、これらは、発明の制
限として解釈されるべきではない。
【0062】実施例1 4″,5‐ジ‐O‐t‐ブチル
ジメチルシリル‐アベルメクチンB2a ふるいで脱水した400mLのジメチルフォルムアミド
と新しく蒸留した30mLのトリエチルアミン中の、5
8.2g(65ミリモル)の乾燥したアベルメクチン
B2aの溶液に対して、200mLのジクロロメタン中
の29.8g(198ミリモル、3等量)のt‐ブチル
ジメチルシリル塩化物の溶液を添加した。この混合物を
室温で16時間攪拌し、その後、氷水中に注ぎ、ジクロ
ロメタンで抽出した。この有機相を混ぜ合わせ、更に、
水、ブラインで洗浄し、更に、硫酸マグネシウムで脱水
した。溶媒の蒸発化により油状物を生じ、これを20%
エチルアセテート‐ヘキサンを利用して、シリカゲルの
液体クロマトグラフィーにより精製して、34.2gの
4″,5‐ジ‐O‐t‐ブチルジメチルシリル‐アベル
メクチン B2aを産生し、NMR及び質量スペクトル
により同定した。
【0063】実施例2 4″,5‐ジ‐O‐t‐ブチル
ジメチルシリル‐23‐オキソ‐アベルメクチン B2
温度計、攪拌機、及び滴下漏斗を装着した5Lの3首フ
ラスコに、400mLのジクロロメタンと16mL
(0.185モル)の塩化オキサリルとを入れた。この
溶液を、窒素下で−70℃にまで冷却し、その間に、2
00mLのジクロロメタン中の25mL(0.350モ
ル)のジメチルスルフォキシドの溶液を、内部温度を−
65℃以下に保ちながら、30分に亘り滴下して添加し
た。この混合物を、−70℃で1時間攪拌した。その
後、900mLのジクロロメタン中の114.75g
(0.103ミリモル)の4″,5‐ジ‐O‐t‐ブチ
ルジメチルシリル‐アベルメクチン B2aの溶液を、
混合物の温度を−65℃以下に保ちながら、45分間に
亘り滴下して添加した。−70℃で更に2時間おいた
後、115mLのトリエチルアミンを、再び温度を−6
5℃以下に保ちながら、10分間に亘り滴下して添加し
た。その後、この反応物を、約10℃において1時間攪
拌し、その後に減圧下で溶媒を除去した。残存物を、
1.5Lのエーテルに吸収させ、500mLの水で洗浄
した。水性層を500mLのエーテルで抽出した。混ぜ
合わせたエーテル層を、2×1Lの水、1Lの飽和した
重炭酸ナトリウム、及び1Lのブラインで順々に洗浄
し、その後、硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を除去
して、100gの黄色の泡状物を生じ、これをカラムク
ロマトグラフィー(4Kgのシリカゲル、5‐25%の
エチルアセテート‐ヘキサン溶出液で溶出した)により
精製した。産物は黄色の泡状物として得られた(101
g、88%収率)。NMR(300MHz、TMS)
δ 0.08(d、J=6Hz)、0.14(s)、
0.9(s)、0.93(s)、0.98(m)、1.
16(d、J=7Hz)、1.2(d、J= Hz)、
1.24(d、J=7Hz)、1.45(s)、1.5
(m)、1.8(s)、2.22(m)、2.44
(m)、3.12(t、J=9Hz)、3.2(t、J
=9Hz)、3.32(s)、3.42(s)、3.6
(m)、3.81(d、J=6Hz)、3.93
(s)、3.98(sh s)、4.44(d、J=6
Hz)、4.62(dq、J=2、14Hz)、4.7
4(d、J=3Hz)、4.93(t、J=7Hz)、
5.3(m)、5.7(m)、5.8(m);質量スペ
クトル:FAB 1123(M+Li)。
【0064】実施例3 4″,5‐ジ‐O‐t‐ブチル
ジメチルシリル‐7‐O‐トリメチルシリル‐23‐O
‐トリメチルシリルオキシ‐アベルメクチン B2a −78℃における2mLの蒸留したテトラヒドロフラン
中の101mg(0.09ミリモル)の4″,5‐ジ‐
O‐t‐ブチルジメチルシリル‐23‐オキソ‐アベル
メクチン B2aの溶液に対して、ヘキサン類混合物中
のリチウムビス(トリメチルシリル)アミドの1.0M
溶液の0.400mLを添加した。この混合物を、アル
ゴン下において、−78℃で1時間攪拌し、その後、ト
リエチルアミンとトリメチルクロロシランの1:3の混
合物を遠心したものの上清0.20mLを、注射針を通
して滴下して添加した。更に30分おいた後、2mLの
重炭酸ナトリウムの飽和水溶液を添加し、更に、その混
合物を室温にまで暖めた。その後、この反応混合物を、
水とエーテルとの間で分配して、更に、エーテルによる
抽出物を混ぜ合わせ、かつ、硫酸マグネシウムで脱水し
た。そのエーテル物の濾過及び蒸発により、120mg
の4″,5‐ジ‐O‐t‐ブチルジメチルシリル‐7‐
O‐トリメチルシリル‐23‐O‐トリメチルシリルオ
キシ‐アベルメクチン B2aを生じ、NMRによりそ
の性質を決定した。NMR δ 0.08(d、J=6
Hz)、0.12(s)、0.18(s)、0.88
(s)、0.92(s)、1.18(d、J=8H
z)、1.23(d、J=8Hz)、1.26(d、J
=8Hz)、1.5(s)、1.51(m)、1.78
(s)、2.3(m)、2.58(m)、3.12
(t、J=9Hz)、3.22(t、J=9Hz)、
3.25(s)、3.32(s)、3.4(s)、3.
8(d、J=6Hz)、3.82(m)、3.98
(s)、4.39(d、J=4Hz)、4.6(q、J
=16Hz)、4.68(sh d、J=2Hz、C2
2H)、4.8(d、J=3Hz)、4.9(m)、
5.1(m)、5.25(d、J=3Hz)、5.45
(s)、5.7(m)。
【0065】実施例4 4″,5‐ジ‐O‐t‐ブチル
ジメチルシリル‐7‐O‐トリメチルシリル‐22‐ヒ
ドロキシ‐23‐オキソ‐アベルメクチン B2a 2mLのジクロロメタン中の135mg(0.107ミ
リモル)の4″,5‐ジ‐O‐t‐ブチルジメチルシリ
ル‐7‐O‐トリメチルシリル‐23‐O‐トリメチル
シリルオキシ‐アベルメクチン B1aの溶液に対し
て、1mLのジクロロメタン中の21mg(0.12ミ
リモル)のm‐クロロ過安息香酸の溶液を、一度に添加
した。20℃で20分おいた後、0.2mLのジメチル
スルフィドを添加した。この混合物を更に30分攪拌
し、その後、重炭酸ナトリウム水溶液を添加し、更に、
エチルアセテートで抽出した。混ぜ合わせた有機物分画
を脱水し、濾過し、更に、蒸発させて、150mgの固
体を生じた。この産物混合物を、調製用の薄層クロマト
グラフィー(20%エチルアセテート‐ヘキサン)によ
り分離して、40mgの4″,5‐ジ‐O‐t‐ブチル
ジメチルシリル‐7‐O‐トリメチルシリル‐22‐ヒ
ドロキシ‐23‐オキソ‐アベルメクチン B2aを生
じた。NMR δ 0.08(d、J=6Hz)、0.
14(s)、0.88(s)、0.92(s)、0.9
6(d、J=6Hz)、0.98(d、J=6Hz)、
1.16(d、J=7Hz)、1.20(d、J=6H
z)、1.23(d、J=6Hz)、1.43(s)、
1.50(s)、1.52(m)、1.78(s)、
2.24(m)、2.4(dd、J=6、12Hz)、
2.58(m)、3.12(t、J=9Hz)、3.2
2(t、J=9Hz)、3.3(s)、3.32
(s)、3.4(s)、3.62(m)、3.82
(m)、3.82(d、J=6Hz)、3.92(d、
J=7Hz)、3.97(s)、4.38(d、J=3
Hz)、4.6(q、J=15Hz)、4.77(d、
J=3Hz)、4.83(m)、5.05(br d、
J=7Hz)、5.25(d、J=3Hz)、5.5
(s)、5.7(m);質量スペクトル FAB 12
12(M+Li+H)。
【0066】実施例5 アルデヒド酸の調製 アルミニウム箔で覆ったカラスのバイアル瓶中に入って
いる、6mLのベンゼン中の600mg(0.5ミリモ
ル)の4″,5‐ジ‐O‐t‐ブチルジメチルシリル‐
7‐O‐トリメチルシリル‐22‐ヒドロキシ‐23‐
オキソ‐アベルメクチン B2aの溶液に対して、40
0mg(0.9ミリモル)のテトラアセテート鉛を一度
に添加した。20℃で30分おいた後、その溶液を、1
2mLの水と600mgの亜硫酸ナトリウムとを含む分
液漏斗内に注ぎ入れた。その後、その混合物を振盪し、
更に、エチルアセテートで抽出した。混ぜ合わせた抽出
物を脱水(MgSO4 )、濾過し、更に、蒸発させて、
600mgの固体を生じた。最初に2:1のヘキサン:
エチルアセテートで、その後アセトンで溶出する、シリ
カゲルのカラムを通してのフラッシュクロマトグラフィ
ーにより、250mgの出発物質と230mgのアルデ
ヒド酸とを生じた。NMR δ 0.08(d、J=6
Hz)、0.13(s)、0.89(s)、0.92
(s)、1.15(d、J=6Hz)、1.18(d、
J=6Hz)、1.20(d、J=6Hz)、1.26
(d、J=6Hz)、1.5(s)、1.53(m)、
1.78(s)、2.3(m)、2.78(br
s)、3.13(t、J=9Hz)、3.23(t、J
=9Hz)、3.23(s)、3.32(s)、3.3
6(m)、3.42(br s)、3.68(m)、
3.81(m)、3.82(d、J=6Hz)、3.9
8(s)、4.38(s)、4.6(q、J=15H
z)、4.79(d、J=2Hz)、4.86(br
s)、5.12(br s)、5.3(s)、5.44
(s)、5.7(m)。
【0067】実施例6 アルデヒド酸のメトキシアルデ
ヒド(III)及び2R,3R,4S‐2,4‐ジメチ
ル‐3‐ヒドロキシヘキサン酸へのケタール転位反応 80mLの乾燥メタノール中の8gのピリジニウムトシ
ル酸塩の溶液に対して、実施例5からの、16.3gの
アルデヒド酸を添加した。この混合物を20℃で1.5
時間攪拌し、4mLのトリエチルアミンを添加した。そ
の後、この混合物を、4.4gの重炭酸ナトリウムと5
00mLの水とを含む分液漏斗に移した。その混合物を
エーテルで抽出し、更にその後、水層を2NのHClで
酸性にし、更に、エチルアセテートで抽出して、琥珀色
の油状物として1.6gの2R,3R,4S‐2,4‐
ジメチル‐3‐ヒドロキシヘキサン酸を生じた。このエ
ーテル抽出物を混ぜ合わせ、硫酸マグネシウムで脱水し
た。濾過及び溶媒の蒸発により、メトキシケタール類及
びアルデヒド酸との1:1:1の混合物として、15.
5gの固体を生じ、それに加え、メトキシケタールより
も遅いRf値であるがアルデヒド酸よりも速いRf値を
有する数種の少量成分を生じた。この混合物を、550
gのシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーに
より、最初は3:1でその後2:1のヘキサン:エチル
アセテートで溶出して、5.1g及び4.0g及び3.
9gのメトキシケタールを産生し、その各々をNMR及
び質量分析により同定した。メトキシケタールAのNM
R:δ 0.08(d、J=6Hz)、0.12
(s)、0.14(s)、0.88(s)、0.92
(s)、1.17(d、J=7Hz)、1.21(d、
J=7Hz)、1.25(d、J=7Hz)、1.5
(m)、1.51(s)、1.78(s)、2.3
(m)、2.5(m)、3.13(t、J=9Hz)、
3.22(t、J=9Hz)、3.28(sh d、J
=2Hz)、3.32(s)、3.38(s)、3.4
4(s)、3.65(m)、3.82(d、J=6H
z)、3.98(s)、4.38(d、J=3Hz)、
4.6(dq、J=2、15Hz)、4.7(m)、
4.78(d、J=3Hz)、5.12(d、J=11
Hz)、5.30(d、J=3Hz)、5.48
(s)、5.57(m)、5.75(dd、J=11、
16Hz)、9.37(s)。メトキシケタールBのN
MR:δ 0.08(d、J=6Hz)、0.13
(s)、0.88(s)、0.90(m)、0.92
(s)、1.18(d、J=7Hz)、1.21(d、
J=7Hz)、1.26(d、J=6Hz)、1.42
(s)、1.5(m)、1.52(s)、1.6
(m)、1.78(s)、1.90(d、J=12H
z)、2.35(m)、2.58(tt、J=6、2H
z)、3.13(t、J=9Hz)、3.22(t、J
=9Hz)、3.25(s)、3.28(s)、3.3
2(s)、3.43(s)、3.66(m)、3.82
(d、J=6Hz)、3.84(m)、3.99
(s)、4.38(d、J=3Hz)、4.60(d
q、J=2、15Hz)、4.80(d、J=3H
z)、4.90(m)、5.15(dd、J=5、12
Hz)、5.29(d、J=3Hz)、5.46
(s)、5.57(m、J=9Hz)、5.63(d、
J=12Hz)、5.76(dd、J=12、15H
z)、9.39(s)。メトキシケタール異性体A及び
BについてのC21における立体化学帰属は、各純粋な
異性体を再び酸性メタノールに戻した場合の、AからB
への不可逆的な転換に基づく。熱力学的に安定な異性体
である異性体Bは、メトキシ(アキシアル)/フォルミ
ル(エカトリアル)という立体配置に帰属される。この
キラル酸を過剰のジアゾメタンでエステル化し、更に、
フラッシュクロマトグラフィーにより、15%のエチル
アセテート‐ヘキサンで精製して、1gのメチルエステ
ル、[α]D =−9.5°、c=8.9g/dLジクロ
ロメタン、を産生し、それを、NMRスペクトルにより
同定した。
【0068】実施例7 4″,5‐ジ‐O‐t‐ブチル
ジメチルシリル‐21‐O‐3‐(2R,3R,4S‐
2,4‐ジメチルヘキサン酸メチル)‐22‐オキソ‐
21,25‐セコ‐7‐O‐トリメチルシリル‐アベル
メクチンの調製 24.75gのヒドロキシケトンII(20.54ミリ
モル)を、0℃において、125mLの乾燥メタノール
中に溶解した。これに対して、続けて、9.1mLのピ
リジン、次には9.1gのテトラアセテート鉛を添加し
た(1gずつ5分かけて添加した)。この反応物を最初
0℃で、その後室温で、10分間攪拌した。その後、こ
の溶液を125mLの飽和したNa2 2 4 内に注ぎ
入れ、エチルアセテートで抽出し、その有機相をブライ
ンで洗浄し、更に、硫酸マグネシウムで脱水した。その
硫酸マグネシウムを濾過して除き、更に、溶媒を減圧下
で除去した。残存物である油状物を、シリカゲル上での
フラッシュクロマトグラフィーにより、溶出液として8
5:15のヘキサン類:アセトンを用いて精製して、2
3.2g(91%)の標題化合物を産生し、これをNM
Rにより同定した。
【0069】実施例8 メトキシアルデヒドIIIの調
室温において、80mLのメタノール中の8gのピリジ
ニウムp‐トルエンスルホン酸塩に対して、8.9gの
4″,5‐ジ‐O‐t‐ブチルジメチルシリル‐21‐
O‐3‐(2R,3R,4S‐2,4‐ジメチルヘキサ
ン酸メチル)‐22‐オキソ‐21,25‐セコ‐7‐
O‐トリメチルシリル‐アベルメクチン(7.21ミリ
モル)を添加し、更に、この反応物を1時間攪拌した。
この溶液を100mLのエチルアセテートで希釈し、最
初に100mLの飽和した重炭酸ナトリウムで、その後
ブラインで洗浄し、その後、有機相を硫酸マグネシウム
で脱水した。その硫酸マグネシウムを濾過して除き、更
に、溶媒を減圧下にて除去した。溶出液として85:1
5のヘキサン類:アセトンを用いるシリカゲル上でのフ
ラッシュクトマトグラフィーの後、メトキシアルデヒド
IIIが純粋形態として取得され、それをNMRにより
同定した。
【0070】実施例9 4″,5‐ジ‐O‐t‐ブチル
ジメチルシリル‐7‐O‐トリメチルシリル‐21,2
5‐セコ‐24‐デスメチル‐25‐デス(2‐ブチ
ル)‐21‐メトキシ‐25‐ノル‐24‐オキソ‐ア
ベルメクチン(IVa)の調製 実施例8からのアルデヒドIIIの100mg(97μ
モル)と64mgのPh3 PCHCHO(106μモ
ル)とを2mLのトルエン中で混合した。この溶液を1
5分間還流し、室温にまで冷却し、その後、シリカゲル
上のフラッシュクロマトグラフィーにより、溶出液とし
て3:1のヘキサン類:エチルアセテートを使用して精
製し、89mg(88%)の標題化合物を産生し、これ
をNMRにより同定した。
【0071】実施例10 4″,5‐ジ‐O‐t‐ブチ
ルジメチルシリル‐7‐O‐トリメチルシリル‐21,
25‐セコ‐24‐デスメチル‐25‐デス(2‐ブチ
ル)‐21‐メトキシ‐25‐ノル‐24‐オキソ‐2
4‐メチル‐アベルメクチン(IVb)の調製 実施例8からのアルデヒドIIIの200mg(196
μモル)と134mgのPh3 PCHCH(O)CH3
(420μモル)とを3mLのトルエン中に配し、加熱
して20分間還流した。この反応物を0℃にまで冷却さ
せ、塩化ナトリウムで反応を停止し、更に、エチルアセ
テートで抽出した。この有機相を脱水し(硫酸マグネシ
ウム)、濾過し、更に、減圧下で濃縮した。この未精製
物を、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーに
より、溶出液として3:1のヘキサン類:エチルアセテ
ートを用いて精製し、160mg(77%)の標題化合
物を生じ、これをNMRにより同定した。
【0072】実施例11 4″,5‐ジ‐O‐t‐ブチ
ルジメチルシリル‐7‐O‐トリメチルシリル‐21,
25‐セコ‐24‐デスメチル‐25‐デス(2‐ブチ
ル)‐21‐メトキシ‐25‐ノル‐24‐オキソ‐2
4‐i‐プロピル‐アベルメクチン(IVc)の調製 200mgのアルデヒドIII(196μモル)を、室
温において76mgのジメチル(2‐オキソ‐3‐メチ
ルブチル)リン酸塩(393μモル)と39mgの塩化
リチウム(929μモル)を含む5mLのアセトニトリ
ル中に配した。これに対して、101μLのジイソプロ
ピルエチルアミン(784μモル)を、1分間に亘り滴
下して添加した。この反応物を室温において10分間攪
拌し、その後、2mLの飽和した塩化アンモニウム中に
注ぎ入れ、エチルアセテートで抽出し、ブラインで洗浄
し、更に、有機相を硫酸マグネシウムで脱水した。その
硫酸マグネシウムを濾過によって除去し、更に、溶媒を
減圧下で除去した。この未精製物を、シリカゲル上のフ
ラッシュクロマトグラフィーにより、溶出液として2:
1のヘキサン類:エチルアセテートを用いて精製し、2
01mg(95%)の標題化合物を産生し、これをNM
Rにより同定した。
【0073】実施例12 4″,5‐ジ‐O‐t‐ブチ
ルジメチルシリル‐7‐O‐トリメチルシリル‐21,
25‐セコ‐24‐デスメチル‐25‐デス(2‐ブチ
ル)‐21‐メトキシ‐25‐ノル‐24‐オキソ‐2
4‐t‐ブチル‐アベルメクチン(IVc)の調製 実施例11における方法に従い、350mgのアルデヒ
ドIII(342μモル)、142mgのジメチル(2
‐オキソ‐3,3‐ジメチルブチル)リン酸塩(685
μモル)及び57mgの塩化リチウム(1.37ミリモ
ル)を、4mLのアセトニトリル中に配し、これに対し
て、245μLのジイソプロピルエチルアミン(1.3
7ミリモル)を添加して、330mg(87%)の標題
化合物を生じ、これをNMRにより同定した。
【0074】実施例13 4″,5‐ジ‐O‐t‐ブチ
ルジメチルシリル‐7‐O‐トリメチルシリル‐21,
25‐セコ‐24‐デスメチル‐25‐デス(2‐ブチ
ル)‐21‐メトキシ‐25‐ノル‐24‐オキソ‐2
4‐シクロヘキシル‐アベルメクチン(IVe)の調製 実施例11における方法に従い、250mgのアルデヒ
ドIII(246μモル)、115mgのジメチルシク
ロヘキシルカルボニルメチルリン酸塩(490μモル)
及び52mgの塩化リチウム(1.23ミリモル)を、
4mLのアセトニトリル中に配し、これに対して、12
6μLのジイソプロピルエチルアミン(980μモル)
を添加して、256mg(93%)の標題化合物を生
じ、これをNMRにより同定した。
【0075】実施例14 4″,5‐ジ‐O‐t‐ブチ
ルジメチルシリル‐7‐O‐トリメチルシリル‐21,
25‐セコ‐24‐デスメチル‐25‐デス(2‐ブチ
ル)‐22,23‐シス‐21‐メトキシ‐25‐ノル
‐24‐メトキシカルボニル‐アベルメクチン(IV
f)の調製 23μLのビス(2、2,2‐トリフルオロエチル)メ
トキシカルボニルメチルリン酸塩(108μモル)及び
118mgの18‐クラウン‐6(490μモル)を、
5mLのトルエン中で−78℃にまで冷却した。これに
対して、216μLの0.5Mカリウムビス(トリメチ
ルシリル)アミド(108μモル)を滴下して添加し
た。10分後、1mLのトルエン中の100mgのアル
デヒドIII(98μモル)を一度に添加した。この反
応物を−78℃で30分間攪拌し、その後、室温にまで
暖めた。この反応を2mLの飽和した塩化アンモニウム
で停止させ、エチルアセテートで抽出し、その有機相を
ブラインで洗浄し、更に、硫酸マグネシウムで脱水し
た。この硫酸マグネシウムを濾過して除き、溶媒を減圧
下で除去し、更に、この未精製物を、調製用の層クロマ
トグラフィー(SiO2)により、溶出液として3:1
のヘキサン類:エチルアセテートを用いて精製し、10
1mg(96%)の標題化合物を生産し、これをNMR
により同定した。
【0076】実施例15 4″,5‐ジ‐O‐t‐ブチ
ルジメチルシリル‐7‐O‐トリメチルシリル‐21,
25‐セコ‐24‐デスメチル‐25‐デス(2‐ブチ
ル)‐21‐メトキシ‐25‐ノル‐24‐フェニル‐
アベルメクチン(IVg)の調製 78mgのビス(2,2,2‐トリフルオロエチル)フ
ェニル‐カルボニルメチルリン酸塩(215μモル)
を、−78℃下において235mgの18‐クラウン‐
6(979μモル)を含む5mLのトルエン中に配し
た。430μLのカリウムビス(トリメチルシリル)ア
ミド(215μモル)を添加し、更に、この反応物を1
0分間攪拌した。1mLのトルエン中の200mgのア
ルデヒドIII(196μモル)を滴下して添加し、更
に、その反応物を最初−78℃下で30分間、その後室
温で30分間攪拌した。この反応を3mLの飽和した塩
化アンモニウムで停止させ、エチルアセテートで抽出
し、その有機相をブラインで洗浄し、更に、硫酸マグネ
シウムで脱水した。この硫酸マグネシウムを濾過して除
き、更に、溶媒を減圧下にて除去した。この未精製物
を、調製用の層クロマトグラフィーにより、溶出液とし
て4:1のヘキサン類:エチルアセテートを用いて精製
し、173mg(79%)の標題化合物を産生し、これ
をNMRにより同定した。
【0077】実施例16 4″,5‐ジ‐O‐t‐ブチ
ルジメチルシリル‐7‐O‐トリメチルシリル‐21,
25‐セコ‐24‐デスメチル‐25‐デス(2‐ブチ
ル)‐21‐メトキシ‐25‐ノル‐24‐オキソ‐2
4‐(4‐フルオロ)フェニル‐アベルメクチン(IV
g)の調製 実施例11における方法に従い、200mgのアルデヒ
ドIII(196μモル)、99mgのジメチル(4‐
フルオロ)フェニルカルボニルメチルリン酸塩(402
μモル)及び40mgの塩化リチウム(952μモル)
を、4mLのアセトニトリル中に配し、これに対して、
101μLのジイソプロピルエチルアミン(782μモ
ル)を添加して、216mg(95%)の標題化合物を
生じ、これをNMRにより同定した。
【0078】実施例17 4″,5‐ジ‐O‐t‐ブチ
ルジメチルシリル‐7‐O‐トリメチルシリル‐21,
25‐セコ‐24‐デスメチル‐25‐デス(2‐ブチ
ル)‐21‐メトキシ‐25‐ノル‐24‐オキソ‐2
4‐(4‐メトキシ)フェニル‐アベルメクチン(IV
i)の調製 実施例11における方法に従い、200mgのアルデヒ
ドIII(196μモル)、105mgのジメチル(4
‐メトキシ)‐フェニルカルボニルメチルリン酸塩(4
07μモル)及び40mgの塩化リチウム(952μモ
ル)を、4mLのアセトニトリル中に配し、これに対し
て、101μLのジイソプロピルエチルアミン(782
μモル)を添加して、197mg(86%)の標題化合
物を生じ、これをNMRにより同定した。
【0079】実施例18 4″,5‐ジ‐O‐t‐ブチ
ルジメチルシリル‐21,25‐セコ‐24‐デスメチ
ル‐25‐デス(2‐ブチル)‐21‐メトキシ‐25
‐ノル‐24‐オキソ‐24‐(2‐フリル)‐アベル
メクチン(IVj)の調製 実施例11における方法に従い、200mgのアルデヒ
ドIII(210μモル)、108mgのジメチル(2
‐フリル)カルボニルメチルリン酸塩(420μモル)
及び41mgの塩化リチウム(980μモル)を、4m
Lのアセトニトリル中に配し、これに対して、72μL
のジイソプロピルエチルアミン(420μモル)を添加
して、173mg(79%)の標題化合物を生じ、これ
をNMRにより同定した。
【0080】実施例19 4″,5‐ジ‐O‐t‐ブチ
ルジメチルシリル‐21,25‐セコ‐24‐デスメチ
ル‐25‐デス(2‐ブチル)‐21‐メトキシ‐25
‐ノル‐24‐オキソ‐24‐メトキシメチル‐アベル
メクチン(IVk)の調製 実施例11における方法に従い、250mgのアルデヒ
ドIII(246μモル)、96mgのジメチル(2‐
オキソ‐3‐メトキシプロピル)リン酸塩(490μモ
ル)及び41mgの塩化リチウム(980μモル)を、
2.5mLのアセトニトリル中に配し、これに対して、
175μLのジイソプロピルエチルアミン(980μモ
ル)を添加して、270mg(100%)の標題化合物
を生じ、これをNMRにより同定した。
【0081】実施例20 4″,5‐ジ‐O‐t‐ブチ
ルジメチルシリル‐21,25‐セコ‐24‐デスメチ
ル‐25‐デス(2‐ブチル)‐21‐メトキシ‐25
‐ノル‐24‐オキソ‐24‐フェノキシメチル‐アベ
ルメクチン(IVl)の調製 実施例11における方法に従い、200mgのアルデヒ
ドIII(210μモル)、108mgのジメチル(2
‐オキソ‐3‐フェノキシプロピル)リン酸塩(420
μモル)及び41mgの塩化リチウム(980μモル)
を、4mLのアセトニトリル中に配し、これに対して、
72μLのジイソプロピルエチルアミン(420μモ
ル)を添加して、191mg(84%)の標題化合物を
生じ、これをNMRにより同定した。
【0082】実施例21 4″,5‐ジ‐O‐t‐ブチ
ルジメチルシリル‐7‐O‐トリメチルシリル‐21,
25‐セコ‐24‐デスメチル‐25‐デス(2‐ブチ
ル)‐21‐メトキシ‐25‐ノル‐24‐オキソ‐2
4‐トリエチルシロキシメチル‐アベルメクチン(IV
m)の調製 実施例11における方法に従い、200mgのアルデヒ
ドIII(196μモル)、116mgのジメチル(2
‐オキソ‐3‐(トリエチルシロキシ)プロピル)リン
酸塩(392μモル)及び17mgの塩化リチウム(3
92μモル)を、4mLのアセトニトリル中に配し、こ
れに対して、70μLのジイソプロピルエチルアミン
(392μモル)を添加して、180mg(77%)の
標題化合物を生じ、これをNMRにより同定した。
【0083】実施例22 4″,5‐ジ‐O‐t‐ブチ
ルジメチルシリル‐21‐O‐3‐(2R,3R,4S
‐2,4‐ジメチルヘキサン酸メチル)‐24‐オキソ
‐21,25‐セコ‐24‐トリエチルシロキシメチル
‐7‐O‐トリメチルシリル‐アベルメクチン(IV
n)の調製 実施例11における方法に従い、247mgの4″,5
‐ジ‐O‐t‐ブチルジメチルシリル‐21‐O‐3‐
(2R,3R,4S‐2,4‐ジメチルヘキサン酸メチ
ル)‐24‐オキソ‐21,25‐セコ‐7‐O‐トリ
メチルシリル‐アベルメクチン(200μモル)、11
8mgのジメチル(2‐オキソ‐3‐(トリエチルシロ
キシ)プロピル)リン酸塩(400μモル)及び17m
gの塩化リチウム(400μモル)を、4mLのアセト
ニトリル中に配し、これに対して、72μLのジイソプ
ロピルエチルアミン(400μモル)を添加して、18
5mg(66%)の標題化合物を生じ、これをNMRに
より同定した。
【0084】実施例23 4″,5‐ジ‐O‐t‐ブチ
ルジメチルシリル‐7‐O‐トリメチルシリル‐21,
25‐セコ‐24‐デスメチル‐25‐デス(2‐ブチ
ル)‐21‐O‐(2R,3R,4S‐2,4‐ジメチ
ルヘキサン酸メチル)‐22,23‐ジヒドロ‐23‐
(α‐ヒドロキシベンジル)‐24‐オキソ‐24‐t
‐ブチル‐アベルメクチン(VI‐id)の調製 実施例12からのエノンIVdの350mg(265μ
モル)を、粉末状の4オングストロームの分子ふるい5
00mgを室温において含む4mLのTHF中に配し
た。これに対して、280mgのベンズアルデヒド
(2,65ミリモル)及び30mgのPd(PPh3
4 (26μモル)を添加した。93μLのnBu3 Sn
H(319μモル)を5分間に亘り滴下してこの溶液に
添加した。2時間後、そのふるいを濾過し、更に、溶液
を減圧下において濃縮した。この未精製物質を、シリカ
ゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーにより、溶出
液として87:13のヘキサン類:エチルアセテートを
用いて精製し、221mgの標題化合物(58%)を産
生し、これをNMRにより同定した。
【0085】実施例24 4″,5‐ジ‐O‐t‐ブチ
ルジメチルシリル‐7‐O‐トリメチルシリル‐24‐
デスメチル‐25‐デス(2‐ブチル)‐22,23‐
ジヒドロ‐25‐ノル‐24‐フェニル‐23‐(トリ
メチルアセチル)‐アベルメクチン(VII‐id)の
調製 室温において、2.5mLの塩化メチレン中に実施例2
3からのVI‐id(155μモル)の221mgを含
む溶液に対して、25mgのピリジニウムp‐トルエン
スルホン酸塩と5mgのp‐トルエンスルホン酸とを順
々に添加した。15分後、300μLのトリエチルアミ
ンを添加し、更に、この未精製物質をそのまま、シリガ
ゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーにより、溶出
液として85:15のヘキサン類:エチルアセテートを
使用して精製し、162mgの標題化合物(84%)を
産生し、これをNMRにより同定した。
【0086】実施例25 24‐デスメチル‐25‐デ
ス(2‐ブチル)‐22,23‐ジヒドロ‐24‐フェ
ニル‐23‐(トリメチルアセチル)‐アベルメクチン
(VIII‐id)の調製 室温において、4mLのTHF中に実施例24からのV
I‐idの162mg(129μモル)を含む溶液に対
して、1mLのHF・ピリジン(25gのHF・ピリジ
ン、10mLのピリジン、20mLのTHF)を添加し
た。この反応物を2日間攪拌し、エチルエーテル中に注
ぎ入れ、水で洗浄し、相を分離した。各相を飽和した重
炭酸ナトリウムで中和し、更に、エチルエーテルで抽出
した。混ぜ合わせた有機相を硫酸マグネシウムで脱水
し、濾過し、更に、減圧下で濃縮した。溶出液として
3:1のエチルアセテート:ヘキサン類を用いるシリカ
ゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー、及び、その
後、溶出液として78:22のメタノール:水を用いる
Waters C‐18逆相カラム上での逆相HPLC
を使用して、純粋な形態におけるVIII‐idの4種
類の各異性体を取得した。この産物を、NMR及び質量
スペクトルにより同定した。
【0087】実施例26 4″,5‐ジ‐O‐t‐ブチ
ルジメチルシリル‐7‐O‐トリメチルシリル‐21,
25‐セコ‐24‐デスメチル‐25‐デス(2‐ブチ
ル)‐21‐オキシ‐22,23‐ジヒドロ‐23‐カ
ルボキシアルデヒド‐24‐ヒドロキシ‐24‐フェニ
ルアベルメクチン(VI‐la)の調製 実施例9からのエノンIVaの290mg(265μモ
ル)を、粉末状の4オングストロームの分子ふるい50
0mgを室温において含む4mLのTHF中に配する。
これに対して、280mgのベンズアルデヒド(2.6
5ミリモル)及び30mgのPd(PPh3 4 (26
μモル)を添加する。93μLのnBu3 SnH(31
9μモル)を5分間に亘り滴下してこの溶液に添加す
る。2時間後、そのふるいを濾過して除き、更に、溶液
を減圧下において濃縮する。この未精製物質をシリカゲ
ル上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製し
て、純粋なVI‐laを産生する。
【0088】実施例27 4″,5‐ジ‐O‐t‐ブチ
ルジメチルシリル‐7‐O‐トリメチルシリル‐21,
25‐セコ‐24‐デスメチル‐25‐デス(2‐ブチ
ル)‐21‐オキシ‐22,23‐ジヒドロ‐23‐
(1‐アセチル)‐24‐ヒドロキシ‐24‐イソプロ
ピルアベルメクチン(VI‐lb)の調製 実施例10からのエノンIVbの295mg(265μ
モル)を、粉末状の4オングストロームの分子ふるい5
00mgを室温において含む4mLのTHF中に配す
る。これに対して、190mgのイソブチルアルデヒド
(2.65ミリモル)及び30mgのPd(PPh3
4 (26μモル)を添加する。93μLのnBu3 Sn
H(319μモル)を5分間に亘り滴下してこの溶液に
添加する。2時間後、そのふるいを濾過して除き、更
に、溶液を減圧下において濃縮する。この未精製物質を
シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーにより
精製して、純粋なVI‐lbを産生する。
【0089】実施例28 4″,5‐ジ‐O‐t‐ブチ
ルジメチルシリル‐7‐O‐トリメチルシリル‐21,
25‐セコ‐24‐デスメチル‐25‐デス(2‐ブチ
ル)‐21‐オキシ‐22,23‐ジヒドロ‐23‐
(1‐ジメチルアセチル)‐24‐ヒドロキシ‐24‐
(2‐フリル)アベルメクチン(VI‐lc)の調製 実施例11からのエノンIV‐1cの305mg(26
5μモル)を、粉末状の4オングストロームの分子ふる
い500mgを室温において含む4mLのTHF中に配
する。これに対して、254mgのイソブチルアルデヒ
ド(2.65ミリモル)及び30mgのPd(PP
3 4 (26μモル)を添加する。93μLのnBu
3 SnH(319μモル)を5分間に亘り滴下してこの
溶液に添加する。2時間後、そのふるいを濾過して除
き、更に、溶液を減圧下において濃縮する。この未精製
物質をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー
により精製して、純粋なVI‐lcを産生する。
【0090】実施例29 4″,5‐ジ‐O‐t‐ブチ
ルジメチルシリル‐7‐O‐トリメチルシリル‐21,
25‐セコ‐24‐デスメチル‐25‐デス(2‐ブチ
ル)‐21‐オキシ‐22,23‐ジヒドロ‐23‐
(カルボキシシクロヘキシル)‐24‐ヒドロキシ‐2
4‐(t‐ブチル)アベルメクチン(VI‐le)の調
実施例13からのエノンIVeの315mg(265μ
モル)を、粉末状の4オングストロームの分子ふるい5
00mgを室温において含む4mLのTHF中に配す
る。これに対して、225mgのピブアルデヒド(2.
65ミリモル)及び30mgのPd(PPh3 4 (2
6μモル)を添加する。93μLのnBu3 SnH(3
19μモル)を5分間に亘り滴下してこの溶液に添加す
る。2時間後、そのふるいを濾過して除き、更に、溶液
を減圧下において濃縮する。この未精製物質をシリカゲ
ル上でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製し
て、純粋なVI‐leを産生する。
【0091】実施例30 4″,5‐ジ‐O‐t‐ブチ
ルジメチルシリル‐7‐O‐トリメチルシリル‐21,
25‐セコ‐24‐デスメチル‐25‐デス(2‐ブチ
ル)‐21‐オキシ‐22,23‐ジヒドロ‐23‐
(カルボメトキシ)‐24‐ヒドロキシ‐24‐(n‐
ブチル)アベルメクチン(VI‐lf)の調製 実施例14からのエノンIVfの300mg(265μ
モル)を、粉末状の4オングストロームの分子ふるい5
00mgを室温において含む4mLのTHF中に配す
る。これに対して、190mgのブチルアルデヒド
(2.65ミリモル)及び30mgのPd(PPh3
4 (26μモル)を添加する。93μLのnBu3 Sn
H(319μモル)を5分間に亘り滴下してこの溶液に
添加する。2時間後、そのふるいを濾過して除き、更
に、溶液を減圧下において濃縮する。この未精製物質を
シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーにより
精製して、純粋なVI‐lfを産生する。
【0092】実施例31 4″,5‐ジ‐O‐t‐ブチ
ルジメチルシリル‐7‐O‐トリメチルシリル‐21,
25‐セコ‐24‐デスメチル‐25‐デス(2‐ブチ
ル)‐21‐オキシ‐22,23‐ジヒドロ‐23‐
(カルボニルフェニル)‐24‐ヒドロキシアベルメク
チン(VI‐lg)の調製 実施例15からのエノンIVgの312mg(265μ
モル)を、粉末状の4オングストロームの分子ふるい5
00mgを室温において含む4mLのTHF中に配す
る。これに対して、100mgの無水ホルムアルデヒド
(3.33ミリモル)及び30mgのPd(PPh3
4 (26μモル)を添加する。93μLのnBu3 Sn
H(319μモル)を5分間に亘り滴下してこの溶液に
添加する。2時間後、そのふるいを濾過して除き、更
に、溶液を減圧下において濃縮する。この未精製物質を
シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーにより
精製して、純粋なVI‐lgを産生する。
【0093】実施例32 4″,5‐ジ‐O‐t‐ブチ
ルジメチルシリル‐7‐O‐トリメチルシリル‐24‐
デスメチル‐25‐デス(2‐ブチル)‐22,23‐
ジヒドロ‐25‐ノル‐23‐カルボキシアルデヒド‐
24‐フェニルアベルメクチン(VII‐la)の調製 150mgのVI‐1a(125μモル)を室温におい
て3mLの塩化メチレン中に配する。これに対して、2
5mgのピリジニウムp‐トルエンスルホン酸塩及び5
mgのトルエンスルホン酸を順々に添加する。15分
後、300μLのトリメチルアミンを添加し、そのまま
シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーにより
精製して、純粋なVII‐1aを産生する。
【0094】実施例33 4″,5‐ジ‐O‐t‐ブチ
ルジメチルシリル‐7‐O‐トリメチルシリル‐24‐
デスメチル‐25‐デス(2‐ブチル)‐22,23‐
ジヒドロ‐25‐ノル‐23‐アセチル‐24‐イソプ
ロピルアベルメクチン(VII‐lb)の調製 150mgのVI‐1b(125μモル)を室温におい
て3mLの塩化メチレン中に配する。これに対して、2
5mgのピリジニウムp‐トルエンスルホン酸塩及び5
mgのトルエンスルホン酸を順々に添加する。15分
後、300μLのトリメチルアミンを添加し、そのまま
シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーにより
精製して、純粋なVII‐1bを産生する。
【0095】実施例34 4″,5‐ジ‐O‐t‐ブチ
ルジメチルシリル‐7‐O‐トリメチルシリル‐24‐
デスメチル‐25‐デス(2‐ブチル)‐22,23‐
ジヒドロ‐25‐ノル‐23‐ジメチルアセチル‐24
‐(2‐フルフリル)アベルメクチン(VII‐lc)
の調製 155mgのVI‐1c(125μモル)を室温におい
て3mLの塩化メチレン中に配する。これに対して、2
5mgのピリジニウムp‐トルエンスルホン酸塩及び5
mgのトルエンスルホン酸を順々に添加する。15分
後、300μLのトリメチルアミンを添加し、そのまま
シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーにより
精製して、純粋なVII‐1cを産生する。
【0096】実施例35 4″,5‐ジ‐O‐t‐ブチ
ルジメチルシリル‐7‐O‐トリメチルシリル‐24‐
デスメチル‐25‐デス(2‐ブチル)‐22,23‐
ジヒドロ‐25‐ノル‐23‐(カルボニルシクロヘキ
シル)‐24‐(t‐ブチル)アベルメクチン(VII
‐le)の調製 190mgのVI‐1e(125μモル)を室温におい
て3mLの塩化メチレン中に配する。これに対して、2
5mgのピリジニウムp‐トルエンスルホン酸塩及び5
mgのトルエンスルホン酸を順々に添加する。15分
後、300μLのトリメチルアミンを添加し、そのまま
シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーにより
精製して、純粋なVII‐1eを産生する。
【0097】実施例36 4″,5‐ジ‐O‐t‐ブチ
ルジメチルシリル‐7‐O‐トリメチルシリル‐24‐
デスメチル‐25‐デス(2‐ブチル)‐22,23‐
ジヒドロ‐25‐ノル‐23‐(カルボメトキシ)‐2
4‐(n‐ブチル)アベルメクチン(VII‐lf)の
調製 190mgのVI‐1f(125μモル)を室温におい
て3mLの塩化メチレン中に配する。これに対して、2
5mgのピリジニウムp‐トルエンスルホン酸塩及び5
mgのトルエンスルホン酸を順々に添加する。15分
後、300μLのトリメチルアミンを添加し、そのまま
シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーにより
精製して、純粋なVII‐1fを産生する。
【0098】実施例37 4″,5‐ジ‐O‐t‐ブチ
ルジメチルシリル‐7‐O‐トリメチルシリル‐24‐
デスメチル‐25‐デス(2‐ブチル)‐22,23‐
ジヒドロ‐25‐ノル‐23‐(カルボニルフェニル)
アベルメクチン(VII‐lg)の調製 190mgのVI‐1g(125μモル)を室温におい
て3mLの塩化メチレン中に配する。これに対して、2
5mgのピリジニウムp‐トルエンスルホン酸塩及び5
mgのトルエンスルホン酸を順々に添加する。15分
後、300μLのトリメチルアミンを添加し、そのまま
シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーにより
精製して、純粋なVII‐1gを産生する。
【0099】実施例38 24‐デスメチル‐25‐デ
ス(2‐ブチル)‐22,23‐ジヒドロ‐25‐ノル
‐23‐カルボキシアルデヒド‐24‐フェニルアベル
メクチン(VIIIa)の調製 120mgのVII‐1a(100μモル)を室温にお
いて4mLの塩化メチレン中に配し、これに対して、1
mLのHF・ピリジン(25gのHF・ピリジン、10
mLのピリジン、25mLのTHF)を添加する。この
溶液を48時間攪拌し、更にその後、50mLの1:1
水:ジエチルエーテル中に注ぎ入れる。相を分離して、
各相を飽和した重炭酸ナトリウムで中和する。水性相を
混ぜ合わせ、ジエチルエーテルで抽出し、更に、この有
機相を混ぜ合わせた。有機相を脱水し(MgSO4 )、
濾過し、更に、その未精製物を減圧下において濃縮す
る。純粋なVIIIaが、シリカゲル上でのフラッシュ
クロマトグラフィーにより取得できる。
【0100】実施例39 24‐デスメチル‐25‐デ
ス(2‐ブチル)‐22,23‐ジヒドロ‐25‐ノル
‐23‐アセチル‐24‐イソプロピルアベルメクチン
(VIIIb)の調製 115mgのVII‐1b(100μモル)を室温にお
いて4mLの塩化メチレン中に配し、これに対して、1
mLのHF・ピリジン(25gのHF・ピリジン、10
mLのピリジン、25mLのTHF)を添加する。この
溶液を48時間攪拌し、更にその後、50mLの1:1
水:ジエチルエーテル中に注ぎ入れる。相を分離して、
各相を飽和した重炭酸ナトリウムで中和する。水性相を
混ぜ合わせ、ジエチルエーテルで抽出し、更に、この有
機相を混ぜ合わせる。有機相を脱水し(MgSO4 )、
濾過し、更に、その未精製物を減圧下において濃縮す
る。純粋なVIIIbが、シリカゲル上でのフラッシュ
クロマトグラフィーにより取得できる。
【0101】実施例40 24‐デスメチル‐25‐デ
ス(2‐ブチル)‐22,23‐ジヒドロ‐25‐ノル
‐23‐ジメチルアセチル‐24‐(2‐フルフリル)
アベルメクチン(VIIIc)の調製 125mgのVII‐1c(100μモル)を室温にお
いて4mLの塩化メチレン中に配し、これに対して、1
mLのHF・ピリジン(25gのHF・ピリジン、10
mLのピリジン、25mLのTHF)を添加する。この
溶液を48時間攪拌し、更にその後、50mLの1:1
水:ジエチルエーテル中に注ぎ入れる。相を分離して、
各相を飽和した重炭酸ナトリウムで中和する。水性相を
混ぜ合わせ、ジエチルエーテルで抽出し、更に、この有
機相を混ぜ合わせる。有機相を脱水し(MgSO4 )、
濾過し、更に、その未精製物を減圧下において濃縮す
る。純粋なVIIIcが、シリカゲル上でのフラッシュ
クロマトグラフィーにより取得できる。
【0102】実施例41 24‐デスメチル‐25‐デ
ス(2‐ブチル)‐22,23‐ジヒドロ‐25‐ノル
‐23‐(カルボニルシクロヘキシル)‐24‐(t‐
ブチル)アベルメクチン(VIIIe)の調製 125mgのVII‐1e(100μモル)を室温にお
いて4mLの塩化メチレン中に配し、これに対して、1
mLのHF・ピリジン(25gのHF・ピリジン、10
mLのピリジン、25mLのTHF)を添加する。この
溶液を48時間攪拌し、更にその後、50mLの1:1
水:ジエチルエーテル中に注ぎ入れる。相を分離して、
各相を飽和した重炭酸ナトリウムで中和する。水性相を
混ぜ合わせ、ジエチルエーテルで抽出し、更に、この有
機相を混ぜ合わせる。有機相を脱水し(MgSO4 )、
濾過し、更に、その未精製物を減圧下において濃縮す
る。純粋なVIIIeが、シリカゲル上でのフラッシュ
クロマトグラフィーにより取得できる。
【0103】実施例42 24‐デスメチル‐25‐デ
ス(2‐ブチル)‐22,23‐ジヒドロ‐25‐ノル
‐23‐(カルボメトキシ)‐24‐(n‐ブチル)ア
ベルメクチン(VIIIf)の調製 120mgのVII‐1f(100μモル)を室温にお
いて4mLの塩化メチレン中に配し、これに対して、1
mLのHF・ピリジン(25gのHF・ピリジン、10
mLのピリジン、25mLのTHF)を添加する。この
溶液を48時間攪拌し、更にその後、50mLの1:1
水:ジエチルエーテル中に注ぎ入れる。相を分離し、各
相を飽和した重炭酸ナトリウムで中和する。水性相を混
ぜ合わせ、ジエチルエーテルで抽出し、更に、この有機
相を混ぜ合わせる。有機相を脱水し(MgSO4 )、濾
過し、更に、その未精製物を減圧下において濃縮する。
純粋なVIIIfが、シリカゲル上でのフラッシュクロ
マトグラフィーにより取得できる。
【0104】実施例43 24‐デスメチル‐25‐デ
ス(2‐ブチル)‐22,23‐ジヒドロ‐25‐ノル
‐23‐(カルボニルフェニル)アベルメクチン(VI
IIg)の調製 120mgのVIIg(100μモル)を室温において
4mLの塩化メチレン中に配し、これに対して1mLの
HF・ピリジン(25gのHF・ピリジン、10mLの
ピリジン、25mLのTHF)を添加する。この溶液を
48時間攪拌し、更にその後、50mLの1:1水:ジ
エチルエーテル中に注ぎ入れる。相を分離して、各相を
飽和した重炭酸ナトリウムで中和する。水性相を混ぜ合
わせ、ジエチルエーテルで抽出し、更に、この有機相を
混ぜ合わせる。有機相を脱水し(MgSO4 )、濾過
し、更に、その未精製物を減圧下において濃縮する。純
粋なVIIIgが、シリカゲル上でのフラッシュクロマ
トグラフィーにより取得できる。
【0105】実施例44 24‐デスメチル‐25‐デ
ス(2‐ブチル)‐22,23‐ジヒドロ‐25‐ノル
‐23‐トリメチルアセチル‐24‐フェニルアベルメ
クチンアグリコン(IXd)の調製 100mgのVIIId(105μモル)を、1%の濃
硫酸を含む5mLのメタノール中に配し、この反応物を
12時間攪拌する。この溶液を50mLの冷水中に注ぎ
入れ、飽和したNaHCO3 で中和し、t‐ブチルメチ
ルエーテルで抽出し、更に、この有機相を脱水する(M
gSO4 )。濾過及び減圧下における未精製物の濃縮、
及び、その後のシリカゲル上でのフラッシュクロマトグ
ラフィーにより、純粋なIXdが提供される。
【0106】実施例45 5‐O‐t‐ブチルジメチル
シリル‐24‐デスメチル‐25‐デス(2‐ブチル)
‐22,23‐ジヒドロ‐25‐ノル‐23‐トリメチ
ルアセチル‐24‐フェニルアベルメクチンアグリコン
(Xd)の調製 500mgのIXd(750μモル)を室温において4
mLのTHF中に配し、更に、それに対して192mg
のイミダゾール(3ミリモル)を、次に225mgのt
‐ブチルジメチルシリル塩化物(1.5ミリモル)を添
加する。6時間後、その溶液を50mLの水の中に注ぎ
入れ、EtOAcで抽出し、脱水し(MgSO4 )、濾
過し、更に、その溶液を減圧下で濃縮する。シリカゲル
上でのフラッシュクロマトグラフィーの後、純粋なXd
が取得できる。
【0107】実施例46 5‐O‐t‐ブチルジメチル
シリル‐24‐デスメチル‐25‐デス(2‐ブチル)
‐13‐O‐(2‐メトキシエトキシメチル)‐22,
23‐ジヒドロ‐25‐ノル‐23‐トリメチルアセチ
ル‐24‐フェニルアベルメクチンアグリコン(XI
d)の調製 100mgのXd(125μモル)を室温において2m
LのTHF中に配する。それに対して160mgのN,
N,N′,N′‐テトラメチル‐1,8‐ナフタレンジ
アミン(750μモル)を、次に62mgの2‐メトキ
シエトキシメチル塩化物(500μモル)を添加する。
8時間後、その溶液を水の中に注ぎ入れ、EtOAcで
抽出し、脱水し(MgSO4 )、濾過し、更に、減圧下
で濃縮する。シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラ
フィーの後、純粋なXIdが取得できる。
【0108】実施例47 24‐デスメチル‐25‐デ
ス(2‐ブチル)‐13‐O‐(2‐メトキシエトキシ
メチル)‐22,23‐ジヒドロ‐25‐ノル‐23‐
トリメチルアセチル‐24‐フェニルアベルメクチンア
グリコン(XIId)の調製 85mgのXId(100μモル)を、室温において4
mLのTHF中に配し、更に、これに対して1mLのH
F・ピリジン(25gのHF・ピリジン、10mLのピ
リジン、25mLのTHF)を添加する。この溶液を4
8時間攪拌し、更にその後、50mLの1:1水:ジエ
チルエーテル中に注ぎ入れる。相を分離し、各相を飽和
した重炭酸ナトリウムで中和する。水性相を混ぜ合わ
せ、ジエチルエーテルで抽出し、更に、この有機相を混
ぜ合わせる。有機相を脱水し(MgSO4 )、濾過し、
更に、その未精製物を減圧下において濃縮する。純粋な
XIIdが、シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラ
フィーにより取得できる。
【0109】実施例48 5‐O‐t‐ブチルジメチル
シリル‐24‐デスメチル‐25‐デス(2‐ブチル)
‐13‐デオキシ‐22,23‐ジヒドロ‐25‐ノル
‐23‐トリメチルアセチル‐24‐フェニルアベルメ
クチンアグリコン(XIIId)の調製 85mgのXId(100μモル)を、室温において3
mLの塩化メチレン中に配する。これに対して100m
gのN,N‐ジイソプロピルエチルアミン(775μモ
ル)を、その後に110mgの2‐ニトロフェニルスル
ホニル塩化物(500μモル)を添加する。4時間後
に、この反応物を飽和した重炭酸ナトリウム中に注ぎ入
れ、EtOAcで抽出し、脱水し(MgSO4 )、濾過
し、更に、減圧下において濃縮する。その未精製物を、
シリカゲルの小カラムを通して濾過し、更に、減圧下で
濃縮する。この残存物に2mLのnBu3 SnHを添加
し、更に、結果として得られる溶液を100℃に1時間
加熱する。室温に冷却し、そのままシリカゲル上でのフ
ラッシュクロマトグラフィーにより精製して、純粋なX
IIIdを取得する。
【0110】実施例49 24‐デスメチル‐25‐デ
ス(2‐ブチル)‐13‐デオキシ‐22,23‐ジヒ
ドロ‐25‐ノル‐23‐トリメチルアセチル‐24‐
フェニルアベルメクチンアグリコン(XIVd)の調製 75mgのXIIId(100μモル)を室温において
4mLのTHF中に配し、これに対して1mLのHF・
ピリジン(25gのHF・ピリジン、10mLのピリジ
ン、25mLのTHF)を添加する。この溶液を48時
間攪拌し、更にその後、50mLの1:1水:ジエチル
エーテル中に注ぎ入れる。相を分離して、各相を飽和し
た重炭酸ナトリウムで中和する。水性相を混ぜ合わせ、
ジエチルエーテルで抽出し、更に、この有機相を混ぜ合
わせる。有機相を脱水し(MgSO4 )、濾過し、更
に、その未精製物を減圧下において濃縮する。純粋なX
IVdが、シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフ
ィーにより取得できる。
【0111】実施例50 5‐O‐t‐ブチルジメチル
シリル‐7‐O‐トリメチルシリル‐13‐デオキシ‐
13‐フルオロ‐24‐デスメチル‐25‐デス(2‐
ブチル)‐22,23‐ジヒドロ‐25‐ノル‐23‐
トリメチルアセチル‐24‐フェニルアベルメクチンア
グリコン(XVd)の調製 100mgのXd(125μモル)を、室温において2
mLのジメチルフォルムアミド中に配し、更に、これに
対して85mgのイミダゾール(1.25ミリモル)
を、その後に68mgのトリメチルシリル塩化物(62
5μモル)を添加する。12時間後に、この反応物を飽
和した重炭酸ナトリウム中に注ぎ入れ、EtOAcで抽
出し、脱水し(MgSO4 )、濾過し、更に、減圧下に
おいて濃縮する。その未精製物を室温において5mLの
メタノール中に溶解し、更に、それに対して5mgのピ
リジニウムp‐トルエンスルホン酸塩を添加する。10
分後、50mLの飽和した重炭酸ナトリウム中に注ぎ入
れ、塩化メチレンで抽出し、脱水し(MgSO4 )、濾
過し、更に、減圧下において濃縮する。この残存物に対
して5mLの塩化メチレンを添加し、0℃に冷却し、更
に、200μLのジエチルアミノイオウ三フッ化物を滴
下して添加する。30分後、この反応を飽和したNaH
CO3 で停止させ、EtOAcで抽出し、脱水し(Mg
SO4 )、濾過し、更に、減圧下において濃縮する。シ
リカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーの後に、
純粋なXVdが取得できる。
【0112】実施例51 13‐デオキシ‐13‐フル
オロ‐24‐デスメチル‐25‐デス(2‐ブチル)‐
22,23‐ジヒドロ‐25‐ノル‐23‐トリメチル
アセチル‐24‐フェニルアベルメクチンアグリコン
(XVId)の調製 85mgのXVd(100μモル)を室温において4m
LのTHF中に配し、これに対して1mLのHF・ピリ
ジン(25gのHF・ピリジン、10mLのピリジン、
25mLのTHF)を添加する。この溶液を48時間攪
拌し、更にその後、50mLの1:1水:ジエチルエー
テル中に注ぎ入れる。相を分離して、各相を飽和した重
炭酸ナトリウムで中和する。水性相を混ぜ合わせ、ジエ
チルエーテルで抽出し、更に、この有機相を混ぜ合わせ
る。有機相を脱水し(MgSO4)、濾過し、更に、そ
の未精製物を減圧下において濃縮する。純粋なXVId
が、シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーに
より取得できる。
【0113】実施例52 5‐O‐t‐ブチルジメチル
シリル‐24‐デスメチル‐25‐デス(2‐ブチル)
‐22,23‐ジヒドロ‐25‐ノル‐23‐(トリメ
チルアセチル)‐24‐フェニルアベルメクチン(XV
IId)の調製 500mgのVIIId(400μモル)を室温におい
て4mLのTHF中に配し、更に、それに対して50m
gのイミダゾール(800μモル)を、次に60mgの
t‐ブチルジメチルシリル塩化物(400μモル)を添
加する。6時間後、その溶液を50mLの水の中に注ぎ
入れ、EtOAcで抽出し、脱水し(MgSO4 )、濾
過し、更に、減圧下で濃縮する。シリカゲル上でのフラ
ッシュクロマトグラフィーの後、純粋なXVIIdが取
得できる。
【0114】実施例53 5‐O‐t‐ブチルジメチル
シリル‐24‐デスメチル‐25‐デス(2‐ブチル)
‐22,23‐ジヒドロ‐25‐ノル‐4″‐デオキシ
‐4″‐(2‐アセチルアミノエチル)チオ‐23‐
(トリメチルアセチル)‐24‐フェニルアベルメクチ
ン(XVIId)の調製 250mgのXVIId(180μモル)を、室温にお
いて、エタノールを含まない5mLのクロロフォルム中
に配する。これに対して90mgのN,N‐ジイソプロ
ピルエチルアミン(720μモル)を、その後に100
mgのトリフルオロメタンスルホン酸無水物(320μ
モル)を添加する。30分後に、この未精製物質をシリ
カゲルの1.5インチのベッド(支持体)を通して濾過
し、極性を有する混入物を除去し、更に、減圧下におい
てその残存物を濃縮する。この物質を、5mLのDMF
中に溶解し、更に、10mgの18‐クラウン‐6、2
0mgの2‐アセチルアミノエタンチオール(180μ
モル)及び25mgの無水炭酸カリウム(180μモ
ル)を添加する。室温に2時間おいた後、50mLの飽
和したNaHCO3 中に注ぎ入れ、EtOAcで抽出
し、脱水し(MgSO4)、濾過し、更に、減圧下にお
いて濃縮する。シリカゲル上でのフラッシュクロマトグ
ラフィーの後に、純粋な形態におけるXVIIdが取得
できる。
【0115】実施例54 24‐デスメチル‐25‐デ
ス(2‐ブチル)‐22,23‐ジヒドロ‐25‐ノル
‐4″‐デオキシ‐4″‐(2‐アセチルアミノエチ
ル)チオ‐23‐(トリメチルアセチル)‐24‐フェ
ニルアベルメクチン(XVIIId)の調製 100mgのXVIIdを室温において4mLのTHF
中に配し、これに対して1mLのHF・ピリジン(25
gのHF・ピリジン、10mLのピリジン、25mLの
THF)を添加する。この溶液を48時間攪拌し、更に
その後、50mLの1:1水:ジエチルエーテル中に注
ぎ入れる。相を分離して、各相を飽和した重炭酸ナトリ
ウムで中和する。水性相を混ぜ合わせ、ジエチルエーテ
ルで抽出し、更に、この有機相を混ぜ合わせる。有機相
を脱水し(MgSO4 )、濾過し、その未精製物を減圧
下において濃縮する。純粋なXVIIIdが、シリカゲ
ル上でのフラッシュクロマトグラフィーにより取得でき
る。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下に示す構造式を有する化合物であっ
    て、 【化1】 式中、Rが、 【化2】 もしくはC3 ‐C8 シクロアルキルであり、R9 が、C
    1 ‐C8 アルキル、C2‐C8 ‐アルケニル、C1 ‐C
    8 ‐アルコキシ、C3 ‐C8 シクロアルキルもしくはフ
    ェニルであり、R1 が、水素、C1 ‐C10アルキル、C
    2 ‐C10アルケニル、C2 ‐C10アルキニル、C1 ‐C
    10アルコキシ‐C1 ‐C10アルキル、C3‐C8 シクロ
    アルキルもしくはC5 ‐C8 シクロアルケニル基(この
    2つのいずれもメチレンもしくは1〜3個のC1 ‐C4
    アルキル基もしくはハロゲン原子で随意に置換されてい
    てよい)、フェニル、フェノキシ、C1 ‐C10アルキル
    フェニル、C2 ‐C10アルケニルフェニル、C2 ‐C10
    アルキニルフェニル、置換されたC1 ‐C10アルキル
    (この場合、置換基は独立に1〜3個のヒドロキシ、ハ
    ロゲン、シアノ、C1 ‐C5 アルキルチオ、C1 ‐C5
    アルキルスルフィニル、C1 ‐C5 アルキルスルフォニ
    ル、アミノ、C1 ‐C5 モノもしくはジアルキルアミ
    ノ、C1 ‐C5 アルカノイルアミノもしくはC1 ‐C5
    アルカノイルチオである)、あるいは、酸素もしくはイ
    オウを含む3員環から6員環の複素環(これは、飽和し
    ているか、あるいは、完全にもしくは部分的に不飽和し
    ていてよく、かつ、これは独立に1〜3個のC1 ‐C5
    アルキル、ハロゲンにより随意に置換されていてよい)
    であり、R2 は、ヒドロキシ、C1 ‐C10アルコキシ、
    1 ‐C10アルカノイルオキシ、オキソ、もしくは、オ
    キシムであり、R3 は、水素、ヒドロキシ、C1 ‐C10
    アルキルオキシ、C1 ‐C8 アルカノイルオキシ、C1
    ‐C5 アルコキシ‐C1 ‐C5 ‐アルコキシ、C1 ‐C
    5 アルコキシ‐C1 ‐C5 ‐アルコキシ‐C1 ‐C5
    アルコキシ、ハロゲン、 【化3】 (式中、R4 は単結合によりC‐4″もしくはC‐4′
    に結合しており、かつ、ヒドロキシ、アミノ、N‐C1
    ‐C8 アルキルアミノ、N,N‐C1 ‐C8 ‐ジアルキ
    ルアミノ、N‐C1 ‐C8 アルカノイルアミノ、N‐C
    1 ‐C5 アルキルC1 ‐C5 アルカノイルアミノ、C1
    ‐C8 アルキルチオ、C1 ‐C8 アルキルスルフィニ
    ル、C1 ‐C8 アルキルスルフォニルもしくは置換され
    たC1 ‐C8アルキルチオ、スルフィニルもしくはスル
    フォニル(この場合、置換基は1〜5個のヒドロキシ、
    ハロゲン、アミノ、あるいは、モノもしくはジ‐C1
    3 アルキルアミノである)であり、あるいは、R4
    二重結合によりC‐4″もしくはC‐4′に結合してお
    り、かつ、ケトン、オキシム、セミカルバゾノ、N‐C
    1 ‐C8 アルキルセミカルバゾノ、N,N‐C1 ‐C8
    ジ低級アルキル‐セミカルバゾノ、C1 ‐C8 アルカノ
    イルヒドラゾノ、ベンゾイル‐ヒドラゾノ、もしくは、
    1 ‐C8 アルキルベンゾイル‐ヒドラゾノであり、か
    つ、各R5 は、独立にヒドロキシもしくはC1 ‐C10
    ルコキシであり、あるいは、R4 は、 【化4】 であるか、あるいは、R4 は、 【化5】 であるか、あるいは、R4 は、‐NH‐CO‐NR6
    7 であり、R6 及びR7及びR8 は、独立に水素もしく
    はC1 ‐C10アルキルであり、あるいは、R4 は、‐N
    H‐CNである)である、上記化合物。
  2. 【請求項2】 請求項1の化合物であって、式中、R
    は、 【化6】 もしくはC5 ‐C6 シクロアルキルであり、R9 は、C
    1 ‐C4 アルキル、C2‐C4 アルケニル、C1 ‐C4
    ‐アルコキシ、C5 ‐C6 シクロアルキルもしくはフェ
    ニルであり、R1 は、水素、C1 ‐C10アルキル、C1
    ‐C5 アルコキシ‐C1 ‐C5 アルキル、C2 ‐C10
    ルケニル、もしくは、C3 ‐C8 シクロアルキル、C5
    ‐C6 シクロアルケニル、フェニルもしくは置換された
    フェニル(この場合、置換基は、C1 ‐C5 アルキルで
    ある)、置換されたC1 ‐C10アルキル(この場合、置
    換基は、1〜3個のヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、C
    1 ‐C5 アルキルチオ、C1 ‐C5 アルキルスルフィニ
    ル、C1 ‐C5 アルキルスルフォニル、もしくは、C1
    ‐C5 アルカノイルアミノである)であり、あるいは、
    1 は、フラニル、テトラヒドロフラニル、チエニル、
    ピリジル、テトラヒドロピランもしくはピペリジニルか
    ら選択される5もしくは6員環の複素環式基であること
    ができ、R2 は、ヒドロキシ、低級アルコキシもしくは
    オキシムであり、R3 は、水素、ヒドロキシ、C1 ‐C
    10アルコキシ、C1 ‐C8 アルカノイルオキシ、C1
    5 アルコキシ‐C1 ‐C5 ‐アルコキシ、C1 ‐C5
    アルコキシ‐C1 ‐C5 ‐アルコキシ‐C1 ‐C5 ‐ア
    ルコキシ、ハロゲン、 【化7】 (式中、R4 は単結合によりC‐4″もしくはC‐4′
    に結合しており、かつ、ヒドロキシ、アミノ、N‐C1
    ‐C8 アルキルアミノ、N,N‐C1 ‐C8 ‐ジアルキ
    アミノ、N‐C1 ‐C8 アルカノイルアミノ、もしく
    は、N‐C1 ‐C5アルキルC1 ‐C5 アルカノイルア
    ミノ、C1 ‐C3 アルキルチオ、C1 ‐C3アルキルス
    ルフィニル、C1 ‐C3 アルキルスルフォニル、あるい
    は、置換されたC1 ‐C3 ‐アルキルチオ、スルフィニ
    ルもしくはスルフォニル(この場合、置換基は、ヒドロ
    キシもしくはアミノである)であり、あるいは、R4
    二重結合によりC‐4″もしくはC‐4′に結合してお
    り、かつ、オキソであり、かつ、各R5 は、独立にヒド
    ロキシもしくはC1 ‐C10アルコキシである)である、
    上記化合物。
  3. 【請求項3】 請求項2の化合物であって、式中、R
    は、 【化8】 もしくはシクロヘキシルであり、R9 は、C1 ‐C4
    ルキル、C1 ‐C2 ‐アルコキシ、C5 ‐C6 シクロア
    ルキルもしくはフェニルであり、R1 は、水素、C1
    10アルキル、C2 ‐C10アルケニル、もしくは、C3
    ‐C8 シクロアルキル、フェニル、置換されたC1 ‐C
    10アルキル(この場合、置換基は、1〜3個のハロゲ
    ン、シアノ、C1 ‐C5 アルキルチオ、C1 ‐C5 アル
    キルスルフォニル、もしくは、C1 ‐C5 アルカノイル
    アミノである)であり、R2 は、ヒドロキシ、メトキ
    シ、もしくは、オキシムであり、R3 は、水素、ヒドロ
    キシ、C1 ‐C5 アルコキシ‐C1 ‐C5 ‐アルコキ
    シ、C1 ‐C5 アルコキシ‐C1 ‐C5 ‐アルコキシ‐
    1 ‐C5 ‐アルコキシ、ハロゲン、もしくは、 【化9】 (式中、R4 は単結合によりC‐4″に結合しており、
    かつ、ヒドロキシ、アミノ、N‐C1 ‐C3 アルキルア
    ミノ、N,N‐C1 ‐C3 ‐ジアルキルアミノ、N‐C
    1 ‐C3 アルカノイルアミノ、もしくは、N‐C1 ‐C
    3 アルキルC1 ‐C5 アルカノイルアミノであるか、あ
    るいは、R4 は二重結合によりC‐4″に結合してお
    り、かつ、オキソであり、かつ、各R5 は、メトキシで
    ある)である、上記化合物。
  4. 【請求項4】 請求項3の化合物であって、式中、R
    は、 【化10】 であり、R9 は、メチル、エチル、プロピル、イソプロ
    ピル、ブチル、もしくは、t‐ブチル、メトキシ、エト
    キシ、シクロペンチル、シクロヘキシル、もしくは、フ
    ェニルであり、R1 は、水素、C1 ‐C6 アルキル、C
    1 ‐C4 アルコキシ、C1 ‐C3 アルコキシC1 ‐C3
    アルキル、C2 ‐C6 アルケニル、C5 ‐C6 シクロア
    ルキル、もしくは、フェニルであり、R2 は、ヒドロキ
    シ、メトキシ、もしくは、オキシムであり、R3 は、水
    素、ヒドロキシ、C1 ‐C3 ‐アルコキシ‐C1 ‐C3
    ‐アルコキシ、C1 ‐C3 ‐アルコキシ‐C1 ‐C3
    アルコキシ‐C1 ‐C3 ‐アルコキシ、ハロゲン、もし
    くは、 【化11】 (式中、R4 は単結合によりC‐4″に結合しており、
    かつ、ヒドロキシ、アミノ、N‐C1 ‐C3 アルキルア
    ミノ、N,N‐C1 ‐C3 ‐ジアルキルアミノ、N‐C
    1 ‐C3 アルカノイルアミノ、もしくは、N‐C1 ‐C
    3 アルキルC1 ‐C5 アルカノイルアミノであり、か
    つ、R5 は、メトキシである)である、上記化合物。
  5. 【請求項5】 ピリジンとp‐トルエンスルホン酸との
    混合物の触媒量の存在中において、式 【化12】 (式中、R、R1 、R2 、及び、R3 は、請求項1にお
    いて定義されているものと同一である)を有する化合物
    を環形成させることを含む、請求項1の化合物の調製の
    ための方法。
  6. 【請求項6】 最終産物の個々の立体異性体を分離する
    ための追加的段階を含む、請求項5の方法。
JP4301741A 1991-10-15 1992-10-14 6,5‐スピロケタール環系及び23‐アシル置換基を有するアベルメクチン化合物 Expired - Lifetime JPH0699438B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US07/776,025 US5171742A (en) 1991-10-15 1991-10-15 Avermectin compounds with a 6,5-spiroketal ring system ad a 23-acyl substituent
US776025 1991-10-15

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05213959A JPH05213959A (ja) 1993-08-24
JPH0699438B2 true JPH0699438B2 (ja) 1994-12-07

Family

ID=25106252

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4301741A Expired - Lifetime JPH0699438B2 (ja) 1991-10-15 1992-10-14 6,5‐スピロケタール環系及び23‐アシル置換基を有するアベルメクチン化合物

Country Status (8)

Country Link
US (1) US5171742A (ja)
EP (1) EP0537996B1 (ja)
JP (1) JPH0699438B2 (ja)
AU (1) AU653641B2 (ja)
CA (1) CA2080402C (ja)
DE (1) DE69223905T2 (ja)
NZ (1) NZ244629A (ja)
ZA (1) ZA927910B (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5177063A (en) * 1991-03-11 1993-01-05 Merck & Co., Inc. Avermectin compounds with a 6,5-spiroketal ring system
AU8009900A (en) * 1999-10-13 2001-04-23 Merck & Co., Inc. Hiv integrase inhibitors
CN111606960A (zh) * 2020-05-15 2020-09-01 河北威远生物化工有限公司 一种阿维菌素B2a溶剂化晶体

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0586066A (ja) * 1991-03-11 1993-04-06 Merck & Co Inc 6,5−スピロケタール環系を有するアベルメクチン化合物

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3950360A (en) * 1972-06-08 1976-04-13 Sankyo Company Limited Antibiotic substances
SE434277B (sv) * 1976-04-19 1984-07-16 Merck & Co Inc Sett att framstella nya antihelmintiskt verkande foreningar genom odling av streptomyces avermitilis
US4201861A (en) * 1977-10-03 1980-05-06 Merck & Co., Inc. Acyl derivatives of C-076 compounds
USRE32006E (en) * 1977-12-19 1985-10-15 Merck & Co., Inc. 13-Halo and 13-deoxy C-076 compounds
USRE32034E (en) * 1977-12-19 1985-11-19 Merck & Co., Inc. 13-Halo and 13-deoxy derivatives of C-076 compounds
US4200581A (en) * 1978-08-04 1980-04-29 Merck & Co., Inc. Alkyl derivatives of C-076 compounds
US4427663A (en) * 1982-03-16 1984-01-24 Merck & Co., Inc. 4"-Keto-and 4"-amino-4"-deoxy avermectin compounds and substituted amino derivatives thereof
US4895837A (en) * 1988-01-29 1990-01-23 Merck & Co., Inc. Avermectin derivatives
US4906619A (en) * 1988-07-22 1990-03-06 Merck & Co., Inc. Alkyl avermectin derivatives
US4906360A (en) * 1989-02-28 1990-03-06 Panos Trakas Multi-stage injection molding filter

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0586066A (ja) * 1991-03-11 1993-04-06 Merck & Co Inc 6,5−スピロケタール環系を有するアベルメクチン化合物

Also Published As

Publication number Publication date
NZ244629A (en) 1995-05-26
DE69223905T2 (de) 1998-08-06
DE69223905D1 (de) 1998-02-12
CA2080402A1 (en) 1993-04-16
ZA927910B (en) 1993-04-26
EP0537996B1 (en) 1998-01-07
AU2701192A (en) 1993-04-22
CA2080402C (en) 2003-05-13
EP0537996A1 (en) 1993-04-21
JPH05213959A (ja) 1993-08-24
US5171742A (en) 1992-12-15
AU653641B2 (en) 1994-10-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4963582A (en) Macrolide compounds, their preparation and their use
KR960001480B1 (ko) 농약으로서 유용한 13β-밀베마이신 유도체
CA2064117C (en) 4"-and 4'-alkylthio-avermectin derivatives
US5556868A (en) Antiparasitic avermectin and milbemycin derivatives
JPH03218382A (ja) 24―及び25―置換アベルメクチン及びミルベマイシン誘導体
JPH08506352A (ja) 抗寄生虫剤
US4833168A (en) Avermectin reformatsky adducts
CA2118491C (en) Avermectin difluoro derivatives
US5677332A (en) Antiparasitic agents
US5162363A (en) 23-nor-23-thia avermectin analogs are active anthelmintic agents
JPH05202057A (ja) アベルメクチン分解生成物並びにその誘導体
JPH0699438B2 (ja) 6,5‐スピロケタール環系及び23‐アシル置換基を有するアベルメクチン化合物
US5244879A (en) 23-nor-23-oxa avermectin analogs are active anthelmintic agents
US4927918A (en) Antiparasitic agents
US5177063A (en) Avermectin compounds with a 6,5-spiroketal ring system
RU2029770C1 (ru) Способ получения макролидных соединений
IE67058B1 (en) Macrolide compounds their preparation and their use

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071207

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081207

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091207

Year of fee payment: 15

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101207

Year of fee payment: 16

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101207

Year of fee payment: 16

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101207

Year of fee payment: 16

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101207

Year of fee payment: 16

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111207

Year of fee payment: 17

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111207

Year of fee payment: 17

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121207

Year of fee payment: 18

EXPY Cancellation because of completion of term