JP2001358264A - 熱伝導性シート及びその製造方法 - Google Patents

熱伝導性シート及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な熱伝導性を有することは勿論のこと、
接着面の剥離、構成要素自体の層間剥離を十分防止し得
て、高い積層維持強度を有し、さらに変形に対して劈開
等の欠陥を生じ難く、量産性にも優れる新規な熱伝導性
シートを提供すること。 【解決手段】 シート状黒鉛層1の片面にシート状エラ
ストマー層2を積層させ、前記シート状黒鉛層1には厚
さ方向に貫通した孔3を多数穿ち、前記多数の孔の中
に、前記シート状エラストマー層2から突出した多数の
エラストマーの突起4を嵌入させて熱伝導性シートを構
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱伝導性シートに
関する。特に、各種の電気および電子機器の発熱性部品
から発生される熱を効率よく放熱するための放熱材とし
て好ましく用いられる熱伝導性シートに関する。
【0002】
【従来の技術】各種の電気および電子機器においては、
発熱性部品から発生される熱を効率よく放熱すること
が、誤作動を防止したり、製品寿命を延ばしたりする上
で重要である。したがって、従来から発熱を伴う部品を
有する電気および電子機器においては、発生される熱を
放熱するための放熱材が用いられている。そして、この
ような放熱材の一つとして、シート状黒鉛の少なくとも
片面に、シリコーンゴムを塗布した熱伝導性シートが従
来から知られている。この従来の熱伝導性シートは、そ
の形状からして取り扱いが容易であり、また少なくとも
片面にシリコーンゴムが塗布されていて、取り付け対象
部との密着性も良く、電気および電子機器の放熱材とし
て便利なものとされている。
【0003】上記従来の熱伝導性シートは、一般に、シ
ート状黒鉛の少なくとも片面に、硬化前の流動性シリコ
ーンゴムを塗布し、しかる後該シリコーンゴムを硬化さ
せて製造されている。そして、この従来の熱伝導性シー
トにおいては、シート状黒鉛とシリコーンゴムとの状態
は、該シリコーンゴムからなるシートの接着力に依存し
て保持されている。かかる従来の熱伝導性シートにおい
ては、一般にシート状黒鉛は接着し難いものであり、ま
た層状構造を有していて層間剥離を起こし易いものであ
って、シート状黒鉛とシリコーンゴムからなるシートと
の接着面が剥離したり、またシート状黒鉛の層間剥離が
起こったりして、一層強い積層維持強度が求められる場
合に対応しきれないという問題がある。また、単なるシ
リコーンゴム自体は、熱伝導率が0.2W/mK程度と
シート状黒鉛の熱伝導率より遙かに低くて、シート状黒
鉛本来の高熱伝導性を生かし切れていたとは言えない問
題もあった。さらに、取り付け対象部に沿って熱伝導性
シートを変形させる結果、シート状黒鉛に劈開を生じた
り、場合によっては黒鉛が劈開片として欠落する等、使
用時における信頼性の点で問題があった。さらに、その
製造時においても、連続シートとして製造しようとする
場合に、黒鉛シートがちぎれる恐れがあるため十分な巻
取りテンションを掛け難く、量産性にも課題を残してい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来の状況に鑑み、良好な熱伝導性を有することは勿論
のこと、接着面の剥離、構成要素自体の層間剥離を十分
防止し得て、高い積層維持強度を有し、さらに変形に対
して劈開等の欠陥を生じ難く、量産性にも優れる新規な
熱伝導性シートを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記本発明
の目的を達成すべく鋭意研究した結果、シート状黒鉛の
少なくとも片面に、硬化前の流動性シリコーンゴム等の
エラストマー原液を塗布し、次いで該エラストマー原液
を硬化させるに際し、上記シート状黒鉛に予め厚さ方向
に孔を穿っておき、上記エラストマー原液の塗布と共
に、上記孔の中に硬化前のエラストマー原液を流入さ
せ、該硬化前のエラストマー原液を硬化させることによ
り、積層維持強度の向上した熱伝導性シートを得ること
ができ、上記本発明の目的を達成し得ることを知見し
た。すなわち、上記のようにして各シートの積層を行え
ば、シート状黒鉛とエラストマーからなるシートの積層
に際し、硬化前のエラストマー原液がシート状黒鉛に穿
たれた孔の中に流入し、硬化して形成された、エラスト
マーからなるシートから突出した突起によって、シート
状黒鉛とエラストマーからなるシートとの接着面の強度
が補強され、当該接着面の剥離が抑制され、かつ、シー
ト状黒鉛の層間が厚さ方向に強化されて、シート状黒鉛
の層間剥離が抑制され、熱伝導性シートの積層維持強度
を向上させ得ることを知見した。
【0006】また、本発明者は、熱伝導性シートの作製
に際し、シート状黒鉛に積層させるエラストマーに対し
て織布または不織布を埋設することにより、シート状黒
鉛が補強され、その結果、使用時においては黒鉛の劈開
等の発生を抑制しうること、また製造時においては十分
な巻取りテンションを掛けることが可能となり、量産性
を向上させうることを知見した。さらに、埋設した織布
または不織布を、シート状黒鉛に穿たれた孔に沿って入
り込ませることにより、シート状黒鉛とエラストマーか
らなるシートとの密着性をより高め、積層維持強度を向
上させ得ることを知見した。
【0007】また、本発明者は、熱伝導性シートの作製
に際し、用いるエラストマーに熱伝導性充填材や、カー
ボンナノチューブやカーボンマイクロコイルを配合して
も、熱伝導性シートを好適に作製することができること
を知見した。これらを配合したエラストマーを用いれ
ば、得られる熱伝導性シート、特にそのエラストマーか
らなるシートの熱伝導性が向上される。また、カーボン
ナノチューブやカーボンマイクロコイルの配合されたエ
ラストマーを用いれば、得られる熱伝導性シート、特に
そのエラストマーからなるシートの電磁波吸収性も向上
される。
【0008】また、本発明者は、上記エラストマーに配
合する熱伝導性充填材として軟磁性フェライトが好まし
く用いられることを知見している。すなわち、各種熱伝
導性充填材の中でも、軟磁性フェライトは、安価であ
り、相応の高い熱伝導性を有していて、エラストマー
に、さしたるコストアップを招くことなく、良好な熱伝
導性を付与することができる。
【0009】また、本発明者は、上記軟磁性フェライト
に関して、さらに次のことを知見している。すなわち、
軟磁性フェライトには、所謂Cu−Zn系、Ni−Zn
系あるいはMn−Mg系等の各種のものがあるが、これ
ら各種のものには特性に種々の得失、挙動の差異があっ
て、必ずしも熱伝導性充填材として一様の作用効果を有
するものではなく、これら各種の中でも、Ni−Zn系
の軟磁性フェライトが、エラストマーに配合する熱伝導
性充填材として、就中エラストマーがシリコーンゴムで
ある場合の熱伝導性充填材として好ましく用いられるこ
とを知見した。すなわち、(a)上記各種のものを熱伝
導率の点で比較すれば、熱伝導率の高さは、Mn−Mg
系>Ni−Zn系>Cu−Zn系の順であり、Mn−M
g系が最も高く、(b)これら各種のものをシリコーン
ゴムに配合した場合、該シリコーンゴムが、その硬化機
構が付加型のシリコーンゴムであるとき、部分的に未硬
化ないし硬化不十分な箇所が生じるという所謂硬化阻害
が起こることがあること、およびMn−Mg系はかかる
硬化阻害を起こす危険があり、Ni−Zn系とCu−Z
n系とはかかる硬化阻害を起こし難いものであること、
また、(c)これら各種のものをシリコーンゴムへの均
一分散性の点で比較すれば、Mn−Mg系は多くが凝集
したまま残り、Cu−Zn系は若干凝集して残ることが
あり、Ni−Zn系は凝集せず均一に分散すること等を
知見した。つまり、上記各種の軟磁性フェライトの内、
Ni−Zn系が、相応に熱伝導性が高く、シリコーンゴ
ムの硬化阻害を起こし難く、シリコーンゴムへの分散性
に優れているという特性を兼ね備えており、シリコーン
ゴムに配合する熱伝導性充填材として最も好ましく用い
られることを知見した。
【0010】すなわち、本発明は、上記各種の知見に基
づいて完成されたものであって、上記本発明の目的を達
成するために、次の熱伝導性シートとその製法を提供す
る。
【0011】(1)シート状黒鉛層とシート状エラスト
マー層とが積層され、前記シート状黒鉛層には厚さ方向
に孔が穿たれ、前記孔の中に前記シート状エラストマー
層から突出したエラストマーの突起が嵌入されてなるこ
とを特徴とする熱伝導性シート。
【0012】(2)シート状黒鉛層の片面にシート状エ
ラストマー層が積層され、前記孔がシート状黒鉛層の厚
さ方向に貫通して多数穿たれ、前記多数の孔の中に、前
記シート状エラストマー層から突出した多数のエラスト
マーの突起が前記シート状黒鉛層の厚さ方向に貫通して
嵌入されていることを特徴とする上記(1)記載の熱伝
導性シート。
【0013】(3)シート状黒鉛層の両面にシート状エ
ラストマー層が積層され、前記孔がシート状黒鉛層の厚
さ方向に貫通して多数穿たれ、前記多数の孔の中に、前
記シート状エラストマー層から突出した多数のエラスト
マーの突起が前記シート状黒鉛層の厚さ方向に貫通して
嵌入されて前記シート状黒鉛層の両面にシート状エラス
トマー層が一体に結合されていることを特徴とする上記
(1)記載の熱伝導性シート。
【0014】(4)シート状黒鉛層の片面にシート状エ
ラストマー層が積層され、前記孔がシート状黒鉛層の積
層面側から厚さ方向の中途まで多数穿たれ、前記多数の
孔の中に、前記シート状エラストマー層から突出した多
数のエラストマーの突起が前記シート状黒鉛層の厚さ方
向の中途まで嵌入されていることを特徴とする上記
(1)記載の熱伝導性シート。
【0015】(5)シート状黒鉛層の両面にシート状エ
ラストマー層が積層され、前記孔がシート状黒鉛層の両
面に厚さ方向の中途まで多数穿たれ、前記多数の孔の中
に、前記シート状エラストマー層から突出した多数のエ
ラストマーの突起が前記シート状黒鉛層の両面から厚さ
方向の中途まで嵌入されていることを特徴とする上記
(1)記載の熱伝導性シート。
【0016】(6)シート状黒鉛層の片面にシート状エ
ラストマー層が積層され、前記孔がシート状黒鉛層の厚
さ方向に貫通するものと厚さ方向に中途までのものとが
多数穿たれ、前記多数の孔の中に、前記シート状エラス
トマー層から突出した多数のエラストマーの突起が前記
シート状黒鉛層の厚さ方向に貫通して嵌入されるととも
に中途まで嵌入されていることを特徴とする上記(1)
記載の熱伝導性シート。
【0017】(7)シート状黒鉛層の両面にシート状エ
ラストマー層が積層され、前記孔がシート状黒鉛層の厚
さ方向に貫通するものと厚さ方向に中途までのものとが
多数穿たれ、前記多数の孔の中に、前記シート状エラス
トマー層から突出した多数のエラストマーの突起が前記
シート状黒鉛層の厚さ方向に貫通して嵌入されて前記シ
ート状黒鉛層の両面にシート状エラストマー層が一体に
結合されるとともに中途まで嵌入されていることを特徴
とする上記(1)記載の熱伝導性シート。
【0018】(8)シート状黒鉛層の厚さ方向に貫通す
る孔または厚さ方向の中途までの孔の中に嵌入されてい
るシート状エラストマー層から突出した多数のエラスト
マーの突起は、硬化前のエラストマー原液が、前記シー
ト状黒鉛層の孔に流入した後に硬化して形成されたもの
であることを特徴とする上記(1)〜(7)記載の何れ
か一つの熱伝導性シート。
【0019】(9)シート状エラストマー層に、織布ま
たは不織布が埋設されていることを特徴とする上記
(1)〜(8)記載の何れか一つの熱伝導性シート。
【0020】(10)シート状エラストマー層に、織布
または不織布が埋設され、シート状黒鉛層に穿たれた孔
に沿って前記織布または不織布が入り込んでいることを
特徴とする上記(1)〜(8)記載の何れか一つの熱伝
導性シート。
【0021】(11)エラストマーに、熱伝導性充填
材、カーボンナノチューブおよびカーボンマイクロコイ
ルから選ばれた少なくとも一種が配合されていることを
特徴とする上記(1)〜(10)記載の何れか一つの熱
伝導性シート。
【0022】(12)シート状黒鉛層の両面に積層され
るエラストマーに、熱伝導性充填材、カーボンナノチュ
ーブおよびカーボンマイクロコイルから選ばれた少なく
とも一種が、両面相異なる組成で配合されていることを
特徴とする上記(3)、(5)、(7)記載の何れか一
つの熱伝導性シート。
【0023】(13)エラストマーが、シリコーンゴム
を基材とするものであることを特徴とする上記(1)〜
(12)記載の何れか一つの熱伝導性シート。
【0024】(14)熱伝導性充填材が、軟磁性フェラ
イトであることを特徴とする上記(11)または(1
2)記載の熱伝導性シート。
【0025】(15)軟磁性フェライトが、Ni−Zn
系軟磁性フェライトであることを特徴とする上記(1
4)記載の熱伝導性シート。
【0026】(16)硬化前のエラストマー原液をほぼ
均一に流延した上に、多数の厚さ方向に貫通した孔また
は厚さ方向の中途までの孔が穿たれたシート状黒鉛の開
口面を載置する工程と、前記シート状黒鉛の開口面に硬
化前のエラストマー原液をほぼ均一に流延する工程のい
ずれか一つの工程と、前記いずれか一つの工程と同時あ
るいはその後に押圧して前記エラストマー原液の流延層
を均一な所望の厚さに調整すると共に、前記エラストマ
ー原液の一部を前記シート状黒鉛に穿たれた孔に流入せ
しめる工程と、その後に前記エラストマー原液とその一
部を硬化させて、前記シート状黒鉛に積層するシート状
エラストマー層と該シート状エラストマー層から突出し
た多数のエラストマーの突起とを形成する工程とを備え
ることを特徴とする熱伝導性シートの製造方法。
【0027】(17)硬化前のエラストマー原液をほぼ
均一に流延した上に、多数の厚さ方向に貫通した孔また
は厚さ方向の中途までの孔が穿たれたシート状黒鉛の開
口面を載置する工程と、前記シート状黒鉛の開口面に硬
化前のエラストマー原液をほぼ均一に流延する工程と、
前記いずれか一つの工程と同時あるいはその後に押圧し
て前記エラストマー原液の流延層を均一な所望の厚さに
調整すると共に、前記エラストマー原液の一部を前記シ
ート状黒鉛に穿たれた孔に流入せしめる工程と、その後
に前記エラストマー原液とその一部を硬化させて、前記
シート状黒鉛の両面に積層するシート状エラストマー層
と該シート状エラストマー層から突出した多数のエラス
トマーの突起とを形成する工程とを備えることを特徴と
する熱伝導性シートの製造方法。
【0028】(18)エラストマー原液の流延層を均一
な所望の厚さに調製する際に、硬化済みのエラストマー
シートを硬化前のエラストマー原液に埋没させることを
特徴とする上記(16)または(17)記載の熱伝導性
シートの製造方法。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明で熱伝導性シートを構成す
るシート状黒鉛層としては、従来から知られた各種のシ
ート状黒鉛を適宜選択して用いることができる。例え
ば、シート状黒鉛には、天然黒鉛から誘導されたもの
や、黒鉛化できる高分子化合物を黒鉛化して誘導された
もの等の各種のシート状黒鉛があるが、その製造由来は
問わない。シート状黒鉛の厚さは、必要に応じて適宜設
定することができるが、一般に、0.2〜1.6mmが
適当である。このシート状黒鉛は可撓性を有するものが
好ましい。また、シート状黒鉛には、必要に応じて、シ
ート状エラストマー層との接着性を向上させるために、
予めプライマーを塗布しておくこともできる。このプラ
イマーの例として、プライマーC(商品名:信越シリコ
ーン社製)、プライマーX(商品名:東レ・ダウコーニ
ング・シリコーン社製)、プライマーY(商品名:東レ
・ダウコーニング・シリコーン社製)、ME151(商
品名:東芝シリコーン社製)等が挙げられる。
【0030】本発明で熱伝導性シートを構成するシート
状エラストマー層に用いるエラストマーとしては、従来
から知られた各種のエラストマーを適宜選択して用いる
ことができる。このエラストマーの例として、シリコー
ンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、ブチルゴム、ク
ロロプレンゴム等が挙げられる。これらの中でも、シリ
コーンゴムが好ましく用いられる。
【0031】また、このシリコーンゴムとしては、従来
から知られた各種のシリコーンゴムを適宜選択して用い
ることができる。例えば、加熱硬化型あるいは常温硬化
型のもの、硬化機構が縮合型あるいは付加型のものな
ど、いずれも用いることができる。また、ケイ素原子に
結合する基も特に限定されるものではなく、その例とし
て、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、
シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキ
ル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、フェニル
基、トリル基等のアリール基のほか、これらの基の水素
原子が部分的に他の原子または結合基で置換されたもの
を挙げることができる。上記各種のシリコーンゴムの中
でも、硬化機構が付加型のものは、硬化に際して副生成
物が生成されず、この点好ましく用いられる。
【0032】上記シート状エラストマー層に用いるシリ
コーンゴムは、ゲル状態のものでもよく、例えば、硬化
後におけるJIS K2207−1980(50g荷
重)の針入度が5〜200のものを用いることができ
る。この程度の柔らかさになるシリコーンゴムを用いる
と、それから形成されるシート状エラストマー層の密着
性が増し、熱伝導性シートの取り付けに際し便利であ
る。
【0033】また、一般に、市販のシリコーンゴム等の
エラストマーには、充填材、可塑材、その他の添加剤等
を含んだ形で市場に出荷されるものがあるが、かかる充
填材、可塑材、着色剤、難燃剤、その他の添加剤を含ん
だエラストマーも、本発明の目的を損なわない範囲内に
おいて適宜選択して用いることができる。
【0034】本発明の熱伝導性シートを構成するに際
し、上記エラストマーは、必要に応じて、そのまま用い
ることもできるし、熱伝導性充填材や、カーボンナノチ
ューブやカーボンマイクロコイルを配合して用いること
もできる。
【0035】上記エラストマーに配合する熱伝導性充填
材としては、従来から知られた各種の熱伝導性充填材等
を適宜選択して用いることができる。その例として、軟
磁性または硬磁性フェライト、窒化アルミニウム、窒化
ケイ素、窒化硼素、窒化チタン、窒化ジルコニウムの等
の窒化物、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化硼素、
酸素チタン、酸化ジルコニウム等の酸化物、純鉄、金属
ケイ素等が挙げられる。これらの熱伝導性充填材は、必
要に応じて複数種併用することもできる。また、熱伝導
性充填材の形状は、必要に応じて球状、繊維状、不定形
状等の任意の形状にすることができ、また、その大きさ
を、必要に応じて適宜設定することができるが、一般
に、粒径3〜50μm程度の球状であることが分散性向
上等の点から好ましい。熱伝導性充填材の配合量は、必
要に応じて適宜設定することができるが、一般に、エラ
ストマーに十分な熱伝導性を付与し、かつその良好な成
形性を確保するために、エラストマーと配合された熱伝
導性充填材の合計重量に対して20〜80重量%が適当
である。
【0036】上記各種の熱伝導性充填材の中でも、軟磁
性フェライトが好ましく用いられる。特に、エラストマ
ーがシリコーンゴムである場合に好ましく用いられる。
この軟磁性フェライトとしては、従来から知られた各種
の軟磁性フェライトを適宜選択して用いることができ、
その例として、Mn−Mg系、Ni−Zn系、Cu−Z
n系等の軟磁性フェライトが挙げられる。これらの軟磁
性フェライトの中でも、Ni−Zn系が、相応に熱伝導
性が高く、シリコーンゴムの硬化阻害を起こし難く、シ
リコーンゴムへの分散性に優れているという特性を兼ね
備えていて、エラストマーがシリコーンゴムであるとき
に特に好ましく用いられる。また、軟磁性フェライト
は、例えば窒化硼素等のような高熱伝導充填材と比べる
と遥かに低価格で入手することができ、経済的である観
点からも好ましく用いられる。
【0037】また、上記各種の熱伝導性充填材は、必要
に応じて、エラストマーとの混合性を一層高めてエラス
トマーに一層均一に分散させるために、その表面をシラ
ンカップリング剤で処理することができる。このシラン
カップリング剤としては、γ−クロロプロピルトリメト
キシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエト
キシシラ、ビニルトリメトキシシラン、ビニル・トリス
(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシ
シクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−クリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプト
プロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリ
エトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、γ−ユレイドプロピル
トリエトキシシラン等を挙げることができる。シランカ
ップリング剤の使用量は、必要に応じて適宜設定するこ
とができるが、一般に、熱伝導性充填材の重量に対して
約0.2〜10重量%が好ましい。
【0038】また、上記エラストマーに配合するカーボ
ンナノチューブやカーボンマイクロコイルとしては、公
知の種々のカーボンナノチューブやカーボンマイクロコ
イルを適宜選択して用いることができる。カーボンナノ
チューブは、一般に、炭素からなる、外径が2〜70n
m、長さが直径の102倍以上である円筒状の中空繊維
状のものであって、炭素含有ガスの気相分解反応や、炭
素棒、炭素繊維等を用いたアーク放電法等によって得ら
れるものである。また、その末端形状は必ずしも円筒状
である必要はなく、例えば円錐状等変形していても差し
支えない。さらに、末端は閉じていても開いていてもど
ちらでも良い。好ましく用いられるカーボンナノチュー
ブの例として、ハイペリオン・カタリシス・インターナ
ショナル社製のGraphite Fibrils・G
rades BN(商品名)等が挙げられる。カーボン
マイクロコイルは、一般に、炭素からなる、繊維直径が
0.05〜5μm、コイル外径が繊維直径の2〜10倍
であり、巻数が10μm当たり5/コイル外径(μm)
〜50/コイル外径(μm)であるコイル状繊維のもの
であって、炭素含有ガスの気相分解反応によって得られ
るものである。これらのカーボンナノチューブとカーボ
ンマイクロコイルは、必要に応じて、併用することもで
きる。そして、カーボンナノチューブやカーボンマイク
ロコイルの配合量は、未だこれらの総生産量が少ないこ
ともあって非常に高価であるため、必要に応じて適宜設
定することとなるが、一般に、エラストマーとその配合
物の合計重量に対して0.05〜10重量%が適当であ
る。このカーボンナノチューブやカーボンマイクロコイ
ルは、熱伝導性を有すると共に、電磁波吸収性に優れた
ものであるから、これらを配合すると電磁波吸収性も向
上される。また、必要に応じて、このカーボンナノチュ
ーブやカーボンマイクロコイルと上記熱伝導性充填材と
を併用することもでき、この場合、これらの合計重量
が、これらの合計重量とエラストマーの重量の合計重量
に対して20〜80重量%であることが適当である。
【0039】さらに、本発明の熱伝導性シートを構成す
るに際し、上記エラストマーには、必要に応じて、本発
明の目的を損なわない範囲において、一般に従来からエ
ラストマーに用いられているような硬化剤、硬化促進
剤、着色剤、難燃材等の一般的添加剤を適量配合するこ
とができる。
【0040】本発明の熱伝導性シートの一例の構造を模
式的に図示すれば図1および図2のとおりである。図1
は熱伝導性シートに用いたシート状黒鉛の平面図であ
り、図2は上記シート状黒鉛を用いて作製された熱伝導
性シートの厚さ方向の断面図である。図2の例において
は、シート状黒鉛層1の片面にシート状エラストマー層
2が積層されている。そして、シート状黒鉛層1に、そ
の厚さ方向に貫通した孔3が多数穿たれており、この多
数の孔3中に、シート状エラストマー層2から突出した
多数のエラストマーの突起4が、シート状黒鉛層1の厚
さ方向に貫通して嵌入されている。
【0041】他の一例の構造を模式的に図示すれば図3
のとおりである。図3の例においては、シート状黒鉛層
1の両面にシート状エラストマー層2および2´がそれ
ぞれ積層されている。そして、シート状黒鉛層1に、そ
の厚さ方向に貫通した孔3が多数穿たれており、この多
数の孔3中に、シート状エラストマー層2または2´か
ら突出した多数のエラストマーの突起4が、シート状黒
鉛層1の厚さ方向に貫通して嵌入されており、この多数
のエラストマーの突起4を介してシート状エラストマー
層2および2´が一体に結合されている。
【0042】さらに他の一例の構造を模式的に図示すれ
ば図4のとおりである。図4の例においては、シート状
黒鉛層1の片面にシート状エラストマー層2が積層され
ている。そして、孔5が、シート状黒鉛層1のシート状
エラストマー層2が積層された面側から厚さ方向の中途
まで多数穿たれており、この多数の孔5中に、シート状
エラストマー層2から突出した多数のエラストマーの突
起6が、シート状黒鉛層の厚さ方向の中途まで嵌入され
ている。ここで、シート状黒鉛層1に穿つ孔5の深さd
は、適宜設定することができるが、シート状黒鉛層1の
厚さWの半分(W/2)よりも深く形成することが好ま
しい。このようにすれば、シート状黒鉛層1の層間がよ
り補強されて、層間剥離の防止効果が大きくなる。
【0043】なおさらに他の一例の構造を模式的に図示
すれば図5のとおりである。図5の例においては、シー
ト状黒鉛層1の両面にシート状エラストマー層2および
2´が積層されている。そして、孔5および5´が、シ
ート状黒鉛層1の両面から厚さ方向の中途まで多数穿た
れており、この多数の孔5および5´中に、シート状エ
ラストマー層2および2´から突出した多数のエラスト
マーの突起6および6´が、シート状黒鉛層の両面から
厚さ方向の中途まで嵌入されている。
【0044】本発明の熱伝導性シートにおいては、シー
ト状黒鉛層に穿つ多数の孔として、その厚さ方向に貫通
した孔と、その厚さ方向の中途までの孔とを混在させ、
これらの二種の孔に対応するように、シート状エラスト
マー層から突出した多数のエラストマーの突起を、シー
ト状黒鉛層の厚さ方向に貫通して嵌入させるとともに、
シート状黒鉛層の厚さ方向の中途まで嵌入させた構成と
することもできる。このような例を図6および図7に示
す。まず図6の例では、シート状黒鉛層1の片面にシー
ト状エラストマー層2が積層されている。そして、シー
ト状黒鉛層1には、厚さ方向に貫通する孔3と厚さ方向
の中途までの孔5とが多数穿たれ、この多数の孔3およ
び5のそれぞれに対応して、シート状エラストマー層2
から突出した多数のエラストマーの突起4がシート状黒
鉛層1の厚さ方向に貫通して嵌入され、突起6が厚さ方
向の中途まで嵌入されている。
【0045】また、図7の例では、シート状黒鉛層1の
両面にシート状エラストマー層2および2´が積層され
ている。そして、シート状黒鉛層1には、その厚さ方向
に貫通する孔3と厚さ方向の中途までの孔5および5´
とが多数穿たれ、この多数の、貫通する孔3と中途まで
の孔5および5´のそれぞれに対応して、シート状エラ
ストマー層2および2´から突出した多数のエラストマ
ーの突起4がシート状黒鉛層1の厚さ方向に貫通して嵌
入されてシート状黒鉛層1の両面にシート状エラストマ
ー層2および2´が一体に結合され、突起6および6´
が厚さ方向の中途まで嵌入されている。
【0046】また、本発明の熱伝導性シートにおいて
は、シート状黒鉛層に穿たれた多数の厚さ方向に貫通し
た孔または厚さ方向の中途までの孔の中に嵌入されてい
るシート状エラストマー層から突出した多数のエラスト
マーの突起は、一般に、硬化前のエラストマー原液が、
シート状黒鉛層に穿たれた孔の中に流入した後に硬化し
て形成される。
【0047】また、本発明の熱伝導性シートにおいて
は、シート状黒鉛層に積層させるシート状エラストマー
層に、必要に応じて、織布または不織布を埋設すること
ができる。なお、ここでいう「埋設」とは、織布・不織
布がシート状エラストマー層の中に包まれるように内在
する状態、及び織布・不織布がシート状エラストマー層
とシート状黒鉛層の間の界面に位置するよう埋め込まれ
た状態のいずれも意味するものである。この例を図8お
よび図9に示す。図8の熱伝導性シートは、上記図2の
例と同様に、シート状黒鉛層1の片面にシート状エラス
トマー層2が積層され、シート状黒鉛層1の厚さ方向に
貫通した孔3に、シート状エラストマー層2から突出し
た多数のエラストマーの突起4が貫通して嵌入されてい
るとともに、不織布7がシート状エラストマー層2の中
に包まれるように内在された例である。一方の図9に示
す熱伝導性シートは、不織布7がシート状エラストマー
層2とシート状黒鉛層1の間の界面に位置するよう埋め
込まれた例である。これにより、織布または不織布がシ
ート状黒鉛層の補強材として機能し、熱伝導性シートの
変形等により生じるシート状黒鉛の劈開あるいは欠落を
防止することができる。なお、織布・不織布は、シート
状エラストマー層をシート状黒鉛層の両面に設ける場合
に、その両面のシート状エラストマー層に対して埋設す
ることが望ましいが、どちらか一方のエラストマー層に
のみ埋設することもできる。
【0048】上記の織布または不織布としては、耐熱性
を有することを条件として、種々の合成繊維、天然繊
維、ガラス繊維、金属繊維等の織布、不織布の中から適
宜選択し用いることができる。ただし、熱伝導性シート
の、電気・電子機器等へ取り付ける側に設けたシート状
エラストマー層に対して埋設する織布・不織布は、耐熱
性に加えて電気絶縁性をも有することが必要である。こ
のような織布・不織布の好適な例として、メタ・アラミ
ドペーパー(商品名:デュポン帝人アドバンスドペーパ
ー社製)等のアラミド系繊維からなる不織布を好適な例
として挙げることができる。また、織布または不織布の
厚さは、厚過ぎると熱伝導性シート全体の熱伝導率が低
下し、またシートの可撓性も損なわれるので好ましくな
く、逆に薄過ぎるとシート状黒鉛層の補強効果が十分に
得られないので、これらを考慮して適宜設定される。具
体的には30〜100μm程度が適当であるがこれに限
定されるものではない。
【0049】次に、本発明の熱伝導性シートの製造方法
を、シート状エラストマー層に対して(イ)織布または
不織布を埋設しない場合、(ロ)織布または不織布を埋
設する場合、のそれぞれについて以下に説明する。
【0050】まず、上記(イ)の場合、熱伝導性シート
は、上記シート状黒鉛に、予め多数の厚さ方向に貫通し
た孔または厚さ方向の中途までの孔を穿ち、かかる多数
の孔が穿たれたシート状黒鉛と、上記熱伝導性充填材、
カーボンナノチューブおよびカーボンマイクロコイルか
ら選ばれた少なくとも一種等を必要に応じて配合した上
記エラストマーの硬化前の原液を、一般に、該シート状
黒鉛の片面または両面に該硬化前のエラストマー原液を
塗布し、その際エラストマー原液をシート状黒鉛に穿た
れた多数の孔の中に流入させ、しかる後硬化前のエラス
トマー原液を硬化させることにより、シート状黒鉛にシ
ート状エラストマー層を形成すると共に、シート状黒鉛
に穿たれた多数の孔の中に嵌入した、シート状エラスト
マー層から突出した多数のエラストマーの突起を形成さ
せて作製される。かくして作製された熱伝導性シート
は、シート状黒鉛に穿たれた多数の孔の中に嵌入した、
シート状エラストマー層から突出した多数のエラストマ
ーの突起によって、熱伝導性シートのシート状黒鉛層と
シート状エラストマー層の接着面の強度が補強されて、
当該接着面の剥離が抑制され、かつ、シート状黒鉛層の
層間が厚さ方向に強化されて、シート状黒鉛層の層間剥
離が抑制され、熱伝導性シートの積層維持強度が向上さ
れる。また、本発明の熱伝導性シートは、一般にフレキ
シブルなシートである。
【0051】また、シート状黒鉛層の両面にシート状エ
ラストマー層を積層し、その積層されるエラストマー
に、熱伝導性充填材、カーボンナノチューブおよびカー
ボンマイクロコイルから選ばれた少なくとも一種を配合
する場合、配合する物質の種類・量等の組成を、両面の
エラストマー層で同一とすることもできるし相異なるよ
うにすることもできる。相異なる場合の具体例として、
熱伝導性シートの、ICチップ等の電子機器に面する側
のエラストマーに、電気絶縁性を確保するため軟磁性フ
ェライトのみを配合し、他方の、開放される面あるいは
放熱フィン等に接続される側のエラストマーには、電磁
波吸収効果を付与するためにカーボンナノチューブを配
合する場合等を挙げることができる。
【0052】上記(イ)の熱伝導性シートの作製に当た
り、シート状黒鉛に予め穿っておく孔の数、孔の水平断
面形状、孔の大きさは、必要に応じて適宜設定すること
ができるが、一般に、孔の数は1〜20個/cm2が適
当であり、孔の水平断面形状は円形が好ましく、孔の大
きさは直径0.2〜2mmが適当である。シート状黒鉛
に孔を穿つ方法は、目打ちやニードルなどパンチング
や、ウォータージェットやレーザー等の公知の穿孔手段
を適宜採用することができる。
【0053】また、上記(イ)の熱伝導性シートの作製
に当たり、用いるエラストマーに、熱伝導性充填材、カ
ーボンナノチューブやカーボンマイクロコイル等を配合
する場合は、エラストマーにこれらの配合物を、ヘンシ
ェルミキサー、バンバリー混合機、三本ロール混練機等
の公知の混合手段を用いて、容易に均一に分散させるこ
とができる。また、硬化前のエラストマー原液のシート
状黒鉛への塗布は、スプレー法、デイッピング法、カレ
ンダリング法、ワイヤーバーコート法等の公知の塗布手
段を用いて適宜行うことができる。また、エラストマー
の塗布量は、必要に応じて適宜設定することができる
が、硬化後の厚さで0.1〜1mmが適当であり、ま
た、作製する熱伝導性シートの全体の厚さ、すなわちシ
ート状黒鉛層の厚さとシート状エラストマー層の厚さを
合計した厚さも、必要に応じて適宜設定することができ
るが、0.3〜3.6mm(片面最小厚さ〜両面最大厚
さ)が適当である。また、塗布した硬化前のエラストマ
ー原液の硬化は、用いたエラストマーの種類に応じて適
宜設定することができる。
【0054】上記(イ)に係る熱伝導性シートの製造方
法の好ましい具体的態様を例示すれば次のとおりであ
る。(a)硬化前のエラストマー原液をほぼ均一に流延
した上に、多数の厚さ方向に貫通した孔または厚さ方向
の中途までの孔が穿たれたシート状黒鉛の開口面を載置
する工程と、上記工程と同時あるいはその後に押圧して
上記エラストマー原液の流延層を均一な所望の厚さに調
整すると共に、上記エラストマー原液の一部を上記シー
ト状黒鉛に穿たれた孔に流入せしめる工程と、その後に
上記エラストマー原液とその一部を硬化させて、上記シ
ート状黒鉛に積層するシート状エラストマー層と該シー
ト状エラストマー層から突出した多数のエラストマーの
突起とを形成する工程とから構成して熱伝導性シートを
製造する。なお、上記方法においては、均一に流延した
エラストマー原液の上にシート状黒鉛を載置する工程に
代わり、それとは逆の工程、すなわちシート状黒鉛の開
口面に硬化前のエラストマー原液をほぼ均一に流延する
工程を採用することもできる。
【0055】(b)硬化前のエラストマー原液をほぼ均
一に流延した上に、多数の厚さ方向に貫通した孔または
厚さ方向の中途までの孔が穿たれたシート状黒鉛の開口
面を載置する工程と、上記シート状黒鉛の開口面に硬化
前のエラストマー原液をほぼ均一に流延する工程と、上
記いずれか一つの工程と同時あるいはその後に押圧して
上記エラストマー原液の流延層を均一な所望の厚さに調
整すると共に、上記エラストマー原液の一部を上記シー
ト状黒鉛に穿たれた孔に流入せしめる工程と、その後に
上記エラストマー原液とその一部を硬化させて、上記シ
ート状黒鉛の両面に積層するシート状エラストマー層と
該シート状エラストマー層から突出した多数のエラスト
マーの突起とを形成する工程とから構成して熱伝導性シ
ートを製造する。
【0056】(c)上記(a)または(b)の製造方法
において、エラストマー原液の流延層を均一な所望の厚
さに調製する際に、硬化済みのエラストマーシートを硬
化前のエラストマー原液に埋没させて熱伝導性シートを
製造する。このようにすれば、硬化済みのエラストマー
シートがスペーサーを兼ねるため、流延層の厚さがさら
に均一になる。
【0057】一方、上記(ロ)に係る熱伝導性シートで
あって織布・不織布をシート状エラストマー層の中に包
むように内在させる場合は、例えば、まず織布または不
織布を、上記(イ)と同様に調製されたエラストマー原
液中に浸漬する等して、エラストマー原液を織布または
不織布に含浸させ、次にそのエラストマー原液を含浸さ
せた織布または不織布を、上記(イ)で述べたような、
予め孔が穿たれたシート状黒鉛の片面または両面に積層
させてエラストマー原液をシート状黒鉛の孔の中に流入
させ、その後エラストマー原液を硬化させることによ
り、シート状エラストマー層とそのエラストマー層から
突出する多数の突起を形成して作製される。あるいは、
別の方法として、予め孔が穿たれたシート状黒鉛の片面
または両面に、上記エラストマー原液を塗布し、その上
に織布または不織布を積層させ、さらにエラストマー原
液を塗布し、エラストマー原液をシート状黒鉛に穿たれ
た孔の中に流入させ、その後に硬化させることによって
も同様の熱伝導性シートを得ることができる。また、上
記(ロ)の場合であって織布・不織布をシート状エラス
トマー層とシート状黒鉛層の間の界面に位置するよう埋
め込む場合には、例えば、予め孔が穿たれたシート状黒
鉛の片面または両面に、接着剤を薄く塗布してから織布
・不織布を積層させ、さらにその上にエラストマー原液
を塗布し、続いて圧力を加える等の手段によりエラスト
マー原液を織布・不織布の目に通過させつつシート状黒
鉛に穿たれた孔の中に流入させ、その後に硬化させるこ
とによって目的の熱伝導性シートを得ることができる。
なお、シート状黒鉛に塗布する接着剤としては、織布・
不織布とシート状黒鉛とを十分に接着できるものであれ
ば特に成分を問わずに用いることができる。また、別の
例としては、織布・不織布とシート状黒鉛とを積層させ
る際に上記接着剤を用いず、織布・不織布を溶着により
積層させることもできる。なお、織布・不織布の上に塗
布するエラストマー原液は、織布・不織布に含浸させつ
つ硬化させると密着性が高まるため好ましい。なお、エ
ラストマー原液を塗布する手段、硬化後のエラストマー
層の厚さ、およびシート状エラストマー層をシート状黒
鉛層の両面に形成する場合に熱伝導性充填材等を両面で
相異なる組成にできること等については上記(イ)の場
合と同様である。また、エラストマー原液をシート状黒
鉛の孔に流入させ、硬化させる際には、エアーの残留を
無くし確実に密着させるため、ロールや平板プレス等で
加圧することが好ましい。
【0058】上記(ロ)の場合のように、シート状エラ
ストマー層に織布・不織布を埋設することにより、シー
ト状黒鉛層が補強されるため、製造過程において例えば
巻取りテンション等の外力を加えた際に、シート状黒鉛
層がちぎれる等の事態を回避することができる。したが
って、目的の熱伝導性シートを連続シートとして製造す
ることが可能となり量産性が向上する。
【0059】また、上記織布または不織布は、シート状
エラストマー層に単に埋設させるだけでなく、シート状
黒鉛層に穿たれた孔に沿って入り込ませた構成とするこ
ともできる。このような例を図10に示す。図10は、
熱伝導性シートの拡大した断面を模式的に示したもので
ある。図10によれば、不織布7がシート状エラストマ
ー層2に埋設されているとともに、シート状黒鉛に穿た
れた孔3に沿って入り込んでいる。このような熱伝導性
シートは、例えば、予めシート状黒鉛と織布または不織
布とを積層させた上で両者を貫通するように一緒に孔を
穿ち、その後、上述の(イ)の場合と同様にエラストマ
ー原液を塗布・硬化させることにより作製することがで
きる。あるいは、予めシート状黒鉛のみに孔を穿ち、そ
の上に織布または不織布を積層させ、シート状黒鉛の孔
の中へ織布または不織布を押し込み、その後にエラスト
マー原液を塗布・硬化させて作製しても良い。織布また
は不織布をシート状黒鉛の孔に入り込ませることによ
り、シート状黒鉛層とシート状エラストマー層とが一体
化してより密着性が高まり、積層維持強度をさらに向上
させることができる。
【0060】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明をさ
らに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定
されるものではない。
【0061】実施例1 厚さ0.3mmのシート状黒鉛(日本カーボン社製;ニ
カフィルムFLー401(商品名))に、断面が直径
0.8mmの円形の孔を、その数9個/cm2の割合
で、各孔等間隔にシート状黒鉛の厚さ方向に貫通させて
穿ち、その表面にプライマー(信越シリコーン社製;プ
ライマーC)を塗布した後、この多数の孔を穿ったシー
ト状黒鉛の表面上に、JIS K2207−1980
(50g荷重)の針入度が100に硬化するシリコーン
ゲル組成物(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製;
CF5057(商品名))を、空気を巻き込まないよう
に流し込み、その上から四隅にスペーサーを介在させた
ガラス板で蓋をして、100℃で30分間の加熱プレス
を行った。シリコーンゲル組成物が硬化したのを確認し
て、ガラス板を取り除き、熱伝導性シートを得た。得ら
れた熱伝導性シートは、シート状黒鉛の片側にシート状
エラストマー層としてのシリコーンゲルが積層された状
態のものであり、シリコーンゲルの層の厚さは1.0m
mであり、熱伝導性シート全体としては1.3mmであ
った。得られた熱伝導性シートについて、外観やカット
断面を目視により観察したところ、シート状黒鉛の穿た
れた孔から裏面にまでシリコーンゲルが貫通して硬化し
ており、ガラス板を取り外す際に、シート状黒鉛が層間
剥離することもなく、容易に剥がすことができた。ま
た、使用時を想定しての手指による屈曲を数10回繰り
返しても、シート状黒鉛の層からシリコーンゲルの層が
剥離することはなく、また、シート状黒鉛の層自体で層
間剥離することもなかった。屈曲を厳しく、通常の使用
時には考えられない程度の折り曲げを行ったところ、シ
ート状黒鉛層からシリコーンゲル層が剥離することはな
かったが、シート状黒鉛はその屈折部で層間剥離が認め
られた。さらに、得られた熱伝導性シートについて、熱
伝導率を熱伝導率計(京都電子工業社製;QTM50
0)にて測定したところ、1.57W/mKであった。
【0062】実施例2 シリコーンゲルに代えて、アクリルゲル(綜研化学社
製)を用いたこと以外は、実施例1に準拠して、シート
状黒鉛の片側に1.0mm厚のアクリルゲルが積層さ
れ、全体としては1.3mm厚の熱伝導性シートを得
た。得られた熱伝導性シートについて、外観やカット断
面を目視により観察した結果、実施例1と同様に、シー
ト状黒鉛の穿たれた孔から裏面にまでアクリルゲルが貫
通して硬化しており、また、使用時を想定しての手指に
よる屈曲に関しても、実施例1と同様に、数10回程度
の繰り返しでは、シート状黒鉛の層からアクリルゲルの
層が剥離することはなく、また、シート状黒鉛の層自体
で層間剥離することもなかった。なお、アクリルゲルの
粘着性がシリコーンゲルの粘着性よりも強かったため、
ガラス板から剥がすのには、実施例1よりも多少ゆっく
り行った。得られた熱伝導性シートについて、熱伝導率
を実施例1と同様にして測定したところ、1.56W/
mKであり、実施例1と同程度の熱伝導率であった。
【0063】実施例3 実施例1で用いたと同じJIS K2207−1980
(50g荷重)による針入度が100に硬化するシリコ
ーンゲル組成物(東レ・ダウコーニング・シリコーン社
製;CF5057(商品名))の50重量部に、熱伝導
性充填材として窒化アルミニウム(熱研社製)50重量
部を、三本ロール混練機にて常温下で混合して、窒化ア
ルミニウムを分散させたシリコーンゲル組成物とし、こ
れを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、シート
状黒鉛の片側に1.0mm厚のシリコーンゲルが積層さ
れ、全体としては1.3mm厚の熱伝導性シートを得
た。得られた熱伝導性シートについて、外観やカット断
面を目視により観察した結果、実施例1と同様に、シー
ト状黒鉛の穿たれた孔から裏面にまでシリコーンゲルが
貫通して硬化しており、ガラス板を取り外す際にも、問
題なく、容易に剥がすことができた。また、使用時を想
定しての手指による屈曲に関しても、実施例1と同様
に、数10回程度の繰り返しでは、シート状黒鉛の層か
らシリコーンゲルの層が剥離することはなく、また、シ
ート状黒鉛の層自体で層間剥離することもなかった。得
られた熱伝導性シートについて、熱伝導率を実施例1と
同様にして測定したところ、3.65W/mKであり、
熱伝導性充填材として窒化アルミニウムを配合している
分、熱伝導率が向上していた。
【0064】実施例4 実施例3における窒化アルミニウムの50重量部に代え
て、平均粒径16μmの球状のNi−Zn系軟磁性フェ
ライト粉末(パウダーテック社製)80重量部を分散さ
せたこと以外は、実施例3と同様にして、シート状黒鉛
の片側に1.0mm厚のシリコーンゲルが積層され、全
体としては1.3mm厚の熱伝導性シートを得た。得ら
れた熱伝導性シートについて、外観やカット断面を目視
により観察した結果、実施例1と同様に、シート状黒鉛
の穿たれた孔から裏面にまでシリコーンゲルが貫通して
硬化しており、ガラス板を取り外す際にも、問題なく、
容易に剥がすことができた。また、使用時を想定しての
手指による屈曲に関しても、実施例1と同様に、数10
回程度の繰り返しでは、シート状黒鉛の層からシリコー
ンゲルの層が剥離することはなく、また、シート状黒鉛
の層自体で層間剥離することもなかった。得られた熱伝
導性シートについて、熱伝導率を実施例1と同様にして
測定したところ、3.25W/mKであり、熱伝導性充
填材としてNi−Zn系軟磁性フェライトを配合してい
る分、実施例1よりは大幅に熱伝導率が向上しており、
窒化アルミニウムを配合している実施例3よりは幾分熱
伝導率が低下していた。
【0065】実施例5 実施例4で用いたのと同じシリコーンゲル組成物を用
い、このシリコーンゲル組成物を、予め、ガラス板上に
厚さ1mmで半硬化させておき、この上にシート状黒鉛
を載置し、さらにその上に同じシリコーンゲル組成物を
流し込んだこと以外は、実施例4に準拠して、シート状
黒鉛が表裏の1.0mm厚のシリコーンゲルでサンドイ
ッチされた如く積層された、全体としては2.3mm厚
の熱伝導性シートを得た。得られた熱伝導性シートにつ
いて、外観やカット断面を目視により観察した結果、後
から流し込まれたシリコーンゲル組成物は、シート状黒
鉛の穿たれた孔から予め半硬化させておいたシリコーン
ゲルの層にまで達して硬化しており、表裏のシリコーン
ゲル層は貫通孔において硬化した部分を介して一体的に
硬化していた。なお、ガラス板を取り外す際には、問題
なく、前記実施例にも増して容易に剥がすことができ
た。また、使用時を想定しての手指による屈曲に関して
は、厚みから由来する曲げ難さが前記実施例よりも多少
増したものの、シート状黒鉛の層からシリコーンゲルの
層が剥離することはなく、また、シート状黒鉛の層自体
で層間剥離することもなかった。扱っていて、非常に安
心感のあるものでった。さらに、得られた熱伝導性シー
トについて、熱伝導率を前記実施例と同様にして測定し
たところ、2.55W/mKであり、両側にNi−Zn
系軟磁性フェライトを分散させたシリコーンゲル層を積
層した分、実施例4よりは熱伝導率が低下していた。
【0066】実施例6 実施例5で用いたと同じシリコーンゲル組成物に、さら
にカーボンナノチューブ(ハイペリオン・カタリシス・
インターナショナル社製;GraphiteFibri
ls・Grades BN(商品名))の1重量部を加
え、これを予めガラス板上で半硬化させるシリコーンゲ
ル組成物とし、一方シート状黒鉛の上に流し込むシリコ
ーンゲル組成物としては実施例5で用いたと同じシリコ
ーンゲル組成物をそのまま用いたこと以外は、実施例5
と同様にして、シート状黒鉛が表裏の1.0mm厚の組
成が相異なるシリコーンゲルでサンドイッチされた如く
積層された、全体としては2.3mm厚の熱伝導性シー
トを得た。得られた熱伝導性シートは、実施例5と同様
に、表裏のシリコーンゲル層は貫通孔において硬化した
部分を介して一体的に硬化しており、使用時を想定して
の手指による屈曲に関しても、シート状黒鉛の層からシ
リコーンゲルの層が剥離することはなく、また、シート
状黒鉛の層自体で層間剥離することもなく、扱っていて
非常に安心感のあるものであった。さらに、得られた熱
伝導シートについて、熱伝導率を前記実施例と同様にし
て測定したところ、2.62W/mKであり、実施例5
と同程度の熱伝導率であった。また、LED点滅数と電
子音で電磁波の強弱を知らせる簡易な電磁波検知具を、
パソコンに繋がれたCRTの前方に置き、この間に熱伝
導性シートを挿脱したときのLED点滅数および電子音
強弱の差により、この熱伝導シートは電磁波吸収性にも
優れることを確認した。
【0067】実施例7 シート状黒鉛に、断面直径0.8mmの円形で、0.2
mmの貫通しない凹部を設けたこと以外は、実施例1と
同様にして、シート状黒鉛の片側に1.0mm厚のシリ
コーンゲルが積層され、全体としては1.3mm厚の熱
伝導性シートを得た。得られた熱伝導性シートについ
て、外観やカット断面を目視により観察した結果、シー
ト状黒鉛の凹部にシリコーンゲル組成物が流れ込んで硬
化しており、シリコーンゲルの凹部へのアンカー効果と
接触面積が増えたことにより、ガラス板を取り外す際に
もシート状黒鉛の層からシリコーンゲルの層が剥離する
ことはなく、また、シート状黒鉛が層間剥離することも
なかった。また、使用時を想定しての手指による屈曲に
関しては、前記実施例ほどではないが、10数回程度で
は、シート状黒鉛の層からシリコーンゲルの層が剥離す
ることはなかった。さらに、得られた熱伝導性シートに
ついて、熱伝導率を前記実施例と同様にして測定したと
ころ、1.58W/mKであり、実施例1と同程度の熱
伝導率であった。
【0068】実施例8 シリコーンゲル組成物(実施例4と同じ組成、以下同
じ)を、ガラス板上に厚さ0.5mmで半硬化させ、そ
の上に、シリコーンゲル組成物を予め含浸させた厚さ5
0μmのアラミド不織布(デュポン帝人アドバンスドペ
ーパー社製、メタ・アラミドペーパー(商品名))を載
置し、さらにその上に、シリコーンゲル組成物を空気を
巻き込まないように流し込んだ。続いて、その上から四
隅にスペーサー(1mm)を介在させたガラス板で蓋を
し、全体の厚みが1mmになるように半硬化させた。次
に、その半硬化させたシリコーンゲル層の上に、実施例
1と同様に予め孔を穿った厚さ0.3mmのシート状黒
鉛(日本カーボン社製;ニカフィルムFL−401(商
品名))を載置し、その上にシリコーンゲル組成物を空
気を巻き込まないように流し込み、さらにその上から四
隅にスペーサーを介在させたガラス板で蓋をして、10
0℃で30分間の加熱プレスを行い、シリコーンゲル組
成物が硬化したのを確認してガラス板を取り除き、目的
の熱伝導性シートを得た。得られた熱伝導性シートは、
シート状黒鉛の両側に厚さ1.0mmのシリコーンゲル
層がそれぞれ積層され、全体としての厚さは2.3mm
であり、両側のシリコーンゲル層は、シート状黒鉛に穿
たれた貫通孔において硬化した突起を介して一体に結合
されていた。また、片側のシリコーンゲル層には不織布
が包まれるように内在されていた。上記のように製造し
た熱伝導性シートについて、熱伝導率を前記実施例と同
様にして測定したところ、2.43W/mKであり、実
施例5と同程度の高い値を示した。また、熱伝導性シー
トをプレスでの打ち抜き加工にて切断したところ、織布
又は不織布を埋設しない場合に見られたような、シート
状黒鉛層の切断面からの劈開や黒鉛の欠落は一切見られ
なかった。さらに、製造時における熱伝導性シートのハ
ンドリング性を評価するため、a)長尺状の熱伝導性シ
ート(1m×40cm)の一短辺の両端を手で持ち、熱
伝導性シートを自重で吊り下げた。その結果、シート黒
鉛層にひびが入ったり、各積層間からの劈開等は見られ
なかった。また、b)上記長尺状の熱伝導性シートの対
向する二つの短辺の中点をそれぞれ手で掴み、対向する
短辺どうしを30cm程度まで近づけ、熱伝導性シート
の中心部をたるませた。その結果、その自由屈曲部にお
いてシート黒鉛層にひびが入ったり、各積層間からの劈
開等は見られなかった。
【0069】実施例9 厚さ0.3mmのシート状黒鉛(日本カーボン社製;ニ
カフィルムFLー401(商品名))の両面に、厚さ5
0μmのアラミド不織布(デュポン帝人アドバンスドペ
ーパー社製、メタ・アラミドペーパー(商品名))を、
シリコーン系接着剤を介して接着させた。この状態にお
ける全体の厚さは約0.45mmであった。続いて、直
径0.8mmの円形の孔を、その数9個/cm2の割合
で、各孔等間隔に、シート状黒鉛及び不織布を一緒に貫
通させて厚さ方向に穿ち、次に、その不織布の上に実施
例4と同じシリコーンゲル組成物を空気を巻き込まない
ように流し込み、さらにその上から四隅にスペーサーを
介在させたガラス板で蓋をして、100℃で30分間の
加熱プレスを行い、シリコーンゲル組成物が硬化したの
を確認してガラス板を取り除き、目的の熱伝導性シート
を得た。得られた熱伝導性シートは、シート状黒鉛の両
側に厚さ1.0mmのシリコーンゲル層がそれぞれ積層
され、全体としての厚さは2.45mmであった。ま
た、両側のシリコーンゲル層は、シート状黒鉛に穿たれ
た貫通孔において硬化した突起を介して一体に結合され
ており、不織布がその貫通孔に沿って入り込んでいた。
さらに不織布は、貫通孔以外の部分では、シート状エラ
ストマー層とシート状黒鉛層の間の界面に位置するよう
に埋め込まれていた。上記のように製造した熱伝導性シ
ートについて、熱伝導率を前記実施例と同様にして測定
したところ、2.20W/mKであり、実施例5と同程
度の高い値を示した。また、熱伝導性シートをプレスで
の打ち抜き加工にて切断したところ、織布又は不織布を
埋設しない場合に見られたような、シート状黒鉛層の切
断面からの劈開や黒鉛の欠落は一切見られなかった。さ
らに、製造時における熱伝導性シートのハンドリング性
を評価するため、上記実施例8におけるa)、b)の試
験を行ったところ、実施例8と同様に、シート黒鉛層に
ひびが入ったり、各積層間からの劈開等は見られなかっ
た。
【0070】比較例1 シート状黒鉛として、孔の全く穿たれていないシート状
黒鉛を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、シー
ト状黒鉛の片側に1.0mm厚のシリコーンゲルが積層
され、全体としては1.3mm厚の熱伝導性シートを得
た。得られた熱伝導性シートについて、熱伝導率を実施
例1と同様にして測定したところ、1.58W/mKで
あり、実施例1と同程度であったが、ガラス板を取り除
く際には、シート状黒鉛の層からシリコーンゲルの層が
剥離することのないよう細心の注意が必要であり、ま
た、使用時を想定しての手指による屈曲に関しては、1
0数回に満たない段階で、シート状黒鉛の層からシリコ
ーンゲルの層が一部剥がれる現象が確認された。なお、
この現象は、全面で剥離を起こさなくとも、シート状黒
鉛層とシリコーンゲル層との間に空気層が介在すること
を意味し、この空気層の存在により熱伝導率は極端に低
下してしまうので、信頼性のない製品として、実用上は
非常に使い難いものと判断される。
【0071】
【発明の効果】本発明によれば、シート状黒鉛層とシー
ト状エラストマー層との接着面の剥離、シート状黒鉛層
自体の層間剥離が十分防止されて、積層維持強度の向上
された、真に良好な熱伝導率を有する熱伝導性シートを
実用可能なものとして提供できる。また本発明の熱伝導
性シートは、シート状黒鉛層が劈開等を生じ難いため使
用時における信頼性が高く、さらに、連続シートとして
製造する場合に巻取りテンションを掛けてもシート状黒
鉛層がちぎれるような事態が起こらないため、量産性に
も優れる。本発明の熱伝導性シートは、各種の分野にお
いて広く利用することができるが、特に、発熱を伴う電
気及び電子機器分野において放熱材として好ましく用い
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の熱伝導性シートにおけるシート状黒
鉛を模式的に示す平面図である。
【図2】 本発明の熱伝導性シートの一実施形態の断面
を模式的に示す図である。
【図3】 本発明の熱伝導性シートの一実施形態の断面
を模式的に示す図である。
【図4】 本発明の熱伝導性シートの一実施形態の断面
を模式的に示す図である。
【図5】 本発明の熱伝導性シートの一実施形態の断面
を模式的に示す図である。
【図6】 本発明の熱伝導性シートの一実施形態の断面
を模式的に示す図である。
【図7】 本発明の熱伝導性シートの一実施形態の断面
を模式的に示す図である。
【図8】 本発明の熱伝導性シートの一実施形態の断面
を模式的に示す図である。
【図9】 本発明の熱伝導性シートの一実施形態の断面
を模式的に示す図である。
【図10】 本発明の熱伝導性シートの一実施形態の拡
大した断面を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 シート状黒鉛層 2 シート状エラストマー層 2´シート状エラストマー層 3 厚さ方向に貫通した孔 4 突起 5 厚さ方向の中途までの孔 5´厚さ方向の中途までの孔 6 突起 6´突起 7 不織布
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA33B AA33H AA37A AA37C AK52B AL09B BA02 BA03 BA06 BA10A BA10B BA10C BA13 CA23B DC11A DC11C DD03B DG12B DG15B DH00B EC032 EC102 EH312 EJ062 GB90 JA20A JA20B JA20C JG06B JG06H JK06 5F036 AA01 BB21 BD21

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状黒鉛層とシート状エラストマー
    層とが積層され、前記シート状黒鉛層には厚さ方向に孔
    が穿たれ、前記孔の中に前記シート状エラストマー層か
    ら突出したエラストマーの突起が嵌入されてなることを
    特徴とする熱伝導性シート。
  2. 【請求項2】 シート状黒鉛層の片面にシート状エラス
    トマー層が積層され、前記孔がシート状黒鉛層の厚さ方
    向に貫通して多数穿たれ、前記多数の孔の中に、前記シ
    ート状エラストマー層から突出した多数のエラストマー
    の突起が前記シート状黒鉛層の厚さ方向に貫通して嵌入
    されていることを特徴とする請求項1記載の熱伝導性シ
    ート。
  3. 【請求項3】 シート状黒鉛層の両面にシート状エラス
    トマー層が積層され、前記孔がシート状黒鉛層の厚さ方
    向に貫通して多数穿たれ、前記多数の孔の中に、前記シ
    ート状エラストマー層から突出した多数のエラストマー
    の突起が前記シート状黒鉛層の厚さ方向に貫通して嵌入
    されて前記シート状黒鉛層の両面にシート状エラストマ
    ー層が一体に結合されていることを特徴とする請求項1
    記載の熱伝導性シート。
  4. 【請求項4】 シート状黒鉛層の片面にシート状エラス
    トマー層が積層され、前記孔がシート状黒鉛層の積層面
    側から厚さ方向の中途まで多数穿たれ、前記多数の孔の
    中に、前記シート状エラストマー層から突出した多数の
    エラストマーの突起が前記シート状黒鉛層の厚さ方向の
    中途まで嵌入されていることを特徴とする請求項1記載
    の熱伝導性シート。
  5. 【請求項5】 シート状黒鉛層の両面にシート状エラス
    トマー層が積層され、前記孔がシート状黒鉛層の両面に
    厚さ方向の中途まで多数穿たれ、前記多数の孔の中に、
    前記シート状エラストマー層から突出した多数のエラス
    トマーの突起が前記シート状黒鉛層の両面から厚さ方向
    の中途まで嵌入されていることを特徴とする請求項1記
    載の熱伝導性シート。
  6. 【請求項6】 シート状黒鉛層の片面にシート状エラス
    トマー層が積層され、前記孔がシート状黒鉛層の厚さ方
    向に貫通するものと厚さ方向に中途までのものとが多数
    穿たれ、前記多数の孔の中に、前記シート状エラストマ
    ー層から突出した多数のエラストマーの突起が前記シー
    ト状黒鉛層の厚さ方向に貫通して嵌入されるとともに中
    途まで嵌入されていることを特徴とする請求項1記載の
    熱伝導性シート。
  7. 【請求項7】 シート状黒鉛層の両面にシート状エラス
    トマー層が積層され、前記孔がシート状黒鉛層の厚さ方
    向に貫通するものと厚さ方向に中途までのものとが多数
    穿たれ、前記多数の孔の中に、前記シート状エラストマ
    ー層から突出した多数のエラストマーの突起が前記シー
    ト状黒鉛層の厚さ方向に貫通して嵌入されて前記シート
    状黒鉛層の両面にシート状エラストマー層が一体に結合
    されるとともに中途まで嵌入されていることを特徴とす
    る請求項1記載の熱伝導性シート。
  8. 【請求項8】 シート状黒鉛層の厚さ方向に貫通する孔
    または厚さ方向の中途までの孔の中に嵌入されているシ
    ート状エラストマー層から突出した多数のエラストマー
    の突起は、硬化前のエラストマー原液が、前記シート状
    黒鉛層の孔に流入した後に硬化して形成されたものであ
    ることを特徴とする請求項1〜7記載の何れか一つの熱
    伝導性シート。
  9. 【請求項9】 シート状エラストマー層に、織布または
    不織布が埋設されていることを特徴とする請求項1〜8
    記載の何れか一つの熱伝導性シート。
  10. 【請求項10】 シート状エラストマー層に、織布また
    は不織布が埋設され、シート状黒鉛層に穿たれた孔に沿
    って前記織布または不織布が入り込んでいることを特徴
    とする請求項1〜8記載の何れか一つの熱伝導性シー
    ト。
  11. 【請求項11】 エラストマーに、熱伝導性充填材、カ
    ーボンナノチューブおよびカーボンマイクロコイルから
    選ばれた少なくとも一種が配合されていることを特徴と
    する請求項1〜10記載の何れか一つの熱伝導性シー
    ト。
  12. 【請求項12】 シート状黒鉛層の両面に積層されるエ
    ラストマーに、熱伝導性充填材、カーボンナノチューブ
    およびカーボンマイクロコイルから選ばれた少なくとも
    一種が、両面相異なる組成で配合されていることを特徴
    とする請求項3、5、7記載の何れか一つの熱伝導性シ
    ート。
  13. 【請求項13】 エラストマーが、シリコーンゴムを基
    材とするものであることを特徴とする請求項1〜12記
    載の何れか一つの熱伝導性シート。
  14. 【請求項14】 熱伝導性充填材が、軟磁性フェライト
    であることを特徴とする請求項11または12記載の熱
    伝導性シート。
  15. 【請求項15】 軟磁性フェライトが、Ni−Zn系軟
    磁性フェライトであることを特徴とする請求項14記載
    の熱伝導性シート。
  16. 【請求項16】 硬化前のエラストマー原液をほぼ均一
    に流延した上に、多数の厚さ方向に貫通した孔または厚
    さ方向の中途までの孔が穿たれたシート状黒鉛の開口面
    を載置する工程と、前記シート状黒鉛の開口面に硬化前
    のエラストマー原液をほぼ均一に流延する工程のいずれ
    か一つの工程と、前記いずれか一つの工程と同時あるい
    はその後に押圧して前記エラストマー原液の流延層を均
    一な所望の厚さに調整すると共に、前記エラストマー原
    液の一部を前記シート状黒鉛に穿たれた孔に流入せしめ
    る工程と、その後に前記エラストマー原液とその一部を
    硬化させて、前記シート状黒鉛に積層するシート状エラ
    ストマー層と該シート状エラストマー層から突出した多
    数のエラストマーの突起とを形成する工程とを備えるこ
    とを特徴とする熱伝導性シートの製造方法。
  17. 【請求項17】 硬化前のエラストマー原液をほぼ均一
    に流延した上に、多数の厚さ方向に貫通した孔または厚
    さ方向の中途までの孔が穿たれたシート状黒鉛の開口面
    を載置する工程と、前記シート状黒鉛の開口面に硬化前
    のエラストマー原液をほぼ均一に流延する工程と、前記
    いずれか一つの工程と同時あるいはその後に押圧して前
    記エラストマー原液の流延層を均一な所望の厚さに調整
    すると共に、前記エラストマー原液の一部を前記シート
    状黒鉛に穿たれた孔に流入せしめる工程と、その後に前
    記エラストマー原液とその一部を硬化させて、前記シー
    ト状黒鉛の両面に積層するシート状エラストマー層と該
    シート状エラストマー層から突出した多数のエラストマ
    ーの突起とを形成する工程とを備えることを特徴とする
    熱伝導性シートの製造方法。
  18. 【請求項18】 エラストマー原液の流延層を均一な所
    望の厚さに調製する際に、硬化済みのエラストマーシー
    トを硬化前のエラストマー原液に埋没させることを特徴
    とする請求項16または17記載の熱伝導性シートの製
    造方法。
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