JP2009173726A - プリプレグ及びその製造方法とこれを用いたプリント配線板 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、厚み方向において強固な結合力が働き、折り曲げ時などの機械強度が向上するとともに、熱伝導率を高めることができるプリプレグを提供することを目的とする。
【解決手段】開口率が50%以下であり、厚みが10μm以上300μm以下のガラス織布13と、このガラス織布13に含浸された半硬化樹脂体14とからなり、前記半硬化樹脂体14は半硬化された樹脂と、その樹脂体中に分散されたアルミナ、窒化アルミ、窒化ホウ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化錫、ジルコン珪酸塩、酸化マグネシウムから選ばれた少なくとも1種類以上からなる無機フィラー29とからなり、前記無機フィラー29はリン酸エステル、カルボン酸エステル、スルホン酸エステルから選ばれた少なくとも1種類以上の表面処理剤30により表面処理を施されていることを特徴とするプリプレグ11である。
【選択図】図1

Description

本発明は、熱対策が要求されるパワー系半導体等の各種電子部品を高密度に実装する際に用いられるプリプレグ及びその製造方法とこれを用いたプリント配線板に関するものである。
従来、電子部品実装用のプリント配線板としては、ガラスエポキシ樹脂からなるプリプレグと銅箔とからなる部材を、複数枚積層、一体化し、硬化したものが用いられている。
機器の小型化、高性能化に伴い、電子部品の発熱が課題となることも多く、新たな熱対策として、放熱性(あるいは熱伝導性)を有するプリント配線板が求められる。
例えば熱伝導性を高めた結晶性エポキシ樹脂を用いて、熱伝導性を高めるものが提案されている。図6を用いてその一例を説明する。すなわち図6(A)(B)は、共にメソゲン基を有する結晶性ポリマーを、磁場を用いて配向させ、熱伝導率を高くしようとする様子を説明する断面図である(例えば特許文献1参照)。
図6(A)(B)において、複数個の磁石1(例えば磁場発生手段としての永久磁石)の間には、矢印2で示した磁力線が発生している。そしてこの矢印2で示した磁力線の間に、金型3の中にセットした樹脂4(例えば硬化する前の液体状態の結晶性エポキシ樹脂)を置き、この磁場の中で樹脂4を熱硬化させる。図6(A)は樹脂4に対して垂直な方向に磁場をかける様子を、図6(B)は平行な方向の磁場をかける様子を示す。
しかし元々磁化されにくい結晶性エポキシを配向させるためには、磁束密度5〜10テスラの高磁場中で、温度150〜170℃に加熱した金型3の内部で、10分〜1時間硬化させる等の特殊な処理が必要になる。またこうして形成した結晶性エポキシ樹脂は、熱伝導性や機械強度(例えば曲げ強度)に異方性を有している可能性がある。その結果、こうした結晶性エポキシ樹脂を用いて作製したプリプレグやプリント配線基板は、方向依存性(あるいは異方性)を有してしまうため、柔軟性が低下する(例えば耐折曲げ性が低下する、あるいは曲げると割れやすい)という課題が発生しやすい。
一方、従来からプリプレグの熱伝導率を高めるために、無機質充填材を高密度に添加することが提案されていた。しかし無機質充填材を高密度に添加したシート状のプリプレグは、硬くて曲がりにくく、捲回しただけで割れることもある。また、同じ厚みで高熱伝導化を行うためには、熱伝導率の低いガラス繊維に対して無機質充填材の量を高充填化する必要があり、必然的にガラス織布を薄くする事になり、強度が低下する。
そしてこのように硬くて曲がりにくいプリプレグを積層、硬化してなるプリント配線板自体も、曲げると折れやすくなる。そのため、こうしたプリント配線板に電子部品を機械実装する際あるいは実装後のプリント配線基板の機器への装着時に、課題が発生する可能性がある。
こうした課題に対して、熱伝導性と取り扱い性(例えば、プリプレグシートの作業性、耐折曲げ性)の両方を改善しようとする提案がなされていた。
図7は、折り曲げ性を改善した従来のプリプレグの一例を示す断面図であり、例えば特許文献2で提案されたものである。図7において、従来のプリプレグ5は、ガラス繊維6、熱硬化性樹脂層(内層部分)7、無機質充填材添加熱硬化性樹脂層(外層部分)8から構成されている。ここで無機質充填材は、外層部分を構成する無機質充填材添加熱硬化性樹脂層8の熱伝導率を高めるために添加したものである。そして図7に示すように、無機質充填材添加熱硬化性樹脂層8は、従来のプリプレグ5の外層部分を構成し、ガラス繊維6を覆う部分(いわゆる内層部分)は、無機質充填材を含まない熱硬化性樹脂層7とする。無機質充填材が含浸しないガラス繊維6の層が存在することによって、ガラス繊維6の剛性が増加することなく(あるいはガラス繊維6の柔軟性を保つことで)、シート状の従来のプリプレグ5の折曲げ性(あるいは柔軟性)を高めるものである。
しかし図7に示した構成では、従来のプリプレグ5の厚み方向での熱伝導性が阻害されてしまう可能性がある。これはガラス繊維6や熱硬化性樹脂層7の熱伝導率が、外層部分の無機質充填材添加熱硬化性樹脂層8に比べて、熱伝導率が低いためである。
特開2004−225054号公報 特開平3−17134号公報
このように従来のプリント配線板の場合、プリント配線板の熱伝導率を上げようとすると、折り曲げると割れやすくなるといった機械強度の低下がみられ、機械強度を高めようとすると熱伝導率を高める事が困難になるという課題があった。
そこで本発明はプリプレグを構成するガラス織布と無機フィラーとその表面処理剤に着目し、プリント配線板の熱伝導率を高めながらも、その機械強度を保てるプリプレグを提供することを目的とする。
この目的を達成するために、本発明は、硬化後の熱伝導率が0.5W/(m・K)以上20W/(m・K)以下となるプリプレグであって、このプリプレグは、開口率が50%以下で、かつ厚みが10μm以上300μm以下のガラス織布と、このガラス織布に含浸したコンポジット材とからなり、前記コンポジット材は、半硬化状態の樹脂体と、その樹脂体中に分散されたアルミナ、窒化アルミ、窒化ホウ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化錫、炭素、ジルコン珪酸塩、酸化マグネシウムから選ばれた少なくとも1種類以上からなる無機フィラーとからなり、さらに、前記無機フィラーが、リン酸エステル、カルボン酸エステル、スルホン酸エステルの少なくとも1種類の表面処理剤により、表面処理を施されていることを特徴とするプリプレグとするものである。
本発明のプリプレグ及び、その製造方法とこれを用いたプリント配線板によれば、無機フィラーおよびそのフィラー表面に吸着した表面処理剤同士が強固な結合を有しており、プリプレグの厚み方向に積極的に開口を設けることにより、厚み方向において、これら表面処理剤による強固な結合力が働き、折り曲げ時などの機械強度が向上する。そして、本発明のプリプレグを用いて作製したプリント配線板を用いることで、電子部品などを高密度実装する事ができ、液晶やプラズマTV,各種電子機器の小型化、高性能化が可能になる。
(実施の形態)
以下、本発明の実施の形態におけるプリプレグについて説明する。
図1は、本発明の実施の形態におけるプリプレグの断面図、拡大図と上面図である。
まず図1(A)を用いて説明する。図1(A)は、実施の形態におけるプリプレグの断面図である。図1(A)において、矢印15は、ガラス繊維12が織られてなるガラス織布13の開口部(この開口部はバスケットホール部と呼ばれることもある)を示している。
図1(A)に示すように、実施の形態で説明するプリプレグ11は、ガラス繊維12を開口部(図1(A)の矢印15で示す部分)を積極的に形成するように織り上げてなるガラス織布13と、このガラス織布13に含浸させた半硬化樹脂体14から構成したものである。そしてガラス織布13の開口部(矢印15で示した部分)や、ガラス織布13の表面は、半硬化樹脂体14で覆われている(あるいは充填されている)。
次に、開口部15について詳細に説明する。図1(B)は、本発明の実施の形態におけるプリプレグの開口部の拡大断面図である。なお、図1(B)には樹脂は図示していない。図1(B)に示すように、半硬化樹脂体14中に無機フィラー29が分散されており、この無機フィラー29は表面処理剤30により表面処理を施されている。この表面処理剤30によって、厚み方向において強固な結合力が働き、折り曲げ時などの機械強度が向上するとともに、熱伝導率を高めることができる。
次に図1(C)を用いて、ガラス繊維12に形成した開口部(図1(A)の矢印15で示した部分)について説明する。図1(C)は、図1(A)に示したプリプレグ11の上面図に相当する。
図1(C)において、プリプレグ11のガラス織布13を示すため、半硬化樹脂体14は図示していない。図1(C)において、縦糸16や横糸17は共に複数本のガラス繊維12を束ねたものからなる。開口部18は、縦糸16と横糸17の無い部分(縦糸16と横糸17の間に発生した隙間、図1(C)では長四角形に図示しているが、この形状に限定する必要はない)である。
実施の形態では、ガラス織布13に、図1(C)に示すように積極的に開口部18を形成し、この開口部18に図1(A)に示すように、半硬化樹脂体14を充填することで、プリプレグ11の厚み方向での熱伝導性を高めることになる。
なおガラス織布13における開口率は、50%以下が良い。特に25%以上50%以下が望ましい。開口率が25%未満の場合、プリプレグ11の厚み方向の熱伝導性(つまり開口部18を介した熱伝導)に影響を与える場合がある。また開口率が50%を超えた場合、プリプレグ11の引張り強度に影響を与える可能性がある。
ここで開口率とは、スクリーン印刷等に使われるスクリーンにおいて、オープニング率とも呼ばれる割合に相当する。この開口率は、ガラス織布13を投影した場合における、全体に対する開口部18の面積割合を百分率(単位は%)で表示したものである。
なお開口率は、図1(C)等に示した開口部18だけでなく、ガラス繊維12の本数を減らして編み上げた場合に発生する、互いに平行なガラス繊維12の隙間や互いに交差するガラス繊維12の隙間に無数に発生する小さな(例えばガラス繊維12の直径の0.5倍から2.0倍程度の、あるいは数μm程度の)開口部18も含む(図示していない)。
ガラス織布13の厚みは、10μm以上300μm以下が望ましい。ガラス織布13の厚みが10μm未満の場合、プリプレグ11(あるいはプリプレグ11を硬化してなるプリント配線板)の機械強度(例えば引張り強度等)に影響を与える可能性がある。ガラス織布13の厚みが300μmを超えた場合、プリプレグ11の厚みが増加してしまうため、取り扱い性(例えば、捲回しにくい等)に影響を与える場合がある。
本発明において、ガラス織布13を用いることで、プリプレグ11のXY方向での強度を上げる効果が得られるため、その寸法安定性、機械強度を高める効果が得られる。
なお開口率の測定が難しい場合は、通気度で開口率を評価することもできる。なお通気度の測定には、JIS L1096 8.27.1 A法(フラジール形法)や、国際規格(ASTM D737、TAPPI T251等を参考にすることができる。発明者らの実験によると、通気度は300cc/cm2/sec以上600cc/cm2/sec以下が望ましい結果が得られた。通気度が300cc/cm2/sec未満の場合、ガラス繊維の開口部への半硬化樹脂体14の充填効果が得られない場合がある。通気度が600cc/cm2/secより大きいガラス織布の場合、強度的に低くなったり、高価で取扱いが難しいものとなる場合がある。
更にプリプレグ11をXY方向に縮みにくくすることで、プリプレグ11をZ方向(厚み方向)に伸びにくくすることができる。この結果、プリント配線板のZ方向の信頼性(例えば、スルーホール部分の接続信頼性)を高める効果が得られる。これはZ方向の熱膨張が抑えられるためである。
またガラス織布13の、開口率を高めることで、プリプレグ11のレーザーやドリルによるビア孔の加工性を高める効果も得られる。
なおプリプレグ11の厚みは、20μm以上500μm以下が望ましい。プリプレグ11の厚みが20μm未満の場合、プリプレグ11(あるいはプリプレグ11を硬化してなるプリント配線板)の機械強度(例えば引張り強度等)に影響を与える可能性がある。また厚みが500μmを超えた場合、取り扱い性(例えば、捲回しにくい等)に影響を与える場合がある。
なおガラス織布13の厚みより、プリプレグ11の厚みの方を厚くすることが望ましい。これはプリプレグ11の方を、ガラス織布13の厚みより厚くすることで、上付き樹脂(いわゆる、ガラス織布13の表面を覆う余分な半硬化樹脂体14)の厚みを確保できる。そしてこの上付き樹脂を一定量確保することで、例えば後述する図4(A)(B)における内層パターンとなる銅箔23の厚みの吸収効果が得られる。この厚み吸収効果によって、例えば後述する図3(C)に示すプリント配線板27の表面に、凹凸が発生しにくくなる。
次に図2を用いて、プリプレグ11の製造方法の一例について説明する。図2は、プリプレグ11の製造方法の一例を断面で説明する模式図である。図2において、19はロールであり、プリプレグの製造設備の一部を模式的に示すものである。20はコンポジット材、21は槽である。槽21の中には、半硬化樹脂体14を形成する部材、つまり、コンポジット材20を、所定の溶剤(例えばメチルエチルケトン、アルコール類、シクロペンタノン等)に溶解した状態でセットしている。
まずガラス織布13として、ここでは厚み15μm、開口率5%のものを作製した。そして図2に示すように、ガラス織布13を、ロール19にセットし、矢印15aに示す方向に送り、槽21にセットしたコンポジット材20を含浸させる。そしてロール19を、矢印15bに回しながら、ガラス織布13に含浸させたコンポジット材20の含浸量を調整する。そして乾燥機等(図示していない)の中を矢印15cのように流してコンポジット材20から溶剤成分を除去する。更に加熱等によりコンポジット材20に含まれる樹脂成分を半硬化状態(本硬化の前の状態、いわゆるBステージ状態)とし、半硬化樹脂体14とする。こうしてプリプレグ11を、連続的に作製する。なおプリプレグ11の製造方法はこれに限定されるものではない。
次に槽21にセットするコンポジット材20について説明する。コンポジット材20は、プリプレグ11が硬化後に熱伝導率が0.5W/(m・K)以上、20W/(m・K)以下となる材料を選ぶことが望ましい。硬化後の熱伝導率が0.5W/(m・K)未満の場合、開口部18を介した熱伝導の効果が得られにくい場合がある。また熱伝導率が20W/(m・K)を超える材料は、高価であり、取り扱いが難しい場合がある。
ここで硬化後に熱伝導率が0.5W/(m・K)以上、20W/(m・K)以下を実現するには、少なくともコンポジット材20として、樹脂とこの樹脂中に分散した無機フィラーと、無機フィラーに吸着させた表面処理剤と、から構成することが望ましい。
そしてこの樹脂としてはエポキシ樹脂を用い、無機フィラーとしてはアルミナ、窒化アルミ、窒化ホウ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化錫、炭素、ジルコン珪酸塩、酸化マグネシウムから選ばれた少なくとも1種類以上からなる。また、これらの無機フィラーはリン酸エステル、スルホン酸エステル、カルボン酸エステルの中から選ばれた少なくとも1種類以上からなる表面処理剤により、表面処理された無機フィラーとすることができる。
更には、樹脂をエポキシ樹脂とゴム樹脂の混合物、あるいはエポキシ樹脂と熱可塑性樹脂の混合物とすることもできる。なおエポキシ樹脂等を硬化させるための硬化剤等を必要に応じて添加することは言うまでもない。
また、ガラス繊維12に対して、無機フィラー29と同様のリン酸エステル、スルホン酸エステル、カルボン酸エステルの中から選ばれた少なくとも1種類以上からなる表面処理剤で表面処理を行うことで、ガラス繊維12と無機フィラー29が表面処理剤30を介して結合力を有することでプリプレグ11の熱伝導性と機械強度を両立する事ができる。
なおこれら樹脂を半硬化状態とすることで、プリプレグ11となる。
なおプリプレグ11に占める無機フィラー29の割合は、プリプレグ11全体の20体積%以上60体積%以下が望ましい。20体積%未満の場合、プリプレグ11の熱伝導性が低下する場合がある。また60体積%より高い場合、プリプレグ11の柔軟性や、熱プレスの際の配線埋め込み性に影響を与える場合があるためである。
次にプリプレグ11を用いて、熱伝導性の高いプリント配線基板を作製する方法について説明する。
図4(A)(B)は、共にプリプレグ11の表面に銅箔を固定(あるいは一体化)する方法の一例を説明する断面図である。
まず図4(A)に示すように、半硬化樹脂体14と、これを含浸させたガラス織布13と、からなるプリプレグ11の一面以上に銅箔23をセットする。そして、プレス22を、矢印15に示すように動かし、プリプレグ11の一面以上に銅箔23を貼り付ける。なお図4(A)(B)において、プレス22にセットする金型等は図示していない。そしてこれら部材を所定温度、加圧一体化する。その後、図4(B)に示すようにプレス22を矢印15の方向に引き離す。こうして銅箔23をプリプレグ11の一面以上に固定し、積層体24とする。このようにして接着剤等を用いずに銅箔23をプリプレグ11の上に固定することで、出来上がった積層体24の高熱伝導化を実現する。
次に積層体24の一面以上に固定した銅箔23を所定形状にパターニングする。なおパターニングの工程(フォトレジストの塗布、露光、現像、銅箔23のエッチング、フォトレジストの除去工程等)は図示していない。
次に図3(A)〜(C)を用いて、積層体24を積層し、4層のプリント配線板を作製する様子を説明する。
図3(A)〜(C)は、共に多層(例えば4層)プリント配線板を作製する様子を断面で説明する模式図である。
まず図3(A)に示すように、少なくともその一面以上に、銅箔23を所定パターン形状に加工した積層体24を用意する。そしてこの積層体24を挟むように、プリプレグ11をセットする。更にプリプレグ11の外側に、銅箔23をセットする。なお市販の銅箔23を用いる場合、その粗面側をプリプレグ11側にセットすることで、銅箔23とプリプレグ11との接着力(アンカー効果)を高められる。そしてこの状態でプレス装置(図示していない)を用いて、これら部材を加圧、加熱、一体化する。このプレス時に加熱することで、プリプレグ11に含まれる半硬化樹脂体14が軟化し、プリプレグ11上に固定した銅箔23のパターンの埋め込み(あるいはパターンによる段差の埋め込み)や、銅箔23との密着力を高める効果が得られる。また接着剤を用いることなく、銅箔23を固定する効果も得られる。こうして積層体24を作製する。
次にこの積層体24の所定位置に孔25を形成し、図3(B)の状態とする。図3(B)において、孔25はドリルやレーザー等(共に図示していない)で形成したものである。
その後、孔25の内壁等に銅メッキを行い、図3(C)の状態とする。図3(C)に示すように、銅メッキ部26によって、内層や表層に形成した銅箔23の間の層間接続を行う。次にソルダーレジスト(図示していない)等を形成することで、プリント配線板27を完成させる。
次に、半硬化樹脂体14やコンポジット材20を構成する部材について詳細に説明する。
コンポジット材20としては、エポキシ樹脂を主体とする熱硬化性樹脂に、熱伝導性を高める無機フィラー、さらに無機フィラー同士を強固に結合させるための表面処理剤、さらにプリント配線板27の柔軟性(あるいは割れにくさ)を高めるために、ゴム樹脂等を添加したものを使うことができる。
まず、ゴム樹脂を添加する場合について説明する。ここで、ゴム樹脂としては、NBR(ニトリルゴム)等を用いることができる。
ニトリルゴム(NBR)以外にも、ゴム樹脂としては水素化ニトリルゴム(HNBR)、ふっ素ゴム(FKM、FFKM)、アクリルゴム(ACM)、シリコーンゴム(VMQ、FVMQ)、 ウレタンゴム(AU、EU)、エチレンプロピレンゴム(EPM、EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、クロロスルフォン化ポリエチレン(CSM)、 エピクロルヒドリンゴム(CO、ECO)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、 ブタジエンゴム(BR)、ノルボルネンゴム(NOR)、熱可塑性エラストマー(TPE)等から一つ以上を選ぶことができる。
またこれらのゴム樹脂は、微粒子状で添加しても良い。微粒子状で添加することで、少ない添加量で、機械強度を向上させる効果が得られる。これは微粒子で添加することで、エポキシ樹脂とゴム樹脂との界面が増加するためと考えられる。なおゴム樹脂の粒径は0.1μm以上10μm以下(望ましくは1μm以下)が望ましい。粒径が0.1μm未満のゴム樹脂は特殊で高価な場合がある。また粒径が10μmを超えると、プリプレグ11の薄層化に影響を与える場合がある。
次に熱可塑性樹脂を添加する場合について説明する。例えばコンポジット材20として、エポキシ樹脂を主体とする熱硬化性樹脂に、熱伝導性を高めるための無機フィラー、プリント配線板としての成形性を高めるために、ゴム樹脂のかわりに熱可塑性樹脂を添加することができる。なお熱可塑性樹脂のTg(Tgはガラス転移温度)は130℃以下の熱可塑性樹脂を添加したものを使うことができる。また半導体の使用上限温度が125℃であるため、125℃を超える必要が無い。そのためTgを125℃以下(バラツキを考慮すると130℃以下)とすることで、それ以下の温度でプリント配線板に一定の柔軟性(あるいは丈夫さ、耐衝撃性)を与えられる。なおプリント配線板(あるいはプリプレグ11)の長期の保存性を考えた場合、熱可塑性樹脂のTgは50℃以上にすることも可能である。
なおゴム樹脂同様に熱可塑性樹脂も、微粒子状態として、エポキシ樹脂等にて添加しても良い。こうすることで、少量でも機械強度の改善効果が得られる。またゴム樹脂、熱可塑性樹脂の併用、更には他の微粒子系の樹脂(例えば、コアシェル構造の微粒子、あるいはアクリレート系共重合体、PMMA等の微粒子)を添加しても、同様な機械強度の改善効果が得られる。
更に熱可塑性樹脂の一種であるアクリル系樹脂を微粒子形状とし、これを応力緩和剤、複合材料強化材の用途のため添加することもできる。この場合も、その粒径は0.1μm以上10μm以下(望ましくは5μm以下、更には1μm以下)が望ましい。粒径が0.1μm未満のものは、エポキシ樹脂中への分散が難しい場合がある。また粒径が10μmを超えると、熱伝導性や成形性に影響を与える場合がある。なおアクリル系の樹脂は、熱可塑性の樹脂である。また熱可塑性の樹脂を、微粒子状態で添加する場合、これら樹脂の添加量を減らすことができる。これは、微粒子で添加することで、主成分となるエポキシ樹脂等との界面が増加するためである。
なおこれらゴム樹脂、熱可塑性樹脂、あるいは微粒子等の添加による柔軟性の改善は、エポキシ樹脂の硬化後(例えば、プリント配線板27の状態)のみならず、エポキシ樹脂の半硬化状態(例えば、プリプレグ11の状態)でも発現できる。その結果、プリプレグ11の柔軟性を大幅に改善できる。なおエポキシ樹脂中に、ゴム樹脂や熱可塑性樹脂を微粒子状で添加し、硬化した場合、その断面をSEM(電子顕微鏡)観察した場合にこれら微粒子が観察できないもの(あるいは分子レベルで界面が消失するもの)とすることが望ましい。硬化後にこれら微粒子がそのまま微粒子状態で残った場合、その界面に応力集中する可能性があるためである。
また発明者らの実験では、これら部材の添加によって、柔軟性の改善のみならず、耐白化性(白化とは、例えばガラス繊維12と、半硬化樹脂体14や硬化済の樹脂部分と、の剥離を言う)を高める効果も得られることが判った。これは、無機フィラーを添加したことによるガラス繊維12と樹脂部分との接着力への影響や熱膨張係数の変化に対して、添加したゴム樹脂、熱可塑性樹脂、あるいはこれら樹脂材料を添加することで接着強化あるいは応力緩和等の効力があったためと思われる。その結果、実施の形態で提案するプリプレグ11を複数枚積層、硬化する場合に、例え積層条件等に色々な変動が発生した場合であっても白化の抑制効果が得られる。
なおエポキシ樹脂の内、40重量%以上を結晶性エポキシ樹脂とすることで、樹脂部分での熱伝導率を高めることができる。結晶性エポキシ樹脂の、エポキシ樹脂全体に占める割合が40重量%未満の場合、結晶性エポキシ樹脂の添加効果が得られない場合がある。またエポキシ樹脂全てを(あるいは100重量%を)結晶性エポキシとすることで、熱伝導を高められる。また硬化後の結晶性エポキシ樹脂は、場合によっては割れやすくなる場合があるが、ゴム樹脂や熱可塑性樹脂等を添加することで、割れにくくできる。なおこれらを微粒子として添加することで、熱伝導に対する影響を抑えられる。
(化1)(化2)は、共に結晶性エポキシ樹脂の一例を示す構造式である。(化1)は、主剤の構造式を示しており、結晶性エポキシ樹脂の構造式におけるXは、S(硫黄)もしくはO(酸素)、C(炭素)、なし(短結合)である。またR1、R2、R3、R4はCH3、H、t−Bu等である。またR1〜R4は同じであっても良い。
(化2)は、結晶性エポキシ樹脂の硬化に用いる硬化剤の構造式である。(化2)の構造式においてXは、S(硫黄)、O(酸素)もしくはなし(短結合)である。(化1)の主剤と、(化2)の硬化剤を混合し、重合させたものも結晶性エポキシ樹脂と呼ぶ。
Figure 2009173726
Figure 2009173726
なお主剤と硬化剤の割合は、エポキシ当量から計算する。また硬化剤としてメソゲン骨格を有するものであれば、(化2)以外の硬化剤を使っても良い。なお結晶性エポキシ樹脂としては、(化3)〜(化8)に示したものも使うことができる。
Figure 2009173726
Figure 2009173726
Figure 2009173726
Figure 2009173726
Figure 2009173726
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(化3)〜(化8)は、共に結晶性エポキシ樹脂の一例を示す構造式である。
このような結晶性エポキシ樹脂は、融点が50〜121℃程度で、更に溶解粘度も低い(例えば、150℃における粘度は6〜20mPa・s)ため、無機フィラーを混合、分散させやすい効果が得られる。なおこれら結晶性エポキシ樹脂の重合度は20以下(更に10以下、望ましくは5以下)が適当である。重合度が20より大きい場合、分子が大きくなりすぎて結晶化しにくくなる場合がある。
なお結晶性エポキシ樹脂を用いた場合、ここに添加する熱可塑性樹脂にフェニル基を有したものを用いることで、その熱伝導率と機械強度の両方を向上させることができる。次に、熱可塑性樹脂にフェニル基を有したものを添加する効果について説明する。
結晶性エポキシ樹脂(フェニル基を有するものが望ましい)に、同じフェニル基を有した熱可塑性樹脂を添加することで、結晶性エポキシの結晶性を保持しながら、その柔軟性を高めることができる。ここでフェニル基を有した熱可塑性樹脂としては、PPE(ポリフェニレンエーテル、polyphenylene ether)、PPS(ポリフェニレンスルフィド)、PES(ポリエーテルスルホン)等のフェニル基を主鎖に含んだ熱可塑性樹脂を用いることができる。こうした熱可塑性樹脂は、エポキシ樹脂に添加しても、熱伝導性に影響を与えにくい。またこうした熱可塑性樹脂を添加することで、出来上がったプリント配線板27の機械強度(例えば割れにくさ)を高める効果が得られる。
次にゴム樹脂や、熱可塑性樹脂等と、エポキシ樹脂の比率について説明する。全樹脂に対して、ゴム樹脂や熱可塑性樹脂のいずれか一方だけの添加量は、1重量%以上10重量%以下の範囲内とすることが望ましい。ゴム樹脂や熱可塑性樹脂のいずれか一方だけの添加量が、全樹脂に対して1重量%未満の場合、添加効果が得られない場合がある。またゴム樹脂や熱可塑性樹脂のいずれか一方だけの添加量が、10重量%を超えると、エポキシ樹脂の割合が低下するため、できあがったプリント配線板27の熱伝導率が影響を受ける可能性がある。
なおこれら部材を、微粒子として添加することで、添加量を減らすことができる。この場合、ゴム樹脂や熱可塑性樹脂のいずれか一方だけの添加量の加減を、0.5重量%以上とすることができる。0.5重量%未満の場合、微粒子として添加してもその効果が得られない場合がある。なおゴム樹脂と、熱可塑性樹脂の両方を組み合わせることも可能である。
また無機フィラーの平均粒径は、0.01μm以上50μm以下、さらに好ましくは0.1μm以上5μm以下の範囲が望ましい。平均粒径が小さいほど比表面積が増えるため、放熱面積が増え、放射効率が高まるが、平均粒径が0.01μm以下になると、比表面積が大きくなり、コンポジット材20の混練が難しくなる。また50μmを超えると、ガラス織布13に形成した開口部18への充填が難しくなる。
なお無機フィラーの充填率を増加するために、異なる粒度分布を有する複数種の無機フィラーを選び、これらを混合して使用しても良い。
次に、作製したプリント配線板27の特性の測定結果の一例について詳細に説明する。
プリプレグ11を用いてプリント配線板27を作製する場合、プリント配線板として要求される一定の物理的強度(例えば、曲げに対する強度)が必要となる。これらの強度等の評価であるが、ガラス織布13にコンポジット材20を含浸させた状態で特性を評価すると、ガラス織布13の影響が大きく、プリプレグ11自体、あるいはこれを硬化してなるプリント配線板27の単体での特性(割れにくさ、欠けにくさ等)の評価が難しい場合がある。そこで実験としてガラス織布13を用いない半硬化樹脂体14部分だけについて、作製し、評価を行った。
なおガラス織布13(不織布も含む)にコンポジット材20を含浸させ、半硬化樹脂体14とすることで、プリプレグ11やこれを硬化してなるプリント配線板27等が高強度化することは言うまでもない。
ここで、実験として無機フィラーとして粒径がそれぞれ1〜10μmの酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウムに対して、それぞれにリン酸エステルを用いて表面処理を施した後、所定のエポキシ樹脂、硬化剤と混合し、これを溶剤に溶解しコンポジット材を得た。得られたコンポジット材を熱硬化させ、曲げ強度の評価を行った。
図5は、曲げ強度の評価方法の一例を示す模式図である。図5において、28は治具である。治具28の間に得られたコンポジット材20をセットし、矢印15で示す方向に治具28を用いて、コンポジット材20を曲げる。発明者らの実験では、3〜4mm曲げた時点で、表面処理を施していない従来品は折れた(割れた)。一方、本発明のコンポジット材では、5〜6mm曲げても折れず、機械強度の改善効果を確認した。なお試料サイズは、40mm×4mm×t2mmである。
以上のようにして、硬化後の熱伝導率が0.5W/(m・K)以上20W/(m・K)以下となるプリプレグであって、このプリプレグは、開口率が50%以下で、かつ厚みが10μm以上300μm以下のガラス織布と、このガラス織布に含浸した半硬化樹脂体とからなり、前記半硬化樹脂体は、半硬化状態の樹脂と、この樹脂中に分散したアルミナ、窒化アルミ、窒化ホウ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化錫、ジルコン珪酸塩、酸化マグネシウムから選ばれた少なくとも1種類以上からなる無機フィラーと、上記無機フィラーはリン酸エステル、カルボン酸エステル、スルホン酸エステルから選ばれた少なくとも1種類以上の表面処理剤により表面処理を施され、この表面処理剤によって、厚み方向において強固な結合力が働き、折り曲げ時などの機械強度が向上し、高熱伝導性と機械強度に優れたプリント配線板を安価に提供できる。
またプリプレグに占める無機フィラーの割合は、前記プリプレグ全体の20体積%以上60体積%以下とすることで、プリプレグの熱伝導と柔軟性を両立する事ができる。
またプリプレグに占めるコンポジット材の割合は、前記プリプレグ全体の60体積%以上90体積%以下とする(つまりプリプレグ全体のガラス繊維の割合を10体積%以上40体積%以下とする)ことで、プリプレグの熱伝導と柔軟性を両立できる。
また、ガラス織布または不織布を構成するガラス繊維としては、結晶化ガラス繊維、石英ガラス繊維、強化ガラス繊維のいずれか一つ以上の繊維からなる請求項1に記載のプリプレグとすることで、ガラス織布の開口率を高めた場合でも、その強度を保てる。
また、半硬化樹脂体は、少なくとも半硬化状態のエポキシ樹脂と、その中に分散されたアルミナ、窒化アルミ、窒化ホウ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化錫、ジルコン珪酸塩、酸化マグネシウムから選ばれた少なくとも1種類以上からなる無機フィラーと、からなるプリプレグとすることで、プリント配線板の熱伝導率を高められると共に、その強度を高められる。
また、半硬化樹脂体は、少なくとも半硬化状態のエポキシ樹脂と、ゴム樹脂と、その中に分散されたアルミナ、窒化アルミ、窒化ホウ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化錫、ジルコン珪酸塩、酸化マグネシウムから選ばれた少なくとも1種類以上からなる無機フィラーと、リン酸エステル、カルボン酸エステル、スルホン酸エステルから選ばれた少なくとも1種類以上からなる表面処理剤で表面処理された前記無機フィラーと、からなるプリプレグとすることで、プリント配線板の熱伝導率を高められると共に、その強度を高められる。
また、半硬化樹脂体は、少なくとも半硬化状態のエポキシ樹脂と、熱可塑性樹脂と、その中に分散されたアルミナ、窒化アルミ、窒化ホウ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化錫、ジルコン珪酸塩、酸化マグネシウムから選ばれた少なくとも1種類以上からなる無機フィラーと、リン酸エステル、カルボン酸エステル、スルホン酸エステルから選ばれた少なくとも1種類以上からなる表面処理剤で表面処理された前記無機フィラーと、からなるプリプレグとすることで、プリント配線板の熱伝導率を高められると共に、その強度を高められる。
エポキシ樹脂の内、60重量%以上100重量%以下は、結晶性エポキシ樹脂とすることで、プリント配線板の熱伝導率を高められる。
結晶性エポキシ樹脂の重合度は20以下であるプリプレグとすることで、プリント配線板の熱伝導率を高められる。
熱硬化後の熱伝導率が0.5W/(m・K)以上20W/(m・K)以下となる、樹脂とその中に分散された無機フィラーと、その無機フィラーに吸着した表面処理剤と、からなるコンポジット材を用意する工程と、前記コンポジット材を、開口率が50%以下で、かつ厚みが10μm以上300μm以下のガラス織布に含浸させた後、前記コンポジット材を半硬化状態にする工程とを有するプリプレグの製造方法とすることで、放熱性に優れたプリント配線板を安価に製造できる。
硬化後の熱伝導率が0.5W/(m・K)以上20W/(m・K)以下となるプリプレグと、銅箔と、を複数枚積層し硬化してなるプリント配線板であって、前記プリプレグは、開口率が50%以下で、かつ厚みが10μm以上300μm以下のガラス織布と、このガラス織布に含浸した半硬化樹脂体とからなり、前記半硬化樹脂体は、半硬化状態の樹脂と、この樹脂中に分散した無機フィラーと、その無機フィラーへの表面処理剤と、からなるプリント配線板を提供することで、携帯電話、プラズマテレビ、電装品、産業用の放熱が要求される機器の小型化、高性能化を実現できる。
以上のように、本発明にかかるプリプレグ及びその製造方法とこれを用いたプリント配線板を用いることによって、携帯電話、プラズマテレビ、あるいは電装品、あるいは産業用等の放熱が要求される機器の小型化、高性能化が可能となる。
本発明の実施の形態におけるプリプレグの断面図、拡大図および上面図 本発明の実施の形態におけるプリプレグの製造方法の一例を断面で説明する模式図 本発明の実施の形態における多層プリント配線板を作製する様子を断面で説明する模式図 本発明の実施の形態におけるプリプレグの表面に銅箔を固定(あるいは一体化)する方法の一例を説明する断面図 本発明の実施の形態におけるプリント配線板の曲げ強度の評価方法を断面で示す模式図 従来の熱伝導性を高める方法を示す断面図 従来のプリプレグの一例を示す断面図
符号の説明
1 磁石
2 磁力線
3 金型
4 樹脂
5 従来のプリプレグ
7 熱硬化性樹脂層
8 無機質充填材添加熱硬化性樹脂層
11 プリプレグ
12 ガラス繊維
13 ガラス織布
14 半硬化樹脂体
15 矢印
16 縦糸
17 横糸
18 開口部
19 ロール
20 コンポジット材
21 槽
22 プレス
23 銅箔
24 積層体
25 孔
26 銅メッキ部
27 プリント配線板
28 治具
29 無機フィラー
30 表面処理剤

Claims (13)

  1. 硬化後の熱伝導率が0.5W/(m・K)以上20W/(m・K)以下となるプリプレグであって、このプリプレグは開口率が50%以下であり、厚みが10μm以上300μm以下のガラス織布と、
    このガラス織布に含浸されたコンポジット材とからなり、
    前記コンポジット材は半硬化状態の樹脂体と、その樹脂体中に分散された、アルミナ、窒化アルミ、窒化ホウ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化錫、炭素、ジルコン珪酸塩、酸化マグネシウムから選ばれた少なくとも1種類以上からなる無機フィラーとからなり、
    前記無機フィラーはリン酸エステル、カルボン酸エステル、スルホン酸エステルから選ばれた少なくとも1種類以上の表面処理剤により表面処理を施されていることを特徴とするプリプレグ。
  2. 前記表面処理を施された無機フィラーが、表面処理剤を通して熱的に結合している、請求項1に記載のプリプレグ。
  3. ガラス織布は開口率が25%〜50%からなる請求項1に記載のプリプレグ。
  4. ガラス織布は、結晶化ガラス繊維、石英ガラス繊維、強化ガラス繊維のいずれか一つ以上のガラス繊維からなる請求項1に記載のプリプレグ。
  5. 請求項1に記載の表面処理剤の中から、同じ表面処理剤を用いて無機フィラーおよびガラス織布に表面処理を施している、請求項1に記載のプリプレグ。
  6. 請求項1に記載の樹脂体はエポキシ樹脂と硬化剤である、請求項1に記載のプリプレグ。
  7. エポキシ樹脂のうち、40体積%以上は、結晶性エポキシ樹脂である請求項6に記載のプリプレグ。
  8. プリプレグに占める半硬化樹脂体は、少なくともエポキシ樹脂と硬化剤とからなる樹脂体と、ガラス転移温度が50℃以上130℃以下の熱可塑性樹脂と、ゴム成分の、少なくとも1種類以上からなる、請求項1に記載のプリプレグ。
  9. プリプレグに占めるフィラの体積充填率は、プリプレグ全体の20体積%以上60体積%以下である請求項1に記載のプリプレグ。
  10. プリプレグに占めるコンポジット材の体積充填率は、プリプレグ全体の60体積%以上90体積%以下である請求項1に記載のプリプレグ。
  11. 結晶性エポキシ樹脂が、以下の構造式である請求項7に記載のプリプレグ。
    Figure 2009173726
  12. 少なくとも、無機フィラーに表面処理剤により表面処理を行う工程と、
    硬化後の熱伝導率が0.5W/(m・K)以上20W/(m・K)以下となる樹脂体とその樹脂体に分散された前記表面処理を施された無機フィラーとからなるコンポジット材を用意する工程と、
    前記コンポジット材を、開口率が50%以下で、かつ厚みが10μm以上300μm以下のガラス織布に含浸させる工程と、
    前記樹脂体を半硬化状態とする工程と、
    を有するプリプレグの製造方法。
  13. 硬化後の熱伝導率が0.5W/(m・K)以上20W/(m・K)以下となるプリプレグと、所定パターンに加工した銅箔と、
    を複数枚積層し硬化してなるプリント配線板であって、
    前記プリプレグは開口率が50%以下であって、かつ厚みが10μm以上300μm以下のガラス織布と、その樹脂体中に分散された表面処理剤により表面処理を施されている無機フィラーと、からなるプリント配線板。
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