JP6631902B2 - 回路基板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、回路基板の製造方法に関する。
電子機器の小型化、多機能化、通信高速化などの追求にともない、電子機器に用いられる回路基板のさらなる高密度化および優れた高周波特性が要求されている。
高密度化の要求に応えるために、両面銅張積層板の上下面の銅箔を所望の回路パターンに形成したコア基板の上下面にプリプレグおよび銅箔を重ね合わせた多層プリント配線基板が用いられている。このような多層プリント配線基板は、コア基板、プリプレグおよび銅箔を1度のプロセスで積層一体化する一括積層プレス工法により作製されている(特許文献1)。
一方、高周波特性に優れた金属張積層板として、特許文献2には、熱可塑性樹脂からなる内部コア層に表面層としての熱硬化性樹脂または熱硬化性樹脂含浸基材層、さらに最外層の金属箔とを配設一体化成形してなる両面金属張積層板が記載されている。
特開2003−347740号公報 特開平4−291782号公報
特許文献2に記載のような、熱可塑性樹脂を含む絶縁層を有する両面金属張積層板の金属箔をエッチングして回路形成した基板をコア基板として用いて、一括積層プレス工法により得られる多層回路基板は、熱硬化性樹脂の硬化物からなる絶縁層を有するコア基板を用いた多層回路基板に比べて高周波特性に優れていると言われている。
しかしながら、熱可塑性樹脂を含む絶縁層を有するコア基板を用いた多層回路基板は、厚み方向(Z方向)と垂直なX−Y平面方向における前記コア基板両面の回路パターンの位置精度に、一括積層プレス成形の過程で狂いが生じる恐れがあるという問題があった。このため、各層の回路間をビア等で層間接続するときに接続不良が発生するおそれがある。
この現象について図2を用いて説明する。図2中の各符号に関して、100は多層回路基板、111は熱可塑性樹脂を含む絶縁層、112は所定パターンの第一の回路、113は所定パターンの第二の回路、110は絶縁層111と第一の回路112と第二の回路113を有するコア基板、120は銅箔、130は熱硬化性樹脂を含むプリプレグ、130aはプリプレグの硬化物(絶縁層)を示している。
図2Aに示すように、コア基板110の上下面にそれぞれプリプレグ130および銅箔120をこの順となるように重ね合わせ、これを熱板間に配置し、加熱プレスにより加熱加圧成形することによってこれらを積層一体化する。
この際、図2Aに示すように、絶縁層111はプリプレグ130,130同士に挟まれた状態で加熱加圧成形されるが、熱可塑性樹脂は弾性率が低く且つ高温下で更に弾性率が低下して軟化しやすい性質を有するため絶縁層111は変形しやすくなる。また同時に、コア基板110の両面に配置されたプリプレグ130,130も加熱過程で熱硬化性樹脂が一旦溶融状態となり、回路間を充填しながら中心部から周辺部に向かって流動するため、この樹脂流動に伴う応力が第一の回路112と第二の回路113に対してX−Y平面方向に作用する。このとき、絶縁層111は熱可塑性樹脂が軟化して第一の回路112及び第二の回路113に対する支持力が低下しているため、樹脂流動による応力によって絶縁層111が変形して回路の位置が移動すると考えられる。さらにこの状態で、プリプレグ130の硬化が進行して固まると、図2Bに示すように、得られる多層回路基板100において、コア基板110の表裏における、第一の回路112と第二の回路113との位置ズレを生じる結果となると考えられる。この現象は、熱硬化性樹脂を有するプリプレグ130の代わりに熱可塑性樹脂を繊維基材に含浸したプリプレグを使用する場合や、繊維基材を含まない樹脂接着シートを使用する場合にも、同様に起こり得ると考えられる。なお、コア基板110の絶縁層111の形状保持が困難になるほどの高温で加熱加圧成形が行われることは通常ないため、この位置ズレは必ずしも大きなものではない。しかしながら、近年の多層プリント配線板では、回路パターンの微細配線化が進んでいるため、この問題は回路間の接続信頼性を確保する上で無視できないものとなってきている。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、高周波特性に優れ、かつ回路パターンの位置精度が良好な回路基板の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明に係る回路基板の製造方法は、熱可塑性樹脂を含む絶縁層と、第一の表面側において前記絶縁層の一表面に形成された所定パターンの第一の回路と、第二の表面側におい
て前記絶縁層の他の表面に接合された平面状の金属層とを有するコア基板を準備する工程と、前記コア基板の第一の表面に、前記熱可塑性樹脂の軟化点よりも軟化点が低い樹脂成分を含む第一の接着層および第一の金属箔のみをこの順に配置し、加熱加圧成形することによってこれらを積層一体化させる第一の成形工程と、前記第一の成形工程で得られた積層体において、前記金属層をパターン加工して前記コア基板の第二の表面に第二の回路を形成した後、前記コア基板の第二の表面に、前記熱可塑性樹脂の軟化点よりも軟化点が低い樹脂成分を含む第二の接着層および第二の金属箔をこの順に配置し、加熱加圧成形することによってこれらを積層一体化させる第二の成形工程と、を含む。
本発明によれば、高周波特性に優れ、かつ回路パターンの位置精度が良好な回路基板を製造することができる。すなわち、前記第一の成形工程において、コア基板の第二の表面側は、平面状の前記金属層によって支持されているので、加熱加圧成形時に前記熱可塑性樹脂が低弾性率化して軟化しても前記絶縁層の変形が抑制され、前記第一の回路の位置ズレも抑制される。さらに、前記第二の成形工程において、前記コア基板の第一の表面側は、前記第一の接着層の硬化層によって支持されているので、加熱加圧成形時に前記熱可塑性樹脂が低弾性率化して軟化しても絶縁層の変形が抑制され、前記第二の回路の位置ズレも抑制される。このように、本発明によれば、高周波特性に優れる熱可塑性樹脂を含むコア基板を用いても、前記第一の金属箔および前記第二の金属箔を前記絶縁層に対して片側ずつ成形するので、前記絶縁層の表裏において、前記第一の回路および前記第二の回路の位置ズレが生じにくい。そのため、前記コア基板の厚み方向(Z方向)と垂直なX−Y平面方向における前記第一の回路および前記第二の回路の位置精度が高く、電気的な信頼性が高い回路基板とすることができる。
図1A〜Eは、本発明の一実施形態に係る回路基板の製造方法を説明するための説明図である。 図2A,Bは、一括積層プレス工法を用いた従来の回路基板の製造方法の加熱加圧工程を説明するための説明図である。
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
[本発明の一実施形態]
図1は、本発明の一実施形態(以下、本実施形態)に係る製造方法を説明するための説明図である。
本実施形態に係る回路基板の製造方法は、図1Eに示す、絶縁層11と、第一,第二の回路12,13aと、第一,第二の硬化層30a,50aと、第一,第二の金属箔20,40とを備える回路基板1を製造する方法である。具体的には、本実施形態に係る回路基板の製造方法は、下記の工程(I)ないし(III)を含む。
ここで、第一の表面側11Xとは、絶縁層11に対して第一の回路12が形成されている側であり、第二の表面側11Yとは、絶縁層11に対して金属層13が接合されている側をいう。
(I)熱可塑性樹脂を含む絶縁層11と、第一の表面側11Xにおいて絶縁層11の一表面に形成された所定パターンの第一の回路12と、第二の表面側11Yにおいて絶縁層11の他の表面に接合された平面状の金属層13とを有するコア基板10を準備する工程。
(II)コア基板10の第一の表面に、前記熱可塑性樹脂の軟化点よりも軟化点が低い樹脂成分を含む第一の接着層30および第一の金属箔20をこの順に配置し、加熱加圧成形することによってこれらを積層一体化させる第一の成形工程。
(III)第一の成形工程(II)で得られた積層体2において、金属層13をパターン加工してコア基板10の第二の表面に第二の回路13aを形成した後、コア基板10の第二の表面に、前記熱可塑性樹脂の軟化点よりも軟化点が低い樹脂成分を含む第二の接着層50および第二の金属箔40をこの順に配置し、加熱加圧成形することによってこれらを積層一体化させる第二の成形工程。
ここで、コア基板10の第一の表面は第一の回路12が形成された面であり、コア基板10の第二の表面は第二の回路13aが形成された面である。
[コア基板10を準備する工程(I)]
工程(I)では、コア基板10を準備する。コア基板10は絶縁層11を備え、絶縁層11の一方の表面に所定パターンの第一の回路12が形成されている。絶縁層11の他の表面には平面状の金属層13が接合されている。
絶縁層11は、熱可塑性樹脂(以下、熱可塑性樹脂Aと称する)を含む樹脂組成物により構成される。熱可塑性樹脂Aは熱硬化性樹脂よりも弾性率が低いので絶縁層11の線膨張係数を低減して回路基板1の反りを防止するのに有効であり、また絶縁層11の低誘電率化など誘電特性にも優れているため、これら特性に優れた回路基板1とすることができる。そのため、絶縁層11を構成する前記樹脂組成物中の樹脂成分は、熱硬化性樹脂を含まず、熱可塑性樹脂Aを主剤とするものであるのが好ましい。なお、前記樹脂成分として熱硬化性樹脂を含むことを妨げるものではないが、その場合、質量比で熱可塑性樹脂Aが熱硬化性樹脂よりも多いことが好ましい。
絶縁層11の厚みは、回路基板1の使用用途等に応じて適宜調整すればよく、好ましくは3〜750μm、より好ましくは5〜400μmである。
熱可塑性樹脂Aとしては、例えば、ポリアミド(PA)、ナイロン(登録商標)、ポリアセタール(POM)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE、変性PPE、m−PPO)、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、グラスファイバー強化ポリエチレンテレフタレート(GF−PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、環状ポリオレフィン(COP)などのエンジニアリングプラスチック、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、非晶ポリアリレート(PAR)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、熱可塑性ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)などのエンジニアリングプラスチックなどが挙げられる。なかでも、伝送損失を低減する点で誘電率が低い液晶ポリマーが好ましい。これらを単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。液晶ポリマーとしては、公知のものを目的に応じて使用可能であり、市販の液晶ポリマーであってもよい。液晶ポリマーの具体例としては、例えば、特開平9−309150号公報において例示されているもの等が挙げられる。
熱可塑性樹脂Aの軟化点は、回路基板1の使用用途により要求される耐熱性の水準が異なることから特に限定されないが、回路基板1における良好な耐熱性や機械的特性を確保する観点から、好ましくは230℃以上、より好ましくは250℃以上、さらに好ましくは280℃以上である。熱可塑性樹脂Aは高温域において弾性率の低下が大きくなり軟化しやすくなる傾向にあるが、熱可塑性樹脂Aの軟化点が高いほどこの傾向を緩和することができるため、上記範囲内であれば、工程(II),(III)において、加熱加圧成形における絶縁層11の変形をより効果的に抑制し、回路パターンの位置精度が高い回路基板1が得やすくなる。ここで「軟化点」は、ビカット軟化温度(Vicat Softening temp.)として計測可能なものであり、例えば、JIS K−7206(1999)にて規定される測定方法で計測できる。
前記樹脂組成物は、無機充填材をさらに含んでもよい。これにより、低線膨張率化、難燃性、熱伝導性等の特性を絶縁層11に付与することができる。
前記無機充填材としては、例えば、球状シリカ、破砕シリカ等のシリカ粒子、三酸化モリブデン、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸マグネシウム等のモリブデン化合物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、タルク、クレー、マイカ等が挙げられる。これらを単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
前記無機充填材の含有量は、特に制限は無く、目的に応じて設定することができるが、例えば、絶縁層11の樹脂成分の総質量に対して20〜200質量%で配合するとよい。
絶縁層11は、繊維基材を備えていてもよい。前記繊維基材としては、回路基板1の使用用途等により要求される特性に応じて適宜選定すればよく、例えば、無機繊維、有機繊維からなる織布や不織布を使用することができる。前記繊維基材の材質としては、ガラス等の無機繊維、アラミド、ポリエステル等の有機繊維などが挙げられる。前記繊維基材の厚みに特に制限はなく、例えば3〜200μmである。
第一の回路12は、所定のパターンに形成されたものである。パターンの形状は、回路基板1の使用目的等に応じた設計が行われるものであって、特に限定されない。第一の回路12を構成する材料としては、例えば、銅、銀、アルミニウム、ステンレスなどの金属配線、導電ペースト等を用いた印刷配線などが挙げられる。
第一の回路12の形成方法としては、例えば、フォトエッチング法、無電解めっき法を主体としてパターン形成する方法、スパッタや蒸着等の際にマスクを使用してパターン形成する方法などが挙げられる。特に、後述する金属層13と同様の金属層(金属箔)をパターン加工したものが好適である。
金属層13は平面状(平板状)であり、絶縁層11の他の表面に接合され、絶縁層11の他の表面の全面を覆っている。これにより、第一の成形工程(II)における加熱加圧成形時に、コア基板10の第二の表面側11Yは、平面状の金属層13によって支持されることになるので、熱可塑性樹脂Aが軟化しても絶縁層11の変形を抑制することができる。
金属層13を構成する材料としては、例えば、銅、銀、アルミニウム、ステンレスなどの金属箔が挙げられる。金属層13の厚みは、第二の成形工程(III)における加熱加圧成形の前後で平面状を維持できる厚みであれば特に限定されず、好ましくは2〜400μmである。金属層13は、例えば、電解法により得られる電解金属箔であっても、圧延法により得られる圧延金属箔であってもよい。
[第一の成形工程(II)]
(配置)
第一の成形工程(II)では、まず、図1Aに示すように、コア基板10の第一の表面に、第一の接着層30および第一の金属箔20をこの順に重ね合わせて配置する。
第一の接着層30は、熱可塑性樹脂Aの軟化点よりも軟化点が低い樹脂成分を含む樹脂組成物(a)をシート状にした絶縁材料である。樹脂組成物(a)としては、例えば、樹脂成分における主成分が未硬化または半硬化状態の熱硬化性樹脂であるもの、又は、熱可塑性樹脂を主成分とするものを用いることができる。ここで、前記樹脂成分の軟化点は、熱可塑性樹脂Aと同様に、ビカット軟化温度として計測可能である。
樹脂組成物(a)の樹脂成分が熱硬化性樹脂を主成分とする場合、樹脂組成物(a)は、未硬化または半硬化状態の熱硬化性樹脂を必須成分とし、硬化剤、硬化促進剤、無機充填材、難燃剤等を目的に応じて適宜添加して調製することができる。この樹脂組成物(a)にはさらに少量の熱可塑性樹脂を含有させることもできる。この場合、前記樹脂成分の軟化点は、未硬化または半硬化状態の熱硬化性樹脂を主成分とするためにビカット軟化温度の測定サンプルを作成しにくい場合も想定されるが、そのような場合には、前記樹脂成分の溶融開始温度を軟化点の近似値として代用するとよい。
前記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、シアネートエステル樹脂、多官能性マレイミド樹脂、低分子量ポリフェニレンエーテル樹脂、末端不飽和官能基変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、ビニルエステル樹脂等が挙げられる。中でも特にエポキシ樹脂が好ましい。前記熱硬化性樹脂は臭素化、リン変性等により難燃化されていてもよい。これら熱硬化性樹脂は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。
前記硬化剤としては、前記熱硬化性樹脂と反応して架橋構造を形成しうるものであれば特に限定されず、前記熱硬化性樹脂の種類に応じて適宜選定すればよい。例えば、前記熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂を含む場合は、例えば第1級アミンや第2級アミンなどのジアミン系硬化剤、2官能以上のフェノール系硬化剤、酸無水物系硬化剤、ジシアンジアミド、低分子量ポリフェニレンエーテル化合物などを挙げることができる。これらの硬化剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記硬化促進剤としては、例えば、2−エチル−4−メチルイミダゾール(2E4MZ)等のイミダゾール系化合物、第3級アミン系化合物、有機ホスフィン化合物、金属石鹸等が挙げられる。
前記無機充填材としては、例えば、シリカ、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン等の金属酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、窒化ホウ素、ホウ酸アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビスマス、タルク、クレー、雲母粉などが挙げられる。これらの中でもシリカが特に好適である。
前記難燃剤としては、臭素含有化合物等のハロゲン系難燃剤、リン含有化合物及び窒素含有化合物等の非ハロゲン系難燃剤などが挙げられる。
樹脂組成物(a)の樹脂成分が熱可塑性樹脂を主成分とする場合、樹脂組成物(a)は、コア基板10の絶縁層11が含有する熱可塑性樹脂Aの軟化点よりも低い軟化点を有する他の熱可塑性樹脂(以下、熱可塑性樹脂Bと称する)を必須成分とし、無機充填材、難燃剤等を目的に応じて適宜添加して調製することができる。この樹脂組成物(a)にはさらに少量の熱硬化性樹脂を含有させることもできる。
熱可塑性樹脂Bの具体例としては、前述において熱可塑性樹脂Aの具体例として例示したエンジニアリングプラスチックと同様のものが挙げられるが、軟化点が相対的に熱可塑性樹脂Aよりも低いものが選定される。
第一の接着層30は、コア基板10に重ね合わせて配置できるようにシート形状を有しているものが好適である。具体的には、例えば、繊維基材に樹脂組成物(a)を含浸したプリプレグ、樹脂フィルムや金属箔等の支持体に樹脂組成物(a)を塗布して形成された支持体付き樹脂シートなどが挙げられる。
第一の接着層30として前記プリプレグを用いる場合、前記繊維基材としては、コア基板10の説明にて挙げたものと同様のものが使用できる。また、第一の接着層30として前記支持体付き樹脂シートを用いる場合、コア基板10の第一の表面上に樹脂組成物(a)が接合されるように前記支持体付き樹脂シートを重ね合わせ、樹脂組成物(a)をコア基板10側に転写した後、前記支持体を剥離除去して使用するとよい。ここで、前記支持体として第一の金属箔20を用いることも可能であり、この場合、コア基板10の第一の表面上に重ね合わせた後に第一の金属箔20を剥離する必要は無く、そのまま後述の加熱加圧成形を行うことができる。
第一の接着層30の厚みは、特に制限はないが、第一の回路12の回路間を樹脂組成物(a)が充填し、且つ第一の回路12と第一の金属箔20との絶縁性を確保するために、第一の回路12の厚みよりも大きいことが好ましい。
第一の金属箔20としては、コア基板10の説明にて挙げたものと同様の金属箔を使用できるが、回路としてパターン加工を施して使用される場合には、銅箔が好適である。特に、微細配線回路とする場合には、厚み10μm以下の薄銅箔を用いるか、或いは極薄銅箔と支持体銅箔とを剥離可能に接合したキャリア付き銅箔を用いるとよい。
第一の金属箔20において、第一の接着層30に対向して配置される面は、粗化処理されたマット面であるのが好ましい。これにより、アンカー効果で、第一の金属箔20と第一の硬化層30aとのピール強度を向上させることができる。
(加熱加圧成形)
第一の成形工程(II)では、図1Aに示すように配置した、コア基板10、第一の接着層30および第一の金属箔20を加熱加圧成形することによって、これらを積層一体化する。これにより、図1Bに示すように、第一の表面側11Xの絶縁層11の一表面に第一の回路12、第一の硬化層30aおよび第一の金属箔20をこの順で有し、第二の表面側11Yの絶縁層11の他の表面に平面状の金属層13を有する積層体2が得られる。
この加熱加圧成形時において、第一の接着層30は樹脂組成物(a)中に含まれる樹脂成分が軟化又は溶融状態となり、第一の回路12間を充填しながらコア基板10の中心部から周辺部に向かって流動する。そして、この樹脂流動に伴う応力が第一の回路12に対して、コア基板10の厚み方向(Z方向)と垂直なX−Y平面方向に作用する。このとき、コア基板10の第二の表面側11Yは、平面状の金属層13によって支持されているので、この樹脂流動による応力に起因して絶縁層11が変形するのが防止され、第一の回路12の位置ズレが生じにくい。すなわち、加熱加圧成形時に第一の接着層30が軟化又は溶融状態となって流動しても絶縁層11の変形が抑制され、第一の回路12の位置ズレも抑制される。
コア基板10、第一の接着層30および第一の金属箔20を加熱加圧成形する方法としては、例えば、熱板間にコア基板10、第一の接着層30および第一の金属箔20からなる第一積層体を挿入し、熱板を加熱昇温させて前記第一積層体を加熱すると同時に加圧圧締するホットプレス法(Open Type Hot Press)、真空ホットプレス法(Vacuum Type Hot Press)などが挙げられる。
加熱加圧成形の条件としては、絶縁層11や第一の接着層30の材質等に応じて適宜調整すればよいが、温度条件としては、第一の接着層30が含有する樹脂成分の軟化点よりも高く、且つ、コア基板10の絶縁層11を構成する熱可塑性樹脂Aの軟化点よりも低い温度範囲で設定されるのが好ましい。
例えば、絶縁層11を構成する熱可塑性樹脂Aの軟化点が310℃、第一の接着層30が含有する樹脂成分の軟化点が250℃の場合、加熱加圧成形の温度条件は、260℃〜300℃の範囲で設定するとよい。また、絶縁層11を構成する熱可塑性樹脂Aの軟化点が300℃、第一の接着層30が含有する樹脂成分の軟化点が120℃の場合(第一の接着層30が未硬化または半硬化状の熱硬化性樹脂を主成分とする場合など)は、130〜250℃の範囲で成形温度を設定するとよい。加熱加圧成形の圧力、成形時間は成形性等を考慮して適宜設定することができる。
[第二の成形工程(III)]
(パターン加工)
第二の成形工程(III)では、まず、第一の成形工程(II)で得られた積層体2において、金属層13をパターン加工してコア基板10の第二の表面に第二の回路13aを形成する。これにより、図1Cに示すように、第一の表面側11Xの絶縁層11の一表面に第一の回路12、第一の硬化層30aおよび第一の金属箔20をこの順で有し、第二の表面側11Yの絶縁層11の他の表面に第二の回路13aを有する積層体3が得られる。
第二の回路13aのパターンの形状は、回路基板1の使用目的に応じて適宜設定することができる。また、第二の回路13aのパターンの形状は第一の回路12と同じであっても異なる形状であっても構わない。パターン加工法としては、特に限定されず、例えば、フォトエッチング法などの公知の方法が挙げられる。
(配置)
第二の成形工程(III)では、図1Dに示すように、積層体3において、コア基板10の第二の表面に、第二の接着層50および第二の金属箔40をこの順に配置する。
第二の接着層50は、第一の接着層30と同様に、熱可塑性樹脂Aの軟化点よりも軟化点が低い樹脂成分を含む樹脂組成物(b)をシート状にした絶縁材料である。樹脂組成物(b)を構成する樹脂成分としては、第一の接着層30(樹脂組成物(a))の構成成分と同様のものを挙げることができる。また、樹脂組成物(b)の具体的な組成成分は、第一の接着層30(樹脂組成物(a))と同じであっても、異なるものであってもよく、回路基板1の使用目的に応じて決定することができる。
また、第二の接着層50の形態についても、第一の接着層30と同様に、プリプレグ、支持体付き樹脂シートなどが挙げられ、第一の接着層30と同一形態であっても、異なる形態であってもよく、回路基板1の使用目的に応じて決定することができる。
第二の金属箔40についても、第一の金属箔20と同様のものが挙げられ、第一の金属箔20と同一であっても、厚みや性状、形態が異なるものであってもよく、回路基板1の使用目的に応じて決定することができる。
(加熱加圧成形)
第二の成形工程(III)では、図1Dに示すように、積層体3、第二の接着層50および第二の金属箔40をこの順に配置し、さらに加熱加圧成形することによってこれらを積層一体化する。これにより、図1Eに示すように、第一の表面側11Xの絶縁層11の一表面に第一の回路12、第一の硬化層30aおよび第一の金属箔20をこの順で有し、第二の表面側11Yの絶縁層11の他の表面に第二の回路13a、第二の硬化層50aおよび第二の金属箔40をこの順で有する回路基板1が得られる。
この加熱加圧成形時において、第二の接着層50は樹脂組成物(b)が一旦溶融状態となり、第二の回路13a間を充填しながらコア基板10の中心部から周辺部に向かって流動する。そして、この樹脂流動に伴う応力が第二の回路13aに対してコア基板10の厚み方向(Z方向)と垂直なX−Y平面方向に作用する。このとき、コア基板10の第一の表面側11Xは、第一の回路12、第一の硬化層30aによって平面支持されているので、樹脂流動による応力に起因した絶縁層11の変形が起こりにくい。それ故、第二の回路13aの位置が移動しにくい。すなわち、加熱加圧成形時に熱可塑性樹脂Aが軟化しても絶縁層11の変形が抑制され、第二の回路13aの位置ズレも抑制される。したがって、この回路基板1は、第一の回路12および第二の回路13aの位置精度が高く、電気的な信頼性が高いものとなる。
積層体3、第二の接着層50および第二の金属箔40を加熱加圧成形する方法としては、例えば、第一の成形工程(II)における加熱加圧成形と同様にして実施できる。
回路基板1は、例えば、サブトラクティブ法等を使用して、回路基板1の第一の金属箔20および第二の金属箔40の一部をエッチングにより除去して回路を形成することによって、プリント配線板として使用することができる。この場合、層間の電気的接続のためのスルーホール又はブラインドバイアホールを形成するためにレーザー加工やドリル加工によりビア形成を行うことができるが、前述のように、第一の回路12および第二の回路13aの位置精度が高いため、層間接続の信頼性が高いものとなる。また、得られたプリント配線板は、その片面又は両面に、ビルドアップ法により、新たに樹脂層と回路を交互に積み上げた多層プリント配線板のコア基板として使用することができる。
1 回路基板
2,3 積層体
10 コア基板
11 絶縁層
12 第一の回路
13 金属層
13a 第二の回路
20 第一の金属箔
30 第一の接着層
30a 第一の硬化層
40 第二の金属箔
50 第二の接着層
50a 第二の硬化層

Claims (6)

  1. 熱可塑性樹脂を含む絶縁層と、第一の表面側において前記絶縁層の一表面に形成された所定パターンの第一の回路と、第二の表面側において前記絶縁層の他の表面に接合された平面状の金属層とを有するコア基板を準備する工程と、
    前記コア基板の第一の表面に、前記熱可塑性樹脂の軟化点よりも軟化点が低い樹脂成分を含む第一の接着層および第一の金属箔のみをこの順に配置し、加熱加圧成形することによってこれらを積層一体化させる第一の成形工程と、
    前記第一の成形工程で得られた積層体において、前記金属層をパターン加工して前記コア基板の第二の表面に第二の回路を形成した後、
    前記コア基板の第二の表面に、前記熱可塑性樹脂の軟化点よりも軟化点が低い樹脂成分を含む第二の接着層および第二の金属箔をこの順に配置し、加熱加圧成形することによってこれらを積層一体化させる第二の成形工程と、
    を含むことを特徴とする回路基板の製造方法。
  2. 前記熱可塑性樹脂は液晶ポリマーを含む
    請求項1に記載の回路基板の製造方法。
  3. 前記第一の接着層および第二の接着層は、前記樹脂成分として未硬化又は半硬化状の熱硬化性樹脂を含む
    請求項1又は2に記載の回路基板の製造方法。
  4. 前記第一の接着層および第二の接着層は、前記樹脂成分として前記熱可塑性樹脂の軟化点よりも軟化点が低い他の熱可塑性樹脂を含む
    請求項1又は2に記載の回路基板の製造方法。
  5. 前記絶縁層は厚みが3〜750μmである
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載の回路基板の製造方法。
  6. 前記第一の金属箔は、前記第一の接着層を介して前記コア基板の第一の表面を覆う
    請求項1乃至5のいずれか1項に記載の回路基板の製造方法。
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