JP6183743B2 - プリプレグ、金属張積層板、プリント配線板 - Google Patents

プリプレグ、金属張積層板、プリント配線板 Download PDF

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Description

本発明は、プリント配線板等の材料として用いられるプリプレグ及び金属張積層板、並びにこれらを用いて製造されるプリント配線板に関するものである。
プリント配線板は、例えばコンポジット積層板等を用いて製造されているが(例えば、特許文献1参照)、近年、電子機器が小型化するのに伴って、高い絶縁性が要求されている。特に電気自動車(EV:Electric Vehicle)やハイブリッド車(HEV:Hybrid Electric Vehicle)の用途においては、使用電圧の高電圧化が進み、さらなる耐トラッキング性の向上も要求されている。
特開平3−81140号公報
耐トラッキング性は、比較トラッキング指数(CTI:Comparative Tracking Index)を指標として評価される。一般的にCTI値の高い材料を用いて製造されたプリント配線板は耐熱性が低くなる傾向があるので、鉛フリーはんだを用いたはんだ付けに要求される高い耐熱性を十分に満たすことが困難である。耐熱性の高い材料として一般的にフェノール樹脂が知られているが、フェノール樹脂を用いたプリント配線板はCTI値が低くなる傾向がある。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、耐熱性及び耐トラッキング性を両立させることができるプリプレグ、金属張積層板、プリント配線板を提供することを目的とするものである。
本発明に係るプリプレグは、
ガラスクロスを内部に含む第1樹脂層と、
前記第1樹脂層の少なくとも片面に形成された第2樹脂層と、
を備え、
前記第2樹脂層の総厚みが6〜70μmであり、
前記第2樹脂層は、第2樹脂組成物の半硬化物からなり
前記第2樹脂組成物は、金属水酸化物を含有し、
前記第1樹脂層は、第1樹脂組成物の半硬化物を含み、
前記第1樹脂組成物は、式(1)の熱減量率が前記第2樹脂層における式(1)の熱減量率よりも小さくなるように金属水酸化物を含有し、
前記第1樹脂組成物の全固形成分に対する前記第1樹脂層における前記金属水酸化物の含有量は、前記第2樹脂組成物の全固形成分に対する前記第2樹脂層における前記金属水酸化物の含有量よりも少ない
ことを特徴とする。
(1)熱減量率=400℃での金属水酸化物の熱減量/樹脂層中の繊維基材を除いた固形成分の総質量
前記プリプレグにおいて、
前記第1樹脂層は、熱減量率が12%以下であり、
前記第2樹脂層は、熱減量率が15〜25%であることが好ましい。
前記プリプレグにおいて、
前記第2樹脂層が前記第1樹脂層の両面に形成されていることが好ましい。
前記プリプレグにおいて、
前記第2樹脂層が前記第1樹脂層の片面にのみ形成されていることが好ましい。
前記プリプレグにおいて、
前記第1樹脂層及び前記第2樹脂層は、前記樹脂成分として、エポキシ樹脂及びフェノール系硬化剤を含有することが好ましい。
本発明に係る金属張積層板は、
前記プリプレグの前記第2樹脂層に金属箔を重ねて加熱加圧成形して形成されていることを特徴とする。
本発明に係るプリント配線板は、
前記金属張積層板の前記金属箔の一部を除去して導体パターンが形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、耐熱性及び耐トラッキング性を両立させることができる。
本発明の実施の形態の一例を示すものであり、(a)はプリプレグの概略断面図、(b)は金属張積層板の概略断面図、(c)はプリント配線板の概略断面図である。 本発明の実施の形態の他の一例を示すものであり、(a)はプリプレグの概略断面図、(b)は金属張積層板の概略断面図、(c)はプリント配線板の概略断面図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明に係るプリプレグ1は、図1(a)や図2(a)に示すように、第1樹脂層51と、第2樹脂層52とを備えて形成されている。ここで、図1(a)は第2樹脂層52が第1樹脂層51の両面に形成されている例を示し、図2(a)は第2樹脂層52が第1樹脂層51の片面にのみ形成されている例を示している。
まず第1樹脂層51について説明する。第1樹脂層51は、第1樹脂組成物の半硬化物により構成され、その内部に繊維基材4を含んでいる。
第1樹脂組成物は、熱硬化性樹脂、硬化剤、硬化促進剤等を適宜の配合組成で含有するものである。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、イミド樹脂、ベンゾオキサジン樹脂等を用いることができる。これらの中でも特にエポキシ樹脂が好適に用いられる。熱硬化性樹脂は臭素化等により難燃化されていてもよい。硬化剤としては、熱硬化性樹脂と反応して架橋構造を形成しうるものであれば特に限定されないが、例えば、フェノール系硬化剤、アミン系硬化剤、シアネート系硬化剤等を用いることができる。本発明は、耐トラッキング性の改善効果が顕著に得られる観点から、フェノール系硬化剤を用いる場合に特に有用である。フェノール系硬化剤としては、例えば、フェノールノボラック樹脂、ビスフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂等の多官能型フェノール樹脂、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビフェニルフェノール等の2官能フェノール化合物等を用いることができる。特に耐熱性向上の観点から、多官能型フェノール樹脂が好適に用いられる。このように、硬化剤としてフェノール樹脂を用いる場合であっても、本発明では後述のように耐熱性及び耐トラッキング性を両立させることができる。硬化促進剤としては、例えば、2−エチル−4−メチルイミダゾール(2E4MZ)等のイミダゾール系化合物、アミン系化合物等を用いることができる。また第1樹脂組成物は、必要に応じて臭素含有化合物等のハロゲン系難燃剤や、リン含有化合物及び窒素含有化合物等の非ハロゲン系難燃剤を含有することもできる。繊維基材4としては、例えば、ガラスクロス(ガラス布)、ガラスペーパ(ガラス不織布)、アラミド不織布等を用いることができる。
第1樹脂層51は、さらに無機充填剤を含有することができる。無機充填剤を含有することで、本発明に係るプリプレグ1を用いて製造される金属張積層板2及びプリント配線板3の厚み方向の線膨張係数を低減し、またこの金属張積層板2及びプリント配線板3を強靭化することができる。無機充填剤の具体例としては、シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ベーマイト(Boehmite)、Eガラス粉末、アルミナ、酸化マグネシウム、二酸化チタン、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、クレイ、タルク等を挙げることができる。これらのうちの1種のみを用いたり、2種以上を組み合わせて用いたりすることができる。ところで、第1樹脂層51は、無機充填剤として、必ずしも金属水酸化物を含有しなくてもよいが、金属水酸化物を含有する場合には、下記の式(1)で示される熱減量率が、第2樹脂層52における式(1)の熱減量率よりも小さくなるようにすることが重要である。その場合、第1樹脂層51における式(1)の熱減量率、すなわち、第1樹脂層51を構成する第1樹脂組成物中の固形成分の総質量に対する、400℃での金属水酸化物の熱減量の比率は12%以下であることが好ましい。なお、第1樹脂組成物中の固形成分には、第1樹脂層51中における繊維基材4以外の固形成分、すなわち熱硬化性樹脂、硬化剤、硬化促進剤、難燃剤、無機充填剤等が含まれる。
(1)熱減量率=400℃での金属水酸化物の熱減量/樹脂層中の繊維基材を除いた固形成分の総質量
上記の金属水酸化物としては、高温下で分子中の水和水を放出して熱減量(質量減少)を生じるものを好適に用いることができる。このような金属水酸化物としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等を用いることができる。
次に第2樹脂層52について説明する。第2樹脂層52は、第2樹脂組成物の半硬化物により構成され、第1樹脂層51の少なくとも片面を被覆するように形成されている。なお、第2樹脂層52は、その内部に繊維基材を含まない。
第2樹脂組成物は、熱硬化性樹脂、硬化剤、硬化促進剤、無機充填剤等を適宜の配合組成で含有するものである。熱硬化性樹脂、硬化剤、硬化促進剤、無機充填剤としては、例えば、第1樹脂組成物において例示したものを用いることができる。また、第1樹脂組成物と同様に、必要に応じて難燃剤を含有することもできる。
ただし、第2樹脂組成物は、無機充填剤として、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等のように、高温下で分子中の水和水を放出して熱減量(質量減少)を生じる金属水酸化物を含有することが必須である。そして、このような金属水酸化物を第2樹脂組成物に含有させるにあたっては、上記の式(1)で示される熱減量率が、第1樹脂層51における式(1)の熱減量率よりも大きくなるようにすることが重要である。これは、第1樹脂層51が金属水酸化物を含有する場合も含有しない場合も含む。いずれの場合も、第2樹脂層52における式(1)の熱減量率、すなわち、第2樹脂層52を構成する第2樹脂組成物中の固形成分の総質量に対する、400℃での金属水酸化物の熱減量の比率は15〜25%であることが好ましい。
第1樹脂層51及び第2樹脂層52における金属水酸化物の含有量については、所望の熱減量率となるように、400℃での金属水酸化物の熱減量をあらかじめ測定して把握し、第1樹脂組成物及び第2樹脂組成物の固形成分の総質量から、金属水酸化物の含有量を設定することができる。なお、第2樹脂組成物中の固形成分とは、プリプレグ1を加熱成形して硬化させた後に揮発等して消失せず残存する成分のことである。具体的には第2樹脂組成物中の固形成分には、第2樹脂層52中における固形成分、すなわち熱硬化性樹脂、硬化剤、硬化促進剤、難燃剤、無機充填剤等が含まれる。もともと第2樹脂層52は、その内部に繊維基材を含まないので、第2樹脂組成物中の固形成分に繊維基材が含まれないのはいうまでもない。
なお、第1樹脂層51及び第2樹脂層52に含有される金属水酸化物の400℃での熱減量は、例えば示差熱・熱重量(TG/DTA)同時測定装置等を用いて、あらかじめ金属水酸化物の単体を窒素雰囲気下で室温から10℃/分の昇温速度で400℃まで加熱して測定するとよい。これにより、金属水酸化物の1単位質量あたりの400℃での熱減量が分かり、第1樹脂層51及び第2樹脂層52における金属水酸化物の含有量から、その熱減量を算定することができる。そして、第1樹脂層51及び第2樹脂層52における樹脂組成物の各成分の含有量から、上記の式(1)により、第1樹脂層51及び第2樹脂層52における熱減量率を算定することができる。逆に、第1樹脂層51及び第2樹脂層52における樹脂組成物の各成分の含有量は、所望の熱減量率となるように逆算することで決定することができる。
第1樹脂層51における金属水酸化物の含有量は、例えば、第1樹脂組成物の全固形成分100質量部に対して0〜50質量部とするとよい。また、第2樹脂層52における金属水酸化物の含有量は、例えば、第2樹脂組成物の全固形成分100質量部に対して75〜250質量部とするとよい。
図1(a)に示すプリプレグ1においては、第2樹脂層52が第1樹脂層51の両面に形成されている。この場合、各第2樹脂層52の厚みをT21,T22とすると、第2樹脂層52の総厚み(T21+T22)が6〜70μmとなるように各第2樹脂層52が形成される。一方、第1樹脂層51の厚みTは、特に限定されないが、第2樹脂層52の総厚み(T21+T22)よりも大きいこと(T21+T22<T)が好ましい。
図1(b)は、上記のプリプレグ1を用いて製造された両面金属張積層板21を示す。
この両面金属張積層板21においては、第2樹脂層52の硬化物により構成された第2樹脂硬化層502の表面に金属箔6が配置されて積層一体化されている。
さらに上記の両面金属張積層板21の金属箔6をエッチング等によりパターニング形成することにより、図1(c)に示すように、表面に導体パターン7を設けて形成されたプリント配線板3が得られる。
図1(c)に示すプリント配線板3において、導体パターン7が設けられた第2樹脂硬化層502の金属水酸化物による熱減量率が、第1樹脂層51の硬化物により構成された第1樹脂硬化層501における熱減量率よりも大きくなるので、耐トラッキング性を向上させることができる。一方、第2樹脂層52の総厚み(T21+T22)が6〜70μmであるため、第2樹脂硬化層502の厚みは比較的薄いものとなり、かつ、第1樹脂層51における熱減量率は小さいため、第1樹脂硬化層501及び第2樹脂硬化層502の全体としての熱減量は少なくなり、良好な耐熱性が得られる。なお、以下では第1樹脂硬化層501及び第2樹脂硬化層502を絶縁層ということがある。
また、図2(a)に示すプリプレグ1においては、第2樹脂層52が第1樹脂層51の片面にのみ形成されている。この場合、第2樹脂層52の厚みT21が6〜70μm、好ましくは6〜40μmとなるように第2樹脂層52が形成される。この場合も、第1樹脂層51の厚みTは、特に限定されないが、第2樹脂層52の厚みT21よりも第1樹脂層51の厚みTが大きいこと(T21<T)が好ましい。
上記のプリプレグ1と、表面に導体パターン7があらかじめ形成されたコア基板8とを用いて、次のようにしてプリント配線板3を製造することもできる。
図2(b)は、上記のプリプレグ1を用いて製造された金属張積層板2を示す。この金属張積層板2においては、第1樹脂層51の硬化物により構成された第1樹脂硬化層501の表面にコア基板8が配置され、第2樹脂層52の硬化物により構成された第2樹脂硬化層502の表面に金属箔6が配置されて積層一体化されている。コア基板8の導体パターン7は内層パターンとなる。
さらに上記の金属張積層板2の金属箔6をエッチング等によりパターニング形成することにより、図2(c)に示すように、表面に導体パターン7を設けて形成されたプリント配線板3が得られる。表面の導体パターン7は外層パターンとなる。適宜、外層パターンを両面に設けたり、内層パターンを複数設けたりすることにより、3層以上の多層プリント配線板を得ることもできる。
図2(c)に示すプリント配線板3において、外層パターンとしての導体パターン7が設けられた第2樹脂硬化層502の金属水酸化物による熱減量率が、第1樹脂硬化層501における熱減量率よりも大きくなるので、耐トラッキング性を向上させることができる。一方、第2樹脂層52の総厚み(T21)が6〜70μm、好ましくは6〜40μmであるため、第2樹脂硬化層502の厚みは比較的薄いものとなり、かつ、第1樹脂層51における熱減量率は小さいため、絶縁層の全体としての熱減量は少なくなり、良好な耐熱性が得られる。
図1(a)及び図2(a)に示すプリプレグ1は、次のようにして製造することができる。まず第1樹脂組成物を適当な溶剤に溶解してワニスを調製し、このワニスを繊維基材4に含浸して乾燥させることによって、繊維基材4を内部に含む第1樹脂層51を形成する。次に第2樹脂組成物を適当な溶剤に溶解してワニスを調製し、このワニスを第1樹脂層51の両面又は片面に塗布し、第1樹脂層51及び第2樹脂層52が半硬化状態となるまで加熱乾燥することによって、図1(a)及び図2(a)に示すプリプレグ1を製造することができる。このように、第2樹脂層52は、ワニスの塗布により形成することができるので、ワニスの粘度や塗布回数を適宜変更して厚みT21,T22を調整することができる。なお、上記のワニス調製用の溶剤としては、特に限定されないが、例えばメチルエチルケトン(MEK)等を用いることができる。
上記のようにして得られたプリプレグ1を用いて金属張積層板2を製造することができる。例えば、図1(a)に示すプリプレグ1の両面の第2樹脂層52に金属箔6を重ねて加熱加圧成形することによって、図1(b)に示すような両面金属張積層板21を製造することができる。ここで、本発明に係るプリプレグ1を複数枚重ねて絶縁層を形成してもよいが、少なくとも最外層となる位置に本発明に係るプリプレグ1が配置されればよいので、この場合にはその他の位置に本発明に係るプリプレグ1以外のプリプレグを用いてもよい。図示省略しているが、このとき片面の第2樹脂層52にのみ金属箔6を重ねて片面金属張積層板を製造してもよい。
また、図2(a)に示すプリプレグ1の一方の面の第2樹脂層52に金属箔6を重ねると共に、他方の面の第1樹脂層51にコア基板8を重ねて加熱加圧成形することによって、図2(b)に示すような金属張積層板2を製造することができる。
上記のようにして得られた金属張積層板2を用いてプリント配線板3を製造することができる。例えば、図1(b)に示す両面金属張積層板21の両面の金属箔6の一部をエッチングにより除去して、所望の導体パターン7を形成することによって、図1(c)に示すようなプリント配線板3を製造することができる。また、図2(b)に示す金属張積層板2の片面の金属箔6の一部をエッチングにより除去して、所望の導体パターン7を形成することによって、図2(c)に示すようなプリント配線板3を製造することができる。
上記のようにして形成されたプリント配線板3においては、絶縁層の表層部を内部よりも、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物がリッチな状態として熱減量を大きくすることで、耐トラッキング性を向上させることができる。絶縁層中の金属水酸化物の含有量が多くなれば耐熱性が低下するおそれがある。しかし、上記のようにして形成されたプリント配線板3においては、絶縁層の内部は表層部よりも金属水酸化物の含有量を少なくして熱減量を小さくし、絶縁層全体としての金属水酸化物の含有量を少なくすることで、耐熱性への悪影響を小さくしている。特に絶縁層の内部を表層部よりも、フェノール系硬化剤がリッチな状態とすれば、耐トラッキング性の低下を抑制しつつ、耐熱性を向上させることができる。このように、本発明においては、導体パターン7が形成された外側の第2樹脂硬化層502の熱減量率が、内側の第1樹脂硬化層501の熱減量率よりも大きくなることによって、耐熱性及び耐トラッキング性を両立させることができる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(プリプレグ)
プリプレグ1を製造するにあたって、熱硬化性樹脂として、臭素化エポキシ樹脂であるDIC株式会社製「エピクロン1121」を用いた。
また硬化剤として、ビスフェノールノボラック樹脂であるDIC株式会社製「VH4170」を用いた。
また硬化促進剤として、2−エチル−4−メチルイミダゾール(2E4MZ)を用いた。
また無機充填剤として、金属水酸化物である水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ベーマイトを用いた。その他の無機充填剤として、シリカを用いた。
また繊維基材4として、実施例1〜7、9〜11、参考例12、比較例1〜5では日東紡績株式会社製「7628タイプクロス」を用い、実施例8では日東紡績株式会社製「1037タイプクロス」を用いた。
そして、上記の熱硬化性樹脂、硬化剤、硬化促進剤、無機充填剤を表1に示す配合量(質量部)で配合し、この配合物を溶剤(MEK)に溶解して、第1樹脂組成物及び第2樹脂組成物のワニスをそれぞれ調製した。
次に、第1樹脂組成物のワニスを繊維基材4に含浸して乾燥させることによって、繊維基材4を内部に含む第1樹脂層51を形成した。次に第2樹脂組成物のワニスを第1樹脂層51の両面又は片面に塗布し、第1樹脂層51及び第2樹脂層52が半硬化状態となるまで加熱乾燥することによって、実施例1〜3、5〜11、参考例12及び比較例1、2、4、5については、図1(a)に示すプリプレグ1を製造し、実施例4、比較例3については、図2(a)に示すプリプレグ1を製造した。
(金属張積層板)
金属張積層板2を製造するにあたって、金属箔6として、厚み35μmの銅箔(JTC箔、日鉱グールド・フォイル株式会社製)を用いた。
実施例1〜3、5〜11、参考例12及び比較例1、2、4、5については、図1(a)に示すプリプレグ1の両面の第2樹脂層52に金属箔6を重ねて加熱加圧成形することによって、図1(b)に示すような両面金属張積層板21を製造した。実施例4、比較例3については、図2(a)に示すプリプレグ1の片面の第2樹脂層52に金属箔6を重ねて加熱加圧成形することによって、図2(b)に示すような金属張積層板2を製造した。
(評価)
[耐トラッキング性]
金属張積層板2の金属箔6の全部をエッチングにより除去した後、これを試料としてIEC 60112に基づいて耐トラッキング性試験を行い、比較トラッキング指数(CTI)を測定した。
[リフロー耐熱性]
金属張積層板2の金属箔6をエッチングして、残銅率75%、5cm角のパターンを形成した後、これを試料として次のようなリフロー耐熱性試験を行った。まず試料について吸湿処理としてプレッシャークッカーテスト(PCT)を121℃、2時間の条件で行った。次に吸湿処理後の試料を260℃(最高温度)に設定したリフロー炉に通し、この操作を試料に膨れが発生するまで繰り返した。そして、膨れが発生するまでの回数を計測して、この回数により耐熱性を次のように評価した。
「◎」:10回を超えなければ膨れが発生しなかったもの。
「○」:6回を超えて10回以内で膨れが発生したもの。
「△」:3回を超えて6回以内で膨れが発生したもの。
「×」:3回以内で膨れが発生したもの。
[成形性]
プリプレグ1を4枚重ね、その外側にそれぞれ厚み70μm及び厚み105μmの銅箔(JTC箔、日鉱グールド・フォイル株式会社製)を重ねて、加熱加圧成形することによって、コア基板8用の金属張積層板2を製造した。次にこの金属張積層板2の両面の銅箔をエッチングして、残銅率75%、5cm角のパターン(内層パターン)を形成した後、このパターンの表面にマルチボンド処理(マクダーミッド社製)を行った。次にこの金属張積層板2をコア基板8として両側にプリプレグ1を1枚ずつ重ね、さらに厚み18μmの銅箔(JTC箔、日鉱グールド・フォイル株式会社製)を1枚ずつ重ねて、180℃、2.9MPa(30kgf/cm)、90分間の条件で加熱加圧して積層成形することによって、4層基板としてのプリント配線板3を製造した。そして、この4層基板の両側の銅箔をエッチングした後、4層基板の断面を観察して、内層パターンの回路間に樹脂組成物が充填されているか否かにより、成形性の良否を次のように評価した。
「◎」:厚み70μmの内層パターンの回路間にも厚み105μmの内層パターンの回路間にも樹脂組成物の未充填箇所が見られないもの。
「○」:厚み70μmの内層パターンの回路間には樹脂組成物の未充填箇所は見られないが、厚み105μmの内層パターンの回路間には樹脂組成物の未充填箇所が見られるもの。
「×」:厚み70μmの内層パターンの回路間に樹脂組成物の未充填箇所が見られる。
以上の結果を表1に示す。
Figure 0006183743
表1から明らかなように、各実施例では耐熱性及び耐トラッキング性を両立させることができることが確認された。
1 プリプレグ
2 金属張積層板
3 プリント配線板
4 繊維基材
51 第1樹脂層
52 第2樹脂層
6 金属箔
7 導体パターン

Claims (7)

  1. ガラスクロスを内部に含む第1樹脂層と、
    前記第1樹脂層の少なくとも片面に形成された第2樹脂層と、
    を備え、
    前記第2樹脂層の総厚みが6〜70μmであり、
    前記第2樹脂層は、第2樹脂組成物の半硬化物からなり
    前記第2樹脂組成物は、金属水酸化物を含有し、
    前記第1樹脂層は、第1樹脂組成物の半硬化物を含み、
    前記第1樹脂組成物は、式(1)の熱減量率が前記第2樹脂層における式(1)の熱減量率よりも小さくなるように金属水酸化物を含有し、
    前記第1樹脂組成物の全固形成分に対する前記第1樹脂層における前記金属水酸化物の含有量は、前記第2樹脂組成物の全固形成分に対する前記第2樹脂層における前記金属水酸化物の含有量よりも少ない
    ことを特徴とするプリプレグ。
    (1)熱減量率=400℃での金属水酸化物の熱減量/樹脂層中の繊維基材を除いた固形成分の総質量
  2. 前記第1樹脂層は、熱減量率が12%以下であり、
    前記第2樹脂層は、熱減量率が15〜25%である
    ことを特徴とする請求項1に記載のプリプレグ。
  3. 前記第2樹脂層が前記第1樹脂層の両面に形成されている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のプリプレグ。
  4. 前記第2樹脂層が前記第1樹脂層の片面にのみ形成されている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のプリプレグ。
  5. 前記第1樹脂層及び前記第2樹脂層は、前記樹脂成分として、エポキシ樹脂及びフェノール系硬化剤を含有する
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のプリプレグ。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載のプリプレグの前記第2樹脂層に金属箔を重ねて加熱加圧成形して形成されていることを特徴とする金属張積層板。
  7. 請求項6に記載の金属張積層板の前記金属箔の一部を除去して導体パターンが形成されていることを特徴とするプリント配線板。
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