JP3356010B2 - 金属箔張り積層板の製造方法 - Google Patents

金属箔張り積層板の製造方法

Info

Publication number
JP3356010B2
JP3356010B2 JP20138997A JP20138997A JP3356010B2 JP 3356010 B2 JP3356010 B2 JP 3356010B2 JP 20138997 A JP20138997 A JP 20138997A JP 20138997 A JP20138997 A JP 20138997A JP 3356010 B2 JP3356010 B2 JP 3356010B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
epoxy resin
metal foil
clad laminate
laminate
flame
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP20138997A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1142736A (ja
Inventor
伸仁 細木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Works Ltd filed Critical Matsushita Electric Works Ltd
Priority to JP20138997A priority Critical patent/JP3356010B2/ja
Publication of JPH1142736A publication Critical patent/JPH1142736A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3356010B2 publication Critical patent/JP3356010B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント配線板の
製造に使用される、金属箔張り積層板の製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】プリント配線板の製造に用いられるエポ
キシ樹脂系の金属箔張り積層板は、エポキシ樹脂組成物
をガラスクロス等の基材に含浸・乾燥して、一般にプリ
プレグと呼ばれるエポキシ樹脂含浸クロスを製造した
後、このエポキシ樹脂含浸クロスを所定の厚みになるよ
う重ね、更にその少なくとも一方の最外層に銅箔等の金
属箔を重ねて積層物を形成した後、その積層物を成形プ
レスの熱板の間に挟んで加熱・加圧して成形することに
より製造されている。
【0003】また、生産性の向上のために、間に平板を
挟みながら複数の積層物を重ねて積層体を形成し、その
積層体を熱板の間に挟んで加熱・加圧して、一度に多数
の金属箔張り積層板を製造する方法も行われている。
【0004】しかし、熱板の間に挟む積層物の数が3組
以上の場合、熱板から遠い部分の積層物と比較して、熱
板に近い部分の積層物は加熱時の昇温速度が速く、加熱
・加圧時の樹脂流れが大きくなるため、熱板に近い部分
で得られる積層板は、板厚偏差が大きいという問題や、
反りねじれが大きいという問題があった。そのため、特
開昭54−125266号に記載されたように、積層物
を重ねて形成した積層体と熱板の間に、一般に当て板と
呼ばれる、銅張り積層板等の有機系の当て板や、一般に
クッション材と呼ばれる、セルロースペーパー等の弾性
を有するシート状の弾性体を挟んで、板厚偏差や反りね
じれを小さくすることが検討されている。
【0005】なお、当て板としては、製造しようとする
金属箔張り積層板に用いるエポキシ樹脂組成物と同様の
エポキシ樹脂組成物を用いた銅張り積層板が使用されて
おり、同じ当て板を、加熱・加圧して金属箔張り積層板
を製造するサイクルを、繰り返して使用することが一般
的である。
【0006】近年、電子機器の火災安全性を高めるため
に、難燃性の優れたプリント配線板が求められており、
ガラスクロスに難燃性エポキシ樹脂組成物を含浸した難
燃性エポキシ樹脂含浸クロスを用いて製造した、難燃性
の優れたエポキシ樹脂系の金属箔張り積層板が、そのた
めに用いられている。
【0007】しかし、難燃性エポキシ樹脂含浸クロスを
用いて積層物を形成し、その積層物を複数重ねて積層体
を形成し、その積層体を難燃性エポキシ樹脂を用いた当
て板で挟み、更に熱板間に挟んで加熱・加圧して金属箔
張り積層板を製造すると、得られる金属箔張り積層板の
表面の金属箔上に、タール状の異物や、その異物に起因
すると考えられる凹部が形成される場合があった。
【0008】プリント配線板を製造するために、この異
物や凹部が形成された金属箔をエッチングして導体回路
を形成すると、異物が形成された部分はエッチングされ
ずに残って、導体回路間がショート不良となる場合があ
り、凹部が形成された部分は余分にエッチングされて、
導体回路が断線不良となる場合があり、導体回路の歩留
まりが低いという問題があった。そのため、表面の金属
箔上に異物等が形成され難い金属箔張り積層板の製造方
法が求められている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を改善するために成されたもので、その目的とするとこ
ろは、ガラスクロスに難燃性エポキシ樹脂組成物を含浸
した難燃性エポキシ樹脂含浸クロスを所要枚数重ねると
共に、その少なくとも一方の最外層に金属箔を重ねて積
層物を形成し、その積層物を複数重ねて積層体を形成
し、その積層体を有機系の当て板で挟み、更に熱板間に
挟んで加熱・加圧して製造する金属箔張り積層板の製造
方法であって、表面の金属箔上に異物等が形成され難い
金属箔張り積層板の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
金属箔張り積層板の製造方法は、ガラスクロスに難燃性
エポキシ樹脂組成物を含浸した難燃性エポキシ樹脂含浸
クロスを所要枚数重ねると共に、その少なくとも一方の
最外層に金属箔を重ねて積層物を形成し、その積層物を
複数重ねて積層体を形成し、その積層体を有機系の当て
板で挟み、更に熱板間に挟んで加熱・加圧して製造する
金属箔張り積層板の製造方法において、当て板が、ガラ
スクロス及び非ハロゲン系エポキシ樹脂組成物よりなる
絶縁層の表層に、金属箔の層を有する複層板であること
を特徴とする。
【0011】本発明の請求項2に係る金属箔張り積層板
の製造方法は、請求項1記載の金属箔張り積層板の製造
方法において、難燃性エポキシ樹脂組成物が、臭素化エ
ポキシ樹脂組成物であることを特徴とする。
【0012】本発明の請求項3に係る金属箔張り積層板
の製造方法は、請求項1又は請求項2記載の金属箔張り
積層板の製造方法において、当て板の内層に、ガラスク
ロス及び非ハロゲン系エポキシ樹脂組成物よりなる絶縁
層に挟まれた、弾性を有する弾性体の層をも有すること
を特徴とする。
【0013】本発明の請求項4に係る金属箔張り積層板
の製造方法は、請求項3記載の金属箔張り積層板の製造
方法において、弾性体が、アラミド繊維シート、ガラス
繊維シート、フッ素ゴムシート及びこれらの複合体から
選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする。
【0014】本発明の請求項5に係る金属箔張り積層板
の製造方法は、請求項1から請求項4のいずれかに記載
の金属箔張り積層板の製造方法において、積層物が、導
体回路を形成した有機系基板の両側に、難燃性エポキシ
樹脂含浸クロスを所要枚数重ねると共に、その少なくと
も一方の最外層に金属箔を重ねた積層物であることを特
徴とする。
【0015】当て板に、ハロゲン系エポキシ樹脂組成物
を含有する絶縁層を有する場合、ハロゲン系エポキシ樹
脂組成物のハロゲンの部分が加熱・加圧の繰り返しによ
って分解し、当て板の端部から剥離して飛散しやすくな
ると考えられる。そのため、この当て板と積層物等を積
層して金属箔張り積層板を製造しようとすると、当て板
の端部から飛散した分解物が、金属箔の表面に付着し、
得られる金属箔張り積層板の金属箔上に異物が形成され
やすくなる。しかし、本発明によると、絶縁層が、ガラ
スクロス及び非ハロゲン系エポキシ樹脂組成物よりなる
絶縁層であるため、加熱・加圧を繰り返しても分解され
難く、得られる金属箔張り積層板の金属箔上に異物が形
成され難くなって、更にその異物に起因すると考えられ
る凹部も形成され難くなる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明に係る金属箔張り積層板の
製造方法の実施の形態を、図面に基づいて説明する。図
1は本発明に係る金属箔張り積層板の製造方法の、一実
施の形態を説明する断面図であり、図2は本発明に係る
金属箔張り積層板の製造方法の、一実施の形態の当て板
を説明する断面図であり、図3は本発明に係る金属箔張
り積層板の製造方法の、他の実施の形態の当て板を説明
する断面図である。
【0017】本発明に係る金属箔張り積層板の製造方法
の一実施の形態は、図1に示すように、難燃性エポキシ
樹脂含浸クロス11を、製造しようとする積層板の厚み
により調整して所要枚数重ねると共に、その両方の最外
層に金属箔12を重ねて積層物10を形成し、その積層
物10を、間に金属製の平板40を挟みながら複数重ね
て積層体を形成し、その積層体を金属製の平板40と、
有機系の当て板20で挟み、更に熱板30の間に挟んで
加熱・加圧して製造する金属箔張り積層板の製造方法で
ある。なお、図示しないが、当て板20と熱板30の
間、又は当て板20と平板40の間に、セルロースペー
パー等の弾性を有するシート状の弾性体を挟んでいても
よい。
【0018】なお、図2に示すように、当て板20が、
ガラスクロス及び非ハロゲン系エポキシ樹脂組成物より
なる絶縁層21の表層に、金属箔の層22を有する複層
板であり、ハロゲン系エポキシ樹脂組成物を含有する絶
縁層は有さない複層板であることが重要である。ハロゲ
ン系エポキシ樹脂組成物を含有する絶縁層を有する場
合、得られる金属箔張り積層板の金属箔上に異物が形成
されやすくなる。これは、ハロゲン系エポキシ樹脂組成
物を含有する絶縁層を有する場合、ハロゲン系エポキシ
樹脂組成物のハロゲンの部分が加熱・加圧の繰り返しに
よって分解し、当て板20の端部から剥離して飛散しや
すくなるため、この当て板20と積層物10等を積層し
て金属箔張り積層板を製造しようとすると、当て板20
の端部から飛散した分解物が、金属箔12の表面に付着
し、得られる金属箔張り積層板の金属箔上に異物が形成
されやすくなると考えられる。なお、ガラスクロスを含
まない絶縁層の場合、当て板20の厚みのばらつきが大
きくなる傾向があるため、得られる金属箔張り積層板の
板厚のばらつきも大きくなる傾向があり問題となる。
【0019】なお、上記当て板20の製造方法として
は、例えば、ガラスクロスに非ハロゲン系エポキシ樹脂
組成物を含浸した非ハロゲン系エポキシ樹脂含浸クロス
を所要枚数重ねると共に、その両最外層に金属箔を重ね
た後、加熱・加圧してこれらを一体化することにより製
造する。
【0020】この非ハロゲン系エポキシ樹脂含浸クロス
の製造方法としては、例えば、非ハロゲン系エポキシ樹
脂組成物を溶剤で粘度調整したワニスに、ガラスクロス
を浸漬して含浸した後、加熱乾燥することにより半硬化
して製造したり、室温で固体状の非ハロゲン系エポキシ
樹脂組成物を、加熱溶融させて粘度を低下させた状態
で、ガラスクロスに含浸した後、冷却することにより固
化して製造する。
【0021】なおガラスクロスは、ガラス繊維製の織布
であり、その厚みとしては0.04〜0.3mmのもの
が一般的に使用される。また、非ハロゲン系エポキシ樹
脂組成物は、分子内にエポキシ基を2個以上有する非ハ
ロゲン系エポキシ樹脂と、硬化剤を少なくとも含有し、
ハロゲン系エポキシ樹脂は含有しないエポキシ樹脂組成
物である。
【0022】上記エポキシ樹脂としては、例えば、ビス
フェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポ
キシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビス
フェノールAノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノ
ボラック型エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン型
エポキシ樹脂等の単独、変性物、混合物が挙げられる。
なお、エポキシ樹脂1分子内のエポキシ基の数は、2個
以上であれは特に限定するものではないが、あまり多い
とエポキシ樹脂組成物の粘度が高くなって、ガラスクロ
スへの含浸性が低下するため、2〜30個の範囲のもの
を使用すると好ましい。なお、分子内にエポキシ基を1
個有するエポキシ樹脂を併用することもできる。
【0023】また、非ハロゲン系エポキシ樹脂組成物に
含有する硬化剤は、エポキシ樹脂と反応して硬化させる
ものであれば特に限定するものではなく、例えば、ジシ
アンジアミド、脂肪族ポリアミド等のアミド系硬化剤
や、芳香族アミン等のアミン系硬化剤や、ビスフェノー
ルA、ビスフェノールF、フェノールノボラック、クレ
ゾールノボラック、ピロガロール等のフェノール性化合
物や、ジアミノマレオニトリルや、ヒドラジド化合物
や、酸無水物等が挙げられ、これらを併用することもで
きる。更に非ハロゲン系エポキシ樹脂組成物には、必要
に応じて硬化促進剤等をも配合することができる。
【0024】なお、非ハロゲン系エポキシ樹脂含浸クロ
ス中の樹脂量は、非ハロゲン系エポキシ樹脂含浸クロス
の重量(樹脂及びガラスクロスの合計重量)100重量
部に対し、35〜50重量部であると好ましい。35重
量部未満の場合、得られる当て板20の内部に気泡が残
留する場合があるため、当て板20を繰り返し使用する
と、絶縁層21の内部、又は絶縁層21と金属箔の層2
2の間等で、剥離が発生する場合がある。また、50重
量部を超える場合は、当て板20の厚みのばらつきが大
きくなる傾向があるため、その当て板20を用いて製造
する金属箔張り積層板の板厚のばらつきも大きくなる傾
向がある。
【0025】また、当て板20の製造に用いる金属箔と
しては、銅、アルミニウム、真鍮、ニッケル等の単独、
合金、複合の金属箔を用いることができ、この金属箔の
厚みとしては、0.012〜0.070mmのものが一
般的に使用される。
【0026】そして、これらの非ハロゲン系エポキシ樹
脂含浸クロスを、製造しようとする当て板20の厚みに
より調整して所要枚数重ねると共に、その両最外層に金
属箔を重ねた後、加熱・加圧してこれらを一体化するこ
とにより当て板20を製造する。この加熱・加圧する条
件としては、非ハロゲン系エポキシ樹脂含浸クロス中の
エポキシ樹脂が硬化する温度で適宜選択する。また加圧
は、得られる当て板の内部に気泡が残留しない程度の圧
力に適宜調整して加圧する。なお一般には、温度150
〜300℃、圧力1〜6MPa、時間10〜120分程
度の条件で加熱・加圧する。
【0027】また、金属箔張り積層板の製造に用いる難
燃性エポキシ樹脂含浸クロスは、ガラスクロスに難燃性
エポキシ樹脂組成物を含浸したものであり、例えば、難
燃性エポキシ樹脂組成物を溶剤で粘度調整したワニス
に、ガラスクロスを浸漬して含浸した後、加熱乾燥する
ことにより半硬化して製造したり、室温で固体状の難燃
性エポキシ樹脂組成物を、加熱溶融させて粘度を低下さ
せた状態で、ガラスクロスに含浸した後、冷却すること
により固化して製造する。
【0028】なおガラスクロス、及び、その厚みとして
は、上記当て板に使用するガラスクロスと同様のものが
使用可能である。
【0029】また、難燃性エポキシ樹脂組成物は、分子
内にエポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂と、硬化
剤を少なくとも含有する難燃性のエポキシ樹脂組成物で
ある。この樹脂組成物を難燃化する方法としては、臭素
化エポキシ樹脂等の難燃化エポキシ樹脂を含有すること
により難燃化する方法や、リン化合物、三酸化アンチモ
ン等の難燃剤を含有することにより難燃化する方法が挙
げられる。なお、臭素化エポキシ樹脂を含有することに
より難燃化する方法の場合、難燃剤を含有する方法や、
他のハロゲン化エポキシ樹脂を含有する方法と比較し
て、得られる積層板の電気特性が優れ好ましい。
【0030】難燃性エポキシ樹脂組成物に含有するエポ
キシ樹脂としては、上記当て板に使用するエポキシ樹脂
と同様のものが使用可能である。また、上記難燃化エポ
キシ樹脂としては、上記エポキシ樹脂の構造体中の水素
原子の一部を臭素化又は塩素化したエポキシ樹脂の単
独、混合物が挙げられる。なお、エポキシ樹脂1分子内
の好ましいエポキシ基の数も、上記当て板に使用するエ
ポキシ樹脂の場合と同様である。
【0031】また、難燃性エポキシ樹脂組成物に含有す
る硬化剤も、上記当て板に使用する硬化剤と同様のもの
が使用可能である。なお、硬化剤としてジシアンジアミ
ドを含有する場合、得られる難燃性エポキシ樹脂含浸ク
ロスの保存安定性、及び得られる金属箔張り積層板の耐
熱性が優れ好ましい。更に難燃性エポキシ樹脂組成物に
は、必要に応じて硬化促進剤、無機充填材等をも配合す
ることができる。
【0032】なお、難燃性エポキシ樹脂含浸クロス中の
樹脂量は、難燃性エポキシ樹脂含浸クロスの重量(樹脂
及びガラスクロスの合計重量)100重量部に対し、3
5〜70重量部であると好ましい。35重量部未満の場
合は、得られる金属箔張り積層板の耐熱性が低下する場
合があり、70重量部を超える場合は、得られる金属箔
張り積層板の板厚のばらつきが大きくなる場合がある。
【0033】また、金属箔張り積層板の製造に用いる金
属箔、及びその厚みとしては、上記当て板に使用する金
属箔と同様のものが使用可能である。なお、金属箔は、
難燃性エポキシ樹脂含浸クロスを所要枚数重ねたものの
両方の最外層に重ねることに限定するものではなく、そ
の少なくとも一方の最外層に重ねていればよい。一方の
み重ねる場合、他方にはフッ素樹脂フィルム等の離型シ
ートが一般に積層される。また、金属箔の厚みが厚い場
合には、図1に示す、積層物10の間に挟んだ平板40
や、積層物10を複数重ねて形成した積層体の外側に積
層した平板40は無くてもよい。
【0034】そして、難燃性エポキシ樹脂含浸クロス
を、製造しようとする金属箔張り積層板の厚みにより調
整して所要枚数重ねると共に、その最外層に金属箔を重
ねた後、加熱・加圧してこれらを一体化することにより
金属箔張り積層板を製造する。この加熱・加圧する条件
としては、難燃性エポキシ樹脂含浸クロス中のエポキシ
樹脂が硬化する温度で適宜選択する。また加圧は、得ら
れる金属箔張り積層板の内部に気泡が残留しない程度の
圧力に適宜調整して加圧する。なお一般には、温度15
0〜300℃、圧力1〜6MPa、時間10〜120分
程度の条件で加熱・加圧する。
【0035】なお、上記の実施の形態は、当て板が、ガ
ラスクロス及び非ハロゲン系エポキシ樹脂組成物よりな
る絶縁層と、金属箔の層よりなる複層板である実施の形
態を説明したが、図3に示すように、当て板20の内層
に、ガラスクロス及び非ハロゲン系エポキシ樹脂組成物
よりなる絶縁層21に挟まれた、弾性を有する弾性体の
層23をも有していても良い。この場合、セルロースペ
ーパー等の弾性を有するシート状の弾性体を別途用意し
て当て板20と共に用いなくても、板厚偏差や反りねじ
れや成形性(金属箔張り積層板内部の気泡残存性)が優
れた金属箔張り積層板が得られ好ましい。更に、弾性体
の層23の両面が被覆されているため、シート状の弾性
体を単独で用いる場合と比較して、弾性体の表面から発
生する繊維等の異物の発生を防止することができ好まし
い。
【0036】この弾性体は、弾性を有し、加熱・加圧時
の温度及び圧力に耐えるものをシート状に形成したもの
であり、例えば、アラミド繊維シートや、ポリエステル
繊維シートや、ガラス繊維シート等の、多数の繊維を間
に空隙を設けて結合してシート状に形成したものや、フ
ッ素ゴム、ブタジエンスチレンゴム等の弾性を有する化
合物をシート状に形成したものや、これらの複合体が挙
げられる。なお、アラミド繊維シート、ガラス繊維シー
ト、フッ素ゴムシート及びこれらの複合体から選ばれた
少なくとも1種であると、耐熱性が特に優れるため、当
て板の繰り返し使用回数を増やすことが可能となり好ま
しい。
【0037】また、上記の実施の形態は、難燃性エポキ
シ樹脂含浸クロスのみを所要枚数重ねると共に、その最
外層に金属箔を重ねた積層物を用いて金属箔張り積層板
を製造する実施の形態を説明したが、積層物は、導体回
路を形成した有機系基板の両側に、難燃性エポキシ樹脂
含浸クロスを所要枚数重ねると共に、その少なくとも一
方の最外層に金属箔を重ねた積層物でも良い。この場
合、表面の金属箔上に異物が形成され難い、内層に導体
回路を有する多層の金属箔張り積層板が得られる。
【0038】
【実施例】
(実施例1)非ハロゲン系エポキシ樹脂組成物として、
非ハロゲン系エポキシ樹脂(ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂[三井石油化学工業株式会社製、商品名R−35
0])を固形分として100重量部と、硬化剤(ジシア
ンジアミド[日本カーバイド株式会社製])を2.5重
量部と、硬化促進剤(2−エチル−4−メチルイミダゾ
ール[四国化成株式会社製])を0.2重量部配合して
混合した非ハロゲン系エポキシ樹脂組成物を使用した。
【0039】そして、溶剤(ジメチルホルムアミド)を
20重量部加えて粘度調整した上記熱硬化性樹脂に、基
材として厚さ0.19mmのガラスクロス[旭シュエー
ベル株式会社製、商品名7628]を用いて、浸漬して
含浸し、次いで、最高温度180℃で加熱乾燥して、樹
脂量が40重量%、170℃のゲルタイムが120秒の
非ハロゲン系エポキシ樹脂含浸クロスを作製した。
【0040】そしてこの非ハロゲン系エポキシ樹脂含浸
クロスを8枚重ねると共に、その両最外層に厚み0.0
18mmの銅箔[日鉱グールドフォイル株式会社製]を
重ねた後、金属製の平板で挟み、その両外側に弾性体と
して190g/平方mのクラフト紙[株式会社巴川製作
所製]5枚を重ねた後、熱板間に挟み最高温度180
℃、圧力3.0MPaで120分加熱・加圧して当て板
を作製した。
【0041】また、難燃性エポキシ樹脂組成物として、
エポキシ樹脂(テトラブロモビスフェノールA型エポキ
シ樹脂[東都化成株式会社製、商品名YDB−500
K])を固形分として100重量部と、硬化剤(ジシア
ンジアミド[日本カーバイド株式会社製])を2.5重
量部と、硬化促進剤(2−エチル−4−メチルイミダゾ
ール[四国化成株式会社製])を0.2重量部配合して
混合した難燃性エポキシ樹脂組成物を使用した。
【0042】そして、溶剤(ジメチルホルムアミド)を
20重量部加えて粘度調整した上記難燃性エポキシ樹脂
組成物に、基材として厚さ0.19mmのガラスクロス
[旭シュエーベル株式会社製、商品名7628]を用い
て、浸漬して含浸し、次いで、最高温度180℃で加熱
乾燥して、樹脂量が40重量%、170℃のゲルタイム
が120秒の難燃性エポキシ樹脂含浸クロスを作製し
た。
【0043】そしてこの難燃性エポキシ樹脂含浸クロス
を5枚重ねると共に、その両最外層に厚み0.035m
mの銅箔[日鉱グールドフォイル株式会社製]を重ねて
積層物を形成した。そしてその積層物10組を、間に金
属製の平板を挟みながら重ねて積層体を形成し、その積
層体の両側に、金属製の平板と、上記当て板と、弾性体
として190g/平方mのクラフト紙[株式会社巴川製
作所製]5枚をこの順に重ね、更に熱板の間に挟んで、
最高温度180℃、圧力3.0MPaで120分加熱・
加圧して金属箔張り積層板を製造した。
【0044】次いで、同じ当て板を繰り返し用いて、上
記金属箔張り積層板の製造を100サイクル行った。
【0045】(実施例2)弾性を有する弾性体として、
アラミド繊維シートとガラス繊維シートとフッ素ゴムシ
ートを複合したシート[ヤマウチ株式会社製、商品名F
GK20MK]を用いて、その両外側に実施例1と同様
の非ハロゲン系エポキシ樹脂含浸クロスを各1枚重ねる
と共に、その両最外層に厚み0.018mmの銅箔[日
鉱グールドフォイル株式会社製]を重ねることにより、
内層に弾性体の層を有する当て板を作製し用いたこと、
及び、銅箔厚さ0.035mm、絶縁部の厚み0.4m
mのエポキシ樹脂両面銅張り基板[松下電工株式会社
製、品名 R1766]の表面の銅箔をエッチングし
て、導体回路を形成した有機系基板を得、その両外側に
実施例1と同様の難燃性エポキシ樹脂含浸クロスを各1
枚重ねると共に、その両最外層に厚み0.035mmの
銅箔[日鉱グールドフォイル株式会社製]を重ねて積層
物を形成したこと以外は、実施例1と同様にして金属箔
張り積層板を製造した。
【0046】(比較例1)非ハロゲン系エポキシ樹脂含
浸クロスに代えて、実施例1で作製した難燃性エポキシ
樹脂含浸クロスを用いて当て板を作製し、その当て板を
用いたこと以外は、実施例1と同様にして金属箔張り積
層板を製造した。
【0047】(比較例2)比較例1で用いた当て板に加
えて、アラミド繊維シートとガラス繊維シートとフッ素
ゴムシートを複合した弾性体[ヤマウチ株式会社製、商
品名FGK20MK]を用いたこと、及び、同じ弾性体
を繰り返し用いて金属箔張り積層板の製造を100サイ
クル行ったこと以外は、実施例2と同様にして金属箔張
り積層板を製造した。
【0048】(評価、結果)各実施例及び各比較例で得
られた金属箔張り積層板の、外観不良数を評価した。そ
の方法としては、50サイクルと、100サイクル目で
得られた金属箔張り積層板の表面の金属箔上に、タール
状の異物や、その異物に起因すると考えられる凹部が発
生しているか否かを目視で観察し、その発生数を数え
た。なお、大きさ50×50cmの金属箔張り積層板の
両面を評価した。
【0049】その結果は、表1に示したように、各実施
例は各比較例と比べて外観不良が少なく、各実施例の製
造方法は、表面の金属箔上に異物等が形成され難い金属
箔張り積層板の製造方法であることが確認された。
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】本発明に係る金属箔張り積層板の製造方
法は、ガラスクロス及び非ハロゲン系エポキシ樹脂組成
物よりなる絶縁層の表層に、金属箔の層を有する当て板
を用いているため、表面の金属箔上に異物等が形成され
難い金属箔張り積層板の製造方法となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る金属箔張り積層板の製造方法の、
一実施の形態を説明する断面図である。
【図2】本発明に係る金属箔張り積層板の製造方法の、
一実施の形態の当て板を説明する断面図である。
【図3】本発明に係る金属箔張り積層板の製造方法の、
他の実施の形態の当て板を説明する断面図である。
【符号の説明】
10 積層物 11 難燃性エポキシ樹脂含浸クロス 12 金属箔 20 当て板 21 絶縁層 22 金属箔の層 23 弾性体の層 30 熱板 40 平板

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラスクロスに難燃性エポキシ樹脂組成
    物を含浸した難燃性エポキシ樹脂含浸クロスを所要枚数
    重ねると共に、その少なくとも一方の最外層に金属箔を
    重ねて積層物を形成し、その積層物を複数重ねて積層体
    を形成し、その積層体を有機系の当て板で挟み、更に熱
    板間に挟んで加熱・加圧して製造する金属箔張り積層板
    の製造方法において、当て板が、ガラスクロス及び非ハ
    ロゲン系エポキシ樹脂組成物よりなる絶縁層の表層に、
    金属箔の層を有する複層板であることを特徴とする金属
    箔張り積層板の製造方法。
  2. 【請求項2】 難燃性エポキシ樹脂組成物が、臭素化エ
    ポキシ樹脂組成物であることを特徴とする請求項1記載
    の金属箔張り積層板の製造方法。
  3. 【請求項3】 当て板の内層に、ガラスクロス及び非ハ
    ロゲン系エポキシ樹脂組成物よりなる絶縁層に挟まれ
    た、弾性を有する弾性体の層をも有することを特徴とす
    る請求項1又は請求項2記載の金属箔張り積層板の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 弾性体が、アラミド繊維シート、ガラス
    繊維シート、フッ素ゴムシート及びこれらの複合体から
    選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項
    3記載の金属箔張り積層板の製造方法。
  5. 【請求項5】 積層物が、導体回路を形成した有機系基
    板の両側に、難燃性エポキシ樹脂含浸クロスを所要枚数
    重ねると共に、その少なくとも一方の最外層に金属箔を
    重ねた積層物であることを特徴とする請求項1から請求
    項4のいずれかに記載の金属箔張り積層板の製造方法。
JP20138997A 1997-07-28 1997-07-28 金属箔張り積層板の製造方法 Expired - Fee Related JP3356010B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20138997A JP3356010B2 (ja) 1997-07-28 1997-07-28 金属箔張り積層板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20138997A JP3356010B2 (ja) 1997-07-28 1997-07-28 金属箔張り積層板の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1142736A JPH1142736A (ja) 1999-02-16
JP3356010B2 true JP3356010B2 (ja) 2002-12-09

Family

ID=16440280

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20138997A Expired - Fee Related JP3356010B2 (ja) 1997-07-28 1997-07-28 金属箔張り積層板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3356010B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4973519B2 (ja) * 2008-01-18 2012-07-11 住友ベークライト株式会社 積層板、積層板の製造方法、多層プリント配線板および半導体装置
JP5619580B2 (ja) * 2010-11-22 2014-11-05 日本メクトロン株式会社 多層プリント配線板の製造方法
WO2014109021A1 (ja) * 2013-01-09 2014-07-17 三菱電機株式会社 繊維強化複合材料、その製造方法、それを用いたエレベータ用構成部材及びエレベータかご

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1142736A (ja) 1999-02-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101014517B1 (ko) 캐리어 장착 프리프레그의 제조방법, 캐리어 장착 프리프레그, 박형 양면판의 제조방법, 박형 양면판, 및 다층 프린트 배선판의 제조방법
US6673190B2 (en) Lasable bond-ply materials for high density printed wiring boards
JP6624573B2 (ja) 金属張積層板の製造方法、プリント配線板の製造方法、及び多層プリント配線板の製造方法
JP3119577B2 (ja) 積層板
US20040170795A1 (en) Lasable bond-ply materials for high density printed wiring boards
JP3356010B2 (ja) 金属箔張り積層板の製造方法
JP6631902B2 (ja) 回路基板の製造方法
WO2018037434A1 (ja) 回路基板の製造方法
JPH1154922A (ja) 内層回路入り積層板の製造方法
JP4214573B2 (ja) 積層板の製造方法
JP5033153B2 (ja) 片面板の製造方法及びプリント配線板の製造方法
JP3077491B2 (ja) 金属箔張り積層板の製造法およびそれに用いる金属箔
JPH05138807A (ja) 銅張積層板の製造法
JP2002252470A (ja) プリント配線板用層間絶縁材フィルム及びこれを用いた多層プリント配線板
WO2021201252A1 (ja) 熱硬化性樹脂シート及びプリント配線板
JP6811400B2 (ja) 回路基板の製造方法
JPH10180932A (ja) 金属張り積層板の製造方法
JP2001030279A (ja) 積層板の製造方法
JP2007090581A (ja) 片面板の製造方法及びプリント配線板の製造方法
JP2005243830A (ja) プリント配線板
JP2006297613A (ja) 金属箔張り積層板および多層プリント配線板の製造方法
JP2000210962A (ja) 積層板の製造方法
JP4207282B2 (ja) 多層プリント配線板の製造方法
JP3275782B2 (ja) 積層板の製造方法
JP2001335651A (ja) 有機繊維基材含浸用エポキシ樹脂組成物ならびにそれを用いたプリプレグ、積層板及びプリント配線板

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071004

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081004

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees