JP3936134B2 - 熱伝導性シート及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱伝導性シートに関する。特に、各種の電気および電子機器の発熱性部品から発生される熱を効率よく放熱するための放熱材として好ましく用いられる熱伝導性シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
各種の電気および電子機器においては、発熱性部品から発生される熱を効率よく放熱することが、誤作動を防止したり、製品寿命を延ばしたりする上で重要である。したがって、従来から発熱を伴う部品を有する電気および電子機器においては、発生される熱を放熱するための放熱材が用いられている。そして、このような放熱材の一つとして、シート状黒鉛の少なくとも片面に、シリコーンゴムを塗布した熱伝導性シートが従来から知られている。この従来の熱伝導性シートは、その形状からして取り扱いが容易であり、また少なくとも片面にシリコーンゴムが塗布されていて、取り付け対象部との密着性も良く、電気および電子機器の放熱材として便利なものとされている。
【0003】
上記従来の熱伝導性シートは、一般に、シート状黒鉛の少なくとも片面に、硬化前の流動性シリコーンゴムを塗布し、しかる後該シリコーンゴムを硬化させて製造されている。そして、この従来の熱伝導性シートにおいては、シート状黒鉛とシリコーンゴムとの状態は、該シリコーンゴムからなるシートの接着力に依存して保持されている。かかる従来の熱伝導性シートにおいては、一般にシート状黒鉛は接着し難いものであり、また層状構造を有していて層間剥離を起こし易いものであって、シート状黒鉛とシリコーンゴムからなるシートとの接着面が剥離したり、またシート状黒鉛の層間剥離が起こったりして、一層強い積層維持強度が求められる場合に対応しきれないという問題がある。また、単なるシリコーンゴム自体は、熱伝導率が0.2W/mK程度とシート状黒鉛の熱伝導率より遙かに低くて、シート状黒鉛本来の高熱伝導性を生かし切れていたとは言えない問題もあった。さらに、取り付け対象部に沿って熱伝導性シートを変形させる結果、シート状黒鉛に劈開を生じたり、場合によっては黒鉛が劈開片として欠落する等、使用時における信頼性の点で問題があった。さらに、その製造時においても、連続シートとして製造しようとする場合に、黒鉛シートがちぎれる恐れがあるため十分な巻取りテンションを掛け難く、量産性にも課題を残していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来の状況に鑑み、良好な熱伝導性を有することは勿論のこと、接着面の剥離、構成要素自体の層間剥離を十分防止し得て、高い積層維持強度を有し、さらに変形に対して劈開等の欠陥を生じ難く、量産性にも優れる新規な熱伝導性シートを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記本発明の目的を達成すべく鋭意研究した結果、シート状黒鉛の少なくとも片面に、硬化前の流動性シリコーンゴム等のエラストマー原液を塗布し、次いで該エラストマー原液を硬化させるに際し、上記シート状黒鉛に予め厚さ方向に孔を穿っておき、上記エラストマー原液の塗布と共に、上記孔の中に硬化前のエラストマー原液を流入させ、該硬化前のエラストマー原液を硬化させることにより、積層維持強度の向上した熱伝導性シートを得ることができ、上記本発明の目的を達成し得ることを知見した。すなわち、上記のようにして各シートの積層を行えば、シート状黒鉛とエラストマーからなるシートの積層に際し、硬化前のエラストマー原液がシート状黒鉛に穿たれた孔の中に流入し、硬化して形成された、エラストマーからなるシートから突出した突起によって、シート状黒鉛とエラストマーからなるシートとの接着面の強度が補強され、当該接着面の剥離が抑制され、かつ、シート状黒鉛の層間が厚さ方向に強化されて、シート状黒鉛の層間剥離が抑制され、熱伝導性シートの積層維持強度を向上させ得ることを知見した。
【0006】
また、本発明者は、熱伝導性シートの作製に際し、シート状黒鉛に積層させるエラストマーに対して織布または不織布を埋設することにより、シート状黒鉛が補強され、その結果、使用時においては黒鉛の劈開等の発生を抑制しうること、また製造時においては十分な巻取りテンションを掛けることが可能となり、量産性を向上させうることを知見した。さらに、埋設した織布または不織布を、シート状黒鉛に穿たれた孔に沿って入り込ませることにより、シート状黒鉛とエラストマーからなるシートとの密着性をより高め、積層維持強度を向上させ得ることを知見した。
【0007】
また、本発明者は、熱伝導性シートの作製に際し、用いるエラストマーに熱伝導性充填材や、カーボンナノチューブやカーボンマイクロコイルを配合しても、熱伝導性シートを好適に作製することができることを知見した。これらを配合したエラストマーを用いれば、得られる熱伝導性シート、特にそのエラストマーからなるシートの熱伝導性が向上される。また、カーボンナノチューブやカーボンマイクロコイルの配合されたエラストマーを用いれば、得られる熱伝導性シート、特にそのエラストマーからなるシートの電磁波吸収性も向上される。
【0008】
また、本発明者は、上記エラストマーに配合する熱伝導性充填材として軟磁性フェライトが好ましく用いられることを知見している。すなわち、各種熱伝導性充填材の中でも、軟磁性フェライトは、安価であり、相応の高い熱伝導性を有していて、エラストマーに、さしたるコストアップを招くことなく、良好な熱伝導性を付与することができる。
【0009】
また、本発明者は、上記軟磁性フェライトに関して、さらに次のことを知見している。すなわち、軟磁性フェライトには、所謂Cu−Zn系、Ni−Zn系あるいはMn−Mg系等の各種のものがあるが、これら各種のものには特性に種々の得失、挙動の差異があって、必ずしも熱伝導性充填材として一様の作用効果を有するものではなく、これら各種の中でも、Ni−Zn系の軟磁性フェライトが、エラストマーに配合する熱伝導性充填材として、就中エラストマーがシリコーンゴムである場合の熱伝導性充填材として好ましく用いられることを知見した。すなわち、(a)上記各種のものを熱伝導率の点で比較すれば、熱伝導率の高さは、Mn−Mg系>Ni−Zn系>Cu−Zn系の順であり、Mn−Mg系が最も高く、(b)これら各種のものをシリコーンゴムに配合した場合、該シリコーンゴムが、その硬化機構が付加型のシリコーンゴムであるとき、部分的に未硬化ないし硬化不十分な箇所が生じるという所謂硬化阻害が起こることがあること、およびMn−Mg系はかかる硬化阻害を起こす危険があり、Ni−Zn系とCu−Zn系とはかかる硬化阻害を起こし難いものであること、また、(c)これら各種のものをシリコーンゴムへの均一分散性の点で比較すれば、Mn−Mg系は多くが凝集したまま残り、Cu−Zn系は若干凝集して残ることがあり、Ni−Zn系は凝集せず均一に分散すること等を知見した。つまり、上記各種の軟磁性フェライトの内、Ni−Zn系が、相応に熱伝導性が高く、シリコーンゴムの硬化阻害を起こし難く、シリコーンゴムへの分散性に優れているという特性を兼ね備えており、シリコーンゴムに配合する熱伝導性充填材として最も好ましく用いられることを知見した。
【0010】
すなわち、本発明は、上記各種の知見に基づいて完成されたものであって、上記本発明の目的を達成するために、次の熱伝導性シートとその製法を提供する。
【0011】
(1)シート状黒鉛層とシート状エラストマー層とが積層され、前記シート状黒鉛層には厚さ方向に孔が穿たれ、前記孔の中に前記シート状エラストマー層から突出したエラストマーの突起が嵌入されてなることを特徴とする熱伝導性シート。
【0012】
(2)シート状黒鉛層の片面にシート状エラストマー層が積層され、前記孔がシート状黒鉛層の厚さ方向に貫通して多数穿たれ、前記多数の孔の中に、前記シート状エラストマー層から突出した多数のエラストマーの突起が前記シート状黒鉛層の厚さ方向に貫通して嵌入されていることを特徴とする上記(1)記載の熱伝導性シート。
【0013】
(3)シート状黒鉛層の両面にシート状エラストマー層が積層され、前記孔がシート状黒鉛層の厚さ方向に貫通して多数穿たれ、前記多数の孔の中に、前記シート状エラストマー層から突出した多数のエラストマーの突起が前記シート状黒鉛層の厚さ方向に貫通して嵌入されて前記シート状黒鉛層の両面にシート状エラストマー層が一体に結合されていることを特徴とする上記(1)記載の熱伝導性シート。
【0014】
(4)シート状黒鉛層の片面にシート状エラストマー層が積層され、前記孔がシート状黒鉛層の積層面側から厚さ方向の中途まで多数穿たれ、前記多数の孔の中に、前記シート状エラストマー層から突出した多数のエラストマーの突起が前記シート状黒鉛層の厚さ方向の中途まで嵌入されていることを特徴とする上記(1)記載の熱伝導性シート。
【0015】
(5)シート状黒鉛層の両面にシート状エラストマー層が積層され、前記孔がシート状黒鉛層の両面に厚さ方向の中途まで多数穿たれ、前記多数の孔の中に、前記シート状エラストマー層から突出した多数のエラストマーの突起が前記シート状黒鉛層の両面から厚さ方向の中途まで嵌入されていることを特徴とする上記(1)記載の熱伝導性シート。
【0016】
(6)シート状黒鉛層の片面にシート状エラストマー層が積層され、前記孔がシート状黒鉛層の厚さ方向に貫通するものと厚さ方向に中途までのものとが多数穿たれ、前記多数の孔の中に、前記シート状エラストマー層から突出した多数のエラストマーの突起が前記シート状黒鉛層の厚さ方向に貫通して嵌入されるとともに中途まで嵌入されていることを特徴とする上記(1)記載の熱伝導性シート。
【0017】
(7)シート状黒鉛層の両面にシート状エラストマー層が積層され、前記孔がシート状黒鉛層の厚さ方向に貫通するものと厚さ方向に中途までのものとが多数穿たれ、前記多数の孔の中に、前記シート状エラストマー層から突出した多数のエラストマーの突起が前記シート状黒鉛層の厚さ方向に貫通して嵌入されて前記シート状黒鉛層の両面にシート状エラストマー層が一体に結合されるとともに中途まで嵌入されていることを特徴とする上記(1)記載の熱伝導性シート。
【0018】
(8)シート状黒鉛層の厚さ方向に貫通する孔または厚さ方向の中途までの孔の中に嵌入されているシート状エラストマー層から突出した多数のエラストマーの突起は、硬化前のエラストマー原液が、前記シート状黒鉛層の孔に流入した後に硬化して形成されたものであることを特徴とする上記(1)〜(7)記載の何れか一つの熱伝導性シート。
【0019】
(9)シート状エラストマー層に、織布または不織布が埋設されていることを特徴とする上記(1)〜(8)記載の何れか一つの熱伝導性シート。
【0020】
(10)シート状エラストマー層に、織布または不織布が埋設され、シート状黒鉛層に穿たれた孔に沿って前記織布または不織布が入り込んでいることを特徴とする上記(1)〜(8)記載の何れか一つの熱伝導性シート。
【0021】
(11)エラストマーに、熱伝導性充填材、カーボンナノチューブおよびカーボンマイクロコイルから選ばれた少なくとも一種が配合されていることを特徴とする上記(1)〜(10)記載の何れか一つの熱伝導性シート。
【0022】
(12)シート状黒鉛層の両面に積層されるエラストマーに、熱伝導性充填材、カーボンナノチューブおよびカーボンマイクロコイルから選ばれた少なくとも一種が、両面相異なる組成で配合されていることを特徴とする上記(3)、(5)、(7)記載の何れか一つの熱伝導性シート。
【0023】
(13)エラストマーが、シリコーンゴムを基材とするものであることを特徴とする上記(1)〜(12)記載の何れか一つの熱伝導性シート。
【0024】
(14)熱伝導性充填材が、軟磁性フェライトであることを特徴とする上記(11)または(12)記載の熱伝導性シート。
【0025】
(15)軟磁性フェライトが、Ni−Zn系軟磁性フェライトであることを特徴とする上記(14)記載の熱伝導性シート。
【0026】
(16)硬化前のエラストマー原液をほぼ均一に流延した上に、多数の厚さ方向に貫通した孔または厚さ方向の中途までの孔が穿たれたシート状黒鉛の開口面を載置する工程と、前記シート状黒鉛の開口面に硬化前のエラストマー原液をほぼ均一に流延する工程のいずれか一つの工程と、前記いずれか一つの工程と同時あるいはその後に押圧して前記エラストマー原液の流延層を均一な所望の厚さに調整すると共に、前記エラストマー原液の一部を前記シート状黒鉛に穿たれた孔に流入せしめる工程と、その後に前記エラストマー原液とその一部を硬化させて、前記シート状黒鉛に積層するシート状エラストマー層と該シート状エラストマー層から突出した多数のエラストマーの突起とを形成する工程とを備えることを特徴とする熱伝導性シートの製造方法。
【0027】
(17)硬化前のエラストマー原液をほぼ均一に流延した上に、多数の厚さ方向に貫通した孔または厚さ方向の中途までの孔が穿たれたシート状黒鉛の開口面を載置する工程と、前記シート状黒鉛の開口面に硬化前のエラストマー原液をほぼ均一に流延する工程と、前記いずれか一つの工程と同時あるいはその後に押圧して前記エラストマー原液の流延層を均一な所望の厚さに調整すると共に、前記エラストマー原液の一部を前記シート状黒鉛に穿たれた孔に流入せしめる工程と、その後に前記エラストマー原液とその一部を硬化させて、前記シート状黒鉛の両面に積層するシート状エラストマー層と該シート状エラストマー層から突出した多数のエラストマーの突起とを形成する工程とを備えることを特徴とする熱伝導性シートの製造方法。
【0028】
(18)エラストマー原液の流延層を均一な所望の厚さに調製する際に、硬化済みのエラストマーシートを硬化前のエラストマー原液に埋没させることを特徴とする上記(16)または(17)記載の熱伝導性シートの製造方法。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明で熱伝導性シートを構成するシート状黒鉛層としては、従来から知られた各種のシート状黒鉛を適宜選択して用いることができる。例えば、シート状黒鉛には、天然黒鉛から誘導されたものや、黒鉛化できる高分子化合物を黒鉛化して誘導されたもの等の各種のシート状黒鉛があるが、その製造由来は問わない。シート状黒鉛の厚さは、必要に応じて適宜設定することができるが、一般に、0.2〜1.6mmが適当である。このシート状黒鉛は可撓性を有するものが好ましい。また、シート状黒鉛には、必要に応じて、シート状エラストマー層との接着性を向上させるために、予めプライマーを塗布しておくこともできる。このプライマーの例として、プライマーC(商品名:信越シリコーン社製)、プライマーX(商品名:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)、プライマーY(商品名:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)、ME151(商品名:東芝シリコーン社製)等が挙げられる。
【0030】
本発明で熱伝導性シートを構成するシート状エラストマー層に用いるエラストマーとしては、従来から知られた各種のエラストマーを適宜選択して用いることができる。このエラストマーの例として、シリコーンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム等が挙げられる。これらの中でも、シリコーンゴムが好ましく用いられる。
【0031】
また、このシリコーンゴムとしては、従来から知られた各種のシリコーンゴムを適宜選択して用いることができる。例えば、加熱硬化型あるいは常温硬化型のもの、硬化機構が縮合型あるいは付加型のものなど、いずれも用いることができる。また、ケイ素原子に結合する基も特に限定されるものではなく、その例として、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基のほか、これらの基の水素原子が部分的に他の原子または結合基で置換されたものを挙げることができる。上記各種のシリコーンゴムの中でも、硬化機構が付加型のものは、硬化に際して副生成物が生成されず、この点好ましく用いられる。
【0032】
上記シート状エラストマー層に用いるシリコーンゴムは、ゲル状態のものでもよく、例えば、硬化後におけるJIS K2207−1980(50g荷重)の針入度が5〜200のものを用いることができる。この程度の柔らかさになるシリコーンゴムを用いると、それから形成されるシート状エラストマー層の密着性が増し、熱伝導性シートの取り付けに際し便利である。
【0033】
また、一般に、市販のシリコーンゴム等のエラストマーには、充填材、可塑材、その他の添加剤等を含んだ形で市場に出荷されるものがあるが、かかる充填材、可塑材、着色剤、難燃剤、その他の添加剤を含んだエラストマーも、本発明の目的を損なわない範囲内において適宜選択して用いることができる。
【0034】
本発明の熱伝導性シートを構成するに際し、上記エラストマーは、必要に応じて、そのまま用いることもできるし、熱伝導性充填材や、カーボンナノチューブやカーボンマイクロコイルを配合して用いることもできる。
【0035】
上記エラストマーに配合する熱伝導性充填材としては、従来から知られた各種の熱伝導性充填材等を適宜選択して用いることができる。その例として、軟磁性または硬磁性フェライト、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化硼素、窒化チタン、窒化ジルコニウムの等の窒化物、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化硼素、酸素チタン、酸化ジルコニウム等の酸化物、純鉄、金属ケイ素等が挙げられる。これらの熱伝導性充填材は、必要に応じて複数種併用することもできる。また、熱伝導性充填材の形状は、必要に応じて球状、繊維状、不定形状等の任意の形状にすることができ、また、その大きさを、必要に応じて適宜設定することができるが、一般に、粒径3〜50μm程度の球状であることが分散性向上等の点から好ましい。熱伝導性充填材の配合量は、必要に応じて適宜設定することができるが、一般に、エラストマーに十分な熱伝導性を付与し、かつその良好な成形性を確保するために、エラストマーと配合された熱伝導性充填材の合計重量に対して20〜80重量%が適当である。
【0036】
上記各種の熱伝導性充填材の中でも、軟磁性フェライトが好ましく用いられる。特に、エラストマーがシリコーンゴムである場合に好ましく用いられる。この軟磁性フェライトとしては、従来から知られた各種の軟磁性フェライトを適宜選択して用いることができ、その例として、Mn−Mg系、Ni−Zn系、Cu−Zn系等の軟磁性フェライトが挙げられる。これらの軟磁性フェライトの中でも、Ni−Zn系が、相応に熱伝導性が高く、シリコーンゴムの硬化阻害を起こし難く、シリコーンゴムへの分散性に優れているという特性を兼ね備えていて、エラストマーがシリコーンゴムであるときに特に好ましく用いられる。また、軟磁性フェライトは、例えば窒化硼素等のような高熱伝導充填材と比べると遥かに低価格で入手することができ、経済的である観点からも好ましく用いられる。
【0037】
また、上記各種の熱伝導性充填材は、必要に応じて、エラストマーとの混合性を一層高めてエラストマーに一層均一に分散させるために、その表面をシランカップリング剤で処理することができる。このシランカップリング剤としては、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラ、ビニルトリメトキシシラン、ビニル・トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−クリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ユレイドプロピルトリエトキシシラン等を挙げることができる。シランカップリング剤の使用量は、必要に応じて適宜設定することができるが、一般に、熱伝導性充填材の重量に対して約0.2〜10重量%が好ましい。
【0038】
また、上記エラストマーに配合するカーボンナノチューブやカーボンマイクロコイルとしては、公知の種々のカーボンナノチューブやカーボンマイクロコイルを適宜選択して用いることができる。カーボンナノチューブは、一般に、炭素からなる、外径が2〜70nm、長さが直径の102倍以上である円筒状の中空繊維状のものであって、炭素含有ガスの気相分解反応や、炭素棒、炭素繊維等を用いたアーク放電法等によって得られるものである。また、その末端形状は必ずしも円筒状である必要はなく、例えば円錐状等変形していても差し支えない。さらに、末端は閉じていても開いていてもどちらでも良い。好ましく用いられるカーボンナノチューブの例として、ハイペリオン・カタリシス・インターナショナル社製のGraphite Fibrils・Grades BN(商品名)等が挙げられる。カーボンマイクロコイルは、一般に、炭素からなる、繊維直径が0.05〜5μm、コイル外径が繊維直径の2〜10倍であり、巻数が10μm当たり5/コイル外径(μm)〜50/コイル外径(μm)であるコイル状繊維のものであって、炭素含有ガスの気相分解反応によって得られるものである。これらのカーボンナノチューブとカーボンマイクロコイルは、必要に応じて、併用することもできる。そして、カーボンナノチューブやカーボンマイクロコイルの配合量は、未だこれらの総生産量が少ないこともあって非常に高価であるため、必要に応じて適宜設定することとなるが、一般に、エラストマーとその配合物の合計重量に対して0.05〜10重量%が適当である。このカーボンナノチューブやカーボンマイクロコイルは、熱伝導性を有すると共に、電磁波吸収性に優れたものであるから、これらを配合すると電磁波吸収性も向上される。また、必要に応じて、このカーボンナノチューブやカーボンマイクロコイルと上記熱伝導性充填材とを併用することもでき、この場合、これらの合計重量が、これらの合計重量とエラストマーの重量の合計重量に対して20〜80重量%であることが適当である。
【0039】
さらに、本発明の熱伝導性シートを構成するに際し、上記エラストマーには、必要に応じて、本発明の目的を損なわない範囲において、一般に従来からエラストマーに用いられているような硬化剤、硬化促進剤、着色剤、難燃材等の一般的添加剤を適量配合することができる。
【0040】
本発明の熱伝導性シートの一例の構造を模式的に図示すれば図1および図2のとおりである。図1は熱伝導性シートに用いたシート状黒鉛の平面図であり、図2は上記シート状黒鉛を用いて作製された熱伝導性シートの厚さ方向の断面図である。図2の例においては、シート状黒鉛層1の片面にシート状エラストマー層2が積層されている。そして、シート状黒鉛層1に、その厚さ方向に貫通した孔3が多数穿たれており、この多数の孔3中に、シート状エラストマー層2から突出した多数のエラストマーの突起4が、シート状黒鉛層1の厚さ方向に貫通して嵌入されている。
【0041】
他の一例の構造を模式的に図示すれば図3のとおりである。図3の例においては、シート状黒鉛層1の両面にシート状エラストマー層2および2´がそれぞれ積層されている。そして、シート状黒鉛層1に、その厚さ方向に貫通した孔3が多数穿たれており、この多数の孔3中に、シート状エラストマー層2または2´から突出した多数のエラストマーの突起4が、シート状黒鉛層1の厚さ方向に貫通して嵌入されており、この多数のエラストマーの突起4を介してシート状エラストマー層2および2´が一体に結合されている。
【0042】
さらに他の一例の構造を模式的に図示すれば図4のとおりである。図4の例においては、シート状黒鉛層1の片面にシート状エラストマー層2が積層されている。そして、孔5が、シート状黒鉛層1のシート状エラストマー層2が積層された面側から厚さ方向の中途まで多数穿たれており、この多数の孔5中に、シート状エラストマー層2から突出した多数のエラストマーの突起6が、シート状黒鉛層の厚さ方向の中途まで嵌入されている。ここで、シート状黒鉛層1に穿つ孔5の深さdは、適宜設定することができるが、シート状黒鉛層1の厚さWの半分(W/2)よりも深く形成することが好ましい。このようにすれば、シート状黒鉛層1の層間がより補強されて、層間剥離の防止効果が大きくなる。
【0043】
なおさらに他の一例の構造を模式的に図示すれば図5のとおりである。図5の例においては、シート状黒鉛層1の両面にシート状エラストマー層2および2´が積層されている。そして、孔5および5´が、シート状黒鉛層1の両面から厚さ方向の中途まで多数穿たれており、この多数の孔5および5´中に、シート状エラストマー層2および2´から突出した多数のエラストマーの突起6および6´が、シート状黒鉛層の両面から厚さ方向の中途まで嵌入されている。
【0044】
本発明の熱伝導性シートにおいては、シート状黒鉛層に穿つ多数の孔として、その厚さ方向に貫通した孔と、その厚さ方向の中途までの孔とを混在させ、これらの二種の孔に対応するように、シート状エラストマー層から突出した多数のエラストマーの突起を、シート状黒鉛層の厚さ方向に貫通して嵌入させるとともに、シート状黒鉛層の厚さ方向の中途まで嵌入させた構成とすることもできる。このような例を図6および図7に示す。まず図6の例では、シート状黒鉛層1の片面にシート状エラストマー層2が積層されている。そして、シート状黒鉛層1には、厚さ方向に貫通する孔3と厚さ方向の中途までの孔5とが多数穿たれ、この多数の孔3および5のそれぞれに対応して、シート状エラストマー層2から突出した多数のエラストマーの突起4がシート状黒鉛層1の厚さ方向に貫通して嵌入され、突起6が厚さ方向の中途まで嵌入されている。
【0045】
また、図7の例では、シート状黒鉛層1の両面にシート状エラストマー層2および2´が積層されている。そして、シート状黒鉛層1には、その厚さ方向に貫通する孔3と厚さ方向の中途までの孔5および5´とが多数穿たれ、この多数の、貫通する孔3と中途までの孔5および5´のそれぞれに対応して、シート状エラストマー層2および2´から突出した多数のエラストマーの突起4がシート状黒鉛層1の厚さ方向に貫通して嵌入されてシート状黒鉛層1の両面にシート状エラストマー層2および2´が一体に結合され、突起6および6´が厚さ方向の中途まで嵌入されている。
【0046】
また、本発明の熱伝導性シートにおいては、シート状黒鉛層に穿たれた多数の厚さ方向に貫通した孔または厚さ方向の中途までの孔の中に嵌入されているシート状エラストマー層から突出した多数のエラストマーの突起は、一般に、硬化前のエラストマー原液が、シート状黒鉛層に穿たれた孔の中に流入した後に硬化して形成される。
【0047】
また、本発明の熱伝導性シートにおいては、シート状黒鉛層に積層させるシート状エラストマー層に、必要に応じて、織布または不織布を埋設することができる。なお、ここでいう「埋設」とは、織布・不織布がシート状エラストマー層の中に包まれるように内在する状態、及び織布・不織布がシート状エラストマー層とシート状黒鉛層の間の界面に位置するよう埋め込まれた状態のいずれも意味するものである。この例を図8および図9に示す。図8の熱伝導性シートは、上記図2の例と同様に、シート状黒鉛層1の片面にシート状エラストマー層2が積層され、シート状黒鉛層1の厚さ方向に貫通した孔3に、シート状エラストマー層2から突出した多数のエラストマーの突起4が貫通して嵌入されているとともに、不織布7がシート状エラストマー層2の中に包まれるように内在された例である。一方の図9に示す熱伝導性シートは、不織布7がシート状エラストマー層2とシート状黒鉛層1の間の界面に位置するよう埋め込まれた例である。これにより、織布または不織布がシート状黒鉛層の補強材として機能し、熱伝導性シートの変形等により生じるシート状黒鉛の劈開あるいは欠落を防止することができる。なお、織布・不織布は、シート状エラストマー層をシート状黒鉛層の両面に設ける場合に、その両面のシート状エラストマー層に対して埋設することが望ましいが、どちらか一方のエラストマー層にのみ埋設することもできる。
【0048】
上記の織布または不織布としては、耐熱性を有することを条件として、種々の合成繊維、天然繊維、ガラス繊維、金属繊維等の織布、不織布の中から適宜選択し用いることができる。ただし、熱伝導性シートの、電気・電子機器等へ取り付ける側に設けたシート状エラストマー層に対して埋設する織布・不織布は、耐熱性に加えて電気絶縁性をも有することが必要である。このような織布・不織布の好適な例として、メタ・アラミドペーパー(商品名:デュポン帝人アドバンスドペーパー社製)等のアラミド系繊維からなる不織布を好適な例として挙げることができる。また、織布または不織布の厚さは、厚過ぎると熱伝導性シート全体の熱伝導率が低下し、またシートの可撓性も損なわれるので好ましくなく、逆に薄過ぎるとシート状黒鉛層の補強効果が十分に得られないので、これらを考慮して適宜設定される。具体的には30〜100μm程度が適当であるがこれに限定されるものではない。
【0049】
次に、本発明の熱伝導性シートの製造方法を、シート状エラストマー層に対して(イ)織布または不織布を埋設しない場合、(ロ)織布または不織布を埋設する場合、のそれぞれについて以下に説明する。
【0050】
まず、上記(イ)の場合、熱伝導性シートは、上記シート状黒鉛に、予め多数の厚さ方向に貫通した孔または厚さ方向の中途までの孔を穿ち、かかる多数の孔が穿たれたシート状黒鉛と、上記熱伝導性充填材、カーボンナノチューブおよびカーボンマイクロコイルから選ばれた少なくとも一種等を必要に応じて配合した上記エラストマーの硬化前の原液を、一般に、該シート状黒鉛の片面または両面に該硬化前のエラストマー原液を塗布し、その際エラストマー原液をシート状黒鉛に穿たれた多数の孔の中に流入させ、しかる後硬化前のエラストマー原液を硬化させることにより、シート状黒鉛にシート状エラストマー層を形成すると共に、シート状黒鉛に穿たれた多数の孔の中に嵌入した、シート状エラストマー層から突出した多数のエラストマーの突起を形成させて作製される。かくして作製された熱伝導性シートは、シート状黒鉛に穿たれた多数の孔の中に嵌入した、シート状エラストマー層から突出した多数のエラストマーの突起によって、熱伝導性シートのシート状黒鉛層とシート状エラストマー層の接着面の強度が補強されて、当該接着面の剥離が抑制され、かつ、シート状黒鉛層の層間が厚さ方向に強化されて、シート状黒鉛層の層間剥離が抑制され、熱伝導性シートの積層維持強度が向上される。また、本発明の熱伝導性シートは、一般にフレキシブルなシートである。
【0051】
また、シート状黒鉛層の両面にシート状エラストマー層を積層し、その積層されるエラストマーに、熱伝導性充填材、カーボンナノチューブおよびカーボンマイクロコイルから選ばれた少なくとも一種を配合する場合、配合する物質の種類・量等の組成を、両面のエラストマー層で同一とすることもできるし相異なるようにすることもできる。相異なる場合の具体例として、熱伝導性シートの、ICチップ等の電子機器に面する側のエラストマーに、電気絶縁性を確保するため軟磁性フェライトのみを配合し、他方の、開放される面あるいは放熱フィン等に接続される側のエラストマーには、電磁波吸収効果を付与するためにカーボンナノチューブを配合する場合等を挙げることができる。
【0052】
上記(イ)の熱伝導性シートの作製に当たり、シート状黒鉛に予め穿っておく孔の数、孔の水平断面形状、孔の大きさは、必要に応じて適宜設定することができるが、一般に、孔の数は1〜20個/cm2が適当であり、孔の水平断面形状は円形が好ましく、孔の大きさは直径0.2〜2mmが適当である。シート状黒鉛に孔を穿つ方法は、目打ちやニードルなどパンチングや、ウォータージェットやレーザー等の公知の穿孔手段を適宜採用することができる。
【0053】
また、上記(イ)の熱伝導性シートの作製に当たり、用いるエラストマーに、熱伝導性充填材、カーボンナノチューブやカーボンマイクロコイル等を配合する場合は、エラストマーにこれらの配合物を、ヘンシェルミキサー、バンバリー混合機、三本ロール混練機等の公知の混合手段を用いて、容易に均一に分散させることができる。また、硬化前のエラストマー原液のシート状黒鉛への塗布は、スプレー法、デイッピング法、カレンダリング法、ワイヤーバーコート法等の公知の塗布手段を用いて適宜行うことができる。また、エラストマーの塗布量は、必要に応じて適宜設定することができるが、硬化後の厚さで0.1〜1mmが適当であり、また、作製する熱伝導性シートの全体の厚さ、すなわちシート状黒鉛層の厚さとシート状エラストマー層の厚さを合計した厚さも、必要に応じて適宜設定することができるが、0.3〜3.6mm(片面最小厚さ〜両面最大厚さ)が適当である。また、塗布した硬化前のエラストマー原液の硬化は、用いたエラストマーの種類に応じて適宜設定することができる。
【0054】
上記(イ)に係る熱伝導性シートの製造方法の好ましい具体的態様を例示すれば次のとおりである。
(a)硬化前のエラストマー原液をほぼ均一に流延した上に、多数の厚さ方向に貫通した孔または厚さ方向の中途までの孔が穿たれたシート状黒鉛の開口面を載置する工程と、上記工程と同時あるいはその後に押圧して上記エラストマー原液の流延層を均一な所望の厚さに調整すると共に、上記エラストマー原液の一部を上記シート状黒鉛に穿たれた孔に流入せしめる工程と、その後に上記エラストマー原液とその一部を硬化させて、上記シート状黒鉛に積層するシート状エラストマー層と該シート状エラストマー層から突出した多数のエラストマーの突起とを形成する工程とから構成して熱伝導性シートを製造する。なお、上記方法においては、均一に流延したエラストマー原液の上にシート状黒鉛を載置する工程に代わり、それとは逆の工程、すなわちシート状黒鉛の開口面に硬化前のエラストマー原液をほぼ均一に流延する工程を採用することもできる。
【0055】
(b)硬化前のエラストマー原液をほぼ均一に流延した上に、多数の厚さ方向に貫通した孔または厚さ方向の中途までの孔が穿たれたシート状黒鉛の開口面を載置する工程と、上記シート状黒鉛の開口面に硬化前のエラストマー原液をほぼ均一に流延する工程と、上記いずれか一つの工程と同時あるいはその後に押圧して上記エラストマー原液の流延層を均一な所望の厚さに調整すると共に、上記エラストマー原液の一部を上記シート状黒鉛に穿たれた孔に流入せしめる工程と、その後に上記エラストマー原液とその一部を硬化させて、上記シート状黒鉛の両面に積層するシート状エラストマー層と該シート状エラストマー層から突出した多数のエラストマーの突起とを形成する工程とから構成して熱伝導性シートを製造する。
【0056】
(c)上記(a)または(b)の製造方法において、エラストマー原液の流延層を均一な所望の厚さに調製する際に、硬化済みのエラストマーシートを硬化前のエラストマー原液に埋没させて熱伝導性シートを製造する。このようにすれば、硬化済みのエラストマーシートがスペーサーを兼ねるため、流延層の厚さがさらに均一になる。
【0057】
一方、上記(ロ)に係る熱伝導性シートであって織布・不織布をシート状エラストマー層の中に包むように内在させる場合は、例えば、まず織布または不織布を、上記(イ)と同様に調製されたエラストマー原液中に浸漬する等して、エラストマー原液を織布または不織布に含浸させ、次にそのエラストマー原液を含浸させた織布または不織布を、上記(イ)で述べたような、予め孔が穿たれたシート状黒鉛の片面または両面に積層させてエラストマー原液をシート状黒鉛の孔の中に流入させ、その後エラストマー原液を硬化させることにより、シート状エラストマー層とそのエラストマー層から突出する多数の突起を形成して作製される。あるいは、別の方法として、予め孔が穿たれたシート状黒鉛の片面または両面に、上記エラストマー原液を塗布し、その上に織布または不織布を積層させ、さらにエラストマー原液を塗布し、エラストマー原液をシート状黒鉛に穿たれた孔の中に流入させ、その後に硬化させることによっても同様の熱伝導性シートを得ることができる。また、上記(ロ)の場合であって織布・不織布をシート状エラストマー層とシート状黒鉛層の間の界面に位置するよう埋め込む場合には、例えば、予め孔が穿たれたシート状黒鉛の片面または両面に、接着剤を薄く塗布してから織布・不織布を積層させ、さらにその上にエラストマー原液を塗布し、続いて圧力を加える等の手段によりエラストマー原液を織布・不織布の目に通過させつつシート状黒鉛に穿たれた孔の中に流入させ、その後に硬化させることによって目的の熱伝導性シートを得ることができる。なお、シート状黒鉛に塗布する接着剤としては、織布・不織布とシート状黒鉛とを十分に接着できるものであれば特に成分を問わずに用いることができる。また、別の例としては、織布・不織布とシート状黒鉛とを積層させる際に上記接着剤を用いず、織布・不織布を溶着により積層させることもできる。なお、織布・不織布の上に塗布するエラストマー原液は、織布・不織布に含浸させつつ硬化させると密着性が高まるため好ましい。なお、エラストマー原液を塗布する手段、硬化後のエラストマー層の厚さ、およびシート状エラストマー層をシート状黒鉛層の両面に形成する場合に熱伝導性充填材等を両面で相異なる組成にできること等については上記(イ)の場合と同様である。また、エラストマー原液をシート状黒鉛の孔に流入させ、硬化させる際には、エアーの残留を無くし確実に密着させるため、ロールや平板プレス等で加圧することが好ましい。
【0058】
上記(ロ)の場合のように、シート状エラストマー層に織布・不織布を埋設することにより、シート状黒鉛層が補強されるため、製造過程において例えば巻取りテンション等の外力を加えた際に、シート状黒鉛層がちぎれる等の事態を回避することができる。したがって、目的の熱伝導性シートを連続シートとして製造することが可能となり量産性が向上する。
【0059】
また、上記織布または不織布は、シート状エラストマー層に単に埋設させるだけでなく、シート状黒鉛層に穿たれた孔に沿って入り込ませた構成とすることもできる。このような例を図10に示す。図10は、熱伝導性シートの拡大した断面を模式的に示したものである。図10によれば、不織布7がシート状エラストマー層2に埋設されているとともに、シート状黒鉛に穿たれた孔3に沿って入り込んでいる。このような熱伝導性シートは、例えば、予めシート状黒鉛と織布または不織布とを積層させた上で両者を貫通するように一緒に孔を穿ち、その後、上述の(イ)の場合と同様にエラストマー原液を塗布・硬化させることにより作製することができる。あるいは、予めシート状黒鉛のみに孔を穿ち、その上に織布または不織布を積層させ、シート状黒鉛の孔の中へ織布または不織布を押し込み、その後にエラストマー原液を塗布・硬化させて作製しても良い。
織布または不織布をシート状黒鉛の孔に入り込ませることにより、シート状黒鉛層とシート状エラストマー層とが一体化してより密着性が高まり、積層維持強度をさらに向上させることができる。
【0060】
【実施例】
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0061】
実施例1
厚さ0.3mmのシート状黒鉛(日本カーボン社製;ニカフィルムFLー401(商品名))に、断面が直径0.8mmの円形の孔を、その数9個/cm2の割合で、各孔等間隔にシート状黒鉛の厚さ方向に貫通させて穿ち、その表面にプライマー(信越シリコーン社製;プライマーC)を塗布した後、この多数の孔を穿ったシート状黒鉛の表面上に、JIS K2207−1980(50g荷重)の針入度が100に硬化するシリコーンゲル組成物(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製;CF5057(商品名))を、空気を巻き込まないように流し込み、その上から四隅にスペーサーを介在させたガラス板で蓋をして、100℃で30分間の加熱プレスを行った。シリコーンゲル組成物が硬化したのを確認して、ガラス板を取り除き、熱伝導性シートを得た。得られた熱伝導性シートは、シート状黒鉛の片側にシート状エラストマー層としてのシリコーンゲルが積層された状態のものであり、シリコーンゲルの層の厚さは1.0mmであり、熱伝導性シート全体としては1.3mmであった。得られた熱伝導性シートについて、外観やカット断面を目視により観察したところ、シート状黒鉛の穿たれた孔から裏面にまでシリコーンゲルが貫通して硬化しており、ガラス板を取り外す際に、シート状黒鉛が層間剥離することもなく、容易に剥がすことができた。また、使用時を想定しての手指による屈曲を数10回繰り返しても、シート状黒鉛の層からシリコーンゲルの層が剥離することはなく、また、シート状黒鉛の層自体で層間剥離することもなかった。屈曲を厳しく、通常の使用時には考えられない程度の折り曲げを行ったところ、シート状黒鉛層からシリコーンゲル層が剥離することはなかったが、シート状黒鉛はその屈折部で層間剥離が認められた。さらに、得られた熱伝導性シートについて、熱伝導率を熱伝導率計(京都電子工業社製;QTM500)にて測定したところ、1.57W/mKであった。
【0062】
実施例2
シリコーンゲルに代えて、アクリルゲル(綜研化学社製)を用いたこと以外は、実施例1に準拠して、シート状黒鉛の片側に1.0mm厚のアクリルゲルが積層され、全体としては1.3mm厚の熱伝導性シートを得た。得られた熱伝導性シートについて、外観やカット断面を目視により観察した結果、実施例1と同様に、シート状黒鉛の穿たれた孔から裏面にまでアクリルゲルが貫通して硬化しており、また、使用時を想定しての手指による屈曲に関しても、実施例1と同様に、数10回程度の繰り返しでは、シート状黒鉛の層からアクリルゲルの層が剥離することはなく、また、シート状黒鉛の層自体で層間剥離することもなかった。なお、アクリルゲルの粘着性がシリコーンゲルの粘着性よりも強かったため、ガラス板から剥がすのには、実施例1よりも多少ゆっくり行った。得られた熱伝導性シートについて、熱伝導率を実施例1と同様にして測定したところ、1.56W/mKであり、実施例1と同程度の熱伝導率であった。
【0063】
実施例3
実施例1で用いたと同じJIS K2207−1980(50g荷重)による針入度が100に硬化するシリコーンゲル組成物(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製;CF5057(商品名))の50重量部に、熱伝導性充填材として窒化アルミニウム(熱研社製)50重量部を、三本ロール混練機にて常温下で混合して、窒化アルミニウムを分散させたシリコーンゲル組成物とし、これを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、シート状黒鉛の片側に1.0mm厚のシリコーンゲルが積層され、全体としては1.3mm厚の熱伝導性シートを得た。得られた熱伝導性シートについて、外観やカット断面を目視により観察した結果、実施例1と同様に、シート状黒鉛の穿たれた孔から裏面にまでシリコーンゲルが貫通して硬化しており、ガラス板を取り外す際にも、問題なく、容易に剥がすことができた。また、使用時を想定しての手指による屈曲に関しても、実施例1と同様に、数10回程度の繰り返しでは、シート状黒鉛の層からシリコーンゲルの層が剥離することはなく、また、シート状黒鉛の層自体で層間剥離することもなかった。得られた熱伝導性シートについて、熱伝導率を実施例1と同様にして測定したところ、3.65W/mKであり、熱伝導性充填材として窒化アルミニウムを配合している分、熱伝導率が向上していた。
【0064】
実施例4
実施例3における窒化アルミニウムの50重量部に代えて、平均粒径16μmの球状のNi−Zn系軟磁性フェライト粉末(パウダーテック社製)80重量部を分散させたこと以外は、実施例3と同様にして、シート状黒鉛の片側に1.0mm厚のシリコーンゲルが積層され、全体としては1.3mm厚の熱伝導性シートを得た。得られた熱伝導性シートについて、外観やカット断面を目視により観察した結果、実施例1と同様に、シート状黒鉛の穿たれた孔から裏面にまでシリコーンゲルが貫通して硬化しており、ガラス板を取り外す際にも、問題なく、容易に剥がすことができた。また、使用時を想定しての手指による屈曲に関しても、実施例1と同様に、数10回程度の繰り返しでは、シート状黒鉛の層からシリコーンゲルの層が剥離することはなく、また、シート状黒鉛の層自体で層間剥離することもなかった。得られた熱伝導性シートについて、熱伝導率を実施例1と同様にして測定したところ、3.25W/mKであり、熱伝導性充填材としてNi−Zn系軟磁性フェライトを配合している分、実施例1よりは大幅に熱伝導率が向上しており、窒化アルミニウムを配合している実施例3よりは幾分熱伝導率が低下していた。
【0065】
実施例5
実施例4で用いたのと同じシリコーンゲル組成物を用い、このシリコーンゲル組成物を、予め、ガラス板上に厚さ1mmで半硬化させておき、この上にシート状黒鉛を載置し、さらにその上に同じシリコーンゲル組成物を流し込んだこと以外は、実施例4に準拠して、シート状黒鉛が表裏の1.0mm厚のシリコーンゲルでサンドイッチされた如く積層された、全体としては2.3mm厚の熱伝導性シートを得た。得られた熱伝導性シートについて、外観やカット断面を目視により観察した結果、後から流し込まれたシリコーンゲル組成物は、シート状黒鉛の穿たれた孔から予め半硬化させておいたシリコーンゲルの層にまで達して硬化しており、表裏のシリコーンゲル層は貫通孔において硬化した部分を介して一体的に硬化していた。なお、ガラス板を取り外す際には、問題なく、前記実施例にも増して容易に剥がすことができた。また、使用時を想定しての手指による屈曲に関しては、厚みから由来する曲げ難さが前記実施例よりも多少増したものの、シート状黒鉛の層からシリコーンゲルの層が剥離することはなく、また、シート状黒鉛の層自体で層間剥離することもなかった。扱っていて、非常に安心感のあるものでった。さらに、得られた熱伝導性シートについて、熱伝導率を前記実施例と同様にして測定したところ、2.55W/mKであり、両側にNi−Zn系軟磁性フェライトを分散させたシリコーンゲル層を積層した分、実施例4よりは熱伝導率が低下していた。
【0066】
実施例6
実施例5で用いたと同じシリコーンゲル組成物に、さらにカーボンナノチューブ(ハイペリオン・カタリシス・インターナショナル社製;Graphite Fibrils・Grades BN(商品名))の1重量部を加え、これを予めガラス板上で半硬化させるシリコーンゲル組成物とし、一方シート状黒鉛の上に流し込むシリコーンゲル組成物としては実施例5で用いたと同じシリコーンゲル組成物をそのまま用いたこと以外は、実施例5と同様にして、シート状黒鉛が表裏の1.0mm厚の組成が相異なるシリコーンゲルでサンドイッチされた如く積層された、全体としては2.3mm厚の熱伝導性シートを得た。得られた熱伝導性シートは、実施例5と同様に、表裏のシリコーンゲル層は貫通孔において硬化した部分を介して一体的に硬化しており、使用時を想定しての手指による屈曲に関しても、シート状黒鉛の層からシリコーンゲルの層が剥離することはなく、また、シート状黒鉛の層自体で層間剥離することもなく、扱っていて非常に安心感のあるものであった。さらに、得られた熱伝導シートについて、熱伝導率を前記実施例と同様にして測定したところ、2.62W/mKであり、実施例5と同程度の熱伝導率であった。また、LED点滅数と電子音で電磁波の強弱を知らせる簡易な電磁波検知具を、パソコンに繋がれたCRTの前方に置き、この間に熱伝導性シートを挿脱したときのLED点滅数および電子音強弱の差により、この熱伝導シートは電磁波吸収性にも優れることを確認した。
【0067】
実施例7
シート状黒鉛に、断面直径0.8mmの円形で、0.2mmの貫通しない凹部を設けたこと以外は、実施例1と同様にして、シート状黒鉛の片側に1.0mm厚のシリコーンゲルが積層され、全体としては1.3mm厚の熱伝導性シートを得た。得られた熱伝導性シートについて、外観やカット断面を目視により観察した結果、シート状黒鉛の凹部にシリコーンゲル組成物が流れ込んで硬化しており、シリコーンゲルの凹部へのアンカー効果と接触面積が増えたことにより、ガラス板を取り外す際にもシート状黒鉛の層からシリコーンゲルの層が剥離することはなく、また、シート状黒鉛が層間剥離することもなかった。また、使用時を想定しての手指による屈曲に関しては、前記実施例ほどではないが、10数回程度では、シート状黒鉛の層からシリコーンゲルの層が剥離することはなかった。さらに、得られた熱伝導性シートについて、熱伝導率を前記実施例と同様にして測定したところ、1.58W/mKであり、実施例1と同程度の熱伝導率であった。
【0068】
実施例8
シリコーンゲル組成物(実施例4と同じ組成、以下同じ)を、ガラス板上に厚さ0.5mmで半硬化させ、その上に、シリコーンゲル組成物を予め含浸させた厚さ50μmのアラミド不織布(デュポン帝人アドバンスドペーパー社製、メタ・アラミドペーパー(商品名))を載置し、さらにその上に、シリコーンゲル組成物を空気を巻き込まないように流し込んだ。続いて、その上から四隅にスペーサー(1mm)を介在させたガラス板で蓋をし、全体の厚みが1mmになるように半硬化させた。次に、その半硬化させたシリコーンゲル層の上に、実施例1と同様に予め孔を穿った厚さ0.3mmのシート状黒鉛(日本カーボン社製;ニカフィルムFL−401(商品名))を載置し、その上にシリコーンゲル組成物を空気を巻き込まないように流し込み、さらにその上から四隅にスペーサーを介在させたガラス板で蓋をして、100℃で30分間の加熱プレスを行い、シリコーンゲル組成物が硬化したのを確認してガラス板を取り除き、目的の熱伝導性シートを得た。得られた熱伝導性シートは、シート状黒鉛の両側に厚さ1.0mmのシリコーンゲル層がそれぞれ積層され、全体としての厚さは2.3mmであり、両側のシリコーンゲル層は、シート状黒鉛に穿たれた貫通孔において硬化した突起を介して一体に結合されていた。また、片側のシリコーンゲル層には不織布が包まれるように内在されていた。
上記のように製造した熱伝導性シートについて、熱伝導率を前記実施例と同様にして測定したところ、2.43W/mKであり、実施例5と同程度の高い値を示した。また、熱伝導性シートをプレスでの打ち抜き加工にて切断したところ、織布又は不織布を埋設しない場合に見られたような、シート状黒鉛層の切断面からの劈開や黒鉛の欠落は一切見られなかった。
さらに、製造時における熱伝導性シートのハンドリング性を評価するため、a)長尺状の熱伝導性シート(1m×40cm)の一短辺の両端を手で持ち、熱伝導性シートを自重で吊り下げた。その結果、シート黒鉛層にひびが入ったり、各積層間からの劈開等は見られなかった。また、b)上記長尺状の熱伝導性シートの対向する二つの短辺の中点をそれぞれ手で掴み、対向する短辺どうしを30cm程度まで近づけ、熱伝導性シートの中心部をたるませた。その結果、その自由屈曲部においてシート黒鉛層にひびが入ったり、各積層間からの劈開等は見られなかった。
【0069】
実施例9
厚さ0.3mmのシート状黒鉛(日本カーボン社製;ニカフィルムFLー401(商品名))の両面に、厚さ50μmのアラミド不織布(デュポン帝人アドバンスドペーパー社製、メタ・アラミドペーパー(商品名))を、シリコーン系接着剤を介して接着させた。この状態における全体の厚さは約0.45mmであった。続いて、直径0.8mmの円形の孔を、その数9個/cm2の割合で、各孔等間隔に、シート状黒鉛及び不織布を一緒に貫通させて厚さ方向に穿ち、次に、その不織布の上に実施例4と同じシリコーンゲル組成物を空気を巻き込まないように流し込み、さらにその上から四隅にスペーサーを介在させたガラス板で蓋をして、100℃で30分間の加熱プレスを行い、シリコーンゲル組成物が硬化したのを確認してガラス板を取り除き、目的の熱伝導性シートを得た。得られた熱伝導性シートは、シート状黒鉛の両側に厚さ1.0mmのシリコーンゲル層がそれぞれ積層され、全体としての厚さは2.45mmであった。また、両側のシリコーンゲル層は、シート状黒鉛に穿たれた貫通孔において硬化した突起を介して一体に結合されており、不織布がその貫通孔に沿って入り込んでいた。さらに不織布は、貫通孔以外の部分では、シート状エラストマー層とシート状黒鉛層の間の界面に位置するように埋め込まれていた。
上記のように製造した熱伝導性シートについて、熱伝導率を前記実施例と同様にして測定したところ、2.20W/mKであり、実施例5と同程度の高い値を示した。また、熱伝導性シートをプレスでの打ち抜き加工にて切断したところ、織布又は不織布を埋設しない場合に見られたような、シート状黒鉛層の切断面からの劈開や黒鉛の欠落は一切見られなかった。
さらに、製造時における熱伝導性シートのハンドリング性を評価するため、上記実施例8におけるa)、b)の試験を行ったところ、実施例8と同様に、シート黒鉛層にひびが入ったり、各積層間からの劈開等は見られなかった。
【0070】
比較例1
シート状黒鉛として、孔の全く穿たれていないシート状黒鉛を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、シート状黒鉛の片側に1.0mm厚のシリコーンゲルが積層され、全体としては1.3mm厚の熱伝導性シートを得た。得られた熱伝導性シートについて、熱伝導率を実施例1と同様にして測定したところ、1.58W/mKであり、実施例1と同程度であったが、ガラス板を取り除く際には、シート状黒鉛の層からシリコーンゲルの層が剥離することのないよう細心の注意が必要であり、また、使用時を想定しての手指による屈曲に関しては、10数回に満たない段階で、シート状黒鉛の層からシリコーンゲルの層が一部剥がれる現象が確認された。なお、この現象は、全面で剥離を起こさなくとも、シート状黒鉛層とシリコーンゲル層との間に空気層が介在することを意味し、この空気層の存在により熱伝導率は極端に低下してしまうので、信頼性のない製品として、実用上は非常に使い難いものと判断される。
【0071】
【発明の効果】
本発明によれば、シート状黒鉛層とシート状エラストマー層との接着面の剥離、シート状黒鉛層自体の層間剥離が十分防止されて、積層維持強度の向上された、真に良好な熱伝導率を有する熱伝導性シートを実用可能なものとして提供できる。また本発明の熱伝導性シートは、シート状黒鉛層が劈開等を生じ難いため使用時における信頼性が高く、さらに、連続シートとして製造する場合に巻取りテンションを掛けてもシート状黒鉛層がちぎれるような事態が起こらないため、量産性にも優れる。本発明の熱伝導性シートは、各種の分野において広く利用することができるが、特に、発熱を伴う電気及び電子機器分野において放熱材として好ましく用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の熱伝導性シートにおけるシート状黒鉛を模式的に示す平面図である。
【図2】 本発明の熱伝導性シートの一実施形態の断面を模式的に示す図である。
【図3】 本発明の熱伝導性シートの一実施形態の断面を模式的に示す図である。
【図4】 本発明の熱伝導性シートの一実施形態の断面を模式的に示す図である。
【図5】 本発明の熱伝導性シートの一実施形態の断面を模式的に示す図である。
【図6】 本発明の熱伝導性シートの一実施形態の断面を模式的に示す図である。
【図7】 本発明の熱伝導性シートの一実施形態の断面を模式的に示す図である。
【図8】 本発明の熱伝導性シートの一実施形態の断面を模式的に示す図である。
【図9】 本発明の熱伝導性シートの一実施形態の断面を模式的に示す図である。
【図10】 本発明の熱伝導性シートの一実施形態の拡大した断面を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 シート状黒鉛層
2 シート状エラストマー層
2´シート状エラストマー層
3 厚さ方向に貫通した孔
4 突起
5 厚さ方向の中途までの孔
5´厚さ方向の中途までの孔
6 突起
6´突起
7 不織布

Claims (18)

  1. シート状黒鉛層とシート状エラストマー層とが積層され、前記シート状黒鉛層には厚さ方向に孔が穿たれ、前記孔の中に前記シート状エラストマー層から突出したエラストマーの突起が嵌入されてなることを特徴とする熱伝導性シート。
  2. シート状黒鉛層の片面にシート状エラストマー層が積層され、前記孔がシート状黒鉛層の厚さ方向に貫通して多数穿たれ、前記多数の孔の中に、前記シート状エラストマー層から突出した多数のエラストマーの突起が前記シート状黒鉛層の厚さ方向に貫通して嵌入されていることを特徴とする請求項1記載の熱伝導性シート。
  3. シート状黒鉛層の両面にシート状エラストマー層が積層され、前記孔がシート状黒鉛層の厚さ方向に貫通して多数穿たれ、前記多数の孔の中に、前記シート状エラストマー層から突出した多数のエラストマーの突起が前記シート状黒鉛層の厚さ方向に貫通して嵌入されて前記シート状黒鉛層の両面にシート状エラストマー層が一体に結合されていることを特徴とする請求項1記載の熱伝導性シート。
  4. シート状黒鉛層の片面にシート状エラストマー層が積層され、前記孔がシート状黒鉛層の積層面側から厚さ方向の中途まで多数穿たれ、前記多数の孔の中に、前記シート状エラストマー層から突出した多数のエラストマーの突起が前記シート状黒鉛層の厚さ方向の中途まで嵌入されていることを特徴とする請求項1記載の熱伝導性シート。
  5. シート状黒鉛層の両面にシート状エラストマー層が積層され、前記孔がシート状黒鉛層の両面に厚さ方向の中途まで多数穿たれ、前記多数の孔の中に、前記シート状エラストマー層から突出した多数のエラストマーの突起が前記シート状黒鉛層の両面から厚さ方向の中途まで嵌入されていることを特徴とする請求項1記載の熱伝導性シート。
  6. シート状黒鉛層の片面にシート状エラストマー層が積層され、前記孔がシート状黒鉛層の厚さ方向に貫通するものと厚さ方向に中途までのものとが多数穿たれ、前記多数の孔の中に、前記シート状エラストマー層から突出した多数のエラストマーの突起が前記シート状黒鉛層の厚さ方向に貫通して嵌入されるとともに中途まで嵌入されていることを特徴とする請求項1記載の熱伝導性シート。
  7. シート状黒鉛層の両面にシート状エラストマー層が積層され、前記孔がシート状黒鉛層の厚さ方向に貫通するものと厚さ方向に中途までのものとが多数穿たれ、前記多数の孔の中に、前記シート状エラストマー層から突出した多数のエラストマーの突起が前記シート状黒鉛層の厚さ方向に貫通して嵌入されて前記シート状黒鉛層の両面にシート状エラストマー層が一体に結合されるとともに中途まで嵌入されていることを特徴とする請求項1記載の熱伝導性シート。
  8. シート状黒鉛層の厚さ方向に貫通する孔または厚さ方向の中途までの孔の中に嵌入されているシート状エラストマー層から突出した多数のエラストマーの突起は、硬化前のエラストマー原液が、前記シート状黒鉛層の孔に流入した後に硬化して形成されたものであることを特徴とする請求項1〜7記載の何れか一つの熱伝導性シート。
  9. シート状エラストマー層に、織布または不織布が埋設されていることを特徴とする請求項1〜8記載の何れか一つの熱伝導性シート。
  10. シート状エラストマー層に、織布または不織布が埋設され、シート状黒鉛層に穿たれた孔に沿って前記織布または不織布が入り込んでいることを特徴とする請求項1〜8記載の何れか一つの熱伝導性シート。
  11. エラストマーに、熱伝導性充填材、カーボンナノチューブおよびカーボンマイクロコイルから選ばれた少なくとも一種が配合されていることを特徴とする請求項1〜10記載の何れか一つの熱伝導性シート。
  12. シート状黒鉛層の両面に積層されるエラストマーに、熱伝導性充填材、カーボンナノチューブおよびカーボンマイクロコイルから選ばれた少なくとも一種が、両面相異なる組成で配合されていることを特徴とする請求項3、5、7記載の何れか一つの熱伝導性シート。
  13. エラストマーが、シリコーンゴムを基材とするものであることを特徴とする請求項1〜12記載の何れか一つの熱伝導性シート。
  14. 熱伝導性充填材が、軟磁性フェライトであることを特徴とする請求項11または12記載の熱伝導性シート。
  15. 軟磁性フェライトが、Ni−Zn系軟磁性フェライトであることを特徴とする請求項14記載の熱伝導性シート。
  16. 硬化前のエラストマー原液をほぼ均一に流延した上に、多数の厚さ方向に貫通した孔または厚さ方向の中途までの孔が穿たれたシート状黒鉛の開口面を載置する工程と、前記シート状黒鉛の開口面に硬化前のエラストマー原液をほぼ均一に流延する工程のいずれか一つの工程と、前記いずれか一つの工程と同時あるいはその後に押圧して前記エラストマー原液の流延層を均一な所望の厚さに調整すると共に、前記エラストマー原液の一部を前記シート状黒鉛に穿たれた孔に流入せしめる工程と、その後に前記エラストマー原液とその一部を硬化させて、前記シート状黒鉛に積層するシート状エラストマー層と該シート状エラストマー層から突出した多数のエラストマーの突起とを形成する工程とを備えることを特徴とする熱伝導性シートの製造方法。
  17. 硬化前のエラストマー原液をほぼ均一に流延した上に、多数の厚さ方向に貫通した孔または厚さ方向の中途までの孔が穿たれたシート状黒鉛の開口面を載置する工程と、前記シート状黒鉛の開口面に硬化前のエラストマー原液をほぼ均一に流延する工程と、前記いずれか一つの工程と同時あるいはその後に押圧して前記エラストマー原液の流延層を均一な所望の厚さに調整すると共に、前記エラストマー原液の一部を前記シート状黒鉛に穿たれた孔に流入せしめる工程と、その後に前記エラストマー原液とその一部を硬化させて、前記シート状黒鉛の両面に積層するシート状エラストマー層と該シート状エラストマー層から突出した多数のエラストマーの突起とを形成する工程とを備えることを特徴とする熱伝導性シートの製造方法。
  18. エラストマー原液の流延層を均一な所望の厚さに調製する際に、硬化済みのエラストマーシートを硬化前のエラストマー原液に埋没させることを特徴とする請求項16または17記載の熱伝導性シートの製造方法。
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