JP5458926B2 - フレキシブル基板、フレキシブル基板モジュール及びそれらの製造方法 - Google Patents

フレキシブル基板、フレキシブル基板モジュール及びそれらの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、フレキシブルプリント配線板等の基板に用いることができるフレキシブル基板、フレキシブル基板モジュール、及びそれらの製造方法に関する。
従来、フレキシブルプリント配線板にはフレキシブルな基板が使用されることになるが、フレキシブル基板はそのフレキシブル性(柔軟性)を十分に生かすために、通常、薄肉のフィルムが用いられる。
一方、フレキシブルプリント配線板には、種々の電子部品、電子要素等が搭載されるが、それら搭載物からの熱を速やかに逃がすための放熱性がフレキシブル基板に求められている。
即ち、フレキシブル基板には柔軟性と放熱性が求められるところであるが、放熱性を高めるために熱伝導性を向上させようとしてフレキシブル基板の厚みを増やすと、確かに熱抵抗が下がり、放熱性はよくなるが、基板が硬くなり、屈曲性、柔軟性がなくなるという問題が生じる。
特開2008−69474号には補強材・放熱材に適する炭素繊維集合体が開示されている。また、この炭素繊維集合体を用いた炭素繊維強化複合材料の用途として、電子部品用放熱板や熱交換器が開示され、またプリント配線基板への用途が開示されている。
特開2008−69474号公報
しかしながら上記特許文献1に記載の炭素繊維集合体や炭素繊維強化複合材料の場合には、主として短炭素繊維を用いて、これを複数種類、分散混合させた構造をもつことから、炭素繊維そのものの熱伝導率が高くても、炭素繊維と炭素繊維の間では熱伝導率は低い。即ち、炭素繊維間に熱伝導率の低いマトリックス材料が介在する確率が高くなるため、繊維同士が重なり合っても、炭素繊維の連続体に比べて接触面積が低く、熱伝導率が低くなり、放熱性を十分に上げることができない。また繊維方向に垂直な方向への熱伝導率も悪く、放熱性を十分にもたらすことができない。
また特許文献1に示すような炭素繊維強化複合材料の場合、熱伝導率の低さをカバーしようとして厚みを増やすと、放熱性は向上するが、屈曲性、柔軟性が低下し、フレキシブル基板には使えなくなる。
そこで本発明は上記従来技術における問題点を解消し、放熱性に優れ、且つ柔軟性にも十分優れたフレキシブル基板の提供を課題とする。またそのようなフレキシブル基板を用いたフレキシブル基板モジュールの提供を課題とする。更にそのような放熱性、柔軟性に優れたフレキシブル基板、フレキシブル基板モジュールの製造方法の提供を課題とする。
上記課題を解決する本発明のフレキシブル基板は、導電層を備えたフレキシブル基板であって、長炭素繊維からなる高放熱材をポリイミドフィルムで構成される樹脂フィルム間に積層状態に接合してあり、前記高放熱材と樹脂フィルムとの接合は接着剤による接着接合としてあると共に、接着接合の厚みが100μm未満であり、且つ基板の最も熱伝導率が高い方向の熱伝導率が200W/mK以上であることを第1の特徴としている。
また本発明のフレキシブル基板は、上記第1の特徴に加えて、接着剤がポリウレタン系樹脂からなることを第2の特徴としている
た本発明のフレキシブル基板モジュールは、上記第1又は第2に記載のフレキシブル基板に熱源を取り付けてあることを第3の特徴としている。
また本発明のフレキシブル基板モジュールは、上記第3の特徴に加えて、熱源を、フレキシブル基板の樹脂フィルムに構成した開口部において、該開口部に露出する高放熱材に対して取り付けてあることを第4の特徴としている。
また本発明のフレキシブル基板モジュールは、上記第3又は第4の特徴に加えて、熱源のフレキシブル基板への取り付けは、接着剤による接着であることを第5の特徴としている。
また本発明のフレキシブル基板モジュールは、上記第5の特徴に加えて、接着剤には高放熱フィラーを含有させていることを第6の特徴としている。
また本発明のフレキシブル基板モジュールは、上記第6の特徴に加えて、高放熱フィラーが、銀粉、銅粉、AlN粉、ダイヤモンド粉、Al粉、短炭素繊維の何れか1つ若しくは複数種類を含有したものであることを第7の特徴としている。
また本発明のフレキシブル基板モジュールは、上記第7の特徴に加えて、銀粉がナノ銀粉末からなることを第8の特徴としている。
また本発明のフレキシブル基板モジュールは、上記第5の特徴に加えて、接着剤として半田を用いることを第9の特徴としている。
また本発明のフレキシブル基板若しくはフレキシブル基板モジュールの製造方法は、上記第1又は第2に記載のフレキシブル基板若しくは上記第3〜第9の何れか1つに記載のフレキシブル基板モジュールの製造方法であって、樹脂フィルムにポリウレタン系樹脂を塗布し、その上に熱伝導率が高く且つ柔軟性のある長炭素繊維からなる高放熱材を積層し、熱処理を加えて接合し、更に別に用意した樹脂フィルムにポリウレタン系樹脂を塗布したものを、その塗布面を下向きにして前記高放熱材の上に積層し、熱処理を加えて接合させることを第10の特徴としている。
また本発明のフレキシブル基板若しくはフレキシブル基板モジュールの製造方法は、上記第10の特徴に加えて、ポリウレタン系樹脂の厚みを100μm未満にすることを第11の特徴としている。
上記第1の特徴によるフレキシブル基板によれば、長炭素繊維からなる高放熱材をポリイミドフィルムで構成される樹脂フィルム間に積層状態に接合してあるので、放熱性に優れ、且つ強度と耐熱性、柔軟性にも十分優れたフレキシブル基板を提供することができる。特に、高い放熱性をもつフレキシブル基板を十分に薄く構成することができ、柔軟性にも十分に優れたものを提供することができる。また両面の樹脂フィルムに銅箔等の導電性材料を積層してプリント配線等に供することができる。また高放熱材と樹脂フィルムとの接合は接着剤による接着接合とし、接着接合の厚みが100μm未満であることとしたので、フレキシブル基板を屈曲して使用する場合においても、接着剤層を原因とする破断を十分に抑制することが可能となる。また基板の最も熱伝導率が高い方向の熱伝導率が200W/mK以上であることにより、高熱源に対してもフレキシブル基板の放熱を最も熱伝導率が高い方向に十分速やかに行って搭載部品を保護することが可能となる。
上記第2の特徴よるフレキシブル基板によれば、上記第1の特徴による作用効果に加えて、接着剤がポリウレタン系樹脂からなることにより、柔軟性の十分に高い接着剤層をもつフレキシブル基板を提供することができる。
上記第3の特徴によるフレキシブル基板モジュールによれば、上記第1又は第2の特徴に記載のフレキシブル基板に熱源を取り付けてあることにより、放熱性に優れ、且つ柔軟性にも十分優れた熱源付きのフレキシブル基板モジュールを提供することができる。
上記第4の特徴によるフレキシブル基板モジュールによれば、上記第3の特徴による作用効果に加えて、熱源を、フレキシブル基板の樹脂フィルムに構成した開口部において、該開口部に露出する高放熱材に対して取り付けてあることにより、樹脂フィルム側に形成した回路等に搭載される熱源であっても、樹脂フィルムに構成した開口部で高放熱材に直接的に伝熱して放熱させることができ、速やかなる放熱を確保することができる。
上記第5の特徴によるフレキシブル基板モジュールによれば、上記第3又は第4の特徴による作用効果に加えて、熱源のフレキシブル基板への取り付けは、接着剤による接着であることにより、熱源を接着剤により容易にフレキシブル基板に取り付けることができる共に、接着剤が介在することによる放熱効果を奏する。
上記第6の特徴によるフレキシブル基板モジュールによれば、上記第5の特徴による作用効果に加えて、接着剤には高放熱フィラーを含有させていることにより、接着剤が介在することによる放熱低下を十分に抑制して、効率のよい放熱を確保することができる。
上記第7の特徴によるフレキシブル基板モジュールによれば、上記第6の特徴による作用効果に加えて、高放熱フィラーが、銀粉、銅粉、AlN粉、ダイヤモンド粉、Al粉、短炭素繊維の何れか1つ若しくは複数種類を含有したものであることにより、樹脂フィルムと高放熱材の材料に応じて、接着性を損なうことなく、熱伝導性のよい接着接合層をもつフレキシブル基板モジュールを提供することができる。
上記第8の特徴によるフレキシブル基板モジュールによれば、上記第7の特徴による作用効果に加えて、銀粉がナノ銀粉末からなることにより、銀粉を用いる場合の放熱効果を向上させることができる。
上記第9の特徴によるフレキシブル基板モジュールによれば、上記第5の特徴による作用効果に加えて、接着剤として半田を用いることにより、接着を容易に、且つ熱伝導による放熱効果を良好に行うことができる。
上記第10の特徴によるフレキシブル基板若しくはフレキシブル基板モジュールの製造方法によれば、樹脂フィルムにポリウレタン系樹脂を塗布し、その上に熱伝導率が高く且つ柔軟性のある長炭素繊維からなる高放熱材を積層し、熱処理を加えて接合し、更に別に用意した樹脂フィルムにポリウレタン系樹脂を塗布したものを、その塗布面を下向きにして前記高放熱材の上に積層し、熱処理を加えて接合させることにより、高放熱材が、ポリウレタン系樹脂によって、表裏の樹脂フィルム間に接着接合されてなる、放熱性、柔軟性に十分に優れたフレキシブル基板、フレキシブル基板モジュールを簡単に製造することができる。
上記第11の特徴によるフレキシブルフレキシブル基板若しくはフレキシブル基板モジュールの製造方法によれば、上記第10の特徴による作用効果に加えて、ポリウレタン系樹脂の厚みを100μm未満とすることにより、屈曲に対して接着剤層を原因とする破断を十分に抑制した、放熱性、柔軟性に十分に優れたフレキシブル基板、フレキシブル基板モジュールを製造することが可能になる。
本発明のフレキシブル基板によれば、良好な放熱性と良好な柔軟性とを兼ね備えたフレ+キシブル基板を提供することができる。
本発明のフレキシブル基板モジュールによれば、搭載した熱源に対して良好な放熱性を確保すると共に、良好な柔軟性をも確保したフレキシブル基板モジュールを提供することができる。
本発明のフレキシブル基板若しくはフレキシブル基板モジュールの製造方法によれば、高放熱材が、ポリウレタン系樹脂によって、表裏の樹脂フィルム間に接着接合されてなる、放熱性、柔軟性に十分に優れたフレキシブル基板、フレキシブル基板モジュールを簡単に製造することができる。
本発明のフレキシブル基板の実施形態を説明する図である。 本発明のフレキシブル基板モジュールの第1の実施形態を説明する断面図である。 本発明のフレキシブル基板モジュールの第2の実施形態を説明する断面図である。 本発明のフレキシブル基板モジュールの第3の実施形態を説明する断面図である。 本発明のフレキシブル基板の製造方法の第1の実施形態を説明する図である。 本発明のフレキシブル基板の製造方法の第2の実施形態を説明する図である。 本発明の実施例5での測定結果を示す図である。
以下の図面を参照して、本発明に係るフレキシブル基板、フレキシブル基板モジュール、及びフレキシブル基板若しくはフレキシブル基板モジュールの製造方法についての実施形態を説明し、本発明の理解に供する。しかし、以下の説明は本発明の実施形態であって、特許請求の範囲に記載の内容を限定するものではない。
先ず図1を参照して、本発明の実施形態に係るフレキシブル基板について説明する。
実施形態に係るフレキシブル基板1は、ポリイミドやポリエステル等の柔軟性をもつ樹脂フィルム11、12の間に、長炭素繊維(カーボンファイバ)等の柔軟性のある高放熱材13を積層状態に接合したものである。
上記樹脂フィルム11、12と高放熱材13とは接着剤14による接着によって接合されている。
前記接着剤14の厚み(接着接合層の厚み)は非常に薄く、また樹脂フィルム11、12、高放熱材13は共に柔軟性をもつため、実施形態に係るフレキシブル基板1は放熱性に優れると共に柔軟性にも十分に優れ、屈曲に対する耐久性、耐破断性に優れた特性をもつ。
樹脂フィルム11、12に対して、銅箔等による導電層15を両面に積層し、いわゆる銅張積層板構造としている。導電層15は樹脂フィルム11、12の何れか一方にのみ積層するようにしてもよい。
上記において、高放熱材13は表裏の樹脂フィルム11、12に挟まれた構造であるが、樹脂フィルム11、12は高放熱材13の片側にのみ存在するようにしてもよい。
前記樹脂フィルム11、12は、柔軟性を有する樹脂フィルムであるが、一般的なフレキシブル基板に使われるベース材料若しくはカバーレイ材料でよく、既述したポリイミドやポリエステルの他、薄手のガラス・エポキシ等の材料がある。
前記高放熱材13は、長炭素繊維を用いるのがよい。長炭素繊維は繊維長手方向(軸方向)には非常に高い熱伝導率をもっており、且つ柔軟性も高いので望ましい。
炭素繊維にはPAN系、ピッチ系等、製法や特性により幾つかの種類に分類されているが、中でも特にピッチ系は非常に高い熱伝導率をもっているので望ましく、繊維長手方向には300W/mK以上という高い熱伝導率をもつものも多い。
高放熱材13は、長炭素繊維の代わりに、銀粉、銅粉、AlN粉、ダイヤモンド粉、Al粉、短炭素繊維などの高放熱フィラーを用いることも可能である。何も混ぜないよりは熱伝導率の点で有利である。更には、このうち複数のものを混ぜてもよい。例えば短炭素繊維とAlN粉を混ぜれば、短炭素繊維の間にAlN粉が埋まることにより、フィラーの含有率を短炭素繊維のみに比べて上げることができ、全体としての熱伝導率を上げることができる。
また高放熱材13は、長炭素繊維や各種フィラーの代わりに、アルミニウムフィルムや銅フィルム等の金属フィルムであっても可能である。この場合、金属フィルムは薄くないと屈曲性が悪くなる。薄くした場合には、屈曲性と形状保持の利点を利用することができる。
前記接着剤14は、この層厚が厚いと屈曲したときに折れて破断してしまうので、接着剤14が薄いことが条件となる。100μm以上では破断しやすいので、100μm未満が好ましく、20μm以下ではほとんど破断しないので、より好ましい。また10μm以下ではより柔軟性を良好に維持できるので、10μm以下が更に好ましい。
接着剤14の種類としては、一般的なエポキシ樹脂やアクリル樹脂でもよいし、紫外線用途に適したシリコーン系でもよい。またホットメルトタイプの樹脂、例えばポリイミド樹脂で熱ラミネートしても使うことができる。
接着剤自体も十分に柔軟な特性をもつものがより好ましく、中でもポリウレタン系樹脂が最も好ましい。
更に接着剤14は、高放熱性を保有させるために、銀粉、銅粉、AlN粉、ダイヤモンド粉、Al粉、短炭素繊維などの高放熱フィラーを含有したものを、ペースト状やシート状で用いるようにしてもよい。
前記高放熱の接着剤14の放熱性を更に上げるため、銀粉、銅粉、AlN粉、ダイヤモンド粉、Al粉、短炭素繊維等の高放熱フィラーを複数混ぜてもよい。例えば短炭素繊維とAlN粉を混ぜれば、短炭素繊維の間にAlN粉が埋まることにより、フィラーの含有率を短炭素繊維のみの場合と比べて上げることができ、より熱伝導性・放熱特性を上げることができる。
高放熱の接着剤14が導電性の場合には、絶縁不良が発生するケースがあるので、その場合にはAlN粉、ダイヤモンド粉、Al粉等の絶縁性フィラーを混ぜた接着剤14が望ましい。
なお、高放熱材13と樹脂フィルム11、12との接合は、必ずしも接着剤14による接合である必要はない。他の従来公知の方法による接合であってもよい。
前記導電層15は材料として銅を用いて積層しているが、必ずしも銅に限ることはない。導電性の高い他の金属を用いることができる。
図2を参照して、フレキシブル基板モジュールの第1の実施形態を説明する。このフレキシブル基板モジュール2は、熱源16をフレキシブル基板1の高放熱材13に直接的に取り付けたものを示している。
樹脂フィルム11、高放熱材13、樹脂フィルム12をその順に積層したフレキシブル基板1に、更に銅箔等からなる導電層15を積層した基板を用い、導電層15にはプリント配線を施し、そのプリント配線の一部にLEDやその他の電子部品を熱源16として、例えば半田17付け等により搭載している。
前記熱源16は、前記導電層15及び樹脂フィルム12に形成した開口部18を利用して、該開口部18に露出した高放熱材13に、接着剤19により直接的に接着して取り付けている。高放熱材13は長炭素繊維を用いている。
接着剤19としては、フレキシブル基板1に用いられる上記接着剤14と同様の材料を用いることができる。勿論、接着剤19は既述した高放熱のものを用いるのが好ましい。
接着剤19に銀粉を使う場合、ミクロンオーダーのものに加え、ナノオーダーの大きさの粒子を併用したナノ銀粉末を用いるのが、放熱の点で好ましい。これは、粗い粒子の間に細かい粒子が入り込むことにより、充填率が上がり、熱伝導率が高くなるからである。具体的には、1次粒子の平均粒子径1〜100nmの銀粉と、1次粒子の平均粒子径0.5〜10μmの銀粉を、1:9〜1:99の割合で混合するのが好ましい。
なお、接着剤19による接着が不十分である場合には、別の取り付け方法を併用してもよい。また別の方法で熱源16を開口部18に露出した高放熱材13に取り付けることができる。この場合、例えばポリイミドテープによる固定等が考えられる。また接着剤19と併用するものとしては、LEDパッケージの電極部を半田で固定するのでもよい。特に、接着剤19の熱伝導率を上げれば上げるほど、他の特性の1つである接着強度やせん断強度は低下するので、接着剤19の熱伝導率を上げる際には、半田などの方法でLEDを固定するのが有効になる。
また接着剤19は半田でもよい。LED実装に半田リフロー工程を通す場合には、LED接着剤として半田を利用すれば、LED電極固定の半田と一緒の熱処理で済むので工程数を減らすことができる。また半田は熱伝導率も高いので、放熱性の点でも良好である。
また接着剤19が導電性の場合には、絶縁不良を引き起こすケースがあるので、その場合には、AlN粉、ダイヤモンド粉、Al粉等の絶縁性フィラーを混ぜた接着剤19が望ましい。
また接着剤を使わずに別の取り付け方法だけで接着してもよい。この場合、熱源16の構造を工夫することで、接着剤19を介さずに熱源16を高放熱材13に直接接合してもよい。ただし、本来は接着剤19を使うのが望ましい。接着剤19を介さず接触だけで熱源16を高放熱材13に直接接合すると、どうしても微小な凹凸が存在し、その部分に空気層が含まれる。空気層は熱導電層が非常に低い(0.024W/mK程度)ため、その空気層の分だけ熱抵抗が悪化する。別の言い方をするなら、接触熱抵抗が大きくなる。これを防ぐためには、接着剤19を使うことが望ましい。接着剤19は、微小な凹凸にも追従して埋まってくれ、空気層を残さないからである。なお、以上では熱源16を開口部18に露出した高放熱材13に取り付ける場合について説明したが、後で説明する図3の場合、即ち熱源16からの熱を樹脂フィルム12を介して高放熱材13に伝導する場合にも当てはまる。
フレキシブル基板1の適当な1乃至複数の箇所で、放熱器、筐体等のシンク20に接触状態等にさせることで、熱をシンク20に逃がすようにしている。この際、フレキシブル基板1の高放熱材13がシンク20に接触するようにするのが効率的である。また図2に示すように、フレキシブル基板1の高放熱材13等の屈曲性を利用して、折り曲げてシンク20に接触させることで、省スペース等を図ることができる。
図3を参照して、フレキシブル基板モジュールの第2の実施形態を説明する。このフレキシブル基板モジュール3では、熱源16をフレキシブル基板1の樹脂フィルム12に取り付けており、熱源16からの熱を樹脂フィルム12を介して高放熱材13に伝導するようにしている。
樹脂フィルム11、高放熱材13、樹脂フィルム12、導電層15をその順に積層したフレキシブル基板1を用い、導電層15にはプリント配線を施し、そのプリント配線の一部にLEDやその他の電子部品を熱源16として、例えば半田17付け等により搭載している。
開口部18は本実施形態では、導電層15にのみに形成している。
熱源16は、開口18において露出した樹脂フィルム12に、接着剤19により接着して取り付けている。この場合には高放熱材13に直接的には接することがないが、それなりの放熱効果がある。また開口部18を導電層15のみに形成すればよく、樹脂フィルム12には開口部15を形成する必要がないので、製造上のメリットがある。また絶縁性がとれる。
フレキシブル基板1の熱をシンク20に逃がすように構成できることは、第1の実施形態と同様である。
なお、上記図1〜図3に示す実施形態では、高放熱材13は、2枚の樹脂フィルム11、12の間に挟んで接合しているが、間に挟むことなく、高放熱材13を1枚の樹脂フィルムの導電層15とは反対の面に設けるようにしてもよい。また高放熱材13を両面基板の下に設けてもよい。
図4を参照して、フレキシブル基板モジュールの第3の実施形態を説明する。このフレキシブル基板モジュール4では、銅フィルムやアルミフィルム等の金属の高放熱材13、樹脂フィルム12、導電層15をその順に積層したフレキシブル基板1を用い、導電層15にはプリント配線を形成し、そのプリント配線の一部にLED等の熱源16を半田17等で取り付けている。
そして前記熱源16は、導電層15及び樹脂フィルム12に形成した開口部18を利用して、該開口部18に露出した高放熱材13である金属に、接着剤19により直接的に接着して取り付けている。
またフレキシブル基板1は、その金属製の高放熱材13をシンク20に接触して取り付けることで、熱源16からの熱を高放熱材13を介してシンク20に速やかに放熱させるようにしている。
以下に本発明の実施形態に係るフレキシブル基板、フレキシブル基板モジュールの製造方法を説明する
先ず図5を参照して、樹脂フィルム11を用意する。
次に、この樹脂フィルム11に接着剤14を薄く塗布する。
次に、接着剤14層の上に長炭素繊維からなる高放熱材13を載せ、加熱処理することで、長炭素繊維の高放熱材13と樹脂フィルム11とを接着させる。このとき接着剤14を薄く塗布するのには適当な冶具等を用いるのがよい。
次に、別の樹脂フィルム12を用意して、この樹脂フィルム12に接着剤14を薄く塗布する。
そして別に用意した樹脂フィルム12の接着剤14側を下にして、先に用意した樹脂フィルム11の長炭素繊維からなる高放熱材13の上面に合わせ、加熱処理を施して、長炭素繊維からなる高放熱材13と樹脂フィルム12との接着を完了する。
なお図5においては、導電層15を図示していないが、導電層15は予め樹脂フィルム11、12の一方若しくは両方に対して積層しておくことができる。また高放熱材13をサンドイッチ状態に接着した後に上下の樹脂フィルム12、13の一方若しくは両方に対して導電層15を積層するようにしてもよい。
加熱処理時の雰囲気は、大気中、窒素や水素等の還元雰囲気中、若しくは脱泡を目的として真空中(減圧中)で行うことができる。
前記高放熱材13に用いる長炭素繊維は、細いフィラメントが束になったものを用いることができる。その場合には、接着剤14は炭素繊維のフィラメント間に含浸していく。それ故、接着後には接着剤14は樹脂フィルム12と長炭素繊維の高放熱材13との界面にも長炭素繊維の繊維間にも存在することになる。
以上により、樹脂フィルム11、12、高放熱材13、接着剤14、導電層15からなるフレキシブル基板1が出来上がる。
その後、樹脂フィルム12に化学エッチング等により、開口部18を形成する。勿論、開口部18は、導電層15を樹脂フィルム12上に積層する場合には、その導電層15と同時に開口することになる。
また開口部18にLED、その他の電子部品である熱源16が接着剤19等により取り付けられてフレキシブル基板モジュールが製造される。
ところで、LEDは熱に弱く、pn接合部の温度(ジャンクション温度)が大体130℃を超えると輝度低下や寿命低下を引き起こす。それ故LEDの温度管理、即ち放熱対策が重要であり、最近よく使われる高輝度LEDでは非常に高い熱を発するので特に重要である。LEDは表面積が小さいのでそれ自身からの対流と放射は期待できず、放熱は他部材への熱伝導が支配的であるため、LEDの放熱はモジュール次第ということになる。
図6を参照して、本発明の実施形態に係る別のフレキシブル基板、フレキシブル基板モジュールの製造方法を説明する。
先ず樹脂フィルム11を用意する。次に、この樹脂フィルム11に接着剤14を薄く塗布する。次に、接着剤14層の上に長炭素繊維からなる高放熱材13を載せ、加熱処理することで、長炭素繊維の高放熱材13と樹脂フィルム11とを接着させる。ここまでは上記図5に示す製造方法と同じ工程である。
次に、別の樹脂フィルム12を用意して、この樹脂フィルム12に開口部18を形成し、その後に接着剤14を薄く塗布する。
そして別に用意した樹脂フィルム12の接着剤14側を下にして、先に用意した樹脂フィルム11の長炭素繊維からなる高放熱材13の上面に合わせ、加熱処理を施して、長炭素繊維からなる高放熱材13と樹脂フィルム12との接着を完了する。
なお、図6においても導電層15は図示していないが、導電層15は予め樹脂フィルム11、12の一方若しくは両方において、接着剤14の塗布しない側に対して積層される。
これにより樹脂フィルム11、12、高放熱材13、接着剤14、導電層15からなり、且つ開口部18が樹脂フィルム12に形成されたフレキシブル基板1が出来上がる。
その後、開口部18にLED、その他の電子部品である熱源16が接着剤19等により取り付けられてフレキシブル基板モジュールが製造される。
なお図5、図6に示す製造方法においては、共に長炭素繊維からなる高放熱材13を片側の樹脂フィルム11と加熱接着させた後にもう片方の樹脂フィルム12を接着させる方法を採用しているが、加熱前に長炭素繊維からなる高放熱材13の両面に樹脂フィルム11、12をつけて、その後に加熱処理を施すことで同時に接着させてもよい。前者は最初の片方の樹脂フィルム11側の接着剤14は上が覆われていない、即ち開放系であるので、乾きやすいという利点と長炭素繊維が崩れにくいという利点がある。
また以上で説明した実施形態に係るフレキシブル基板、フレキシブル基板モジュール、及びそれらの製造方法において、導電層15の上は、勿論、カバーレイ等の絶縁材料でカバーされており、また絶縁材料でカバーされていない部分、即ちランドはNi/Auめっき等の酸化防止処理、防錆処理がなされているが、図中では省略している。
また以上で説明した実施形態に係るフレキシブル基板、フレキシブル基板モジュール、及びそれらの製造方法において、接着剤14は、熱硬化タイプ等のボンディングシートを用いてもよい。
樹脂フィルム11、12として、厚さ25μmのポリイミドフィルムを用いた。また高放熱材13として長炭素繊維を用いた。
一方、長炭素繊維として日本グラファイトファイバー株式会社製のGRANOC YARN YS95Aを用いた。この繊維はピッチ系で、径が7μmのフィラメントが束になったヤーンであり、長繊維方向の熱伝導率は600W/mKである。今回使用した炭素繊維の長さは50m連続であるが、そこから作製ターゲットのフレキシブル基板と同等の長さ(今回は100mm)に裁断して用いた。
前記ポリイミドフィルムからなる樹脂フィルム11にポリウレタン系の接着剤14を塗布した。この塗布工程においては、適当な冶具を用いて厚みを10μmに制御した。なお厚みを100μm以上で作製した場合には、柔軟性の点で劣り、屈曲した際に破断することから、厚みを薄くすることは有効である。厚みが20μmでは破断しないことが確認できているが、厚みが10μmの方が柔軟性を高くできるので望ましい。
上記長炭素繊維からなる高放熱材13を10μm厚の接着剤14層の上に隙間ができないように並べ、幅10mm、長さ100mmの状態に並べた。
その後、電気炉中で150℃、1時間加熱処理し、長炭素繊維をポリイミドフィルムに接着させた。勿論、電気炉の代わりにホットプレートを用いてもよい。
次に、熱源16として高輝度白色LEDが長炭素繊維からなる高放熱材13に直接接触するように、加工して開口部18を形成したポリイミドフィルムからなる樹脂フィルム12を別途用意し、その樹脂フィルム12上に接着剤14を10μm厚になるように塗布した。
その後、前記接着剤14を10μm厚に塗布した樹脂フィルム12を、接着剤14側を下にして、先ほど加熱処理した樹脂フィルム11の長炭素繊維からなる高放熱材13の上に合わせ、電気炉中で150℃、4時間加熱処理することで、樹脂フィルム11、接着剤14、高放熱材13、接着剤14、樹脂フィルム12の順に積層されたフレキシブル基板1を得た。
その後、ポリイミドフィルムからなる樹脂フィルム12の開口部18に、銀ペーストからなる接着剤19を用いて、熱源16となる高輝度白色LEDを貼り付け、160℃、1時間の条件で加熱処理し、銀ペーストからなる接着剤19を介して熱源16となる前記LEDを高放熱材13である長炭素繊維に直接接着させた。
以上のようにして得たフレキシブル基板モジュールを、アルミニウムのシンク20に貼り付けた。
なお、上記高放熱材13の長炭素繊維の束の厚みは約130μmであった。
熱源16である高輝度白色LEDに電流を流し、発熱させ、放熱特性を観察した。
比較例として、25μm厚のポリイミドフィルム2枚の間にポリウレタン系接着剤を介して130μm厚のポリイミドフィルムが接着されたものを用意し、同様に高輝度白色LEDを熱源として取り付けた。
比較例では高輝度白色LED及びその高輝度白色LEDとの接触部のポリイミドフィルム部が非常に熱く、100℃以上となっていたのに対し、実施例1のフレキシブル基板は、高輝度白色LED及びその高輝度白色LEDとの接触部のポリイミドフィルム部と共に、ほとんど熱くならず50℃以下であった。
実施例1のフレキシブル基板の長繊維方向の熱伝導率を測定した。
測定方法には、スキャニング・レーザ加熱AC法を用いた。測定試料は5mm×25mmの大きさに加工したものを用いた。スキャニング・レーザ加熱AC法では、レーザパルス光で加熱する位置をスキャンしながら、レーザ出射側とは反対側の一箇所(固定部)の温度を熱電対で測定することで、レーザ加熱位置スキャン時の温度変化から熱拡散率を得られる。その値に比熱及び密度との積を計算することで熱伝導率が求められる。
なお、フレキシブル基板モジュールのLED接触部は開口部であり、LEDにより炭素繊維が直接加熱されるため、熱伝導率を測定する試料としては、上側のポリイミドフィルムを剥離した構造、即ち下側のポリイミドフィルムに炭素繊維を貼り付けただけの構造を用い、炭素繊維側をレーザパルス光で加熱し、ポリイミドフィルム側の温度を熱電対で測定することで、ポリイミドフィルム込みの試料の熱伝導率を求めた。
その後、次に示す複合則を用いて炭素繊維単体での熱伝導率も求めた。
[複合則による熱伝導率の導出]
フレキシブル基板1のトータルとしての熱伝導率Λは、次の式(1)で計算できる。
Λ=A×B×C/10(W/mK)・・・式(1)
:フレキシブル基板1のトータルの熱拡散率(cm/s)
:フレキシブル基板1のトータルの比重(g/cm
:フレキシブル基板1のトータルの比熱(J/kg・K)
ここで、上記B×Cは式(2)で計算できる。
×C=BCF・CCF・VCF+BPI・CPI・VPI+BAIR・C AIR ・VAIR
・・・式(2)
CF :炭素繊維の比重
CF :炭素繊維の比熱
CF :フレキシブル基板1の炭素繊維からなる高放熱材の体積比率
PI :ポリイミドの比重
PI :ポリイミドの比熱
PI :フレキシブル基板1のポリイミド樹脂からなる樹脂フィルムの体積比率
AIR:空気の比重
AIR:空気の比熱
AIR:フレキシブル基板1に存在する空気の体積比率
また上記Aは実験値で求まる。
よって上記フレキシブル基板1のトータルとしての熱伝導率Λが求まる。
ここで、空気(AIR)込みの炭素繊維(CF)をCFAとすると、
Λ=ΛPI・VPI+ΛCFA・VCFA
=ΛPI・VPI+ΛCFA(VCF+VAIR)・・・式(3)
よって空気込みの炭素繊維の熱伝導率Λ CFA は次の式(4)で求まる。
ΛCFA=(Λ−ΛPI・VPI)/(VCF+VAIR)・・・式(4)
長炭素繊維の場合、ΛCFA=260(W/mK)、Λ=230(W/mK)となる。
なお空気がない場合、例えば銀ペーストの場合は、上記式(2)が、次の式(5)のようになる。
×C=BAgペースト・CAgペースト・VAgペースト+BPI・CPI・VPI
・・・式(5)
また上記式(4)が次の式(6)のようになる。
ΛAgペースト=(Λ−ΛPI・VPI)/VAgペースト・・・式(6)
よって式(5)と式(1)とからフレキシブル基板のトータルとしての熱伝導率Λが求まる。またΛAgペーストが求まる。
なお上記の導出では、接着剤の厚みが非常に薄く無視できる場合を想定しているが、接着剤の厚みが無視できないときには、接着剤を考慮に入れた式にすればよい。即ち、式(2)若しくは(5)に接着剤の項を追加して、それに応じて式(3)、(4)、(6)を見直して計算すればよく、基本的な考え方は同じである。
これらの熱伝導値は全て面内方向の値、なかでも長炭素繊維は繊維配向方向の値であることに注意する必要がある。長炭素繊維は繊維の法線方向(径方向)の熱伝導率をレーザフラッシュ法を用いて測定したところ、0.3W/mKという低い値であった。
結果、ポリイミドフィルム単体の熱伝導率0.3W/mKに比べ、ポリイミドフィルム込みの長炭素繊維の熱伝導率は230W/mK、ポリイミドフィルムを含まない長炭素繊維の熱導電率は260W/mKと非常に高い熱伝導率が得られた。フレキシブル基板の端をシンクに接続する際に、図2のように樹脂フィルム11を介さなければ、後者(260W/mK)がフレキシブル基板の熱伝導率となり、樹脂フィルムを介するときには前者(230W/mK)がフレキシブル基板の熱伝導率ということになる。
なお後者で長炭素繊維フィラメント単体の熱伝導率600W/mKより低いのは、空気層が含まれている影響である。
厚さ1mmのアルミフィルムの片側にポリイミドフィルムを接着した。このとき接着剤はエポキシ系接着剤を用いた。
なおポリイミドフィルム上には、銅箔による回路パターンが構成された導電層15が積層されている。
またLEDからなる熱源16を接着させる部分のポリイミドフィルムには開口部18があり、アルミフィルムからなる高放熱材13とLEDからなる熱源16とが高放熱の接着剤19(今回は銀ペースト)を介して直接接着されている。
アルミフィルムなしの場合と比較すると、アルミフィルムありでは明らかにLEDの熱に対する冷却性能が高く、LED温度及びLED接合部の裏側の温度が低かった。
厚さ0.5mmの銅フィルムの片側にポリイミドフィルムを接着した。接着剤はエポキシ系接着剤を用いた。ポリイミドフィルム上には銅箔による回路パターンが構成されている導電層15が積層されている。またLEDからなる熱源16を接着させる部分のポリイミドフィルムには開口部18があり、銅フィルムとLEDからなる熱源16とが高放熱の接着剤19(今回は銀ペースト)を介して直接接着されている。
銅フィルムなしの場合と比較すると、銅フィルムありでは明らかにLEDの熱に対する冷却性能が高く、LED温度及びLED接合部の裏側の温度が低かった。
本実施例は、実施例1における後半の工程を変更したものである。即ち、高放熱材13を積層した樹脂フィルム11と樹脂フィルム12との接合は、前記接着剤14を10μm厚に塗布した樹脂フィルム12を、接着剤14側を下にして、先ほど加熱処理した樹脂フィルム11の長炭素繊維からなる高放熱材13の上に合わせ、電気炉中で150℃、4時間加熱処理し、更に硬化を進めるため、180℃で1時間加熱処理した。これによって樹脂フィルム11、接着剤14、高放熱材13、接着剤14、樹脂フィルム12の順に積層されたフレキシブル基板1を得た。
また実施例1では熱伝導率8.4W/mKの銀ペーストからなる接着剤19を使用したが、本実施例5では接着剤19としてナノ銀粉末からなる熱伝導率40W/mKの銀ペーストを使用した。熱伝導率がよいため放熱効果が期待できるが、ダイシェア強度が低下し、特に150℃でのダイシェア強度が10.8N/mmから1.6N/mmに低下する。それ故、高温で使用する用途では使い難いが、本実施例ではLEDの固定を半田で行うことで問題解決した。
具体的には接着剤19の硬化は推奨条件である200℃、30分を実施し、仮固定した。その後、半田付けすることでLEDを本固定した。このようにすることで、高熱伝導性の接着剤19を介してLEDからなる熱源16を長炭素繊維からなる高放熱材13に直接接着させることに成功した。
以上のようにして得たフレキシブル基板モジュールのLED実装部は、端から20mmの位置であるが、それとは反対側の端20mmをアルミニウムのシンク20に貼り付けた。
なお、上記高放熱材13の長炭素繊維の束の厚みは約150μmであった。
熱源16である高輝度白色LEDに出力約1Wに相当する電流300mAを流し、発熱させ、放熱特性を評価した。
本実施例ではLEDのpn接合部の温度(ジャンクション温度)を測定した。具体的には、LEDに一定の低い電流を流したときの電圧の温度依存性を先ず測定し、温度上昇量に対する電圧降下量を調べておく。この電圧降下は、pn接合部での温度変化の結果生じるものである。次に、実際に本モジュールの形態で、300mAの電流値をある一定時間流し、その前後での低電流(温度依存性を調べたときの電流値)での電圧測定により、その電圧降下量から前後のジャンクション温度変化が判明する。後は300mAの電流値を流す時間を種々変化させることで、通電時間に対するジャンクション温度変化の関係がわかる。その様子を図7に示す。図中の長炭素繊維と記述している曲線が、本実施例の場合に相当する。通電時間はある一定時間を超えると温度変化量は飽和するが、以下ではその値をジャンクション温度変化飽和量と呼ぶことにする。
比較例として、実施例1で使用した接着剤(熱伝導率が8.4W/mKのもの)でLEDを接着させたもの(LED接着剤の硬化条件は160℃、1時間)を用意し、比較した。その結果、ジャンクション温度変化飽和量は、本実施例では36℃であるのに対し、比較例では39℃であり、明らかにLED接着剤の熱伝導率の効果が見られた。
もう1つの比較例として、25μm厚のポリイミドフィルムの裏側にポリウレタン系接着剤を介して130μm厚のポリイミドフィルムが接着されたものを用意し、実施例と同様に熱伝導率が40W/mKの接着剤19を介して高輝度白色LEDを熱源16として取り付けた。
図7でポリイミドと記載された曲線が、本比較例の通電時間に対する温度上昇の関係を示したものである。この比較例のジャンクション温度変化飽和量を調べたところ、99℃であり、長炭素繊維を高放熱材14として用いた本実施例が、厚みの効果もやや含まれるものの、明らかに高い放熱性が見られた。
本実施例では接着剤19として半田を用いた。実施例5ではLEDの接着には熱伝導率40W/mKの銀ペーストを用いた。LED実装に半田リフロー工程を通す場合には、LED接着剤として半田を利用すれば、LED電極固定の半田と一緒の熱処理で済むので、工程数を減らすことができる。そこで、実施例5の銀ペーストの代わりに、熱伝導率が高い鉛フリー半田を用いて半田リフロー工程を流し、LEDを実装した。なお、ここで用いた鉛フリー半田は、組成がSn96.5%、Ag3%、Cu0.5%のものであり、熱導電率は64W/mKであった。実施例5と同様の方法でジャンクション温度変化飽和量を測定したところ34℃であり、実施例5と同程度の良好な結果が得られた。
本発明のフレキシブル基板、フレキシブル基板モジュール、及びそれらの製造方法によれば、フレキシブルプリント配線板やそれを用いた電子機器等の分野において産業上の利用性が高い。
1 フレキシブル基板
2 フレキシブル基板モジュール
3 フレキシブル基板モジュール
4 フレキシブル基板モジュール
11 樹脂フィルム
12 樹脂フィルム
13 高放熱材
14 接着剤
15 導電層
16 熱源
17 半田
18 開口部
19 接着剤
20 シンク

Claims (11)

  1. 導電層を備えたフレキシブル基板であって、長炭素繊維からなる高放熱材をポリイミドフィルムで構成される樹脂フィルム間に積層状態に接合してあり、前記高放熱材と樹脂フィルムとの接合は接着剤による接着接合としてあると共に、接着接合の厚みが100μm未満であり、且つ基板の最も熱伝導率が高い方向の熱伝導率が200W/mK以上であることを特徴とするフレキシブル基板。
  2. 接着剤がポリウレタン系樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル基板。
  3. 請求項1又は2に記載のフレキシブル基板に熱源を取り付けてあることを特徴とするフレキシブル基板モジュール。
  4. 熱源を、フレキシブル基板の樹脂フィルムに構成した開口部において、該開口部に露出する高放熱材に対して取り付けてあることを特徴とする請求項3に記載のフレキシブル基板モジュール。
  5. 熱源のフレキシブル基板への取り付けは、接着剤による接着であることを特徴とする請求項3又は4に記載のフレキシブル基板モジュール。
  6. 接着剤には高放熱フィラーを含有させていることを特徴とする請求項5に記載のフレキシブル基板モジュール。
  7. 高放熱フィラーが、銀粉、銅粉、AlN粉、ダイヤモンド粉、Al 粉、短炭素繊維の何れか1つ若しくは複数種類を含有したものであることを特徴とする請求項6に記載のフレキシブル基板モジュール。
  8. 銀粉がナノ銀粉末からなることを特徴とする請求項7に記載のフレキシブル基板モジュール。
  9. 接着剤として半田を用いることを特徴とする請求項5に記載のフレキシブル基板モジュール。
  10. 樹脂フィルムにポリウレタン系樹脂を塗布し、その上に熱伝導率が高く且つ柔軟性のある長炭素繊維からなる高放熱材を積層し、熱処理を加えて接合し、更に別に用意した樹脂フィルムにポリウレタン系樹脂を塗布したものを、その塗布面を下向きにして前記高放熱材の上に積層し、熱処理を加えて接合させることを特徴とする請求項1又は2に記載のフレキシブル基板若しくは請求項3〜9の何れか1つに記載のフレキシブル基板モジュールの製造方法。
  11. ポリウレタン系樹脂の厚みを100μm未満にすることを特徴とする請求項10に記載のフレキシブル基板若しくはフレキシブル基板モジュールの製造方法。
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