JP2001357475A - 安否確認システム及びこのシステムを用いた付帯サービスシステム - Google Patents

安否確認システム及びこのシステムを用いた付帯サービスシステム

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JP2001357475A
JP2001357475A JP2000175644A JP2000175644A JP2001357475A JP 2001357475 A JP2001357475 A JP 2001357475A JP 2000175644 A JP2000175644 A JP 2000175644A JP 2000175644 A JP2000175644 A JP 2000175644A JP 2001357475 A JP2001357475 A JP 2001357475A
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明夫 小林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一人暮らしの高齢者等の安否を安価で確実に
確認できるシステムを提供する。 【解決手段】 高齢者等、安否確認対象者宅H内で、対
象者が日常生活を行う上で使用する物の少なくとも一つ
に対してその作動回数を検出するセンサが設けられてい
る。例えばトイレのドアにセンサS5を設けた場合、ド
アの開閉はセンサS5から自動信号発信装置1に対して
無線或いは有線で出力される。自動信号発信装置1はこ
の信号を受信するとナンバーディスプレイ機能を用いて
電話回線TELを介して安否確認センター2にダイヤル
アップする。安否確認センター2はこのナンバーディス
プレイにより対象者を特定すると共に一回のダイヤルア
ップをセンサの作動信号としてカウントする。単位時間
内のこのカウント数と、予め実測しておいた対象者の日
常生活時のカウント数を比較して対象者の安否を推測し
「異常」と判断したときは電子メール等によりサポータ
ーの携帯電話に連絡し、サポーターは対象者宅に急行す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は一人り暮らしの高齢
者等、病気や事故等があった場合にその発見が遅れがち
な者を対象者とする安否確認システムに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、わが国においては65歳以上で一
人暮らしをしている人口は約260万人といわれ、20
20年にはその約2倍の530万人に達するものと報告
(厚生省白書)されている。このような一人暮らしの高
齢者にあっては、病気や事故があった場合、同居者が居
る場合に比較してその発見が遅れる危険性が高い。また
高齢者ではなくとも何らかの持病を持っている人の一人
暮らしでも同様な危険性が考えられる。以下、「高齢
者」の語は特に断りのない限りこのような潜在的危険性
を有する者全般を指す語として使用する。
【0003】この様な高齢者の実生活における安否を確
認する手段が従来から幾つか提案されている。この安否
確認手段は、大別して高齢者本人が異常状態を連絡す
る、いわばアクティブ型のものと、高齢者を何らかの手
段で観察し、異常発生の有無を判定するいわばパッシブ
型のものに大別でき、またパッシブ型の手段は例えば脈
拍検出等のため高齢者の身体に対して直接センサを接触
させる接触型と、この様な接触を行わず観察する非接触
型に分類できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】先ず、アクティブ型の
代表例としては例えばペンダント型に形成された発信手
段を高齢者が身につけ、異常があった場合には本人の操
作により電話回線を利用して異常発生を連絡する装置が
提供されている。この装置は比較的安価であり、かつ連
絡も電話回線を利用して容易に行えるため、比較的広範
囲に普及しているが、反面本人の誤操作等による誤報が
非常に多く、通報件数のうち約80パーセントが誤報で
あるとの統計もでている。また異常状態が深刻な場合に
は本人がペンダントのボタンを押すこと自体が不可能と
なり、通報できない事態も生じる可能性がある。
【0005】一方、パッシブ型では高齢者側の操作がな
いため、観察が適正であれば前記アクティブ型に比較し
てかなり高い精度で高齢者の安否を判定することが可能
である。しかし、このパッシブ型のうち接触型は観察対
象である高齢者がセンサを装着する必要があって面倒で
あること、及びその行動を制限する可能性があり、高齢
者に対する負担が大きい。このため広く普及するには至
っていない。
【0006】非接触型では、高齢者に非接触の状態で情
報を得るものであるため、大半はその情報源の主要部を
画像情報に頼るものである。画像情報を用いるもので
は、例えばCCDカメラ等の撮像手段を介して高齢者の
行動を画像として入力し、かつこの画像情報を予め設定
された処理手順により解析することによって高齢者の安
否を判定することになる。この方法は情報量の多い画像
情報を用いるため安否判定の精度を高められる反面、対
象者のプライバシー保護という観点からはかなり問題が
ある。また監視者は常時モニター画面を見つづけなけれ
ばならず、これら監視者の人件費も含め、システム全体
が高価となって一部の富裕な対象者以外にはその普及が
困難となっている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の問題点に
鑑み構成したものであって、その基本はパッシブ型で、
かつ非接触型として構成することにより観察対象である
高齢者に負担を与えず、またプライバシーの保護を図
り、しかも比較的安価に高齢者の日常動作を観察可能に
構成したことを特徴とする。
【0008】即ち、本発明の第1の構成は、高齢者が日
常活動を営む場所(以下「自宅」とする)において、例
えば台所、冷蔵庫等の台所用品、照明器具、トイレ、浴
室、浴槽等、観察対象者である高齢者が日常生活上定期
的に使用するもののうち少なくとも一つに対して設置さ
れ、その対象物の使用を検出するセンサと、センサから
出力された信号を電話回線等の通信手段を介して受信
し、このセンサの信号から高齢者の日常生活の正常又は
異常を推定する手段と、異常と推定した時に、高齢者に
対してケアを行うよう予め定められた者に対してこの判
定結果を連絡する手段とを有する安否確認システムであ
る。
【0009】また、第2の構成は第1の構成に示した安
否確認システムの複数を、インターネット等の情報伝達
手段を介して接続することにより均質なサービスの提供
を行うようにし、かつ観察対象である高齢者、或いはこ
の高齢者と別居している家族等の要望により前記安否の
確認以外の付帯サービスを行ったり、或いはこれらサー
ビスに関する代金の決済を行ったりするビジネス方法の
システムに関するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】安否観察の対象となる高齢者宅の
所定の対象物、例えばトイレのドア、台所マット、冷蔵
庫、照明器具、浴槽等、高齢者が日常使用するもののう
ち、少なくとも一つに対してはその使用をチェックする
センサが配置される。これら各センサからの信号は例え
ば無線出力され、この出力信号は高齢者宅に置いてある
センサ信号発信装置に受信された後、このセンサ信号発
信装置から電話回線を介して発信されたセンサ信号を、
遠隔地で対象者の安否の確認を行うセンターで受信し、
対象者の安否推定手段に出力される。
【0011】安否推定手段には、高齢者の日常動作にお
けるセンサ取付対象物の使用回数を示すセンサ発信数
(カウント数)が予め記憶されている。システムの運用
に当たっては通信回線を介して出力された高齢者宅の対
象物に設置されたセンサの信号がカウントされ、予め設
定されている当該高齢者の日常動作時のカウント数に対
するこのカウント数の偏差により高齢者の安否を推定す
る。
【0012】安否推定手段により異常事態と推定したと
きはサポータに連絡し、サポータは異常と推定された高
齢者宅に急行する。この場合、迅速な連絡手段としては
サポータの携帯電話に情報出力する方法が効果的であ
り、本願出願時点では、iモード通信サービス(NTT
DoCoMo)、或いはこれと類する他社のサービス
(iモードサービスも含め実施例において説明する)が
効果的である。
【0013】
【実施例】以下本発明の実施例を図面を参考に具体的に
説明する。図1乃至図3を用いて本発明の安否確認シス
テムの構成例を示す。先ず主として図1を用いて、本発
明の安否確認システムの構成の概略を説明する。
【0014】符号Hは観察対象者である高齢者宅を示
し、この高齢者宅Hにおける所定の対象物の少なくとも
一つに対してその対象物の使用の有無を検知するセンサ
が設けられる。センサとしては、図示の例では照明器具
のオン・オフを検知するセンサS1、冷蔵庫の扉の開閉
を検知するセンサS2、台所のマットに高齢者が乗った
か否かを検知するセンサS3、テレビのスイッチのオン
・オフを検知するセンサS4、トイレの扉の開閉を検知
するセンサS5、ベッドに高齢者が乗っているか否かを
検知する重量センサS6、対象者が浴室内で正座してい
るか否かを検知する転倒センサS7が示されている。
【0015】符号1はセンサ信号発信装置であって、所
定のセンサから受けた信号を電話回線TELにより安否
確認センター2に出力する。センサ信号発信装置1の構
成例及び安否確認センター2の構成例については後で詳
述する。安否確認センター2では、各高齢者宅から出力
されるセンサの信号を解析して所定の高齢者の安否を推
定する手段(サーバー)が設けられている。3はNTT
等の電話サービス事業者、T2はサポータ(詳細は後述
する)が携帯している端末としての会話用(インターネ
ット接続不可)の携帯電話である。
【0016】またT3a、T3b、T3cは携帯電話に
よりインターネット通信サービスを行っているA社、B
社、C社を介して通信可能な携帯電話を示す。先ず、本
願出願時点では、このA社、B社、C社としてはNTT
DoCoMo(iモードサービス)、IDO(EZサー
ビス)、ジェイフォン東京(J−スカイ)等が挙げられ
る。
【0017】上記A〜C社のサービスを利用する場合に
は、安否確認センター2が異常検出をしたときに、サポ
ーターが所有する携帯電話が設定している通信サービス
に対応するメール送信処理を行い、所定のサポータの携
帯電話にメールを送信し、サポータはこのメールの内容
に沿った行動をする。この場合、メール着信に合わせ
て、振動、メロディー音等によりサポータに対してメー
ル着信を知らせるようにすることが望ましい。
【0018】図2は高齢者宅の通報システムと安否確認
センター2の構成をより具体的に示している。先ず高齢
者宅Hの所定の対象物に対して予めセンサSが設置され
る。上述のように、高齢者が日常生活において定期的に
使用する対象物のうち、少なくとも一つに対してセンサ
が設置されるが、このセンサの設置対象としては高齢者
の日常生活を観察する上で適当なものを選択する必要が
ある。例えば殆どテレビを見ない高齢者にあってはテレ
ビのスイッチのオン・オフを検知するセンサS4を設置
することは余り意味がなく、高齢者が日常自分で料理を
している場合には冷蔵庫の扉の開閉を検知するセンサS
2や台所のマットに高齢者が乗ったか否かを検知するセ
ンサS3等が適当である。なお、複数のセンサを設置す
る場合にはこのセンサS2とS3の両方を設置すること
は、台所仕事という一連の動作を検知することになり複
数設置の意味があまりない。例えばセンサを一つだけ設
置する場合には高齢者が日常的に使用するトイレのドア
の開閉センサS5とするのも一法である。図示の場合に
は電灯のオン・オフセンサS1、台所マットセンサS
3、トイレのドア開閉センサS5の3個のセンサが設置
された状態を示す。
【0019】1aはセンサ信号発信装置1内に設けられ
たセンサ確認手段である。このセンサ確認手段1aは、
例えば各センサが動作する接点信号受けて電波や赤外線
として、或いはケーブルを介した電気信号として発信さ
れるセンシング信号に対してそれぞれトリガー信号1D
を付加し、このトリガー信号を識別したセンサの種類を
確認するよう構成される。なお、各センサはそれぞれの
対象物の使用回数をカウントできればよいのでトリガー
信号も含めて各センサの信号発信手段は単純な構成とす
ることができる。
【0020】センサ確認手段1aにより信号出力された
センサが確認できたならば、呼出し音(リンガー音)数
設定手段1bによりこのセンサに対応して予め設定記録
されている電話呼出し音数を設定する。例えばセンサS
1の場合には呼出し音1回、センサS3の場合には呼出
し音3回、センサS5の場合には呼出し音5回で電話の
接続を切るよう設定する。呼出し音数が設定されたなら
ば電話自動コール手段1cを用いて電話回線TELを介
して安否確認センター2に自動的にコール(以下自動的
なコールを「ダイヤルアップ」と称する)を行う。また
電話番号・音声登録手段1dはダイヤルアップを行う場
合の相手先電話番号を記録する手段であり、この電話番
号の記録の外、マイク1eを用いて、例えば「・・・さ
んが呼んでいます。電話してください。」等の音声(肉
声)情報を予め記録させておく機能も有している。
【0021】上記の場合において、ダイヤルアップはナ
ンパーディスプレイサービスを用いて行うことが望まし
い。ここで、ナンバーディスプレイサービスとは、本願
出願時点でNTTが実施しているサービスの一つであっ
て、発信者(本発明の場合は観察対象の高齢者)の電話
番号を受信者(本発明の場合は安否確認センター)に無
料で知らせるサービスを言い、受信者はこの電話番号を
確認して通話の要否を判断し、必要の場合のみ通話(有
料)を行う。つまりこのサービスを用いれば、通話状態
とならなくとも発信者が特定でき、かつこの電話の発信
はセンサの作動を意味するので、電話回線TELを利用
して安否確認センター2において無料でセンサの作動の
カウントが可能となる(センサの設置個数が一つの場
合)。但しこのナンバーディスプレイ機能の利用は本発
明の必須の構成ではなく、発明を実施する時点で他のサ
ービスが幾つか設定されていれば、経済性、迅速性等を
考慮して利用するサービスを決定すればよい。
【0022】次に、センサの設置個数が複数の場合も含
めて安否確認センター2に対するダイヤルアップ後の処
理について説明する。安否確認センター2は対象者・セ
ンサ識別手段2Aが設けられている(図3も併せて参
照)。ナンバーディスプレイサービスを利用して安否確
認センター2にダイヤルアップされることにより、先ず
電話番号確認手段2Aaにより確認された電話番号か
ら、対象者確認手段2Abにおいて観察対象である高齢
者を特定する。次に回線切断までの呼出し音数を、呼出
し音数カウント手段2Acによりカウントする。
【0023】各高齢者には呼出し音カウント数に対応す
るセンサの種類が、例えば高齢者Aではカウント数3は
ベッドのセンサS5の信号、高齢者Bではカウント数3
は電灯のオンオフセンサS1の信号、高齢者Cではカウ
ント数4は冷蔵庫の扉開閉センサS2の信号等、それぞ
れの高齢者における呼出し音数とセンサの種類とが予め
設定記録されており、これに基づいてセンサ種類特定手
段2Adにおいてどのセンサの作動信号であるかを特定
し、使用カウント数設定手段2Aeにおいて所定の対象
物の使用カウント数を一つ追加し、安否推定手段2Bに
出力する。なおこの場合クロック手段2Afから出力さ
れる時刻データをセンサの受信信号に重畳させて出力し
てもよい。なお高齢者宅に設置したセンサが一つである
場合にはセンサの種類を特定する必要がないので、高齢
者宅の呼出し音数設定手段1b、安否確認センター2の
対象者・センサ識別手段2Aのうち、呼出し音数カウン
ト手段2Ac、センサ種類特定手段2Adは不用であ
る。
【0024】図3はシステム全体の構成例を示す。安否
確認センター2は前述のとおり、電話回線TELにより
対象者(高齢者)1乃至Nとそれぞれ接続している。各
対象者からのセンサの信号はナンバーディスプレイサー
ビスにより識別され、対象者・センサ識別手段2Aから
対象者毎のセンサ信号が対象者IDと共に安否推定手段
2Bに出力される。一方個人情報データベース2Cには
予め対象者の日常行動に基づくセンサ信号のカウント数
が記憶されており、安否推測手段2Bはこの個人情報デ
ータベース2Cから出力されるセンサカウント数に対
し、対象者・センサ識別手段2Aから実際に出力された
カウント数の偏差を算出することにより対象者である高
齢者の安否を、後述するように例えば「正常」、「不
安」、「異常」等のように推測する。なお、符号2Dは
決済データベースであって各種決済を行うためのデータ
を蓄積している。例えば異常と判定したときは3ポイン
ト、不安は2ポイント、正常は1ポイントとして日単位
の合計ポイント数を課金データとする等である。この場
合例えば日報や請求書をプリンタ4でプリントアウト
し、請求書は契約者に、また日報は契約者、対象者のう
ち予め定められた者に送付するようしてもよい(図3参
照)。
【0025】対象者に対してはそれぞれサポータが予め
定められている。サポータは例えば自分の住居を中心と
して一定範囲に存在する複数の対象者を受け持ってお
り、端末としてiモード等インターネットによる通信可
能な携帯電話を常時所持している。これによりインター
ネットを介して画像情報の受信、電子メール送受信が可
能であるので、例えば前記安否推測手段2Bが「異常」
と推定したときは、メール作成手段2Eにより推定内容
に対応したメールを作成し(予め作成してあるメールか
ら対応するメールを選択するのでもよい)、対象者を受
け持つサポータを特定し、かつ受持ち対象者のうちのど
の対象者かを特定し、かつアドレス指定手段2Fにより
この所定のサポータのメールアドレスを特定して「異
常」メッセージを、このサポータにメール送信する。連
絡を受けたサポータは直ちに所定の対象者宅に急行す
る。また急行する途中でこの携帯電話から対象者宅に電
話を入れる等してより詳しい情報を得るようにしてもよ
い。因みに本人の昼寝等により一定時間、センサのカウ
ント数が落ち込み「異常」推定をする等の可能性もある
からである。
【0026】図4は上記のシステムにおいて、特定の高
齢者(対象者)の日常生活におけるセンサ信号のカウン
ト数を設定するための手順を示している。先ずセンサの
設置は当然の事ながら高齢者当人の承諾を得て行うが、
前述のとおりセンサは各高齢者の日常生活をより観察し
易い対象を選んで設置することになる。
【0027】各センサからの信号は電話回線を介して出
力され(Sa1)、安否確認センター2は発信者をナン
バーディスプレイサービスにより識別して所定のセンサ
の信号をカウントする(Sa2)。この初期設定につい
ては本人が通常の状態であるか否かを電話その他で確認
する(Sa3)。例えばセンサがトイレのドアに設けら
れたものである場合、本人がたまたま下痢気味でトイレ
の使用回数が通常より多い場合に、このトイレの使用回
数をカウントして通常使用回数として設定してしまうと
以後の安否推測が不適切になってしまう等の問題が生じ
るため、カウント数の設定時には本人の平常時の状態を
確認し、例えば1週間から10日程度本人の生活を観察
してから設定するようにしてもよい。
【0028】以上から、本人の日常生活におけるセンサ
信号のカウント数に基づき安否を推測するしきい値を設
定する(Sa4)。例えば対象者1宅のセンサ設置場所
をトイレのドアとした場合、AM6:00〜AM12:
00において、カウント数1以下は「異常」、カウント
数2及びカウント数6以上は「不安」、カウント数3か
ら5は「正常」等と、安否を推測する日常動作データ
(通常は24時間の日常データ)を作成し(Sa5)、
このデータをその対象者IDと共に個人データベースに
記録する(Sa6)。なお、この設定はあくまでも一例
であって、24時間をより細かく分けてカウント数を設
定したり、或いは他の場所に設置したセンサのカウント
数との比較で安否推測用のデータを作成する等、対象
者、センサの設置数、設置場所等に対応して様々な設定
が可能である。
【0029】次に図5において高齢者の日常生活の観察
システムの一例を示す。先ず対象者である高齢者宅から
は前述の如く高齢者の生活に対応してセンサの信号が出
力され(Sb1)、安否確認センター2は発信者を識別
して所定のセンサの信号をカウントする(Sb2)。安
否確認センター2は個人IDにより所定のデータを個人
情報データベース2Cから引出し(図3も参照)、実際
に入力されたセンサカウント数とこの個人情報データベ
ース2Cの基準カウント数とを比較することにより「正
常」、「不安」、「異常」等の推測を行う(Sb3)。
【0030】この場合、センサは例えば前記トイレのド
アのセンサであって、かつAM6:00〜AM12:0
0でのカウント数が8である場合は、所定のサポータに
対して「不安」の電子メールを送る。この「不安」表示
があったの場合のサポータの行動は、例えば「1時間以
内に対象者宅に行って本人の様子を確認する」等として
予め定めておく。またこの場合、電子メールにセンサの
設置場所に対応するメッセージを添えるようにしてもよ
い。例えばトイレのドアのセンサの場合、「トイレ回数
8回、下痢等の可能性あり。」等のコメントを付記して
おけばサポータは事情を把握し易い。
【0031】一方、前記時間帯にカウント数が「0」で
ある場合は「異常」と推測する。この場合、サポータに
対して直ちに「異常」情報を伝えてもよいが、本人が在
宅しているか否かを確認できれば先ずこの点を確認す
る。「異常」推定の時点で安否確認センター2が図3に
示す高齢者宅Hの電話T1に対して電話をかけ、電話T
1が留守番電話の設定(以下「留守電設定」とする)さ
れているときは本人が外出しているものと推定し、「異
常」の推定を解除する(Sb4)。
【0032】但し、本人が自宅に戻り「留守電設定」を
解除をしないうちに異常が生じる等の可能性も全く無い
わけではないので、この「留守電設定」に対応する「異
常」推定の解除の要否はあくまでも高齢者本人の状態、
本人の意思等により総合的に決めるようにする。従って
個人情報データベースにはこれら本人の意思、或いは状
態に対応して、『対象者1/「留守電設定」確認時は
「異常」推定解除』、『対象者2/「留守電設定」確認
時は「異常」推定を「不安」推定にランクダウン』、
『対象者3/「異常」推定時には直ちに「異常信号」発
信』等と対象者毎に予め処理手順を決めておくことによ
り、よりきめ細かい対応が可能となる。
【0033】図において、「異常」推定を維持する時は
「異常」情報をサポータに発信する(Sb5)。この
「異常」情報は、サポータに対してリアルタイムで知ら
せる必要があるので、電子メールによる連絡の外、サポ
ータの携帯電話T2またはT3に対して直接音声情報で
知らせたり、電子メールの着信時に前述のようにメロデ
ィー、振動等によって電子メールの見落とし等がないよ
うにすることが望ましい(Sb6)。
【0034】サポータは対象者宅に急行するがその間
に、できれば自己の携帯端末で対象者宅に電話連絡する
(Sb7)。例えば上記の例でいうと、留守電設定しな
いで外出し、帰宅している場合等、本人と連絡がとれれ
ば電話で事情が確認(Sb8)でき、敢えて本人宅に急
行する必要は無くなる。事情が判明しない場合は当然の
ことながら対象者宅に急行する(Sb9)。
【0035】図6は上述の安否確認システムを用いたビ
ジネス方法の構成の一例を示している。図中、安否確認
センター2を中心とて対象者1〜N及びサポータ1〜N
とが関係する部分は基本的には以上に説明した安否確認
システムである。このうち各対象者は会費M1を安否確
認センター2に対して所定の支払い手段4(銀行振込/
カード支払い/インターネット利用サービスに対する課
金等)により支払う。また、後述するオプションサービ
ス(特別サービス)について本人支払いを設定している
時はこのオプションサービス費用も会費に加えて支払
う。
【0036】一方、サポータに対しては所定の費用(以
下「サポート料」とする)M2が支払われる。このサポ
ート料M2の支払いは給料制、出来高制等が考えられ
る。またオプションサービスに対する割増料をこのサポ
ート料M2に加算して支払われるよう構成してもよい。
この場合、割増料のチェックは各対象者の個人データベ
ース毎に記録されている「オプションサービス」の指示
回数、「異常」発生信号出力回数等に基づいて算出さ
れ、電子メールで「今月の支払い額」等としてその明細
が発信され、各サポータは所定の支払い手段5を介して
サポート料を受け取る。
【0037】また、各対象者自身或いは対象者である高
齢者の子供等の肉親(以下「家族」とする)は前記安否
確認サービスに加えてオプションサービスを設定するこ
とができる。オプションサービスは大別して定期サービ
スと不定期サービスに別れ、定期サービスとしては例え
ばサポータが「一日置きに対象者宅に出向き、1回30
分程度対象者と世間話をする」、「毎日1回電話をかけ
る」等のサービスが考えられる。
【0038】また不定期サービスとしては対象者本人か
らの連絡で「買物」、「郵便局での小包の発送」、「役
所への書類の提出」、「届け物」等の雑用の代行、洗濯
物の物干し等の家事の一部代行等が考えられる。但しこ
れらのサービスはあくまでも付加的なものであり、「異
常」連絡等があった場合にはこの連絡が最優先すること
は当然である。これら各オプションサービスの要請は全
て安否確認センター2を経由してサポータに連絡され、
サポータはサービスが完了したならばその旨を安否確認
センター2に連絡する。これにより当該センター2はこ
のサポータのサービス実施数にカウントし、対象者に対
する費用M1の請求とサポータに対するサービス料M2
の支払い時のデータとする。また対象者1〜Nが介護保
健の受給対象者である場合には、費用M1の一部をこの
受給額で相殺させることも可能である。
【0039】次に、対象者の家族がオプションサービス
を要請することもできる。例えば家族は安否確認センタ
ー2のインターネットホームページにアクセスして所定
のオプションサービスを要請する。例えば「不安」判定
の場合には病院のリストや専門医のデータベースの利
用、また対象者の誕生日の花束プレゼント、対象者が女
性であれば母の日のプレゼント等の設定を行う。安否確
認センター2は個人情報データベース2Cから特定の対
象者のデータ、例えば誕生日、性別、年齢、食べ物の嗜
好、趣味等を呼出し、家族が例えば単に「誕生日のプレ
ゼント」と設定した時にはこれら個人データからプレン
ゼントの内容を特定し、当日サポータに対して所定のサ
ービスを行うよう指示する。このサービスも前記と同様
サービス終了を連絡することによりサポータのサービス
実施数にカウントされると共に家族の支払い額M3の算
定基準となる。
【0040】安否確認システムを中心としたこれらの各
サービスは各支部においても実施され、各支部1〜Nの
活動状況はインターネットを介して安否確認センター2
に送信する。また、例えば各支部が対応できなかった対
象者のサポート状況を自動的に集めたり、「異常」と判
定された信号のみを集めて地域、年齢、性別、既往症等
に対応する信号数の偏りを解析する等してより的確な判
定を下すための資料とする等、対象者にとってより安心
なサポート体制を構築することができる。
【0041】
【発明の効果】以上本発明について詳述したように、本
発明によれば本人のプライバシーの保護の観点からは大
いに問題のある画像情報を用いることなく、かつ画像情
報に劣ることなく、しかも経済的に高齢者等の対象者の
安否の確認が可能となる。
【0042】また、対象者の行動を検知するためのセン
サの作動信号の伝送を電話回線とし、かつナンバーディ
スプレイサービス等電話回線設置者が実施するサービス
を適宜利用することによりセンサの作動信号の伝送を無
料或いは低額で実施することができ、システムを実行す
る費用を従来方式に比較して大幅に低減することが可能
となる。
【0043】更に、対象者の安否を確認するサポータが
配置されるため、このサポータを利用して対象者の安否
確認以外に多数の付帯的サービスを実施することが可能
となり、高齢者等の安否確認対象者やその家族にとって
高い利便性を与えるだけでなく、安否確認システム自体
を収益性のある事業として展開することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明システムの実施例を示す系統図である。
【図2】センサ作動信号入力時に対象者及びセンサの種
類を特定する手段を示す系統図である。
【図3】安否確認センターを中心として示した本発明の
システムの系統図である。
【図4】特定の対象者の日常動作時のセンサ作動信号カ
ウント数を設定する初期設定手順を示すフロー図であ
る。
【図5】センサの作動信号カウント数から対象者の安否
を推測する手順を示すフロー図である。
【図6】安否確認システムを用いたビジネス形態の一例
を示す系統図である。
【符号の説明】
1 センサ信号発信装置 2 安否確認センター 2A 対象者・センサ識別手段 2Aa 電話番号確認手段 2Ab 対象者確認手段 2Ac 呼出し音数カウント手段 2Ad センサ種類特定手段 2Ae 使用カウント数設定手段 2B 個人情報データベース 2C 安否推定手段 2D 決済データベース 2E メール作成手段 2F アドレス指定手段 3 電話サービス事業者 T1 電話(対象者側) T2 携帯電話(音声対応型) T3a、T3b、T3c 携帯電話(インターネット対
応型) TEL 電話回線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5C087 AA02 AA03 AA10 AA21 AA22 AA33 AA35 AA37 AA44 AA51 BB03 BB12 BB19 BB20 BB73 BB74 DD03 DD24 EE16 EE18 FF01 FF04 FF17 FF19 FF22 FF23 GG08 GG11 GG14 GG21 GG23 GG29 GG30 GG31 GG32 GG46 GG51 GG67 GG70 GG72 5K101 KK11 KK13 KK14 LL01 LL12 MM07 NN18 NN21 PP03 RR12

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一人暮らしの高齢者等事故や病気の発見
    が遅れがちな者を対象とし、この対象者の安否を確認す
    るシステムであって、対象者の日常生活に必要なものに
    対しその使用の有無をチェックする為に設けられた1以
    上のセンサと、センサの作動信号数により対象者の安否
    を推測する安否確認センターと、対象者を受け持つサポ
    ータが有する端末とから成り、安否確認センターは、電
    話回線等の通信手段を介してセンサの作動信号を受信し
    かつそのセンサが設置された対象者を特定する手段と、
    単位時間内のセンサの作動信号数から特定の対象者の安
    否を推測する手段とを有し、前記サポータの端末は電話
    回線及び又はインターネット等の通信手段により安否確
    認センターと接続可能に構成され、安否確認センターは
    この安否の推測に対応してサポータの行動を指示するよ
    う構成したことを特徴とする安否確認システム。
  2. 【請求項2】 対象者側のセンサの作動信号はセンサ信
    号発信装置に入力され、同センサ信号発信装置は対象者
    の電話(携帯電話を含む)を介して対象者の電話番号を
    受信者に出力するモードを用いて安否確認センターにダ
    イヤルアップするよう構成され、安否確認センターは受
    信した対象者の電話番号により対象者を特定し、かつ特
    定された対象者のセンサの作動信号数をカウントするよ
    う構成したことを特徴とする請求項1記載の安否確認シ
    ステム。
  3. 【請求項3】 対象者側には複数のセンサが設置され、
    センサ信号発信装置には作動信号を発したセンサを確認
    する手段と、確認されたセンサの種類により電話の呼出
    し音数の設定を行う手段とが設けられ、かつ安否確認セ
    ンターには対象者を特定する手段と、受信した呼出し音
    数に対応して当該対象者のセンサの種類を特定する手段
    とが設けられ、センサの作動信号は特定の対象者のセン
    サの種類に対応してそれぞれカウントされるよう構成し
    たことを特徴とする請求項2記載の安否確認システム。
  4. 【請求項4】 サポータの端末は携帯電話であって、当
    該携帯電話はインターネットにアクセス可能に構成さ
    れ、安否確認センターからサポータへの指示は電子メー
    ル、メロディ音、肉声、振動のうちの少なくとも一つと
    して出力されるよう構成されていることを特徴とする請
    求項1乃至3の何れかに記載の安否確認システム。
  5. 【請求項5】 一人暮らしの高齢者等事故や病気の発見
    が遅れがちな者を対象とし、この対象者の安否を確認す
    るシステムを基本として構成されたビジネス形態であっ
    て、当該安否確認システムは、対象者の日常生活に必要
    なものに対してその使用の有無をチェックする為に設け
    られた1以上のセンサと、電話回線等の通信手段を介し
    てセンサの作動信号を受信しかつそのセンサが設置され
    た対象者を特定する手段と、単位時間内のセンサの作動
    信号数から特定の対象者の安否を推測する手段とを有す
    る安否確認センターと、対象者を受け持つサポータが所
    持する端末とから成り、当該端末は電話回線及び又はイ
    ンターネット等の通信手段により安否確認センターと接
    続可能に構成され、サポータはこの通信手段を介して受
    信する安否確認センターの指示に対応して行動するよう
    構成され、安否確認センターは安否確認サービスに加え
    て、対象者或いは対象者の家族等の第三者から要請され
    たオプションサービスを設定する手段と、サポータに所
    定の日時に所定のサービスを指示する手段と、オプショ
    ンサービスに関するサポータへの支払い、オプションサ
    ービスを要請した対象者或いは第三者に対する請求を行
    う決済手段とを有していることを特徴とする安否確認シ
    ステムを用いた付帯サービスシステム。
  6. 【請求項6】 安否確認センターはインターネットのホ
    ームページを開設し、当該ホームページにはオプション
    サービスの一覧が表示され、オプションサービスを要請
    する者はこの一覧から特定のサービスを選択し、安否確
    認センターは個人情報データベースに記憶しているサー
    ビス実施対象者の誕生日、性別、年齢、食べ物の嗜好、
    顔写真、イメージイラスト等の個人情報からサービスの
    内容を具体的に決定するよう構成したことを特徴とする
    請求項5記載の安否確認システムを用いた付帯サービス
    システム。
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