JP2001316568A - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents
エポキシ樹脂組成物Info
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Abstract
く、難燃性に優れ、かつ硬化物の物性に優れたエポキシ
樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 (イ)下記一般式(I)で表されるポリ
エポキシ化合物及び(ロ)下記一般式(II)で表される
含リン化合物を配合してなるエポキシ樹脂組成物。 【化1】 (式中、nは0.1〜20の数を表し、Zは直接結合、
炭素原子数1〜4のアルキリデン基又はSO2 を表し、
Xは水素原子又はグリシジル基を表すが、Xの10%以
上はグリシジル基を表す) 【化2】 (式中、X1 〜X8 はそれぞれ独立して、水素原子、ハ
ロゲン原子、アルキル基又はアリール基を表す)
Description
に関し、詳しくは、難燃性に優れ、電気・電子用途、自
動車用途、塗料等に好適に使用することができるエポキ
シ樹脂組成物に関するものである。
樹脂は、各種基材に対する接着性、耐熱性、耐薬品性、
電気特性、機械特性等に優れるため、電子部品、電気機
器、自動車部品等の成型品、塗料、接着剤、繊維処理剤
等として広く用いられている。
器、電子部品、自動車部品等の用途に使用する場合には
火災を防止あるいは遅延する目的で臭素化エポキシ樹脂
を使用してきた。エポキシ樹脂に臭素に代表されるよう
なハロゲンを導入することにより難燃性が付与され、か
つ、エポキシ基の高反応性により優れた硬化物が得られ
ている。しかし、これら臭素化エポキシ樹脂を使用する
ことで燃焼時にハロゲン化水素等の有害な物質であるハ
ロゲン化合物を生成することによって環境への悪影響が
問題とされるようになってきた。このためハロゲン化合
物を使用しない難燃性のエポキシ樹脂の要求が高まって
いる。
ゲン化合物に代えてリン化合物を使用することで難燃性
を付与することが試みられており、例えば、CHUN
SHAN WANG et al,Polymer S
cience,Part APolymer Chem
istry Vol.37,3903−3909(19
99)には、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル
に9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファ
フェナントレン−10−オキシド(HCA)を反応せし
めてなるリン含有エポキシ樹脂が提案されているが、耐
アルカリ性等の硬化物性が著しく低下する欠点があっ
た。特開平1−165168号公報には、エポキシ樹脂
と9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファ
フェナントレン−10−オキシドを部分的に反応した
後、有機多塩基酸無水物を添加混合することによって染
料による着色の変退色防止効果が期待されることが記載
されているが、目的が異なるものであり、ここで記載さ
れる汎用のエポキシ樹脂との組み合わせで難燃化を試み
た場合には上記と同様に硬化物物性が低下することにな
る。さらに、特開平11−166035号公報には、ノ
ボラックエポキシ樹脂に9,10−ジハイドロ−9−オ
キサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド
を反応せしめてなるリン含有エポキシ樹脂が提案されて
おり、難燃性に関しては優れた効果を有するものの、耐
衝撃性、耐候性等の硬化物物性が低下する等の欠点を有
していた。
リシジルエーテルに対し、さらにその二級の水酸基にエ
ピクロルヒドリンを反応させて得られる多官能のビスフ
ェノール型エポキシ樹脂が提案されている(例えば、米
国特許第4623701号公報、特開平6−24805
5号公報、特開平6−298904号公報、特開平7−
173250号公報等)。ここでも臭素化ビスフェノー
ル化合物のジグリシジルエーテル化合物を使用すること
も提案されている。しかし、これまではこれに含リン化
合物を組み合わせて難燃化を図る試みは全くなされてこ
なかった。
ハロゲン化合物の発生が少なく、難燃性に優れ、かつ硬
化物の物性に優れたエポキシ樹脂組成物を提供すること
にある。
を重ねた結果、特定のエポキシ化合物と特定の含リン化
合物を組み合わせて配合してなるエポキシ樹脂組成物
が、難燃性に優れ、しかも種種の物性にも優れた硬化物
を提供し得ることを見出し、本発明に到達した。
で表されるポリエポキシ化合物及び(ロ)下記一般式
(II)で表される含リン化合物を配合してなるエポキシ
樹脂組成物を提供するものである。
炭素原子数1〜4のアルキリデン基又はSO2 を表し、
Xは水素原子又はグリシジル基を表すが、Xの10%以
上はグリシジル基を表す)
ロゲン原子、アルキル基又はアリール基を表す)
物について詳細に説明する。
て、一般式(I)中、Zで表される炭素原子数1〜4の
アルキリデン基としては、例えば、メチリデン、エチリ
デン、プロピリデン、ブチリデン等の基が挙げられる。
また、nは0.1〜20、特に1〜15の数を表し、X
は水素原子又はグリシジル基を表すが、Xの10%以
上、特に30%以上がグリシジル基である。
かグリシジル基でない場合には、三官能以上の多官能エ
ポキシ化合物の含有量が少なくなるため、例えば、硬化
物の強度が低下する等の問題が生じる恐れがあるため好
ましくない。
キシ化合物は、一分子中に二級水酸基を有するビスフェ
ノール類のジグリシジルエーテルとエピクロロヒドリン
をアルカリ及び層間移動触媒の存在下に反応させること
によって容易に製造することのできるものである。
化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等が
挙げられる。層間移動触媒としては、例えば、テトラメ
チルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウム
ブロミド、メチルトリオクチルアンモニウムクロリド、
メチルトリデシルアンモニウムクロリド、N,N−ジメ
チルピロリジニウムクロリド、N−エチル−N−メチル
ピロリジニウムヨージド、N−ブチル−N−メチルピロ
リジニウムブロミド、N−ベンジル−N−メチルピロリ
ジニウムクロリド、N−エチル−N−メチルピロリジニ
ウムブロミド、N−ブチル−N−メチルモルホリニウム
ブロミド、N−ブチル−N−メチルモルホリニウムヨー
ジド、N−アリル−N−メチルモルホリニウムブロミ
ド、N−メチル−N−ベンジルピペリジニウムクロリ
ド、N−メチル−N−ベンジルピペリジニウムブロミ
ド、N,N−ジメチルピペリジニウムヨージド、N−メ
チル−N−エチルピペリジニウムアセテート、N−メチ
ル−N−エチルピペリジニウムヨージド等が挙げられる
が、テトラメチルアンモニウムクロリドが好ましい。
量は、ジグリシジルエーテルの水酸基1当量に対し、1
当量以上、特に2〜10当量の範囲で使用され、アルカ
リはグリシジル化される水酸基1当量に対し、0.1〜
2.0モル、特に0.3〜1.5モル使用され、層間移
動触媒は、反応剤の全重量に対し、0.01〜10モル
%、特に0.2〜2モル%使用される。
ような溶媒下で行なうこともできるが、過剰のエピクロ
ルヒドリンを溶媒として使用することもできる。本反応
は20〜100℃、特に30〜60℃の範囲で行なわ
れ、20℃未満であると反応が遅くなり長時間の反応が
必要となり、100℃を越えると副反応が多く起こり好
ましくない。
造方法に関しては、例えば、H.BATZER AND
S.A.ZAHIR,JOURNAL OF APP
LIED POLYMER SCIENCE VOL.
19 PP.609−617(1975)等に記載され
ている。また、特開平5−239181号公報には第二
アルコールのグリシジルエーテルの製造方法が提案され
ているが、該製造方法を適用することもできる。
基を有するビスフェノール化合物のジグリシジルエーテ
ルは、公知の化合物であるが、ビスフェノール化合物と
エピクロルヒドリンとを反応させて製造する一段法、あ
るいは低分子量のビスフェノール化合物のジグリシジル
エーテルとビスフェノール化合物とを反応させて製造す
る二段法のいずれの方法でもよく、これを提供すること
のできるビスフェノール化合物としては、メチリデンビ
スフェノール(ビスフェノールF)、エチリデンビスフ
ェノール、イソプロピリデンビスフェノール(ビスフェ
ノールA)、ブチリデンビスフェノール、ビフェノー
ル、スルホンビスフェノール(ビスフェノールS)等が
挙げられる。
化合物は、エポキシ当量が5000未満、特に1000
未満であることが好ましく、エポキシ当量が5000を
超えるような場合には、硬化物の物性を低下する恐れが
あるため好ましくない。
成分のポリエポキシ化合物と共に他のエポキシ化合物を
使用することもできる。但し、(イ)成分以外のエポキ
シ化合物が、全エポキシ化合物中の50重量%を超えて
使用した場合には、本発明の効果が十分に発揮されない
ため好ましくない。
は、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、ピロカテコ
ール、フロログルシノール等の単核多価フェノール化合
物のポリグリシジルエーテル化合物;ジヒドロキシナフ
タレン、ビフェノール、メチレンビスフェノール(ビス
フェノールF)、メチレンビス(オルトクレゾール)、
エチリデンビスフェノール、イソプロピリデンビスフェ
ノール(ビスフェノールA)、イソプロピリデンビス
(オルトクレゾール)、テトラブロモビスフェノール
A、1,3−ビス(4−ヒドロキシクミルベンゼン)、
1,4−ビス(4−ヒドロキシクミルベンゼン)、1,
1,3−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
1,1,2,2−テトラ(4−ヒドロキシフェニル)エ
タン、チオビスフェノール、スルホビスフェノール、オ
キシビスフェノール、フェノールノボラック、オルソク
レゾールノボラック、エチルフェノールノボラック、ブ
チルフェノールノボラック、オクチルフェノールノボラ
ック、レゾルシンノボラック、ビスフェノールAノボラ
ック、ビスフェノールFノボラック、テルペンジフェノ
ール等の多核多価フェノール化合物のポリグリジルエー
テル化合物;上記単核多価フェノール化合物あるいは多
核多価フェノール化合物にエチレンオキシド及び/又は
プロピレンオキシド付加物のポリグリシジルエーテル化
合物;上記単核多価フェノール化合物の水添物のポリグ
リシジルエーテル化合物;エチレングリコール、プロピ
レングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオー
ル、ポリグリコール、チオジグリコール、グリセリン、
トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソル
ビトール、ビスフェノールA−エチレンオキシド付加
物、ジシクロペンタジエンジメタノール等の多価アルコ
ール類のポリグリシジルエーテル;マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸、コハク酸、グルタル酸、スベリン酸、
アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、
トリマー酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、
トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、テト
ラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、エンドメチ
レンテトラヒドロフタル酸等の脂肪族、芳香族又は脂環
族多塩基酸のグリシジルエステル類及びグリシジルメタ
クリレートの単独重合体又は共重合体;N,N−ジグリ
シジルアニリン、ビス(4−(N−メチル−N−グリシ
ジルアミノ)フェニル)メタン等のグリシジルアミノ基
を有するエポキシ化合物;ビニルシクロヘキセンジエポ
キシド、ジシクロペンタンジエンジエポキサイド、3,
4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ
シクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−
6−メチルシクロヘキシルメチル−6−メチルシクロヘ
キサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6
−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート等の環状オ
レフィン化合物のエポキシ化物;エポキシ化ポリブタジ
エン、エポキシ化スチレン−ブタジエン共重合物等のエ
ポキシ化共役ジエン重合体、トリグリシジルイソシアヌ
レート等の複素環化合物が挙げられる。また、これらの
エポキシ樹脂は末端イソシアネートのプレポリマーによ
って内部架橋されたものでもよい。
式(II)中、X1 〜X8 で表されるハロゲン原子として
は、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げら
れ、X 1 〜X8 で表されるアルキル基としては、例え
ば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、イソブチル、第二ブチル、第三ブチル、ペンチル、
イソペンチル、第二ペンチル、第三ペンチル、ヘキシ
ル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、2−エチルヘ
キシル、ノニル、イソノニル、デシル、イソデシル、ウ
ンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペン
タデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシ
ル、ノナデシル、イコシル、ヘンイコシル、ドコシル等
の基が挙げられ、アリール基としては、例えば、フェニ
ル、ナフチル等の基が挙げられ、アリールアルキル基と
しては、例えは、ベンジル、α−メチルベンジル、α、
α−ジメチルベンジル等の基が挙げられ、アルキルアリ
ール基としては、上記に例示したアルキル基で1〜5置
換されたフェニル基、アルキル基で1〜5置換されたナ
フチル基等が挙げられる。
及び(ロ)成分の含リン化合物を組み合わせて用いるこ
とで難燃性に優れたエポキシ樹脂組成物を提供するもの
であるが、その使用割合は、(イ)成分及び(イ)成分
以外のエポキシ化合物を使用した場合には、(イ)成分
を含む全エポキシ化合物100重量部に対して、(ロ)
成分の含リン化合物1〜100重量部、好ましくは5〜
50重量部である。さらに、(イ)成分、(イ)成分以
外のエポキシ化合物及び(ロ)成分を使用した場合に
は、(イ)成分以外のエポキシ化合物及び硬化剤の総量
に対して、リン含有率が0.1〜10重量%、好ましく
は0.5〜8重量%となる量を使用することで難燃性及
び種々の物性に優れたものが得られるため好ましい。
場合、硬化物中においては(イ)成分のグリシジル基と
(ロ)成分の一部又は全部が付加反応し、下記式(III
)なる部分構造を形成していると考えられるが、未反
応の(ロ)成分の量が多いと耐アルカリ性が低下する傾
向があるので、上記の付加反応を促進し得るエポキシ開
環触媒を併用するか、あるいは(イ)成分と(ロ)成分
を予め付加反応させることが好ましい。
ポキシ化合物の1エポキシ当量に対して、(ロ)成分の
含リン化合物を1モル未満、好ましくは0.1〜0.8
モルとなる量使用されることが望まれる。
する方法に関しては、公知の方法によって行うことがで
きる。反応は必要に応じてエポキシ開環触媒を使用し、
適当な溶媒を用いて、30〜200℃の加熱下、必要に
応じて減圧下で撹拌することで行われる。
ば、アセトン、メチルエチルケトン、イソブチルケトン
等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル
類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメ
チルスルホキサイド等のスルホキサイド類、並びにこれ
ら2種類以上の混合溶媒等が挙げられる。
ベンジルジメチルアミン等の第三級アミン類、テトラメ
チルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム
塩、トリフェニルホスフィン、トリス(2,6−ジメト
キシフェニル)ホスフィン等のホスフィン類、エチルト
リフェニルホスホニウムブロマイド、ベンジルトリフェ
ニルホスホニウムクロライド等のホスホニウム塩類、2
−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダ
ゾール等のイミダゾール類等が挙げられる。
(イ)成分、(イ)成分以外のエポキシ化合物及び
(ロ)成分を使用する場合には、これらの総量100重
量部に対し、0.001〜10重量部、好ましくは0.
01〜1重量部である。
は有機溶剤に溶解あるいは分散させて使用することがで
き、ここで有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチ
ルイソプロピルケトン、プロピレングリコールモノメチ
ルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル
アセテート、シクロヘキサノン等のケトン類;テトラヒ
ドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエ
トキシエタン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸n−ブ
チル等のエステル類;イソ−又はn−ブタノール、イソ
−又はn−プロパノール、アミルアルコール等のアルコ
ール類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化
水素;テレピン油、D−リモネン、ピネン等のテルペン
系炭化水素油;ミネラルスピリット、スワゾール#31
0(丸善石油化学(株))、ソルベッソ#100(エク
ソン化学(株))等のパラフィン系溶剤;四塩化炭素、
クロロホルム、トリクロロエチレン、塩化メチレン等の
ハロゲン化脂肪族炭化水素;クロロベンゼン等のハロゲ
ン化芳香族炭化水素;アニリン、トリエチルアミン、ピ
リジン、ジオキサン、酢酸、アセトニトリル、二硫化炭
素等が挙げられる。これらの溶剤は単独で用いること
も、また任意に2種以上の混合溶剤として用いることも
可能である。
通常、エポキシ樹脂用の硬化剤を使用することができ、
該硬化剤としては、例えば、ジエチレントリアミン、ト
リエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン等の
ポリアルキルポリアミン類;1,2−ジアミノシクロヘ
キサン、1,4−ジアミノ−3,6−ジエチルシクロヘ
キサン、イソホロンジアミン等の脂環式ポリアミン類;
m−キシリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、
ジアミノジフェニルスルホン等の芳香族ポリアミン類等
が挙げられる。また、これらのポリアミン類と、フェニ
ルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、ビ
スフェノールA−ジグリシジルエーテル、ビスフェノー
ルF−ジグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル類
又はカルボン酸のグリシジルエステル類等の各種エポキ
シ樹脂とを常法によって反応させることによって製造さ
れるポリエポキシ付加変性物;これらの有機ポリアミン
類と、フタル酸、イソフタル酸、ダイマー酸等のカルボ
ン酸類とを常法によって反応させることによって製造さ
れるアミド化変性物;これらのポリアミン類とホルムア
ルデヒド等のアルデヒド類及びフェノール、クレゾー
ル、キシレノール、第三ブチルフェノール、レゾルシン
等の核に少なくとも一個のアルデヒド化反応性場所を有
するフェノール類とを常法によって反応させることによ
って製造されるマンニッヒ化変性物等が挙げられる。さ
らに、ジシアンジアミド、酸無水物、イミダゾール類等
の潜在性硬化剤も使用できる。
必要に応じて、硬化触媒;モノグリシジルエーテル類、
ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ベンジル
アルコール、コールタール等の反応性又は非反応性の希
釈剤(可塑剤);ガラス繊維、炭素繊維、セルロース、
ケイ砂、セメント、カオリン、クレー、水酸化アルミニ
ウム、ベントナイト、タルク、シリカ、微粉末シリカ、
二酸化チタン、カーボンブラック、グラファイト、酸化
鉄、瀝青物質等の充填剤もしくは顔料;γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(ア
ミノエチル)−N’−β−(アミノエチル)−γ−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、γ−アニリノプロピル
トリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエ
トキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメ
トキシシラン等のシランカップリング剤;キャンデリラ
ワックス、カルナウバワックス、木ろう、イボタロウ、
みつろう、ラノリン、鯨ろう、モンタンワックス、石油
ワックス、脂肪酸ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸エ
ーテル、芳香族エステル、芳香族エーテル等の潤滑剤;
増粘剤;チキソトロピック剤;酸化防止剤;光安定剤;
紫外線吸収剤;難燃剤;消泡剤;防錆剤;コロイダルシ
リカ、コロイダルアルミナ等の常用の添加物を含有して
もよく、さらに、キシレン樹脂、石油樹脂等の粘着性の
樹脂類を併用することもできる。
基板に用いられる銅張積層板、封止材、注型材、接着
剤、電気絶縁塗料等の用途;粉体塗料、防食塗料等難燃
性の要求される種種の用途に好適に使用することができ
る。
組成物を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定
されるものではない。
置、滴下装置を備えたフラスコ中に、固形エポキシ樹脂
(ビスフェノールAジグリシジルエーテル、エポキシ
当量475、n=2.1)475重量部、エピクロルヒ
ドリン925重量部及びテトラメチルアンモニウムクロ
ライド50重量%水溶液1重量部を仕込み、滴下装置中
に48%水酸化ナトリウム水溶液108重量部入れてお
く。水酸化ナトリウム水溶液を還流下50〜60℃の内
部温度、60torrで2時間かけて滴下し、同時に水
を共沸蒸留により除去した。
ワード600S)とろ過助剤セライトを用いて、生成し
た食塩と未反応の水酸化ナトリウムを吸着ろ過し、エピ
クロルヒドリン溶液を得た。この溶液を120℃、10
torrでエピクロルヒドリンを除去し、エポキシ当量
265(G〔一般式(I)において、Xがグリシジル基
である比率〕=86%)のエポキシ化合物(EP−1)
を得た。
置、滴下装置を備えたフラスコ中に、固形エポキシ樹脂
(ビスフェノールAジグリシジルエーテル、エポキシ
当量475、n=2.1)47.5重量部、エピクロル
ヒドリン46.3重量部及びテトラメチルアンモニウム
クロライド0.2重量部を仕込み、滴下装置中に48%
水酸化ナトリウム水溶液5.5重量部入れておく。水酸
化ナトリウム水溶液を還流下50〜60℃の内部温度で
60torrで2時間かけて滴下し、同時に水を共沸蒸
留により除去した。
ワード600S)とろ過助剤セライトを用いて、生成し
た食塩と未反応の水酸化ナトリウムを吸着ろ過し、エピ
クロルヒドリン溶液を得た。この溶液を120℃、10
torrでエピクロルヒドリンを除去し、エポキシ当量
310(G=62%)のエポキシ化合物(EP−2)を
得た。
置、滴下装置を備えたフラスコ中に、固形エポキシ樹脂
(ビスフェノールAジグリシジルエーテル、エポキシ
当量650、n=3.4)65重量部、エピクロルヒド
リン46.3重量部及びテトラメチルアンモニウムクロ
ライド0.2重量部を仕込み、滴下装置中に48%水酸
化ナトリウム水溶液8.5重量部入れておく。水酸化ナ
トリウム水溶液を還流下50〜60℃の内部温度で80
torrで2時間かけて滴下し、同時に水を共沸蒸留に
より除去した。
ワード600S)とろ過助剤セライトを用いて、生成し
た食塩と未反応の水酸化ナトリウムを吸着ろ過し、エピ
クロルヒドリン溶液を得た。この溶液を120℃、10
torrでエピクロルヒドリンを除去し、エポキシ当量
340(G=65%)のエポキシ化合物(EP−3)を
得た。
置、滴下装置を備えたフラスコ中に、固形エポキシ樹脂
(ビスフェノールAジグリシジルエーテル、エポキシ
当量2000、n=5.8)200重量部、エピクロル
ヒドリン46.3重量部及びテトラメチルアンモニウム
クロライド0.2重量部を仕込み、滴下装置中に48%
水酸化ナトリウム水溶液15重量部入れておく。水酸化
ナトリウム水溶液を還流下50〜60℃の内部温度で8
0torrで2時間かけて滴下し、同時に水を共沸蒸留
により除去した。
ド600S)とろ過助剤セライトを用いて、生成した食
塩と未反応の水酸化ナトリウムを吸着ろ過し、エピクロ
ルヒドリン溶液を得た。この溶液を120℃、10to
rrでエピクロルヒドリンを除去し、エポキシ当量42
0(G=55%)のエポキシ化合物(EP−4)を得
た。
100重量部及びHCA(三光化学(株)製;9,10
−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナント
レン−10−オキシド)20重量部を120〜140℃
で均一に溶解した。その後、温度を100℃まで下げ、
エチルトリフェニルフォスホニウムブロミド(ETPP
Br)0.5重量部を加え、140〜150℃で2時間
反応させ、エポキシ当量425、リン含有量2.5重量
%の含リンエポキシ化合物(P−EP−1)を得た。
100重量部及びHCA40重量部を120〜140℃
で均一に溶解した。その後、温度を100℃まで下げ、
エチルトリフェニルフォスホニウムブロミド(ETPP
Br)0.5重量部を加え、140〜150℃で2時間
反応させ、エポキシ当量670、リン含有量5重量%の
含リンエポキシ化合物(P−EP−2)を得た。
100重量部及びHCA15重量部を120〜140℃
で均一に溶解した。その後、温度を100℃まで下げ、
エチルトリフェニルフォスホニウムブロミド(ETPP
Br)0.5重量部を加え、140〜150℃で2時間
反応させ、エポキシ当量360、リン含有量2.0重量
%の含リンエポキシ化合物(P−EP−3)を得た。
100重量部及びHCA20重量部を120〜140℃
で均一に溶解した。その後、温度を100℃まで下げ、
エチルトリフェニルフォスホニウムブロミド(ETPP
Br)0.5重量部を加え、140〜150℃で2時間
反応させ、エポキシ当量510、リン含有量2.5重量
%の含リンエポキシ化合物(P−EP−4)を得た。
100重量部及びHCA20重量部を120〜140℃
で均一に溶解した。その後、温度を100℃まで下げ、
エチルトリフェニルフォスホニウムブロミド(ETPP
Br)0.5重量部を加え、140〜150℃で2時間
反応させ、エポキシ当量600、リン含有量2.5重量
%の含リンエポキシ化合物(P−EP−5)を得た。
4)100重量部及びHCA20重量部を120〜14
0℃で均一に溶解した。その後、温度を100℃まで下
げ、エチルトリフェニルフォスホニウムブロミド(ET
PPBr)0.5重量部を加え、140〜150℃で2
時間反応させ、エポキシ当量800、リン含有量2.5
重量%の含リンエポキシ化合物(P−EP−6)を得
た。
1)100重量部及びHCA20重量部を120〜14
0℃で均一に溶解した。その後、温度を100℃まで下
げ、エチルトリフェニルフォスホニウムブロミド(ET
PPBr)0.5重量部を加え混合し、エポキシ当量3
30、リン含有量2.5重量%のリン−エポキシブレン
ド品(P−EP−7)を得た。
1)100重量部及びHCA20重量部を120〜14
0℃で均一に溶解し、エポキシ当量275、リン含有量
2.5重量%のリン−エポキシブレンド品(P−EP−
8)を得た。
1)50重量部、固形エポキシ樹脂(オルトクレゾー
ルノボラックエポキシ樹脂、エポキシ当量220、軟化
点60℃)50重量部及びHCA20重量部を120〜
140℃で均一に溶解した。その後、温度を100℃ま
で下げ、エチルトリフェニルフォスホニウムブロミド
(ETPPBr)0.5重量部を加え混合し、エポキシ
当量330、リン含有量2.5重量%のリン−エポキシ
ブレンド品(P−EP−9)を得た。
0重量部及びHCA20重量部を120〜140℃で均
一に溶解した。その後、温度を100℃まで下げ、エチ
ルトリフェニルフォスホニウムブロミド(ETPPB
r)0.5重量部を加え、140〜150℃で2時間反
応させ、エポキシ当量1020、リン含有量2.5重量
%の含リンエポキシ化合物(P−EP−10)を得た。
0重量部及びHCA20重量部を120〜140℃で均
一に溶解し、エポキシ当量500、リン含有量2.5重
量%のリン−エポキシブレンド品(P−EP−11)を
得た。
0重量部及びHCA20重量部を120〜140℃で均
一に溶解した。その後、温度を100℃まで下げ、エチ
ルトリフェニルフォスホニウムブロミド(ETPPB
r)0.5重量部を加え、140〜150℃で2時間反
応させ、エポキシ当量350、リン含有量2.5重量%
の含リンエポキシ化合物(P−EP−12)を得た。
〜1−4〕上記製造例より得られた含リンエポキシ化合
物及びリン−エポキシブレンド品を用いて以下の評価試
験を行った。その結果を表1及び表2に示した。
ミド及び2−エチル−4−イミダゾール(2,4−EM
Z)を混合し、50℃×1時間、180℃×30分の条
件にてUL−94規格に従った試験片を作成し、UL−
94規格に準じて難燃性の評価を行った。
物にジシアンジアミド及び2−エチル−4−イミダゾー
ル(2,4−EMZ)を混合し、50℃×1時間、18
0℃×30分の条件にて試験片を作成し、バイブロンの
動的粘弾性試験機によってガラス転位温度を測定した。
ンジアミド及び2−エチル−4−メチルイミダゾール
(2,4−EMZ)を混合し、ブリキ板に塗布し、50
℃×1時間、180℃×30分の条件にて塗膜を形成し
た。該塗膜を形成したブリキ板を10重量%の水酸化ナ
トリウム溶液に80℃で24時間浸漬し、その塗膜を目
視によって評価した。評価基準は、変化なしを○、僅か
に剥離が見られるを△、剥離大を×とした。
造例より得られた含リンエポキシ化合物及びリン−エポ
キシブレンド品を用いて以下の評価試験を行った。その
結果を表3に示した。
S G 3141圧延鋼板に50μmの膜厚に塗布した
後、50℃×1時間、180℃×30分の条件にて硬化
させた。
mmの幅で縦横、それぞれ11本の切れ目を入れ、碁盤
目を100個形成した。次に、24mm幅のセロファン
粘着テープを碁盤目に密着させた後、セロファン粘着テ
ープを強く剥離し、塗膜が剥離しなかった碁盤目の数を
数えた。
用いて、500G×50cmの条件で衝撃を加えた時の
状態を目視によって観察した。変化なしを○、僅かにひ
び割れを△、ひび割れ大を×とした。
て、試験片の裏面から鋼球を押し出して、試験片を変形
させたときと膜に割れ及び剥がれが生じるまでの距離を
測定した。(mm)
に500時間入れた後の塗膜表面を目視により観察し
た。着色なしを○、黄変がみられるを△、褐変が見られ
るを×とした。
スフェノール型のエポキシ樹脂は全く自己消火性を有さ
ず、本発明に使用されるエポキシ化合物を使用した場合
でも単独では全く自己消火性は有さない。さらに汎用の
ビスフェノール型のエポキシ樹脂に、本発明で用いられ
る含リン化合物をブレンドしただけでは自己消火性は有
さない。汎用のビスフェノール型のエポキシ樹脂と本発
明に用いられる含リン化合物を反応させることで難燃性
はV−0まで改善されるが、耐アルカリ性等の物性面で
著しく劣るものしか得られない。
明で用いられる含リン化合物を反応させたものは耐衝撃
性、耐候性等の物性が劣るという欠点を有している。
キシ化合物と含リン化合物を組み合わせて用いることで
難燃性はV−0まで改善され、耐アルカリ性等の物性面
でも改善が見られる。さらに本発明における特定のエポ
キシ化合物と含リン化合物とを予めあるいは触媒を用い
て硬化時に反応させることで難燃性はV−0まで向上
し、さらに耐アルカリ性等の物性面でも特に優れたもの
が得られる。
に有害なハロゲン化合物の発生が少なく、難燃性、硬化
物物性に優れ、特に難燃性の要求される用途に好適に使
用することができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 (イ)下記一般式(I)で表されるポリ
エポキシ化合物と(ロ)下記一般式(II)で表される含
リン化合物とを配合してなるエポキシ樹脂組成物。 【化1】 (式中、nは0.1〜20の数を表し、Zは直接結合、
炭素原子数1〜4のアルキリデン基又はSO2 を表し、
Xは水素原子又はグリシジル基を表すが、Xの10%以
上はグリシジル基を表す) 【化2】 (式中、X1 〜X8 はそれぞれ独立して、水素原子、ハ
ロゲン原子、アルキル基又はアリール基を表す) - 【請求項2】 (イ)下記一般式(I)で表されるポリ
エポキシ化合物と(ロ)下記一般式(II)で表される含
リン化合物との付加物を配合してなるエポキシ樹脂組成
物。 【化3】 (式中、nは0.1〜20の数を表し、Zは直接結合、
炭素原子数1〜4のアルキリデン基又はSO2 を表し、
Xは水素原子又はグリシジル基を表すが、Xの10%以
上はグリシジル基を表す) 【化4】 (式中、X1 〜X8 はそれぞれ独立して、水素原子、ハ
ロゲン原子、アルキル基又はアリール基を表す) - 【請求項3】 上記(イ)成分のポリエポキシ化合物
が、上記一般式(I)中、nが1〜15であり、Xの3
0%以上がグリシジル基であるポリエポキシ化合物であ
る請求項1又は2記載のエポキシ樹脂組成物。 - 【請求項4】 上記(イ)成分のポリエポキシ化合物を
含む全エポキシ化合物100重量部に対し、上記(ロ)
成分の含リン化合物1〜100重量部を使用する請求項
1、2又は3記載のエポキシ樹脂組成物。 - 【請求項5】 さらに、エポキシ開環触媒を含有する請
求項1、3又は4記載のエポキシ樹脂組成物。
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