JP6618049B2 - 含リン化合物及びそれを含有する硬化性エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は含リン化合物に関し、詳しくは、反応性を有し、ポリエポキシ化合物と併用する事によって、難燃化、低誘電率化などが期待できる硬化性エポキシ樹脂組成物を提供する事の出来る含リン化合物に関するものである。
近年、世界的な環境問題、人体に対する安全性についての関心の高まりと共に、電気・電子製品については、難燃性に加えて、より少ない有害性、より高い安全性という要求が増大している。すなわち、有害性ガスや発煙の発生が少なくすることが要望されている。
臭素系難燃剤は、良好な難燃性を有するものの、燃焼時に有害なハロゲン化水素(臭化水素)ガスが発生するため、その使用が抑制されつつある。そのため、通常のエポキシ樹脂に非ハロゲン系難燃剤、例えば、窒素化合物、リン化合物、あるいは無機化合物等を配合した組成物が開発されている。しかしながら、これら難燃付与性添加剤は、難燃化効果が不十分であったり、エポキシ樹脂の硬化に悪影響を及ぼしたり、硬化組成物のガラス転移温度等の物性を低下させる等の問題がある。
例えば、リン系難燃剤としては、トリフェニルホスフェートが種々の樹脂に広く用いられており、特許文献1には、高分子量タイプである2価フェノールとフェノールからなるリン系難燃剤をエポキシ樹脂に用いることが提案されている。しかし、これら難燃剤でエポキシ樹脂に充分な難燃性を付与するには、難燃剤を多量に配合する必要があり、難燃性を満足させるとガラス転移温度が低下し、ガラス転移温度を高くすると難燃性が不足する。また、特許文献2には、難燃剤として、反応性のリン酸エステル化合物を用いることが提案されているが、リン酸エステルが樹脂中に組み込まれると樹脂が吸湿し易くなったり、一部が3次元構造になってエポキシ樹脂の粘度が増大し、作業性が大きく低下するため、実用的ではなかった。
US5739187(A) 特開平10−195178号公報
本発明の目的は、グリシジル基との反応性を有する含リン化合物を提供する事、それによって、難燃化、低誘電率化などが期待できる硬化性エポキシ樹脂組成物を提供しうる含リン化合物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の含リン化合物が前記目的を達成しうる化合物であることを見いだし、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、下記一般式(I)で表される含リン化合物を提供するものである。
Figure 0006618049
(式中、mは1〜10の数を表し、R1、R2は互いに独立して、水素原子、アルキル基、アリール基を表し、R3は、アルキル基、アルカンジイル基、アルカントリイル基、アルカンテトライル基、芳香族基を表し、Xは酸素原子又は硫黄原子を表し、Yは酸素原子、硫黄原子又は―NR4―を表し、R4は、水素原子、アルキル基、アリール基を表す。)
本発明によれば、エポキシ樹脂との反応性に優れた含リン化合物を提供するものであり、エポキシ樹脂の難燃化、低誘電率化などが期待できる。
図1は、実施例1で得られた含リン化合物の1H−NMRを示す図である。 図2は、実施例1で得られた含リン化合物の31P−NMRを示す図である。 図1は、実施例1で得られた含リン化合物のGC−MSを示す図である。 図2は、実施例2で得られたP2の1H−NMRを示す図である。 図1は、実施例2で得られたP2の31P−NMRを示す図である。 図2は、実施例2で得られたP2のGC−MSを示す図である。
以下、本発明の含リン化合物について詳細に説明する。
一般式(I)中、R1、R2で表されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、第三ブチル基、アミル基、イソアミル基、第三アミル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、第三オクチル基、ノニル基、デシル基などがあげられ、R1、R2で表されるアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基などがあげられ、R3で表されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、第三ブチル基、アミル基、イソアミル基、第三アミル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、第三オクチル基、ノニル基、デシル基などがあげられ、R3で表されるアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基などがあげられ、R3で表されるアルカンジイル基としては、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、オクチレン基などがあげられ、R3で表されるアルカントリイル基としては、例えば、メチレントリイル、1,1,3−エチレントリイル基などがあげられ、R3で表されるアルカンテトライル基としては、1,1,2,2−エチレントリイルなどがあげられる。R3で表される芳香族基としては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、ピロカテコール、フロログルクシノールなどの単核多価フェノール化合物;ジヒドロキシナフタレン、ビフェノール、メチレンビスフェノール(ビスフェノールF)、メチレンビス(オルトクレゾール)、エチリデンビスフェノール、イソプロピリデンビスフェノール(ビスフェノールA)、イソプロピリデンビス(オルトクレゾール)、テトラブロモビスフェノールA、1,3−ビス(4−ヒドロキシクミルベンゼン)、1,4−ビス(4−ヒドロキシクミルベンゼン)、1,1,3−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,2,2−テトラ(4−ヒドロキシフェニル)エタン、チオビスフェノール、スルホニルビスフェノール、オキシビスフェノール、フェノールノボラック、オルソクレゾールノボラック、エチルフェノールノボラック、ブチルフェノールノボラック、オクチルフェノールノボラック、レゾルシンノボラック、テルペンフェノールなどの多核多価フェノール化合物などがあげられ、中でも下記式で表される基が好ましく使用される。
Figure 0006618049
本発明の含リン化合物としては、上記一般式(I)中、R1が炭素原子数1〜5のアルキル基、R2が炭素原子数1〜5のアルキル基、R3が芳香族基、X及びYが酸素原子を表す含リン化合物が好ましい。
本発明の含リン化合物としては、例えば、下記式(I−1)〜(I−8)で表される化合物があげられる。
Figure 0006618049
Figure 0006618049
Figure 0006618049
Figure 0006618049
Figure 0006618049
Figure 0006618049
Figure 0006618049
Figure 0006618049
本発明の含リン化合物の製造方法は下記式に示した如き方法によって製造する事ができる。
Figure 0006618049
(式中、m、R1、R2、R3、X、Yは、上述のm、R1、R2、R3、X、Yと同じである。)
ここで使用される塩基としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロノネン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンなどの3級アミン、ピリジン、N,N−ジメチルアミノピリジンなどのピリジン類、1−メチルイミダゾールなどのイミダゾール類、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィンなどのホスフィン類などがあげられる。
ここで使用される溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、ジエチルケトン、アセトン、メチルイソプロピルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン等のケトン類;テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;;四塩化炭素、クロロホルム、トリクロロエチレン、塩化メチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素;クロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素などがあげられる。
これらの反応は、−80〜100℃、好ましくは室温〜50℃で、0.5時間〜72時間、好ましくは1時間〜24時間かけて実施することができる。
本発明は、また上記含リン化合物が下記反応機構でエポキシ化合物と反応する事を特徴とする反応方法を提供するものである。
Figure 0006618049
(式中、mは1〜10の数を表し、R1、R2は互いに独立して、水素原子、アルキル基、アリール基を表し、R3は、アルキル基、アルカンジイル基、アルカントリイル基、アルカンテトライル基、芳香族基を表し、Xは酸素原子又は硫黄原子を表し、Yは酸素原子、硫黄原子又は―NR4―を表し、R4は、水素原子、アルキル基、アリール基を表す。)
本発明の含リン化合物は、ポリエポキシ化合物と組み合わせることにより、硬化性エポキシ樹脂組成物を提供するものである。
本発明に使用されるポリエポキシ化合物としては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、ピロカテコール、フロログルクシノールなどの単核多価フェノール化合物のポリグリシジルエーテル化合物;ジヒドロキシナフタレン、ビフェノール、メチレンビスフェノール(ビスフェノールF)、メチレンビス(オルトクレゾール)、エチリデンビスフェノール、イソプロピリデンビスフェノール(ビスフェノールA)、イソプロピリデンビス(オルトクレゾール)、テトラブロモビスフェノールA、1,3−ビス(4−ヒドロキシクミルベンゼン)、1,4−ビス(4−ヒドロキシクミルベンゼン)、1,1,3−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,2,2−テトラ(4−ヒドロキシフェニル)エタン、チオビスフェノール、スルホニルビスフェノール、オキシビスフェノール、フェノールノボラック、オルソクレゾールノボラック、エチルフェノールノボラック、ブチルフェノールノボラック、オクチルフェノールノボラック、レゾルシンノボラック、テルペンフェノールなどの多核多価フェノール化合物のポリグリジルエーテル化合物;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ポリグリコール、チオジグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ビスフェノールA−エチレンオキシド付加物などの多価アルコール類のポリグリシジルエーテル;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、コハク酸、グルタル酸、スベリン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、トリマー酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸等の脂肪族、芳香族または脂環族多塩基酸のグリシジルエステル類およびグリシジルメタクリレートの単独重合体または共重合体;N,N−ジグリシジルアニリン、ビス(4−(N−メチル−N−グリシジルアミノ)フェニル)メタン、ジグリシジルオルトトルイジン等のグリシジルアミノ基を有するエポキシ化合物;ビニルシクロヘキセンジエポキシド、ジシクロペンタンジエンジエポキサイド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート等の環状オレフィン化合物のエポキシ化物;エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化スチレン−ブタジエン共重合物等のエポキシ化共役ジエン重合体、トリグリシジルイソシアヌレート等の複素環化合物があげられる。また、これらのエポキシ樹脂は末端イソシアネートのプレポリマーによって内部架橋されたものあるいは多価の活性水素化合物(多価フェノール、ポリアミン、カルボニル基含有化合物、ポリリン酸エステル等)で高分子量化したものでもよい。
また、ポリエポキシ化合物は、エポキシ当量70〜3000、更に90〜2000のものが好ましい。該エポキシ当量が70未満では、硬化物の物性が低下するおそれがあり、3000よりも大きい場合には、十分な硬化性が得られないおそれがあるため好ましくない。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物には、硬化触媒を使用することが好ましく、p−ジメチルアミノピリジン、トリフェニルホスフィン、イミダゾール、3級アミン、ホスフィン、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩が使用される。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物には、汎用のエポキシ樹脂硬化剤を使用することができ、該エポキシ樹脂硬化剤としては、例えば、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−(2−メチルイミダゾール−1−イルメチル)ナフタレン−2−オールなどのイミダゾール類;ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミンなどのポリアルキルポリアミン類;1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノ−3,6−ジエチルシクロヘキサン、イソホロンジアミン等の脂環式ポリアミン類;m−キシリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン等の芳香族ポリアミン類などがあげられる。また、これらのポリアミン類と、フェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、ビスフェノールA−ジグリシジルエーテル、ビスフェノールF−ジグリシジルエーテルなどのグリシジルエーテル類またはカルボン酸のグリシジルエステル類等の各種エポキシ樹脂とを常法によって反応させることによって製造されるポリエポキシ付加変性物;これらの有機ポリアミン類と、フタル酸、イソフタル酸、ダイマー酸などのカルボン酸類とを常法によって反応させることによって製造されるアミド化変性物;これらのポリアミン類とホルムアルデヒド等のアルデヒド類およびフェノール、クレゾール、キシレノール、第三ブチルフェノール、レゾルシン等の核に少なくとも一個のアルデヒド化反応性場所を有するフェノール類とを常法によって反応させることによって製造されるマンニッヒ化変性物などがあげられる。さらに、ジシアンジアミド、酸無水物、イミダゾール類などの潜在性硬化剤も使用できる。
また、必要に応じて、モノグリシジルエーテル類、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ベンジルアルコール、コールタール等の反応性または非反応性の希釈剤(可塑剤);ガラス繊維、炭素繊維、セルロース、ケイ砂、セメント、カオリン、クレー、水酸化アルミニウム、ベントナイト、タルク、シリカ、微粉末シリカ、二酸化チタン、カーボンブラック、グラファイト、酸化鉄、瀝青物質などの充填剤もしくは顔料;γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−N’−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤;キャンデリラワックス、カルナウバワックス、木ろう、イボタロウ、みつろう、ラノリン、鯨ろう、モンタンワックス、石油ワックス、脂肪酸ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸エーテル、芳香族エステル、芳香族エーテルなどの潤滑剤;増粘剤;チキソトロピック剤;酸化防止剤;光安定剤;紫外線吸収剤;難燃剤;消泡剤;防錆剤;コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ等の常用の添加物を含有してもよく、さらに、キシレン樹脂、石油樹脂等の粘着性の樹脂類を併用することもできる。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、例えば、コンクリート、セメントモルタル、各種金属、皮革、ガラス、ゴム、プラスチック、木、布、紙等に対する塗料あるいは接着剤;包装用粘着テープ、粘着ラベル、冷凍食品ラベル、リムーバルラベル、POSラベル、粘着壁紙、粘着床材の粘着剤;アート紙、軽量コート紙、キャストコート紙、塗工板紙、カーボンレス複写機、含浸紙等の加工紙;天然繊維、合成繊維、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維等の収束剤、ほつれ防止剤、加工剤等の繊維処理剤;シーリング材、セメント混和剤、防水材等の建築材料;電子・電気機器用封止剤などの広範な用途に使用することができる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
実施例1
含リン化合物〔I−1〕の合成
回転子、還流管、セプタムを備えた100mL三口フラスコを十分に乾燥、窒素置換し、シリンジでフェノール0.75g(8.8mmol)、トリエチルアミン0.89g(8.8mmol)、超脱水テトラヒドロフラン3mLを仕込んだ。別の容器にジメチルホスフィン酸クロリド0.90g(8mmol)、超脱水テトラヒドロフラン3mLを仕込み、ジメチルホスフィン酸クロリド溶液を調整した。調整したジメチルホスフィン酸クロリド溶液を反応温度が30℃を超えないようにシリンジで滴下した。滴下終了後、一晩攪拌した。反応溶液に飽和アンモニウムクロライド水溶液5mL、水5mLを加え良く攪拌した。溶液を分液漏斗に移し、酢酸エチル10mLで3回抽出し、有機層を得た。有機層を水10mLで洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥、エバポレーターで溶媒を除去し淡黄色液体を得た。(粗収率:60.3%、GC純度:87,1%)粗生成物をカラムクロマトグラフィー(固定相:シリカゲル、移動相:酢酸エチル、Rf=0.07)で精製し、目的の含リン化合物〔I−1〕を得た(白色結晶、総収率:45.8%、GC純度:>99%、31P−NMR:52.44ppm)。得られた含リン化合物の1H−NMR、31P−NMR及びGC−MSをそれぞれ図1〜3に示す。
実施例2
DMAP0.9mg(7.5mol%)触媒存在下、含リン化合物〔I−1〕17.0mg(0.25mmol)とアデカグリシロールED−509S 20.6mg(0.25mmol)を窒素気流下、160℃で2時間反応させた。下記の[化13]に示す反応機構で、[化13]に示すP2が高選択的に得られた。得られたP2の1H−NMR、31P−NMR及びGC−MSをそれぞれ図4〜6に示す。
Figure 0006618049
本発明の実施例より、本発明の含リン化合物はグリシジル基と反応性を有していることが示された。本発明のリン酸エステルをエポキシ樹脂組成物中に配合することにより、硬化物の物性の低下が抑制され、難燃性、低誘電率を有することが期待できるエポキシ樹脂硬化物を提供することが出来る。

Claims (3)

  1. 下記一般式(I)で表される含リン化合物。
    Figure 0006618049
    (式中、mは1〜10の数を表し、R、Rは互いに独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、第三ブチル基、アミル基、イソアミル基、第三アミル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、第三オクチル基、ノニル基又はデシル基を表し、Rは、下記式で表される芳香族基を表し、Xは酸素原子を表し、Yは酸素原子を表す。)
    Figure 0006618049
    (式中、*は結合手を表す。)
  2. 下記一般式(I)で表される含リン化合物とエポキシ化合物とを下記反応機構で反応させる、下記化合物(2)の製造方法。
    Figure 0006618049
    (式中、mは1〜10の数を表し、R、Rは互いに独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、第三ブチル基、アミル基、イソアミル基、第三アミル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、第三オクチル基、ノニル基又はデシル基を表し、Rは、下記式で表される芳香族基を表し、Xは酸素原子を表し、Yは酸素原子を表す。)
    Figure 0006618049
    (式中、*は結合手を表す。)
  3. 下記一般式(I)で表される含リン化合物を含有してなる硬化性エポキシ樹脂組成物。
    Figure 0006618049
    (式中、mは1〜10の数を表し、R、Rは互いに独立して、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、第三ブチル基、アミル基、イソアミル基、第三アミル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、第三オクチル基、ノニル基又はデシル基を表し、Rは、下記式で表される芳香族基を表し、Xは酸素原子を表し、Yは酸素原子を表す。)
    Figure 0006618049
    (式中、*は結合手を表す。)
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