JP6161340B2 - ビスイミダゾール化合物、該ビスイミダゾール化合物を含有するエポキシ樹脂用硬化剤及び該エポキシ樹脂用硬化剤を含有する一液型硬化性エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

ビスイミダゾール化合物、該ビスイミダゾール化合物を含有するエポキシ樹脂用硬化剤及び該エポキシ樹脂用硬化剤を含有する一液型硬化性エポキシ樹脂組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP6161340B2
JP6161340B2 JP2013051346A JP2013051346A JP6161340B2 JP 6161340 B2 JP6161340 B2 JP 6161340B2 JP 2013051346 A JP2013051346 A JP 2013051346A JP 2013051346 A JP2013051346 A JP 2013051346A JP 6161340 B2 JP6161340 B2 JP 6161340B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
epoxy resin
curing agent
bisimidazole compound
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013051346A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014177525A (ja
Inventor
敦士 大八木
敦士 大八木
小川 亮
亮 小川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Adeka Corp
Original Assignee
Adeka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Adeka Corp filed Critical Adeka Corp
Priority to JP2013051346A priority Critical patent/JP6161340B2/ja
Publication of JP2014177525A publication Critical patent/JP2014177525A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6161340B2 publication Critical patent/JP6161340B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Epoxy Resins (AREA)

Description

本発明はビスイミダゾール化合物に関し、特に、揮発性が低く、ポリエポキシ化合物と組み合わせて使用した場合に、貯蔵安定性に優れると共に、硬化性に優れたエポキシ樹脂を提供することができる、ビスイミダゾール化合物に関する。
エポキシ樹脂は、各種基材への接着性に優れており、また、エポキシ樹脂を硬化剤で硬化させた硬化物は、耐熱性、耐薬品性、電気特性、機械特性等が比較的優れているため、塗料、接着剤、各種成型材料等の幅広い用途において使用されている。
従来、エポキシ樹脂組成物は、使用直前に硬化剤や硬化促進剤を添加する二液系が主流であった。しかしながら、二液系は、常温あるいは低温において硬化させることができる利点を有している反面、使用直前に計量し、混合しなければならない上、使用可能な時間が短く、自動機械への適用が困難である等、使用条件が制限されるという欠点を有している。
このような問題を解消するために一液硬化性エポキシ樹脂組成物が提案されているが、このような一液硬化性樹脂組成物を得るためには、室温では硬化反応を起こさず、加熱することにより硬化反応を開始する硬化剤、即ち潜在性硬化剤が配合されていることが必要である。潜在性硬化剤としては、例えば、ジシアンジアミド、二塩基酸ジヒドラジド、三フッ化ホウ素アミン錯塩、グアナミン類、メラミン、イミダゾール類等が提案されている。
しかしながら、例えば、ジシアンジアミド、メラミン、グアナミン類を潜在性硬化剤として使用する一液硬化性エポキシ樹脂組成物は、貯蔵安定性には優れているが、硬化条件として、150℃以上の高温で長時間加熱することを必要とするという問題がある。更に、これらの潜在性硬化剤と硬化促進剤を併用して、硬化時間を短縮することも広く行われているが、貯蔵安定性が著しく損なわれるという問題が生じる。
一方、二塩基酸ジヒドラジドやイミダゾール類を潜在性硬化剤として使用した場合には、比較的低温で硬化はするものの、貯蔵安定性に乏しい。また、三フッ化ホウ素アミン錯塩を使用する一液硬化性エポキシ樹脂組成物は、貯蔵安定性に優れ、硬化時間が短いという長所を有するが、耐水性に劣る上、金属に対する腐食性を持つ等の欠点を有する。
また、イミダゾール−アクリル酸反応生成物(特許文献1)を使用することが提案されているが、ビスイミダゾール化合物に関しては記載されていない。
特開平6−179657号公報
従って本発明の第一の目的は、貯蔵安定性及び硬化性に優れた、一液型硬化性エポキシ樹脂組成物用潜在性硬化剤として優れた化合物を提供することにある。
本発明の第二の目的は、貯蔵安定性に及び硬化性に優れた一液型硬化性エポキシ樹脂組成物を提供することができる潜在性硬化剤を提供することにある。
本発明の第三の目的は、貯蔵安定性と共に硬化性にも優れた、新規な一液型硬化性エポキシ樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、特定のビスイミダゾール化合物が前記目的を達成し得る化合物であることを見いだし、本発明に到達した。
即ち本発明は、下記一般式(I)で表されることを特徴とするビスイミダゾール化合物、該ビスイミダゾール化合物を含有することを特徴とするエポキシ樹脂用硬化剤、及び、エポキシ樹脂及び前記エポキシ樹脂用潜在性硬化剤を含有することを特徴とする一液型硬化性エポキシ樹脂組成物である。
Figure 0006161340
但し、式中のR、R及びRは、互いに独立して、水素原子、アルキル基又はアリール基であり、Aはヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基及びドデカメチレン基からなる群より選択されるアルキレン基又はアリーレン基である。
本発明の化合物は、入手が容易な原料を用いて製造することができると共に、揮発性が低く、程よい硬化特性と保存安定性とのバランスを兼ね備えているので実用的な硬化剤となる。本発明の化合物を使用して、特に、常温で固体の硬化性樹脂成分を含まない一液型硬化性エポキシ樹脂組成物とした場合には、作業性に優れると共に、狭所における接着や含浸接着にも適した、一液型硬化性エポキシ樹脂組成物となる。
本発明のビスイミダゾール化合物は前記一般式(I)で表される化合物である。
式中のR、R及びRは、互いに独立して、水素原子、アルキル基又はアリール基を表す。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、第三ブチル基、アミル基、イソアミル基、第三アミル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、第三オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基等が挙げられ、アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
前記Rは炭素原子数1〜11のアルキル基又はフェニル基であることが好ましく、Rは水素原子又は炭素原子数1〜3のアルキル基であることが好ましい。また、Rは水素原子又はメチル基であることが好ましい。
Aはヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基及びドデカメチレン基からなる群より選択されるアルキレン基、又はアリーレン基である。アリーレン基としては、例えば、フェニレン基、ナフチレン基等が挙げられる。
Aは前記アルキレン基であることが好ましい。
本発明のビスイミダゾール化合物としては、例えば、下記式で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006161340
本発明のビスイミダゾール化合物は、下記式で示された反応によって製造することができる。
Figure 0006161340
上記反応に使用される触媒としては、例えば、ジブチルスズラウレート、ジ(2-エチルヘキサン酸)スズ等のスズ化合物、テトラアルキルチタネート等のチタン化合物、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン等のホスフィン類、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロノネン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等の3級アミン、ピリジン、N,N-ジメチルアミノピリジン等のピリジン類、1-メチルイミダゾール等のイミダゾール類等が挙げられる。
また、溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、ジエチルケトン、アセトン、メチルイソプロピルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン等のケトン類;テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル類;イソ−又はn−ブタノール、イソ−又はn−プロパノール、アミルアルコール等のアルコール類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;四塩化炭素、クロロホルム、トリクロロエチレン、塩化メチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素;クロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素等が挙げられる。
反応温度は常温〜200℃であることが好ましく、特に50〜150℃であることが好ましい。反応時間は0.5時間〜72時間であることが好ましく、特に1時間〜8時間であることが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂用硬化剤は、本発明のビスイミダゾール化合物を含有する。
特に、一液型硬化性エポキシ樹脂組成物用の潜在性硬化剤とする場合は、エポキシ樹脂に均一に配合しやすいという観点から、本発明のビスイミダゾール化合物は、常温で液体であることが好ましい。
また、本発明の硬化性エポキシ樹脂用硬化剤には、必要に応じて、汎用のエポキシ樹脂用硬化剤を併用することができる。汎用のエポキシ樹脂用硬化剤としては、例えば、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−(2−メチルイミダゾール−1−イルメチル)ナフタレン−2−オール等のイミダゾール類;ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン等のポリアルキルポリアミン類;1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノ−3,6−ジエチルシクロヘキサン、イソホロンジアミン等の脂環式ポリアミン類;m−キシリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン等の芳香族ポリアミン類等が挙げられる。
また、これらのポリアミン類と、フェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、ビスフェノールA−ジグリシジルエーテル、ビスフェノールF−ジグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル類又はカルボン酸のグリシジルエステル類等の各種エポキシ樹脂とを反応させることによって製造されるポリエポキシ付加変性物;これらの有機ポリアミン類と、フタル酸、イソフタル酸、ダイマー酸等のカルボン酸類とを反応させることによって製造されるアミド化変性物;これらのポリアミン類とホルムアルデヒド等のアルデヒド類およびフェノール、クレゾール、キシレノール、第三ブチルフェノール、レゾルシン等の核に少なくとも一個のアルデヒド化反応性場所を有するフェノール類とを反応させることによって製造されるマンニッヒ化変性物等も併用することができる。更に、ジシアンジアミド、酸無水物、イミダゾール類等の潜在性硬化剤も併用することができる。
本発明の一液型硬化性エポキシ樹脂組成物は、ポリエポキシ化合物(A)と本発明のビスイミダゾール化合物を含むエポキシ樹脂用潜在性硬化剤(B)を配合して得られる。
上記(A)成分であるエポキシ樹脂としては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、ピロカテコール、フロログルクシノール等の単核多価フェノール化合物のポリグリシジルエーテル化合物;ジヒドロキシナフタレン、ビフェノール、メチレンビスフェノール(ビスフェノールF)、メチレンビス(オルトクレゾール)、エチリデンビスフェノール、イソプロピリデンビスフェノール(ビスフェノールA)、イソプロピリデンビス(オルトクレゾール)、テトラブロモビスフェノールA、1,3−ビス(4−ヒドロキシクミルベンゼン)、1,4−ビス(4−ヒドロキシクミルベンゼン)、1,1,3−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,2,2−テトラ(4−ヒドロキシフェニル)エタン、チオビスフェノール、スルホニルビスフェノール、オキシビスフェノール、フェノールノボラック、オルソクレゾールノボラック、エチルフェノールノボラック、ブチルフェノールノボラック、オクチルフェノールノボラック、レゾルシンノボラック、テルペンフェノール等の多核多価フェノール化合物のポリグリジルエーテル化合物;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ポリグリコール、チオジグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ビスフェノールA−エチレンオキシド付加物等の多価アルコール類のポリグリシジルエーテル;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、コハク酸、グルタル酸、スベリン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、トリマー酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸等の脂肪族、芳香族又は脂環族多塩基酸のグリシジルエステル類およびグリシジルメタクリレートの単独重合体又は共重合体;N,N−ジグリシジルアニリン、ビス(4−(N−メチル−N−グリシジルアミノ)フェニル)メタン、ジグリシジルオルトトルイジン等のグリシジルアミノ基を有するエポキシ化合物;ビニルシクロヘキセンジエポキシド、ジシクロペンタンジエンジエポキサイド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート等の環状オレフィン化合物のエポキシ化物;エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化スチレン−ブタジエン共重合物等のエポキシ化共役ジエン重合体、トリグリシジルイソシアヌレート等の複素環化合物が挙げられる。
また、これらのエポキシ樹脂は、末端にイソシアネート基を有するプレポリマーによって内部架橋されたものであっても、多価フェノール、ポリアミン、カルボニル基含有化合物、ポリリン酸エステル等の多価の活性水素化合物によって高分子量化されたものであってもよい。
また、ポリエポキシ化合物のエポキシ当量は70〜3000であることが必要であり、90〜2000であることが好ましい。該エポキシ当量が70未満では、硬化物の物性が低下するおそれがあり、3000よりも大きい場合には、十分な硬化性が得られなくなるおそれがあるため好ましくない。
また、本発明の一液型硬化性エポキシ樹脂組成物は、必要に応じて、硬化触媒;モノグリシジルエーテル類、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ベンジルアルコール、コールタール等の反応性又は非反応性の希釈剤(可塑剤);ガラス繊維、炭素繊維、セルロース、ケイ砂、セメント、カオリン、クレー、水酸化アルミニウム、ベントナイト、タルク、シリカ、微粉末シリカ、二酸化チタン、カーボンブラック、グラファイト、酸化鉄、瀝青物質等の充填剤もしくは顔料;γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−N’−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤;キャンデリラワックス、カルナウバワックス、木ろう、イボタロウ、みつろう、ラノリン、鯨ろう、モンタンワックス、石油ワックス、脂肪酸ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸エーテル、芳香族エステル、芳香族エーテル等の潤滑剤;増粘剤;チキソトロピック剤;酸化防止剤;光安定剤;紫外線吸収剤;難燃剤;消泡剤;防錆剤;コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ等の常用の添加物を含有してもよく、更に、キシレン樹脂、石油樹脂等の粘着性の樹脂類を併用してもよい。
本発明の一液型硬化性エポキシ樹脂組成物は、例えば、コンクリート、セメントモルタル、各種金属、皮革、ガラス、ゴム、プラスチック、木、布、紙等に対する塗料あるいは接着剤;包装用粘着テープ、粘着ラベル、冷凍食品ラベル、リムーバルラベル、POSラベル、粘着壁紙、粘着床材の粘着剤;アート紙、軽量コート紙、キャストコート紙、塗工板紙、カーボンレス複写機、含浸紙等の加工紙;天然繊維、合成繊維、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維等の収束剤、ほつれ防止剤、加工剤等の繊維処理剤;シーリング材、セメント混和剤、防水材等の建築材料;電子・電気機器用封止剤等の広範な用途に使用することができる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
[参考例1]
[化合物Aの合成]
500mlのセパラブルフラスコに2-メチルイミダゾール(以下「2MZ」と略記する。)116.1gを加え、さらにプロピレングリコールモノメチルエーテル116.1gを添加し、2MZを溶解させた。更に、1,6-ヘキサメチレンジアクリレート167.8gを添加して120℃にて2時間熟成させた。反応が終了したことをガスクロマトグラフィーで確認した後、150℃に昇温し減圧することにより、系内のプロピレングリコールモノメチルエーテルを除去し、目的化合物である黄色液状の参考化合物Aを得た。
[実施例1]
[化合物Bの合成]
500mlのセパラブルフラスコに2-エチル-4-メチルイミダゾール(以下「2E4MZ」と略記する。)106.6gを加え、さらにプロピレングリコールモノメチルエーテル106.6gを添加し、2E4MZを溶解させた。更に、1,10-デカメチレンジアクリレート143.4gを添加して、120℃にて2時間熟成させた。反応が終了したことをガスクロマトグラフィーで確認した後、150℃に昇温し減圧することにより、系内のプロピレングリコールモノメチルエーテルを除去し、目的化合物である褐色液状の化合物Bを得た。
[比較化合物Cの合成]
500mlのセパラブルフラスコに2MZ 116.0gを加え、さらにプロピレングリコールモノメチルエーテル116.0gを添加し、2MZを溶解させた。2-エチルヘキシルアクリレートを268.0g加え、120℃にて2時間熟成させた。反応が終了したことをガスクロマトグラフィーで確認した後、150℃に昇温し、減圧することにより、系内のプロピレングリコールモノメチルエーテルを除去し、目的化合物である黄色液状の比較化合物Cを得た。
[実施例2]
300mlのセパラブルフラスコに2MZ 78.8gを加え、さらにプロピレングリコールモノメチルエーテルを78.8g加え、2MZを溶解させた。更に、1,10-デカメチレンジアクリレート142.4gを加え120℃にて2時間熟成させ、反応が終了したことを、ガスクロマトグラフィーで確認した後、150℃に昇温し減圧することにより、系内のプロピレングリコールモノメチルエーテルを除去し、結晶性の淡黄色固体の化合物Dを得た。
〔評価〕
得られた化合物A〜Dの揮発性を、Tg-DTA(示差熱‐熱重量同時測定)により評価した。結果を表1に示す。
Figure 0006161340
表1より、ビスイミダゾールである化合物A、B及びDは、モノイミダゾールである比較化合物Cと比べ、熱重量減少温度が著しく高く、揮発性が低いことが確認された。
参考例2、実施例及び比較例2]
上記実施例により得られた化合物A〜Cをそれぞれ、潜在性硬化剤A〜Cとし、アデカレジンEP−4901E((株)ADEKA製ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキシ当量170)と、〔表2〕に示された量で配合して一液型硬化性エポキシ樹脂組成物A〜Cを製造した。
下記の方法により、得られた一液型硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化性(G.T)、初期粘度及び貯蔵安定性を評価した。結果を表2に示す。
〔G.T〕
150℃の熱板に試料の一液型硬化性エポキシ樹脂組成物をのせ、硬化するまでの時間を測定した。
〔初期粘度〕
試料の一液型硬化性エポキシ樹脂組成物を25℃にてE型粘度計で測定した。
〔貯蔵安定性〕
25℃で1日間及び2日間保存した後における試料の一液型硬化性エポキシ樹脂組成物の粘度を、前記初期粘度と同様の方法で測定し、初期粘度に対する増粘率を求めて評価した。
Figure 0006161340
※EP-4901E:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(エポキシ当量:170)
一液型硬化性エポキシ樹脂組成物(A)は、一液型硬化性エポキシ樹脂組成物(C)と同等の硬化性を有しているにも係らず、該組成物(C)より優れた貯蔵安定性を示している。一方、一液型硬化性エポキシ樹脂組成物(B)は一液型硬化性エポキシ樹脂組成物(A)及び(C)よりも硬化が遅いが、貯蔵安定性は一液型硬化性エポキシ樹脂組成物(A)、及び比較一液型硬化性エポキシ樹脂組成物(C)よりも著しく良好な結果が得られることが確認された。
本発明のビスイミダゾール化合物は、貯蔵安定性に優れると共に硬化性に優れた一液硬化型エポキシ樹脂を提供することができる潜在性硬化剤用化合物として使用することができる。また、本発明の一液型硬化性エポキシ樹脂組成物は、塗料、接着剤、各種成型材料等の幅広い用途に使用可能であるので、産業上極めて有用である。

Claims (7)

  1. 下記一般式(I)で表されることを特徴とするビスイミダゾール化合物;
    Figure 0006161340
    但し、式中のR、R及びRは、互いに独立して、水素原子、アルキル基又はアリール基であり、Aはヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基及びドデカメチレン基からなる群より選択されるアルキレン基又はアリーレン基である。
  2. 前記一般式(I)におけるRが炭素原子数1〜11のアルキル基又はフェニル基である、請求項1に記載されたビスイミダゾール化合物。
  3. 前記一般式(I)における、Rが水素原子又は炭素原子数1〜3のアルキル基である、請求項1又は2に記載されたビスイミダゾール化合物。
  4. 前記一般式(I)における、Rが水素原子又はメチル基である、請求項1〜3の何れかに記載されたイミダゾール化合物。
  5. 常温で液体である、請求項1〜4の何れかに記載されたビスイミダゾール化合物。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載されたビスイミダゾール化合物を含有することを特徴とするエポキシ樹脂用硬化剤。
  7. ポリエポキシ化合物及び請求項に記載されたビスイミダゾール化合物を含むエポキシ樹脂用潜在性硬化剤を含有することを特徴とする一液型硬化性エポキシ樹脂組成物。
JP2013051346A 2013-03-14 2013-03-14 ビスイミダゾール化合物、該ビスイミダゾール化合物を含有するエポキシ樹脂用硬化剤及び該エポキシ樹脂用硬化剤を含有する一液型硬化性エポキシ樹脂組成物 Active JP6161340B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013051346A JP6161340B2 (ja) 2013-03-14 2013-03-14 ビスイミダゾール化合物、該ビスイミダゾール化合物を含有するエポキシ樹脂用硬化剤及び該エポキシ樹脂用硬化剤を含有する一液型硬化性エポキシ樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013051346A JP6161340B2 (ja) 2013-03-14 2013-03-14 ビスイミダゾール化合物、該ビスイミダゾール化合物を含有するエポキシ樹脂用硬化剤及び該エポキシ樹脂用硬化剤を含有する一液型硬化性エポキシ樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014177525A JP2014177525A (ja) 2014-09-25
JP6161340B2 true JP6161340B2 (ja) 2017-07-12

Family

ID=51697823

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013051346A Active JP6161340B2 (ja) 2013-03-14 2013-03-14 ビスイミダゾール化合物、該ビスイミダゾール化合物を含有するエポキシ樹脂用硬化剤及び該エポキシ樹脂用硬化剤を含有する一液型硬化性エポキシ樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6161340B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102015213815A1 (de) * 2015-07-17 2017-01-19 Siemens Aktiengesellschaft Fester Isolationswerkstoff, Verwendung dazu und damit hergestelltes Isolationssystem
JP7198644B2 (ja) 2018-11-27 2023-01-04 住友化学株式会社 エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
KR20210133236A (ko) 2019-02-28 2021-11-05 가부시키가이샤 아데카 신규 화합물, 그 화합물을 포함하는 조성물, 자기 수복 재료, 표면 코트제, 도료, 접착제, 전지용 재료 및 경화물
JPWO2021241286A1 (ja) 2020-05-27 2021-12-02
JP2022175617A (ja) 2021-05-14 2022-11-25 住友化学株式会社 エポキシ樹脂組成物及びその硬化物

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CH672219B5 (ja) * 1985-01-25 1990-05-15 Ciba Geigy Ag
DE3920725A1 (de) * 1989-06-24 1991-01-10 Schering Ag Verfahren zur herstellung von faserverstaerkten traegermaterialien fuer den elektrosektor
JP3343443B2 (ja) * 1994-07-04 2002-11-11 松下電器産業株式会社 樹脂組成物およびプリプレグ
JP2000248053A (ja) * 1999-03-02 2000-09-12 Tosoh Corp 液状エポキシ樹脂組成物
JP2010174178A (ja) * 2009-01-30 2010-08-12 Seiko Kagaku Kk 酸化防止方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014177525A (ja) 2014-09-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20150315432A1 (en) Metallic compounds in non-brominated flame retardant epoxy resins
US20120095133A1 (en) Core/shell rubbers for use in electrical laminate compositions
JP5431849B2 (ja) 無溶剤一液型シアン酸エステル−エポキシ複合樹脂組成物
JP6161340B2 (ja) ビスイミダゾール化合物、該ビスイミダゾール化合物を含有するエポキシ樹脂用硬化剤及び該エポキシ樹脂用硬化剤を含有する一液型硬化性エポキシ樹脂組成物
US20150319858A1 (en) Metal stabilizers for epoxy resins
KR20110037971A (ko) 일액형 시아네이트-에폭시 복합 수지 조성물
JP5876414B2 (ja) 潜在性硬化剤組成物及び一液硬化性エポキシ樹脂組成物
KR102311142B1 (ko) 신규 화합물 및 그것을 함유하여 이루어지는 에폭시 수지 조성물
JP4906071B2 (ja) エポキシ樹脂用硬化剤組成物およびそれを含有してなる硬化性エポキシ樹脂組成物
JP6240940B2 (ja) エポキシ樹脂組成物
JP5996977B2 (ja) ポリチオウレタン化合物、該化合物を含有するエポキシ樹脂用硬化剤、及び、該エポキシ樹脂用硬化剤を含有してなる一液型硬化性エポキシ樹脂組成物
JP6618049B2 (ja) 含リン化合物及びそれを含有する硬化性エポキシ樹脂組成物
JP2007186547A (ja) エポキシ樹脂用硬化剤組成物および一成分系加熱硬化性エポキシ樹脂組成物
JP6161464B2 (ja) 一液型硬化性樹脂組成物
JP5960524B2 (ja) 含硫黄エポキシ化合物、該化合物を含有する樹脂組成物、及び、該樹脂組成物を含有する接着剤
JP6300608B2 (ja) 新規化合物及びそれを含有してなるエポキシ樹脂組成物
WO2023074450A1 (ja) 包接化合物、エポキシ樹脂硬化剤及び硬化性樹脂組成物
JP6307245B2 (ja) エポキシ樹脂組成物
JP5595047B2 (ja) 包接化合物、それを含有するエポキシ樹脂用硬化剤又は硬化促進剤及びエポキシ樹脂組成物
JP2014098070A (ja) 新規化合物、該化合物を含有する熱硬化剤及びエポキシ樹脂組成物
JP2014012778A (ja) 樹脂組成物及びそれを含有してなる接着剤

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151124

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161109

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161206

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170202

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170602

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170613

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6161340

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150