JP2001314149A - 空洞パン用フィリング及びその製造方法 - Google Patents
空洞パン用フィリング及びその製造方法Info
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- JP2001314149A JP2001314149A JP2000135360A JP2000135360A JP2001314149A JP 2001314149 A JP2001314149 A JP 2001314149A JP 2000135360 A JP2000135360 A JP 2000135360A JP 2000135360 A JP2000135360 A JP 2000135360A JP 2001314149 A JP2001314149 A JP 2001314149A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 フィリングの耐熱性などの制約を受けずに充
填できるフィリング及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 澱粉、糖類、タマリンド種子ガムからな
るペーストと油脂を混合、含気させるフィリングであ
る。特に、ペーストとして、澱粉を1〜7重量%、糖類
を30〜70重量%、タマリンド種子ガムを0.01〜
0.1重量%含むものを用いる。
填できるフィリング及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 澱粉、糖類、タマリンド種子ガムからな
るペーストと油脂を混合、含気させるフィリングであ
る。特に、ペーストとして、澱粉を1〜7重量%、糖類
を30〜70重量%、タマリンド種子ガムを0.01〜
0.1重量%含むものを用いる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パンの内部に空洞
を形成するために、パンの焼成前にパン生地に充填され
るフィリングに関する。より詳しくは、本発明は、ホイ
ップクリームやカスタードクリーム等のパンの焼成温度
によって状態の変化をきたす所謂耐熱性の無い充填材な
ど限定されない任意の充填材材をパンに注入できるよう
に、パン内部に充填材充填用の強固な空洞を付与するこ
とが可能であり、焼成後のパンにも風味、食感を阻害す
ることがない、空洞パン用フィリング及びその製造方法
に関するものである。
を形成するために、パンの焼成前にパン生地に充填され
るフィリングに関する。より詳しくは、本発明は、ホイ
ップクリームやカスタードクリーム等のパンの焼成温度
によって状態の変化をきたす所謂耐熱性の無い充填材な
ど限定されない任意の充填材材をパンに注入できるよう
に、パン内部に充填材充填用の強固な空洞を付与するこ
とが可能であり、焼成後のパンにも風味、食感を阻害す
ることがない、空洞パン用フィリング及びその製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】我が国で広く食されているパンの一つに
菓子パンや調理パンがある。これらのパンは、その内部
にフィリングと呼ばれる充填材が注入されており、長い
間広い年齢層に受け入れられており、我が国では最もポ
ピュラーなパンである。このように長年に亘って食され
てきたのは、その種類の豊富さによるものである。これ
ら菓子パンや調理パンとしては、例えば、ジャムが充填
されているジャムパン、アンが充填されているアンパ
ン、カスタードクリームやフラワーペーストが充填され
ているクリームパン、カレー風味のフィリングが充填さ
れているカレーパン等が挙げられる。
菓子パンや調理パンがある。これらのパンは、その内部
にフィリングと呼ばれる充填材が注入されており、長い
間広い年齢層に受け入れられており、我が国では最もポ
ピュラーなパンである。このように長年に亘って食され
てきたのは、その種類の豊富さによるものである。これ
ら菓子パンや調理パンとしては、例えば、ジャムが充填
されているジャムパン、アンが充填されているアンパ
ン、カスタードクリームやフラワーペーストが充填され
ているクリームパン、カレー風味のフィリングが充填さ
れているカレーパン等が挙げられる。
【0003】ところで、このような菓子パンや、調理パ
ンにおいても、消費者や嗜好の多様化に対応して、求め
られる食感や風味のみならず、パン自体も変化してきて
いる。このような変化の一例として、軽くてソフトな食
感を持つ充填材や、口溶けの良い充填材が充填されてい
るパンや、買い得感が得られるパンなどが好まれてきて
いる。そして、このような消費者の嗜好の変化に対応し
て、充填される充填材にホイップクリームを用いたパン
や、従来の充填材の充填量を増量したパン等が製造され
ている。
ンにおいても、消費者や嗜好の多様化に対応して、求め
られる食感や風味のみならず、パン自体も変化してきて
いる。このような変化の一例として、軽くてソフトな食
感を持つ充填材や、口溶けの良い充填材が充填されてい
るパンや、買い得感が得られるパンなどが好まれてきて
いる。そして、このような消費者の嗜好の変化に対応し
て、充填される充填材にホイップクリームを用いたパン
や、従来の充填材の充填量を増量したパン等が製造され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の充填材が充填さ
れているパンを製造する場合において、充填材を充填す
る方法として、一般的には、焼成前のパン生地に充填材
を充填する方法、あるいは焼成後のパン内部に充填材を
注入する方法などが採られる。
れているパンを製造する場合において、充填材を充填す
る方法として、一般的には、焼成前のパン生地に充填材
を充填する方法、あるいは焼成後のパン内部に充填材を
注入する方法などが採られる。
【0005】まず、パン生地の焼成前に充填材を充填す
る方法の場合、充填材をパン生地で包み込む形になるた
め、充填材が、設定した量で且つパン内部に均一に充填
される。このため、パンを食する時の外観も問題がな
く、品質が安定したパンとなる。この方法では、充填材
には焼成したときに滲んだり染み出したりしない耐熱性
が要求され、例えばフラワーペーストや飴等の充填材は
耐熱性が付与できるのでこの方法を採ることができる。
ところが、耐熱性を付与できないホイップクリームやカ
スタードクリーム等の充填材は、焼成前にパン内部に充
填した場合、焼成後にパンから滲み出したり、染み出し
たりすることから、パンの品質が低下し、パンが商品と
して成り立たなくなる。よって、これら耐熱性のない充
填材の場合には焼成前に充填する方法は実質的に採るこ
とができない。
る方法の場合、充填材をパン生地で包み込む形になるた
め、充填材が、設定した量で且つパン内部に均一に充填
される。このため、パンを食する時の外観も問題がな
く、品質が安定したパンとなる。この方法では、充填材
には焼成したときに滲んだり染み出したりしない耐熱性
が要求され、例えばフラワーペーストや飴等の充填材は
耐熱性が付与できるのでこの方法を採ることができる。
ところが、耐熱性を付与できないホイップクリームやカ
スタードクリーム等の充填材は、焼成前にパン内部に充
填した場合、焼成後にパンから滲み出したり、染み出し
たりすることから、パンの品質が低下し、パンが商品と
して成り立たなくなる。よって、これら耐熱性のない充
填材の場合には焼成前に充填する方法は実質的に採るこ
とができない。
【0006】また、焼成後のパン内部に充填材を充填す
る方法は、一般的には、充填材が耐熱性のないものであ
る場合に用いられる。この方法は、例えば、シュークリ
ームを製造する場合において、カスタードクリームやホ
イップクリームなどの充填材をシュー生地に充填する場
合には問題はない。焼成後にシュー中に空洞が出来て、
カスタードクリームやホイップクリームなどを均一且つ
多量に充填できるからである。
る方法は、一般的には、充填材が耐熱性のないものであ
る場合に用いられる。この方法は、例えば、シュークリ
ームを製造する場合において、カスタードクリームやホ
イップクリームなどの充填材をシュー生地に充填する場
合には問題はない。焼成後にシュー中に空洞が出来て、
カスタードクリームやホイップクリームなどを均一且つ
多量に充填できるからである。
【0007】しかしながら、菓子パンや調理パンに用い
られるパン生地は、シュー生地と違って、内部全体が一
様な組織状になっている。このため、焼成後に充填材を
多量に注入すると、この組織状の内部に充填材を無理矢
理に注入しなければならず、充填材を均一且つ多量に充
填できない。さらに、例えば工業的に多量のパンを製造
する場合、焼成したパンの内部の組織状を機械的に壊し
て内部に空洞を作成し、この空洞に充填材を注入するこ
とが必要となり、このため、作業が煩雑となり、生産性
を低下させる等の問題がある。
られるパン生地は、シュー生地と違って、内部全体が一
様な組織状になっている。このため、焼成後に充填材を
多量に注入すると、この組織状の内部に充填材を無理矢
理に注入しなければならず、充填材を均一且つ多量に充
填できない。さらに、例えば工業的に多量のパンを製造
する場合、焼成したパンの内部の組織状を機械的に壊し
て内部に空洞を作成し、この空洞に充填材を注入するこ
とが必要となり、このため、作業が煩雑となり、生産性
を低下させる等の問題がある。
【0008】以上のことから、特に工業的に菓子パンや
調理パンを製造する場合においては、パンの品質を落と
すことなく、あるいは生産性の低下を招くことなく、耐
熱性のない充填材をパン内部に注入すること、あるいは
充填材を多量且つ均一にパン内部に注入することが困難
であるのが現状である。
調理パンを製造する場合においては、パンの品質を落と
すことなく、あるいは生産性の低下を招くことなく、耐
熱性のない充填材をパン内部に注入すること、あるいは
充填材を多量且つ均一にパン内部に注入することが困難
であるのが現状である。
【0009】そこで、本発明は、菓子パンや調理パンを
製造する場合、充填する充填材の耐熱性や機能性などの
制約を受けることなく、充填材を大量に充填できる充填
材及びその製造方法を提供することを、課題とする。
製造する場合、充填する充填材の耐熱性や機能性などの
制約を受けることなく、充填材を大量に充填できる充填
材及びその製造方法を提供することを、課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、耐熱性の
ない充填材をパン内部に充填するために、パンを焼成し
た後に充填材が充填できること、及び焼成したパンに予
め空洞を付与できる方法を得るべく研究を重ねた。つま
り、予め焼成する前のパン生地にフィリングを充填し、
このフィリングが焼成後、空洞となるような物性をもつ
ことを目的に研究を重ねた結果、本発明を完成した。
ない充填材をパン内部に充填するために、パンを焼成し
た後に充填材が充填できること、及び焼成したパンに予
め空洞を付与できる方法を得るべく研究を重ねた。つま
り、予め焼成する前のパン生地にフィリングを充填し、
このフィリングが焼成後、空洞となるような物性をもつ
ことを目的に研究を重ねた結果、本発明を完成した。
【0011】即ち、本発明に係わる空洞パン用フィリン
グ及びその製造方法は、澱粉、糖類、タマリンド種子ガ
ムからなるペーストと、油脂とを混合し、含気させてな
ることを特徴とする。
グ及びその製造方法は、澱粉、糖類、タマリンド種子ガ
ムからなるペーストと、油脂とを混合し、含気させてな
ることを特徴とする。
【0012】一方、本発明に係わる空洞パン用フィリン
グ及びその製造方法は、澱粉を1〜7重量%、糖類を3
0〜70重量%、タマリンド種子ガムを0.01〜0.
1重量%含んでなるペーストを50〜70重量%、及び
油脂を30〜50重量%混合し、含気させてなる、こと
を特徴とする。
グ及びその製造方法は、澱粉を1〜7重量%、糖類を3
0〜70重量%、タマリンド種子ガムを0.01〜0.
1重量%含んでなるペーストを50〜70重量%、及び
油脂を30〜50重量%混合し、含気させてなる、こと
を特徴とする。
【0013】ここで、パン内部に空洞を作るために、予
めフィリングを充填し、焼成をする場合、焼成後にしっ
かりとした空洞を付与することは勿論のこと、この予め
充填したフィリングが、焼成後のパンに、風味や食感な
どの違和感を与えないことも重要である。風味の違和感
が残る場合、その後に充填する充填材の風味が阻害され
てしまう。また、予め充填したフィリングが焼成後に焼
き残りした場合、パン内部にパン生地の硬さよりも硬い
部分が発生し、食感に違和感が生じる。つまり、これら
の場合、パン自体の風味、食感に違和感与え、商品価値
を下げてしまう。
めフィリングを充填し、焼成をする場合、焼成後にしっ
かりとした空洞を付与することは勿論のこと、この予め
充填したフィリングが、焼成後のパンに、風味や食感な
どの違和感を与えないことも重要である。風味の違和感
が残る場合、その後に充填する充填材の風味が阻害され
てしまう。また、予め充填したフィリングが焼成後に焼
き残りした場合、パン内部にパン生地の硬さよりも硬い
部分が発生し、食感に違和感が生じる。つまり、これら
の場合、パン自体の風味、食感に違和感与え、商品価値
を下げてしまう。
【0014】本発明は、パン生地の原料である澱粉と糖
液を配合するペーストと油脂を原料とすることで、パン
生地を焼成するときにフィリングが生地に染み込んでも
焼成後の風味と食感の違和感がなく、また混合、含気す
ることで焼成時にフィリングが膨張して空洞を付与す
る。
液を配合するペーストと油脂を原料とすることで、パン
生地を焼成するときにフィリングが生地に染み込んでも
焼成後の風味と食感の違和感がなく、また混合、含気す
ることで焼成時にフィリングが膨張して空洞を付与す
る。
【0015】また、ペーストにタマリンド種子ガムを配
合することで、含気したフィリングの焼成時の安定性
と、経時の安定性とが付与される。また、焼成後のフィ
リングの焼き残りをなくし、食感の違和感をなくすこと
が出来る。これにより、従来充填することが困難とされ
ていた充填材、例えば耐熱性のないホイップクリームや
カスタードクリーム等を、パン自体の商品価値を下げる
ことなく、充填できる、菓子パンや調理パンの製造方法
を提供できる。
合することで、含気したフィリングの焼成時の安定性
と、経時の安定性とが付与される。また、焼成後のフィ
リングの焼き残りをなくし、食感の違和感をなくすこと
が出来る。これにより、従来充填することが困難とされ
ていた充填材、例えば耐熱性のないホイップクリームや
カスタードクリーム等を、パン自体の商品価値を下げる
ことなく、充填できる、菓子パンや調理パンの製造方法
を提供できる。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態におけ
る空洞パン用フィリング及びその製造方法について詳し
く説明する。
る空洞パン用フィリング及びその製造方法について詳し
く説明する。
【0017】本発明のペーストに用いられる澱粉は、特
に限定されないが、公知の澱粉が使用できる。例えば、
馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、ワキシースターチ、小麦
粉、タピオカ澱粉、及びこれらにリン酸架橋処理、酸処
理、酵素処理を施した化工澱粉、α化処理澱粉等が使用
できる。添加量は、1〜7重量%が好ましい。1重量%
より少ないと、フィリング自体に保型性がなく、焼成時
にダレてしまい、膨張しても強固な空洞を付与すること
が出来ない。また、添加量が7重量%より多いと、焼成
後に焼き残りが発生し、出来たパンに食感の違和感が生
じる。
に限定されないが、公知の澱粉が使用できる。例えば、
馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、ワキシースターチ、小麦
粉、タピオカ澱粉、及びこれらにリン酸架橋処理、酸処
理、酵素処理を施した化工澱粉、α化処理澱粉等が使用
できる。添加量は、1〜7重量%が好ましい。1重量%
より少ないと、フィリング自体に保型性がなく、焼成時
にダレてしまい、膨張しても強固な空洞を付与すること
が出来ない。また、添加量が7重量%より多いと、焼成
後に焼き残りが発生し、出来たパンに食感の違和感が生
じる。
【0018】また、本発明のペーストに用いられる糖類
も、特に限定されず、公知の糖類が使用できる。例え
ば、蔗糖、ぶどう糖、果糖、果糖ぶどう糖液糖、水あ
め、オリゴ糖や糖アルコール等が使用できる。添加量は
30〜70重量%が好ましい。添加量が30重量%より
少ないと、必然的に水分が多くなり、焼成時にダレてし
まい、強固な空洞ができない。また、添加量が70重量
%より多いと、焼成後にも甘みが残り、風味に違和感を
残す。
も、特に限定されず、公知の糖類が使用できる。例え
ば、蔗糖、ぶどう糖、果糖、果糖ぶどう糖液糖、水あ
め、オリゴ糖や糖アルコール等が使用できる。添加量は
30〜70重量%が好ましい。添加量が30重量%より
少ないと、必然的に水分が多くなり、焼成時にダレてし
まい、強固な空洞ができない。また、添加量が70重量
%より多いと、焼成後にも甘みが残り、風味に違和感を
残す。
【0019】また、本発明のペーストに用いられるタマ
リンド種子ガムは、従来より使用されているタイプのも
のを特に制限なしに使用することが出来る。添加量は、
0.01〜0.1重量%が好ましい。0.01重量%よ
り少ないと油脂と混合、含気する時に、ホイップの安定
性がなく、経時的に油が滲み出してくる。また、0.1
重量%より多いと、ペーストの粘性が高くなり、油脂と
混合、含気がしずらくなる。
リンド種子ガムは、従来より使用されているタイプのも
のを特に制限なしに使用することが出来る。添加量は、
0.01〜0.1重量%が好ましい。0.01重量%よ
り少ないと油脂と混合、含気する時に、ホイップの安定
性がなく、経時的に油が滲み出してくる。また、0.1
重量%より多いと、ペーストの粘性が高くなり、油脂と
混合、含気がしずらくなる。
【0020】また、澱粉、糖類、タマリンド種子ガムか
らなるペーストの製造方法は、特に限定されない。上記
を必須原料とすれば、その他の成分などを併用すること
もできる。さらに、加熱方法、混合方法、その他の製造
条件も特に限定されないが、糖類やタマリンド種子ガム
が十分溶解し、混合されていることが必要である。
らなるペーストの製造方法は、特に限定されない。上記
を必須原料とすれば、その他の成分などを併用すること
もできる。さらに、加熱方法、混合方法、その他の製造
条件も特に限定されないが、糖類やタマリンド種子ガム
が十分溶解し、混合されていることが必要である。
【0021】このようにして得られたペーストを次に油
脂を混合、含気する。ここで用いられる油脂は、特に限
定されず、従来から用いられている公知の油脂が使用で
きる。例えば、植物性油脂、動物性油脂およびこれらの
硬化油脂または2種類以上の混合物、あるいはこれらの
油脂に種々の化学的または物理的な処理を施したものが
使用できる。また、市販のバター、マーガリン、ショー
トニング等も使用できる。
脂を混合、含気する。ここで用いられる油脂は、特に限
定されず、従来から用いられている公知の油脂が使用で
きる。例えば、植物性油脂、動物性油脂およびこれらの
硬化油脂または2種類以上の混合物、あるいはこれらの
油脂に種々の化学的または物理的な処理を施したものが
使用できる。また、市販のバター、マーガリン、ショー
トニング等も使用できる。
【0022】ここで、上記ペーストと油脂の割合は、ペ
ーストが50〜70重量%、油脂を30〜50重量%と
することが好ましい。ペーストが50重量%以下の場
合、つまり油脂が50重量%以上の場合、以下のような
問題がある。
ーストが50〜70重量%、油脂を30〜50重量%と
することが好ましい。ペーストが50重量%以下の場
合、つまり油脂が50重量%以上の場合、以下のような
問題がある。
【0023】すなわち、本発明の空洞パン用フィリング
は、パン生地に充填され、焼成中に膨張し、その後に生
地に滲み込み空洞を付与するのであるが、この場合、焼
成の高温度域で、フィリングが膨張する前に、割合の多
い油脂が溶解し、パンの空洞が出来なくなる。
は、パン生地に充填され、焼成中に膨張し、その後に生
地に滲み込み空洞を付与するのであるが、この場合、焼
成の高温度域で、フィリングが膨張する前に、割合の多
い油脂が溶解し、パンの空洞が出来なくなる。
【0024】また、ペーストが70重量%以上の場合、
つまり油脂が30重量%以下の場合は、膨張に必要な含
気が出来ず、強固な空洞が出来ないと同時に、ペースト
の割合が多いため焼成後に焼き残りが発生し、出来たパ
ンの食感に違和感が生じる。
つまり油脂が30重量%以下の場合は、膨張に必要な含
気が出来ず、強固な空洞が出来ないと同時に、ペースト
の割合が多いため焼成後に焼き残りが発生し、出来たパ
ンの食感に違和感が生じる。
【0025】この混合、含気工程で用いられる装置も特
に限定されないが、公知の高速回転型のホイップ装置な
どが挙げられる。
に限定されないが、公知の高速回転型のホイップ装置な
どが挙げられる。
【0026】以上のように、本発明は、従来充填するこ
とが困難とされてきた充填材、例えば耐熱性のないホイ
ップクリームやカスタードクリーム等を、パン自体の商
品価値を下げることなく、充填することができる菓子パ
ンや調理パンの製造方法を提供するものである。
とが困難とされてきた充填材、例えば耐熱性のないホイ
ップクリームやカスタードクリーム等を、パン自体の商
品価値を下げることなく、充填することができる菓子パ
ンや調理パンの製造方法を提供するものである。
【0027】次に、本発明によって得られる空洞パン用
充填材の組成割合の実施例と比較例とを比較しながら、
焼成されたパンに強固な空洞が付与できることや、風
味、食感に違和感が無いことを明らかにする。
充填材の組成割合の実施例と比較例とを比較しながら、
焼成されたパンに強固な空洞が付与できることや、風
味、食感に違和感が無いことを明らかにする。
【0028】(実施例1〜3、比較例1〜8)表1に示
す種々の原料組成を用意し、これらをジャケット装置付
き加熱釜に投入する。その後、撹拌しながら加熱を開始
する。品温が95℃になって時点で、10分保持する。
その後、糖度を調整、冷却して、ペーストをそれぞれ得
た。なお、表1において、TGはタマリンド種子ガムを
意味する。
す種々の原料組成を用意し、これらをジャケット装置付
き加熱釜に投入する。その後、撹拌しながら加熱を開始
する。品温が95℃になって時点で、10分保持する。
その後、糖度を調整、冷却して、ペーストをそれぞれ得
た。なお、表1において、TGはタマリンド種子ガムを
意味する。
【0029】
【表1】 				 ペーストの原料組成(重量%) 実施 実施 実施 比較 比較 比較 比較 比較 比較 比較 比較 例1 例2 例3 例1 例2 例3 例4 例5 例6 例7 例8 糖類 60.0 40.0 70.0 20.0 80.0 60.0 60.0 60.0 60.0 60.0 60.0 澱粉 5.0 1.5 7.0 5.0 5.0 5.0 10.0 5.0 5.0 5.0 5.0 TG 0.05 0.02 0.1 0.05 0.05 0.05 0.05 0 0.2 0.05 0.05 その他 3.5 3.5 3.5 3.5 3.5 3.5 3.5 3.5 3.5 3.5 3.5 水 31.45 54.98 19.4 71.45 11.45 35.95 26.45 31.5 31.3 31.45 31.45
【0030】次に、それぞれ得られたペーストと油脂の
割合を表2に示す組成とし、また高速回転式ホイッパー
を用いてこれらを混合、含気して、空洞パン用フィリン
グをそれぞれ得た。なお、表2において、PSはペース
トを意味する。
割合を表2に示す組成とし、また高速回転式ホイッパー
を用いてこれらを混合、含気して、空洞パン用フィリン
グをそれぞれ得た。なお、表2において、PSはペース
トを意味する。
【0031】
【表2】 				空洞パン用フィリングの原料組成(重量%) 実施 実施 実施 比較 比較 比較 比較 比較 比較 比較 比較 例1 例2 例3 例1 例2 例3 例4 例5 例6 例7 例8 PS 60.0 40.0 60.0 60.0 60.0 60.0 60.0 60.0 60.0 40.0 80.0 油脂 40.0 40.0 40.0 40.0 40.0 40.0 40.0 40.0 40.0 60.0 20.0
【0032】
【表3】 				空洞パン用フィリングの評価 実施 実施 実施 比較 比較 比較 比較 比較 比較 比較 比較 例1 例2 例3 例1 例2 例3 例4 例5 例6 例7 例8 糖度 68 45 80 28 88 64 72 68 68 68 68 注1 比重 0.6 0.6 0.6 0.6 0.6 0.6 0.6 0.6 0.5 0.5 0.9 注2 状態 ◎ ○ ◎ ○ ○ ○ ○ × × ○ ○ 注3 空洞 ◎ ○ ◎ × ○ × ○ ○ × × ○ 注4 風味 ◎ ◎ ○ ○ × ○ ○ ○ ○ ○ × 注5 食感 ◎ ◎ ○ ○ × ○ × × ○ ○ × 注5 注1:株式会社アタゴ製 手持ち屈折計示度を用いたペーストの糖度 注2:空洞パン用フィリングの比重 注3:状態については、ペーストと油脂を混合含気した後の空洞パン用フィ リングの状態を評価した。経時的に状態之変化の無いものを◎、多少あるも のを○、油が分離したり変化が現れたものを×、とした。 注4:空洞については、空洞パン用フィリングを用いて焼成したパンの空洞 部についての評価を示した。しっかり強固な空洞を◎、充填材が充填できる 空洞を○、空洞が出来なかったものを×とした。 注5:風味、食感についてはそれぞれの空間用フィリングを用いて焼成した パンと、フィリング入れないで焼成したパンとを。熟練したパネラー10名 に試食させ、その結果を集約した。相違がみられないものを◎、多少あるも の○、相違のあるものを×とした。
【0033】本発明の空洞パン用フィリングは、表3の
実施例1〜3に示すようにフィリングの状態、空洞の付
与状態、焼成したパンの食感、風味に優れている。一
方、例えば、比較例1、比較例3と比較例7では焼成し
たパンの空洞の状態、比較例2ではパンの風味、比較例
4と比較例8ではパンの食感、比較例5と比較例6では
状態の点で、それぞれ欠点がある。
実施例1〜3に示すようにフィリングの状態、空洞の付
与状態、焼成したパンの食感、風味に優れている。一
方、例えば、比較例1、比較例3と比較例7では焼成し
たパンの空洞の状態、比較例2ではパンの風味、比較例
4と比較例8ではパンの食感、比較例5と比較例6では
状態の点で、それぞれ欠点がある。
【0034】以上の結果より、本発明によれば、焼成し
たパンに強固な空洞を付与でき、またパンの風味、食感
に違和感を与えず、パン本来の持つ風味や食感を強調す
ることができる、フィリングであることは明らかであ
る。
たパンに強固な空洞を付与でき、またパンの風味、食感
に違和感を与えず、パン本来の持つ風味や食感を強調す
ることができる、フィリングであることは明らかであ
る。
【0035】
【発明の効果】以上の通り、本発明の空洞パン用フィリ
ングは、パン生地に充填し、焼成することで、パン本来
の食感、風味を損なわずに、強固な空洞を付与できるも
のである。これにより、焼成後のパンに機械的に空洞を
空ける必要がなく、煩雑な作業をする必要がない。その
ため、工業的に菓子パンや調理パンを製造するときにも
生産性を落とすことはない。また、従来の菓子パン、調
理パンに今までに充填が均一に出来なかった、例えばホ
イップタイプの充填材やカスタードクリーム等耐熱性や
機能性を付与されていない充填材を、均一に、パンの商
品価値を下げることなく、充填することが可能になる。
また、本発明のフィリングのパン生地への充填量を変え
ることにより、空洞の大きさが自由に変えられ、充填材
の充填量もまた自由に設定できるようになる。
ングは、パン生地に充填し、焼成することで、パン本来
の食感、風味を損なわずに、強固な空洞を付与できるも
のである。これにより、焼成後のパンに機械的に空洞を
空ける必要がなく、煩雑な作業をする必要がない。その
ため、工業的に菓子パンや調理パンを製造するときにも
生産性を落とすことはない。また、従来の菓子パン、調
理パンに今までに充填が均一に出来なかった、例えばホ
イップタイプの充填材やカスタードクリーム等耐熱性や
機能性を付与されていない充填材を、均一に、パンの商
品価値を下げることなく、充填することが可能になる。
また、本発明のフィリングのパン生地への充填量を変え
ることにより、空洞の大きさが自由に変えられ、充填材
の充填量もまた自由に設定できるようになる。
【0036】よって、本発明は、菓子パンや調理パン分
野に、新しいタイプの商品を生み出すことができ、豊か
な食生活に貢献するとともに、製菓、製パン分野にとっ
て画期的な技術となる。
野に、新しいタイプの商品を生み出すことができ、豊か
な食生活に貢献するとともに、製菓、製パン分野にとっ
て画期的な技術となる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年6月19日(2000.6.1
9)
9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】
【表1】 ペーストの原料組成(重量%) 実施例1 実施例2 実施例3 比較例1 比較例2 糖類 60.0 40.0 70.0 20.0 80.0 澱粉 5.0 1.5 7.0 5.0 5.0 TG 0.05 0.02 0.1 0.05 0.05 その他 3.5 3.5 3.5 3.5 3.5 水 31.45 54.98 19.4 71.45 11.45 比較例3 比較例4 比較例5 比較例6 比較例7 糖類 60.0 60.0 60.0 60.0 60.0 澱粉 5.0 10.0 5.0 5.0 5.0 TG 0.05 0.05 0.0 0.2 0.05 その他 3.5 3.5 3.5 3.5 3.5 水 35.95 26.45 31.5 31.3 31.45 比較例8 糖類 60.0 澱粉 5.0 TG 0.05 その他 3.5 水 31.45
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】
【表2】 空洞パン用フィリングの原料組成(重量%) 実施例1 実施例2 実施例3 比較例1 比較例2 PS 60.0 40.0 60.0 60.0 60.0 油脂 40.0 40.0 40.0 40.0 40.0 比較例3 比較例4 比較例5 比較例6 比較例7 PS 60.0 60.0 60.0 60.0 40.0 油脂 40.0 40.0 40.0 40.0 60.0 比較例8 PS 80.0 油脂 20.0
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】
【表3】 空洞パン用フィリングの評価 実施例1 実施例2 実施例3 比較例1 比較例2 糖度 68 45 80 28 88 注1 比重 0.6 0.6 0.6 0.6 0.6 注2 状態 ◎ ○ ◎ ○ ○ 注3 空洞 ◎ ○ ◎ × ○ 注4 風味 ◎ ◎ ○ ○ × 注5 食感 ◎ ◎ ○ ○ × 注5 比較例3 比較例4 比較例5 比較例6 比較例7 糖度 64 72 68 68 68 比重 0.6 0.6 0.6 0.5 0.5 状態 ○ ○ × × ○ 空洞 × ○ ○ × × 風味 ○ ○ ○ ○ ○ 食感 ○ × × ○ ○ 比較例8 糖度 68 比重 0.9 状態 ○ 空洞 ○ 風味 × 食感 × 注1:株式会社アタゴ製 手持ち屈折計示度を用いたペーストの糖度 注2:空洞パン用フィリングの比重 注3:状態については、ペーストと油脂を混合含気した後の空洞パン用フィリン グの状態を評価した。経時的に状態之変化の無いものを◎、多少あるものを○、 油が分離したり変化が現れたものを×、とした。 注4:空洞については、空洞パン用フィリングを用いて焼成したパンの空洞部に ついての評価を示した。しっかり強固な空洞を◎、充填材が充填できる空洞を○ 、空洞が出来なかったものを×とした。 注5:風味、食感についてはそれぞれの空間用フィリングを用いて焼成したパン と、フィリング入れないで焼成したパンとを。熟練したパネラー10名に試食さ せ、その結果を集約した。相違がみられないものを◎、多少あるもの○、相違の あるものを×とした。
Claims (3)
- 【請求項1】 澱粉、糖類、タマリンド種子ガムからな
るペーストと油脂を混合、含気させてなる、ことを特徴
とする空洞パン用フィリング。 - 【請求項2】 前記ペーストが、澱粉を1〜7重量%、
糖類を30〜70重量%、タマリンド種子ガムを0.0
1〜0.1重量%含む、ことを特徴とする請求項1記載
の空洞パン用フィリング。 - 【請求項3】 請求項1または2記載のペースト50〜
70重量%と、油脂30〜50重量%とを混合し、含気
させることを有してなる、ことを特徴とする空洞パン用
フィリングの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000135360A JP3489097B2 (ja) | 2000-05-09 | 2000-05-09 | 空洞パン用フィリング及びその製造方法 |
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---|---|---|---|
JP2000135360A JP3489097B2 (ja) | 2000-05-09 | 2000-05-09 | 空洞パン用フィリング及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001314149A true JP2001314149A (ja) | 2001-11-13 |
JP3489097B2 JP3489097B2 (ja) | 2004-01-19 |
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ID=18643449
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000135360A Expired - Fee Related JP3489097B2 (ja) | 2000-05-09 | 2000-05-09 | 空洞パン用フィリング及びその製造方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3489097B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016158596A1 (ja) * | 2015-03-27 | 2016-10-06 | ソントンホールディングス株式会社 | ゲル状食品のペースト状プレミックス及びその製造方法 |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5554846A (en) * | 1978-10-17 | 1980-04-22 | Asahi Denka Kogyo Kk | Bread producing method |
JPS62275646A (ja) * | 1986-02-04 | 1987-11-30 | Asahi Denka Kogyo Kk | 高粘性水中油型乳化物の製造法 |
JPH03108439A (ja) * | 1989-09-22 | 1991-05-08 | Miyoshi Oil & Fat Co Ltd | 空洞形成剤 |
JPH03247230A (ja) * | 1990-02-27 | 1991-11-05 | Miyoshi Oil & Fat Co Ltd | 空洞を有するパン類の製造法 |
JPH0436150A (ja) * | 1990-05-31 | 1992-02-06 | Q P Corp | フラワーペースト |
JPH09154492A (ja) * | 1995-12-04 | 1997-06-17 | Matsutani Chem Ind Ltd | フラワーペースト |
-
2000
- 2000-05-09 JP JP2000135360A patent/JP3489097B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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WO2016158596A1 (ja) * | 2015-03-27 | 2016-10-06 | ソントンホールディングス株式会社 | ゲル状食品のペースト状プレミックス及びその製造方法 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3489097B2 (ja) | 2004-01-19 |
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